農産物コンテナの内容器
【課題】コンテナ本体へ装入作業、収納対象物の収納及び取り出し操作が容易で、蓋板を閉蓋し易くかつ閉蓋状態に良好に保持できる農産物用コンテナの内容器を提供する。
【解決手段】合成樹脂発泡シートより成形し、収納凹部21を有する成形底部22と、その四方各辺に折曲起立自在に連接された側板部25a,25b,26,26を有し、各側板部を起立させてコンテナ本体10内に装入セットする内容器20であり、1つの側板部25aに、上部開口を閉蓋できる蓋板30をヒンジ部31を介して連接し、蓋板30の少なくとも側板部25aとの連接側辺との対向辺に、閉蓋時に起立した側板部25bとコンテナ本体10との間に挿し込まれて側板部25bと係合される挿し込み係合片32をヒンジ部33を介して連設する。
【解決手段】合成樹脂発泡シートより成形し、収納凹部21を有する成形底部22と、その四方各辺に折曲起立自在に連接された側板部25a,25b,26,26を有し、各側板部を起立させてコンテナ本体10内に装入セットする内容器20であり、1つの側板部25aに、上部開口を閉蓋できる蓋板30をヒンジ部31を介して連接し、蓋板30の少なくとも側板部25aとの連接側辺との対向辺に、閉蓋時に起立した側板部25bとコンテナ本体10との間に挿し込まれて側板部25bと係合される挿し込み係合片32をヒンジ部33を介して連設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として野菜や果物等の農産物の出荷、輸送に使用される農産物用コンテナの内容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種物品の物流用のコンテナとして、使用後のコンテナの返送に際して、該コンテナの占める容積を小さくするために、折り畳み式のコンテナが使用されることが多くなっている。この種の折り畳み式のコンテナとしては、組み立て及び折り畳みの操作が簡単であること、耐久性、耐圧荷重性等といった要求を満たすことが求められており、その一つとして、下記の特許文献1に示される合成樹脂製の折り畳み式のコンテナが知られている。
【0003】
近年は、前記の折り畳み式のコンテナを野菜や果物、根菜類、キノコ類等の各種農産物の出荷、輸送等に使用されることも多く、このような農産物の産地から消費地への輸送においては、断熱性が要求されることから、特許文献1のように底板や側板等の構成部材を合成樹脂発泡体等による断熱性を有する材料により構成することも提案されている。
【0004】
ところで、ブロッコリー等の農産物の出荷、輸送等においては、コンテナに農産物を収納した状態で予冷を行った後、氷詰めして出荷、輸送に供する場合がある。この場合、前記の折り畳み方式のコンテナでは、氷が解けることによって生じる水が漏れ出ることになり、輸送車両や工場の床面を濡らす等の問題が生じる。そのため、前記一方の相対向する側板が中折れする形態の折り畳みコンテナを農産物の出荷、輸送に使用する場合には、組み立て及び折り畳みが容易であること、保冷のための断熱性を有することに加えて、前記の水漏れを防止できることが望まれる。
【0005】
下記の特許文献2には、使用時の組み立て及び返送時の折り畳みを容易にして、かつ水漏れが生じない構造を備えた折り畳みコンテナとして、下部側板を底板と一体に容器状に形成して水漏れを生じさせないすることが提案されているが、この場合、下部側板が底板と一体形成されているために、折り畳み状態においても、コンテナ高さの略1/2程度が折り畳まれるだけであり、折り畳み状態が嵩高になり、取り扱い難い等の問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、折り畳み可能なコンテナ本体と、使い捨ても可能な合成樹脂発泡シートからなる内容器との組合せにより、使用状態においては簡易な断熱性を保有して農産物の保護を良好になし、かつ氷詰めした場合の水漏れを防止することが提案されている。通常、かかる内容器としては、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形しておいて、使用時に容器状に組み立てて外箱としてのコンテナ本体に装入セットするようにしている。
【0007】
ところで、前記内容器としては、断熱性を確保し内容物を保護する目的で、内容器の上部開口を閉塞する蓋板を備えているのが普通であるが、この蓋板が内容器とは別体のものであると、使用までの取り扱いが面倒になる上、被着状態が不安定になるといった問題がある。そのため、内容器の相対向両辺の側板部による開口縁部にヒンジ部を介してフラップ状の蓋板を連接しておき、該蓋板により内容器の上部開口を覆い閉蓋状態に保持することが考えられている。
【0008】
この場合、各側板部を起立させて組み立てた状態では、相対向両辺に蓋板が連接されていることもあって、組み立て状態に保持し難く、コンテナ本体への装入セット作業は容易ではない。しかも、コンテナ本体に装入した状態において蓋板を開いた開蓋状態においては、上部開口の相対向する両側から起ち上がった蓋板がやや内方に傾斜した状態になるために、上部開口を大きく開くことができず、収納対象物である農産物の収納及び取り出し操作が行い難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭63−96031号公報
【特許文献2】特開2000−62771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形された内容器として、コンテナ本体へ装入セット作業が容易で、かつ開蓋状態において開口上方の視野を広くでき、収納対象物の収納及び取り出し操作も容易であり、また簡単な挿し込み係合操作で蓋板を閉蓋状態に保持できる農産物用コンテナの内容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明は、農産物用コンテナの内容器であって、合成樹脂発泡シートにより一体に展開状態で成形され、下方に凹設された収納凹部を有する平面矩形の成形底部と、該成形底部の4方各辺にそれぞれヒンジ部を介して折曲起立自在に連接された側板部を有し、各側板部を起立させた状態で外箱としてのコンテナ本体内に装入セットされる内容器において、一方の相対向する側板部の1つに、起立した各側板部による収納部の上部開口を閉蓋できる蓋板がヒンジ部を介して連接されており、該蓋板の少なくとも前記連接側辺との対向辺に、閉蓋時に蓋板連接側の側板部と対向して起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がヒンジ部を介して連設されてなることを特徴とする。
【0012】
この農産物用コンテナの内容器によれば、使用に際して四方の各側板部を起立させて組み立てた状態において、前記蓋板を閉蓋方向に折曲すれば、蓋板連接側の側板部を起立状態に保持できるため、蓋板連接側とは反対側の側板部の両端部を、これに隣接する側板部とともに把持することで、内容器を組み立て状態に保持したまま持ち上げることができ、コンテナ本体への装入セット作業を容易に行うことができる。また、前記内容器をコンテナ本体に装入した状態において、前記蓋板を起立させておくことにより上部開口を大きく開くことができ、収納対象物の収納及び取り出し操作を容易に行うことができる。
【0013】
また、前記蓋板を上部開口を覆うように被せて閉蓋する際、蓋体の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片を側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで該側板部と係合させることにより、該蓋板を閉蓋状態に保持することができる。これにより、蓋板を閉蓋状態に保持することができる。この閉蓋状態においては、内容器が適度に断熱性を有することにより、収納される農産物を保冷状態に保持して保護でき、かつ容器状の成形底部を有するために、氷詰めした場合の氷が解けても水漏れするおそれがなく、コンテナ本体を網構造とすることも問題なく可能になる。
【0014】
前記農産物用コンテナの内容器において、前記挿し込み係合片の先端側縁部が、容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部とする三角山形状をなしているものが好ましい。これにより、コンテナ本体に内容器を装入セットした状態において蓋板を閉じるとき、前記挿し込み係合片を、前記頂部から側板部とコンテナ本体の側板との間に難なく挿し込んで該三角山形状の先端側縁部の形状をガイドとして係合させることができ、閉蓋操作を容易に行うことができる。
【0015】
前記の農産物用コンテナの内容器において、前記蓋板の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片に加えて、前記蓋板の前記連接側辺を挟んで対向する両側辺にも、閉蓋時に起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がそれぞれヒンジ部を介して連設されてなるものとすることができる。この挿し込み係合片についても、側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで該側板部と係合させる。これにより、蓋板による閉蓋状態を良好に保持でき、内部の収納物の保護を良好になし得る。
【0016】
前記の農産物用コンテナの内容器において、挿し込み係合片の内側面と、各側板の外側面とに、該挿し込み係合片を起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込んだときに係合する係合手段としての凸部が設けられてなるものとすることができる。特に、前記挿し込み係合片の凸部が、断面円弧状で容器幅方向に沿う凸条をなし、前記側板部の凸部が、該側板部の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面に形成されてなるものとすることができる。これにより、閉蓋操作の際には、挿し込み係合片を側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで前記凸部の傾斜面に沿って滑らせるようにして容易に挿し込み係合でき、挿し込み係合した状態においては、コンテナ本体の側板により挿し込み係合片のはね上がりが規制されていることもあって、前記凸部同士の係合状態を良好に保持できる。
【0017】
前記の農産物用コンテナの内容器において、蓋板には、反り防止用の凹部又は凸部が多数形成されてなるものとすることができ、これにより蓋板を補強でき、蓋板の反りの発生を防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の農産物用コンテナの内容器によれば、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形された内容器を組み立てた状態を保持し易くてコンテナ本体へ装入セット作業が行い易く、しかも開蓋状態においては上部開口を視野を広くして大きく開くことができ、収納対象物の農産物の収納及び取り出し操作が容易であり、また簡単な挿し込み係合操作で蓋板を閉蓋状態に保持でき、ひいては収納される農産物の保護を良好になし得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の1実施例を示すコンテナ本体と分離した内容器の斜視図である。
【図1B】コンテナ本体の1例を示す斜視図である。
【図2】同上の内容器の蓋板を展開した状態の平面図である。
【図3】同上の内容器の側面図である。
【図4】図2のA−A線の断面図である。
【図5】図2のB−B線における断面図である。
【図6】図2のC−C線における断面図である。
【図7】同上の内容器を組み立てて蓋板を開いてコンテナ本体に装入セットした状態の斜視図である。
【図8】同上の断面図である。
【図9】同上の蓋板を閉蓋した状態の断面図である。
【図10】同上の蓋板の閉蓋前(a)と閉蓋状態(b)の一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0021】
図において、10は農産物用コンテナの外箱としての平面矩形のコンテナ本体、20は保形性があってかつ曲げ変形が可能な弾性を有する合成樹脂発泡シートにより展開状態で一体に成形されてなる本発明に係る内容器であり、組み立て状態で前記コンテナ本体10内に装入セットされて使用される。
【0022】
前記コンテナ本体10は、一方の相対向する側板が中折れする形態の従来の折り畳みコンテナと基本的に同様の構成をなすものであり、平面長方形又は正方形等の平面矩形の底板11、四方の各側板12,12;13,13、平面矩形の上部枠14の各構成部材が、それぞれ合成樹脂材により個別に成形されて、次のように連結構成されている。
【0023】
前記四方の側板12,12;13,13のうち、縦横一方の相対向する側板、例えば平面長方形の場合、図のように長辺側の側板12は、前記底板11の対向辺部にヒンジ部15を介して内側に折曲可能に連接されるとともに、高さ方向の中央部で上部側板12aと下部側板12bとがヒンジ構造の連結部16を介して内方に向かって中折れ可能に連接形成されている。また前記両側板12の上端部は前記上部枠14に対し折曲可能に連結されている。図中の17は提げ手用の開口部を示す。
【0024】
また、四方の側板12,12;13,13のうち、前記側板12と直交する縦横他方の相対向する側板、例えば平面長方形の場合、図のように短辺側の側板13,13は、それぞれ上端部が前記上部枠14に軸支されて、組み立て状態においては下端部が底板11の端部の係止部に係止して垂下状態に保持されるとともに、前記軸支部(図示せず)を中心として内方に跳ね上がる方向に回動可能に支持されている。これにより、前記両側板13,13が垂下した状態においては、前記一方の両側板12,12の中折れが規制されて組み立て状態を保持し、また、前記両側板13,13を内側上方に回動した状態にすることにより、前記一方の両側板12,12を中央部で中折れさせて前記底板11上に折り畳み、さらに該側板12、12の上に前記他方の側板13,13を重ねることができるようになっている。
【0025】
そして、本発明にかかる内容器20は、前記のように展開状態で一体に成形されてなり、下方に凹設された一つもしくは複数の収納凹部21を有する容器状をなしかつコンテナ本体10の底板11上に載置される平面長方形又は正方形等の平面矩形の成形底部22と、該成形底部22の四方各辺にそれぞれヒンジ部23及び24を介して折曲起立自在に連接された側板部25a,25b及び26,26とを有してなり、前記各側板部25a,25b及び26,26が起立した組み立て状態において、前記コンテナ本体10内に各側板12,13の内側に沿って装入セットされるように形成されている。
【0026】
すなわち、前記内容器20は、成形底部22の外形及び各側板部25a,25b及び26,26の起立状態の外形の縦横の寸法が、前記コンテナ本体10の内側の縦横の寸法とほぼ同程度の寸法とされ、各側板部25a,25b及び26,26を起立させた状態で、前記コンテナ本体10の内側に妄りに動かないように安定性よく装入セットできるようになっている。通常、前記成形底部22は、前記収納凹部21の開口縁を形成するフランジ状の周縁部22aを残して凹設され、縦横各辺の該周縁部22aに前記ヒンジ部23、24を介して各側板部25a,25b及び26,26がそれぞれ連接されており、前記成形底部22の周縁部22aによる外形寸法がコンテナ本体10の内側寸法と略同程度になるように形成されている。
【0027】
前記各側板部25a,25b及び26,26のうちの縦横一方の相対向する側板部、例えば図のように短辺側の側板部26の両側端に、それぞれ起立状態において他方の相対向する側板部、例えば図のように長辺側の側板部25a,25bの内側に折り込まれる折り込み片28,28がヒンジ部27,27を介して連接されており、組立て状態において起立した側板部25a,25b及び26,26間のコーナー部分を遮蔽できるようになっている。
【0028】
前記折り込み片28の隅角部側の端縁は、側板部25a,25b及び26,26を起立させた組み立て状態において前記成形底部22における周縁部22aと平行をなすように形成されており、該折り込み片28を伝い流れる水が隅部に集まらないように形成されている。
【0029】
さらに、この実施例の場合、前記内容器20の成形底部22の周縁部22aにおける四隅部に、内方に向かって傾斜して収納凹部21に至る傾斜凹部29が設けられている。これにより、起立した側板部25a,25b及び26,26の端縁同士が突き合わせ状態になるコーナー部の隅部において、側板部25a,25b及び26,26の側端及び折り込み片28の端縁やヒンジ部27を伝い流れる水が成形底部22の前記周縁部22aの傾斜凹部29に入り、収納凹部21内に流れ込むようになっている。
【0030】
前記四方各辺の側板部25a,25b及び26,26のうち一方の相対向する側板部、例えば長辺側の側板部の1つの側板部25aに、起立した各側板部25a,25b及び26,26により囲まれた収納部の上部開口の全体を覆い閉蓋できる蓋板30がヒンジ部31を介して連接されている。
【0031】
前記蓋板30には、少なくとも前記側板部25aとの連接側辺との対向辺に、閉蓋時に起立した側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込まれて該側板部25bと後述する係合手段により係合される挿し込み係合片32がヒンジ部33を介して連設されている。図の実施例の場合は、前記連接側辺を挟んで対向する両側辺にも、それぞれヒンジ部34,34を介して、閉蓋時に起立した短辺側の側板部26,26とコンテナ本体10の側板13,13との間に挿し込まれて該側板部26,26と適宜係合手段により係合される挿し込み係合片35,35が連設されている。
【0032】
前記蓋板30の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片32は、その先端側縁部32aが容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部36とする三角山形状をなしており、側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込む際、前記頂部36から容易に挿し込めるようになっている。前記挿し込み係合片32の両側端縁は先端側形状縁32aに向かって傾斜をなし、側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込み易くなっている。
【0033】
また、前記蓋板30の側板部25aとの連接側辺を挟んで対向する両側辺の挿し込み係合片35,35についても、それぞれ先端側縁部に向かって幅が狭くなるように両側端縁が傾斜して平面台形状をなしており、側板部26とコンテナ本体10の側板13との間に挿し込み易くなっているが、該挿し込み係合片35の前記蓋板30の前記連接側辺に連続する端縁35aは、前記連接側辺の延長線、すなわちヒンジ部34と直角の線に対する傾斜角度αが、10°前後の僅かな傾斜をなしている。これにより、内容器20をコンテナ本体10内に装入セットして蓋板30を開いた状態においては、図7のように、前記挿し込み係合片35の傾斜した端縁35aが側板部26又はコンテナ本体10の上枠部に当接して引っ掛かって、該蓋板30が僅かに傾斜(10°前後)して立った状態になるので、内容器20の上部が広く開放されることで、収納対称物の収納及び取り出し操作を容易に行えるようになっている。
【0034】
これが仮に、前記挿し込み係合片35の端縁35aの傾斜角度αが大きくなると、蓋板30を開いた状態において、蓋板30が内容器の上部開口を覆うように大きく傾斜することになり、それだけ開口上方の視野が狭くなり、収納対象物の収納及び取り出し操作が行い難くなる。そのため、前記のように蓋板30を直立に近い状態に立った状態に成るのが望ましい。
【0035】
前記蓋板30の閉蓋時に対応する前記挿し込み係合片32及び挿し込み係合片35と前記側板部25b及び26には、前記挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んだときに互いに係合する係合手段が設けられている。
【0036】
前記の係合手段としては、種々の係合構造による実施が可能であるが、図示する実施例の場合、前記挿し込み係合片32及び35,35の内側面と前記側板部25b及び26,26の外側面に互いに係合する係合手段としての凸部が設けられている。すなわち、前記側板部25b及び側板部26,26には、それぞれ起立時の上端側縁部に、外面側に突出形成された係合用の凸部41及び42が長手方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記挿し込み係合片32及び35には、容器幅方向に沿う凸条をなす係合用の凸部38及び39が設けられており、前記挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んだときに、前記凸部38及び39が前記凸部41及び42を弾性変形しながら弾力的に乗り越えて該凸部41及び42の下側に係合するように設けられている。
【0037】
前記側板部25b及び26の凸部41及び42は、内容器20をコンテナ本体10内に装入セットした状態において、コンテナ本体10の側板内面に当接することで、上記したように前記成形底部22の周縁部22aによる外形寸法がコンテナ本体10の内側寸法と略同程度であっても、該側板部25b及び26が内方に弾性変形することになって、図8及び図10(a)のように、該側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板内面との間に所定の間隙Sを保有できるようになっている。
【0038】
前記の間隙Sは前記凸部41及び42の突出高さによって任意に設定でき、実施上は、10mm程度になるように設定しておくのが好ましい。いずれにしても、前記側板部25b及26の凸部41及び42は、図10に拡大して示すように、該側板部25b及26の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面41a及び42aに形成しておくのが、 閉蓋操作の際に、挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12又は13との間に挿し込むと、前記凸部41及び42の傾斜面41a及び42aに沿って滑らせるようにして容易に挿し込み係合できるようになっている。なお、前記挿し込み係合片32及び35の凸部38及び39は、前記凸部を乗り越える際の滑りをよくするために、断面円弧状の凸条とし、その突出高さは、前記凸部41及び42の突出高さよりも低く設定される。
【0039】
前記蓋板30は、平板状であってもよいが、図の場合は、該蓋板30の周辺部を除く中央部の領域に反り防止用の凹部や凸部等の型付け部が設けられる。図の場合、閉蓋時の上面側で凹状、下面側で凸状をなす例えば平面六角形の多数の型付け部43がハニカム状に画するように形成され、各型付け部間がリブ構造をなしている。この反り防止用の凹部や凸部等の型付け部としては、種々の形状、配置による実施が可能である。例えば縦横の格子状のリブ構造の凸部や凹部を設けて実施することもできる。
【0040】
また、成形底部22の底面部は、単純な平板状をなすものであってもよいが、図の実施例の場合は、農産物等の収納対象物の受けとなる凸部45と、収納た両側板の仕切用凸部意匠物により生じる水を溜めることができる凹部46とを有する凹凸形状をなしており、この凹凸形状により底面部を補強できるとともに、収納物が凹部に溜まる水に接触した状態になるのを回避できるようになっている。前記底面部の形状としては、収納対象物の種類に応じて適宜変更して実施することができる。
【0041】
なお、上記した実施例において、構成各部のヒンジ部23、24、27、31、33、34としては、いずれも、図4にヒンジ部23について拡大して示すように、平行な2条のV形溝により略直角に折曲できるように形成される。
【0042】
また、前記内容器20は、展開状態における外周縁部47が、図4に一部を拡大して示しているように、全周に亘って数mm(2〜5mm)の幅で加熱押圧手段により押し潰し加工されて補強され、外周縁部47からの破損が生じないようにされている。
【0043】
上記した実施例の内容器10の構成素材としては、適度の弾性を有し断熱性を有する合成樹脂発泡シートが用いられる。合成樹脂発泡シートとしては、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン及び架橋ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂その他の適度の弾力性があって、かつ使用上において必要な保形強度を有する各種の熱可塑性の合成樹脂発泡シートを用いることができる。保形性やコスト面から、ポリスチレン系樹脂発泡シートが好適に用いられる。
【0044】
前記の合成樹脂発泡シートの厚みは、素材によっても異なるが、通常、1mm以上の厚みで、好ましくは10mm以下の厚み、さらに好ましくは1〜6mmの範囲のものが、成形性や保形強度等を考慮して用いられる。例えば、ポリスチレン系樹脂発泡シートの場合、1〜5mm程度が好ましく、発泡倍率または密度は、5〜15倍程度の発泡シートが好適に使用される。
【0045】
前記内容器20は、前記合成樹脂発泡シートを素材として、金型を用いる真空成形等の手段により上記した形態の展開状態に成形され、同時に押し潰し加工されトリミングされる。
【0046】
上記した実施例の農産物用コンテナの内容器20は、コンテナ本体10に装入使用するまでの保管、輸送等の取り扱いにおいては、展開状態で複数枚を重ねた状態にして嵩低くしておく。これにより輸送等の取り扱いは容易である。コンテナ本体10については、一方の相対向する側板12,12を中折れ状態で底板11上に折り重ね、さらにその上に他方の相対向する側板13,13を重ねた状態で嵩低く折り畳んでおくことができる。
【0047】
そして、前記内容器20の使用に際して、四方各辺の側板部25a,25b,26,26を成形容器22に対し略垂直に起立させて組み立てた状態において、図のように側板部25aに連接されている蓋板30をヒンジ部31から閉蓋方向に折曲すれば、蓋板30が連接されている側板部25aの展開方向への倒れを規制でき、該側板部25aを起立状態に保持できるため、蓋板30の連接側とは反対側の側板部25bの両端部を、これに隣接する両側板部26,26とともに把持することで、該内容器20を組み立て状態に保持したまま持ち上げることができ、コンテナ本体10への装入セット作業を容易に行うことができる。
【0048】
このように内容器20をコンテナ本体10に装入セットした状態においては、前記蓋板30を起立させておくことにより上部開口を大きく開くことができる。特に、蓋板30の連接側辺を挟んで対向する両辺の挿し込み係合片35の端縁35aの連接側辺の延長線に対する傾斜確度αが10°前後であることにより、図7のように、前記挿し込み係合片35の傾斜した端縁35aが側板部26上あるいはコンテナ本体10の上枠部14に当接し引っかかった状態になって閉蓋方向へのそれ以上の倒れが規制されることで僅かに傾斜して立った状態になり、内容器20の上部が広く開放され、収納対象物の収納及び取り出し操作を容易に行えることになる。
【0049】
そして、内容器20の上部開口に前記蓋板30を被せて閉蓋状態にするが、この際、前記蓋板30の連接側辺との対向辺の挿し込み係合片32、及び前記連接側辺を挟んで対向する両側辺の挿し込み係合片35を、それぞれ側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んで、該側板部25b又は26と係合させることにより、該蓋板30を閉蓋状態に保持することができる。
【0050】
特に、前記側板部25b及び側板部26には、外側面に突出した係合手段としての凸部41及び42が、また挿し込み係合片32及び35には内面側に突出した係合手段として凸部38及び39が設けられているので、前記凸部41及び42によって側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板内面との間に生じた間隙Sに、前記挿し込み係合片32および35を挿し込むことにより、側板部25b及び26を内方へ弾性変形させながら前記凸部38および39が前記凸部41及び42を乗り越えて該凸部41,42の下側に入り込み係合する。これにより閉蓋状態を良好に保持できる。
【0051】
この閉蓋状態においては、内容器20が合成樹脂発泡シート製で適度に断熱性を有することにより、収納対象物である農産物を保冷状態に保持して保護でき、かつ容器状の成形底部22を有するために、氷詰めした場合の氷が解けても水漏れするおそれがなく、収納状態での保管場所や輸送車両の床面やを濡らすことがない。またコンテナ本体10を、例えば図のような網構造をなす板材よりなるものとすることも問題なく可能になる。
【0052】
また、輸送先(消費地)からのコンテナの繰り返し使用のための返送時には、内容器20をコンテナ本体10から抜き出すことにより、コンテナ本体10を容易に嵩低く折り畳むことができ、返送のための輸送コストを低減できる。分離した内容器20については、これを展開状態にして複数枚を重ねて返送することもできるが、使い捨てにすることも可能である。
【符号の説明】
【0053】
10…コンテナ本体、11…底板、12…一方の側板、12a…上部側板、12b…下部側板、13…側板、14…上部枠、15…ヒンジ部、16…連結部、17…提げ手用の開口部、20…内容器、21…収納凹部、22…成形底部、22a…周縁部、23,24…ヒンジ部、25a,25b,26…側板部、27…ヒンジ部、28…折り込み片、29…傾斜凹部、30…蓋板、31…ヒンジ部、32…挿し込み係合片、32a…先端側縁部、33…ヒンジ部、34…ヒンジ部、35…挿し込み係合片、35a…端縁、36…頂部、38,39…凸部、41,42…凸部、41a,42a…傾斜面、43…凹部、45…凸部、46…凹部、47…外周縁部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として野菜や果物等の農産物の出荷、輸送に使用される農産物用コンテナの内容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種物品の物流用のコンテナとして、使用後のコンテナの返送に際して、該コンテナの占める容積を小さくするために、折り畳み式のコンテナが使用されることが多くなっている。この種の折り畳み式のコンテナとしては、組み立て及び折り畳みの操作が簡単であること、耐久性、耐圧荷重性等といった要求を満たすことが求められており、その一つとして、下記の特許文献1に示される合成樹脂製の折り畳み式のコンテナが知られている。
【0003】
近年は、前記の折り畳み式のコンテナを野菜や果物、根菜類、キノコ類等の各種農産物の出荷、輸送等に使用されることも多く、このような農産物の産地から消費地への輸送においては、断熱性が要求されることから、特許文献1のように底板や側板等の構成部材を合成樹脂発泡体等による断熱性を有する材料により構成することも提案されている。
【0004】
ところで、ブロッコリー等の農産物の出荷、輸送等においては、コンテナに農産物を収納した状態で予冷を行った後、氷詰めして出荷、輸送に供する場合がある。この場合、前記の折り畳み方式のコンテナでは、氷が解けることによって生じる水が漏れ出ることになり、輸送車両や工場の床面を濡らす等の問題が生じる。そのため、前記一方の相対向する側板が中折れする形態の折り畳みコンテナを農産物の出荷、輸送に使用する場合には、組み立て及び折り畳みが容易であること、保冷のための断熱性を有することに加えて、前記の水漏れを防止できることが望まれる。
【0005】
下記の特許文献2には、使用時の組み立て及び返送時の折り畳みを容易にして、かつ水漏れが生じない構造を備えた折り畳みコンテナとして、下部側板を底板と一体に容器状に形成して水漏れを生じさせないすることが提案されているが、この場合、下部側板が底板と一体形成されているために、折り畳み状態においても、コンテナ高さの略1/2程度が折り畳まれるだけであり、折り畳み状態が嵩高になり、取り扱い難い等の問題がある。
【0006】
このような問題を解決するために、折り畳み可能なコンテナ本体と、使い捨ても可能な合成樹脂発泡シートからなる内容器との組合せにより、使用状態においては簡易な断熱性を保有して農産物の保護を良好になし、かつ氷詰めした場合の水漏れを防止することが提案されている。通常、かかる内容器としては、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形しておいて、使用時に容器状に組み立てて外箱としてのコンテナ本体に装入セットするようにしている。
【0007】
ところで、前記内容器としては、断熱性を確保し内容物を保護する目的で、内容器の上部開口を閉塞する蓋板を備えているのが普通であるが、この蓋板が内容器とは別体のものであると、使用までの取り扱いが面倒になる上、被着状態が不安定になるといった問題がある。そのため、内容器の相対向両辺の側板部による開口縁部にヒンジ部を介してフラップ状の蓋板を連接しておき、該蓋板により内容器の上部開口を覆い閉蓋状態に保持することが考えられている。
【0008】
この場合、各側板部を起立させて組み立てた状態では、相対向両辺に蓋板が連接されていることもあって、組み立て状態に保持し難く、コンテナ本体への装入セット作業は容易ではない。しかも、コンテナ本体に装入した状態において蓋板を開いた開蓋状態においては、上部開口の相対向する両側から起ち上がった蓋板がやや内方に傾斜した状態になるために、上部開口を大きく開くことができず、収納対象物である農産物の収納及び取り出し操作が行い難くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭63−96031号公報
【特許文献2】特開2000−62771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形された内容器として、コンテナ本体へ装入セット作業が容易で、かつ開蓋状態において開口上方の視野を広くでき、収納対象物の収納及び取り出し操作も容易であり、また簡単な挿し込み係合操作で蓋板を閉蓋状態に保持できる農産物用コンテナの内容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明は、農産物用コンテナの内容器であって、合成樹脂発泡シートにより一体に展開状態で成形され、下方に凹設された収納凹部を有する平面矩形の成形底部と、該成形底部の4方各辺にそれぞれヒンジ部を介して折曲起立自在に連接された側板部を有し、各側板部を起立させた状態で外箱としてのコンテナ本体内に装入セットされる内容器において、一方の相対向する側板部の1つに、起立した各側板部による収納部の上部開口を閉蓋できる蓋板がヒンジ部を介して連接されており、該蓋板の少なくとも前記連接側辺との対向辺に、閉蓋時に蓋板連接側の側板部と対向して起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がヒンジ部を介して連設されてなることを特徴とする。
【0012】
この農産物用コンテナの内容器によれば、使用に際して四方の各側板部を起立させて組み立てた状態において、前記蓋板を閉蓋方向に折曲すれば、蓋板連接側の側板部を起立状態に保持できるため、蓋板連接側とは反対側の側板部の両端部を、これに隣接する側板部とともに把持することで、内容器を組み立て状態に保持したまま持ち上げることができ、コンテナ本体への装入セット作業を容易に行うことができる。また、前記内容器をコンテナ本体に装入した状態において、前記蓋板を起立させておくことにより上部開口を大きく開くことができ、収納対象物の収納及び取り出し操作を容易に行うことができる。
【0013】
また、前記蓋板を上部開口を覆うように被せて閉蓋する際、蓋体の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片を側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで該側板部と係合させることにより、該蓋板を閉蓋状態に保持することができる。これにより、蓋板を閉蓋状態に保持することができる。この閉蓋状態においては、内容器が適度に断熱性を有することにより、収納される農産物を保冷状態に保持して保護でき、かつ容器状の成形底部を有するために、氷詰めした場合の氷が解けても水漏れするおそれがなく、コンテナ本体を網構造とすることも問題なく可能になる。
【0014】
前記農産物用コンテナの内容器において、前記挿し込み係合片の先端側縁部が、容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部とする三角山形状をなしているものが好ましい。これにより、コンテナ本体に内容器を装入セットした状態において蓋板を閉じるとき、前記挿し込み係合片を、前記頂部から側板部とコンテナ本体の側板との間に難なく挿し込んで該三角山形状の先端側縁部の形状をガイドとして係合させることができ、閉蓋操作を容易に行うことができる。
【0015】
前記の農産物用コンテナの内容器において、前記蓋板の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片に加えて、前記蓋板の前記連接側辺を挟んで対向する両側辺にも、閉蓋時に起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がそれぞれヒンジ部を介して連設されてなるものとすることができる。この挿し込み係合片についても、側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで該側板部と係合させる。これにより、蓋板による閉蓋状態を良好に保持でき、内部の収納物の保護を良好になし得る。
【0016】
前記の農産物用コンテナの内容器において、挿し込み係合片の内側面と、各側板の外側面とに、該挿し込み係合片を起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込んだときに係合する係合手段としての凸部が設けられてなるものとすることができる。特に、前記挿し込み係合片の凸部が、断面円弧状で容器幅方向に沿う凸条をなし、前記側板部の凸部が、該側板部の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面に形成されてなるものとすることができる。これにより、閉蓋操作の際には、挿し込み係合片を側板部とコンテナ本体の側板との間に挿し込んで前記凸部の傾斜面に沿って滑らせるようにして容易に挿し込み係合でき、挿し込み係合した状態においては、コンテナ本体の側板により挿し込み係合片のはね上がりが規制されていることもあって、前記凸部同士の係合状態を良好に保持できる。
【0017】
前記の農産物用コンテナの内容器において、蓋板には、反り防止用の凹部又は凸部が多数形成されてなるものとすることができ、これにより蓋板を補強でき、蓋板の反りの発生を防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の農産物用コンテナの内容器によれば、合成樹脂発泡シートから展開状態で成形された内容器を組み立てた状態を保持し易くてコンテナ本体へ装入セット作業が行い易く、しかも開蓋状態においては上部開口を視野を広くして大きく開くことができ、収納対象物の農産物の収納及び取り出し操作が容易であり、また簡単な挿し込み係合操作で蓋板を閉蓋状態に保持でき、ひいては収納される農産物の保護を良好になし得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の1実施例を示すコンテナ本体と分離した内容器の斜視図である。
【図1B】コンテナ本体の1例を示す斜視図である。
【図2】同上の内容器の蓋板を展開した状態の平面図である。
【図3】同上の内容器の側面図である。
【図4】図2のA−A線の断面図である。
【図5】図2のB−B線における断面図である。
【図6】図2のC−C線における断面図である。
【図7】同上の内容器を組み立てて蓋板を開いてコンテナ本体に装入セットした状態の斜視図である。
【図8】同上の断面図である。
【図9】同上の蓋板を閉蓋した状態の断面図である。
【図10】同上の蓋板の閉蓋前(a)と閉蓋状態(b)の一部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0021】
図において、10は農産物用コンテナの外箱としての平面矩形のコンテナ本体、20は保形性があってかつ曲げ変形が可能な弾性を有する合成樹脂発泡シートにより展開状態で一体に成形されてなる本発明に係る内容器であり、組み立て状態で前記コンテナ本体10内に装入セットされて使用される。
【0022】
前記コンテナ本体10は、一方の相対向する側板が中折れする形態の従来の折り畳みコンテナと基本的に同様の構成をなすものであり、平面長方形又は正方形等の平面矩形の底板11、四方の各側板12,12;13,13、平面矩形の上部枠14の各構成部材が、それぞれ合成樹脂材により個別に成形されて、次のように連結構成されている。
【0023】
前記四方の側板12,12;13,13のうち、縦横一方の相対向する側板、例えば平面長方形の場合、図のように長辺側の側板12は、前記底板11の対向辺部にヒンジ部15を介して内側に折曲可能に連接されるとともに、高さ方向の中央部で上部側板12aと下部側板12bとがヒンジ構造の連結部16を介して内方に向かって中折れ可能に連接形成されている。また前記両側板12の上端部は前記上部枠14に対し折曲可能に連結されている。図中の17は提げ手用の開口部を示す。
【0024】
また、四方の側板12,12;13,13のうち、前記側板12と直交する縦横他方の相対向する側板、例えば平面長方形の場合、図のように短辺側の側板13,13は、それぞれ上端部が前記上部枠14に軸支されて、組み立て状態においては下端部が底板11の端部の係止部に係止して垂下状態に保持されるとともに、前記軸支部(図示せず)を中心として内方に跳ね上がる方向に回動可能に支持されている。これにより、前記両側板13,13が垂下した状態においては、前記一方の両側板12,12の中折れが規制されて組み立て状態を保持し、また、前記両側板13,13を内側上方に回動した状態にすることにより、前記一方の両側板12,12を中央部で中折れさせて前記底板11上に折り畳み、さらに該側板12、12の上に前記他方の側板13,13を重ねることができるようになっている。
【0025】
そして、本発明にかかる内容器20は、前記のように展開状態で一体に成形されてなり、下方に凹設された一つもしくは複数の収納凹部21を有する容器状をなしかつコンテナ本体10の底板11上に載置される平面長方形又は正方形等の平面矩形の成形底部22と、該成形底部22の四方各辺にそれぞれヒンジ部23及び24を介して折曲起立自在に連接された側板部25a,25b及び26,26とを有してなり、前記各側板部25a,25b及び26,26が起立した組み立て状態において、前記コンテナ本体10内に各側板12,13の内側に沿って装入セットされるように形成されている。
【0026】
すなわち、前記内容器20は、成形底部22の外形及び各側板部25a,25b及び26,26の起立状態の外形の縦横の寸法が、前記コンテナ本体10の内側の縦横の寸法とほぼ同程度の寸法とされ、各側板部25a,25b及び26,26を起立させた状態で、前記コンテナ本体10の内側に妄りに動かないように安定性よく装入セットできるようになっている。通常、前記成形底部22は、前記収納凹部21の開口縁を形成するフランジ状の周縁部22aを残して凹設され、縦横各辺の該周縁部22aに前記ヒンジ部23、24を介して各側板部25a,25b及び26,26がそれぞれ連接されており、前記成形底部22の周縁部22aによる外形寸法がコンテナ本体10の内側寸法と略同程度になるように形成されている。
【0027】
前記各側板部25a,25b及び26,26のうちの縦横一方の相対向する側板部、例えば図のように短辺側の側板部26の両側端に、それぞれ起立状態において他方の相対向する側板部、例えば図のように長辺側の側板部25a,25bの内側に折り込まれる折り込み片28,28がヒンジ部27,27を介して連接されており、組立て状態において起立した側板部25a,25b及び26,26間のコーナー部分を遮蔽できるようになっている。
【0028】
前記折り込み片28の隅角部側の端縁は、側板部25a,25b及び26,26を起立させた組み立て状態において前記成形底部22における周縁部22aと平行をなすように形成されており、該折り込み片28を伝い流れる水が隅部に集まらないように形成されている。
【0029】
さらに、この実施例の場合、前記内容器20の成形底部22の周縁部22aにおける四隅部に、内方に向かって傾斜して収納凹部21に至る傾斜凹部29が設けられている。これにより、起立した側板部25a,25b及び26,26の端縁同士が突き合わせ状態になるコーナー部の隅部において、側板部25a,25b及び26,26の側端及び折り込み片28の端縁やヒンジ部27を伝い流れる水が成形底部22の前記周縁部22aの傾斜凹部29に入り、収納凹部21内に流れ込むようになっている。
【0030】
前記四方各辺の側板部25a,25b及び26,26のうち一方の相対向する側板部、例えば長辺側の側板部の1つの側板部25aに、起立した各側板部25a,25b及び26,26により囲まれた収納部の上部開口の全体を覆い閉蓋できる蓋板30がヒンジ部31を介して連接されている。
【0031】
前記蓋板30には、少なくとも前記側板部25aとの連接側辺との対向辺に、閉蓋時に起立した側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込まれて該側板部25bと後述する係合手段により係合される挿し込み係合片32がヒンジ部33を介して連設されている。図の実施例の場合は、前記連接側辺を挟んで対向する両側辺にも、それぞれヒンジ部34,34を介して、閉蓋時に起立した短辺側の側板部26,26とコンテナ本体10の側板13,13との間に挿し込まれて該側板部26,26と適宜係合手段により係合される挿し込み係合片35,35が連設されている。
【0032】
前記蓋板30の前記連接側辺との対向辺の挿し込み係合片32は、その先端側縁部32aが容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部36とする三角山形状をなしており、側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込む際、前記頂部36から容易に挿し込めるようになっている。前記挿し込み係合片32の両側端縁は先端側形状縁32aに向かって傾斜をなし、側板部25bとコンテナ本体10の側板12との間に挿し込み易くなっている。
【0033】
また、前記蓋板30の側板部25aとの連接側辺を挟んで対向する両側辺の挿し込み係合片35,35についても、それぞれ先端側縁部に向かって幅が狭くなるように両側端縁が傾斜して平面台形状をなしており、側板部26とコンテナ本体10の側板13との間に挿し込み易くなっているが、該挿し込み係合片35の前記蓋板30の前記連接側辺に連続する端縁35aは、前記連接側辺の延長線、すなわちヒンジ部34と直角の線に対する傾斜角度αが、10°前後の僅かな傾斜をなしている。これにより、内容器20をコンテナ本体10内に装入セットして蓋板30を開いた状態においては、図7のように、前記挿し込み係合片35の傾斜した端縁35aが側板部26又はコンテナ本体10の上枠部に当接して引っ掛かって、該蓋板30が僅かに傾斜(10°前後)して立った状態になるので、内容器20の上部が広く開放されることで、収納対称物の収納及び取り出し操作を容易に行えるようになっている。
【0034】
これが仮に、前記挿し込み係合片35の端縁35aの傾斜角度αが大きくなると、蓋板30を開いた状態において、蓋板30が内容器の上部開口を覆うように大きく傾斜することになり、それだけ開口上方の視野が狭くなり、収納対象物の収納及び取り出し操作が行い難くなる。そのため、前記のように蓋板30を直立に近い状態に立った状態に成るのが望ましい。
【0035】
前記蓋板30の閉蓋時に対応する前記挿し込み係合片32及び挿し込み係合片35と前記側板部25b及び26には、前記挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んだときに互いに係合する係合手段が設けられている。
【0036】
前記の係合手段としては、種々の係合構造による実施が可能であるが、図示する実施例の場合、前記挿し込み係合片32及び35,35の内側面と前記側板部25b及び26,26の外側面に互いに係合する係合手段としての凸部が設けられている。すなわち、前記側板部25b及び側板部26,26には、それぞれ起立時の上端側縁部に、外面側に突出形成された係合用の凸部41及び42が長手方向に間隔をおいて複数設けられるとともに、前記挿し込み係合片32及び35には、容器幅方向に沿う凸条をなす係合用の凸部38及び39が設けられており、前記挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んだときに、前記凸部38及び39が前記凸部41及び42を弾性変形しながら弾力的に乗り越えて該凸部41及び42の下側に係合するように設けられている。
【0037】
前記側板部25b及び26の凸部41及び42は、内容器20をコンテナ本体10内に装入セットした状態において、コンテナ本体10の側板内面に当接することで、上記したように前記成形底部22の周縁部22aによる外形寸法がコンテナ本体10の内側寸法と略同程度であっても、該側板部25b及び26が内方に弾性変形することになって、図8及び図10(a)のように、該側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板内面との間に所定の間隙Sを保有できるようになっている。
【0038】
前記の間隙Sは前記凸部41及び42の突出高さによって任意に設定でき、実施上は、10mm程度になるように設定しておくのが好ましい。いずれにしても、前記側板部25b及26の凸部41及び42は、図10に拡大して示すように、該側板部25b及26の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面41a及び42aに形成しておくのが、 閉蓋操作の際に、挿し込み係合片32及び35を側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12又は13との間に挿し込むと、前記凸部41及び42の傾斜面41a及び42aに沿って滑らせるようにして容易に挿し込み係合できるようになっている。なお、前記挿し込み係合片32及び35の凸部38及び39は、前記凸部を乗り越える際の滑りをよくするために、断面円弧状の凸条とし、その突出高さは、前記凸部41及び42の突出高さよりも低く設定される。
【0039】
前記蓋板30は、平板状であってもよいが、図の場合は、該蓋板30の周辺部を除く中央部の領域に反り防止用の凹部や凸部等の型付け部が設けられる。図の場合、閉蓋時の上面側で凹状、下面側で凸状をなす例えば平面六角形の多数の型付け部43がハニカム状に画するように形成され、各型付け部間がリブ構造をなしている。この反り防止用の凹部や凸部等の型付け部としては、種々の形状、配置による実施が可能である。例えば縦横の格子状のリブ構造の凸部や凹部を設けて実施することもできる。
【0040】
また、成形底部22の底面部は、単純な平板状をなすものであってもよいが、図の実施例の場合は、農産物等の収納対象物の受けとなる凸部45と、収納た両側板の仕切用凸部意匠物により生じる水を溜めることができる凹部46とを有する凹凸形状をなしており、この凹凸形状により底面部を補強できるとともに、収納物が凹部に溜まる水に接触した状態になるのを回避できるようになっている。前記底面部の形状としては、収納対象物の種類に応じて適宜変更して実施することができる。
【0041】
なお、上記した実施例において、構成各部のヒンジ部23、24、27、31、33、34としては、いずれも、図4にヒンジ部23について拡大して示すように、平行な2条のV形溝により略直角に折曲できるように形成される。
【0042】
また、前記内容器20は、展開状態における外周縁部47が、図4に一部を拡大して示しているように、全周に亘って数mm(2〜5mm)の幅で加熱押圧手段により押し潰し加工されて補強され、外周縁部47からの破損が生じないようにされている。
【0043】
上記した実施例の内容器10の構成素材としては、適度の弾性を有し断熱性を有する合成樹脂発泡シートが用いられる。合成樹脂発泡シートとしては、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレン及び架橋ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂その他の適度の弾力性があって、かつ使用上において必要な保形強度を有する各種の熱可塑性の合成樹脂発泡シートを用いることができる。保形性やコスト面から、ポリスチレン系樹脂発泡シートが好適に用いられる。
【0044】
前記の合成樹脂発泡シートの厚みは、素材によっても異なるが、通常、1mm以上の厚みで、好ましくは10mm以下の厚み、さらに好ましくは1〜6mmの範囲のものが、成形性や保形強度等を考慮して用いられる。例えば、ポリスチレン系樹脂発泡シートの場合、1〜5mm程度が好ましく、発泡倍率または密度は、5〜15倍程度の発泡シートが好適に使用される。
【0045】
前記内容器20は、前記合成樹脂発泡シートを素材として、金型を用いる真空成形等の手段により上記した形態の展開状態に成形され、同時に押し潰し加工されトリミングされる。
【0046】
上記した実施例の農産物用コンテナの内容器20は、コンテナ本体10に装入使用するまでの保管、輸送等の取り扱いにおいては、展開状態で複数枚を重ねた状態にして嵩低くしておく。これにより輸送等の取り扱いは容易である。コンテナ本体10については、一方の相対向する側板12,12を中折れ状態で底板11上に折り重ね、さらにその上に他方の相対向する側板13,13を重ねた状態で嵩低く折り畳んでおくことができる。
【0047】
そして、前記内容器20の使用に際して、四方各辺の側板部25a,25b,26,26を成形容器22に対し略垂直に起立させて組み立てた状態において、図のように側板部25aに連接されている蓋板30をヒンジ部31から閉蓋方向に折曲すれば、蓋板30が連接されている側板部25aの展開方向への倒れを規制でき、該側板部25aを起立状態に保持できるため、蓋板30の連接側とは反対側の側板部25bの両端部を、これに隣接する両側板部26,26とともに把持することで、該内容器20を組み立て状態に保持したまま持ち上げることができ、コンテナ本体10への装入セット作業を容易に行うことができる。
【0048】
このように内容器20をコンテナ本体10に装入セットした状態においては、前記蓋板30を起立させておくことにより上部開口を大きく開くことができる。特に、蓋板30の連接側辺を挟んで対向する両辺の挿し込み係合片35の端縁35aの連接側辺の延長線に対する傾斜確度αが10°前後であることにより、図7のように、前記挿し込み係合片35の傾斜した端縁35aが側板部26上あるいはコンテナ本体10の上枠部14に当接し引っかかった状態になって閉蓋方向へのそれ以上の倒れが規制されることで僅かに傾斜して立った状態になり、内容器20の上部が広く開放され、収納対象物の収納及び取り出し操作を容易に行えることになる。
【0049】
そして、内容器20の上部開口に前記蓋板30を被せて閉蓋状態にするが、この際、前記蓋板30の連接側辺との対向辺の挿し込み係合片32、及び前記連接側辺を挟んで対向する両側辺の挿し込み係合片35を、それぞれ側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板12及び13との間に挿し込んで、該側板部25b又は26と係合させることにより、該蓋板30を閉蓋状態に保持することができる。
【0050】
特に、前記側板部25b及び側板部26には、外側面に突出した係合手段としての凸部41及び42が、また挿し込み係合片32及び35には内面側に突出した係合手段として凸部38及び39が設けられているので、前記凸部41及び42によって側板部25b及び26とコンテナ本体10の側板内面との間に生じた間隙Sに、前記挿し込み係合片32および35を挿し込むことにより、側板部25b及び26を内方へ弾性変形させながら前記凸部38および39が前記凸部41及び42を乗り越えて該凸部41,42の下側に入り込み係合する。これにより閉蓋状態を良好に保持できる。
【0051】
この閉蓋状態においては、内容器20が合成樹脂発泡シート製で適度に断熱性を有することにより、収納対象物である農産物を保冷状態に保持して保護でき、かつ容器状の成形底部22を有するために、氷詰めした場合の氷が解けても水漏れするおそれがなく、収納状態での保管場所や輸送車両の床面やを濡らすことがない。またコンテナ本体10を、例えば図のような網構造をなす板材よりなるものとすることも問題なく可能になる。
【0052】
また、輸送先(消費地)からのコンテナの繰り返し使用のための返送時には、内容器20をコンテナ本体10から抜き出すことにより、コンテナ本体10を容易に嵩低く折り畳むことができ、返送のための輸送コストを低減できる。分離した内容器20については、これを展開状態にして複数枚を重ねて返送することもできるが、使い捨てにすることも可能である。
【符号の説明】
【0053】
10…コンテナ本体、11…底板、12…一方の側板、12a…上部側板、12b…下部側板、13…側板、14…上部枠、15…ヒンジ部、16…連結部、17…提げ手用の開口部、20…内容器、21…収納凹部、22…成形底部、22a…周縁部、23,24…ヒンジ部、25a,25b,26…側板部、27…ヒンジ部、28…折り込み片、29…傾斜凹部、30…蓋板、31…ヒンジ部、32…挿し込み係合片、32a…先端側縁部、33…ヒンジ部、34…ヒンジ部、35…挿し込み係合片、35a…端縁、36…頂部、38,39…凸部、41,42…凸部、41a,42a…傾斜面、43…凹部、45…凸部、46…凹部、47…外周縁部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物用コンテナの内容器であって、合成樹脂発泡シートにより一体に展開状態で成形され、下方に凹設された収納凹部を有する平面矩形の成形底部と、該成形底部の4方各辺にそれぞれヒンジ部を介して折曲起立自在に連接された側板部を有し、各側板部を起立させた状態で外箱としてのコンテナ本体内に装入セットされる内容器において、
一方の相対向する側板部の1つに、起立した各側板部による収納部の上部開口を閉蓋できる蓋板がヒンジ部を介して連接されており、該蓋板の少なくとも前記連接側辺との対向辺に、閉蓋時に蓋板連接側の側板部と対向して起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がヒンジ部を介して連設されてなることを特徴とする農産物用コンテナの内容器。
【請求項2】
前記挿し込み係合片の先端側縁部が、容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部とする三角山形状をなしている請求項1に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項3】
蓋板の前記連接側辺を挟んで相対向する両辺に、それぞれ閉蓋時に起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がそれぞれヒンジ部を介して連設されてなる請求項1又は2に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項4】
各挿し込み係合片の内側面と、各側板部の外側面とに、該挿し込み係合片を、起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込んだときに係合する係合手段としての凸部が設けられてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項5】
前記挿し込み係合片の凸部が、断面円弧状で容器幅方向に沿う凸条をなしており、前記側板部の凸部が、該側板部の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面に形成されてなる請求項4に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項6】
蓋板には、反り防止用の凹部又は凸部が多数形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項1】
農産物用コンテナの内容器であって、合成樹脂発泡シートにより一体に展開状態で成形され、下方に凹設された収納凹部を有する平面矩形の成形底部と、該成形底部の4方各辺にそれぞれヒンジ部を介して折曲起立自在に連接された側板部を有し、各側板部を起立させた状態で外箱としてのコンテナ本体内に装入セットされる内容器において、
一方の相対向する側板部の1つに、起立した各側板部による収納部の上部開口を閉蓋できる蓋板がヒンジ部を介して連接されており、該蓋板の少なくとも前記連接側辺との対向辺に、閉蓋時に蓋板連接側の側板部と対向して起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がヒンジ部を介して連設されてなることを特徴とする農産物用コンテナの内容器。
【請求項2】
前記挿し込み係合片の先端側縁部が、容器幅方向に沿う長手方向中央部を頂部とする三角山形状をなしている請求項1に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項3】
蓋板の前記連接側辺を挟んで相対向する両辺に、それぞれ閉蓋時に起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込まれて該側板部と係合される挿し込み係合片がそれぞれヒンジ部を介して連設されてなる請求項1又は2に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項4】
各挿し込み係合片の内側面と、各側板部の外側面とに、該挿し込み係合片を、起立した側板部とコンテナ本体との間に挿し込んだときに係合する係合手段としての凸部が設けられてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項5】
前記挿し込み係合片の凸部が、断面円弧状で容器幅方向に沿う凸条をなしており、前記側板部の凸部が、該側板部の起立時の上部側が下部側より緩傾斜の傾斜面に形成されてなる請求項4に記載の農産物用コンテナの内容器。
【請求項6】
蓋板には、反り防止用の凹部又は凸部が多数形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の農産物用コンテナの内容器。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−35891(P2012−35891A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179659(P2010−179659)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【出願人】(000158943)株式会社積水技研 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【出願人】(000158943)株式会社積水技研 (35)
【Fターム(参考)】
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