説明

車載用ノブスイッチ

【課題】操作キーをガタ付きなくスムーズに押圧操作できると共に静電破壊を確実に回避できる車載用ノブスイッチを提供すること。
【解決手段】筒状のハウジング1の内部に配設されたホルダ2が回路基板3を保持し、この回路基板3上にプッシュスイッチ9や照光用のLED10等が実装されていると共に、プッシュスイッチ9を押圧駆動する操作キー5がハウジング1の開口11a内に露出して昇降可能な車載用ノブスイッチであって、ホルダ2に開口11aと対向する逃げ部2aを設けて、ハウジング1には開口11a周縁部から逃げ部2a内へ延びるガイド壁13を設け、このガイド壁13に操作キー5のスライド脚片5cを摺動自在に嵌合させる。また、回路基板3上で少なくともプッシュスイッチ9近傍の側縁部を覆う絶縁ゴムシート7を備え、その舌片7bを逃げ部2a内でガイド壁13やスライド脚片5cと回路基板の該側縁部との間に介在させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状のハウジングが揺動可能なストークスイッチ等と称せられる車載用ノブスイッチに係り、特に、ハウジングの外周面に押圧操作用の操作キーが配設されている車載用ノブスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に自動車のステアリングコラムの近傍には、ワイパーやヘッドライト等の動作を制御するためのストークスイッチと称せられる車載用ノブスイッチが配設されている。この種の車載用ノブスイッチには、通常、ステアリングコラム側に揺動可能に支持された筒状のハウジングと、このハウジング内でホルダに保持された回路基板と、ハウジングの外周面に露出する操作キーや操作リングとが具備されており、回路基板には、操作キーに押圧駆動されるプッシュスイッチや発光ダイオード等の各種電子部品が実装されている。そして、ユーザがハウジングを揺動操作したり操作キーを押圧操作したり操作リングを回転操作することによって、ワイパー装置のオン/オフ切換えや強弱および間欠動作の切換え、あるいはヘッドライトのオン/オフ切換えやビーム切換え等が行われるようになっている。
【0003】
このようにハウジングの外周面に押圧操作用の操作キーが配設されている車載用ノブスイッチの従来例としては、ハウジングの内部に配設したガイド体によって操作キーを昇降可能に支持するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このガイド体はスナップ結合等の固定手段を用いてホルダに一体化されており、回路基板に実装されたプッシュスイッチはガイド体によって包囲されている。ガイド体にはプッシュスイッチと対向する位置に円筒状のガイド部が設けられており、操作キーの裏面から突出するボスをこのガイド部に摺動自在に嵌合させることによって、操作キーをスムーズに押圧操作できるようになっている。
【特許文献1】特開10−269898号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の車載用ノブスイッチにおいて、デザイン上の制約等によってハウジングの内部空間が狭くなると、前述した従来例のようなガイド体を設置するスペースを確保することが困難になるため、ガイド体を省略してハウジング自体で操作キーの昇降動作を案内させることが必要となる。その場合、操作キーが露出するハウジングの開口の周縁に、回路基板の板厚方向に沿って内方へ延びるガイド部を設け、このガイド部を摺動面として操作キーの昇降動作を案内すれば良いが、ハウジング内には回路基板を保持するホルダが組み込まれているため、これらガイド部とホルダとが干渉し合わないように配慮した構造が望まれる。
【0005】
例えば、ハウジングの開口の周縁から内方へ延びるガイド部の長さ寸法を、この開口とホルダ間の距離よりも短く設定しておけば、ガイド部とホルダとを非接触に保つことができる。しかし、このような構造にするとガイド部に十分な長さが確保できないため、押圧操作時の操作キーに大きなガタ付きが発生しやすくなるという問題が起こる。
【0006】
また、こうした構造を採用した場合、人体等に帯電している静電気がハウジングの開口からガイド部等に沿って内部へ侵入し、この静電気によって回路基板上の電子部品が破壊される虞がある。すなわち、操作キーとハウジングの開口との間には操作キーの昇降動作を円滑に行うために若干の隙間が必要なので、この隙間からハウジング内へ侵入した静電気が回路基板上に達し、半田接合部やスルーホール等を介してスイッチや発光ダイオード等の電子部品へ流入し、それらの電子部品が静電破壊を引き起こす危険性がある。それゆえ、信頼性を確保するためには特別な静電対策が必要となる。
【0007】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、操作キーをガタ付きなくスムーズに押圧操作できると共に静電破壊を確実に回避できる車載用ノブスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の車載用ノブスイッチは、開口を有する筒状のハウジングと、このハウジングの内部に配設されて相対向する側壁に前記開口と対向する切欠き形状の逃げ部を設けたホルダと、このホルダ上に保持された回路基板と、この回路基板上に実装されたプッシュスイッチおよび他の電子部品と、前記開口内に露出して前記プッシュスイッチを押圧駆動可能な操作キーと、前記回路基板上で少なくとも前記プッシュスイッチの近傍の側縁部を覆う絶縁ゴムシートとを備え、前記ハウジングに前記開口周縁部から前記逃げ部に向かって延びる複数のガイド部を設け、かつ前記操作キーに前記ハウジング内へ突出する複数のスライド部を設けて、これらスライド部を前記ガイド部に摺動自在に嵌合させると共に、前記絶縁ゴムシートに前記逃げ部に配置される舌片を延設し、この舌片が前記ガイド部および前記スライド部と前記回路基板の前記側縁部との間に存するという構成にした。
【0009】
このように構成された車載用ノブスイッチでは、押圧操作時に操作キーのスライド部を摺動させて昇降動作を案内するガイド部が、ハウジングの開口周縁部からホルダの逃げ部内まで延びているため、操作キーをガタ付きなく昇降させることができる。また、ホルダの逃げ部内に位置するハウジングのガイド部や操作キーのスライド部は回路基板の側縁部と近接することになるが、該側縁部は絶縁ゴムシートに覆われており、かつガイド部やスライド部と該側縁部との間には絶縁ゴムシートの舌片が介在しているため、操作キーとハウジングの開口との間の隙間から静電気が侵入しても、この静電気は絶縁ゴムシートに遮断されて回路基板の側縁部に露出する半田接合部やスルーホール等へ流入する虞はない。
【0010】
上記の構成において、回路基板上の側縁部にプッシュスイッチを照光するための発光ダイオード(LED)が実装されている場合、この発光ダイオードを例えばシリコンゴムからなる光透過性の絶縁ゴムシートで覆っておけば、発光ダイオードを照光用の光源として利用しつつその静電破壊を確実に防止できるため好ましい。
【0011】
また、上記の構成において、スライド部が操作キーの裏面四隅に設けられた脚片であり、これら脚片がハウジングのガイド部に設けられた凹溝内に摺動自在に嵌合していると、押圧操作時に操作キーが傾く虞がなくなるため好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車載用ノブスイッチは、押圧操作時に操作キーのスライド部を摺動させて昇降動作を案内するガイド部が、プッシュスイッチを露出させるハウジングの開口の周縁部からホルダの逃げ部内まで延びているため、押圧操作時に操作キーをガタ付きなくスムーズに昇降させることができる。また、ホルダの逃げ部内に位置するハウジングのガイド部や操作キーのスライド部は回路基板の側縁部と近接することになるが、この側縁部は絶縁ゴムシートに覆われており、かつガイド部やスライド部と回路基板の側縁部との間には絶縁ゴムシートの舌片が介在しているため、操作キーとハウジングの開口との間の隙間から静電気が侵入しても、この静電気は絶縁ゴムシートに遮断されて回路基板の側縁部に露出する半田接合部やスルーホール等へ流入する虞はない。それゆえ、回路基板の側縁部に実装されることが多い発光ダイオード等の電子部品の静電破壊が確実に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係る車載用ノブスイッチの平面図、図2は該車載用ノブスイッチの断面図、図3は該車載用ノブスイッチの分解斜視図、図4は該車載用ノブスイッチの内部構造を示す一部破断斜視図、図5は該車載用ノブスイッチの内部構造を示す裏面図、図6は図5のA−A線に沿う断面図、図7は図5のB−B線に沿う断面図、図8は図5のC−C線に沿う断面図、図9は該車載用ノブスイッチの要部を示す斜視図、図10は図9に対応する平面図、図11は図10から絶縁ゴムシートを取り除いた状態を示す平面図である。
【0014】
これらの図に示す車載用ノブスイッチは、コンビネーションスイッチの一部を構成する筒状のハウジング1と、このハウジング1の内部に収納保持されたホルダ2と、このホルダ2上に保持された回路基板3と、ホルダ2に回動可能に支持された操作リング4と、ハウジング1に昇降可能に支持された操作キー5と、ホルダ2に揺動可能に支持された操作ノブ6と、回路基板3上に載置された絶縁ゴムシート7等を備えている。また、回路基板3には、操作リング4の回転操作時に駆動されるスライダ8や、操作キー5の押圧操作時に駆動されるプッシュスイッチ9や、操作ノブ6の揺動操作時に駆動されるスイッチ素子14や、照光用の発光ダイオード(以下、LEDと略称する)10を含む各種電子部品が実装されている。
【0015】
ハウジング1は、下面を開放する合成樹脂製のケース11と、このケース11の下面開放端を蓋閉する合成樹脂製のカバー12とからなり、これらケース11とカバー12はスナップ結合によって一体化されている。ケース11の外周面には開口11aが設けられており、この開口11aに操作キー5の操作面5aが露出している。また、開口11aの周縁部の裏面側には、ケース11の内壁面と一体的に4個のガイド壁13が設けられており、各ガイド壁13に形成された凹溝13aが開口11aの四隅近傍から下方へ直線状に延びている。また、ケース11とカバー12の外周面には、相対向する箇所にそれぞれ別の開口11b,12aが設けられており、これら開口11b,12aに操作リング4の一部が露出している。さらに、ケース11の先端部には貫通孔11cが設けられており、操作ノブ6の操作面6aがこの貫通孔11cに露出している。
【0016】
操作キー5は合成樹脂製であり、その操作面5aの裏面側の中央部に垂設された駆動突起5bが回路基板3上に実装されたプッシュスイッチ9のステム9a上に搭載されている。また、操作キー5の操作面5aの裏面側には、駆動突起5bを包囲するように4片のスライド脚片5cと1片の抜け止め片5dとが垂設されている。各スライド脚片5cは操作面5aの裏面側の四隅から下方へ直線状に延びて対応するガイド壁13の凹溝13a内に摺動自在に嵌合しているため、操作キー5はケース11に昇降可能に支持されている。また、抜け止め片5dの下端部が回路基板3の係止孔3aに係止されるため、操作キー5はケース11からの脱落が防止されている。この操作キー5には光透過性の樹脂材料からなる照光部5eが嵌着されて操作面5aに露出しており、回路基板3上に実装されたLED10の光によって照光部5eが照光されるようになっている。
【0017】
ホルダ2はハウジング1(ケース11とカバー12)の内部空間に沿って延びる合成樹脂製の長尺体であり、ネジ19を用いてケース11に固定されている。ケース11の開口11aと対向する部位において、このホルダ2の相対向する側壁には切欠き形状の逃げ部2aが形成されており、ホルダ2の幅寸法は逃げ部2aの形成箇所が部分的に狭くなっている。図5と図8に示すように、ケース11の各ガイド壁13は逃げ部2a内を通ってホルダ2の下部側方まで達しており、操作キー5の各スライド脚片5cはホルダ2を跨ぐようにして、逃げ部2a内で対応するガイド壁13の凹溝13a内に嵌合している。ホルダ2の下部には長手方向に沿って直線状に延びる長孔2bが形成されており、図示せぬ摺動子を有するスライダ8の垂下片8aがこの長孔2bに摺動自在に挿通されている。また、ホルダ2にはスライダ8を包囲するように半円筒状部2cが形成されており、この半円筒状部2cにはスプリング15を介して金属球16が保持されている。また、ホルダ2には複数の係止突起2dが上向きに突設されており、これら係止突起2dによって回路基板3が保持されている。
【0018】
操作リング4は円筒状の駆動体17に外嵌されて一体化されており、この駆動体17がホルダ2の半円筒状部2cに回転可能に保持されている。これら操作リング4と駆動体17は合成樹脂製であり、駆動体17の周壁にはクリック孔17aと螺旋状孔17bとが形成されている。クリック孔17aには金属球16が係脱可能となっており、螺旋状孔17bにはスライダ8の垂下片8aが摺動自在に係合している。駆動体17が周方向へ回転すると螺旋状孔17bの内壁が垂下片8aを駆動するため、スライダ8が長孔2bに沿って直線的に移動すると共に、金属球16がクリック孔17aに係脱してクリック感が生起されるようになっている。すなわち、ハウジング1に対して操作リング4を回転操作すると、操作リング4に連動して回転する駆動体17の回転力がスライダ8の直線運動に変換されるようになっている。
【0019】
回路基板3はホルダ2上に載置されて、操作リング4および駆動体17を外挿した位置決め状態で複数の係止突起2dを用いて固定されている。回路基板3の上面にはプッシュスイッチ9やLED10等が実装されており、プッシュスイッチ9のステム9a上に操作キー5が搭載されている。また、回路基板3にはプッシュスイッチ9の近傍に係止孔3aが穿設されており、この係止孔3aに抜け止め片5dを係止させることによって操作キー5の脱落が防止されている。LED10は回路基板3の一側とプッシュスイッチ9との間に配設されており、このLED10から出射される光によって操作キー5の照光部5eが照光されるため、暗所においても操作キー5の操作面5aを明瞭に視認できるようになっている。回路基板3の下面には、操作ノブ6によって駆動されるスイッチ素子14が実装されていると共に、スライダ8の図示せぬ摺動子が摺接する固定接点18がパターン形成されており、これらスライダ8と固定接点18によってスライドスイッチが構成されている。回路基板3はホルダ2の平面形状よりも小さめな細長形状をしており、図6〜図11に示すように、逃げ部2aの形成部分でホルダ2と回路基板3の幅寸法はほぼ等しいが、それ以外の部分ではホルダ2が回路基板3よりも幅広に設定されている。また、回路基板3の一端部にはフレキシブルプリント基板20が接続されており、プッシュスイッチ9やスイッチ素子14や固定接点18等から出力される電気信号がこのフレキシブルプリント基板20を介して外部回路へ導出されるようになっている。
【0020】
絶縁ゴムシート7はシリコンゴムからなる光透過性のシートである。図3と図9に示すように、この絶縁ゴムシート7は、回路基板3の上面の大部分を覆う基板被覆部7aと、基板被覆部7aの両側縁から延出して垂下する一対の舌片7bとに大別される。基板被覆部7aには、LED10を覆うための膨出部7cや、プッシュスイッチ9を挿通してその外壁面に圧着させるための筒状部7dや、回路基板3の係止孔3aやネジ19等を露出させるための複数の窓孔7eが形成されている。また、一対の舌片7bは、膨出部7cおよび筒状部7dの側方から延設されてホルダ2の逃げ部2a内に垂下している。図5と図8に示すように、逃げ部2a内において舌片7bはガイド壁13やスライド脚片5cと回路基板3の側面との間に位置しており、回路基板3の側面近傍に配設されているLED10の半田接合部やスルーホール等は絶縁ゴムシート7に覆われた状態となっている。したがって、これらガイド壁13やスライド脚片5cを介して外部から静電気が侵入した場合でも、その静電気は絶縁ゴムシート7に遮断されるためLED10へ流入する可能性は極めて低くなっている。
【0021】
このように構成された車載用ノブスイッチにおいて、ユーザが操作リング4を回転操作すると、駆動体17が一体的に回転して垂下片8aを駆動するため、スライダ8が長孔2bに沿って直線的に移動する。その結果、スライダ8の摺動子と回路基板3の固定接点18との接触位置が変化して、操作リング4の回転操作に応じた電気信号が回路基板3からフレキシブルプリント基板20を介して外部回路へ出力される。また、駆動体17の回転に伴って金属球16がクリック孔17aと係脱するため、ユーザの手指にクリック感が伝達される。
【0022】
また、ユーザがハウジング1の開口11a内に露出する操作キー5の操作面5aを押圧操作すると、この操作キー5の駆動突起5bによってプッシュスイッチ9のステム9aが押下されるため、プッシュスイッチ9のオン/オフ信号が回路基板3からフレキシブルプリント基板20を介して外部回路へ出力される。そして、押圧操作力を取り除くと、操作キー5はプッシュスイッチ9に内蔵されている図示せぬ戻しばねの弾性反発力によって元の高さ位置まで押し上げられる。また、かかる押圧操作時には操作キー5のスライド脚片5cがケース11のガイド壁13に沿って移動するため、操作キー5の昇降動作はガタ付きなく行われる。
【0023】
また、ユーザがハウジング1の貫通孔11c内に露出する操作ノブ6を揺動操作すると、この操作ノブ6に駆動されてスイッチ素子14の接点切換えが行われるため、スイッチ素子14のオン/オフ信号が回路基板3からフレキシブルプリント基板20を介して外部回路へ出力される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態例に係る車載用ノブスイッチは、押圧操作時に操作キー5のスライド脚片5cを摺動させて昇降動作を案内するガイド壁13が、ハウジング1(ケース11)の開口11aの周縁部からホルダ2の逃げ部2a内まで延びているため、操作キー5をガタ付きなくスムーズに昇降させることができる。また、ケース11自体に操作キー5のガイド壁13が一体形成してあるため、別部材からなるガイド体によって操作キーを案内するものに比べるとガイド機構の占有スペースが少なくなり、その分、車載用ノブスイッチのデザイン上の自由度を高めることができる。さらに、ホルダ2の逃げ部2a内に位置するガイド壁13やスライド脚片5cが回路基板3の側縁部と近接する構成になっているものの、該側縁部は絶縁ゴムシート7に覆われており、かつガイド壁13やスライド脚片5cと該側縁部との間には絶縁ゴムシート7の舌片7bが介在しているため、操作キー5とケース11の開口11aとの間の隙間から静電気が侵入しても、この静電気は絶縁ゴムシート7に遮断されて回路基板3の側縁部に露出するLED10の半田接合部やスルーホール等へ流入する虞はなく、それゆえ照光用としてプッシュスイッチ9に近接して実装されるLED10の静電破壊を確実に回避できる。
【0025】
なお、上記実施形態例では、ハウジング1に回転操作用の操作リング4と押圧操作用の操作キー5と揺動操作用の操作ノブ6とを配設した車載用ノブスイッチについて説明したが、本発明はハウジング1に少なくとも操作キー5が配設されている車載用ノブスイッチに適用可能であり、操作リング4や操作ノブ6は必要に応じて省略したり、あるいは操作ノブ6に代えて押圧操作用の操作キーを配設してもよい。
【0026】
また、上記実施形態例ではハウジング1がケース11とカバー12を組み合わせて構成されており、このうちケース11に操作キー用の開口を設けた場合について説明したが、カバー12に操作キー用の開口を設けてもよく、ハウジングが予め筒状に成形されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態例に係る車載用ノブスイッチの平面図である。
【図2】該車載用ノブスイッチの断面図である。
【図3】該車載用ノブスイッチの分解斜視図である。
【図4】該車載用ノブスイッチの内部構造を示す一部破断斜視図である。
【図5】該車載用ノブスイッチの内部構造を示す裏面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図8】図5のC−C線に沿う断面図である。
【図9】該車載用ノブスイッチの要部を示す斜視図である。
【図10】図9に対応する平面図である。
【図11】図10から絶縁ゴムシートを取り除いた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ハウジング
2 ホルダ
2a 逃げ部
3 回路基板
3a 係止孔
5 操作キー
5c スライド脚片(スライド部)
5d 抜け止め片
5e 照光部
7 絶縁ゴムシート
7a 基板被覆部
7b 舌片
9 プッシュスイッチ
10 発光ダイオード(LED)
11 ケース
11a 開口
12 カバー
13 ガイド壁(ガイド部)
13a 凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筒状のハウジングと、このハウジングの内部に配設されて相対向する側壁に前記開口と対向する切欠き形状の逃げ部を設けたホルダと、このホルダ上に保持された回路基板と、この回路基板上に実装されたプッシュスイッチおよび他の電子部品と、前記開口内に露出して前記プッシュスイッチを押圧駆動可能な操作キーと、前記回路基板上で少なくとも前記プッシュスイッチの近傍の側縁部を覆う絶縁ゴムシートとを備え、
前記ハウジングに前記開口周縁部から前記逃げ部に向かって延びる複数のガイド部を設け、かつ前記操作キーに前記ハウジング内へ突出する複数のスライド部を設けて、これらスライド部を前記ガイド部に摺動自在に嵌合させると共に、前記絶縁ゴムシートに前記逃げ部に配置される舌片を延設し、この舌片が前記ガイド部および前記スライド部と前記回路基板の前記側縁部との間に存するという構成にしたことを特徴とする車載用ノブスイッチ。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記回路基板上の前記側縁部に前記プッシュスイッチを照光するための発光ダイオードが実装されており、この発光ダイオードを覆う前記絶縁ゴムシートが光透過性材料からなることを特徴とする車載用ノブスイッチ。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記絶縁ゴムシートがシリコンゴムからなることを特徴とする車載用ノブスイッチ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記スライド部が前記操作キーの裏面四隅に設けられた脚片であり、これら脚片が前記ガイド部に設けられた凹溝内に摺動自在に嵌合していることを特徴とする車載用ノブスイッチ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−192558(P2008−192558A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28269(P2007−28269)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】