説明

車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法

【課題】 車輌事故発生時に情報が当事者双方および第三者に伝達でき、また、管理センター等の運営するコストがかからず、さらに、事故を発生した当事者あるいは第三者に伝達することで、使用上の不安定さを排除することができる車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法を提供すること。
【解決手段】 車輌事故情報伝達装置1は、自車輌固有情報記憶手段10aと、事故検知手段(6,2a)と、自車輌事故情報記憶手段10bと、自車輌の事故情報と自車輌の固有情報とを外部に送信する送信手段3と、他車輌から送信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を受信する受信手段4と、この受信手段で受信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を記憶する他車輌事故情報記憶手段10cと、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌に事故が発生した際に事故情報を外部に伝達する車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーションシステムの高度化、有料道路等の自動料金システムの確立、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化を目的とし、最先端のエレクトロニクス技術を用いて人と道路と車輌とを一体のシステムとして構築するITS(Intelligent Transportation System:高度道路交通システム)が開発され、実用化されつつある。
【0003】
また、ITSの車輌側の受け皿であるいわゆるスマートカーを実現するため、ASV(Advanced Safety Vehicle)の開発も併せて進められている。
【0004】
ASVの開発を行うASV計画では、車輌が情報収集、情報処理とこれらに基づく車輌制御をできるようにするために、車輌周辺の交通環境、路面の状況等の情報を各種センサや情報通信装置を用いて収集し、収集した情報を基に安全運転を支援するインフラを整備する必要がある。
【0005】
また、車輌事故発生時には事故発生の伝達を自動的に行うことにより、二次的事故による事故被害の拡大、他車輌への影響の軽減が図られることが期待されている。
【0006】
車輌事故発生の伝達は、携帯電話器等の無線電話装置によって行われるのが一般的であるが、事故当事者の双方とも携帯電話機を所持しておらず、あるいは、事故当事者の双方とも、負傷して連絡を取ることが不可能な場合がある。
【0007】
また、車輌事故発生の伝達には、車輌事故発生情報および車輌事故当事者の情報が必要であり、加えて事故発生場所情報、事故発生時刻情報などの事故に関する情報が必要である。
【0008】
一方、車輌事故当事者のどちらかが現場から逃走する、いわゆる当て逃げ、告知義務違反行為を行った場合には、逃走車輌および逃走運転者の特定ができず、正確な車輌事故伝達が困難になることが予想される。
【0009】
また、駐車中等の事情により一方の車輌の当事者が現場に不在であり、他方の当事者が事故の告知をせずに立ち去った場合には、立ち去った他方の車輌および運転者を特定することは困難であることも予想される。
【0010】
そのため、車輌事故等が発生した場合、車輌事故を警察にあるいは車輌火災を消防に自動的に通報する構成を有するシステムがすでに提案されており、このシステムを図8に示す。事故等を通報する従来のシステムは、衝撃センサ、温度センサ等の事故センサ61と制御装置62により車輌事故あるいは車輌火災を検知すると、自動車60に搭載された自動車用の無線電話63により自動的にアンテナ64から車輌事故検出信号を警察の信号受信設備に、また、車輌火災検出信号を消防の信号受信設備に自動的に発信するものである。
【0011】
また、アンテナなどが事故あるいは火災により破損した場合でも、車輌が全壊しないかぎり事故信号を発信することができるシステムとして、図9に示すシステムも提案されている。すなわち、図9に示すように、このシステムでは、車輌70の前部ウィンドウと後部ウィンドウにそれぞれアンテナ71、72を設置し、これらのアンテナの動作状態をレベル監視装置73で監視するものである。
【0012】
このシステムでは、車輌が事故に遭遇し、どちらかのアンテナ71、72が破損し動作していないことがレベル監視装置73により検出された場合には、切換装置74により使用するアンテナ71、72を切換え、衝撃センサ75および制御装置76によって検出された車輌事故情報を車輌の固有情報77および位置検出装置78により検出した車輌位置情報とともに自動車用の無線電話79により、基地局に自動的に送信するものである。
【0013】
【特許文献1】特開昭56−147530号公報
【特許文献2】特開平07−079195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これら、特開昭56−147530号公報および特開平07−79195号公報に記載されている従来の構成では、いずれも自動車無線電話装置を用いて公衆回線を介して警察,消防あるいは基地局に通報する集中管理システムである。そのため、一度管理センターに連絡した後に、各道路の所定位置に設置されている表示パネルや、ラジオの交通情報として伝達しているために、事故を発生した時間と表示される時間とのタイムラグが生じ、そのタイムラグが大きいと事故を起こした車輌に後続して走行している車輌がさらに衝突する等の二次災害を発生する可能性が大きくなってしまった。
【0015】
また、公衆回線を使用する事故伝達システムであることから、通信経費が必要であり、警察,消防あるいは基地局内における管理センターを運営するためのコストが発生する。
そして、自動車無線電話装置あるいは携帯電話は使用状態が不安定であり、車輌事故が発生した場所によっては使用不能なことがある。
さらに、事故を起こした当事者の一方が事故現場から立ち去った場合に、その事故の当事者を特定することが困難となり、事故後に事故の当事者を特定するために、多大な労力および時間を費やす結果になっている。
【0016】
本発明は、前記の問題に鑑み創案されたものであり、車輌事故等が発生した時に情報が当事者双方および第三者に伝達でき、また、管理センター等の運営するコストがかからず、さらに、事故を発生した当事者あるいは第三者に伝達することで、使用上の不安定さを排除することができる車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、前記した課題を解決するため、以下のような構成の車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法とした。
すなわち、車輌事故情報伝達装置は、自車輌の固有情報を記憶する自車輌固有情報記憶手段と、当該自車輌に発生した衝撃を検知すると共に、検知した衝撃の値が予め設定した閾値を超えた場合に、当該衝撃に関する情報を事故情報として出力する事故検知手段と、この事故検知手段から出力された自車輌の事故情報を記憶する自車輌事故情報記憶手段と、この自車輌事故情報記憶手段で記憶される自車輌の事故情報と前記自車輌固有情報記憶手段で記憶される自車輌の固有情報とを、外部に基地局を経由することなく送信する送信手段と、他車輌から基地局を経由することなく送信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を受信する受信手段と、この受信手段で受信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を記憶する他車輌事故情報記憶手段と、を備えている。
【0018】
このように構成した車輌事故情報伝達装置は、自車輌で検知した衝撃の値が予め設定した閾値を超えたときに、自車輌の車輌事故が発生したと事故検知手段が判断して、自車輌固有情報記憶手段に記憶されている自車輌の固有情報を、送信手段を介して外部に自車輌の事故情報と共に送信する。また、車輌事故情報伝達装置は、自車輌と衝突した他車輌、あるいは、他車輌同士が衝突した場合に、いずれかの他車輌から送信された他車輌の固有情報および他車輌の事故情報を、受信手段を介して受信し、他車輌事故情報記憶手段に記憶する。
【0019】
また、車輌事故情報伝達装置は、受信手段で受信した他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を表示する表示手段を備える構成とした。
このように構成した車輌事故情報伝達装置は、他車輌の事故が発生した場合に、その事故情報および事故を起こした他車輌の固有情報を表示手段に表示させ、かつ、位置情報等の他の情報と合わせることで、当該装置を搭載している車輌の運転手は、どこで、どのような車輌による事故が発生したのかを知り得ることができる。
【0020】
さらに、車輌事故情報伝達装置は、前記自車輌固有情報記憶手段、前記自車輌事故情報記憶手段および前記他車輌事故情報記憶手段、を有するICカードに、前記自車輌の固有
情報、前記自車輌の事故情報、前記他車輌の事故情報および前記他車輌の固有情報の読み取りおよび書き込みのためのICカードリードライト装置を備える構成とした。
このように構成した車輌事故情報伝達装置は、ICカードリードライト装置によって、自車輌または他車輌の事故情報や、自車輌または他車輌の固有情報をICカードに読み書きして、当該ICカードを携帯することで、当該装置を搭載している車輌の運転手は、これらの情報を持ち運ぶことができる。
【0021】
そして、車輌事故情報伝達装置は、前記事故検知手段により車輌事故が発生したと判断したときの時刻を計時する計時手段を備え、前記事故検知手段により自車輌の車輌事故を発生したと判断したときに、前記送信手段が前記計時手段によって計時された時刻を、前記自車輌の固有情報および事故情報と合わせて外部に送信する構成とした。
このように構成した車輌事故情報伝達装置は、計時手段によって、自車輌の車輌事故が発生した時刻を計時し、この時刻に関する情報を、送信手段によって、自車輌の固有情報および事故情報と合わせて送信することで、送信可能な地域に位置する他車輌(例えば、自車輌の付近を走行している他車輌)等に、車輌事故が発生した時刻を通知することができる。
【0022】
また、前記事故検知手段により車輌事故が発生したと判断したときの車輌事故発生場所を特定する車輌事故発生場所特定手段を備え、前記事故検知手段により自車輌の車輌事故が発生したと判断したときに、前記送信手段が前記車輌事故発生場所特定手段によって特定した自車輌の車輌事故発生場所を、前記自車輌の固有情報および事故情報と合わせて外部に送信する構成とした。
このように構成した車輌事故情報伝達装置は、車輌事故発生場所特定手段によって、自車輌の事故情報が発生した事故発生場所を特定し、この事故発生場所に関する情報を、送信手段によって、自車輌の固有情報および事故情報と合わせて送信することで、送信可能な地域に位置する他車輌等に、車輌事故が発生した事故発生場所を通知することができる。
【0023】
さらに、車輌事故情報伝達方法は、自車輌の固有情報を予め自車輌固有情報記憶手段に記憶しておき、前記自車輌の事故が発生したときに前記自車輌の固有情報および前記自車輌の事故情報を、外部に基地局を経由することなく送信すると共に、他車輌から基地局を経由することなく送信された他車輌の固有情報および他車輌の事故情報を受信して他車輌事故情報記憶手段に記憶する車輌事故情報伝達方法であって、自車輌に設けた事故検知手段が検知した衝撃の値が、予め設定した閾値を超えた場合、当該自車輌の車輌事故の発生を検知して、検知した当該自車輌の車輌事故の発生を送信手段が自車輌の事故情報として前記自車輌の固有情報と共に外部に送信するステップと、他車輌の事故情報および他車輌の固有情報が当該他車輌から送信された場合、受信手段が他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を受信し、他車輌事故情報記憶手段に記憶するステップとを含むものとした。
【0024】
このような車輌事故情報伝達方法では、事故を発生した相手に自車輌の固有情報を送信し、事故を発生した他車輌の固有情報を受信することで、事故の当事者同士で事故情報および固有情報を共有することができ、また、事故を発生した当事者以外の車輌に対しても、事故を起こした当事者の固有情報を送信することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の車輌事故情報伝達装置および車輌事故情報伝達方法は、つぎに示すような優れた効果を奏するものである。
車輌事故情報伝達装置は、自車輌の固有情報および事故情報を、事故検知手段が事故を起こした相手あるいは近くを走行する他の車輌に事故を起こした当事者の固有情報が、基地局を経由することなく送信されて各記憶手段に記憶される。そのため、車輌事故情報伝達装置は、事故を起こした当事者の事故の規模に係わりなく迅速かつ確実に、事故の当事者を特定することができると共に、第三者に事故の発生を知らせることができる。そのため、当て逃げ等の不法な事態の防止に有効である。また、車輌事故情報伝達装置では、従来のような管理センター等のあらたな施設を設ける必要もない。
【0026】
車輌事故情報伝達装置は、表示手段に事故情報および事故を起こした当事者の固有情報を表示して認識することができるため、第三者が走行中に直ぐに事故の発生を認識して注意を喚起することが可能となる。
【0027】
また、車輌事故情報伝達装置は、事故が発生した計時手段による時刻あるいは車輌事故発生場所特定手段による車輌事故発生場所を認識できるため、走行先に事故が発生しても迅速に表示手段で認識して注意を喚起することが可能になる。そして、事故の当事者を特定することが容易となる。
【0028】
さらに、車輌事故情報伝達装置は、例えば、固有情報として自車輌の固有情報と共に、運転する運転者の固有情報を、ICカードの自車輌固有情報記憶手段に備えることにより、事故を起こした運転者についても特定することができる。また、ICカードのICカードリードライド装置により、自車輌事故情報記憶手段および他車輌事故情報記憶手段に読み書きするので、第三者に事故の情報を電子データで受け渡すことが容易となる。
【0029】
車輌事故情報伝達装置は、当事者以外の近くに所在する車輌が全て共通情報をもつことから、加害者側の心理として衆目により監視されていることと等しくなる。このため、車輌事故防止、あるいは車輌事故非通報の軽減に役立つ。
車輌事故情報伝達方法は、事故を発生した相手に自車輌の固有情報を基地局を経由することなく送信し、事故を発生した他車輌の固有情報を基地局を経由することなく受信することで、事故の当事者同士で事故情報および固有情報を共有することができ、また、事故を発生した当事者以外の車輌に対しても、事故を起こした当事者の固有情報、事故情報を送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る車輌事故情報伝達装置の代表的な構成を、図面を参照して説明する。図1は車輌事故情報伝達装置を含むシステム構成を示すブロック構成図、図2は車輌事故情報伝達装置の構成を示すブロック構成図である。
車輌事故情報伝達装置1は、自己の車輌(自車輌)Aおよび他者の車輌(他車輌)Bに搭載されており、各車輌A,Bの位置情報を測位衛星Cを介して取得し、また、長波帯標準電波施設Dからの時刻情報を取得するように構成されている。
【0031】
車輌事故情報伝達装置1は、各手段を制御する制御手段2と、各情報を送信するための送信手段3と、他車輌からの各情報を受信するための受信手段4と、ICカード10を読み書きするためのICカードリードライト手段5と、事故を検知する事故検知センサ6と、を備えている。
【0032】
そして、この車輌事故情報伝達装置1は、その他に、測位衛星CからのGPS電波により自車輌Aの現在位置を特定する測位手段(車輌事故発生場所特定手段)8と、時刻を計時する時刻計時手段(計時手段)7と、道路地図、道案内を行う映像等を表示する表示手段9と、受信手段4で受信した各情報を記憶する外部記憶手段11とを備えている。
【0033】
なお、車輌事故情報伝達装置1は、ハードディスク等の記憶手段を備える構成としてもよいが、ここでは自車輌固有情報を記憶する自車輌固有情報記憶手段10aと、自車輌事故情報を記憶する自車輌事故情報記憶手段10bと、受信手段4を介して受信した他車輌の事故情報である他車輌事故情報を記憶する他車輌事故情報記憶手段10cとをICカード10に備える構成として説明する。
【0034】
送信手段3は、自車輌の事故が発生したときに、制御手段2からの制御によりアンテナ3aを介して、自車輌固有情報記憶手段10aの自車輌固有情報および自車輌事故情報記憶手段10bの自車輌事故情報を、基地局を経由することなく送信するためのもの(無線送信手段)である。この送信手段3は、ここでは、例えば、MCA無線、簡易無線、アマチュア無線、一般業務用無線等、免許なしに使用できるものを、1キロメートルの到達距離となる周波数および出力となるように用いている。また、一例としては、200〜500メートルの到達距離を有していながら、免許不要で使用できる27.12MHzの短波帯の送信機であり、自車輌固有情報とともにデジタル化され所定のパケットに収めた自車輌事故情報を、アンテナ3aを経由して送信するものである。なお、使用する電波の帯域はこの他の帯域も可能であることは言うまでもない。
【0035】
なお、無免許で使用可能な帯域の電波は、使用者が多く、基地局から管制されることもないため、同一チャンネルで同時に複数の送信が行われる等、電波の衝突が生じやすく、車輌事故情報伝達装置1に割り当てられた無線通信チャネルが1チャネルの場合には、複数の事故当事者からの情報が1チャネルに集中する輻輳が発生し、双方の車輌はもとより、近隣を通行中の車輌へも正しく情報が伝達できない場合も発生する。
【0036】
その対策として、複数の通信チャネルを設け、例えばランダムにN回送信する、等の適切な送信プロトコルを用いて加害者の車輌からの情報と被害者の車輌からの情報が互いに衝突することなく、正しく情報が伝達できるようにすることが好ましい。
【0037】
また、図3に示すように、周波数軸上の通信チャネルを設ける周波数分割多元接続(FDMA:Frequency Division Multiple Access)方式を例にすると、a,b,c,d,・・・,s,t,u,vの20の無線チャネルを使用する。この他に時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式あるいは符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式が、利用可能である
【0038】
受信手段4は、他車輌Bが事故を発生したときに、当該他車輌Bから基地局を経由することなく送信された他車輌の他車輌固有情報および他車輌事故情報について、アンテナ3aを介して受信するもの(無線受信手段)である。この受信手段4は、すでに説明した送信手段3と一体である無線機として構成されるものであっても構わず、受信した他車輌固有情報および他車輌事故情報をICカードリードライト手段5に制御手段2を介して出力する。
【0039】
ICカードリードライト手段5は、ICカード10の各記憶手段10a,10b,10cの書き込みおよび読み出しを行うものである。このICカードリードライト手段5は、ICカード10の自車輌事故情報記憶手段10bと、受信手段4を介して受信した他車輌事故情報を記憶する他車輌事故情報記憶手段10cとに読み書きすると共に、自車輌固有情報記憶手段10aの自車輌固有情報と、自車輌事故情報記憶手段10bの自車輌事故情報を読み出して送信手段3に出力している。このICカードリードライト手段5に使用されるICカード10は、例えば、運転免許証に記載される情報および当該ICカードリードライト手段5が搭載されている車輌を特定することができる自車輌固有情報(所有者情報、車体番号情報等)を自車輌固有情報記憶手段10aに記憶する。
【0040】
事故検知センサ6は、自車輌Aに発生した衝撃を検知して制御手段2にその検知した衝撃を数値化した値あるいは信号として出力するセンサである。この事故検知センサ6は、例えば、振動センサ、音量センサ、加速度センサがなど衝撃で発生する振動、音量、車体の加速度等を検知できるものであれば使用可能であり、さらにはテレビカメラも合わせて使用することもできる。この事故検知センサ6と後記する制御手段2の判断部2aとにより事故検知手段を構成している。また、この事故検知センサ6は、図4に示すように、自車輌Aの前方のボンネット側、後方のトランク側、車体の左右側面に複数配置する構成としてもよい。この事故検知センサ6により検知した信号は、制御手段2に出力される。
【0041】
時刻計時手段7は、時刻を計時するものであり、ここでは、長波帯標準電波を利用して自車輌Aで運転している時刻、あるいは、自車輌Aの事故発生時刻、他車輌Bから受信した受信時刻等を計時している。なお、時刻計時手段7は、長波帯標準電波を利用する他に、本来は時計でもあるGPS等の測位衛星の時刻情報を利用することも可能である。また、時刻を信号として出力できる一般的な時計であってもよい。
【0042】
測位手段8は、ここでは、測位衛星Cから発信されるGPS電波を受信して現在地を特定するものである。この測位手段8は、発信する測位衛星Cが代表的な衛星測位システムであるGPSとして米国により運用されているが、これ以外にロシアが運用するGLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)衛星システム,欧州共同体を中心に計画されているGALILEO衛星システム,さらには日本が提案している準天頂衛星システム等の衛星測位システムが利用可能である。なお、測位衛星Cが発射している電波は、SHF帯の電波であるため、ビル影、トンネル内等では受信不可能な状態が発生するが、ビル影やトンネル内において圧電ジャイロおよび車速センサによる補間データを測位に利用すると受信不可能な状態が解消されて都合がよい。
【0043】
表示手段9は、測位手段8で受信した自車輌Aの現在地の位置情報を地図情報に合成して表示したり、あるいは、時刻計時手段7により計時した時刻情報を表示したり、さらに、受信手段4により受信した他車輌事故情報およびその事故が発生した他車輌事故位置情報を、文字あるいは地図情報に合成された画像として表示したりするものである。この表示手段9は、例えば、図5に示すように、ナビゲーション機能を使用して行き先の道案内をするための地図情報を表示しているときに、その表示されている地図上におけるエリア内において、他車輌事故情報を受信すると、その地図上の自車輌Aの位置と併せて事故位置を表示することにより、運転者に事故に対する注意を喚起することもできる。また、表示手段9は、地図情報および文字情報のみではなく、音声として各情報を表示することもできるものである。
【0044】
外部記憶手段11は、ICカード10で記憶する各情報等をほぼ同時に記憶するものであり、一般的なハードディスクなどの記憶手段である。この外部記憶手段11は、ICカードリードライト手段5の位置から離れた位置(例えば、ICカードリードライト手段がインストルメントパネル上に位置する場合は、後部座席側)に配置することが好ましい。この外部記憶手段11は、自車輌固有情報記憶手段10aと、自車輌事故情報記憶手段10bと、他車輌事故情報記憶手段10cとに記憶される各情報を同様に記憶する。
【0045】
制御手段2は、フラッシュメモリ等のメモリを有しており、事故検知センサ6からの信号を予め設定した閾値と比較して自車輌の事故が発生したか否かを判断する判断部2aと、判断部2aからの通知(判断結果)により事故情報を作成する事故情報作成部2hと、送信手段3および受信手段4を制御する送受信制御部2bと、ICカードリードライト手段5を制御するICカード操作部2cと、時刻計時手段7を制御する計時制御部2dと、測位手段8を制御する測位制御部2eと、表示手段9を制御する表示制御部2fと、外部記憶手段を制御する記憶制御部2gと、を備えている。
【0046】
判断部2aは、メモリに予め閾値が図示しない入力手段から入力されて設定されており、事故検知センサ6からの信号と閾値を比較して、その信号が閾値を超えている場合には、事故情報作成部2hに通知する。この判断部2aは、設定される閾値を段階的に設定することができ、衝撃(振動、音量、加速度)の大きさを、例えば、3段階に分けておくことで、事故の規模をその段階的な閾値に対応して事故情報作成部2hに通知するようにしても構わない。なお、判断部2aから出力される自車輌の事故として特定した信号は、事故情報作成部2hに通知される。
【0047】
事故情報作成部2hは、判断部2aから通知(判断結果)を受けると、予め設定されたテンプレートに基づいて自車輌事故情報を作成し、ICカード操作部2cに通知する。なお、事故情報作成部2hは、ここでは、予め設定されたテンプレートに、事故が発生した時刻および位置を時刻計時手段7および測位手段8から取得して書き込むことで自車輌事故情報として作成している。事故情報作成部2hで作成された自車輌事故情報は、表示制御部2fおよび記憶制御部2gに対しても通知される。これは、ICカード10が挿入されない場合に表示手段9に表示させ、また、外部記憶手段11に記憶させるためである。
【0048】
送受信制御部2bは、送信手段3および受信手段4を制御する。この送受信制御部2bは、ICカード操作部2cによってICカードリードライト手段5を介して自車輌事故情報および自車輌事故情報が出力されると、送信手段3を制御して外部に送信させ、また、受信手段4に他車輌固有情報および他車輌事故情報を受信したときに、ICカード操作部2c、表示制御部2fおよび記憶制御部2gに対しても通知される。
【0049】
ICカード操作部2cは、ICカードリードライト手段5を制御する。このICカード操作部2cは、事故情報作成部2hから通知を受けると、ICカードリードライト手段5を操作(制御)してICカード10の自車輌事故情報記憶手段10bに当該自車輌事故情報を書き込ませ、かつ、自車輌事故情報記憶手段10bに書き込んだ自車輌事故情報と、自車輌固有情報記憶手段10aの自車輌固有情報を読み出して、送受信制御部2bに通知する。それと共に、ICカード操作部2cは、他車輌の事故情報(他車輌事故情報)と、他車輌固有情報とを受信手段4から受信したときに、送受信制御部2bからの通知によりICカードリードライト手段5を操作(制御)してICカード10の他車輌事故情報記憶手段10cに、当該他車輌事故情報および当該他車輌固有情報を記憶させる。
【0050】
計時制御部2dは、時刻計時手段7を制御して計時情報を取得する。計時制御部2dは、判断部2aから自車輌事故情報が通知されたとき、あるいは、受信手段4により他車輌事故情報を受信して送受信制御部2bから通知されたときに、それぞれの時刻を計時して事故情報作成部2hに通知すると共に、表示制御部2fおよび記憶制御部2gに通知する。
【0051】
測位制御部2eは、測位手段8を制御して測位情報を取得する。この測位制御部2eは、表示手段9に地図情報を表示するときに、自車輌Aの位置等を位置情報としてGPS電波から取得して表示制御部2fに通知し、また、判断部2aが自車輌事故情報を出力したとき、および、受信手段4が他車輌事故情報を受信したときに、測位手段8を制御して自車輌位置あるいは事故を起こした他車輌位置を特定するための位置情報を取得し、ICカード操作部2cおよび表示制御部2fに通知する。
【0052】
表示制御部2fは、表示手段9を制御する。この表示制御部2fは、送受信制御部2b、ICカード操作部2c、計時制御部2d、測位制御部2e等からの通知により表示手段9に各情報を表示させている。
記憶制御部2gは、外部記憶手段11を制御する。この記憶制御部2gは、送受信制御部2bおよびICカード操作部2cからの通知があったときに、各情報を外部記憶手段11に記憶させる。
なお、車輌事故情報伝達装置1は、各情報の送信および受信を、自動的に動作するように常時行わせるために、車輌のバッテリに直結される構成であることや、また、リチウム電池等の携帯用充電池に接続して使用される構成であれば都合がよい。
【0053】
つぎに、車輌事故情報伝達装置1の動作の概要を説明する。図6は車輌事故情報伝達装置を搭載した車両同士が事故を起こした場合を示す平面図、図7は車輌事故情報伝達装置1の動作を示すフローチャートである。なお、車輌事故情報伝達装置1の構成については、図2を参照し、動作については図7を参照して説明する。また、図7中の「S」を「ステップ」として示す。
【0054】
自車輌Aを運転する運転者は、例えば、自車輌Aを運転中に、表示手段9により地図情報を表示してナビゲーションを利用して目的地まで向かって走行していたときに、図6に示すように、後ろから他車輌Bに衝突されて事故が発生し、事故の発生した場所に第三者車輌ADが同じ車線および対向車線を走行している場合について説明する。なお、自車輌A、他車輌Bおよび第三者車輌ADは、車輌事故情報伝達装置1の電源をオンにして、ICカードリードライト手段5にICカード10を挿入した状態で運転を行っているものとする。
【0055】
図6に示すように、自車輌Aの走行中に、何らかの原因により後続車の他車輌Bが衝突すると、自車輌Aでは、図2に示すように、車輌事故情報伝達装置1の事故検知センサ6が衝撃を検知(検出)し、その検知した衝撃の大きさに対応する信号を制御手段2に出力する。
図7に示すように、制御手段2の判断部2aは、事故検知センサ6から出力された信号と、予め設定された閾値とを比較し、閾値を超えていないかどうか判断する(ステップ1)。
【0056】
そして、車輌事故情報伝達装置1は、制御手段2の判断部2aによって、出力された信号が閾値を超えていると判断したときに、事故情報作成部2h、計時制御部2dおよび測位制御部2eに通知し、通知された事故情報作成部2hが、計時時刻情報および測位情報を取得し自車輌事故情報を作成(ステップ2)してICカード操作部2cに通知する。さらに、車輌事故情報伝達装置1は、ICカード操作部2cを介してICカードリードライト手段5を操作し、作成された自車輌事故情報を、ICカード10の自車輌事故情報記憶手段10bに記憶させる(ステップ3)。
【0057】
また、車輌事故情報伝達装置1は、ICカード10の自車輌事故情報記憶手段10bに自車輌事故情報を記憶させると、ICカード操作部2cが、自車輌固有情報記憶手段10aに記憶されている自車輌固有情報と併せて、自車輌事故情報を自車輌事故情報記憶手段10bから読み出し、送受信制御部2b、表示制御部2fおよび記憶制御部2gに通知し、送受信制御部2bにより送信手段3を介して外部に基地局を経由することなく自車輌固有情報および自車輌事故情報を送信する(ステップ4)。
自車輌固有情報および自車輌事故情報を送信した車輌事故情報伝達装置1は、同時に、表示手段9に自車輌固有情報および自車輌事故情報を表示(ステップ5)し、外部記憶手段11に記憶する。
【0058】
同様に他車輌Bにおいても、同じ動作が行われており、他車輌Bから他車輌固有情報および他車輌事故情報が基地局を経由することなく送信され、その送信された他車輌固有情報および他車輌事故情報を、車輌事故情報伝達装置1は、受信手段4を介して受信したかどうかを判定している(ステップ6)。
車輌事故情報伝達装置1は、制御手段2の送受信制御部2bによって、受信手段4が受信した他車輌固有情報および他車輌事故情報を、ICカード操作部2c、表示制御部2fおよび記憶制御部2gに通知し、ICカード操作部2cによりICカードリードライト手段5を介してICカード10の他車輌事故情報記憶手段10cに、その他車輌固有情報および他車輌事故情報を記憶する(ステップ7)。
そして、車輌事故情報伝達装置1は、同時に、表示手段9に他車輌固有情報および他車輌事故情報を表示(ステップ5)し、外部記憶手段11に記憶する。
【0059】
このように、自車輌Aは、事故を発生すると、自車輌の固有情報と事故情報を相手に送信し、また、他車輌Bからの他車輌固有情報と他車輌事故情報を受信するため、互いに、事故の当事者を特定することが可能となる。また、第三者車輌ADでは、自車輌Aおよび他車輌Bからの各情報を、他車輌固有情報および他車輌事故情報として受信することになり、第三者車輌ADでは、図7で示す、ステップ6、ステップ7およびステップ5の動作を行うことになる。
【0060】
これらの動作は自動的に行われ、事故情報は他車輌にも記憶されるので、運転者が死亡するような重大な事故の場合でも事故情報は確保される。また、事故当事者の一方が現場から逃走した場合あるいは一方の車輌の当事者が現場に不在で他方の当事者が事故の告知をせずに立ち去った場合でも、車輌固有情報と事故情報が自動的に基地局を経由することなく発信され、記憶されるため、立ち去った事故当事者の車輌を容易に特定することができる。
【0061】
車輌事故情報は、事故の当事者だけでなく、たまたま近くに存在していた他車輌でも記憶するようにすれば、車輌事故の責任が問題となった場合に目撃車情報として有効である。また、その場合目撃者も目撃したことおよび目撃者の固有情報を受信した事故情報に対応して送信すれば、目撃者を捜すのが容易になる。さらに、特定された車輌事故発生時刻情報を利用すれば、共通の基盤によって特定された場所情報と時刻情報が存在するため、実況検分の場合に事故の状況を確実に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る車輌事故情報伝達装置を含む全体のシステム構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明に係る車輌事故情報伝達装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の車輌事故情報伝達装置における無線通信チャネルの使用例を示す模式図である。
【図4】本発明の車輌事故情報伝達装置における衝撃検知センサの配設例を示す模式図である。
【図5】本発明の車輌事故情報伝達装置の表示手段の表示例を示す正面図である。
【図6】本発明の車輌事故情報伝達装置を搭載した車輌同士が事故を起こした場合を示す平面図である。
【図7】本発明の車輌事故情報伝達装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来のシステムを模式的に示すブロック図である。
【図9】従来の他のシステムを模式的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
A 自車輌
B 他車輌
C 測位衛星
D 長波帯標準電波施設
1 車輌事故情報伝達装置
2 制御手段
2a 判断部(事故検知手段)
2b 送受信制御部
2c ICカード操作部
2d 計時制御部
2e 測位制御部
2f 表示制御部
2g 記憶制御部
2h 事故情報作成部
3 送信手段
4 受信手段
5 ICカードリードライト手段
6 事故検知センサ(事故検知手段)
7 時刻計時手段
8 測位手段(車輌事故発生場所特定手段)
9 表示手段
10 ICカード
10a 自車輌固有情報記憶手段
10b 自車輌事故情報記憶手段
10c 他車輌事故情報記憶手段
11 外部記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌の事故情報を外部に伝達する車輌事故情報伝達装置において、
自車輌の固有情報を記憶する自車輌固有情報記憶手段と、
自車輌に発生した衝撃を検知すると共に、検知した衝撃の値が予め設定した閾値を超えた場合に、当該衝撃に関する情報を自車輌の事故情報として出力する事故検知手段と、
この事故検知手段から出力された自車輌の事故情報を記憶する自車輌事故情報記憶手段と、
この自車輌事故情報記憶手段で記憶される自車輌の事故情報と前記自車輌固有情報記憶手段で記憶される自車輌の固有情報を、外部に基地局を経由することなく送信する送信手段と、
他車輌から基地局を経由することなく送信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を受信する受信手段と、
この受信手段で受信された他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を記憶する他車輌事故情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする車輌事故情報伝達装置。
【請求項2】
前記受信手段で受信した他車輌の事故情報および他車輌の固有情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車輌事故情報伝達装置。
【請求項3】
前記自車輌固有情報記憶手段、前記自車輌事故情報記憶手段および前記他車輌事故情報記憶手段を有するICカードに、前記自車輌の固有情報、前記自車輌の事故情報、前記他
車輌の事故情報および前記他車輌の固有情報の読み取りおよび書き込みのためのICカードリードライト装置を備えることを特徴とする請求項1に記載の車輌事故情報伝達装置。
【請求項4】
前記事故検知手段により車輌事故が発生したと判断したときの時刻を計時する計時手段を備え、前記事故検知手段により自車輌の車輌事故が発生したと判断したときに、前記計時手段によって計時された時刻を、前記自車輌の固有情報および事故情報と合わせて、前記送信手段が外部に送信することを特徴とする請求項1に記載の車輌事故情報伝達装置。
【請求項5】
前記事故検知手段により車輌事故が発生したと判断したときの車輌事故発生場所を特定する車輌事故発生場所特定手段を備え、前記事故検知手段により自車輌の車輌事故が発生したと判断したときに、前記車輌事故発生場所特定手段によって特定した自車輌の車輌事故発生場所を、前記自車輌の固有情報および事故情報と合わせて、前記送信手段が外部に送信することを特徴とする請求項1に記載の車輌事故情報伝達装置。
【請求項6】
自車輌の固有情報を予め自車輌固有情報記憶手段に記憶しておき、前記自車輌の事故が発生したときに前記自車輌の固有情報および前記自車輌の事故情報を、外部に基地局を経由することなく送信すると共に、他車輌から送信された他車輌の固有情報および他車輌の事故情報を、基地局を経由することなく受信して他車輌事故情報記憶手段に記憶する車輌事故情報伝達方法であって、
前記自車輌に設けた事故検知手段が検知した衝撃の値が、予め設定した閾値を超えた場合、当該自車輌の車輌事故の発生を検知して、検知した当該自車輌の車輌事故の発生を送信手段が自車輌の事故情報として前記自車輌の固有情報と共に外部に送信するステップと、
前記他車輌の事故情報および前記他車輌の固有情報が当該他車輌から送信された場合、受信手段が前記他車輌の事故情報および前記他車輌の固有情報を受信し、前記他車輌事故情報記憶手段に記憶するステップと、
を含むことを特徴とする車輌事故情報伝達方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−199088(P2006−199088A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11233(P2005−11233)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】