説明

軟質ポリウレタン発泡体

【課題】低密度の発泡体において良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる軟質ポリウレタン発泡体を提供する。
【解決手段】軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応により形成され、見掛け密度が12〜20kg/mであり、難燃剤を含有するものである。該難燃剤としては、質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物が組合せて用いられる。両難燃剤の合計量は、ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部である。ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物としては、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両用吸音材として用いられ、低密度の発泡体で良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる軟質ポリウレタン発泡体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の内装用として用いられる吸音材には、例えば米国自動車安全基準(FMVSS No.302)に基づく難燃性が要求されることから、軟質ポリウレタン発泡体には所定の難燃剤が配合される。この難燃剤が配合されることにより所望の難燃性が付与されるが、難燃剤が低分子量の成分を含有するとその成分が揮散して自動車の窓ガラスの内面に付着し、窓ガラスを曇らせる(フォギング)などの問題が発生する。そのため、係るフォギングを抑えた低フォギング性難燃ポリウレタン用組成物が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この組成物は、m−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)等の有機リン化合物を主成分とし、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等の非反応性有機リン化合物などを含有するものである。
【0003】
また、難燃剤としてヒドロキシアルキルホスホナート及び塩素化リン酸エステルよりなる混合物が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。この難燃剤は、具体的にはオキシエチル化メタンスルホン酸とテトラキス(2−クロロエチル)エチレンホスホナートの混合物が使用されている。さらに、本願出願人は難燃剤としてリン酸エステル系難燃剤を用いた低燃焼性ポリウレタン発泡体を提案している(特許文献3を参照)。すなわち、難燃剤として具体的にはハロゲンを含まないリン酸エステル系難燃剤が用いられている。
【特許文献1】特開平6−306277号公報(第2頁、第5頁及び第6頁)
【特許文献2】特開2004−137500号公報(第2頁、第10頁及び第12頁)
【特許文献3】特開2007−91866号公報(第2頁、第3頁及び第10頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている難燃剤は、塩素を含まない有機リン化合物を主成分とするため滴下消火はできるものの、気相での酸素遮断機能が十分に発揮されないため、難燃剤としての機能発現が乏しいものであった。その結果、係る難燃剤は、自動車の吸音材等に要求される難燃性の条件を満足することができないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載の難燃剤は、塩素を含まないヒドロキシアルキルホスホナート及び塩素化リン酸エステルよりなるため、塩素による消火作用が十分に発現されず、厳しい難燃性の条件を満たすことは難しかった。さらに、特許文献2に具体的に記載されている軟質ポリウレタンフォームは、見掛け密度が25又は30kg/mであり、軽量化や吸音性の向上などを果たすためには不十分で、さらなる低密度化が望まれている。しかも、軟質ポリウレタンフォームには製品の品質として低ひずみ性や低変色性が要求される。
【0006】
加えて、特許文献3に記載されている低燃焼性ポリウレタン発泡体に含まれる難燃剤はハロゲンを含まないリン酸エステル系難燃剤であることから、ハロゲンのもつ難燃性及びハロゲンとリンとの相乗作用が発現できず、難燃性が不足する傾向が強く、十分に満足できるものではなかった。その上、軟質ポリウレタン発泡体が自動車の吸音材等に使用される場合にはフォギングの抑制も求められている。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、低密度の発泡体において良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる軟質ポリウレタン発泡体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1の軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応により形成され、見掛け密度が12〜20kg/mであり、難燃剤を含有するものである。そして、該難燃剤は質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有し、両難燃剤の合計量が前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の軟質ポリウレタン発泡体は、請求項1に係る発明において、前記難燃剤のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートであることを特徴とする。
【0010】
請求項3の軟質ポリウレタン発泡体は、請求項2に係る発明において、前記軟質ポリウレタン発泡体中の塩素の含有量が2.5〜6.0質量%であることを特徴とする。
請求項4の軟質ポリウレタン発泡体は、請求項3に係る発明において、前記軟質ポリウレタン発泡体中のリンの含有量に対する塩素の含有量の比が質量基準で2.5〜6.0であることを特徴とする。
【0011】
請求項5の軟質ポリウレタン発泡体は、請求項1から請求項4のいずれか1項に係る発明において、前記軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類100質量部に対して発泡剤としての水を4.0〜6.0質量部及び発泡助剤としての液化炭酸ガスを3.0〜8.0質量部用いて形成されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1の軟質ポリウレタン発泡体は、見掛け密度が12〜20kg/mという低密度の発泡体である。この軟質ポリウレタン発泡体に含まれる難燃剤は質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有するものである。クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体は、非縮合体に比べて分子量が高くなるため特にフォギングを抑えつつ、難燃性を発現することができる。一方、ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、非縮合体であって構造が安定し、分子量が低く、可塑化効果が少ないため難燃作用の発現に優れると同時に、発泡体の変色とひずみを抑えることができる。そして、両難燃剤の合計量が前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部に設定されることから、両難燃剤のもつ作用が十分に、しかも相乗的に発現される。従って、軟質ポリウレタン発泡体は、低密度の発泡体において良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる。
【0013】
請求項2の軟質ポリウレタン発泡体では、難燃剤のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物はトリス(ジクロロプロピル)ホスフェートである。このため、請求項1に係る発明の効果に加えて、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートのもつ特性により難燃性、低変色性及び低ひずみ性を向上させることができる。
【0014】
請求項3の軟質ポリウレタン発泡体では、発泡体中の塩素の含有量が2.5〜6.0質量%である。従って、請求項2に係る発明の効果に加えて、塩素による気相での酸素遮断機能が高められ、発泡体の難燃性を向上させることができる。
【0015】
請求項4の軟質ポリウレタン発泡体では、発泡体中のリンの含有量に対する塩素の含有量の比が質量基準で2.5〜6.0である。このため、請求項3に係る発明の効果に加え、リン及び塩素の効果、さらにリンと塩素の相乗効果を発揮することができる。
【0016】
請求項5の軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類100質量部に対して発泡剤としての水を4.0〜6.0質量部及び発泡助剤としての液化炭酸ガスを3.0〜8.0質量部用いて形成されるものである。このため、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、軟質ポリウレタン発泡体の低密度化を容易に果たすことができると共に、良好なひずみ特性(低ひずみ性)を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。
本実施形態における軟質ポリウレタン発泡体(本明細書では、ポリウレタン発泡体又は単に発泡体ともいう)は、ポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応により形成され、見掛け密度が12〜20kg/mであり、難燃剤を含有するものである。係る難燃剤は、質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有するものである。そして、両難燃剤の合計量が前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部に設定される。このような要件を満たす軟質ポリウレタン発泡体は、難燃性が良く、フォギングの抑制も図ることができる上に、低ひずみ(歪)性と低変色性を発揮することができる。
【0018】
ここで、軟質ポリウレタン発泡体とは、軽量で、一般にセル(気泡)が連通する連続気泡構造を有し、柔軟性があって、かつ復元性を有するものをいう。該軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤等を含有する発泡体の原料を反応及び発泡させて製造される。そこで、係る発泡体の原料について順に説明する。
【0019】
ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はポリエーテルエステルポリオールのいずれも用いることができるが、発泡体として特に低密度で低ひずみ性を有するものを得るためにはポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。係るポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のポリオールにプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した化合物が挙げられる。
【0020】
また、ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが挙げられる。さらに、ポリエーテルエステルポリオールとしては、グリセリンにアルキレンオキサイドを付加した化合物に、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を反応させたものが用いられる。このポリオール類は、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって、水酸基の数や水酸基価を変えることができる。
【0021】
加えて、ポリオール類の一部として架橋剤を配合することができる。この架橋剤としては、例えばポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多官能グリコール又は該多官能グリコールにアルキレンオキサイド等で鎖延長をしたもの等が挙げられる。
【0022】
次に、ポリオール類と反応させるポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が用いられる。これらのポリイソシアネートのうち、低密度で軽量な発泡体を得るためには、トリレンジイソシアネートを用いることが好ましい。
【0023】
ポリイソシアネート類のイソシアネート指数(イソシアネートインデックス)は、好ましくは80〜110、より好ましくは90〜105に設定される。ここで、イソシアネート指数は、ポリオール類の水酸基、架橋剤であるポリオールの水酸基及び発泡剤(水)等の活性水素基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものである。イソシアネート指数が100を超えるということは、イソシアネート基が活性水素基より過剰であることを意味する。イソシアネート指数が80未満の場合には、ポリオール類などに対するポリイソシアネート類の反応が不足し、発泡体の破裂、崩壊が起きやすくなると共に、得られる発泡体の架橋密度が低下し、発泡体が軟らかくなって機械的物性が不足する。その一方、イソシアネート指数が110を超える場合には、発泡体の製造時における原料の温度が高くなり、スコーチ(酸化劣化)による発泡体の変色が顕著になって好ましくない。
【0024】
触媒はポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応(樹脂化反応)を促進すると共に、ポリイソシアネート類と発泡剤としての水との泡化反応などを促進するためのものである。ウレタン化反応を選択的に促進する触媒としては特に金属触媒が用いられ、泡化反応を促進するための触媒としては特にアミン触媒が用いられる。金属触媒として具体的には、オクチル酸スズ(スズオクトエート)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルジ酢酸スズ、ジ(2−エチルヘキシル)ジラウリン酸スズ、ジ(2−エチルヘキサン酸)スズ等の有機スズ化合物やジ(2−エチルヘキサン酸)鉛等が挙げられる。アミン触媒として具体的には、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン等の第3級アミンが挙げられる。
【0025】
前記金属触媒の含有量は、ポリオール類100質量部に対して0.1〜0.7質量部であることが好ましい。金属触媒の含有量が0.1質量部より少ない場合には、樹脂化反応の進行が不足し、発泡体が破裂、崩壊しやすく、得られる発泡体の架橋密度が低下して機械的物性が損なわれる。その一方、0.7質量部より多い場合には、樹脂化反応が過度に進行して発泡体の架橋密度が高く、セル膜が多くなり、セルの連通性が阻害されて通気性が悪化し、ひずみ特性の低下も顕著となる。また、アミン触媒の含有量は、ポリオール類100質量部に対して0.1〜0.5質量部であることが好ましい。アミン触媒の含有量が0.1質量部より少ない場合には、泡化反応の進行が十分ではなく、得られる発泡体のセルの連通性が低下し、通気性が損なわれる傾向となる。その一方、0.5質量部より多い場合には、泡化反応の進行が過剰になり、発泡体の機械的物性が低下する。
【0026】
発泡剤はポリウレタンを発泡させて軟質ポリウレタン発泡体とするためのものである。この発泡剤としては、軟質ポリウレタン発泡体の製造で一般的に使用される水(ポリイソシアネート類と反応して炭酸ガスを発生する)の使用、水と補助発泡剤としてハロゲン化脂肪族炭化水素、例えばメチレンクロライド、トリクロロエタン、炭酸ガス等との併用、酸アミドとの併用が採用される。これらの発泡剤のうち、泡化反応の反応性に優れ、取扱性の良好な水が好ましいが、低密度で軽量な発泡体を求める場合には水のみではなく、補助発泡剤であるハロゲン化炭化水素、炭酸ガス等との併用が好ましい。
【0027】
補助発泡剤としては、ポリオール類とポリイソシアネート類とに対して非反応性で、発泡体であるポリウレタンに対し溶解性のない液化炭酸ガスが好ましい。さらに、環境に配慮してハロゲンを有しない液化炭酸ガスが望ましい。この液化炭酸ガスは、ポリウレタンに対して少なからず溶解性を示すハロゲン化脂肪族炭化水素等の有機溶剤系の補助発泡剤に比べて良好なひずみ特性を得ることが可能である。なお、発泡体の製造時において、液化炭酸ガスは、ハロゲン化脂肪族炭化水素等のもつ減熱効果がほとんど得られないため、発泡時の発熱によって発泡体が変色しやすくなる傾向を示すが、本発明の難燃剤を用いることにより係る変色を抑制することができる。
【0028】
発泡剤の含有量は、水の場合にはポリオール類100質量部に対して4.0〜6.0質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が4.0質量部より少ない場合には泡化反応が不十分となり、発泡体を安定した状態で得ることができなくなる。その一方、発泡剤の含有量が6.0質量部より多い場合には、水とポリイソシアネート類との反応による発熱の問題が生じたり、発泡体の連続気泡構造が十分に形成されず好ましくない。補助発泡剤の含有量は、発泡体の見掛け密度を調整するために適宜使用されるが、ポリオール類100質量部当たり3.0〜8.0質量部であることが好ましい。補助発泡剤の含有量が3.0質量部より少ない場合には、補助発泡剤の気化量が少なく、補助発泡剤としての効果が不足する。一方、8.0質量部より多い場合には、発熱による十分な気化がなされず、補助発泡剤として満足できる効果が得られなくなる。
【0029】
整泡剤は、発泡剤によって行われる発泡を円滑に進行させるために必要に応じて用いられる。そのような整泡剤としては、軟質ポリウレタン発泡体を製造する際に通常使用されるものを用いることができる。整泡剤として具体的には、シリコーン化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリエーテルシロキサン、フェノール系化合物等が用いられる。この整泡剤の含有量は常法に従って設定される。
【0030】
次に、難燃剤は発泡体に主に難燃性を付与するために配合されるが、フォギングの発生を抑え、発泡体のひずみ特性と着色(変色)の抑制を図ることができるように設定される。係る難燃剤としては、質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物が組合せて用いられる。クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体は、非縮合体に比べて分子量が高くなるため特にフォギングを抑えつつ、難燃性を発現することができる。一方、ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、非縮合体であって構造が安定し、分子量が低く可塑化効果が少ないため難燃作用の発現に優れると同時に、発泡体の変色とひずみを抑えることができる。
【0031】
両難燃剤の質量平均分子量が350より低分子量である場合、難燃剤の揮散性が高くなり、フォギングを抑制することができなくなって不適当である。その一方、質量平均分子量が600より高分子量である場合、難燃剤自体がフォギング性へ及ぼすマイナス要素は一般的にないが、原料の粘度上昇によって製造工程での取扱いが困難になり、発泡体を得る段階で発泡体の物性が低下し、さらには発泡体自体の製造が困難になる。
【0032】
クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体としては、下記の化学式(1)で示されるトリス(クロロプロピル)ホスフェートの2量体、下記の化学式(2)で示されるトリス(クロロプロピル)ホスフェートの縮合体等が挙げられる。なお、これらの縮合体には、3量体等の他の縮合体などが少量含まれていても差し支えない。ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物としては、下記の化学式(3)で示されるトリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等が挙げられる。
【0033】
【化1】

【0034】
【化2】

【0035】
【化3】

両難燃剤の合計量は、両難燃剤による効果を十分に発揮させるために前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部に設定される。両難燃剤の合計量が7.0質量部より少ない場合には発泡体に所望とする難燃性を付与することができず、15.0質量部より多い場合にはフォギングが発生したり、発泡体にひずみや着色が生じたりして好ましくない。クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体とジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物との割合は、一方が20〜80質量%、他方が80〜20質量%であることが好ましく、一方が40〜60質量%、他方が60〜40質量%であることがさらに好ましく、双方がほぼ等量であることが最も好ましい。いずれかの難燃剤が20質量%未満又は80質量%を超えると、双方の難燃剤の作用及びそれらの相乗作用が十分に発現できないため好ましくない。
【0036】
上記の両難燃剤はそれぞれリン及び塩素の両原子を含有し、滴下消火機能と酸素遮断機能を発現することができる。すなわち、これらの難燃剤は、発泡体の燃焼時に炭化層の形成を促すと共に、発泡体を可塑化させるため、火種を落としやすくし、滴下消火を促進することができる。さらに、発泡体中の塩素の含有量が好ましくは2.5〜6.0質量%に設定されることから、この塩素が気相から燃焼部位に供給される酸素を遮断する酸素遮断機能を発現できるものと考えられる。この場合、リンは主に滴下消火機能を発現し、塩素は主に酸素遮断機能を発現する。塩素の含有量が2.5質量%より少ないときには、塩素による酸素遮断機能、さらには滴下消火機能が得られず、難燃効果が不足する。一方、6.0質量%より多いときには、軟質ポリウレタン発泡体を製造する際に過剰の塩素が発泡を阻害し、製造が不安定となって良好な発泡体を得ることができなくなる傾向を示す。これらの難燃剤のうち、ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体に比べて塩素含有率が高く、少ない配合量で発泡体中の塩素含有量を増大させることができる。
【0037】
また、発泡体中におけるリンの含有量は、主に滴下消火機能を有効に発現させるために0.5〜1.3質量%であることが好ましい。リンの含有量が0.5質量%を下回る場合には、滴下消火機能を十分に発現することができず、発泡体の難燃性が低下する。一方、1.3質量%を上回る場合には、過剰のリンによって発泡に支障を来たし、良好な発泡体が得られなくなって好ましくない。
【0038】
そして、軟質ポリウレタン発泡体中のリンの含有量に対する塩素の含有量の比が質量基準で2.5〜6.0であることが好ましく、3.0〜6.0であることがより好ましい。リン及び塩素は滴下消火機能及び酸素遮断機能に基づく難燃性に大きく関わり、その比が前記範囲であることにより難燃性を有効に発現することができる。前記比が2.5より小さいと塩素のもつ機能の発現が不足して難燃性が低下し、6.0より大きいとリンのもつ機能の発現が不十分となって難燃性が低下する。
【0039】
発泡体原料には、前記各原料のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、破泡剤(充填剤)等を常法に従って配合することができる。
前述したポリオール類とポリイソシアネート類との反応は常法に従って行われるが、ワンショット法又はプレポリマー法が採用される。ワンショット法は、ポリオール類とポリイソシアネート類とを直接反応させる方法である。プレポリマー法は、ポリオール類とポリイソシアネート類との各一部を事前に反応させて末端にイソシアネート基又は水酸基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類又はポリイソシアネート類を反応させる方法である。軟質ポリウレタン発泡体としては、スラブ発泡法により得られる軟質スラブポリウレタン発泡体が好ましい。スラブ発泡法は、上記ワンショット法により混合攪拌された反応原料(反応混合液)をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に反応原料が常温、大気圧下で自然発泡し、硬化することで得られる。その後、乾燥炉内で硬化(キュア)し、所定形状に裁断される。その他、モールド成形法、現場施工スプレー成形法等によって軟質ポリウレタン発泡体を得ることもできる。
【0040】
このようにして得られる発泡体は、見掛け密度が12〜20kg/mという低密度のものである。ここで、見掛け密度はJIS K 7222:1999に準拠して測定される値である。この発泡体には前述した特定の難燃剤が含まれており、難燃性についてFMVSS No.302(米国自動車安全基準)に合格するものである。また、発泡体のフォギング量は、欧州のフォギングテスト法(DIN75201)に準ずる方法で、可視光線透過率として好ましくは10%以下である。さらに、JIS K 6400(2004)に準拠して測定される圧縮残留ひずみが好ましくは15%以下、より好ましくは5〜15%である。加えて、イエローインデックス(YI)の差(Δ)を色差計にて測定する変色性(ΔYI)は、好ましくは10以下、より好ましくは2〜5である。
【0041】
上記のような構成を有する軟質ポリウレタン発泡体は、自動車等の車両用吸音材をはじめ、自動車の内装部品、家具としてのソファ等として好適に用いることができる。
以上の実施形態により発揮される作用、効果について、以下にまとめて記載する。
【0042】
・ 本実施形態の軟質ポリウレタン発泡体は、見掛け密度が12〜20kg/mという低密度の発泡体である。この軟質ポリウレタン発泡体に含まれる難燃剤は質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有するものである。クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体は、非縮合体に比べて分子量が高くなるため特にフォギングを抑えつつ、難燃性を発現することができる。一方、ジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、非縮合体であって構造が安定し、分子量が低く可塑化機能が少ないため難燃作用の発現に優れると同時に、発泡体の変色とひずみを抑えることができる。そして、両難燃剤の合計量がポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部であることから、両難燃剤のもつ作用が十分に、しかも相乗的に発現される。従って、軟質ポリウレタン発泡体は、低密度であって良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる。
【0043】
・ 難燃剤のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物がトリス(ジクロロプロピル)ホスフェートであることにより、係る化合物が非縮合体で、350以上の高分子量であるため、発泡体に難燃性、低変色性及び低ひずみ性を最も良好に発揮させることができる。
【0044】
・ 発泡体中の塩素の含有量が2.5〜6.0質量%であることにより、塩素による気相での酸素遮断機能が高められ、発泡体の難燃性を向上させることができる。
・ 発泡体中のリンの含有量に対する塩素の含有量の比が質量基準で2.5〜6.0であることにより、リン及び塩素に基づく作用、効果に加えて、リンと塩素の相乗効果を発揮することができる。
【0045】
・ 軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類100質量部に対して発泡剤としての水を4.0〜6.0質量部及び発泡助剤としての液化炭酸ガスを3.0〜8.0質量部用いて形成される。この場合、水がポリイソシアネート類と反応して生成する炭酸ガスと、液化炭酸ガスの気化により発生する炭酸ガスとで発泡体の低密度化を容易に果たすことができる上に、良好な低ひずみ性を発揮することができる。
【実施例】
【0046】
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1〜9及び比較例1〜7)
ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、補助発泡剤、整泡剤、触媒及び難燃剤を含有する軟質ポリウレタン発泡体の原料を、表1及び表2に示す組成にて調製した。そして、軟質ポリウレタン発泡体の原料を常温で混合し、常法に従って反応及び発泡(スラブ発泡)させることにより軟質ポリウレタン発泡体を製造した。なお、補助発泡剤としての炭酸ガス(液化炭酸ガス)は、6MPaの圧力及び−12℃以下の温度で液化状態を保持し、ポリオール類に溶解させて供給した。また、補助発泡剤としてのメチレンクロライドは常温で液体であり、そのまま配合した。
【0047】
ここで、比較例1、3及び4では難燃剤としてクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体のみを用いた例であって、さらに比較例1では補助発泡剤としてメチレンクロライドを用い、比較例3では補助発泡剤として液化炭酸ガスを用いた例及び比較例4では難燃剤の含有量を比較例3より減少させた例を示す。また、比較例2及び7では難燃剤としてジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物のみを用いた例であって、比較例7では比較例2よりもその含有量を増加させた例を示す。さらに、比較例5及び6では難燃剤としてジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物と本発明の範囲外の難燃剤とを組合せて用いた例を示す。
【0048】
表1及び表2に示す発泡体の原料及び発泡体の物性評価について以下に説明する。
ポリエーテルポリオール:水酸基価56.1mgKOH/g、三洋化成工業(株)製、GP3000
整泡剤:ジメチルシリコーン、ゴールド・シュミット・ジャパン社製、B8232
金属触媒:オクチル酸スズ、城北化学工業(株)製、MRH−110
ポリイソシアネート:2,4-トルエンジイソシアネート80質量%と2,6-トルエンジイソシアネート20質量%との混合物、日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートT−80
難燃剤A:前記化学式(1)で示されるトリス(クロロプロピル)ホスフェートの2量体(縮合体)、質量平均分子量574、塩素含有量27.0質量%、リン含有量11.0質量%、大八化学(株)製、CR−504
難燃剤B:前記化学式(2)で示されるトリス(クロロプロピル)ホスフェートの縮合体、質量平均分子量512、塩素含有量27.0質量%、リン含有量12.0質量%、大八化学(株)製、CR−570
難燃剤C:前記化学式(3)で示されるトリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、質量平均分子量431、大八化学(株)製、CRP
難燃剤D:トリスクロロエチルホスフェートの2量体(縮合体)、質量平均分子量470、塩素含有量30.0質量%、リン含有量13.0質量%、大八化学(株)製、CR−530
難燃剤E:トリス(クロロプロピル)ホスフェート、質量平均分子量328、大八化学(株)製、TMCPP
塩素含有量(質量%):軟質ポリウレタン発泡体中の塩素の含有量を原料組成に基づいて算出した。
【0049】
リン含有量(質量%):軟質ポリウレタン発泡体中のリンの含有量を原料組成に基づいて算出した。
塩素/リン比:軟質ポリウレタン発泡体中のリン(P)の含有量に対する塩素(Cl)の含有量の比を質量基準で算出した。
【0050】
見掛け密度(kg/m):JIS K 7222(1999)に準拠して測定された値である。
硬さ(N):JIS K 6400−2(2004)に準拠して測定された値である。
【0051】
圧縮残留ひずみ(%):JIS K 6400(2004)に準拠して測定された値である。
難燃性:FMVSS No.302(米国自動車安全基準)に合格するか、又は不合格であるかにより判断した。
【0052】
フォギング量(%):長さ100mm、幅100mm及び厚さ10mmの軟質ポリウレタン発泡体について、欧州のフォギングテスト法(DIN75201)に準ずる試験装置を用い、80℃、20時間放置後におけるガラスの曇り度を可視光線透過率(%)により測定して求めた。このフォギング量は、可視光線透過率が10%以下のときに良好であると評価した。
【0053】
変色性(ΔYI):軟質ポリウレタン発泡体のブロックの中央部と側面におけるイエローインデックス(YI)の差(Δ)を色差計にて測定した。
【0054】
【表1】

実施例1〜9では、発泡体の見掛け密度が13.4〜18.9kg/mという低密度であり、難燃剤は質量平均分子量が574又は512であるクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が431のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物である。そして、両難燃剤の合計量が前記ポリオール類100質量部に対して7〜14質量部に設定されている。このため、表1に示したように、発泡体の難燃性を向上させることができると共に、フォギングを4.0〜8.4%に抑制することができ、さらに圧縮残留ひずみを5.5〜15.0%にでき、変色性を表すΔYIを2.4〜4.9に抑えることができた。
【0055】
【表2】

一方、表2に示した結果より、比較例1及び3では難燃剤としてクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体のみを用いたため、主に圧縮残留ひずみが20.1〜22.3%という高い値を示した。比較例4では難燃剤の含有量を比較例3より減少させたため、難燃性が不合格となった。また、比較例2では難燃剤としてジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物のみを少量用いたため、難燃性が不合格であった。比較例5では難燃剤としてジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物と本発明の範囲外の難燃剤とを組合せて用いたため、変色が大きくなる結果を招いた。比較例6及び7では難燃剤としてジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物のみ又は本発明の範囲外の難燃剤とを組合せて用いたため、フォギングが悪化した。
【0056】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 難燃剤として、クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体を複数種類組合せて用いることもできる。
【0057】
・ クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体としては、クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の2量体、3量体などの混合物を精製し、2量体の含有量を高めて使用することもできる。
【0058】
・ 難燃剤として、クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及びジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の両難燃剤以外の難燃剤を含有することも可能である。
【0059】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記クロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体は、トリス(クロロプロピル)ホスフェートの2量体であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡体。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果を有効に発揮させることができる上に、軟質ポリウレタン発泡体に対する可塑化効果を得ることができる。
【0060】
・ 前記ポリオール類はポリエーテルポリオールであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡体。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、発泡体を低密度で軽量化なものにでき、かつ低ひずみ性を得ることができる。
【0061】
・ ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤、補助発泡剤及び難燃剤を含有する発泡体の原料を用いてウレタン化反応により形成され、見掛け密度が12〜20kg/mであり、難燃剤を含有する軟質ポリウレタン発泡体の製造方法であって、前記ポリオール類100質量部に対して発泡剤としての水を4.0〜6.0質量部及び発泡助剤としての液化炭酸ガスを3.0〜8.0質量部用い、難燃剤として質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有し、両難燃剤の合計量を前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部用いることを特徴とする軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。この製造方法によれば、良好な難燃性を発揮することができると共に、フォギングを抑制することができ、かつ変色を抑制し、低ひずみ性を発揮することができる低密度の発泡体を、原料の調整により容易に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応により形成され、見掛け密度が12〜20kg/mであり、難燃剤を含有する軟質ポリウレタン発泡体であって、
前記難燃剤は質量平均分子量が350〜600のクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物の縮合体及び質量平均分子量が350〜600のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物を含有し、両難燃剤の合計量が前記ポリオール類100質量部に対して7.0〜15.0質量部であることを特徴とする軟質ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
前記難燃剤のジクロロプロピルホスフェート構造を有する化合物は、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートであることを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
前記軟質ポリウレタン発泡体中の塩素の含有量が2.5〜6.0質量%であることを特徴とする請求項2に記載の軟質ポリウレタン発泡体。
【請求項4】
前記軟質ポリウレタン発泡体中のリンの含有量に対する塩素の含有量の比が質量基準で2.5〜6.0であることを特徴とする請求項3に記載の軟質ポリウレタン発泡体。
【請求項5】
前記軟質ポリウレタン発泡体は、ポリオール類100質量部に対して発泡剤としての水を4.0〜6.0質量部及び発泡助剤としての液化炭酸ガスを3.0〜8.0質量部用いて形成されるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の軟質ポリウレタン発泡体。

【公開番号】特開2009−51996(P2009−51996A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222655(P2007−222655)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】