説明

車載装置及びアクセル踏み込み量検出方法

【課題】
アクセル踏み込み量を利用する既存の機能動作に悪影響を与えることなく、取付汎用性に優れた車載装置を提供する。
【解決手段】
車両が標準的に装備しているアクセル開度センサによる測定結果を利用せずに、車載装置である擬似エンジン音発生装置100Aが備えるアクセル位置測定部110Aによる測定結果を利用して、踏み込み量算出部120Aが、アクセル開度と同等のアクセル踏み込み量を算出する。ここで、アクセル位置測定部110Aは、アクセルペダルに装着され、配線を必要としないセンサ測定対象部材である永久磁石111Aと、所定位置に固定され、永久磁石111Aとの位置関係に対応する測定結果を出力するセンサ手段である磁気センサ112とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、アクセル踏み込み量検出方法及びアクセル踏み込み量検出プログラム、並びに、当該アクセル踏み込み量検出プログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両には多くの車載装置が搭載されている。こうした車載装置には、アクセル踏み込み量に対応するアクセル開度に応じた処理を行うものがある。かかる処理としては、例えば、擬似エンジン音の発生処理(特許文献1参照:以下、「従来例1」と呼ぶ)、燃費の算出処理(特許文献2参照:以下、「従来例2」と呼ぶ)等がある。
【0003】
また、車載装置としては、車両の製造時に車両に搭載されるものと、車両の工場出荷後、後発的に車両に搭載されるものとがある。後発的に車両に搭載される車載装置(以下、「アドオン車載装置」という)用には、一般に、車両に装備されているアクセル開度センサによる検出結果を供給するための標準設備が用意されるようにはなっていない。このため、アクセル開度に応じた処理を行うアドオン車載装置を車両に搭載する場合には、アクセル開度を取得するための工夫が必要となるが、従来例1,2では、アドオン車載装置の場合におけるアクセル開度の取得のための具体的な構成が開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO 2006/095876 A1 号公報
【特許文献2】特開2009−192405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサによるアクセル開度の検出結果は、エンジンの吸気量の制御に利用される。このため、当該アクセル開度センサによる検出結果は、車両の走行制御にとって必須であり、車両の走行安全性に欠くことができない点で、例えば、タイヤの回転を計測する車速センサ等とは大きく異なっている。
【0006】
このため、アドオン車載装置がアクセル開度を取得するに際して、アクセル開度センサと、車両の動作を制御するためのECU(Electrical Control Unit)とを接続する信号ハーネスに検出ハーネスを噛ませて、アクセル開度センサの出力信号をモニタする手法が従来から行われている。しかしながら、この手法によると、アクセル開度センサの出力信号を変形させる可能性がある。このため、アクセル開度センサによる検出結果の走行安全性に関する重要性を考えると、アクセル開度センサの出力信号をECUに伝達するための信号ハーネスに検出ハーネスを噛ませる手法以外の手法を採用することが好ましい。
【0007】
また、アドオン車載装置がアクセル開度を取得するに際して、ECUから出力されるデジタル信号である車体情報信号(例えば、CAN(Controller Area Network)信号等)を取得する手法を採用することが考えられる。しかしながら、この手法を採用すると、様々な車載装置で利用される車体情報信号のレベルを変化させたり、当該車体情報信号へノイズが重畳したりする可能性がある。また、車体情報信号のデコードのために車両メーカから許可及びデコード用情報を得る必要があるので、アドオン車載装置の取付汎用性が著しく狭くなってしまう。
【0008】
このため、既存のアクセル開度センサによる検出結果の利用に悪影響を与えたり、他の車載装置の動作に悪影響を与えたりすることなく、かつ、取付汎用性に優れた車載装置を実現できる技術が待望されている。かかる要請に応えることが、本発明が解決すべき課題として挙げられる。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、車両における既存の機能動作に悪影響を与えることなく、取付汎用性に優れた車載装置及びアクセル踏み込み量検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、車両に搭載される車載装置であって、アクセルペダル、又は、前記アクセルペダルが固定されたアクセルペダルアームに装着されるセンサ測定対象部材と;所定位置に固定され、前記センサ測定対象部材との位置関係に対応する測定結果を出力するセンサ手段と;前記センサ手段から出力された測定結果を取得し、前記取得された測定結果に基づいて、アクセル踏み込み量を算出する算出手段と;前記算出されたアクセル踏み込み量に応じた処理を行う処理手段と;を備えることを特徴とする車載装置である。
【0011】
請求項13に記載の発明は、アクセルペダル、又は、前記アクセルペダルが固定されたアクセルペダルアームに装着されるセンサ測定対象部材と;所定位置に固定され、前記センサ測定対象部材との位置関係に対応する測定結果を出力するセンサ手段と;を備え、車両に搭載される車載装置において使用されるアクセル踏み込み量検出方法であって、前記センサ手段から出力された測定結果を取得する取得工程と;前記取得された測定結果に基づいて、アクセル踏み込み量を算出する算出工程と;を備えることを特徴とするアクセル踏み込み量検出方法である。
【0012】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のアクセル踏み込み量検出方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするアクセル踏み込み量検出プログラムである。
【0013】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のアクセル踏み込み量検出プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る擬似エンジン音発生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1のアクセル位置測定部における永久磁石及び磁気センサの配設位置を説明するための図である。
【図3】図1の踏み込み量算出部による較正処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の踏み込み量算出部によるアクセル踏み込み量算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る擬似エンジン音発生装置のアクセル位置測定部における永久磁石及び磁気センサの配設位置を説明するための図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る擬似エンジン音発生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】図6のアクセル位置測定部における永久磁石及び磁気センサの配設位置を説明するための図である。
【図8】図6の踏み込み量算出部による較正処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図6の踏み込み量算出部によるアクセル踏み込み量算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第4実施形態に係る擬似エンジン音発生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図11】図10のアクセル位置測定部における反射板及び測距センサの配設位置を説明するための図である。
【図12】図10の踏み込み量算出部による較正処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】図10の踏み込み量算出部によるアクセル踏み込み量算出処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
【0017】
<構成>
図1には、第1実施形態に係る車載装置としての擬似エンジン音発生装置100Aの概略的な構成が、ブロック図にて示されている。この図1に示されるように、擬似エンジン音発生装置100Aは、アクセル位置測定部110Aと、算出手段としての踏み込み量算出部120Aとを備えている。また、擬似エンジン音発生装置100Aは、センサインターフェース130と、処理手段としての擬似エンジン音生成部140と、スピーカ150とを備えている。
【0018】
上記のアクセル位置測定部110Aは、センサ測定対象部材としての永久磁石111Aと、センサ手段としての磁気センサ112とを備えている。永久磁石111Aは、磁束を射出する。また、磁気センサ112は、永久磁石111Aから射出された磁束のうちで、磁束検出面を貫く磁束の量を測定する。本第1実施形態では、磁気センサ112はホール素子を備えて構成されている。磁気センサ112による磁束測定値MSは、踏み込み量算出部120Aへ送られる。なお、永久磁石111A及び磁気センサ112の配設位置については、後述する。
【0019】
上記の踏み込み量算出部120Aは、アクセル位置測定部110Aから送られた磁束測定値MSを受ける。そして、踏み込み量算出部120Aは、下記の(1)式を利用して、アクセル踏み込み量に対応するアクセル踏み込み比率ARDを算出する。算出されたアクセル踏み込み比率ARDは、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
ARD=100×(1−(MS100−MS)/(MS100−MS0)) …(1)
【0020】
上述の(1)式における値MS0は、アクセルが踏み込まれていない場合の磁気センサ112による磁束測定値であり、値MS100は、アクセルが最大限踏み込まれた場合の磁気センサ112による磁束測定値である。値MS0,MS100は、後述する較正処理により決定されるようになっている。
【0021】
上記のセンサインターフェース130は、エンジン回転数センサ910から送られたエンジン回転数の測定結果ERS、及び、車速センサ920から送られた車速の測定結果SPSを受ける。そして、センサインターフェース130は、測定結果ERS,SPSを、擬似エンジン音生成部140で処理可能な形態に変換する。この変換の結果が、測定結果ERD,SPDとして、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
【0022】
なお、本第1実施形態では、擬似エンジン音発生装置100Aが搭載された車両に装備されたエンジン回転数センサ910及び車速センサ920を利用している。ここで、エンジン回転数センサ910は、エンジンの回転を検出し、それに応じたパルス信号を出力するようになっている。また、車速センサ920は、車軸の回転を検出し、それに応じたパルス信号を出力するようになっている。この結果、測定結果ERS,SPSはパルス信号となっているので、信号の変形が極端なものでなければ、測定結果ERS,SPSを利用して、エンジン回転数及び車速を検出できる。このため、本第1実施形態では、エンジン回転数センサ910及び車速センサ920とECUとを接続する信号ハーネスに検出ハーネスを噛ませることにより、又は、ECUからアドオン車載装置向けに引き出されている出力ハーネスを擬似エンジン音発生装置100Aに接続することにより、測定結果ERS,SPSがセンサインターフェース130に供給されるようにしている。
【0023】
上記の擬似エンジン音生成部140は、踏み込み量算出部120Aから送られたアクセル踏み込み比率ARD、及び、センサインターフェース130から送られた測定結果ERD,SPDを受ける。そして、擬似エンジン音生成部140は、アクセル踏み込み比率ARD及び測定結果ERD,SPDに基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成する。生成された擬似エンジン音信号PESは、スピーカ150へ送られる。
【0024】
上記のスピーカ150は、擬似エンジン音生成部140から送られた擬似エンジン音信号PESを受ける。そして、スピーカ150は、擬似エンジン音信号PESに従って擬似エンジン音を再生出力する。
【0025】
次に、アクセル位置測定部110Aの構成要素である永久磁石111A及び磁気センサ112の配設位置について、図2を参照して説明する。図2(A)に示されるように、本第1実施形態では、永久磁石111Aは、アクセルペダルアーム820に接続されたアクセルペダル810の裏面にS極面が対向するように、アクセルペダル810の裏面に装着されている。この結果、図2(A)において一点鎖線矢印で示されるように、永久磁石111AのN極面から下方へ向けて磁束が射出されるようになっている。
【0026】
磁気センサ112は、図2(B)に示されるように、車両の床面FLP上であって、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合に、永久磁石111AのN極面に対向する位置に設置されている。このため、アクセルペダル810の踏み込みによるアクセルペダル810の位置変化において、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合に、磁気センサ112の磁束検出面を貫く磁束の量が最も多く、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合に、当該磁束検出面を貫く磁束の量が最も少なくなるようになっている。
【0027】
なお、車両の床面FLPに敷かれるフロアカーペットが非磁性体であれば、当該フロアカーペットに開口を形成する等の加工をすることなく、磁気センサ112を覆うように、フロアカーペットを敷くことができる。
【0028】
<動作>
次に、上記のように構成された擬似エンジン音発生装置100Aの動作について、アクセル位置測定部110Aの較正処理、及び、アクセル踏み込み量の算出処理に主に着目して説明する。なお、踏み込み量算出部120Aの動作モードには、較正モードと通常モードとの2つの動作モードがあり、不図示の操作入力部により、較正モードによる動作と通常モードによる動作とを切り換えられるようになっているものとする。ここで、較正モードは、当該擬似エンジン音発生装置100Aを最初に車両に取り付けた際や、その後において、車両の運転前に、アクセル位置測定部110Aの較正を行う際に使用するモードである。通常モードは、較正モードによるアクセル位置測定部110Aの較正結果を利用して、車両の実際の運転に伴い、擬似エンジン音発生装置100Aを使用する際のモードである。
【0029】
《アクセル位置測定部110Aの較正処理》
まず、アクセル位置測定部110Aの較正処理について説明する。かかる較正処理は、踏み込み量算出部120Aに対して較正モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0030】
この較正処理に際しては、図3に示されるように、まず、ステップS11において、踏み込み量算出部120Aが、アクセル踏み込みが無い場合にアクセル位置測定部110Aから送られた磁束測定値MS0を取得する。引き続き、ステップS12において、踏み込み量算出部120Aが、最大限のアクセル踏み込みが行われた場合にアクセル位置測定部110Aから送られた磁束測定値MS100を取得する。
【0031】
次に、ステップS13において、踏み込み量算出部120Aが、新たに取得された磁束測定値MS0,MS100を、上述した(1)式の値MS0,MS100として採用する。この後、アクセル位置測定部110Aの較正処理が終了する。
【0032】
《アクセル踏み込み量の算出処理》
次に、アクセル踏み込み量の算出処理について説明する。かかる算出処理は、踏み込み量算出部120Aに対して通常モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0033】
この算出処理に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS21において、踏み込み量算出部120Aが、アクセル位置測定部110Aから送られた磁束測定値MSを取得する。引き続き、ステップS22において、踏み込み量算出部120Aが、上述した(1)式を利用して、アクセル踏み込み比率ARDを算出する。そして、踏み込み量算出部120Aは、算出されたアクセル踏み込み比率ARDを、擬似エンジン音生成部140へ送る。
【0034】
こうして、ステップS22の処理が終了すると、処理はステップS21へ戻る。以後、ステップS21,S22の処理が繰り返され、新たなアクセル踏み込み比率ARDが算出される度に、算出された新たなアクセル踏み込み比率ARDが、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
【0035】
こうして踏み込み量算出部120Aから送られたアクセル踏み込み比率ARD、並びに、センサインターフェース130から送られた測定結果ERD,SPDを受けた擬似エンジン音生成部140は、これらの受信結果に基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成し、スピーカ150へ送る。そして、擬似エンジン音信号PESを受けたスピーカ150が、擬似エンジン音信号PESに従って擬似エンジン音を再生出力する。
【0036】
以上説明したように、本第1実施形態では、擬似エンジン音発生装置100Aが備えるアクセル位置測定部110Aによる測定結果を利用して、踏み込み量算出部120Aが、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサにより検出されるアクセル開度と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第1実施形態によれば、高い取付汎用性を有しつつ、アクセル開度と同等のアクセル踏み込み量に応じた擬似エンジン音を発生することができる。
【0037】
また、本第1実施形態では、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサによる測定結果を利用せずに、当該アクセル開度センサによるアクセル開度の計測結果と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第1実施形態によれば、擬似エンジン音発生装置100Aが、後発的に車両に搭載されるアドオン車載装置であっても、アクセル開度センサを利用するエンジン制御に全く影響を与えることなく、適切な擬似エンジン音を発生することができる。
【0038】
また、本第1実施形態では、配線を必要としない永久磁石111Aが、アクセルペダル810の裏面に装着される。また、磁気センサ112が、アクセル操作に際して利用者が存在を意識する必要の無いアクセルペダル810の下方の床面に配置される。このため、利用者によるアクセル操作への制約や悪影響を発生することがない。
【0039】
また、本第1実施形態では、アクセル位置測定部110Aの較正を簡易に行うことができる。このため、かかる較正を適宜行うことにより、精度良く測定されたアクセル踏み込み量を利用して、擬似エンジン音を発生することができる。
【0040】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図5を主に参照して説明する。本第2実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置を例示して説明する。なお、以下の説明においては、本第2実施形態に係る擬似エンジン音発生装置を、「擬似エンジン音発生装置100B」と記す。
【0041】
<構成>
擬似エンジン音発生装置100Bは、上述した第1実施形態の擬似エンジン音発生装置100Aと比べて、アクセル位置測定部110Aに代えて、図5に示されるアクセル位置測定部110Bを備えている点のみが異なっている。図5に示されるように、アクセル位置測定部110Bは、アクセル位置測定部110Aと比べて、永久磁石111Aと、磁気センサ112とを備える点では同様であるが、永久磁石111A及び磁気センサ112の配置位置が異なっている。以下、この相違点に主に着目して説明する。
【0042】
本第2実施形態では、図5(A)に示されるように、アクセルペダルアーム820の上面にS極面が対向するように、アクセルペダルアーム820の上面に装着されている。この結果、図5(A)において一点鎖線矢印で示されるように、永久磁石111AのN極面から上方へ向けて磁束が射出されるようになっている。
【0043】
磁気センサ112は、図5(B)に示されるように、アクセルペダルアーム820の上方の車両筐体CBDであって、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合に、永久磁石111AのN極面に対向する位置に設置されている。このため、アクセルペダル810の踏み込みによるアクセルペダル810の位置変化において、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合に、磁気センサ112の磁束検出面を貫く磁束の量が最も少なく、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合に、当該磁束検出面を貫く磁束の量が最も多くなるようになっている。
【0044】
なお、本第2実施形態は、上述した第1実施形態のように車両の床面FLP(図2参照)の形状が磁気センサ112を配置するのに適していないような場合でも実施することができる。
【0045】
<動作>
次に、上記のように構成された擬似エンジン音発生装置100Bの動作について、説明する。
【0046】
擬似エンジン音発生装置100Bでは、アクセル位置測定部110Bの較正処理、及び、アクセル踏み込み量の算出処理が、上述した第1実施形態の場合と同様にして行われる。そして、第1実施形態の場合と同様にして、踏み込み量算出部120Aから送られたアクセル踏み込み比率ARD、並びに、センサインターフェース130から送られた測定結果ERD,SPDに基づいて、擬似エンジン音生成部140が、擬似エンジン音信号PESを生成し、スピーカ150が、擬似エンジン音信号PESに従って擬似エンジン音を再生出力する。
【0047】
以上説明したように、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置100Bが備えるアクセル位置測定部110Bによる測定結果を利用して、踏み込み量算出部120Aが、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサにより検出されるアクセル開度と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第2実施形態によれば、高い取付汎用性を有しつつ、アクセル踏み込み量に応じた擬似エンジン音を発生することができる。
【0048】
また、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の場合と同様に、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサによる測定結果を利用せずに、当該アクセル開度センサによるアクセル開度の計測結果と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第2実施形態によれば、擬似エンジン音発生装置100Bが、後発的に車両に搭載されるアドオン車載装置であっても、アクセル開度センサを利用するエンジン制御に全く影響を与えることなく、適切な擬似エンジン音を発生することができる。
【0049】
また、本第2実施形態では、配線を必要としない永久磁石111Aが、アクセルペダルアーム820の上面に装着される。また、磁気センサ112が、アクセル操作に際して利用者が存在を意識する必要の無いアクセルアペダルアーム820の上方の車両筐体に配置される。このため、上述した第1実施形態の場合と同様に、利用者によるアクセル操作への制約や悪影響を発生することがない。
【0050】
また、本第2実施形態では、上述した第1実施形態の場合と同様に、アクセル位置測定部110Bの較正を簡易に行うことができる。このため、かかる較正を適宜行うことにより、精度良く測定されたアクセル踏み込み量を利用して、擬似エンジン音を発生することができる。
【0051】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を、図6〜図9を主に参照して説明する。本第3実施形態においても、第1及び第2実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置を例示して説明する。
【0052】
<構成>
図6には、第3実施形態に係る車載装置としての擬似エンジン音発生装置100Cの概略的な構成が、ブロック図にて示されている。この図6に示されるように、擬似エンジン音発生装置100Cは、上述した第1実施形態の擬似エンジン音発生装置100Aと比べて、アクセル位置測定部110Aに代えてアクセル位置測定部110Cを備える点、及び、踏み込み量算出部120Aに代えて踏み込み量算出部120Cを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0053】
上記のアクセル位置測定部110Cは、永久磁石111Cと、磁気センサ1121,1122とを備えている。永久磁石111Cは、磁束を射出する。また、磁気センサ1121,1122は、永久磁石111Cから射出された磁束のうちで、磁束検出面を貫く磁束の量を測定する。本第3実施形態では、磁気センサ1121,1122のそれぞれは、上述の磁気センサ112と同様に、ホール素子を備えて構成されている。
【0054】
磁気センサ1121による磁束測定値MS1は、踏み込み量算出部120Cへ送られる。また、磁気センサ1122による磁束測定値MS2は、踏み込み量算出部120Cへ送られる。
【0055】
なお、永久磁石111C及び磁気センサ1121,1122の配設位置については、後述する。
【0056】
上記の踏み込み量算出部120Cは、アクセル位置測定部110Cから送られた磁束測定値MS1,MS2を受ける。そして、踏み込み量算出部120Cは、下記の(2)式を利用して、アクセル踏み込み量に対応するアクセル踏み込み比率ARDを算出する。算出されたアクセル踏み込み比率ARDは、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
ARD=50×(1−(MS1100−MS1)/(MS1100−MS10))
+50×(1−(MS2100−MS2)/(MS2100−MS20)) …(2)
【0057】
なお、上述の(2)式は、磁気センサ1121と磁気センサ1122との磁束測定値を比率として50%対50%の割合でアクセル踏み込み比率ARDを算出するときの式であるが、磁気センサ1121と磁気センサ1122との磁束測定値の比率は変更することが可能である。例えば、アクセルが踏みこまれていない場合の永久磁石111Cと磁気センサ1121との距離と、アクセルが踏みこまれた場合の永久磁石111Cと磁気センサ1122との距離に応じて変更すればよい。
【0058】
上述の(2)式における値MS10は、アクセルが踏み込まれていない場合の磁気センサ1121による磁束測定値であり、値MS1100は、アクセルが最大限踏み込まれた場合の磁気センサ1121による磁束測定値である。また、値MS20は、アクセルが踏み込まれていない場合の磁気センサ1122による磁束測定値であり、値MS2100は、アクセルが最大限踏み込まれた場合の磁気センサ1122による磁束測定値である。値MS10,MS1100,MS20,MS2100は、後述する較正処理により決定されるようになっている。
【0059】
次に、アクセル位置測定部110Cの構成要素である永久磁石111C及び磁気センサ1121,1122の配設位置について、図7を参照して説明する。図7(A)に示されるように、本第3実施形態では、永久磁石111Cは、S極面が左方を向き、N極面が右方を向くように、アクセルペダルアーム820の上面に装着されている。この結果、図7(A)において一点鎖線矢印で示されるように、永久磁石111CのN極面から右方(+X方向)へ向けて磁束が射出されるようになっている。
【0060】
磁気センサ1121,1122は、図7(A)及び図7(B)により総合的に示されるように、アクセルペダル810及びアクセルペダルアーム820の右方の車体筐体CBDに設置されている。そして、磁気センサ1121は、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合において、永久磁石111CのN極面の+X方向側の位置に設置されている。また、磁気センサ1122は、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合において、永久磁石111CのN極面の+X方向側の位置に設置されている。
【0061】
このため、アクセルペダル810の踏み込みによるアクセルペダル810の位置変化において、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合に、磁気センサ1121の磁束検出面を貫く磁束の量が最も少なく、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合に、磁気センサ1121の磁束検出面を貫く磁束の量が最も多くなるようになっている。また、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合に、磁気センサ1122の磁束検出面を貫く磁束の量が最も多く、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合に、磁気センサ1122の磁束検出面を貫く磁束の量が最も少なくなるようになっている。
【0062】
<動作>
次に、上記のように構成された擬似エンジン音発生装置100Cの動作について、アクセル位置測定部110Cの較正処理、及び、アクセル踏み込み量の算出処理に主に着目して説明する。なお、踏み込み量算出部120Cの動作モードには、上述した踏み込み量算出部120Aの場合と同様に、較正モードと通常モードとの2つの動作モードがあり、不図示の操作入力部により、較正モードによる動作と通常モードによる動作とを切り換えられるようになっているものとする。
【0063】
《アクセル位置測定部110Cの較正処理》
まず、アクセル位置測定部110Cの較正処理について説明する。かかる較正処理は、踏み込み量算出部120Cに対して較正モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0064】
この較正処理に際しては、図8に示されるように、まず、ステップS31において、踏み込み量算出部120Cが、アクセル踏み込みが無い場合にアクセル位置測定部110Cから送られた磁束測定値MS10,MS20を取得する。引き続き、ステップS32において、踏み込み量算出部120Cが、最大限のアクセル踏み込みが行われた場合にアクセル位置測定部110Cから送られた磁束測定値MS1100,MS2100を取得する。
【0065】
次に、ステップS33において、踏み込み量算出部120Cが、新たに取得された磁束測定値MS10,MS1100,MS20,MS2100を、上述した(2)式の値MS10,MS1100,MS20,MS2100として採用する。この後、アクセル位置測定部110Cの較正処理が終了する。
【0066】
《アクセル踏み込み量の算出処理》
次に、アクセル踏み込み量の算出処理について説明する。かかる算出処理は、踏み込み量算出部120Cに対して通常モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0067】
この算出処理に際しては、図9に示されるように、まず、ステップS41において、踏み込み量算出部120Cが、アクセル位置測定部110Cから送られた磁束測定値MS1,MS2を取得する。引き続き、ステップS42において、踏み込み量算出部120Cが、上述した(2)式を利用して、アクセル踏み込み比率ARDを算出する。そして、踏み込み量算出部120Cは、算出されたアクセル踏み込み比率ARDを、擬似エンジン音生成部140へ送る。
【0068】
こうして、ステップS42の処理が終了すると、処理はステップS41へ戻る。以後、ステップS41,S42の処理が繰り返され、新たなアクセル踏み込み比率ARDが算出される度に、算出された新たなアクセル踏み込み比率ARDが、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
【0069】
こうして踏み込み量算出部120Cから送られたアクセル踏み込み比率ARD、並びに、センサインターフェース130から送られた測定結果ERD,SPDを受けた擬似エンジン音生成部140は、これらの受信結果に基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成し、スピーカ150へ送る。そして、擬似エンジン音信号PESを受けたスピーカ150が、擬似エンジン音信号PESに従って擬似エンジン音を再生出力する。
【0070】
以上説明したように、本第3実施形態では、上述した第1及び第2実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置100Cが備えるアクセル位置測定部110Cによる測定結果を利用して、踏み込み量算出部120Cが、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサにより検出されるアクセル開度と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第3実施形態によれば、高い取付汎用性を有しつつ、アクセル踏み込み量に応じた擬似エンジン音を発生することができる。
【0071】
また、本第3実施形態では、上述した第1及び第2実施形態の場合と同様に、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサによる測定結果を利用せずに、当該アクセル開度センサによるアクセル開度の計測結果と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第3実施形態によれば、擬似エンジン音発生装置100Cが、後発的に車両に搭載されるアドオン車載装置であっても、アクセル開度センサを利用するエンジン制御に全く影響を与えることなく、適切な擬似エンジン音を発生することができる。
【0072】
また、本第3実施形態では、配線を必要としない永久磁石111Cが、アクセルペダルアーム820の上面に装着される。また、磁気センサ1121,1122が、アクセル操作に際して利用者が存在を意識する必要の無いアクセルアペダルアーム820の右方の車両筐体に配置される。このため、上述した第1,2実施形態の場合と同様に、利用者によるアクセル操作への制約や悪影響を発生することがない。
【0073】
また、本第3実施形態では、上述した第1及び第2実施形態の場合と同様に、アクセル位置測定部110Cの較正を簡易に行うことができる。このため、かかる較正を適宜行うことにより、精度良く測定されたアクセル踏み込み量を利用して、擬似エンジン音を発生することができる。
【0074】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を、図10〜図13を主に参照して説明する。本第4実施形態においても、第1〜第3実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置を例示して説明する。
【0075】
<構成>
図10には、第4実施形態に係る車載装置としての擬似エンジン音発生装置100Dの概略的な構成が、ブロック図にて示されている。この図10に示されるように、擬似エンジン音発生装置100Dは、上述した第1実施形態の擬似エンジン音発生装置100Aと比べて、アクセル位置測定部110Aに代えてアクセル位置測定部110Dを備える点、及び、踏み込み量算出部120Aに代えて踏み込み量算出部120Dを備える点が異なっている。以下、これらの相違点に主に着目して説明する。
【0076】
上記のアクセル位置測定部110Dは、センサ測定対象部材としての反射板116と、センサ手段としての測距センサ117とを備えている。反射板116は、測距センサ117から射出された電磁波を反射する。また、測距センサ117は、所定周波数帯の電磁波を射出するとともに、反射板116で反射された電磁波が入射した位置を検出することにより、測距センサ117から反射板116までの距離を測定する。測距センサ117による測距結果DSは、踏み込み量算出部120Dへ送られる。なお、本第4実施形態では、「所定周波数帯の電磁波」として赤外光を採用している。
【0077】
上記の踏み込み量算出部120Dは、アクセル位置測定部110Dから送られた測距結果DSを受ける。そして、踏み込み量算出部120Dは、下記の(3)式を利用して、アクセル踏み込み量に対応するアクセル踏み込み比率ARDを算出する。算出されたアクセル踏み込み比率ARDは、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
ARD=100×(1−(DS100−DS)/(DS100−DS0)) …(3)
【0078】
上述の(3)式における値DS0は、アクセルが踏み込まれていない場合の測距センサ117による測距結果であり、値DS100は、アクセルが最大限踏み込まれた場合の測距センサ117による磁束測定値である。値DS0,DS100は、後述する較正処理により決定されるようになっている。
【0079】
次に、アクセル位置測定部110Dの構成要素である反射板116及び測距センサ117の配設位置について、図11を参照して説明する。図11(A)に示されるように、反射板116は、反射面が上方を向くように、アクセルペダルアーム820の上面に装着されている。測距センサ117は、アクセルペダルアーム820の上方の車両筐体CBDに設置される。ここで、図11(B),(C)に示されるように、アクセルペダル810が踏み込まれていない場合や、アクセルペダル810が最大限踏み込まれた場合にも、測距センサ117から射出された後に反射板116で反射された電磁波は、測距センサ117に入射するようになっている。
【0080】
<動作>
次に、上記のように構成された擬似エンジン音発生装置100Dの動作について、アクセル位置測定部110Dの較正処理、及び、アクセル踏み込み量の算出処理に主に着目して説明する。なお、第1及び第2実施形態の踏み込み量算出部120A並びに第3実施形態の踏み込み量算出部120Cの場合と同様に、踏み込み量算出部120Dの動作モードには、較正モードと通常モードとの2つの動作モードがあり、不図示の操作入力部により、較正モードによる動作と通常モードによる動作とを切り換えられるようになっているものとする。
【0081】
《アクセル位置測定部110Dの較正処理》
まず、アクセル位置測定部110Dの較正処理について説明する。かかる較正処理は、踏み込み量算出部120Dに対して較正モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0082】
この較正処理に際しては、図12に示されるように、まず、ステップS51において、踏み込み量算出部120Dが、アクセル踏み込みが無い場合にアクセル位置測定部110Dから送られた測距結果DS0を取得する。引き続き、ステップS52において、踏み込み量算出部120Dが、最大限のアクセル踏み込みが行われた場合にアクセル位置測定部110Dから送られた測距結果DS100を取得する。
【0083】
次に、ステップS53において、踏み込み量算出部120Dが、新たに取得された測距結果DS0,DS100を、上述した(3)式の値DS0,DS100として採用する。この後、アクセル位置測定部110Dの較正処理が終了する。
【0084】
《アクセル踏み込み量の算出処理》
次に、アクセル踏み込み量の算出処理について説明する。かかる算出処理は、踏み込み量算出部120Dに対して通常モードによる動作が指定されている状態で実行される。
【0085】
この算出処理に際しては、図13に示されるように、まず、ステップS61において、踏み込み量算出部120Dが、アクセル位置測定部110Dから送られた測距結果DSを取得する。引き続き、ステップS62において、踏み込み量算出部120Dが、上述した(3)式を利用して、アクセル踏み込み比率ARDを算出する。そして、踏み込み量算出部120Dは、算出されたアクセル踏み込み比率ARDを、擬似エンジン音生成部140へ送る。
【0086】
こうして、ステップS62の処理が終了すると、処理はステップS61へ戻る。以後、ステップS61,S62の処理が繰り返され、新たなアクセル踏み込み比率ARDが算出される度に、算出された新たなアクセル踏み込み比率ARDが、擬似エンジン音生成部140へ送られる。
【0087】
こうして踏み込み量算出部120Dから送られたアクセル踏み込み比率ARD、並びに、センサインターフェース130から送られた測定結果ERD,SPDを受けた擬似エンジン音生成部140は、これらの受信結果に基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成し、スピーカ150へ送る。そして、擬似エンジン音信号PESを受けたスピーカ150が、擬似エンジン音信号PESに従って擬似エンジン音を再生出力する。
【0088】
以上説明したように、本第4実施形態では、上述した第1〜3実施形態の場合と同様に、擬似エンジン音発生装置100Dが備えるアクセル位置測定部110Dによる測定結果を利用して、踏み込み量算出部120Dが、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサにより検出されるアクセル開度と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第4実施形態によれば、高い取付汎用性を有しつつ、アクセル踏み込み量に応じた擬似エンジン音を発生することができる。
【0089】
また、本第4実施形態では、上述した第1〜3実施形態の場合と同様に、車両に標準的に装備されているアクセル開度センサによる測定結果を利用せずに、当該アクセル開度センサによるアクセル開度の計測結果と同等のアクセル踏み込み量を算出する。したがって、本第4実施形態によれば、擬似エンジン音発生装置100Dが、後発的に車両に搭載されるアドオン車載装置であっても、アクセル開度センサを利用するエンジン制御に全く影響を与えることなく、適切な擬似エンジン音を発生することができる。
【0090】
また、本第4実施形態では、配線を必要としない反射板116が、アクセルペダルアーム820の上面に装着される。また、測距センサ117が、アクセル操作に際して利用者が存在を意識する必要の無いアクセルアペダルアーム820の上方の車両筐体に配置される。このため、測距センサ117の電磁波射出位置及び電磁波受光領域への土汚れ等を有効に回避できるとともに、上述した第1〜3実施形態の場合と同様に、利用者によるアクセル操作への制約や悪影響を発生することがない。
【0091】
また、本第4実施形態では、上述した第1〜3実施形態の場合と同様に、アクセル位置測定部110Dの較正を簡易に行うことができる。このため、かかる較正を適宜行うことにより、精度良く測定されたアクセル踏み込み量を利用して、擬似エンジン音を発生することができる。
【0092】
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0093】
例えば、第1〜第4実施形態では、擬似エンジン音生成部140は、アクセル踏み込み比率ARD及びエンジン回転数センサ910から送られたエンジン回転数の測定結果ERS、車速センサ920から送られた車速の測定結果SPSに基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成するようにした。これに対し、エンジン回転数の測定結果ERDを除いて、アクセル踏み込み比率ARD及び測定結果SPDに基づいて、擬似エンジン音信号PESを生成するようにしてもよい。この場合には、エンジン回転数センサ910が出力する測定結果ERSの取得が不要となる。
【0094】
また、第1〜第3実施形態では、永久磁石のN極面が、磁気センサの設置位置側を向くようにしたが、永久磁石のS極面が、磁気センサの設置位置側の方向を向くようにしてもよい。
【0095】
また、上記の第2〜4実施形態では、アクセルペダルアーム820の上面に永久磁石又は反射板を装着したが、アクセルペダル810の先端部811(図5,7,11参照)に永久磁石又は反射板を装着するようにしてもよい。なお、上記の第3実施形態では、アクセルペダル810の裏面に永久磁石を装着するようにしてもよい。
【0096】
また、第1〜第3実施形態では、アクセルペダル810又はアクセルペダルアーム820に、これらとは別途に用意された永久磁石を装着したが、アクセルペダルアームに装着されるアクセルペダル自体を永久磁石としてもよい。
【0097】
また、上記の第3実施形態では、2つの磁気センサ1121,1122を備えるようにしたが、磁気センサ1121と磁気センサ1122との間に1以上の磁気センサを更に備える構成とし、これらの磁気センサによる磁束測定値から磁束の量の分布を求めて、アクセル踏み込み量を算出するようにしてもよい。
【0098】
また、上記の第1〜第4実施形態においては、較正モードによるアクセル位置測定部の較正処理自体は、車載装置の動作中であれば、車両エンジンが動作中であるか否かにかかわらず実行することができるが、アクセル全開状態にする過程を含んでいる。このため、安全性の観点から、車両の停止状態及び/又は車両エンジンの停止状態に当該較正処理を行うことが推奨される。これに応じて、車両の停止状態及び/又は車両エンジンの停止状態にのみ、利用者によって較正モードが選択できるようにしてもよい。
【0099】
また、上記の第1〜第4実施形態では、擬似エンジン音発生装置に本発明を適用したが、燃費の算出等にアクセル開度を利用するアドオン車載装置にも本発明を適用することができる。
【0100】
なお、上記の第1〜第4実施形態における踏み込み量算出部及び擬似エンジン音発生部を中央処理装置(CPU:Central Processor Unit)やDSP(Digital Signal Processor)を備えるコンピュータシステムとして構成し、上述した踏み込み量算出部及び擬似エンジン音発生部の機能を、プログラムの実行によっても実現するようにすることができる。これらのプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
100A,100C,100D … 擬似エンジン音発生装置(車載装置)
111A,111C … 永久磁石(センサ測定対象部材)
112 … 磁気センサ(センサ手段)
1121 … 磁気センサ(第1磁気センサ),
1122 … 磁気センサ(第2磁気センサ)
116 … 反射板(センサ測定対象部材)
117 … 測距センサ(センサ手段)
120A,120C,120D … 踏み込み量算出部(算出手段)
140 … 擬似エンジン音生成部(処理手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
アクセルペダル、又は、前記アクセルペダルが固定されたアクセルペダルアームに装着されるセンサ測定対象部材と;
所定位置に固定され、前記センサ測定対象部材との位置関係に対応する測定結果を出力するセンサ手段と;
前記センサ手段から出力された測定結果を取得し、前記取得された測定結果に基づいて、アクセル踏み込み量を算出する算出手段と;
前記算出されたアクセル踏み込み量に応じた処理を行う処理手段と;
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記センサ測定対象部材は、配線を有しない、ことを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記センサ測定対象部材は、永久磁石であり、磁極面の一方が下方を向くように、前記アクセルペダルの裏面又は前記アクセルペダルアームの裏面に装着され、
前記センサ手段は、前記アクセルペダルが最大限踏み込まれた場合に、前記永久磁石の真下となる床面位置に固定された磁気センサを備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記センサ測定対象部材は、永久磁石であり、磁極面の一方が上方を向くように、前記アクセルペダルの先端部又は前記アクセルペダルアームの上面に装着され、
前記センサ手段は、前記アクセルペダルが踏み込まれていない場合に、前記永久磁石の真上となる位置に固定された磁気センサを備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項5】
前記センサ測定対象部材は、永久磁石であり、磁極面が前記車両の幅方向を向くように、前記アクセルペダルの側面若しくは裏面、又は前記アクセルペダルアームに装着され、
前記センサ手段は、
前記アクセルペダルが踏み込まれていない場合に、前記永久磁石の一方の磁極面に対向する位置に固定された第1磁気センサと;
前記アクセルペダルが最大限踏み込まれた場合に、前記永久磁石の一方の磁極面に対向する位置に固定された第2磁気センサと;を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項6】
前記センサ手段は、前記第1磁気センサと第2磁気センサとの間の位置に固定された少なくとも1つの磁気センサを更に備える、ことを特徴とする請求項5に記載の車載装置。
【請求項7】
前記センサ測定対象部材は、所定周波数帯の電磁波を反射する反射板であり、反射面が上方を向くように、前記アクセルペダルの先端部又は前記アクセルペダルアームの上面に装着され、
前記センサ手段は、前記アクセルペダルの上方となる位置に固定され、下方に向けて前記所定周波数帯の電磁波を射出した場合に、前記反射面で反射された前記所定周波数帯の電磁波を検出して、前記反射板との間の距離を測定する測距センサを備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項8】
前記所定周波数帯の電磁波は赤外光である、ことを特徴とする請求項7に記載の車載装置。
【請求項9】
前記算出手段は、前記アクセルペダルが踏み込まれていない場合における前記センサ手段による測定結果、及び、前記アクセルペダルが最大限踏み込まれた場合における前記センサ手段による測定結果に基づいて得られる較正結果を利用して、前記アクセル踏み込み量を算出する、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項10】
前記処理手段は、擬似エンジン音の生成処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項11】
前記処理手段は、前記車両の燃費の算出処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項12】
前記車載装置は、前記車両に後発的に搭載される、ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の車載装置。
【請求項13】
アクセルペダル、又は、前記アクセルペダルが固定されたアクセルペダルアームに装着されるセンサ測定対象部材と;所定位置に固定され、前記センサ測定対象部材との位置関係に対応する測定結果を出力するセンサ手段と;を備え、車両に搭載される車載装置において使用されるアクセル踏み込み量検出方法であって、
前記センサ手段から出力された測定結果を取得する取得工程と;
前記取得された測定結果に基づいて、アクセル踏み込み量を算出する算出工程と;
を備えることを特徴とするアクセル踏み込み量検出方法。
【請求項14】
請求項13に記載のアクセル踏み込み量検出方法を演算手段に実行させる、ことを特徴とするアクセル踏み込み量検出プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のアクセル踏み込み量検出プログラムが、演算手段により読み取り可能に記録されている、ことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−126348(P2011−126348A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284706(P2009−284706)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】