車輌用室内照明灯
【課題】適切な室内照明を確保することができ、各部品の組み付けが簡単で部品点数の少ないコストパフォーマンスに優れた車両用室内照明灯を提供する。
【解決手段】意匠部20にレンズ21が係合固定されると共にスイッチ40のスイッチノブ41が駆動自在に取り付けられ、機能部30に光源32を実装した回路基板31が係合固定されると共にスイッチ基体43が駆動自在に取り付けられている。回路基板31の側部に固定された複数の端子33S、33Tと、第1コネクタ42に固定された複数のコネクタ端子50S、50T、51Sとが選択的に電気接続されている。
【解決手段】意匠部20にレンズ21が係合固定されると共にスイッチ40のスイッチノブ41が駆動自在に取り付けられ、機能部30に光源32を実装した回路基板31が係合固定されると共にスイッチ基体43が駆動自在に取り付けられている。回路基板31の側部に固定された複数の端子33S、33Tと、第1コネクタ42に固定された複数のコネクタ端子50S、50T、51Sとが選択的に電気接続されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室を区画する隔壁板(天井板やドアの内装板など)に取り付けられる車輌用室内照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1記載の車輌用室内照明灯>
車輌用室内照明灯のON・OFFを制御するスイッチ構造は公知であり、それによれば、スイッチパネルに回動自在に取り付けられたスイッチノブの押圧部を押し、配線基板に装着されたタクトスイッチを押下することにより、スイッチのON・OFFを行うものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4273号公報
【0004】
<特許文献1記載の発明の問題点>
特許文献1記載の車輌用室内照明灯に記載されたスイッチでは、光源等を実装する回路基板との配置が上手くいかず、構造も複雑化してしまうという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切な室内照明を確保することができ、各部品の組み付けが簡単で部品点数の少ないコストパフォーマンスに優れた車両用室内照明灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成させるために、本発明に係る車輌用室内照明灯は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
【0007】
(1) 意匠部と機能部から成る車輌用室内照明灯であって、
前記意匠部に係合固定されるレンズと、
前記機能部に係合固定される回路基板と、
前記レンズに近接して前記回路基板に実装される光源と、前記回路基板の側部に垂下して実装される複数の端子と、
前記機能部の側部に配置されるコネクタと、前記コネクタに固定される複数のコネクタ端子と、
スイッチノブとスイッチ基体から成るスイッチと、を備え、
前記スイッチノブは前記意匠部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチノブと前記スイッチ基体が連動することにより前記端子と前記コネクタ端子の選択的な電気接続が行われ、光源のON・OFF等を行うことを特徴とする車輌用室内照明灯。
【0008】
(2) 前記スイッチ基体と前記コネクタとが一体的に形成され、前記スイッチノブと前記スイッチ基体と前記コネクタとが連動することを特徴とする上記(1)に記載した車輌用室内照明灯。
【0009】
(3) 前記スイッチ基体の底部には複数のコンタクトが固定され、前記端子と前記コネクタ端子とが前記コンタクトを介して電気的に接続されたことを特徴とする上記(1)に記載した車輌用室内照明灯。
【0010】
(4) 前記スイッチノブは前記意匠部に回動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に回動自在に取り付けられたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載した車輌用室内照明灯。
【0011】
(5) 前記スイッチノブは前記意匠部に水平方向に移動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に水平方向に移動自在に取り付けられたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載した車輌用室内照明灯。
【0012】
上記(1)の構成によれば、レンズとスイッチノブは意匠部側に、スイッチ基体と光源を実装した回路基板とコネクタは機能部側にそれぞれ配置することにより組み付け作業が極めて楽になる。また、スイッチノブとスイッチ基体と端子およびコネクタ端子を回路基板の側部に配置して回路基板の係合固定位置と離間させることにより、回路基板に実装された光源とレンズを近接させることができ、優れた室内照明を確保することができる。
【0013】
上記(2)の構成によれば、スイッチ基体とコネクタが一体的に形成されるため、部品点数が簡素化されコストダウンも図れる。
【0014】
上記(3)の構成によれば、スイッチの切換はコンタクトで行うため、回路基板に固定された端子とコネクタに固定されたコネクタ端子の数を自由に選択できる。
【0015】
上記(4)の構成によれば、回動によるスムーズなスイッチ切換ができる。
【0016】
上記(5)の構成によれば、水平移動によるスムーズなスイッチ切換ができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、意匠部にレンズとスイッチノブを、機能部に光源を実装した回路基板とスイッチ基体とコネクタとを、それぞれ配置させることにより、構成全体を簡素化し作業性の向上を図ることができる。また、スイッチとそれに付随する電気接続部品を回路基板の側部に配置して回路基板の係合固定に影響させない構成としたことにより、光源とレンズとが光学的に優れた配置関係を取ることができ、最適な照明を確保できる。更に、回路基板に固定される端子をスイッチ機能の一つとすることにより市販のスイッチを不要として、部品点数の少ないコストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例1を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチおよび回路基板の分解斜視図、(C)(1)は正面斜視図、(C)(2)は裏面斜視図である。
【図2】図1に示した車輌用室内照明灯を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチおよび回路基板の分解斜視図である。
【図3】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチの動きを示し、(A)はスイッチノブの断面斜視図、(B)はスイッチ基体の断面斜視図、(C)はスイッチの断面斜視図である。
【図4】図1に示した車輌用室内照明灯の電気接続状態を示し、(A)はスイッチの拡大断面図、(B)は電気接続部品の斜視図、(C)は車輌用室内照明灯の縦断面図である。
【図5】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチがON状態であることを示し、(A)は縦断面図、(B)(1)は(A)のA−A断面図、(B)(2)は(A)のB−B断面図、(C)(1)は電気接続部品を示した斜視図、(C)(2)はスイッチの斜視図である。
【図6】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチがOFF状態であることを示し、(A)は縦断面図、(B)(1)は(A)のC−C断面図、(B)(2)は(A)のD−D断面図、(C)(1)は電気接続部品を示した斜視図、(C)(2)はスイッチの斜視図である。
【図7】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例2を示し、(A)はスイッチと回路基板の分解斜視図、(B)車輌用室内照明灯の分解斜視図、(C)は正面斜視図、(D)は裏面斜視図である。
【図8】図7に示した車輌用室内照明灯の構成要部を示し、(A)(1)は機能部を中心とした分解斜視図、(A)(2)はスイッチの動きを示すスイッチの断面斜視図、(B)(1)はスイッチの断面図、(B)(2)は電気接続部品の拡大斜視図、(C)は車輌用室内照明灯の縦断面図である。
【図9】図7に示した車輌用室内照明灯のスイッチ作動状態を示し、(A)はスイッチのON状態を示し、(1)は車輌用室内照明灯の縦断面図、(2)は(1)のA−A断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(4)はスイッチの斜視図、(B)はスイッチのOFF状態を示し、(1)は車輌用室内照明灯の縦断面図、(2)は(1)のB−B断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(4)はスイッチの斜視図である。
【図10】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例3を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチのON状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)はスイッチのコネクタ端子側断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(C)はスイッチのOFF状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)はスイッチのコネクタ端子側断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図である。
【図11】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例4を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチのON状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)は電気接続部品を示した斜視図、(C)はスイッチのOFF状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)は電気接続部品を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
以下、本発明に係る車輌用室内照明灯の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施例1の具体的構成>
図1に基づいて、本発明に係る実施例1の車輌用室内照明灯10を説明する。
この実施例1の車輌用室内照明灯10は、車輌の車室を区画する隔壁板(天井板やドアの内装板など:図示せず)に取り付けられ、略長方形状の意匠部20と意匠部20に係合固定される略長方形状の機能部30とから概略構成されている。意匠部20の中央部にはレンズ21が取り付けられ、意匠部20の側部にはスイッチ40のスイッチノブ41が駆動自在(以下、実施例1および実施例2では回動自在と言う)に取り付けられている。
【0020】
機能部30の中央部には回路基板31が組み付けられ、機能部30の一端には機能部30と一体または一体的に形成されたメス型の第1コネクタ42が設けられ、第1コネクタ42とレンズ21との間で機能部30の側部には、スイッチ基体43が回動自在に取り付けられている。また、第1コネクタ42は、第1コネクタ42の先端から挿入されるオス型の第2コネクタ42Sと嵌合する。
【0021】
実施例1では、スイッチ40はスイッチノブ41とスイッチ基体43とからなり、スイッチ基体43の底部には、両端が垂直方向に屈曲されたコの字状からなる一対のコンタクト44S、44Tが取り付けられる。第1コンタクト44Sは細幅に形成され、第2コンタクト44Tは第1コンタクト44Sに比べ幅広く形成されている。
【0022】
また、回路基板31の中央近傍には光源32(LED、EL、等)が複数取り付けられ、回路基板31の端部には、回路基板31に実装されている回路(図示せず)と電気的に繋がり下方向に延在(垂下)するL字状の一対の端子33S、33Tが固定されている。第1端子33Sは第1コンタクト44Sと、第2端子33Tは第2コンタクト44Tと、それぞれ電気的に接合する。
【0023】
符号50S、50T、51Sは、第1コネクタ42に係合固定する先端が下方向に屈曲したL字状のコネクタ端子であり、50Sは第1コネクタ端子、50Tは第2コネクタ端子、51Sは第3コネクタ端子である。第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sは、第1コンタクト44Sと選択的に電気的に接合し、第2コネクタ端子50Tは第2コンタクト44Tと電気的に接合する。
【0024】
本発明の実施例1に係るスイッチ40は、シーソースイッチやロッカースイッチと呼ばれているスイッチの一種であり、スイッチノブ41の表面の一端または他端を押すことで光源32の光りを制御するものであり(図1(A)曲線矢印参照)、例えば光源32のON・OFF、明暗、発光色等、の切換を行うことができる。本発明の実施例の説明においては、説明を分かり易くするために、光源32のON・OFFに絞って説明する。
【0025】
<各構成部品の組み付け>
次に、図2の分解斜視図に基づいて各構成部品の組み付け状態を説明する。
【0026】
レンズ21は、意匠部20に形成された開口部21Aに上部から挿入され、意匠部20に係合固定される。スイッチノブ41は、意匠部20に形成された貫通口22に上部から挿入され、貫通口22の突起部22Aとスイッチノブ41の側部に設けられた支持部41Aとが回動自在に係合することにより、貫通口22内に組み付けられる。
【0027】
一方、機能部30には、あらかじめ光源32と端子33S、33Tとが固定された回路基板31が係合固定される。その際、端子33S、33Tの先端部は機能部30を貫通して機能部30の裏面に突出した状態となる。スイッチ基体43は、機能部30の裏面から機能部30側部に形成された略四角形状の挿通口35に挿入され、挿通口35の頂部に設けられた突出部35Aとスイッチ基体43の頭部近傍に形成された回転孔43Aとが回動自在に係合することにより挿通口35内に組み付けられる。さらに、各コネクタ端子50S、50T、51Sは、第1コネクタ42の機能部30側近傍に形成された複数の溝36内にそれぞれ係合固定される。
上述の各部品が取り付けられた意匠部20と機能部30とが組み付けられ、本発明の車輌用室内照明灯10となる。
【0028】
<スイッチノブとスイッチ基体の連動>
図3に基づいて、スイッチノブ41とスイッチ基体43の連動について説明する。
スイッチノブ41が意匠部20に回動自在に取り付けられると、スイッチノブ41は、突起部22Aを中心に左右に回動できる状態になる(図3(A)参照)。
スイッチ基体43が機能部30に回動自在に取り付けられると、スイッチ基体43は、回転孔43Aを中心に左右に回動できる状態になる(図3(B)参照)。
そして、意匠部20と機能部30が組み付けられると、スイッチノブ41の底面に向かって突出する複数の突起部41Bの先端とスイッチ基体43の上部に左右方向に延びる平坦部43Bとが当接し、突起部22Aと回転孔43Aとが共通の回動中心となり、スイッチノブ41とスイッチ基体43は連動してスイッチ40は左右方向に回動する(図3(C)参照)。
なお、上述の左右方向とは本発明の説明上定義した方向であり、スイッチ40の回動軸(突起部22Aまたは回転孔43Aの中心)に対して直角方向を左右方向とし、以後の説明においてもこれを用いる。
【0029】
<スイッチにおける電気的接続と回路基板の配置>
図4に基づいて、意匠部20と機能部30が組み付けられた状態でのスイッチ40の電気的接続と回路基板31の配置について説明する。
意匠部20と機能部30が組み付けられると、回路基板31の側面に固定され垂下された第1端子33Sは、スイッチ基体43の底部に取り付けられた第1コンタクト44Sの一端と接触し、第1コネクタ42に係合固定された第1コネクタ端子50Sは、第1コンタクト44Sの他端と接触する。このことにより、第1端子33Sと第1コンタクト44Sと第1コネクタ端子50Sは、電気的に接続した状態になる(図4(A)参照)。
【0030】
この電気接続に関する詳細を、図4(B)に基づいて説明する。
回路基板31に固定され回路基板31に実装された回路と電気的に接続している第1端子33Sには、回路基板31の端部近傍から回路基板31の係合固定方向に対して垂直下方向(図面上での上下)に屈曲した第1端子本体33Lが設けられている。また、第1コンタクト44Sの両端には、垂直上方向に屈曲した立上部43L、43Mが設けられている。さらに、第1コネクタ端子50Sには、垂直下方向に屈曲する第1コネクタ端子本体50Mが設けられている。
第1端子本体33Lと立上部43Lとが当接して電気的に接続状態と成る。また、第1コネクタ端子本体50Mと立上部43Mとが当接して電気的に接続状態と成る。本発明の具体的実施形態において、回路基板31と第2コネクタ42Sとの電気的接続が行われる場所は、回路基板31が係合固定される位置よりも下方にあり、スイッチ40の切換により回動するスイッチ基体43の底部に固定されたコンタクト44S、44Tの移動も同様に下方にある。
【0031】
次に、回路基板の配置に関して図4(C)に基づいて説明する。
この上述の電気的接続状態の配置関係は、スイッチ40の動きが回路基板31の配置に影響を及ぼすことがないことを意味している。すなわち、機能部30に係合固定された回路基板31から垂下され静止状態にある第1端子33Sの第1端子本体33Lに対してのみ電気的な接続が行われるため、スイッチ40の動きは、回路基板31の係合固定とは独立した状態にある。
その結果、回路基板31はレンズ21との最適な位置関係を選択することができるため、光源32をレンズ21に対して光学的に優れた場所に設置することが可能となる。すなわち、光源32が実装された回路基板31は、レンズ21との適切な配置関係によって機能部30の略中央部内に係合固定が可能となり、機能部30の側部に配置されたスイッチ40の動きに影響されることがない。
【0032】
更に最近では省エネに基づいて、一般的な光源であった白熱電球の使用ができなくなり、LED等が光源として利用する必要が出てきている。特に車輌用では顕著であり、本発明の車輌用室内照明灯10においても光源32としてLEDを用いている。LEDはフラットな光源であり、LEDを用いる光学設計においては、レンズ(例えば凸レンズ)面を光源に近づける必要がある。その観点で、本発明の実施形態におけるレンズ21と光源32の近接は、車輌用室内照明灯10からの室内への照明を適切なものとしている。
【0033】
<本発明のスイッチの考え方>
本発明の実施形態においては、スイッチ40をスイッチノブ41とスイッチ基体43から成ると定義した。一般的に述べれば、通常のスイッチとは電気回路を開閉する装置(広辞苑)であり、回路の切換を行うレバーと電気回路の開閉を行うための電気接続部品とが一体化されたものである。この視点に立って眺めると、図4(A)に示される構造が全体として一般論的なスイッチに相当することが理解される。
【0034】
すなわち、回路基板31と電源との間に何らかの電気接続部品が必要であるが、本発明の実施形態においては、それを回路基板31の側部から垂下する端子33S、33Tを用いた点に優れた発想がある。また第1コネクタ42側に係合固定されるコネクタ端子50S、50T、51Sも電気接続部品の構成の一部として利用した点も、見逃せない。本発明に至る上述した発想は、本発明の実施形態において、部品点数の削減並びに組み付けのし易さを向上させ、コストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯10を提供している。
以上、電気接続部品である第1端子33S、第1コンタクト44S、第1コネクタ端子50Sについて説明したが、その他の電気接続部品も同じ接続状態にあり、詳細は図5、図6に於いて明らかになる。
【0035】
<スイッチの動きと電気的接続>
図5、図6に基づいて、本発明に係るスイッチ40の動きに対して端子33S、33T、コンタクト44S、44T、コネクタ端子50S、50T、51Sの電気的接続状態を説明する。
図5では、光源32が点灯状態、すなわち、スイッチ40のON状態を説明する。スイッチノブ41の左側の表面を押した状態である(図5(B)(1)矢印参照)。
第1端子33Sと第1コンタクト44S、第2端子33Tと第2コンタクト44Tとがそれぞれ接触している(図5(B)(1)参照)。
第1コンタクト44Sと第1コネクタ端子50S、第2コンタクト44Tと第2コネクタ端子50Tとがそれぞれ接触している(図5(B)(2)参照)。
従って、スイッチ40のON状態では、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。
【0036】
図6では、光源32が非点灯状態、すなわち、スイッチ40のOFF状態を説明する。スイッチノブ41の右側の表面を押した状態である(図6(B)(1)矢印参照)。
第1端子33Sと第1コンタクト44S、第2端子33Tと第2コンタクト44Tとがそれぞれ接触している(図6(B)(1)参照)。
第1コンタクト44Sと第3コネクタ端子51S、第2コンタクト44Tと第2コネクタ端子50Tとがそれぞれ接触している(図6(B)(2)参照)。
【0037】
従って、スイッチ40のOFF状態では、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。また、コンタクト44S、44Tは、スイッチ40の回動に合わせて動くため、やや傾いた状態での電気接続となる。
更に、第1コンタクト44Sは細幅に形成され、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sの横幅とほぼ同じ寸法で形成されているため、第1コンタクト44Sの動きにより第1コネクタ端子50Sまたは第3コネクタ端子51Sへの電気的接続が選択的に可能となる。
【実施例2】
【0038】
図7に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例2を説明する。
実施例2においては、スイッチノブ41と連動するスイッチ基体43の下部に第1コネクタ42が一体的(一体も含む)に形成されている。すなわち、スイッチ40は、スイッチノブ41とスイッチ基体43および第1コネクタ42から成る。また、コネクタ端子50S、50T、51Sは、第1コネクタ42の後部から第1コネクタ42に係合固定されている。また、第1端子33Sは細幅に形成され、第2端子33Tは第1端子33Sに比べ幅広く形成されている。
車輌用室内照明灯10が、意匠部20と機能部30から成ること、意匠部20にレンズ21が係合固定されスイッチノブ41が意匠部20に対して回動自在に組み付けられること、機能部30に回路基板31が係合固定されることは、実施例1と変わらない。
【0039】
<実施例2の組み付けおよび電気的接続>
図8に基づいて、本発明に係る実施例2の組み付けおよび電気的接続について説明する。
第1コネクタ42と一体的に形成されたスイッチ基体43は、機能部30の裏面から機能部30側部に形成された略四角形状の挿通口35に挿入され、挿通口35の頂部に設けられた突出部35Aとスイッチ基体43の頭部近傍に形成された回転孔43Aとが回動自在に係合することにより挿通口35内に組み付けられる(図8(A)(1)参照)。
そして、意匠部20と機能部30が組み付けられると、スイッチノブ41の底面に向かって突出する複数の突起部41Bの先端とスイッチ基体43の上部に左右方向に延びる平坦部43Bとが当接する。回転孔43A(または突起部22A)が回動中心となり、スイッチノブ41とスイッチ基体43および第1コネクタ42が連動してスイッチ40は左右方向に回動する(図8(A)(2)参照)。
【0040】
意匠部20と機能部30が組み付けられると、回路基板31の側面に固定され垂下された第1端子33Sは、第1コネクタ42に係合固定された第3コネクタ端子51Sと接触する。このことにより、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sは、電気的に接続した状態になる(図8(B)(1)参照)。
回路基板31に固定され回路基板31に実装された回路と電気的に接続している第1端子33Sには、回路基板31の端部近傍から回路基板31の係合固定方向に対して垂直下方向(図面上での上下)に屈曲した第1端子本体33Lが設けられている。また、第3コネクタ端子51Sには、垂直上方向に屈曲する第3コネクタ端子本体51Mが設けられている。この結果、第1端子本体33Lと第3コネクタ端子本体51Mとが当接して電気的に接続状態と成り、第2コネクタ42Sと回路基板31は、電気的に接続された状態となる(図8(B)(2)参照)。
【0041】
本発明の実施例2の具体的実施形態において、回路基板31と第2コネクタ42Sとの電気的接続が行われる場所は、回路基板31が係合固定される位置よりも下方にあり、スイッチ40の切換により回動するスイッチ基体43と一体的に形成された第1コネクタ42に固定されたコネクタ端子50S、50T、51Sの移動も同様に下方にある。この電気的接続状態の配置関係は、スイッチ40の動きが回路基板31の配置に影響を及ぼすことがないことは、実施例1と同様である。
電気接続部品である第1端子33S、第3コネクタ端子51Sについて説明したが、その他の電気接続部品も同じ接続状態にあり、詳細は図9において明らかになる。
【0042】
<実施例2のスイッチの動きと電気的接続>
図9に基づいて、本発明に係る実施例2のスイッチ40の動きに対して端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sの電気的接続状態を説明する。
図9(A)では、光源32が点灯状態、すなわち、スイッチ40のON状態を説明する。スイッチノブ41の右側の表面を押した状態である(図9(A)(2)矢印参照)。
第1端子33Sが第1コネクタ端子50Sに、第2端子33Tが第2コネクタ端子50Tにそれぞれ接触している(図9(A)(2)および(3)参照)。従って、スイッチ40のON状態では、第1端子33Sと第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。また、コネクタ端子50S、50T、51Sは、スイッチ40の回動に合わせて動くため、やや傾いた状態での電気接続となる。
【0043】
図9(B)では、光源32が非点灯状態、すなわち、スイッチ40のOFF状態を説明する。スイッチノブ41の左側の表面を押した状態である(図9(B)(2)矢印参照)。
第1端子33Sが第3コネクタ端子51Sに、第2端子33Tが第2コネクタ端子50Tにそれぞれ接触している(図9(B)(2)および(3)参照)。従って、スイッチ40のOFF状態では、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。
更に、第1端子33Sは細幅に形成され、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sの横幅とほぼ同じ寸法で形成されているため、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sとの動きにより第1端子33Sへの電気的接続が選択的に可能となる。
【実施例3】
【0044】
図10に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例3を説明する。
実施例3のスイッチ40は、スライドスイッチである。スイッチノブ41は意匠部20に対して水平方向(図10(A)直線矢印参照)に駆動自在(以下、実施例3および実施例4では移動自在と言う)に取り付けられ、スイッチ基体43は機能部30に水平方向に移動自在に取り付けられる。意匠部20と機能部30とが組み付けられると、スイッチノブ41とスイッチ基体43は連動して水平方向に移動自在と成る。実施例3では、実施例1と同様、第1コネクタ42は機能部30と一体形成されている。その他の部品構成は実施例1と同様であるため省略する。
電気接続状態も実施例1と同様である。
【0045】
図10(B)はスイッチ40がON状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図10(B)(1)が図5(B)(1)に、図10(B)(2)が図5(B)(2)に、図10(B)(3)が図5(C)(1)に、それぞれ対応している。
【0046】
図10(C)はスイッチ40がOFF状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第3コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図10(C)(1)が図6(B)(1)に、図10(C)(2)が図6(B)(2)に、図10(C)(3)が図6(C)(1)に、それぞれ対応している。
【実施例4】
【0047】
図11に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例4を説明する。
実施例4のスイッチ40は、実施例3と同様スライドスイッチである(図11(A)直線矢印参照)。意匠部20と機能部30とが組み付けられると、スイッチノブ41とスイッチ基体43と第1コネクタ42とは連動して左右方向に移動自在と成る。実施例4では、実施例2と同様、第1コネクタ42はスイッチ基体43と一体的に形成されている。その他の部品構成は実施例2と同様であるため省略する。
【0048】
図11(B)はスイッチ40がON状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図11(B)(1)が図9(A)(2)に、図11(B)(2)が図9(A)(3)に、それぞれ対応している。
【0049】
図11(C)はスイッチ40がOFF状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図11(C)(1)が図9(B)(2)に、図11(C)(2)が図9(B)(3)に、それぞれ対応している。
【0050】
<本発明のまとめ>
以上に説明した車輌用室内照明灯10では、意匠部20にレンズ21が係合固定されると共にスイッチノブ41が駆動自在に取り付けられ、機能部30に光源32を実装した回路基板31が係合固定されると共にスイッチ基体43が駆動自在に取り付けられている。また、回路基板31の側部に固定され垂下した複数の端子33S、33Tと、機能部30の側部に配置された第1コネクタ42に固定された複数のコネクタ端子50S、50T、51Sと、が選択的に電気接続されてスイッチ40の切換を行っている。
【0051】
この構成により、レンズ21とスイッチノブ41は意匠部20側に、スイッチ基体43と回路基板31と第1コネクタ42は機能部30側に、それぞれ配置することができ、組み付け作業が極めて楽であり部品点数も少なくて済む。また、スイッチノブ41とスイッチ基体43と端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sを回路基板31の側部に配置して回路基板31の係合固定位置と離間させることにより、回路基板31に実装された光源32とレンズ21を近接させることができ、優れた室内照明を確保することができる。
【0052】
また、端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sがスイッチ40に付随する電気接続部品の役目を成すため、新たに市販のスイッチを設ける必要も無くコストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯10を提供できる。
【0053】
また、スイッチ基体43と第1コネクタ42とを一体形成させることにより、部品点数が簡素化されコストダウンも図れる。
【0054】
更に、スイッチ基体43の底部に複数のコンタクト44S、44Tが固定されることにより、端子33S、33Tとコネクタ端子50S、50T、51Sとがコンタクト44S、44Tを介して電気的かつ選択的に接続されている。この構成によれば、スイッチ40の切換はコンタクト44S、44Tで行うため、実施形態で説明した端子33S、33Tやコネクタ端子50S、50T、51Sの数を自由に選択できる。
【0055】
そして、スイッチノブ41は意匠部20に対して、また、スイッチ基体43は機能部に30に対して、それぞれが同時に回動自在または水平方向に移動自在に取り付けられることにより、スイッチ40の切換手段を種々変更することができる。
第1コネクタ42や第2コネクタ42S等、幾つかの構成部品に対して第1や第2を用いたが、その逆であっても特に限定されるものではない。
2つの端子33S、33T、2つのコンタクト44S、44T、3つのコネクタ端子50S、50T、51Sについて上述したが、本発明と同様な効果、目的が達成できればこれら電気接続部品の数および並び方には限定されない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0056】
10:車輌用室内照明灯
20:意匠部
21:レンズ
21A:開口部
22:貫通口
30:機能部
31:回路基板
32:光源
33S:第1端子
33T:第2端子
35:挿通口
40:スイッチ
41:スイッチノブ
42:第1コネクタ
42S:第2コネクタ
43:スイッチ基体
44S:第1コンタクト
44T:第2コンタクト
50S:第1コネクタ端子
50T:第2コネクタ端子
51S:第3コネクタ端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室を区画する隔壁板(天井板やドアの内装板など)に取り付けられる車輌用室内照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1記載の車輌用室内照明灯>
車輌用室内照明灯のON・OFFを制御するスイッチ構造は公知であり、それによれば、スイッチパネルに回動自在に取り付けられたスイッチノブの押圧部を押し、配線基板に装着されたタクトスイッチを押下することにより、スイッチのON・OFFを行うものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−4273号公報
【0004】
<特許文献1記載の発明の問題点>
特許文献1記載の車輌用室内照明灯に記載されたスイッチでは、光源等を実装する回路基板との配置が上手くいかず、構造も複雑化してしまうという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切な室内照明を確保することができ、各部品の組み付けが簡単で部品点数の少ないコストパフォーマンスに優れた車両用室内照明灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成させるために、本発明に係る車輌用室内照明灯は、下記(1)〜(5)を特徴としている。
【0007】
(1) 意匠部と機能部から成る車輌用室内照明灯であって、
前記意匠部に係合固定されるレンズと、
前記機能部に係合固定される回路基板と、
前記レンズに近接して前記回路基板に実装される光源と、前記回路基板の側部に垂下して実装される複数の端子と、
前記機能部の側部に配置されるコネクタと、前記コネクタに固定される複数のコネクタ端子と、
スイッチノブとスイッチ基体から成るスイッチと、を備え、
前記スイッチノブは前記意匠部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチノブと前記スイッチ基体が連動することにより前記端子と前記コネクタ端子の選択的な電気接続が行われ、光源のON・OFF等を行うことを特徴とする車輌用室内照明灯。
【0008】
(2) 前記スイッチ基体と前記コネクタとが一体的に形成され、前記スイッチノブと前記スイッチ基体と前記コネクタとが連動することを特徴とする上記(1)に記載した車輌用室内照明灯。
【0009】
(3) 前記スイッチ基体の底部には複数のコンタクトが固定され、前記端子と前記コネクタ端子とが前記コンタクトを介して電気的に接続されたことを特徴とする上記(1)に記載した車輌用室内照明灯。
【0010】
(4) 前記スイッチノブは前記意匠部に回動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に回動自在に取り付けられたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載した車輌用室内照明灯。
【0011】
(5) 前記スイッチノブは前記意匠部に水平方向に移動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に水平方向に移動自在に取り付けられたことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載した車輌用室内照明灯。
【0012】
上記(1)の構成によれば、レンズとスイッチノブは意匠部側に、スイッチ基体と光源を実装した回路基板とコネクタは機能部側にそれぞれ配置することにより組み付け作業が極めて楽になる。また、スイッチノブとスイッチ基体と端子およびコネクタ端子を回路基板の側部に配置して回路基板の係合固定位置と離間させることにより、回路基板に実装された光源とレンズを近接させることができ、優れた室内照明を確保することができる。
【0013】
上記(2)の構成によれば、スイッチ基体とコネクタが一体的に形成されるため、部品点数が簡素化されコストダウンも図れる。
【0014】
上記(3)の構成によれば、スイッチの切換はコンタクトで行うため、回路基板に固定された端子とコネクタに固定されたコネクタ端子の数を自由に選択できる。
【0015】
上記(4)の構成によれば、回動によるスムーズなスイッチ切換ができる。
【0016】
上記(5)の構成によれば、水平移動によるスムーズなスイッチ切換ができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、意匠部にレンズとスイッチノブを、機能部に光源を実装した回路基板とスイッチ基体とコネクタとを、それぞれ配置させることにより、構成全体を簡素化し作業性の向上を図ることができる。また、スイッチとそれに付随する電気接続部品を回路基板の側部に配置して回路基板の係合固定に影響させない構成としたことにより、光源とレンズとが光学的に優れた配置関係を取ることができ、最適な照明を確保できる。更に、回路基板に固定される端子をスイッチ機能の一つとすることにより市販のスイッチを不要として、部品点数の少ないコストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例1を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチおよび回路基板の分解斜視図、(C)(1)は正面斜視図、(C)(2)は裏面斜視図である。
【図2】図1に示した車輌用室内照明灯を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチおよび回路基板の分解斜視図である。
【図3】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチの動きを示し、(A)はスイッチノブの断面斜視図、(B)はスイッチ基体の断面斜視図、(C)はスイッチの断面斜視図である。
【図4】図1に示した車輌用室内照明灯の電気接続状態を示し、(A)はスイッチの拡大断面図、(B)は電気接続部品の斜視図、(C)は車輌用室内照明灯の縦断面図である。
【図5】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチがON状態であることを示し、(A)は縦断面図、(B)(1)は(A)のA−A断面図、(B)(2)は(A)のB−B断面図、(C)(1)は電気接続部品を示した斜視図、(C)(2)はスイッチの斜視図である。
【図6】図1に示した車輌用室内照明灯のスイッチがOFF状態であることを示し、(A)は縦断面図、(B)(1)は(A)のC−C断面図、(B)(2)は(A)のD−D断面図、(C)(1)は電気接続部品を示した斜視図、(C)(2)はスイッチの斜視図である。
【図7】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例2を示し、(A)はスイッチと回路基板の分解斜視図、(B)車輌用室内照明灯の分解斜視図、(C)は正面斜視図、(D)は裏面斜視図である。
【図8】図7に示した車輌用室内照明灯の構成要部を示し、(A)(1)は機能部を中心とした分解斜視図、(A)(2)はスイッチの動きを示すスイッチの断面斜視図、(B)(1)はスイッチの断面図、(B)(2)は電気接続部品の拡大斜視図、(C)は車輌用室内照明灯の縦断面図である。
【図9】図7に示した車輌用室内照明灯のスイッチ作動状態を示し、(A)はスイッチのON状態を示し、(1)は車輌用室内照明灯の縦断面図、(2)は(1)のA−A断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(4)はスイッチの斜視図、(B)はスイッチのOFF状態を示し、(1)は車輌用室内照明灯の縦断面図、(2)は(1)のB−B断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(4)はスイッチの斜視図である。
【図10】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例3を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチのON状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)はスイッチのコネクタ端子側断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図、(C)はスイッチのOFF状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)はスイッチのコネクタ端子側断面図、(3)は電気接続部品を示した斜視図である。
【図11】本発明に係る車輌用室内照明灯の実施例4を示し、(A)は分解斜視図、(B)はスイッチのON状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)は電気接続部品を示した斜視図、(C)はスイッチのOFF状態を示し、(1)はスイッチの端子側断面図、(2)は電気接続部品を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
以下、本発明に係る車輌用室内照明灯の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<実施例1の具体的構成>
図1に基づいて、本発明に係る実施例1の車輌用室内照明灯10を説明する。
この実施例1の車輌用室内照明灯10は、車輌の車室を区画する隔壁板(天井板やドアの内装板など:図示せず)に取り付けられ、略長方形状の意匠部20と意匠部20に係合固定される略長方形状の機能部30とから概略構成されている。意匠部20の中央部にはレンズ21が取り付けられ、意匠部20の側部にはスイッチ40のスイッチノブ41が駆動自在(以下、実施例1および実施例2では回動自在と言う)に取り付けられている。
【0020】
機能部30の中央部には回路基板31が組み付けられ、機能部30の一端には機能部30と一体または一体的に形成されたメス型の第1コネクタ42が設けられ、第1コネクタ42とレンズ21との間で機能部30の側部には、スイッチ基体43が回動自在に取り付けられている。また、第1コネクタ42は、第1コネクタ42の先端から挿入されるオス型の第2コネクタ42Sと嵌合する。
【0021】
実施例1では、スイッチ40はスイッチノブ41とスイッチ基体43とからなり、スイッチ基体43の底部には、両端が垂直方向に屈曲されたコの字状からなる一対のコンタクト44S、44Tが取り付けられる。第1コンタクト44Sは細幅に形成され、第2コンタクト44Tは第1コンタクト44Sに比べ幅広く形成されている。
【0022】
また、回路基板31の中央近傍には光源32(LED、EL、等)が複数取り付けられ、回路基板31の端部には、回路基板31に実装されている回路(図示せず)と電気的に繋がり下方向に延在(垂下)するL字状の一対の端子33S、33Tが固定されている。第1端子33Sは第1コンタクト44Sと、第2端子33Tは第2コンタクト44Tと、それぞれ電気的に接合する。
【0023】
符号50S、50T、51Sは、第1コネクタ42に係合固定する先端が下方向に屈曲したL字状のコネクタ端子であり、50Sは第1コネクタ端子、50Tは第2コネクタ端子、51Sは第3コネクタ端子である。第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sは、第1コンタクト44Sと選択的に電気的に接合し、第2コネクタ端子50Tは第2コンタクト44Tと電気的に接合する。
【0024】
本発明の実施例1に係るスイッチ40は、シーソースイッチやロッカースイッチと呼ばれているスイッチの一種であり、スイッチノブ41の表面の一端または他端を押すことで光源32の光りを制御するものであり(図1(A)曲線矢印参照)、例えば光源32のON・OFF、明暗、発光色等、の切換を行うことができる。本発明の実施例の説明においては、説明を分かり易くするために、光源32のON・OFFに絞って説明する。
【0025】
<各構成部品の組み付け>
次に、図2の分解斜視図に基づいて各構成部品の組み付け状態を説明する。
【0026】
レンズ21は、意匠部20に形成された開口部21Aに上部から挿入され、意匠部20に係合固定される。スイッチノブ41は、意匠部20に形成された貫通口22に上部から挿入され、貫通口22の突起部22Aとスイッチノブ41の側部に設けられた支持部41Aとが回動自在に係合することにより、貫通口22内に組み付けられる。
【0027】
一方、機能部30には、あらかじめ光源32と端子33S、33Tとが固定された回路基板31が係合固定される。その際、端子33S、33Tの先端部は機能部30を貫通して機能部30の裏面に突出した状態となる。スイッチ基体43は、機能部30の裏面から機能部30側部に形成された略四角形状の挿通口35に挿入され、挿通口35の頂部に設けられた突出部35Aとスイッチ基体43の頭部近傍に形成された回転孔43Aとが回動自在に係合することにより挿通口35内に組み付けられる。さらに、各コネクタ端子50S、50T、51Sは、第1コネクタ42の機能部30側近傍に形成された複数の溝36内にそれぞれ係合固定される。
上述の各部品が取り付けられた意匠部20と機能部30とが組み付けられ、本発明の車輌用室内照明灯10となる。
【0028】
<スイッチノブとスイッチ基体の連動>
図3に基づいて、スイッチノブ41とスイッチ基体43の連動について説明する。
スイッチノブ41が意匠部20に回動自在に取り付けられると、スイッチノブ41は、突起部22Aを中心に左右に回動できる状態になる(図3(A)参照)。
スイッチ基体43が機能部30に回動自在に取り付けられると、スイッチ基体43は、回転孔43Aを中心に左右に回動できる状態になる(図3(B)参照)。
そして、意匠部20と機能部30が組み付けられると、スイッチノブ41の底面に向かって突出する複数の突起部41Bの先端とスイッチ基体43の上部に左右方向に延びる平坦部43Bとが当接し、突起部22Aと回転孔43Aとが共通の回動中心となり、スイッチノブ41とスイッチ基体43は連動してスイッチ40は左右方向に回動する(図3(C)参照)。
なお、上述の左右方向とは本発明の説明上定義した方向であり、スイッチ40の回動軸(突起部22Aまたは回転孔43Aの中心)に対して直角方向を左右方向とし、以後の説明においてもこれを用いる。
【0029】
<スイッチにおける電気的接続と回路基板の配置>
図4に基づいて、意匠部20と機能部30が組み付けられた状態でのスイッチ40の電気的接続と回路基板31の配置について説明する。
意匠部20と機能部30が組み付けられると、回路基板31の側面に固定され垂下された第1端子33Sは、スイッチ基体43の底部に取り付けられた第1コンタクト44Sの一端と接触し、第1コネクタ42に係合固定された第1コネクタ端子50Sは、第1コンタクト44Sの他端と接触する。このことにより、第1端子33Sと第1コンタクト44Sと第1コネクタ端子50Sは、電気的に接続した状態になる(図4(A)参照)。
【0030】
この電気接続に関する詳細を、図4(B)に基づいて説明する。
回路基板31に固定され回路基板31に実装された回路と電気的に接続している第1端子33Sには、回路基板31の端部近傍から回路基板31の係合固定方向に対して垂直下方向(図面上での上下)に屈曲した第1端子本体33Lが設けられている。また、第1コンタクト44Sの両端には、垂直上方向に屈曲した立上部43L、43Mが設けられている。さらに、第1コネクタ端子50Sには、垂直下方向に屈曲する第1コネクタ端子本体50Mが設けられている。
第1端子本体33Lと立上部43Lとが当接して電気的に接続状態と成る。また、第1コネクタ端子本体50Mと立上部43Mとが当接して電気的に接続状態と成る。本発明の具体的実施形態において、回路基板31と第2コネクタ42Sとの電気的接続が行われる場所は、回路基板31が係合固定される位置よりも下方にあり、スイッチ40の切換により回動するスイッチ基体43の底部に固定されたコンタクト44S、44Tの移動も同様に下方にある。
【0031】
次に、回路基板の配置に関して図4(C)に基づいて説明する。
この上述の電気的接続状態の配置関係は、スイッチ40の動きが回路基板31の配置に影響を及ぼすことがないことを意味している。すなわち、機能部30に係合固定された回路基板31から垂下され静止状態にある第1端子33Sの第1端子本体33Lに対してのみ電気的な接続が行われるため、スイッチ40の動きは、回路基板31の係合固定とは独立した状態にある。
その結果、回路基板31はレンズ21との最適な位置関係を選択することができるため、光源32をレンズ21に対して光学的に優れた場所に設置することが可能となる。すなわち、光源32が実装された回路基板31は、レンズ21との適切な配置関係によって機能部30の略中央部内に係合固定が可能となり、機能部30の側部に配置されたスイッチ40の動きに影響されることがない。
【0032】
更に最近では省エネに基づいて、一般的な光源であった白熱電球の使用ができなくなり、LED等が光源として利用する必要が出てきている。特に車輌用では顕著であり、本発明の車輌用室内照明灯10においても光源32としてLEDを用いている。LEDはフラットな光源であり、LEDを用いる光学設計においては、レンズ(例えば凸レンズ)面を光源に近づける必要がある。その観点で、本発明の実施形態におけるレンズ21と光源32の近接は、車輌用室内照明灯10からの室内への照明を適切なものとしている。
【0033】
<本発明のスイッチの考え方>
本発明の実施形態においては、スイッチ40をスイッチノブ41とスイッチ基体43から成ると定義した。一般的に述べれば、通常のスイッチとは電気回路を開閉する装置(広辞苑)であり、回路の切換を行うレバーと電気回路の開閉を行うための電気接続部品とが一体化されたものである。この視点に立って眺めると、図4(A)に示される構造が全体として一般論的なスイッチに相当することが理解される。
【0034】
すなわち、回路基板31と電源との間に何らかの電気接続部品が必要であるが、本発明の実施形態においては、それを回路基板31の側部から垂下する端子33S、33Tを用いた点に優れた発想がある。また第1コネクタ42側に係合固定されるコネクタ端子50S、50T、51Sも電気接続部品の構成の一部として利用した点も、見逃せない。本発明に至る上述した発想は、本発明の実施形態において、部品点数の削減並びに組み付けのし易さを向上させ、コストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯10を提供している。
以上、電気接続部品である第1端子33S、第1コンタクト44S、第1コネクタ端子50Sについて説明したが、その他の電気接続部品も同じ接続状態にあり、詳細は図5、図6に於いて明らかになる。
【0035】
<スイッチの動きと電気的接続>
図5、図6に基づいて、本発明に係るスイッチ40の動きに対して端子33S、33T、コンタクト44S、44T、コネクタ端子50S、50T、51Sの電気的接続状態を説明する。
図5では、光源32が点灯状態、すなわち、スイッチ40のON状態を説明する。スイッチノブ41の左側の表面を押した状態である(図5(B)(1)矢印参照)。
第1端子33Sと第1コンタクト44S、第2端子33Tと第2コンタクト44Tとがそれぞれ接触している(図5(B)(1)参照)。
第1コンタクト44Sと第1コネクタ端子50S、第2コンタクト44Tと第2コネクタ端子50Tとがそれぞれ接触している(図5(B)(2)参照)。
従って、スイッチ40のON状態では、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。
【0036】
図6では、光源32が非点灯状態、すなわち、スイッチ40のOFF状態を説明する。スイッチノブ41の右側の表面を押した状態である(図6(B)(1)矢印参照)。
第1端子33Sと第1コンタクト44S、第2端子33Tと第2コンタクト44Tとがそれぞれ接触している(図6(B)(1)参照)。
第1コンタクト44Sと第3コネクタ端子51S、第2コンタクト44Tと第2コネクタ端子50Tとがそれぞれ接触している(図6(B)(2)参照)。
【0037】
従って、スイッチ40のOFF状態では、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。また、コンタクト44S、44Tは、スイッチ40の回動に合わせて動くため、やや傾いた状態での電気接続となる。
更に、第1コンタクト44Sは細幅に形成され、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sの横幅とほぼ同じ寸法で形成されているため、第1コンタクト44Sの動きにより第1コネクタ端子50Sまたは第3コネクタ端子51Sへの電気的接続が選択的に可能となる。
【実施例2】
【0038】
図7に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例2を説明する。
実施例2においては、スイッチノブ41と連動するスイッチ基体43の下部に第1コネクタ42が一体的(一体も含む)に形成されている。すなわち、スイッチ40は、スイッチノブ41とスイッチ基体43および第1コネクタ42から成る。また、コネクタ端子50S、50T、51Sは、第1コネクタ42の後部から第1コネクタ42に係合固定されている。また、第1端子33Sは細幅に形成され、第2端子33Tは第1端子33Sに比べ幅広く形成されている。
車輌用室内照明灯10が、意匠部20と機能部30から成ること、意匠部20にレンズ21が係合固定されスイッチノブ41が意匠部20に対して回動自在に組み付けられること、機能部30に回路基板31が係合固定されることは、実施例1と変わらない。
【0039】
<実施例2の組み付けおよび電気的接続>
図8に基づいて、本発明に係る実施例2の組み付けおよび電気的接続について説明する。
第1コネクタ42と一体的に形成されたスイッチ基体43は、機能部30の裏面から機能部30側部に形成された略四角形状の挿通口35に挿入され、挿通口35の頂部に設けられた突出部35Aとスイッチ基体43の頭部近傍に形成された回転孔43Aとが回動自在に係合することにより挿通口35内に組み付けられる(図8(A)(1)参照)。
そして、意匠部20と機能部30が組み付けられると、スイッチノブ41の底面に向かって突出する複数の突起部41Bの先端とスイッチ基体43の上部に左右方向に延びる平坦部43Bとが当接する。回転孔43A(または突起部22A)が回動中心となり、スイッチノブ41とスイッチ基体43および第1コネクタ42が連動してスイッチ40は左右方向に回動する(図8(A)(2)参照)。
【0040】
意匠部20と機能部30が組み付けられると、回路基板31の側面に固定され垂下された第1端子33Sは、第1コネクタ42に係合固定された第3コネクタ端子51Sと接触する。このことにより、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sは、電気的に接続した状態になる(図8(B)(1)参照)。
回路基板31に固定され回路基板31に実装された回路と電気的に接続している第1端子33Sには、回路基板31の端部近傍から回路基板31の係合固定方向に対して垂直下方向(図面上での上下)に屈曲した第1端子本体33Lが設けられている。また、第3コネクタ端子51Sには、垂直上方向に屈曲する第3コネクタ端子本体51Mが設けられている。この結果、第1端子本体33Lと第3コネクタ端子本体51Mとが当接して電気的に接続状態と成り、第2コネクタ42Sと回路基板31は、電気的に接続された状態となる(図8(B)(2)参照)。
【0041】
本発明の実施例2の具体的実施形態において、回路基板31と第2コネクタ42Sとの電気的接続が行われる場所は、回路基板31が係合固定される位置よりも下方にあり、スイッチ40の切換により回動するスイッチ基体43と一体的に形成された第1コネクタ42に固定されたコネクタ端子50S、50T、51Sの移動も同様に下方にある。この電気的接続状態の配置関係は、スイッチ40の動きが回路基板31の配置に影響を及ぼすことがないことは、実施例1と同様である。
電気接続部品である第1端子33S、第3コネクタ端子51Sについて説明したが、その他の電気接続部品も同じ接続状態にあり、詳細は図9において明らかになる。
【0042】
<実施例2のスイッチの動きと電気的接続>
図9に基づいて、本発明に係る実施例2のスイッチ40の動きに対して端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sの電気的接続状態を説明する。
図9(A)では、光源32が点灯状態、すなわち、スイッチ40のON状態を説明する。スイッチノブ41の右側の表面を押した状態である(図9(A)(2)矢印参照)。
第1端子33Sが第1コネクタ端子50Sに、第2端子33Tが第2コネクタ端子50Tにそれぞれ接触している(図9(A)(2)および(3)参照)。従って、スイッチ40のON状態では、第1端子33Sと第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。また、コネクタ端子50S、50T、51Sは、スイッチ40の回動に合わせて動くため、やや傾いた状態での電気接続となる。
【0043】
図9(B)では、光源32が非点灯状態、すなわち、スイッチ40のOFF状態を説明する。スイッチノブ41の左側の表面を押した状態である(図9(B)(2)矢印参照)。
第1端子33Sが第3コネクタ端子51Sに、第2端子33Tが第2コネクタ端子50Tにそれぞれ接触している(図9(B)(2)および(3)参照)。従って、スイッチ40のOFF状態では、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。
更に、第1端子33Sは細幅に形成され、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sの横幅とほぼ同じ寸法で形成されているため、第1コネクタ端子50Sと第3コネクタ端子51Sとの動きにより第1端子33Sへの電気的接続が選択的に可能となる。
【実施例3】
【0044】
図10に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例3を説明する。
実施例3のスイッチ40は、スライドスイッチである。スイッチノブ41は意匠部20に対して水平方向(図10(A)直線矢印参照)に駆動自在(以下、実施例3および実施例4では移動自在と言う)に取り付けられ、スイッチ基体43は機能部30に水平方向に移動自在に取り付けられる。意匠部20と機能部30とが組み付けられると、スイッチノブ41とスイッチ基体43は連動して水平方向に移動自在と成る。実施例3では、実施例1と同様、第1コネクタ42は機能部30と一体形成されている。その他の部品構成は実施例1と同様であるため省略する。
電気接続状態も実施例1と同様である。
【0045】
図10(B)はスイッチ40がON状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図10(B)(1)が図5(B)(1)に、図10(B)(2)が図5(B)(2)に、図10(B)(3)が図5(C)(1)に、それぞれ対応している。
【0046】
図10(C)はスイッチ40がOFF状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コンタクト44Sおよび第1コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コンタクト44Tおよび第3コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図10(C)(1)が図6(B)(1)に、図10(C)(2)が図6(B)(2)に、図10(C)(3)が図6(C)(1)に、それぞれ対応している。
【実施例4】
【0047】
図11に基づいて、本発明に係る車輌用室内照明灯10の実施例4を説明する。
実施例4のスイッチ40は、実施例3と同様スライドスイッチである(図11(A)直線矢印参照)。意匠部20と機能部30とが組み付けられると、スイッチノブ41とスイッチ基体43と第1コネクタ42とは連動して左右方向に移動自在と成る。実施例4では、実施例2と同様、第1コネクタ42はスイッチ基体43と一体的に形成されている。その他の部品構成は実施例2と同様であるため省略する。
【0048】
図11(B)はスイッチ40がON状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第1コネクタ端子50Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図11(B)(1)が図9(A)(2)に、図11(B)(2)が図9(A)(3)に、それぞれ対応している。
【0049】
図11(C)はスイッチ40がOFF状態であることを示している。すなわち、第1端子33Sと第3コネクタ端子51Sとが電気的に接続し、第2端子33Tと第2コネクタ端子50Tとが電気的に接続している。図面の対応関係を説明すると、図11(C)(1)が図9(B)(2)に、図11(C)(2)が図9(B)(3)に、それぞれ対応している。
【0050】
<本発明のまとめ>
以上に説明した車輌用室内照明灯10では、意匠部20にレンズ21が係合固定されると共にスイッチノブ41が駆動自在に取り付けられ、機能部30に光源32を実装した回路基板31が係合固定されると共にスイッチ基体43が駆動自在に取り付けられている。また、回路基板31の側部に固定され垂下した複数の端子33S、33Tと、機能部30の側部に配置された第1コネクタ42に固定された複数のコネクタ端子50S、50T、51Sと、が選択的に電気接続されてスイッチ40の切換を行っている。
【0051】
この構成により、レンズ21とスイッチノブ41は意匠部20側に、スイッチ基体43と回路基板31と第1コネクタ42は機能部30側に、それぞれ配置することができ、組み付け作業が極めて楽であり部品点数も少なくて済む。また、スイッチノブ41とスイッチ基体43と端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sを回路基板31の側部に配置して回路基板31の係合固定位置と離間させることにより、回路基板31に実装された光源32とレンズ21を近接させることができ、優れた室内照明を確保することができる。
【0052】
また、端子33S、33Tおよびコネクタ端子50S、50T、51Sがスイッチ40に付随する電気接続部品の役目を成すため、新たに市販のスイッチを設ける必要も無くコストパフォーマンスに優れた車輌用室内照明灯10を提供できる。
【0053】
また、スイッチ基体43と第1コネクタ42とを一体形成させることにより、部品点数が簡素化されコストダウンも図れる。
【0054】
更に、スイッチ基体43の底部に複数のコンタクト44S、44Tが固定されることにより、端子33S、33Tとコネクタ端子50S、50T、51Sとがコンタクト44S、44Tを介して電気的かつ選択的に接続されている。この構成によれば、スイッチ40の切換はコンタクト44S、44Tで行うため、実施形態で説明した端子33S、33Tやコネクタ端子50S、50T、51Sの数を自由に選択できる。
【0055】
そして、スイッチノブ41は意匠部20に対して、また、スイッチ基体43は機能部に30に対して、それぞれが同時に回動自在または水平方向に移動自在に取り付けられることにより、スイッチ40の切換手段を種々変更することができる。
第1コネクタ42や第2コネクタ42S等、幾つかの構成部品に対して第1や第2を用いたが、その逆であっても特に限定されるものではない。
2つの端子33S、33T、2つのコンタクト44S、44T、3つのコネクタ端子50S、50T、51Sについて上述したが、本発明と同様な効果、目的が達成できればこれら電気接続部品の数および並び方には限定されない。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0056】
10:車輌用室内照明灯
20:意匠部
21:レンズ
21A:開口部
22:貫通口
30:機能部
31:回路基板
32:光源
33S:第1端子
33T:第2端子
35:挿通口
40:スイッチ
41:スイッチノブ
42:第1コネクタ
42S:第2コネクタ
43:スイッチ基体
44S:第1コンタクト
44T:第2コンタクト
50S:第1コネクタ端子
50T:第2コネクタ端子
51S:第3コネクタ端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠部と機能部から成る車両用室内照明灯であって、
前記意匠部に係合固定されるレンズと、
前記機能部に係合固定される回路基板と、
前記レンズに近接して前記回路基板に実装される光源と、前記回路基板の側部に垂下して実装される複数の端子と、
前記機能部の側部に配置されるコネクタと、前記コネクタに固定される複数のコネクタ端子と、
スイッチノブとスイッチ基体から成るスイッチと、を備え、
前記スイッチノブは前記意匠部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチノブと前記スイッチ基体が連動することにより前記端子と前記コネクタ端子の選択的な電気接続が行われ、光源のON・OFF等を行うことを特徴とする車両用室内照明灯。
【請求項2】
前記スイッチ基体と前記コネクタとが一体的に形成され、前記スイッチノブと前記スイッチ基体と前記コネクタとが連動することを特徴とする請求項1記載の車両用室内照明灯。
【請求項3】
前記スイッチ基体の底部には複数のコンタクトが固定され、前記端子と前記コネクタ端子とが前記コンタクトを介して電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載の車両用室内照明灯。
【請求項4】
前記スイッチノブは前記意匠部に回動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に回動自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用室内照明灯。
【請求項5】
前記スイッチノブは前記意匠部に水平方向に移動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に水平方向に移動自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用室内照明灯。
【請求項1】
意匠部と機能部から成る車両用室内照明灯であって、
前記意匠部に係合固定されるレンズと、
前記機能部に係合固定される回路基板と、
前記レンズに近接して前記回路基板に実装される光源と、前記回路基板の側部に垂下して実装される複数の端子と、
前記機能部の側部に配置されるコネクタと、前記コネクタに固定される複数のコネクタ端子と、
スイッチノブとスイッチ基体から成るスイッチと、を備え、
前記スイッチノブは前記意匠部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部の側部に駆動自在に取り付けられ、前記スイッチノブと前記スイッチ基体が連動することにより前記端子と前記コネクタ端子の選択的な電気接続が行われ、光源のON・OFF等を行うことを特徴とする車両用室内照明灯。
【請求項2】
前記スイッチ基体と前記コネクタとが一体的に形成され、前記スイッチノブと前記スイッチ基体と前記コネクタとが連動することを特徴とする請求項1記載の車両用室内照明灯。
【請求項3】
前記スイッチ基体の底部には複数のコンタクトが固定され、前記端子と前記コネクタ端子とが前記コンタクトを介して電気的に接続されたことを特徴とする請求項1記載の車両用室内照明灯。
【請求項4】
前記スイッチノブは前記意匠部に回動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に回動自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用室内照明灯。
【請求項5】
前記スイッチノブは前記意匠部に水平方向に移動自在に取り付けられ、前記スイッチ基体は前記機能部に水平方向に移動自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用室内照明灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−166759(P2012−166759A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31188(P2011−31188)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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