説明

車載用酸素供給システム

【課題】 運転者を効果的に覚醒させることのできる車載用酸素供給装置を提供する。
【解決手段】 車載用酸素供給装置は、運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するパターン格納部7と、運転者の生理状態を検知する個人状態検知部5と、検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、前記複数の酸素供給パターンモデルから選択するパターンモデル選択部と、選択された酸素供給パターンモデルに従って、車両室内に酸素を供給する酸素供給部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の意識覚醒のため、酸素、特に高酸素濃度気体を車両室内に供給する車載用酸素供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の意識低下の変化パターンから、意識低下が単調運転に起因するのか、疲労か睡眠不足によるものか判定し、単調運転ならば警報覚醒を繰り返し、疲労や睡眠不足であれば車両を強制的に停止させる居眠り運転防止装置が存在する。
【0003】
上述の装置に、自動走行システム、運転者の覚醒度が低下した場合に警報を鳴らす警報システムを組み合わせたシステムも存在する。
【0004】
【特許文献1】特開平06−107031号公報
【特許文献2】特開平06−171391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、覚醒は警報か警報覚醒の繰り返しによって行われており、運転者の状態や個人特性、個人の好みに応じて覚醒パターンを変化させることはできないので、
非常に単調な覚醒方法となる傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、運転者の個性に応じて覚醒パターンを変化させることのできる車載用酸素供給システムを提供する。
【0007】
とりわけ、本発明においては、運転者の注意力を向上させるため、適宜酸素を車両室内に供給する。
【0008】
本発明は、運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するパターン格納部と、生理状態を検知する個人状態検知部と、検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、前記複数の酸素供給パターンモデルから選択するパターンモデル選択部と、選択された酸素供給パターンモデルに従って、車両室内に酸素を供給する酸素供給部と、を備える車載用酸素供給装置を提供する。
【0009】
更に、運転者を識別する個人識別部と、酸素供給パターンモデルを、識別された運転者に応じて変更するため、パターン変更用データ生成部がパターン変更用データを作成し、該パターン変更用データを格納するパターン変更用データ格納部を、上述の車載用酸素供給装置に設けてもよい。また、パターン変更用データ格納部が、識別された運転者に対応したパターン変更用データを有していない場合は、所定のデフォルト値に基づき前記酸素供給パターンモデルを生成するようにしてもよい。
【0010】
また、車両の走行状態を検知する車両状態検知部を更に設け、検知された走行状態が、車両が走行中であることを示す場合、酸素供給部が車両室内に酸素を供給するようにしてもよい。
【0011】
また、酸素供給パターンモデルが、間歇型供給パターンモデル、フーリエ関数パターンモデル、ゆらぎパターンモデルの少なくとも一つを含み得る。
【0012】
更に本発明は、運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するステップと、生理状態を検知するステップと、検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、複数の酸素供給パターンモデルから選択するステップと、選択された酸素供給パターンモデルに従って、車両室内に酸素を供給するステップと、を備える車両室内酸素供給方法をも提供する。
【0013】
上述の方法は、運転者を識別するステップと、酸素供給パターンモデルを、識別された運転者に応じて変更するステップとを更に備えてもよい。また、車両の走行状態を検知するステップと、検知された走行状態が、車両が走行中であることを示す場合、車両室内に酸素を供給するステップとを更に設けてもよい。これらの各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明に含まれる。
【0014】
尚、本願で「酸素を供給する」とは、一般的には通常の空気よりも酸素濃度が高い気体(高酸素濃度気体)を車両室内に供給することをいい、酸素濃度は特に限定はされないが、人の健康に害を及ぼさない程度の濃度が選択される。もちろん、濃度は可変とすることができる。また、高酸素濃度気体の生成方法も特に限定はされない。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、運転者の個性及び生理状態、特に覚醒状態に応じて酸素供給パターンを適宜変化させるため、運転者を効果的に覚醒させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の車載用酸素供給装置100の概略構成を示す。車載用酸素供給装置100は、制御部1と、個人識別部3と、個人状態検知部5と、パターン格納部7と、パターン変更用データ生成部8と、パターン変更用データ格納部9と、車両状態検知部11と、酸素供給部13とを含んで構成されている。
【0018】
制御部1は、車載用酸素供給装置100の動作を制御するもので、所定のプログラムによって動作するプロセッサ(図示せず)を主体に構成される。制御部2は、プロセッサによって実行される各種プログラムを記憶するメモリ、プログラム実行時のワークエリアとなるメモリ、酸素供給装置の各種設定データを記憶するメモリ等の各種メモリ(図示せず)を含んでいる。これらのメモリは、その用途に応じて、アクセス速度、記憶容量、揮発性と不揮発性の別等の異なる複数種類のメモリが用いられる。
【0019】
個人識別部3は、運転者を識別認識するものである。識別方法としては、電子免許証や、携帯電話機等に搭載されているIDメモリ15から、個人を識別、認識する方法がある。また、画像認識、音声認識等による自動認識方法を採用してもよいし、所定のバイオメトリクス認証方法、乗車後のパスワード入力等による認証を用いてもよい。個人を識別特定できるものであれば、その方法は限定されない。
【0020】
個人状態検知部5は、車両運転者の疲労度、覚醒度、ストレス等の生理状態、生理指標に対応した生体状態情報を検知するものである。例えば、運転者の眼球周辺の画像を撮像し分析することで、覚醒度を検知する方法を用いることができる(例:特開2001−198113号)。また、所定のセンサを運転者の指に装着、又はハンドルに所定のセンサを設けて、皮膚抵抗、皮膚温度、脈波などを測定する方法により、運転者の状態を測定してもよい(例:特許第3356763号)。
【0021】
心拍変動、血圧、脈波、皮膚電気活動等の如き生理指標(生体情報)と、生理状態との関係については、種々の研究、論文などが発表されている。例えば「ストレス計測技術の安全対策への適用可能性に関する調査研究」(財団法人 機械システム振興協会編)等がある。検知方法については特に限定はされず、任意のものを使用することが可能である。特に、運転者が覚醒しているか、または睡眠に近い状態のあるかという判定は運転支援の観点からは重要であり、覚醒度は検知されるべき生理状態の一つである。
【0022】
パターン格納部7は、車両室内に高酸素濃度気体を供給する際の、種々の供給パターンに対応した種々の酸素供給パターンモデルを格納するためのものである。パターン格納部7は、種々のメモリ、ROM、情報記録媒体等を用いて実現が可能であり、特にその構成は限定されない。パターン格納部に蓄積、格納される供給パターンモデルについては後に詳述する。
【0023】
パターン変更用データ生成部8は、パターン格納部7に格納された酸素供給パターンモデルを、個人識別部3によって識別された運転者に応じて適切に変更するパターン変更用データを生成する。パターン変更用データ格納部9は、パターン変更用データ生成部8によって生成され、各運転者に応じた種々のパターン変更用データを格納するものである。このようなデータの例も後に詳述する。パターン変更用データ格納部9も、種々のメモリ、ROM、情報記録媒体等を用いて実現が可能であり、特にその構成は限定されない。
【0024】
車両状態検知部11は、車両の走行状態を検知するものであり、車両に関連した種々の物理的な値を検知し、ひいては運転者が車両を運転中か又は停止中か判定するものである。判定方法は種々のものがあるが、判定基準としては、1)エンジンが作動中であれば運転中と判断する、2)移動速度が0でなければ運転中と判断する、3)走行距離が増加していれば運転中と判断する、等がある。一般的には1)の基準が用いられる。車両状態検知部11はエンジン等の車両部品から有線ないし無線にて走行状態に対応した情報を受領し、その構成は特に限定されない。
【0025】
酸素供給部13は、図示しない又は酸素供給部13自体の一部である酸素生成部により生成された高酸素濃度気体を、選択された酸素供給パターンモデルに従って、車両室内に実際に供給するためのものである。機械構成的な見地からは酸素供給口や、酸素供給管、酸素供給バルブ等を備える。供給部13の構成、種類は特定のものに限られず、種々のユニット、装置を用いることができる。
【0026】
高酸素濃度気体の生成方法としては、1)液化ガスとして高圧ガスボンベに封入された酸素を所定の濃度になるように通常空気で希釈させて得る方法、2)ゼオライト等の分子ふるい的な作用を有する吸着剤の窒素に対する吸着特性を利用して加圧と減圧の操作を交互に繰り返しながら得る方法、3)高分子膜(酸素富化膜モジュール)による気体の透過速度の違いを利用して得る方法、4)過炭酸ナトリウム等の酸素を含む化学物質と水との反応によって得る方法、等がある。もちろん、生成方法は特に限定はされない。また、生成部の構成、種類も特定のものに限られず、種々のユニット、装置を用いることができる。
【0027】
尚、本願で「酸素を供給する」とは、一般的には通常の空気よりも酸素濃度が高い気体(高酸素濃度気体)を車両室内に供給することをいう。酸素濃度は特に限定はされないが、人の健康に害を及ぼさない程度の濃度が選択される。濃度調節を可能とする機構を別途設けることもできる。
【0028】
制御部1は、個人識別部3と、個人状態検知部5と、パターン格納部7と、パターン変更用データ格納部9とから得られる各種の情報、データを取得し、現在の運転者及び現在の状況に適した、最終的な酸素供給パターンを選択又は生成し、酸素供給部13を制御することにより、所定の供給パターンに従って、高酸度濃度気体を車両室内に供給する。制御部1は運転者の生理状態に基づき、車両室内に高酸素濃度気体を供給する際の酸素供給パターンモデルを、パターン格納部7から選択するパターンモデル選択部として機能する。
【0029】
図2、図3は、パターン格納モデル部7に格納された、種々のパターンモデルを示す。図2(a)、図2(b)は、間歇型パターンモデルの異なる例をそれぞれ示し、図2(c)は、フーリエ関数パターンモデルの例を示す。運転者の覚醒度に応じて、間歇信号の形状を変化させることができる。
【0030】
図2(a)の間歇型パターンの特徴は、制御が簡単でパワーのオン・オフだけの簡単な制御で外部環境(出力状態)の変化を生じさせることが可能である。人間を含めた生物の感覚器官は一定条件のマンネリ化した刺激では「慣れ」が生じ、外部環境の変化を認識する閾値が高くなる。高濃度の酸素を一定時間連続的に出力することは代謝効率を上げて神経細胞の活動を活発にし、覚醒度を向上させる効果があるが、それと共に人間を含めた生物の感覚器官には外部環境の変化(この場合は出力オン・オフの変化)を絶えず認識して、生命維持、危険との遭遇があるかないか監視している機構が備わっており(例えば上行性網様体賦活系を含む神経路)、それらの機構を総動員して覚醒度を効率的に向上させる効果がある。出力のオン・オフは、例えば高濃度の酸素を20秒間供給し、10秒間供給を停止するというパターンの繰り返しにより行う。図2(a)の場合、例えば、a0=10秒、b0=20秒と設定し、それ以外のタイミングにおいては、高濃度の酸素を10秒間供給し、10秒間供給を停止するというパターンを繰り返してもよい。
【0031】
図2(b)の間歇型パターンの場合も上述の効果を包含する。さらに、神経細胞にはオン・オフに発火する細胞、変化量に発火する細胞、それらを組み合わせた状態に反応する細胞など、領野別に機能分担されており、図2(b)のパターンでは、より多くの異なる神経細胞を発火させることで覚醒度を向上させることができる。因みに、「発火」とは、神経生理学では一般的に使用される表現で、神経細胞への入力に対して出力が生じる場合を発火という。
【0032】
図2(c)の間歇型パターンの場合も上述の効果を包含する。さらに、このパターンの場合は脳波の中のFmΘを計測すりことにより、一番効果のある(FmΘが出現し、維持できる場合が効果があるとみなす)覚醒度を算出するフーリエ関数パターンの係数を解析により求めることができる。ここで、FmΘとは一般的に知的な注意維持機能、若しくは高い覚醒水準機能によって出現する脳波のことである。この値をデフォルト値として設定しても良い。このFmΘを覚醒度の評価基準として使用する計測方法は、図2(c)のパターンに限らず、図2(a)のパターン、図2(b)のパターンにおいても適用することができる。パラメータのデフォルト値は、生理情報を測定して求めることができる。
【0033】
一方、図3は、ゆらぎパターンモデルの一例を示す。入力された単純な一定間隔による酸素供給パターンを、離散的フーリエ変換によりパワースペクトル、1/fゆらぎを算出し、付与した状態で酸素を出力する。酸素供給にゆらぎを与えることができ、供給に強弱をつけることで、運転者の覚醒に寄与すると考えられる。
【0034】
図2、図3の各種のパターンモデルは、個々の運転者に応じてパターン変更用データによって変形、変更される。このようなパターン変更用データは、上述の様にパターン変更用データ格納部9に格納されている。図2、図3の係数、a0,a1,b0,b1,h,c,ω等のパラメータのセットが、パターン変更用データに対応する。予め特定された各個人毎に対応して、このようなパターン変更用データが与えられている。また、予め特定されていない者(例えば初めて当該車両を運転するもの)については、当該者のパターン変更用データはない。そこで、所定のデフォルト値を用意しておき、このような特定されていないものが乗車した際は、当該デフォルト値をそのまま用いて、酸素供給パターンモデルを生成してもよい。
【0035】
デフォルト値の設定は上記方法のようにオフラインで作成するのが一般的である。通常はその値を使用する。また、デフォルト値を作成する場合に、性別、年齢、運転歴、性格パターン(例えばタイプA型かそれ以外か)などに応じて最適なデフォルト値を複数個予め準備する。タイプA型かそれ以外かで分類する理由は、性格と行動パターンには関係があり、タイプA行動と呼ばれる人は敵対心、競争心が強い、短気でイライラする、仕事没頭型の人である。執着型行動、何かで待たされたり、遅い車の後ろで運転するとイライラするという特性タイプの人で、車の走行中に注意散漫になりやすいタイプであるというデータが出ている。これらの個人情報(性別、年齢、運転歴、性格パターン)は免許証等(例えば、電子免許証やICカード等)から取得することも出来るし、個人で設定することもできる。例えばタイプAかどうかの性格も事故歴、違反歴の回数などから決定してもよいし、通信部から事故歴等の情報を受け取り、性格を決定してもよい。免許証等からの情報によりその個人に一番近いデフォルト値を選択し直接設定しても良いし、複数のデフォルト値と個人情報によりパラメータ値を線形補間した値を個人のパラメータとして使用しても良い(参考文献:タイプA−性格と心臓病 M・フリードマン、R・H・ローゼンマン著/河野友信監修/新里里春訳)。
【0036】
図4は、酸素供給装置100の処理フローを示す。まず、個人識別部3は、IDメモリ15等からの情報により、運転者の識別を行う(ステップS1)。そして、次に、車両状態検知部11が、当該車両が運転中か停止中か等の如き車両の走行状態の判定を行う(ステップS2)。もし、車両が停止状態であると判断された場合、所定時間経過後再び、個人識別が行われ(ステップS1)、さらに再び運転中か否かの判定が行われ(ステップS2)、車両が運転状態となるまで、ステップS1とステップS2の操作が繰り返し行われる。この所定時間は自由に定めることができ、予め装置に記憶されたデフォルトの経過時間を用いることができる。
【0037】
そして、ステップS2で車両が運転状態にあるとの判断がなされた場合、個人状態検知部5によって運転者の生理状態検知が行われる(ステップS3)。そして、個人(運転者)識別、個人(運転者)状態双方に対応した、パターンモデル変更用データが、パターン変更用データ格納部9に存在するか否かが判定される(ステップS4)。パターンモデル変更用データが存在すると判断された場合、当該運転者に対応したデータが選択され(ステップS5)、存在しない場合は、予め定められた所定のデフォルト値が選択される(ステップS6)。
【0038】
そして、酸素供給パターンモデル及び変更用データに基づき最終的な酸素供給パターンが生成され(ステップS7)、当該パターンに従って、高酸素濃度気体が車両室内に供給される(ステップS8)。例えば、図2(a)の間歇型パターンの場合、タイプA型の場合は、高濃度の酸素を20秒間供給し、10秒間供給を停止するというパターンの繰り返しにより行い、タイプA以外の場合は、高濃度の酸素を10秒間供給し、10秒間供給を停止するというパターンを繰り返してもよい。尚、この高濃度の酸素の吹き出し時間(供給時間)と、休みの時間(供給停止時間)を変更することは可能である。
【0039】
また、本発明は車両内酸素供給方法をも提供するものであり、当該方法は、運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するステップと、生理状態を検知するステップと、検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、複数の酸素供給パターンモデルから選択するステップと、選択された酸素供給パターンモデルに従って、車両室内に酸素を供給するステップと、を備える。
【0040】
上述の方法は、運転者を識別するステップと、酸素供給パターンモデルを、識別された運転者に応じて変更するステップとを更に備えることができ、また、車両の走行状態を検知するステップと、検知された走行状態が、車両が走行中であることを示す場合、車両室内に酸素を供給するステップとを更に備えることができる。
【0041】
すなわち、個人識別部3、パターン変更用データ格納部9がなくても酸素供給装置は実現することができる。この場合、標準的な酸素供給パターンモデルをいくつか用意しておき、検知された運転者の生理状態のみに基づいて、適切な酸素供給パターンモデルを選択すればよい。また、車両状態検知部11も必須のものではない。
【0042】
また、上述の各ステップを、車載用酸素供給装置を構成するコンピュータに実行させるためのプログラムも本発明の範囲に含まれる。このプログラムは種々の形式で装置内又は装置外に組み込まれる。例えば制御部2内の所定のメモリにプログラムを記録することができる。また、ハードディスクのような情報記録装置や、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカードのような情報記録媒体にプログラムを記録してもよい。
【0043】
本発明の酸素供給に際しては、運転者の生理状態に応じて、適切な酸素供給パターンを選択することができ、酸素供給の効果、特に運転者の覚醒効果をより高めることが可能となる。
【0044】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、特許請求の範囲及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、運転者を効果的に覚醒させ、運転支援に寄与し得る車載用酸素供給装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】車載用酸素供給装置の概要図
【図2】酸素供給パターンモデルの例
【図3】酸素供給パターンモデルの例
【図4】車載用酸素供給装置の処理フロー
【符号の説明】
【0047】
1 制御部
3 個人識別部
5 個人状態検知部
7 パターン格納部
8 パターン変更用データ生成部
9 パターン変更用データ格納部
11 車両状態検知部
13 酸素供給部
15 IDメモリ
100 酸素供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するパターン格納部と、
前記生理状態を検知する個人状態検知部と、
前記検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、前記複数の酸素供給パターンモデルから選択するパターンモデル選択部と、
前記選択された酸素供給パターンモデルに従って、前記車両室内に酸素を供給する酸素供給部と、を備える車載用酸素供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載用酸素供給装置であって、
前記運転者を識別する個人識別部と、
前記パターン格納部に格納された酸素供給パターンモデルを、前記個人識別部によって識別された運転者に応じて変更するパターン変更用データを生成するパターン変更用データ生成部と、
前記パターン変更用データを格納するパターン変更用データ格納部とを更に備える、車載用酸素供給装置。
【請求項3】
請求項2記載の車載用酸素供給装置であって、
前記パターン変更用データ格納部が、識別された運転者に対応した前記パターン変更用データを有していない場合は、所定のデフォルト値に基づき前記酸素供給パターンモデルが生成される、車載用酸素供給装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項記載の車載用酸素供給装置であって、
前記車両の走行状態を検知する車両状態検知部を更に備え、
前記検知された走行状態が、前記車両が走行中であることを示す場合、前記酸素供給部は前記車両室内に酸素を供給する、車載用酸素供給装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の車載用酸素供給装置であって、
前記酸素供給パターンモデルが間歇型供給パターンモデルである、車載用酸素供給装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の車載用酸素供給装置であって、
前記酸素供給パターンモデルがフーリエ関数パターンモデルである、車載用酸素供給装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項記載の車載用酸素供給装置であって、
前記酸素供給パターンモデルがゆらぎパターンモデルである、車載用酸素供給装置。
【請求項8】
運転者の生理状態に応じた酸素供給パターンモデルを複数格納するステップと、
前記生理状態を検知するステップと、
前記検知された生理状態に基づき、車両室内に酸素を供給する際の酸素供給パターンモデルを、前記複数の酸素供給パターンモデルから選択するステップと、
前記選択された酸素供給パターンモデルに従って、前記車両室内に酸素を供給するステップと、を備える車両室内酸素供給方法。
【請求項9】
請求項8記載の車両室内酸素供給方法であって、
前記運転者を識別するステップと、
前記酸素供給パターンモデルを、前記識別された運転者に応じて変更するステップとを更に備える、車両室内酸素供給方法。
【請求項10】
請求項8又は9記載の車両室内酸素供給方法であって、
前記車両の走行状態を検知するステップと、
前記検知された走行状態が前記車両が走行中であることを示す場合、前記車両室内に酸素を供給するステップとを更に備える、車両室内酸素供給方法。
【請求項11】
請求項8ないし10のいずれか1項記載の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−232229(P2006−232229A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53662(P2005−53662)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】