説明

農園芸用のシート止着具

【課題】ビニールトンネル等の栽培空間を形成するに際し、そのフレームを構成する支柱に被せた樹脂シートを安全に固定できると共に、栽培空間の内部を換気するに際して、たくし上げシート部分を保持し得る農園芸用のシート止着具を提供する。
【解決手段】上下一対の止着部材10,11の内端相互を突状連結片15で連結する。止着部材10,11は、開口部17が弾性的に拡開し得る筒状を呈した筒状挾持部16を有する。筒状挾持部16の左右両側部に設けた摘み片21,21を内向きに摘むことにより開口部17を弾性的に拡開できる。上下の筒状挾持部16,16がビニールトンネル5aの支柱6を挾持した状態で、突状連結片15と支柱6との間に形成される収容空間部31に、ビニールトンネルの裾部分のたくし上げシート部分9を収容状態に保持して、ビニールトンネル5aに換気口53を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農園芸用のシート止着具に関するものである。より詳しくは、フレームに樹脂シートを被せてなるビニールトンネルやビニールハウス等の農園芸用の栽培空間を形成するに際して、該フレームを構成する支柱に被せた樹脂シートを該支柱に安全に固定できると共に、該栽培空間の内部を換気するに際して、該樹脂シートをたくし上げそのたくし上げ部分を保持し得る農園芸用のシート止着具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば図33に示すような、アーチ状に屈曲した支柱pを所要間隔を隔てて並設することによって構成したトンネル状のフレームaにビニールシート等の樹脂シートbを被せてビニールトンネルc1やビニールハウス等の農園芸用の栽培空間cを形成するに際し、該栽培空間c内の換気を行い得るようにする目的で、該樹脂シートbの裾部分dをたくし上げそのたくし上げシート部分eを保持し得るように構成された農園芸用のシート止着具fの一例としては、実開昭63−158152号公報や特開平1−43141号公報が開示するような、図34〜35に示す構成のものが提案されている。
【0003】
該シート止着具fは全体が樹脂で一体成形されており、上下の止着部材g,hの内端j,j相互が、前記たくし上げシート部分eを収納させ得るように円弧状に屈曲された可撓性を有する円弧状連結片kで連結した構成を有している。そして該上下の止着部材g,hは、縦方向に開口部mを有する断面C字状を呈する可撓性を有した筒状挾持部nを有しており、下の筒状挾持部n1の外端部には該筒状挾持部nを支柱pと分離しやすくするためのハンドルqが設けられていた。
【0004】
そして、かかるシート止着具fを用いて、前記支柱pに前記樹脂シートbを固定するに際しては、図33、図35〜36に示すように、アーチ状に屈曲した前記支柱pの支柱側部分rにおいて、前記樹脂シートbで包まれた該支柱側部分rを、前記開口部mを無理矢理に弾性拡開させて前記上下の筒状挾持部n,nの内部空所s,sに嵌め入れる。これにより、該上下の筒状挾持部n,nが該支柱側部分rに固定され、従って前記樹脂シートbが支柱pに固定された状態となる。
【0005】
栽培空間dの内部を換気するに際しては、前記樹脂シートbの裾部分dをたくし上げその状態をシート止着具fに保持させるのであるが、その作業要領は次のようである。即ち、図37に示すように、前記ハンドルqを手で持ち上げて前記下の止着部材hの筒状挾持部nを支柱pから一旦取り外し、前記樹脂シートbの裾部分dをたくし上げてそのたくし上げシート部分eを、前記円弧状連結片kと前記支柱側部分rとの間に形成される収容空間部vにまとめるようにして収容する。その後、前記筒状挾持部nの内部空所sに前記支柱側部分rを、図38に示すように、前記開口部mを無理矢理に弾性拡開させて嵌め入れ、これにより、該下の筒状挾持部nを該支柱側部分rに取り付ける。これにより、図33に示すように、ビニールトンネルc1の側面部分に換気口wを形成できることになる。
【0006】
換気が終了した後は、前記ハンドルqを図37に示すと同様にして引き起こし、前記筒状挾持部nを支柱pから取り外す。その後、前記たくし上げシート部分eを下に延ばし、図36に示すように、樹脂シートbを介在させて前記支柱側部分rを前記筒状挾持部nの内部空所sに嵌め入れる。これにより、裾部分dが支柱pに再び固定されることになる。
【0007】
かかる構成を有する従来の農園芸用のシート止着具fによるときは、このように、樹脂シートbを支柱pに固定できると共に、栽培空間dの内部を換気する必要があるときは換気口wを形成できる利点はあった。
【0008】
しかしながら、前記筒状挾持部nを樹脂シートbを介在させて支柱pに固定する際や固定状態にある下の筒状挾持部nを前記ハンドルqの引き起し操作によって支柱pから取り外すことになるのであるが、前記のようにハンドルqを引き起こして筒状挾持部nを支柱pから取り外すことは必ずしも容易ではなかった。そして、該筒状挾持部nの支柱pに対する無理矢理の着脱が繰り返される内に、前記樹脂シートbが擦られて破れる等、損傷を受けやすい問題があった。ときには、1回の着脱で樹脂シートが破れる等の損傷を受けることもあった。
【0009】
【特許文献1】実開昭63−158152号公報
【特許文献2】特開平1−43141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、フレームに樹脂シートを被せてなるビニールトンネルやビニールハウス等の農園芸用の栽培空間を形成するに際し、樹脂シートを損傷することなく前記筒状挾持部の着脱を容易且つ確実に行うことができると共に、栽培空間の換気を行うに際しては、前記樹脂シートの裾部分をたくし上げてそのたくし上げシート部分を収容状態で確実に保持し得る農園芸用のシート止着具の提供を課題とするものである。
【0011】
本発明は進んで、前記たくし上げシート部分を下方から安定的に支持する機能を具えた農園芸用のシート止着具の提供を課題とするものである。
【0012】
本発明は更に進んで、前記筒状挾持部の開閉をより容易且つ確実に行い得る農園芸用のシート止着具の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る農園芸用のシート止着具は、農園芸用の栽培空間を形成するフレームを構成する支柱に被せた樹脂シートを該支柱に固定できる共に、該樹脂シートの裾部分をたくし上げた状態で該たくし上げシート部分を保持し得る農園芸用のシート止着具であって、上下一対の止着部材の内端相互が、後方向に突に屈曲されて凹部を有する可撓性の突状連結片で連結されてなり、該止着部材は、前記樹脂シートを介在させて前記支柱を弾性的に挾持し得る筒状挾持部を具える。該筒状挾持部は、その前端周面部が、該筒状挾持部の中心を通る軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈し、該筒状挾持部の該開口部の左右両側部に、後方に向けて摘み片が突設されており、該両摘み片を内向きに摘むことにより前記開口部を弾性的に拡開できる。又、上下の筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態で前記連結片の前記凹部と前記支柱との間に形成される収容空間部に、前記たくし上げシート部分を収容状態に保持可能となされていることを特徴とするものである。
【0014】
前記農園芸用のシート止着具において、前記突状連結片は、左右方向に偏平な平板を後方向に突の半円弧状に屈曲して形成すると共に、該突状連結片の端部が、その幅方向を前記筒状挾持部の両摘み片間の幅方向に合致させて該筒状挾持部の内端に連結されたものとし、又該筒状挾持部の、前記開口部の両側をなす側面部分の前記内端側の縁を傾斜縁として形成するのがよい。
【0015】
前記農園芸用のシート止着具において、前記上の止着部材は、前記両摘み片の上端に、前記筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態において前記支柱から離れる方向に斜め上方に突出する角状突出片が設けられたものとし、前記筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態で、前記たくし上げシート部分を、該角状突出片と前記支柱との間に形成された受部で下方から支持できるように構成するのがよい。この場合、前記角状突出片は、柔軟性を有する四分割円弧状に形成するのがよい。
【0016】
又、前記前記各農園芸用のシート止着具において、前記連結片は、後方向に突に屈曲された2本の独立した線状連結片を以って構成し、一方の線状連結片の両端部を、上下に位置する左右何れか一側の摘み片の内端に連結すると共に、他方の線状連結片の両端部を、上下に位置する他側の摘み片の内端に連結するのがよい。
【0017】
又、前記前記農園芸用のシート止着具において、前記突状連結片は、その両端部分を、二股に分岐した状態に形成すると共に該突状連結片の長さ方向の中央部分を板状部として形成し、各分岐片の先端部を、前記上下一対の止着部材の前記両摘み片の夫々の内端に連結するのがよい。この場合、該板状部を有する前記突状連結片において、該板状部の両端側部分を、該板状部の内方に凹の湾曲縁として形成し、該湾曲縁の両端に前記分岐片の基端を連結するのがよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係るシート止着具は、前記支柱を弾性的に挾持し得る筒状挾持部を、その前端周面部が、該筒状挾持部の中心を通る軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈するものとし、且つ、該筒状挾持部の該開口部の左右両側部に、後方に向けて摘み片を突設した構成を有している。
従って本発明によるときは、農園芸用の栽培空間(ビニールトンネルやビニールハウス等)を形成するフレームを構成する支柱に被せた樹脂シートを該支柱に固定するに際し、前記両摘み片を内向きに摘むことにより前記開口部を弾性的に拡開させることができ、この開口部を通して、前記樹脂シートを介在させて前記支柱を該筒状挾持部の内部空所に嵌め入れることができる。その後、両摘み片を自由状態に戻すことにより、該筒状挾持部が支柱を強固に挾持し、従って、上下の止着部材によって樹脂シートを支柱に確実に固定できることになる。そして、前記ビニールトンネル等の栽培空間に換気口を形成するために止着部材を支柱から取り外す際は、前記と同様に左右の摘み片を内向きに摘んで前記開口部を弾性的に拡開させることにより、該拡開した開口部を通して樹脂シートと支柱を筒状挾持部から容易に取り外すことができる。
かかることから本発明によるときは、ビニールトンネル等を構成する樹脂シートを損傷することなくこれを支柱に確実に固定することができながら、ビニールトンネル等に換気口を形成する場合等必要な際には、前記開口部を簡易に拡開させて前記樹脂シートを安全に取り外すことができる。従って本発明によるときは、従来のシート止着具を用いる場合とは異なり、筒状挾持部材を取り外す際に樹脂シートを損傷するといった問題を発生することがない。
【0019】
(2) そして本発明に係るシート止着具は、上下の止着部材の内端相互を、後方向に突に屈曲された可撓性の突状連結片で連結する構成を採用するため、支柱側部分が湾曲している場合も、該突状連結片が変形することによって上下の筒状挾持部を支柱に無理なく確実に固定できることになる。又、樹脂シートの裾部分をたくし上げた状態を、該たくし上げシート部分を該突状連結片の凹部と前記支柱との間に形成された収容空間部に確実に収容して保持できる。かかることから、ビニールトンネルに換気口を確実に形成できると共に、該換気口を確実に保持させ得ることとなる。
【0020】
(3) 前記突状連結片を、左右方向に偏平な平板を後方向に突の半円弧状に屈曲して形成すると共に、該突状連結片の端部が、その幅方向を前記筒状挾持部の両摘み片間の幅方向に合致させて該筒状挾持部の内端に連結されたものとし、又該筒状挾持部の、前記開口部の両側をなす側面部分の前記内端側の縁を傾斜縁として形成するときは、該突状連結片を板状に構成したことに伴う開口部の拡開の操作性を改善できると共に、支柱の嵌め入れに必要な開口幅を所要に確保でき、前記樹脂シートの損傷を招くことなく支柱を前記内部空所に嵌め入れるのが容易となる。
【0021】
(4) 前記上の止着部材の両摘み片の上端に、斜め上方に突出する角状突出片を設けるときは、前記たくし上げシート部分を、左右に所要間隔を置いて配置された角状突出片と支柱との間に形成にされた受部で下方から安定的に支持できることになる。
従ってビニールトンネルに換気口を設ける際、上下の止着部材を一旦取り外した後、該上下の止着部材を再び支柱に取り付けてたくし上げシート部分を前記受部で下方から支持させることにより、ビニールトンネルの換気口をより大きく又はより小さく確保でき、その状態を保持できることになる。
又このように構成する場合、上下の止着部材を取り外すことなくそのままの状態で、たくし上げシート部分を該シート止着具を外側から覆うように持ち上げその上側部分を前記受部に支持させることもでき、これにより換気口を形成することもできる。このようにして換気口を形成する場合は、換気口の形成作業を簡易且つ能率的に行い得ることとなる。
前記角状突出片を柔軟性を有する四分割円弧状に構成するときは、たくし上げシート部分を前記受部で支持させる際に、該たくし上げシート部分を損傷しにくく、又その支持作業やその取り外し作業を容易化し得る。
【0022】
(5) 前記突状連結片を、後方向に突に屈曲された2本の独立した線状連結片を以て構成し、その両端部を摘み片の内端に連結する構成を採用したときは、該突状連結片が障害となることなく前記開口部を無理なく拡開させることができる。
【0023】
(6) 前記突状連結片の両端部分を二股に分岐した状態に形成すると共に各分岐片の端部を、両摘み片の内端に連結する構成を採用したときは、該突状連結片の中間部分をなす板状部分に、ロット番号等の所要の表記を明瞭に施すことができながら、該突状連結片がそれほど障害となることなく前記開口部を拡開させることができる。
この場合、前記板状部の両端側部分を、該板状部の内方に凹の湾曲縁として構成するときは、前記開口部の拡開をより円滑に行うことができる。
【実施例1】
【0024】
図1〜4において本発明に係る農園芸用のシート止着具(以下シート止着具という)1は、フレーム2に樹脂シート3を被せてなる例えばビニールトンネル5aとしての栽培空間5を形成するに際して、トンネル状のフレーム2aを構成するアーチ状に屈曲した支柱6に被せたビニールシート等の該樹脂シート3を該支柱6に固定できると共に、図2〜3に示すように、該樹脂シート3の裾部分7をたくし上げた状態で該たくし上げシート部分9を収容状態に保持し得るものであり、上下一対の止着部材10,11の内端12,13相互が突状連結片15で連結されてなる。
【0025】
図5〜6は該シート止着具1を拡大して示すものである。該上下の止着部材10,11は、全体が例えばポリエチレン製の一体成型品であり、図5〜7、図8(C)に示すように、前記樹脂シート3を介在させて前記支柱6を弾性的に挾持し得る筒状挾持部16を具え、該筒状挾持部16は図5〜7に示すように、前端周面部が該筒状挾持部16の中心を通る軸線方向に開口し開口部17が弾性的に拡開し得る筒状(本実施例においては円筒状)を呈しており、横断面C字状をなしている。そして該開口部17の両側縁部19,19(図7)は円弧状に形成され、図7に示すように、該開口部17の開口幅L1は前記筒状挾持部16の内径L2よりも小さく形成されている。本実施例においては、該筒状挾持部16の長さは約40mmに設定されると共に、その内径L2は、例えば直径が8mmの支柱に対応できるように、約7.5mmに設定され、該開口部17の幅L1は約3mmに設定されている。
【0026】
又図5〜7に示すように、前記筒状挾持部16の対向する左右両側部20,20(図7)の外面に摘み片21,21が突設されている。該左右の摘み片21,21は、両者間の幅が後方に向けて拡大するハの字状を呈して突設されており、該摘み片21,21の外面22には滑り止め突部23が並設されている。本実施例において該摘み片21,21は、その前側部分25は前記筒状挾持部16の全長に亘って設けられると共に、その後側部分26は該前側部分25の後部の中央部分で後方に突出する如く設けられている。
【0027】
該両摘み片21,21を内向きに摘むことにより、図8(A)に示すように前記開口部17を前記筒状挾持部16の弾性に逆らって拡開でき、該拡開により、例えば図8(B)に示すように、前記支柱6を、前記樹脂シート3で覆われた状態で該筒状挾持部16の内部空所27に無理なく嵌入させることができる。
【0028】
かかる構成を有する上下の止着部材10,11の内端12,13相互が、本実施例においては図5〜6、図9(B)に示すように、前記筒状挾持部16の左右の摘み片21,21間の部分29で、後方向に突の半円弧状に屈曲されて前側凹部30を有する前記突状連結片15で連結されてなる。該突状連結片15の大きさは、図9(B)、図4、図3(A)に示すように、上下の筒状挾持部16,16が前記支柱6を挾持した状態において、該突状連結片15の前記凹部30と前記支柱6との間で、前記たくし上げシート部分9を収容可能な収容空間部31を形成できるように設定されており、本実施例においては、該突状連結片15の半径は約15mm程度に設定されており、その肉厚は2mm程度に設定されている。
【0029】
本実施例においては、図5〜6に示すように、前記上の止着部材10の左右の摘み片21,21の上端(本実施例においては前記前側部分25,25の上端)32,32に、前記筒状挾持部16が前記支柱6を挾持した状態において該支柱6から離れる方向に斜め上方に突出する角状突出片33,33が設けられている。該角状突出片33,33は本実施例においては、横断面が円形の柔軟性を有する丸線を四分割円弧状に屈曲して形成されており、その先端35,35は、たくし上げシート部分9が引っ掛かるのを防止するために球面状に形成されている。そして、該筒状挾持部16が前記支柱6を挾持した状態で、図10〜12や図13〜15に示すように、前記たくし上げシート部分9を、該角状突出片33と前記支柱6との間に形成された円弧状を呈する受部36で下方から支持できる。
【0030】
本実施例においては、該突状連結片15を、左右方向に偏平な平板を後方向に突の半円弧状に屈曲して形成すると共に、該突状連結片15の端部37,37を、図5〜6に示すように、その幅方向を前記筒状挾持部16の両摘み片21,21間の幅方向に合致させて該筒状挾持部16の内端12,13に連結している。このように突状連結片15を、平板を屈曲して形成しているのは、その屈曲形態を保持しやすくすると共に、該突状連結片15の表面39にロット番号等を明瞭に刻印等により表示できるように該表面39の左右幅を極力大きくするためである。
【0031】
それ故、両摘み片21,21を内向きに摘むことによって前記開口部17を拡開させたときに、該両摘み片21,21間の内端部40,40(図5〜6)の剛性が高まって該内端部40,40側で開口部17が開きにくくなる。そこで本実施例においては図6、図16に示すように、前記筒状挾持部16の開口部17の両側をなす側面部分41,41を前記内端(連結部)13側において内方に向けて、例えば比較的大きい円弧状に切除した形状として、該側面部分の前記内端側の縁を、傾斜縁(本実施例においては突の円弧状縁)42,42として形成している。比較のために示す図17にあっては、かかる切除部が設けられていない場合における、筒状挾持部16の側面部分41の内端縁45が、筒状挾持部16の軸線方向と直角を呈している。このように切除することにより、図16(A)(C)に示すように、前記樹脂シート3を介在させて支柱6を筒状挾持部16の内部空所27に無理なく嵌め入れることができるようになる。なお本実施例においては、前記樹脂シート3を介在させて前記支柱6を前記内部空所27に嵌め入れる際に、該樹脂シート3を損傷することなく内部空所27への支柱6の嵌め入れを円滑化するため、前記開口部17の両側の側面部分41,41の外端縁46,46を若干円弧状に形成している。
【0032】
これによって、突状連結片15の連結部13側においても開口部17aの幅L3が比較的大きく開いた状態が得られる。もしも図17に示すように、かかる切除部が設けられていないとすれば、図17(B)に示すように、該開口部17の開口幅L4が連結部13側(内端側の部分)47において小さくなり、該連結部13側においては、図17(A)に矢印で示すように、支柱部分6aを押圧して内部空所27内に押し込まなければならないことにもなり、筒状挾持部16の内部空所27内への支柱6の嵌め入れを円滑に行いにくくなって好ましくない。
【0033】
図1は、前記構成を有するシート止着具1の使用例を示すものであり、農園芸用の前記ビニールトンネル5aを形成するに際してトンネル状のフレーム2aを構成する支柱6に被せた樹脂シート3を該支柱6に固定する場合を示す。
【0034】
該トンネル状のフレーム2aは、下端が開放して倒U字状に屈曲された前記支柱6を一方向に所要間隔(例えば70cm程度の間隔)で並設して構成されており、各支柱6は、図1、図4に示すように、その両下端部分49,49が地面50に突き刺されて立設されている。かかる構成を有するトンネル状のフレーム2aに、例えばビニールシートとしての樹脂シート3を被せて後、該樹脂シート3の両側の裾部分7,7を地面に埋設状態とする。この状態で樹脂シート3を支柱6に固定するに際して、前記シート止着具1が用いられる。
【0035】
その固定要領は、上下の筒状挾持部16を、前記樹脂シート3を介在させて前記支柱6に固定して行なうのであるが、その際、前記左右の摘み片21,21を図8(A)に示すように内向きに指で摘むことによって前記開口部17を弾性的に拡開状態とする。この拡開は、該左右の摘み片21,21を構成する前記後側部分26,26を、図5〜6に示すように、筒状挾持部16の長さ方向の中央部分に設けているため、両摘み片21,21を内向きに摘んだ際における力を該筒状挾持部16の長さ方向に略均一に作用させることができ、前記開口部17を無理なく拡開させ得ることとなる。
【0036】
その後、図8(B)に示すように、樹脂シート3が支柱6を包んだ状態となるようにして該支柱6の支柱側部分24を筒状挾持部16の内部空所27に嵌め入れる。両摘み片21,21を内向きに摘むことによって前記開口部17を大きく拡開できるため(前記傾斜縁42が設けられているので、図16に示すように、前記内端(連結部)13側においても開口部17が必要幅に拡開される)、これによって形成された内部空所27への支柱6の嵌め入れを、樹脂シート3を損傷することなく容易且つ確実に行うことができる。
【0037】
その後、両摘み片21,21から指を離せば、図8(C)に示すように、前記筒状挾持部16はその弾性作用で当初の状態に戻る。これにより、該筒状挾持部16が該支柱6を挾持した状態となり、その結果、図8(C)に示すように、樹脂シート3が上下の筒状挾持部16,16で支柱6に固定されることになる。例えば図4にL5で示すように、下の止着部材11を、その下端51が地面から15cm程度上方に位置した状態で支柱6に固定する。
【0038】
このように上下の筒状挾持部16,16を支柱6に取り付ける際、該支柱6のシート止着具取り付け部分(支柱側部分)24が稍湾曲した状態にあるときにも、前記突状連結片15が、その半円弧の形態が延びるように変形することにより、上下の筒状挾持部16,16を、支柱側部分24の湾曲状態に追随させて無理なく支柱に取り付けることができる。
【0039】
ビニールトンネル5aの内部を換気するに際しては、換気口53を形成する部分で、前記下の止着部材11を、図9(A)に示すように、その両摘み片21,21を内向きに摘んで前記開口部17を弾性的に拡開させ(図8(B)に示すと同様の拡開状態)、下のシート止着具11を支柱6から取り外す。その後、前記樹脂シート3の裾部分(例えば、地面上の15cm程度の幅部分と、地面に埋設されている15cm程度の幅部分をなす裾部分)7をたくし上げ、たくし上げシート部分9を、図9(A)に示すように、前記突状連結片15が形成する半円弧状の凹部30に収容した状態で、該下の止着部材11の左右の摘み片21,21を再び内向きに摘んで前記開口部17を弾性的に拡開させ(図8(A)に示すと同様の拡開状態)、前記支柱6を筒状挾持部16の内部空所27に嵌め入れる。この際、前記突状連結片15がアーチ状に構成されていて変形容易であるため、該突状連結片15の変形によって、該支柱6から取り外された前記下の止着部材11を図9(A)に示すように、外方に曲げることができ、従って、たくし上げシート部分9を凹部30に収容する作業を容易化し得る。その後、両摘み片21,21を自由状態にすれば、図9(B)に示すように、該下の止着部材11が支柱6に固定されることになる。そしてこの状態で前記たくし上げシート部分9が、前記突状連結片15と前記支柱6との間に形成される収容空間部31に収容されることになり、裾部分のたくし上げられた状態が保持される。この状態で、図2に示すように、ビニールトンネル5aに換気口53が形成されビニールトンネル5a内の換気を行い得ることとなる。
【0040】
この換気を終えるときは、前記下の止着部材11を、前記と同様にして両摘み片21,21を内向きに摘むことによって支柱6から取り外し、図9(A)に示す状態と同様にして後、該たくし上げシート部分9を前記収容空間部31から取り出し、これを下ろす。その後、図1、図4に示すと同様にして、ビニールトンネル5a内に寒気が侵入しないように内部を密閉する必要から樹脂シートの下端部分55(図4)に土を被せて該下端部分55が風で捲れ上がらないようにする。
【0041】
図10〜12は、前記シート止着具1を用いて、前記たくし上げシート部分9を前記角状突出片33と前記支柱6との間に形成された前記受部36で支持した状態を示すものである。このように受部36で支持するためには、上下の止着部材10,11を一旦支柱6から取り外した後に樹脂シート3の裾部分7をたくし上げ、その後、該上下の止着部材10,11を再び当初と略同位置で支柱6に固定し、この状態で、たくし上げシート部分9を前記受部36で下方から支持させる。このようにすれば、樹脂シート3の裾部分をより上側までたくし上げてこの状態でたくし上げシート部分9を該受部36で支持できることとなり、たくし上げシート部分9を前記収容空間部31で収容状態に保持する場合に比し、ビニールトンネル5aの換気口53をより大きく確保できる利点がある(図2と図10を対比)。或いは、前記上下の止着部材10,11を、当初よりも稍下置で支柱6に固定することもでき、このようにするときは、ビニールトンネル5aの換気口53をより小さく設定できる。このように、上下の止着部材10,11を一旦支柱6から取り外して後に再び支柱6に固定するときは、換気口53の大きさを所要に調整できる利点がある。
【0042】
図13〜15は、前記シート止着具1を用いて、前記たくし上げシート部分9を前記角状突出片33と前記支柱6との間に形成された受部36で支持した他の態様を示すものである。このようにして受部36で支持するためには、図15に示すように、上下の止着部材10,11が、樹脂シート3を介在させて支柱6に固定された状態のままで、シート止着具1を外側から覆うようにして前記樹脂シート3の裾部分7をたくし上げると共にたくし上げられた上端側の部分56を該受部36に嵌め入れ、該上端側の部分56を前記受部36で下方から支持させる。このようにしてたくし上げシート部分9を受部36で支持するときは、前記下の止着部材11を取り外さなくてもビニールトンネル5aに換気口53を作業能率よく形成できる利点がある。このような受部36を利用するたくし上げシート部分9の支持は、無風乃至微風状態における場合や、短時間だけ換気する場合のような一時的な換気の場合等、たくし上げシート部分9が受部36から外れる恐れがない場合に有効である。
【0043】
そして前記角状突出片33,33は、前記筒状挾持部16における、両摘み片21,21、21,21間の内端12,13(図5〜6)で突設されているのではなく、図5〜6に示すように、両摘み片21,21の上端32,32に連設されている。このように、該角状突出片33と該摘み片21とが一体化されているため、両摘み片21,21を内向きに摘むことによって前記開口部17を拡開させる際、該筒状挾持部16の拡開を阻害することがない。
【0044】
図18、図19は、たくし上げシート部分9を前記収容空間部31に収容した状態と、前記受部36で支持した状態とを組み合わせることによってビニールトンネル5aの換気口53を形成した状態を示すものである。図18に示すものは、収容空間部31に収容することと、受部36で支持することを交互に行った場合を示すものであり、図19は、受部36で支持することを幾つか続けた後に収容空間部31で確実に収容保持した場合を示すものである。このように2種類を組み合わせる場合は、換気口53を形成する作業を、前記収容空間部31にたくし上げシート部分9を確実に保持させて行うことができながら、その中間においては、下の止着部材11を取り外すことなく受部36で簡易に、たくし上げシート部分9を支持できることになり、ビニールトンネル5aの換気口53の形成作業を確実に然も能率的に行うことができる。
【0045】
図20(A)は、シート止着具1の他の実施例を示すものであり、前記突状連結片15の両端部分59,59が二股に分岐されると共に該突状連結片15の長さ方向の中央部分は板状部44として形成されており、各分岐片60,60の先端部61,61が、上下一対の止着部材10,11の前記両摘み片21,21の夫々の前記前側部分25,25の内端62,62に連結されている。そして、前記板状部44の両端側部分は、該板状部44の内方に凹の湾曲縁48,48として形成されており、該湾曲縁48の両端54,54に前記分岐片60,60の基端58,58が連結されている。このように構成するときは、該突状連結片15の中央部分は板状部44として形成されていても、両摘み片21,21を内向きに摘んだ際に、前記開口部17をその内端側の部分においても比較的良好に拡開させることができる。そして、前記板状部44の表面65にロット番号等を明瞭に表示できる。なお、両摘み片21,21を内向きに摘んだ際に前記開口部17をそれほど無理なく拡開させ得る限り、図20(B)に示すように、前記板状部44の両端縁64を、湾曲させずに、該突状連結片15の幅方向に直線を呈するものとして構成してもよい。
【0046】
図21は、前記突状連結片15を、後方向に円弧状を呈して突に屈曲された2本の独立した線状連結片66,67を以て構成したシート止着具1を示すものであり、一方の線状連結片66の両端部69,70が、上下に位置する左右何れか一側の摘み片21aの前記前側部分25,25の内端71,71に連結されると共に、他方の線状連結片67の両端部73,75が、上下に位置する他側の摘み片21bの前記前側部分25,25の内端79,79に連結されている。
【0047】
このように構成するときは、突状連結片15の両端部69,70、73,75が、前記のように筒状挾持部16の拡開を阻害することがなく、両摘み片21,21を内向きに摘んで前記開口部17を弾性的に拡開させる際、該開口部17の拡開幅を各部略均一に形成できる。従って、図20、図21に示すシート止着具1にあっては、前記筒状挾持部16に前記のような傾斜縁を設けていない。
【0048】
図22、図23は、上下の筒状挾持部16,16が前記支柱6を挾持した状態で、突状連結片15と前記支柱6との間に形成された収容空間部31に樹脂シート3の裾部分7のたくし上げシート部分9を収容した状態を示すものである。又図24、図25は、前記受部36でたくし上げシート部分9を下方から支持した状態を示すものである。
【実施例2】
【0049】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 図26は、前記のような角状突出片33を具えないシート止着具1を示すものである。
【0050】
(2) 前記左右の摘み片21,21は、これを内向きに摘むことによって前記開口部17を所要に拡開させることができる限り、図27に示すように、左右の摘み片21,21を、後方に直線状に平行状態で突設してもよい。このように構成するときは、多数のシート止着具1を纏めて梱包する際、梱包作業が容易となる。
【0051】
(3) 図28は、本発明に係るシート止着具1のその他の実施例を示すものであり、可撓性を有する突状連結片15が、前記したようなアーチ状ではなく、先端部が屈曲可能な蝶番部80として形成された三角形状に構成されている。このように構成したときも、該突状連結片15の該蝶番部80による変形容易性によって、前記支柱6から取り外された下の止着部材11を図29に一点鎖線で示すように、外方に大きく曲げることができ、従って、たくし上げシート部分9を収容空間部に収容する作業を容易化し得る。
【0052】
(4) 前記筒状挾持部16は、前記開口部17が弾性的に拡開し得る筒状を呈するものであれば、必ずしも円筒状をなすものには特定されない。
【0053】
(5) 前記角状突出片33は、前記支柱6との間で、たくし上げシート部分9を下方から支持できる受部36を形成できる限り、直線状や折れ線状等で上方に突出するように構成されてもよい。
【0054】
(6) 図30は、本発明に係るシート止着具1のその他の実施例を示すものであり、前記筒状挾持部16の開口部17の拡開を容易化するために、前記突状連結片15を1本の直線状(例えば丸線状)に形成すると共にその端部81,81を前記筒状挾持部16の前記左右の摘み片21,21間で該筒状挾持部の内端12,13に連結している。
【0055】
(7) 前記支柱6は、5mm、8mm、11mm、13mm等の各種直径のものを使用することができ、この直径に合わせて、前記筒状挾持部16の内径を、前記開口部17を通して、前記樹脂シート3を介在させて前記支柱6を該筒状挾持部16の内部空所27に嵌め入れることができ、これによって該樹脂シート3を支柱6に固定できるように設定する。
【0056】
(8) 前記傾斜縁42は、前記した突の円弧状縁として構成されることの他、図31、図32に示すように、傾斜した直線状縁として構成されることもある。
【0057】
(9) 本発明に係るシート止着具1は、前記したビニールトンネルの他、ビニールハウス等の栽培空間全般を形成するために応用され得るものであり、支柱6は、垂直状態に立設されるものも含む。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るシート止着具を、ビニールトンネルを構成する支柱に被せた樹脂シートを該支柱に固定した使用状態で示す斜視図である。
【図2】樹脂シートの裾部分をたくし上げて、たくし上げシート部分を止着具で保持することによって換気口を形成した状態を示す斜視図である。
【図3】シート止着具による樹脂シートの固定状態と、たくし上げシート部分の保持状態を拡大して示す斜視図である。
【図4】ビニールトンネルを構成する樹脂シートを支柱に固定した状態を示す断面図である。
【図5】シート止着具を支柱と共に示す斜視図である。
【図6】シート止着具を示す斜視図である。
【図7】その断面図である。
【図8】シート止着具で樹脂シートを支柱に固定する作業工程を説明する断面図である。
【図9】たくし上げシート部分を収容空間部に収容する作業工程を説明する断面図である。
【図10】シート止着具の受部でたくし上げシート部分を支持して、ビニールトンネルに換気口を形成した状態を示す斜視図である。
【図11】受部でたくし上げシート部分を支持した状態を示す拡大斜視図である。
【図12】その断面図である。
【図13】たくし上げシート部分を受部で支持して、ビニールトンネルに換気口を形成する他の態様を示す斜視図である。
【図14】たくし上げシート部分を受部で支持した状態を示す拡大斜視図である。
【図15】その断面図である。
【図16】樹脂シートを介在させて支柱を筒状挾持部に嵌め入れる作業工程を説明する説明図である。
【図17】樹脂シートを介在させて支柱を筒状挾持部に嵌め入れる他の作業工程を説明する説明図である。
【図18】たくし上げシート部分を収容空間部に収容した状態と、それを受部で支持した状態とを組み合わせることによって、ビニールトンネルに換気口を形成した状態を示す斜視図である。
【図19】たくし上げシート部分を収容空間部に収容した状態と、それを受部で支持した状態とを組み合わせることによって、ビニールトンネルに換気口を形成したその他の状態を示す斜視図である。
【図20】シート止着具の他の実施例を示す斜視図である。
【図21】シート止着具のその他の実施例を示す斜視図である。
【図22】図20に示すシート止着具を用いてたくし上げシート部分を収容空間部に収容した状態を示す斜視図である。
【図23】図21に示すシート止着具を用いてたくし上げシート部分を収容空間部に収容した状態を示す斜視図である。
【図24】図20に示すシート止着具を用いてたくし上げシート部分を受部で支持した状態を示す斜視図である。
【図25】図21に示すシート止着具を用いてたくし上げシート部分を受部で支持した状態を示す斜視図である。
【図26】角状突出片を具えないシート止着具をその使用状態で示す斜視図である。
【図27】左右の摘み片を後方に直線状に平行状態で突設してなるシート止着具を示す断面図である。
【図28】先端部が屈曲可能に形成された突状連結片で止着部材相互を連結してなるシート止着具を示す斜視図である。
【図29】その使用状態を示す断面図である。
【図30】直線状に形成された1本の突状連結片によって止着部材相互を連結してなるシート止着具を示す斜視図である。
【図31】筒状挾持部に形成する傾斜縁の他の態様を示す側面図である。
【図32】筒状挾持部に形成する傾斜縁のその他の態様を示す側面図である。
【図33】従来のシート止着具を用いてビニールトンネルのたくし上げシート部分を保持して換気口を形成した状態を示す斜視図である。
【図34】従来のシート止着具を示す斜視図である。
【図35】そのシート止着具を用いてたくし上げシート部分を保持した状態を示す拡大斜視図である。
【図36】そのシート止着具を用いて、たくし上げシート部分を保持した状態を示す断面図である。
【図37】そのシート止着具を用いてたくし上げシート部分を保持する作業工程を説明する断面図である。
【図38】そのシート止着具を支柱に直接取り付けた状態とする断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 シート止着具
2 フレーム
3 樹脂シート
5 栽培空間
6 支柱
7 樹脂シートの裾部分
9 たくし上げシート部分
10 止着部材
11 止着部材
12 内端
13 内端
15 突状連結片
16 筒状挾持部
17 開口部
21 摘み片
27 内部空所
30 凹部
31 収容空間部
32 摘み片の上端
33 角状突設片
36 受部
37 突状連結片の端部
42 傾斜縁
53 換気口
60 分岐片
67 線状連結片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農園芸用の栽培空間を形成するフレームを構成する支柱に被せた樹脂シートを該支柱に固定できる共に、該樹脂シートの裾部分をたくし上げた状態で該たくし上げシート部分を保持し得る農園芸用のシート止着具であって、上下一対の止着部材の内端相互が、後方向に突に屈曲されて凹部を有する可撓性の突状連結片で連結されてなり、該止着部材は、前記樹脂シートを介在させて前記支柱を弾性的に挾持し得る筒状挾持部を具え、該筒状挾持部は、その前端周面部が、該筒状挾持部の中心を通る軸線方向に開口し且つ開口部が弾性的に拡開し得る筒状を呈し、該筒状挾持部の該開口部の左右両側部に、後方に向けて摘み片が突設されており、該両摘み片を内向きに摘むことにより前記開口部を弾性的に拡開でき、又、上下の筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態で前記連結片の前記凹部と前記支柱との間に形成される収容空間部に、前記たくし上げシート部分を収容状態に保持可能となされていることを特徴とする農園芸用のシート止着具。
【請求項2】
前記突状連結片は、左右方向に偏平な平板を後方向に突の半円弧状に屈曲して形成されると共に、該突状連結片の端部が、その幅方向を前記筒状挾持部の両摘み片間の幅方向に合致させて該筒状挾持部の内端に連結されており、又該筒状挾持部の、前記開口部の両側をなす側面部分の前記内端側の縁を傾斜縁として形成したことを特徴とする請求項1記載の農園芸用のシート止着具。
【請求項3】
前記上の止着部材は、前記両摘み片の上端に、前記筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態において前記支柱から離れる方向に斜め上方に突出する角状突出片が設けられ、前記筒状挾持部が前記支柱を挾持した状態で、前記たくし上げシート部分を、該角状突出片と前記支柱との間に形成された受部で下方から支持した状態に保持できることを特徴とする請求項1又は2記載の農園芸用のシート止着具。
【請求項4】
前記角状突出片は、柔軟性を有する四分割円弧状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の農園芸用のシート止着具。
【請求項5】
前記連結片は、後方向に突に屈曲された2本の独立した線状連結片を以ってなり、一方の線状連結片の両端部が、上下に位置する左右何れか一側の摘み片の内端に連結されると共に、他方の線状連結片の両端部が、上下に位置する他側の摘み片の内端に連結されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農園芸用のシート止着具。
【請求項6】
前記突状連結片は、その両端部分が二股に分岐した状態に形成されると共に該突状連結片の長さ方向の中央部分は板状部として形成されており、各分岐片の先端部が前記上下一対の止着部材の前記両摘み片の夫々の内端に連結されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農園芸用のシート止着具。
【請求項7】
前記板状部の両端側部分は、該板状部の内方に凹の湾曲縁として形成されており、該湾曲縁の両端に前記分岐片の基端が連結されていることを特徴とする請求項6記載の農園芸用のシート止着具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2009−189334(P2009−189334A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35777(P2008−35777)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(392003225)第一ビニール株式会社 (27)
【Fターム(参考)】