車載用情報装置
【課題】タッチパネル上でのジェスチャ操作を瞬時かつ正確に行い、自動車の操縦に係る安全性の向上を図る車載用情報装置を提供する。
【解決手段】
フレーム板150は、所定の板厚を有し、ジェスチャ用開口部Hcと、必要に応じてタッチ用開口部Hs1〜Hs4が形成される。このうち、ジェスチャ用開口部Hcは、ジェスチャ領域に沿って楕円状に形成されている。このため、ジェスチャ操作を行う際の指先fgの移動方向がフレーム板の内周面に案内(感覚的な誘導)されて、正確にジェスチャ領域内を移動することとなる。
【解決手段】
フレーム板150は、所定の板厚を有し、ジェスチャ用開口部Hcと、必要に応じてタッチ用開口部Hs1〜Hs4が形成される。このうち、ジェスチャ用開口部Hcは、ジェスチャ領域に沿って楕円状に形成されている。このため、ジェスチャ操作を行う際の指先fgの移動方向がフレーム板の内周面に案内(感覚的な誘導)されて、正確にジェスチャ領域内を移動することとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用情報装置に関し、特に、タッチパネルの操作を瞬時かつ正確に行う際に用いて好適のものである。
【背景技術】
【0002】
近年、運転中の車両情報を表示させる情報端末の開発が進められている。かかる情報端末(以下、車載用情報装置と呼ぶ)は、液晶ディスプレイ等の表示手段にタッチパネルを積層させており、操作者によるタッチパネル上の操作が車載用情報装置によって認識され、これにより、液晶ディスプレイの表示画面操作又は各種車載機器の操作を実現させている。
【0003】
例えば、特開平9−050235号公報(特許文献1)では、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビと呼ぶ)に係る車載用情報装置が紹介されている。かかる車載用情報装置は、GPS受信機とCD−ROMユニットと液晶ディスプレイとスイッチユニットと、これらの装置の制御を行うナビゲーションユニットとから構成される。スイッチユニットは、パネル上の操作を検出する光透過性のタッチパネルを備え、当該タッチパネルが液晶ディスプレイの表示画面に積層されるように組付けられる。また、タッチパネルは、液晶ディスプレイの表示画像に連動して制御され、表示画像の示す擬似的な操作領域(ボタン操作又はスクロール操作を促す画像)に対応してセンサが形成される。
【0004】
カーナビに係る車載用情報装置では、例えば、液晶ディスプレイがメニュー画面を表示しているとき、当該メニュー画面のボタン画像に対応してタッチパネル上にタッチセンサが形成される。また、メニュー画面上の所定のボタンに対してタッチ操作が行われると、タッチパネル上のタッチセンサがこれを認識し、かかる操作に対応して、液晶ディスプレイの画像と、タッチパネルのセンサの構成が切換えられる。
【0005】
また、タッチパネルは、上述したタッチセンサに限らず、スクロール動作を認識することも可能である。図14(a)は、スクロール動作を認識することが可能な車載用情報装置11が示されている。同図における液晶ディスプレイは、選択ボタンN5a、決定ボタンN5b、解除ボタンN5c、全保存データのうち部分領域のみ表示させるスクロール画像N6、ポインタN6z、その他、現在の表示領域を知らせるスクロールバーが表示されている。
【0006】
このとき、タッチパネルでは、選択ボタンN5a及び決定ボタンN5b及び解除ボタンN5cに対応させて、タッチセンサが各々形成される。また、タッチパネルのスクロール画像N6に対応する領域では、指などのスクロールジェスチャを認識するジェスチャ用センサが形成される。そして、車載用情報装置11は、スクロール操作(特許請求の範囲におけるジェスチャ操作)に応じて住所録等の表示画像(スクロール画像)を移動させ、選択ボタンN5a又は決定ボタンN5b又は解除N5cに対するタッチ操作を認識することで、所定の住所の選択・解除等に係る処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−050235号公報
【特許文献2】特開平9−265352号公報
【特許文献3】特開2005−227834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る技術では、自動車の運転中にタッチパネルを操作しようとすると、ドライバーは車外の変化状況に注意を払わねばならないので、車載用情報装置のディスプレイを視認できる時間は非常に限られている。このため、図14(b)に示す如く、スクロール操作を行なう場面では、タッチパネル上の他のセンサを誤って操作してしまうとの問題が生じる。
【0009】
特に、図14(b)のように、スクロール操作のアクション方向の先にタッチセンサが設けられていると、タッチパネル上での誤操作が起こりやすくなる。更に、車載用情報装置の多機能化が進むと、タッチパネルにレイアウトさせるセンサの配置密度が高くなり、これも、タッチパネル上での誤操作が起こりやすくなる原因となる。
【0010】
尚、特開平9−265352号公報(特許文献2)又は特開2005−227834号公報(特許文献3)では、タッチパネルの操作者側にフレームを配置させる発明が記載されているものの、タッチパネルにおけるジェスチャ操作に関係するものではない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、タッチパネル上でのジェスチャ操作を瞬時かつ正確に行い、自動車の操縦に係る安全性の向上を図る車載用情報装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、第1の発明では次のような車載用情報装置の構成とする。即ち、タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部と、前記タッチパネルの操作者側に積層され前記ジェスチャ操作を検知するジェスチャ領域に沿って開口部が形成されているフレーム板とを備えることとする。
【0013】
好ましくは、前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を少なくとも配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることとする。
【0014】
好ましくは、前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域の全部又は一部に対応し且つ前記タッチセンサ領域を排除させて開口されたジェスチャ用開口部と、前記タッチセンサ領域を配置させるように開口されたタッチ用開口部とが形成されていることとする。
【0015】
好ましくは、前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域と前記タッチセンサ領域とを隔絶させる隔絶壁を有することとする。
【0016】
好ましくは、前記フレーム板は、当該フレーム板の主構成を成す主フレームに前記隔絶壁が一体的に形成されていることとする。
【0017】
好ましくは、前記ジェスチャ用開口部は、前記ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を操作者に感知させる操作感知手段が形成されていることとする。
【0018】
好ましくは、前記ジェスチャ用開口部の断面形状は、パネル側の辺を上底とし操作者側の辺を下底とすると、前記下底が前記上底の投影範囲を全て包含する台形形状であることとする。
【0019】
好ましくは、前記表示手段は、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面に映し出す画像の波長をλとすると、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面において、570(nm)≦λ≦750(nm)、の波長の光を含む画像を映し出していることとする。
【0020】
好ましくは、前記制御部は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号を出力することとする。
【0021】
また、第2の発明では次のような車載用情報装置の構成とする。即ち、タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部とを備え、
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ部を配置させたタッチセンサ領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることとする。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明に係る車載用情報装置によると、ジェスチャ操作を案内させるフレーム板がタッチパネル上に設けられるので、ドライバーは、タッチパネルを殆ど見なくとも、車外の変化状況に注意を払いながら、ジェスチャ操作を行うことが可能となる。
【0023】
また、第2の発明に係る車載用情報装置によると、タッチパネルで形成されるセンサは、ジェスチャ操作を専用に検出する領域を周状としたので、ジェスチャ操作のアクション方向の先にタッチセンサが配置されなくなり、これにより、タッチパネル上での誤操作が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る車載用情報装置の機能ブロック図。
【図2】本実施の形態に係るタッチパネルにおけるタッチパッドのパターンを示す図。
【図3】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(メニュー画面)。
【図4】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(カーナビ選択時画面)。
【図5】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(カーナビ目的地設定画面)。
【図6】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(エアコン操作画面)。
【図7】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(CD操作画面)。
【図8】タッチパネル上で行なわれるジェスチャ操作を説明する図。
【図9】実施例1に係る車載用情報装置の構成を説明する図。
【図10】実施例1に係るフレーム板の形状を示す図。
【図11】実施例2に係るフレーム板の構成を示す図。
【図12】実施例3及び実施例4に係るフレーム板の構成を示す図。
【図13】実施例4に係る車載用情報装置を示す図。
【図14】従来例に係るタッチパネルのジェスチャ操作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る車載用情報装置の機能ブロック図が示されている。車載用情報装置100は、デバイス制御部110と、表示制御部120と、表示手段130と、タッチパネル140とから構成される。尚、特許請求の範囲における制御部は、本実施の形態の場合、デバイス制御部110と表示制御部120とによって構成されることとなる。
【0026】
また、車載用情報装置100は、図示の如く、カーナビゲーションデバイス300、エアコン400、オーディオ装置500が各々接続されている。これらは全て、自動車に搭載されるデバイスであって、デバイス制御部110によって制御される。
【0027】
カーナビゲーションシステム300は、GPS装置及びCD−ROMユニットを備え、衛星通信を利用して、自動車の位置情報及び道路交通情報などを受信し、車載用情報装置のディスプレイに取得した情報(デジタル地図、現在位置情報、渋滞情報等)を表示させる。
【0028】
また、エアコン400及びオーディオ装置500についても、各指令信号に基づいて、空調を制御し、或いは、ラジオ放送またはCD等の音声情報をデコードさせスピーカーからそれらの音声を出力させる。
【0029】
以下、車載用情報装置100の構成について説明する。デバイス制御部110は、CPU及びメモリ回路等の情報処理回路によって構成され、本実施の形態では、これらのハードウェア資源が所定のプログラムと協同して機能することにより、第1の制御部111及び第2の制御部112及び第3の制御部113とが機能することとなる。
【0030】
図示の如く、第1の制御部111はカーナビゲーションデバイス300の制御を行い、第2の制御部112はエアコン400の制御を行い、第3の制御部113はオーディオ装置500の制御を行う。また、デバイス制御部110は、これら車載デバイスの動作状況に相当する情報を表示制御部120へ提供する。ここで、車載デバイスの動作状況に相当する情報とは、例えば、自動車の現在位置情報、交通渋滞情報、サーミスタで検出された温度情報、CDプレーヤーの演奏情報(タイトル,残り時間等の情報)を指す。
【0031】
液晶パネル130は、バックライト,カラーフィルター,液晶モジュール,偏光板,保護層等が積層された多層構造をなしている。そして、入力された信号に応じて、液晶モジュール内に充填された液晶の配向を制御させ、操作者側へ通過する光の領域を制御する。このとき、操作者は、カラーフィルターを通過した光を表示画像として認識することとなる。尚、特許請求の範囲における表示手段は、かかる液晶パネルに限定されることなく、CRT、又は、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の、他の装置に置換えることが可能である。
【0032】
タッチパネル140は、パネル面が押圧されている座標を認識する抵抗膜方式、透明導電膜を透明基板に実装させた静電容量方式等、種々の技術が用いられ得る。例えば、静電容量方式のタッチパネルは、透明基板にTIO(Indium Tin Oxido)をパターン蒸着させ透明導電膜を形成させたものである。当該静電容量方式の第1の形態は、図2(a)〜図2(c)に示す如く、Y軸方向に透明センサ(TIO)a1〜a6を数珠繋ぎ状に蒸着させた導電膜層141aと、X軸方向に透明センサ(TIO)b1〜b3を数珠繋ぎ状に蒸着させた導電膜層141bとを積層させ、図2(c)の導電膜層140を形成させる。かかるタッチパネル140は、双方の導電膜層の透明センサに電圧を印加させておき、操作者の指等が接近したときのセンサの電荷量の変動を検出する。従って、当該タッチパネルでは、タッチされたセンサの座標が検知されることとなり、また、指先をスライドさせることにより隣接するセンサの電荷量が連続的に変化し、ジェスチャ操作が検知されることとなる。この場合、プログラムで規定された座標の集合がセンサとしての領域を構成し、そのセンサの領域構成は液晶パネルの画面表示に応じて適宜変化される。このように、タッチパネルは、あらゆる技術を用いてセンサの領域構成が適宜変更・付与されるものであって、本実施の形態では其の技術内容を特に限定するものではない。
【0033】
図2(d)には、静電容量方式の第2形態が示されている。かかるタッチパネル140は、画面の表示に合わせて透明導電膜が予め形成されている。この場合のタッチパネル140では、液晶パネルの表示に合わせて、必要な透明導電膜が機能するように制御される。
【0034】
図1に戻り、表示制御部120について説明する。当該表示制御部120は、タッチパネル140で行われた操作を認識し、これに応じて、液晶パネル130の表示と、タッチパネル140のセンサとしての領域構成とを切換える。尚、液晶パネル130には、デバイス制御部110で検出した取得情報(デジタル地図、現在位置情報、渋滞情報等)が適宜反映される。
【0035】
以下、図3乃至図7を参照し、液晶パネル130の表示画像と、タッチパネル140のセンサとしての領域構成とについて説明する。尚、タッチパネル140のセンサとしての領域構成(以下、センサ領域構成と呼ぶ)について、タッチ操作が行われることが予定されているセンサ領域をタッチセンサ領域とし、スクロール操作等のジェスチャ操作が行われることが予定されている領域をジェスチャ領域とする。
【0036】
図3は、メニュー画面における、液晶パネルの表示画像とタッチパネルのセンサ領域構成とが示されている。かかる場面では、図3(a)に示す如く、液晶パネル130の表示画面に、カーナビ機能選択画像M1とエアコン機能選択画像M2とオーディオ装置選択画像M3とが映し出される。
【0037】
このとき、タッチパネル140では、カーナビ機能選択画像M1の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm1が形成され、エアコン機能選択画像M2の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm2が形成され、オーディオ装置選択画像M3の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm3が形成される。ここで、タッチセンサ領域Pm1はカーナビの操作画面を表示させるセンサとされ、タッチセンサ領域Pm2はエアコンの操作画面を表示させるセンサとされ、タッチセンサ領域Pm3はオーディオ装置の操作画面を表示させるセンサとされる。
【0038】
ここで、タッチセンサ領域Pm1がタッチされると、図4(a)に示す如く、液晶パネル130は、カーナビの操作メニューを表示させる画像N1〜N4を映し出す。このとき、タッチパネル140では、これらの操作画像N1〜N4の画像投射位置にタッチセンサ領域Pn1〜Pn4を各々形成させる。また、本実施の形態にあっては、先のメニュー画面にスキップさせるタッチセンサ領域Pmenuと、一工程前の操作画面へ移動するタッチセンサ領域Pbackとが形成される。
【0039】
ここで例えばタッチセンサ領域Pn2がタッチされると、液晶パネル130は、目的地設定用の画像を映し出す(図5a)。この場合、表示画面には、図示の如く、選択ボタン画像N5a,決定ボタン画像N5b,解除ボタン画像N5c,アドレス表示画像N6,ポインタ表示画像N6z,スクロールバー表示画像N7,ジェスチャ操作誘導画像N8が映し出される。
【0040】
このとき、タッチパネル140では、画像N5a〜N5cに対応してタッチセンサ領域Pn5a〜Pn5cが形成され、この他、スクロールバー表示画像N7を機能させるためのタッチセンサ領域Pn7a及びPn7b,先に説明した表示スキップ用のタッチセンサ領域Pmenu及びPbackが形成される。更に、ジェスチャ操作誘導画像N8に対応する位置には、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8pが連続的に配置される。
【0041】
センサPn8a〜Pn8pを連続的に指先がスライド移動すると、各センサPn8a〜Pn8pにおける電荷量が連続的に変化するので、表示制御部120では、タッチパネルから送られるセンサPn8a〜Pn8pの信号状態を観測することで、指先の移動(ジェスチャ操作)を認識することが可能となる。このようなセンサPn8a〜Pn8pで形成されたジェスチャ領域は、センサPn8a〜Pn8pの各形状及び配列によって其の領域の形状が画定され、当該領域で行われたジェスチャ操作の検知を行う役割を担う。
【0042】
本実施の形態では、ジェスチャ操作が楕円軌道に沿って行われると、表示制御部120ではこの動作を認識し、アドレス表示画像N6の住所録をジェスチャ操作に応じてスクロールさせる。尚、図5(b)に示す如く、タッチパネル140の中心部にストライプ状のセンサ群Pn6を形成させ、パネル中心で行なわれたスクロール操作(ジェスチャ操作)を認識し、アドレス表示画像をスクロールさせる機能を、センサセンサPn8a〜Pn8pと共に併設させても良い。
【0043】
ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p、即ち、ジェスチャ領域は、曲線または直線の集合によって周状にジェスチャ操作が行われる。かかるジェスチャ操作は、閉ざされた領域で行われるので、指先等の移動する領域(ジェスチャ領域)からタッチセンサ領域が排除され、誤ってタッチセンサ領域を操作してしまう危険が低くなる。
【0044】
特に、ジェスチャ領域の形状は、楕円状または円状とされることで其の操作がスムーズとなり、タッチパネル上の誤操作をより一層低減させることが可能となる。
【0045】
また、液晶パネル130で表示されるジェスチャ操作誘導画像N8は、可視光線のうち橙〜赤の間の膨張色(可視光線の波長をλとすると、570〔nm〕≦λ≦750〔nm〕)とされるのが好ましい。人間の視覚は、かかる膨張色の波長域を視認しやすい性質を有するからである。このとき、液晶パネルのジェスチャ誘導画像以外の領域は、黒,青といった膨張色に属さない画像でレイアウトされるのがより好ましい。
【0046】
図6は、メニュー画面からエアコン操作が選択された状態が示されている。図6(a)に示す如く、液晶パネル130には、エアコンの電源ボタン画像A1,ファン出力設定画像A2,温度設定ボタン画像A3,その他、各種設定ボタン画像A4a〜A4dが映し出されている。また、中央部には、機能設定状態及び車内温度が映し出されている(A5)。更に、液晶パネル130には、先と同様、ジェスチャ操作誘導画像A9が映し出されている。
【0047】
このとき、タッチパネル140では、ジェスチャ操作誘導画像A9に対応して、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p(ジェスチャ領域)が形成されている。また、この他の領域には、液晶パネル130の画像に対応して、タッチセンサ領域Pa1〜
Pa4d,Pmenu,Pbackが形成されている。
【0048】
かかる場面では、タッチセンサ領域Pa3a又はPa3bが操作されると(図6b参照)、エアコンの設定温度が変更される。また、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p(ジェスチャ領域)を操作することによっても、設定温度の変更が行われる。尚、他のボタン操作に係る説明は省略することとする。
【0049】
図7は、メニュー画面からオーディオ装置が選択された状態が示されている。図7(a)に示す如く、液晶パネル130には、RWスキップボタン画像C1,停止ボタン画像C2,再生ボタン画像C3,FWスキップボタン画像C4,演奏情報表示画像C5,ジェスチャ操作誘導画像C8が映し出されている。また、タッチパネル140では、液晶パネルの画像に対応させて、ジェスチャ領域及びタッチセンサ領域が適宜に形成される。
【0050】
本実施の形態に係るタッチパネルは、図8(a)に示す如く、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8pが周状に配列され、このジェスチャ領域に沿ってジェスチャ操作を行うこととなる。この場合、ジェスチャ操作の移動軌跡が閉状態のジェスチャ領域D1を形成させる。そして、タッチパネル140に形成されるタッチセンサ領域は、ジェスチャ領域D1の外部(D2,D3)に配置されることとなるため、自ずとジェスチャ領域D1から排除されることとなる。
【0051】
このようなタッチパネル140では、図8(b)に示す如く、操作者に対して感覚的な誘導を行なうことにより、ジェスチャ領域内D1でのジェスチャ操作が行われる。従って、本実施例に係るタッチパネルでは、ジェスチャ操作による指先の運動の側方にタッチセンサ領域が配置されることとなり、誤ってタッチセンサ領域に触れてしまう危険が低下する。また、このように指先の運動が誘導されることで、指先の不要な運動がなくなり、タッチパネルにレイアウトさせるセンサの配置密度を高くすることが可能となる。
【0052】
上述の如く、本実施の形態に係る車載用情報装置100によると、タッチパネル140で形成されるセンサは、ジェスチャ操作を専用に検出する領域を周状としたので、ジェスチャ操作のアクション方向の先にタッチセンサが配置されなくなり、これにより、タッチパネル上での誤操作が回避される。
【0053】
尚、操作者に対して与えられるジェスチャ操作の感覚的な誘導とは、上述したように、ジェスチャ領域の画像を膨張色とし、ジェスチャ領域が容易に視認される状態にすることが其の一態様として考えられる。また、ジェスチャ領域に相当するタッチパネルの表面の質感を他の領域と異ならせることで、指先の感触を頼りにジェスチャ領域の誘導を行なうことも可能である。より好適なものとして、以下説明する実施例では、タッチパネル上にフレーム板を貼り合わせることにより、フレームの輪郭に指先が案内されて「指先が物理的に誘導される」と共に、指先の触覚による「ジェスチャ操作の感覚的な誘導」が行われる。
【実施例1】
【0054】
図9(a)に示す如く、本実施例に係る車載用情報装置100は、デバイス制御部110及び表示制御部120を内蔵させた制御ボックス160と、液晶パネル130と、液晶パネルに積層されたタッチパネル140と、更に、タッチパネルの操縦者側Fcにフレーム板150が追加される。当該フレーム板150は、タッチパネル140の操作者側Fcに積層されている(図9b参照)。
【0055】
図10(a)は、フレーム板150の正面図が示されている。当該フレーム板150は、所定の板厚を有し、ジェスチャ用開口部Hcと、必要に応じてタッチ用開口部Hs1〜Hs4が形成される。
【0056】
このうち、ジェスチャ用開口部Hcは、先に説明したジェスチャ領域に沿って形成され、本実施例では図示の如く楕円形状とされる。かかるジェスチャ用開口部Hcは、図10(b)に示す如く、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成され、これにより、開口部内部に傾斜斜面SfcとエッジEgが形成される。
【0057】
図10(c)は、タッチパネル140にフレーム板150を積層させた状態が示されている。本実施例に係るフレーム板150は、遮光性の樹脂板から製作されているものとする。
【0058】
図示の如く、フレーム板150のジェスチャ用開口部Hcでは、液晶パネル130の画像が操作者側Fcから視認される。このとき、ジェスチャ領域に沿ってジェスチャ用開口部HcのエッジEgが配置される。また、当該ジェスチャ領域の内部には、タッチセンサ領域のセンサ、その他、スクロール用のセンサ等が形成されている。更に、タッチ用開口部Hs1にはタッチセンサPmenuが形成され、タッチ用開口部PbackにはタッチセンサPbackが形成される。
【0059】
フレーム板150がタッチパネル140に貼り付けられると、図10(d)に示す如く、ジェスチャ操作を行う際の指先fgの移動方向がフレーム板の内周面に案内(物理的及び感覚的な誘導)されて、より正確にジェスチャ領域内を移動することとなる。
【0060】
このため、ドライバーは、タッチパネルを殆ど見なくとも、車外の変化状況に注意を払いながら、ジェスチャ操作を行うことが可能となる。そして、其のジェスチャ操作を行う指先の運動は、操作者がタッチパネルを殆ど見なくとも、フレーム板の内周面によって、正確な軌跡を辿ることとなる。
【実施例2】
【0061】
図11(a)は、フレーム板の改変例が示されている。ここでは、実施例1で説明したフレーム板と同一構成のものを主フレームと呼び、本実施例で追加される部品を隔絶壁と呼ぶこととする。隔絶壁152は、主フレーム151のジェスチャ用開口部Hcの内部に配置され、本実施例では、当該開口部と同心状の楕円形を呈している。隔絶壁152は、内外において其の開口領域を隔絶させ、タッチ用開口部Hcとジェスチャ用開口部Hdとを形成させる。
【0062】
図11(b)に示す如く、ジェスチャ用開口部Hdは、両側面Sfd及びSfcに勾配が与えられ、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成されている。具体的には、ジェスチャ用開口部の断面形状は、奥側Fnの辺を上底とし手前側Fmの辺を下底とすると、下底が上底の投影範囲を全て包含する台形形状とされている。
【0063】
図11(c)は、かかるフレーム板151及び152をタッチパネル140に積層させた状態が示されている。図示の如く、隔絶壁152は、ジェスチャ用開口部Hdと内部のタッチセンサ領域とを隔絶させている。このように、ジェスチャ用開口部Hdからタッチセンサ領域を排除させ、当該タッチパネルを他の領域に集約させることで、タッチパネル上での誤操作防止が図られる。
【0064】
また、図11(d)に示す如く、本実施例では、ジェスチャ操作を行う際の指先fgが両側の側面によって案内されるので、当該指先fgがジェスチャ領域内をより正確に移動することとなる。また、隔絶壁152が設けられることで、指先fgは、タッチ用開口部Hcへ逸脱してしまう危険が低くなり、これによっても、タッチパネル上での誤操作を回避できる。
【0065】
更に、ジェスチャ用開口部Hdの断面形状は、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成されているので、当該開口部に指先fgを挿入させ易く且つ指先fgを摺動させるのが容易となる。
【実施例3】
【0066】
図12(a)には、実施例2で説明したフレーム板151及び152の変形例が示されている。本実施例に係るフレーム板150は、主フレーム151と隔絶壁152との間に架橋部品150aが適宜設けられる。特に、鋳型を用いてフレーム板を製造させる場合、当該フレーム板150は、一体的に製造することが可能となるので、製造工程の簡素化が図られる。
【0067】
また、図12(b)では、架橋部品150aが更に多く設けられている。このようにすると、ジェスチャ操作時の指先fgに架橋部品150aが連続的に接触するので、当該指先fgの感覚に基づいて、ジェスチャ操作の操作速度等を感知することが可能となる(操作感知手段)。この場合、架橋部品150aの板厚を低く設定する方が、指先の摺動動作をスムーズに行なうことができる。また、主フレーム開口の内周面(側壁)又は隔絶壁152の外周面(側壁)に凸凹等のノッチ(操作感知手段)を形成させても良い。
【実施例4】
【0068】
尚、ここまでの実施例では、ジェスチャ操作が周状に行われる態様について説明してきたが、本発明に係る車載用情報装置は、かかる態様に限定されるものではない。例えば、図13(a)に示す如く、タッチパネル140について、タッチセンサ領域Pe1〜Pe6と、ジェスチャ領域Pe7及びPe8とを形成させる。ジェスチャ領域Pe7では、設定温度又はボリューム等の設定値を上昇させる際に、紙面左側から右側に向かってジェスチャ操作(スライド操作)を行なう。一方、ジェスチャ領域Pe8では、設定温度又はボリューム等の設定値を下降させる際に、紙面右側から左側に向かってジェスチャ操作(スライド操作)を行なう。
【0069】
図13(b)は、かかるタッチパネル140にフレーム板150を積層させている。尚、同図では、非斜線部がフレーム板150の構造部とされ、斜線部がタッチパネル140の露出部とされる。
【0070】
図示の如く、本実施例に係る車載用情報装置100は、各種設定用のタッチセンサ領域Pe1〜Pe6、設定状態を知らせる表示領域、ジェスチャ領域Pe7及びPe8が露出された状態とされ、タッチパネルが露出される領域では、操作者によるタッチ操作又はジェスチャ操作が行われる。
【0071】
また、フレーム板150は、ジェスチャ領域の端部において、フレーム板の内部の枠が形成されるため、指先fgがタッチセンサ領域に侵入するのを防いでいる。
【0072】
従って、本実施例のように、ジェスチャ領域が不連続な状態で設けられても、ジェスチャ操作時における指先fgの運動がフレーム板の構造によって阻まれるので、ジェスチャ操作に起因する誤操作を回避できる
【0073】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記された技術的思想の範囲内において、種々の改良が可能である。例えば、デバイス制御部110は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号をオーディオ装置へ出力させると良い。この場合、タッチパネルの操作者は、視覚,指先の感覚(触覚),聴覚、という複数の感覚器官を通じてジェスチャ操作に関する操作状態を随時認識できるので、より正確なジェスチャ操作が行われるものと考えられる。
【0074】
尚、上述した実施の形態では、エアコン及びオーディオ等の操作機能をタッチパネル上のみで実現させているが、機構的な操作装置を車内に併設させて、タッチパネルに不具合が発生した場合、機構的な操作装置を用いて、これらの車載デバイスを操作するようにしても良い。
【符号の説明】
【0075】
100 車載用情報装置
110 デバイス制御部
120 表示制御部
130 液晶パネル(表示手段)
140 フレーム板
141 主フレーム
142 隔絶壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用情報装置に関し、特に、タッチパネルの操作を瞬時かつ正確に行う際に用いて好適のものである。
【背景技術】
【0002】
近年、運転中の車両情報を表示させる情報端末の開発が進められている。かかる情報端末(以下、車載用情報装置と呼ぶ)は、液晶ディスプレイ等の表示手段にタッチパネルを積層させており、操作者によるタッチパネル上の操作が車載用情報装置によって認識され、これにより、液晶ディスプレイの表示画面操作又は各種車載機器の操作を実現させている。
【0003】
例えば、特開平9−050235号公報(特許文献1)では、カーナビゲーションシステム(以下、カーナビと呼ぶ)に係る車載用情報装置が紹介されている。かかる車載用情報装置は、GPS受信機とCD−ROMユニットと液晶ディスプレイとスイッチユニットと、これらの装置の制御を行うナビゲーションユニットとから構成される。スイッチユニットは、パネル上の操作を検出する光透過性のタッチパネルを備え、当該タッチパネルが液晶ディスプレイの表示画面に積層されるように組付けられる。また、タッチパネルは、液晶ディスプレイの表示画像に連動して制御され、表示画像の示す擬似的な操作領域(ボタン操作又はスクロール操作を促す画像)に対応してセンサが形成される。
【0004】
カーナビに係る車載用情報装置では、例えば、液晶ディスプレイがメニュー画面を表示しているとき、当該メニュー画面のボタン画像に対応してタッチパネル上にタッチセンサが形成される。また、メニュー画面上の所定のボタンに対してタッチ操作が行われると、タッチパネル上のタッチセンサがこれを認識し、かかる操作に対応して、液晶ディスプレイの画像と、タッチパネルのセンサの構成が切換えられる。
【0005】
また、タッチパネルは、上述したタッチセンサに限らず、スクロール動作を認識することも可能である。図14(a)は、スクロール動作を認識することが可能な車載用情報装置11が示されている。同図における液晶ディスプレイは、選択ボタンN5a、決定ボタンN5b、解除ボタンN5c、全保存データのうち部分領域のみ表示させるスクロール画像N6、ポインタN6z、その他、現在の表示領域を知らせるスクロールバーが表示されている。
【0006】
このとき、タッチパネルでは、選択ボタンN5a及び決定ボタンN5b及び解除ボタンN5cに対応させて、タッチセンサが各々形成される。また、タッチパネルのスクロール画像N6に対応する領域では、指などのスクロールジェスチャを認識するジェスチャ用センサが形成される。そして、車載用情報装置11は、スクロール操作(特許請求の範囲におけるジェスチャ操作)に応じて住所録等の表示画像(スクロール画像)を移動させ、選択ボタンN5a又は決定ボタンN5b又は解除N5cに対するタッチ操作を認識することで、所定の住所の選択・解除等に係る処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−050235号公報
【特許文献2】特開平9−265352号公報
【特許文献3】特開2005−227834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に係る技術では、自動車の運転中にタッチパネルを操作しようとすると、ドライバーは車外の変化状況に注意を払わねばならないので、車載用情報装置のディスプレイを視認できる時間は非常に限られている。このため、図14(b)に示す如く、スクロール操作を行なう場面では、タッチパネル上の他のセンサを誤って操作してしまうとの問題が生じる。
【0009】
特に、図14(b)のように、スクロール操作のアクション方向の先にタッチセンサが設けられていると、タッチパネル上での誤操作が起こりやすくなる。更に、車載用情報装置の多機能化が進むと、タッチパネルにレイアウトさせるセンサの配置密度が高くなり、これも、タッチパネル上での誤操作が起こりやすくなる原因となる。
【0010】
尚、特開平9−265352号公報(特許文献2)又は特開2005−227834号公報(特許文献3)では、タッチパネルの操作者側にフレームを配置させる発明が記載されているものの、タッチパネルにおけるジェスチャ操作に関係するものではない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、タッチパネル上でのジェスチャ操作を瞬時かつ正確に行い、自動車の操縦に係る安全性の向上を図る車載用情報装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、第1の発明では次のような車載用情報装置の構成とする。即ち、タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部と、前記タッチパネルの操作者側に積層され前記ジェスチャ操作を検知するジェスチャ領域に沿って開口部が形成されているフレーム板とを備えることとする。
【0013】
好ましくは、前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を少なくとも配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることとする。
【0014】
好ましくは、前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域の全部又は一部に対応し且つ前記タッチセンサ領域を排除させて開口されたジェスチャ用開口部と、前記タッチセンサ領域を配置させるように開口されたタッチ用開口部とが形成されていることとする。
【0015】
好ましくは、前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域と前記タッチセンサ領域とを隔絶させる隔絶壁を有することとする。
【0016】
好ましくは、前記フレーム板は、当該フレーム板の主構成を成す主フレームに前記隔絶壁が一体的に形成されていることとする。
【0017】
好ましくは、前記ジェスチャ用開口部は、前記ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を操作者に感知させる操作感知手段が形成されていることとする。
【0018】
好ましくは、前記ジェスチャ用開口部の断面形状は、パネル側の辺を上底とし操作者側の辺を下底とすると、前記下底が前記上底の投影範囲を全て包含する台形形状であることとする。
【0019】
好ましくは、前記表示手段は、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面に映し出す画像の波長をλとすると、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面において、570(nm)≦λ≦750(nm)、の波長の光を含む画像を映し出していることとする。
【0020】
好ましくは、前記制御部は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号を出力することとする。
【0021】
また、第2の発明では次のような車載用情報装置の構成とする。即ち、タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部とを備え、
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ部を配置させたタッチセンサ領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることとする。
【発明の効果】
【0022】
第1の発明に係る車載用情報装置によると、ジェスチャ操作を案内させるフレーム板がタッチパネル上に設けられるので、ドライバーは、タッチパネルを殆ど見なくとも、車外の変化状況に注意を払いながら、ジェスチャ操作を行うことが可能となる。
【0023】
また、第2の発明に係る車載用情報装置によると、タッチパネルで形成されるセンサは、ジェスチャ操作を専用に検出する領域を周状としたので、ジェスチャ操作のアクション方向の先にタッチセンサが配置されなくなり、これにより、タッチパネル上での誤操作が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態に係る車載用情報装置の機能ブロック図。
【図2】本実施の形態に係るタッチパネルにおけるタッチパッドのパターンを示す図。
【図3】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(メニュー画面)。
【図4】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(カーナビ選択時画面)。
【図5】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(カーナビ目的地設定画面)。
【図6】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(エアコン操作画面)。
【図7】液晶パネルの表示とタッチパネルのセンサパターンを示す図(CD操作画面)。
【図8】タッチパネル上で行なわれるジェスチャ操作を説明する図。
【図9】実施例1に係る車載用情報装置の構成を説明する図。
【図10】実施例1に係るフレーム板の形状を示す図。
【図11】実施例2に係るフレーム板の構成を示す図。
【図12】実施例3及び実施例4に係るフレーム板の構成を示す図。
【図13】実施例4に係る車載用情報装置を示す図。
【図14】従来例に係るタッチパネルのジェスチャ操作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る車載用情報装置の機能ブロック図が示されている。車載用情報装置100は、デバイス制御部110と、表示制御部120と、表示手段130と、タッチパネル140とから構成される。尚、特許請求の範囲における制御部は、本実施の形態の場合、デバイス制御部110と表示制御部120とによって構成されることとなる。
【0026】
また、車載用情報装置100は、図示の如く、カーナビゲーションデバイス300、エアコン400、オーディオ装置500が各々接続されている。これらは全て、自動車に搭載されるデバイスであって、デバイス制御部110によって制御される。
【0027】
カーナビゲーションシステム300は、GPS装置及びCD−ROMユニットを備え、衛星通信を利用して、自動車の位置情報及び道路交通情報などを受信し、車載用情報装置のディスプレイに取得した情報(デジタル地図、現在位置情報、渋滞情報等)を表示させる。
【0028】
また、エアコン400及びオーディオ装置500についても、各指令信号に基づいて、空調を制御し、或いは、ラジオ放送またはCD等の音声情報をデコードさせスピーカーからそれらの音声を出力させる。
【0029】
以下、車載用情報装置100の構成について説明する。デバイス制御部110は、CPU及びメモリ回路等の情報処理回路によって構成され、本実施の形態では、これらのハードウェア資源が所定のプログラムと協同して機能することにより、第1の制御部111及び第2の制御部112及び第3の制御部113とが機能することとなる。
【0030】
図示の如く、第1の制御部111はカーナビゲーションデバイス300の制御を行い、第2の制御部112はエアコン400の制御を行い、第3の制御部113はオーディオ装置500の制御を行う。また、デバイス制御部110は、これら車載デバイスの動作状況に相当する情報を表示制御部120へ提供する。ここで、車載デバイスの動作状況に相当する情報とは、例えば、自動車の現在位置情報、交通渋滞情報、サーミスタで検出された温度情報、CDプレーヤーの演奏情報(タイトル,残り時間等の情報)を指す。
【0031】
液晶パネル130は、バックライト,カラーフィルター,液晶モジュール,偏光板,保護層等が積層された多層構造をなしている。そして、入力された信号に応じて、液晶モジュール内に充填された液晶の配向を制御させ、操作者側へ通過する光の領域を制御する。このとき、操作者は、カラーフィルターを通過した光を表示画像として認識することとなる。尚、特許請求の範囲における表示手段は、かかる液晶パネルに限定されることなく、CRT、又は、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の、他の装置に置換えることが可能である。
【0032】
タッチパネル140は、パネル面が押圧されている座標を認識する抵抗膜方式、透明導電膜を透明基板に実装させた静電容量方式等、種々の技術が用いられ得る。例えば、静電容量方式のタッチパネルは、透明基板にTIO(Indium Tin Oxido)をパターン蒸着させ透明導電膜を形成させたものである。当該静電容量方式の第1の形態は、図2(a)〜図2(c)に示す如く、Y軸方向に透明センサ(TIO)a1〜a6を数珠繋ぎ状に蒸着させた導電膜層141aと、X軸方向に透明センサ(TIO)b1〜b3を数珠繋ぎ状に蒸着させた導電膜層141bとを積層させ、図2(c)の導電膜層140を形成させる。かかるタッチパネル140は、双方の導電膜層の透明センサに電圧を印加させておき、操作者の指等が接近したときのセンサの電荷量の変動を検出する。従って、当該タッチパネルでは、タッチされたセンサの座標が検知されることとなり、また、指先をスライドさせることにより隣接するセンサの電荷量が連続的に変化し、ジェスチャ操作が検知されることとなる。この場合、プログラムで規定された座標の集合がセンサとしての領域を構成し、そのセンサの領域構成は液晶パネルの画面表示に応じて適宜変化される。このように、タッチパネルは、あらゆる技術を用いてセンサの領域構成が適宜変更・付与されるものであって、本実施の形態では其の技術内容を特に限定するものではない。
【0033】
図2(d)には、静電容量方式の第2形態が示されている。かかるタッチパネル140は、画面の表示に合わせて透明導電膜が予め形成されている。この場合のタッチパネル140では、液晶パネルの表示に合わせて、必要な透明導電膜が機能するように制御される。
【0034】
図1に戻り、表示制御部120について説明する。当該表示制御部120は、タッチパネル140で行われた操作を認識し、これに応じて、液晶パネル130の表示と、タッチパネル140のセンサとしての領域構成とを切換える。尚、液晶パネル130には、デバイス制御部110で検出した取得情報(デジタル地図、現在位置情報、渋滞情報等)が適宜反映される。
【0035】
以下、図3乃至図7を参照し、液晶パネル130の表示画像と、タッチパネル140のセンサとしての領域構成とについて説明する。尚、タッチパネル140のセンサとしての領域構成(以下、センサ領域構成と呼ぶ)について、タッチ操作が行われることが予定されているセンサ領域をタッチセンサ領域とし、スクロール操作等のジェスチャ操作が行われることが予定されている領域をジェスチャ領域とする。
【0036】
図3は、メニュー画面における、液晶パネルの表示画像とタッチパネルのセンサ領域構成とが示されている。かかる場面では、図3(a)に示す如く、液晶パネル130の表示画面に、カーナビ機能選択画像M1とエアコン機能選択画像M2とオーディオ装置選択画像M3とが映し出される。
【0037】
このとき、タッチパネル140では、カーナビ機能選択画像M1の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm1が形成され、エアコン機能選択画像M2の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm2が形成され、オーディオ装置選択画像M3の画像投射位置にタッチセンサ領域Pm3が形成される。ここで、タッチセンサ領域Pm1はカーナビの操作画面を表示させるセンサとされ、タッチセンサ領域Pm2はエアコンの操作画面を表示させるセンサとされ、タッチセンサ領域Pm3はオーディオ装置の操作画面を表示させるセンサとされる。
【0038】
ここで、タッチセンサ領域Pm1がタッチされると、図4(a)に示す如く、液晶パネル130は、カーナビの操作メニューを表示させる画像N1〜N4を映し出す。このとき、タッチパネル140では、これらの操作画像N1〜N4の画像投射位置にタッチセンサ領域Pn1〜Pn4を各々形成させる。また、本実施の形態にあっては、先のメニュー画面にスキップさせるタッチセンサ領域Pmenuと、一工程前の操作画面へ移動するタッチセンサ領域Pbackとが形成される。
【0039】
ここで例えばタッチセンサ領域Pn2がタッチされると、液晶パネル130は、目的地設定用の画像を映し出す(図5a)。この場合、表示画面には、図示の如く、選択ボタン画像N5a,決定ボタン画像N5b,解除ボタン画像N5c,アドレス表示画像N6,ポインタ表示画像N6z,スクロールバー表示画像N7,ジェスチャ操作誘導画像N8が映し出される。
【0040】
このとき、タッチパネル140では、画像N5a〜N5cに対応してタッチセンサ領域Pn5a〜Pn5cが形成され、この他、スクロールバー表示画像N7を機能させるためのタッチセンサ領域Pn7a及びPn7b,先に説明した表示スキップ用のタッチセンサ領域Pmenu及びPbackが形成される。更に、ジェスチャ操作誘導画像N8に対応する位置には、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8pが連続的に配置される。
【0041】
センサPn8a〜Pn8pを連続的に指先がスライド移動すると、各センサPn8a〜Pn8pにおける電荷量が連続的に変化するので、表示制御部120では、タッチパネルから送られるセンサPn8a〜Pn8pの信号状態を観測することで、指先の移動(ジェスチャ操作)を認識することが可能となる。このようなセンサPn8a〜Pn8pで形成されたジェスチャ領域は、センサPn8a〜Pn8pの各形状及び配列によって其の領域の形状が画定され、当該領域で行われたジェスチャ操作の検知を行う役割を担う。
【0042】
本実施の形態では、ジェスチャ操作が楕円軌道に沿って行われると、表示制御部120ではこの動作を認識し、アドレス表示画像N6の住所録をジェスチャ操作に応じてスクロールさせる。尚、図5(b)に示す如く、タッチパネル140の中心部にストライプ状のセンサ群Pn6を形成させ、パネル中心で行なわれたスクロール操作(ジェスチャ操作)を認識し、アドレス表示画像をスクロールさせる機能を、センサセンサPn8a〜Pn8pと共に併設させても良い。
【0043】
ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p、即ち、ジェスチャ領域は、曲線または直線の集合によって周状にジェスチャ操作が行われる。かかるジェスチャ操作は、閉ざされた領域で行われるので、指先等の移動する領域(ジェスチャ領域)からタッチセンサ領域が排除され、誤ってタッチセンサ領域を操作してしまう危険が低くなる。
【0044】
特に、ジェスチャ領域の形状は、楕円状または円状とされることで其の操作がスムーズとなり、タッチパネル上の誤操作をより一層低減させることが可能となる。
【0045】
また、液晶パネル130で表示されるジェスチャ操作誘導画像N8は、可視光線のうち橙〜赤の間の膨張色(可視光線の波長をλとすると、570〔nm〕≦λ≦750〔nm〕)とされるのが好ましい。人間の視覚は、かかる膨張色の波長域を視認しやすい性質を有するからである。このとき、液晶パネルのジェスチャ誘導画像以外の領域は、黒,青といった膨張色に属さない画像でレイアウトされるのがより好ましい。
【0046】
図6は、メニュー画面からエアコン操作が選択された状態が示されている。図6(a)に示す如く、液晶パネル130には、エアコンの電源ボタン画像A1,ファン出力設定画像A2,温度設定ボタン画像A3,その他、各種設定ボタン画像A4a〜A4dが映し出されている。また、中央部には、機能設定状態及び車内温度が映し出されている(A5)。更に、液晶パネル130には、先と同様、ジェスチャ操作誘導画像A9が映し出されている。
【0047】
このとき、タッチパネル140では、ジェスチャ操作誘導画像A9に対応して、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p(ジェスチャ領域)が形成されている。また、この他の領域には、液晶パネル130の画像に対応して、タッチセンサ領域Pa1〜
Pa4d,Pmenu,Pbackが形成されている。
【0048】
かかる場面では、タッチセンサ領域Pa3a又はPa3bが操作されると(図6b参照)、エアコンの設定温度が変更される。また、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8p(ジェスチャ領域)を操作することによっても、設定温度の変更が行われる。尚、他のボタン操作に係る説明は省略することとする。
【0049】
図7は、メニュー画面からオーディオ装置が選択された状態が示されている。図7(a)に示す如く、液晶パネル130には、RWスキップボタン画像C1,停止ボタン画像C2,再生ボタン画像C3,FWスキップボタン画像C4,演奏情報表示画像C5,ジェスチャ操作誘導画像C8が映し出されている。また、タッチパネル140では、液晶パネルの画像に対応させて、ジェスチャ領域及びタッチセンサ領域が適宜に形成される。
【0050】
本実施の形態に係るタッチパネルは、図8(a)に示す如く、ジェスチャ操作検出用のセンサPn8a〜Pn8pが周状に配列され、このジェスチャ領域に沿ってジェスチャ操作を行うこととなる。この場合、ジェスチャ操作の移動軌跡が閉状態のジェスチャ領域D1を形成させる。そして、タッチパネル140に形成されるタッチセンサ領域は、ジェスチャ領域D1の外部(D2,D3)に配置されることとなるため、自ずとジェスチャ領域D1から排除されることとなる。
【0051】
このようなタッチパネル140では、図8(b)に示す如く、操作者に対して感覚的な誘導を行なうことにより、ジェスチャ領域内D1でのジェスチャ操作が行われる。従って、本実施例に係るタッチパネルでは、ジェスチャ操作による指先の運動の側方にタッチセンサ領域が配置されることとなり、誤ってタッチセンサ領域に触れてしまう危険が低下する。また、このように指先の運動が誘導されることで、指先の不要な運動がなくなり、タッチパネルにレイアウトさせるセンサの配置密度を高くすることが可能となる。
【0052】
上述の如く、本実施の形態に係る車載用情報装置100によると、タッチパネル140で形成されるセンサは、ジェスチャ操作を専用に検出する領域を周状としたので、ジェスチャ操作のアクション方向の先にタッチセンサが配置されなくなり、これにより、タッチパネル上での誤操作が回避される。
【0053】
尚、操作者に対して与えられるジェスチャ操作の感覚的な誘導とは、上述したように、ジェスチャ領域の画像を膨張色とし、ジェスチャ領域が容易に視認される状態にすることが其の一態様として考えられる。また、ジェスチャ領域に相当するタッチパネルの表面の質感を他の領域と異ならせることで、指先の感触を頼りにジェスチャ領域の誘導を行なうことも可能である。より好適なものとして、以下説明する実施例では、タッチパネル上にフレーム板を貼り合わせることにより、フレームの輪郭に指先が案内されて「指先が物理的に誘導される」と共に、指先の触覚による「ジェスチャ操作の感覚的な誘導」が行われる。
【実施例1】
【0054】
図9(a)に示す如く、本実施例に係る車載用情報装置100は、デバイス制御部110及び表示制御部120を内蔵させた制御ボックス160と、液晶パネル130と、液晶パネルに積層されたタッチパネル140と、更に、タッチパネルの操縦者側Fcにフレーム板150が追加される。当該フレーム板150は、タッチパネル140の操作者側Fcに積層されている(図9b参照)。
【0055】
図10(a)は、フレーム板150の正面図が示されている。当該フレーム板150は、所定の板厚を有し、ジェスチャ用開口部Hcと、必要に応じてタッチ用開口部Hs1〜Hs4が形成される。
【0056】
このうち、ジェスチャ用開口部Hcは、先に説明したジェスチャ領域に沿って形成され、本実施例では図示の如く楕円形状とされる。かかるジェスチャ用開口部Hcは、図10(b)に示す如く、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成され、これにより、開口部内部に傾斜斜面SfcとエッジEgが形成される。
【0057】
図10(c)は、タッチパネル140にフレーム板150を積層させた状態が示されている。本実施例に係るフレーム板150は、遮光性の樹脂板から製作されているものとする。
【0058】
図示の如く、フレーム板150のジェスチャ用開口部Hcでは、液晶パネル130の画像が操作者側Fcから視認される。このとき、ジェスチャ領域に沿ってジェスチャ用開口部HcのエッジEgが配置される。また、当該ジェスチャ領域の内部には、タッチセンサ領域のセンサ、その他、スクロール用のセンサ等が形成されている。更に、タッチ用開口部Hs1にはタッチセンサPmenuが形成され、タッチ用開口部PbackにはタッチセンサPbackが形成される。
【0059】
フレーム板150がタッチパネル140に貼り付けられると、図10(d)に示す如く、ジェスチャ操作を行う際の指先fgの移動方向がフレーム板の内周面に案内(物理的及び感覚的な誘導)されて、より正確にジェスチャ領域内を移動することとなる。
【0060】
このため、ドライバーは、タッチパネルを殆ど見なくとも、車外の変化状況に注意を払いながら、ジェスチャ操作を行うことが可能となる。そして、其のジェスチャ操作を行う指先の運動は、操作者がタッチパネルを殆ど見なくとも、フレーム板の内周面によって、正確な軌跡を辿ることとなる。
【実施例2】
【0061】
図11(a)は、フレーム板の改変例が示されている。ここでは、実施例1で説明したフレーム板と同一構成のものを主フレームと呼び、本実施例で追加される部品を隔絶壁と呼ぶこととする。隔絶壁152は、主フレーム151のジェスチャ用開口部Hcの内部に配置され、本実施例では、当該開口部と同心状の楕円形を呈している。隔絶壁152は、内外において其の開口領域を隔絶させ、タッチ用開口部Hcとジェスチャ用開口部Hdとを形成させる。
【0062】
図11(b)に示す如く、ジェスチャ用開口部Hdは、両側面Sfd及びSfcに勾配が与えられ、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成されている。具体的には、ジェスチャ用開口部の断面形状は、奥側Fnの辺を上底とし手前側Fmの辺を下底とすると、下底が上底の投影範囲を全て包含する台形形状とされている。
【0063】
図11(c)は、かかるフレーム板151及び152をタッチパネル140に積層させた状態が示されている。図示の如く、隔絶壁152は、ジェスチャ用開口部Hdと内部のタッチセンサ領域とを隔絶させている。このように、ジェスチャ用開口部Hdからタッチセンサ領域を排除させ、当該タッチパネルを他の領域に集約させることで、タッチパネル上での誤操作防止が図られる。
【0064】
また、図11(d)に示す如く、本実施例では、ジェスチャ操作を行う際の指先fgが両側の側面によって案内されるので、当該指先fgがジェスチャ領域内をより正確に移動することとなる。また、隔絶壁152が設けられることで、指先fgは、タッチ用開口部Hcへ逸脱してしまう危険が低くなり、これによっても、タッチパネル上での誤操作を回避できる。
【0065】
更に、ジェスチャ用開口部Hdの断面形状は、手前側Fmから奥側Fnに向かって開口面積が幾分縮小するように形成されているので、当該開口部に指先fgを挿入させ易く且つ指先fgを摺動させるのが容易となる。
【実施例3】
【0066】
図12(a)には、実施例2で説明したフレーム板151及び152の変形例が示されている。本実施例に係るフレーム板150は、主フレーム151と隔絶壁152との間に架橋部品150aが適宜設けられる。特に、鋳型を用いてフレーム板を製造させる場合、当該フレーム板150は、一体的に製造することが可能となるので、製造工程の簡素化が図られる。
【0067】
また、図12(b)では、架橋部品150aが更に多く設けられている。このようにすると、ジェスチャ操作時の指先fgに架橋部品150aが連続的に接触するので、当該指先fgの感覚に基づいて、ジェスチャ操作の操作速度等を感知することが可能となる(操作感知手段)。この場合、架橋部品150aの板厚を低く設定する方が、指先の摺動動作をスムーズに行なうことができる。また、主フレーム開口の内周面(側壁)又は隔絶壁152の外周面(側壁)に凸凹等のノッチ(操作感知手段)を形成させても良い。
【実施例4】
【0068】
尚、ここまでの実施例では、ジェスチャ操作が周状に行われる態様について説明してきたが、本発明に係る車載用情報装置は、かかる態様に限定されるものではない。例えば、図13(a)に示す如く、タッチパネル140について、タッチセンサ領域Pe1〜Pe6と、ジェスチャ領域Pe7及びPe8とを形成させる。ジェスチャ領域Pe7では、設定温度又はボリューム等の設定値を上昇させる際に、紙面左側から右側に向かってジェスチャ操作(スライド操作)を行なう。一方、ジェスチャ領域Pe8では、設定温度又はボリューム等の設定値を下降させる際に、紙面右側から左側に向かってジェスチャ操作(スライド操作)を行なう。
【0069】
図13(b)は、かかるタッチパネル140にフレーム板150を積層させている。尚、同図では、非斜線部がフレーム板150の構造部とされ、斜線部がタッチパネル140の露出部とされる。
【0070】
図示の如く、本実施例に係る車載用情報装置100は、各種設定用のタッチセンサ領域Pe1〜Pe6、設定状態を知らせる表示領域、ジェスチャ領域Pe7及びPe8が露出された状態とされ、タッチパネルが露出される領域では、操作者によるタッチ操作又はジェスチャ操作が行われる。
【0071】
また、フレーム板150は、ジェスチャ領域の端部において、フレーム板の内部の枠が形成されるため、指先fgがタッチセンサ領域に侵入するのを防いでいる。
【0072】
従って、本実施例のように、ジェスチャ領域が不連続な状態で設けられても、ジェスチャ操作時における指先fgの運動がフレーム板の構造によって阻まれるので、ジェスチャ操作に起因する誤操作を回避できる
【0073】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記された技術的思想の範囲内において、種々の改良が可能である。例えば、デバイス制御部110は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号をオーディオ装置へ出力させると良い。この場合、タッチパネルの操作者は、視覚,指先の感覚(触覚),聴覚、という複数の感覚器官を通じてジェスチャ操作に関する操作状態を随時認識できるので、より正確なジェスチャ操作が行われるものと考えられる。
【0074】
尚、上述した実施の形態では、エアコン及びオーディオ等の操作機能をタッチパネル上のみで実現させているが、機構的な操作装置を車内に併設させて、タッチパネルに不具合が発生した場合、機構的な操作装置を用いて、これらの車載デバイスを操作するようにしても良い。
【符号の説明】
【0075】
100 車載用情報装置
110 デバイス制御部
120 表示制御部
130 液晶パネル(表示手段)
140 フレーム板
141 主フレーム
142 隔絶壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部と、前記タッチパネルの操作者側に積層され前記ジェスチャ操作を検知するジェスチャ領域に沿って開口部が形成されているフレーム板とを備えることを特徴とする車載用情報装置。
【請求項2】
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を少なくとも配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることを特徴とする請求項1に記載の車載用情報装置。
【請求項3】
前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域の全部又は一部に対応し且つ前記タッチセンサ領域を排除させて開口されたジェスチャ用開口部と、前記タッチセンサ領域を配置させるように開口されたタッチ用開口部とが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用情報装置。
【請求項4】
前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域と前記タッチセンサ領域とを隔絶させる隔絶壁を有することを特徴とする請求項3に記載の車載用情報装置。
【請求項5】
前記フレーム板は、当該フレーム板の主構成を成す主フレームに前記隔絶壁が一体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車載用情報装置。
【請求項6】
前記ジェスチャ用開口部は、前記ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を操作者に感知させる操作感知手段が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載の車載用情報装置。
【請求項7】
前記ジェスチャ用開口部の断面形状は、パネル側の辺を上底とし操作者側の辺を下底とすると、前記下底が前記上底の投影範囲を全て包含する台形形状であることを特徴とする請求項3乃至請求項6に記載の車載用情報装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面に映し出す画像の波長をλとすると、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面において、570(nm)≦λ≦750(nm)、の波長の光を含む画像を映し出していることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の車載用情報装置。
【請求項9】
前記制御部は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の車載用情報装置。
【請求項10】
タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部とを備え、
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることを特徴とする車載用情報装置。
【請求項1】
タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部と、前記タッチパネルの操作者側に積層され前記ジェスチャ操作を検知するジェスチャ領域に沿って開口部が形成されているフレーム板とを備えることを特徴とする車載用情報装置。
【請求項2】
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を少なくとも配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることを特徴とする請求項1に記載の車載用情報装置。
【請求項3】
前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域の全部又は一部に対応し且つ前記タッチセンサ領域を排除させて開口されたジェスチャ用開口部と、前記タッチセンサ領域を配置させるように開口されたタッチ用開口部とが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用情報装置。
【請求項4】
前記フレーム板は、前記ジェスチャ領域と前記タッチセンサ領域とを隔絶させる隔絶壁を有することを特徴とする請求項3に記載の車載用情報装置。
【請求項5】
前記フレーム板は、当該フレーム板の主構成を成す主フレームに前記隔絶壁が一体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車載用情報装置。
【請求項6】
前記ジェスチャ用開口部は、前記ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を操作者に感知させる操作感知手段が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5に記載の車載用情報装置。
【請求項7】
前記ジェスチャ用開口部の断面形状は、パネル側の辺を上底とし操作者側の辺を下底とすると、前記下底が前記上底の投影範囲を全て包含する台形形状であることを特徴とする請求項3乃至請求項6に記載の車載用情報装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面に映し出す画像の波長をλとすると、前記ジェスチャ領域に対応する表示画面において、570(nm)≦λ≦750(nm)、の波長の光を含む画像を映し出していることを特徴とする請求項1乃至請求項7に記載の車載用情報装置。
【請求項9】
前記制御部は、ジェスチャ操作の操作量又は操作速度を認識し、当該ジェスチャ操作に応じて音響効果を発生させる指令信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の車載用情報装置。
【請求項10】
タッチ操作及びジェスチャ操作を検知するタッチパネルと、前記タッチパネルを表示画面に積層させた表示手段と、前記タッチパネルで行なわれた操作に応じて前記表示手段の表示画像を制御する制御部とを備え、
前記タッチパネルは、前記タッチ操作を検知するタッチセンサ領域を配置させた領域と、前記ジェスチャ操作を検知する略周状のジェスチャ領域とを形成させていることを特徴とする車載用情報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−59085(P2012−59085A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202532(P2010−202532)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000109093)ダイヤモンド電機株式会社 (387)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000109093)ダイヤモンド電機株式会社 (387)
【Fターム(参考)】
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