説明

軽オレフィン生産のための触媒

【課題】軽オレフィンの生産の為の触媒組成物を提供する。
【解決手段】ペンタシル型ゼオライト、1以上の固体の酸性クラッキング促進剤を含み、任意的にフィラー及び/又はバインダーを含んでいてもよい触媒組成物、該触媒組成物を製造する方法、及びオレフィンを製造する方法において該触媒組成物を使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒組成物、該触媒組成物を製造する方法、及び、該触媒組成物の軽オレフィンの生産の為の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流動接触分解法(fluid catalytic cracking)をガソリン生産用としてではなく、石油化学物質又はガソリンブレンド成分のためのビルディングブロック、例えばMTBE及びアルキレートとしての使用のための軽オレフィンを製造する方法として使用する傾向がある。
【0003】
石油の炭化水素からの軽オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、及びブチレンの生産のための慣用の方法は、管状炉熱分解又は熱キャリアー上での熱分解、又は低級脂肪族アルコールの触媒的転化である。さらに最近は、ペンタシルファミリーの小さい孔のゼオライト添加物を用いる流動接触分解法が、近代的な精油所において同じことの為に使用されている。該小さい孔のゼオライト添加物は、複数の特許(例えば米国特許第5,472,594号、又は国際特許出願国際公開第98/41595号)に記載されるように製造され得る。
【0004】
分解法による軽オレフィンの製造のさらなる記載は、米国特許第3,541,179号及び特開昭60‐222428号において与えられる。
【0005】
該小さい孔のゼオライト添加物は、製油所において典型的には1〜5重量%の濃度においてFCCホスト触媒と混合することにより使用される。得られる軽オレフィンの増加は添加物の効率、ベース触媒の配合、フィードのタイプ及びFCC法の条件、例えば滞留時間及び温度に依存する。しかし、もし精油所が該小さい孔のゼオライト添加物の1〜5重量%の取り込みにおいて得られる濃度より高いところの、軽オレフィン濃度を製油所が目標にするならば、全体の効率は通常低下し始める。これはホスト触媒の希釈及びボトム転化率(bottoms conversion)の増加及び軽オレフィン収率の飽和のためである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は1つの実施態様において、ペンタシル型ゼオライト、1以上の固体の酸性分解促進剤を含み、任意的にフィラー及び/又はバインダーを含んでいてもよい触媒組成物である。
【0007】
本発明は第2の態様において、上の触媒組成物を製造する方法において、該方法において、ペンタシル型ゼオライト及び固体の酸性クラッキング促進剤を含む水性スラリーが製造されて乾燥される方法である。
【0008】
本発明は第3の実施態様において、1分子当たり約12までの炭素原子を有するオレフィンを製造する方法において、石油フィードストックを流動接触分解条件において上の触媒組成物と接触させることを含む方法である。
【0009】
本発明の他の実施態様は、触媒組成物に関する詳細、該触媒組成物の製造、及びオレフィン製造における該組成物の使用に関する。
【0010】
本発明は、上に記載された慣用の添加物系で得られるより高い濃度のオレフィン、特にプロピレンを生産するために使用され得、かつ同時に高いボトム転化率を達成するFCC触媒及び触媒/添加物系を記載する。該系は、慣用の触媒/添加物系をより高い添加物濃度において使用するとき、希釈効果に特に敏感であるところの、より重いフィードの加工においても機能するように設計されている。従って、活性成分の希釈及び全体の効率の低下を蒙らないこともまた、本発明の系の目的である。
【0011】
本発明の際立った成果は、
・ 他の活性触媒成分の存在下での、添加物/ホスト及び触媒粒子系における小さい孔のゼオライトの効果的なイクスシチュー(ex-situ)安定化及び/又は改質
・ガソリン及びガスのボトムの品質向上において高度に活性であるところの、添加物/ホスト及び1の粒子触媒系の設計。品質向上されたガソリン成分は本来的にオレフィン性である。触媒組成物の活性成分は、軽オレフィンの製造に不利益であるところの水素の移動及び芳香化反応の発生が最小化されるように選択される。
・本発明に従って製造される添加物/ホスト又は1の粒子系は、ブレンド中で非常に高い量の小さい孔のゼオライトが使用されるとき特に高いボトム転化率を示す。
【0012】
本発明は、先行技術において記載された触媒に比較して、改良された活性及び選択性を示す、より高い収率の軽オレフィン、LCO,及びガソリンを製造するための、水素移動反応の最小の活性を有する、触媒組成物を記載する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましくは、本発明に従う組成物は希土類交換されたゼオライトY(REY,REHY,REUSY,REMgY)を含まない、なぜならこれらのゼオライトは高い水素移動反応活性のためにオレフィン収率を下げるからである。
【0014】
本発明の触媒組成物
上に述べられたように、本発明の触媒組成物はペンタシル型ゼオライト及び1以上の固体の酸性クラッキング促進剤を含む。本発明の触媒組成物は、粒子バインダー、希釈剤、フィラー、及び増量剤(extender)からなる群から選択された、1以上の追加の物質を含み得る。
【0015】
ペンタシル型ゼオライトは該触媒組成物中に約5.0重量%〜約80重量%、好ましくは約5.0重量%〜40重量%存在する。固体の酸性クラッキング促進剤は、該触媒組成物中に約5.0重量%〜約80重量%、好ましくは約10重量%〜70重量%存在する。本発明の触媒組成物中の該ペンタシル型ゼオライト:固体の酸性クラッキング促進剤の重量比は約0.03〜約9.0である。
【0016】
該組成物は、約20ミクロン〜約200ミクロン、より好ましくは約30ミクロン〜約150ミクロン、最も好ましくは約40ミクロン〜約100ミクロンの主たる軸に沿う平均の長さを有する粒子を含み得る。
【0017】
ペンタシル型ゼオライト
ペンタシル型ゼオライトは:
・ITQ型ゼオライト、ベータゼオライト、及びシリケートからなる群から選択されたゼオライト;
・ZSM型ゼオライト;
・アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、リン、ホウ素、アルミニウム、貴金属及びそれらの組合せのイオンから成る群から選択された金属イオンを含む化合物でドープされたペンタシル型ゼオライト;及び
・Al,As,B,Be,Co,Cr,Fe,Ga,Hf,In,Mg,Mn,Ni,P,Si,Ti,V,Zn,Zr及びそれらの混合物からなる群から選択された金属を結晶中に四面体の配位において有する結晶
を含む。
【0018】
後者の2つの群は、改質されたペンタシル型ゼオライトと呼ばれる。
【0019】
ペンタシル型ゼオライトはZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−22,ZSM−23,ZSM−35,ゼオライトベータ,ゼオライトホウ素ベータ(zeolite boron beta)を含み、それらは米国特許第3,308,069号;3,702,886号;3,709,979号;3,832,449号;4,016,245号;4,788,169号;3,941,871号;5,013,537号;4,851,602号;4,564,511号;5,137,706号;4,962,266号;4,329,328号;5,354,719号;5,365,002号;5,064,793号;5,409,685号;5,466,432号;4,968,650号;5,158,757号;5,273,737号;4,935,561号;4,299,808号;4,405,502号;4,363,718号;4,732,747号;4,828,812号;5,466,835号;5,374,747号;及び5,354,875号に記載されている。ゼオライト結晶中の四面体配位における金属はAl,As,B,Be,Co,Cr,Fe,Ga,Hf,In,Mg,Mn,Ni,P,Si,Ti,V,Zn,Zrを含む。
【0020】
ペンタシル型ゼオライトは、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、希土類金属イオン、リン含有イオン、ホウ素含有イオン、アルミニウムイオン、貴金属イオン、及びそれらの組合せからなる群から選択された金属イオンを含む化合物でドープされていてもよい。ペンタシル型ゼオライトは任意の以下の方法によりドープされ得る:
・所望される金属イオンによるペンタシル型ゼオライトのイオン交換;
・所望される金属イオンでドープされたシードを用いることによる、ペンタシル型ゼオライトの製造;
・所望される金属イオンでドープされた反応物を用いることによる、ペンタシル型ゼオライトの製造;又は
・ペンタシル型ゼオライトの前駆体及び所望される金属イオンを含む反応混合物を用いることによるペンタシル型ゼオライトの製造。
【0021】
改質されたペンタシル型ゼオライトは、規則的なペンタシル型ゼオライト(即ちZSM型ゼオライト、ゼオライトベータ等)あるいはペンタシル型ゼオライトのイオン交換された形、例えば遷移金属で交換されたペンタシル型ゼオライトと混合されることができる。
【0022】
酸性クラッキング促進剤成分
固体の酸性物質は、ペンタシル型ゼオライトの機能を補い、クラッキング工程を通じて、軽オレフィン(即ちエチレン、プロピレン、ブチレン、及びペンテン)のより高い収率を相乗的に生み出す、追加的なより高い酸性機能を接触触媒粒子に与える。
【0023】
固体酸クラッキング促進剤は、ゼオライト系及び非ゼオライト系の固体酸を含み、非ゼオライト系固体酸が好ましい。
【0024】
より好ましくは、固体酸クラッキング促進剤は、高い表面積の非ゼオライト系固体酸であり、BET表面積は、好ましくは200m/g、より好ましくは250〜400m/gである。
【0025】
非ゼオライト系固体の酸性クラッキング促進剤の例は、その上又はその中への酸中心の取り込みにより改質されたアルミナ、酸性シリカ−アルミナ共ゲル、酸性の天然又は合成粘土、酸性チタニア、酸性ジルコニア、酸性チタニア−アルミナ、及びチタニア、アルミナ、ジルコニア、ホスフェート、ボレート、アルミノホスフェート、タングステート、モリブデート、及びそれらの混合物の共ゲルである。酸中心は、ハライド、サルフェート、ナイトレート、チタネート、ジルコネート、ホスフェート、ボレート、シリケート、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。固体の酸性クラッキング促進剤は、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属及びそれらの混合物からなる群から選択された金属イオン又は化合物のその中への取り込みにより改質された、酸性のシリカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、チタニア/ジルコニア、アルミナ/ジルコニア又はリン酸アルミニウムの共ゲルを含み得る。酸性のシリカ−アルミナ共ゲルは、水熱処理に付されていてもよい。
【0026】
固体の酸性クラッキング促進剤は、リン酸アルミニウムで改質されたアルミナ又は酸性化合物でドープされたリン酸アルミニウムの共ゲルを含み得る。
【0027】
酸性の天然又は合成粘土は焼成、スチーミング、脱アルミニウム化、脱ケイ素化、イオン交換、ピラーリング、剥離又はそれらの組合せにより改質されていてもよい。
【0028】
酸性のチタニア、酸性のジルコニア、又は両者がサルフェート、バナデート、ホスフェート、タングステート、ボレート、鉄、希土類金属又はそれらの混合物でドープされ得る。
【0029】
酸性ゼオライト物質は、モルデナイト、ゼオライトベータ、NaYゼオライト、及び脱アルミ化、あるいは遷移金属でイオン交換、あるいは両方されたUSYゼオライトからなる群から選択され得る。好ましい遷移金属はバナジウムである。
【0030】
ゼオライト系固体の酸性クラッキング成分は、水素モルデナイト(hydrogen modernite)、脱アルミ化Y型ゼオライト、例えばDAY,水素化分解におい使用される高SARのUSY型脱アルミ化ゼオライト、アルミニウム交換されたゼオライト、LZ−210,アルミニウム交換されたUSY、遷移金属イオン交換されたY型、USY型、DAY型ゼオライトを含む。
【0031】
特に好ましい固体の酸性クラッキング促進剤は、希土類及び/又はシリカドープされたアルミナ及び希土類ドープされたシリカ−アルミナである。促進されたアルミナのBET表面積は、好ましくは200m/gより上、より好ましくは250〜400m/gである。
【0032】
本発明の触媒組成物の製造
一般的に、本発明の触媒組成物の製造において、ペンタシル型ゼオライト及び固体の酸性クラッキング促進剤を含む水性スラリーが製造され、乾燥される。ペンタシル型ゼオライト及び固体の酸性クラッキング促進剤の別の水性スラリーが製造され得、一緒に混合され、乾燥され得る。該水性スラリーは、噴霧乾燥されて、約20ミクロン〜約200ミクロンの主たる軸に沿う平均長さを有する触媒粒子を得る。
【0033】
本発明の触媒組成物は、粒子バインダー、希釈剤、フィラー、及び増量剤からなる群から選択された1以上の追加的物質を含み得る。これらはペンタシル型ゼオライト及び固体の酸性クラッキング促進剤を含む水性スラリーに添加され得る。
【0034】
あるいは、本発明の触媒組成物は、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、リン、ホウ素、アルミニウム、貴金属、及びそれらの組合せからなる群から選択されたイオンによるイオン交換によりペンタシル型ゼオライトを改質することにより、固体の酸性クラッキング促進剤及び改質されたペンタシル型ゼオライト以外の他の触媒成分の水性スラリーを製造することにより製造され得、ただし該改質されたペンタシル型ゼオライトの添加は成形の直前の最終工程として行われる。改質されたペンタシル型ゼオライトの添加は、該スラリーが実質的に均一になるまで該水性スラリーと混合することにより行われ得る。成形は噴霧乾燥により行われ得る。
【0035】
スラリーのpHを上げるために、NHOHが改質されたペンタシル型ゼオライトの添加の前にスラリーに添加され得る。pHバッファーが改質されたペンタシル型ゼオライトの添加の前にスラリーに添加されてもよい。バッファーは、アルミニウムクロロヒドロール、リン酸塩ゾル又はゲル、アニオン性粘土、スメクタイト、及び熱的又は化学的に改質された粘土からなる群から選択され得る。熱的又は化学的に改質された粘土はカオリン粘土であり得る。
【0036】
また、固体の酸性クラッキング促進剤、およびシリカ、アルミナ、及び希土類金属、アルカリ土類金属、及び遷移族金属からなる群からの1以上の金属を含むシードの前駆体を含む水性スラリーを製造し、該水性スラリーを成形体に形成し、該成形体においてインシチュー(in situ)でペンタシル型ゼオライトを結晶化させることにより、本発明に従う触媒組成物を製造することも可能である。
【0037】
本発明の触媒の使用
本発明の触媒の使用が意図される精油工程は、1分子当たり約12の炭素原子まで有する軽オレフィンを製造するために設計された任意の流動接触分解工程、例えばFCC又はDCCであり得る。該工程は、典型的には、約450〜780℃の温度、約0.01〜20秒の滞留時間、添加されるスチームあり又はなし、及び1〜100の触媒:油の比を含む流動接触分解条件において、石油フィードストックを本発明のFCC触媒組成物と接触させることを含む。このFCC触媒組成物は、約5.0〜約80重量%の本発明の触媒組成物と第2の流動接触分解触媒組成物との混合物を含み得る。
【0038】
本発明の触媒組成物は、1分子当たり約12まで、好ましくは約6までの炭素原子を有するオレフィンの製造に非常に適している。そのような工程は石油フィードストックを流動接触分解条件において、本発明に従う触媒組成物と接触させることを含む。
【0039】
ガソリンの収率を最大化し、かつボトムの収率を最小化しながら、オレフィンの収率を、少なくとも先行技術の組成物により達成されるレベルに維持することが所望されるならば、希土類及び/又は遷移金属ドープされた(擬似)ベーマイトを含む固体の酸性触媒促進剤が好ましく使用される。
【実施例】
【0040】
比較例1
ZSM−5(トリキャット(Tricat)製)がpH<3においてHPO溶液と混合され、乾燥され、600℃において1時間焼成された。得られたゼオライト(15重量%P)は粉砕され、解膠された(擬似ベーマイト)アルミナ及び粘土のスラリー埋め込まれた。スラリーは高速せん断で混合され、乾燥され、焼成された。最終組成は15重量%のZSM−5、65重量%のAl、及び10重量%の粘土であった。この混合物には固体の酸性クラッキング促進剤は存在しなかった。
【0041】
実施例2
実施例1が繰り返されたが、酸性クラッキング促進剤は、添加物中の65重量%の(擬似ベーマイト)アルミナの代わりに、15重量%の深く安定化された、低ナトリウムUSY、15重量%の改質された(擬似ベーマイト)アルミナ、及び35重量%の粘土を含んでいた。改質された(擬似ベーマイト)アルミナは975gのリン酸及び5823gのReCl(希土類)溶液をH−水の残り(heel of H-water)に添加することにより製造された。攪拌下、13700gのナタル(Natal)(25重量%のAl)及び10172gの硫酸が9.5の固定化されたpHにおいて該混合物へと添加された。スラリーは100℃において24時間エージングされ、濾過され、洗浄され、乾燥され、そして焼成された。
【0042】
実施例1及び2に従う触媒組成物が小規模の流動床反応器において試験された。本発明に従う触媒組成物は、ガソリン収率のかなりの増加及び低下されたボトム収率の点に関して改善された性能を示し、同時に軽オレフィンの高い収率を与えた。
【0043】
上の実施例の触媒の性質及び性能のまとめが下の表に与えられる。
【0044】
【表1】

【0045】
540℃における小規模の流動床反応器。原料は3.2のCCRを有するロングレジデューであった。
分析されていない
【0046】
表から明らかであるように従来の組成物の使用と比較して、本発明の組成物の使用は、オレフィンの収率の明らかな増加をもたらし、同時にボトム収率を最小化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンタシル型ゼオライト及び1以上の固体の酸性クラッキング促進剤を含む触媒組成物。
【請求項2】
フィラー、バインダー、希釈剤、及び/又は増量剤を含む、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項3】
前記ペンタシル型ゼオライトが、ITQ型ゼオライト、ベータゼオライト、シリケート及びZXM型ゼオライトからなる群から選択されるところの、請求項1又は2のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項4】
前記ペンタシル型ゼオライトが、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、希土類金属イオン、リン含有イオン、ホウ素含有イオン、アルミニウムイオン、貴金属イオン、及びそれらの組合せからなる群から選択されたイオンを含む化合物でドープされているところの、請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項5】
前記ペンタシル型ゼオライトが、Al,As,B,Be,Co,Cr,Fe,Ga,Hf,In,Mg,Mn,Ni,P,Si,Ti,V,Zn,Zr及びそれらの混合物からなる群から選択された金属を、結晶中に四面体の配位において有する結晶を含むところの、請求項1に記載の触媒組成物。
【請求項6】
前記固体の酸性クラッキング促進剤が、その上又はその中への酸中心の取り込みにより改質されたアルミナ、酸性シリカ−アルミナ共ゲル、酸性の天然又は合成粘土、酸性チタニア、酸性ジルコニア、酸性チタニア−アルミナ、酸性ゼオライト物質、及びチタニア、アルミナ、ジルコニア、ホスフェート、ボレート、アルミノホスフェート、タングステート、モリブデート、及びそれらの混合物の共ゲルからなる群から選択されるところの、請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項7】
前記酸中心が、ハライド、サルフェート、ナイトレート、チタネート、ジルコネート、ホスフェート、ボレート、シリケート、及びそれらの混合物からなる群から選択されるところの、請求項6に記載の触媒組成物。
【請求項8】
前記固体の酸性クラッキング促進剤が、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属及びそれらの混合物からなる群から選択された金属イオン又は化合物のその中への取り込みにより改質された、酸性のシリカ−アルミナ、チタニア−アルミナ、チタニア/ジルコニア、アルミナ/ジルコニア又はリン酸アルミニウムの共ゲルを含むところの、請求項1〜7のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項9】
前記固体の酸クラッキング促進剤が、少なくとも200m/gのBET表面積を有する非ゼオライト系固体酸であるところの、請求項1〜8のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項10】
前記固体の酸性クラッキング促進剤が、希土類及び/又はシリカドープされたアルミナ又は希土類ドープされたシリカ−アルミナであるところの、請求項1〜9のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項11】
アルミナが(擬似)ベーマイトであるところの、請求項10に記載の触媒組成物。
【請求項12】
前記ペンタシル型ゼオライト:固体の酸性クラッキング促進剤の重量比が、0.03〜9.0であるところの、請求項1〜11のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項13】
5.0重量%〜80重量%のペンタシル型ゼオライトを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項14】
5.0重量%〜80重量%の固体の酸性クラッキング促進剤を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の触媒組成物。
【請求項15】
前記ペンタシル型ゼオライトが、(i)前記イオンによるペンタシル型ゼオライトのイオン交換、(ii)前記イオンでドープされた反応物を用いることによる、ペンタシル型ゼオライトの製造、(iii)前記イオンでドープされたシードを用いることによる、ペンタシル型ゼオライトの製造;又は(iv)前記イオンを含む反応混合物を用いることによるペンタシル型ゼオライトの製造によりドープされるところの、請求項4に記載の触媒組成物を製造する方法。
【請求項16】
アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、希土類金属イオン、リン含有イオン、ホウ素含有イオン、アルミニウムイオン、貴金属イオン、及びそれらの組合せからなる群から選択されたイオンでペンタシル型ゼオライトをイオン交換する工程、前記酸性クラッキング促進剤、及び前記イオン交換されたペンタシル型ゼオライト以外の他の触媒成分の水性スラリーを製造する工程、前記イオン交換されたペンタシル型ゼオライトを前記スラリーに添加する工程、及び前記スラリーを成形する工程を含み、ただし前記イオン交換されたペンタシル型ゼオライトの前記添加は前記成形の直前に最終工程として行われるところの、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記イオン交換されたペンタシル型ゼオライトの添加の前に、NHOH又はpHバッファーが前記スラリーへ添加されて、前記スラリーのpHを上げるところの、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の触媒組成物を製造する方法において、前記固体の酸性クラッキング促進剤、およびシリカ、アルミナ、及び希土類金属、アルカリ土類金属、及び遷移族金属からなる群からの1以上の金属を含むシードを含む前記ペンタシル型ゼオライトの前駆体を含む水性スラリーが製造され、前記水性スラリーを成形体に形成し、前記成形体においてインシチューでペンタシル型ゼオライトを結晶化させる方法。
【請求項19】
1分子当たり約12までの炭素原子を有するオレフィンを製造する方法において、石油フィードストックを流動接触分解条件において請求項1〜14のいずれか1項に記載の触媒組成物と接触させることを含む方法。
【請求項20】
希土類及び/又は遷移金属ドープされた(擬似)ベーマイトを含む固体の酸性触媒促進剤を使用することにより、ガソリンの収率が最大化され、かつボトムの収率が最小化されるところの、請求項19に記載の方法。

【公開番号】特開2011−5489(P2011−5489A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163282(P2010−163282)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2004−532168(P2004−532168)の分割
【原出願日】平成15年8月28日(2003.8.28)
【出願人】(505002495)アルベマーレ ネザーランズ ビー.ブイ. (19)
【Fターム(参考)】