説明

輝度向上フィルム用組成物

開示されるのは、多官能(メタ)アクリレートと、置換または非置換ナフチル(メタ)アクリレートモノマーと、アリールエーテル(メタ)アクリレートと、任意選択の重合開始剤とを含んでなる輝度向上フィルム組成物である。この組成物は、硬化コーティング付きフィルムを迅速に連続生産するのに採用されている典型的な条件下で効率的に硬化することが見出された。そのような硬化組成物は、様々な処理条件下でも優れた相対硬化度を呈する。多官能(メタ)アクリレートと、置換または非置換ナフチル(メタ)アクリレートモノマーと、アリールエーテル(メタ)アクリレートと、任意選択の重合開始剤とを含んでなる輝度向上フィルム組成物を含む物品も開示される。この物品は、基材を含む多層物品であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して硬化性(メタ)アクリレート組成物に関し、より詳細には紫外線(UV)照射硬化性(メタ)アクリレート組成物に関する。この組成物は、光学物品用に適しており、特に輝度向上フィルム用に適している。
【背景技術】
【0002】
バックライトコンピュータディスプレイや他のディスプレイシステムでは、輝度向上フィルムが光を誘導するのに広く用いられている。そのようなフィルムはユーザーが見るディスプレイの輝度を上げるものであり、所望レベルの軸上照明を作り出す際にそのシステムによって消費される電力はより少なくなる。輝度向上用のフィルムは、プロジェクションディスプレイ、交通信号、照明表示板などの様々なその他の光学設計品にも用いることができる。紫外線照射硬化性(メタ)アクリレート組成物の用途は、ディスプレイシステムのような用途にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
輝度向上フィルムを製造するのに用いられる材料におけるさらなる改良、特に優れた特徴を有し、かつ硬化すると輝度向上フィルム用途に対しての益々厳しくなる要求を満足するために望まれている属性を併せ持つ材料に対して継続したニーズが依然として在る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様で、本発明は、硬化性組成物であって、
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はそれぞれの場合独立にO、S、またはSeであり;nは2であり;R2は構造II:
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、CO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R5は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート
【0009】
【化3】

【0010】
[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
を含む組成物を提供する。
【0011】
もう1つの態様では本発明は、
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【0012】
【化4】

【0013】
[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造II:
【0014】
【化5】

【0015】
[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、CO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R7は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート
【0016】
【化6】

【0017】
[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
から誘導される構造単位を含む硬化組成物に関する。
【0018】
もう1つの態様では、本発明は、
硬化されたアクリレート組成物を含む物品であって、該組成物が
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【0019】
【化7】

【0020】
[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造II:
【0021】
【化8】

【0022】
[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R7は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート
【0023】
【化9】

【0024】
[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
から誘導される構造単位を含む物品に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本明細書における単数形表現は、量の限定を示すものではなく、言及してものが少なくとも1つ存在することを示すものである。本明細書に開示されている範囲はすべて両端を含み、かつ組合せ可能である。
【0026】
用語「整数」とは、本明細書で使用される場合、ゼロでないあらゆる整数を言う。成句「〜から〜までの範囲の数」とは、本明細書で使用される場合、その範囲内にあるあらゆる数を言い、その境界値も含み、また整数と分数のいずれでもよい。
【0027】
用語「芳香族原子団」とは、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの原子価を有している少なくとも1個の芳香族基を含む原子団を言う。少なくとも1つの原子価を有している少なくとも1個の芳香族基を含む原子団は、窒素、硫黄、セレニウム、ケイ素、および酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、または炭素と水素のみから構成されていてもよい。用語「芳香族原子団」としては、本明細書で使用される場合、限定するものではないが、フェニル基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ナフチル基、フェニレン基、およびビフェニル基が挙げられる。上記したように、芳香族原子団は少なくとも1個の芳香族基を含む。芳香族基は普遍的に4n+2個の「非局在化」電子(ここで「n」は1以上の整数である)を有する環状構造であり、フェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などで説明されるとおりである。芳香族原子団はまた非芳香族成分を含んでいてもよい。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族基)とメチレン基(非芳香族成分)とを含む芳香族原子団である。同様にテトラヒドロナフチル原子団は、非芳香族成分−(CH24−に縮合した芳香族基(C63)を含む芳香族原子団である。便宜上、用語「芳香族原子団」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステルやアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの様々な官能基も含むものと本明細書では定義される。例えば、4−メチルフェニル原子団はメチル基を含むC7芳香族原子団であり、そのメチル基がアルキル基である官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基はニトロ基を含むC6芳香族原子団であり、このニトロ基が官能基である。芳香族原子団には、4−トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち−OPhC(CF32PhO−)、4−クロロメチルフェン−1−イル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェン−1−イル(すなわち3−CCl3Ph−)、4−(3−ブロモプロパ−1−イル)フェン−1−イル(すなわち4−BrCH2CH2CH2Ph−)などのハロゲン化芳香族原子団も含まれる。芳香族原子団のさらなる例としては、4−アリルオキシフェン−1−オキシ、4−アミノフェン−1−イル(すなわち4−H2NPh−)、3−アミノカルボニルフェン−1−イル(すなわちNH2COPh−)、4−ベンゾイルフェン−1−イル、ジシアノメチリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち−OPhC(CN)2PhO−)、3−メチルフェン−1−イル、メチレンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち−OPhCH2PhO−)、2−エチルフェン−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち−OPh(CH26PhO−)、4−ヒドロキシメチルフェン−1−イル(すなわち4−HOCH2Ph−)、4−メルカプトメチルフェン−1−イル(すなわち4−HSCH2Ph−)、4−メチルチオフェン−1−イル(すなわち4−CH3SPh−)、3−メトキシフェン−1−イル、2−メトキシカルボニルフェン−1−イルオキシ(例えばメチルサリチル)、2−ニトロメチルフェン−1−イル(すなわち2−NO2CH2Ph)、3−トリメチルシリルフェン−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェン−1−イル、4−ビニルフェン−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などが挙げられる。用語「C3−C10芳香族原子団」としては、少なくとも3個かつ10個以下の炭素原子を含む芳香族原子団が挙げられる。芳香族原子団1−イミダゾリル(C322−)は、C3芳香族原子団を表す。ベンジル原子団(C78−)は、C7芳香族原子団を表す。
【0028】
本明細書で使用される用語「脂環式原子団」とは、少なくとも1つの原子価を有し、環状ではあるが芳香族ではない原子団を含む原子団を言う。本明細書で定義する「脂環式原子団」は芳香族基を含まない。「脂環式原子団」は、1個または複数の非環状成分を含み得る。例えば、シクロヘキシルメチル基(C611CH2−)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族ではない原子団)とメチレン基(非環状成分)とを含む脂環式原子団である。脂環式原子団は、窒素、硫黄、セレニウム、ケイ素、および酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、または炭素と水素のみから構成されていてもよい。便宜上、用語「脂環式原子団」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステルやアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの様々な官能基も含むものと本明細書では定義する。例えば、4−メチルシクロペント−1−イル原子団は、メチル基を含むC6脂環式基であり、そのメチル基がアルキル基である官能基である。同様に、2−ニトロシクロブト−1−イル原子団はニトロ基を含むC4脂環式原子団であり、そのニトロ基が官能基である。脂環式原子団は、同じであってもまたは異なっていてもよい1個または複数のハロゲン原子を含んでいてもよい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。1個または複数のハロゲン原子を含む脂環式原子団としては、2−トリフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクタ−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(シクロヘキサ−4−イル)(すなわち−C610C(CF32610−)、2−クロロメチルシクロヘキサ−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロヘキサ−1−イル、4−トリクロロメチルシクロヘキサ−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロヘキサ−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペント−1−イル、2−ブロモプロピルシクロヘキサ−1−イルオキシ(例えばCH3CHBrCH2610−)などが挙げられる。脂環式原子団のさらなる例としては、4−アリルオキシシクロヘキサ−1−イル、4−アミノシクロヘキサ−1−イル(すなわちH2NC610−)、4−アミノカルボニルシクロペント−1−イル(すなわちNH2COC58−)、4−アセチルオキシシクロヘキサ−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(すなわち−OC610C(CN)2610O−)、3−メチルシクロヘキサ−1−イル、メチレンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(すなわち−OC610CH2610O−)、1−エチルシクロブト−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(すなわち−0C610(CH26610O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ−1−イル(すなわち4−HOCH2610−)、4−メルカプトメチルシクロヘキサ−1−イル(すなわち4−HSCH2610−)、4−メチルチオシクロヘキサ−1−イル(すなわち4−CH3SC610−)、4−メトキシシクロヘキサ−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロヘキサ−1−イルオキシ(2−CH3OCOC610O−)、4−ニトロメチルシクロヘキサ−1−イル(すなわちNO2CH2610−)、3−トリメチルシリルシクロヘキサ−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペント−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキサ−1−イル(例えば(CH3O)3SiCH2CH2610−)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などが挙げられる。用語「C3〜C10脂環式原子団」としては、少なくとも3個かつ10個以下の炭素原子を含む脂環式原子団が挙げられる。脂環式原子団2−テトラヒドロフラニル(C47O−)は、C4脂環式原子団を表す。シクロヘキシルメチル原子団(C611CH2−)は、C7脂環式原子団を表す。
【0029】
本明細書で使用される用語「脂肪族原子団」とは、環状ではない直鎖状または分岐状の原子団から構成される少なくとも1つの原子価を有している有機原子団を言う。脂肪族原子団は少なくとも1個の炭素原子を含むと定義される。この脂肪族原子団を含む原子団は、窒素、硫黄、ケイ素、セレニウム、および酸素などのヘテロ原子を含んでいてもよいし、または炭素と水素のみから構成されていてもよい。便宜上、用語「脂肪族原子団」は、その「環状ではない直鎖状または分岐状の原子団」の一部として、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステルやアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの様々な官能基も含むものと本明細書では定義される。例えば、4−メチルペント−1−イル原子団はメチル基を含むC6脂肪族原子団であり、そのメチル基がアルキル基である官能基である。同様に、4−ニトロブト−1−イル基はニトロ基を含むC4脂肪族原子団であり、そのニトロ基が官能基である。脂肪族原子団は、同じであってもまたは異なっていてもよい1個または複数のハロゲン原子を含むハロアルキル基であり得る。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。1個または複数のハロゲン原子を含む脂肪族原子団としては、アルキルハライドのトリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(例えば−CH2CHBrCH2−)などが挙げられる。脂肪族原子団のさらなる例としては、アリル、アミノカルボニル(すなわちCONH2)、カルボニル、2,2−ジシアノイソプロピリデン(すなわち−CH2C(CN)2CH2−)、メチル(すなわちCH3)、メチレン(すなわち−CH2−)、エチル、エチレン、ホルミル(すなわち−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(すなわち−CH2OH)、メルカプトメチル(すなわち−CH2SH)、メチルチオ(すなわち−S−CH3)、メチルチオメチル(すなわち−CH2SCH3)、メトキシ、メトキシカルボニル(すなわちCH3OCO−)、ニトロメチル(すなわち−CH2NO2)、チオカルボニル、トリメチルシリル(すなわち(CH33Si−)、t−ブチルジメチルシリル、3−トリメチトキシシリルプロピル(すなわち(CH3O)3SiCH2CH2CH2−)、ビニル、ビニリデンなどが挙げられる。さらなる例としては、C1〜C10脂肪族原子団は少なくとも1個かつ10個以下の炭素原子を含む。メチル基(すなわちCH3−)はC1脂肪族原子団の例である。デシル基(すなわちCH3(CH29−)はC10脂肪族原子団の例である。
【0030】
用語「(メタ)アクリレートモノマー」とは、少なくとも1個のアクリレート単位を含むあらゆるモノマーを言い、この場合そのカルボニル基隣接二重結合炭素の置換は水素置換かメチル置換のどちらかである。「(メタ)アクリレートモノマー」の例としては、メチルメタアクリレート(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換はメチル基である)、アクリル酸(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換は水素基である)、フェニルメタアクリレート(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換はメチル基である)、フェニルチオエチルメタアクリレート(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換はメチル基である)、エチルアクリレート(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換は水素基である)、2,2−ビス((4−メタアクリルオキシ)フェニル)プロパン(ここではカルボニル基隣接二重結合炭素における置換はメチル基である)などが挙げられる。
【0031】
本発明は、少なくとも1種の多官能性(メタ)アクリレートモノマーと少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレートモノマーとを含む硬化性組成物に関するものである。
【0032】
1つの態様では、この硬化性組成物は、無溶媒、高屈折率、照射硬化性の組成物であり、これは、優れた特性バランスを有する硬化材料を与える。この組成物は輝度向上フィルム用途に理想的に適している。1つの態様で、この硬化性組成物から調製された輝度向上フィルムは、良好な輝度を呈する。
【0033】
この硬化性組成物は、構造Iで表される多官能(メタ)アクリレートを含む。
【0034】
【化10】

【0035】
[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造II:
【0036】
【化11】

【0037】
[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、CO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R5は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
この多官能(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸またはメタアクリル酸と、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;1,3−ビス−{4−[1−メチル−1−(4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オール;1,3−ビス−{2,6−ジブロモ−4−[1−(3,5−ジブロモ−4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オールなどのジエポキシド;およびこれらのジエポキシドの少なくとも1つを含む組合せとの反応により生成された化合物を挙げることができる。そのような化合物の例としては、2,2−ビス(4−(2−(メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル)プロパン;2,2−ビス((4−(メタ)アクリルオキシ)フェニル)プロパン;アクリル酸3−(4−{1−[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−3,5,−ジブロモ−フェニル]−1−メチル−エチル}−2,6−ジブロモ−フェノキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルエステル;アクリル酸3−[4−(1−{4−[3−(4−{1−[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−3,5−ジブロモ−フェニル]−1−メチル−エチル}−2,6−ジブロモ−フェノキシ)−2−ヒドロキシ−プロポキシ]−3,5−ジブロモ−フェニル}−1−メチル−エチル)−2,6−ジブロモ−フェノキシ]−2−ヒドロキシ−プロピルエステルなど;およびこれらの多官能(メタ)アクリレートの少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。好適な四臭素化ビスフェノール−Aジエポキシド反応生成物系多官能アクリレートは、サイテックサーフェススペシャリティーズから入手可能なRDX51027である。他の商業的に入手可能な多官能アクリレートとしては、EB600、EB3600、EB3605、EB3700、EB3701、EB3702、EB3703、およびEB3720(すべてUCBケミカルズから入手可能)、またはサートマーから入手可能なCN104およびCN120が挙げられる。
【0038】
この硬化性組成物は、置換または非置換ナフチル(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む。好ましい置換または非置換アリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーは、式(III)
【0039】
【化12】

【0040】
[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
で表される。特に好ましいナフチル(メタ)アクリレートモノマーは、2−ナフチルオキシエチルアクリレートおよび2−ナフチルチオエチルアクリレートならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のナフチル(メタ)アクリレートモノマーは商業的に入手可能である。あるいは、それらは、当業者には知られている標準的な方法を用いて合成することもできる。
【0041】
この硬化性組成物は、構造Vを有するアリールエーテル(メタ)アクリレート
【0042】
【化13】

【0043】
[式中、R10は水素またはメチルであり;X2およびX3はそれぞれの場合独立にOまたはSであり;R11は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;Arは一価C3〜C20芳香族原子団である]
をさらに含んでいてもよい。「アリールエーテル」には、本明細書で使用される場合、特に断らない限り、アリールスルフィドとしても知られている、アリールエーテルとアリールチオエーテルの両方が含まれる。1つの実施形態では、このアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマー中の芳香族原子団は単環式芳香族原子団である。特に好ましい置換または非置換アリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーは、2−フェノキシエチルアクリレートおよび2−フェニルチオエチルアクリレートならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の置換または非置換アリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーは商業的に入手可能である。あるいは、それらは、当業者には知られている標準的な方法を用いて合成することもできる。
【0044】
この多官能(メタ)アクリレートは、硬化性組成物中に、組成物全体を基準にして約10重量パーセント〜約70重量パーセントの量で存在している。この範囲内では、約20重量パーセント以上の量を用い得、約30重量パーセント以上が好ましく、約40重量パーセント以上がより好ましい。またこの範囲内では、約65重量パーセント以下の量を用い得、約60重量パーセント以下が好ましく、約55重量パーセント以下がより好ましい。
【0045】
ナフチル(メタ)アクリレートモノマーは、硬化性組成物中に、組成物全体を基準にして約90重量パーセント〜約30重量パーセントの量で存在している。この範囲内では、好ましくは約40重量パーセント以上、より好ましくは約50重量パーセント以上の量を用い得る。
【0046】
置換または非置換アリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーは、硬化性組成物中に、組成物全体を基準にして約0重量パーセント〜約40重量パーセントの量で存在している。この範囲内では、好ましくは約30重量パーセント以上、より好ましくは約20重量パーセント以上の量を用い得る。
【0047】
この組成物は、(メタ)アクリレート成分の重合を促進させるための重合開始剤をさらに含む。好適な重合開始剤としては、紫外線照射に曝露したときにこの成分の重合を促進する光開始剤が挙げられる。特に好適な光開始剤としては、ホスフィンオキシド光開始剤が挙げられる。そのような光開始剤の例としては、チバスペシャリティーケミカルズから入手可能なイルガキュア(登録商標)およびダロクア(商標)系のホスフィンオキシド光開始剤;BASF社からのルシリン(登録商標)系;ならびにエサキュア(登録商標)系の光開始剤が挙げられる。他の有用な光開始剤としては、ヒドロキシ−フェニルケトンおよびアルコキシアルキルフェニルケトンならびにチオアルキルフェニルモルホリノアルキルケトンなどのケトン系光開始剤が挙げられる。ベンゾインエーテル光開始剤も好適である。
【0048】
重合開始剤としては、熱的活性化により重合を促進することができるペルオキシ系開始剤も挙げることができる。有用なペルオキシ開始剤の例としては、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ラウリルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルベンゼンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサ−3−イン、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジ(t−ブチルペルオキシイソフタレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)オクタン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、ジ(トリメチルシリル)ペルオキシド、トリメチルシリルフェニルトリフェニルシリルペルオキシドなど、およびこれらの重合開始剤の少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。
【0049】
重合開始剤は、組成物の全体重量を基準にして約0.01〜約10重量パーセントの量で使用することができる。この範囲内では、好ましくは約0.1重量パーセント以上、より好ましくは約0.5重量パーセント以上の重合開始剤量を用い得る。またこの範囲内では、好ましくは約5重量パーセント以下、より好ましくは約3重量パーセント以下の重合開始剤量を用い得る。
【0050】
この組成物は、難燃剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤、染料、着色剤、帯電防止剤など、およびこれらの添加剤の少なくとも1つを含む組合せから選択される添加剤を、それらが組成物の重合に悪影響を及ぼさない限り、場合によってさらに含んでいてもよい。
【0051】
多官能(メタ)アクリレートと、ナフチル(メタ)アクリレートモノマーと、任意選択のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーと、重合開始剤とを含む本発明で提供されるこの組成物は、公知の高屈折率添加剤を加える必要性なしに、優れた屈折率を有する材料を与える。本明細書で使用される屈折率とは、材料中の光の速度に関係する物質の光学特性を言う。数値的には屈折率は、その媒体中での光の速度に対する真空中での光の速度の比に等しい。それはまた、空気から透明媒体に光線が通過するときの入射角の正弦と屈折角の正弦の比に等しい。
【0052】
高屈折率の組成物を硬化させてフィルムを形成すると、優れた輝度を呈するフィルムが得られる。フィルムの輝度はルミナンスという値で与えられ、これは、所与の方向から見たときの1つの表面の単位面積当たりのその所与の方向におけるその表面の発光強度と定義される。入射光照射強度に対するフィルム表面からの反射光照射強度の比がルミナンスの値を与える。
【0053】
この硬化性組成物は、その各成分を単純にブレンドし、効率的に混合して均質な混合物を作ることで調製することができる。この硬化性組成物から物品を成形するときは、真空をかけるなどして、またその混合物が粘稠である場合は緩く加熱して空気泡を除去するのが多くの場合好ましい。組成物は次いで、複製すべき微細構造が付いていてもよい型に注入し、紫外線照射または熱に曝露することで重合させて硬化物品を作ることができる。
【0054】
代替の方法としては、照射硬化性の未硬化組成物をベースフィルム基材表面に塗布し、未硬化組成物コーティングを有しているベースフィルム基材を、ニップロールと、微細構造ネガパターン原版を有するキャストドラムとによって画定される圧縮ニップの間を通すことが挙げられる。圧縮ニップは未硬化組成物とベースフィルム基材とに十分な圧力を加えることで、組成物コーティングの厚みを制御するとともに組成物をプレスしてベースフィルム基材とキャストドラムのいずれとも完全双対接触させて、組成物とドラムとの間にある空気をすべて排除する。ベースフィルム基材は、未硬化組成物に十分な支持を提供することができるものならどのような材料からできていてもよく、例えばポリメチルメタアクリレート(すなわち、PLEXIGLASS(商標))、ポリエステル(例えばMYLAR(商標))、ポリカーボネート(LEXAN(商標)など)、ポリ塩化ビニル(VELBEX(登録商標))、あるいは紙でさえよい。好ましい実施形態では、ベースフィルム基材は、ポリカーボネート系材料またはポリエステル系材料を含む。
【0055】
照射硬化性組成物は、その組成物がドラムと完全接触している間に、組成物のコーティングがあるベースフィルム基材表面とは反対側の表面からそのベースフィルム基材を通して照射エネルギーを誘導することで硬化されて、硬化組成物層中に微細構造のパターンが複製される。この方法は、基材と組み合わさった硬化組成物の連続調製に特に適している。
【0056】
この硬化性組成物は好ましくはUV照射によって硬化される。UV照射の波長は、約1800オングストローム〜約4000オングストロームであってよい。UV照射の好適な波長としては、例えば、UVA、UVB、UVC、UVVなどが挙げられ、そのような波長は当技術分野ではよく知られている。そのような照射を発生させるのに使用されるランプ系としては紫外線ランプおよび放電ランプが挙げられ、例えばキセノンランプ、金属ハライドランプ、金属アークランプ、低圧または高圧水銀放電ランプなどである。硬化させるというのは、重合と架橋の双方を行って、非粘着材料を形成させることを意味する。
【0057】
熱硬化が用いられる場合は、選択される温度は約80℃〜約130℃であってよい。この範囲内では、好ましくは約90℃以上の温度とすることもある。さらにこの範囲内では、好ましくは約100℃以上の温度とすることもある。加熱時間は、約30秒〜約24時間であってよい。この範囲内では、好ましくは約1分以上、より好ましくは約2分以上の加熱時間を用い得る。またこの範囲内では、好ましくは約10時間以下、より好ましくは約5時間以下、なおより好ましくは約3時間以下の加熱時間を用い得る。そのような硬化は、半硬化かつ多くの場合粘着性無しの組成物が形成される段階まで進めて、それを次いで上記した範囲内のさらなる時間または温度で加熱することにより完全に硬化させてもよい。1つの実施形態では、この組成物は熱硬化させてもUV硬化させてもよい。
【0058】
1つの実施形態では、この組成物は連続工程にかけられ、基材と組み合わさった硬化フィルム材料が調製される。連続工程を用いて硬化材料の迅速な生産を達成するためには、組成物は好ましくは短時間で硬化する。
【0059】
硬化フィルムを低コストで生産するための現在の製造工程では、材料の迅速かつ効率的な硬化とその後の硬化フィルムの型からの容易な剥離が求められている。構造Iに一致する多官能(メタ)アクリレートと、式IIIで表される置換または非置換ナフチル(メタ)アクリレートモノマーと、式IVに一致するアリールエーテル(メタ)アクリレートと、任意選択の重合開始剤とを含んでなる本組成物は、UV照射を用いて硬化コーティング付きフィルムを迅速連続生産するのに採用されている典型的な条件下で効率的に硬化することが見出された。そのような組成物は、様々な処理条件下でも素晴らしい相対硬化度を呈する。
【0060】
1つの実施形態では、硬化性組成物は、約10重量パーセント〜約70重量パーセントの多官能(メタ)アクリレート;約90重量パーセント〜約30重量パーセントの置換または非置換ナフチル(メタ)アクリレートモノマー;約0重量パーセント〜約15重量パーセントのアリールエーテル(メタ)アクリレート;および約0.1〜約2重量パーセントのホスフィンオキシド光開始剤を含む。
【0061】
その他の実施形態としては、いずれかの硬化組成物からできている物品が挙げられる。本組成物から作製することができる物品としては、例えば、バックライトディスプレイ用途のフィルム;プロジェクションディスプレイ;交通信号;照明表示板;光学レンズ;フレネルレンズ;光ディスク;拡散フィルム;ホログラフィー基体;などの光学物品や、従来型のレンズ、プリズムまたは鏡と組み合わさった基材のような光学物品が挙げられる。
【0062】
本発明を特にその好ましい実施形態に照らし合わせてここまで詳細に述べてきたが、当業者であれば、本発明の精神と範囲の中で変形形態および改変形態を生み出し得ることは理解されよう。
【実施例】
【0063】
アクロスオーガニックスから購入した2−ナフタレンチオール以外は、試薬はすべてAldrichから購入し、さらに精製することなく使用した。商品名RDX51027で入手可能なテトラブロモビスフェノール−Aジ−エポキシドのジアクリレートはUCB Chemicalsから購入した。商品名BX−PTEAで入手可能な2−フェニルチオエチルアクリレートはバイマックス社から購入した。商品名イルガキュア 819(登録商標)で入手可能なビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドはチバガイギーから購入した。1H NMR分光分析は、ブルッカーバンス400MHz NMRで行った。
【0064】
液体材料の屈折率(RI)はBausch and Lomb Abbe−3L屈折計を用いて測定した(測定に伴った波長は589.3ナノメーターであった)。粘度は、CPE40またはCPE51スピンドル付属品が付いたブルックフィールドLVDV−II Cone/Plate粘度計を用いて、その特定の錐体付属品に対する装置最大トルクの15%〜90%内にトルク範囲を維持しながら25℃、0.5ミリメーター液体硬化性組成物サンプル体積で測定した。粘度測定値はセンチポイズ(cP)で与えられる。
【0065】
ガラス転移温度(Tg)は、1.0ラジアン/秒の繰り返し速度での張力、0.01%の変形、2℃/分の温度勾配で操作されるRheometrics Solids Analyzer RSA IIを用いた動的機械分析(DMA)によって測定した。硬化コーティング付き平坦フィルムを通った光のパーセント(%)ヘイズおよび%透過率は、BYK−Gardner Haze−guard Plus Hazemeterを用いてASTM D1003に従って決定した。密着性は、硬化コーティング付き平坦フィルムに対してASTM D3359に従って測定した。硬化コーティング付き平坦フィルムの色彩は、L*、a*、b*色空間、D65光源、および10度視野標準観測者(10 degree observer)(正反射も含めて)を用いるグレタークマクベスカラー−アイ7000A測色計を用いてL*、a*、およびb*を測定することにより決定した。硬化コーティング付き平坦フィルムの黄色度(YI)はグレタークマクベスカラー−アイ7000A測色計を用いて測定した。硬化フィルムの屈折率(RI)は、メトリコン社のプリズムカプラーModel 2010により厚膜フィルム(バルク材)設定で測定した。硬化性組成物をポリカーボネート基材上に平滑にコーティングして硬化させた。硬化した平滑コーティングを屈折率マッチング液なしにプリズムと直接接触させた。この装置は、プリズム/コーティング界面の臨界角に基づいて屈折率を計算する。
(2−ナフチル)チオエチルアクリレート(NTEA)の合成:
窒素スパージ器、機械式撹拌機および還流凝縮器が装着された1リットル三首フラスコ中で、2−ナフタレンチオール(16.07g、0.100モル)およびエチレンカーボネート(8.83g、0.100モル)を400ミリリットルのトルエンに溶解させた。200ミリグラムの炭酸カリウム(1.4モル%)を加えた後、均質な溶液を得た。この溶液を還流までもっていき、16時間撹拌した。1H NMRスペクトルは、2−ナフタレンチオールの2−ナフタレンチオエタノールへの完全な変換を示した。1H NMRスペクトルでは他の化学種は認められなかったのでこの溶液を室温まで冷ました。続いて、この冷溶液に、トリエチルアミンおよびジメチルアミノピリジン(DMAP)を1回のアリコートで直接加えた。塩化アクリロイル(13mL、0.16モル)の90ミリリットルトルエン溶液を調製した。この塩化アクリロイル溶液を、フラスコ中で強力な撹拌を維持しながら反応フラスコに添加漏斗から滴下で加えた。35℃までの若干の発熱が認められ、いくらかの不溶物が生成した。塩化アクリロイルを全部加えた後、この溶液を50℃に5時間加熱した。この溶液を次いで冷まして、アミン塩酸塩を析出させた。この塩を濾過により除去し、その溶液を、希HCl(水溶液)、希KOH(水溶液)、そして最後にブラインで6〜8のpHが達成されるまで洗った。これの有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、その溶媒をロータリーエバポレーターにより除去して、橙色の油状物を得た。この橙色の油状物を温ヘキサン/エーテル混合液に溶解させ、カーボンブラックでスラリー化した。この温溶液を、3cmのシリカゲルベッドの中を通した。このベッドを熱ヘキサンで抽出し、その有機層を合わせ、MgSO4で乾燥した。この溶液を丸底フラスコの中に濾過投入し、これに15mgのヒドロキノンのモノエチルエーテル(MEHQ)を加え、その溶媒をロータリーエバポレーターで除去して、低粘度薄黄色の油状物を得た。
フィルムを調製するための手順:
コーティング付きフィルムとは、本明細書で使用される場合、組成物とフィルム基材との二層フィルムを意味する。0.005インチ(0.127センチメーター)厚ポリカーボネートフィルム基材の上に7〜20マイクロメーター厚硬化組成物層を有する硬化コーティング付き平坦フィルムを、特注ラミネート機とFusion EPIC 6000UV硬化システムを用いて調製した。このラミネート機は、2本のゴムロール(可変速度式下部駆動ロールおよび空気圧駆動式上部ニップロール)からなる。このシステムは、ロール間を通されるラミネートスタックを合わせてプレスするのに用いられる。コーティング付き平坦フィルムは、およそ0.5mLの硬化性組成物を連続ライン中の高ポリッシュ仕上げ平坦クロムメッキ5×7インチ(12.7×17.8センチメーター)スチールプレートにその前部つまりプレート先導エッジ部において転送することで調製した。1枚の基材フィルムを次いでこの硬化性組成物上に配置し、得られたスタックをラミネート機の中に送って、硬化性組成物をクロムプレートと基材フィルムとの間で均一にプレスおよび分配した。より高い粘度の処方では、より高い圧力とより低い速度を用い、またクロムプレートも加熱して、所望の厚みを得た。スタック内の硬化性組成物の光重合は、スタックを高出力および焦点距離2.1インチ(5.3センチメーター)を採用した600ワットV−灯の下を10フィート/分(0.051メーター/秒)の速度で通し、フィルム基材上層を通して硬化させることで行った。この硬化コーティング付き平坦フィルムは次いでクロムプレートから剥がして、ヘイズ、%透過率、色彩、黄色度、および密着性の測定に用いた。
【0066】
DMA用の硬化自由フィルム(フィルム基材なし)は、基材がポリエチレンである以外は平坦フィルムに対して述べたと同じ方法を用いることで調製した。このポリエチレンは、ポリカーボネートフィルムを損傷から守るために使用されるマスキングであった。つまり、液体コーティングは、クロムプレートとマスキングされたポリカーボネートフィルムとの間にそのマスキング面をその液体に接触させて配置する。硬化の後、このフィルムをポリエチレンマスキングから剥がすことで自立フィルムが得られる。得られた液体およびフィルムについての測定結果を表1に示す。
【0067】
【表1】

【0068】
表1に示されている結果は、フェニルチオエチルアクリレートを部分的または完全に置き換えて、用いられている基材への密着性は維持しながらルミナンスを向上させかつ屈折率およびTgを増大およびモジュレートするものとしてのナフチルチオエチルアクリレートの有効性を示すものである。
【0069】
本明細書では本発明の一部の特徴だけを説明かつ記載したが、当業者には多くの改変および変更が生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、そのような改変および変更のすべてを、本発明の真の精神の範囲内に入るものとして保護することが意図されているものであることは理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【化1】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はそれぞれの場合独立にO、S、またはSeであり;nは2であり;R2は構造II:
【化2】


[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、CO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R5は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート、
【化3】


[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
を含む組成物。
【請求項2】
前記多官能(メタ)アクリレートが構造IV
【化4】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はO、S、またはSeであり;Qは−C(CH32−、−CH2−、−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)2−であり;Yはそれぞれの場合独立にC1〜C6脂肪族原子団であり;bはそれぞれの場合独立に1から約10までの数であり;tはそれぞれの場合独立に1から約4までの数であり;dは1から約10までの数である]
を有する、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
前記多官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸と、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;1,3−ビス−{4−[1−メチル−1−(4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オール;1,3−ビス−{2,6−ジブロモ−4−[1−(3,5−ジブロモ−4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オールを含むジエポキシドまたは少なくとも1種の前記ジエポキシドを含む組合せとの反応生成物である、請求項2に記載の硬化性組成物。
【請求項4】
構造Vを有する少なくとも1種のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマー
【化5】


[式中、R10は水素またはメチルであり;X2およびX3はそれぞれの場合独立にOまたはSであり;R11は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;Arは一価C3〜C20芳香族原子団である]
をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーIIIがフェニルチオエチルアクリレートである、請求項4に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレートモノマーIVがナフチルチオエチルアクリレートである、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
組成物が全重量であって、化合物Iが約10重量%〜約70重量%に相当する量で存在している、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
硬化触媒をさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
組成物の屈折率が少なくとも1.5ある、請求項1に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【化6】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造II:
【化7】


[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、CO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R5は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート、
【化8】


[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
から誘導される構造単位を含む硬化組成物。
【請求項11】
前記多官能(メタ)アクリレートが構造IV
【化9】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;Qは−C(CH32−、−CH2−、−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)2−であり;Yはそれぞれの場合独立にC1〜C6脂肪族原子団であり;bはそれぞれの場合独立に1から約10までの数であり;tはそれぞれの場合独立に1から約4までの数であり;dは1から約10までの数である]
を有する、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項12】
前記多官能(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリル酸と、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;ビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Aジグリシジルエーテル;テトラブロモビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;1,3−ビス−{4−[1−メチル−1−(4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オール;1,3−ビス−{2,6−ジブロモ−4−[1−(3,5−ジブロモ−4−オキシラニルメトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェノキシ}−プロパン−2−オールを含むジエポキシドまたは少なくとも1種の前記ジエポキシドを含む組合せとの反応生成物である、請求項11に記載の硬化組成物。
【請求項13】
構造Vを有する少なくとも1種のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマー、
【化10】


[式中、R10は水素またはメチルであり;X2およびX3はそれぞれの場合独立にOまたはSであり;R11は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;Arは一価C3〜C20芳香族原子団である]
をさらに含む、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーIIIがフェニルチオエチルアクリレートである、請求項13に記載の硬化組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレートモノマーIVがナフチルチオエチルアクリレートである、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項16】
組成物が全重量であり、化合物Iが約10%〜約70重量%に相当する量で存在している、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項17】
硬化触媒をさらに含む、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項18】
組成物の屈折率が少なくとも1.6ある、請求項10に記載の硬化組成物。
【請求項19】
硬化性組成物であって、
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート
【化11】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造VII:
【化12】


[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート、
【化13】


[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
から本質的になる組成物。
【請求項20】
構造V
【化14】


[式中、R10は水素またはメチルであり;X2およびX3はそれぞれの場合独立にOまたはSであり;R11は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;Arは一価C3〜C20芳香族原子団である]
を有する少なくとも1種のアリールエーテル(メタ)アクリレートモノマーをさらに含む、請求項19に記載の硬化性組成物。
【請求項21】
硬化アクリレート組成物を含む物品であって、該組成物が
(a)構造Iで表される多官能(メタ)アクリレート、
【化15】


[式中、R1は水素またはメチルであり;X1はOまたはSであり;nは2であり;R2は構造II:
【化16】


[式中、Uは単結合、酸素原子、硫黄原子もしくはセレニウム原子、SO2基、SO基、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団であり;R3およびR4は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;R7は水素、またはヒドロキシル、またはチオール、またはアミノ基、またはハロゲン基であり;Wは単結合、または二価C1〜C20脂肪族原子団、または二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;mおよびpは0から4までの範囲の整数である]
を有する二価芳香族原子団である]
および
(b)構造IIIを有する少なくとも1種のナフチル(メタ)アクリレート、
【化17】


[式中、R6は水素またはメチルであり;X4およびX5はそれぞれの場合独立にO、SまたはSeであり;R7は二価C1〜C20脂肪族原子団、二価C3〜C20脂環式原子団、または二価C3〜C20芳香族原子団であり;R8およびR9は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、C1〜C20脂肪族原子団、C3〜C20脂環式原子団、またはC3〜C20芳香族原子団からなる群から独立に選択され;jは0から3までの範囲(0および3は含まれる)の整数であり;kは0から4までの範囲(0および4は含まれる)の整数である]
から誘導される構造単位を含む物品。
【請求項22】
光学フィルムである、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
物品が、ガラスと熱可塑性材料とからなる群から選択される基材を含む多層物品である、請求項21に記載の物品。
【請求項24】
前記基材が熱可塑性材料である請求項23に記載の物品。
【請求項25】
前記基材がポリカーボネートまたはポリエステルである請求項24に記載の物品。

【公表番号】特表2008−545044(P2008−545044A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519334(P2008−519334)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/022720
【国際公開番号】WO2007/001811
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
【復代理人】
【識別番号】100106138
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 政幸
【復代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
【Fターム(参考)】