説明

車輌用ヘッドランプ

【課題】新規な外観や美観並びに新規なビーム配光を呈する高級感のある車輌用ヘッドランプを提供する。
【解決手段】光源2と、当該光源2から放射される光3を前方に向けて集光状態で照射するビーム配光4を形成する反射板5とから構成されている車輌用ヘッドランプ1であって、当該ビーム配光4内に任意の模様を含ませた事を特徴とする車輌用ヘッドランプ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌用ヘッドランプに関するものであり、特に詳しくは、車輌用ヘッドランプを前方から見た場合に点灯されているヘッドランプ全体に亘って新規な外観や美観並びに新規なビーム配光を呈する高級感のある車輌用ヘッドランプに関ものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車輌用ヘッドランプとしては、例えば、特開平5−2901号公報(特許文献1)或いは特開2002−133920号公報(特許文献2)等に見られる様に、光源と、当該光源から放射される光を前方に向けて集光状態で照射するビーム配光を形成する反射板とから構成されている車輌用ヘッドランプが一般的に使用されてきており、かかる車輌用ヘッドランプは、ロービーム及びハイビームを切り換える為に、更に反射放物面形状を相互に異にする少なくとも2種類の反射板を組み合わせて使用するか、当該光源の位置を変化させるか或いはその組み合わせによる構成が採用されている。
【0003】
然しながら、当該車輌用ヘッドランプから車輌の前方に向けて照射されるビーム配光は、その断面形状は円形或いは楕円形若しくは矩形更にはそれらの変形形状が使用されていて、当該ビーム配光そのものの光量は当該ビーム配光の断面内では、略均一であって変化に乏しく、単調な外観を演出するに過ぎなかった。
【0004】
近年、自動車を中心としてアクセサリー部分の高級感を演出する様な傾向が強まってきており、車輌用ヘッドランプの照明の有り方にも、従来とは異なった変化が求められるようになってきている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−2901号公報
【特許文献2】特開2002−1339204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、これらの問題点を除くためになされたものであって、点灯されている車輌用ヘッドランプを前方から見た場合に、新規な外観や美観並びに新規なビーム配光を呈する高級感のある車輌用ヘッドランプに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る当該車輌用ヘッドランプは、上記目的を達成するために、以下に示す様な基本的技術構成を採用するものである。
即ち、本発明に係る第1の態様は、光源と、当該光源から放射される光を前方に向けて集光状態にて車両前方を照射するビーム配光を形成する反射板とから構成されている車輌用ヘッドランプであって、当該ビーム配光内に任意の模様を含ませた事を特徴とする車輌用ヘッドランプである。
【0008】
又、本発明に係る第2の態様としては、上記第1の態様に於いて、当該反射板は、当該ヘッドランプに於ける光源を含む中心軸線を中心として当該中心軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板は当該中心軸方向に沿って非連続的な反射面で構成されている事を特徴とする車輌用ヘッドランプであり、更に本発明に係る第3の態様としては、上記第1の態様に於いて、当該反射板は、当該ヘッドランプに於ける光源を含む中心軸線を中心として当該軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板は当該軸方向に沿って連続した放物線状の反射面を形成しており、且つ当該ビーム配光の少なくとも一部の光束を遮蔽する所定の文字、数字、絵、柄、マーク、特定の形状等を含むマスク部材が当該光源の前方部に設けられている事を特徴とする車輌用ヘッドランプである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に於ける当該車輌用ヘッドランプは、上記した様な技術構成を採用しているので、当該反射板を利用した光の反射光学を有効に活用し、従来単調で変化の無かったビーム配光に当該ビーム配光の断面内の適宜の領域に、主たるビーム配光の光量よりも少ない光量を有する領域を設け、当該光量の少ないか或いは全く当該光量が無い領域によって所望の絵柄、文字、数字、適宜のパターン、シンボル、マーク等をシルエット的或は影絵的に表現させる事によって、当該車輌用ヘッドランプから出力される当該ビーム配光に外観的な変化を与える事が可能となるので、当該ビーム配光に美観或いは高級感が発生し、当該車輌用ヘッドランプを使用した車輌の品質価値を大幅に向上させると言う効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる車輌用ヘッドランプの具体例の構成を図面を参照しながら詳細に説明する。
即ち、図1は、本発明に係る車輌用ヘッドランプ1の一具体例の構成を示す図であって、図中、光源2と、当該光源2から放射される光3を前方に向けて集光状態で照射するビーム配光4を形成する反射板5とから構成されている車輌用ヘッドランプ1であって、当該点灯中の当該車輌用ヘッドランプ1から出力されるビーム配光4内に図2で示される様な任意の模様30を含ませた事を特徴とする車輌用ヘッドランプ1が示されている。
【0011】
本発明に於いて使用される当該光源2としては、LEDを使用する事が好ましいがこれに限定されるものではなく、従来一般的に使用されている各種の光源を使用する事が可能である。
【0012】
一方、図2は、図1に於ける矢印Xから点灯中の当該車輌用ヘッドランプ1の方向に見た当該ビーム配光4の断面形状を示したものである。
尚、図2(A)の具体例では、当該車輌用ヘッドランプ1に於ける当該反射板5の断面形状は円形である場合を示したものであるが、本発明に係る当該車輌用ヘッドランプ1の当該反射板5の断面形状は円形のみに特定されるものではなく、例えば、矩形、楕円形、多角形等の断面形状を有していても良く或いはそれらの変形或いは組み合わせた断面形状を有するものであっても良い。
【0013】
又、本発明に於いては、当該反射板5は、当該光源2を含む当該反射板5の中心軸線Oの周囲を完全に取り囲むものであっても良いが、当該中心軸線Oの周囲の一部分のみを取り囲むものであっても良い。
【0014】
図2(A)の具体例から明らかな様に、従来の車輌用ヘッドランプ1に於いては当該ビーム配光4の断面は全て均一な当該光量の多い部分のみで占められているのに対し、本具体例では、斜線で示されている様な当該光量の多い部分7、23及び24(光源部2に対応する部分)の間に当該光量の少ない或いは当該光量の全く無い領域6が配置されるものであって、本具体例では、当該光量の少ない或いは当該光量の全く無い領域6によって環状若しくは部分的環状の形状を示す模様30が形成され、その部分的或は完全な環状の模様形状がユーザー等に目視される事によって、当該車輌用ヘッドランプ1が新鮮で美観を呈し、且つ高級感を演出するものである。
【0015】
本発明に於ける当該模様部分30は、当該環状のリング形状6を顕出させることに限定されるものではなく、当該ビーム配光4内に於いて、任意の形状を顕出させる事が可能であり、当該模様部分30は、点灯中の当該車輌用ヘッドランプ1から出力される当該ビーム配光4を車輌の前方から当該用ヘッドランプ1を見た際に、当該ビーム配光4内に、その他の領域よりも光量が少ない領域30として認識されうるものであれば如何なる構造或いは形状のもので有っても良い。
【0016】
本発明に係る当該車輌用ヘッドランプ1が使用される車輌は、少なくとも自動車、オートバイ、自転車を含んでいる事が好ましく、更には当該車輌以外の全ての車輌を含むものであっても良い。
【0017】
又、本発明に於ける当該模様の種類は特に限定されるものではなく、適宜の文字、数字、適宜の絵、柄、商品名、商標等を含む各種のマーク、キャラクターマーク、シンボルマーク、パターン、或いは円、楕円、矩形、三角形を含む多角形、或いはそれらの変形更には、それらを基礎とした連続的或は間歇的な閉鎖状形状等を含む特定の形状であっても良く、又上記特定の形状が単独或いは複数個当該ビーム配光4内に規則的或いは不規則的に分散されている様な形状のものであっても良い。
【0018】
即ち、本発明に於ける上記特定の形状の一具体例として、図2(A)に示す様に、環状、楕円状或いはそれらの変形形状等の連続的な帯状体6を形成しているもの、及び図2(B)或いは図2(C)に示される様な、多重の環状体6、6’或いは、一部或いは全部が円形環状態或いは楕円状で且つその幅方向に変化が存在する変形形状の連続的な帯状体6”、或は間歇的な帯状体或は一部或いは全部が間歇的或いは点状の分散体6”’の構成例を示すものも可能である。
【0019】
更には、本発明に於ける上記具体例に於ける適宜の文字、絵柄からなる模様部分30も任意に選定する事が可能であり、例えば、図2(D)或いは図2(E)に示す様な、自動車等を含む任意の絵からなる模様部分30或いは任意の単一の文字或いは複数個の文字の組み合わせからなる模様部分30等が使用可能である。
【0020】
勿論、本発明に於いては、図2(A)乃至図2(C)に示される具体例と、図2(D)或いは図2(E)に示す具体例とを組み合わせた構成とする事も可能である。
【0021】
次に、本発明の於ける図2(A)に示される様なビーム配光4を形成する場合の具体例を図1を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明に於ける当該車輌用ヘッドランプ1の基本的な構成は、当該車輌用ヘッドランプ1の少なくとも一部に、当該ビーム配光4に於ける少なくとも一部の光束の光量をその周辺領域の光量よりも減少させるか皆無にする光量制御手段50が設けられているものであり、当該光量制御手段50は、例えば、当該反射板5の少なくとも一部に設けられているか、当該車輌用ヘッドランプ1内の当該ビーム配光4のビーム通路51内の少なくとも一部に配置されている事が望ましい。
【0022】
本発明に於ける図1に示す具体例では、当該光量制御手段50は、例えば、当該反射板5の少なくとも一部に設けられているものである。
図1に於ける本発明に係る当該車輌用ヘッドランプ1の構成を更に詳細に説明するならば、当該反射板5は、当該ヘッドランプ1に於ける光源2を含む中心軸線Oを中心として当該軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板5は当該中心軸線O方向に沿って非連続的な放物面状10、11を有する反射板5を使用するものであり、然も当該非連続的な放物面状10、11の相互接合部の一方の放物面状11に当該光量制御手段50が形成されている。
【0023】
本発明の上記具体例を更に詳細に説明するならば、本具体例に於いては、図1に示す様に、少なくとも2種類の例えば反射放物面を有する第1の反射板12と第2の反射板13から構成されており、当該第1の反射板12の持つ反射放物面10と第2の反射板13が持つ反射放物面11とは互いに異なる様に設計されている事が必要である。
【0024】
その結果、当該第1と第2の反射板12と13との接合面で当該反射放物面が非連続状態となる。
上記本発明に於ける具体例では、当該反射板5は、当該軸O方向に沿って、当該光源2に近接する位置に配置されている第1の反射板12と当該第1の反射板12の当該光源2から遠い方の端部に接続されている第2の反射板13とから構成されており、当該第1の反射板12は、当該光源2から照射される光を均一に前方方向に照射するビーム配光4を形成するように構成されており、当該第2の反射板13は、基本的には、当該光源2から照射される光を、当該第1の反射板12と協同して均一なビーム配光4を形成して前方方向に照射するように構成されているが、少なくともその一部に当該光源2からの放射光が入射されない様に構成された非反射領域15が設けられている事が望ましい。
【0025】
即ち、図1に於ける本発明に係る当該車輌用ヘッドランプ1の具体例に於いては、当該第2の反射板13に於ける当該特定の放物線で構成されている反射放物面15には、当該第1の反射板12に於ける当該反射放物面10との間に形成されている非連続部による突起状部15−1の影響によって15−2で示されている部分までの間の領域に当該光源2から放射された光が遮られて当該光が直接当たらない様に構成されているものである。
【0026】
係る領域15が本発明に於ける光量制御手段50に相当するものである。
一方、当該第2の反射板13の当該非反射領域15から外側に存在する当該反射放物面16には、当該光源2から放射された光が入射され、当該車輌用ヘッドランプ1の前方に向けて出力されるビーム配光4の一部を構成する様に構成されていることが望ましい。
【0027】
即ち、当該第2の反射板13の当該反射放物面16は、当該第1の反射板12を構成する反射放物面10が当該光源2から放射される光を反射して形成される当該車輌用ヘッドランプ1の中心軸Oに沿った相互に平行な光線の束であるビーム配光4と平行な光ビームを発生する様な反射放物面を形成している事が望ましい。
【0028】
つまり、当該反射板5は、少なくとも当該軸方向に沿って、当該光源に近接する位置に配置されている第1の反射板12と当該第1の反射板12の当該光源2から遠い方の端部に接続されている第2の反射板13とから構成されており、当該第1の反射板12は、当該光源2から照射される光を前方方向に照射するビーム配光を形成するように構成されており、当該第2の反射板13は、少なくともその一部に当該光源2からの放射光3が入射されない様に構成された非反射性領域を形成する第1の領域15と当該光源2からの放射光3が入射され当該第1の反射板12により形成される当該ビーム配光4と平行するビーム配光を形成する第2の領域151とを有しているものである。
【0029】
一方、図1に示す様に、当該第2の反射板13に於ける当該非反射領域面を形成している非反射領域15は、反射性物質で構成されている必要は無く、非反射性材料或は任意の材料で構成されていても良い。
【0030】
そして図1に示す様に、当該第2の反射板13に形成されている当該領域15の一方の端部15−1で反射された当該光源2からの光の反射光(a)と当該領域15の他方の端部15−2で反射された当該光源2からの光の反射光(b)との間は、当該光源2から放射された光の反射光が存在しない事になるので、当該車輌用ヘッドランプを前方から見た場合には、その部分が周囲の光量に比べて当該光量が少ないか全く光量が無いので、周囲の明るい状態よりも暗くなり、例えば、当該環状リング形状が認識されることになる。
【0031】
又、上記本発明に於ける当該具体例にあっては、当該第2の反射板13に於ける当該非反射領域15は、当該第2の反射板13の内面に沿って当該車輌用ヘッドランプ1の中心軸Oを中心として且つ当該中心軸と略直交した状態でこれを取り囲む様に連続した環状の帯状体を形成する事によって図2(A)に示す様に閉鎖状の環状体形状6が形成される。
【0032】
係る構造により図2(A)に示す様に、円環状のリング形状6が当該ビーム配光4の中に周辺の光量の多い部分とは異なる色調を有するか異なる色特性を示す状態で存在している事が認識される。
【0033】
例えば、光源2に青色LEDを使用する場合には、当該模様部30は光源の発色と異なる色を示す事になる。
本発明に於いては、上記した当該第1の反射板12の持つ反射放物面10と第2の反射板13が持つ反射放物面11の長さ、形状等を適宜組み合わせ異によって、光量の低い任意の形状或いは任意の幅を有する環状の帯状体6が当該ビーム配光4内に形成出来る。
【0034】
本発明に於ける当該反射板5は、当該軸O方向に沿って、当該第1の反射板12と第2の反射板13の相互に異なる反射放物面が接合されて一体的に形成されているものであっても良く、或いは相互に異なる反射放物面を持つ個別の反射板12、13が相互に接合されて形成されているもので有っても良い。
【0035】
上記具体例では、当該反射板5の断面形状が円形である場合について説明したが、本発明は当該反射板5の断面形状が楕円形或いは矩形或いはそれらの変形断面を有するもので有っても良い。
【0036】
更に上記具体例に於いては、当該非反射領域部15が当該反射板5の内壁面に沿って当該中心軸Oと直交する方向に連続した帯状として形成される構造を示したが、当該領域部15は、断続的に形成する事も可能であり、その場合には、図2(C)の一部に示す様に、完全な密閉状の環状リング6が形成されず間歇的リング形状6”’が形成される。
【0037】
当該領域部15の幅、配置位置或いは深さ等を適宜変化させることにより、図2(C)の一部に示す様に帯状体の幅を適宜変化させたリング形状6”からなる環状模様を形成することも可能である。
又、当該非反射領域部15を当該反射板5の内壁面に沿って当該中心軸Oと直交する方向に少なくとも2本形成することによって、図2(B)に示す様に、二重の密閉状の環状リング6、6’が形成されことになる。
【0038】
又、図1に示す様に、当該反射板5の内の第2の反射板13の先端部17の内壁周縁部18に棒状体を含む任意の形状を有する突起部19を所定の間隔で所定の本数配置形成する事によって、例えば、図3に示す様に、当該環状リング部6の外側に於ける光量の多いビーム配光4の一部に所望の模様20を有する模様部30を付与する事も可能となる。
【0039】
係る具体例は、後述するマスク部21の使用態様と同一の構成である。
本発明に於ける当該車輌用ヘッドランプ1に有っては、図1に示す様な当該反射板4の放物面を非連続状態に形成する方法に替えて、図4(A)乃至図4(B)に示す様に、当該非反射領域15を構成する任意の幅と形状を有する入射された光を反射させない連続的或いは間歇的な凹陥部40を設けるか或は任意の幅を有する非反射性物質で構成された連続的或いは間歇的な帯状部41を当該反射板5の内壁部で当該反射放物面の一部に設けることによって実現させる事も可能である。
【0040】
この際、当該凹陥部40或は当該非反射性物質で構成された帯状部41を一本に限らず複数本を当該中心軸線と略直交する方向に配列させたものであっても良い。
又、当該帯状体41の幅を適宜変化させる事も可能である。
次に、本発明に於ける当該車輌用ヘッドランプ1の他の具体例に付いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】
つまり、本発明の他の具体例としては、特に図2(D)或いは図2(E)に示す様に、当該車輌用ヘッドランプ1から放射される当該ビーム配光4内に所望の文字、数字、絵、パターン形状等からなる模様を含ませる際に好ましい車輌用ヘッドランプ1の他の構成を示すものである。
【0042】
係る構成は、上記した具体例と同様に、放射されるビーム配光4内に光量の少ないか光量が無い部分を形成し、当該部分が当該光量の多い部分に対して異なる色を示すか異なる発光特性を示す事によって当該文字、数字、図柄等を認識できる様にしたものである。
【0043】
具体的には、図5に示す様に、当該反射板5は、当該ヘッドランプ1に於ける光源2を含む中心軸線Oを中心として当該軸線Oの周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板5は当該軸O方向に沿って連続した放物線状の反射面を形成しており、且つ当該ビーム配光4の少なくとも一部の光束を遮蔽する為の所定の文字、数字、動物或いは車輌等を示す絵、柄、マーク、シンボルマーク、キャラクターマーク、登録商標等の特定の形状等からなる図柄を含むマスク部材21が当該光源2の前方部に設けられている車輌用ヘッドランプ1によって実現される。
【0044】
係るマスク部21は、透明な基板上に適宜の不透明材料により形成された適宜の当該図柄部22が塗布或いは埋め込み状態で配置形成されているものであっても良く或いは、透明な基板上に適宜の不透明材料で構成された当該適宜の当該図柄部22が埋め込まれたものであって、当該図柄部22が当該ビーム配光4の一部を光束を遮蔽することによって、当該図柄部22の部分が当該ビーム配光4の光量が多い部分に比較してその周辺部とは異なる色の状態或いは異なる光量状態が形成されるので、当該図柄部22が当該ビーム配光4内の一部でシルエット状或いは影絵状に認識される事になる。
【0045】
当該マスク部21内の不透明部分には、例えば中空状の円筒状部或いは枠体部等を埋め込むことにより孔部25を形成するものであっても良い。
上記した本発明に係る具体例は、前記した具体例と併用して使用することも可能である。
【0046】
本具体例に於ける当該マスク部21は、従来公知の手法により容易に製作する事が可能であり、又当該マスク部21は、当該反射板5内の内壁部の断面積全体に亘って当該中心軸と直交して配置してもよく、或いはその一部に配備されているものであっても良い。
【0047】
更に、当該マスク部21を当該反射板5内の内壁部の一部に取り付ける方法も特に限定されるものではなく、従来周知の取り付け方法を使用する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明に於ける車輌用ヘッドランプに係る一具体例の構成の概要を説明する断面図である。
【図2】図2は、本発明に於ける車輌用ヘッドランプで得られるビーム配光の断面構成の例を示す図である。
【図3】図3は、本発明に於ける車輌用ヘッドランプで得られるビーム配光の断面構成の他の例を示す図である。
【図4】図4は、本発明に於ける車輌用ヘッドランプの断面構成の更に別の例を示す図である。
【図5】図5は、本発明に於ける車輌用ヘッドランプの断面構成の他の具体例の構成の概要を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1.車輌用ヘッドランプ
2.光源
3.光源から放射される光
4.ビーム配光
5.反射板
6.環状リング部、光量の少ない部分
7.光量の多い部分
10、11.非連続的な反射放物面
12.第1の反射板
13.第2の反射板
15.非反射領域部
16.反射放物面
17.反射板端部
18.反射板内壁周縁部
19.突起部
20.模様
21.マスク部
22.図柄部
23.光量の多い部分
24.光量の多い部分
25.孔部
30.模様部
40.凹陥部
41.非反射性物質で構成された帯状部
50.光量制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、当該光源から放射される光を前方に向けて集光状態で照射するビーム配光を形成する反射板とから構成されている車輌用ヘッドランプであって、当該ビーム配光内に任意の模様を含ませた事を特徴とする車輌用ヘッドランプ。
【請求項2】
車輌は、少なくとも自動車、オートバイ、自転車を含んでいる事を特徴とする請求項1に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項3】
当該模様は、少なくとも文字、数字、絵、柄、マーク、特定の形状等を含んでいる事を特徴とする請求項1に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項4】
当該特定の形状は、環状、楕円状、矩形状或いは三角を含む多角形状の連続的或いは間歇的な帯状体或いはその変形体を含んでいる事を特徴とする請求項3に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項5】
当該模様は、当該ビーム配光を前方から当該用ヘッドランプを見た際に、当該ビーム配光内に於けるその他の領域よりも光量が少ない領域として認識されるものである事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項6】
当該車輌用ヘッドランプの少なくとも一部に、当該ビーム配光に於ける少なくとも一部の光束の光量をその周辺領域の光量よりも減少させるか皆無にする光量制御手段が設けられている事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項7】
当該光量制御手段は、当該反射板の少なくとも一部に設けられているか、当該車輌用ヘッドランプ内の当該ビーム配光のビーム通路内の少なくとも一部に配置されている事を特徴とする請求項6に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項8】
当該反射板は、当該ヘッドランプに於ける光源を含む中心軸線を中心として当該軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板は当該軸方向に沿って非連続的な放物面状を有する反射板を形成している事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項9】
当該反射板は、当該ヘッドランプに於ける光源を含む中心軸線を中心として当該軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板の連続的な反射面の一部に、当該光源からの放射光が入射されない様に構成された面、或は当該光源からの放射光を反射させない部材で構成された面からなる非反射性領域が設けられている事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項10】
当該非反射性領域が当該反射板の反射放物面に沿って連続した或いは間歇的な帯状形態或いはその変形形態を含んでおり且つ当該軸線の少なくともその一部を取り囲む様に形成されている事を特徴とする請求項8又は9に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項11】
当該反射板は、当該ヘッドランプに於ける光源を含む中心軸線を中心として当該軸線の周囲空間の少なくとも一部を取り囲む様に構成されており、且つ当該反射板は当該軸方向に沿って連続した放物線状の反射面を形成しており、且つ当該ビーム配光の光路中で且つ当該光源の前方部に、当該ビーム配光に於ける光束の少なくとも一部を遮蔽する少なくとも文字、数字、絵、柄、マーク、特定の形状等を含むマスク部材が設けられている事を特徴とする請求項6又は7に記載の車輌用ヘッドランプ。
【請求項12】
当該反射板の外周縁部に複数個の文字、記号、絵、マーク或いは特定の形状を構成するか或はそれらを含む遮光マスク部が設けられている事を特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の車輌用ヘッドランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−21516(P2008−21516A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191858(P2006−191858)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(596071899)株式会社サンヨーテクニカ (12)
【Fターム(参考)】