説明

車載用電気システム

【課題】車載用電気システム1のフィルタ回路7で共振の発生を抑制する。
【解決手段】車載用電気システム1において、電動機用駆動装置5、6は、それぞれ、直流電源4に対して並列に接続されている。コンデンサ30は、電動機用駆動装置5のプラス入力電源端子とマイナス入力電源端子との間の電圧の変動を抑える。コンデンサ31は、電動機用駆動装置6のプラス入力電源端子とマイナス入力電源端子との間の電圧の変動を抑える。直流電源4の両電極の間でコンデンサ31に抵抗素子33が直列接続されている。このため、インバータ回路11から出力されるリップル電流に含まれる周波数がフィルタ回路7の共振周波数に重なるときでも、フィルタ回路7で共振が生じることを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1、第2の電動機用駆動装置が直流電源に対して並列に接続されている車載用電気システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用電気システムでは、第1の電動機用駆動装置が走行用モータを駆動し、第2の電動機用駆動装置が空調装置用モータを駆動するように構成されたものがある。
【0003】
車載用電気システムでは、直流電源から第1、第2の電動機用駆動装置に与えられる電圧の変動を抑えるために、第1の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に第1のコンデンサが接続され、第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に第2のコンデンサが接続されている。
【0004】
ここで、走行用モータの出力は、空調装置用モータの出力に比べて大きい。このため、直流電源から第1の電動機用駆動装置に与えられる入力電力の方が、直流電源から第2の電動機用駆動装置に与えられる入力電力に比べて大きい。したがって、一般的に、第2のコンデンサとしては、第1のコンデンサの容量に比べて小さい容量のコンデンサが用いられる。
【0005】
また、インバータ回路と直流電源との間で共振が生じることを抑えるために、インバータ回路と直流電源との間でコイルに対して抵抗素子を並列接続したものがある(例えば特許文献1参照)。
【0006】
インバータ回路と直流電源との間において複数個のコイルを並列に配置し、インバータ回路と直流電源との間において、切替スイッチによって複数個のコイルのうち1つのコイルを切替接続してインバータ回路と直流電源との間で高調波電流が流れることを抑えるものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−223301号公報
【特許文献2】特開平10−311646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の車載用電気システムでは、上述の如く、第2のコンデンサとしては、第1のコンデンサの容量に比べて小さい容量のコンデンサを用いた場合には、第1の電動機用駆動装置が走行用モータを駆動する際に第1の電動機用駆動装置からリップル電流が第2のコンデンサ側に流れて第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間の電圧が変動する。
【0009】
そこで、第1の電動機用駆動装置からリップル電流が第2のコンデンサ側に流れることを抑えるために、直流電源と第2の電動機用駆動装置との間にコイルを接続することが考えられるが、この場合でも、リップル電流を完全に抑えることができず、リップル電流が第1の電動機用駆動装置からコイルを通して第2のコンデンサに流れてしまう。
【0010】
ここで、第1、第2のコンデンサは、コイルとともに、共振周波数を有するπ型のフィルタ回路を構成している。このため、第1の電動機用駆動装置が走行用モータを駆動する際のスイッチング周波数とπ型のフィルタ回路の共振周波数とが重なる場合には、リップル電流をトリガとしてπ型のフィルタ回路に共振が生じてしまう。このため、π型のフィルタ回路の共振に伴って、第1、第2のコンデンサに大きな電流が流れて、第1、第2のコンデンサに不具合が生じる恐れがある。
【0011】
また、上記特許文献1のように、直流電源と第2の電動機用駆動装置との間においてコイルに対して抵抗素子を並列接続することも考えられるが、直流電源から第2の電動機用駆動装置に供給される電力の損失を抵抗素子によって招くことになる。
【0012】
さらに、上記特許文献2のように、第2の電動機用駆動装置と直流電源との間に並列配置される複数個のコイルのうち1つのコイルを切替スイッチによって第2の電動機用駆動装置と直流電源との間に切替接続することにより、上記π型のフィルタ回路の共振周波数がスイッチング周波数に重なることを避けるようにすることも考えられるが、複数個のコイルおよび切替スイッチの追加によって体格の大型化を招くことになる。
【0013】
本発明は上記点に鑑みて、第1、第2の電動機用駆動装置が直流電源に対して並列に接続され、第1の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に第1のコンデンサが接続され、第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に第2のコンデンサが接続されている車載用電気システムにおいて、体格の大型化や電力損失の発生を抑えつつ、共振の発生を抑えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1の電動機(2)を駆動する第1の電動機用駆動装置(5)と、第2の電動機(3)を駆動する第2の電動機用駆動装置(6)とを備え、前記第1、第2の電動機用駆動装置が直流電源に対して並列に接続され、前記直流電源から前記第1の電動機用駆動装置に与えられる電力が前記直流電源から前記第2の電動機用駆動装置に与えられる電力よりも大きくなっている車載用電気システムであって、
前記直流電源と前記第1の電動機用駆動装置との間において前記第1の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に接続される第1のコンデンサ(30)と、
前記直流電源と前記第2の電動機用駆動装置との間において前記第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に配置されて、前記第1のコンデンサに比べて小さな静電容量を有する第2のコンデンサ(31)と、
前記第2のコンデンサと前記直流電源との間に配置されて前記第1の電動機用駆動装置からのリップル電流が流れるためのコイル(32)と、
前記第2のコンデンサのプラス電極とマイナス電極との間に電流が流れることを制限するための抵抗要素(33)とを備え、
前記第1の電動機用駆動装置から出力されるリップル電流の周波数が、前記第1、第2のコンデンサおよび前記コイルから構成されるフィルタ回路の共振周波数に重なる場合には、前記フィルタ回路において前記リップル電流をトリガとして共振が生じることを前記抵抗要素によって抑えるようになっていることを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、第1の電動機用駆動装置に用いられるスイッチング周波数が、第1、第2のコンデンサおよびコイルから構成されるフィルタ回路の共振周波数に重なる場合でも、抵抗要素によって第2のコンデンサのプラス電極とマイナス電極との間に共振電流が流れることが制限される。したがって、フィルタ回路においてリップル電流をトリガとして共振が生じることを抵抗要素によって抑えることができる。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、上記特許文献1のように、直流電源と第2の電動機用駆動装置との間においてコイルに対して抵抗素子を並列接続する構成を用いていなく、上記特許文献2のように、複数個のコイルのうち1つのコイルを切替スイッチによって第2の電動機用駆動装置と直流電源との間に切替接続する構成を用いていない。
【0017】
以上により、体格の大型化や電力損失の発生を抑えつつ、共振の発生を抑えるようにする車載用電気システムを提供することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、前記第1の電動機用駆動装置は、前記第1の電動機としての車両走行用電動機を駆動し、
前記第2の電動機用駆動装置は、前記第2の電動機としての車載空調装置用電動機を駆動することを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明では、前記車載空調装置用電動機は、車載空調装置の圧縮機を駆動するための電動機であることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明では、
前記抵抗要素と前記第2のコンデンサとは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で直列に接続されていることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明では、前記第2のコンデンサは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で並列接続されている少なくとも2つのコンデンサ(31a、31b)から構成されており、
前記2つのコンデンサのうち一方のコンデンサ(31b)は、他方のコンデンサ(31a)に比べて内部抵抗が大きいものであり、
前記抵抗要素と前記他方のコンデンサとは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で直列に接続されており、
前記抵抗要素は、前記他方のコンデンサの周波数特性と前記抵抗要素とを足した回路の周波数特性を前記一方のコンデンサの周波数特性に近づけるように調整するものであることを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明では、前記第2の電動機用駆動装置(6)の2つの電源入力端子の間の電圧を検出する電圧検出手段(22)と、
前記第2の電動機用駆動装置(6)の作動に伴って前記第2のコンデンサと前記第2の電動機用駆動装置との間で電力が授受されるタイミング以外のタイミングで前記電圧検出手段による電圧の検出を実行させる電圧監視手段(50)と、
を備えることを特徴とする。
【0023】
ここで、第2の電動機用駆動装置と第2のコンデンサとの間で電力が授受されると、抵抗要素が原因で第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間の電圧が変動する。このため、前記電圧が変動するタイミングで、第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間の電圧を検出すると、電圧を正確に検出することができない。
【0024】
そこで、請求項6に記載の発明では、第2のコンデンサと第2の電動機用駆動装置との間で電力が授受されるタイミング以外のタイミングで電圧検出手段が電圧を検出することにより、第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間の電圧を正確に検出することができる。
【0025】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態における車載用電気システムの構成を示す図である。
【図2】図1の電動機用駆動装置の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の抵抗素子を用いていない場合の伝達特性を示すグラフである。
【図4】第1実施形態の抵抗素子を用いた場合の伝達特性を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態における車載用電気システムのフィルタ回路の一部の構成を示す図である。
【図6】第2実施形態の伝達特性を示すグラフである。
【図7】本発明の第3実施形態における車載用電気システムのフィルタ回路の一部の構成を示す図である。
【図8】第3実施形態の伝達特性を示すグラフである。
【図9】本発明の第4実施形態における車載用電気システムのフィルタ回路の一部の構成を示す図である。
【図10】第4実施形態の端子間電圧、搬送波などを示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態における車載用電気システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0028】
(第1実施形態)
図1に本発明に係る車載用電気システム1の第1実施形態の電気的構成を示す。
【0029】
車載用電気システム1は、三相交流電動機2、3を直流電源4の出力電圧に基づき駆動するものである。
【0030】
三相交流電動機2の出力は、三相交流電動機3の出力に比べて大きい。このため、直流電源4から三相交流電動機2に与えられる入力電力は、直流電源4から三相交流電動機3に与えられる入力電力に比べて大きい。具体的には、三相交流電動機2としてはその入力電力が、三相交流電動機3の入力電力に対して一桁以上違うものである。
【0031】
三相交流電動機2は、車両の走行用に用いられる第1の電動機である。三相交流電動機3は、車載空調装置で冷媒を圧縮する圧縮機を駆動するために用いられる第2の電動機である。三相交流電動機2、3としては、例えば、同期型交流電動機が用いられる。三相交流電動機2、3のそれぞれのステータコイル(図示省略)としては、例えば、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルがスター結線されてなるものが用いられる。
【0032】
具体的には、車載用電気システム1は、図1に示すように、電動機用駆動装置(図中駆動装置と記す)5、6、およびフィルタ回路7から構成されている。電動機用駆動装置5は、直流電源4の出力電圧に基づいて三相交流電動機2のステータコイルに三相交流電流を出力するインバータ回路を構成する第1の電動機用駆動装置である。
【0033】
電動機用駆動装置5は、図2の回路図に示すように、トランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6およびダイオードD1、D2、D3、D4、D5、D6から構成される周知の回路である。
【0034】
ここで、トランジスタSW1、SW2、SW3には、正極母線11に接続されている。正極母線11には、直流電源4のプラス電極が接続されている。トランジスタSW4、SW5、SW6には、負極母線12に接続されている。負極母線12には、直流電源4のマイナス電極が接続されている。
【0035】
トランジスタSW1、SW4の間の共通接続端子T1は、三相交流電動機2のステータコイルのU相コイルに接続されている。トランジスタSW2、SW5の間の共通接続端子T2は、三相交流電動機2のステータコイルのV相コイルに接続されている。トランジスタSW3、SW6の間の共通接続端子T3は、三相交流電動機2のステータコイルのW相コイルに接続されている。
【0036】
図1の制御回路40は、電子制御装置(図示省略)からの指令に応じてトランジスタSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6をスイッチング制御する。
【0037】
電動機用駆動装置6は、電動機用駆動装置5とともに、直流電源4に対して並列に接続されている。
【0038】
電動機用駆動装置6は、直流電源4の出力電圧に基づいて三相交流電動機3のステータコイルに三相交流電流を出力するインバータ回路を構成する第2の電動機用駆動装置である。電動機用駆動装置6の回路構成は、電動機用駆動装置5の回路構成と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
【0039】
制御回路50は、電子制御装置(図示省略)からの指令に応じて電動機用駆動装置6を構成する6個のトランジスタをスイッチング制御する。
【0040】
フィルタ回路7は、π型のフィルタ回路を構成するもので、コンデンサ30、31、コイル32、および抵抗素子33から構成されている。
【0041】
コンデンサ30は、電動機用駆動装置5のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間に配置されている。コンデンサ30は、電動機用駆動装置5の2つの電源入力端子の間の電圧変動を抑制する。
【0042】
コンデンサ31は、電動機用駆動装置6のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間に配置されている。コンデンサ31は、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子の間の電圧変動を抑制する。ここで、コンデンサ31の静電容量は、コンデンサ30の静電容量に比べて小さい。
【0043】
コイル32は、コンデンサ30のプラス電極とコンデンサ31のプラス電極との間に配置されて、電動機用駆動装置5側から電動機用駆動装置6側にリップル電流が流れることを抑制する。
【0044】
抵抗素子33は、電動機用駆動装置6のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間においてコンデンサ31に対して直列接続されている抵抗要素である。抵抗素子33は、後述するように、フィルタ回路7において共振電流が流れることを抑制する。
【0045】
本実施形態の直流電源4としては、バッテリが用いられている。また、商用の交流電源からの交流電力を直流電力に変換して直流電力を出力する電力変換装置を直流電源4として用いてもよい。
【0046】
次に、本実施形態の車載用電気システム1の作動について説明する。
【0047】
制御回路40は、電子制御装置からの指令に応じて三相の電圧指令波を求めるとともに、この三相の電圧指令波と搬送波との比較に応じてインバータ回路11のトランジスタSW1、SW2・・・SW6を制御する。
【0048】
本実施形態の搬送波は、基準電位からプラスおよびマイナスに電圧が周期的に変化する三角波である。搬送波の周波数は、電子制御装置からの指令に応じて変化するものが用いられる。
【0049】
このように電動機用駆動装置5のトランジスタSW1、SW2・・・SW6が制御回路40により制御されると、直流電源4の出力電圧に基づいて共通接続端子T1、T2、T3から三相交流電流が三相交流電動機2のステータコイルに出力される。このため、ステータコイルにおいて回転磁界が生じる。よって、ロータが回転磁界に同期して回転することになる。
【0050】
また、制御回路50は、制御回路40と同様、電子制御装置からの指令に応じて三相の電圧指令波と搬送波との比較結果に応じて電動機用駆動装置6の各トランジスタを制御する。
【0051】
このように電動機用駆動装置6の各トランジスタが制御回路50により制御されると、直流電源4の出力電圧に基づいて電動機用駆動装置6から三相交流電流が三相交流電動機3のステータコイルに出力される。このため、ステータコイルにおいて回転磁界が生じる。よって、ロータが回転磁界に同期して回転することになる。
【0052】
ここで、上述の如く、制御回路40が電動機用駆動装置5のトランジスタSW1、SW2・・・SW6を制御すると、制御回路40で用いられる搬送波の周波数を有するリップル電流が電動機用駆動装置5からコンデンサ30側に流れる。
【0053】
ここで、コンデンサ31としては、上述の如く、コンデンサ30の容量に比べて小さい容量のコンデンサが用いられる。このため、電動機用駆動装置6から出力されるリップル電流がコイル32を通してコンデンサ31側に流れる。
【0054】
例えば、フィルタ回路7で抵抗素子33が用いられていない場合において、電動機用駆動装置6から出力されるリップル電流の周波数がフィルタ回路7の共振周波数に一致するとき、上記リップル電流をトリガとして、フィルタ回路7で共振が生じることになる。すなわち、コンデンサ30、コイル32、およびコンデンサ31で構成されるフィルタ回路7において大きな共振電流が流れることになる。
【0055】
これに対して、本実施形態では、フィルタ回路7で抵抗素子33を用いることにより、フィルタ回路7で共振が生じることを抑制することができる。つまり、フィルタ回路7で抵抗素子33を追加して周波数特性を悪化することになる。このため、抵抗素子33を追加することにより、フィルタ回路7において共振電流が流れることを抑えることができる。
【0056】
次に、図3、図4において縦軸を伝達特性、横軸を周波数としてグラフGa、Gbを示す。ここで、コンデンサ30に流れる電流をIoutとし、電動機用駆動装置5からフィルタ回路7側に流れる電流をIinとしたとき、伝達特性はIout/Iinとする。
【0057】
図3のグラフGaはフィルタ回路7で抵抗素子33が用いられていない場合の伝達特性を示し、図4のグラフGbは本実施形態の場合の伝達特性を示す。グラフGaは、フィルタ回路7の共振周波数において鋭角な形状のピークとなる。すなわち、グラフGaは、顕著な共振特性となっている。一方、グラフGbは、フィルタ回路7の共振周波数において顕著なピークを形成しなく、緩やかな凸状になる。つまり、抵抗素子33によってフィルタ回路7の顕著な共振特性が抑制されることになる。このため、本実施形態によれば、フィルタ回路7で共振が生じることを抑制することができることが明らかである。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、フィルタ回路7において、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子の間でコンデンサ31に対して抵抗素子33が直列接続されている。このため、電動機用駆動装置6で用いられる搬送波の周波数がフィルタ回路7の共振周波数に重なり、電動機用駆動装置6から出力されるリップル電流に含まれる周波数がフィルタ回路7の共振周波数に重なるときでも、フィルタ回路7で顕著な共振が生じることを抑制することができる。
【0059】
ここで、フィルタ回路7で共振が生じる場合には、コンデンサ31に大きな電流が流れるので、コンデンサ31に不具合が生じる可能性がある。このため、インバータ回路11の制御で用いられる搬送波の周波数としては、フィルタ回路7の共振周波数を用いることができない。
【0060】
これに対して、本実施形態では、上述の如く、フィルタ回路7で共振が生じることを抑制することができるので、コンデンサ31に不具合が生じることを未然に防ぐことができる。これに加えて、電動機用駆動装置6の制御で用いられる搬送波の周波数として、フィルタ回路7の共振周波数と重なるような周波数でも利用できるようになる。したがって、電動機用駆動装置5で用いられる周波数の選択の自由度を広げることができる。
【0061】
さらに、本実施形態のフィルタ回路7においてコイル32をなくして構成する場合において、フィルタ回路7を構成する配線がコイルの機能を果たす。このため、ワイヤーハーネスの長さのバラツキによりフィルタ回路7の共振周波数が電動機用駆動装置6で用いられる周波数に一致することがあっても、フィルタ回路7で顕著な共振が発生することを抵抗素子33が抑えることができる。
【0062】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、電動機用駆動装置6のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間の電圧の変動を抑えるために1つのコンデンサ31を用いた例を示したが、これに代えて、本第2実施形態では、図5に示すように、電動機用駆動装置6の両電源入力端子間の電圧変動を抑えるために、2つのコンデンサ31a、31bを用いる。
【0063】
図5は、図1中のAの部分に置き換わるもので、コンデンサ31a、31bの配置を示している。すなわち、本実施形態では、コンデンサ31a、31bが図1のコンデンサ31に代えて用いられる。コンデンサ31a、31bは、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子間において並列に接続されている。
【0064】
本実施形態のコンデンサ31aとしては、例えばフィルムコンデンサが用いられる。コンデンサ31bとしては、アルミ電解コンデンサが用いられる。
【0065】
一般的に、コンデンサの特性は、温度に影響を受ける。アルミ電解コンデンサは低温に不利で、低温時にはESR(等価直列抵抗)が大きくなり周波数特性が落ちることやESRによる電圧変化が問題になる傾向にある。フィルムコンデンサは高温になると絶縁抵抗の低下、静電容量の変化、誘電正接の変化が問題となる傾向にある。
【0066】
そこで、本実施形態では、それぞれのコンデンサの特性を活かして利用することで、温度の影響を受け難くする。
【0067】
具体的には、アルミ電解コンデンサとフィルムコンデンサは1桁程度内部抵抗が異なり、アルミ電解コンデンサの方がフィルムコンデンサに比べて内部抵抗が大きい。本実施形態では、抵抗成分を追加してフィルタ回路7のコンデンサ31a側の周波数特性を悪化させる必要があるため、フィルムコンデンサとしてのコンデンサ31a側に抵抗素子33を追加する。すなわち、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子間においてコンデンサ31aと抵抗素子33とが直列に接続されている。
【0068】
ここで、常温時において、コンデンサ31aの内部抵抗の抵抗値R1と抵抗素子33の抵抗値R2とを足した値(=R1+R2)がコンデンサ31bの内部抵抗の抵抗値R3に一致させることにより、コンデンサ31aと抵抗素子33とを合わせた回路の周波数特性がコンデンサ31bの周波数特性と同等程度になるように調整されることになる。ここで、フィルムコンデンサとしてのコンデンサ31aはその静電容量を主に低温時に必要な静電容量程度にしておくと、全体として良い周波数特性が得られる。
【0069】
次に、図6において縦軸を伝達特性、横軸を周波数としてグラフGbを示す。グラフGbは本実施形態の場合の伝達特性を示す。図6中のグラフGbから分かるように、抵抗素子33成分を追加していない場合の図3中のグラフGaと比較して、顕著な共振特性が抑えられている。図6中のグラフGbは、共振周波数において若干のピークを有する特性になっているものの、コンデンサ31の容量の調整によりピークを抑えることができる。
【0070】
上述の第2実施形態では、コンデンサ31aとしてはフィルムコンデンサを用いた例を示したが、コンデンサ31bよりも内部抵抗が小さいものであるならば、フィルムコンデンサに限らず、セラミックコンデンサ等の各種のコンデンサを用いてもよい。これに加えて、コンデンサ31bとしては、コンデンサ31aよりも内部抵抗が大きいものであるならば、アルミ電解コンデンサに限らず、他のコンデンサでもよい。
【0071】
(第3実施形態)
本実施形態のフィルタ回路7では、図7に示すように、抵抗素子33と並列にダイオードDaを追加した構成になっている。図7は、図1中のAの部分に置き換わるもので、抵抗素子33、ダイオードDa、およびコンデンサ31aの配置を示している。
【0072】
本実施形態の抵抗素子33およびダイオードDaは、コンデンサ31のプラス電極と直流電源4のプラス電極との間で並列接続されている。
【0073】
ダイオードDaは、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタがスイッチングする際に、電動機用駆動装置6側から抵抗素子33をバイパスしてコンデンサ31に電流を流してコンデンサ31aに電荷を蓄える。
【0074】
上記第1の実施形態のように、単純に抵抗素子33を追加して周波数特性を悪化すると、抵抗素子33による通電損失が生じて性能低下にもなる。
【0075】
そこで、本実施形態では、上述の如く、ダイオードDaを追加した構成により、コンデンサ31に電荷を蓄える際には、抵抗素子33を介さずにコンデンサ31に電流を流すようにする。これにより、抵抗素子33による通電損失が抑えられる。図8のグラフGbにおいて、本実施形態の場合の伝達特性を示すが、ほぼ図4と同様の結果となっている。
(第4実施形態)
本第4実施形態では、上述の第1の実施形態のように、コンデンサ31に抵抗素子33を直列接続したフィルタ回路7を用いた場合において、電動機用駆動装置6のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間の電圧を検出する例について説明する。
【0076】
ここで、上述の第1の実施形態のように、フィルタ回路7においてコンデンサ31に抵抗素子33を直列接続すると、例えば、電動機用駆動装置6からコンデンサ31側への電力授受が行われる際に抵抗素子33に電流が流れるので、電動機用駆動装置6のプラス側電源入力端子とマイナス側電源入力端子との間の電圧が変動する。
【0077】
そこで、本実施形態では、図9に示すように、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子間の電圧を検出する電圧センサ22を採用して、制御回路50が電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子間の電圧(以下、端子間電圧という)が変動するタイミングを除いたタイミングで、電圧センサ22によって電圧検出を行う。図9は本実施形態の車載用電気システム1のうち電動機用駆動装置6側の構成を示す図である。なお、図9は本実施形態の車載用電気システム1において図9の構成以外の他の構成は、図1の構成と同じである。
【0078】
図10(a)〜(h)において端子間電圧と電動機用駆動装置6の各トランジスタの作動のタイミングとの関係について説明する。
【0079】
図10(a)は端子間電圧を示し、図10(b)は電動機用駆動装置6で用いられる搬送波Kと、U相電圧指令波Ua、V電圧指令波Va、およびW相電圧指令波Waを示す。電圧指令波Ua、Va、Waは正弦波であるが、図10(b)では時間軸(横軸)の縮尺の関係で、直線状に示されている。図10(c)〜(h)は電動機用駆動装置6を構成するトランジスタのオン、オフのタイミングを示す。
【0080】
図10(c)はU相上アームのタイミング、図10(d)はU相下アームのタイミング、図10(e)はV相上アームのタイミング、図10(f)はV相下アームのタイミング、図10(g)はW相上アームのタイミング、図10(h)はW相下アームのタイミングに対応する。
【0081】
なお、U相上アームはU相に対応する2つのトランジスタのうち正極母線側トランジスタ、U相下アームはU相に対応する2つのトランジスタのうち負極母線側トランジスタ、V相上アームはV相に対応する2つのトランジスタのうち正極母線側のトランジスタ、V相下アームは、V相上アームはV相に対応する2つのトランジスタのうち負極母線側のトランジスタ、W相上アームはW相に対応する2つのトランジスタのうち正極母線側トランジスタ、W相下アームはW相に対応する2つのトランジスタのうち負極母線側トランジスタである。
【0082】
図10(a)、(c)〜(h)から分かるように、上アームのトランジスタがオフして下アームのトランジスタがオフするタイミングと上アームのトランジスタがして下アームのトランジスタがオフするタイミングとでは、端子間電圧が変動する場合がある。これは、コンデンサ31と電動機用駆動装置6との間で電流が流れるからである。
【0083】
そこで、制御回路50は、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタをスイッチング制御する際に、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタのオン、オフのタイミングのうち端子間電圧が変動するタイミング以外の他のタイミングで、電圧センサ22による電圧検出を繰り返し行う。制御回路50は、電圧センサ22の検出電圧が異常電圧であるか否かを判定し、電圧センサ22の検出電圧が異常電圧であると判定すると、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタのスイッチング制御を停止する。
【0084】
以上説明した本実施形態によれば、制御回路50は、電動機用駆動装置6の各トランジスタをスイッチング制御する際に端子間電圧が変動するタイミング以外の他のタイミングで、電圧センサ22による電圧検出を繰り返し行う。したがって、電動機用駆動装置6の2つの電源入力端子間の電圧を正確に求めることができる。
【0085】
(第5実施形態)
上記第1〜4実施形態では、電動機用駆動装置5(6)としては、直流電源4の出力電圧に基づいて三相交流電流を三相交流電動機2(3)に出力するインバータ回路から構成されるものについて説明したが、これに代えて、本実施形態では、図11に示すように、電動機用駆動装置5がインバータ回路10と昇圧回路11とから構成され、電動機用駆動装置6がインバータ回路20と昇圧回路21とから構成されるものを用いる。
【0086】
昇圧回路11は、コイルおよびトランジスタなどから構成されて、トランジスタがスイッチングする際に直流電源4の出力電圧に基づいてコイルにエネルギを蓄え、この蓄えたエネルギに基づいて直流電源4の出力電圧よりも高い電圧を出力する周知の回路である。インバータ回路10は、昇圧回路11の出力電圧に基づいて三相交流電流を三相交流電動機2のステータコイルに出力するものである。
【0087】
昇圧回路21は、昇圧回路11と同様、コイルおよびトランジスタなどから構成されて、トランジスタのスイッチングに伴って直流電源4の出力電圧よりも高い電圧を出力する周知の回路である。インバータ回路20は、昇圧回路21の出力電圧に基づいて三相交流電流を三相交流電動機3のステータコイルに出力するものである。
【0088】
以上説明した本実施形態では、昇圧回路11のトランジスタがスイッチングする際にトランジスタのスイッチング周波数を含むリップル電流が電動機用駆動装置6からコンデンサ30側に流れる。
【0089】
例えば、フィルタ回路7で抵抗素子33が用いられていない場合において、電動機用駆動装置6から出力されるリップル電流の周波数がフィルタ回路7の共振周波数に一致するとき、上記リップル電流をトリガとして、フィルタ回路7で共振が生じることになる。
【0090】
これに対して、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、フィルタ回路7で抵抗素子33を用いることにより、フィルタ回路7で顕著な共振が生じることを抑制することができる。
【0091】
(他の実施形態)
上述の第1実施形態では、抵抗要素としての抵抗素子33をコンデンサ31の外部に接続したものを示したが、これに限らず、外部の抵抗素子33を廃止して、コンデンサ31単体としてその材質を変更して抵抗要素としての抵抗成分を加えるように製造されたコンデンサ31を用いてもよい。
【0092】
これに限らず、コンデンサ内部に抵抗要素としての抵抗素子を追加するように製造されたコンデンサ31を用いてもよい。或いは、コンデンサ内部にて電流が流れる有効面積を減らして抵抗成分を増加させることにより抵抗要素を追加するように製造されたコンデンサ31を用いてもよい。
【0093】
同様、上述の第2実施形態では、抵抗要素としての抵抗素子33をコンデンサ31aの外部に接続したものを示したが、外部の抵抗素子33を廃止して、コンデンサ内部の材質の変更などによってコンデンサ内部に抵抗要素を追加するように製造されたコンデンサ31を用いてもよい。
【0094】
上述の第4実施形態では、制御回路50は、端子間電圧が変動するタイミング以外の他のタイミングで、電圧センサ22によって電圧を検出し、この検出された電圧に基づいて電動機用駆動装置6の両電源入力端子間の電圧が異常電圧か否かを判定した例について説明したが、これに代えて、端子間電圧のサンプリング値を多数求めるとともに、多数のサンプリング値の平均電圧に基づいて異常電圧であるか否かを判定してもよい。また、端子間電圧を監視して電圧上昇を判定して、この電圧上昇と判定された電圧を異常電圧の判定に用いないようにしてもよい。
【0095】
上述の第1〜第5の実施形態では、第1、第2の電動機として三相交流電動機を用いた例を示したが、これに代えて、直流電動機や同期型のN相交流電動機(N≧4)を用いてもよい。或いは、第1、第2の電動機として誘導電動機を用いてもよい。
【0096】
また、上述の第2、第4の実施形態において、図7のダイオードDaを適用してもよく、上述の第2、第3の実施形態において、図9の電圧センサ22および制御回路50を採用してもよい。すなわち、制御回路50が、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタをスイッチング制御する際に、電動機用駆動装置6を構成する各トランジスタのオン、オフのタイミングのうち端子間電圧が変動するタイミング以外の他のタイミングで、電圧センサ22による電圧検出を繰り返し行うことになる。
【0097】
上述の第1〜第5の実施形態では、三相交流電動機2として走行用電動機を用いる例について説明したが、これに限らず、三相交流電動機2として走行用電動機以外の電動機を用いてもよい。三相交流電動機3として、車載空調装置の圧縮機駆動用の電動機以外の電動機を用いてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 車載用電気システム
2 三相交流電動機
3 三相交流電動機
4 直流電源
5 電動機用駆動装置
6 電動機用駆動装置
7 フィルタ回路
10 インバータ回路
11 昇圧回路
20 インバータ回路
21 昇圧回路
30 コンデンサ
31 コンデンサ
31a コンデンサ
31b コンデンサ
32 コイル
33 抵抗素子
SW1 トランジスタ
SW2 トランジスタ
SW3 トランジスタ
SW4 トランジスタ
SW5 トランジスタ
SW6 トランジスタ
Da ダイオード
D1 ダイオード
D2 ダイオード
D3 ダイオード
D4 ダイオード
D5 ダイオード
D6 ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電動機(2)を駆動する第1の電動機用駆動装置(5)と、第2の電動機(3)を駆動する第2の電動機用駆動装置(6)とを備え、前記第1、第2の電動機用駆動装置が直流電源に対して並列に接続され、前記直流電源から前記第1の電動機用駆動装置に与えられる電力が前記直流電源から前記第2の電動機用駆動装置に与えられる電力よりも大きくなっている車載用電気システムであって、
前記直流電源と前記第1の電動機用駆動装置との間において前記第1の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に接続される第1のコンデンサ(30)と、
前記直流電源と前記第2の電動機用駆動装置との間において前記第2の電動機用駆動装置の2つの電源入力端子の間に配置されて、前記第1のコンデンサに比べて小さな静電容量を有する第2のコンデンサ(31、31a、31b)と、
前記第2のコンデンサと前記直流電源との間に配置されて前記第1の電動機用駆動装置からのリップル電流が流れるためのコイル(32)と、
前記第2のコンデンサのプラス電極とマイナス電極との間に電流が流れることを制限するための抵抗要素(33)とを備え、
前記第1の電動機用駆動装置から出力されるリップル電流の周波数が、前記第1、第2のコンデンサおよび前記コイルから構成されるフィルタ回路(7)の共振周波数に重なる場合には、前記フィルタ回路において前記リップル電流をトリガとして共振が生じることを前記抵抗要素によって抑えるようになっていることを特徴とする車載用電気システム。
【請求項2】
前記第1の電動機用駆動装置は、前記第1の電動機としての車両走行用電動機を駆動し、
前記第2の電動機用駆動装置は、前記第2の電動機としての車載空調装置用電動機を駆動することを特徴とする請求項1に記載の車載用電気システム。
【請求項3】
前記車載空調装置用電動機は、車載空調装置の圧縮機を駆動するための電動機であることを特徴とする請求項2に記載の車載用電気システム。
【請求項4】
前記抵抗要素と前記第2のコンデンサとは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で直列に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載用電気システム。
【請求項5】
前記第2のコンデンサは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で並列接続されている少なくとも2つのコンデンサ(31a、31b)から構成されており、
前記2つのコンデンサのうち一方のコンデンサ(31b)は、他方のコンデンサ(31a)に比べて内部抵抗が大きいものであり、
前記抵抗要素と前記他方のコンデンサとは、前記直流電源のプラス電極とマイナス電極との間で直列に接続されており、
前記抵抗要素は、前記他方のコンデンサの周波数特性と前記抵抗要素とを足した回路の周波数特性を前記一方のコンデンサの周波数特性に近づけるように調整するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載用電気システム。
【請求項6】
前記第2の電動機用駆動装置(6)の2つの電源入力端子の間の電圧を検出する電圧検出手段(22)と、
前記第2の電動機用駆動装置(6)の作動に伴って前記第2のコンデンサと前記第2の電動機用駆動装置との間で電力が授受されるタイミング以外のタイミングで前記電圧検出手段による電圧の検出を実行させる電圧監視手段(50)と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車載用電気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−244651(P2012−244651A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109156(P2011−109156)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】