説明

農作業機のモニタパネル

【課題】
表示モニタに付着した泥土や水などを速やかに取り除くことができると共に、取り除く際に表示モニタに傷がつきにくい掃除機能付きのモニタパネルを提供する。
【解決手段】
作業機1を装着して圃場を走行しながら対地作業する車体2の操作ボード3部に、液晶モニタ4の表面を透明なモニタパネル5で被覆し、このモニタパネル5の外周部にワイパー6の両端部を摺動案内するワイパレール7、8を設け、このワイパー6をワイパレール7、8に案内させて移動することによりモニタパネル5の表面を清掃する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、苗移植機や、施肥機、その他の農作業機のモニタパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示部を有したモニタパネルを農用トラクタや、苗移植機等の技術(例えば、特許文献1、2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−214877号公報
【特許文献2】特開2002−272221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行特許文献1及び2のトラクタや田植機、即ち作業車両の表示モニタには、汚れを除去する機能が搭載されておらず、圃場の耕耘作業や苗の植付作業の際に表示モニタ表面に泥土が飛散すると、一時的に表示パネルが見づらくなり、正確な情報を作業者が得られなくなる問題がある。
【0005】
これを解消すべく、泥土が飛散した場合は作業者がタオル等で泥土を拭き取る必要があるが、毎回タオルを取って拭き取り、またタオルを元の位置に戻す必要があるため、作業能率が低下する問題がある。
【0006】
さらに、泥土に小石等が含まれていると、タオルで拭いた際に表示パネルの表面を傷付けてしまい、表示パネルの視認性が低下する問題がある。場合によっては、表示パネルを交換しなければならないこともあり得る。
【0007】
また、雨天時の作業際には、頻繁に水滴の除去をする必要があるが、タオルを雨に濡れない場所に置かねばならず、またタオルを複数枚用意せねばならないため、作業能率や視認性の低下が一層深刻になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、作業機(1)を装着して圃場を走行しながら対地作業する車体(2)の操作ボード(3)部に、液晶モニタ(4)の表面を透明なモニタパネル(5)で被覆し、このモニタパネル(5)の外周部にワイパー(6)の両端部を摺動案内するワイパレール(7)(8)を設け、このワイパー(6)をワイパレール(7)(8)に案内させて移動することによりモニタパネル(5)の表面を清掃することを特徴とする農作業機のモニタパネルとする。
【0009】
農作業操作時は、操作ボード3の液晶モニタ4等の表示部をみながら作業操作するが、この表示を覆うモニタパネル5表面には泥土や、塵埃、雨水等が飛散、乃至降りかかり易く、このようにモニタパネル5面が汚れると、運転者がワイパー6をワイパレール7、8に案内させて往復移動させて、前記モニタパネル5に付着している泥土や水等を清掃する。前記ワイパー6は、上端部がワイパレール7に案内され、下端部がワイパレール8に案内されるため、掃払操作を円滑、迅速に行わせることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記ワイパレール(7)(8)の側端部と、ワイパー(6)の摺動部との間に、このワイパー(6)の移動位置を係止するストッパ(14)、及び位置決め装置(9)を設けて清掃後のワイパー(6)をモニタパネル5の移動端部に退避保持させることを特徴とする請求項1に記載の農作業機のモニタパネルとする。
【0011】
前記のようにワイパー6の上下端部は、ワイパレール7、8に案内されて移動される。このワイパレール7、8の横端部にはストッパ14があるため、このストッパ14に押し当てることによってモニタパネル5全面に亘る清掃を行うことができる。しかも、このワイパー6がストッパ14に係止されると、位置決め装置9が働いて、ワイパー6の移動操作を解放しても、この位置決め装置9によってワイパー6位置が横端部の退避位置に保持されて、モニタパネル5の中央部位置等に移動して表われることがなく、運転者のモニタ視界を邪魔しない。
【0012】
また、ワイパー6を移動操作するときは、この位置決め装置9による係止状態から直ちに係止解除されて、迅速に掃払移動させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記ワイパー(6)をモニタパネル(5)の表面傾斜の上下方向に沿わせて設け、このワイパー(6)の掃払側縁には、上端部に対して下端部を後退させる傾斜のワイパー縁(10)を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の農作業機のモニタパネルとする。
【0013】
前記ワイパー6を操作るときは、このワイパー6の上下両端部がワイパレール7、8に案内されて、左右横方向へ移動されてこのワイパー6のワイパー縁10で掃払する。このワイパー縁10は、上端部から下端部に亘って後退する傾斜形態であるから、掃払される水滴のモニタパネル5傾斜面に沿った流下排除が行われ易く、ワイパー6の掃払操作を簡単に、速かに、効果的に行わせることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記モニタパネル(5)の下縁部を嵌合保持するパネル枠(11)の下縁枠(12)を、中央部から左右両側端に亘って低く傾斜すると共に、この横端部に排水用切欠部(13)を形成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の農作業機のモニタパネルとする。
【0015】
前記のようにモニタパネル5の表面上に沿ってワイパー6を横移動させて掃払するとき、このモニタパネル5面を流下される泥水等は、モニタパネル5下側の下縁枠12部に沿って流れて、この下縁枠12中央部から左右両側部に亘って低く傾斜する傾斜縁に案内されて流下される。
【0016】
この下縁枠12の傾斜縁に沿って横端部に流下案内された泥水等は排出用の切欠部13からモニタパネル5面外へ排出される。このようにワイパー6の横方向移動によってモニタパネル5の下縁側へ掃払流下される泥水等は、外側へ下り傾斜のパネル枠11の下縁枠12によって案内されるため、切欠部13への排出を迅速に、円滑に行わせる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明は、前記横方向ワイパレール7、8をモニタパネル5の上下位置に設け、上下のワイパレール7、8間の間隔部にモニタパネル5を清掃するワイパー6を設けたことにより、ワイパー6を左右方向に摺動させるとモニタパネル5に付着した泥や、砂塵、雨天時であれば水や、泥水等を全面に亘って容易に拭き取ることができるので、モニタパネル5の視認性が低下することが防止される。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記ワイパレール7、8の左右両端部のワイパー6のストッパ14と、位置決め装置9を設けたことにより、ワイパレール7、8を移動させ過ぎてこのレール上から脱落してしまうことを防止できるので、ワイパレール7、8を付け替えたり、付け直す等の手間を要しないで、作業能率を向上することができる。
【0019】
また、ワイパレール7、8の左右端部の中央部側寄り位置に、非使用時のワイパー6の左右移動を防止する位置決め装置9を設けたことにより、走行車体2の走行等による揺動や、振動等で、ワイパー6が自然に左右方向に移動することを防止できるので、作業中にワイパー6が表示モニタ4を覆い隠すことが防止され、作業者は正確な情報を得ることができ、作業性を向上することができる。
【0020】
そして、前記位置決め装置9をクリップホール15とスプリング16で構成のクリップ機構とする場合は、清掃部材を位置決め装置9に押し当てるとスプリング16が収縮し、クリップホール15が上方及び下方に退避してワイパー6を通過させる状態となるので、清掃を行う際の作業操作性、乃至能率を向上する。
【0021】
さらに、ワイパー6に接触するのがグリップボール15であるため、強くワイパー6を当てても傷付きにくい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、前記ワイパー6の形状を、下側ほど左右幅が細くなる形状とした傾斜のワイパー縁10を形成することにより、泥や水を下方に向かって移動させる流れとなるため、泥や水が落ちやすくなる。特に水や、泥水の場合、ワイパー6の下に潜り込みにくくなる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、前記モニタパネル5の外周部を覆うモニタケースにおけるパネル枠11の下側下縁枠12部に、中央部から左右両側に亘って低く傾斜の傾斜縁と、この傾斜縁の両端部に切欠部13を形成したことにより、ワイパー6で拭き取った泥や水をこの左右の切欠部13から流下排出することができるので、モニタパネル5上に残った水や泥が再びモニタパネル5を汚すことが防止される。
【0023】
また、モニタパネル5の透明面上に突出する下縁枠12を形成し、この下縁枠12を左右中央部から左右両側に向かうほど下り傾斜する構成としたことにより、モニタケースの下縁枠12は左右中央部から左右両側に向かって下り傾斜の傾斜縁に形成されるので、ワイパー6で拭き取った泥水はこの傾斜縁に沿って左右両側に移動し、左右両端下部の切欠部13から排出されるので、モニタパネル5上に残った水や泥が再びモニタパネル5面に付着することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】モニタパネル部の正面図
【図2】モニタパネル部の側面図
【図3】モニタパネルを用いる苗移植機の側面図
【図4】モニタパネルを用いる苗移植機の平面図
【図5】(a)苗移植機の操作ボード部の斜視図、(b)操作ボード部の要部拡大斜視図
【図6】ワイパーの位置決め装置部の拡大図
【図7】ワイパーの別実施例を示す正面図
【図8】(a)ワイパーの別実施例を示す側面図、(b)ワイパーの別実施例を示す斜視図
【図9】(a)モニタパネルを覆うフィルムの取付形態を示す側面図、(b)フィルムの取付形態を示す要部拡大側面図、(c)フィルムの取付形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図3、図4に基づいて、乗用四輪走行形態の車体2の後側に、多条植形態の苗植装置1を作業機として装着した苗移植機に実施する場合を例示する。
該車体2は、運転席17を搭載するエンジンカバー18下にエンジン19を搭載し、この運転席17の前側のステアリングポスト20の上方にステアリングハンドル21、操作機構、及び操作ボード3等を配置し、このステアリングハンドル21によって操向の左右一対の前輪22を、ミッションケース23から左右両側へ張出すフロントアクスルハウジング24に軸装し、車体2後方のリヤアクスルハウジング25の外側には後輪26を軸装して、前記ミッションケース23から伝動機構を経てこれら前輪22、及び後輪26を伝導回転して走行可能の構成としている。
【0026】
前記車体2上には運転席17とステアリングポスト20との間の運転センタフロア27と、これらの左右両側部において前後方向に亘って広く形成されるサイドフロア28を配置し、このサイドフロア28の前部外側には補給苗を載せる補助苗枠29を配置している。
【0027】
前記エンジン19によって、ミッションケース23上の油圧無段変速装置30をベルト31連動して、各前輪22、後輪26を駆動連動すると共に、ミッションケース23から後方へ取出されるPTO軸32を連動する形態である。
【0028】
前記車体2の後端部に立設のリヤフレーム33の後側には、上下一対の並行リンク形態のリフトリンク34が連結されて、リフトシリンダ35の伸縮によって昇降制御される。該リフトリンク34の後端に苗植装置1や、代掻ロータ36が連結される。
【0029】
また、リヤフレーム33上には、運転席17の後方に施肥装置37が搭載され、前記PTO軸32部から繰出装置38の繰出ロールを回転することにより、ホッパー39の肥料を繰出しながら、ブロワー40による風圧によって各施肥条毎の施肥ホース41へ噴風施肥して、苗植付位置近くの土壌面へ施肥する。
【0030】
前記苗植装置1は、伝動ケースを主体とする苗植フレーム42の下側に上下揺動自在のセンタフロート43、及びサイドフロート44を配置して土壌面を滑走支持し、後下傾斜面上側に苗マットを載せて繰出す苗タンク45を支持し、後側部に各苗タンク45から繰出される苗を、楕円形状の植付軌跡線Dを作動しながら苗案内枠52の苗取口46から分離保持して、前記各フロート43、44による均平跡の土壌面へ多条植形態に植付ける苗植付装置47等から構成される。
【0031】
前記苗植装置1は、前記苗植フレーム42の幅方向中央部のローリング軸48部で、リフトリンク34端部のヒッチリンク49に対してローリング自在に連結し、前記PTO軸32と連動の入力軸50を連結して、前記苗植フレーム42内の伝動機構を連動する構成とし、前記苗タンク45を左右往復横移動しながら、繰出ベルト51を各横移動端部で間歇駆動させてマット苗を苗取口46配置の苗案内枠52へ繰出作動する構成している。
【0032】
前記苗植装置1の各センタフロート43、及びサイドフロート44の前側には、土壌の砕破、代掻を行う代掻ロート36を配置して、前記リヤアクスルハウジング25から取出される連動軸53を経て伝動回転する。又、この代掻ロータ36は、苗植装置1と共にリフトリンク34を介して昇降される。
【0033】
図1、図2及び図5(a)(b)で示す前記モニタパネル5は、前上がり傾斜面のガラス板から構成されて、モニタケース54の表示画面を形成する。このモニタパネル5の表示画面は、横長の方形状に形成され、外周縁をモニタケース54に一体のモール55に密合させて保持し、モニタケース54の表示面を防水するように覆っている。
【0034】
液晶モニタ4は、前記モニタケース54の内部に構成されて、苗移植機の運転操作位置や、作業、操作制御状態等を液晶表示して、モニタパネル5に投射させて、このモニタパネル5の外側から透視することができる。
【0035】
また、モニタパネル5が透明なガラス板である場合は、前記液晶モニタ4の液晶表示を、このモニタパネル5を透視して直接見ることができる。
このようなモニタパネル5の表面を掃払うワイパー6を取付けるワイパレール7、8を、このモニタパネル5の上側辺部と下側辺部とにおける前記モニタケース54の外周縁部に取付けて、これら上、下一対のワイパレール7、8の案内溝56に、ワイパー6の上下両端部の案内子57を嵌合させて、左右横方向へ往復移動させる形態である。
【0036】
このワイパー6のモニタパネル5に対する摺接部は、ゴム材等で構成して、モニタパネル5の表面を損傷し難く、しかも水滴、泥土等の掃払効果の良好な形態とする。このワイパー6の背面にはハンドル58を有して、運転者が把持して掃払操作を行い易い形態としている。
【0037】
ここにおいて、作業機1を装着して圃場を走行しながら対地作業する車体2の操作ボード3部に、液晶モニタ4の表面を透明なモニタパネル5で被覆し、このモニタパネル5の外周部にワイパー6の両端部を摺動案内するワイパレール7、8を設け、このワイパー6をワイパレール7、8に案内させて移動することによりモニタパネル5の表面を清掃することを特徴とする農作業機のモニタパネルの構成とする。
【0038】
農作業操作時は、操作ボード3の液晶モニタ4等の表示部をみながら作業操作するが、この表示を覆うモニタパネル5表面には泥土や、塵埃、雨水等が飛散、乃至降りかかり易く、このようにモニタパネル5面が汚れると、運転者がワイパー6をワイパレール7、8に案内させて往復移動させて、前記モニタパネル5に付着している泥土や水等を清掃する。
【0039】
前記ワイパー6は、上端部がワイパレール7に案内され、下端部がワイパレール8に案内されるため、掃払操作を円滑、迅速に行わせることができる。
また、前記ワイパレール7、8の側端部と、ワイパー6の摺動部との間に、このワイパー6の移動位置を係止するストッパ14、及び位置決め装置9を設けて、清掃後のワイパー6をモニタパネル5の移動端部に退避保持させる。
【0040】
前記のようにワイパー6の上下端部は、ワイパレール7、8に案内されて移動される。このワイパレール7、8の横端部にはストッパ14があるため、このストッパ14に押し当てることによってモニタパネル5全面に亘る清掃を行うことができる。
【0041】
しかも、このワイパー6がストッパ14に係止されると、位置決め装置9が働いて、ワイパー6の移動操作を解放しても、この位置決め装置9によってワイパー6位置が横端部の退避位置に保持されて、モニタパネル5の中央部位置等に移動して表われることがなく、運転者のモニタ視界を邪魔しない。
【0042】
また、ワイパー6を移動操作するときは、この位置決め装置9による係止状態から直ちに係止解除されて、迅速に掃払移動させることができる。
そして、前記ワイパー6をモニタパネル5の表面傾斜の上下方向に沿わせて設け、このワイパー6の掃払側縁には、上端部に対して下端部を後退させる傾斜のワイパー縁10を形成する。
【0043】
前記ワイパー6を操作るときは、このワイパー6の上下両端部がワイパレール7、8に案内されて、左右横方向へ移動されてこのワイパー6のワイパー縁10で掃払する。このワイパー縁10は、上端部から下端部に亘って後退する傾斜形態であるから、掃払される水滴のモニタパネル5傾斜面に沿った流下排除が行われ易く、ワイパー6の掃払操作を簡単に、速かに、効果的に行わせることができる。
【0044】
さらに、前記モニタパネル5の下縁部を嵌合保持するパネル枠11の下縁枠12を、中央部から左右両側端に亘って低く傾斜すると共に、この横端部に排水用切欠部13を形成する。
【0045】
前記のようにモニタパネル5の表面上に沿ってワイパー6を横移動させて掃払するとき、このモニタパネル5面を流下される泥水等は、モニタパネル5下側の下縁枠12部に沿って流れて、この下縁枠12中央部から左右両側部に亘って低く傾斜する傾斜縁に案内されて流下される。
【0046】
この下縁枠12の傾斜縁に沿って横端部に流下案内された泥水等は排出用の切欠部13からモニタパネル5面外へ排出される。このようにワイパー6の横方向移動によってモニタパネル5の下縁側へ掃払流下される泥水等は、外側へ下り傾斜のパネル枠11の下縁枠12によって案内されるため、切欠部13への排出を迅速に、円滑に行わせる。
【0047】
前記モニタケース54の外周縁部を構成するパネル枠11は、この内周面にモール55を貼着して、モニタパネル5の外周縁を嵌合保持する。このパネル枠11の下縁部に位置する下縁枠12が、モール55によって形成されて、左右横方向の中央部が上方へ膨出して高くH形成され、この左右両端部が低くLなるように外側端下りの傾斜縁に形成している。
【0048】
また、この両端部のモール55のモニタパネル5面から外側表面側に形成されるモール55の厚さを薄くして切欠部13を形成して、排水性を良好にしている。
前記上、下のワイパレール7、8の左右両端部には、ストッパ14を取付けて、ワイパー6の横移動を係止する。このワイパレール7、8のストッパ14よりも内側位置には、上下外側から案内溝56側へスプリング59で弾発されたクリップボール60から成る位置決め装置9を設け、このクリップボール60をスプリング59で抵抗して外側へ押出すようにしてワイパー6の案内子57部を移動通過させることにより、このワイパー6をモニタパネル5の横幅域に位置させたり、この左右外側端域に位置させることができる。
【0049】
そして、ワイパー6をこの左右のクリップボール60よりも外側の位置に位置させたときは、ハンドル58操作で移動させない限りワイパー6自体が自然にモニタパネル5の横幅域へ移動するのを防止する。61はクリップボール60、及びスプリング59を収容するクリップホルダーで、ワイパレール7、8の外側に取付け、外側に調節ボルト62を有する。
【0050】
また、前記ワイパー6のワイパー縁10を後退角θを持たせた傾斜形態とする場合は、図7のように上端幅を三角形の底辺Tとして、下端部を三角形の頂点Pとする三角形状のワイパー形態とすることができる。この左右両側縁に左右対称形状のワイパー縁10を形成する。
【0051】
次に、図8(a)(b)に基づいて、ワイパー6を左右方向へ回動する回動形態としたもので、下端アーム64部に回動軸63を有して、モニタケース54のパネル枠11部に支持し、このワイパー6の下端アーム64部にハンドル58を有し、運転者がこのハンドル58を把持して、ワイパー6を回動軸63回りに左右回動させて、モニタパネル5面を掃除する。
【0052】
また、位置決め装置9は、前記回動軸63周り近くのワイパー6アーム64部とパネル枠11部との間に構成することができる。
次に、図9(a)(b)(c)に基づいて、前記モニタパネル5の表面に多数枚の透明なフィルム65を重合させて、フック66、及びフィルム押え67等で吊下げて保持させておき、モニタパネル5の表面を覆って保護する。
【0053】
このフィルム65の表面が汚れると、一枚毎表面側から剥ぎ取ることによって、モニタを常時見易く維持することができる。前記フィルム押え67は、フィルム65の穴に挿通するボルト68と、このボルト68に嵌合するスプリング69、及び座金70等から成り、フィルム65の下端縁部を保持する。
【0054】
前記モニタパネル5の正面上方には、フィルムカバー71を設けて、各重合のフィルム65間に泥水が入らないように構成している。
【符号の説明】
【0055】
1 作業機
2 車体
3 操作ボード
4 液晶モニタ
5 モニタパネル
6 ワイパー
7 ワイパレール
8 ワイパレール
9 位置決め装置
10 ワイパ縁
11 パネル枠
12 下縁枠
13 排水用切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機(1)を装着して圃場を走行しながら対地作業する車体(2)の操作ボード(3)部に、液晶モニタ(4)の表面を透明なモニタパネル(5)で被覆し、このモニタパネル(5)の外周部にワイパー(6)の両端部を摺動案内するワイパレール(7)(8)を設け、このワイパー(6)をワイパレール(7)(8)に案内させて移動することによりモニタパネル(5)の表面を清掃することを特徴とする農作業機のモニタパネル。
【請求項2】
前記ワイパレール(7)(8)の側端部と、ワイパー(6)の摺動部との間に、このワイパー(6)の移動位置を係止するストッパ(14)、及び位置決め装置(9)を設けて清掃後のワイパー(6)をモニタパネル5の移動端部に退避保持させることを特徴とする請求項1に記載の農作業機のモニタパネル。
【請求項3】
前記ワイパー(6)をモニタパネル(5)の表面傾斜の上下方向に沿わせて設け、このワイパー(6)の掃払側縁には、上端部に対して下端部を後退させる傾斜のワイパー縁(10)を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の農作業機のモニタパネル。
【請求項4】
前記モニタパネル(5)の下縁部を嵌合保持するパネル枠(11)の下縁枠(12)を、中央部から左右両側端に亘って低く傾斜すると共に、この横端部に排水用切欠部(13)を形成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の農作業機のモニタパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−28272(P2013−28272A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165532(P2011−165532)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】