説明

軸受構造及び記録装置

【課題】潤滑剤の追加供給の作業性を向上でき、且つ、潤滑剤の定量的な供給が可能な軸受構造及び記録装置を提供する。
【解決手段】主ガイド軸14に沿う軸方向に移動するキャリッジ16と一体的に移動可能に設けられ、上記移動の際に主ガイド軸14の周面14aと摺接するブッシュ40と、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材50と、を有する軸受部16aであって、潤滑剤供給部材50は、上記潤滑剤を含有すると共に、主ガイド軸14の周面14aに接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材51と、潤滑剤含有部材51を保持すると共に、潤滑剤含有部材51をブッシュ40と独立して主ガイド軸14に対して着脱自在とさせる保持部材52と、を有するという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受構造及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、記録媒体に対して液体を付着させて記録処理を施す記録装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。これら特許文献のプリンターは、ガイドシャフト(軸部材)と、該ガイドシャフトに軸受部を介して摺動可能に設けられたキャリア(移動体)と、該キャリアに搭載されたインクヘッド(記録手段)とを備えている。そして、キャリアをガイドシャフトに沿って往復移動させながらインクヘッドから記録媒体にインク(液体)を噴射することで印刷(記録処理)を行うようになっている。
【0003】
こうしたプリンターでは、通常、キャリアがガイドシャフトに沿って円滑に往復移動(摺動)するように、キャリアの軸受部とガイドシャフトとの間に潤滑用グリス(潤滑剤)が介在される。
特許文献1のプリンターでは、ガイドシャフトに直接潤滑用グリスが塗布されるとともに、余剰グリスがガイドシャフトとキャリアの軸受部の内面との間に形成される隙間に保持されるようになっている。
特許文献2のプリンターでは、ガイドシャフトにキャリアを組み付けた後においても外部から潤滑剤を注入できる注入口を備える軸受部が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−338105号公報
【特許文献2】特開2006−812379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来技術のように、ガイドシャフトにキャリアを組み付けた状態で潤滑剤を追加供給しようとすると、ディスペンサー(注射器)等を内部構成機器間の狭い空間に差し込んで、ガイドシャフトあるいはキャリアの軸受部にアクセスしなければならず、作業性が悪いという問題がある。また、潤滑剤を過剰に追加供給してしまうと、ガイドシャフト等から記録媒体や支持台上に垂れてしまうことから、定量的な潤滑剤の追加供給が必要となる。しかし、従来ではこれを作業者の経験に頼っている部分がある。一方で、ガイドシャフトからキャリアを取り外し、分解した後に潤滑剤を追加供給すると、作業が非常に煩雑となるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、潤滑剤の追加供給の作業性を向上でき、且つ、潤滑剤の定量的な供給が可能な軸受構造及び記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、軸部材に沿う軸方向に移動する移動体と一体的に移動可能に設けられ、上記移動の際に上記軸部材の周面と摺接する摺接部材と、上記摺接部材と上記軸部材の周面との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部と、を有する軸受構造であって、上記潤滑剤供給部は、上記潤滑剤を含有すると共に、上記軸部材の周面に接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材と、上記潤滑剤含有部材を保持すると共に、上記潤滑剤含有部材を上記摺接部材と独立して上記軸部材に対して着脱自在とさせる保持部材と、を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、潤滑剤含有部材が、保持部材によって保持され、摺接部材と独立して軸部材に対して着脱自在となる。このため、軸部材に移動体を組み付けた状態を維持しつつ、軸部材から潤滑剤含有部材のみを取り外して、潤滑剤を追加供給できるので、作業性が向上する。また、取り外しにより視認性が改善されるので、経験に頼ることのない潤滑剤の定量的な供給が容易に可能となる。
【0008】
また、本発明においては、上記保持部材は、上記軸方向において上記摺接部材に対して位置決めされる第1の姿勢と、上記軸方向において上記摺接部材に対して位置決め解除される第2の姿勢と、に変位自在な係止部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、係止部が第1の姿勢のときには保持部材が軸方向で位置決めされるので、軸方向において摺接部材に対して所定の相対位置関係で潤滑剤を供給でき、係止部が第2の姿勢のときには保持部材の軸方向の位置決めが解除されるので、軸方向において摺接部材と独立して保持部材を移動させることができる。
【0009】
また、本発明においては、上記潤滑剤含有部材は、装着した際に、上記摺接部材と上記軸方向で隣接して配置されるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、潤滑剤含有部材に含有された潤滑剤が、摺接部材の直近から、摺接部材と軸部材の周面との間に供給される。
【0010】
また、本発明においては、上記保持部材は、上記潤滑剤含有部材の上記摺接部材と上記軸方向で隣接する面と逆側の面を覆うカバー部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、カバー部によって、潤滑剤含有部材に含有された潤滑剤の摺接部材と隣接する面と逆側の面からの垂れや、当該逆側の面から紙粉や埃等の異物が入ることを抑制することが可能となる。
【0011】
また、本発明においては、上記摺接部材は、上記軸部材の周面に対して摺接する摺接部を該軸部材の周方向において間隔をあけて複数有し、上記保持部材は、上記潤滑剤を充填可能な潤滑剤充填部を上記摺接部に対応した位置にそれぞれ有し、上記潤滑剤充填部のうち少なくとも1つは、装着した際に、対応する上記摺接部よりも鉛直方向上方に位置しているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、各潤滑剤充填部に充填された潤滑剤を、重力を利用して、当該各潤滑剤充填部と対応する摺接部と軸部材の周面との間に対してそれぞれ効率よく供給することが可能となる。
【0012】
また、本発明においては、上記潤滑剤充填部は、装着した際に、上記軸部材に対して該軸部材の径方向において上記潤滑剤含有部材を挟んだ逆側に設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、各潤滑剤充填部に充填された潤滑剤が、一旦、潤滑剤含有部材を介してから、径方向で軸部材に供給されるので、各潤滑剤充填部の潤滑剤が軸部材に過剰に供給されることを防止できる。
【0013】
また、本発明においては、記録媒体に対して記録処理を施す記録手段を、軸部材に沿う軸方向に移動する移動体に搭載した記録装置であって、上記移動体は、一体的に移動可能に設けられた軸受構造を有し、該軸受構造として、先に記載の軸受構造を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、摺接部材と軸部材との間に適量の潤滑剤が供給されるので、記録手段が搭載された移動体を軸部材に沿って円滑に摺動させることができる。このため、記録手段による記録媒体に対する記録処理の精度を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態におけるプリンターに設けられたキャリッジの構成を示す右側面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるプリンターに設けられたキャリッジの構成を示す背面側の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における軸受部の構成を示す斜視図である。
【図5】図2におけるA−A断面矢視図である。
【図6】本発明の実施形態における潤滑剤供給部材を取り外した軸受部を軸方向から視た図である。
【図7】本発明の実施形態における潤滑剤供給部材の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施形態における保持部材の構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態における潤滑剤供給部材を軸方向から視たときのブッシュとの位置関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における潤滑剤供給部材の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態における軸受部に対する潤滑剤の追加供給作業を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る軸受構造及び記録装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ここで、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向とする。
本実施形態では、記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)について例示する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態におけるプリンター11の構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態におけるプリンター11に設けられたキャリッジ16の構成を示す右側面図である。図3は、本発明の実施形態におけるプリンター11に設けられたキャリッジ16の構成を示す背面側の斜視図である。
図1に示すように、プリンター11は、本体フレーム12を備えている。本体フレーム12の下部には、その長手方向(X軸方向)に沿って支持台13が延設されている。支持台13上には、不図示の紙送り機構により記録用紙(記録媒体)PがY軸方向(副走査方向)に沿って給送されるようになっている。
【0017】
本体フレーム12における支持台13の上方には、X軸方向(主走査方向)に沿って主ガイド軸(軸部材)14が延設されている。さらに、本体フレーム12における主ガイド軸14の上方には、この主ガイド軸14と平行に副ガイド軸15が延設されている。主ガイド軸14には、この主ガイド軸14に沿う軸方向(Y軸方向)に沿って往復移動可能にキャリッジ(移動体)16が支持されている。
【0018】
図2及び図3に示すように、キャリッジ16の背面側下部には一対の軸受部(軸受構造)16aが設けられると共に、この一対の軸受部16aに主ガイド軸14が摺動可能に嵌合している。また、図1に示すように、キャリッジ16の天部には、副ガイド軸15に対して背面側(−Y側)から摺動可能に係合する係合部16bが設けられている。そして、係合部16bは、キャリッジ16の自重により、副ガイド軸15に対して常に荷重をかけながら当接している。
【0019】
本体フレーム12における主ガイド軸14の両端部のやや上方の位置には、駆動プーリー17a及び従動プーリー17bが回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジ16を主ガイド軸14に沿って往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモーター18の出力軸が連結されている。
【0020】
駆動プーリー17a及び従動プーリー17bの間には、一部がキャリッジ16に連結された無端帯状のタイミングベルト19が架設されている。したがって、キャリッジ16は、主ガイド軸14及び副ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモーター18の駆動力により無端状のタイミングベルト19を介してX軸方向に往復移動されるようになっている。
【0021】
キャリッジ16の底部側には記録ヘッド(記録手段)20が支持(搭載)されている。記録ヘッド20は、下方に向けて開口した複数のノズル(図示略)が設けられている。本体フレーム12における支持台13よりも下方には、内部に各色のインクが充填されたインクタンク21が配置されている。インクタンク21は、可撓性のインク供給チューブ22を介してキャリッジ16に支持された記録ヘッド20に接続されている。したがって、インクタンク21内の各色のインクは、インク供給チューブ22を介して記録ヘッド20に供給されるようになっている。
【0022】
上記構成のプリンター11によれば、キャリッジ16を主ガイド軸14に沿って軸方向に往復移動させながらインクタンク21から記録ヘッド20に供給された各色のインクを各ノズル(図示略)から支持台13上に給送された記録用紙Pに噴射することで、印刷が行われる構成となっている。
【0023】
図1〜図3に示すように、本体フレーム12における記録用紙Pの給送領域から外れた位置には、主ガイド軸14を補助的に支持する補助支持部材23が複数設けられている。すなわち、各補助支持部材23は、Z軸方向において記録用紙Pの給送領域と重ならない位置に配置されている。
【0024】
補助支持部材23は、本体フレーム12における主ガイド軸14の背面側(−Y側)に設けられ、真っ直ぐY軸方向に延設されている。そして、各補助支持部材23の先端部におけるZ軸方向の中央部には、X軸方向に延在するV字状の溝23aが形成されている。溝23aは、主ガイド軸14の背面側(−Y側)に当接している。
なお、キャリッジ16の軸受部16aの背面側(−Y側)は、このキャリッジ16が主ガイド軸14に沿って往復移動した際に、この軸受部16aと補助支持部材23とが衝突しないように略Cの字状(略円弧状)の溝形状となって開口している。
【0025】
次に、本実施形態のキャリッジ16に設けられた軸受部16aの構成について詳しく説明する。なお、図3に示すように、キャリッジ16に設けられた2つの軸受部16aは、主ガイド軸14に沿う軸方向(X軸方向)で対称的に配置され、構成が同一であるため、以下、+X側の軸受部16aの構成のみを説明し、−X側の軸受部16aの構成の説明は省略する。
【0026】
図4は、本発明の実施形態における軸受部16aの構成を示す斜視図である。
軸受部16aは、図4に示すように、キャリッジ16に一体で形成されたケース30を有している。ケース30は、キャリッジ16が移動する際に主ガイド軸14の周面14aと摺接するブッシュ(摺接部材)40を収容している。また、ケース30には、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に潤滑剤(本実施形態ではグリス)を供給する潤滑剤供給部材(潤滑剤供給部)50が着脱自在に係合している。
【0027】
図5は、図2におけるA−A断面矢視図である。図6は、本発明の実施形態における潤滑剤供給部材50を取り外した軸受部16aを軸方向から視た図である。図7は、本発明の実施形態における潤滑剤供給部材50の構成を示す斜視図である。図8は、本発明の実施形態における保持部材52の構成を示す斜視図である。図9は、本発明の実施形態における潤滑剤供給部材50を軸方向から視たときのブッシュ40との位置関係を示す図である。図10は、本発明の実施形態における潤滑剤供給部材50の構成を示す斜視図である。
【0028】
ケース30は、図5に示すように、内部に、ブッシュ40を収容する第1収容部31と、潤滑剤供給部材50の一部を収容する第2収容部32とを有する。第1収容部31及び第2収容部32は、主ガイド軸14の径よりも大きな略Cの字状(略円弧状)の溝形状を有する。第2収容部32は、第1収容部31よりも小径で形成されている。第2収容部32は、第1収容部31の軸方向一方側(+X側)に隣接して配設されている。第1収容部31の軸方向他方側(−X側)には、第1収容部31より小径で、主ガイド軸14より大径に開口するカバー部30aが設けられている。
【0029】
ブッシュ40は、図6に示すように、略Cの字状(略円弧状)の溝形状を有し、主ガイド軸14の周面14aを囲うように形成されている。ブッシュ40は、第1収容部31に固定状態で一体的に収容されている。ブッシュ40は、焼結体によって形成されている。この焼結体は、潤滑剤としてのグリスが含浸可能となっている。ブッシュ40は、主ガイド軸14の周面14aに摺接する凸条(摺接部)41を有する。
【0030】
凸条41は、軸方向で第2収容部32側から視認できる位置に設けられている。凸条41は、ブッシュ40の内径側において軸方向に延在して設けられている。また、凸条41は、ブッシュ40の内径側において、その周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では3つ)突設されている。したがって、ブッシュ40は、主ガイド軸14の周面14aと周方向において実質的に3箇所において摺接している。
【0031】
凸条41は、鉛直方向(Z軸方向)において最も高い位置に位置する第1凸条41aと、次に高い位置に位置する第2凸条41bと、最も低い位置に位置する第3凸条41cとからなる。各凸条41の具体的な配置は、図6において、第1凸条41aは略1時方向に設けられており、また、第2凸条41bは略9時方向に設けられており、また、第3凸条41cは略6時方向に設けられている。
【0032】
潤滑剤供給部材50は、図7に示すように、潤滑剤を含有すると共に主ガイド軸14の周面14aに接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材51と、潤滑剤含有部材51を保持すると共に潤滑剤含有部材51をブッシュ40と独立して主ガイド軸14に対して着脱自在とさせる保持部材52とを有する。本実施形態の潤滑剤含有部材51及び保持部材52は、主ガイド軸14に対してその径方向において着脱自在な略Cの字状(略円弧状)の溝形状を有している。
【0033】
潤滑剤含有部材51は、潤滑剤を毛細管力に保持可能な吸収部材によって形成されている。本実施形態では、吸収部材としてフェルトを採用している。なお、吸収部材として、フェルトの他に、不織布、スポンジ等を採用しても良い。潤滑剤含有部材51は、主ガイド軸14の周面14aに沿って接触可能な略Cの字形状を有しており、その内径が、図9に示すように、ブッシュ40の凸条41の先端が配置される径と略面一となるように形成されている。
【0034】
保持部材52は、潤滑剤含有部材51を保持する保持部53を有する。保持部53は、装着した際に、ケース30の第2収容部32に挿入可能な外径を有する(図5参照)。また、装着した際は、潤滑剤含有部材51は、ブッシュ40と軸方向で隣接して配置される構成となっている。保持部材52は、潤滑剤含有部材51のブッシュ40と軸方向で隣接する面と逆側(+X側)の面を覆うカバー部52aを有する。カバー部52aは、潤滑剤含有部材51の外径よりも小さく、主ガイド軸14の径よりも大きく開口している。
【0035】
図8に示すように、保持部53の内径側には、潤滑剤含有部材51を保持、固定するための保持溝54が形成されている。また、保持部53の内径側であって、保持溝54よりも外径側には、潤滑剤を充填可能な凹部(潤滑剤充填部)55が設けられている。すなわち、凹部55は、装着した際に、主ガイド軸14に対して、その径方向において、潤滑剤含有部材51を挟んだ逆側に位置する位置関係を有する(図9参照)。
【0036】
凹部55は、保持部53の内径側において、その周方向に沿って複数(本実施形態では4つ)形成されている。凹部55は、図9に示すように、装着した際に、鉛直方向(Z軸方向)において最も高い位置に位置する第1凹部55aと、次に高い位置に位置する第2凹部55bと、次に高い位置に位置する第3凹部55cと、最も低い位置に位置する第4凹部55dとからなる。
【0037】
各凹部55の具体的な配置は、図9において、第1凹部55aは略11時方向から略12時方向の範囲(図6においては略12時方向から略1時方向の範囲)において設けられており、第2凹部55bは略12時方向から略4時方向の範囲(図6においては略8時方向から略12時方向の範囲)において設けられており、第3凹部55cは略4時方向から略5時方向の範囲(図6においては、略7時方向から略8時方向の範囲)において設けられており、第4凹部55dは略5時方向から略7時方向の範囲(図6においては、略5時方向から略7時方向の範囲)において設けられている。
【0038】
このように、第1凹部55aは、第1凸条41aに対応する位置(第1凸条41aに対して鉛直方向において上方の位置)に設けられている。また、第2凹部55bは、第2凸条41bに対応する位置(第2凸条41bに対して鉛直方向において上方の位置)に設けられている。また、第4凹部55dは、第3凸条41cに対応する位置(第3凸条41cに対して鉛直方向において下方の位置)に設けられている。なお、第3凹部55cは、第2凸条41bと第3凸条41cとの中間位置から第2凸条41b寄りに位置している。
【0039】
図10に示すように、保持部材52は、軸方向においてブッシュ40に対して位置決めされる第1の姿勢(図5に示す係止片33に係止可能な姿勢)と、軸方向においてブッシュ40に対して位置決め解除される第2の姿勢(図5に示す係止片33に係止不可な姿勢)と、に変位自在な係止部56を有する。本実施形態の係止部56は、保持部53を挟んだ位置に一対で突設されている。また、保持部材52は、係止部56を母材の弾性復元力に抗して第1の姿勢から第2の姿勢に変位させるためのつまみ部57を有する。本実施形態のつまみ部57は、係止部56に対応する位置に設けられ、カバー部52aを挟んだ逆側において係止部56と略対称に一対で突設されている。なお、母材の弾性復元力とは、保持部材52自体を形成する材料(本実施形態では樹脂材)の弾性復元力を意味する。
【0040】
係止部56は、ケース30に一体で形成された係止片33(図5参照)に軸方向で係止可能な爪形状を有する。係止片33は、ケース30の外部に突設され、ケース30の天部と底部とにそれぞれ設けられている。係止部56は、第1の姿勢のとき、本実施形態では、つまみ部57に力が加わらない常態のときに、係止片33と係止することで、軸方向においてブッシュ40に対して保持部材52を位置決めさせる構成となっている。
【0041】
一方、係止部56は、第2の姿勢のとき、本実施形態では、つまみ部57に互いに近接する力が加わるときに、係止片33との係止が解除され、軸方向においてブッシュ40に対して保持部材52を位置決めさせる構成となっている。すなわち、つまみ部57が互いに近接するように変位すると、カバー部52aを挟んだ逆側においては、係止部56が互いに離間するように変位し、係止片33との係止が解除されるので、保持部材52が軸方向に脱着可能となる。
【0042】
図10に示すように、保持部材52は、第2の係止部58を有する。第2の係止部58は、ケース30の背面側(−Y側)にY軸方向(主ガイド軸14の径方向)において係止可能な爪形状を有する(図4参照)。本実施形態の潤滑剤含有部材51及び保持部材52は、主ガイド軸14に対してその径方向において着脱自在な略Cの字状(略円弧状)の溝形状を有しているので、第2の係止部58は、装着の際に、径方向でケース30に係止することで、Y軸方向における主ガイド軸14に対する抜けを規制する構成となっている。
【0043】
また、図7〜図10に示すように、潤滑剤含有部材51の溝形状の開口幅は、保持部材52の溝形状の開口幅よりも小さい構成となっている。また、主ガイド軸14の径に対しては、潤滑剤含有部材51の溝形状の開口幅が小さく、保持部材52の溝形状の開口幅が大きい構成となっている。したがって、装着の際は、潤滑剤含有部材51の溝形状の開口幅を押し広げるように、主ガイド軸14が溝形状に対して挿入されることとなり、装着の後に、弾性復元力によりその開口幅が戻ると、Y軸方向における主ガイド軸14の抜けを抑制することができる。
【0044】
続いて、上記構成のプリンター11の作用について、図11を追加参照して説明する。
図11は、本発明の実施形態における軸受部16aに対する潤滑剤の追加供給作業を説明するための図である。なお、図11における符号Hは、作業者の手を示す。
【0045】
先ず、プリンター11は、記録用紙Pの印刷を行う場合には、キャリッジ16を主ガイド軸14に沿って往復移動させる。このとき、軸受部16aは、キャリッジ16と一体的に移動する。軸受部16aのブッシュ40は、各凸条41が主ガイド軸14の周面14aに対して摺接することで、キャリッジ16の移動の精度を維持する。また、軸受部16aの潤滑剤供給部材50は、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に適量の潤滑剤を供給することで、キャリッジ16を主ガイド軸14に沿って円滑に摺動させる。
【0046】
潤滑剤供給部材50は、主ガイド軸14の周面14aに接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材51を有している。潤滑剤含有部材51は、潤滑剤を毛細管力により保持可能な吸収部材によって形成されているため、毛細管力により潤滑剤を所定量保持でき、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に潤滑剤を少しずつ適量供給することができる。このため、潤滑剤が、主ガイド軸14に供給されすぎないようにすることが可能となる。
【0047】
潤滑剤含有部材51は、図5に示すように、装着した際に、ブッシュ40と軸方向で隣接して配置されるため、潤滑剤含有部材51に含有された潤滑剤は、ブッシュ40の直近から、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に供給される。したがって、周面14aに供給された潤滑剤を、ブッシュ40に対して速やかに供給することができる。
また、保持部材52は、潤滑剤含有部材51のブッシュ40と軸方向で隣接する面と逆側の面を覆うカバー部52aを有しており、カバー部52aによって、潤滑剤含有部材51に含有された潤滑剤のブッシュ40と隣接する面と逆側の面からの垂れや、当該逆側の面から紙粉や埃等の異物が入ることを抑制することが可能となる。
【0048】
保持部材52は、図9に示すように、潤滑剤を充填可能な凹部55を凸条41に対応した位置にそれぞれ有しており、各凹部55に充填された潤滑剤を、対応する各凸条41と主ガイド軸14の周面14aとの間に対してそれぞれ効率よく供給することが可能となる。これにより、各凸条41と主ガイド軸14の周面14aとの間に偏りなく潤滑剤を供給することができる。
【0049】
具体的には、第1凹部55aは、第1凸条41aの鉛直方向上方に位置しているため、第1凹部55aに充填された潤滑剤は、潤滑剤含有部材51を介して、重力及び毛細管力により、第1凸条41aと主ガイド軸14の周面14aとの間に効率よく供給される。
また、第2凹部55bは、第2凸条41bの鉛直方向上方に位置しているため、第2凹部55bに充填された潤滑剤は、潤滑剤含有部材51を介して、重力及び毛細管力により、第2凸条41bと主ガイド軸14の周面14aとの間に効率よく供給される。
【0050】
また、第4凹部55dに充填された潤滑剤は、潤滑剤含有部材51を介して、毛細管力により、第3凸条41cと主ガイド軸14の周面14aとの間に効率よく供給される。
また、第3凹部55cに充填された潤滑剤は、潤滑剤含有部材51を介して、毛細管力により、第2凸条41bと主ガイド軸14の周面14aとの間、及び、第3凸条41cと主ガイド軸14の周面14aとの間の両方に供給される。
【0051】
また、各凹部55は、上記のように、装着した際に、主ガイド軸14に対して該主ガイド軸14の径方向において潤滑剤含有部材51を挟んだ逆側に設けられているため、各凹部55に充填された潤滑剤は、一旦、潤滑剤含有部材51を介してから、径方向で主ガイド軸14の周面14aに供給されるので、各凹部55の潤滑剤が主ガイド軸14の周面14aに過剰に供給されることを防止できる。
【0052】
また、潤滑剤含有部材51によれば、その毛細管力により周面14aに対して供給された余剰分の潤滑剤を、キャリッジ16の移動に伴って拭き取るように吸収することもできるため、潤滑剤の垂れ落ちを抑制することができる。
因みに、余剰分の潤滑剤が、補助支持部材23に伝わって、やがて補助支持部材23に溜まった潤滑剤が垂れ落ちてしまっても、本実施形態の補助支持部材23は、Z軸方向(鉛直方向)において記録用紙Pの給送領域と重ならない位置に配置されているため、記録用紙Pを汚すことはない。
【0053】
したがって、上記構成のプリンター11によれば、軸受部16aに対して潤滑剤の安定的な供給が可能になり品質を長期間(使用頻度及び使用用途によって変動するが、通常の用い方であれば、例えば2年程度)維持できる。
次に、上記品質維持期間を経過した後の軸受部16aに対する潤滑剤の追加供給作業について説明する。
【0054】
潤滑剤供給部材50は、潤滑剤含有部材51を保持部材52によって保持する構成となっており、図11に示すように、ブッシュ40と独立して主ガイド軸14に対して着脱自在となっている。したがって、主ガイド軸14にキャリッジ16を組み付けた状態を維持しつつ、主ガイド軸14から、潤滑剤が枯渇した潤滑剤含有部材51のみを取り外すことができる
【0055】
具体的には、作業者は、先ず、図11(a)に示すように、つまみ部57をつまみ、つまみ部57を互いに近接させるように変位させる。作業者が、つまみ部57を互いに近接するように変位させると、カバー部52aを挟んだ逆側においては、係止部56が互いに離間するように第1の姿勢から第2の姿勢に変位し、係止片33との係止が解除されるので、保持部材52が軸方向に脱着可能となる。
【0056】
このとき、主ガイド軸14の径方向(Y軸方向)においては、第2の係止部58が主ガイド軸14からの抜けを規制しているので、作業者は、次に、軸方向一方側(+X側)に保持部材52を移動させ、第2の係止部58における係止を解除する(図11(b)参照)。
最後に、図11(b)に示すように、作業者は、手前側(+Y側)に保持部材52を引くことで、潤滑剤含有部材51及び保持部材52に形成された溝形状に沿って、主ガイド軸14から取り外す。
以上により、潤滑剤が枯渇した潤滑剤含有部材51の取り外し作業が終了する。
【0057】
このように、作業者は、主ガイド軸14にキャリッジ16を組み付けた状態を維持しつつ、ブッシュ40と独立して、主ガイド軸14から潤滑剤が枯渇した潤滑剤含有部材51のみを取り外して、潤滑剤を追加供給できる。したがって、従来のように狭いスペースにディスペンサー等を差し込んで作業する必要がなくなり、作業性が向上する。また、取り外しにより視認性が改善されるので、経験に頼ることのない潤滑剤の定量的な供給が容易に可能となる。また、潤滑剤含有部材51が紙粉や埃等により汚染されていた場合は、その交換作業も容易に可能となる。
【0058】
枯渇した潤滑剤含有部材51に潤滑剤を追加供給、あるいは、潤滑剤を含有した新たな潤滑剤含有部材51に交換する作業が終了したら、作業者は、上記取り外しと逆の手順を踏んで取り付け作業を行う。
具体的には、作業者は、先ず、つまみ部57をつまんで保持部材52をY軸方向に移動させ、潤滑剤含有部材51及び保持部材52に形成された溝形状に、主ガイド軸14をその径方向において嵌め込む。
【0059】
次に、作業者は、主ガイド軸14に沿って軸方向他方側(−X側)に保持部材52を移動させ、ケース30に設けられた係止片33に係止部56を係止させる。係止片33は、傾斜形状を有するので、軸方向他方側に向かうに従って係止部56は、第1の姿勢から第2の姿勢に変位し、係止片33を超えたときに母材の弾性復元力によって第2の姿勢から第1の姿勢に変位して、係止片33に係止する。なお、このときの衝撃により、作業者は、ケース30に対する保持部材52の装着を確認することができる。
【0060】
また、保持部材52の保持部53は、ケース30の第2の収容部32に挿入され、潤滑剤含有部材51が、ブッシュ40に対して軸方向で隣接して位置決めされる。
また、係止部56の係止と同時に、第2の係止部58が、ケース30の背面側(−Y側)にY軸方向において係止するので、Y軸方向における主ガイド軸14に対する潤滑剤含有部材51及び保持部材52の抜けを規制することができる。
以上により、潤滑剤を含有した潤滑剤含有部材51の取り付け作業が終了する。
【0061】
したがって、上述した本実施形態によれば、主ガイド軸14に沿う軸方向に移動するキャリッジ16と一体的に移動可能に設けられ、上記移動の際に主ガイド軸14の周面14aと摺接するブッシュ40と、ブッシュ40と主ガイド軸14の周面14aとの間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材50と、を有する軸受部16aであって、潤滑剤供給部材50は、上記潤滑剤を含有すると共に、主ガイド軸14の周面14aに接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材51と、潤滑剤含有部材51を保持すると共に、潤滑剤含有部材51をブッシュ40と独立して主ガイド軸14に対して着脱自在とさせる保持部材52と、を有するという構成を採用することによって、主ガイド軸14にキャリッジ16を組み付けた状態を維持しつつ、主ガイド軸14から潤滑剤含有部材51のみを取り外して、潤滑剤を追加供給できるので、作業性が向上する。また、取り外しにより視認性が改善されるので、経験に頼ることのない潤滑剤の定量的な供給が容易に可能となる。
したがって、本実施形態によれば、潤滑剤の追加供給の作業性を向上でき、且つ、潤滑剤の定量的な供給が可能となるので、高耐久性の軸受部16aが得られる。
【0062】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0063】
また、上記実施形態においては、記録装置がプリンター11である場合を例にして説明したが、プリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0064】
また、記録装置としては、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。本発明は、例えば微小量の液滴を吐出させる記録ヘッド等を備える各種の記録装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記記録装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、記録装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。また、記録媒体としては、記録用紙以外の媒体、例えば、基板や金属板、あるいはプラスチックシートや布などを包含するものとする。
【符号の説明】
【0065】
11…プリンター(記録装置)、14…主ガイド軸(軸部材)、14a…周面、16…キャリッジ(移動体)、16a…軸受部(軸受構造)、20…記録ヘッド(記録手段)、40…ブッシュ(摺接部材)、41…凸条(摺接部)、50…潤滑剤供給部材(潤滑剤供給部)、51…潤滑剤含有部材、52…保持部材、52a…カバー部、55…凹部(潤滑剤充填部)、56…係止部、57…つまみ部、58…第2の係止部、P…記録用紙(記録媒体)、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材に沿う軸方向に移動する移動体と一体的に移動可能に設けられ、前記移動の際に前記軸部材の周面と摺接する摺接部材と、前記摺接部材と前記軸部材の周面との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部と、を有する軸受構造であって、
前記潤滑剤供給部は、
前記潤滑剤を含有すると共に、前記軸部材の周面に接触可能な形状を有する潤滑剤含有部材と、
前記潤滑剤含有部材を保持すると共に、前記潤滑剤含有部材を前記摺接部材と独立して前記軸部材に対して着脱自在とさせる保持部材と、を有することを特徴とする軸受構造。
【請求項2】
前記保持部材は、前記軸方向において前記摺接部材に対して位置決めされる第1の姿勢と、前記軸方向において前記摺接部材に対して位置決め解除される第2の姿勢と、に変位自在な係止部を有することを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。
【請求項3】
前記潤滑剤含有部材は、装着した際に、前記摺接部材と前記軸方向で隣接して配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の軸受構造。
【請求項4】
前記保持部材は、前記潤滑剤含有部材の前記摺接部材と前記軸方向で隣接する面と逆側の面を覆うカバー部を有することを特徴とする請求項3に記載の軸受構造。
【請求項5】
前記摺接部材は、前記軸部材の周面に対して摺接する摺接部を該軸部材の周方向において間隔をあけて複数有し、
前記保持部材は、前記潤滑剤を充填可能な潤滑剤充填部を前記摺接部に対応した位置にそれぞれ有し、
前記潤滑剤充填部のうち少なくとも1つは、装着した際に、対応する前記摺接部よりも鉛直方向上方に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の軸受構造。
【請求項6】
前記潤滑剤充填部は、装着した際に、前記軸部材に対して該軸部材の径方向において前記潤滑剤含有部材を挟んだ逆側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の軸受構造。
【請求項7】
記録媒体に対して記録処理を施す記録手段を、軸部材に沿う軸方向に移動する移動体に搭載した記録装置であって、
前記移動体は、一体的に移動可能に設けられた軸受構造を有し、該軸受構造として、請求項1〜6のいずれか一項に記載の軸受構造を有することを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−131047(P2012−131047A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282740(P2010−282740)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】