説明

輸送冷凍システムおよび運転方法

作動流体としてCO2を有し、遷臨界サイクルで作動することが要求される冷媒蒸気圧縮システムにおいて、パルス幅変調方式で可変の負荷サイクルに適合するデジタルスクロール圧縮機によって冷媒が圧縮される。運転モードに応じてシステム内の種々の構成要素を選択的に制御することによって、圧縮比が許容範囲に維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、輸送冷凍システムに関し、特に、遷臨界(トランスクリティカル)サイクルで作動する冷媒蒸気圧縮システムにおける容量調節に関する。
【背景技術】
【0002】
冷媒蒸気圧縮システムは当技術分野においては周知であり、住宅、オフィスビル、病院、学校、レストランあるいは他の施設において温度調整される快適領域に供給する空気の調和のために一般に用いられている。冷媒蒸気圧縮システムは、さらに、輸送冷凍システムにおいても、生鮮製品を輸送するため、トラック、トレーラ、コンテナ等の温度が制御された貨物スペースに供給する空気の冷却に広く用いられている。伝統的に、この冷媒蒸気圧縮システムの殆どは、亜臨界(サブクリティカル)の冷媒圧力で動作し、一般に、コンプレッサと、コンデンサと、エバポレータと、冷媒の流れに対してエバポレータの上流側でかつコンデンサの下流側に配置された膨張装置(通常は膨張弁)と、を含んでいる。これらの基本的な冷媒システムの構成要素は、冷媒閉回路となるように冷媒ラインで接続されるとともに、公知の冷媒蒸気圧縮サイクルに沿って配置され、かつ特定の冷媒を用いて亜臨界圧力範囲で運転される。亜臨界範囲で動作する冷媒蒸気圧縮システムには、一般に、通常のフロン冷媒、例えば、R22などのヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、およびさらに一般的にはR134a、R410A、R407Cなどのヒドロフルオロカーボン(HFC)が充填されるが、これれに限定されない。
【0003】
現在の市場では、HFC冷媒に代えて、空調装置や輸送冷凍システムに使用するため二酸化炭素などの「自然」冷媒に注目が集まっている。しかしながら、二酸化炭素は臨界温度が低いので、冷媒として二酸化炭素を充填した冷媒蒸気圧縮システムの多くは、遷臨界圧力方式で動作するように設計されている。例えば、輸送用冷媒蒸気圧縮システムは、周囲空気の温度が二酸化炭素の臨界温度である31.1℃(87.8°F)を超過する環境で動作する空冷式の冷媒放熱用熱交換器を備えており、この冷媒蒸気圧縮システムは、さらに、コンプレッサの吐出側の圧力が二酸化炭素の臨界圧力である7.38MPa(1070psi)を超過する環境でも動作することが必要であり、遷臨界サイクルで動作する。遷臨界サイクルで動作する冷媒蒸気圧縮システムでは、エバポレータは、亜臨界範囲の冷媒温度および冷媒圧力で動作するが、冷媒放熱用熱交換器は、コンデンサとしてではなく、ガス冷却器として動作し、冷媒の臨界点を超える冷媒温度および冷媒圧力で動作する。
【0004】
二酸化炭素を冷媒として用い、かつ遷臨界状態で作動するシステムの容量(能力)や効率を最適化するために、システムの高圧(ガス冷却器圧力)を増加させてエバポレータへの特定のエンタルピーを下げることが望ましく、これにより、容量を増加させる。これには圧縮機における圧縮比の増加が要求される。
【0005】
トラックやトレーラーおよび冷蔵コンテナなどに用いられる輸送冷凍システムは、予測し得ない環境で作動することがある。温度および湿度は、年間を通じて季節およびその日の時間によって著しく異なる。また、製造負荷が予測できず著しく異なる場合がある。システムの容量は、最も厳しい状態(例えば、高い環境温度におけるプルダウン時など)に合わせつつ、それほど厳しくない状態(例えば、部分負荷時など)では効率的に作動し得るように設計する必要がある。
【0006】
圧縮の容量を選択的に変更する方法は、米国特許第5,471,120号明細書に開示されており、当該方法において、負荷および無負荷状態の継続時間は、全システムの効率を最大限にするために時間パルス方式で調節される。これは、ラップの先端部および対向する端部プレートに亘って漏出通路を形成するようにスクロール部材間の相対的な軸方向の移動を調節すること、あるいはラップの側面に亘る漏出通路を形成するように1つのスクロール部材の軌道半径を減少させることによってなされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような、いわゆる「デジタルスクロール圧縮機」は、亜臨界状態で作動する住居用の空気調和システムに導入されているが、遷臨界サイクルで作動する輸送冷凍システムには適用されていない。この主な理由としては、デジタルスクロール圧縮機は、遷臨界の範囲における効率的な運転に要求される高圧縮比状態下で長期間に亘って運転することができないためである。
【0008】
さらに、輸送冷凍システムは極めて厳格な制御条件が要求されるという特徴を有する。腐食性の部分負荷運転状態では、とても低い質量流量となる。システムがCO2を作動流体として利用するとき、圧縮機の吐出圧は、圧縮比とともに急速に上昇する。圧縮機の吐出圧を作動限界(例えば、275°F(約135℃))に維持するため多量の液体注入(インジェクション)を利用しなければならない。低質量流量下で、液体注入が所定の量を超えると吸気過熱度が低くなり、液体のフラッディングで圧縮機にダメージが生じる恐れがある。したがって、低質量流量で作動でき、かつ圧縮機の吐出温度を安全限界内に維持できるシステムを構成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によると、概して、遷臨界の範囲で作動する蒸気圧縮システムの冷媒蒸気は、デジタルスクロール圧縮機によって圧縮される。
【0010】
本発明の他の態様によると、上記システムにおけるデジタルスクロール圧縮機の過負荷を防ぐ制御方法および装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】蒸気圧縮システムに組み込まれた本発明の概略図。
【図2A】本発明による圧縮容量調節を示すグラフ。
【図2B】本発明による圧縮容量調節を示すグラフ。
【図3】本発明による冷却容量制御を示すグラフ。
【図4】エコノマイザを有する蒸気圧縮システムに組み込まれた本発明の概略図。
【図5】他の形式のエコノマイザを有する蒸気圧縮システムに組み込まれた本発明の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1にCO2を冷媒として作動する冷媒蒸気圧縮システムに組み込まれた本発明10を示す。本発明10は、直列に流体連通するように配設された圧縮機11、冷媒熱放出形熱交換器12、膨張装置13および冷媒熱吸収形熱交換器14を有する。通常、エバポレータと呼ばれる冷媒熱吸収形熱交換器14は、冷却される空気を循環するモータ駆動式ファン16を備える。
【0013】
上記システムは、作動流体としてCO2を用いるが、冷媒熱放出形熱交換器12(コンデンサとも呼ばれる)が、空調システムや輸送冷凍システムにおいて、冷却媒体(最も一般的には環境空気)と熱交換関係で通流する高圧冷媒を有するように、上記システムは遷臨界(トランスクリティカル)サイクルで作動する必要がある。そのような遷臨界サイクルで作動する冷媒蒸気圧縮システムにおいて、冷媒熱放出形熱交換器12は、ガス冷却熱交換器からなり、該熱交換器を通って超臨界(スーパークリティカル)冷媒が冷却媒体と熱交換関係で流れる。コンデンサ/ガス冷却器12は、マルチスピード(多速度)モータ18によって駆動されるファン17を有し、このファンは後述する方法で制御される。
【0014】
遷臨界サイクルで作動する作動流体としてのCO2の利用に対応するため、コンデンサ/冷却器12とエバポレータ14の間の回路に第1の膨張装置19およびフラッシュタンクレシーバ21が含まれる。CO2の冷媒はガス冷却器12から流出した後、第1の膨張装置19を通流して膨張して低圧になり、次いで、液体冷媒および蒸気の混合物としてフラッシュタンクレシーバ21に流入する。液体冷媒はフラッシュタンクレシーバ21の底部に定着し、冷媒蒸気は液体冷媒の上方でフラッシュタンクレシーバ21の上部に集まる。
【0015】
液体冷媒は、フラッシュタンクレシーバ21から膨張装置13へと流れ、膨張装置13において膨張して低圧低温になり、エバポレータ14に流入する。エバポレータ14は、冷媒熱吸収形熱交換器からなり、膨張した冷媒は、このエバポレータ14を通って加熱流体と熱交換関係を有して流れて、蒸発し通常過熱される。冷媒と熱交換器関係を有して通流する加熱流体は、空気からなり、輸送冷凍ユニットに対応する腐敗性カーゴの貯蔵領域に供給される。低圧冷媒蒸気は、エバポレータ14から流出し、圧縮装置11の吸引ポートに戻る。
【0016】
圧縮機11は、米国特許第5,741,120号明細書に開示され、Copeland Corporation社により提供されているようなデジタルスクロール圧縮機を含む。
【0017】
デジタルスクロール圧縮機は、2段で作動する。つまり、圧縮機が通常のスクロールのように作動し、全容量(能力)および質量流量を提供する「負荷状態」、および圧縮機を通して容量および質量流量を提供しない「無負荷状態」で作動する。デジタルスクロール圧縮機の作動は、サイクル時間の概念を用いる。各サイクル時間は、「負荷状態」時間および「無負荷状態」時間からなる。デジタルスクロール圧縮機は、効果的に圧縮比、したがって、サイクル時間の制御に亘る圧縮機の吐出温度を効果的に減少させる。「負荷状態」では、圧縮機は、通常のスクロールのように作動し、全容量および質量流量を提供する。「無負荷状態」では、圧縮機を通して容量および質量流量を提供しない。上記2つの時間区分の継続時間により、圧縮機の容量のモジュレーション(調節)が判断される。例えば、図2Aに示すように、20秒のサイクル時間において、「負荷状態」時間が10秒で、「無負荷状態」時間が10秒である場合、圧縮機のモジュレーションは、(10秒×100%+10秒×0%)÷20=50%となる。図2Bに示すように、同じサイクル時間において、「負荷状態」時間が15秒で、「無負荷状態」時間が5秒である場合、圧縮機のモジュレーションは、75%となる。容量は、「負荷状態」および「無負荷状態」の容量の合計を平均した時間である。「負荷状態」時間および「無負荷状態」時間を変更することにより、圧縮機によって10%から100%までの容量が提供され得る。したがって、冷媒システムの容量は、広範囲の用途に亘って要求される負荷と正確に適合するように調節され得る。
【0018】
前述のように、デジタル圧縮機は、冷媒としてCO2を用い、遷臨界サイクルで作動するシステムには使用されていなかった。これは、圧縮機が、通常、そのようなシステムにおいて一般的な高圧縮比に耐えることができないためである。しかし、本発明によって付与される特徴的な制御により、遷臨界状態下で作動するシステムにおけるデジタルスクロール圧縮機の持続的使用を許容するレベルに圧縮比を維持することによってシステムは作動し得る。
【0019】
米国特許第5,741,120号明細書に開示されているように、可変の負荷(デューティ)サイクル信号Sをライン23に沿ってデジタルスクロール圧縮機11に供給するコントローラ22によって調節される容量を有するように、デジタルスクロール圧縮機は設計される。しかし、本発明では、コントローラ22を用いて、デジタルスクロール圧縮機11が経験する圧縮比を後述の方法で制限するようにさらなる特徴的な制御を実行する。
【0020】
ファン17の駆動モータ18は、相対的に高速または低速で選択的に作動可能な多速度モータである。該モータを2速モータとしてもよいし、連続的な範囲に亘り速度が変化する可変速度モータとしてもよい。モータ速度の制御は、後述する方法で、コントローラ22によりライン24に沿って維持される。
【0021】
圧縮機11の吐出部に圧力センサ26および温度センサ27が取り付けられ、該センサからの出力は各ライン28,29に沿ってコントローラ22にそれぞれ送られる。圧力センサ26および温度センサ27の双方を備えたシステムを示しているが、該センサの一方で作動してもよく、他方を用いなくてもよい。すなわち、制御の目的として、圧縮機11の圧縮比を示す状態を検知することが望ましく、後述のように、吐出圧力または吐出温度を用いることができる。
【0022】
システムの制御に用いられる他のパラメータは、冷却されるスペース31内の温度である。この温度は、温度センサ32によって検知され、検知された温度の信号が比較機33に送られて設定点と比較される。この差がライン34に沿ってコントローラに送られる。デジタルスクロール圧縮機11の容量が制御される方法では、システムが作動する特定のモードに依存する制御アルゴリズムを変更する準備が行われる。図3に、腐敗(perishable)モード、フローズン(冷凍)モードおよびプルダウン(予冷)モードを含む3つの可能な作動モードを示す。
【0023】
腐敗(冷水)モードでは、コントローラ22は、供給空気の温度を設定点に維持し、圧縮機11は、部分負荷状態で作動している。システムから余分な容量を取り除くため、コントローラ22は、第1に、気体冷却ファンモータ18の速度を低速に選択し、バルブ19を開にして圧縮機の吐出圧を減少させる。圧縮機の「負荷状態」時間は、可能な限り減少され、供給空気の温度は設定点に維持される。圧縮機の吐出圧を減少させることにより、低圧縮比のため圧縮機のドームの温度が減少し、圧縮機の信頼性が向上する。図3における線Aは、当該モードで冷却容量(能力)が可変であることを示している。
【0024】
フローズンモードにおいて、冷凍範囲のカーゴは小さな温度変化に対して敏感ではない。したがって、この点を利用して、該範囲において行われる温度制御方法により、ユニットのエネルギー効率が著しく向上する。冷凍範囲における温度制御は、負荷需要が要求するように負荷状態と無負荷状態との間で圧縮機を作動させることによって実行される。圧縮機の吐出圧は、制御バルブ19に亘って最適点にあり、ファンモータ18は、高速または低速で作動される。図3の線Bは、冷凍モードにおける通常の冷却容量の変化を示している。
【0025】
プルダウン(予冷)モードでは、圧縮機11は、最大容量(能力)が要求され、全負荷状態で作動する。したがって、ファンモータ18は高速で作動し、圧力センサ26または温度センサ27が示すように圧縮機の吐出圧は最大設計点に維持される。コントローラ22は、圧縮機の過負荷を防ぐため、「負荷状態」および「無負荷状態」のサイクル時間を変更する。例えば、最大圧縮機吐出温度は、300°F(約148.8℃)に設定され、この温度に近づくと、圧縮機のモジュレーション(すなわち、無負荷状態時間と比較した負荷状態時間)は、上記温度を越えないように減少される。図3の線Cは、プルダウンモードにおける通常の冷却容量の変化を示している。
【0026】
図1および前述のように、本発明は、エコノマイザを用いない(non−economized)デジタルスクロール圧縮機システムに適用可能である。しかし、例えば、図4,5に示す種々のタイプのエコノマイザを使用したシステム(エコノマイザシステム)にも同様に適用可能である。図4では、制御システムは、蒸気インジェクションポート36を有するデジタルスクロール圧縮機11により駆動されるフラッシュタンクエコノマイザシステムとともに使用される。フラッシュタンクレシーバ21は、充填制御用タンクとしてだけでなく、フラッシュタンクエコノマイザとしても機能する。液面の上方においてフラッシュタンクレシーバ21の一部に集まる蒸気冷媒は、フラッシュタンクレシーバ21からライン37に沿ってソレノイドバルブ38を経て蒸気インジェクションポート36へと流れる。ソレノイドバルブ38は、コントローラ22によって制御され、エコノマイザの作動をオン/オフにする。
【0027】
上記制御システムを用いてもなお、圧縮機11が上昇した温度で作動する傾向にある場合、蒸気インジェクションポート36または液体用の他のポートに液体を注入することが望ましい。このため、ライン39および対応するソレノイドバルブ41が設けられている。
【0028】
図4の実施例では、エコノマイザの運転は、フラッシュタンク蒸気圧が蒸気インジェクションポート36における圧力よりも高いときだけ行われることを認識されたい。他の場合は、エコノマイザは作動しない。
【0029】
本発明の制御方法が適用される他のタイプのエコノマイザシステムを図5に示す。本実施例では、フラッシュタンクは含まれず、代わりにろう付けプレート式(brazed plate)熱交換器である段間(インターステージ)エコノマイザ42が設けられる。ソレノイドバルブ43および膨張バルブ44は段間エコノマイザ42へと続いている。したがって、ソレノイドバルブ43が開のとき、冷媒蒸気はガス冷却器12からソレノイドバルブ43および膨張バルブ44を通って段間エコノマイザ42へと流れ、次いで、蒸気は、蒸気インジェクションポート36に注入される。ソレノイドバルブが閉のとき、段間エコノマイザが非作動の状態で、冷媒蒸気はライン46に沿って段間エコノマイザ42へと流れる。どちらの場合においても、過度の充填を貯蔵するように機能する充填貯蔵容器45が設けられる。
【0030】
図を参照しながら発明を実施するための形態について図示、説明したが、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変更がなされることを理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体としてCO2を有し、遷臨界サイクルで作動することが要求される蒸気圧縮システムであって、
高温でCO2蒸気を受け、低温でCO2蒸気を排出するガス冷却器と、
ガス冷却器からCO2冷媒を受け、液状のCO2を排出する充填貯蔵容器と、
ガス冷却器と充填貯蔵容器との間に設けられた膨張バルブと、
充填貯蔵容器から液状のCO2を受け、CO2蒸気および液体混合物を排出する膨張バルブと、
CO2蒸気および液体混合物を受け、CO2蒸気を排出するエバポレータと、
デジタルスクロール圧縮機と、
を備え、
上記構成要素は、直列の作動流体連通関係をなして配設され、
デジタルスクロール圧縮機は、パルス幅変調方式で負荷状態時間および無負荷状態時間を調節することによって容量を変えるように、可変のデューティサイクル信号に応じ、上記圧縮機は、エバポレータから低圧のCO2蒸気を受け、高圧のCO2蒸気をガス冷却器へと排出することを特徴とする蒸気圧縮システム。
【請求項2】
充填貯蔵容器は、CO2蒸気および液状のCO2を含有するように形成されたフラッシュタンクを含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項3】
ガス冷却器ファンと、
ガス冷却器ファンを高速または低速で駆動する多速度モータと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項4】
コントローラを備え、
コントローラは、蒸気圧縮システムが全負荷または部分負荷の運転状態で作動しているかを判断し、かつその関数として高速または低速で前記モータを作動させることを特徴とする請求項3に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項5】
システムが部分負荷状態で作動する場合に、コントローラはファンを低速で作動させることを特徴とする請求項4に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項6】
コントローラは、作動の負荷状態時間を減少させるように作動可能であることを特徴とする請求項5に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項7】
システムが全負荷作動状態で作動する場合、コントローラはファンを高速で作動させることを特徴とする請求項4に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項8】
コントローラは、圧縮機の過負荷状態を防ぐために作動の負荷状態時間を減少させるように作動可能であることを特徴とする請求項7に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項9】
圧縮機が作動し対応する信号をコントローラに送る圧力比を認識するセンサを備えることを特徴とする請求項8に記載の蒸気圧縮システム。
【請求項10】
多速度ファンを有するガス冷却器を有し、遷臨界サイクルで作動するように構成された蒸気圧縮システムを制御する方法であって、
パルス幅変調方式で負荷状態時間および無負荷状態時間を調節することによって容量を変更可能なデジタルスクロール圧縮機を設けるステップと、
部分負荷状態の間、ファンを低速で作動させ、デジタルスクロール圧縮機の負荷状態での作動時間を減少させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
ガス冷却器の下流に直列の流体関係で膨張バルブおよび充填貯蔵容器を設けるステップと、
圧縮機の圧力比を示す状態を検知し、該圧力比を制御するように膨張バルブを変動させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
多速度ファンを有するガス冷却器を有し、遷臨界サイクルで作動するように構成された蒸気圧縮システムを制御する方法であって、
パルス幅変調方式で負荷状態時間および無負荷状態時間を調節することによって容量を変更可能なデジタルスクロール圧縮機を設けるステップと、
全負荷状態の間、ファンを高速で作動させるステップと、
前記圧縮機の過負荷状態を防ぐために作動の負荷状態時間を減少させるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
ガス冷却器の下流に直列の流体関係で膨張バルブおよび充填貯蔵容器を設けるステップと、
圧縮機の圧力比を示す状態を検知し、該圧力比を制御するように膨張バルブを変動させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−521195(P2011−521195A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509648(P2011−509648)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/043773
【国際公開番号】WO2009/140372
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(591003493)キャリア コーポレイション (161)
【氏名又は名称原語表記】CARRIER CORPORATION
【Fターム(参考)】