説明

近接センサおよびI/Oモジュール

【課題】自己診断機能付き近接センサにおいて、近接センサからの信号受け側の例であるPLCに対する検出信号や自己診断信号の伝送配線数を削減する。
【解決手段】本発明による近接センサは、PLC側入力接点に配線接続されてセンサ出力を出力する近接センサであり、上記センサ出力が、検出対象の検出と非検出とに応じて少なくとも2つの第1、第2レベルに変化可能であると共に、自己診断結果に対応して第3レベルに変化することができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己診断機能付き近接センサおよびこれを入力機器としてプログラマブルコントローラ(以下、PLC)の入力接点に入力配線により接続するI/Oモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近接センサは、検出対象に非接触の状態で当該検出対象の存在や移動等を電気信号に置き換えて検出することができるものであり、種類も多く、またその用途も多岐にわたっている。
【0003】
例えば、検出対象が金属である高周波発振型や、検出対象が金属で無くても検出することができる静電容量方式等がある。
【0004】
こうした近接センサの信号出力形態にはアナログ出力、オンオフ出力等がある。そして近接センサは、例えばPLCに制御機器の状態を検知入力する入力機器の1つとして用いられる(特許文献1参照)。
【0005】
以上の近接センサでは検出対象の検出有無に応じてセンサ出力部からセンサ出力が出力されるようになっている。この場合、近接センサは例えば入力モジュールの入力接点に接続される。この近接センサと入力接点との間の配線には電源配線や検出信号の伝送配線等がある。
【0006】
一方、近接センサでは自己診断機能を備え、センサ状態を自己診断し、その診断結果を入力モジュールに伝達するようにしたものがすでに提案されている(特許文献2等参照)。こうした自己診断機能付近接センサを入力モジュールに接続する場合、上記伝送配線としては上記検出信号伝送用の配線に加えて、自己診断信号伝送用の配線を入力モジュールに接続することが必要となる。なお、I/Oモジュールには、入力モジュール、出力モジュール、入出力モジュール、通信、位置決め、カウンタなどの高機能モジュール等を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−076871
【特許文献2】特開2008−301158
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、自己診断機能付き近接センサでは、信号伝送用の配線としては検出信号伝送用の配線に加えて、自己診断信号伝送用の配線を接続する必要があるために、配線接続作業に手間が余分に必要となる。また、入力モジュール側には入力点数の配線数が増加する分、より多く必要となる。
【0009】
したがって、本発明により解決すべき課題は、自己診断機能付き近接センサにおいて、検出信号や自己診断信号伝送用配線数を削減可能として近接センサと入力モジュール等のPLCとの配線の手間を減らすことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明第1による近接センサは、信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
上記各信号のうち、第1信号についてはそのレベルを検出対象の検出と非検出とに応じて少なくとも2つのレベルに変えて単一配線に伝送出力すると共に、第2信号については自己診断結果が正常時は上記2つのレベルのうちのいずれか一方のレベルで、また、異常時はこれらレベルとは別のレベルで変換して上記単一配線に伝送出力することが可能となっている、ことを特徴とする。
【0011】
本発明第1では、例えば、検出対象の近接有りでかつ自己診断結果が正常の場合の論理、検出対象の近接無しでかつ自己診断結果が正常の場合の論理、検出対象の近接有りでかつ自己診断結果が異常の場合の論理、検出対象の近接無しでかつ自己診断結果が異常の場合の論理の組み合わせがある。そして、自己診断結果が正常の場合では、検出対象の検出信号の伝送を優先する。また、自己診断結果が異常の場合では、自己診断結果の信号の伝送を優先する。
【0012】
そして、制御回路では、これら論理において、信号の電気レベルとしては、自己診断結果が正常の場合では、検出対象の近接有無の検出として電気レベルが異なる2つの検出信号として伝送する。また、自己診断結果が異常の場合では、2つの検出信号とは異なる電気レベルとして自己診断結果の信号を伝送する。したがって、伝送用の配線としては単一として、伝送内の信号レベルが2つの検出信号のレベルと異なる電気レベルでない限りは自己診断結果は正常であり、その2つの検出信号のレベルにより検出対象の近接状態を伝送受け側では判断でき、また、伝送内の信号レベルが2つの検出信号のレベルと異なる電気レベルであれば、信号受け側では近接センサが異常であると判断することが可能となる。
【0013】
よつて、本発明に関わる近接センサでは、上記した近接有りと無しとの少なくとも2つの信号の伝送と、自己診断結果の信号の伝送とを単一の配線で受け側に伝送させることができ、受け側との配線が簡素化する近接センサを提供できるものとなる。
【0014】
好ましくは、本発明第1で、上記各レベルは電圧によるレベルである。この場合、上記第1信号と、第2信号とを入力ポートに入力すると共に、上記第1、第2信号を論理的に組み合わせ、その組み合わせに対応して論理信号を少なくとも2つの出力ポートから出力する制御回路と、上記制御回路の2つの出力ポートから出力される論理信号に対応して上記各信号を電圧レベルが異なる信号に変換すると共に、この変換した各信号を出力する出力回路と、を含むことが好ましい。
【0015】
好ましくは、本発明第1で、上記各レベルは電流によるレベルである。この場合、上記第1信号と、第2信号とを入力ポートに入力すると共に、上記第1、第2信号を論理的に組み合わせ、その組み合わせに対応して論理信号を出力ポートから出力する制御回路と、上記制御回路の出力ポートから出力される論理信号に対応して上記各信号を電流レベルが異なる信号に変換すると共に、この変換した各信号を出力する出力回路と、を含むことが好ましい。
【0016】
本発明第1では、例えば、検出対象の近接有りでかつ自己診断結果が正常の場合の論理、検出対象の近接無しでかつ自己診断結果が正常の場合の論理、検出対象の近接有りでかつ自己診断結果が異常の場合の論理、検出対象の近接無しでかつ自己診断結果が異常の場合の論理の組み合わせがある。そして、自己診断結果が正常の場合では、検出対象の検出信号の伝送を優先する。また、自己診断結果が異常の場合では、自己診断結果の信号の伝送を優先する。
【0017】
そして、制御回路では、これら論理において、信号の電気レベルとしては、自己診断結果が正常の場合では、検出対象の近接有無の検出として電気レベルが異なる2つの検出信号として伝送する。また、自己診断結果が異常の場合では、2つの検出信号とは異なる電気レベルとして自己診断結果の信号を伝送する。したがって、伝送用の配線としては単一として、伝送内の信号レベルが2つの検出信号のレベルと異なる電気レベルでない限りは自己診断結果は正常であり、その2つの検出信号のレベルにより検出対象の近接状態を伝送受け側では判断でき、また、伝送内の信号レベルが2つの検出信号のレベルと異なる電気レベルであれば、信号受け側では近接センサが異常であると判断することが可能となる。
【0018】
本発明第2による近接センサは、信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
上記各信号のうち、第1信号については検出対象の検出と非検出とに応じて少なくとも2つのコード化信号に変換して単一配線に伝送出力すると共に、第2信号については自己診断結果が正常時は上記2つのコード化信号のうちのいずれか一方のコード化信号で、また、異常時はこれらコード化信号とは異なって非コード化信号に変換して上記単一配線に伝送出力することが可能となっていることを特徴とする。
【0019】
本発明第2では、第1信号については、検出対象の検出有無に対応したコード化信号に変化し、また、第2信号については、自己診断結果が、正常、異常により、コード化信号か非コード化信号かに変化するので、どの信号形態であっても、その形態を示す信号を同一配線内を伝送させることができ、結果として、センサ出力をPLCの入力接点に伝送する配線としては、単一配線で済む。
【0020】
本発明第3による近接センサは、信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
信号受け側からの入力に連動して検出対象検出モードか自己診断モードかのいずれかのモードで動作し、各モードにおいて、検出対象検出か非検出か、あるいは、センサ状態の自己診断が正常診断結果か異常診断結果かに応じて信号レベルを変化させる、ようになっている、ことを特徴とする。
【0021】
本発明第3では、信号受け側からの入力に連動して検出対象検出モードか自己診断モードのいずれかに動作し、それぞれのモードにおいて、検出対象検出か非検出か、あるいは、センサ状態の自己診断が正常診断結果か異常診断結果かに応じて信号レベルが変化するので、信号としてはどの信号形態であっても、その形態を示す信号を同一配線内を伝送させることができ、結果として、信号をPLCの入力接点に伝送する配線としては、単一配線で済む。
【0022】
なお、上記において、PLCは、機能別に複数のモジュール構成別としたビルディングブロックタイプがある。このビルディングブロックタイプにおけるモジュールには、例えば、CPUモジュール、I/Oモジュールがある。また、上記機能別にモジュール構成するのではなく、全体を一体とした単体タイプがある。本発明のPLCは、いずれのタイプも含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、自己診断機能付き近接センサにおいて、検出信号や自己診断信号の伝送配線数を削減可能として近接センサとI/Oモジュールとの配線の手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかる近接センサとそれが入力点に接続されるPLCとを示す図である。
【図2】図2は図1の近接センサの回路構成を示す図である。
【図3】図3は図2の回路構成を有する近接センサの動作説明に供するタイムチャートである。
【図4】図4は出力回路における第1、第2出力トランジスタの動作論理と出力論理とを示す図である。
【図5】図5は実施の形態1の近接センサから信号を入力するPLC入力回路例を示す図である。
【図6】図6は実施の形態2にかかる近接センサの回路構成を示す図である。
【図7】図7は実施の形態2の近接センサの動作説明に供するタイムチャートである。
【図8】図8は実施の形態3にかかる近接センサの回路構成を示す図である。
【図9】図9は実施の形態3の近接センサの動作説明に供するタイムチャートである。
【図10】図10は実施の形態4にかかる近接センサの回路構成を示す図である。
【図11】図11は実施の形態4の近接センサの動作説明に供するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る近接センサおよびPLCを説明する。
【0026】
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1を図1ないし図4を参照して説明する。図1は近接センサと、信号受け側として近接センサが接続されるPLCとを示し、図2は図1の近接センサの回路構成を示し、図3は図2の回路構成を有する近接センサの動作説明に供するタイムチャートを示し、図4は出力回路における第1、第2出力トランジスタの動作論理と出力論理とを示す。
【0027】
図1を参照して、実施の形態でのPLCは、機能別に複数のモジュール構成別としたビルディングブロックタイプのものである。ビルディングブロックタイプのPLC1において、そのモジュールには、代表的には、CPUモジュール、I/Oモジュール等がある。
【0028】
実施の形態では、I/Oモジュールとして、入力モジュール3とし、この入力モジュール3と、近接センサ5とを配線ケーブル7で接続する例を示す。9は検出対象を示す。配線ケーブル7は、少なくとも、電源配線7a、接地配線7b、信号伝送配線7cを含む。
【0029】
図2を参照して、実施の形態の近接センサ5は、例えば、高周波発振・振幅検出型の近接センサであり、一定の周波数で発振を行い金属体等の検出対象の接近によって発振の振幅の変化を検出するものである。この近接センサは、電源回路11、発振回路13、整流平滑回路15、CPU17、自己診断回路18、および出力回路19を備える。なお、発振回路13、整流平滑回路15は、検出対象9の近接有無を検出する検出回路を構成することができる。
【0030】
また、CPU17は、検出回路が生成した検出信号と、自己診断回路18からの自己診断信号とをそれぞれ、第1、第2入力ポートIN1,IN2から入力すると共に、上記各信号を論理的に組み合わせ、その組み合わせに対応して論理信号を出力する制御回路を構成することができる。CPU17は第3入力ポートIN3に電源回路11から電源を受給するようになっている。
【0031】
この近接センサにおいては、図示しないが、基本動作プログラム、自己診断プログラム、等のプログラムが格納されたメモリがある。CPU17は、そのメモリにアクセスして各種プログラムを実行し、近接センサの動作を制御することができるようになっている。
【0032】
発振回路13は、高周波で発振する回路である。発振回路13は、発振コイルを内蔵している。金属体や磁性体等からなる検出対象9が発振回路13内の発振コイルに接近すると、電磁誘導作用によって渦電流損が生じて発振コイルの実効抵抗値であるインピーダンスが変化し、これにより発振回路13の発振出力振幅が変化する。近接センサはこの発振出力振幅変化を利用して検出対象9の近接有無を検出することができるようになっている。
【0033】
この発振回路13の発振出力振幅は検出対象9の近接状態に応じて跳躍的に変化して、発振または発振停止する。したがって、発振出力振幅の変化で検出対象9の有無の判定を行うことができる。この場合、発振回路13の出力を整流平滑回路15により直流化してなる検出出力は、検出対象9が接近すると小さくなり、検出対象9が離れていくと大きくなっていく。CPU17は、発振回路13の出力に対応する整流平滑回路15出力から検出対象9の近接の有無を検出し、出力回路19にその検出出力を出力する。
【0034】
出力回路19は、第1、第2出力トランジスタTR1,TR2、分圧抵抗R1,R2、およびバイアス抵抗R3,R4を有する。第1トランジスタTR1のコレクタ端子と電源(DC24V)との間は抵抗R1,R2が接続され、両抵抗R1,R2の接続中点が近接センサの出力部となっている。第2トランジスタTR2のコレクタ端子も、両抵抗R1,R2の接続中点に接続されている。また、21aは、電源端子部、21bは接地端子部、21cは信号出力端子部を示す。電源配線7aは電源端子部21aに接続されて、電源回路11と出力回路19とに直流24Vを供給する。接地配線7bは、接地端子部21bに接続される。信号伝送配線7cは信号出力端子部21cに接続される。
【0035】
自己診断機能付きの近接センサでは、通常、検出対象9の検出に関わる検出信号に加えて、自己診断を行った結果に関わる自己診断信号を入力モジュール3に伝送する必要があり、従来では、信号伝送配線としては、少なくとも、検出信号伝送と、自己診断信号伝送とのために2本が必要であった。そして本実施の形態では、以下で説明するように、そうした検出信号と自己診断信号との伝送を信号伝送配線7c単一で行うことを可能とし、これにより、近接センサ5と入力モジュール3との信号伝送配線数を削減し、そうした信号伝送配線作業を行う手間を、減らすことができるようにしている。
【0036】
図3および図4を参照して、近接センサ5の動作を説明する。図3は動作説明のためのタイムチャート、図4は、出力回路19における第1、第2出力トランジスタTR1,TR2の動作論理と出力論理とを示す。時刻t0以前は、検出対象9が近接していない。図3で示す時刻t0では検出対象9が近接していると検出され、その検出状態は時刻t2まで継続する。時刻t0とt2との間の時刻t1は、自己診断結果が異常と診断された時刻を示す。時刻t1以前は、自己診断結果が正常、時刻t1以降は自己診断結果が異常を示す。
【0037】
(検出対象9の検出動作)
時刻t0以前は、検出対象9が近接していないから、発振回路13の発振出力振幅は大きく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力されている。CPU17は整流平滑回路15出力から検出対象9が近接していないとして、第1出力ポートOUT1からハイレベル(Hi)電圧、第2出力ポートOUT2からローレベル(Lo)電圧を出力する。これにより、図4で示すように第1出力トランジスタTR1はベースへの第1出力ポートOUT1からのハイレベル(Hi)電圧印加によりオン、第2出力トランジスタTR2はベースへの第2出力ポートOUT2からのローレベル(Lo)電圧印加によりオフする。そして第1トランジスタTR1のコレクタ端子と電源との間は抵抗R1,R2が接続され、両抵抗R1,R2の接続中点が当該近接センサ5の出力部となっているので、出力部電圧は両抵抗R1,R2による分圧電圧となる。両抵抗R1,R2の抵抗値が同一であるとき、出力端子部21cからの出力電圧は図3(c)で示すようにミドル電圧(Mi)となり、このミドル電圧(Mi)が検出対象9の非検出信号(第1レベルのセンサ出力)として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0038】
次に時刻t0になって、検出対象9が近接し、発振回路13の発振出力振幅が小さく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力される。CPU17は整流平滑回路15出力から検出対象9が近接しているとして、第1、第2出力ポートOUT1,OUT2から共にローレベル(Lo)電圧を出力する。これにより第1、第2出力トランジスタTR1,TR2は図4で示すように共にオフし、出力部OUTの電圧は図3(c)で示すようにハイレベル(Hi)電圧となる。そしてこのハイレベル(Hi)電圧が検出対象9の検出信号(第1レベルのセンサ出力)として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0039】
次に時刻t2になって、検出対象9が近接しなくなると、上記した時刻t0以前と同様にして、ミドル電圧(Mi)が検出対象9の非検出信号として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0040】
なお、図3(c)で、時刻t1以降で、破線で示されるのは、自己診断結果が正常の場合において、時刻t1−t2は検出対象の検出、時刻t2以降は検出対象が近接していないとして非検出を示す。そして、次の自己診断動作においては時刻t1以降は、自己診断結果が異常であるために、それら検出信号がハイレベル(Hi)、非検出信号がミドル(Mi)で出力されない状態を示す。
【0041】
(自己診断動作)
CPU17は、自己診断回路18出力から近接センサ5の状態を自己診断し、正常か異常かを判断している。この自己診断回路18は、例えば、発振回路13の状態等を自己診断し、その自己診断結果が正常か異常かをCPU17に入力する。
【0042】
CPU17が時刻t0以前において近接センサ5の状態が正常であると自己診断した場合、検出対象9の検出動作を継続している。上記検出動作例では、第1、第2出力ポートOUT1,OUT2からは検出対象近接時はハイレベル(Hi)の電圧信号、また、検出対象非近接時はミドル(Mi)の電圧信号を出力する。
【0043】
そして、時刻t1になって、CPU17は近接センサ5の状態が異常であると自己診断した場合、検出対象9の近接、非近接の検出に関わりなく、第1、第2出力ポートOUT1,OUT2からは図4で示すように第1出力トランジスタTR1をオフ、第2出力トランジスタTR2をオンにする電圧を出力することで、出力部OUT電圧を、図3(c)で示すように強制的にローレベル(Lo)とする。このローレベル(Lo)電圧信号が近接センサが異常であることを示す信号(第3レベルのセンサ出力)として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0044】
以上から実施の形態1に関わる近接センサでは、センサ出力の電圧レベルが変化するものであり、検出対象9が非検出であることを示す電圧第1レベルと、検出対象9を検出したことを示す電圧第2レベルとを有すると共に、自己診断結果が正常時は第1または第2レベルのいずれか一方のレベル、異常であるときは、第1レベル、第2レベルのいずれのものとは異なる電圧第3レベルに変化することができるようになっている。これにより、実施の形態1では、検出対象9の検出、非検出の信号と、自己診断信号とを同一配線7cで入力モジュール3に伝送させることができ、結果として、近接センサ5と入力モジュール3との接続配線を単一配線で済ませて、配線作業の簡素化ならびにその配線に要するコストを低減化することができる。
【0045】
図5は、信号受け側の一例としての入力モジュール3の内部構成を示す。入力モジュール3は、入力回路3a,3bと、これら両回路3a,3bの出力を入力する内部回路3cと、を含む。入力回路3aは、抵抗R1,R3,R5,R7、コンデンサC1,C3、フォトカプラP1を含む。入力回路3bは、抵抗R2,R4,R6,R8、コンデンサC2,C4、フォトカプラP2を含む。入力部23(入力点)には配線7cが接続されている。
【0046】
入力部23にハイレベル(Hi)信号が入力されると、ハイレベル(Hi)信号は入力回路3a,3bそれぞれにおいて、抵抗R1,R3の分圧比で分圧されてフォトカプラP1がオンし、抵抗R2,R4の分圧比で分圧されてフォトカプラP2がオンするので、内部回路3cは、両フォトカプラP1,P2からのオン出力により、近接センサ5から検出対象有りとする検出信号が配線7cから伝送されてきたことが判る。
【0047】
入力部23にミドル(Mi)信号が入力されると、ミドル(Mi)信号は入力回路3a,3bそれぞれにおいて、抵抗R1,R3の分圧比で分圧されてフォトカプラP1がオフし、抵抗R2,R4の分圧比で分圧されてフォトカプラP2がオンする。これにより、内部回路3cは、両フォトカプラP1,P2からの出力により、近接センサ5から検出対象無しとする非検出信号が配線7cから伝送されてきたことが判る。
【0048】
入力部23にローレベル(Lo)信号が入力されると、ローレベル(Lo)信号は入力回路3a,3bそれぞれにおいて、抵抗R1,R3の分圧比、抵抗R2,R4の分圧比で、フォトカプラP1,P2が共にオフする。これにより、内部回路3cは、両フォトカプラP1,P2からのオフ出力により、近接センサ5から自己診断信号が配線7cから伝送されてきたことが判る。
【0049】
以上により実施の形態1では、単一本の配線7cに検出対象の検出に関わる信号と、自己診断結果を示す信号との2つの信号を伝送することができ、入力モジュール3へのその配線7cの接続作業を簡素化することができるようになる。
【0050】
[実施の形態2]
図6および図7を参照して本発明の実施の形態2を説明する。図6で示すように実施の形態2では、出力回路19が、CPU17の第3出力ポートOUT3からの出力が一方入力部に入力する演算増幅器(オペアンプ)A1と、演算増幅器A1出力をベースに入力して電流増幅出力する、共にpnpタイプの出力トランジスタTR1,TR2と、抵抗R1と、を含む。出力トランジスタTR1,TR2はコレクタが共通接続されて出力部21cに接続されている。出力トランジスタTR1のベースは出力トランジスタTR2のエミッタに接続されている。そして出力トランジスタTR1のエミッタは、抵抗R1を介して電源に接続されていると共に演算増幅器A1の他方入力部に接続されている。
【0051】
以上の構成を有する実施の形態2の近接センサ5においては、出力回路19がアナログ電流出力回路の構成となっている。
図7を参照して実施の形態2の近接センサの動作を説明する。ここで図7(a)、図7(b)、図7(c)は図3(a)、図3(b)、図3(c)にそれぞれ対応する。
【0052】
(検出対象9の検出動作)
時刻t0以前は、検出対象9が近接していないから、発振回路13の発振出力振幅は大きく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力されている。CPU17は整流平滑回路15出力から検出対象9が近接していないとして、第3出力ポートOUT3から演算増幅器A1の一方入力部にミドル(Mi)電圧を出力する。演算増幅器A1は、一方入力部のミドル(Mi)電圧と他方入力部の電圧との差(差電圧)に対応した出力を出力トランジスタTR2のベースに出力する。差電圧は、この場合、中間であるから、出力トランジスタTR1,TR2の共通コレクタから電流出力部21cに出力される電流は電流第1レベルとして例えば10mAとなる。この電流第1レベル信号は検出対象9の非検出信号(第1レベルのセンサ出力)として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0053】
次に時刻t0になって、検出対象9が近接し、発振回路13の発振出力振幅が小さく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力される。CPU17は整流平滑回路15出力から検出対象9が近接しているとして、第3出力ポートOUT3から演算増幅器A1の一方入力部にハイレベル(Hi)電圧を出力する。演算増幅器A1は、一方入力部のハイレベル(Hi)電圧と他方入力部の電圧との差(差電圧)に対応した出力を出力トランジスタTR2のベースに出力する。差電圧は、この場合、小さいから、出力トランジスタTR1,TR2の共通コレクタから電流出力部21cに出力される電流は電流第2レベルとして例えば20mAとなる。この電流第2レベル信号は検出対象9の検出信号(第2レベルのセンサ出力)として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0054】
(自己診断動作)
CPU17は、自己診断回路18出力から近接センサ5の状態を自己診断し、正常か異常かを判断している。この自己診断回路18は、例えば、発振回路13の状態等を自己診断し、その自己診断結果が正常か異常かをCPU17に入力する。
時刻t1以前まではCPU17は近接センサ5の状態が正常であると自己診断した場合、検出対象9の検出動作を継続している。上記検出動作例では、出力点21cからは検出対象近接時は20mAの電流信号、また、検出対象非近接時は10mAの電流信号を出力する。
【0055】
そして、時刻t1になって、CPU17は近接センサ5の状態が異常であると自己診断した場合、検出対象9の近接、非近接の検出に関わりなく、出力ポートOUT3から演算増幅器A1にはローレベル(Lo)信号が出力される。その結果、出力点21cからは自己診断の結果を示す0−5mAの電流信号が出力される。
【0056】
以上から実施の形態2に関わる近接センサ5では、センサ出力が電流レベルで変化するものであり、検出対象9を検出したことを示す電流第1レベル、検出対象9が非検出であることを示す電流第2レベルで、それぞれ変化すると共に、自己診断結果が異常であるときは、電流第3レベルで変化するようになっている。
【0057】
これにより、実施の形態2では、検出対象9の検出、非検出と、自己診断結果とを電流信号により同一配線7cで入力モジュール3に伝送させることができ、結果として、近接センサ5と入力モジュール3との接続配線を単一配線で済ませて、配線作業の簡素化ならびにその配線に要するコストを低減化することができる。
【0058】
[実施の形態3]
図8および図9を参照して本発明の実施の形態3を説明する。
【0059】
図8で示すように実施の形態3では、出力回路19が、出力トランジスタTR1と、分圧抵抗R1,R2と、バイアス抵抗R4と、を含む。出力トランジスタTR1のベースはCPU17の第4出力ポートOUT4に接続され、コレクタは分圧抵抗R1,R2を介して電源ラインに、エミッタは接地ラインにそれぞれ接続されている。分圧抵抗R1,R2の接続中点は実施の形態1と同様に、出力部21cに接続されている。
【0060】
以上の構成を有する実施の形態3の近接センサ5においては、出力回路19がコード化信号出力回路の構成となっている。
【0061】
そして、CPU17は、整流平滑回路15出力に基づいて検出対象近接有りと判断したときは、第1コード化信号として例えば「10101010」の論理信号を出力する。この場合の信号は論理「1」であればローレベル(Lo)電圧、論理「0」であればハイレベル(Hi)電圧である。また、検出対象近接無しと判断したときは、第2コード化信号として例えば「11001100」の論理信号を出力する。さらに、診断信号の場合、第3コード化信号として例えば「00000000」の論理信号を出力する。出力トランジスタTR1は、論理「1」としてベースにローレベル(Lo)電圧が入力されると、オフし、その結果、出力部21cからは論理「1」としてハイレベル(Hi)電圧が出力される。また、出力トランジスタTR1は、論理「0」としてベースにハイレベル(Hi)電圧が入力されると、オンし、その結果、出力部21cからは論理「0」としてローレベル(Lo)電圧が出力される。
【0062】
図9を参照して実施の形態2の近接センサの動作を説明する。ここで図9(a)、図9(b)、図9(c)は図3(a)、図3(b)、図3(c)にそれぞれ対応する。
【0063】
(検出対象9の検出動作)
時刻t0以前は、検出対象9が近接していないから、発振回路13の発振出力振幅は大きく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力されている。CPU17は、整流平滑回路15出力から検出対象9が近接していないと検出して、第4出力ポートOUT4から出力トランジスタTR1のベースに第1コード化信号を出力する。第1コード化信号は検出対象9の非検出信号として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0064】
次に時刻t0になって、検出対象9が近接し、発振回路13の発振出力振幅が小さく、それに対応した出力が整流平滑回路15からCPU17に出力される。CPU17は整流平滑回路15出力から検出対象9が近接しているとして、第4出力ポートOUT4から出力トランジスタTR1のベースに第2コード化信号を出力する。第2コード化信号は検出対象9の検出信号として配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0065】
なお、図9(a)においては、図3(a)との対応のため、非検出ではローレベル(Lo)、検出ではハイレベル(Hi)で示しているが、検出対象9の近接非検出か、検出かを区別するために示す。
【0066】
(自己診断動作)
自己診断は、図9(b)に示すが、図9(b)では、図3(b)との対応のため、自己診断結果が正常ではローレベル(Lo)、異常ではハイレベル(Hi)で示している。
【0067】
CPU17は、自己診断回路18出力から近接センサ5の状態を自己診断し、正常か異常かを判断している。この自己診断回路18は、例えば、発振回路13の状態等を自己診断し、その自己診断結果が正常か異常かをCPU17に入力する。
【0068】
時刻t1以前まではCPU17は近接センサ5の状態が正常であると自己診断した場合、第4出力ポートOUT4から出力トランジスタTR1のベースに第3コード化信号を出力する。自己診断結果が正常の場合の第3コード化信号は、第1、第2コード化信号のいずれかに合わせてハイレベル(Hi)とローレベル(Lo)とが繰り返される信号である。また、自己診断結果が異常の場合の第3コード化信号は、上記「00…」に対応してローレベル(Lo)となる。さらに、自己診断結果の異常症状別に第3コード化信号の種類を増やすこともできる。
【0069】
こうした自己診断信号は、配線7cから入力モジュール3に伝送される。
これにより、実施の形態3では、検出対象9の検出、非検出と、自己診断結果とをコード化信号により同一配線7cで入力モジュール3に伝送させることができ、結果として、近接センサ5と入力モジュール3との接続配線を単一配線で済ませて、配線作業の簡素化ならびにその配線に要するコストを低減化することができる。
【0070】
[実施の形態4]
図10および図11を参照して本発明の実施の形態4を説明する。図10で示すように実施の形態4では、出力回路19が、出力トランジスタTR1と、抵抗R1,R2,R4,R5,R6と、入力回路19aと、を含む。出力トランジスタTR1のベースはCPU17の第5出力ポートOUT5に接続され、コレクタは分圧抵抗R1,R2を介して電源ラインに、エミッタは接地ラインにそれぞれ接続されている。分圧抵抗R1,R2の接続中点は実施の形態1と同様に、出力部21cに接続されている。
【0071】
入力回路19aは、抵抗R7,R8と、フォトカプラP1と、を含む。出力回路19は、入力部21dを有し、この入力部21dは、配線7dを介して入力モジュール3側に接続されている。入力モジュール3からは配線7dを介して近接センサ5からの出力信号を切り替え制御する信号を入力することができるようになっている。図中ではこの信号を「PLC連動入力IN」と記載している。このPLC連動入力INは、ハイレベル(Hi)のときは検出対象近接有無の検出に関わる信号を出力する検出モードに、ローレベル(Lo)のときは自己診断信号を出力する自己診断モードに切り替える。検出モードにするハイレベル(Hi)のPLC連動入力INが入力部21dに入力されると、入力回路19a内のフォトカプラP1がオフし、そのオフ出力はCPU17の第4入力ポートIN4に入力され、自己診断モードにするローレベル(Lo)のPLC連動入力INが入力部21dに入力されると、フォトカプラP1がオフし、そのオフ出力はCPU17の第4入力ポートIN4に入力される。
【0072】
CPU17は、フォトカプラP1のオンオフ出力に応答して、第5出力ポートOUT5から検出信号、非検出信号、あるいは、自己診断信号を出力する。
【0073】
図11を参照して実施の形態4の近接センサの動作を説明する。ここで図11(a)、図11(b)は図3(a)、図3(b)にそれぞれ対応する。図11(c)は、第1モードとして出力回路19内の入力回路19aに入力されるハイレベル(Hi)電圧と、第2モードとして出力回路19内の入力回路19aに入力されるローレベル(Lo)電圧とを示す。図11(d)は、第1モードでの検出か非検出の信号レベルと、第2モードでの自己診断が正常か異常かの信号レベルとを示す。
【0074】
(時刻t0以前)
時刻t0以前では、検出対象は図11(a)で示すように非検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように正常である。また入力モジュール3からはPLC連動入力INは図11(c)で示すようにハイレベル(Hi)電圧が入力され、検出対象近接有無の検出モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対してローレベル(Lo)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオフし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように検出対象非検出を示すハイレベル(Hi)信号がセンサ出力OUTとして出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0075】
(時刻t0−t01)
次に時刻t0−t01では、検出対象9が図11(a)で示すように検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように正常である。また入力モジュール3からは図11(c)で示すようにPLC連動入力INとしてハイレベル(Hi)電圧が入力され、検出対象近接有無の検出モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対してハイレベル(Hi)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオンし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように検出対象検出を示すローレベル(Lo)信号がセンサ出力OUTとして出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0076】
(時刻t01−t02)
時刻t01−t02では、検出対象9が図11(a)で示すように検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように正常である。また入力モジュール3からはPLC連動入力INとして図11(c)で示すようにローレベル(Lo)電圧が入力され、自己診断モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対して、自己診断の結果、正常であることを示すハイレベル(Hi)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオンし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように自己診断結果が、正常であることを示すハイレベル(Hi)信号がセンサ出力OUTとして出力される。このハイレベル(Hi)信号は配線7cから入力モジュール3に伝送される。
【0077】
(時刻t02−t1)
時刻t02−t1では、検出対象9が図11(a)で示すように検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように正常である。また入力モジュール3からはPLC連動入力INとして図11(c)で示すようにハイレベル(Hi)電圧が入力され、検出モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対してハイレベル(Hi)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオンし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように検出対象近接検出を示すローレベル(Lo)信号がセンサ出力OUTとして出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0078】
(時刻t1−t11)
時刻t1−t11では、検出対象9が図11(a)で示すように検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように異常である。また入力モジュール3からはPLC連動入力INとして図11(c)で示すようにハイレベル(Hi)電圧が入力され、検出モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対してハイレベル(Hi)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオンし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように検出対象近接検出を示すローレベル(Lo)信号がセンサ出力OUTとして出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0079】
(時刻t11−t2)
時刻t11−t2では、検出対象9が図11(a)で示すように検出で、かつ、自己診断結果は、図11(b)で示すように異常である。また入力モジュール3からはPLC連動入力INとして図11(c)で示すようにローレベル(Lo)電圧が入力され、自己診断モードとされている。この状態では、CPU17は第5出力ポートOUT5から出力回路19に対してローレベル(Lo)信号を出力し、これにより、出力トランジスタTR1はオンし、結果、出力部21cからは図11(d)で示すように自己診断結果が異常であることを示すローレベル(Lo)信号がセンサ出力OUTとして出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0080】
(時刻t2以降)
時刻t2以降は、その直前の近接センサの自己診断結果が異常であるので、そのことを示すローレベル(Lo)信号が出力される。配線7cから入力モジュール3にこの信号が伝送される。
【0081】
以上のように本各実施の形態では、検出対象の近接有無の検出と、自己診断とを示す信号をPLCに伝送するのに、単一の配線で伝送することができ、配線を簡素化することができる。
【0082】
なお、本発明では、その趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 PLC
3 入力モジュール(信号受け側)
5 近接センサ
7 配線(7a 電源配線、7b 接地配線、7c 出力配線)
9 検出対象
11 電源回路
13 発振回路
15 整流平滑回路
17 CPU(制御回路)
19 出力回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
上記各信号のうち、
第1信号についてはそのレベルを検出対象の検出と非検出とに応じて少なくとも2つのレベルに変えて単一配線に伝送出力すると共に、
第2信号については自己診断結果が正常時は上記2つのレベルのうちのいずれか一方のレベルで、また、異常時はこれらレベルとは別のレベルで変換して上記単一配線に伝送出力することが可能となっている、
ことを特徴とする近接センサ。
【請求項2】
上記レベルは電圧レベルである、ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項3】
上記第1信号と、第2信号とを入力ポートに入力すると共に、上記第1、第2信号を論理的に組み合わせ、その組み合わせに対応して論理信号を少なくとも2つの出力ポートから出力する制御回路と、
上記制御回路の2つの出力ポートから出力される論理信号に対応して上記各信号を電圧レベルが異なる信号に変換すると共に、この変換した各信号を出力する出力回路と、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の近接センサ。
【請求項4】
上記レベルは電流レベルである、ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項5】
上記第1信号と、第2信号とを入力ポートに入力すると共に、上記第1、第2信号を論理的に組み合わせ、その組み合わせに対応して論理信号を出力ポートから出力する制御回路と、
上記制御回路の出力ポートから出力される論理信号に対応して上記各信号を電流レベルが異なる信号に変換すると共に、この変換した各信号を出力する出力回路と、
を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の近接センサ。
【請求項6】
信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
上記各信号のうち、
第1信号については検出対象の検出と非検出とに応じて少なくとも2つのコード化信号に変換して単一配線に伝送出力すると共に、
第2信号については自己診断結果が正常時は上記2つのコード化信号のうちのいずれか一方のコード化信号で、また、異常時はこれらコード化信号とは異なったコード化信号または非コード化信号に変換して上記単一配線に伝送出力することが可能となっている、
ことを特徴とする近接センサ。
【請求項7】
信号受け側に対しそれに接続した配線を介して検出対象の近接有無に関わる第1信号と、センサ状態を自己診断しそのセンサ状態が正常か異常かに関わる第2信号とを伝送出力する近接センサにおいて、
信号受け側からの入力に連動して検出対象検出モードか自己診断モードかのいずれかのモードで動作し、各モードにおいて、検出対象検出か非検出か、あるいは、センサ状態の自己診断が正常診断結果か異常診断結果かに応じて信号レベルを変化させる、ようになっていることを特徴とする近接センサ。
【請求項8】
上記信号受け側が、プログラマブルコントローラである、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項9】
上記請求項1ないし7のいずれかに記載の近接センサに対してセンサ出力の入力に応答可能にした、ことを特徴とするI/Oモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−244348(P2011−244348A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116638(P2010−116638)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】