説明

軟焦点を有する輝きを示すタウレート配合有色素化粧品組成物

架橋されたシリコーンエラストマーと、300nm未満の平均粒子サイズの酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムと、及び約10,000から約30,000nmまでの平均粒子サイズを有するプレートレット形状粒子の光反射性無機材料とを、化粧品として許容される担体系中に含む、化粧品組成物が提供される。該組成物は、皮膚の外観を改善する軟焦点及び輝度特性を達成する。自然な皮膚の外観を保持しながら、毛穴及び不均一な皮膚の色合いなどの欠陥に対する良好な被覆が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、自然な皮膚の外観を保持しながら、毛穴及び不均一な肌の色合いなどの欠陥を良好に被覆するために、皮膚の外観を改善するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー化粧品の使用者に対して、つや消し効果が望まれている。つや消し仕上げは、特に暑くて湿度の高い条件下で、脂っぽい皮膚によって生じる光沢効果に打ち勝つ。タルク、シリカ、カオリン及び他の無機粒状物などの吸収性充填剤が、これらの光学特性による効果を達成するために使用されてきた。
【0003】
不完全な皮膚は、光透過率の操作を通じて、2つの方法で隠すことができる。第一に、カラー化粧品の成分は、単に、光源の方向に光を反射して戻すことができる。別のアプローチは、軟焦点効果を達成すると称される。ここで、入射光は、散乱(レンズ効果)によって曲げられる。この機構におけるカラー化粧品の成分は、光を様々な方向に屈曲し、捻じ曲げるためのレンズとして作用する。
【0004】
つや消し効果を通じて不完全な皮膚を隠すことが望ましい一方で、健康な皮膚の輝きを達成することも望まれている。化粧品による不透明すぎる被覆は、塗料のようなコーティングの下に皮膚を隠す。不完全さは隠されるが、輝きは全く存在しない。光の透過が不十分に妨害される場合には、逆のことが起こる。この場合、輝きは、健康的であるが美的には不快な皮膚形状であり得、ここでは色が明白であり得る。
【0005】
米国特許第5,997,890号(Sine et al.)、米国特許第5,972,359号(Sinet et al.)、及び米国特許第6,174,533号B1(SaNogueira,Jr.)は全て、皮膚の不完全さを適切に被覆するための局所組成物に関する。これらの文献によって提案された解決策は、少なくとも約2の屈折率と約100nmから約300nmまでの純一次粒子サイズ(neat primary particle size)を有する金属酸化物の使用である。好ましい粒状物は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム及び酸化亜鉛である。
【0006】
架橋された有機ポリシロキサンエラストマーなどのシリコーンゲル化剤は、肌の触り心地特性が優れているために、メークアップ組成物において有用であることが見出されている。例えば、米国特許第5,266,321号(Shukuzaki et al.)は、シリコーンゲル架橋されたエラストマー、二酸化チタン、雲母及び酸化鉄から構成された油性メークアップ組成物を開示する。日本国特許出願61−194009号(Harashima)は、タルク、二酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択され得る硬化された有機ポリシロキサンエラストマー粉末及び色素を含むメークアップ組成物を記載する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
公知の技術によって完全には解決されていない課題は、優れた皮膚感触を依然として与える系の中で、軟焦点と輝き特性をともに達成するために、適切な光学を有する組成物をもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
(i)架橋されたシリコーンエラストマーと;
(ii)300nm未満の平均粒子サイズの酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムと;
(iii)タウレートポリマーと;及び
(iv)化粧品として許容される担体系と;
を含む化粧品組成物が提供される。
【0009】
発明の詳細な説明
架橋されたシリコーンエラストマーとともに懸濁された、微粒子サイズの酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムの組み合わせによって、輝きを伴う軟焦点効果が得られることが本発明において観察された。酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムは、300nm未満の平均粒子サイズを有しなければならない。エラストマー又は酸化物が存在しないと、不十分な軟焦点効果となり得る。反射率/輝度が過剰に失われるため、酸化物のみでは不十分である。
【0010】
架橋されたシリコーンエラストマー
本発明の成分は、架橋されたシリコーン(有機ポリシロキサン)エラストマーである。架橋されたシリコーンエラストマーに対する出発材料として機能することができる硬化性有機ポリシロキサン組成物の種類について、具体的な制限は全く存在しない。この点における例は、ケイ素によって結合されたビニル基を有する含SiH二有機ポリシロキサン及び有機ポリシロキサン間での付加反応による白金金属触媒下で硬化する付加反応硬化性有機ポリシロキサン組成物;ヒドロキシルで終わる二有機ポリシロキサン及び含SiH二有機ポリシロキサン間の脱水素反応によって、有機スズ化合物の存在下で硬化する縮合硬化性有機ポリシロキサン組成物;ヒドロキシルで終わる二有機ポリシロキサンと加水分解可能な有機シラン間の縮合反応(この縮合反応は、脱水、アルコール遊離、オキシム遊離、アミン遊離、アミド遊離、カルボキシル遊離及びケトン遊離反応によって例示される。)によって、有機スズ化合物又はチタン酸エステルの存在下で硬化する縮合硬化性有機ポリシロキサン組成物;有機過酸化物触媒の存在下で熱的に硬化する過酸化物硬化性有機ポリシロキサン組成物;並びにγ線、紫外線照射又は電子ビームなどの高エネルギー照射によって硬化される有機ポリシロキサン組成物である。
【0011】
付加反応硬化性有機ポリシロキサン組成物は、硬化速度が早く、且つ硬化の均一性が優れているために好ましい。特に好ましい付加反応硬化性有機ポリシロキサン組成物は、
(A)各分子中に少なくとも2個の低級アルケニル基を有する有機ポリシロキサン;
(B)各分子中にケイ素結合された少なくとも2個の水素原子を有する有機ポリシロキサン;及び
(C)白金タイプの触媒から調製される。
【0012】
本発明の架橋されたシロキサンエラストマーは、乳化性若しくは非乳化性の架橋された有機ポリシロキサンエラストマー又はそれらの組み合わせのうち何れでもあり得る。本明細書において使用される「非乳化性」という用語は、ポリオキシアルキレン単位が存在しない架橋された有機ポリシロキサンエラストマーを定義する。本明細書において使用される「乳化性」という用語は、少なくとも一つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)単位を有する架橋された有機ポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0013】
特に有用な乳化性エラストマーは、ジビニル化合物から形成される、ポリオキシアルキレンによって修飾されたエラストマーであり、特に、ポリシロキサン骨格上のSi−H結合と反応する、少なくとも2つの遊離ビニル基を有するシロキサンポリマーである。好ましくは、前記エラストマーは、分子的に球形のMQ樹脂上のSi−H部位によって架橋されたジメチルポリシロキサンである。
【0014】
好ましいシリコーンエラストマーは、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー及びポリシリコーン−11のINCI名で入手できる有機ポリシロキサン組成物である。通常、これらの材料は、ジメチコン液(通常、シクロメチコン)中に溶解又は懸濁された、1−30%の架橋されたシリコーンエラストマーとして提供される。「架橋されたシリコーンエラストマー」という定義は、溶媒(例えば、ジメチコン)担体も含む完全な市販組成物ではなく、エラストマーのみを表す。
【0015】
ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー及びジメチコンクロスポリマーは、Dow Corning(9040、9041、9045、9506及び9509)、General Electric(SFE839)、Shin Etsu(KSG−15、16、18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー]及びGrant Industries(GransilTM系列の材料)、及びShin Etsuによって供給されるラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(例えば、KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43及びKSG−44)などの様々な供給者から入手可能である。
【0016】
他の適切な市販のシリコーンエラストマー粉末には、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104、 KSP−105として売られている、Shin−Etsuから得られるビニルジメチコン/メチコンシレスキオキサンクロスポリマー、並びに、それぞれKSP−200及びKSP−300としてShin−Etsuによって売られている、フルオロアルキル基又はフェニル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末が含まれる。
【0017】
本発明の架橋されたシリコーンエラストマーは、化粧品組成物の重量に対して、約0.01から約30%まで、好ましくは約0.1から約10%まで、最適には約0.5から約2%の濃度の範囲を変動し得る。これらの重量値には、Dow Corningの製品9040及び9045などの市販の「エラストマー」シリコーン中に見出されるシクロメチコンなどの任意の溶媒は含まれない。例えば、9045及び9045中の架橋されたシリコーンエラストマーの量は、12ないし13重量%である。
【0018】
シリコーンエラストマーとして最も好ましいのは、平均約38ミクロンであり、約25から約55ミクロンまで変動し得る、D5シクロメチコン膨潤されたエラストマー粒子サイズ(体積に基づいて、球形粒子として計算される。)を有する9045である。
【0019】
微粉末化された酸化亜鉛又は酸化ジルコニウム
本発明の第二の重要な成分は、300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは100nm及び最適には85nm未満の平均(数)粒子サイズを有する微粉末化された酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムの成分である。一般的には、粒子サイズは、約0.01から約280nmまで、より好ましくは約1から約200nmまで、さらに好ましくは10から95nmまで、最適には25から75nmまでの範囲であり得る。
【0020】
酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムに対する平均粒子サイズは球形を仮定しており、多くの粒子に対して平均化された粒子の直径として定義される。平均値は、数平均である。酸化亜鉛などの球形粒子の場合、粒子の個別のサイズを測定し、粒子サイズ分布プロットを作成するためにレーザー光散乱が使用され、分布プロットに基づいて、平均粒子サイズを測定することが可能である。より数学的な用語では、平均粒子サイズは、t−プロット法(20オングストローム未満のミクロ細孔の比表面積を除く、変換された粒子サイズ)によって決定されたメソ細孔比表面積から変換される直径である。詳しく述べると、平均粒子サイズD(粒子を球形と仮定)は、以下の式: D=6/pS (S(m/g)は、メソ細孔比表面積を表し、p(g/cm)は密度である。)によって得ることが可能である。
【0021】
前記酸化物の量は、化粧品組成物の重量に対して、約0.1から約20%まで、好ましくは約0.5から約10%まで、最適には約1から約5%までの範囲であり得る。
【0022】
酸化亜鉛及び酸化ジルコニウム粒子は皮膚に塗布されるので、これらは、有毒な微量金属莢雑物を含まないことが望ましい。特に好ましい酸化亜鉛は、鉛(20ppm未満)、砒素(3ppm未満)、カドミウム(15ppm未満)及び水銀(1ppm)の微量濃度を有する。この材料は、Z−Cote HP1の商標でBASF Corporationから市販されている。これらの粒子は、有機エステル基剤中に懸濁された5ないし80%w/wのプレミックスとして前記処方に最適に送達される。
【0023】
本発明の酸化亜鉛又は酸化ジルコニウム粒子は、実質的に球形の形状であるのが有利であるが、必ずしも実質的に球形の形状である必要はない。これらの粒子の反射率は、好ましくは約1.8から約2.3までの範囲を変動し得る。反射率の測定は、「J. A. Dean, Ed., Lange’s Handbook of Chemistry,14th Ed., McGraw Hill, New York 1992, Section 9, Refractometry」(参照により、本明細書に組み込まれる。)に記載されている方法に従って実施することが可能である。
【0024】
タウレートポリマー
本発明のさらなる重要な成分は、会合性ポリマーであり得る。特に好ましいのは、タウレート単独重合体及び共重合体である。タウレート反復モノマー単位がアクリロイルジメチルタウレート(遊離酸又は塩形態の何れでもよい。)である場合に、該共重合体は特に有用である。タウレートと共重合体を形成するモノマーには、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、イソプレン、ビニルアルコール、ビニルメチルエーテル、クロロスチレン、ジアルキルアミノ−スチレン、マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及びそれらの混合物が含まれ得る。「酸」という用語が出現する場合には、該用語は、遊離酸のみならず、C−C30アルキルエステル、無水物及びそれらの塩も意味する。好ましくは、該塩は、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩とすることができるが、これらに限定されるものではない。最も好ましいのは、アンモニウム及びアルカノールアンモニウム塩である。
【0025】
適切なタウレートポリマーの例は、下表に列記されているものである。
【0026】
【表1】

【0027】
共重合体として最も好ましいのは、以下の一般式;
【0028】
【化1】

(n及びmは、独立に1から10,000までを変動し得る整数である。)
を有し、Aristoflex(R) AVCの商標でClariant Corporationによって供給される材料に対する、アクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン共重合体(INCI命名法である。)である。
【0029】
本発明のタウレートポリマーの数平均分子量は、約1,000から約3,000,000まで、好ましくは約3,000から約100,000まで、最適には約10,000から約80,000までの範囲であり得る。
【0030】
タウレートポリマーの量は、組成物の重量に対して、約0.001から約10%まで、好ましくは約0.01から約8%まで、より好ましくは約0.1から約5%まで、最適には約0.2%から約1%までの範囲であり得る。
【0031】
必要に応じて使用される粒子
本発明に係る組成物の別の望ましい成分は、光反射性プレートレット形状粒子の成分である。これらの粒子は、約10,000から約30,000までにわたる平均粒子サイズD50を有する。これらの粒子の反射率は、少なくとも約1.8であることが好ましく、一般的には約1.9から約4まで、より好ましくは約2から約3まで、最適には約2.5と2.8の間である。
【0032】
光反射性粒子の具体的な非限定例は、オキシ塩化ビスマス(単結晶プレートレット)及び二酸化チタンでコートされた雲母である。適切なオキシ塩化ビスマス結晶は、Biron(R) NLY−L−2X CO及びBiron(R) Silver CO(プレートレットがひまし油の中に分散されている。);Biron(R) Liquid Silver(粒子がステアリン酸エステル中に分散されている。);並びにNailsyn(R) IGO、Nailsyn(R) II C2X及びNailsyn(R) II Platinum 25(プレートレットがニトロセルロース中に分散されている。)の商標で、EM Industries, Inc.から入手できる。最も好ましいのは、Biron(R) Liquid Silverなどのオキシ塩化ビスマスがC−C40アルキルエステル中に分散されている系である。
【0033】
二酸化チタンでコートされた適切な雲母プレートレットには、EM Industries, Inc.から入手できる材料がある。これらには、Timiron(R) MP−10(粒子サイズ範囲10,000−30,000nm)、Timiron(R) MP−14(粒子サイズ範囲5,000−30,000nm)、Timiron(R) MP−30(粒子サイズ範囲2,000−20,000nm)、Timiron(R) MP−101(粒子サイズ範囲5,000−45,000nm)、Timiron(R) MP−111(粒子サイズ範囲5,000−40,000nm)、Timiron(R) MP−1001(粒子サイズ範囲5,000−20,000nm)、Timiron(R) MP−155(粒子サイズ範囲10,000−40,000nm)、Timiron(R) MP−175(粒子サイズ範囲10,000−40,000nm)、Timiron(R) MP−115(粒子サイズ範囲10,000−40,000nm)及びTimiron(R) MP−127(粒子サイズ範囲10,000−40,000nm)が含まれる。最も好ましいのは、Timiron(R) MP−111である。雲母プレートレットに対する二酸化チタンコーティングの重量比は、重量比で、約1:10から約5:1まで、好ましくは約1:1から約1:6まで、より好ましくは約1:3から約1:4までの範囲を変動し得る。好ましい組成物は、一般に、雲母をコーティングするために必要とされる二酸化チタンの外側には二酸化チタンが実質的に存在しないのが有利であろう。
【0034】
二酸化チタン以外の雲母用コーティングも適切であり得る。シリカコーティングは、このような代替物である。
【0035】
光反射性プレートレット形状粒子の量は、組成物の重量に対して、約0.1から約5%、好ましくは約0.5から約3%、より好ましくは約0.8から約2%、最適には約1%から約1.5%の範囲であり得る。
【0036】
本発明の組成物は、14万から17万ワット−nm/cmまでを変動する、30°の角度で測定された反射強度を有利に有し得る。光透過強度は、0°の角度で、400万から700万ワット−nm/cmまで有利に変動する;10°の角度で100万から200万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度;30°の角度で12万から14万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度;40°の角度で6万から8万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度;および50°の角度で4万か6万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度を有利に変動する。
【0037】
光反射性プレートレット形状粒子に対する酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムの重量比は、重量に対して、約4:1から約1:1まで、好ましくは約3:1から約1.5:1までの範囲を有利に変動することができ、最適には約2:1である。好ましいが、限定的ではない例では、光反射性プレートレット形状粒子に対するシリコーンエラストマー及び酸化物粒子の量は、重量に対して、約10:1から約1:1まで、好ましくは約6:1から約1:1まで、さらに好ましくは約5:1から約3:1まで、最適には約4:1の比で存在し得る。
【0038】
本発明の組成物は、コートされていない雲母を有利に含み得る。これらの雲母粒子もプレートレットであり得るが、上記コートされた雲母より薄く且つ小さい粒子サイズのプレートレットとすることができる。特に好ましいのは、Merck−Ronaから入手できるSatin Micaである。これらは、光散乱プレートレットによって付与される任意の過剰な輝きを除去するために有用である。コートされていない雲母の粒子サイズは、有利に、15,000nm以下であり、1,000から10,000nm、好ましくは5,000から8,000nmまでの平均(体積)粒子サイズである。
【0039】
コートされていない雲母の量は、組成物の重量に対して、約0.05から約2%まで、好ましくは約0.1から約1.5%まで、最適には約0.4から約0.8%までの範囲であり得る。
【0040】
ポリマー性多孔性球形粒子の形態の非水溶性有機材料も有利に存在し得る。「多孔性」という用語は、開放又は閉鎖されたセル構造を意味する。好ましくは、前記粒子は、中空のビーズではない。平均粒子サイズは、約0.1から約100まで、好ましくは約1から約50まで、さらに好ましくは5より大きく、特に5から約15まで、最適には約6から約10μmの範囲であり得る。有機重合体又は共重合体は好ましい材料であり、アクリル酸及びメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エチレン、プロピレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、マレイン酸、ビニルピロリドン、スチレン、ブタジエン及びこれらの混合物の酸、塩又はエステル型などの単量体から形成され得る。重合体は、架橋された形態であるのが特に有用である。多孔性粒子のセルは、空気、窒素又は炭化水素であり得る気体によって充填され得る。油吸収度(ひまし油)は、多孔性の指標であり、好ましいが、限定的ではない実施形態において、約90から約500まで、好ましくは約100から約200まで、最適には約120から約180mL/100グラムまでを変動し得る。好ましいが、非限定的な実施形態における粒子の密度は、約0.08から0.55まで、好ましくは約0.15から0.48g/cmまでを変動し得る。
【0041】
多孔性ポリマーの具体例には、ポリメタクリル酸メチル及び架橋されたポリスチレンが含まれる。最も好ましいのは、Presperse, Inc., Piscataway, New Jerseyから入手できるGanzpearl(R) GMP 820として入手できるポリメタクリル酸メチルであり、メタクリル酸メチルクロスポリマーのINCI名でも知られている。
【0042】
非水溶性ポリマー性多孔性粒子の量は、組成物の重量に対して、約0.01から約10まで、好ましくは約0.1から約5%まで、最適には約0.3から約2%までを変動し得る。
【0043】
担体系及び必要に応じて使用される成分
結晶性構造化剤(structurant)は、本発明の組成物中に有利に存在し得る。構造化剤には、界面活性剤と補助界面活性剤(co−surfactant)の両方が含まれ得る。界面活性剤と補助界面活性剤の性質は、結晶性構造化剤が陰イオン性又は非イオン性であるかどうかに依存するであろう。陰イオン性である構造化剤の場合には、好ましい構造化剤は、C10−C22脂肪酸及びそれらの塩(すなわち、石鹸)並びに特にこれらの材料の組み合わせである。脂肪酸塩を形成する典型的な対イオンは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、トリアルカノールアンモニウム(例えば、トリエタノールアンモニウム)及びそれらの組み合わせの対イオンである。両方が存在する場合には、脂肪酸塩に対する脂肪酸の量は、重量比で、約100:1から約1:100まで、好ましくは約50:1から約1:50まで、及び最適には約3:1から約1:3まで変動し得る。具体的な脂肪酸には、ベヘン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸、リノール酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸及びそれらの組み合わせが含まれる。最も好ましいのは、ステアリン酸である。脂肪酸塩の中で最も好ましいのは、ステアリン酸ナトリウムである。
【0044】
陰イオンの結晶性構造化剤に対する補助界面活性剤は、典型的には、C1022の脂肪アルコール、C10−C22脂肪酸のC−C200エステル及び特にこれらの材料の組み合わせである。両方が存在する場合には、アルコールに対するエステルの相対量は、重量比で、約100:1から約1:100まで、好ましくは約50:1から約1:50まで、及び最適には約3:1から約1:3までの範囲であり得る。典型的な脂肪アルコールには、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール及びこれらの組み合わせが含まれる。脂肪酸のエステルは、好ましくは、C−Cアルコキシル化されたアルコールエステルなどのポリオールエステルである。これらに含まれるのは、ポリエトキシ、ポリプロポキシ及びブロック ポリエトキシ/ポリプロポキシアルコールエステルである。特に好ましいのは、ステアリン酸PEG−100、ステアリン酸PEG−20、ラウリン酸PEG−80、ラウリン酸PEG−20、パルミチン酸PEG−100、パルミチン酸PEG−20及びこれらの組み合わせなどのエステルである。
【0045】
陰イオン性構造化剤に対する界面活性剤及び補助界面活性剤の相対量は、重量比で、約50:1から約1:50まで、好ましくは約10:1から約1:10まで、及び最適には約3:1から約1:3までの範囲であり得る。
【0046】
非イオン性タイプの結晶性構造化剤は、陰イオン系に対するものとは異なる界面活性剤及び補助界面活性剤を有する。好ましい非イオン性構造化剤界面活性剤は、C10−C22脂肪酸のC−C200である。脂肪酸のエステルは、好ましくは、C−Cアルコキシル化されたアルコール又はソルビトールエステルなどのポリオールエステルである。これらに含まれるのは、ポリエトキシ、ポリプロポキシ及びブロック ポリエトキシ/ポリプロポキシアルコールエステルである。特に好ましいのは、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ステアリン酸PEG−100、ステアリン酸PEG−20、ラウリン酸PEG−80、ラウリン酸PEG−20、パルミチン酸PEG−100、パルミチン酸PEG−20及びこれらの組み合わせなどのエステルである。
【0047】
非イオン性構造化剤の補助界面活性剤は、典型的には、C10−C22脂肪アルコール、C10−C22脂肪酸のグリセリルエステル及びエステル化されていないC10−C22脂肪酸の組み合わせであり得る。アルコールに対するエステルの相対量は、重量比で、約100:1から約1:100まで、好ましくは約50:1から約1:50まで、及び最適には約3:1から約1:3までの範囲であり得る。エステル化されていない脂肪酸に対するグリセリルエステル及び脂肪アルコールの組み合わせの相対量は、重量比で、約100:1から約1:100まで、好ましくは約50:1から約1:50まで、及び最適には約3:1から約1:3までの範囲であり得る。典型的な脂肪アルコールには、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0048】
非イオン性構造化剤における界面活性剤及び補助界面活性剤の相対量は、重量比で、約50:1から約1:50まで、好ましくは約10:1から約1:10まで、及び最適には約3:1から約1:3までの範囲であり得る。
【0049】
結晶性構造化剤は、界面活性剤と補助界面活性剤によって形成される。実際上、材料の相対比及び種類における界面活性剤と補助界面活性剤の組み合わせは、示差走査熱量計によって測定された、約2から約15まで、好ましくは約2.5から約12まで、及び最適には約3.5から約8ジュール/グラムまでの範囲であり得るエンタルピーによって定義される。さらに、結晶性構造化剤系は、有利には、約30から約70℃、好ましくは約45から約65℃、最適には約50から約60℃までの範囲の融点を有し得る。
【0050】
正の数である垂直抗力は、製剤の絹のように滑らかな皮膚触感を反映する。負の値は、多くの消費者が嫌う精彩を欠く触感を有すると同定されている。垂直抗力は、以下のように測定される。高剪断垂直抗力を測定するために、剪断速度モード機能と垂直抗力変換機を有する流量計が使用される。これらの装置は、 Rheometric Scientific ARES、TA Instruments AR2000及びPaar Physica MCRから入手できる。試料は、直径25mmの同心性平行プレートと100ミクロンの間隙(2つのプレート間の垂直の距離)の間に圧縮される。測定は、1ないし10,000s−1の剪断速度範囲で連続的な対数剪断掃引モードで行われる。各掃引には5分を要し、常温条件(20−25℃)で行われる。垂直抗力は、1000と10,000s−1の間で測定された最高の垂直抗力値からベースライン(100s−1での、又は100s−1付近の垂直抗力の値として定義される。)を差し引くことによって計算される。5グラム、特に10グラム以上の正の垂直抗力は、適用における摩擦時に絹のような感覚を有する製品/材料と相関する。
【0051】
垂直抗力の正の値が高くなるほど、軟焦点効果は向上する。通常、軟焦点は、垂直抗力が約+5から約+100グラムまでの範囲を変動する場合に増強される。特に望ましいのは、約+10から約+60まで、最適には約+25から約+40グラムまでの範囲の正の垂直抗力である。
【0052】
他の様々な成分が、本発明の組成物中に存在し得る。最も重要なのは、担体系中で担体として機能する水である。水の量は、組成物の重量に対して、約1から約90%まで、好ましくは約30から約80%まで、最適には約50から約80%までの範囲であり得る。
【0053】
皮膚軟化剤を、本発明の組成物中に担体として含めることができる。これらは、シリコーン油、合成エステル及び炭化水素の形態であり得る。皮膚軟化剤の量は、組成物の重量に対して、約0.1から約95%まで、好ましくは約1ないし約50%の任意の範囲であり得る。
【0054】
シリコーン油は、揮発性及び不揮発性の種類に分けることができる。本明細書において使用される「揮発性」という用語は、常温(20−25℃)で測定可能な蒸気圧を有する材料を表す。揮発性シリコーン油は、好ましくは、環状(シクロメチコン)又は3から9個まで、好ましくは4から5個までのケイ素原子を含有する直鎖ポリジメチルシロキサンから選択される。
【0055】
皮膚軟化剤の材料として有用な不揮発性シリコーン油には、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサン共重合体が含まれる。本明細書において有用な実質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンには、例えば、25℃で約5×10−6から0.1m/秒の粘度を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。本発明の組成物において有用な好ましい不揮発性皮膚軟化剤には、25℃で約1×10−5から約4×10−4/秒までの粘度を有するポリジメチルシロキサンがある。
【0056】
エステル皮膚軟化剤としては、
10ないし20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニル又はアルキルエステルがある。その例には、ネオペンタン酸イソアラキジル、イソナノン酸イソノニル、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル及びオレイン酸オレイルが含まれる。
【0057】
エトキシル化された脂肪アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル−エステル。
【0058】
多価アルコールエステル。エチレングリコール一及び二脂肪酸エステル、ジエチレングリコール一及び二脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)一及び二脂肪酸エステル、プロピレングリコール一及び二脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリプロピレングリコール2000、モノステアリン酸ポリプロピレングリコール2000、モノステアリン酸エトキシル化プロピレングリコール、グリセリル一及び二脂肪酸エステル、ポリグリセロール多脂肪エステル、モノステアリン酸エトキシル化グリセリル、モノステアリン酸1,3−ブチレングリコール、ジステアリン酸1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、並びにポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、優れた多価アルコールエステルである。特に有用なのは、C−C30アルコールのペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン及びネオペンチルグリコールエステルである。
【0059】
蜜蝋、鯨蝋及びトリベヘニン蝋などの蝋エステル。
【0060】
ステロールエステル、コレステロール脂肪酸エステルがその例である。
【0061】
ポリベヘン酸スクロース及びポリ綿実脂肪酸スクロースなどの脂肪酸の糖エステル。
【0062】
化粧品として許容される適切な担体である炭化水素には、ワセリン、鉱物油、C11−C13イソパラフィン、ポリアルファオレフィン、及び特に、Presperse Inc.からPermethyl 101Aとして市販されているイソヘキサデカンが含まれる。
【0063】
多価アルコール型の保湿剤は、化粧品として許容される担体として使用することができる。典型的な多価アルコールには、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びこれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化されたグリセロール、プロポキシル化されたグリセロール及びこれらの混合物を含む、ポリアルキレングリコール、及びより好ましくはアルキレンポリオール並びにこれらの誘導体が含まれる。保湿剤の量は、組成物の重量に対して、0.5から50%まで、好ましくは1と15%の間の任意の範囲であり得る。最も好ましいのは、グリセロール(グリセリンとしても知られる)である。グリセリンの量は、組成物の重量に対して、約10から約50%まで、好ましくは12から35%まで、最適には15から30%までの範囲であり得る。
【0064】
日焼け止め活性物質も、本発明の組成物中に含めることができる。これらは、290から400nmの範囲の紫外線内を吸収する少なくとも一つの発色団を有する有機化合物であり得る。発色性有機日焼け止め剤は、(具体例として)以下のカテゴリーに分けることができる。p−アミノ安息香酸、その塩及びその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニル酸塩(o−アミノ安息香酸塩;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル及びシクロヘキセニルエステル;サリチル酸塩(オクチル、アミル、フェニル、ベンジル、メンチル、グリセリル及びジプロピレングリコールエステル);桂皮酸誘導体(メチル及びベンジルエステル、α−フェニル桂皮ニトリル;ピルビン酸ブチルシンナモイル);ジヒドロキシ桂皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト−ウンベリフェロン);トリヒドロキシ桂皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン及びグルコシド、エスクリン及びダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザルアセトン及びベンザルアセトフェノン;ナフトールスルフォナート(2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸及び2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩;ジヒドロキシナフトエ酸及びその塩;o−及びp−ヒドロキシビフェニルジスルホナート;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトキサゾール、様々なアリールベンゾチアゾール);キニン塩(重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩及びタンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩、2−フェニルキノリン);ヒドロキシ又はメトキシ置換されたベンゾフェノン;尿酸及びビロ尿酸(vilouric acid);タンニン酸及びその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);ブチルカルビチル)(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン(オキシベンゾン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;及び4−イソプロピル−ジベンゾイルメタン)など。特に有用なのは、p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−アミノ安息香酸オクチルジメチル、トリオレイン酸ジガロイル、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、サリチル酸2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、アントラニル酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸又はアミノ安息香酸塩、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホニオベンズオキサゾン酸(sulfoniobenzoxazoic acid)及びこれらの混合物である。
【0065】
特に好ましいのは、Parsol MCX(R)として入手できるp−メトキシ桂皮酸エチルヘキシル、Parsol 1789(R)として入手できるAvobenzen、及びDermablock OS(R)(オクチルサリチル酸塩)などの材料である。
【0066】
有機日焼け止め剤の量は、組成物の重量に対して、約0.1から約15%まで、好ましくは約0.5から約10%まで、最適には約1から約8%までの範囲であり得る。
【0067】
防腐剤は、有害な可能性がある微生物の増殖から保護するために、本発明の化粧品組成物中に望ましく組み込むことが可能である。本発明の組成物のための適切な伝統的防腐剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。さらに最近になって使用されるようになったその他の防腐剤には、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩及び様々な四級アンモニウム化合物が含まれる。化粧品化学者は、適切な防腐剤について習熟しており、防腐剤付加試験を満たす為に、及び製品の安定性を与えるために、それらを定型的に選択する。特に好ましい防腐剤は、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム及びベンジルアルコールである。組成物の使用及び防腐剤とエマルジョン中の他の成分との間で生じ得る非適合性について考慮して、防腐剤を選択すべきである。防腐剤は、好ましくは、組成物の重量に対して0.01%から2%までの範囲の量で使用される。
【0068】
本発明の組成物は、ビタミンも含有し得る。具体的な水溶性ビタミンは、ナイアシンアミド、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンC及びビオチンである。有用な非水溶性ビタミンとしては、ビタミンA(レチノール)、パルミチン酸ビタミンA、テトライソパルミチン酸アスコルビル、ビタミンE(トコフェロール)、酢酸ビタミンE及びDL−パンテノールがある。本発明の組成物中に存在する場合のビタミンの総量は、組成物の重量に対して、0.001から10%まで、好ましくは0.01%から1%まで、最適には0.1から0.5%までの範囲であり得る。
【0069】
剥離剤(desquamation agent)は、必要に応じて使用されるさらなる成分である。具体例は、α−ヒドロキシカルボン酸及びβ−ヒドロキシカルボン酸並びにこれらの酸の塩である。前者には、グリコール酸、乳酸及びリンゴ酸の塩がある。サリチル酸は、β−ヒドロキシカルボン酸の代表的なものである。これらの材料が存在する場合、その量は、組成物の重量に対して約0.1から約15%までの範囲であり得る。
【0070】
様々な薬草抽出物を、本発明の組成物中に必要に応じて含めることができる。具体例は、ザクロ、シラカバ(ベチュラ・アルバ)、緑茶、カモミール、甘草及びこれらの抽出物の組み合わせである。抽出物は、水溶性又は非水溶性の何れであってもよく、それぞれ、親水性又は疎水性である溶媒に入れて運ばれる。水及びエタノールが好ましい抽出溶媒である。
【0071】
作業例及び比較例を除き、又は反対である旨が明記されている場合を除き、材料の量を表示する本明細書中の全ての数字は、「約」という用語によって修飾されているものと理解すべきである。
【0072】
「含む(comprising)」という用語は、その後に表記されている要素に限定されず、むしろ、大きな又は小さな機能的重要性を有する特定されていない要素を包含することを意味する。換言すれば、列記されている段階、要素又は選択肢が、排他的である必要はない。含む(including)」又は「有する」という用語が使用されている場合には常に、これらの用語は、上記定義の「含む(comprising)」と等価であるものとする。
【0073】
全ての特許、特許公報及び印刷された公報を含む、本明細書に引用されている全ての文献は、本開示において、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
以下の実施例は、本発明の実施形態をさらに完全に説明する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において言及されている全ての部分、パーセント及び割合は、別段の記載がなければ、対重量である。
【実施例1】
【0075】
シリコーンエラストマー、酸化亜鉛及びタウレートポリマーの光学特性寄与を評価するために、一連の製法を調査した。これらは、下表Iに記載されている。
【0076】
【表2】

【0077】
光学的測定
不透過率とは、媒体又はフィルムに対して垂直に照らされた透過光線の強度の減弱の指標である。直接光線の減弱が高くなればなるほど、不透過率は高くなり得る。光線の減弱の原因には、2つある。A)元の光のうち幾らかは、フィルム/媒体から反射して戻される。これにより、フィルム/媒体は、本当に白い/不透明な外観となり、大きな隠蔽力を有する。製剤中に色素等級のTiOを使用することによって、この効果が与えられるであろう。B)光の一部は、まっすぐな光路から屈折されるが、フィルム/媒体を通じてなお透過される。実際に、フィルム/媒体は、透明から半透明へと移行し、「不鮮明な」映像を作り出す。これを表す別の用語は、軟焦点(soft focus)である。
【0078】
手順:プラスチックのオーバーヘッド透明シート上に、描画棒(draw down bar)を用いて、製剤の3mil(76.2μm)フィルムを塗布(又は描画)する。このフィルムを室温で2時間乾燥させる。被覆されたオーバーヘッド透明を取り、これをInstrument Systemsの測角分光光度計中に置く。被覆された透明に対して垂直な直線中に、光源及び検出器を配列させる。光源(2億900万ワット−nm/cmに設定、本明細書に報告されている全ての透過強度値に対する基準値となる。)のスイッチを入れ、透過光強度の測定を行う。さらなる測定は、直接透過法線から装置を10、30、40、50°移動させることによって行う。これらの値は、軟焦点光散乱の程度を示す。製品の反射率又は「輝度」は、光源と検出器の位置を除いて、不透明度/軟焦点光散乱と同様に測定される。検出器は一方側面上の法線/垂直から30°であるのに対して、光源は他方側面上の20°である。強度の減弱の程度を測定するために、該強度の値をコートされていないオーバーヘッド透明の値と比較する。これらの2つの値の差は、減弱又は不透明性の程度である。
【0079】
結果:組成物の光学特性に対するある種の成分の効果は、それらの成分を除去した製剤を検査することによって評価した。結果は、表IIに報告されている。
【0080】
【表3】

【0081】
試料1は、本発明の好ましい実施形態である。この処方に対して全ての角度における透過強度(不透明度)及び反射強度は、軟焦点及び輝度の双方を達成するのに必要なパラメータ内に属する。試料2中のシリコーンエラストマー(Dow Corning 9045)をシクロペンタシロキサン(Dow Corning 245)と交換することによって、4つの角度の透過強度が許容域外となった。試料3では、酸化亜鉛を省いた。この場合には、透過強度も、許容域の4つの外側にあり、軟焦点を達成するために酸化亜鉛が必要であることを示唆する。試料4中のGanzpearle(R) GMP−0820(メタクリル酸ポリメチルビーズからなる。)を除去しても、不透明度に対して実質的に全く影響はなかった。Satin Micaが除去された試料5は、予想通り、光透過性が増大したが、反射強度及び0角度透過強度は許容域の外にあった。試料6では、AristoflexAVC(R)(タウレート共重合体)の量は半分であった。角度0°及び30°の透過強度値は許容域の外側にあり、この共重合体が軟焦点効果に対して影響及び寄与を有していることを示唆する。試料1から6の間の量でAristoflex AVC(R)を調合された試料7は、この共重合体が軟焦点に対していかに機能的に重要であるかというさらなる例である。
【実施例2】
【0082】
本実施例では、本発明者らは、実質的に同等の平均粒子サイズの二酸化チタンと比較した、酸化亜鉛の効果を調べた。調べた処方は、表IIIに記録されている。結果は、表IVに報告されている。
【0083】
【表4】

【0084】
【表5】

【0085】
等価な重量を基礎とすれば、試料8は、許容域内にある透過強度を与えた。これに対して、二酸化チタンを処方した試料9、10及び11は、許容域外に透過強度値を与えた。
【実施例3】
【0086】
様々な異なる濃縮重合体の軟焦点効果を評価するために、一連の実験を行った。調べた製剤は、表Vに記録されている。
【0087】
【表6】


【0088】
試料13、16及び18は全て、75℃での初期相分離(油と水の間)を伴うか、又は冷却時に分離を示して不安定であった。このように、不適切なポリマーには、Carbomer、Salcare SC96(R)及びPemulen TR−1が含まれた。
【0089】
【表7】

【0090】
試料12、14、15及び17は、それぞれ、AristoflexAVC(R);キサンタンガム及びViscolam AT 100/Pを用いると安定であった。しかしながら、キサンタンガム(試料14)に対する透過強度は、許容域外であった。表VIIを参照されたい。全ての角度で優れた透過強度不透明度及び反射強度を示した、試料15中のViscolam AT(R)100/P(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体)は、軟焦点及び輝きの双方を達成するのに必要なパラメータ内に属する。
【0091】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)架橋されたシリコーンエラストマーと;
(ii)300nm未満の平均粒子サイズの酸化亜鉛又は酸化ジルコニウムと;
(iii)タウレートポリマーと;及び
(iv)化粧品として許容される担体系と;
を含む、化粧品組成物。
【請求項2】
前記タウレートポリマーが、アクリロイルジメチルタウレートと、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、イソプレン、ビニルアルコール、ビニルメチルエーテル、クロロスチレン、ジアルキルアミノ−スチレン、マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーとの共重合体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記タウレート共重合体がアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドン共重合体である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
10,000ないし30,000nmの平均粒子サイズを有する光反射性無機プレートレット形状粒子をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記光反射性無機プレートレット形状粒子が、二酸化チタンでコートされた雲母又はオキシ塩化ビスマスから選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
示差走査熱量計によって測定された2から15ジュール/グラムまでのエンタルピーによって定義される相対的重量比及び材料の種類の界面活性剤と補助界面活性剤によって形成された結晶性構造化剤をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
+5から+100グラムまでの垂直抗力を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記垂直抗力が+25から+40グラムまで範囲である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ポリメタクリル酸メチルの多孔性粒子の0.01から10重量%をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
1,000から10,000nmまでの平均(容積)粒子サイズのコートされていない雲母の0.05から2%までをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
0°の角度で測定された400万ないし700万ワット−nm/cmの透過強度と;10°の角度で測定された100から200万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;30°の角度で測定された12万から14万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;40°の角度で測定された6万から8万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;及び50°の角度で測定された4万か6万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度とを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、30°の角度で測定された14万から17万ワット−nm/cmまでの範囲の反射強度を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
(i)組成物の重量の0.01から30%までの架橋されたシリコーンエラストマーと;
(ii)300nm未満の平均粒子サイズを有する、組成物の重量の0.1から20%までの酸化亜鉛と
(iii)組成物の重量の0.001%から10%までのタウレートポリマーと;及び
(iv)化粧品として許容される担体系とを含み;
0°の角度で測定された400万ないし700万ワット−nm/cmの透過強度と;10°の角度で測定された100から200万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;30°の角度で測定された12万から14万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;40°の角度で測定された6万から8万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度と;及び50°の角度で測定された4万か6万ワット−nm/cmまでの範囲の透過強度とを有する、組成物。

【公表番号】特表2007−518761(P2007−518761A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550012(P2006−550012)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000436
【国際公開番号】WO2005/070384
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】