軸の組付け構造
【課題】 軸の組付け構造の小型化および組付けの作業性の向上を図る。
【解決手段】 駆動軸41と、駆動軸41を支持するケース42と、ケース42を覆うカバー44と、カバー44内に設けられる補機60と、駆動軸41と平行にカバーに支持され補機60を駆動する従動軸65と、駆動軸41に支持される駆動ギア48と、駆動ギア48に噛合され従動軸65に一体回転可能に支持されることで従動軸65と軸方向に重なって配置される従動ギア50と、従動軸65の軸方向又は径方向に突出する凸部49と、凸部49を収容可能に軸方向に窪み、ケース側に設けられた凹部53と、凹部53に連続して設けられケース側に設けられ凸部49を凹部53に嵌合するようなガイド面54とを備えた軸の組付け構造40。
【解決手段】 駆動軸41と、駆動軸41を支持するケース42と、ケース42を覆うカバー44と、カバー44内に設けられる補機60と、駆動軸41と平行にカバーに支持され補機60を駆動する従動軸65と、駆動軸41に支持される駆動ギア48と、駆動ギア48に噛合され従動軸65に一体回転可能に支持されることで従動軸65と軸方向に重なって配置される従動ギア50と、従動軸65の軸方向又は径方向に突出する凸部49と、凸部49を収容可能に軸方向に窪み、ケース側に設けられた凹部53と、凹部53に連続して設けられケース側に設けられ凸部49を凹部53に嵌合するようなガイド面54とを備えた軸の組付け構造40。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の駆動軸と従動軸の組付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の軸の組付け構造では、ケースカバー内にオイルポンプ等の補機が設けれ、クランクシャフトである駆動軸と、オイルポンプ等を駆動するための従動軸が同一軸線上に配置され、駆動軸と従動軸がスプライン嵌合により組み付けられた構造(特許2779695号公報参照)が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2779695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような駆動軸と従動軸の組付け構造では、駆動軸の一方の端部にオイルポンプを駆動する従動軸がスプライン嵌合により組み付けられているため、従動軸の長さの分だけさらにエンジンの幅が広くなり、エンジンが大型化していた。また、予めケースカバーにオイルポンプを取り付け、その後ケースカバーをクランクケースに係合させつつ、従動軸端に設けられ内部にスプライン歯が形成されたボスを、駆動軸端に形成されたスプライン軸に嵌合させるように作業しなくてはならないので、クランクケースとケースカバーの狭い間から、駆動軸と従動軸との位置関係を視認しつつ、駆動軸のスプライン軸と従動軸のボスを嵌合させる必要があり、駆動軸と従動軸の組付け作業が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決したものであって、請求項1記載の発明は、駆動軸と、前記駆動軸を支持するケースと、前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、前記カバーに設けられる補機と、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、前記補機を駆動する従動軸と、前記駆動軸に支持される駆動ギアと、前記駆動軸に噛合され、前記従動軸に一体回転可能に支持されることで前記従動軸と軸方向に重なって配置される従動ギアと、前記従動軸の軸方向又は径方向に突出する凸部と、前記凸部を収容可能に軸方向に窪み、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられた凹部と、前記凹部に連続して設けられ、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられ、前記凸部を前記凹部に嵌合するようにガイドするガイド面を備えたことを特徴とする軸の組付け構造である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記凹部が前記従動ギアに設けられ、前記ガイド面が前記従動ギアに設けられたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記凸部は、前記従動軸に設けられ、径方向に突出する円筒状のピン部材であり、前記従動ギアは、前記駆動ギアに噛合してケースに仮支持されものであって、前記ガイド面は、前記従動軸方向に尖りつつ円周方向に傾斜するテーパ面からなり、前記ガイド面の両側に凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記凸部は、前記従動軸に設けられ、従動軸軸方向に突出する雄ダボであり、前記従動ギアは、前記雄ダボを収容可能に軸方向に窪んだ雌ダボが凹部として形成され、前記ケースに仮支持されるものであって、前記ガイド面は、前記雌ダボに円周方向に傾斜するテーパ面が形成されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記凹部が、前記ケースに設けられ、前記ガイド面が、前記ケースに設けられたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記従動ギアは、前記従動軸に一体回転するように支持され、前記凸部は、前記従動軸端に設けられた延長部であり、前記凹部は、前記ケースに形成された従動軸支持孔であり、前記ガイド面が、前記従動軸支持孔に向って軸方向に傾斜する扇状のテーパ面であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7記載の発明は、駆動軸と、前記駆動軸を支持するケースと、前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、前記カバーに設けられる補機と、前記補機を駆動し、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、かつ径方向に突出する係合部を備えた従動軸と、前記駆動軸に支持される駆動ギアと、前記駆動軸に噛合され、回転軸中心に前記従動軸が貫通する孔が設けられ、軸方向に突出するボスを備え、前記係合部と嵌合する円周方向に複数の被係合部を備え、前記駆動ギアに噛合させた状態で前記ボスの外周を前記ケースに仮支持させる従動ギアを具備したことを特徴とする軸の組付け構造。
具備したことを特徴とする軸の組付け構造である。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記駆動軸はクランク軸であって、前記従動軸は前記駆動軸の下方に位置し、前記ケースは前記クランク軸を支持するクランクケースであり、前記ケースは前記クランク軸を支持する垂直壁からクランク軸方向に突出するボスを備え、前記ケースのボスは前記従動ギアのボスを支持することを特徴とするものである。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の発明において、前記従動軸と前記従動ギアは、前記従動軸の外周と前記従動ギアのボス部内周に形成されたスプラインを嵌合することで連結されることを特徴とするものである。
を特徴としたものである。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかの請求項に記載の発明において、前記ケースはクランクケースであり、前記駆動軸はクランク軸であり、前記補機はオイルポンプであり、前記カバー内にオイルフィルタを設けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、駆動軸と、補機を駆動する従動軸が平行に配設されるので、ケースおよびカバーの駆動軸方向の幅が狭くなり、コンパクト化が可能となる。またケースにカバーを組み付ける際には、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、ケース側に設けられたガイド面を介してガイドされ、前記ガイド面と連続してケース側に設けられた凹部に嵌合されるので、従動ギアと従動軸の組付け作業が容易になる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、従動ギアに設けられたガイド面を介してガイドされ従動ギアに設けた凹部に嵌合されるので、従動ギアと従動軸の組付け作業が容易になる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、従動軸の円筒状のピン部材と従動ギアの凹部を嵌合させる際に、円筒状のピン部材が、従動ギアに設けられた従動方向に尖りかつ円周方向に傾斜するガイド面に沿って滑りつつ、ガイド面の両側に形成された凹部に誘導されるとともに、凸部が凹部に嵌合される方向に従動軸が回転するので、ガイド時の抵抗が少なくなり組付け作業が容易になる。また、あらかじめ従動ギアを駆動ギアに噛合してケースに仮支持するので、カバーをケースに取り付ける際に駆動ギアと従動ギア同士を噛み合わせる作業が容易になる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、従動軸と従動ギアは、従動軸の雄ダボと従動ギアに設けられた雌ダボにより連結されるので、連結部の強度を高くすることが可能となる。また、雌ダボには円周方向に傾斜するテーパ面が形成されているので、従動軸を従動ギアに組み付けるために接近させていくと、テーパ面により雄ダボが雌ダボに嵌合するように誘導され、また雄ダボと雌ダボが嵌合する方向に従動軸が回転するので、ガイド時の抵抗が少なくなり組付け作業が容易になる。さらにまた、あらかじめ従動ギアを駆動ギアに噛合してケースに仮支持するので、カバーをケースに取り付ける際に駆動ギアと従動ギア同士を噛み合わせる作業が容易になる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、ガイド面によりガイド面に隣接して設けられた凹部へと誘導されて、凸部と凹部が嵌合するので、従動軸の組付け作業が容易になる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、カバーをケースに組み付ける際に、従動ギアを回転させながら駆動ギアに噛合させた後カバーを従動軸方向のケース側にスライドさせると、ケースに設けられた扇型テーパ面によりカバーに組み込まれた従動軸が従動軸支持孔に誘導されるので、補機およびカバーの組付け性が良好となる。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、従動ギアは駆動ギアに噛合させつつ従動ギアに設けたボスをケースに仮支持させたのち、従動ギアに従動軸を組み付けるので、ギア噛合作業と従動軸の組付け作業を別工程で行うことが可能となり、補機の組付け作業を容易にすることができる。また、従動ギアに設けたボスを従動軸方向に長くすることで、従動ギアのケース仮支持時に従動ギアの倒れこみを防止するとともに、仮支持を良好とすることができる。
【0022】
請求項8記載の発明によれば、クランクケース側に設けたボスにより、クランクケースが補強される。
【0023】
請求項9記載の発明によれば、従動軸の外周と従動ギアのボス部内周にスプラインが形成されており、かかるスプラインを嵌合することで従動軸と従動ギアが連結されるので、従動軸と従動ギアの係合タイミングを容易に増加させることが可能となる。
【0024】
請求項10記載の発明によれば、オイルポンプおよびオイルフィルタをカバーに設けているので、油路をカバーに集中して形成することでき、油路加工が容易となり、また油路を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の軸の組付け構造が適用される内燃機関を搭載する自動二輪車1の一実施形態を示す右側面図である。
【図2】本発明が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図3】実施例1の従動ギアを図示した外側面図(図2において右側面図)である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図3のV−V断面図である。
【図6】図3のVI−VI断面図である。
【図7】図2のVII−VII断面図である。
【図8】実施例1の組付け作業状態を示した図である。
【図9】実施例1の組付け作業状態を示した図である。
【図10】実施例2の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図11】は、実施例2の連結部材を示した内側面図(図10において左側面図)である。
【図12】は、実施例2の従動ギアを図示した外側面図(図10において右側面図)である。
【図13】は、図12のXIII−XIII拡大断面図である。
【図14】は、実施例3の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図15】は、図14のXV−XV断面を示した図である。
【図16】は、実施例4の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図17】は、参考となる組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願発明を実施するため形態について説明する。
【0027】
図1を参照すると、本発明の軸の組付け構造が適用される内燃機関が搭載される自動二輪車1では、メインフレーム2の前端からダウンフレーム3が後下方に延長し、そのダウンフレーム3の下端からアンダーフレーム4が延びている。そしてそのアンダーフレーム4の後端は、前記メインフレーム2の中央部より下方に延長したセンターフレーム5の端部、およびメインフレームの後部より延びたリヤフレーム6の端部がブラケット7により連結されている。メインフレーム2の上の前部には、燃料タンク8が搭載され、その後方にはシート9が設けられている。
【0028】
前記メインフレーム2の前端に配設されたヘッドチューブ10を介してフロントフォーク11が操向自在に支持されており、当該フロントフォーク11の下端に前輪12が回転自在に支持されている。フロントフォーク11の上方には、ハンドル13が設けられている。また、前記ブラケット7には、リヤフォーク14の前端が軸15により枢支され、このリヤフォーク14は後方に延びて後端に後輪16が回転自在に支持されている。前記メインフレーム2の後部とリヤフォーク14の後部との間には、リヤクッションユニット17が介装されている。
【0029】
前記メインフレーム2、ダウンフレーム3およびセンターフレーム5により囲まれた空所には、車中心を通る前後方向縁直面(車両中心面)に沿って、内燃機関20がシリンダ軸線を上向きにかつクランク軸線を車体幅方向へ指向して搭載されている。
【0030】
当該内燃機関20は、単気筒4サイクル内燃機関であって、左右割のクランクケース42にシリンダブロック21、シリンダヘッド22、およびヘッドカバー23が重ねられて相互にボルトで一体に締結されている。前記シリンダブロック21の内側にはシリンダ24が嵌装され、シリンダ24内には図示されないピストンが摺動自在に嵌装され、クランク軸41とピストンとはコンロッド25を介して連結されている。
【実施例1】
【0031】
本願発明の一実施例である軸の組付け構造40を図2ないし図9を参照して以下に述べる。
【0032】
図2を参照すると、当該軸の組付け構造40は、駆動軸であるクランク軸41と、駆動軸であるクランク軸41を支持するクランクケース42と、クランクケース42のクランク軸線方向外側を覆うケースカバー44と、ケースカバー44に設けられたオイルポンプ60と、クランク軸41と平行にケースカバー44に支持され補機の一種であるオイルポンプ60を駆動する従動軸であるオイルポンプ軸65と、クランク軸41に支持される駆動ギア48と、オイルポンプ軸65に一体回転可能に支持されオイルポンプ軸65を駆動する従動ギア50と、オイルポンプ軸65に設けられ軸の径方向に突出した係合部である凸部49と、従動ギア50に設けられ軸線方向に窪んでいる凹部53と、前記凸部49を前記凹部53に嵌合するようガイドするガイド面54とを備えている。
【0033】
前記クランクケース42は、左クランクケース42Lと右クランクケース42Rとがシリンダ軸線を挟んで一体にボルトにより締結されている。左クランクケース42Lの左側に左ケースカバー44Lが着脱自在に取り付けられるとともに、右クランクケース42Rの右側に右ケースカバー44Rが着脱自在に取り付けられている。前記クランク軸41は、前記左右クランクケース42L、42R内設けられた一対のメタル軸受26により回転自在に支持されている。
【0034】
また、前記クランク軸41の左側には発電機31が直結され、右側にはキー27を介して駆動ギア48が一体に嵌着され、駆動ギア48の右側にはワッシャ28を介してナット29が螺着され、クランク軸41の右端部は右ケースカバー44Rのボス45に回転可能に軸支されている。
【0035】
前記クランク軸41の右端部下方には、アウタロータ61およびインナロータ62からなるオイルポンプ60が配置され、当該オイルポンプ60を回転駆動するオイルポンプ軸65は、その内側端部65a(図2において左側端部)が先細の形状に形成されており、クランク軸41と平行な方向に指向して配設され、駆動ギア48および従動ギア50を介してクランク軸41により駆動されるようになっている。
【0036】
前記右ケースカバー44Rの内側部には、オイルポンプ軸端を枢支するボス46と、オイルポンプ50を嵌装するオイルポンプ嵌装部47が形成されており、当該オイルポンプ嵌装部47内に前記アウタロータ61が嵌装され、前記アウタロータ61にインナロータ62が組み付けられるようになっている。
【0037】
前記インナロータ62の右クランクケース側の端面には、溝部63が設けられており、当該溝部63にオイルポンプ軸65の外側寄りに嵌装されるピン66が嵌合されるようになっている。また、インナロータ62にはその回転軸を中心とした中心軸孔64が形成されており、前記オイルポンプ軸65が挿入されるようになっている。
【0038】
前記インナロータ62に設けられた中心軸孔64に、ピン66が嵌装されたオイルポンプ軸65を挿入し、前記溝部63にピン66を嵌装する。当該オイルポンプ軸65の内側端部65aをオイルポンプ支持部材67に設けられた孔68に嵌入した後、オイルポンプ支持部材67と右ケースカバー44Rとを一体にボルト35により結合すると、ケースカバー44Rにオイルポンプ60およびオイルポンプ軸65が回転自在に組み付けられ、前記オイルポンプ軸65は右ケースカバー44Rのボス46とオイルポンプ支持部材67の孔68により回転自在に枢支され、さらにオイルポンプ軸65とインナロータ62とはピン66を介して動力が伝達されるようになる。
【0039】
オイルポンプ軸65の内側寄りには、オイルポンプ軸65の径方向に突出した係合部である凸部49が設けられている。当該凸部49は、オイルポンプ軸65の軸線方向と垂直になるように嵌装されたピン69の両端部により構成されている。
【0040】
また、前記右クランクケース42Rに、クランク軸41の軸方向に平行でかつオイルポンプ軸65の軸中心線の延長線を中心軸とするボス43が設けられ、当該ボス43に、従動ギア50が回転可能に遊嵌される。
【0041】
クランクケースの下方には左右クランクケース42R、42Lによりオイルパン70が形成され、オイルパン70の右上方には右クランクケース42Rおよび右ケースカバー44Rによりオイルストレーナ71が挟持され、オイルストレーナ71の上方に右クランクケース42Rおよび右ケースカバー44Rにより油通路72が形成されており、右ケースカバー44R内に形成された油通路73を介してオイルポンプ50の吸入口50aにオイルが吸い込まれるようになっている。さらに、オイルポンプ吐出口50bは図示されない油通路に連通され、オイルポンプ50により吐出されたオイルが内燃機関の各部に圧送されるようになっている。
【0042】
前記従動ギア50は、図3ないし図6に図示されるように、駆動ギア48と噛合するギアであって、その中心にオイルポンプ軸65を貫通する孔51が設けられ、当該従動ギア50の内側端面(図2において左側端面)には、右クランクケース44Rに設けられた前記ボス43に遊嵌されるボス52が設けられている。従動ギア50の外側端面(図2において右側端面)には、従動ギア50の中心から放射状に指向した複数個の溝幅が一定で軸方向に窪んでいる凹部53が周方向に亘り等角度間隔毎に設けられるとともに、該凹部53の間には、従動ギア50の外側面視(図2において右側面視)で扇形に見えるガイド部54がそれぞれ設けられ、該ガイド部54にはその幅方向中心線に沿った稜線から周方向に向かって傾斜したガイド面55が形成される。
【0043】
前記内燃機関20の右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに組み付ける際には、図8および図9に示したように、まず従動ギア50を駆動ギア48に噛合しつつ、従動ギア50のボス52を右クランクケース42Rのボス43に遊嵌する。その後右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに右方より所定位置に接近させていくと、当該右ケースカバー44Rにはオイルポンプ60およびオイルポンプ軸65がオイルポンプ支持部材67によりボルト35で一体に結合されているので、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン69が従動ギア50のガイド部54に設けられたいずれかのガイド面55に接触し、当該ピン69の両端部である凸部49は、ガイド面55の傾斜に沿って滑りつつ誘導されて、ガイド面55の両側に形成されたいずれかの凹部53に嵌合する。これにより図2および図7に示すように、オイルポンプ軸65と従動ギア50はピン69を介して連結されて、従動ギア50の駆動力がオイルポンプ軸65に伝達されるようになっている。
【0044】
本実施例は前記したように構成されているので、駆動軸であるクランク軸41と従動軸であるオイルポンプ軸65が並行して配設され、内燃機関20のクランク軸方向の幅を狭くすることができ、内燃機関20のコンパクト化が可能となる。
【0045】
また、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付ける際には、あらかじめ従動ギア50を駆動ギア48に噛合させ、右クランクケース42Rに設けられたボス43を従動ギア50のボス52に遊嵌して従動ギア50をクランクケース42Rに仮支持させるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの間の狭い隙間から、従動ギア50を駆動ギア48に組み付ける必要が無く、駆動ギア48と従動ギア50とを噛み合せる作業が容易になる。
【0046】
さらに、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付けようとして、右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに接近させていくと、右ケースカバー44Rおよびオイルポンプ支持部材67により枢支されたオイルポンプ軸65に嵌装されているピン69が、あらかじめ駆動ギアに噛合されて右クランクケース42Rのボスに仮支持されている従動ギア50のいずれかのガイド部54のガイド面55に当接し、ガイド面55に沿って滑りつつ、ガイド面の両側に形成された凹部53に誘導されるとともに、ピン69が凹部53に嵌合される方向にオイルポンプ軸65が回転するので、オイルポンプ軸65と従動ギア50の組付け時の抵抗が少なくなり、組付け作業が容易になる。
【0047】
また、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付ける際には、あらかじめ従動ギア50は駆動ギア48に噛合されかつクランクケース42Rに仮支持されており、またオイルポンプ軸65の内側端部65aは先細の形状に形成されており、さらにオイルポンプ軸65に嵌装されたピン69は、従動ギア60のガイド部55のガイド面によりガイドされ凹部53に誘導されるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの間の狭い隙間から視認しても、オイルポンプ軸65を従動ギア50に設けられた中心軸穴64に容易に挿入でき、またピン69を従動ギア50の凹部53に嵌装させることが容易となり組付け作業の作業性が向上する。
【実施例2】
【0048】
以下図10ないし図13に図示した、実施例2の軸の組付け構造80について説明する。
【0049】
実施例2の軸の組付け構造80は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50に代えて、従動ギア90と、従動ギア90と係合しオイルポンプ軸65に一体回転可能に支持される連結部材81とを備えている。
【0050】
図11に図示するように、前記連結部材81には、その中心にオイルポンプ軸65が貫通する孔87が設けられており、従動ギア90の外側(図10において右側)に配設される。当該連結部材81の内側端面(図10において左側端面)には、従動軸であるオイルポンプ軸65の軸方向に突出する凸部である雄ダボ82が設けられており、外側端面には、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン69が嵌合する溝部88が設けられている。当該雄ダボ82は、頂面83、底面84、動力伝達面85、およびテーパ面86からなり、各面はオイルポンプ軸65の回転軸に対して放射状に分割されており、頂面83は従動ギア90側に突出した面であり、頂面83の分割された一方の端部83aは、頂面83に対して垂直に形成された動力伝達面85を介して底面84につながっており、頂面83の他方の端部83bはテーパ面86を介して底面84につながっている。
【0051】
また、図12に図示するように、前記従動ギア90はその中心にオイルポンプ軸65が貫通する孔97が設けられており、内側端面には実施例1と同様なボス91が形成されているが、その外側端面には前記雄ダボ82を収容する凹部である雌ダボ92が設けられている。前記雌ダボ92は、雄ダボ82に形成された頂面83、底面84、動力伝達面85、およびテーパ面86に接するように、底面93、頂面94、動力伝達面95、およびガイド面であるテーパ面96が形成されている。前記テーパ面96は、従動軸方向に連結部材側に突出した頂面94から、円周方向に傾斜して底面93につながっているものである。
【0052】
さらに図13に図示するように、従動ギア90の雌ダボ92の動力伝達面95は、頂面94の端部のうち従動ギア90の回転方向側の端部94aに連なって設けられており、従動ギア90が駆動ギア48により回転駆動されると、従動ギア90の動力伝達面95から連結部材81の動力伝達面85に回転動力が伝達されるようになっている。
【0053】
当該軸の組付け構造80を組付ける際には、まず従動ギア90のボス91を右クランクケース42Rのボス43に嵌装し、従動ギア90を右クランクケース42Rに仮支持させる。その後右ケースカバー44Rに枢支されたオイルポンプ軸66を連結部材81の孔87に嵌入し、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン66を連結部材81の溝部88に嵌装する。さらにオイルポンプ60、オイルポンプ軸65、および連結部材81が一体に組付けられた右ケースカバー44Rを、右クランクケース42Rに近づけていき、オイルポンプ軸66を従動ギア90の孔97に挿入しつつ、従動ギア90の雌ダボ92と連結部材81の雌ダボ82を係合する。
【0054】
実施例2の軸の組付け構造80は前記のように構成されているので、右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに接近させていくと、オイルポンプ軸65にピン69により一体に連結された連結部材81の雄ダボ82の頂面83が、従動ギア90の雌ダボ92のテーパ面96により雄ダボ82と雌ダボ92が嵌合するようガイドされ、さらに雄ダボ82と雌ダボ92が嵌合する方向にオイルポンプ軸65が回転するので、ガイド時に抵抗が少なくなり、組付け作業が容易になる。
【実施例3】
【0055】
図14ないし図15に図示した実施例3の軸の組付け構造100について説明する。
【0056】
実施例3の軸の組付け構造100は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50、オイルポンプ軸60、およびオイルポンプ支持部材65に代えて、従動ギア101、オイルポンプ軸103、オイルポンプ支持部材104を備えており、さらに前記オイルポンプ軸103を軸線方向に延長した凸部である軸延長部103aと、右クランクケース42Rに設けられているボス106と、前記ボス106に設けられた凹部であるオイルポンプ軸支持孔107と、前記ボス106の内面に設けられ、オイルポンプ軸103の軸延長部103aをガイドするガイド面108と、ガイド面108の一部であるテーパ面109とを備えている。
【0057】
前記従動ギア101は、内側端面101a(図14において左側端面)に溝部102が設けられており、当該溝部102にオイルポンプ軸103に嵌装されたピン49が嵌合するようになっている。前記オイルポンプ軸103の軸延長部103aの先端は、軸線方向に対して直交した面に形成されている。また、前記オイルポンプ支持部材104には、従動ギア側に従動ギアの外側端面101bに接触するまで延びた筒状部105が形成されている。
【0058】
前記ボス106は、前記右クランクケース42Rに設けられ、図15に示すようにオイルポンプ軸方向から見て扇型に形成されており、当該ボス106にはクランク軸41の軸方向に平行でかつオイルポンプ軸103の軸中心線の延長線を中心軸とする従動軸支持穴107が設けられ、ボス106から従動軸支持穴107に向かってオイルポンプ軸線に対して傾斜するテーパ面109を有するガイド面108が形成されている。
【0059】
軸の組付け構造101は以下のように組付けられる。まず、オイルポンプ軸103にピン69を嵌装し、オイルポンプ軸103にオイルポンプ側から従動ギア101を嵌装し、さらオイルポンプ支持部材104を筒状部105の内側端部105aが従動ギア101の外側端面101bに接するまで嵌装する。さらにピン66をオイルポンプ軸103に挿入し、前記ピン66をインナロータ62の溝部63に嵌入しつつ、オイルポンプ軸103の外側端部103bをインナロータ62の中心軸孔64および右ケースカバー44Rのボス46に嵌入し、オイルポンプ軸支持部材104と右ケースカバー44Rを図示されないボルトで一体に締結する。
【0060】
その後、右ケースカバー44Rを右クランクケースカバー42Rに組付けるために近づけていくと、オイルポンプ軸103の軸延長部103aがボス106のガイド面108に接し仮支持されるので、従動ギア101を回転させながら駆動ギア48に噛合させ、さらにその後右ケースカバー44Rをオイルポンプ軸線方向にスライドすると、軸延長部103aはガイド面108に設けられたテーパ面109により案内され、従動軸支持穴107に挿入される。
【0061】
軸の組付け構造100は前記したように構成されているので、組付け時に、オイルポンプ軸103がボス106のガイド面108に仮支持されて、オイルポンプ軸103に支持された従動ギア101を回転させながら駆動ギア48に噛合させることが容易となり、また噛合させた後にオイルポンプ軸線方向にスライドさせるとともに、オイルポンプ軸103の軸延長部103aがボス106に設けられたガイド面107のテーパ面108により従動軸支持穴107に誘導されるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの狭い間から視認しつつ組付けても、補機であるオイルポンプ60やケースカバー44の組付を容易に行うことができる。
【実施例4】
【0062】
さらにまた、図16に図示した実施例4について説明する。
【0063】
実施例4の軸の組付け構造110は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50およびオイルポンプ軸65に代えて、従動ギア111、オイルポンプ軸114およびオイルポンプ支持部材104を備えている。
【0064】
前記従動ギア111は、オイルポンプ側およびクランクケース側のそれぞれにオイルポンプ軸の軸線方向に延長されたボス112および113が形成されており、ボス113の内周面113aにはスプラインが形成されている。また、前記オイルポンプ軸114は、その内側端部114aは先細に形成されており、当該内側端部114aに隣接し、前記ボス113の内周面113aと接する部分の外周面114bにスプラインが形成され、前記ボス113の内周面113aに嵌合するようになっている。さらに、オイルポンプ支持部材104には、従動ギア側に従動ギアの外側端面に接触するまで延長された筒状部105が形成されている。
【0065】
軸の組付け構造110は、前記のように構成されているので、右クランクケース42Rのボス43に従動ギア111を仮支持させた後、右ケースカバー44Rに組付けられたオイルポンプ軸114を従動ギア111のボス112、113内に挿入すると、オイルポンプ軸114の外周面114bと従動ギア111のボス113の内周面113aがスプライン嵌合により連結される。オイルポンプ軸113と従動ギア112はスプライン嵌合により連結されるので、係合タイミングを簡単に増加することが可能となり、組付け性が向上する。
【参考例】
【0066】
さらに、図17に図示した参考例について説明する。
【0067】
参考例の軸の組付け構造115は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50、オイルポンプ軸65、およびオイルポンプ支持部材67に代えて、従動ギア116、オイルポンプ軸118、オイルポンプ支持部材104、およびサークリップ120を備え、さらに右クランクケース44Rはボス43が形成されていないものである。
【0068】
前記従動ギア116は、その外側端面にオイルポンプ軸118に嵌装したピン69が嵌合する溝部117が設けられている。前記オイルポンプ軸118は、その内側端面118aは軸線に対し略直交する平面に形成され、さらに内側の端部の軸外周面にサークリップ120が係合するための溝119が形成されている。
【0069】
当該軸の組付け構造115は、前記したように構成されているので、以下のように組み付ける。まず、右ケースカバー44Rにオイルポンプ60およびオイルポンプ支持部材104を組み付け、オイルポンプ軸118にピン49を嵌装し、従動ギア116の溝117部がピン69に嵌合するように従動ギア116をオイルポンプ軸118に嵌合させ、さらにオイルポンプ軸118の溝119にサークリップ120を係合する。その後右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに近づけつつ、従動ギア116を駆動ギア48に噛合させて組み付ける。
【0070】
本参考例では、オイルポンプ軸118は右ケースカバー44Rに片持状に支持されているので、駆動ギア48に従動ギア116を容易に噛合わせることが可能となり、組付け性が向上する。
【0071】
前記実施例1から実施例4では、従動軸により駆動される補機はオイルポンプであったが、ウォータポンプやバランサ等の他の補機であってもよい。
【0072】
また、右ケースカバー44R内にオイルフィルタ121を設けたものであってもよい。オイルフィルタ121を右ケースカバー44R内に設けると、同じ右ケースカバー44R内にオイルポンプ60が設けられているので、油路をカバーに集中して形成することが可能となり、油路加工が容易になり、また油路を短くすることができる。
【符号の説明】
【0073】
1…自動二輪車、2…メインフレーム、3…ダウンフレーム、4…アンダーフレーム、5…センターフレーム、6…リヤフレーム、7…ブラケット、8…燃料タンク、9…シート、10…ヘッドチューブ、11…フロントフォーク、12…前輪、13…ハンドル、14…リヤフォーク、15…軸、16…後輪、17…リヤクッションユニット、20…内燃機関、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…ヘッドカバー、24…シリンダ、25…コンロッド、26…メタル軸受、27…キー、28…ワッシャ、29…ナット、31…発電機、33…ボス、35…ボルト、40…軸の組付け構造、41…クランク軸、42…クランクケース、43…ボス、44…ケースカバー、45…ボス、46…ボス、47…オイルポンプ嵌装部、48…駆動ギア、49…凸部、50…従動ギア、51…孔、52…ボス、53…凹部、54…ガイド部、55…ガイド面、60…オイルポンプ、61…アウタロータ、62…インナロータ、63…溝部、64…中心軸孔、65…オイルポンプ軸、66…ピン、67…オイルポンプ支持部材、68…孔、69…ピン、70…オイルパン、71…ストレーナ、72…油通路、73…油通路、80…軸の組付け構造、81…連結部材、82…雄ダボ、83…頂面、84…底面、85…動力伝達面、86…テーパ面、87…孔、88…溝部、90…従動ギア、91…ボス、92…雌ダボ、93…底面、94…頂面、95…動力伝達面、96…テーパ面、97…孔、100…軸の組付け構造、101…従動ギア、102…溝部、103…オイルポンプ軸、104…オイルポンプ支持部材、105…筒状部、106…ボス、107…従動軸支持穴、108…ガイド面、109…テーパ面、110…軸の組付け構造、111…従動ギア、112…ボス、113…ボス、114…オイルポンプ軸、115…軸の組付け溝部、116…従動ギア、117…溝部、118…オイルポンプ軸、119…溝、120…サークリップ、121…オイルフィルタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の駆動軸と従動軸の組付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関の軸の組付け構造では、ケースカバー内にオイルポンプ等の補機が設けれ、クランクシャフトである駆動軸と、オイルポンプ等を駆動するための従動軸が同一軸線上に配置され、駆動軸と従動軸がスプライン嵌合により組み付けられた構造(特許2779695号公報参照)が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2779695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような駆動軸と従動軸の組付け構造では、駆動軸の一方の端部にオイルポンプを駆動する従動軸がスプライン嵌合により組み付けられているため、従動軸の長さの分だけさらにエンジンの幅が広くなり、エンジンが大型化していた。また、予めケースカバーにオイルポンプを取り付け、その後ケースカバーをクランクケースに係合させつつ、従動軸端に設けられ内部にスプライン歯が形成されたボスを、駆動軸端に形成されたスプライン軸に嵌合させるように作業しなくてはならないので、クランクケースとケースカバーの狭い間から、駆動軸と従動軸との位置関係を視認しつつ、駆動軸のスプライン軸と従動軸のボスを嵌合させる必要があり、駆動軸と従動軸の組付け作業が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決したものであって、請求項1記載の発明は、駆動軸と、前記駆動軸を支持するケースと、前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、前記カバーに設けられる補機と、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、前記補機を駆動する従動軸と、前記駆動軸に支持される駆動ギアと、前記駆動軸に噛合され、前記従動軸に一体回転可能に支持されることで前記従動軸と軸方向に重なって配置される従動ギアと、前記従動軸の軸方向又は径方向に突出する凸部と、前記凸部を収容可能に軸方向に窪み、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられた凹部と、前記凹部に連続して設けられ、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられ、前記凸部を前記凹部に嵌合するようにガイドするガイド面を備えたことを特徴とする軸の組付け構造である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記凹部が前記従動ギアに設けられ、前記ガイド面が前記従動ギアに設けられたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記凸部は、前記従動軸に設けられ、径方向に突出する円筒状のピン部材であり、前記従動ギアは、前記駆動ギアに噛合してケースに仮支持されものであって、前記ガイド面は、前記従動軸方向に尖りつつ円周方向に傾斜するテーパ面からなり、前記ガイド面の両側に凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記凸部は、前記従動軸に設けられ、従動軸軸方向に突出する雄ダボであり、前記従動ギアは、前記雄ダボを収容可能に軸方向に窪んだ雌ダボが凹部として形成され、前記ケースに仮支持されるものであって、前記ガイド面は、前記雌ダボに円周方向に傾斜するテーパ面が形成されることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記凹部が、前記ケースに設けられ、前記ガイド面が、前記ケースに設けられたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記従動ギアは、前記従動軸に一体回転するように支持され、前記凸部は、前記従動軸端に設けられた延長部であり、前記凹部は、前記ケースに形成された従動軸支持孔であり、前記ガイド面が、前記従動軸支持孔に向って軸方向に傾斜する扇状のテーパ面であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7記載の発明は、駆動軸と、前記駆動軸を支持するケースと、前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、前記カバーに設けられる補機と、前記補機を駆動し、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、かつ径方向に突出する係合部を備えた従動軸と、前記駆動軸に支持される駆動ギアと、前記駆動軸に噛合され、回転軸中心に前記従動軸が貫通する孔が設けられ、軸方向に突出するボスを備え、前記係合部と嵌合する円周方向に複数の被係合部を備え、前記駆動ギアに噛合させた状態で前記ボスの外周を前記ケースに仮支持させる従動ギアを具備したことを特徴とする軸の組付け構造。
具備したことを特徴とする軸の組付け構造である。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記駆動軸はクランク軸であって、前記従動軸は前記駆動軸の下方に位置し、前記ケースは前記クランク軸を支持するクランクケースであり、前記ケースは前記クランク軸を支持する垂直壁からクランク軸方向に突出するボスを備え、前記ケースのボスは前記従動ギアのボスを支持することを特徴とするものである。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の発明において、前記従動軸と前記従動ギアは、前記従動軸の外周と前記従動ギアのボス部内周に形成されたスプラインを嵌合することで連結されることを特徴とするものである。
を特徴としたものである。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかの請求項に記載の発明において、前記ケースはクランクケースであり、前記駆動軸はクランク軸であり、前記補機はオイルポンプであり、前記カバー内にオイルフィルタを設けることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、駆動軸と、補機を駆動する従動軸が平行に配設されるので、ケースおよびカバーの駆動軸方向の幅が狭くなり、コンパクト化が可能となる。またケースにカバーを組み付ける際には、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、ケース側に設けられたガイド面を介してガイドされ、前記ガイド面と連続してケース側に設けられた凹部に嵌合されるので、従動ギアと従動軸の組付け作業が容易になる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、従動ギアに設けられたガイド面を介してガイドされ従動ギアに設けた凹部に嵌合されるので、従動ギアと従動軸の組付け作業が容易になる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、従動軸の円筒状のピン部材と従動ギアの凹部を嵌合させる際に、円筒状のピン部材が、従動ギアに設けられた従動方向に尖りかつ円周方向に傾斜するガイド面に沿って滑りつつ、ガイド面の両側に形成された凹部に誘導されるとともに、凸部が凹部に嵌合される方向に従動軸が回転するので、ガイド時の抵抗が少なくなり組付け作業が容易になる。また、あらかじめ従動ギアを駆動ギアに噛合してケースに仮支持するので、カバーをケースに取り付ける際に駆動ギアと従動ギア同士を噛み合わせる作業が容易になる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、従動軸と従動ギアは、従動軸の雄ダボと従動ギアに設けられた雌ダボにより連結されるので、連結部の強度を高くすることが可能となる。また、雌ダボには円周方向に傾斜するテーパ面が形成されているので、従動軸を従動ギアに組み付けるために接近させていくと、テーパ面により雄ダボが雌ダボに嵌合するように誘導され、また雄ダボと雌ダボが嵌合する方向に従動軸が回転するので、ガイド時の抵抗が少なくなり組付け作業が容易になる。さらにまた、あらかじめ従動ギアを駆動ギアに噛合してケースに仮支持するので、カバーをケースに取り付ける際に駆動ギアと従動ギア同士を噛み合わせる作業が容易になる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、カバーに支持された従動軸の軸方向の凸部が、ガイド面によりガイド面に隣接して設けられた凹部へと誘導されて、凸部と凹部が嵌合するので、従動軸の組付け作業が容易になる。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、カバーをケースに組み付ける際に、従動ギアを回転させながら駆動ギアに噛合させた後カバーを従動軸方向のケース側にスライドさせると、ケースに設けられた扇型テーパ面によりカバーに組み込まれた従動軸が従動軸支持孔に誘導されるので、補機およびカバーの組付け性が良好となる。
【0021】
請求項7記載の発明によれば、従動ギアは駆動ギアに噛合させつつ従動ギアに設けたボスをケースに仮支持させたのち、従動ギアに従動軸を組み付けるので、ギア噛合作業と従動軸の組付け作業を別工程で行うことが可能となり、補機の組付け作業を容易にすることができる。また、従動ギアに設けたボスを従動軸方向に長くすることで、従動ギアのケース仮支持時に従動ギアの倒れこみを防止するとともに、仮支持を良好とすることができる。
【0022】
請求項8記載の発明によれば、クランクケース側に設けたボスにより、クランクケースが補強される。
【0023】
請求項9記載の発明によれば、従動軸の外周と従動ギアのボス部内周にスプラインが形成されており、かかるスプラインを嵌合することで従動軸と従動ギアが連結されるので、従動軸と従動ギアの係合タイミングを容易に増加させることが可能となる。
【0024】
請求項10記載の発明によれば、オイルポンプおよびオイルフィルタをカバーに設けているので、油路をカバーに集中して形成することでき、油路加工が容易となり、また油路を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の軸の組付け構造が適用される内燃機関を搭載する自動二輪車1の一実施形態を示す右側面図である。
【図2】本発明が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図3】実施例1の従動ギアを図示した外側面図(図2において右側面図)である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図3のV−V断面図である。
【図6】図3のVI−VI断面図である。
【図7】図2のVII−VII断面図である。
【図8】実施例1の組付け作業状態を示した図である。
【図9】実施例1の組付け作業状態を示した図である。
【図10】実施例2の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図11】は、実施例2の連結部材を示した内側面図(図10において左側面図)である。
【図12】は、実施例2の従動ギアを図示した外側面図(図10において右側面図)である。
【図13】は、図12のXIII−XIII拡大断面図である。
【図14】は、実施例3の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図15】は、図14のXV−XV断面を示した図である。
【図16】は、実施例4の組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【図17】は、参考となる組付け構造が適用される内燃機関の一部を図示した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本願発明を実施するため形態について説明する。
【0027】
図1を参照すると、本発明の軸の組付け構造が適用される内燃機関が搭載される自動二輪車1では、メインフレーム2の前端からダウンフレーム3が後下方に延長し、そのダウンフレーム3の下端からアンダーフレーム4が延びている。そしてそのアンダーフレーム4の後端は、前記メインフレーム2の中央部より下方に延長したセンターフレーム5の端部、およびメインフレームの後部より延びたリヤフレーム6の端部がブラケット7により連結されている。メインフレーム2の上の前部には、燃料タンク8が搭載され、その後方にはシート9が設けられている。
【0028】
前記メインフレーム2の前端に配設されたヘッドチューブ10を介してフロントフォーク11が操向自在に支持されており、当該フロントフォーク11の下端に前輪12が回転自在に支持されている。フロントフォーク11の上方には、ハンドル13が設けられている。また、前記ブラケット7には、リヤフォーク14の前端が軸15により枢支され、このリヤフォーク14は後方に延びて後端に後輪16が回転自在に支持されている。前記メインフレーム2の後部とリヤフォーク14の後部との間には、リヤクッションユニット17が介装されている。
【0029】
前記メインフレーム2、ダウンフレーム3およびセンターフレーム5により囲まれた空所には、車中心を通る前後方向縁直面(車両中心面)に沿って、内燃機関20がシリンダ軸線を上向きにかつクランク軸線を車体幅方向へ指向して搭載されている。
【0030】
当該内燃機関20は、単気筒4サイクル内燃機関であって、左右割のクランクケース42にシリンダブロック21、シリンダヘッド22、およびヘッドカバー23が重ねられて相互にボルトで一体に締結されている。前記シリンダブロック21の内側にはシリンダ24が嵌装され、シリンダ24内には図示されないピストンが摺動自在に嵌装され、クランク軸41とピストンとはコンロッド25を介して連結されている。
【実施例1】
【0031】
本願発明の一実施例である軸の組付け構造40を図2ないし図9を参照して以下に述べる。
【0032】
図2を参照すると、当該軸の組付け構造40は、駆動軸であるクランク軸41と、駆動軸であるクランク軸41を支持するクランクケース42と、クランクケース42のクランク軸線方向外側を覆うケースカバー44と、ケースカバー44に設けられたオイルポンプ60と、クランク軸41と平行にケースカバー44に支持され補機の一種であるオイルポンプ60を駆動する従動軸であるオイルポンプ軸65と、クランク軸41に支持される駆動ギア48と、オイルポンプ軸65に一体回転可能に支持されオイルポンプ軸65を駆動する従動ギア50と、オイルポンプ軸65に設けられ軸の径方向に突出した係合部である凸部49と、従動ギア50に設けられ軸線方向に窪んでいる凹部53と、前記凸部49を前記凹部53に嵌合するようガイドするガイド面54とを備えている。
【0033】
前記クランクケース42は、左クランクケース42Lと右クランクケース42Rとがシリンダ軸線を挟んで一体にボルトにより締結されている。左クランクケース42Lの左側に左ケースカバー44Lが着脱自在に取り付けられるとともに、右クランクケース42Rの右側に右ケースカバー44Rが着脱自在に取り付けられている。前記クランク軸41は、前記左右クランクケース42L、42R内設けられた一対のメタル軸受26により回転自在に支持されている。
【0034】
また、前記クランク軸41の左側には発電機31が直結され、右側にはキー27を介して駆動ギア48が一体に嵌着され、駆動ギア48の右側にはワッシャ28を介してナット29が螺着され、クランク軸41の右端部は右ケースカバー44Rのボス45に回転可能に軸支されている。
【0035】
前記クランク軸41の右端部下方には、アウタロータ61およびインナロータ62からなるオイルポンプ60が配置され、当該オイルポンプ60を回転駆動するオイルポンプ軸65は、その内側端部65a(図2において左側端部)が先細の形状に形成されており、クランク軸41と平行な方向に指向して配設され、駆動ギア48および従動ギア50を介してクランク軸41により駆動されるようになっている。
【0036】
前記右ケースカバー44Rの内側部には、オイルポンプ軸端を枢支するボス46と、オイルポンプ50を嵌装するオイルポンプ嵌装部47が形成されており、当該オイルポンプ嵌装部47内に前記アウタロータ61が嵌装され、前記アウタロータ61にインナロータ62が組み付けられるようになっている。
【0037】
前記インナロータ62の右クランクケース側の端面には、溝部63が設けられており、当該溝部63にオイルポンプ軸65の外側寄りに嵌装されるピン66が嵌合されるようになっている。また、インナロータ62にはその回転軸を中心とした中心軸孔64が形成されており、前記オイルポンプ軸65が挿入されるようになっている。
【0038】
前記インナロータ62に設けられた中心軸孔64に、ピン66が嵌装されたオイルポンプ軸65を挿入し、前記溝部63にピン66を嵌装する。当該オイルポンプ軸65の内側端部65aをオイルポンプ支持部材67に設けられた孔68に嵌入した後、オイルポンプ支持部材67と右ケースカバー44Rとを一体にボルト35により結合すると、ケースカバー44Rにオイルポンプ60およびオイルポンプ軸65が回転自在に組み付けられ、前記オイルポンプ軸65は右ケースカバー44Rのボス46とオイルポンプ支持部材67の孔68により回転自在に枢支され、さらにオイルポンプ軸65とインナロータ62とはピン66を介して動力が伝達されるようになる。
【0039】
オイルポンプ軸65の内側寄りには、オイルポンプ軸65の径方向に突出した係合部である凸部49が設けられている。当該凸部49は、オイルポンプ軸65の軸線方向と垂直になるように嵌装されたピン69の両端部により構成されている。
【0040】
また、前記右クランクケース42Rに、クランク軸41の軸方向に平行でかつオイルポンプ軸65の軸中心線の延長線を中心軸とするボス43が設けられ、当該ボス43に、従動ギア50が回転可能に遊嵌される。
【0041】
クランクケースの下方には左右クランクケース42R、42Lによりオイルパン70が形成され、オイルパン70の右上方には右クランクケース42Rおよび右ケースカバー44Rによりオイルストレーナ71が挟持され、オイルストレーナ71の上方に右クランクケース42Rおよび右ケースカバー44Rにより油通路72が形成されており、右ケースカバー44R内に形成された油通路73を介してオイルポンプ50の吸入口50aにオイルが吸い込まれるようになっている。さらに、オイルポンプ吐出口50bは図示されない油通路に連通され、オイルポンプ50により吐出されたオイルが内燃機関の各部に圧送されるようになっている。
【0042】
前記従動ギア50は、図3ないし図6に図示されるように、駆動ギア48と噛合するギアであって、その中心にオイルポンプ軸65を貫通する孔51が設けられ、当該従動ギア50の内側端面(図2において左側端面)には、右クランクケース44Rに設けられた前記ボス43に遊嵌されるボス52が設けられている。従動ギア50の外側端面(図2において右側端面)には、従動ギア50の中心から放射状に指向した複数個の溝幅が一定で軸方向に窪んでいる凹部53が周方向に亘り等角度間隔毎に設けられるとともに、該凹部53の間には、従動ギア50の外側面視(図2において右側面視)で扇形に見えるガイド部54がそれぞれ設けられ、該ガイド部54にはその幅方向中心線に沿った稜線から周方向に向かって傾斜したガイド面55が形成される。
【0043】
前記内燃機関20の右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに組み付ける際には、図8および図9に示したように、まず従動ギア50を駆動ギア48に噛合しつつ、従動ギア50のボス52を右クランクケース42Rのボス43に遊嵌する。その後右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに右方より所定位置に接近させていくと、当該右ケースカバー44Rにはオイルポンプ60およびオイルポンプ軸65がオイルポンプ支持部材67によりボルト35で一体に結合されているので、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン69が従動ギア50のガイド部54に設けられたいずれかのガイド面55に接触し、当該ピン69の両端部である凸部49は、ガイド面55の傾斜に沿って滑りつつ誘導されて、ガイド面55の両側に形成されたいずれかの凹部53に嵌合する。これにより図2および図7に示すように、オイルポンプ軸65と従動ギア50はピン69を介して連結されて、従動ギア50の駆動力がオイルポンプ軸65に伝達されるようになっている。
【0044】
本実施例は前記したように構成されているので、駆動軸であるクランク軸41と従動軸であるオイルポンプ軸65が並行して配設され、内燃機関20のクランク軸方向の幅を狭くすることができ、内燃機関20のコンパクト化が可能となる。
【0045】
また、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付ける際には、あらかじめ従動ギア50を駆動ギア48に噛合させ、右クランクケース42Rに設けられたボス43を従動ギア50のボス52に遊嵌して従動ギア50をクランクケース42Rに仮支持させるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの間の狭い隙間から、従動ギア50を駆動ギア48に組み付ける必要が無く、駆動ギア48と従動ギア50とを噛み合せる作業が容易になる。
【0046】
さらに、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付けようとして、右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに接近させていくと、右ケースカバー44Rおよびオイルポンプ支持部材67により枢支されたオイルポンプ軸65に嵌装されているピン69が、あらかじめ駆動ギアに噛合されて右クランクケース42Rのボスに仮支持されている従動ギア50のいずれかのガイド部54のガイド面55に当接し、ガイド面55に沿って滑りつつ、ガイド面の両側に形成された凹部53に誘導されるとともに、ピン69が凹部53に嵌合される方向にオイルポンプ軸65が回転するので、オイルポンプ軸65と従動ギア50の組付け時の抵抗が少なくなり、組付け作業が容易になる。
【0047】
また、右クランクケース42Rに右ケースカバー44Rを組み付ける際には、あらかじめ従動ギア50は駆動ギア48に噛合されかつクランクケース42Rに仮支持されており、またオイルポンプ軸65の内側端部65aは先細の形状に形成されており、さらにオイルポンプ軸65に嵌装されたピン69は、従動ギア60のガイド部55のガイド面によりガイドされ凹部53に誘導されるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの間の狭い隙間から視認しても、オイルポンプ軸65を従動ギア50に設けられた中心軸穴64に容易に挿入でき、またピン69を従動ギア50の凹部53に嵌装させることが容易となり組付け作業の作業性が向上する。
【実施例2】
【0048】
以下図10ないし図13に図示した、実施例2の軸の組付け構造80について説明する。
【0049】
実施例2の軸の組付け構造80は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50に代えて、従動ギア90と、従動ギア90と係合しオイルポンプ軸65に一体回転可能に支持される連結部材81とを備えている。
【0050】
図11に図示するように、前記連結部材81には、その中心にオイルポンプ軸65が貫通する孔87が設けられており、従動ギア90の外側(図10において右側)に配設される。当該連結部材81の内側端面(図10において左側端面)には、従動軸であるオイルポンプ軸65の軸方向に突出する凸部である雄ダボ82が設けられており、外側端面には、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン69が嵌合する溝部88が設けられている。当該雄ダボ82は、頂面83、底面84、動力伝達面85、およびテーパ面86からなり、各面はオイルポンプ軸65の回転軸に対して放射状に分割されており、頂面83は従動ギア90側に突出した面であり、頂面83の分割された一方の端部83aは、頂面83に対して垂直に形成された動力伝達面85を介して底面84につながっており、頂面83の他方の端部83bはテーパ面86を介して底面84につながっている。
【0051】
また、図12に図示するように、前記従動ギア90はその中心にオイルポンプ軸65が貫通する孔97が設けられており、内側端面には実施例1と同様なボス91が形成されているが、その外側端面には前記雄ダボ82を収容する凹部である雌ダボ92が設けられている。前記雌ダボ92は、雄ダボ82に形成された頂面83、底面84、動力伝達面85、およびテーパ面86に接するように、底面93、頂面94、動力伝達面95、およびガイド面であるテーパ面96が形成されている。前記テーパ面96は、従動軸方向に連結部材側に突出した頂面94から、円周方向に傾斜して底面93につながっているものである。
【0052】
さらに図13に図示するように、従動ギア90の雌ダボ92の動力伝達面95は、頂面94の端部のうち従動ギア90の回転方向側の端部94aに連なって設けられており、従動ギア90が駆動ギア48により回転駆動されると、従動ギア90の動力伝達面95から連結部材81の動力伝達面85に回転動力が伝達されるようになっている。
【0053】
当該軸の組付け構造80を組付ける際には、まず従動ギア90のボス91を右クランクケース42Rのボス43に嵌装し、従動ギア90を右クランクケース42Rに仮支持させる。その後右ケースカバー44Rに枢支されたオイルポンプ軸66を連結部材81の孔87に嵌入し、オイルポンプ軸65に嵌装されたピン66を連結部材81の溝部88に嵌装する。さらにオイルポンプ60、オイルポンプ軸65、および連結部材81が一体に組付けられた右ケースカバー44Rを、右クランクケース42Rに近づけていき、オイルポンプ軸66を従動ギア90の孔97に挿入しつつ、従動ギア90の雌ダボ92と連結部材81の雌ダボ82を係合する。
【0054】
実施例2の軸の組付け構造80は前記のように構成されているので、右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに接近させていくと、オイルポンプ軸65にピン69により一体に連結された連結部材81の雄ダボ82の頂面83が、従動ギア90の雌ダボ92のテーパ面96により雄ダボ82と雌ダボ92が嵌合するようガイドされ、さらに雄ダボ82と雌ダボ92が嵌合する方向にオイルポンプ軸65が回転するので、ガイド時に抵抗が少なくなり、組付け作業が容易になる。
【実施例3】
【0055】
図14ないし図15に図示した実施例3の軸の組付け構造100について説明する。
【0056】
実施例3の軸の組付け構造100は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50、オイルポンプ軸60、およびオイルポンプ支持部材65に代えて、従動ギア101、オイルポンプ軸103、オイルポンプ支持部材104を備えており、さらに前記オイルポンプ軸103を軸線方向に延長した凸部である軸延長部103aと、右クランクケース42Rに設けられているボス106と、前記ボス106に設けられた凹部であるオイルポンプ軸支持孔107と、前記ボス106の内面に設けられ、オイルポンプ軸103の軸延長部103aをガイドするガイド面108と、ガイド面108の一部であるテーパ面109とを備えている。
【0057】
前記従動ギア101は、内側端面101a(図14において左側端面)に溝部102が設けられており、当該溝部102にオイルポンプ軸103に嵌装されたピン49が嵌合するようになっている。前記オイルポンプ軸103の軸延長部103aの先端は、軸線方向に対して直交した面に形成されている。また、前記オイルポンプ支持部材104には、従動ギア側に従動ギアの外側端面101bに接触するまで延びた筒状部105が形成されている。
【0058】
前記ボス106は、前記右クランクケース42Rに設けられ、図15に示すようにオイルポンプ軸方向から見て扇型に形成されており、当該ボス106にはクランク軸41の軸方向に平行でかつオイルポンプ軸103の軸中心線の延長線を中心軸とする従動軸支持穴107が設けられ、ボス106から従動軸支持穴107に向かってオイルポンプ軸線に対して傾斜するテーパ面109を有するガイド面108が形成されている。
【0059】
軸の組付け構造101は以下のように組付けられる。まず、オイルポンプ軸103にピン69を嵌装し、オイルポンプ軸103にオイルポンプ側から従動ギア101を嵌装し、さらオイルポンプ支持部材104を筒状部105の内側端部105aが従動ギア101の外側端面101bに接するまで嵌装する。さらにピン66をオイルポンプ軸103に挿入し、前記ピン66をインナロータ62の溝部63に嵌入しつつ、オイルポンプ軸103の外側端部103bをインナロータ62の中心軸孔64および右ケースカバー44Rのボス46に嵌入し、オイルポンプ軸支持部材104と右ケースカバー44Rを図示されないボルトで一体に締結する。
【0060】
その後、右ケースカバー44Rを右クランクケースカバー42Rに組付けるために近づけていくと、オイルポンプ軸103の軸延長部103aがボス106のガイド面108に接し仮支持されるので、従動ギア101を回転させながら駆動ギア48に噛合させ、さらにその後右ケースカバー44Rをオイルポンプ軸線方向にスライドすると、軸延長部103aはガイド面108に設けられたテーパ面109により案内され、従動軸支持穴107に挿入される。
【0061】
軸の組付け構造100は前記したように構成されているので、組付け時に、オイルポンプ軸103がボス106のガイド面108に仮支持されて、オイルポンプ軸103に支持された従動ギア101を回転させながら駆動ギア48に噛合させることが容易となり、また噛合させた後にオイルポンプ軸線方向にスライドさせるとともに、オイルポンプ軸103の軸延長部103aがボス106に設けられたガイド面107のテーパ面108により従動軸支持穴107に誘導されるので、右クランクケース42Rと右ケースカバー44Rの狭い間から視認しつつ組付けても、補機であるオイルポンプ60やケースカバー44の組付を容易に行うことができる。
【実施例4】
【0062】
さらにまた、図16に図示した実施例4について説明する。
【0063】
実施例4の軸の組付け構造110は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50およびオイルポンプ軸65に代えて、従動ギア111、オイルポンプ軸114およびオイルポンプ支持部材104を備えている。
【0064】
前記従動ギア111は、オイルポンプ側およびクランクケース側のそれぞれにオイルポンプ軸の軸線方向に延長されたボス112および113が形成されており、ボス113の内周面113aにはスプラインが形成されている。また、前記オイルポンプ軸114は、その内側端部114aは先細に形成されており、当該内側端部114aに隣接し、前記ボス113の内周面113aと接する部分の外周面114bにスプラインが形成され、前記ボス113の内周面113aに嵌合するようになっている。さらに、オイルポンプ支持部材104には、従動ギア側に従動ギアの外側端面に接触するまで延長された筒状部105が形成されている。
【0065】
軸の組付け構造110は、前記のように構成されているので、右クランクケース42Rのボス43に従動ギア111を仮支持させた後、右ケースカバー44Rに組付けられたオイルポンプ軸114を従動ギア111のボス112、113内に挿入すると、オイルポンプ軸114の外周面114bと従動ギア111のボス113の内周面113aがスプライン嵌合により連結される。オイルポンプ軸113と従動ギア112はスプライン嵌合により連結されるので、係合タイミングを簡単に増加することが可能となり、組付け性が向上する。
【参考例】
【0066】
さらに、図17に図示した参考例について説明する。
【0067】
参考例の軸の組付け構造115は、実施例1の軸の組付け構造40の従動ギア50、オイルポンプ軸65、およびオイルポンプ支持部材67に代えて、従動ギア116、オイルポンプ軸118、オイルポンプ支持部材104、およびサークリップ120を備え、さらに右クランクケース44Rはボス43が形成されていないものである。
【0068】
前記従動ギア116は、その外側端面にオイルポンプ軸118に嵌装したピン69が嵌合する溝部117が設けられている。前記オイルポンプ軸118は、その内側端面118aは軸線に対し略直交する平面に形成され、さらに内側の端部の軸外周面にサークリップ120が係合するための溝119が形成されている。
【0069】
当該軸の組付け構造115は、前記したように構成されているので、以下のように組み付ける。まず、右ケースカバー44Rにオイルポンプ60およびオイルポンプ支持部材104を組み付け、オイルポンプ軸118にピン49を嵌装し、従動ギア116の溝117部がピン69に嵌合するように従動ギア116をオイルポンプ軸118に嵌合させ、さらにオイルポンプ軸118の溝119にサークリップ120を係合する。その後右ケースカバー44Rを右クランクケース42Rに近づけつつ、従動ギア116を駆動ギア48に噛合させて組み付ける。
【0070】
本参考例では、オイルポンプ軸118は右ケースカバー44Rに片持状に支持されているので、駆動ギア48に従動ギア116を容易に噛合わせることが可能となり、組付け性が向上する。
【0071】
前記実施例1から実施例4では、従動軸により駆動される補機はオイルポンプであったが、ウォータポンプやバランサ等の他の補機であってもよい。
【0072】
また、右ケースカバー44R内にオイルフィルタ121を設けたものであってもよい。オイルフィルタ121を右ケースカバー44R内に設けると、同じ右ケースカバー44R内にオイルポンプ60が設けられているので、油路をカバーに集中して形成することが可能となり、油路加工が容易になり、また油路を短くすることができる。
【符号の説明】
【0073】
1…自動二輪車、2…メインフレーム、3…ダウンフレーム、4…アンダーフレーム、5…センターフレーム、6…リヤフレーム、7…ブラケット、8…燃料タンク、9…シート、10…ヘッドチューブ、11…フロントフォーク、12…前輪、13…ハンドル、14…リヤフォーク、15…軸、16…後輪、17…リヤクッションユニット、20…内燃機関、21…シリンダブロック、22…シリンダヘッド、23…ヘッドカバー、24…シリンダ、25…コンロッド、26…メタル軸受、27…キー、28…ワッシャ、29…ナット、31…発電機、33…ボス、35…ボルト、40…軸の組付け構造、41…クランク軸、42…クランクケース、43…ボス、44…ケースカバー、45…ボス、46…ボス、47…オイルポンプ嵌装部、48…駆動ギア、49…凸部、50…従動ギア、51…孔、52…ボス、53…凹部、54…ガイド部、55…ガイド面、60…オイルポンプ、61…アウタロータ、62…インナロータ、63…溝部、64…中心軸孔、65…オイルポンプ軸、66…ピン、67…オイルポンプ支持部材、68…孔、69…ピン、70…オイルパン、71…ストレーナ、72…油通路、73…油通路、80…軸の組付け構造、81…連結部材、82…雄ダボ、83…頂面、84…底面、85…動力伝達面、86…テーパ面、87…孔、88…溝部、90…従動ギア、91…ボス、92…雌ダボ、93…底面、94…頂面、95…動力伝達面、96…テーパ面、97…孔、100…軸の組付け構造、101…従動ギア、102…溝部、103…オイルポンプ軸、104…オイルポンプ支持部材、105…筒状部、106…ボス、107…従動軸支持穴、108…ガイド面、109…テーパ面、110…軸の組付け構造、111…従動ギア、112…ボス、113…ボス、114…オイルポンプ軸、115…軸の組付け溝部、116…従動ギア、117…溝部、118…オイルポンプ軸、119…溝、120…サークリップ、121…オイルフィルタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸と、
前記駆動軸を支持するケースと、
前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、
前記カバーに設けられる補機と、
前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、前記補機を駆動する従動軸と、
前記駆動軸に支持される駆動ギアと、
前記駆動ギアに噛合され、前記従動軸に一体回転可能に支持されることで前記従動軸と軸方向に重なって配置される従動ギアと、
前記従動軸の軸方向又は径方向に突出する凸部と、
前記凸部を収容可能に軸方向に窪み、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられた凹部と、
前記凹部に連続して設けられ、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられ、前記凸部を前記凹部に嵌合するようにガイドするガイド面とを備えたことを特徴とする軸の組付け構造。
【請求項2】
前記凹部が前記従動ギアに設けられ、
前記ガイド面が前記従動ギアに設けられたことを特徴とする請求項1記載の軸の組付け構造。
【請求項3】
前記凸部は、前記従動軸に設けられ、径方向に突出する円筒状のピン部材であり、
前記従動ギアは、前記駆動ギアに噛合してケースに仮支持されるものであって、
前記ガイド面は、前記従動軸方向に尖りつつ円周方向に傾斜するテーパ面からなり、
前記ガイド面の両側に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の軸の組付け構造。
【請求項4】
前記凸部は、前記従動軸に設けられ、従動軸軸方向に突出する雄ダボであり、
前記従動ギアは、前記雄ダボを収容可能に軸方向に窪んだ雌ダボが凹部として形成され、前記ケースに仮支持されるものであって、
前記ガイド面は、前記雌ダボに円周方向に傾斜するテーパ面が形成されることを特徴とする請求項2記載の軸の組付け構造。
【請求項5】
前記凹部が、前記ケースに設けられ、
前記ガイド面が、前記ケースに設けられたことを特徴とする請求項1記載の軸の組付け構造。
【請求項6】
前記従動ギアは、前記従動軸に一体回転するように支持され、
前記凸部は、前記従動軸端に設けられた延長部であり、
前記凹部は、前記ケースに形成された従動軸支持孔であり、
前記ガイド面が、前記従動軸支持孔に向って軸方向に傾斜する扇状のテーパ面であることを特徴とする請求項5記載の軸の組付け構造。
【請求項7】
駆動軸と、
前記駆動軸を支持するケースと、
前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、
前記カバーに設けられる補機と、
前記補機を駆動し、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、かつ径方向に突出する係合部を備えた従動軸と、
前記駆動軸に支持される駆動ギアと、
前記駆動軸に噛合され、回転軸中心に前記従動軸が貫通する孔が設けられ、軸方向に突出するボスを備え、前記係合部と嵌合する円周方向に複数の被係合部を備え、前記駆動ギアに噛合させた状態で前記ボスの外周を前記ケースに仮支持させる従動ギアを具備したことを特徴とする軸の組付け構造。
【請求項8】
前記駆動軸はクランク軸であって、
前記従動軸は前記駆動軸の下方に位置し、
前記ケースは前記クランク軸を支持するクランクケースであり、
前記ケースは前記クランク軸を支持する垂直壁からクランク軸方向に突出するボスを備え、
前記ケースのボスは前記従動ギアのボスを支持することを特徴とした請求項7記載の軸の組付け構造。
【請求項9】
前記従動軸と前記従動ギアは、前記従動軸の外周と前記従動ギアのボス部内周に形成されたスプラインを嵌合することで連結されることを特徴とする請求項7または8記載の軸の組付け構造。
【請求項10】
前記ケースはクランクケースであり、
前記駆動軸はクランク軸であり、
前記補機はオイルポンプであり、
前記カバー内にオイルフィルタを設けることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかの請求項に記載の軸の組付け構造。
【請求項1】
駆動軸と、
前記駆動軸を支持するケースと、
前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、
前記カバーに設けられる補機と、
前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、前記補機を駆動する従動軸と、
前記駆動軸に支持される駆動ギアと、
前記駆動ギアに噛合され、前記従動軸に一体回転可能に支持されることで前記従動軸と軸方向に重なって配置される従動ギアと、
前記従動軸の軸方向又は径方向に突出する凸部と、
前記凸部を収容可能に軸方向に窪み、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられた凹部と、
前記凹部に連続して設けられ、前記ケースに前記カバーを組付ける時におけるケース側に設けられ、前記凸部を前記凹部に嵌合するようにガイドするガイド面とを備えたことを特徴とする軸の組付け構造。
【請求項2】
前記凹部が前記従動ギアに設けられ、
前記ガイド面が前記従動ギアに設けられたことを特徴とする請求項1記載の軸の組付け構造。
【請求項3】
前記凸部は、前記従動軸に設けられ、径方向に突出する円筒状のピン部材であり、
前記従動ギアは、前記駆動ギアに噛合してケースに仮支持されるものであって、
前記ガイド面は、前記従動軸方向に尖りつつ円周方向に傾斜するテーパ面からなり、
前記ガイド面の両側に前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の軸の組付け構造。
【請求項4】
前記凸部は、前記従動軸に設けられ、従動軸軸方向に突出する雄ダボであり、
前記従動ギアは、前記雄ダボを収容可能に軸方向に窪んだ雌ダボが凹部として形成され、前記ケースに仮支持されるものであって、
前記ガイド面は、前記雌ダボに円周方向に傾斜するテーパ面が形成されることを特徴とする請求項2記載の軸の組付け構造。
【請求項5】
前記凹部が、前記ケースに設けられ、
前記ガイド面が、前記ケースに設けられたことを特徴とする請求項1記載の軸の組付け構造。
【請求項6】
前記従動ギアは、前記従動軸に一体回転するように支持され、
前記凸部は、前記従動軸端に設けられた延長部であり、
前記凹部は、前記ケースに形成された従動軸支持孔であり、
前記ガイド面が、前記従動軸支持孔に向って軸方向に傾斜する扇状のテーパ面であることを特徴とする請求項5記載の軸の組付け構造。
【請求項7】
駆動軸と、
前記駆動軸を支持するケースと、
前記ケースの駆動軸軸方向外側を覆うカバーと、
前記カバーに設けられる補機と、
前記補機を駆動し、前記駆動軸と平行に前記カバーに支持され、かつ径方向に突出する係合部を備えた従動軸と、
前記駆動軸に支持される駆動ギアと、
前記駆動軸に噛合され、回転軸中心に前記従動軸が貫通する孔が設けられ、軸方向に突出するボスを備え、前記係合部と嵌合する円周方向に複数の被係合部を備え、前記駆動ギアに噛合させた状態で前記ボスの外周を前記ケースに仮支持させる従動ギアを具備したことを特徴とする軸の組付け構造。
【請求項8】
前記駆動軸はクランク軸であって、
前記従動軸は前記駆動軸の下方に位置し、
前記ケースは前記クランク軸を支持するクランクケースであり、
前記ケースは前記クランク軸を支持する垂直壁からクランク軸方向に突出するボスを備え、
前記ケースのボスは前記従動ギアのボスを支持することを特徴とした請求項7記載の軸の組付け構造。
【請求項9】
前記従動軸と前記従動ギアは、前記従動軸の外周と前記従動ギアのボス部内周に形成されたスプラインを嵌合することで連結されることを特徴とする請求項7または8記載の軸の組付け構造。
【請求項10】
前記ケースはクランクケースであり、
前記駆動軸はクランク軸であり、
前記補機はオイルポンプであり、
前記カバー内にオイルフィルタを設けることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかの請求項に記載の軸の組付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−179356(P2011−179356A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42630(P2010−42630)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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