説明

車載装置

【課題】車両の利用者が電力設備に一旦供給した電力を、移動先で再充電する際に、利用費用の負担を軽減する手段を提供する。
【解決手段】車載装置(4,80)は、車両の蓄電池から車両外部の電力設備に供給する電力を計測するパワーメータと、上記車両に対応する識別情報とパワーメータで計測された電力データとを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、暗号化された識別情報と電力データとを車両外部の電力管理データベースに送信し、電力データに基く蓄電量を電力管理データベースに蓄積する通信装置と、蓄電池へ充電する所要電力を入力する入力部と、電力管理データベースに蓄積した蓄電量に基づいて、上記電力設備と、上記電力設備とは異なる他の電力設備とのうちのいずれかの電力設備から入力部に入力された所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した車両の蓄電池に引き出した電力を供給する制御装置とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気エネルギーの受け渡しに伴う情報の蓄積管理を行う車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の蓄電装置は、蓄電設備によって充電可能に構成される。従来、電動車両による電力を用いた走行によって削減できた温室効果ガス排出量に応じたポイントが、ポイント受領者へ付与されるエコポイント管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−134450号公報
【特許文献2】特開2005−267246号公報
【特許文献3】特開2009−183086号公報
【特許文献4】特開2010−81722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両の蓄電池から電力会社の蓄電設備への電力供給によって車両の所有者から電力会社へ売電を行った場合であっても、移動先にて車両の蓄電池へ再び充電する際には、電力会社に対して充電に伴う電力料を支払うことになる。
例えば、電動車両の利用者が自宅で蓄電した電力を電力会社に供給しても、移動先の充電ステーションにて再充電する際には、電力会社に販売した電力金額よりも高額の金額で購入しなければならない。
【0005】
このため、車両の蓄電池と蓄電設備との間で売電と充電を繰り返す場合に、車両の利用者が売電によるメリットを十分に享受できないという問題があった。また、売電と充電を繰り返す際に、電力利用料の支払に手間を要するという問題もあった。
【0006】
この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、車両の利用者が電力設備に一旦供給した電力を、移動先で再充電する際に、その利用費用の負担を軽減する電力情報管理装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による車載装置は、
車両の蓄電池から車両外部の電力設備に供給する電力の電力データを計測するパワーメータと、
上記車両に対応する識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データとを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した上記識別情報と上記電力データとを車両外部の電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データに基く蓄電量を電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
車両の蓄電池へ充電する所要電力を入力する入力部と、
上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積した蓄電量に基づいて、上記電力設備と、上記電力設備とは異なる他の電力設備とのうちのいずれかの電力設備から上記入力部に入力された所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した上記車両の蓄電池に、引き出した電力を供給する制御装置と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、電力管理データベースに、識別情報に対応して蓄電池から電力設備に送電される電力データを蓄積するとともに、電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて電力設備から所要電力を引き出し、蓄電池に電力供給することができる。また、蓄電池から電力設備に一旦放電した電力を、異なる場所で電力設備端末から再充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1による電力情報管理システム1000の構成を示す図である。
【図2】実施の形態1による車載電力情報管理装置の構成を示す図である。
【図3】実施の形態1による電力情報管理装置の構成を示す図である。
【図4】実施の形態1による車載電力情報管理装置の入力部の入力画面を示す図である。
【図5】実施の形態1による電力情報管理装置から送信される蓄電データ構造を示す図である。
【図6】実施の形態1による管理センタの電力管理データベースのデータ構成例を示す図である。
【図7】実施の形態2による車載電力情報管理装置の構成を示す図である。
【図8】実施の形態2による車載電力情報管理装置の入力部の入力画面を示す図である。
【図9】実施の形態2による車載電力情報管理装置を用いた車両3の電力の流れを示す図である。
【図10】実施の形態2による管理センタの電力管理データベースのデータ構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による電力情報管理システム1000の構成を示す図である。図1において、電力情報管理システム1000は、複数の車載電力情報管理装置4と、複数の電力情報管理装置8(電力設備端末)または電力情報管理装置80(他の電力設備端末)から構成される。
【0011】
車両3は、電動機(例えばモータ)によって車輪を回転駆動する、電気自動車やハイブリッドカーなどの電動車両を構成する。車両3は、車載電力情報管理装置4と、車載電力情報管理装置4に接続された蓄電池5を備えている。車両3の蓄電池5は、外部の電力ケーブル10と接続可能となっており、電力ケーブル10からの供給電力により蓄電池5を充電可能となっている。蓄電池5は、リチウムイオンバッテリや、ニッケル水素バッテリや、燃料電池などによって構成される。なお、電力ケーブル10の代わりに誘導コイルを設けて、車両3の蓄電池5を外部電力設備と非接触で接続して、非接触で電力の授受を行うようにしても良い。
【0012】
電力情報管理装置8,80は、電力ケーブル10を介して車両3に接続される。電力情報管理装置8,80は、アンテナ20が設けられている。アンテナ20は、電力情報管理装置8,80に接続され、車両3の車載電力情報管理装置4との間で、無線通信によりデータの授受を行う。電力情報管理装置8,80は、通信ケーブル22を介して、通信ネットワーク2にIP接続(Internet Protocol connection)される。
なお、アンテナ20の代わりに電力ケーブル10に通信配線を設け、通信配線によって車両3の車載用LAN(Local Area Network)を電力情報管理装置8,80に接続し、CAN(Controller Area Network)やFlexRay(登録商標)などを用いて、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8,80との間の通信を行っても良い。
【0013】
電力情報管理装置8は、電力ケーブル11を介して電力メータ9に接続されている。電力ケーブル11は、電力情報管理装置8と電力メータ9の間で、電力及び通信信号を伝送する。電力ケーブル11は、電力配線と通信配線から構成される。
【0014】
電力メータ9は、電力ケーブル14を介して送配電設備15(電力設備)に接続される。電力メータ9は、例えばスマートメータが用いられる。電力メータ9は、通信ケーブル23を介して、通信ネットワーク2にIP接続される。
【0015】
送配電設備15は、原子力発電所、太陽光発電所、水力発電所、波力発電所、風力発電所、地熱発電所や、変電所、変圧器などからなる発電設備25に接続されている。発電設備25は電力を発電する。送配電設備15は、例えば電線やスマートグリットや蓄電装置26などから構成されており、電力ケーブル14を介して電力メータ9に接続される。送配電設備15は、広域に敷設されており、電力の分配、収集、伝送または蓄電を行う。送配電設備15は、通信ケーブル21を介して通信ネットワーク2にIP接続される。
【0016】
発電装置7は、家屋やビルや個人や法人所有地などの建造物6に個別に設置される。発電装置7は、建造物6の屋根に取り付けられた太陽電池や、風力発電機などから構成される。発電装置7は電力を発電する。発電装置7は、電力ケーブル12を介して電力メータ9に接続される。発電装置7から発電された電力は電力メータ9によって計量され、当該電力の一部は送配電設備15に伝送されて蓄電が行われる。
【0017】
認証センタ1はサーバから構成され、暗号処理装置101と堅固なセキュリティ保護を受けた記憶装置102が設けられている。認証センタ1は、通信ネットワーク2にIP接続(Internet Protocol connection)され、電力情報管理装置8,80や電力メータ9や送配電設備15との間で、データの授受を行う。認証センタ1は、正規の電力情報管理装置8,80と通信することの可能な正規の車載電力情報管理装置4を識別するための識別コード(車載機ID)と、車載機IDに対応した認証コードが記憶装置102に格納されている。
【0018】
また、この車載機IDは、予め電力情報の授受を行うことの許可された正規の車載電力情報管理装置4であることが認証されている。この認証手続きは、車載電力情報管理装置4の所有者が認証センタ1の管理者に申請書を提出し、管理者が申請を許可することによって行われる。
【0019】
管理センタ19はサーバや計算機から構成され、電力管理データベース90と暗号処理装置91と課金処理装置92が設けられている。電力管理データベース90は、図6で後述するが、車載電力情報管理装置4の車載機IDに対応した利用者の口座番号を記録するメモリ領域(口座番号メモリ領域910)と、車載機IDを記録するメモリ領域(車載機Iメモリ領域920)と、車載機IDに対応した認証コードを記録するメモリ領域(認証コードメモリ領域93)と、車載機IDに対応した充電量を記録するメモリ領域(充電量メモリ領域94)と、車載機IDに対応した車両挙動データを記録するメモリ領域(車両挙動データメモリ領域95)とから構成されるまた、電力管理データベース90は、セキュリティ保護されている。
【0020】
管理センタ19は、通信ネットワーク2にIP接続され、電力情報管理装置8,80や電力メータ9や送配電設備15との間で、データの授受を行う。暗号処理装置91は、認証センタ1や電力情報管理装置8,80との通信によって授受されるデータについて、暗号処理を行う。管理センタ19は、電力情報管理装置8,80から電力管理データベース90へのアクセス数や、電力管理データベース90で管理される蓄電量のデータのデータ変更回数、データ値の変更量、データベースアクセス数などの利用履歴を、電力管理データベース90に記録する。
また、管理センタ19は、電力情報管理装置8,80や電力メータ9や送配電設備15における電力の入出力の情報をモニタ管理するとともに、電力供給量や蓄電量を管理する。
【0021】
管理センタ19の課金処理装置92は、電力情報管理装置8,80や電力メータ9を介し利用者の購入する電力に応じて、利用者に請求するための電気料金の課金計算処理や、利用者への電気料金の支払い決済を行う。また、課金処理装置92は、電力管理データベース90の利用料の課金計算処理や、利用者へのデータベース利用料の支払い決済処理を行う。
管理センタ19は例えば電力会社によって運用される。
【0022】
なお、車載電力情報管理装置4の所有者は、管理センタ19に対して電力管理データベース90の利用申請を行うことによって、車載電力情報管理装置4の車載機IDに対応した利用者の口座が開設され、その口座番号が付与されて、電力管理データベース90上に利用者の口座番号に対応したメモリ領域が設定されることとなる。この際、利用者口座のデータベース利用料金は、一定の固定額または無料であったり、電力管理データベース90へのアクセス数や蓄電量のデータ変更回数、データ値の変更量に応じて、従量課金されるものであっても良い。
【0023】
例えば、電力管理データベース90の利用者口座の利用料金が一定の固定額であることが規定されている場合、課金処理装置92は電力情報管理装置8,80との接続に係わらず、予め設定された一定固定額のデータベース利用料金の支払い請求処理を行う。
また、課金処理装置92は、電力管理データベース90の利用者口座の利用料金が、電力管理データベース90へのアクセス数や蓄電量のデータ変更回数、データ値の変更量に応じたものであることが規定されている場合、電力管理データベース90からその利用履歴を得て、利用履歴に基づいて定期的(例えば1ヶ月毎)に課金計算処理を行ってデータベース利用料を算出し、その支払い請求処理をする。
【0024】
電力情報管理装置8または電力情報管理装置80は、建造物6もしくはその周辺に設置される。また、電力情報管理装置8または電力情報管理装置80は、車庫、道路上や道路の周辺、駐車場、充電スタンド、店舗などの個人または法人所有設備や公共施設の複数個所に設置される。
【0025】
個人や法人の建造物6もしくはその周辺に設置された電力情報管理装置8は、電力ケーブル11を介して電力メータ9に接続される。電力情報管理装置8は、電力メータ9と蓄電池5との間で受け渡しされる電力を計量し、電力メータ9によって計量される電力との間に差異がないように調整されている。
【0026】
また、図1に示す建造物6は、屋内に、例えばエアコンや冷蔵庫、テレビ、暖房器具などの電力機器30が設置されている。電力機器30は、電力ケーブル31を介して電力メータ9に接続されている。
【0027】
電力メータ9は、発電装置7から発電された電力の一部を電力情報管理装置8に供給する。電力情報管理装置8は、電力ケーブル10を介して電力メータ9から供給された電力を蓄電池5に供給し、蓄電池5の充電が行われる。
また、蓄電池5は、蓄積された電気を、電力ケーブル10及び電力情報管理装置8を介して電力メータ9に伝送し、電力メータ9から送配電設備15に電力を供給することができる。
【0028】
また、電力情報管理装置80は、電力ケーブル13を介して送配電設備15に接続される。電力情報管理装置80は、送配電設備15との間で電力の受け渡しを行い、その受け渡しされる電力を計量する電力メータ9の機能が、備えられている。
電力情報管理装置80は、電力ケーブル10を介して車両3の蓄電池5に蓄積された電力の供給を受け、受けた電力を送配電設備15に電力供給することができる。
また、電力情報管理装置80は、後述するように車載電力情報管理装置4が管理センタ19の電力管理データベース90へアクセスし、蓄電量のデータに基づいて、電力設備(送配電設備15)から蓄電池5へ電力の引き出しを行うことができる。
【0029】
図2は、車載電力情報管理装置4の構成を示す図である。図2において、車載電力情報管理装置4は、アンテナ50と、無線通信モジュール51(車載通信モジュール)と、セキュリティモジュール52(車載セキュリティモジュール)と、パワーメータ53(車載パワーメータ)と、制御装置55(車載電力制御装置)から構成される。また、車載電力情報管理装置4は、表示部及び入力部(200)を有した入出力装置59や、蓄電池5や、データ記録装置56や、センサ57などの車両3の搭載機器に接続されている。
【0030】
電力ケーブル10は電源端子58を介してパワーメータ53に接続される。パワーメータ53は、蓄電池5とセキュリティモジュール52と制御装置55に接続される。パワーメータ53は、電源端子58から入出力される電力や蓄電池5の蓄電量(電荷)を計量することができるとともに、電力の流入量または流出量を制御したり、蓄電池5の電力の蓄電及び放電を制御する調整弁として動作する。制御装置55は、パワーメータ53によって調整される電力の入力量または出力量を制御する。
【0031】
また、制御装置55は、データ記録装置56とセンサ57とセキュリティモジュール52と無線通信モジュール51に接続される。
制御装置55は、パワーメータ53、セキュリティモジュール52及び無線通信モジュール51の動作を制御する。
【0032】
無線通信モジュール51はアンテナ50とセキュリティモジュール52の間に接続される。無線通信モジュール51は、例えばDSRC(dedicated short range communications)方式による専用狭域無線通信や広域無線LANなどによる無線通信を行う。
【0033】
センサ57は、慣性航法装置、衛星航法装置、速度計、距離計、電力計、ブレーキ踏み込み量検出器、アクセル開度検出器などから構成され、車両3の挙動によって変化する位置、速度、車輪回転速度、走行距離、消費電力量、ブレーキ踏み込み量、アクセル開度などの車両挙動データを計測する。データ記録装置56は制御装置55によって制御される各種情報を記録する装置であり、例えばドライブレコーダである。センサ57によって計測された車両挙動データは、データ記録装置56に格納される。
【0034】
また、無線通信モジュール51が受信した通信データの一部は、データ記録装置56に格納される。
セキュリティモジュール52は、予め設定された車載機IDに対応する正規の認証コードが、内部記憶装置に格納されている。
入出力装置59は、表示部及び入力部(200)を通じて入出力される電力量や、通信データや、利用者への案内内容または入力指示内容や、電気料金や利用料金の表示などを行う。
【0035】
図3は、電力情報管理装置8(電力設備端末)または電力情報管理装置80(他の電力設備端末)の構成を示す図である。図3において、電力情報管理装置8または80は、アンテナ20と、無線通信モジュール61(電力設備端末通信モジュール)と、セキュリティモジュール62(電力設備端末セキュリティモジュール)と、パワーメータ63(電力設備端末パワーメータ)と、電源64と、制御装置65(電力設備端末電力制御装置)と、通信装置66(電力設備端末通信装置)と、入出力装置71から構成される。
【0036】
パワーメータ63は、電源64とセキュリティモジュール62と制御装置65に接続される。制御装置65は、通信装置66とセキュリティモジュール62と無線通信モジュール61と入出力装置71に接続される。
【0037】
無線通信モジュール61はアンテナ20とセキュリティモジュール62の間に接続される。無線通信モジュール61は、アンテナ20及びアンテナ50を介して車載電力情報管理装置4の無線通信モジュール51と通信接続される。無線通信モジュール61は、例えばDSRC(dedicated short range communications)方式による専用狭域無線通信や広域無線LANなどによる無線通信を行う。
【0038】
制御装置65は、パワーメータ63、セキュリティモジュール62及び無線通信モジュール61の動作を制御する。
【0039】
電力情報管理装置8の電源64は電源端子68を介して電力ケーブル11の電力配線に接続されている。
また、電力情報管理装置80の電源64は電源端子68を介して電力ケーブル13及び送配電設備15に接続される。図3において電源端子68を含む破線の範囲は、電力情報管理装置80の電源64が電力ケーブル13を介して送配電設備15に接続することを示す。
【0040】
パワーメータ63は、電源端子68から電源64に入出力される電力を、それぞれ計量することができるとともに、電力の流入量または流出量を制御する調整弁として動作する。パワーメータ63は電源端子69を介して電力ケーブル10に接続されている。パワーメータ63は、電源端子69から入出力される電力を計量することができるとともに、電力の流入量または流出量を制御する調整弁として動作する。制御装置65は、パワーメータ63によって調整される電力の入力量または出力量を制御する。
【0041】
通信装置66は、通信端子70を介して通信ネットワーク2にIP接続される。セキュリティモジュール62は、予め設定された無線通信モジュール61の識別コード(基地局ID)が、内部記憶装置に格納されている。また、通信装置66は、通信端子67を介して電力ケーブル11の通信配線に接続される。
なお、この正規の基地局IDは、予め管理センタ19の内部記憶装置にも設定されている。
【0042】
入出力装置71は、電力情報管理装置8,80を通じて入出力される電力量や、通信データや、利用者への案内内容または入力指示内容や、電気料金や利用料金の表示などを行う。
【0043】
実施の形態1による電力情報管理システム1000は以上のように構成され、次のように動作する。まず、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間の通信リンク及びパワーリンクの接続動作について説明する。
【0044】
図2のように、電力情報管理装置8の電力ケーブル10は、車両3の電源端子58に接続される。これによって、電力メータ9、電力情報管理装置8及びパワーメータ53を介して発電装置7から供給される電力が、車両3の蓄電池5に充電可能な状態となる。
電力ケーブル10が電源端子58及び蓄電池5に接続されると、電源64(図3)から接続検出信号が発せられる。例えば、電力ケーブル10に微弱電流を流し、蓄電池5に導通することで電流または電圧変化が生じたことを検出するなどして、接続検出信号が発せられるように構成すれば良い。
【0045】
制御装置65は、電源64から接続検出信号が発生し、電力ケーブル10が車載電力情報管理装置4の電源端子58に接続されたことを検出すると、無線通信モジュール61の通信動作を起動する。無線通信モジュール61は、通信動作が起動すると発呼用の送信変調信号S1を生成し、生成した送信変調信号S1をアンテナ20から送信電波として送出する。
なお、電力ケーブル10に通信配線が設けられている場合は、車両3の車載用LANと電力情報管理装置8,80とが通信配線を介して接続されることとなる。この場合、制御装置65は、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8,80とのデータ通信により電力ケーブル10が電源端子69に接続されたことを検出して、無線通信モジュール61または通信装置66の通信動作を起動するようにしても良い。
【0046】
図2の車載電力情報管理装置4は、電力情報管理装置8、80のアンテナ20からの送信電波をアンテナ50にて受信する。無線通信モジュール51は、アンテナ50にて受信した信号電力が所定の閾値以上であることを検出すると、受信系増幅器のゲインを上げて待機状態から通信動作状態に移行する。無線通信モジュール51は、アンテナ50にて受信した電力情報管理装置8からの送信変調信号S1を復調し、信号再生を行う。無線通信モジュール51は、復調した送信変調信号S1に予め既知のコード情報が含まれていることを認識すると、応答用の送信変調信号S2を生成し、生成した送信変調信号S2をアンテナ50から送信電波として送出する。
【0047】
次に、図3の電力情報管理装置8は、車載電力情報管理装置4のアンテナ50からの送信電波をアンテナ20にて受信する。無線通信モジュール61は、アンテナ20にて受信した車載電力情報管理装置4からの送信変調信号S2を復調し、信号再生を行う。無線通信モジュール61は、復調した送信変調信号S2に予め既知のコード情報(例えば、ワイヤレスコードナンバ)が含まれていることを認識すると、車載電力情報管理装置4の無線通信モジュール51との間で通信リンクを確立するための通信接続処理の実行を開始する。例えば、無線通信モジュール61は、アンテナ20を通じ、車載電力情報管理装置4に対して、車載機IDの送信を要求するための通信要求信号S3を送信する。
【0048】
次に、車載電力情報管理装置4の無線通信モジュール51(図2)は、アンテナ20からの送信電波をアンテナ50にて再び受信し、受信信号の復調により通信要求信号S3の受信を確認すると、セキュリティモジュール52の送信データ生成処理を動作させる。セキュリティモジュール52は、予め設定された無線通信モジュール51の車載機IDについて、予め格納された第1の暗号鍵コードをキーとして暗号コード化を行い、暗号コード化された車載機IDの送信データを生成する。無線通信モジュール51は、セキュリティモジュール52により生成された送信データを送信変調信号S4に変調して、アンテナ50から送信する。
【0049】
次に、図3の電力情報管理装置8は、アンテナ50からの送信電波をアンテナ20にて再び受信する。無線通信モジュール61は、アンテナ20にて受信した車載電力情報管理装置4からの送信変調信号S4を復調し、信号再生を行う。セキュリティモジュール62は、無線通信モジュール61にて復調された送信変調信号S4について、セキュリティモジュール62に格納された第3の暗号鍵コードをキーとして暗号解読を行い、車載機IDをコード再生する(例えば、平文コードに復号する)。なお、第3の暗号鍵コードは第2の暗号鍵コードと同一のコードであっても良い。
【0050】
セキュリティモジュール62は、車載機IDのコード再生が正常に完了し、車載機IDのコードにエラーがないことを確認すると、予め格納された第3の暗号鍵コードをキーとして、車載機IDと予め設定された基地局IDの暗号コード化を行い、暗号コード化された車載機認証用データを生成する。
【0051】
制御装置65は、セキュリティモジュール62の生成した車載機認証用データを、通信装置66に送る。通信装置66は、通信ネットワーク2を介したTCP/IP通信により、当該車載機認証用データを認証センタ1に送信する。
【0052】
図1の認証センタ1は、電力情報管理装置8の通信装置66から受けた車載機認証用データについて、暗号処理装置101によって第4の暗号鍵コードをキーとして暗号解読を行い、車載機ID及び基地局IDをコード再生する。認証センタ1の暗号処理装置101は、コード再生した車載機ID及び基地局IDが、予め設定された正規の車載機ID及び基地局IDであるか否かの確認を行う。
【0053】
暗号処理装置101は、正規の車載機ID及び基地局IDである場合、暗号化された認証コードを、電力情報管理装置8の通信装置66に対し通信ネットワーク2を介して送信する。この認証コードは、正規の車載機IDに対応して予め設定された正規の車載機IDであることを保証するコードであり、暗号処理装置101によって第5の暗号鍵コードをキーとして暗号化が行われる。なお、第5の暗号鍵コードは第4の暗号鍵コードと同一のコードであっても良い。
一方、正規の車載機IDではない場合、暗号処理装置101によってエラー信号が生成され、暗号処理装置101によって、エラー信号が電力情報管理装置8の通信装置66に対して送信される。
【0054】
次に、電力情報管理装置8の制御装置65(図3)は、通信ネットワーク2を介したTCP/IP通信により、通信装置66が認証センタ1から暗号化された認証コードを受信したことを確認すると、受信した暗号化された認証コードをセキュリティモジュール62に送るとともに、パワーメータ63を動作オンに設定する。また、制御装置65は、パワーメータ63の動作状態をモニタし、パワーメータ63がこの動作オンの状態に設定されたことを確認すると、セキュリティモジュール62にパワーメータ63が動作オンであることを示す動作オン情報を送る。
【0055】
図3のセキュリティモジュール62は、第2の暗号鍵コードをキーとして、暗号化された認証コードと基地局IDとパワーメータ63の動作オン情報の暗号化を行う。セキュリティモジュール62は、この暗号化した情報から送信データを生成し、無線通信モジュール61に送信する。無線通信モジュール61は、送信データから送信変調信号S5を生成し、生成した送信変調信号S5をアンテナ20から送信電波として送出する。また、セキュリティモジュール62は、受信した暗号化された認証コードを、車載電力情報管理装置4から受信した車載機IDと対応付けて、内部記憶装置に一時的に格納する。また、セキュリティモジュール62は、無線通信モジュール61と制御装置65の間でのデータの送受信を可能とする。
一方、制御装置65は、通信装置66が認証センタ1からエラー信号を受信し、正規の車載機IDではないことが判明した場合、無線通信モジュール61による通信接続処理を中断する。
【0056】
次に、車載電力情報管理装置4の無線通信モジュール51(図2)は、アンテナ20からの送信電波をアンテナ50にて再び受信し、受信信号を復調して信号再生を行う。セキュリティモジュール52は、無線通信モジュール51にて復調された送信変調信号S5について、セキュリティモジュール52に格納された第1の暗号鍵コードをキーとして暗号解読を行い、暗号化された認証コードと基地局IDと動作オン情報をコード再生する。また、セキュリティモジュール52は、セキュリティモジュール52に格納された第6の暗号鍵コードをキーとして暗号化された認証コードの暗号解読を行い、認証コードをコード再生する。なお、この認証コードは、第1の暗号鍵コードをキーとした暗号解読の際に、同時にコード再生されても良い。また、第6の暗号鍵コードは第1の暗号鍵コードと同一のコードであっても良い。
【0057】
セキュリティモジュール52は、コード再生された認証コードと予め設定された正規の認証コードとを比較して、コード再生された認証コードが正規の認証コードあるか否かを確認する。
【0058】
図2の制御装置55は、セキュリティモジュール52にて正規の認証コードであることの確認が取れ、なおかつ動作オン情報から電力情報管理装置8のパワーメータ63が動作オンであることを確認すると、パワーメータ53を動作オンに設定する。また、セキュリティモジュール52は、正規の認証コードであることの確認を取ると、無線通信モジュール51と制御装置55の間でのデータの送受信を可能とする。
【0059】
これによって、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の通信リンクが確立されるとともに、電力情報管理装置8の電源64と車載電力情報管理装置4が電気的に接続され、双方の間で電力の授受が可能となるパワーリンクが確立されて、以降の処理で電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間での、電力と通信データの受け渡しが行われる。
【0060】
また、車載電力情報管理装置4の制御装置55(図2)は、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の通信リンク及びパワーリンクが確立されると、入出力装置59を介して通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を行う。
同様に、電力情報管理装置8の制御装置65(図3)は、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の通信リンク及びパワーリンクが確立されると、入出力装置71を介して通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を行う。
【0061】
なお、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の間の通信リンク及びパワーリンクの接続についても、電力情報管理装置8と同様に動作する。
【0062】
次に、実施の形態1による電力情報管理システム1000について、電力情報管理装置8を介した、車載電力情報管理装置4と電力メータ9の間での電力の授受及び蓄積管理について動作を説明する。
図4は、実施の形態1による車載電力情報管理装置4の入出力装置59の入力部200(選択部)の選択ボタンを示す図である。
図5は、車載電力情報管理装置4から送信されるデータ構造を示す図である。
図6は、電力管理データベース90のデータ構造を示す図である。
【0063】
図1の車両3に搭乗する利用者(ドライバまたは搭乗者)は、車載電力情報管理装置4の入出力装置59(図2)を通じて、電力情報管理装置8との間で、通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を視認すると、入出力装置59を通じて、車載電力情報管理装置4と電力メータ9の間での電力の受け渡しの実行入力を行う。
【0064】
入出力装置59は、例えば表示部(図示してない)に、充電処理モード、売電処理モード、放電処理モード、蓄電処理モードの4つの処理モードの選択を促す選択表示が行われる。図4に示すように、入出力装置59の入力部200は、充電201、売電202、放電203、蓄電204を含む選択ボタンが設けられている。入力部200の選択ボタンは表示部の表示画面内に設けられていても良い。
利用者は、入出力装置59の入力部200の選択ボタンを通じて、充電201、売電202、放電203、蓄電204の何れか1つの処理モードを選択入力する。
【0065】
車載電力情報管理装置4の制御装置55(図2)は、選択入力された処理モードに応じて、パワーメータ53の動作を制御するとともに、選択入力された処理モードの情報を、無線通信モジュール51、61を介して電力情報管理装置8の制御装置65(図3)に送信する。電力情報管理装置8の制御装置65は、受信した処理モードの情報に基づいて、パワーメータ63の動作を制御する。
【0066】
また、電力情報管理装置8の受信した処理モードの情報は、通信装置66、通信端子67、電力ケーブル11の通信配線を介して、電力メータ9に送信される。電力メータ9は、受信した処理モードの情報に基づいて、充電、売電、放電、蓄電の何れかの処理モードに対応した動作処理を行う。
【0067】
なお、図4に示す車載電力情報管理装置4の入出力装置59の入力部200の選択ボタンは、電力情報管理装置8の入出力装置71(図3)に設けられても良い。このとき、入出力装置71は、入出力装置59による処理モードの選択を促す選択表示や、入出力装置59の入力部200の選択ボタンを通じた処理モードの選択入力処理と同様の動作処理を行っても良い。
【0068】
かくして、車両3の蓄電池5と電力情報管理装置8の電源64との間で、選択入力された処理モードに従って、電力の受け渡しが行われることとなる。以下、処理モード毎の動作例を説明する。
【0069】
(1)充電処理モード
例えば、車両3の入出力装置59(図2)を用いて充電処理のモードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部200を通じて蓄電池5の充電を行う充電量を設定入力(図4の充電201)することで、充電が開始される。
図3において、電力情報管理装置8のパワーメータ63、電源端子69、電力ケーブル10、車載電力情報管理装置4の電源端子58及びパワーメータ53を経由して、電力情報管理装置8の電源64から車載電力情報管理装置4を介し、蓄電池5に電力が供給され、蓄電池5の充電が行われる。
【0070】
このとき、図3に示すように、電力情報管理装置8の電源64は、電力メータ9を介して、発電装置7の発電した電力が供給される。また、発電装置7の発電した電力が不足する場合は、電力メータ9を介して、送配電設備15から電力情報管理装置8の電源64に電力が供給される。
【0071】
電力メータ9は、充電開始から完了までの間に、送配電設備15から電力情報管理装置8に供給した電力使用量のデータを、管理センタ19に送信する。
電力情報管理装置8のパワーメータ63(図3)は、電源64から電源端子69及び電力ケーブル10を介して、車載電力情報管理装置4の電源端子58に供給される電力量を計量する。同様に、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53(図2)は、電源端子58に供給される電力量を計量する。
【0072】
図2の制御装置55は、パワーメータ53により計測される蓄電池5の蓄電量が設定充電量に達したことを確認すると、充電を完了する。
なお、電力情報管理装置8の制御装置65(図3)によって、パワーメータ63により計測される蓄電池5への供給電力量が、設定充電量に達したことを確認することで、充電を完了しても良い。
【0073】
制御装置55及び制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを、無線通信モジュール51及び無線通信モジュール61に送出する。
無線通信モジュール51と無線通信モジュール61は、双方向通信によってパワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを交換し、制御装置55及び制御装置65にそれぞれ送る。これによって、車載電力情報管理装置4の制御装置55と電力情報管理装置8の制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53によってそれぞれ得られた電力の計量データに、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないことを確認する。
【0074】
また、図3において、電力メータ9は、電力ケーブル11の通信配線を介して、電力情報管理装置8の通信装置66との間でデータ通信を行い、パワーメータ63の計量データを受信する。電力メータ9は、パワーメータ63による電力の計量データとの間に、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないことを確認する。
【0075】
図1の管理センタ19は、通信ネットワーク2を介して、送配電設備15から電力情報管理装置8に供給された電力使用量のデータを、電力メータ9から受けると、課金処理装置92に対して電気料金の課金処理を実行させる。課金処理装置92は、電力メータ9から受けた電力使用量に基づいて電気料金を算出し、充電を行った車両3に搭載された車載電力情報管理装置4の所有者に対する、電気料金の支払い決済処理を行う。
【0076】
例えば、課金処理装置92は、通信ネットワーク2及び電力情報管理装置8の入出力装置71または車載電力情報管理装置4の入出力装置59を介して、算出した電気料金を利用者に提示する。利用者は、入出力装置59または入出力装置71を通じて、提示された電気料金についてカード決済または現金決済などの決済方法を指定して、決済処理を行う。カード決済の場合は、課金処理装置92がカード会社の決済サービスシステムにアクセスして、カード決済処理を行う。現金決済の場合は、図示しない現金決済処理装置を通じて、利用者から支払われる現金を受領するなどして、現金決済を行う。
【0077】
なお、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データに所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがあった場合は、制御装置55及び制御装置65は、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間の電力交換を直ちに停止し、エラー警報を管理センタ19に送信する。
【0078】
(2)売電処理モード
また、売電処理のモードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部200を通じて蓄電池5の売電(電力を売る)を行う売電電力量を設定入力(図4の売電202)することで、売電が開始される。
【0079】
図2において、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53、電源端子58、電力ケーブル10、電源端子69及びパワーメータ63を経由して、車載電力情報管理装置4を介して蓄電池5から電力情報管理装置8の電源64に電力が供給される。電源64(図3)に供給された電力は、電源端子68から電力ケーブル11を介して電力メータ9に供給される。
【0080】
車載電力情報管理装置4の制御装置55(図2)は、パワーメータ53の計測により蓄電池5の売電した電力量が設定した売電電力量に達したことを確認すると、売電を完了する。
図1の電力メータ9は、電力ケーブル11を介して供給された電力を、送配電設備15に売電する。
なお、電力情報管理装置8の制御装置65(図3)によって、パワーメータ63の計測により蓄電池5から売電された電力量が、設定した売電電力量に達したことを確認することで、売電を完了しても良い。
【0081】
また、電力メータ9は、電力情報管理装置8から供給を受けて送配電設備15に売電した電力量のデータを、管理センタ19に送信する。
車載電力情報管理装置4のパワーメータ53(図2)は、電源端子58を介して電力ケーブル10に供給する電力量を計量する。同様に、電力情報管理装置8のパワーメータ63は、電力ケーブル10及び電源端子69を介して、車載電力情報管理装置4の電源端子58から供給を受ける電力量を計量する。
【0082】
図1の管理センタ19は、課金処理装置92にて、電力メータ9から売電した電力量に基づいて電気の購入金額を算出し、売電を行った車載電力情報管理装置4の所有者に対して、電気の購入金額を支払う決済処理を行う。この決済は、例えば銀行口座への購入金額の振込みや、利用者が予め所有する電子マネーへの購入金額分の金額チャージなどによって行われる。
【0083】
なお、充電処理モードの場合と同様、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間で電力交換が行われる際、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データの間に、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の相互の食い違いがないように、制御装置55及び制御装置65が監視を行う。
【0084】
(3)放電処理モード
また、放電の処理モードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部200を通じて蓄電池5の放電を行う放電電力量を設定入力(図4の放電203)することで、放電が開始される。
【0085】
図2のように、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53、電源端子58、電力ケーブル10、電力情報管理装置8の電源端子69及びパワーメータ63を介して、車両3の蓄電池5から電力情報管理装置8の電源64に電力が供給される。
【0086】
図3のように、電源64に供給された電力は、電源端子68から電力ケーブル11を介して電力メータ9に供給される。電力メータ9は、電力ケーブル11を介して供給された電力を、例えば屋内の電力機器30に供給することで、屋内の電力機器30にて電力が消費される。また、電力ケーブル11を介して供給された電力が余剰電力を含む場合は、余剰電力分を送配電設備15に売電する。電力メータ9は、電力情報管理装置8から供給を受けて送配電設備15に売電した電力量のデータを、管理センタ19に送信する。
【0087】
車載電力情報管理装置4の制御装置55は、パワーメータ53の計測により蓄電池5の放電した電力量が設定した放電電力量に達したことを確認すると、放電を完了する。
なお、電力情報管理装置8の制御装置65によって、パワーメータ63の計測により蓄電池5から放電された電力量が、設定した放電電力量に達したことを確認することで、放電を完了しても良い。
【0088】
図1の管理センタ19は、課金処理装置92にて、電力メータ9から売電した電力量に基づいて電気の購入金額を算出し、売電を行った車載電力情報管理装置4の所有者に対して、電気の購入金額を支払う決済処理を行う。
【0089】
なお、充電処理モードの場合と同様、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間で電力交換が行われる際、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データの間に、相互に所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないように、制御装置55及び制御装置65が監視を行う。
【0090】
(4)蓄電処理モード
また、蓄電処理のモードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部200を通じて、蓄電池5の電力を送配電設備15に供給して蓄電する出力蓄電量を設定入力(図4の蓄電204)することで、蓄電が開始される。図1の送配電設備15は、蓄電池5(図2)から供給された電力を蓄電装置26に蓄積したり、送電網を通じて電力ネットワーク上の他の電力機器に電力を送配電しても良い。
【0091】
図2のように、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53、電源端子58、電力ケーブル10、電源端子69及びパワーメータ63を介して、車両3の蓄電池5から電力情報管理装置8の電源64に電力が供給される。電源64に供給された電力は、電源端子68から電力ケーブル11を介して電力メータ9に供給される。
【0092】
電力メータ9は、電力情報管理装置8から供給された電力を、送配電設備15に送る。図1の送配電設備15は、電力メータ9を介して電力情報管理装置8から供給された電力を、蓄電装置26に蓄電するとともに、その蓄電量を計量する。
【0093】
車載電力情報管理装置4の制御装置55(図2)は、パワーメータ53の計測により蓄電池5から放電されて蓄電装置26(図1)に蓄電された蓄電量が、設定した出力蓄電量に達したことを確認すると、蓄電を完了する。
なお、電力情報管理装置8の制御装置65(図3)によって、パワーメータ63の計測により蓄電池5から放電されて蓄電装置26に蓄電された蓄電量が、設定した出力蓄電量に達したことを確認することで、蓄電を完了しても良い。
【0094】
電力情報管理装置8の制御装置65(図3)は、車載電力情報管理装置4から供給を受けパワーメータ63で計量した電力の計量データ(蓄電量)から、セキュリティモジュール62を用いて暗号化された蓄電データを生成する。この際、セキュリティモジュール62は、パワーメータ63により計量した蓄電量と、基地局IDと、暗号化された認証コードと、パワーリンクしている車載電力情報管理装置4の車載機IDとを対応付けてパケット化することで、パケット化した蓄電データを生成し、生成した蓄電データを第7の暗号鍵コードをキーとして暗号化することによって、暗号化された蓄電データを生成する。なお、第7の暗号鍵コードは、第3の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0095】
図5は、このパケット化した蓄電データのデータ構造の一例を示している。図5において、蓄電データパケット300は、ヘッダ301と、車載機ID302と、暗号化された認証コード303と、蓄電量304と、その他のデータ305から構成される。このように、セキュリティモジュール62により、暗号化されたパケット化した蓄電データを生成することで、蓄電量のデータを確実にセキュリティガードすることができる。
【0096】
なお、蓄電データは、車載電力情報管理装置4のセキュリティモジュール52によって生成されても良い。この場合は、パワーメータ53により計量した蓄電量と、電力情報管理装置8から得た基地局IDと、認証センタ1から得た認証コードと、車載機IDとを対応付けてパケット化し、第1の暗号鍵コードをキーとして暗号化を行う。この際、認証コードは暗号化されてセキュリティガードされることになるので、予め暗号化された認証コードを蓄電データに用いなくても良い。
【0097】
生成された暗号化された蓄電データは、通信装置66(図3)から通信ケーブル22を介して管理センタ19に送信される。
図1の管理センタ19は、電力情報管理装置8から受信した暗号化された蓄電データを、暗号処理装置91により第8の暗号鍵コードをキーとして復号処理して、蓄電データを再生し、再生した蓄電データを一時的に記憶装置に格納する。管理センタ19は、内部記憶装置に格納された基地局IDを参照して、再生した蓄電データに含まれる基地局IDが正規のものであることを確認すると、再生した蓄電データに含まれる暗号化された認証コードを、暗号処理装置91により第9の暗号鍵コードをキーとして暗号化した上で、通信ネットワーク2を介して認証センタ1に送信する。なお、第9の暗号鍵コードは、第8の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0098】
認証センタ1は、暗号処理装置101により、第10の暗号鍵コードをキーとして管理センタ19から送信された暗号化された認証コードを復号処理して、認証コードを再生する。認証センタ1の暗号処理装置101は、予め設定された認証コードとの比較により、再生した認証コードが正規のものであるか否かを確認する。再生した認証コードが正規のものであることを確認すると、認証センタ1は、暗号処理装置101により第10の暗号鍵コードをキーとして暗号化されたデータ保障コードを、管理センタ19に送信する。なお、第10の暗号鍵コードは、第4の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0099】
図1の管理センタ19は、認証センタ1から受信した暗号化されたデータ保障コードを、暗号処理装置91により第9の暗号鍵コードをキーとして復号処理して再生し、復号されたデータ保障コードを得る。管理センタ19は、復号されたデータ保障コードを得ると、電力管理データベース90の蓄電量のメモリ領域に、電力情報管理装置8から受信した蓄電データを記録する。図6に示すように、電力管理データベース90においては、車載電力情報管理装置4の所有者(利用者)の口座番号毎に、車載機IDと、暗号化された認証コードと、蓄電量(例えば、単位は電力量kwh)が、それぞれのメモリ領域(車載機IDメモリ領域920、暗号化された認証コードメモリ領域93、及び蓄電量メモリ領域94)に格納されている。
【0100】
なお、充電処理モードの場合と同様、電力情報管理装置8と車載電力情報管理装置4の間で電力交換が行われる際、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データの間に、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の相互の食い違いがないように、制御装置55及び制御装置65が監視を行う。
【0101】
また、蓄電処理モード時に、車載電力情報管理装置4のデータ記録装置56(図2)に格納された車両挙動データを、電力情報管理装置8を介して管理センタ19に送信しても良い。
この場合、電力情報管理装置8は、車両3の挙動によって変化する位置、速度、車輪回転速度、距離、消費電力量などの車両挙動データを、パケット化した蓄電データのその他のデータに組み込んで、暗号化された蓄電データを生成する。生成された蓄電データは、管理センタ19に送信される。また、管理センタ19は、電力情報管理装置8から送信された暗号化された蓄電データを第8の暗号鍵コードにより復号し、車両挙動データを含む蓄電データを再生する。管理センタ19は、再生した車両挙動データを含む蓄電データを、車載電力情報管理装置4の所有者(利用者)の口座番号及び車載機IDに対応付けて、電力管理データベース90における車両挙動データ(95)の記録領域に記録する。
【0102】
また、入出力装置59の入力部200は、充電201、売電202、放電203、蓄電204の各処理モードを選択する選択ボタンの他に、図4のように、蓄電量問合205、車両挙動データ問合206の各処理モードを選択するための選択ボタンが設けられていても良い。
蓄電量問合モードが選択されると、車載電力情報管理装置4の制御装置55は、電力情報管理装置8を介して、管理センタ19の電力管理データベース90に、車載機IDに対応した蓄電量のデータ照会を行う。管理センタ19は、車載電力情報管理装置4からの蓄電量問合モードにより車載機IDに対応したデータ照会を受けると、電力情報管理装置8を介して、車載電力情報管理装置4に車載機IDに対応した蓄電量のデータ内容を送信する。
【0103】
同様にして、車両挙動データ問合が選択されると、車載電力情報管理装置4の制御装置55は、電力情報管理装置8を介して、管理センタ19の電力管理データベース90に、車載機IDに対応した車両挙動データのデータ照会を行う。管理センタ19は、車載電力情報管理装置4からの車両挙動データ問合モードにより車載機IDに対応したデータ照会を受けると、電力情報管理装置8を介して、車載電力情報管理装置4に車載機IDに対応した車両挙動データのデータ内容を送信する。
なお、このデータ照会の際、適宜暗号通信や相互認証が行われることは言うまでもない。
【0104】
次に、実施の形態1による電力情報管理システム1000について、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置80の間での電力の授受及び蓄積管理について動作を説明する。ここで、電力情報管理装置80は、車両3によって移動可能であって、電力情報管理装置8とは異なる場所に設置されているものとする。
【0105】
車両3に搭乗する利用者は、車載電力情報管理装置4の入出力装置59(図2)を通じて、電力情報管理装置80との間で、通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を視認すると、入出力装置59を通じて、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置80の間での電力の受け渡しの実行入力を行う。
【0106】
例えば、入出力装置59の表示部(図示していない)に、充電処理モード、売電処理モード、放電処理モード、蓄電処理モードの4つの処理モードの選択を促す選択表示が行われる。
利用者は、図4のように、入出力装置59の入力部200を通じて、充電201、売電202、放電203、蓄電204の何れか1つの処理モードを選択入力する。
【0107】
車載電力情報管理装置4の制御装置55(図2)は、選択入力された処理モードに応じて、パワーメータ53の動作を制御するとともに、無線通信モジュール51、61を介して選択入力された処理モードの情報を電力情報管理装置80の制御装置65(図3)に送信する。電力情報管理装置80の制御装置65は、受信した処理モードの情報に基づいて、パワーメータ63の動作を制御することで、充電、売電、放電、蓄電の何れかの処理モードに対応した動作処理を行う。
【0108】
なお、図4に示す車載電力情報管理装置4の入出力装置59の入力部200の選択ボタンは、電力情報管理装置80の入出力装置71に設けられても良い。このとき、入出力装置71は、入出力装置59による各処理モードの選択を促す選択表示処理や、入出力装置59の入力部200の選択ボタンを通じた各処理モードの選択入力処理と同様の処理動作を行っても良い。
【0109】
このようにして、車両3の蓄電池5と電力情報管理装置80の電源64との間で、選択入力された処理モードに従って、電力の受け渡しが行われることとなる。また、電力情報管理装置80は、図3のように、電力ケーブル13によって送配電設備15に接続されており、電力情報管理装置80と送配電設備15との間で、選択入力された処理モードに応じた電力の受け渡しが行われる。
【0110】
ここで、電力情報管理装置80は、電力メータ9の機能も兼用しているので、売電、放電、蓄電の各処理モードについては、上述した車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8の間での電力の授受及び蓄積管理と同様であるので、説明を省略する。
以下の説明では、電力情報管理装置80を用いた充電処理モードについて説明する。
【0111】
<電力情報管理装置80の充電処理モード>
車両3の入出力装置59の入力部200を用いて充電処理のモードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部200を通じて蓄電池5の充電を行う充電量(設定充電量)を設定入力することで、充電が開始される。
【0112】
図3において、電力情報管理装置80のパワーメータ63、電源端子69、電力ケーブル10、車載電力情報管理装置4の電源端子58及びパワーメータ53を介して、電力情報管理装置80の電源64から車両3の蓄電池5に電力が供給されて、蓄電池5の充電が行われる。
このとき、電力情報管理装置80の電源64は、電力ケーブル13及び電源端子68を介して、送配電設備15から電力が供給される。
【0113】
電力情報管理装置80のパワーメータ63は、電源64から、電源端子69及び電力ケーブル10を介して、車載電力情報管理装置4の電源端子58に供給される電力量を計量する。つまり、電力情報管理装置80のパワーメータ63は、送配電設備15から車載電力情報管理装置4の蓄電池5に対して、充電用に供給される電力使用量のデータを計量する。
同様に、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53は、電源端子58に供給される電力量を計量する。
【0114】
車載電力情報管理装置4の制御装置55は、パワーメータ53により計測される蓄電池5の蓄電量が設定充電量に達したことを確認すると、充電を完了する。
なお、電力情報管理装置80の制御装置65(図3)が、パワーメータ63の計測により蓄電池5に供給される蓄電量が設定充電量に達したことを確認することで、蓄電を完了しても良い。
【0115】
制御装置55及び制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを、無線通信モジュール51及び無線通信モジュール61に送出する。
無線通信モジュール51と無線通信モジュール61は、双方向通信によってパワーメータ63及びパワーメータ53の計量データと車載機ID、暗号化された認証コード及び基地局IDを相互交換し、制御装置55及び制御装置65にそれぞれ送る。これによって、車載電力情報管理装置4の制御装置55と電力情報管理装置80の制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53によってそれぞれ得られた電力の計量データに、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないことを確認する。
【0116】
なお、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データに所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがあった場合は、制御装置55及び制御装置65は、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の間の電力交換を直ちに停止し、エラー警報を管理センタ19に送信する。
【0117】
セキュリティモジュール62は、パワーメータ63及びパワーメータ53により計量された電力使用量のデータと、車載電力情報管理装置4から得た車載機ID及び暗号化された認証コードと、予め設定された基地局IDとを、パケット化し、更に第7の暗号鍵コードにより充電データとして暗号化する。通信装置66は、このパケット化され暗号化された充電データを管理センタ19に送信する。
【0118】
図1の管理センタ19は、電力情報管理装置80から送信された充電データを第8の暗号鍵コードにより暗号処理装置91にて復号して、電力使用量データ、車載機ID、暗号化された認証コード及び基地局IDを再生する。管理センタ19は、再生した車載機ID及び基地局IDが、予め設定された正規のものであることを確認すると、暗号処理装置91にて再生した認証コードを第9の暗号鍵コードをキーとして暗号化した上で、通信ネットワーク2を介して認証センタ1に送信する。
【0119】
図1の認証センタ1は、暗号処理装置101により第10の暗号鍵コードをキーとして管理センタ19から送信された暗号化された認証コードを復号処理して、認証コードを再生する。認証センタ1は、予め設定された認証コードとの比較により、再生した認証コードが正規のものであるか否かを確認する。再生した認証コードが正規のものであることを確認すると、認証センタ1は、暗号処理装置101にて第10の暗号鍵コードをキーとして暗号化されたデータ保障コードを管理センタ19に送信する。
【0120】
管理センタ19は、暗号処理装置91にて認証センタ1から受信した暗号化されたデータ保障コードを、第9の暗号鍵コードをキーとして復号処理して再生し、復号されたデータ保障コードを得る。管理センタ19は、復号されたデータ保障コードを得ると、車載電力情報管理装置4の車載機IDをキーとして電力管理データベース90を参照し、電力管理データベース90の蓄電量のメモリ領域(94)に記録された車載機IDに対応した蓄電量のデータを得る。
【0121】
管理センタ19は、電力管理データベース90から得た蓄電量のデータ(蓄電量A)から、電力情報管理装置80から受信した電力使用量データ(使用電力量B)を差し引いた、差分電力量(A−B)を求める。求めた差分電力量(A−B)が0よりも小さくなった場合は、予め設定された料金体系に基づいて、差分電力量の絶対値に応じた電気料金を算出する。また、求めた差分電力量が0以上の場合は、電気料金は0になる。
【0122】
管理センタ19は、算出した差分電気量(A−B)が0よりも小さい場合は、差分電気量を電力の買い上げ(買電)を行った電力であるとみなして、課金処理装置92によって電気料金の支払い決済処理を行う。
例えば、課金処理装置92は、充電を行った車両3に搭載された車載電力情報管理装置4の所有者に対して、購入した電力量(差分電力量)に応じた電気料金を算出する。課金処理装置92は、通信ネットワーク2及び電力情報管理装置80の入出力装置59または車載電力情報管理装置4の入出力装置71を介して、算出した電気料金を利用者に提示する。
利用者は、入出力装置59または入出力装置71を通じて、提示された電気料金についてカード決済または現金決済などの決済方法を指定して、決済処理を行う。カード決済の場合は、課金処理装置92がカード会社の決済サービスシステムにアクセスして、カード決済処理を行う。現金決済の場合は、図示しない現金決済処理装置を通じて、利用者から支払われる現金を受領するなどして、現金決済を行う。
【0123】
このようにして、電力情報管理装置80を介し利用者の購入した電力量に応じて、利用者に請求するための電気料金の課金計算処理を行い、その場で電気料金の決済が行われる。
なお、求めた差分電力量が0以上の場合は、支払うべき電気料金は0になるので、このような電気料金の決済処理が不要となり、利用者並びに管理センタ19における決済処理の手間が省けることとなる。
【0124】
また、管理センタ19は、求めた差分電力量(A−B)を新たな蓄電量のデータとして求める。この際、求めた新たな蓄電量が0以下になったときは、蓄電量を0とする。管理センタ19は、電力管理データベース90における車載機IDに対応した蓄電量のデータ記録領域を、新たな蓄電量のデータによって上書更新する。
【0125】
また、管理センタ19は、車載機IDに対応した車両挙動データのデータ量や、データ内容に応じて、電力管理データベース90に記録された蓄電量をポイント加算するようにしても良い。例えば、車両挙動データに基づいて、車両3の走行距離を消費電力量で除算し、単位消費電力当たりの走行距離を算出する。単位消費電力当たりの走行距離を所定の基準値と比較することによって、所定の基準値を上回る程度に応じて、蓄電量にポイントを加算することができる。
【0126】
なお、電力情報管理装置80は、管理センタ19の電力管理データベース90に記録された車両挙動データを、車載機IDに対応した蓄電量のデータとともに取得し、取得したデータを車載電力情報管理装置4に送信して、データ記録装置56に記録しても良い。
【0127】
また、電力情報管理装置80は、電力情報管理装置8と同様に、電力ケーブルを介して他の電力メータ9に接続される構成であっても良い。この場合、電力情報管理装置80は、他の電力メータ9を介して送配電設備15に接続されることとなる。
【0128】
また、電力情報管理装置8,80は、無線通信モジュール61とパワーメータ63を分離し、別体にして構成しても良い。この場合、セキュリティモジュール62は、無線通信モジュール61とパワーメータ63に対して専用回線によって接続するか、もしくはセキュリティモジュールを分離された無線通信モジュール61とパワーメータ63の両方に設けて、セキュリティモジュールを介在して両者を接続しても良い。
【0129】
また、電力情報管理装置80と同様に、電力情報管理装置8が、電力管理データベース90へアクセスすることにより、蓄電量のデータに基づいて、電力設備(送配電設備15)から蓄電池5へ電力の引き出しを行うことができるように構成されていても良い。
【0130】
このように実施の形態1による電力情報管理システム1000は、車両(3)の蓄電池(5)から電力設備(送配電設備15)に供給される電力の電力データを計測するパワーメータ(53、63)と、上記車両3に対応した識別情報(車載機ID)と上記パワーメータにより計測された電力データとを対応付けて暗号化するセキュリティモジュール(52、62)と、上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データを電力管理データベース(90)に送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置(66)と、上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された電力データに応じて、電力設備端末(電力情報管理装置80)を介して電力設備(送配電設備15)から所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した車両の蓄電池に電力を供給する電力制御装置(55、65)とを備える構成である。この構成によって、車両の蓄電池から電力設備に送電される電力データを、車両の識別情報に対応して電力管理データベースに蓄積するとともに、電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて電力設備から所要電力を引き出し、車両の蓄電池に電力供給することができる。従って、車両の蓄電池から電力設備に一旦放電した電力を、異なる場所で、電力設備端末から車両の蓄電池に再充電することができる。
【0131】
これにより、車両の蓄電池の電力を予め電力設備(送配電設備15)に預けて蓄電した後、予め蓄電した電力を引き出して他の電力設備から当該蓄電池に再充電することができる。
【0132】
また、一般的に、車両3の蓄電池5から電力設備(送配電設備15)への電力の売電と、電力設備(送配電設備15)から車両3の蓄電池5への電力の買い上(買電)との間には、単位電力当たりの取引金額に差額を生じることとなり、買電価格の方が売電価格よりも高くなる。しかし、この実施の形態1の電力情報管理システム1000では、管理センタ19の電力管理データベース90の利用者口座の利用料金は、月極や年極などの固定額、またはアクセス数に応じた従量課金によって支払い請求することができるので、利用者に低額でかつ柔軟な電力利用サービスを提供することが可能となる。
【0133】
このため、電力管理データベース90上の電力データを用いて、予め仮想的に電力を蓄電し、車両の移動先で、仮想的に蓄電した電力を電力設備から引き出して車両の蓄電池に充電を行うことができるので、例えば充電の都度必ず決済処理を行う必要もなく、充電費用の利用者支払い負担や支払いの手間を軽減することができる。
【0134】
また、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8,80は、電力ケーブル10に通信配線を設けなくても、アンテナ20とアンテナ50間の無線通信によって電力データを授受することができるので、電力ケーブル10の構成が簡素になる。更に、電力ケーブル10を誘導コイルで構成し、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8,80の間で、非接触で電力の授受を行う場合は、車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8,80の間をケーブルで接続せずに、非接触で通信リンク及びパワーリンクを実現することが可能となる。
【0135】
また、電力ネットワークにより高度化された電力網(スマートグリッド)を用いて、電力利用の高効率化を図る際に、電動車両との間で電力の授受を行うことで、電力ネットワークの有効活用を図ることができる。この実施の形態1では、電力ネットワークと情報ネットワークを結合することで、電力の授受に伴う利用料金の授受をより簡便に行うことができるので、利用者がより簡便に電力ネットワークを有効活用することが可能となる。
このため、電動車両による電力を用いた走行によって削減できた温室効果ガス排出量に応じたポイントを、ポイント受領者へ付与する従来のエコポイント管理システムに比べて、電動車両により二酸化炭素排出量を削減する社会環境改善策を普及させる上で、より大きな普及促進効果を得ることができる。
【0136】
また、識別情報と電力データとが対応付けて格納された電力管理データベース90を具備し、電力管理データベース90に格納された上記識別情報に対応する電力データに基づいて、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)を介し、電力設備(送配電設備15)から当該電力データに応じた所要電力を引き出し、蓄電池への充電を行う電力制御装置(55、65)を備えても良い。
【0137】
この際、電力管理データベース90に格納され参照出力される識別情報及び電力データは、データの暗号化や電力管理データベース90を構成するサーバの物理的なセキュリティ管理(例えば、アクセス対象者管理や、ハッキング防止、データ改ざん防止などのデータセキュリティ管理、サーバ室への入退室管理など)によって、データのセキュリティ保護を行っておく。勿論、電力制御装置(55、65)側の方でも、セキュリティモジュール(52、62)を介してセキュリティにより保護された通信を行う。
【0138】
また、この場合、車載電力情報管理装置4以外の別種の電力情報管理装置を、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)に接続することで、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)から電力を引き出し、別の電力情報管理装置に充電するようにしても良い。この別種の電力情報管理装置は、図2に示すような蓄電池5と、パワーメータ53と、セキュリティモジュール52と、アンテナ50と、電源端子58と、無線通信モジュール51と、制御装置55と、入出力装置59が設けられていれば良い。例えば、この別種の電力情報管理装置は、携帯端末や、携行用計算機(例えばパソコン)などの可搬可能な計算機に、蓄電池を備えることよって構成されていても良い。
また、別種の電力情報管理装置は、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)からの電力の引き出しを専用とする(電力設備端末(電力情報管理装置8,80)への電力供給を行わない)端末であっても良い。
【0139】
このように構成することによって、予め電力管理データベースに格納された電力データを利用して、利用者が可搬可能な計算機を用いて、より簡便に、かつ端末の種類を問わず柔軟に、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)から電力を引き出すことができるので、電力ネットワークが、利用者によってより有効に活用されることとなる。
【0140】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2による車載電力情報管理装置4の構成を示す図である。図2に対して、図7は、車載電力情報管理装置4の接続先として、発電器510、モータ500が記載されている。また図7では、入出力装置59の入力部が「入力部210」である。その他は図2と同じである。
図8は、車載電力情報管理装置4の入力部210の入力画面を示す図である。
図9は、車両3における電力の流れを示す図である。
図10は、管理センタ19の電力管理データベース90のデータ構成例を示す図である。その他の構成については、実施の形態1の図1乃至図6で説明したものと同様である。
【0141】
図7において、車載電力情報管理装置4は、図2と同様、アンテナ50と、無線通信モジュール51(車載通信モジュール)と、セキュリティモジュール52(車載セキュリティモジュール)と、パワーメータ53(車載パワーメータ)と、制御装置55(車載電力制御装置)から構成される。
【0142】
また、車載電力情報管理装置4は、表示部及び入力部210を有した入出力装置59、蓄電池5、データ記録装置56、センサ57、モータ500、発電器510などの、車両3の搭載機器に接続されている。
【0143】
電力ケーブル10は電源端子58を介してパワーメータ53に接続される。パワーメータ53は、蓄電池5とセキュリティモジュール52とモータ500と発電器510と制御装置55に接続される。
パワーメータ53は、電源端子58から入出力される電力と、モータ500から入出力される電力と、発電器510から入力される電力と、蓄電池5の蓄電量(電荷)とを計量することができるとともに、各電力や蓄電の流入量または流出量を制御する調整弁として動作する。制御装置55は、パワーメータ53によって調整される電力の入力量または出力量を制御する。
【0144】
また、制御装置55は、データ記録装置56とセンサ57とセキュリティモジュール52と無線通信モジュール51に接続される。制御装置55は、パワーメータ53、セキュリティモジュール52及び無線通信モジュール51の動作を制御する。
【0145】
無線通信モジュール51は、アンテナ50とセキュリティモジュール52の間に接続される。無線通信モジュール51は、例えばDSRC(dedicated short range communications)方式による専用狭域無線通信や広域無線LANなどによる無線通信を行う。
【0146】
センサ57は、慣性航法装置、衛星航法装置、速度計、距離計、電力計、ブレーキ踏み込み量検出器、アクセル開度検出器などから構成され、車両3の挙動によって変化する位置、速度、車輪回転速度、走行距離、消費電力量、ブレーキ踏み込み量、アクセル開度などの車両挙動データを計測する。データ記録装置56は制御装置55によって制御される各種情報を記録する。例えば、センサ57によって計測された車両挙動データは、データ記録装置56に格納される。
【0147】
また、無線通信モジュール51が受信した通信データの一部は、データ記録装置56に格納される。セキュリティモジュール52は、予め設定された正規の認証コードが内部記憶装置に格納されている。
【0148】
モータ500は、パワーメータ53を介して、図9に示すように蓄電池5から電力(電力量P3)の供給を受ける。モータ500は、蓄電池5から供給される電力(電力量P3)に基づいて、車両3の車輪を回転させる。また、モータ500は、回生ブレーキによって車両3の車輪の回転エネルギーを電力に変換する発電を行い、電力(電力量P2)を生成する。
【0149】
制御装置55は、センサ57のブレーキ踏み込み量検出器によってブレーキが踏まれたことを検出した場合、またはセンサ57のアクセル開度検出器によってアクセル開度が0である(アクセルが踏まれていない)ことを検出した場合に、モータ500の回生ブレーキにより発電される電力(電力量P2)は、図9に示すようにパワーメータ53を介して蓄電池5に供給される。
パワーメータ53は、モータ500の回生ブレーキによって発電された電力(電力量P2)と、蓄電池5からモータ500に供給される電力(電力量P3)を計測する。
【0150】
発電器510は、車両3の屋根に実装された太陽電池や、車両3のラジエータ(放熱器)やモータ500周辺に配置された熱電素子などの発電機器から構成され、発電により電力(電力量P1)を生成する。図9に示すように、発電器510にて生成された電力(電力量P1)は、パワーメータ53に供給される。パワーメータ53は、発電器510によって発電された電力(電力量P1)を計測する。
【0151】
制御装置55は、パワーメータ53により計測されたモータ500及び発電器510の発電した電力量P1、P2の計測データから、発電量を求めて、セキュリティモジュール52内部に設けられたセキュリティ保護された記憶装置に記録する。
この際、制御装置55は、パワーメータ53で計測されるモータ500の発電した電力量P2と発電器510の発電した電力量P1の和から、モータ500の回転駆動に利用される電力量P3を差し引いた分(P2+P1−P3)を、発電量として求める。例えば、モータ500の発電した電力量P2のうち、4割がモータ500の回転駆動に利用される電力量P3となり、残りの6割が蓄電池5に蓄電される発電量となる。
【0152】
また、制御装置55は、パワーメータ53により所定のサンプリング周期で計測される電力量P1、P2、P3から、順次求められる発電量の値を累積的に加算して、セキュリティモジュール52の記憶装置に発電量データとして記録する。セキュリティモジュール52の記憶装置は、取り外しや、分解を行う際に、セキュリティモジュール52に設けられた機械的スイッチが作動して、発電量データの記録が抹消されたり、データ破壊されるようにセキュリティガードが施されている。
なお、利用者による発電量データの改ざんを防止できるように、セキュリティガードされているのであれば、発電量データはセキュリティモジュール52の外部、例えばデータ記録装置56に格納しても良い。
【0153】
車載電力情報管理装置4(図7)は、実施の形態1において図1を用いて説明したのと同様、電力情報管理装置8または電力情報管理装置80に接続される。
電力情報管理装置8,80と車載電力情報管理装置4間で、暗号によりセキュリティ保護された通信リンクが確立されるとともに、電力情報管理装置8,80の電源64(図3)と車載電力情報管理装置4の間がケーブル10により電気的に接続されると、双方の間で電力の授受が可能となるパワーリンクが確立されて、電力情報管理装置8,80と車載電力情報管理装置4の間での、電力と通信データの受け渡しが行われる。
【0154】
例えば、電力情報管理装置8,80と車載電力情報管理装置4の間の暗号通信により、セキュリティモジュール62(図3)は、セキュリティモジュール52の記憶装置に記録された発電量データ、車載機ID、暗号化された認証コード、車両挙動データなどを得て、内部記憶装置に一時的に記録する。
また、車載電力情報管理装置4の制御装置55は、電力情報管理装置8,80と車載電力情報管理装置4の通信リンク及びパワーリンクが確立されると、入出力装置59を介して通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を行う。
【0155】
次に、実施の形態2による電力情報管理システム1000について、電力情報管理装置8または電力情報管理装置80と、車載電力情報管理装置4との間での電力の授受及び蓄積管理について動作を説明する。以降の説明では、電力情報管理装置80の動作について説明するが、電力情報管理装置8についても同様の動作が行えるものとする。
【0156】
車両3に搭乗する利用者(ドライバまたは搭乗者)は、車載電力情報管理装置4の入出力装置59を通じて、電力情報管理装置80との間で、通信リンク及びパワーリンクが確立されたことを示す表示を視認すると、入出力装置59を通じて、車載電力情報管理装置4と、電力情報管理装置80との間での電力の受け渡しの実行入力を行う。
【0157】
入出力装置59は、例えば表示部に、充電処理モード、売電処理モード、出電処理モード、蓄電処理モード、買電処理モードの6つの処理モードの選択を促す選択表示が行われる。
入出力装置59の入力部210には、図8のように、充電201、売電202、出電207、放電203、蓄電204、買電208を含む選択ボタンが設けられている。入力部210の選択ボタンは表示部の表示画面内に設けられていても良い。
利用者は、入出力装置59の入力部210の選択ボタンを通じて、充電201、売電202、出電207、放電203、蓄電204、買電208の何れか1つの処理モードを選択入力する。
【0158】
車載電力情報管理装置4の制御装置55は、選択入力された処理モードに応じて、パワーメータ53の動作を制御するとともに、無線通信モジュール51、61を介して選択入力された処理モードの情報を電力情報管理装置80の制御装置65(図3)に送信する。電力情報管理装置80の制御装置65は、受信した処理モードの情報に基づいて、パワーメータ63の動作を制御することで、充電、売電、出電、放電、蓄電、買電の何れかの処理モードに対応した動作処理を行う。
【0159】
なお、図7に示す車載電力情報管理装置4の入出力装置59の入力部210の選択ボタンは、電力情報管理装置80の入出力装置71に設けられても良い。このとき、入出力装置71は、入出力装置59による各処理モードの選択を促す選択表示や、入出力装置59の入力部210の選択ボタンを通じた各処理モードの選択入力処理と同様に、動作処理を行っても良い。
【0160】
このようにして、車両3の蓄電池5と電力情報管理装置80の電源64との間で、選択入力された処理モードに従って、電力の受け渡しが行われることとなる。また、図3のように、電力情報管理装置80は、電力ケーブル13によって送配電設備15に接続されており、電力情報管理装置80と送配電設備15との間で、選択入力された処理モードに応じた電力の受け渡しが行われる。
【0161】
ここで、電力情報管理装置80は、充電、売電、放電の各処理モードの動作処理については、実施の形態1で説明した車載電力情報管理装置4と電力情報管理装置8の間での電力の授受及び蓄積管理と同様であるので、説明を省略する。
以下の説明では、電力情報管理装置80を用いた出電処理モード、買電処理モード及び蓄電処理モードについて、図1乃至3及び図7乃至10を用いて説明する。
【0162】
(1)出電処理モード
車両3の入出力装置59の入力部210または電力情報管理装置80の入出力装置71を用いて出電処理モードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部210または入出力装置71(図3)を通じて、送配電設備15から引き出す電力量である所要引出電力量を設定入力することで、出電が開始される。
【0163】
入出力装置59の入力部210により設定入力された所要引出電力量の情報は、アンテナ50及びアンテナ20を介した、無線通信モジュール51と無線通信モジュール61の間の暗号化された無線通信により、車載電力情報管理装置4の制御装置55から電力情報管理装置80の制御装置65に伝達される。或いは、入出力装置71から設定入力された所要引出電力量の情報が、制御装置65に伝達されても良い。
【0164】
図3のセキュリティモジュール62は、所要引出電力量の情報と、車載電力情報管理装置4から得た車載機ID及び暗号化された認証コードと、予め設定された基地局IDとを、パケット化し、更に第7の暗号鍵コードにより出電データとして暗号化する。通信装置66は、このパケット化され暗号化された出電データを管理センタ19に送信する。
【0165】
図1の管理センタ19は、電力情報管理装置80から送信された出電データを第8の暗号鍵コードにより暗号処理装置91にて復号して、所要引出電力量のデータ、車載機ID、暗号化された認証コード及び基地局IDを再生する。管理センタ19は、再生した車載機ID及び基地局IDが、予め設定された正規のものであることを確認すると、暗号処理装置91にて再生した認証コードを第9の暗号鍵コードをキーとして暗号化した上で、通信ネットワーク2を介して認証センタ1に送信する。
【0166】
図1の認証センタ1は、暗号処理装置101により、第10の暗号鍵コードをキーとして管理センタ19から送信された暗号化された認証コードを復号処理して、認証コードを再生する。認証センタ1は、予め設定された認証コードとの比較により、再生した認証コードが正規のものであるか否かを確認する。再生した認証コードが正規のものであることを確認すると、認証センタ1は、暗号処理装置101にて第10の暗号鍵コードをキーとして暗号化されたデータ保障コードを管理センタ19に送信する。
【0167】
図1の管理センタ19は、暗号処理装置91にて認証センタ1から受信した暗号化されたデータ保障コードを、第9の暗号鍵コードをキーとして復号処理して再生し、復号されたデータ保障コードを得る。管理センタ19は、復号されたデータ保障コードを得ると、車載電力情報管理装置4の車載機IDをキーとして電力管理データベース90を参照し、電力管理データベース90の蓄電量のメモリ領域94に記録された、車載機IDに対応した蓄電量のデータを得る。
【0168】
管理センタ19は、電力管理データベース90から得た蓄電量のデータ(蓄電量A)から、電力情報管理装置80から受信した所要引出電力量のデータ(B)を差し引いた、差分電力量(A−B)を求める。
管理センタ19は、求めた差分電力量(A−B)を新たな蓄電量のデータとして求め、許容引出電力量を所要引出電力量のデータ(B)の値とする。
また、求めた差分電力量(A−B)が0よりも小さくなった場合は、新たな蓄電量のデータを0とし、許容引出電力量を蓄電量Aの値とする。
【0169】
管理センタ19は、電力管理データベース90における車載機IDに対応した蓄電量のデータ記録領域を、新たな蓄電量のデータによって上書更新する。
また、管理センタ19は、許容引出電力量のデータを暗号化して、通信ネットワーク2を介して電力情報管理装置80に送信する。
【0170】
電力情報管理装置80の制御装置65(図3)は、通信装置66を介して、管理センタ19から受信した暗号化された許容引出電力量のデータを復号化し、許容引出電力量を得る。電力情報管理装置80の制御装置65は、得られた許容引出電力量に基づいてパワーメータ63を制御し、送配電設備15から電力を引き出して、車載電力情報管理装置4に電力を供給する。
【0171】
電力情報管理装置80の電源64は、電力ケーブル13及び電源端子68を介して、送配電設備15から引き出された電力が供給される。
図3の電力情報管理装置80は、パワーメータ63、電源端子69、電力ケーブル10、車載電力情報管理装置4の電源端子58及びパワーメータ53を介して、電力情報管理装置80の電源64から、車両3の蓄電池5に、送配電設備15から引き出した電力を供給する。蓄電池5は、電力情報管理装置80から供給された電力により充電を行う。
【0172】
電力情報管理装置80のパワーメータ63(図3)は、電源64から電源端子69及び電力ケーブル10を介して、車載電力情報管理装置4の電源端子58に供給される電力量を計量する。同様に、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53は、電源端子58に供給される電力量を計量する。
【0173】
制御装置55及び制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを、無線通信モジュール51及び無線通信モジュール61に送出する。
【0174】
無線通信モジュール51と無線通信モジュール61は、双方向通信によってパワーメータ63及びパワーメータ53の計量データと車載機ID、暗号化された認証コード及び基地局IDを相互交換し、制御装置55及び制御装置65にそれぞれ送る。これによって、車載電力情報管理装置4の制御装置55と電力情報管理装置80の制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53によってそれぞれ得られた電力の計量データに、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないことを確認する。
【0175】
電力情報管理装置80の制御装置65(図3)は、パワーメータ63により計測される車両3の蓄電池5への供給電力が、許容引出電力量に達したことを確認すると、送配電設備15からの電力の引き出しを完了する。
なお、車載電力情報管理装置4の制御装置55によって、パワーメータ63の計測により、蓄電池5に供給される蓄電量が設定充電量に達したことを確認することで、蓄電を完了しても良い。
【0176】
パワーメータ63とパワーメータ53との計量データの間や、電力メータ9とパワーメータ63の計量データの間や、電力メータ9と蓄電装置26の計量データの間や、パワーメータ53及びパワーメータ63の計量データと許容引出電力量の間に、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがあった場合は、制御装置55及び制御装置65は、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の間の電力交換を直ちに停止し、エラー警報を管理センタ19に送信する。
【0177】
(2)買電処理モード
車両3の入出力装置59を用いて買電処理モードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部210を通じて蓄電池5に充電する充電量(設定充電量)を設定入力することで、充電が開始される。
図3において、電力情報管理装置80のパワーメータ63、電源端子69、電力ケーブル10、車載電力情報管理装置4の電源端子58及びパワーメータ53を経由して、電力情報管理装置80の電源64から車載電力情報管理装置4を介し、蓄電池5に電力が供給され、蓄電池5の充電が行われる。
このとき、電力情報管理装置80の電源64は、電力ケーブル13を介して、送配電設備15から電力の供給を受ける。
【0178】
電力情報管理装置80のパワーメータ63(図3)は、電源64から電源端子69及び電力ケーブル10を介して、車載電力情報管理装置4の電源端子58に供給される電力量を計量する。同様に、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53は、電源端子58から供給を受ける電力量を計量する。
【0179】
図7の制御装置55は、パワーメータ53により計測される蓄電池5の蓄電量が設定充電量に達したことを確認すると、充電を完了する。
なお、電力情報管理装置80の制御装置65によって、パワーメータ63により計測される蓄電池5への供給電力量が、設定充電量に達したことを確認することで、充電を完了しても良い。
【0180】
制御装置55及び制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを、無線通信モジュール51及び無線通信モジュール61に送出する。
無線通信モジュール51と無線通信モジュール61は、双方向通信によってパワーメータ63及びパワーメータ53の計量データを交換し、制御装置55及び制御装置65にそれぞれ送る。これによって、車載電力情報管理装置4の制御装置55と電力情報管理装置80の制御装置65は、パワーメータ63及びパワーメータ53によってそれぞれ得られた電力の計量データに、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがないことを確認する。
【0181】
電力情報管理装置80の制御装置65(図3)は、通信装置66及び通信ネットワーク2を介して、充電開始から完了までの間に、送配電設備15から電力情報管理装置80に供給した電力使用量のデータを、管理センタ19に送信する。
【0182】
なお、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データに所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の食い違いがあった場合は、制御装置55及び制御装置65は、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の間の電力交換を直ちに停止し、エラー警報を管理センタ19に送信する。
【0183】
図1の管理センタ19は、通信ネットワーク2を介して、送配電設備15から電力情報管理装置80に供給された電力使用量のデータを、電力情報管理装置80から受けると、課金処理装置92に対して電気料金の課金処理を実行させる。課金処理装置92は、電力情報管理装置80から受けた電力使用量に基づいて電気料金を算出し、充電を行った車両3に搭載された車載電力情報管理装置4の所有者に対する、電気料金の支払い決済処理を行う。
【0184】
(3)蓄電処理モード
車両3の入出力装置59の入力部210(図7)または電力情報管理装置80の入出力装置71(図3)を用いて蓄電処理モードが選択された場合、車載電力情報管理装置4の利用者は、入出力装置59の入力部210を通じて、車両3の蓄電池5から供給される電力を、送配電設備15の蓄電装置26に蓄電するための出力蓄電量を設定入力することで、蓄電が開始される。送配電設備15は、蓄電池5から供給された電力を蓄電装置26に蓄積したり、送電網を通じて電力ネットワーク上の他の電力機器に電力を送配電しても良い。
【0185】
図3のように、車載電力情報管理装置4のパワーメータ53、電源端子58、電力ケーブル10、電源端子69及びパワーメータ63を介して、蓄電池5から、電力情報管理装置80の電源64に電力が供給される。電源64に供給された電力は、電力ケーブル13を介して電源端子68から送配電設備15に送られる。送配電設備15は、電力ケーブル13を介して電力情報管理装置80から供給された電力を、蓄電装置26(図1)に蓄電するとともに、その蓄電量を計量する。
【0186】
車載電力情報管理装置4の制御装置55(図7)は、パワーメータ53の計測により蓄電池5から放電されて蓄電装置26に蓄電された蓄電量が、設定した出力蓄電量に達したことを確認すると、蓄電を完了する。
なお、電力情報管理装置80の制御装置65(図3)は、パワーメータ63の計測により蓄電池5から放電されて蓄電装置26に蓄電された蓄電量が、設定した出力蓄電量に達したことを確認することで、蓄電を完了しても良い。
【0187】
電力情報管理装置80の制御装置65は、車載電力情報管理装置4から供給を受け、パワーメータ63で計量した電力の計量データ(蓄電量)から、セキュリティモジュール62を用いて暗号化された蓄電データを生成する。
【0188】
図3のセキュリティモジュール62は、パワーメータ63により計量した蓄電量と、発電量データと、基地局IDと、暗号化された認証コードと、パワーリンクしている車載電力情報管理装置4の車載機IDとを対応付けてパケット化することで、パケット化した蓄電データを生成し、生成した蓄電データを第7の暗号鍵コードをキーとして暗号化することによって、暗号化された蓄電データを生成する。
【0189】
この際、セキュリティモジュール62は、記憶装置に一時的に記録された発電量データと、パワーメータ63で計測された蓄電量とを、単位を揃えて比較し、発電量データの発電量よりも蓄電量が多ければ、記憶装置に一時的に記録された発電量データをゼロにリセットする(新たな発電量データとして記録する)。
また、発電量データの発電量が蓄電量よりも多ければ、セキュリティモジュール62は、蓄電データにパケット化される発電量データとしてパワーメータ63により計量した蓄電量の値を用いるとともに、セキュリティモジュール62の記憶装置に一時的に記録された発電量データの発電量の値から蓄電量の値を差し引いた値を、新たな発電量データとして記憶装置に記録する。
このセキュリティモジュール62に新たに記録された発電量データは、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の通信により、セキュリティモジュール52の記憶装置に送信され、新たな発電量データとして記録が更新される。
なお、第7の暗号鍵コードは、第3の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0190】
また、図5に示したような蓄電データパケット300は、ヘッダ、車載機ID、暗号化された認証コード、蓄電量、発電量データ、その他のデータから構成されることとなる。このように、セキュリティモジュール62により、暗号化されたパケット化した蓄電データを生成することで、蓄電量のデータを確実にセキュリティガードすることができる。
【0191】
なお、蓄電データは、セキュリティモジュール52によって生成されても良い。この場合は、セキュリティモジュール52は、パワーメータ53により計量した蓄電量と、電力情報管理装置80から得た基地局IDと、認証センタ1から得た認証コードと、車載機IDとを対応付けてパケット化し、第1の暗号鍵コードをキーとして暗号化を行う。この際、認証コードは暗号化されてセキュリティガードされることになるので、予め暗号化された認証コードを蓄電データに用いなくても良い。
【0192】
生成された暗号化された蓄電データは、通信装置66(図3)から通信ケーブル22を介して管理センタ19に送信される。
管理センタ19は、電力情報管理装置80から受信した暗号化された蓄電データを、暗号処理装置91により第8の暗号鍵コードをキーとして復号処理して、蓄電データを再生し、再生した蓄電データを一時的に記憶装置に格納する。管理センタ19は、内部記憶装置に格納された基地局IDを参照して、再生した蓄電データに含まれる基地局IDが正規のものであることを確認すると、再生した蓄電データに含まれる暗号化された認証コードを、暗号処理装置91により第9の暗号鍵コードをキーとして暗号化した上で、通信ネットワーク2を介して認証センタ1に送信する。なお、第9の暗号鍵コードは、第8の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0193】
図1の認証センタ1は、暗号処理装置101により、第10の暗号鍵コードをキーとして管理センタ19から送信された暗号化された認証コードを復号処理して、認証コードを再生する。認証センタ1の暗号処理装置101は、予め設定された認証コードとの比較により、再生した認証コードが正規のものであるか否かを確認する。再生した認証コードが正規のものであることを確認すると、認証センタ1は、暗号処理装置101により第10の暗号鍵コードをキーとして暗号化されたデータ保障コードを、管理センタ19に送信する。なお、第10の暗号鍵コードは、第4の暗号鍵コードと同一のものであっても良い。
【0194】
図1の管理センタ19は、認証センタ1から受信した暗号化されたデータ保障コードを、暗号処理装置91により第9の暗号鍵コードをキーとして復号処理して再生し、復号されたデータ保障コードを得る。管理センタ19は、復号されたデータ保障コードを得ると、電力管理データベース90の蓄電量のメモリ領域に、電力情報管理装置80から受信した蓄電データを記録する。
【0195】
図10に示すように、電力管理データベース90においては、車載電力情報管理装置4の所有者(利用者)の口座番号毎に、車載機IDと、暗号化された認証コードと、蓄電量(例えば、単位は電力量kwh)と、発電量が、それぞれのメモリ領域(車載機IDメモリ領域92、暗号化された認証コードメモリ領域93と、蓄電量メモリ領域94と、発電量メモリ領域96)に格納されている。
【0196】
なお、充電処理モードの場合と同様、電力情報管理装置80と車載電力情報管理装置4の間で電力交換が行われる際、パワーメータ63とパワーメータ53の計量データや、電力メータ9とパワーメータ63の計量データの間に、所定量(電力減衰性能に基づいて予め設定される規定電力損失量)以上の相互の食い違いがないように、制御装置55及び制御装置65が監視を行う。
【0197】
また、蓄電処理モード時に、車載電力情報管理装置4のデータ記録装置56に格納された車両挙動データを、電力情報管理装置80を介して管理センタ19に送信しても良い。
この場合、電力情報管理装置80は、車両3の挙動によって変化する位置、速度、車輪回転速度、距離、消費電力量などの車両挙動データを、パケット化した蓄電データのその他のデータに組み込んで、暗号化された蓄電データを生成する。生成された蓄電データは、管理センタ19に送信される。
【0198】
また、図1の管理センタ19は、電力情報管理装置80から送信された暗号化された蓄電データを、第8の暗号鍵コードにより復号し、車両挙動データを含む蓄電データを再生する。管理センタ19は、再生した車両挙動データを含む蓄電データを、車載電力情報管理装置4の所有者(利用者)の口座番号及び車載機IDに対応付けて、電力管理データベース90における車両挙動データ(95)の記録領域に記録する。
【0199】
また、管理センタ19は、電力管理データベース90に記録された車載機IDに対応した発電量に応じて、電力管理データベース90に記録された車載機IDに対応した蓄電量のポイント加算を行ったり、増量するようにしても良い。
例えば、管理センタ19は、管理者により予め段階的に設定された複数の基準値と、電力管理データベース90に記録された発電量とを比較し、当該発電量が各基準値を超えた場合に、電力管理データベース90に記録された蓄電量を増量するようなポイント加算を行うサービスが可能となる。或いは、管理センタ19は、電力管理データベース90に記録された発電量に所定の比率を掛けた値を求め、この求めた値を、電力管理データベース90に記録された蓄電量に加算して、蓄電量を増量するようなサービスを行うこともできる。
【0200】
また、入出力装置59の入力部210は、実施の形態1の図4と同様、蓄電量問合、車両挙動データ問合、発電量問合などの、電力管理データベース90の記録データを照会処理するための選択ボタンが設けられていても良い。
【0201】
また、電力情報管理装置80は、電力情報管理装置8と同様に、電力ケーブルを介して他の電力メータ9に接続される構成であっても良い。この場合、電力情報管理装置80は、他の電力メータ9を介して送配電設備15に接続されることとなる。
【0202】
また、電力情報管理装置8,80は、無線通信モジュール61とパワーメータ63を分離し、別体にして構成しても良い。この場合、セキュリティモジュール62は、無線通信モジュールとパワーメータ63に対して専用回線によって接続するか、もしくはセキュリティモジュールを分離された無線通信モジュール61とパワーメータ63の両方に設けて、セキュリティモジュールを介在して両者を接続しても良い。
【0203】
また、電力情報管理装置80と同様に、電力情報管理装置8が、電力管理データベース90へアクセスすることにより、蓄電量のデータに基づいて、電力設備(送配電設備15)への蓄電を行うことができるように構成されていても良い。
【0204】
実施の形態2による電力情報管理システム1000は、
買電または出電の各処理モードを選択可能な選択部(入力部210)と、車両(3)の蓄電池(5)から電力設備(送配電設備15)に送電される電力の電力データを計測するパワーメータ(53、63)と、上記車両に対応した識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データを対応付けて暗号化するセキュリティモジュール(52、62)と、上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データを電力管理データベース(90)に送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置(66)と、上記選択部により買電処理が選択された場合、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)を介して電力設備(送配電設備15)からの所要電力の購入により電力供給を受けて、車両の蓄電池に供給された電力を充電し、上記選択部により出電処理が選択された場合、上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)を介して電力設備(送配電設備15)から所要電力を引き出し、上記蓄電池に引き出された電力を充電する、電力制御装置(55、65)を備える構成である。この構成によって、車両の蓄電池から電力設備に送電される電力データを、車両の識別情報に対応して電力管理データベースに蓄積するとともに、電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて電力設備から所要電力を引き出し、車両の蓄電池に電力供給することができる。従って、車両の蓄電池から電力設備に一旦放電した電力を、異なる場所で、電力設備端末から車両の蓄電池に再充電することができる。
【0205】
これにより、車両の蓄電池の電力を予め電力設備(送配電設備15)に預けて蓄電した後、予め蓄電した電力を引き出して他の電力設備から当該蓄電池に再充電することができる。
【0206】
また、以上の実施の形態の電力情報管理システム1000によれば、電力の買い上(買電)と電力の引き出し(出電)を選択することができるので、利用者の利用形態に応じた柔軟な電力利用サービスを提供することが可能となる。
【0207】
また、以上の実施の形態の電力情報管理システム1000によれば、車両3に搭載された発電器またはモータの回生ブレーキなどの発電によって得られた電力データを、電力管理データベースに蓄積することができるので、車両3の走行時に定量的に得られる発電量のデータを管理することが可能となる。これによって、車両3の利用者に対して、例えば発電量に応じたポイントの付与や、電力設備(送配電設備15)に預けて蓄電した電力の増量サービスを図るなど、エコ車両やエコ走行を促進するための利用者向けインセンティブを付与するための様々な機会を得ることが可能となる。
【0208】
また、実施の形態1と同様、車載電力情報管理装置4以外の別種の電力情報管理装置を、電力設備端末(電力情報管理装置80)に接続することで、電力設備端末(電力情報管理装置8,80)から電力を引き出し、別の電力情報管理装置に充電するようにしても良い。この別種の電力情報管理装置は、図2に示すような蓄電池5と、パワーメータ53と、セキュリティモジュール52と、アンテナ50と、電源端子58と、無線通信モジュール51と、制御装置55と、入出力装置59が設けられていれば良い。例えば、この別種の電力情報管理装置は、携帯端末や、携行用計算機(例えばパソコン)などの可搬可能な計算機に、蓄電池を備えることよって構成されていても良い。
【0209】
以上の実施の形態1、2では、車載電力情報管理装置4及び電力情報管理装置8,8を説明したが、これらの電力情報管理装置の機能を、電力情報管理方法として把握することも可能である。
【0210】
以上説明した実施の形態では、以下の電力情報管理装置、電力情報管理システム、電力制御方法について一例を説明した。
【0211】
識別情報と電力データとが対応付けて格納された電力管理データベースと、上記電力管理データベースに格納された上記識別情報に対応する電力データに基づいて、電力設備から当該電力データに応じた所要電力を引き出す電力制御装置と、
を備えた電力情報管理装置。
【0212】
車両の蓄電池から電力設備に供給される電力の電力データを計測するパワーメータと、
上記車両に対応した識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データを電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて、電力設備から所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した車両の蓄電池に電力を供給する電力制御装置と、
を備えた電力情報管理装置。
【0213】
車両に対応した識別情報と電力設備に蓄電する電力の電力データを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データを電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて、電力設備から予め電力設備に蓄電した電力を引き出し、当該識別情報に対応した車両の蓄電池を充電する電力制御装置と、
を備えた電力情報管理装置。
【0214】
買電または出電の各処理モードを選択可能な選択部と、
車両の蓄電池から電力設備に送電される電力の電力データを計測するパワーメータと、
上記車両に対応した識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データを電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
上記選択部により買電処理が選択された場合、電力設備からの所要電力の購入により電力供給を受けて、車両の蓄電池に供給された電力を充電し、
上記選択部により出電処理が選択された場合、上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて、電力設備から所要電力を引き出し、上記蓄電池に引き出された電力を充電する、
電力制御装置と、
を備えた電力情報管理装置。
【0215】
上記セキュリティモジュールは、車両搭載センサにより得られた車両挙動データを暗号化し、
上記通信装置は、上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した識別情報と電力データと車両挙動データを電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する。
【0216】
上記パワーメータは、車両によって発電され、車両から電力設備に送電される電力の電力データを計測し、上記セキュリティモジュールは、上記車両に対応した識別情報と上記パワーメータの計測により得られた電力データを対応付けて暗号化する。
【0217】
車両に搭載された車載通信モジュールと、
上記車載通信モジュールの通信データに暗号処理を行う車載セキュリティモジュールと、
車両の蓄電池から電力設備に送電される電力の電力データを計量する車載パワーメータと、
を有した車載電力情報管理装置と、
上記車載通信モジュールとの通信により、上記車両に対応した識別情報と車載パワーメータの電力データを得る電力設備端末通信モジュールと、
上記車載通信モジュールから得た上記車両に対応した識別情報と上記車載パワーメータの電力データを、電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
上記電力設備端末通信モジュール及び通信装置の通信データに暗号処理を行う電力設備端末セキュリティモジュールと、
上記車載電力情報管理装置から供給された電力を電力設備に送電し、電力設備から供給された電力を上記車載電力情報管理装置に送電する電力設備端末パワーメータと、
を有した複数の電力設備端末と、
上記車両の蓄電池と電力設備の間の電力授受を制御し、上記識別情報に対応した車両の蓄電池から電力設備への送電により上記電力管理データベースに蓄積された電力データに基づいて、上記電力設備から所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した車両の蓄電池に電力を供給する電力制御装置と、
を備えた電力情報管理システム。
【0218】
識別情報と電力データとが対応付けて格納された電力管理データベースに格納された上記識別情報に対応する電力データに基づいて、電力設備から当該電力データに応じた所要電力を引き出すことを特徴とする電力情報管理方法。
【0219】
さらに、以上説明した実施の形態では、以下の電力情報管理装置、電力情報管理システム、電力情報管理方法について一例を説明した。
【0220】
車両の蓄電池から電力設備に供給される電力の電力データを計測するパワーメータと、
上記車両に対応する識別情報と上記パワーメータにより計測された上記電力データとを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された上記車両に対応する上記識別情報と上記電力データとを管理センター装置の保有する電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データに基く蓄電量を上記電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
上記車両に対応する上記識別情報と充電量とを入力可能であり、上記識別情報と上記充電量とを入力すると、上記管理センター装置に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断させ、上記充電量が上記蓄電量を超えない場合には、上記蓄電量から上記充電量を差し引いた値を新たな上記蓄電量として上記電力管理データベースを更新させると共に、上記蓄電量の更新に用いられる上記充電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力される上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する電力制御装置と、
を備えた電力情報管理装置。
【0221】
上記電力制御装置は、
上記管理センター装置に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断させる際に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースの上記識別情報に対応する上記蓄電量を超える場合には、上記識別情報に対応する上記蓄電量をゼロに更新させ、かつ、上記充電量のうち上記蓄電量を超える電力量の部分に対して課金処理を実施させると共に、上記充電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力される上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する。
【0222】
上記電力制御装置は、
上記管理センター装置に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断させる際に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースの上記識別情報に対応する上記蓄電量以上の場合には、上記識別情報に対応する上記蓄電量をゼロに更新させると共に、上記蓄電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力される上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する。
【0223】
上記セキュリティモジュールは、
上記識別情報と上記電力データとに対して、さらに、上記識別情報に対応する上記車両の発電した電力を示す発電量データを対応付けて暗号化し、
上記通信装置は、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された上記識別情報、上記電力データ及び上記発電量データを上記電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データ及び上記発電量データを、上記電力管理データベースに蓄積する。
【0224】
上記セキュリティモジュールは、
車両搭載センサにより得られた車両挙動データを暗号化し、
上記通信装置は、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された上記車両に対応した上記識別情報と上記電力データとに加え、さらに、上記セキュリティモジュールにより暗号化された上記車両挙動データを上記電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データ及び上記車両挙動データを電力管理データベースに蓄積する。
【0225】
電力管理データベースを保有する管理センター装置と、複数の電力情報管理装置とを備えた電力情報管理システムにおいて、
上記各電力情報管理装置は、
車両の蓄電池から電力設備に供給される電力の電力データを計測し、上記車両に対応する識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データとを対応付けて暗号化し、暗号化された上記車両に対応する上記識別情報と上記電力データとを上記管理センター装置の上記電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データに基く蓄電量を上記電力管理データベースに蓄積し、
暗号化された上記識別情報と上記電力データとを上記電力管理データベースに送信した上記電力情報管理装置を含む上記複数の電力情報管理装置の各電力情報管理装置は、
いずれも、上記車両に対応する上記識別情報と充電量とを入力可能であり、上記識別情報と上記充電量とを入力すると、上記管理センター装置に上記識別情報と上記充電量とを暗号化して送信し、
上記管理センター装置は、
暗号化された上記識別情報と上記充電量とを受信すると復号し、上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断し、上記充電量が上記蓄電量を超えない場合には、上記蓄電量から上記充電量を差し引いた値を新たな上記蓄電量として上記電力管理データベースを更新し、
上記識別情報と上記充電量とを入力した上記電力情報管理装置は、
上記管理センター装置が上記蓄電量の更新に用いる上記充電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力した上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する電力情報管理システム。
【0226】
上記管理センター装置は、
上記電力情報管理装置から受信した上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断する際に、受信した上記充電量が上記電力管理データベースの上記識別情報に対応する上記蓄電量を超える場合には上記識別情報に対応する上記蓄電量をゼロに更新すると共に上記充電量のうち上記蓄電量を超える電力量の部分に対して課金処理を実施し、
上記識別情報と上記充電量とを入力した上記電力情報管理装置は、
上記充電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力した上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する。
【0227】
上記管理センター装置は、
上記電力情報管理装置から受信した上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断する際に、受信した上記充電量が上記電力管理データベースの上記識別情報に対応する上記蓄電量以上の場合には、上記識別情報に対応する上記蓄電量をゼロに更新し、
上記識別情報と上記充電量とを入力した上記電力情報管理装置は、
上記蓄電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力した上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する。
【0228】
上記識別情報と上記充電量とを入力した上記電力情報管理装置は、
上記識別情報と上記電力データとに対して、さらに、上記識別情報に対応する上記車両の発電した電力を示す発電量データを対応付けて暗号化し、暗号化した上記識別情報、上記電力データ及び上記発電量データを上記電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データ及び上記発電量データを、上記電力管理データベースに蓄積する。
【0229】
パワーメータと、セキュリティモジュールと、通信装置と、電力制御装置とを備えた電力情報管理装置が行う電力情報管理方法であって、
上記パワーメータが、
車両の蓄電池から電力設備に供給される電力の電力データを計測し、
上記セキュリティモジュールが、
上記車両に対応する識別情報と上記パワーメータにより計測された上記電力データとを対応付けて暗号化し、
上記通信装置が、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された上記車両に対応する上記識別情報と上記電力データとを管理センター装置の保有する電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応する上記電力データに基く蓄電量を上記電力管理データベースに蓄積し、
上記電力制御装置が、
上記車両に対応する上記識別情報と充電量とを入力可能であり、上記識別情報と上記充電量とを入力すると、上記管理センター装置に、入力された上記充電量が上記電力管理データベースに蓄積された上記識別情報に対応する上記蓄電量を超えるかどうかを判断させ、上記充電量が上記蓄電量を超えない場合には、上記蓄電量から上記充電量を差し引いた値を新たな上記蓄電量として上記電力管理データベースを更新させると共に、上記蓄電量の更新に用いられる上記充電量の示す電力を上記電力設備もしくは他の電力設備から引き出し、入力される上記識別情報に対応する上記車両の上記蓄電池に、当該引き出した上記電力を供給する電力情報管理方法。
【符号の説明】
【0230】
1 認証センタ、2 通信ネットワーク、3 車両、4 車載電力情報管理装置、5 蓄電池、6 建造物、7 発電装置、8 電力情報管理装置(電力設備端末)、9 電力メータ、10,11,12,13,14,31 電力ケーブル、15 送配電設備(電力設備)、19 管理センタ、20 アンテナ、21,22,23 通信ケーブル、26 蓄電装置、50 アンテナ、51 無線通信モジュール(車載通信モジュール)、52 セキュリティモジュール(車載セキュリティモジュール)、53 パワーメータ(車載パワーメータ)、55 制御装置(車載電力制御装置)、56 データ記録装置、57 センサ、59 入出力装置(車載入出力装置)、61 無線通信モジュール(電力設備端末通信モジュール)、62 セキュリティモジュール(電力設備端末セキュリティモジュール)、63 パワーメータ(電力設備端末パワーメータ)、65 制御装置(電力設備端末電力制御装置)、66 通信装置、80 電力情報管理装置(異なる場所の他の電力設備端末)、90 電力管理データベース、200 入力部、210 入力部、500 モータ、510 発電器、1000 電力情報管理システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の蓄電池から車両外部の電力設備に供給する電力の電力データを計測するパワーメータと、
上記車両に対応する識別情報と上記パワーメータにより計測された電力データとを対応付けて暗号化するセキュリティモジュールと、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された車両に対応した上記識別情報と上記電力データとを車両外部の電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データに基く蓄電量を電力管理データベースに蓄積する通信装置と、
車両の蓄電池へ充電する所要電力を入力する入力部と、
上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積した蓄電量に基づいて、上記電力設備と、上記電力設備とは異なる他の電力設備とのうちのいずれかの電力設備から上記入力部に入力された所要電力を引き出し、当該識別情報に対応した上記車両の蓄電池に、引き出した電力を供給する制御装置と、
を備えた車載装置。
【請求項2】
上記パワーメータは、
車両外部のパワーメータ、車両外部のセキュリティモジュール及び車両外部の通信装置を有する、複数配置された車両外部の電力情報管理装置のそれぞれに接続可能であり、
上記セキュリティモジュールは、
上記車両外部の通信装置との通信により、この通信装置を有する上記電力情報管理装置が通信及び電力授受を行うべき正規の相手であるかどうかを確認し、
上記制御装置は、
上記セキュリティモジュールが正規の相手と確認すると、正規の相手と確認された上記電力情報管理装置の上記パワーメータを介して、上記パワーメータを、車両外部の上記電力設備に電力を送電可能に車両外部の上記電力設備に接続し、
上記セキュリティモジュールは、
上記車両外部の通信装置との通信により、この通信装置を有する他の上記電力情報管理装置が通信及び電力授受を行うべき正規の相手であるかどうかを確認し、
上記制御装置は、
上記セキュリティモジュールが正規の相手と確認すると、正規の相手と確認された他の上記電力情報管理装置の上記パワーメータを介して、上記パワーメータを、上記他の電力設備から電力を充電可能に上記他の電力設備に接続する
請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
上記セキュリティモジュールは、
認証センタとの通信により、上記電力情報管理装置が通信及び電力授受を行うべき正規の相手であることを認証する請求項2記載の車載装置。
【請求項4】
上記入力部は、
蓄電、買電、および充電の各処理モードを選択可能な選択部を有すると共に蓄電、買電、および充電の各処理モードの所要電力を入力し、
上記選択部により蓄電処理が選択された場合、上記車両の蓄電池に蓄電されている電力を車両外部の上記電力設備に供給して、車両外部への蓄電を開始し、
上記選択部により買電処理が選択された場合、入力された上記所要電力を購入して上記電力設備と、上記電力設備とは異なる他の電力設備とのうちのいずれかの電力設備から電力の供給を受け、車両の蓄電池に供給された電力の充電を開始し、
上記選択部により充電処理が選択された場合、上記識別情報に対応して上記電力管理データベースに蓄積された蓄電量に基づいて、上記電力設備と、上記電力設備とは異なる他の電力設備とのうちのいずれかの電力設備から、入力された所要電力を引き出し、上記識別情報に対応した上記車両の蓄電池に引き出した電力の充電を開始する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項5】
上記セキュリティモジュールは、
車両搭載センサにより得られた車両挙動データを暗号化し、
上記通信装置は、
上記セキュリティモジュールにより暗号化された、車両に対応した識別情報と電力データと車両挙動データとを電力管理データベースに送信し、当該識別情報に対応した電力データを電力管理データベースに蓄積すると共に、上記車両挙動データを当該識別情報に関連付けて上記電力管理データベースに登録する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
上記パワーメータは、
車両によって発電され、車両から電力設備に送電される電力の電力データを計測し、
上記セキュリティモジュールは、
上記車両に対応した識別情報と上記パワーメータの計測により得られた電力データに基く発電量とを対応付けて暗号化し、
上記通信装置は、
当該暗号化したデータを上記電力管理データベースに送信する請求項1から請求項5の何れか1項に記載の車載装置。
【請求項7】
車両の蓄電池から車両外部の電力設備に電力を送り、当該電力の電力データに基づく蓄電量を、上記車両に対応する識別情報と蓄電量とが対応付けて格納される車両外部の電力管理データベースに格納することで、車両外部に当該蓄電量を一旦預け入れるとともに、
上記車両の移動に伴って、上記電力設備とは異なる他の電力設備から、上記電力管理データベースに格納された上記識別情報に対応する一旦預け入れた蓄電量に基づいて、指定された電力を引き出す制御装置
を備えた車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−102673(P2013−102673A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216120(P2012−216120)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2012−517090(P2012−517090)の分割
【原出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】