説明

車載用警報装置

【課題】自動車に搭載され、タイヤのパンクや乗員・貨物の配置の偏り等によって生ずる各車輪への荷重の偏りの発生の有無を検出し、自動車の乗員に報知する車載用警報装置を提供する。
【解決手段】車載用警報装置が、自動車の車体の傾きを計測する傾きセンサと、傾きセンサによって計測された車体の傾きを、傾き値として記録する記録手段と、記録された傾き値に基づいて車体の傾きに変化が生じたかどうかを判断する傾き判断手段と、傾き判断手段の判断結果に基づいて、車体の傾きの変化を該自動車の使用者に報知する報知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載され、タイヤのパンクや乗員・貨物の配置の偏り等によって生ずる各車輪への荷重の偏りの発生の有無を検出し、自動車の乗員に報知する車載用警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、後部座席や後部トランクの幅方向片側に、過度の重量の荷物を置くと、自動車の重心にずれが生じる。この重心のずれやタイヤの内圧の偏りによって、特定のタイヤやそのタイヤを支持する駆動伝達系の加わる負荷が極端に高くなり、事故や早期の故障に繋がる可能性がある。それ故に、自動車においては、乗員や貨物の配置の偏りが、許容範囲内に収まり、各車輪に加わる荷重に極端な偏りが無いようにすることが望ましい。
【0003】
上記のような車輪への荷重の偏りを検出し警報を行う構成としては、特許文献1の様なものがある。特許文献1においては、車輪の各々に圧力センサを設け、タイヤの内圧を検出し、異常が見つかった時に警報を出力するようになっている。
【特許文献1】特開平11−263107
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献の構成では、タイヤの内圧の偏りに起因する車輪への荷重の偏りを検出するのみであり、他の原因、例えば乗員や荷物の配置の偏りに起因するものについては検出できないという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、各車輪への荷重の偏りの発生の有無を検出してこれを乗員に報知可能とする、車載用警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の車載用警報装置は、自動車の車体の傾きを計測する傾きセンサと、傾きセンサによって計測された車体の傾きを、傾き値として記録する記録手段と、記録された傾き値に基づいて車体の傾きに変化が生じたかどうかを判断する傾き判断手段と、傾き判断手段の判断結果に基づいて、車体の傾きの変化を該自動車の使用者に報知する報知手段と、を有する。
【0007】
このような構成により、タイヤのパンクや荷物、乗員の配置の偏りによって車輪への荷重の偏りが発生したことを自動車の乗員が判断することができるようになる。
【0008】
また、車載用警報装置は自動車が停車しているかどうかを判定するための停車判定手段を有し、傾き判断手段は停車判定手段の判定結果に基づいて自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があったかどうかを判断し、報知手段は傾き判断手段の判断結果に基づいて自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があった時に報知を行う構成としてもよい。
【0009】
このような構成とすると、傾き判定手段は、自動車が停車している間の傾きの変化があったかどうかを判定できるので、自動車の移動による傾きの変化の可能性を除外でき、車輪への荷重の偏りの発生の有無をより正確に検出できる。
【0010】
また、記録手段は、自動車が停車した直後の車体の傾きを初期傾き値として記憶し、傾き判断手段は初期傾き値と、その後に記録手段によって記録された傾き値とを比較することによって該自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があったかどうかを判断する構成としてもよい。
【0011】
また、車載用警報装置は、自動車のエンジンが駆動しているかどうかを判定するエンジン駆動判定手段を有し、記録手段は初期傾き値以外の傾き値については、エンジンが駆動していない時には記録しない構成としてもよい。このような構成とすると、エンジンを停止して駐車している間に傾き値の記録を行わないので、警報装置によってカーバッテリーが消費されてしまうという問題を回避することができる。
【0012】
また、傾きセンサは直交三成分の加速度を計測する加速度センサを有し、傾きセンサは、車体の傾きを加速度センサに加わる重力の方向を示すベクトル量として計測し、傾き判断手段は初期傾き値とその後に記録手段によって記録された傾き値との差分を演算し、その演算結果に基づいて車体の傾きに有為な変化があったかどうかを判断する。ここで、傾き判断手段は、初期傾き値とその後に記録手段によって記録された傾き値との差分に基づいて、傾きの変化方向を求め、報知手段は、この傾きの変化方向を報知する構成とすると、自動車の使用者は車輪への荷重の偏りがどこで発生しているのかを容易に判断することができる。
【0013】
また、記録手段は、傾きセンサによって計測される加速度ベクトルの大きさが重力加速度に略等しい時のみ傾き値を記録する構成としてもよい。このような構成とすると、外力によって自動車が振動した時は傾き値が記録されないので、車輪への荷重の偏りの発生の有無をより正確に検出できる。
【0014】
また、車載用警報装置は、自動車の扉の少なくとも一つが開いているかどうかを検出する開扉検出手段を有し、記録手段は、自動車の扉の少なくとも一つが開いている時は傾き値を記録しない構成としてもよい。このような構成とすると、扉が開くことによって生じる車体の重心の変化によって傾きの変化を検出してしまう可能性を除外でき、車輪への荷重の偏りの発生の有無をより正確に検出できる。
【0015】
また、記録手段は、傾きセンサが複数回計測した傾きの平均値を演算し、平均値を該傾き値として記憶する構成として、傾きをより正確に計測する構成としてもよい。
【0016】
なお、報知手段は、例えばモニタに所定の画像を表示させる、またはスピーカから所定の音声メッセージを出力することによって、自動車の乗員に報知を行う。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、各車輪への荷重の偏りの発生の有無を検出してこれを乗員に報知可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態二よる、警報機能付カーナビゲーション装置のブロック図を示したものである。図1に示されるように、本実施形態のカーナビゲーション装置1は、装置本体100と、モニタ210と、スピーカ220と、GPSアンテナ230と、リモコン240を有する。
【0019】
最初に、カーナビゲーション装置1の車両案内機能につき説明する。本実施形態のカーナビゲーション装置1は、GPS(Global Positioning System)又は自律航法を用いて車両の座標・方位・速度を検出し、モニタ210のLCDパネル211に表示された地図上に自動車を示すアイコンを上書きし、自動車の乗員に自動車の位置を報知する機能を有する。
【0020】
GPSによる自車の座標・方位・速度は、GPSアンテナ230から得られる時刻信号を、装置本体100に内蔵されているGPS信号受信部133が取得し、取得した時刻信号を装置本体100のCPU111が処理することによって得られる。具体的には、位置が既知である複数のGPS衛星からの時刻信号を受信し、この時刻信号に基づいてCPU111は各GPS衛星から自車までのおおよその距離を演算し、複数の衛星から自車までの距離に基づいて自車の座標(緯度、経度、高度)を得る。
【0021】
また、移動しながら時刻信号を受信すると、ドップラー効果によって時刻信号の周波数が変調する。GPS受信部133は、この周波数変調の程度を取得し、これに基づいてCPU111はGPS衛星に対する自車の相対速度を求める。そして複数のGPS衛星からの時刻信号からのGPS信号の変調の程度から、自車の速度や方位を求めることができる。従って、自車の方位は、自車が移動している時のみ算出できる。
【0022】
以上のように、本実施形態のカーナビゲーション装置1においては、GPSに基づいて、自車の座標、方位、速度を算出することができる。しかしながら、GPSによる座標検出は、トンネル内などの電波を受信できない場所では使用できず、また、都市部などのマルチパスが発生しやすい場所では精度が大幅に低下する。このため、本実施形態のカーナビゲーション装置においては、以下に説明する自律航法を併用している。
【0023】
自律航法においては、自車の移動速度、ヨー方向の角速度、及び傾斜を用いて自車の座標や方位を求めることができる。なお、自律航法においては、自車の初期座標及び初期方位からの偏差として自車の座標・方位を取得するものであるため、予めGPSを用いるなどして初期座標と初期方位を算出する必要が有る。自車の移動速度は、自動車の車軸に取り付けられたロータリーエンコーダからのパルス信号を装置本体100に内蔵された車両インターフェース手段134を介してCPU111が取得し、処理することによって得られる。また、自車の角速度は、装置本体100に内蔵されたジャイロセンサ131によって計測され、CPU111に送信されるようになっている。
【0024】
自車が水平平面上を移動していると仮定するならば、自車の速度と角速度のみによって自車の座標や方位を求めることが可能である。しかしながら、自車が坂道を走行し、自車がピッチ方向やロール方向に傾斜する可能性がある。自車がピッチ方向に傾斜している場合は、自車の水平面上での速度と自車速度との間に誤差が発生する。また、自車がロール方向に傾斜している場合は、ジャイロセンサ131によって計測される角速度と、自車の水平面における角速度との間には誤差が発生する。従って、これらの誤差成分を計測して自車の正確な座標や方位を正確に求めるために、自車のピッチ方向及びロール方向の傾斜を計測する必要がある。本実施形態のカーナビゲーション装置1においては、装置本体100に内蔵されている傾斜センサ132によって自車の傾斜を計測することができる。
【0025】
傾斜センサ132は、錘とこの錘に働く加速度を計測する3軸加速度センサを有し、錘の加速度から自車の傾斜を測定するようになっている。すなわち、自車が静止又は定速で走行している時は、錘に加わる加速度は鉛直下向きの重力加速度のみである。このため、3軸加速度センサによって重力加速度の各成分を計測することによって、鉛直方向に対する自車の傾きを計測することができる。自車が加速又は減速中である場合は、自車の速度及び角速度を夫々微分することによって演算される自車の加速度の直交3軸成分に基づいて補正を行うことによって、自車の傾斜を正確に求めることができる。
【0026】
以上説明したGPSや自律航法によって、自車の座標が求められる。本実施形態のカーナビゲーション装置は、この座標に基づいて自車の乗員に自車の位置を報知する。カーナビゲーション装置1の装置本体100には、DVD−ROMドライブやハードディスクドライブなどのストレージ114を備えている。ストレージ114には、地図の画像データが座標(緯度及び経度)に関連づけられて記憶されている。CPU111は、前述の手順にて計測された自車の座標の周囲の地図の画像データをストレージ114から読み出して、これを処理して装置本体100の表示制御部121に送信する。表示制御部121は、この画像データをRGBビデオ信号などの所定の形式のビデオ信号に変換し、これをモニタ210の信号処理回路212に送る。信号処理回路212は、表示制御部121から取得したビデオ信号に基づいて、地図の画像をLCDパネル211に表示する。
【0027】
表示制御部121は、地図の画像にアイコンや文字などを重畳するオーバーレイ機能を有する。CPU111は、地図の画像データに、自車を示すアイコンや、自車周囲にある施設やランドマークのアイコンや説明文などが重畳されるよう表示制御部121を制御することができる。かくして、モニタ210のLCDパネル上に表示される地図には、自車、周辺施設、ランドマーク等のアイコンや説明文が重畳表示されることになる。この結果、自車の乗員は、自車がどの位置を走行しているのかをより明確に判断できるようになると共に、自車周囲の施設に関する情報を得ることができる。
【0028】
なお、施設やランドマークの座標や説明文等のデータは、ストレージ114に記憶されており、CPU111は自車周囲の施設やランドマークに関するデータを適宜読み出すようになっている。また、本実施形態のカーナビゲーション装置1は、サービスエリアなどの特定の施設を、モニタ210に表示される地図上のアイコンや説明文によって視覚的に報知するのみならず、スピーカ220から出力される音声メッセージを用いて報知することができる。
【0029】
上記の目的のため、本実施形態のカーナビゲーション装置1の装置本体100には、音声合成回路141及びアンプ142が内蔵されている。CPU111は音声合成回路141に、例えば「サービスエリアまであと3キロです」といったテキストデータを送信する。音声合成回路141は、このテキストデータを受信すると、このテキストデータを読み上げた音声の音声信号を生成し、アンプ142に送る。アンプ142は、この音声信号を増幅してスピーカ220に送る。かくして、特定の施設に関する情報が音声メッセージとして自動車の乗員に報知される。
【0030】
カーナビゲーション装置1の操作は、タッチパネル213を介して行われる。タッチパネル213は、LCDパネル211の前面に配置されている透明なフィルム状の電極であり、カーナビゲーション装置1の使用者がタッチパネル213に触れると、タッチパネル213はどの位置(座標)に使用者が触れているのかを判別し、その位置をCPU周辺回路113に送る。CPU111は、CPU周辺回路113にアクセスすることによって、タッチパネル213に入力があるかどうか、及びタッチパネル213のどの位置に入力があったのかをチェックすることができる。
【0031】
また、カーナビゲーション装置1の操作の一部を、リモコン240を使って行うことができる。リモコン240には、多数のボタンが配置されており、赤外線にて各ボタンに対応した信号を出力するようになっている。出力モニタ210には、この赤外線信号を受信して装置本体100のCPU周辺回路113に送信するリモコン受光部214が設けられている。CPU111は、CPU周辺回路113にアクセスすることによって、リモコン240のどのボタンが押されているのかをチェックすることができる。
【0032】
以上の構成により、カーナビゲーション装置1の車両案内機能が実現される。なお、CPU111は、メモリ112のROM112aに記憶されているプログラムを読み出してRAM112bに展開し、これを実行することによって上記の各種処理を実行するようになっている。また、メモリ112のRAM112bは、プログラム実行時のワークエリアとしても使用される。なお、ストレージ114、ジャイロセンサ131、傾斜センサ132、GPS信号受信部133、車両インターフェース手段134、音声合成回路141の各々と、CPU111とは、CPU周辺回路113を介して接続されている。
【0033】
本実施形態のカーナビゲーション装置1は、乗員や荷物の位置の偏りやパンクによって生じる自車の傾きを検出し、乗員に報知する警報機能を備えている。ここで、自動車は坂道やバンクに停車している時にも傾くため、路面形状によって生じる傾きと、乗員や荷物の位置の偏りやパンクによって生じる傾きとを判別する必要がある。本実施形態においては、停車した直後は、自車に荷物や乗員の偏りはなく、検出された自車の傾きは路面形状による傾きであるものとする。そして、停車直後の傾きと、停車からある程度の時間が経過したあとの傾きとを比較し、両者に有為な差があった時に、乗員や荷物の位置の偏りやパンクによる自車の傾きが発生したものと判断している。上記の機能は、CPU111が図2に示すルーチンを実行することによって行われる。なお、図2のルーチンは、自動車が停止した、すなわち、車両インターフェース手段134が自車から得た速度情報に基づいて自車の速度が0になったことをCPU111が検知した時に割込実行されるようになっている。ただし、後述する設定画面にて、傾き警告を行わないことを選択した場合は、上記の条件を満たしたとしても、図2のルーチンは実行されない。
【0034】
本ルーチンが開始すると、ステップS1が実行される。ステップS1では、各種変数の初期化が行われる。具体的には、変数AlにFalseが、変数td(x,y)に(0,0)が、EngineFlagにTrueが、そしてDriveFlagにFalseが代入される。
【0035】
変数Alは、警報すべき車両の傾きが起こっているかどうかを判断するためのフラグであり、値がTrueである時に警報すべき傾きが発生していることを意味する。変数tdは、傾きの方向を示すベクトルである。本実施形態においては、変数tdの成分xは車体の幅方向の成分であり、正の値であれば運転者からみて右手側が低くなるような傾きが発生していることを意味し、負の値であれは左手側が低くなるような傾きが発生していることを意味する。同様に、変数tdの成分yは車体の前後方向の成分であり、正の値であれば前方が低くなるような傾きが発生していることを意味し、負の値であれは後方が低くなるような傾きが発生していることを意味する。EngineFlagは自動車のエンジンが動作しているかどうかを示すフラグである。EngineFlagがTrueであればエンジンが動作しており、Falseであれば停止していることを意味する。DriveFlagは、自車が自走しているかどうかを判定するためのフラグである。DriveFlagがTrueであれば、自車は自走していることを意味する。またDriveFlagがFalseであれば自車は停止しているか、或いはレッカー車等の自走以外の手段によって移動していることを意味する。
【0036】
ステップS1にて変数の初期化が行われた後、ステップS2が実行される。ステップS2では、初期傾き値tの検出が行われる。傾きの検出が試みられ、検出に成功した時には検出結果は変数tに代入される。なお、本実施形態においては、傾き(x,y,z)は車体に加わる加速度のベクトルである。傾きの成分xは、加速度の車体幅方向成分であり、自車の運転手にとって右側が正、左側が負である。成分yは、加速度の車体前後方向成分であり、自車の前方が正、後方が負である。成分zは、加速度の車体天地方向成分であり、足元側が正、天井側が負である。従って、自車が停止している時は、傾きは重力加速度のみを検出していることになり、傾きのベクトルの大きさはほぼ1Gとなる。また、車体が水平面上に停止し、且つ自動車に傾きが無い状態であれば、傾きのx,y成分は0であり、z成分が1Gの値を示す。なお、詳細は説明するが、ステップS2において、傾き検出中に自動車が発信した時は、DriveFlagにTrueが代入されるようになっている。次いで、ステップS3に進む。
【0037】
ステップS3では、変数DriveFlagの値のチェックが行われる。ステップS3において、DriveFlagがTrueであれば、ステップS2で傾きを検出する前に自車が走行を始めたということを意味する。この場合は、再び自車が停止するまで初期傾き値tの検出を行う必要は無い。従って、DriveFlagがTrueであれば(S3:YES)、本ルーチンを終了する。
【0038】
また、ステップS3においてDriveFlagがFalseであれば(S3:NO)、ステップS2で傾きの検出が行われて変数tに傾きが代入されたことを意味する。従って、この場合は(S3:NO)ステップS4に進む。
【0039】
ステップS4では、CPU111は車両インターフェース手段134を介して自車よりエンジンの駆動情報を取得する。そして自車のエンジンが停止しているのであれば、エンジンが再び駆動するまで傾きを計測する必要がないことを意味する。従って、この場合は(S4:NO)、ステップS5に進む。
【0040】
本実施形態においては、エンジン停止時にはカーナビゲーション装置1は省電力モードにて動作するようになっている。省電力モードにおいては、モニタ210、GPS信号受信部133、音声合成回路141、アンプ142、傾斜センサ132、ジャイロセンサ131への電力供給を停止し、且つCPU111の駆動周波数を低下させて、カーナビゲーション装置1全体の単位時間あたりの消費電力を大幅に低下させる。本実施形態のカーナビゲーション装置1は自車のカーバッテリーから電力の供給を受けているので、自車のエンジンが停止してカーバッテリーの充電がされない状態において、カーバッテリーの消耗を必要最低限に抑えることができる。なお、省電力モードにおいても、車両インターフェース手段134は動作しており、自車の状態を監視している。そして、自車のエンジンが再び駆動したことを車両インターフェース手段134が検知すると、省電力モードから通常動作モードにもどる(すなわち、モニタ210、GPS信号受信部133、音声合成回路141、アンプ142、傾斜センサ132、ジャイロセンサ131への電力供給を再開し、且つCPU111の駆動周波数を上昇させる)。省電力モードから通常動作モードに復帰すると、ステップS6に進む。
【0041】
一方、ステップS4において、自車のエンジンが駆動していることが確認された場合は(S4:YES)、ステップS6に進む。
【0042】
ステップS6では、現在の傾き値tの検出が試みられ、傾きの検出に成功した時はその検出結果が変数tに代入される。次いで、ステップS7に進む。
【0043】
ステップS7では、変数DriveFlagの値のチェックが行われる。ステップS7において、DriveFlagがTrueであれば、ステップS6で傾きを検出する前に自車が走行を始めたということを意味する。この場合は、再び自車が停止するまでは、傾きの検出を行う必要は無く、また、停止後は再度初期傾き値tの検出からやり直す必要がある。従って、DriveFlagがTrueであれば(S7:YES)、本ルーチンを終了する。
【0044】
一方、ステップS7においてDriveFlagがFalseであれば(S7:NO)、ステップS8に進む。
【0045】
ステップS8では変数EngineFlagの値のチェックが行われる。ステップS8においてEngineFlagがFalseであれば、ステップS6で傾きを検出する前に自車のエンジンが停止したことを意味する。この場合は、再び自車のエンジンが始動するまで傾きの検出を行う必要は無い。ただし、再度初期傾き値tの取得は行わず、後述する傾き判定ステップにおいては、前回ステップS2にて取得した初期傾き値tとtとの比較を行う。このため、EngineFlagがFasleであれば(S8:NO)、ステップS9に進む。
【0046】
ステップS9では、EngineFlagにTrueを代入する。次いで、ステップS5に進み、再びエンジンが始動するまで待機する。
【0047】
一方、ステップS8において、EngineFlagの値がTrueである時は、ステップS6で傾きの検出が行われて変数tに傾き値が代入されたことを意味する。従って、この場合は(S8:YES)ステップS10に進む。
【0048】
ステップS10では、tとtの差分から。より具体的には、ベクトル(t−t)を求め、さらにこのベクトルのx,y成分を抽出した二次元ベクトルを作成する。この二次元ベクトルは変数tに代入される。ベクトルt、t共に、計測時における車体の天地方向に対する重力の方向であるので、ベクトルtは、ステップS2からS6の間に傾きがどの程度変化したのかを示す値となる。すなわち、ベクトルtの指す方向は傾きの変化方向を示す。例えば、右前方のタイヤのパンクなどによって右前方が沈むような傾きの変化が起こった時は、ベクトルtのx、y成分共に正の値となる。また、ベクトルtの大きさ|t|=(x+y0.5は、傾きの程度を示す。すなわち、傾きの程度が大きくなるほど|t|も大きくなる。次いで、ステップS11に進む。
【0049】
ステップS11では、ベクトルtの大きさ|t|が所定の閾値Dを上回っているかどうかの判定が行われる。|t|が閾値Dを上回っているならば、CPU111はステップS2から直前のステップS6間での間に、傾きが変化したものと判断する。その場合は(S11:YES)、ステップS12に進む。
【0050】
ステップS12では、変数Alの確認が行われる。変数AlがFalseであるならば、現時点では警報は報知されておらず、新たに警報を報知する必要があることを意味する。このような場合は(S12:NO)、ステップS13に進む。
【0051】
ステップS13では、CPU111は表示制御部121(図1)を制御して、モニタ210(図1)に図5のような警報画面を表示させる。また、ユーザー設定によって、音声にて警報を出力ことが選択されている場合は、CPU111は音声合成回路141を制御して、警告メッセージ(傾きが発生していることと、その傾きの方向を報知するためのメッセージ)をスピーカ220から出力させる。次いで、ステップS14に進む。
【0052】
ステップS14では、CPU111は、変数Alの値をTrueにする。次いで、ステップS4に戻り、再度tの取得を行う。
【0053】
一方ステップS12において、変数AlがTrueであるならば、既に警報が報知されており、新たに警報を報知する必要がないことを意味する。ただし、荷物の積み替え等によって自車の傾きが変化した可能性はある。このような場合は(S12:YES)、ステップS15に進む。ステップS15では、tの内容に応じて、必要であれば警報の内容を変更する。すなわち、荷物の積み直し等によって傾きの方向が変化した場合は、モニタ210に表示されている警報の内容を更新する。また、ユーザー設定によって、音声にて警報を出力ことが選択されている場合は、CPU111は音声合成回路141を制御して、警告メッセージ(傾きが発生していることと、その傾きの方向を報知するためのメッセージ)をスピーカ220から出力させる。次いで、ステップS16に進む。
【0054】
ステップS16においては、カーナビゲーション装置1の使用者によって警報機能がキャンセルされたかどうかの判定が行われる。すなわち、図5の警報画面に配置されているボタンB1に使用者が触れることによって、使用者は強制的に警報の表示や音声を止めることができる。例えば、フェリーやレッカー車等の自走以外の手段によって自車が移動して自車の傾きが変化しても警報は出力されてしまう。このような場合には、使用者がボタンB1にタッチすることによって、警報を強制的に止めることができる。CPU111は、CPU周辺回路113にアクセスしてボタンB1に使用者がタッチしているかどうかを確認し、タッチしているのであれば(S16:YES)、ステップS17に進む。なお、ボタンB1に触れる代わりに、リモコン240(図1)の特定のボタンを押すことで警報を止める構成としてもよい。
【0055】
ステップS17では、警報画面の表示を消去する(通常のカーナビゲーションの画面が表示される)。また、警報を音声にて出力する設定となっている場合は、音声の出力を停止する。次いで、本ルーチンを終了する。
【0056】
一方、ステップS16においてボタンB1に使用者が触れていないことが確認された場合は(S16:NO)、ステップS4に戻る。
【0057】
また、ステップS11において、|t|が閾値D以下であるならば、CPU111は直前のステップS6の傾ききステップS2で計測した傾きは等しく、警報すべき傾きは発生していないものと判断する。その場合は(S11:NO)、ステップS18に進む。
【0058】
ステップS18では、変数AlがTrueであるかどうかの判定が行われる。変数AlがTrueであるのであれば、現在警報が発せられている、すなわち、荷物の積み直し等によって、自車の傾きが改善されたことを意味する。この場合は(S18:YES)、ステップS19に進む。
【0059】
ステップS19では、CPU111は警報画面の表示を消去する。また、警報を音声にて出力する設定となっている場合は、音声の出力を停止する。次いで、ステップS20に進む。
【0060】
ステップS20では、変数AlにFalseが設定される。次いで、ステップS4に戻る。
【0061】
また、ステップS18において、変数AlがFalseであるならば、現在警報は発せられていないことを意味する。この場合は(S18:NO)、ステップS4に戻る。
【0062】
以上のルーチンが実行されることによって、自車の停車直後の初期傾き値tが取得され、初期傾き値tと、その後に計測された傾き値tとの比較が行われ、両者の間に有意差があった時に、傾きの発生とその方向を報知するための警報が出力される。また、傾き値tは、エンジンが駆動している間は繰り返し計測されるので、警報が出力されている時に荷物の積み直しなどによって自車の傾きが変わった時は、その時の傾きに応じて警報は止まる、或いは警報が報知する傾きの方向が変化するようになっている。
【0063】
また、上記のルーチンにおいては、エンジンが駆動していない時は傾き値tの計測は行われない。従って、長期間自車を駐車する時に傾きの計測が行われてカーバッテリーが消費される、という問題は発生しない。
【0064】
次いで、初期傾き値tの取得手順につき説明する。図3は図2のステップS2から呼び出される、初期傾き値tの取得サブルーチンである。本サブルーチンが開始すると、ステップS101が最初に実行される。
【0065】
ステップS101では、変数nに1が代入される。次いで、ステップS102に進む。
【0066】
ステップS102では、CPU111(図1)は車両インターフェース手段134(図1)から出力されている自車の速度情報に基づいて、自車が走行を始めたかどうかの判定を行う。自車が走行しているのであれば、初期傾き値tの測定を行う必要はない。この場合は(S102:YES)、ステップS103に進む。また、自車が走行していないことが確認された場合は(S102:NO)、ステップS104に進む。
【0067】
ステップS103では、CPU111は、自車が発進したために初期傾き値tの測定を行わなかったことをメインルーチンに報知するため、変数DriveFlagにTrueを設定する。次いで、本サブルーチンを終了させ、メインルーチン(図2)のステップS3に進む。
【0068】
ステップS104では、CPU111は車両インターフェース手段134から出力されている情報に基づいて、自車のドアやボンネット、トランクといった扉の少なくとも一つが開いているかどうかのチェックが行われる。自車の扉の何れかが開いているのであれば(S104:YES)、ステップS104が引き続き実行される。また、扉の全てが閉じている場合は(S104:NO)、ステップS105に進む。すなわち、ステップS104は、扉が一つでもが開いている時は、これらが全て閉じるまで待機する。
【0069】
ステップS105では、CPU111は傾斜センサ132(図1)が計測している加速度ベクトルt(x,y,z)を取得し、そのベクトルの大きさ|t|=(x+y+z0.5を演算する。そして、|t|が重力加速度と略等しい(例えば0.95G〜1.05Gの範囲内)かどうかの判定を行う。|t|が重力加速度と略等しい場合は(S105:YES)、ステップS106に進み、そうでなければステップS102に戻る。
【0070】
ステップS106では、変数t0nにtが代入される。次いで、ステップS107に進む。
【0071】
ステップS107では、nに1が加算される。次いで、ステップS108に進む。
【0072】
ステップS108では、nが3より大きいかどうか、すなわちnが1〜3の範囲内であるか否かの判定が行われる。nが3以下であるなら(S108:NO)、ステップS109に進み、ステップS109で1秒待機した後、ステップS102に戻る。nが3より大きいかどうか、すなわちnが4である場合は、ステップS110に進む。すなわち本実施形態においては、大凡1秒おきに計3回、傾斜値t01〜t03が取得される。
【0073】
ステップS110では、CPU111はt01〜t03の平均値を演算し、これをtに代入する。次いで本サブルーチンを終了し、メインルーチン(図2)のステップS4に進む。
【0074】
以上のように、本サブルーチンにおいては、傾きを3回計測し、この平均値を初期傾き値tとしている。これは、振動などによる一時的な自車の傾きによって、本来の傾きと異なる値を初期傾き値として抽出されるのを防止するためである。なお、本実施形態においては、傾きを3回計測しているが、計測の回数を増やし、自車の傾きをより正確に計測する構成とすることも可能である。
【0075】
また、自車のドア、ボンネット、トランク等の扉の何れかが一つでも開いている時は、傾きの計測を行わないようになっている。これは、開状態の扉によって変化した傾きが計測されてしまうという問題を回避するためである。また、本サブルーチンにおいては、傾きセンサによって計測される自車の加速度が略重力加速度である時のみ、傾きを記憶するようになっている。すなわち、車外からの力によって自車が振動しているような場合の傾きをt01〜t03として記憶することはないため、初期傾き値tをより正確に計測可能である。
【0076】
続いて、傾き値tの取得手順につき説明する。図4は図2のステップS6から呼び出される、傾き値tの取得サブルーチンである。本サブルーチンが開始すると、ステップS201が最初に実行される。
【0077】
ステップS201では、変数nに1が代入される。次いで、ステップS202に進む。
【0078】
ステップS202では、CPU111(図1)は車両インターフェース手段134(図1)から出力されている自車の速度情報に基づいて、自車が走行を始めたかどうかの判定を行う。自車が走行しているのであれば、傾き値tの測定を行う必要はない。この場合は(S202:YES)、ステップS203に進む。また、自車が走行していないことが確認された場合は(S202:NO)、ステップS204に進む。
【0079】
ステップS203では、CPU111は、自車が発進したために傾き値tの測定を行わなかったことをメインルーチンに報知するため、変数DriveFlagにTrueを設定する。次いで、本サブルーチンを終了させ、メインルーチン(図2)のステップS7に進む。
【0080】
ステップS204では、CPU111は車両インターフェース手段134から出力されている情報に基づいて、エンジンが停止しているかどうかを判断する。エンジンが停止しているのであれば、傾き値tを計測する必要はない。そこで、この場合は(S204:YES)、ステップS205に進む。
【0081】
ステップS205では、CPU111は、自車のエンジンが停止したために傾き値tの測定を行わなかったことをメインルーチンに報知するため、変数EngineFlagにFalseを設定する。次いで、本サブルーチンを終了させ、メインルーチン(図2)のステップS7に進む。
【0082】
また、ステップS204において、自車のエンジンが停止していないのであれば(S204:NO)、ステップS206に進む。
【0083】
ステップS206では、CPU111は車両インターフェース手段134から出力されている情報に基づいて、自車のドアやボンネット、トランクといった扉の少なくとも一つが開いているかどうかのチェックが行われる。自車の扉の何れかが開いているのであれば(S206:YES)、ステップS206が引き続き実行される。また、扉の全てが閉じている場合は(S206:NO)、ステップS207に進む。すなわち、ステップS206は、扉が一つでもが開いている時は、これらが全て閉じるまで待機する。
【0084】
ステップS207では、CPU111は傾斜センサ132(図1)が計測している加速度ベクトルt(x,y,z)を取得し、そのベクトルの大きさ|t|=(x+y+z0.5を演算する。そして、|t|が重力加速度に略等しい(例えば0.95G〜1.05Gの範囲内)かどうかの判定を行う。|t|が重力加速度と略等しい場合は(S207:YES)、ステップS208に進み、そうでなければステップS202に戻る。
【0085】
ステップS208では、変数t1nにtが代入される。次いで、ステップS209に進む。
【0086】
ステップS209では、nに1が加算される。次いで、ステップS210に進む。
【0087】
ステップS210では、nが3より大きいかどうか、すなわちnが1〜3の範囲内であるか否かの判定が行われる。nが3以下であるなら(S210:NO)、ステップS211に進み、ステップS211で1秒待機した後、ステップS202に戻る。nが3より大きいかどうか、すなわちnが4である場合は、ステップS212に進む。すなわち、本実施形態においては、大凡1秒おきに計3回、傾斜値t11〜t13が取得される。
【0088】
ステップS212では、CPU111はt11〜t13の平均値を演算し、これをtに代入する。次いで本サブルーチンを終了し、メインルーチン(図2)のステップS7に進む。
【0089】
以上のように、本サブルーチンにおいては、傾きを3回計測し、この平均値を初期傾き値tとしている。これは、振動などによる一時的な自車の傾きによって、本来の傾きと異なる値を傾き値として抽出されるのを防止するためである。なお、本実施形態においては、傾きを3回計測しているが、計測の回数を増やし、自車の傾きをより正確に計測する構成とすることも可能である。
【0090】
また、自車のドア、ボンネット、トランク等の扉の何れかが一つでも開いている時は、傾きの計測を行わないようになっている。これは、開状態の扉によって変化した傾きが計測されてしまうという問題を回避するためである。また、本サブルーチンにおいては、傾きセンサによって計測される自車の加速度が略重力加速度である時のみ、傾きを記憶するようになっている。すなわち、車外からの力によって自車が振動しているような場合の傾きをt11〜t13として記憶することはないため、傾き値tをより正確に計測可能である。
【0091】
また、本サブルーチンにおいては、t取得のためのサブルーチン(図3)とは異なり、エンジン停止時には傾き値の計測を中断してメインルーチン(図2)に直ちに戻るようになっている。これは、エンジン停止時には傾き値を計測する必要はないためである。反対に、例えば停車後すぐにエンジンを停止した場合であっても、自車の傾きの変化を計測できるように、エンジンが駆動しているかどうかに関わらず、初期傾き値tは算出されるようになっている。
【0092】
次いで、本実施形態の警報機能を設定するための手順につき、以下説明する。図6は、モニタ220(図1)に表示される、警報機能設定画面である。本画面は、タッチパネル213にて特定の操作を行うことによって表示される。
【0093】
警報機能設定画面には、警報を行うかどうかを選択するためのボタンB2、B3、警報を音声でも行うかどうかを設定するためのボタンB4、B5、ボタンB2〜B5による設定を確定するためのボタンB6、ボタンB2〜B5による設定内容をキャンセルするためのボタンB7が配置されている。カーナビゲーション装置1の使用者は、傾き変化のチェックを行うよう設定する場合は、ボタンB2に触れる。反対に傾き変化のチェックを行わないよう設定する場合は、ボタンB3に触れる。また、傾き変化のチェックを行う場合において、音声による警報の出力を行うよう設定する場合はボタンB4を、行わないよう設定する(すなわち、警報は画面表示のみとする)場合はボタンB5に触れる。図6に示されているように、ボタンB2とB3、B4とB5は夫々対になっており、使用者が一方のボタンに触れると、そのボタンの色が明るく変化し、且つ他方のボタンの色は暗く変化する。これによって、使用者は触れた方のボタンに対応する機能が選択されていることを明確に判断できるようになる。
【0094】
なお、本実施形態においては、警報機能を利用する時は、必ず画面に警報が表示されるようになっているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、音声による警報のみを行うことを選択可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態のカーナビゲーション装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態において、自車の傾きを検出するルーチンのフローチャートである。
【図3】図2のステップS2に対応する、初期傾き値取得サブルーチンである。
【図4】図2のステップS6に対応する、傾き値取得サブルーチンである。
【図5】モニタに表示された警報画面の一例を示したものである。
【図6】本実施形態において、警報機能を設定するための設定画面の一例を示したものである。
【符号の説明】
【0096】
1 カーナビゲーション装置
100 装置本体
111 CPU
113 CPU周辺回路
121 表示制御部
132 傾斜センサ
134 車両インターフェース手段
141 音声合成回路
142 アンプ
210 モニタ
211 LCDパネル
213 タッチパネル
214 リモコン受光部
220 スピーカ
240 リモコン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車体の傾きを計測する傾きセンサと、
前記傾きセンサによって計測された車体の傾きを、傾き値として記録する記録手段と、
前記記録手段によって記録された傾き値に基づいて、該自動車の傾斜に変化が生じたかどうかを判断する傾き判断手段と、
前記傾き判断手段の判断結果に基づいて、該車体の傾きの変化を該自動車の乗員に報知する報知手段と、
を有する、車載用警報装置。
【請求項2】
前記車載用警報装置は、該自動車が停車しているかどうかを判定するための停車判定手段を有し、
前記傾き判断手段は、停車判定手段の判定結果に基づいて該自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があったかどうかを判断し、
前記報知手段は、前記傾き判断手段の判断結果に基づいて該自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があった時に報知を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載用警報装置。
【請求項3】
前記記録手段は、該自動車が停車した直後の車体の傾きを初期傾き値として記憶し、
前記傾き判断手段は該初期傾き値と、その後に記録手段によって記録された傾き値とを比較することによって該自動車が停車している間に車体の傾きに有意な変化があったかどうかを判断する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車載用警報装置。
【請求項4】
前記車載用警報装置は、該自動車のエンジンが駆動しているかどうかを判定するエンジン駆動判定手段を有し、
前記記録手段は、該初期傾き値以外の傾き値については、該エンジンが駆動していない時には記録しない、
ことを特徴とする請求項3に記載の車載用警報装置。
【請求項5】
前記傾きセンサは直交三成分の加速度を計測する加速度センサを有し、
前記傾きセンサは、該車体の傾きを前記加速度センサに加わる重力の方向を示すベクトル量として計測し、
前記傾き判断手段は該初期傾き値とその後に記録手段によって記録された傾き値との差分を演算し、その演算結果に基づいて該車体の傾きに有為な変化があったかどうかを判断する、
【請求項6】
前記傾き判断手段は、該初期傾き値とその後に記録手段によって記録された傾き値との差分に基づいて、該傾きの変化方向を求め、
前記報知手段は、該傾きの変化方向を報知する、
ことを特徴とする請求項5に記載の車載用警報装置。
【請求項7】
前記記録手段は、前記傾きセンサによって計測される加速度ベクトルの大きさが重力加速度に略等しい時のみ、該傾き値を記録する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の車載用警報装置。
【請求項8】
前記記録手段は、前記傾きセンサが複数回計測した傾きの平均値を演算し、該平均値を該傾き値として記憶する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の車載用警報装置。
【請求項9】
前記車載用警報装置は、該自動車の扉の少なくとも一つが開いているかどうかを検出する開扉検出手段を有し、
前記記録手段は、該自動車の扉の少なくとも一つが開いている時は、該傾き値を記録しない、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の車載用警報装置。
【請求項10】
前記車載用警報装置は、画像を表示するモニタを有し、
前記報知手段は、前記モニタに所定の画像を表示することによって該車体の傾きの変化を該自動車の乗員に報知する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の車載用警報装置。
【請求項11】
前記車載用1警報装置は、音声を出力するスピーカを有し、
前記報知手段は、前記スピーカに所定の音声メッセージを出力することによって該車体の傾きの変化を該自動車の乗員に報知する、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の車載用警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−239051(P2008−239051A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84723(P2007−84723)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】