説明

軸受装置

【課題】転がり軸受の軌道溝の側方に給油ユニットを組み込み、その給油ユニットの構成部材として、電源、ポンプ、タンク及び開閉弁を含み、電源によってポンプを駆動しタンク内の潤滑剤を開閉弁を通じて軸受側に吐出するようにした軸受装置は公知であるが、ポンプが必須の構成部材となる問題がある。そこで、ポンプを用いることなくタンク内の潤滑油を開閉弁を通じて吐出させることを課題とする。
【解決手段】転がり軸受11と給油ユニット13の組み合わせからなり、給油ユニット13は転がり軸受11の固定側軌道輪に隣接した外輪側間座12bに取り付けられ、タンク39、開閉弁37、その開閉弁37の駆動装置40及び電源41備え、開閉弁37のノズル38から潤滑剤を吐出させる圧力をタンク39の内部に充填された潤滑剤Lの自重により発生させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工作機械や産業機械等に用いられる軸受装置に関し、特に軸受と給油ユニットの組み合わせからなる軸受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
給油ユニットを転がり軸受の内部に組み込んだ軸受装置が従来から知られている(特許文献1参照)。この軸受装置は、転がり軸受の相互に対向した軌道輪のうち固定側の軌道輪の内径面に給油ユニットを装着している。給油ユニットは、潤滑剤を溜めたタンク、前記タンクの潤滑剤を軸受内部に吐出させるポンプ及び前記ポンプを駆動する発電機により構成される。軸受側の条件に応じてポンプを制御することにより吐出量を調整する手段を有する。また、特許文献2に開示された軸受装置も同様の給油ユニットを備えている。
【0003】
前記従来例は、いずれも給油ユニットの一部を構成するポンプによって潤滑剤を軸受に供給する点において共通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−108388号公報
【特許文献2】特開2004−316707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ポンプを用いる場合は、次のような問題がある。即ち、ポンプを起動させて吐出可能な圧力に達するまで時間がかかる。また、個々のポンプの能力により潤滑剤の供給量が変わるため、個別に調整が必要となる。さらに、電気エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換させてポンプを駆動するためエネルギー効率が良くない。
【0006】
そこで、この発明はポンプを用いることなく、タンク内の潤滑剤を軸受に供給できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、この発明に係る軸受装置は、転がり軸受と給油装置の組み合わせからなり、前記給油装置は前記転がり軸受又はこれに隣接した間座に取り付けられ、潤滑剤のタンク、開閉弁及び吐出量調整装置を備え、前記開閉弁のノズルの吐出口を軌道溝に向けた軸受装置において、前記ノズルから潤滑剤を吐出させる圧力を前記タンク内部に充填した潤滑剤の自重により発生させるようにしたものである。
【0008】
具体的には、前記ノズルは前記タンクの下端より低位置に設けられ、前記タンクの大気への開放口に空気を通し潤滑剤を遮断するフィルターを装着した構成を採る。
【0009】
給油ユニットは、ケーシングとその内部に収納された諸部材により給油ユニットとしてユニット化され、そのケーシングが前記固定側軌道輪又は固定側間座の内径面に固定される。
【0010】
吐出量調整装置は、前記ノズルを有する開閉弁、その開閉弁の駆動部、その駆動部へ電源を供給する電源部により構成される。
【0011】
前記転がり軸受が水平軸に装着して使用される縦置き型であり、前記開閉弁が最下位に配置され、前記タンクが前記開閉弁の両側にそれぞれ固定側軌道輪又は固定側間座の内径面に沿って設けられ、前記タンクの上端部相互間に前記駆動部及び電源部が配置された構成を採ることができる。
【0012】
前記転がり軸受が水平軸に装着して使用される縦置き型であり、前記ケーシングが固定側間座に取り付けられる場合において、前記ケーシングの外径側周壁に固定側軌道輪に向けて突き出した案内部を設け、前記案内部によって固定側軌道輪の軌道溝の一部を形成せしめ、前記ノズルを前記案内部の内径面に沿わせて開放した構成を採ることができる。
【0013】
前記転がり軸受が垂直軸に装着して使用される横置き型であり、前記給油ユニットが当該軸受より上位に配置された固定側間座に取り付けられる場合において、前記ノズルを前記軸受の軌道溝に向けて設けた構成を採ることができる。
【0014】
前記電源部は、電池、蓄電池、自己発電型電源が用いられる。自己発電型電源を用いる場合は、電気二重層キャパシタに一時的に蓄電させ、蓄電池と同様の使い方をする。
【発明の効果】
【0015】
(1)給油装置を転がり軸受又はこれに隣接した間座に取り付けることにより、給油装置をユニット化し軸受に取り付けることが可能となり、長期的に安定した循環環境を提供することができる。
【0016】
(2)潤滑剤をそれ自体の自重のみで開閉弁へ導き、供給量調整装置により開閉弁からの吐出量を調整するようにしたので、ポンプが不要となり構造が簡素になる。潤滑剤の送り出し圧力は、潤滑剤自体の自重により発生する圧力であるため、個々の送り出し圧力の調整が不要になる。潤滑剤は自重により開閉弁まで送られるため、開閉弁の開閉制御のみで潤滑剤の供給量を調整可能となる。機械的な動作は開閉弁だけになるため、ポンプを用いた場合よりもエネルギー効率がよい。
【0017】
(3)電源部の一時的な蓄電装置に電気二重層キャパシタを使用することにより、省スペース化が可能になる。また、充放電による蓄電能力の劣化が蓄電池よりも軽減されることにより電源部の保守作業を不要にする。
【0018】
(4)電源部として自己発電型を用いる場合は、環境により各種の自己発電装置を使い分けることにより、効率的な発電が可能となる。複数併用することで電源機能のバックアップも果たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施形態1の軸受装置の断面図である。
【図2】図2は、同上の一部拡大断面図である。
【図3】図3は、図1のX1−X1線の断面図である。
【図4】図4は、実施形態1の閉塞栓の拡大断面図である。
【図5】図5は、同上供給量調整装置のブロック図である。
【図6】図6は、同上の電源部の一例を示す拡大断面図である。
【図7】図7は、同上の電源部の一例を示す拡大断面図である。
【図8】図8は、同上の電源部の一例を示す拡大断面図である。
【図9】図9は、同上の電源部の一例を示す拡大断面図である。
【図10】図10は、実施形態2のスピンドルの一部省略断面図である。
【図11】図11は、実施形態3の軸受装置の断面図である。
【図12】図12は、同上の変形例の断面図である。
【図13】図13は、実施形態4のスピンドルの一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
【0021】
図1から図4に示した実施形態1に係る軸受装置10は、転がり軸受11、その軸方向の一端部に突き当てられた間座12及び間座12に組み込まれた給油ユニット13により構成され、回転軸14とハウジング15の間に組み込んで使用に供される。転がり軸受11の他端部にも他の間座16が突き当てられ、両方の間座12、16により転がり軸受11の軸方向の位置決めが行われる。回転軸14は水平に設置される。回転軸14が水平である場合の軸受装置10は縦置き型と称される。
【0022】
転がり軸受11は、軌道輪である内輪17、外輪18及びこれらの軌道輪の間に介在された所要数の転動体19、その転動体19を一定間隔に保持する保持器21により構成される。例えば、深溝玉軸受が用いられる。図示の場合、外輪18が固定側軌道輪となる。
【0023】
間座12は、内輪側間座12aと外輪側間座12bとからなり、内輪側間座12aは回転軸14側に嵌合固定され、内輪17の一方の端面に突き当てられる。外輪側間座12bはハウジング15の内径面に嵌合固定され、外輪18の一方の端面に突き当てられる。他方の間座16も同様に回転軸14側及びハウジング15側に嵌合固定され、内輪17及び外輪18の他方の端面に突き当てられる。
【0024】
前記の給油ユニット13は、外輪側間座12bの内径面に取り付けられた環状樹脂製のケーシング24とその内部に収納された諸部材とにより構成される。給油ユニット13は、幅の広い外輪18の用いた場合は、その外輪18の内径面に取り付けられる。その場合間座12は本来の間座としてのみの機能を果たす。この実施形態1においては、図示のように、間座12に給油ユニット13を取り付ける構成を採用している。
【0025】
ケーシング24は、図2に示したように、転がり軸受11と反対側の面が開放された断面コの字形をなし、その開放面に環状の蓋25が着脱自在に取り付けられる。その開放側と反対側のケーシング24の内端面26と外周面27のコーナー部に外方に突き出した案内部28が全周に渡り設けられる。案内部28は転がり軸受11の外輪18の内径面の肩部に設けられた段差部29に組み込まれ、外輪18の一部を構成する。外輪18には前記段差部29によって切り欠かれた部分軌道溝31が設けられる。
【0026】
案内部28の先端面32と内径面33のコーナー部に、前記部分軌道溝31を補完する補完軌道溝34が形成され、両者が組み合わされて完全な軌道溝35が形成される。
【0027】
前記案内部28の内径面33と前記内端面26の境界部に吐出口穴36が設けられる。この吐出口穴36が使用時において最も下位となるようにケーシング24の位置決めを行い、そのケーシング24を外輪側間座12bの内径面に組み込む。ケーシング24の素材としては、樹脂や金属を用いることができる。
【0028】
ケーシング24に組み込まれる給油ユニット13の諸部材としては、図3に示したように、電磁弁からなる常閉形の開閉弁37、左右一対のタンク39及び駆動部40の電源部41が含まれる。
【0029】
前記開閉弁37は使用時において最も下位となる位置、即ち、前記吐出口穴36を含む部分に収納される。開閉弁37にはその低位置部分にノズル38が設けられ、ノズル38はその先端の吐出口38aが下向きとなるように傾斜状に吐出口穴36に貫通される(図2参照)。吐出口38aは案内部28の内径面の軌道溝35に接近した部分に達する。
【0030】
前記一対のタンク39は、開閉弁37の両側においてノズル38より高い位置に着脱自在に収納される。各タンク39の下端と開閉弁37の間に接続配管42が設けられる。開閉弁37とタンク39とを一体化する構成を採ると接続配管42は不要となる。
【0031】
各タンク39の上端の開放口には閉塞栓43が嵌められる。閉塞栓43は、タンク39の内部に潤滑剤を充填する際に外され、使用時には潤滑剤の漏れを防止するため閉塞される。しかし、完全に密閉するとタンク39の内部が負圧となって潤滑剤の吐出を妨げるので、空気穴44(図4参照)が設けられ、その空気穴44に、空気を通すが潤滑剤を遮断するフィルター45が装着される。このフィルター45は、例えば、連続多孔質体構造を持つ樹脂により製作される。
【0032】
前記の駆動部40及び電源部41は、各タンク39の上端間に配置される。駆動部40と電源部41との間、駆動部40と開閉弁37との間の通電はケーシング24の内部に施されたケーブル(図示省略)によって行われる。
【0033】
駆動部40は、図5に示したように、軸受温度センサー46、軸受回転センサー47、潤滑剤残量センサー48、潤滑剤温度センサー49等のセンサーを備える。これらのセンサーから信号がCPU51に入力され、転がり軸受11の温度及びその回転状況に応じて開閉弁37の開放度合、開放時間等を自動制御し、潤滑剤の供給量を調整する。
【0034】
前記開閉弁37、駆動部40及び電源部41によって、開閉弁37から吐出される潤滑剤の吐出量調整装置65が構成される(図5参照)。
【0035】
電源部41は、電池、蓄電池のほか、自己発電型の電源を使用することができる。また、自己発電型の電源として以下のものを使用することができる。即ち、図6に示した電源部41は、前記ケーシング24の外周面27と内周面30にそれぞれこれらの壁面を貫通して熱伝導体52、53を設け、これらの熱伝導体52、53の間にゼーベック素子54を介在したものである。
【0036】
一般に、軸受装置10を使用した場合、転動体19(図1参照)との摩擦熱により内輪17と外輪18の温度が上昇する。通常、外輪18は機器のハウジング15に組み込まれるため熱伝導により放熱され、内外輪17、18の間で温度差が生じる。その温度が各熱伝導体52、53に伝導され、ゼーベック素子54の両端面に温度差を生じさせることにより、ゼーベック効果による発電を行う。
【0037】
図7に示したものは、軸受装置10内に交番磁界が存在する場合に適用される。工作機等のビルトインスピンドル内部や大電力を扱う高周波機器の近傍では、漏れ磁束又は高周波の照射が発生する。この漏れ磁束を利用し電磁誘導により発電を行うものである。即ち、片側を開放したE形の鉄心55にコイル56を組み合わせることで効率よく交番磁界を捉え、電磁誘導による発電を行う。鉄心55の開放面に絶縁性基台57が取り付けられる。漏れ磁束の周波数が既知である場合は、鉄心55を除き漏れ磁束の周波数に共振するコイル56を用いるようにしてもよい。
【0038】
図8に示したものは、軸受装置10内に振動が発生する場合に適用されるものである。即ち、固定側絶縁基板58、その上に配置された可動側絶縁基板59の対向面にそれぞれ電極60を多数対向状に設け、固定側絶縁基板58の電極60にのみエレクトレット61を積層し、可動側絶縁基板59の電極60に対し空隙を設けて対向させる。可動側絶縁基板59は摺動装置62によって図中の矢印aの方向にのみ移動可能となる。
【0039】
軸受装置10に振動が発生すると、摺動装置62によって矢印aの方向に可動側絶縁基板59が振動する。このとき、固定側及び可動側絶縁基板58、59の相対運動とエレクトレット61により、電極60間に静電誘導による電荷が発生する。この発生した電荷を外部に取り出すことにより発電を行う。
【0040】
図9に示したものも軸受装置10内に振動が発生する場合に適用されるものである。即ち、固定側絶縁基板58と重り63の間に弾性のあるシート状の圧電体64を配置する。軸受装置10に振動が発生すると、重り63と圧電体64により矢印aの方向に重り63が振動する。このとき、圧電体64にひずみが生じ誘電分極による起電力が発生する。その起電力を外部に取り出すことにより発電を行う。
【0041】
実施形態1の軸受装置10は以上のように構成され、予め給油ユニット13の各タンク39に潤滑剤L(図3参照)を充填したのち閉塞栓43を施し、その後蓋25を閉めて使用に供される。
【0042】
回転軸14が回転すると、軸受温度センサー46、軸受回転センサー47、潤滑剤残量センサー48、潤滑剤温度センサー49等のセンサーによって検知された信号がCPU51に入力される。これらの信号に基づきCPU51によって開閉弁37の開口度合、開放時間が自動制御され、最適な給油が行われる。潤滑剤Lとしては、潤滑油又は低粘度のグリースが用いられる。
【0043】
タンク39の内部気圧は、空気を通すフィルター45の作用により大気圧に保たれる。これにより潤滑剤Lはその自重によってノズル38を経てその先端の吐出口38aから吐出される。吐出された潤滑剤は案内部28の内径面に33に沿って移動し軌道溝35に供給される(図2参照)。潤滑油Lを吐出させる圧力は、タンク39内部の潤滑油Lの自重のみによって発生される。
[実施形態2]
【0044】
図10に示した実施形態2は、前記の実施形態1の軸受装置10を用いた工作機械等のスピンドル70に関するものである。このスピンドル70は回転軸71が水平に設置されるものであるから、軸受装置10としては前記の実施形態1の縦置き型のものが使用される。
【0045】
前記回転軸71の中間部に設けられた大径部72の外径面において、軸方向の一端部にツバ部73が設けられ、他端部にねじ部74が設けられる。前記ツバ部73とねじ部74の間に、中間間座75を挟んで2つの軸受装置10が取り付けられる。
【0046】
一方の軸受装置10は、前記ツバ部73と、これに径方向に対向したスピンドルハウジング76の一端部のツバ部77の内側において位置決めされる。また他方の軸受装置10は、ねじ部74に螺合されたナット78と、これに対向したスピンドルハウジング76の他端部のツバ部79の内側において位置決めされる。
【0047】
ツバ部73側の軸受装置10及びねじ部74側の軸受装置10は、中間間座75側(内側)に転がり軸受11が配置され、外側に間座12が配置された対称形の配置となっている。転がり軸受11及び間座12の具体的構成は前記実施形態1と同一である。
【0048】
前記回転軸71の回転に伴いノズル38の吐出口38aから転がり軸受11の軌道溝35に対し潤滑油が自重により供給される作用も同様である。
[実施形態3]
【0049】
図11に示した実施形態3の軸受装置10は、垂直に配置された回転軸14に取り付けられる横置き型のものである。前記実施形態1の場合と、90°向きを変えたものであり基本的な構成は共通している。
【0050】
この場合、タンク39は水平姿勢となるので、開閉弁37のノズル38をタンク39の底面位置又はそれより下位となるように開閉弁37の底面に設けることにより、タンク39内部の潤滑剤を自重により吐出できるようにしている。また、吐出された潤滑剤を転がり軸受11の所定位置に滴下させるべく、給油ユニット13を含む間座12が上位、転がり軸受11が下位に配置される。タンク39の閉塞栓43はタンク39の上端壁面に設けられる。
【0051】
ノズル38の吐出口38aから吐出される潤滑剤は重力によってその下方の転がり軸受11の内部に確実に供給されるため、実施形態1の場合のような案内部28(図4参照)を設ける必要はない。吐出口38aは、転がり軸受11の内輪17と外輪18の間のすき間上部に臨ませるだけでよい。
【0052】
図11の場合は、転がり軸受11の外輪18の軌道溝35に潤滑剤を供給すべく、ノズル38は外向きに傾斜させている。内輪17の軌道溝50に潤滑剤を供給する場合は、図12に示したように、内向きに傾斜させている。
[実施形態4]
【0053】
図13に示した実施形態4は、スピンドル70は回転軸71が垂直に設置される場合であり、軸受装置10としては実施形態3の横置き形の軸受装置10(図12参照)が使用される。軸受装置10は上部と下部の2個所に設けられる。上部の軸受装置10においては、間座12が上位、転がり軸受11が下位の関係に配置される。また下部の軸受装置10においては中間間座75に給油ユニット13を組み付け、転がり軸受11がその下位に取り付けられる。最下端の間座12の内部は空所となっている。
【符号の説明】
【0054】
10 軸受装置
11 転がり軸受
12 間座
12a 内輪側間座
12b 外輪側間座
13 給油ユニット
14 回転軸
15 ハウジング
16 間座
17 内輪
18 外輪
19 転動体
21 保持器
24 ケーシング
25 蓋
26 内端面
27 外周面
28 案内部
29 段差部
30 内周面
31 部分軌道溝
32 先端面
33 内径面
34 補完軌道溝
35 軌道溝
36 吐出口穴
37 開閉弁
38 ノズル
38a 吐出口
39 タンク
40 駆動部
41 電源部
42 接続配管
43 閉塞栓
44 空気穴
45 フィルター
46 軸受温度センサー
47 軸受回転センサー
48 潤滑剤残量センサー
49 潤滑剤温度センサー
50 軌道溝
51 CPU
52、53 熱伝導体
54 ゼーベック素子
55 鉄心
56 コイル
57 絶縁性基台
58 固定側絶縁基板
59 可動側絶縁基板
60 電極
61 エレクトレット
62 摺動装置
63 重り
64 圧電体
65 吐出量調整装置
70 スピンドル
71 回転軸
72 大径部
73 ツバ部
74 ねじ部
75 中間間座
76 スピンドルハウジング
77 ツバ部
78 ナット
79 ツバ部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
転がり軸受と給油装置の組み合わせからなり、前記給油装置は前記転がり軸受又はこれに隣接した間座に取り付けられ、潤滑剤のタンク、開閉弁及び吐出量調整装置を備え、前記開閉弁のノズルの吐出口を軌道溝に向けた軸受装置において、前記ノズルから潤滑剤を吐出させる圧力を前記タンク内部に充填された潤滑剤の自重により発生させることを特徴とする軸受装置。
【請求項2】
前記ノズルは前記タンクの下端より低位置に設けられ、前記タンクの大気への開放口に空気を通し潤滑剤を遮断するフィルターが装着されたことを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
【請求項3】
前記給油装置は、ケーシングとその内部に収納された諸部材により給油ユニットとしてユニット化され、そのケーシングが前記固定側軌道輪又は固定側間座の内径面に固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受装置。
【請求項4】
前記吐出量調整装置は、前記ノズルを有する開閉弁、その開閉弁の駆動部、その駆動部へ電源を供給する電源部により構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項5】
前記タンクが前記ケーシングに対し着脱自在に収納されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項6】
前記転がり軸受が水平軸に装着して使用される縦置き型であり、前記開閉弁が最下位に配置され、前記タンクが前記開閉弁の両側にそれぞれ固定側軌道輪又は固定側間座の内径面に沿って設けられ、前記タンクの上端部相互間に前記駆動部及び電源部が配置されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項7】
前記転がり軸受が水平軸に装着して使用される縦置き型であり、前記ケーシングが固定側間座に取り付けられる場合において、前記ケーシングの外径側周壁に固定側軌道輪に向けて突き出した案内部を設け、前記案内部によって固定側軌道輪の軌道溝の一部を形成せしめ、前記ノズルを前記案内部の内径面に沿わせて開放したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項8】
前記転がり軸受が垂直軸に装着して使用される横置き型であり、前記給油ユニットが当該軸受より上位に配置された固定側間座に取り付けられる場合において、前記ノズルを前記軸受の軌道溝に向けて設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項9】
前記吐出量調整装置は、前記軸受の状況を検知する各種のセンサーを備え、その検知結果に基づいて前記開閉弁を制御することにより潤滑剤の吐出量を調整することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項10】
前記電源部は、電池、蓄電池又は電気二重層キャパシタのいずれかであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項11】
前記電源部は、自己発電型であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の軸受装置。
【請求項12】
前記自己発電型の電源部は、前記ケーシングの外径側壁面と内径側壁面にそれぞれその壁面を貫通して熱伝導体を設け、その熱伝導体の間にゼーベック素子を介在した構成であることを特徴とする請求項11に記載の軸受装置。
【請求項13】
前記自己発電型の電源部が、当該装置の近傍に漏れ交番磁束源がある場合において、その漏れ交番磁束と鎖交する電磁コイルを前記ケーシングの内部に設けたことを特徴とする請求項11に記載の軸受装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の軸受装置を用いたことを特徴とするスピンドル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−83335(P2013−83335A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225165(P2011−225165)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】