説明

車輛阻止アングル。

【課題】 本発明は、専ら所轄官庁等で、規制された建造物、敷地内等へ係官等の禁止、制止等を無視し、不法に侵入強行突破を謀る車輛を強制物理的に確実に阻止できることを目的とし、課題とするものである。
【解決手段】 本件発明の車輛阻止アングル体を無視し、強行突破を謀る不法車輛はV字状と成った主軸体と該主軸体に溶着されたX字状の各々の刃羽根部材によって前進或いは後進も不可能となり即ち、該車輛の車輪、タイヤ、ブレーキドラム、ハンドル連動シャフト等を使用不能とし、ハンドル操作を不可能とすることを、本発明の阻止アングルによる絡み付き抱き込み機構によって不法侵入車輛の進行阻止を確実に実施できることを手段とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は専ら所轄官庁(警察)等で用いられる規制を無視して不法に侵入強行突破を謀る車輛を強制物理的に阻止するアングル体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特定の建築物、敷地等の出入り口(門)に設置して警察官等の職権による進入の禁止、制止等を無視して強行に突入する車輛を強制的に阻止するアングル体であって、本件出願人が実公昭56−9690号等で開示した「車両阻止架」で提供され現今極めて効果的に実用に供されていることは周知である。
従来、本アングル体は、不法侵入車輛のタイヤをパンクさせて更に該当車輛のバンパーの下部位等にX状部材が喰い込んで車輛の進行を不可能とする決定的な効果を有している。
然し乍ら、近年車輛のタイヤ体は、従来のタイヤ体のようにチューブに空気を充満させてタイヤの内側に挿入させた構成とは相違し、タイヤ体の内側に多数枚の化学繊維とスチール線を重層状に圧縮して形成されているため従来のタイヤ体とは比較にならない強度を有し容易にパンク或いはバースト(タイヤが裂ける)しないことは周知である。
又、近年製造されている高馬力の四駆動車輛等にあっては、車高であり車輛の前面部等が特に強化されている該車輛の下部等を形成している車用圧延鋼板も飛躍的に良質化している現況にあり従って該阻止架を乗り越える危惧を有する。
【特許文献1】特開平11−141139号公報
【特許文献2】実公昭56−009690号公報
【特許文献3】実開昭62−138713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記の実状に基づいてなされたもので車輛の性能が向上し不法侵入車輛の阻止が不安定となる課題を有する。
向後において、車輛の性能が如何に向上しても確実に不法侵入を物理的に阻止できることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
各種の車輛が運行する場合、前輪、後輪等が回転し、前進、後退、等の結果目的地へ進行することは周知である。
本件の発明は、長手方向の至端部及び中央部へX字形状の刃羽根状部材を溶着して成るアングル体を車輛のタイヤ体、車軸、ブレーキシャフト等の車体の下部位の物品に対し本件アングル体全体を伴って絡み付く状態を現出するものである。即ち、外力により押圧されると、軟弱性特殊鋼材或いは、形状記憶合金を用いた主軸体が内側方向へV字形状に曲折しX字形状の刃羽根部材の各端部が押力に比例してタイヤ体等車輛前輪部等に深く喰い込み、抱き込むのである。
上記の結果、車輛の前底部、前輪部等に楔状に絡み付いた場合、車輛の運転席でハンドル操作を行っても車輛は運転者の自由には成らず、該車輛はアクセルすると同一場所で回動するのみであり、前進もできず目的の場所に到達できないのは数年に亘る研究、実験の結果明白である。
【0005】
次に本件車輛阻止アングル体の主軸の長手方向至端部の任意の位置に外圧によって移動したことを周囲に伝達できる警報器を止着し、該警報によって係員等の出動を要請するものである。
更に、上記アングル体の主軸の長手方向の任意の部位に伸縮自在とするの把手棒の止着具を着脱自在に取着し移行の便に供するものである。
【発明の効果】
【0006】
上述のように構成したことによって、本発明は従前の車輛阻止アングルと相違し如何なる車輛にあっても前輪、タイヤ、ブレーキ部材、ハンドル連動シャフト等を有する車輛の場合は本件アングル体によって物理的に進入を確実に阻止できるものであって、アングル体の主軸の任意の部位に止着した警報器によって不法侵入車輛の発見を広報できる機構を有し更に該主軸の任意の部位に着脱自在に止着した、移動用把手棒によって容易に移行を可能ならしめた従来例に存しない極めて絶大な効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の「車輛阻止アングル」の斜視図であり、(1)に示す主軸体を中空四角形状に溶着する該長尺の部材を軟弱性鋼材又は一方からの衝撃によって他方へ容易に曲折する長尺の形状記憶鋼材を四角状に溶着して形成する該主軸体(1)の長手方向の至端部及び中央部へL字形状の各先端部を鋭角刃状とした2本の鋼材をX字形状の刃羽根状部材(2)を溶着して形成する該部材(2)を主軸体(1)に溶着してアングル体(3)を形成する。
次にアングル体(3)の横方向の移動を容易とするためX字形状部材(2)の下端部へキャスター台(4)を溶着し、該キャスターの両端部へ複数個のストッパーを取着したキャスターを螺止する。
次にアングル体(3)を横列にするための移動環(5)を主軸体(1)の至端部の封止部へ嵌装し、伸展できる形態とする。
次に主軸体(1)の任意の位置へアングル体(3)の異変を広報するための警報器(6)を止着する。更に該主軸体(1)の任意の部位の指示標識灯の止着具(7)へ着脱自在として螺着して更に上記主軸体(1)の至端部の任意の部位へ移動用把手用止着具(8)を螺止する。次に危険を防止するためX字形状の刃羽根状部材(2)の各先端部の鋭頭刃部位へ覆い(カバー)(9)を取着する。又アングル体(3)全体に防錆工作を施して彩色し構成したものである。
【実施例】
【0008】
上述のように構成した本件発明の車輛阻止アングル体を無視し、強行突破を謀る不法車輛は上記V字状と成った主軸体を該主軸体に溶着されたX字状の各々の刃羽根部材に仍って前進或いは後進も不可能となり、即ち足を取られた状態となり、現場でアクセルを強踏しても該車輛は空転回動する事態を回避できないものである。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本件出願人は長年に亙って保安用機械、器具を研究、開発、製造販売を専業とする当業者である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 本件「車輛阻止アングル」の全容を表した説明のための斜視図である。
【図2】 本件「車輛阻止アングル」の主軸体に付設した物品を表した説明図である。
【符号の説明】
1…主軸体
2…X字形状の部材、刃羽根体
3…アングル体
4…キャスター台板
5…移動環(連結環)
6…警報器
7…指示標識灯の止着具
8…移動用把手取着具
9…X字形状部材の覆(カバー)
10…移動用把手。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空四角形状の主軸へ長手方向の至端部及び中央部にL字形状の刃羽根部材をX字形状に溶着して構成した車輛侵入阻止用アングル体において、
上記四角形状の主軸を形成する各鋼板が外圧によって容易にV字形状にX字形状の刃羽板部材を伴って曲折する軟弱性鋼材である車輛阻止アングル。
【請求項2】
上記アングル体に警報器を止着した請求項1に記載の車輛阻止アングル。
【請求項3】
上記アングル体に移動用把手機構を取着した請求項1に記載の車輛阻止アングル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−169678(P2008−169678A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26120(P2007−26120)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(591074910)ノーベル工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】