説明

軟部組織増強のための注入可能な空隙の充填剤

本発明は、軟部組織の管腔および空隙の充填剤として使用するための、微多孔質で注入可能な、軟弾性で完全に吸収性のフィブリンベースの組成物を教示する。本出願の組成物は、エラストマーにおいて典型的に見られる機械的特性および機械的安定性などの単独のフィブリンより優れた物理的特徴を呈する。本発明の組成物のさまざまな特性は、この空隙充填剤組成物中に含有される粒子ならびに可塑剤の種類および含有量を調節することにより、効果的に微調整および変化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般には、軟部組織の管腔および空隙の充填剤として使用するための、微多孔質で注入可能な、軟弾性で完全に吸収性のフィブリンベースの組成物に関する。本出願の組成物は、エラストマーにおいて典型的に見られる機械的特性および機械的安定性など、単独のフィブリンより優れた物理的特徴を呈する。本発明の教示によれば、前記空隙充填剤のさまざまな特性は、前記空隙充填剤組成物中に含有される粒子ならびに可塑剤の種類および含有量を調節することにより、効果的に微調整および変化させることができる。
【背景技術】
【0002】
本発明のフィブリン組成物は、天然の生体材料である。この組成物は、滅菌可能であり、潜在的な毒性が低い。この組成物は使用しやすく、レオロジーにより注入が、および可能な場所では最小限侵襲治療が可能になる。フィブリン調節剤(可塑剤)および/または微粒子成分を変えることにより、生物活性分子の水分取込み、膨張、分解および放出の微制御を可能にすることができる。さらに本発明品は、完全に吸収性である。発熱性は無視できるものであり、エラストマー状の機械的挙動を呈するため、本発明品は、フィブリン単独より機械的に優れたものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
フィブリノーゲン凝固塊中でヨウ素系造影剤をリン酸カルシウム粒子(最大200μm)と組み合わせると、大きく異なる新しい材料が作り出されることが観察された。これに続き、いくつかのフィブリン可塑剤および代替的な粒子が同定され、引き続き、硬組織の空隙という他の適応を包含するように、この組成物の用途が拡げられた。
【0004】
本発明は、軟部組織への適応を包含するための改変されたフィブリン組成物についての適応可能性の拡張を追求するものである。このような適応としては、限定されるものではないが、部分的もしくは完全な閉鎖、増強、または、軟部組織の管腔および空隙の充填が挙げられる。管腔と言った場合は、血管系、生殖管および消化管などの管状構造物の空隙スペースである。空隙と言った場合は、病変部、亀裂、瘻孔および憩室を包含する。このような空隙は、生理学的なものであるか、あるいは、感染症、手術、嚢腫、腫瘍除去の結果、または、軟部組織の外傷性傷害もしくはリモデリングの結果生じたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】可塑剤が入っていないフィブリン凝固塊、およびイオジキサノールまたはグリセロールのいずれかが入っているフィブリン凝固塊からのフルオレセインの放出を示すグラフである。
【図2】材料の弾性と、異なる濃度の造影剤を用いた場合の凝固塊の粘性の変化とを示すグラフである。
【図3】可塑剤としてのイオジキサノールと、カルシウム塩(量を増加させて)とを含有する組成物のレオロジーデータを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、全般に、
フィブリノーゲンを含む成分(a)と、
トロンビンを含む成分(b)と、
少なくとも1つの可塑剤を含む成分(c)と、
直径約200μm以下の粒子を含む成分(d)と
を含む、注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物用の多成分系に関する。
【0007】
前述の注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物用の多成分系は、成長因子など、軟部組織を増強、強化、支持、修復、再建、治癒、閉鎖または充填するのに適した他の任意の成分、化学療法剤または薬理学的作用剤、生物活性剤、硬化用および/または接着用の化合物およびミネラル添加剤をさらに含んでもよい。このような化合物は、本発明による多成分系の成分(a)から(d)のいずれかの中に含有されてもよく、または追加成分として含まれてもよい。
【0008】
本発明の一例によれば、上述の多成分系のフィブリノーゲン成分(a)は、細胞外マトリックスタンパク質、例えばフィブロネクチン、細胞関連タンパク質、他の血漿由来タンパク質、例えば、血液凝固因子XIII(FXIII)およびプロテアーゼおよびプロテアーゼ阻害薬、ならびにその混合物の1つまたは複数をさらに含んでもよい。本発明によるフィブリノーゲン溶液は、最先端の科学技術分野に含まれる任意の添加剤および/または市販のフィブリノーゲン組成物、例えば市販のフィブリノーゲン溶液を含んでもよい。
【0009】
用語「フィブリノーゲン」は、フィブリノーゲンそのものだけでなく、凝固塊を形成するフィブリノーゲン誘導体など(「フィブリン1」など)の、凝固塊を形成する任意の物質を包含する。
【0010】
この多成分系の成分(a)中のフィブリノーゲンの量は、例えば、約30から約150mg/mlまたは約75から約115mg/mlなど、約10から約200mg/mlの範囲である。
【0011】
本発明による多成分系のトロンビン成分(b)は、当技術分野で公知の追加的な化合物、ならびに、成分(C)および(d)の一方または両方、とりわけ可塑剤成分(c)をさらに含んでもよい。使用されるトロンビンの量に関しては具体的な制限はない。本発明の一例では、前記トロンビン成分(b)中のトロンビンの量は、約30IU/mlなど、凝固した最終組成物中で少なくとも約1IU/mlであるような量である。
【0012】
用語「トロンビン」は、トロンビンそのものだけでなく、成分(a)用の任意のゲル化誘導剤または凝固誘導剤、例えば生理学的上許容できるアルカリ緩衝系を包含する。
【0013】
用語「可塑剤」は、本明細書で使用する場合、凝固した最終組成物の特性、例えば粘性、エラストマー状の挙動または機械的安定性を改変するうえで有用な、適当な任意の物質を包含する。本発明の一実施形態では、前述の多成分系の可塑剤は、オスモル濃度が低く、適度にフィブリンの集合を生じさせる。
【0014】
本発明の一例では、本発明による多成分系の適当な可塑剤は、少なくとも1つの水溶性の生分解性有機化合物を含む。本明細書で使用する場合、表現「水溶性の生分解性有機化合物」は、生物環境中で分解でき、例えば約10から約40℃の範囲の温度の水中で少なくとも十分に可溶性である全ての化合物をさらに包含する。生分解性の、という用語は、分解はされないが、例えば排泄経路を経由して生物学的に排除される可塑剤を包含するようにも用いられる。
【0015】
前述の多成分系の可塑剤の例は、水溶性の造影剤、ポリエチレングリコール、グリセロール(およびその誘導体)などの多価アルコール、単糖、二糖、三糖および多糖、ならびにその任意の組合せから成る群から選択される。
【0016】
本発明の一例では、本発明による多成分系の適当な造影剤は、ヨウ素を含有する少なくとも1つの有機化合物を含む。本発明のさらなる一例では、ガドリニウムなどの希土類元素を含有する有機化合物を使用できる。
【0017】
本明細書で使用する場合、用語「ヨウ素を含有する有機化合物」は、少なくとも1つのヨウ素原子および/またはヨウ素イオンを、物理的または化学的いずれかの様式で結合して、例えば、共有結合的または配位的に含有する全ての化合物を包含する。同じ定義は、前述の希土類元素を含有する有機化合物にも、変更すべき点は変更したうえで適用される。
【0018】
造影剤の例は、限定されるものではないが、ジアトリゾエート(メグルミン)、イオデコール(iodecol)、イオジキサノール、イオフラトール、イオグラミド(iogulamide)、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオプロミド、イオトロール、イオベルソール、イオキサグレートおよびメトリザミド、ならびにその混合物である。
【0019】
本発明の一例によれば、成分(C)中の可塑剤の量は、約15から約60%w/vまたは約20から約40%w/vなど、凝固した最終組成物中で約10から約80%w/vの範囲であるような量である。
【0020】
用語「粒子」は、当技術分野で公知の、任意の種類の粒子形状または粒子形態、例えば、球状のもの、角のあるものまたは中空のものなどを包含する。
【0021】
本発明の一実施形態では、本発明による多成分系の粒子は、生分解性および/または生体適合性、非毒性、非水溶性、無機および/または有機のものである。この粒子は、例えば、リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムの多形、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムなどのカルシウム塩、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリトリメチレンカルボネート、ポリエチレングリコールなどのポリマー化合物およびそのランダムコポリマーまたは規則配列型コポリマー、生分解性または生体適合性のガラスおよびセラミックス、ならびにその任意の組合せから成る群から選択される物質を含む。一例では、この粒子は、Ca/P比率が約1.5から約2の範囲の、リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウムおよびリン酸カルシウム、ならびにその混合物から成る群から選択される。本発明の粒子は、成分(d)の意味の範囲内で使用される、市販の化合物および/または当技術分野で公知の混合物全てをさらに包含する。別の例によれば、本発明の多成分系の前記粒子の直径は、約100μm未満、例えば約50μm未満である。本発明の一具体例では、成分(d)中の粒子の量は、約10から約45%w/wまたは約30から約40%w/wなど、凝固した最終組成物に対し約1から約50%w/wの範囲である。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前述の多成分系の成分(a)中のフィブリノーゲンの量は約10から約200mg/mlの範囲であり、成分(b)中のトロンビンの量は、凝固した最終組成物中で少なくとも約1IU/mlであるような量であり、成分(c)中に含有される可塑剤の量は、凝固した最終組成物中で約10から約80%w/vの範囲であるような量であり、成分(d)中の粒子の量は、凝固した最終組成物に対し約1から約50%w/wの範囲である。
【0023】
本発明の一具体例によれば、前述の多成分系の成分(a)中のフィブリノーゲンの量は約75から約115mg/mlの範囲であり、成分(b)中のトロンビンの量は、凝固した最終組成物中で約25IU/mlから約50IU/mlの範囲であるような量であり、成分(C)中に含有される可塑剤の量は、凝固した最終組成物中で約30から約50%w/vの範囲であるような量であり、成分(d)中の粒子の量は、凝固した最終組成物に対し約30から約40%w/wの範囲である。
【0024】
本発明の別の実施形態では、注入可能な空隙充填剤組成物用の多成分系は、
フィブリノーゲンを含む成分(a)と、
トロンビンを含む成分(b)と、
少なくとも1つの可塑剤を含む成分(C)と、
直径約200μm以下の粒子を含む成分(d)と
を含み、このとき、成分(a)から(d)の1つまたは複数または全ては、固体の状態で存在する。
【0025】
本発明による多成分系は、成分を、溶液または分散物または固体(例えば凍結乾燥物として)の形態のいずれかで、またはその任意の組合せで含有してもよい。さらに、前記多成分系中の成分は、前記多成分系の保管、輸送または使用に適した容器中に存在してもよい。本発明による多成分系において使用できる容器としては、いかなる様式でも限定されるものではないが、例えばバイアルまたは注射器など、任意のサイズ、材料または形状の容器が挙げられる。
【0026】
さらに、前記多成分系の成分は、例えば異なる容器に入っていてもよく、または、同じ容器中に任意の組合せで、例えば、1つの容器中には成分(b)および(c)の組合せ、ならびに、成分(a)および(d)はそれぞれ異なる容器中に入った組合せとして存在してもよい。
【0027】
本発明によれば、この容器は、例えば、1つまたは複数の成分を、固体として、ならびに、前記容器中の分離手段により前記成分から分離された溶媒として含有してもよく、このとき、それぞれの1つまたは複数の成分の溶液は、前記分離手段を破るか、または取り除くことにより、調製できる。本発明の多成分系の成分(a)から(d)は、即時使用可能な混合物として存在してもよい。
【0028】
さらに、1つまたは複数の容器中に存在する前記成分(a)から(d)は、前述の多成分系を含むキットの一部であってもよい。このキットは、本発明の多成分系中で使用できる任意の追加的な化合物、例えば、助剤、緩衝塩または緩衝液をさらに備えてもよい。前述のキットには、成分を混合するための手段、例えば、注射器、ルアーアダプター、チューブ、追加の容器などが入っていてもよい。
【0029】
本発明の別の態様は、
フィブリンを含む成分(a)と、
トロンビンを含む成分(b)と、
少なくとも1つの可塑剤を含む成分(c)と、
直径約200μm以下の粒子を含む成分(d)と
を含む、注入可能な空隙充填剤組成物に関する。
【0030】
本発明の一例によれば、この注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物は、前述の多成分系から、例えば、前記多成分系の成分を一緒に混合し、および/または前記成分をホモジナイズすることにより、調製する。この注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物の調製は、約18から約37℃の範囲、例えば25℃など、適当な任意の温度で実施できる。
【0031】
さらに、前述の注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物は、成長因子など、空隙を例えば増強、強化、支持、修復、再建、治癒、閉鎖または充填するのに適した他の任意の成分、化学療法剤または薬理学的作用剤、生物活性剤、硬化用および/または接着用の化合物およびミネラル添加剤をさらに含んでもよい。このような化合物および/または作用剤は、マトリックスに化学的に結合され、微粒子成分上、例えばカルシウム塩を含有する粒子上に吸着され、フィブリンマトリックス中に捕捉され、または遊離分子/薬物粒子、例えば粉末として含有されてもよい。
【0032】
本発明による注入可能な軟部組織空隙充填剤組成物の成分(b)から(d)は、上に特徴を述べた多成分系について定義したものと同じである。
【0033】
用語「フィブリン」は、完全に凝固したフィブリノーゲンだけを指すのではなく、トロンビンを用いてフィブリノーゲンからフィブリンを形成させる間に生じる可能性があるフィブリンとフィブリノーゲンとの混合物一切をさらに包含し、したがって、空隙中に注入される最終組成物にマイナスの影響を及ぼさない限り、考え得るフィブリノーゲン/フィブリン比率一切、ならびに、ゲル化および/または凝固の程度一切を包含する。本発明の注入可能な空隙充填剤組成物のフィブリン成分(a)は、少量のフィブリノーゲンのみを有するか、または前記フィブリン中にフィブリノーゲンが一切残っていないフィブリンをさらに包含する。さらに、用語「フィブリン」は、前述の成分(a)の部分的または完全にゲル化または凝固した形態一切をさらに包含する。
【0034】
本発明の一例によれば、前述の注入可能な空隙充填剤組成物の前記フィブリン成分(a)中のフィブリンの量は、約15から65mg/mlまたは約30から65mg/mlなど、凝固した最終組成物中で約5から約100mg/mlの範囲である。
【0035】
別の例によれば、本発明の注入可能な空隙充填剤組成物の前記フィブリン成分(a)中のフィブリンの量は、凝固した最終組成物中で約5から約100mg/mlの範囲であり、成分(b)中のトロンビンの量は、凝固した最終組成物中で少なくとも約1IU/mlであり、成分(c)中に含有される可塑剤の量は、凝固した最終組成物中で約10から約80%w/vの範囲であり、成分(d)中の粒子の量は、凝固した最終組成物に対し約1から約50%w/wの範囲である。
【0036】
本発明によれば、前述の注入可能な空隙充填剤組成物は、ゲル化または凝固した状態であり、軟部組織空隙中への注入に適した粘性を有する。
【0037】
本明細書で使用する場合、用語「ゲル化」は、最初の状態と比較した場合に粘性が上昇した任意の状態を意味する。これは、例えば、フィブリノーゲンからのフィブリンの形成において、または、コロイドなど、少なくとも1つの固相と少なくとも1つの液相とが細かく分散した系において観察できる。さらに、用語「ゲル化」は、当技術分野で公知のゲル化の状態全てを包含する。
【0038】
用語「凝固した」は、例えば、フィブリンを含むゲルを意味し、当技術分野で公知の種類の凝固状態一切を包含する。
【0039】
以下に示す実施例は、この材料をどのように利用すれば軟部組織の管腔および空隙を閉鎖、増強または充填できるかという指針として提供するものであり、いかなる様式でも本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0040】
材料:
フィブリンシーラント溶液 凍結乾燥フィブリノーゲン粉末をアプロチニン溶液で再構成し、凝固可能なタンパク質の総濃度を91mg/mlとする。
イオジキサノール 5−[アセチル[3−[アセチル[3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルカルバモイル)−2,4,6−トリヨードフェニル]アミノ]−2−ヒドロキシプロピル]アミノ]−N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2,4,6−トリヨードベンゼン−1,3−ジカルボキサミド
イオヘキソール 5−(アセチル(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミノ)−N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2,4,6−トリヨードベンゼン−1,3−ジカルボキサミド
フルオレセイン 2−(6−ヒドロキシ−3−オキソキサンテン−9−イル)安息香酸
粒子 リン酸三カルシウム粒子(TCP)、35μm、球状(Plasma Biotal、Derby、UK)
粉末タイプのMBCPから誘導したヒドロキシアパタイト(HA)粒子
HA60%/TCP40%、Biomatlante、フランス。
リン酸緩衝液 リン酸緩衝化NaCl(0.85%生理食塩水)、pH7.2に緩衝化
トロンビン トロンビン緩衝液5mlで濃度500IU/mlに再構成した、500IU/ml凍結乾燥トロンビン粉末。
トロンビン緩衝液 HO中の40mM CaCl
(実施例I)
瘻孔治療用の空隙充填剤組成物(フィブリン、可塑剤および候補薬物を含有)の調製。
【0041】
この実施例では、組成物は、充填および薬物の局所送達が必要な軟部組織空隙中への注入を意図したものである。こうしたことが必要となる条件の例は、抗生物質放出材料で空隙を充填し得る瘻孔の治療においてあると考えられる。フィブリンは、線維芽細胞付着/浸潤および自然治癒を生じさせることが可能な生体マトリックスとして機能する(Brownら、1993年)。さらに、造影剤を可塑剤として使用することにより、施用の可視化および制御が可能になる。
【0042】
この実施例では、抗生物質という用語は、所望の治療効果を生み出すことができる任意の抗微生物剤を記載することを意味する。この用語は、アミノグリコシド/カルバセフェム/カルバペネム/セファロスポリン/糖ペプチド/マロリド(marolide)/モノバクタム/ペニシリン/ポリペプチド/スルホンアミドおよびテトラシリド(tetracylide)(水または有機溶媒中で可溶性)の群の「古典的な」抗生物質、ならびに、微粒子/コロイド状銀またはビスマスチオールなどの新しく同定された抗微生物剤を包含する。
【0043】
ここでの瘻孔という用語は、肛門瘻孔、肛門直腸瘻孔、動静脈瘻孔、胃瘻孔、腸管瘻孔、膣瘻孔および気管支食道瘻孔の群(限定はされないが)の非分岐性の単純な瘻孔を意味するように用いられる。混合後の期間、この組成物の「流動性」は、より複雑な瘻孔を治療する際、そのより良好な充填および成功率向上を可能にし得る(通常のフィブリンと比較した場合)。しかし、このことを実証するには、さらなる調査が必要である。
方法:
この組成物を空隙(型)中に液体として注入する。1時間後、凝固した組成物をリン酸緩衝生理食塩溶液に移し、フルオレセイン放出を測定する。
【0044】
グリセロール入りの凝固塊:40%可塑剤(グリセロール)と10IU/mlトロンビン溶液とをトロンビン希釈緩衝液(再蒸留水中の40mM CaCl)中で調製する。次に、この溶液をホモジナイズする。この溶液を遠心分離して泡を除去し、0.22μmのフィルターを通して濾過することにより滅菌する。フィブリノーゲンを1:1の比率のトロンビン/可塑剤と混合する(したがって、ゲル化した凝固塊中の可塑剤の濃度は半減する)。
【0045】
このために、グリセロール/トロンビン溶液1mlを、5ml注射器に移す。フィブリノーゲン1ml(91mg/ml)を別個の5ml注射器に移す。粒子(乾燥粉末フルオレセイン0.05g)を計量し、別の5ml注射器中に入れる。
【0046】
粒子が入った注射器とトロンビンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身を注射器から注射器へ完全に移すことにより、トロンビン/グリセロールと粒子とをホモジナイズする。
【0047】
トロンビン/グリセロール/粒子が入った注射器とフィブリノーゲンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身をホモジナイズする。
【0048】
この材料は、およそ1〜1.5分間は液体のままである。この材料は、この時間の間に欠損部中に注入でき、あるいは、数分後に形成済ゲルとして送達することもできる。
【0049】
イオジキサノール入りの凝固塊:60%可塑剤(イオジキサノール)と75IU/mlトロンビン溶液とをトロンビン希釈緩衝液(再蒸留水中の40mM CaCl)中で調製する。次に、この溶液をホモジナイズする。この溶液を遠心分離して泡を除去し、0.22μmのフィルターを通して濾過することにより滅菌する。フィブリノーゲンを1:1の比率のトロンビン/可塑剤と混合する(したがって、ゲル化した凝固塊中の可塑剤の濃度は、半分から30%である)。
【0050】
このために、トロンビン/造影剤溶液2mlを、5ml注射器に移す。フィブリノーゲン1ml(91mg/ml)を別個の5ml注射器に移す。粒子(乾燥粉末フルオレセイン0.05g)を計量し、別の5ml注射器中に入れる。
【0051】
粒子が入った注射器とトロンビンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身を注射器から注射器へ完全に移すことにより、トロンビン/CAと粒子とをホモジナイズする。
【0052】
トロンビン/CA/粒子が入った注射器とフィブリノーゲンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身をホモジナイズする。この材料は、およそ1分間は液体のままであり、この時間の間に空隙中に注入でき、あるいは、数分後に形成済ゲルとして送達することもできる。
【0053】
可塑剤が入っていないフィブリン凝固塊、およびイオジキサノールまたはグリセロールのいずれかが入っているフィブリン凝固塊からのフルオレセインの放出については、図1から理解できる。材料特性を変化させることに加え可塑剤の存在により候補薬物の放出が変化することで、速度を速めた、または持続性/徐放性を高めた放出が可能になり、それにより、目的に合わせた抗微生物活性の調節が可能になる。
【0054】
(実施例II)
腹圧性尿失禁の治療における増量剤として使用するための、フィブリンと造影剤とリン酸カルシウムとを含有する組成物
1994年、尿道括約筋を増強するためのコラーゲン注入が、女性では内因性括約筋不全(ISD)、および男性では前立腺切除術後の尿失禁に関連する腹圧性尿失禁の治療用として、FDAの認可を得た。アレルギー反応、および生分解による不首尾などの問題にもかかわらず、ウシのコラーゲンは未だに最も理想的な基準であり続けている(Achtariら、2006年)。文献では、コラーゲンの不首尾は、コラーゲンの再吸収よりむしろコラーゲン堆積物の平坦化との関連が大きいと強く示唆されている(Barthら、2005年)。調査中の新しい増量剤の多くは非分解性の材料の使用を追求しているが、天然組織のものにより近い粘性および弾性を有する材料を使用することも試みられている。
【0055】
この実施例におけるフィブリン/造影剤/ヒドロキシアパタイト組成物は、コラーゲンの代わりに使用できる。この組成物は、フィブリン単独より施用に好適な軟弾性材料であり、コラーゲンと同様の様式で崩壊すると考えられる。
【0056】
前述のフィブリン/造影剤/ヒドロキシアパタイト組成物は、自然な組織修復を促進するのに適した他の任意の成分を含んでもよい。そのような分子の一例は、BMP−2であろう。好ましい成長因子/生物活性剤のより広範なリストは、譲渡された米国特許第5752974号中に詳細に記載されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。このような化合物および/または作用剤は、マトリックスに化学的に結合され、微粒子成分上、例えばカルシウム塩を含有する粒子上に吸着され、フィブリンマトリックス中に捕捉され、または遊離分子/薬物粒子、例えば粉末として含有されてもよい。
方法:
80%または60%の可塑剤いずれか(造影剤のイオジキサノールまたはイオヘキソール)と75IU/mlトロンビン溶液とをトロンビン希釈緩衝液(再蒸留水中の40mM CaCl)中で調製する。次に、この溶液をホモジナイズする。この溶液を遠心分離して泡を除去し、0.22μmのフィルターを通して濾過することにより滅菌する。フィブリノーゲンを1:1の比率のトロンビン/造影剤(CA)と混合する(したがって、ゲル化した凝固塊中の可塑剤の濃度は、半分から、40または30%のいずれかである)。
【0057】
このために、トロンビン/造影剤溶液2mlを、5ml注射器に移す。フィブリノーゲン2ml(91mg/ml)を別個の5ml注射器に移す。リン酸カルシウム粒子(およそ35μm)を、最終的な凝固塊の体積の質量パーセント(w/v)として組み込む。これらを計量し、別の5ml注射器中に入れる。
【0058】
粒子が入った注射器とトロンビンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身を注射器から注射器へ完全に移すことにより、トロンビン/CAと粒子とをホモジナイズする。トロンビン/CA/粒子が入った注射器とフィブリノーゲンが入った注射器とをルアーアダプターを介して接続し、中身をホモジナイズする。この材料は、およそ1分間は液体のままであり、この時間の間に欠損部中に注入でき、あるいは、数分後に形成済ゲルとして送達することもできる。
【0059】
添付の図は、本発明の組成物が良好なコラーゲン代替物を代表する理由を実証するものである。この材料の弾性、および異なる造影剤濃度およびTCP濃度を有するそれぞれの凝固塊の粘性を目的に合わせて調整できることは、図2から理解できる。可塑剤としてのイオジキサノールと、カルシウム塩(量を増加させて)とを含有する組成物のレオロジーデータは、図3から得ることができる。
【0060】
この組成物は、胃食道逆流疾患(GERD)の治療における噴門括約筋用の増量剤として使用することも考慮できる。この方法によるGERDの治療は実行可能であると共に安全であることが見出されている(Zhiら、2005年)が、X線不透過剤が存在するため処置のリアルタイムでのモニタリングが可能になり、食道壁を通した経壁的な注入を防止できる可能性がある。このような厄介な問題は処置時に検出されないことがあり、そのために有害作用を引き起こしかねない。
【0061】
(実施例III)
組織閉鎖
閉鎖器具は、通常は膨張性の材料である。可塑剤の中には、本発明の組成物にこの特性を賦与するものがある。これは、この組成物中に捕捉されている大きな可塑剤分子に主によるものであり、マトリックスから急速に拡散できない。最終的な結果は、材料が水分を取り込み膨張して、浸透力のバランスをとることになる。
【0062】
骨栓:骨栓は、当技術分野では周知であり(米国特許第6607535号、同第5861043号、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる)、人工股関節置換術の間に髄管中へ骨セメントが流れるのを制限または防止するために使用される。米国特許第6605294号では、大腿管を閉鎖するための急速水和型のヒドロゲル栓が紹介されている。このようなヒドロゲル骨栓は、体重を支えるものではないが、インプラントの一部として残る非分解性のポリエチレン栓に勝る顕著な利点を有することが期待される。イオジキサノールおよびリン酸三カルシウムを含有する注入可能なフィブリン組成物は、骨栓としても使用できると考えられる。実施例2に記載の組成物は、体液と接触すると膨張する急速水和型のマトリックスであり、本発明の組成物と大腿管との間の密接な適合を確実なものとする。本発明の組成物を使用するさらなる利点は、この組成物は最小限の侵襲で送達でき、X線不透過剤の存在により、その送達をモニターできることである。
【0063】
可逆的な避妊:この注入可能なフィブリン組成物は、譲渡された米国特許第5752974号に記載のように、妊娠防止用に、カテーテル経由で送達できる。この方法により、卵管が充填/遮断されるようにこの組成物を注入する。この組成物が急速に水和し膨張することにより、卵子および/または精子が組成物を通過またはその周囲を通ることを防止する。さらに、フィブリンは、自然治癒および線維性瘢痕組織の形成を生じさせる生体マトリックスとして機能すると考えられる(Brownら、1993年)。生物活性分子(上皮細胞成長因子(EGF)、形質転換成長因子−α(TGF−[α])、形質転換成長因子−β(TGF−[β])、ヒト内皮細胞成長因子(ECGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、および/または血小板由来成長因子(PDGF)など)をマトリックス中に組み込んで、組織形成をさらに支援/促進することもできる。この様式で送達できると考えられる一連の完全な治療剤は、譲渡された特許WO2005086697に掲載されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。この処置は、遮断された部分を切除し管を再連結することにより元に戻すことができる。
【0064】
歯の閉鎖:本発明の組成物は、歯科手術後に歯肉縁を閉鎖および封鎖するために使用されると考えられる。この組成物は、水和、膨張および閉鎖することにより、口腔液/食物材料および細菌に対するバリアをもたらすことが可能である。この吸収性の組成物は、分解され、天然組織により置き換わることになる。
【0065】
血管閉鎖:血管閉鎖は、手術手技の間、または病態生理の治療の間、血管中の血流を限定または遮断するために使用できる。そのような病態生理の例は、腫瘍または動脈瘤への血流を限定することがあり得る。治療剤をこの組成物と共に送達することができるため、この組成物の適性はさらに増すと考えられる。動脈瘤の場合では、脆弱化した血管への血流を制限して、組み込んだ血管作動性の分子に、脆弱化した血管周囲の血管系をリモデリングさせることができると考えられる。本発明の組成物の利点は、膨張することで組成物と血管との間の良好な適合を確実にすることである。フィブリン可塑剤を変えれば、治療剤の水分取込み、膨張、分解および放出の微制御が可能になる。
【0066】
(実施例IV)
薬物の局所送達
心血管疾患、変性椎間板疾患、出血性消化性潰瘍などの疾患状態を治療するための、または腫瘍の治療のための薬物の局所送達ビヒクルとしての本組成物の使用。この組成物は、液体または形成済ゲルとして、患部組織の中に/同組織に近接してまたは離して注入できる。この材料の部位特異的な送達により、当該組織中の有効用量レベルに達する高い全身用量の必要性が回避されると考えられる。したがって、毒性の可能性が低下する。この組成物は、治療薬の放出に加え、機械的に機能できる可能性もある。例えば出血性消化性潰瘍では、本発明の組成物を潰瘍に近接して注入でき、この組成物はその場所でその領域への血流を制限するように機械的に作用すると考えられる。この効果は、血管収縮薬エピネフリンの局所送達により強化されると考えられる。同様に、この製剤の使用は、抗炎症剤またはステロイド剤を同時に送達しながら、変性椎間板の修復における機械的な支持をもたらすために使用できると考えられる。
【0067】
細胞毒および/または抗体、鎮痛薬、抗凝血薬、抗炎症化合物、抗微生物組成物、サイトカイン、薬物、成長因子、インターフェロン、ホルモン、脂質、脱灰骨または骨形成タンパク質、軟骨誘導因子、オリゴヌクレオチド、ポリマー、多糖、ポリペプチド、プロテアーゼ阻害薬、血管収縮薬、血管拡張薬、ビタミンおよびミネラル(特許RE39192)、本発明の強化された材料特性、および放出速度を目的に合わせて調整できること(図1)により、本発明品は、薬物の局所送達ビヒクルとして、より適したものとなる。治療薬の適当なクラスとしては、限定されるものではないが、血管作動剤、神経活性剤、ホルモン、成長因子、サイトカイン、麻酔薬および筋弛緩薬、ステロイド、抗生物質、抗凝血薬、抗炎症剤、抗増殖剤、抗潰瘍剤、抗ウイルス薬、免疫調節剤、細胞傷害剤、予防剤、抗原および抗体が挙げられる。この様式で送達できると考えられる一連の完全な治療剤は、譲渡された特許WO2005086697および米国特許第6605294号に掲載されており、これらの文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィブリノーゲンと、トロンビンと、少なくとも1つの可塑剤と、平均直径が0.01μmと200μmの間または0.01μmより小さい微小粒子とを含む、軟部組織の管腔または空隙の充填剤として使用するための組成物。
【請求項2】
前記微小粒子が、カルシウムを含有する微小粒子である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
X線造影剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
X線造影剤、CT造影剤およびMRI造影剤から成る群から選択される造影剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
アミノグリコシド、カルバセフェム、カルバペネム、セファロスポリン、糖ペプチド、マロリド、モノバクタム、ペニシリン、ポリペプチド、水中で可溶性および有機溶媒中で可溶性のスルホンアミドおよびテトラシリドから成る群から選択される抗生物質、ならびに、微粒子/コロイド状銀またはビスマスチオール;上皮細胞成長因子(EGF)、形質転換成長因子−α(TGF−[α])、形質転換成長因子−β(TGF−[β])、ヒト内皮細胞成長因子(ECGF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン様成長因子(IGF)、および/または血小板由来成長因子(PDGF)から成る群から選択される成長因子および生物活性剤;細胞毒、抗体、鎮痛薬、抗凝血薬、抗炎症化合物、抗微生物組成物、サイトカイン、インターフェロン、ホルモン、脂質、脱灰骨タンパク質、軟骨誘導因子、オリゴヌクレオチド、ポリマー、多糖、ポリペプチド、プロテアーゼ阻害薬、血管収縮薬、血管拡張薬、ビタミンおよびミネラル、血管作動剤、神経活性剤、麻酔薬、筋弛緩薬、ステロイド、抗凝血薬、抗炎症剤、抗増殖剤、抗潰瘍剤、抗ウイルス薬、免疫調節剤、細胞傷害剤、予防剤、抗原および抗体から成る群から選択される治療剤など、成長因子、化学療法剤、薬理学的作用剤および生物活性剤から成る群から選択される追加成分をさらに含む、請求項1、2、3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記追加成分が、前記フィブリノーゲン、トロンビン、可塑剤または前記微小粒子のいずれかの中に含有されていてもよい、請求項1および5に記載の組成物。
【請求項7】
前記フィブリノーゲン成分が、フィブロネクチン、細胞関連タンパク質および血漿由来タンパク質から成る群から選択される以下のタンパク質のうち1つまたは複数を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記フィブリノーゲン成分が、第XIII因子、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害薬またはその混合物から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記トロンビン成分が前記微小粒子を含有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項10】
前記微小粒子がリン酸カルシウムの微小粒子である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記造影剤が、ヨウ素を含有する有機化合物である、請求項1、2または9に記載の組成物。
【請求項12】
前記有機化合物が希土類元素を含有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記有機化合物がガドリニウムを含有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記造影剤が、ジアトリゾエート、イオデコール、イオジキサノール、イオフラトール、イオグラミド、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオプロミド、イオトロール、イオベルソール、イオキサグレートおよびメトリザミドならびにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項3または11に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物中の可塑剤の量が、最終製剤の10〜80%である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物中の可塑剤の量が、最終製剤の15〜60%w/vである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物中の可塑剤の量が、最終製剤の20〜40%w/vである、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記カルシウムを含有する粒子が、リン酸三カルシウム、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムの多形、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、α−リン酸三カルシウム、β−リン酸三カルシウムおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
前記微小粒子の平均直径が0.01μm〜100μmである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項20】
前記微小粒子の平均直径が0.01μm〜50μmである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記微小粒子の重量が、前記組成物全体の1〜50%w/wである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項22】
前記微小粒子の重量が、前記組成物全体の10〜45%w/wである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項23】
前記微小粒子の重量が、前記組成物全体の30〜40%w/wである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物中のフィブリンの量が10〜200mg/mlである、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記組成物中のフィブリンの量が25mg/ml〜50mg/mlである、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
前記成分の比率次第で溶液の形態で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項27】
前記成分の比率次第で分散物の形態で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記成分の比率次第で固体の形態で存在する、請求項1に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−522617(P2010−522617A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501164(P2010−501164)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/058146
【国際公開番号】WO2008/118913
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】