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近接場照射の方法および装置

電磁場を介し、種々の周波数および電力レベルで、標的部分に限局された様式で電力を送達するよう構成された、照射方法および装置。1つの例において、電磁場発生器は基板上に配置され、電磁エネルギーを介して、基板表面に近接する(その上の)薄い領域に電力を送達し、ここで電磁場強度は該薄い領域を越えると大幅に低下する。かかる方法および装置は、薄い領域におかれた目的試料に関連する、化学的および/または物理的相互作用を含む広い範囲のプロセスにおいて、特に有用である。異なる側面において、照射装置は、種々の医学的/試験室/診断方法および装置の実装のために、使い捨てデバイスとして構成され、および/または1または2以上の微小流体もしくはセンサー構成要素と組み合わせて用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2006年3月10日に提出された米国仮出願第60/781,295号、名称「近接場照射の方法および装置(Methods and Apparatus for Near Field Irradiation)」の優先権を主張し、この出願は参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府支援研究
本明細書に開示された対象に関する研究の幾つかは、米国国立科学財団の奨学金第NSF-PHY-0117795号、および米国国立衛生研究所の奨学金第NIH-IU54CA119349号により支援されたものであり、米国政府は幾つかの開示された対象に対して一定の権利を有し得る。
【背景技術】
【0003】
種々の試料種類(生体試料を含む)が関与する化学的および/または物理的相互作用の宿主は、電磁スペクトルにわたる多数の異なる電磁界強度および周波数/波長の任意のものを有する、電場および/または磁場への暴露により、強化され、促進され、または影響され得る。
【0004】
例えば、マイクロ波強化化学は、生物学、医学および化学の分野の広い範囲において、よく研究され認められたツールである。マイクロ波放射を場におけるエネルギー源として用いる反応の最適化および研究に、多くの調査がなされ、触媒化学、溶媒抽出、アミノ酸解析のためのタンパク質およびペプチドの加水分解、および病理学における試料調製にまでおよぶ。マイクロ波照射は、化学プロセスにエネルギーを入れるための、従来の加熱に比べて根本的に異なる技術であり、そのため、その開発により、多くの分野に多数のユニークな結果をもたらしている。
【0005】
マイクロ波強化化学の重要な用途は生物医学的組織学の分野であり、マイクロ波励振による固定および染色は、外科生検から集められた薄い組織切片の分析を迅速化するために用いられる。マイクロ波照射を用いた染色手順が開発され、処理時間が24時間から半時間まで短縮された。かかる手順において、薄い組織切片は保護用パラフィンに固定することができ、ミクロトームで数ミクロンの厚さにカットされ、癌細胞について1時間以内で染色されて、試験開腹におけるリアルタイム生検の実施を可能としている。
【0006】
マイクロ波照射の標準の実験装置は、家庭食品のクッキング用の従来の電子レンジと基本的に同じである。電子レンジは、マイクロ波放射を慣例により2450メガヘルツ(MHz)で、マグネトロンからクッキングチャンバーへと通過させることにより、機能する。こうしてクッキングチャンバー内で発生されたマイクロ波放射は、チャンバー内の試料にエネルギーを提供する。多くの用途において、目的の試料が非常に少量の液体または非常に薄い生体組織(例えば数μmオーダーの厚さ)であるにも関わらず、大きなリットルサイズの従来の電子レンジが、マイクロ波強化化学の全分野において標準であり続けている。
【0007】
再度、マイクロ波照射に加えて、電磁スペクトルの他の周波数での電場および/または磁場への暴露によって強化され、促進され、または影響され得る種々の種類の試料が関与するような、幾つかの化学的および/または物理的相互作用がある。特に興味深いスペクトルの1領域には、無線周波数放射が含まれる。一方、マイクロ波(MW)放射は、一般に約300MHz〜300ギガヘルツ(GHz)の周波数範囲の電磁放射を指し、無線周波数(RF)放射は、一般に約3キロヘルツ(kHz)〜300メガヘルツ(MHz)の周波数範囲の電磁放射を指す。多くの研究が、例えばラジオ、携帯電話、食品の処理および調理、通信用送信機、レーダー送信機などの種々の源からのRF/MW放射への暴露による、可能な生物学的効果について続けられている。
【発明の開示】
【0008】
概要
上記のマイクロ波照射の例に関し、出願人は、研究室用の従来の電子レンジの使用に伴って複数の問題が存在することを認識し、理解した。例えば、多くの化学反応は、極めて正確な温度制御を必要とする。しかし、研究室の電子レンジは、本質的に非常に制御に劣る。従来の電子レンジで典型的に用いられるマグネトロンは、単一の電力においてのみ動作するため、試料に送達される電力は、マグネトロンへの電力をオンおよびオフにすることによって制御されるのみである。水の負荷、すなわち、大きなカップに入れた水を電子レンジ内に置いて試料に送達される電力を減少させることは、マイクロ波強化化学では一般的な方法である。電子レンジの別の特有な問題は、不均一な加熱である。不均一な加熱は、マイクロ波がクッキングチャンバーを満たす複雑な定在波パターンによって生じる。複雑な定在波パターンは試料を保持する装置に感度が高く、したがって高価なマイクロ波透過試料ホルダーは、広く用いられる実験室製品となっている。さらに、マイクロ波励振化学の多くの研究は、2450MHzの周波数での放射により行われてきた。しかし、マイクロ波帯域内またはこれを超えた他の周波数、例えば無線周波数も、大変興味深い。最後に、目的試料の大きさは、従来の電子レンジのチャンバーよりはるかに小さい。
【0009】
前記を考慮し、本開示は一般に、種々の態様において、電磁場を介して任意の種々の周波数(例え無線周波数、マイクロ波、他の帯域)および電力レベルにおいて、局所的な様式で標的領域、例えば目的試料のごく近傍などに、電力を送達するように構成された照射方法および装置に関する。
【0010】
例えば1つの態様において、本開示に記載の装置は、基板上に配置された電磁場発生器、または「照射器」を含む。種々の実装において、基板は種々の硬いかまたは柔軟な材料で形成することができ、限定することなく、平面、曲面、湾曲、円形、円錐形、管状、ウェル形状等を含む、種々の構造を有することができる。例示の側面において、装置はミリワットのオーダーの電力(例えば0〜約100mW)を、電磁場エネルギーを介して、基板の表面に近接する(その上の)薄い領域(例えば約100μmのオーダーまでまたはそれ以上の)に、送達するよう構成することができる。しかし、装置がこれらの事項に限定されないことが理解されるべきであり、何故ならば、異なる照射電力および領域も、種々の態様により可能であるからである。一般に装置は、基板から遠ざかるにつれて指数関数的に低下する強い電磁場強度の薄い層を生成する。
【0011】
種々の態様において異なる照射器形状が構成され、電気および/または磁気近接場モードが励起される。電気モードと磁気モードを独立して励起する能力は、様々な種類の試料の選択的照射のために用いることができる。例えば、装置に近接する限局標的部分(薄い領域)に電場を発生するよう構成された照射装置は、標的部分にある試料に誘電加熱を提供するために用いてよい。異なる試料のピーク吸収周波数は、少なくとも部分的に照射される試料の性質(例えば、水やタンパク質水溶液等を閉じ込めた有機分子および組織)に依存し得る。限局標的部分(薄い領域)に磁場を発生するよう構成された照射装置は、磁気粒子(例えば磁気ナノ粒子)が注入された物質を選択的に加熱するために用いてもよい。
【0012】
一般に、本開示による照射装置および方法は、照射標的部分に配置された試料の、局所的で迅速な照射を提供する。かかる方法および装置は、目的試料に関連する化学的および/または物理的相互作用を伴う様々な種類のプロセスにおいて、特に有用である;特に、少量の試料を均一かつ効率的に、ある範囲の周波数および電力レベルで照射することができる。さらに、他の側面において、本開示による照射装置は安価に作製することができ、場合によっては使い捨てデバイスとして実装してもよい。さらに他の態様において、本開示による照射装置は、1種または2種以上の微小流体素子および/またはセンサーと組み合わせて、例えば種々の医療診断用機器の実装において、用いることができる。
【0013】
要約すると、1つの態様は、基板および基板上に配置された少なくとも1つの電磁場発生器を含む装置であって、前記少なくとも1つの電磁場発生器が、付勢された場合、基板に近接する薄い領域を含む限局部分のみに電力を送達するよう構成された、前記装置に関する。
他の態様は、基板に近接する薄い領域を含む限局部分のみに電力を送達する行為を含む、電磁照射法に関する。
【0014】
他の態様は、化学プロセスを促進または強化するための方法に関する。該方法は、生体試料を得ること;前記生体試料を、化学プロセスを実施するために必要な1種または2種以上の試薬と接触させること;および、前記生体試料を、前記生体試料のごく近傍に局在する電磁場に当てることを含み、該電磁場はあるレベルの電力を提供し、前記生体試料は、化学プロセスのかかる促進または強化を達成するのに十分な時間当てられる。
他の態様は、結合アッセイを促進または強化するための方法に関する。該方法は、検査試料を得ること;前記検査試料を標的化合物と接触させること:および、前記検査試料と前記標的化合物を含有する混合物を、前記混合物のごく近傍に局在する電磁場に当てることを含み、該電磁場はあるレベルの電力を提供し、前記混合物は、結合アッセイのかかる促進または強化を達成するのに十分な時間当てられる。
【0015】
他の態様は、試料中の分子間相互作用のプロセスを促進または強化するための装置の使用に関し、ここで前記装置は、基板;および、試料のごく近傍内の限局領域を照射するために前記基板上に配置された、電磁場発生器を含む。
当然のことながら、前記の概念および以下にさらに詳細に記載される追加の概念の全ての組合せは、本明細書に開示される発明対象の一部であることが意図される。特に、本開示の末尾にあるクレームの対象は、本明細書に開示される発明対象の一部であることが意図される。同様に当然のことながら、本明細書に明示的に用いられ、参照として組み込まれている任意の開示にも現れるであろう専門用語は、本明細書に開示された特定の概念と最も整合する意味を有するものとする。
【0016】
詳細な説明
本開示の1つの態様による照射装置の基礎をなす幾つかの基本概念を示すために、電場および磁場の振舞いを、導体の周期的系列(periodic series of conductor)(例えば電極またはワイヤ)について考える。説明のため、電気の場合について詳細に検討するが、以下に概説する数学的解析は当然ながら、磁場についても類似である。
【0017】
まず、本開示の1つの態様による照射装置40の理想的な場合を、図1(a)に考える。図1(a)に示す照射装置40は、基板58上に配置され、基板により規定されるxy平面に等間隔で平行に配置された導体の平行アレイを形成するよう配置された、導体50を含み、ここで、隣接する導体は、逆の極性を有する(例えば、隣接する導体には等しい大きさで逆の電圧が印加される)。予備解析を促進するため、一旦、導体を、y方向には無限長で、x方向に沿って無限に平行して並んでいると考える。導体に印加された電圧の結果、基板の上の導体近辺に電場が発生する。発生された場を、xy平面に垂直なz方向に遠く離れた位置で試験すると、場はゼロであることがわかる。特に、逆の電位を有する導体は互いに打ち消しあうため、遠く離れた位置では電場は存在しない。導体のアレイに近づくにつれて、空間的に変化するゼロでない場52が、基板58の近傍の薄い領域56に存在し、これはアレイの上の距離が短くなるにつれて、より強くなる。
【0018】
アレイに近い距離で、例えば薄い領域56内で場52を計算すると、アレイの周期性のために、場52は、フーリエ級数の周期関数の合計により構成される電位について、次式:
【数1】

で表すことができ、ここで、φはxとzの関数としての電位を表し、xはアレイの平面に平行なアレイに沿った位置を示し、zはアレイの平面からのこれに垂直な距離を示し、aは隣接する導体間の間隔54を示し、そしてnはフーリエ級数のモードを示す。アレイ上の領域において正味荷電は存在しないことに注目すると、電位は、ラプラスの式:
【数2】

を満たしていなければならない。
ラプラスの式の制約条件により、場のフーリエ高調波成分は、特性距離(characteristic distance)と共に指数関数的に減少する:
【数3】

したがって、交互に逆の電位における導体の周期的アレイでは、静電位は導体の間隔54(ピッチまたは周期とも呼ぶ)に基づき、特性距離において低下する。したがって、基板に垂直方向の薄い領域56の範囲は、少なくとも部分的に、導体の間隔54により決定される。幾つかの例示の態様において、値aは、薄い領域のための特性距離が、約1μm(これを超えると場が急激に低下する)から数百μm(これを超えると場が急激に低下する)までの範囲に入るように、特定的に選択することができる。
【0019】
種々の態様により、本明細書で意図される照射装置は、前記の原理を利用して、発振する電場または磁場を作るように動作するが、該電場または磁場の強度は、装置の導体が配置された基板に近接する薄い領域を限定する特性距離を超えると、急激に低下するものである。したがってこの装置は、基板に近接する薄い層のみを、エネルギーを宇宙に放射して浪費することなく、照射する。
【0020】
1つの態様において、本開示による図1(a)に示した概念に基づく照射装置は、y方向には無限長を有し、x方向に沿って平行で等間隔の様式で基板58の上に配置された、N個の導体50を含む。1つの例示の実装において、Nは100のオーダーであってよく、基板はガラスであってよく、xy平面の照射装置の全体寸法は、1cmのオーダーであってよく、ここで各導体は、x軸方向に約70mmの幅、基板に垂直のz方向に約7mmの高さ、および約200mmの間隔54(上の式で「a」)を有する。当然ながら、前記の例示のパラメータは、主に説明目的のために提供され、本開示の他の態様による照射装置は、この特定の例に関連する種々のパラメータに限定されない。
【0021】
上記の例示のパラメータについて、照射装置が生成した電場52のz方向の低下を、図1(b)および図1(c)に有限要素シミュレーションで示す。特に図1(b)は、奇数のN個の電極について計算された電場等高線(示された例ではN=101)であり、一方、図1(c)は、偶数個の電極についての同様の等高線(例えばN=102)である。導体のアレイはx=0が中心であり、zは基板の平面から垂直方向の距離である。続く等高線は、比率En+1/E=0.8であり、式中、n=1〜20である(nは上の式においてフーリエ級数のモードを示す)。図1(c)から、偶数の電極については(すなわち、全ての正電位に対して逆の負の電位が存在する)、基板に近接する(例えばその上にある)薄い領域(これらの特定の例に関連する図では、50μmのオーダー)を含む限局部分を越えると、場は急速にゼロとなる。
【0022】
他の態様において、照射装置40の電気モードの変形は、図2(a)に示すように、八角形の形状に巻かれた伝送線60(2本の平行な金属線)を形成する導体を含む。この態様の例示の実装において、コイル状伝送線の照射装置40は、標準の1”×3”のスライドグラスで形成された基板58の上に製造することができるが、上述したように、当然ながら種々の他の基板も一般に好適である。かかるデバイスの断面図を図2(b)に示す。1つの側面において、八角形状コイルは、照射領域が基板平面に平行に約8mm×8mmとなるように構成される。
【0023】
式(1)〜(5)との関連で上述したように、金属線の間の種々の間隔aは、基板に近接する薄い領域(ここに電力が試料に送達される)の所望範囲を実現できるように選択してよい。種々の実装において、導体の間隔またはピッチは、電力が送達されるこの領域が、伝送線コイルの平面に対して垂直方向に約1μm〜数百μmの範囲であるように選択してよい。1つの例において、約100μmの幅を有する金属線が、金属線間の間隔約100μmを有して、図2(a)に示すものと同様の照射装置を形成する。
【0024】
金属線は、フォトリソグラフィーパターンニングに続く金属層(10nmのチタン(Ti)、40nmの金(Au))のリフトオフにより、規定することができる。続いて、金めっき溶液を用い65℃で撹拌し、厚い(5μm)金の層を約5μm/時の蒸着速度で、金属線上に電気めっきすることができる。かかる電気めっきにより、線を太くしてオーム熱を緩和する。さらに、この態様の他の側面により、テフロン(登録商標)の薄いコンフォーマル層62(約1μmの厚さ)を装置に適用して、照射する試料(または試料を含む物質)と装置の間の付着を低減することができる。より一般的には、任意の適切な表面コーティングを用いて、試料または試料を含む溶液の、装置自体への非特異的結合または付着を、減少または防止することができる。かかるコーティングの他の例は、限定することなく、μmオーダーの薄膜/層/コーティングであって、Mylarフィルム、エポキシ、非導電シリコーンゴム、またはシリコーングリースを含む。
【0025】
この例示の実装の他の側面において、図2(a)に示す照射装置は、例えば、1mm×1mmの2つの接触パッド64の形態の電気接点を含んでよい。装置は、種々の信号電力レベルを提供可能な(例えば20dBmまでのオーダー)信号発生器66により駆動することができる。1つの態様において、信号発生器66は、基板に一体化または結合されているプリント基板回路として実装することができる。フリップチップ圧力コネクタを用いて信号発生器を照射器に結合し、高周波数において電力送達問題となり得るワイヤの複雑さを取り除くことができる。
【0026】
さらに他の実装において、プリント回路(PC)基板を照射装置の導体(例えばコイル状伝送線構造)を形成する基板として用い、導体を、チタン/金以外の材料(例えば銅、鉛被覆銅など)で形成することができる。上記のように、PC基板上に形成された照射装置は、任意にエポキシまたは他のコーティングで被覆して、装置と試料/試料を含む溶液との間の付着を減少/防止することができる。
【0027】
本開示による照射装置に適用する電気信号に関して、照射装置の界発生素子の寸法よりも大幅に大きい波長を有する信号については(すなわち、DC〜約500MHzの信号)、準静的近似を行って、装置の振舞いにDC解析を適用することができる。ギガヘルツ(GHz)範囲に近づく、より高い周波数の信号については(例えば、マイクロ波放射)、電磁放射の波長は照射装置に用いる導体の寸法と同じサイズに近づく可能性があり、信号発生器と照射装置の間のインピーダンス整合が重要となり得る。したがって、GHz範囲へのインピーダンス整合を改善するために、図3は、地表源アース端子(ground-source ground terminal)と共に実装された図2のコイル設計を示す。
【0028】
別の態様によれば、照射装置の磁気モード変形は、図4に示すようにそれ自体が蛇行パターンに巻かれた、ある長さのワイヤを含んでよい。磁界は電気双極子に良好に結合せず、そのため磁気モード照射器は、一般に非磁性物質に対して加熱効率が劣る。しかし、かかる照射器は、磁気粒子(例えば磁気ナノ粒子)に非常に強く結合でき、そのため磁気ナノ粒子を含浸した物質に対して良好な選択性を有する。上記のように、例示の製造方法については、フォトリソグラフィーパターンニングに続く金属層(10nmのTi、40nmのAu)のリフトオフにより、規定することができる。金めっき溶液を用い65℃で撹拌して、厚い(5μm)金の層を〜5μm/時の蒸着速度で、金属線上に電気めっきすることができる。テフロン(登録商標)の薄いコンフォーマル層(〜1μm)を装置に適用し、生体材料の装置への付着を低減することができる。
【0029】
さらに別の態様によれば、本明細書に開示された装置の追加の様式には、信号発生器から照射装置へ適用された励起信号に、DCオフセットを適用することを含む。DCオフセット電圧は、AC場に線形の重ね合わせで適用することができ、特定のタンパク質の等電点に調節でき、溶液中の抗体を組織または標的結合部位へと動かすために適合させることができる。正確なpH特性に基づく等電点電気泳動法と同様に、タンパク質は、溶液からそれらの標的へと、適切なDCオフセットの適用に基づいて取り出すことができる。
【0030】
1つの例示の用途において、本開示による照射器は、バイオマーカーを有する組織の、強化された固定および染色に用いてよい。図7(行為300)にこれを示す。上述のように、マイクロ波強化固定および染色は組織学における常法であり、これまでは従来の大型電子レンジが関与していたが、本明細書に開示された概念による照射器であって、種々の可能な周波数範囲(例えばマイクロ波、無線周波数、他の帯域)で動作する前記照射器により、置き換えることができる。図5および図6は、かかる照射器をどのように用いて、電磁照射により組織に電力を送達するかを略述する。特に図5(a)は、スライドグラス基板上に実装された照射装置40を、図5(b)は第2スライドグラス基板67上に配置された組織試料料69を、および図5(c)は、照射装置40に交差して重ねられた組織試料/スライドグラスを示す。図6はこの配置の断面の一部を示し、ここで照射装置40の1つの例示の導体50は組織69のごく近傍に配置され、組織が、照射装置が電力を送達する薄い領域内に位置するようになっている。
【0031】
したがって、本開示による方法および装置は、広い範囲の生物学的処置および医療処置に有用である。多数のかかる用途が意図され、これにはとりわけ、生化学的、組織化学的、組織病理学的、生物医学的、および分析的使用に関する方法が含まれる。
本明細書に開示された方法および装置は、研究および臨床検査室において、および医療/臨床業務において用いられる、種々のルーチンの分析的および組織学的方法の1または2以上の側面を改善するために有用である。1つの側面において、本明細書に開示される種々の概念は、化学プロセスを促進または強化する方法を提供する。本明細書において「化学プロセス」は、組織学プロセス、組織化学プロセス、細胞化学プロセス、免疫化学プロセス、免疫組織化学プロセス、免疫細胞化学プロセス、比色(colometric)プロセス、ナノ粒子が関与する化学プロセスおよび電気化学プロセス等を包含する。
【0032】
典型的な態様において、本方法は、分析すべきまたは組織学的に処理すべき生体試料を得ること、適切な組織化学プロセスまたは好適な1種もしくは2種以上の試薬を用いるプロセスを実施すること、およびかかる手順の1または2以上の段階の間に、生体試料を、本明細書に明示された電磁場に暴露することを含む。生体試料を電磁場に当てる度合い(強度/レベルおよび時間)は、多くの要因、例えば生体試料の種類、試料(例えば組織切片)の厚さ、組織学的プロセスの性質、実施されるアッセイまたは手順の固有感度などに依存する。一般に、生体試料の組織化学プロセスは複数の段階を含み、例えば、固定、染色、インキュベーション、洗浄等である。したがって、本発明を1または2以上のこれらの段階に適用して、化学的および/または関連する分析的手順の一般の結果を改善することができる。
【0033】
本明細書において、用語「促進すること」「促進する」および「促進すること」は、従来法により得るものと質において同等な合理的に信頼できる結果を得るために必要とする時間の量が、短縮されることを意味する。例えば、従来法では一般に数時間から一晩を必要とする染色プロセスを、本明細書に開示の方法により、数秒から数分のオーダーに短縮できる。同様に、典型的な化学手順に付随する複数のインキュベーションおよび介在する洗浄時間は、本発明の方法を用いて大幅に短縮することができる。
【0034】
用語「強化(増大)すること」「強化(増大)する」および「強化(増大)」は、利用可能な従来法と比較して、製品、プロセス、および/またはデータの全体の品質における改善を言う。例えば、本発明の1または2以上の態様により得られるデータは、高められた信号対ノイズ比により強化される。すなわち、本明細書に記載された方法は、特定の信号を増加させ、および/または背景(またはノイズ)を減少させることができ、これにより得られる製品、プロセス、および/またはデータはより高い品質のものとなる。本明細書に提供された方法を用いて、本発明はまた、これらのプロセスの1または2以上の段階を実施するために必要な試薬の量を大幅に減らして、同等の結果をもたらすことが可能となる。その結果本発明は、大幅な費用の減少を、特に、多数の試料を処理する場合において、または試薬の量が限られている場合や高価な場合に、実現することができる。特定の試料、技術の特徴に依存して、およびまた用いる基板の種類に依存して、典型的な反応は、μlオーダーの量の試薬を、例えば1、2、5、10、25、50、100μlの試薬を必要とする。本発明のある態様において、本明細書に記載の組織化学プロセスは、免疫組織化学プロセスを包含する。
【0035】
免疫組織化学は、細胞または組織切片中の抗原の限局化を含み、これは、標識抗体を特定試薬として用いた、マーカーにより可視化される抗原−抗体相互作用を通した限局化であり、該マーカーとしては例えば、蛍光染料、酵素、放射性元素、有色色素、マーカー、染色剤またはコロイド金がある。したがって、免疫組織化学は不可欠な技術となり、多くの医学研究室および臨床診断において広く用いられている。この技術は広い範囲の変法および修正プロトコルを提供し、当分野はこれらについて精通している。好適な方法の選択は、検査する標本の種類および要求される感度の高さなどのパラメータに基づくべきである。当業者は、本明細書に開示の発明に教示されている方法および使用を組み込む、好適な用途を決定することができる。
【0036】
幾つかの態様において、本発明の方法は、架橋プロセスを含む組織化学プロセスに用いられる。架橋は、1つのポリマー鎖を他のポリマー鎖に結合する共有結合である。生物学において、架橋は、タンパク質および/または核酸の研究におけるゲル電気泳動用のポリアクリルアミドまたはアガロースゲル、ならびに細胞培養および組織工学用の基質として用いられるものを含む他のマトリックスを形成するのに、応用されている。この用語(架橋)はまた、分子の化学成分を選択的に結合するために用いる架橋化合物も包含する。例えば、種々の架橋剤が、タンパク質のサブユニット構造の研究に用いられている。これは、架橋剤が天然の状態において比較的近い近傍にある表面アミノ残基のみを結合することから、考え出された。架橋剤の例は、ジメチルスベルイミデートおよびグルタルアルデヒドである。両者は、レジンのアミノ基への求核攻撃および、続いてそれらの架橋剤を介した共有結合を誘発する。しかし、本明細書に記載の方法は、任意の他の化学架橋剤に対しても有用である。
【0037】
しかしさらに他の場合において、架橋は、より一般的な「固定」も含み、例えば第一に保存目的での細胞または組織の固定などである。組織学、病理学および細胞生物学の分野においては、固定は、生体組織を崩壊から保護するための化学プロセスである。固定は、進行している任意の生化学的反応を終了させ、また処理された組織の機械的強度または安定性を増加することができる。したがって、固定の主な目的は、生体材料、例えば組織または細胞などの試料を保存し、安定した保管と分析を可能にすることである。この目的を達成するためには、通常幾つかの条件が満たされなければならない。第1に、固定剤は通常、試料を消化または損傷させる内因性生体分子、特にタンパク質分解酵素を無能化するよう働く。第2に、固定剤は一般に、試料を外因性の損傷から守る。多くの固定剤は、組織試料に存在する可能性のある、または固定組織にコロニーを作る可能性のある、最も一般的な微生物(特に細菌)に対して毒性である。さらに、多くの固定剤は、固定された物質を化学的に変化させて、これを日和見性の微生物に対してよりまずいものにする(消化不能であるかまたは毒性である)。最後に、固定剤はしばしば、分子レベルで細胞または組織を変化させ、これらの機械的強度または安定性を増加させる。この増加された強度および剛性は、試料をさらなる分析用に処理するにあたり、試料の形態を保存する助けとなる。固定は通常、生体材料の試料を、顕微鏡または他の分析用に調製するための複数段階のプロセスにおける、最初の段階である。したがって、固定剤の選択および固定プロトコルは、続く処理段階および計画されている最終分析に大きく依存する。例えば、免疫組織化学は特定タンパク質標的に結合する抗体を利用する。本発明の使用は、特定の固定剤または組織化学的手順に限定されず、したがって任意の本明細書に記載された方法などと共に用いるために、適合することができる。
【0038】
架橋固定剤は、組織内のタンパク質間に共有化学結合を作成することにより、作用する。これにより、溶解性タンパク質を細胞骨格にしっかり固定し、組織に追加の剛性をもたらす。したがって、本発明は、一般に用いられているかかる固定手順の側面を改善すること(プロセスを促進または強化することにより)を意図する。幾つかの態様において、本発明は、架橋剤であるホルムアルデヒド(ホルマリンの名称で飽和水溶液としてしばしば販売される)の関与する組織化学プロセスに用いられる。ホルムアルデヒドは、第1に塩基性アミノ酸リジンの残基と相互作用すると考えられる。幾つかの態様において、本発明はグルタルアルデヒドと共に用いられる。これはホルムアルデヒドと類似の機構で作用すると考えられているが、いくらか大きい分子であるため、グルタルアルデヒドはホルムアルデヒドのように効率的に、厚い組織切片を透過することができない。一方、グルタルアルデヒドは、より剛性であるかまたは硬く結合した固定産物を提供することができ、長さがさらに長いことおよび2つのアルデヒド基は、タンパク質分子のより遠くにある対を「架橋」し結合することを可能にする。さらに他の場合において、固定プロトコルは、ホルムアルデヒドとグルタルアルデヒドの組合せを必要とし、したがってこれらの各々の長さは互いに補完し合う。免疫組織化学で用いられる一般的な固定溶液は以下を含む:(a)0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒド;(b)0.1Mリン酸緩衝液中の2%パラホルムアルデヒドと0.2%ピクリン酸;(c)PLP固定剤:0.1Mリン酸緩衝液中の4%パラホルムアルデヒド、0.2%過ヨウ素酸塩および1.2%リジン;および(d)4%パラホルムアルデヒドと0.05%グルタルアルデヒド(電子顕微鏡免疫組織化学)。しかし、当業者であれば、特定の使用に適するように条件を最適化するための、修正を行えることが、理解される。
【0039】
さらに他の態様においては、酸化剤が用いられる。酸化固定剤は、タンパク質および他の生体分子の種々の側鎖と反応することができ、組織構造を安定化する架橋の形成を可能とする。例えば、四酸化オスミウムは、試料が電子顕微鏡用に調製される場合に、しばしば第2固定剤として用いられる。重クロム酸カリウム、クロム酸、および過マンガン酸カリウムのいずれもは、ある特定の組織学的調製において使用が見出されている。
本発明は、沈殿性固定剤として特徴付けられる固定剤が関与する固定手順に用いることができる。沈殿性(または変性性)固定剤は、本質的に、タンパク質分子の溶解性を低下させることにより、およびしばしば、多くのタンパク質にそれらの3次構造を付与する疎水性反応を壊すことにより、作用する。タンパク質の沈殿および凝集は、アルデヒド固定剤で起こる架橋とは非常に異なるプロセスである。最も一般的な沈殿性固定剤は、エタノールおよびメタノールを含む。アセトンもまた用いられる。
【0040】
酢酸は、時々他の沈殿性固定剤と共に用いられる変性剤である。アルコールは、それ自体、固定中に組織の収縮を引き起こすことが知られており、一方酢酸のみの場合は組織の膨張に関連する;これら2つを組み合わせることにより、組織形態のよりより保存をもたらすことができる。一定の状況において、本発明はまた、ピクリン酸および塩化第二水銀を含有する固定剤を用いる固定プロセスにも用いることができる。上述の任意の状況において、本明細書に開示された方法は、固定プロセスを促進および/または強化することができる。
同様に、本発明は、染色が関与する化学的または組織化学的プロセスを改善することに用途を見出す。染色剤(stain)および染料(dye)は、生物学および医学においてしばしば用いられて、多くは様々な顕微鏡の支援により、観察用に生体組織の構造を目立たせる。染色剤は、大きな組織を明示および検査するため(例えば、筋肉繊維や結合組織を目立たせるため)に、細胞集団を明示および検査するため(例えば異なる血液細胞を分類するため)に、または個々の細胞内の細胞器官を明示および検査するために、用いることができる。このように、染色は、クラスに特異的な(DNA、タンパク質、脂質、炭水化物)染料を基質に加えて、特定化合物の存在を定質化または定量化するための、生化学的技術である。例えば、生物学的染色は、フローサイトメトリにおいて細胞を標識するために、およびゲル電気泳動においてタンパク質または核酸に目印をつけるために、用いることができる。したがって、本発明は幾つかの態様において、これらの手順を促進および/または強化するための方法を包含する。
【0041】
本明細書に開示された本発明から利点を得る、多くの染色法がある。限定を意図することなく、これには以下が含まれる:抗酸菌染色法、アルシアンブルー染色法、アルシアンブルー/PAS染色法、アルザリンレッド染色法、アルカリホスファターゼ染色法、アズールA染色法、ビルショースキー染色法、コンゴレッド染色法、ディフ・クイック(Diff-Quik)染色法、ヘリコバクターピロリに対するディフ・クイックII染色法、Fite Faraco染色法、ギムザ染色法、ゴルジ染色法、ゴルジ−コックス染色法、ゴモリの三重染色法、ゴードンスウィート染色法、グラム染色法、グローコットのメテナミン染色法、ヘマトキシリンとエオシン染色法、ヒアルロニダーゼアルシアンブルー染色法、ルナ染色法、ルクソールファストブルー染色法、マッソン−フォンターナ染色法、マッソン三重染色法、メテナミン銀染色法、小グリア染色法、ミラーの弾性染色法、ニッスル染色法、オイルレッドO染色法、PAS染色法、PASジアスターゼ染色法、ペルルスのプルシアンブルー染色法、プーシェ染色法、プルシアンブルー染色法、腎臓アルシアンブルー/PAS染色法、腎臓マッソン三重染色法、腎臓PASメテナミン染色法、ローダニン(Rhodanine)染色法、サフラニンO染色法、コラーゲン用シリウスレッド染色法、サウスゲートのムチカルミン染色法、トルイジンブルー染色法、ファンギーソン染色法、ファンコッサ染色法、VVG染色法、X−Gal染色法およびチールネールゼン染色法。これらの幾つかについては、以下にさらに記述する。
【0042】
染色プロセスを完了するのに必要な時間は大きく異なるが、どの場合においても、本発明を適用した場合、プロセス全体がスピードアップされる。最も単純な場合、実際の染色プロセスは、試料を(固定および搭載の前または後に)染料溶液に含浸すること、続いて洗浄および観察することを含む。多くの染料はしかし、媒染剤、すなわち染色剤と反応して不溶性の着色沈殿物を形成する化合物の使用が必要である。余分な染料溶液が洗い流されると、媒染剤で処理した染色剤が残る。グラム染色法を用いてグラム状態を決定し、細菌を大きく分類することができる。これは、それらの細胞壁の組成に基づく。グラム染色法は、ヨウ素を媒染剤として、クリスタルバイオレットを用いて細胞壁を染色し、およびフクシンまたはサフラニンを用いて全ての細菌を対比染色する。グラム状態は医学において重要である;細胞壁の有無は、幾つかの抗生物質に対する細菌の感受性を変化させる。グラム陽性細菌は、濃い青色または紫色に染色される。これらの細胞壁は一般にペプチドグリカンに富み、グラム陰性細菌に見出される二次膜およびリポ多糖層が欠けている。これらの特異な性質は、したがって、組織病理学的解析を、および続く疾病または疾患の診断を支援する。したがって、本発明はかかるプロセスをスピードアップすることができる。
【0043】
ヘマトキシリンおよびエオシン染色プロトコルは、組織学において組織の薄切片を検査するためにしばしば用いられ、したがって、病理学における有用なツールである。ヘマトキシリンは細胞核を青色に染め、一方エオシンは細胞質および結合組織をピンクまたは赤色に染める。したがって本発明は、例えば手術中における、患者の標本のヘマトキシリン染色のプロセスを、スピードアップするための方法を含む。さらに、エオシンは赤血球細胞により強く吸収され、これらを明るい赤に着色する。かかる特性は、血液試料を分析するのに用いることができる。これを本発明に適用して、かかる分析手順を大きく改善することが可能である。
【0044】
パパニコロー染色、またはPap染色は、種々の分泌液からの細胞試料を検査するためにしばしば用いられる方法である。これはしばしば、パップスメア(子宮頚部細胞診)標本を染色するために用いられる。一般に、これはヘマトキシリン、オレンジG、エオシンY、薄緑SF帯黄色(light green SF yellowish)および時によりビスマルクブラウンYの組合せを用いる。したがって幾つかの態様において、本発明は、パップスメア検査のプロセスを促進および/または強化することを意図する。例えば本発明は、外来でのパップスメア検査を実現することができ、ここで患者は、その医師のオフィスを1度訪れる間に検査結果を得ることができ、後で別の日に結果を受け取る必要はない。
【0045】
同様に、過ヨウ素酸シッフ染色法(PAS染色法)は、炭水化物(グリコーゲン、糖タンパク質、プロテオグリカンを含む)を明示するために用いられる。これは、グリコーゲン蓄積症の異なる種類を識別するために用いられる。したがって、本発明の幾つかの態様は、かかる病気を、より迅速なPAS染色法に基づき診断および/またはモニタリングするためのプロセスを改善することに関する。
幾つかの態様において、本発明は、マッソンの三重染色プロトコルが関与する用途に用いられ、これは、細胞を周辺の結合組織から識別するのに適した、3色の染色プロトコルである。ほとんどの処方は、赤いケラチンおよび筋肉繊維、青または緑のコラーゲンおよび骨の染色、明るい赤またはピンクの細胞質の染色、および黒い細胞核を生成する。
【0046】
さらに他の態様において、ロマノフスキー染色の染色プロセスを強化するための方法が提供され、これらの方法は全て、エオシン塩(化学的に還元されたエオシン)およびメチレンブルー(時にはその酸化産物であるアズールAおよびアズールB)の組合せに基づく。一般的な変法は、ライト染色、ジェンナー染色、リーシュマン染色およびギムザ染色を含む。これら全ては、血液または骨髄試料の検査に用いることができる。これらは一般にH&Eよりも血液細胞の検査に好まれ、その理由は、異なる種類の白血球(leukocyte、white blood cell)を容易に識別できるからである。これら全てはまた、血液を検査して、マラリアなどの血液感染性の寄生生物の検出にも適している。
【0047】
ある場合には、本明細書に提供される方法は、銀染色法に適用することができ、ここで、銀は組織学的切片の染色に用いられる。この種類の染色法は、特にタンパク質(例えばIII型コラーゲン)およびDNAを示すのに重要である。これは、細胞の内部および外部の両方の物質を示すのに用いられる。例えば、幾つかの細胞は銀親和性(argentaffin)である。これらはホルマリン固定後に、銀溶液を金属の銀に還元する。この方法は、硝酸銀と重クロム酸カリウムの間の反応に基づき、幾つかの細胞中のクロム酸銀を沈着させる。他の細胞は銀好性(argyrophilic)である。これらは、例えばヒドロキノンまたはホルマリンなどの還元剤を含む染色剤に暴露された後に、銀溶液を金属の銀に還元する。
さらに他の場合において、本発明は、スダン染色法を改善するための方法を提供する。スダン染色法は、スダン染料の利点を利用して、一般に脂質であるスダン好性物質を染色する。スダンIII、スダンIV、オイルレッドO、およびスダンブラックBがよく用いられる。スダン染色は、、糞便の脂肪レベルを決定して脂肪便を診断するために多く用いられる。したがって本発明による方法は、このプロセスを大幅にスピードアップすることができる。
【0048】
ある態様において、本発明はin vivo染色を改善するのに有用である。in vivo染色は、生きている細胞または組織を染色するプロセスである。ある細胞または構造に対照的な色を呈させることにより、細胞または組織内でのこれらの形態または位置を容易に観察して調査することが可能となる。通常の目的は、これがなくては明らかにできない細胞学的詳細を明らかにすることである;しかし、染色はまた、細胞または組織内においてある化学物質または特定の化学反応が、どこで起きているかを明らかにする。当業者には明白であるように、かかる方法は、多くの臨床的または分析的用途に価値ある利点を提供することができる。
これらの染色はしばしば生体染色法と呼ばれる。これらは、細胞がまだ生きている間に、生物に導入される。しかし、これらの染色は最終的には生物に毒性であり、幾つかは他のものより毒性が強い。所望の効果を実現するために、染色剤は大幅に希釈された1:5,000〜1:500,000の範囲の希釈溶液で用いられる。多くの染色剤は、例えば培養物中で増殖する一次細胞などの、生きている細胞中で用いてもよいことを指摘する。
【0049】
当分野で利用可能な、多くの効果的な生物学的染料が存在する。異なる染料は細胞または組織の異なる部分で反応または濃縮し、これらの特性が、特定の部分または領域を明らかにする利点として用いられる。一般にこれらの染料は、固定細胞または組織において用いることができ、幾つかは生きている生物において用いるのに特に好適である(「生体染色色素」)。一般に用いられる生物学的染料の非限定的例は、以下を含む:ビスマルクブラウン、カルミン、クマシーブルー、クリスタルバイオレット、DAPI、エオシン、臭化エチジウム、フクシン、ヘマトキシリン、ヘキスト染料、ヨウ素、マラカイトグリーン、メチルグリーン、メチレンブルー、ニュートラルレッド、ナイルブルー、ナイルレッド、四塩化オスミウム、ローダミン、サフラニン。
【0050】
光学顕微鏡法と同様に、染料は透過型電子顕微鏡法においても細胞構造を選択的に目立たせるために用いることができ、したがって本発明はまた、EM解析用に生体試料を調製する1または2以上の段階を促進および/または強化するための方法を含む。電子密度の高い重金属の化合物が、一般に用いられる。例えば、リンタングステン酸は、ウィルス、神経、多糖類、および他の生体組織物質に対する、共通のネガティブ染料(negative stain)である。電子顕微鏡法染色に用いる他の化学物質は以下を含む:モリブデン酸アンモニウム、ヨウ化カドミウム、カルボヒドラジド、塩化第二鉄、ヘキサミン、三塩化インジウム、硝酸ランタン、酢酸鉛、クエン酸鉛、硝酸鉛(II)、四塩化オスミウム、過ヨウ素酸、リンモリブデン酸、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、ルテニウムレッド、硝酸銀、塩化金酸ナトリウム、硝酸タリウム、チオセミカルバジド、酢酸ウラニル、硝酸ウラニル、および硫酸バナジル。
【0051】
本明細書に開示された用途を通して、望ましい場合は、任意数の利用可能な選択されたプロトコルにより、免疫検出を実施してよく、本明細書に提供された方法とともに用いた場合に利点がある。本明細書に記載された本発明の任意の方法であって、化学アッセイ、組織化学的プロセス、免疫親和性アッセイ、結合アッセイ、スクリーニングなどを含む方法において用いられる標的検出(target detection)は、一般に検出可能な1種もしくは2種以上の標識を用いるが、これらの標識は本来、比色分析的もしくは蛍光分析的のどちらか、またはこれらの組合せである。一定の状況下で、これらの検出可能な標識はナノ粒子である。例えば、一次または二次抗体に結合した蛍光ナノ粒子は、特に有用な試薬であり、それは、多くの化学染料は通常消えるにも関わらず、これらが蛍光に暴露された後も消えないからである。例示の免疫組織化学手順の概略を図7に示す。
【0052】
通常のフルオロフォア(発蛍光団)は、限定することなく以下を含む:1,5 IAEDANS;1,8−ANS;4−メチルウンベリフェロン;5−カルボキシ−2,7−ジクロロフルオレセイン;5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM);5−カルボキシナフトフルオレセイン(pH10);5−カルボキシテトラメチルローダミン(5−TAMRA);5−FAM(5−カルボキシフルオレセイン);5−HAT(ヒドロキシトリプタミン);5−ヒドロキシトリプタミン(HAT);5−ROX(カルボキシ−X−ローダミン);5−TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン);6−カルボキシローダミン6G;6−CR6G;6−JOE;7−アミノ−4−メチルクマリン;7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD);7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン;9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン;ABQ;酸性フクシン;ACMA(9−アミノ−6−クロロ−2−メトキシアクリジン);アクリジンオレンジ+DNA;アクリジンオレンジ+RNA;アクリジンオレンジ、両者ともDNA&RNA;アクリジンレッド;アクリジンイエロー;アクリフラビン;アクリフラビンフォイルゲンSITSA;エオクリン(発光タンパク質);Alexa Fluor 350(登録商標);Alexa Fluor 430(登録商標);Alexa Fluor 488(登録商標);Alexa Fluor 532(登録商標);Alexa Fluor 546(登録商標);Alexa Fluor 568(登録商標);Alexa Fluor 594(登録商標);Alexa Fluor 633(登録商標);Alexa Fluor 647(登録商標);Alexa Fluor 660(登録商標);Alexa Fluor 680(登録商標);アリザリンコンプレクソン;アリザリンレッド;アロフィコシアニン(APC);AMC、AMCA−S;AMCA(アミノメチルクマリン);AMCA−X;アミノアクチノマイシンD;アミノクマリン;アミノメチルクマリン(AMCA);アニリンブルー; Anthrocyl stearate;APC(アロフィコシアニン);APC−Cy7;APTRA−BTC=比例染料(Ratio Dye)、Zn2+;APTS;アストラゾンブリリアントレッド4G;アストラゾンオレンジR;アストラゾンレッド6B;アストラゾンイエロー7GLL;Atabrine;ATTO−TAG(登録商標)CBQCA;ATTO−TAG(登録商標)FQ;オーラミン;オーロホスフィンG;オーロホスフィン;BAO9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール);BCECF(高pH);BCECF(低pH);硫酸ベルベリン;ベータラクタマーゼ;BFP青色シフトGFP(Y66H);ブルー蛍光タンパク質;BFP/GFP FRETビマン;ビスベンズアミド;ビスベンズイミド(ヘキスト);ビス−BTC=比例染料、Zn2+;ブランコ フォア(Blancophor)FFG;ブランコフォアSV;BOBO(登録商標)−1;BOB(登録商標)−3;ボディピィ(Bodipy)492/515;ボディピィ493/503;ボディピィ500/510;ボディピィ505/515;ボディピィ530/550;ボディピィ542/563;ボディピィ558/568;ボディピィ564/570;ボディピィ576/589;ボディピィ581/591;ボディピィ630/650−X;ボディピィ650/665−X;ボディピィ665/676;ボディピィF1;ボディピィFL ATP;ボディピィF1−セラミド;ボディピィR6G SE;ボディピィTMR;
【0053】
ボディピィTMR−X複合体;ボディピィTMR−X、SE;ボディピィTR;ボディピィTR ATP;ボディピィTR−X SE;BO−PRO(登録商標)−1;BO−PRO(登録商標)−3;ブリリアントスルホフラビンFF;BTC−比例染料Ca2+;BTC−5N−比例染料、Zn2+;カルセイン;カルセインブルー;カルシウムクリムソン(登録商標);カルシウムグリーン;カルシウムグリーン−1 Ca2+染料;カルシウムグリーン−2 Ca2+;カルシウムグリーン−5N Ca2+;カルシウムグリーン−C18 Ca2+;カルシウムオレンジ;カルコフルオアホワイト(Calcofluor White);カルボキシ−X−ローダミン(5−ROX);カスケードブルー(登録商標);カスケードイエロー399;カテコールアミン;CCF2(GeneBlazer);CFDA;CFP−シアン蛍光タンパク質;CFP/YFP;FRET;クロロフィル;クロモマイシンA;クロモマイシンA;CL−NERF(比例染料、pH);CMFDA;コエレンテラジン(Coelenterazine);コエレンテラジンCP(Ca2+染料);コエレンテラジンf;コエレンテラジンfcp;コエレンテラジンh;コエレンテラジンhcp;コエレンテラジンip;コエレンテラジンn;コエレンテラジンo;クマリンファロイジン;C−フィコシアニン;CPMメチルクマリン;CTC;CTCホルマザン;Cy2(登録商標);Cy3.1 8;Cy3.5(登録商標);Cy3(登録商標);Cy5.1 8;Cy5.5(登録商標);Cy5(登録商標);Cy7(登録商標);シアンGFP;環式AMP蛍光センサー(cyclic AMP Fluorosensor)(FiCRhR);CyQuant細胞増殖アッセイ;ダブシル(Dabcyl);ダンシル;ダンシルアミン;ダンシルカダベリン;塩化ダンシル;ダンシルDHPE;フッ化ダンシル;DAPI;ダポキシル(Dapoxyl);ダポキシル2;ダポキシル3;DCFDA;DCFH(ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート);DDAO;DHR(ジヒドロローダミン123);Di−4−ANEPPS;Di−8−ANEPPS(非比例);DiA(4−Di−16−ASP);ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(DCFH);DiD−親油性トレーサー;DiD(DiIC18(5));DIDS;ジヒドロローダミン123(DHR);DiI(DiIC18(3));ジニトロフェノール;DiO(DiOC18(3));DiR;DiR(DiIC18(7));DM−NERF(高pH);DNP;ドーパミン;DsRed;赤色蛍光タンパク質;DTAF;DY−630−NHS;DY−635−NHS;EBFP;ECFP;EGFP;ELF97;エオシン;エリトロシン;エリトロシンITC;臭化エチジウム;エチジウムホモ二量体−1(EthD−1);オイクリシン(Euchrysin);EukoLight;塩化ユウロピウム(III);EYFP;ファストブルー;FDA;フォイルゲン(パラローザニリン);FIF(ホルムアルデヒド誘発性蛍光);
【0054】
FITC;FITC抗体;フラゾオレンジ;Fluo−3;Fluo−4;フルオレセイン(FITC);フルオレセインジアセテート;フルオロ−エメラルド;フルオロ−ゴールド(ヒドロキシスチルバミジン);Fluor−Ruby;FluorX;FM1−43(登録商標);FM4−46;Fura Red(登録商標)(高pH);Fura Red(登録商標)/Fluo−3;Fura−2、高カルシウム;Fura−2、低カルシウム;Fura−2/BCECF;ゲナクリルブリリアントレッドB;ゲナクリルブリリアントイエロー10GF;ゲナクリルピンク3G;ゲナクリルイエロー5GF;GeneBlazer(CCF2);GFP(S65T);GFP赤色シフト(rsGFP);GFP野生型、非UV励起(wtGFP);GFP野生型、UV励起(wtGFP);GFPuv;グロキサン酸(Gloxalic Acid);グラニュラー(Granular)ブルー;ヘマトポルフィリン;ヘキスト33258;ヘキスト33342;ヘキスト34580;HPTS;ヒドロキシクマリン;ヒドロキシスチルバミジン(FluoroGold);ヒドロキシトリプタミン;Indo−1、高カルシウム;Indo−1、低カルシウム;インドジカルボシアニン(DiD);インドトリカルボシアニン(DiR);イントラホワイトCf;JC−1;JO−JO−1;JO−PRO−1;レーザープロ(LaserPro);Laurodan;LDS751(DNA);LDS751(RNA);ロイコフォア(Leucophor)PAF;ロイコフォアSF;ロイコフォアWS;リサミン(Lissamine)ローダミン;リサミンローダミンB;LEIV/DEADキット動物細胞、カルセイン/エチジウムホモ二量体;LOLO−1;LO−PRO−1;ルシファーイエロー;リソトラッカーブルー;リソトラッカーブルーホワイト;リソトラッカーグリーン;リソトラッカーレッド;リソトラッカーイエロー;リソセンサー(LysoSensor)ブルー;リソセンサーグリーン;リソセンサーイエロー/ブルー;マググリーン;マグダラレッド(フロキシンB);Mag−Furaレッド;Mag−Fura−2;Mag−Fura−5;Mag−Indo−1;マグネシウムグリーン;マグネシウムオレンジ;マラカイトグリーン;マリーナブルー;マキシロン(Maxilon)ブリリアントフラビン10GFF;マキシロンブリリアントフラビン8GFF;メロシアニン;メトキシクマリン;ミトトラッカー(Mitotracker)グリーンFM;ミトトラッカーオレンジ;ミトトラッカーレッド;ミトラマイシン(Mitramycin);モノブロモビマン(Monobromobimane);
【0055】
モノブロモビマン(mBBr−GSH);モノクロロビマン;MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン);NBD;NBDアミン;ナイルレッド;Nitrobenzoxadidole;ノルアドレナリン;ヌクレアファストレッド;ヌクレアイエロー;ニロサンブリリアント(Nylosan Brilliant)Iavin E8G;オレゴングリーン;オレゴングリーン488−X;オレゴングリーン(登録商標);オレゴングリーン(登録商標)488;オレゴングリーン(登録商標)500;オレゴングリーン(登録商標)514;パシフィックブルー;パラローザニリン(フォイルゲン);PBFI;PE−Cy5;PE−Cy7;PerCP;PerCP−Cy5.5;PE−テキサスレッド[レッド613];フロキシンB(マグダラレッド);フォルワイト(Phorwite)AR;フォルワイトBKL;フォルワイトRev;フォルワイトRPA;ホスフィン3R;フォトレジスト;フィコエリトリンB[PE];フィコエリトリンR[PE];PKH26(Sigma);PKH67;PMIA;ポントクロームブルーブラック;POPO−1;POPO−3;PO−PRO−1;PO−PRO−3;プリムリン;プロシオンイエロー;ヨウ化プロピジウム(PI);PyMPO;ピレン;ピロニン;ピロニンB;ピラゾールブリリアントフラビン7GF;QSY7;キナクリンマスタード;レッド613[PE−テキサスレッド];レゾルフィン;RH414;Rhod−2;ローダミン;ローダミン110;ローダミン123;ローダミン5GLD;ローダミン6G;ローダミンB;ローダミンB200;ローダミンBエキストラ;ローダミンBB;ローダミンBG;ローダミングリーン;ローダミンファリシジン;ローダミンファロイジン;ローダミンレッド;ローダミンWT;ローズベンガル;R−フィコシアニン;R−フィコエリトリン(PE);rsGFP;S65A;S65C;S65L;S65T;サファイヤGFP;SBFI;セロトニン;セブロンブリリアントレッド2B;セブロンブリリアントレッド4G;セブロンブリリアントレッドB;セブロンオレンジ;セブロンイエローL;sgBFP(登録商標);sgBFP(登録商標)(スーパーグローBFP);sgGFP(登録商標);sgGFP(登録商標)(スーパーグローGFP);SITS;SITS(プリムリン);SITS(スチルベンイソチオスルホン酸);SNAFLカルセイン;SNAFL−1;SNAFL−2;SNARFカルセイン;SNARF1;ナトリウムグリーン;スペクトルアクア;スペクトルグリーン;
【0056】
スペクトルオレンジ;スペクトルレッド;SPQ(6−メトキシ−N−(3−スルホプロピル)キノリニウム);スチルベン;スルホローダミンB can C;スルホローダミンGエキストラ;SYTO11;SYTO12;SYTO13;SYTO14;SYTO15;SYT;SYTO17;SYTO18;SYTO20;SYTO21;SYTO22;SYTO23;SYTO24;SYTO25;SYTO40;SYTO41;SYTO42;SYTO43;SYTO44;SYTO45;SYTO59;SYTO60;SYTO61;SYTO62;SYTO63;SYTO64;SYTO80;SYTO81;SYTO82;SYTO83;SYTO84;SYTO85;SYTOXブルー;SYTOXグリーン;SYTOXオレンジ;テトラサイクリン;テトラメチルローダミン(TRITC);テキサスレッド(登録商標);テキサスレッド−X(登録商標)複合体;チアジカルボシアニン(DiSC3);チアジンレッドR;チアゾールオレンジ;チオフラビン5;チオフラビンS;チオフラビンTCN;チオライト;チアゾールオレンジ;チノポールCBS(カルコフルオアホワイト);TMR;TO−PRO−1;TO−PRO−3;TO−PRO−5;TOTO−1;TOTO−3;トリカラー(TriColor)(PE−Cy5);TRITC;テトラメチルローダミンイソチオシアネート;トゥルーブルー;トゥルーレッド;ウルトラライト;ウラニンB;ユビテックスSFC;wtGFP;WW781;X−ローダミン;XRITC;キシレンオレンジ;Y66F;Y66H;Y66W;イエローGFP;YFP;YO−PRO−1;YO−PRO−3;YOYO−1およびYOYO−3。
【0057】
1または2以上の標的分子(例えば抗原)の存在またはパターンを空間的に(組織の分布、局在化等)または表現型的に(発現レベル等)識別する、蛍光に基づく検出プロトコルとは別に、クロモゲンに基づく可視化プロトコルもまた、それ自体で、または蛍光検出と組み合わせて、利用可能である。好ましいクロモゲンはジアミノベンジジン(DAB)を含むが、しかし他の多くのクロモゲンも利用可能である。幾つかの場合において、染色は、ニッケルおよびコバルトを含む重金属イオンなどの第二因子の付加により、強化することができる。染色(インキュベーション)および着色などの、検出手順の1または2以上の段階は、試料を本明細書に開示の照射に暴露することにより、強化される。一般に用いられるクロモゲン基質溶液は以下を含む:DAB−ペルオキシダーゼ基質溶液(ブラウン);DAB−ペルオキシダーゼ基質溶液(グレイ);DAB−ペルオキシダーゼ基質溶液(ブラック);DAB−ペルオキシダーゼ基質溶液(ブルー);AEC−ペルオキシダーゼ基質溶液(レッド);BDHC−ペルオキシダーゼ基質溶液(ブルー);TMB−ペルオキシダーゼ基質溶液(ブルー);ニューフクシンアルカリホスファターゼ基質溶液(レッド);BCIP/NBTアルカリホスファターゼ基質溶液(ブルー)。
【0058】
本発明を、免疫親和性に基づく技術またはアッセイシステムと共に用いる場合、本発明は、任意のかかるプロセスを、化学反応または分子相互反応を促進することにより、容易にすることができる。当分野で用いられる代表的な免疫親和性試薬は、以下を含む:抗体、その抗原結合断片、およびそれらの別に設計された誘導体であって、いわゆるアフィボディ(登録商標)分子。これら全ては、本明細書の別の部分においてさらに詳細に説明される。さらに、当然のことながら、かかる免疫親和性試薬は、目的の標的分子の空間的分布を決定するために(例えば、細胞または組織における抗原の限局化)、および試料中の目的の標的分子の量または相対レベルを測定することにより組成決定を行うために(例えば、免疫沈降または蛍光分析アッセイ)、用いてもよい。
【0059】
本発明がいかにして適用され、現存する方法論を促進するのかについてのより具体的な例として、本明細書に提供された方法は、試料中に存在する1種または2種以上の既知の生物学的マーカーの同定、検出および/または測定に関与する段階に、容易に適合することができる。例えば、マイクロ波を、二重免疫細胞化学染色法などの免疫蛍光技術に用いることができる。適度なマイクロ波加熱(microwaving)は抗体を溶出せず、しかし抗体と続いて適用される試薬との反応を防ぐことが示されている。したがって、本明細書に示された方法を用いて、第一および第二染色サイクルの間に実施されるマイクロ波加熱は、同じ種において産生された抗体による二重間接免疫蛍光染色の改善を可能とする。さらに、マイクロ波加熱はまた、細胞外部分に存在する外因性の免疫グロブリンとの反応を阻害する。これにより、例えば、マウス組織のマウスモノクローナル抗体による間接免疫染色におけるバックグラウンドを大幅に減少させ、従来の電子レンジを用いて得られるものと比べて、さらに結果を強化する。
【0060】
診断免疫組織学(DIHC)はしたがって、感染生物の正確な同定、形態的に類似で識別されていない腫瘍の区別、良性および悪性新生物(腫瘍)の分類、および悪性腫瘍の予後判定を提供する、不可欠な学問分野である。この技術はしばしば、予後、治療法の選択、および処置に対する患者の応答に直接影響する。したがって、より速くより正確な結果を可能とする、診断免疫組織学のための改善された方法は、大きな興味の対象であり、本明細書に提供された方法は、かかる改善を包含する。かかる方法は、種々の組織種類および細胞種類を含むことができる。例えば本発明の方法は、診断に、および疾病または疾患の予後のプロセスに有用であり、疾病とは特に癌であって、以下の組織および/または細胞が関連するものである:特に、神経系、乳癌、皮膚癌、腎細胞癌、前立腺癌、肺癌、消化管間質腫瘍、骨の病変、鼻腔および副鼻腔腫瘍、黒色腫(メラノーマ)、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、血管腫、子宮腫瘍、甲状腺癌、多形肉腫。
【0061】
上皮および/または内皮起源の細胞および組織の決定に用いることができる市販の試薬は、以下を含む:CA19−9抗体[241];CD166抗体[3A6](FITC);CD166抗体[L50];サイトケラチン13抗体[1C7];サイトケラチン13抗体[AE8];サイトケラチン13抗体[KS−1A3];サイトケラチン13抗体[KS−1A3];サイトケラチン4抗体[6B10];サイトケラチン4抗体[6B10];D240抗体[D2−40];前希釈分化内皮細胞抗体[1F10];EBP50抗体;EBP50抗体[EBP−10];内皮細胞抗体[BW−200];内皮細胞抗体[PAL−E];内皮細胞抗体[RECA−1];内皮抗体[1.BB.803];内皮抗体[EN4];内皮抗体[MRC OX43](FITC);内皮抗体[PAL−E];EpCAM抗体[0.N.277]−BSAおよびアジド非含有;EpCAM抗体[AUA1];EpCAM抗体[B29.1(VU−ID9)];EpCAM抗体[B29.1(VU−ID9)](FITC);EpCAM抗体[B302(323/A3)];EpCAM抗体[B302(323/A3)];EpCAM抗体[Ber−EP4];EpCAM抗体[E144];EpCAM抗体[HEA125];前希釈EpCAM抗体[VU−ID9];EpCAM抗体[VU−ID9];前希釈フィラグリン(Filaggrin)抗体;フィラグリン抗体[FLG01];フィラグリン抗体[SPM181];フィラグリン抗体[SPM181];前希釈フィラグリンタンパク質(標識化);胃癌抗体[BY−1(3H11)];HMWサイトケラチン抗体[34bE12];HMWサイトケラチン抗体[34ベータE12];前希釈HMWサイトケラチン抗体[DE−SQ];接合部接着分子C抗体[CRAM−18F26];接合部接着分子C抗体[CRAM−19H36];カリクレイン6抗体;カリクレイン6抗体−触媒ドメイン;カリクレイン6抗体−カリクレインループ;カリクレイン6ペプチド(触媒ドメイン);カリクレイン6ペプチド(カリクレインループ);マンマグロビン(Mammaglobin)抗体;マンマグロビン抗体;マンマグロビン抗体;メソセリン(Mesothelin)抗体[K1];メソセリン抗体[SPM143];メソセリン抗体[SPM143];前希釈MUC1抗体[E29];MUC1抗体[LBS−1];MUC1抗体[LH39];MUC1抗体[PR4D1];MUC1抗体[VU−1D9];PDZK1抗体;プラコフィリン(Plakophilin)3抗体[23E3/4];プラコフィリン3抗体[E612B11F8];前立腺分泌タンパク質/PSP抗体[YPSP−1];RECA1抗体[HIS52]; SLC26A3抗体−アジド非含有;TEM7抗体[197C193];TEM8抗体;TEM8抗体;TEM8抗体[200C1339];TEM8ペプチド;TEM8ペプチド(551−564);TEM8ペプチド(92−107);THSD1抗体[TX17.10];THSD1抗体[TX17.10](ビオチン);THSD1抗体[TX17.10](FITC);URO10抗体[T43];URO2抗体[S2];URO4抗体[S27];URO5抗体[T16];URO7抗体[S22];URO8抗体[F31];URO9抗体[Om5];尿路上皮抗体[LBS8];および血管内皮抗体[10]。
【0062】
脳および神経細胞起源の細胞および組織の決定に、または本明細書に記載の方法において用いるのに有用な、神経細胞由来の疾患の幾つかを示す細胞および組織の決定のために用いることができる、市販の試薬は、以下を含む:200kDa+68kDaニューロフィラメント抗体[SPM145];200kDa+68kDaニューロフィラメント抗体[SPM145]、前希釈;DYX1C1抗体DYX1C1ペプチド(408−420);AKAP9抗体;AKAP9抗体[17G10];Arg3.1抗体;Arg3.1ペプチドダブルコルチン(phospho S28)抗体−ニューロンマーカー;ダブルコルチン抗体−ニューロンマーカー;ダブルコルチンペプチド ダブルコルチンペプチド;ダブルコルチンペプチド−phospho S28;ダブルコルチンペプチド−phospho S297;DYX1C1抗体;DYX1C1ペプチド(408−420);LXN抗体;LXNタンパク質(T7タグ);MAP1B抗体[3G5]−ニューロンマーカー;MAP1B抗体[AA6];MAP1B抗体[SPM283]、前希釈;MAP2a+MAP2b抗体[AP20](FITC);MAP2a+MAP2b抗体[AP20]−ニューロンマーカー;MAP2a+MAP2b抗体[MT−01]−ニューロンマーカー;MAP2a+MAP2b抗体[MT−07];MAP2a+MAP2b抗体[SPM284]、前希釈;ニューロン特異的βIIIチューブリン抗体;ニューロン特異的βIIIチューブリン抗体[TU−20]−ニューロンマーカー;ニューロン特異的βIIIチューブリン抗体[TUJ−1]−ニューロンマーカー;ニューロン特異的βIIIチューブリンペプチド;PGP9.5抗体;PGP9.5抗体−ニューロンマーカー;PGP9.5抗体[10A1]−ニューロンマーカー;PGP9.5抗体[13C4/I3C4]−ニューロンマーカー;PGP9.5抗体[13C4];PGP9.5抗体[31A3];PGP9.5ペプチド;PGP9.5ペプチド(175−191);スペクトリン(非赤血球系)抗体[D8B7]。
【0063】
本明細書に記載の方法において用いるのに有用な、市販の腫瘍関連試薬は、以下を含む:ADAMTS1抗体;ADAMTS1抗体−アミノ末端;ADAMTS1抗体−C末端;ADAMTS1抗体−プロペプチドドメイン;ADAMTS1ペプチド(アミノ末端);AIB1抗体[0.T.198];AIB1抗体[AX15];ALK抗体;ALK抗体[5A4];ALK抗体[SP8];ALK抗体[SP8]、前希釈;ALK抗体、前希釈;ALKタンパク質;α1フェトタンパク質受容体抗体[2B8];α1フェトタンパク質受容体抗体[2B8](HRP);α1フェトタンパク質受容体抗体[5E1];αラクトアルブミン抗体;αラクトアルブミン抗体(アルカリホスファターゼ);αラクトアルブミン抗体[0.N.14];αラクトアルブミン抗体[F20.16];AMACR+p63抗体[4A4(p63)]−マウスモノクローナルおよびラビットポリクローナルのカクテル;AMACR抗体;AMACR抗体[13H4];AMACR抗体、前希釈;抗ErbB2アフィボディ(Affibody)(登録商標)分子造影剤;抗ErbB2アフィボディ(登録商標)分子;抗ErbB2アフィボディ(登録商標)分子(アガロース);抗ErbB2アフィボディ(登録商標)分子(ビオチン);抗ErbB2アフィボディ(登録商標)分子(FITC);抗ErbB2アフィボディ(登録商標)分子(HRP);抗HSAアフィボディ(登録商標)分子;抗HSAアフィボディ(登録商標)分子(ビオチン);ASAP1/DDEF1抗体;Axin1抗体;Axin1ペプチド(850−862);Axl抗体;Axl抗体;BCA225抗体[CU18];BCAR3抗体;BCAR3ペプチド;BCAS2抗体;BCAS2タンパク質(T7タグ);BCRP/ABCG2抗体[BXP−21]−造血/神経幹細胞マーカー;BCRP/ABCG2抗体[BXP−34]−造血/神経幹細胞マーカー;BCRP/ABCG2抗体[BXP−53];BCRP/ABCG2抗体[BXP−9];ベンゾピレン抗体BRCAA1抗体;c−Kit(phospho Y568+Y570)抗体;c−Kit(phospho Y703)抗体;c−Kit(phospho Y721)抗体;c−Kit(phospho Y730)抗体;c−Kit(phospho Y823)抗体;c−Kit(phospho Y936)抗体;c−Kit抗体;c−Kit抗体[104D2];c−Kit抗体[104D2](アロフィコシアニン);c−Kit抗体[104D2](ビオチン);c−Kit抗体[104D2](フィコエリトリン);c−Kit抗体[2B8];c−Kit抗体[2B8](アロフィコシアニン/Cy5.5(登録商標));
【0064】
c−Kit抗体[2B8]](ビオチン);c−Kit抗体[2B8](Cy5)Cy5(登録商標)抱合;c−Kit抗体[2B8]](FITC);c−Kit抗体[2B8]](PE/Cy5)PE/Cy5(登録商標)抱合;c−Kit抗体[2B8]](フィコエリトリン);c−Kit抗体[B−K15];c−Kit抗体[B−K15](ビオチン);c−Kit抗体[B−K15](フィコエリトリン);c−Kit抗体[T595];c−Kit抗体[Y145];c−Kit抗体、前希釈;c−Kitペプチド−phospho Y703(phosphoおよびnon-phospho対);c−Kitペプチド−phospho Y721(phosphoおよびnon-phospho対);c−Kitペプチド−phospho Y730(phosphoおよびnon-phospho対);c−Kitペプチド−phospho Y823(phosphoおよびnon-phospho対);c−Kitペプチド−phospho Y936(phosphoおよびnon-phospho対);CA125抗体[10G12];CA19−9抗体[0.N.36];CA19−9抗体[192];CA19−9抗体[241];CA19−9抗体[BC/121SLE];CA19−9抗体[SPM110];CA19−9抗体[SPM110]、前希釈;癌胎児性抗原CEA抗体;癌胎児性抗原CEA抗体[1C10](HRP);癌胎児性抗原CEA抗体[1C11];癌胎児性抗原CEA抗体[1C3];癌胎児性抗原CEA抗体[1C7];癌胎児性抗原CEA抗体[26/3/13];癌胎児性抗原CEA抗体[26/5/1];癌胎児性抗原CEA抗体[85A12];癌胎児性抗原CEA抗体[C6G9];癌胎児性抗原CEA抗体[CB30];癌胎児性抗原CEA抗体[CI−P83−1](FITC);癌胎児性抗原CEA抗体[CLB−139];癌胎児性抗原CEA抗体[Col−1];
【0065】
癌胎児性抗原CEA抗体[Col−1]、前希釈;癌胎児性抗原CEA抗体[II−7];癌胎児性抗原CEA抗体[NCRC16(AKA161)];癌胎児性抗原CEA抗体、前希釈;癌胎児性抗原CEA抗体、前希釈;癌胎児性抗原CEAタンパク質;癌胎児性抗原CEAタンパク質癌胎児性抗原CEAタンパク質;癌胎児性抗原CEAタンパク質(マイトジェン非含有);カテプシンP抗体;CCK4抗体;CD15抗体[0.N.79];CD15抗体[28];ジメチルベンズアントラセン抗体;DLC1抗体;ディスアドヘリン(Dysadherin)抗体;ディスアドヘリンペプチド(164−178);EMAPII抗体;EMAPII抗体[546−2];EpCAM抗体[0.N.277]−BSAおよびアジド非含有;EpCAM抗体[AUA1];EpCAM抗体[B29.1(VU−ID9)];EpCAM抗体[B29.1(VU−ID9)](FITC);EpCAM抗体[B302(323/A3)];EpCAM抗体[Ber−EP4];EpCAM抗体[E144];EpCAM抗体[HEA125]、前希釈;EpCAM抗体[VU−1D9];EpCAM抗体[VU−1D9]、前希釈;ErbB2(phospho T686)抗体;ErbB2(phospho Y1221+Y1222)抗体;ErbB2(phospho Y1221)抗体;ErbB2(phospho Y1222)抗体;ErbB2(phospho Y1248)抗体;ErbB2(phospho Y1248)抗体[PN2A];ErbB2(phospho Y877)抗体;ErbB2抗体;ErbB2抗体−BSAおよびアジド非含有;ErbB2抗体[10C7];
【0066】
ErbB2抗体[24D2];ErbB2抗体[24D2](アロフィコシアニン);ErbB2抗体[24D2](FITC);ErbB2抗体[24D2](フィコエリトリン);ErbB2抗体[3B5];ErbB2抗体[9G6];ErbB2抗体[CB11];ErbB2抗体[CB11]、前希釈;ErbB2抗体[ICR12];ErbB2抗体[ICR52];ErbB2抗体[ICR55];ErbB2抗体[N24];ErbB2抗体[SP3];ErbB2抗体[SPM172]、前希釈;ErbB2抗体[V2];ErbB2抗体[V2W];ErbB2抗体、前希釈;ErbB2ペプチド−phospho Y1248;ErbB3抗体;ErbB3抗体[RTJ2];ErbB3抗体[SGP1];ErbB4抗体[HFR1];ErbB2ペプチド;EWSR1抗体;XIIIa因子抗体;XIIIa因子抗体[AC−1A1];XIIIa因子抗体[AC−1A1]、前希釈;FLJ23603抗体;葉酸塩結合タンパク質抗体;葉酸塩結合タンパク質抗体(ビオチン);葉酸塩結合タンパク質抗体(HRP);葉酸塩結合タンパク質抗体(HRP)−アジド非含有;葉酸塩結合タンパク質抗体[LK26];胃癌抗体[BY−1(3H11)];GCDFP15抗体;GCDFP15抗体[0.N.307];GCDFP15抗体[23A3];GCDFP15抗体[23A3]、前希釈;GCDFP15抗体[3G153];GCDFP15抗体[D6]、前希釈;GCDFP15抗体[SPM135];GCDFP15抗体[SPM135]、前希釈;GCDFP15ペプチド;GCDFP15タンパク質;GPCR GPR124抗体;GSTM1+GSTM2抗体;GSTM1+GSTM2ペプチド(207−217);GTAM12抗体[B43.12];
【0067】
HAS3抗体;HAS3ペプチド;HE4抗体;肝細胞癌抗体[CHALV1];HHV8サイクリン抗体[23];Hippostatin抗体;HL60抗体[IPO−M6];HL60全細胞溶解液;HPV18E6抗体[289−13965];HPV18 E6抗体[BF7];ヒトc−Kit ELISA Kit−1×96ウェルプレート;ヒトc−Kit ELISA Kit−2×96ウェルプレート;ヒト結腸直腸腺癌抗体[C241:5:1:4];ヒト前立腺腫瘍抗体[YPMA−2];ヒト血清アルブミン抗体[OCH1E5];ヒト血清アルブミン抗体[OCH1E5]、前希釈;ヒトVCAM1 ELISA Kit−1×96ウェルプレート;ヒトVCAM1 ELISA Kit−2×96ウェルプレート;IFI27抗体;INSM1抗体;IRS1(phospho S307)抗体;IRS1(phospho S312)抗体;IRS1(phospho S616)抗体;IRS1(phospho S636)抗体;IRS1(phospho S639)抗体;IRS1(phospho Y1179)抗体;IRS1(phospho Y1229)抗体;IRS1(phospho Y612)抗体;IRS1(phospho Y869)抗体;IRS1(phospho Y896)抗体[EP260Y];IRS1(phospho Y941)抗体;IRS1抗体;カリーニン(Kalinin)抗体[GB3];カリクレイン14抗体;カリクレイン14抗体−触媒ドメイン;カリクレイン14抗体−カリクレインループ;カリクレイン14ペプチド;カリクレイン14ペプチド(触媒ドメイン);腎臓腫瘍(ヒト):腎細胞癌組織スライド;腎臓腫瘍(ヒト):ウィルムス腫瘍組織スライド;Kindlin抗体;LIMA/SIMA抗体[4A1];肝臓腫瘍(ヒト):肝細胞癌組織スライド;LSM1抗体;
【0068】
LSM1タンパク質(T7タグ);肺腫瘍抗体[CHLG−26];肺腫瘍抗体[T2101];肺腫瘍抗体[TFS−4];MA2抗体;MAGE1抗体;MAGE1抗体[E22−11B2−E9];MAGE1抗体[SPM282];MAGE1抗体、前希釈;MAGEA3抗体;MAGEA6抗体;MAGEA8抗体;MAGED2抗体;マンモグロビン抗体;マレク病抗体;MASPIN抗体;MASPIN抗体−アミノ末端;MASPIN抗体−ヘリックスC−D;MASPIN抗体−RCLショルダー;MASPINペプチド;MASPINペプチド(アミノ末端);MASPINペプチド(ヘリックスC−D);MASPINペプチド(RCLショルダー);MCSP抗体[LHM2];メランA抗体;メランA抗体[A103];メランA抗体[DT101+BC199];メランA抗体[M2−7C10+M2−9E3];メランA抗体[M2−7C10];メランA抗体、前希釈;メラニン細胞表面抗原抗体[Mel.2];メラノーマ抗体[HMB45+DT101+BC199+T311];メラノーマ抗体[HMB45(IgG1/k)+M2−7C10(IgG2b)+M2−9E3(IgG2b)+T311(IgG2a)];メラノーマ抗体[HMB45+DT101+BC199];メラノーマ抗体[HMB45];メラノーマ抗体[HMB45]、前希釈;メラノーマ抗体[LHM3];メラノーマ抗体[PAL−M2];メラノーマ抗体[PNL2];メラノーマgp100抗体;メラノーマgp100抗体[SPM142];メラノーマgp100抗体[SPM142]、前希釈;メラノーマgp100抗体、前希釈;メラノーマgp100 タンパク質;Membralin抗体;メソセリン抗体[K1];メソセリン抗体[SPM143];メソセリン抗体[SPM143]、前希釈;メソセリオーマ抗体[HBME−1];MTGR1抗体;MUC1抗体;Nmycインタラクター(interactor)抗体;Nras+cHa ras抗体;NABC1抗体;NAPSIN A抗体;
【0069】
NAPSIN Aペプチド(408−421);Nckα抗体;Nckβ抗体;Nckβ抗体、前希釈;NSP5α3α抗体;卵巣癌関連抗原抗体[OV632];卵巣癌関連抗原OA3抗体[OVTL−16];p15 INK4b抗体;p15 INK4b抗体−BSAおよびアジド非含有;p15 INK4b抗体[15P06];p15 INK4b抗体[DCS−114];panCEACAM抗体[D14HD11];panCEACAM抗体[TET2];panムチン抗体[b12];PHAP3抗体;PHAP3ペプチド;PRAME抗体;PRAMEペプチド;前立腺分泌タンパク質/PSP抗体[YPSP−1];前立腺酸性フォスファターゼ抗体;前立腺酸性フォスファターゼ抗体[4LJ];前立腺酸性フォスファターゼ抗体[PASE/4LJ]、前希釈;前立腺酸性フォスファターゼ抗体[SPM312]、前希釈;前立腺酸性フォスファターゼ抗体、前希釈;PRUNE抗体;PSA抗体;PSA抗体[2H9];PSA抗体[5A6](HRP);PSA抗体[5G6];PSA抗体[8A6];PSA抗体[A67−B/E3];PSA抗体[ER−PR8];PSA抗体[ER−PR8]、前希釈;PSA抗体[PS1](HRP);PSA抗体[PS6];PSA抗体[PS6](HRP);PSA抗体[PSA1];PSA抗体、前希釈;PSAペプチド(244−254);PSCA抗体;
【0070】
PSCA抗体、前希釈;PSGR抗体;プソリアシン(Psoriasin)抗体[47C1068];プソリアシン抗体[47C1068]−アジド非含有;PTP4A3抗体;PTP4A3抗体[02301];PTP4A3抗体[111AT714];PTP4A3ペプチド(5−18);PTP4A3タンパク質(T7タグ);腎細胞癌(gp200)抗体[MG38];腎細胞癌(gp200)抗体[MG38](FITC);腎細胞癌(gp200)抗体[MG38](フィコエリトリン);腎細胞癌(gp200)抗体[PN−15];腎細胞癌(gp200)抗体[PN−15]、前希釈;腎細胞癌(gp200)抗体[RC38];腎細胞癌(gp200)抗体[SPM314]、前希釈;レチキュロン(Reticulon)1A抗体[MON160];レチキュロン1A抗体[MON161];レチキュロン1A抗体[MON162];リツキシマブ抗体[MB2A4];リツキシマブ抗体[MB2A4](FITC);分泌成分糖タンパク質抗体[0.N.556];分泌成分糖タンパク質抗体[SC−05];分泌成分糖タンパク質抗体[SPM217];SSX2IP抗体;SSX2IPペプチド(602−614);STEAP抗体;ステフィン(Stefin)A抗体;ステフィンA抗体、前希釈;TAG72抗体[0.N.561]−BSAおよびアジド非含有;TAG72抗体[0.N.562]−BSAおよびアジド非含有;TAG72抗体[B72.3];TAG72抗体[B72.3]、前希釈;TAG72抗体[CC−49]、前希釈;TAG72抗体[CC49];TAG72抗体[SPM148];TAG72抗体[SPM148]、前希釈;TCRα+β+上皮腫瘍抗体[R73+CC52];TEM7抗体[197C193];TEM8抗体;
【0071】
TEM8抗体[200C1339];TEM8ペプチド;TEM8ペプチド(551−564);TEM8ペプチド(92−107);TFEB抗体;トムゼン・フリーデンライヒ抗原抗体[A78−G/A7];トムゼン・フリーデンライヒ抗原抗体[SPM320]、前希釈;TM4SF3抗体;TMEM16A抗体;TPD52L1抗体[d1C5];TPD52L1タンパク質(Hisタグ);TRP1抗体[Ta99];TRP1抗体[Ta99]、前希釈;チロシナーゼ抗体;チロシナーゼ抗体(アルカリホスファターゼ);チロシナーゼ抗体[T311];チロシナーゼ抗体、前希釈;チロシナーゼ関連タンパク質75抗体[3F388];チロシナーゼ関連タンパク質75抗体[TA99];UBIAD1抗体;URO10抗体[T43];URO2抗体[S2];URO4抗体[S27];URO5抗体[T16];URO7抗体[S22];URO8抗体[F31];URO9抗体[Om5];ウロプラキンIII抗体;VIP受容体1抗体;VIP受容体1抗体[AS58];VPAC2抗体;VPAC2抗体[AS69];WHSC1/NSD2抗体;ウィルムス腫瘍 タンパク質抗体;ウィルムス腫瘍タンパク質抗体[WLM04];ウィルムス腫瘍タンパク質抗体、前希釈;XAGE1抗体;XTP4抗体;YB1抗体;YB1ペプチド;ZAP70(phospho Y292)抗体;ZAP70(phospho Y315+Y319)抗体;ZAP70(phospho Y319)抗体;ZAP70(phospho Y319)抗体[E227];ZAP70(phospho Y493)抗体;ZAP70抗体;ZAP70抗体[1E7.2];ZAP70抗体[1E7.2](フィコエリトリン);ZAP70抗体[E267];ZAP70抗体[SB70](アルカリホスファターゼ);ZAP70抗体[SB70](ビオチン);ZAP70抗体[SB70](HRP);ZAP70抗体[SBZAP];ZAP70抗体[SBZAP](アルカリホスファターゼ);ZAP70抗体[SBZAP](ビオチン);ZAP70抗体[SBZAP](FITC);ZAP70抗体[SBZAP](フィコエリトリン);ZAP70抗体[YE291];ZAP70抗体[ZAP−03];ZAP70抗体、前希釈;ZNFN1A2抗体;14−3−3ゼータ抗体;14−3−3ゼータ抗体[8C3];および14−3−3ゼータ抗体、前希釈。
【0072】
細胞型、発達の段階、胚起源、系統、分化状態、疾病の進行などを決定するのに役立ち得る、その他多くの有用なマーカーおよび試薬が存在する。
【0073】
病理学の典型的な評価シナリオにおいて用いられる標本染色の例示の手順を、以下に示す:(1)1つまたは2つ以上の試料を固定した後、(2)パラフィンに包埋し、(3)8〜10μm厚さの切片に切り取り、(4)顕微鏡スライドグラス上に載せる。(5)1つのスライドを病理学者による検査のためにH&E(ヘマトキシリンおよびエオシン)で染色し、(6)病理学者は予備診断を行う。(7)病変(腫瘍)の起源(リンパ系、上皮、神経、脂肪、または間充織などから)を識別するためにさらなる組織学的情報が必要な場合は、(8)識別抗体の一団を組織切片に適用し、(9)標識検出用に適切に処理し、および(10)検査のため病理学者に提示する。例えば、上皮起源の同定には、CD45白血球共通抗原、サイトケラチンおよび上皮膜抗原試薬を一般に用いる。間充織の同定には、ビメンチンを一般に用いる。神経組織の同定には、s−100試薬を一般に用いる。サイクリング腫瘍(cycling tumor)の同定には、ki−67を一般に用いる。乳癌の同定には、エストロゲンまたはプロゲステロン受容体に特異的な試薬を一般に用いる。前立腺癌の同定には、前立腺特異的試薬を一般に用いる。甲状腺または肺癌の同定には、TTF1を一般に用いる。試料には、段階(1)、(4)、(5)、(8)および/または(9)の間に、本明細書に記載したように照射を行ってもよい。(8)および(9)の洗浄段階の間のマイクロ波照射は、例えば、抗体の非特異的結合を大幅に減少させることができ、これにより特異的信号が増大される。
【0074】
本開示により、分子間相互作用を含む化学プロセスを改善する方法が提供される。
本明細書において、用語「分子間相互作用」は、共有結合または非共有結合により特徴付けられる相互作用を包含するものであり、分子内で起こる相互作用、および2個または3個以上の分子の間で起こる相互作用を含むものとする。分子内で起こる相互作用の例は、限定することなく、タンパク質の2つのドメインで起こる相互作用および核酸分子の反復性相互作用を含む。非共有結合相互作用は、同一クラスの2個の分子の間、または異なるクラスの2個の分子の間で起こる可能性がある。前者は例えば、2つのポリペプチド間の相互作用(すなわち、タンパク質−タンパク質相互作用)および2つの相補的核酸断片の間の相互作用を含む。後者は、タンパク質と核酸の間の相互作用、タンパク質と脂質の間の相互作用などを含む。
【0075】
本発明によれば、分子間相互作用は共有結合分子間相互作用を含む。共有結合は、原子間で電子対を共有することを特徴とする化学結合の種類である。要するに、電子を共有する原子間に形成される引力−斥力安定性が、共有結合として知られているものである。本発明の分子間相互作用はまた、非共有結合分子間相互作用も含む。非共有結合とは、分子間または分子の一部の間の、本来共有性ではない種々の相互作用であって、分子または分子の一部を通常は特定の配置または構造に一緒に保持する力を提供する、前記相互作用をさす。これら非共有結合分子間相互作用は、イオン結合、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワース力(akaロンドン分散力)、および双極子−双極子結合を含む。本明細書において、「非共有結合」、「非共有相互作用」および「非共有結合力」は全て、どの特定の力が関与するのかを特定または識別することなく、全体としてこれらの力を指す:非共有結合は多くの場合、一緒に働くこれらの力の幾つかを含む。非共有結合は本来弱く、したがって通常は、重大な効果を示すために一緒に作用しなければならない。
【0076】
タンパク質の文脈において、分子内非共有結合相互作用は、タンパク質の2次および3次構造に、したがって生命の機構におけるタンパク質の機能に大きく関与する。さらに、分子内非共有結合相互作用は、2種または3種以上のタンパク質が干渉性の機構において機能するタンパク質複合体(4次構造)にも関与する。したがって、本明細書に開示の発明において提供される電磁場は、タンパク質および核酸を含む生体分子のこれら相互作用の1または2以上の側面を、直接的および間接的に変化させるのに十分な、誘電エネルギーを提供することができる。
より具体的には、本発明の幾つかの態様は、本明細書の別の部分に記載された条件のもとで、次の仮定すなわち、誘電エネルギーが、溶液中の例えば抗体などの分子を、例えば抗原などの標的に向けるように「追いたて」、これによって反応プロセスを大幅にスピードアップさせる、との仮定に基づく。この技術に基づくさらなる利点は、幾つかの場合においては、例えばインキュベーション中などに、試料の機械的撹拌の必要性を取り除けることであり、ユーザーは大幅に少ない量の試薬を用いてアッセイを行うことができ、それでも同等の結果を得ることができる。限定を意図することなく、照射により生成される直接の熱的効果とは別に、電磁エネルギー場から得られる電流渦(すなわち、局所的微小流体循環)は、非結合試薬の局所的混合を強化するよう作用し、それらの基質組織/エピトープ/細胞との相互作用を強化する。したがって、これらの方法は、より短い時間で低い費用において、検出可能な信号のより高い収率と低いバックグラウンドを生成することができる。
【0077】
幾つかの態様において、本発明は核酸のハイブリダイゼーションを利用する技術に関する。したがって、かかる技術を実施するための1または2以上の段階を、本発明の照射方法により改善する方法が提供される。ハイブリダイゼーションとは、DNAまたはRNAを水素結合により対として相補配列にし、二本鎖ポリヌクレオチドを形成することを意味する。この用語は、DNAプローブの結合(またはアニーリング)、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)中のプライマーのDNA鎖への結合(またはアニーリング)を記述するために、しばしば用いられる。用語はまた、熱変性により分離された相補鎖の改良(再生)を記述するためにもしばしば用いられる。核酸のハイブリダイゼーションは、種々のアッセイおよびスクリーニングにおいて用いられ、in vitro、in situまたはin vivoにおいて起こることができる。
【0078】
組織化学的用途の文脈において、核酸のハイブリダイゼーションを用いるおそらく最も一般的な技術は、in situハイブリダイゼーションおよびその変法である。in situハイブリダイゼーション(ISH)は、標識された相補的DNAまたはRNA鎖(すなわちプローブ)を用いて、組織(in situ)の一部または切片において、あるいは、組織が十分に小さい場合(例えば植物の種、ショウジョウバエ胚)には組織全体において(ホールマウントISH)、特定のDNAまたはRNA配列を限局するハイブリダイゼーション技術である。DNAin situハイブリダイゼーションは、染色体の構造を決定するために用いることができる。蛍光DNAin situハイブリダイゼーション(FISH)は、例えば、医療診断において染色体の完全性(integrity)を評価するために用いることができる。RNAin situハイブリダイゼーション(ハイブリダイゼーション組織化学)は、mRNAおよび他の転写物を、組織切片またはホールマウント内で測定または限局するために用いる。ハイブリダイゼーション組織化学のために、試料細胞および組織は通常、標的転写物を当場所に固定し、プローブのアクセスを増加させるために処置される。上述したように、プローブは、標識された相補的DNAか、または現在最も一般的には相補的RNA(リボプローブ)のどちらかである。プローブは、上昇された温度において標的配列にハイブリダイズし、次に過剰なプローブを洗浄除去する(ハイブリダイズされない、過剰なRNAプローブの場合は、RNA分解酵素を使用する事前の加水分解の後)。温度、塩および/または洗剤濃度などの溶液のパラメータは、任意の異なる相互反応を取り除くように操作することができる(すなわち、正確な整合配列のみを結合して残す)。次に、放射−、蛍光−、または抗原−標識塩基(例えばジオキシゲニン(dioxygenin))のいずれかで標識したプローブを、それぞれオートラジオグラフィ、蛍光顕微鏡法、または免疫組織化学法を用いて、限局および定量化する。
【0079】
これらの技術はまた、放射能または他の非放射性標識で標識された2または3以上のプローブを用いて、2または3以上の転写物を同時に検出することもできる。したがって、本発明は前述の技術の任意の変法に応用可能である。核酸のハイブリダイゼーションに対するマイクロ波照射の効果の基礎をなす正確なメカニズムは、完全には理解されていないが、マイクロ波照射が所望の効果を発揮することは、ルーチンの検査業務において広く認められ適応されている。すなわち、マイクロ波処置はしばしば、凍結切片に対するプロテイナーゼK消化の代替となることができ;パラフィン切片におけるプロテイナーゼK消化を強化し;mRNA構造を変性させて、よりよいプローブのアクセスを可能とし;組織および細胞の構造を保存し;および、免疫組織化学に基づくプローブ検出を用いる場合、切片内での外因性アルカリホスファターゼを不活性化してバックグラウンドを減少させる。例えば、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)において、シグナルは、特に単一/低コピープローブに対して、DNA−DNAハイブリダイゼーションプロセス中に適用されたマイクロ波パルスにより増大される。同様に、マイクロ波照射を用いて、マイクロ波援用蛍光in situハイブリダイゼーションを繰り返し実施することが可能である。再ハイブリダイゼーションが可能であることは、特に例えば病理学的アーカイブ切片に対して、または試料が限定された量でのみ利用可能であるか高価である場合に、貴重である。例えば、本発明の方法は、病理学的アーカイブ切片からHClでプローブを取り外し、間歇的マイクロ波照射により次のプローブで再ハイブリダイゼーションすることを含むプロトコルに適用することができる。さらに、これらの方法は、核酸ハイブリダイゼーションが関与する高スループットスクリーニングにおける使用に、当業者により容易に適用可能である。
【0080】
本発明は、広い範囲の生体試料が関与する組織化学的用途に有用であり、固定試料の処理における使用に特に適している。本明細書において、「固定試料」は、保存のために好適な固定剤により処置された試料である。多くの固定剤が一般に用いられ、これは他の部分で論じられている。例えば、幾つかの好ましい態様において、試料は脱水し、および/またはパラフィン包埋することができる。これらの組織学的技法は当分野で周知である。幾つかの場合において、試料は、組織切片から抗原部位を暴露させるために抗原回収手順を必要とする。例示の図を図7(行為400)に示す。一般に用いられる方法は、従来の電子レンジを用い、0.01M酢酸緩衝液(例えばpH6.0)で10〜20分間切片をボイルすることによるマイクロ波熱処理か、あるいは、タンパク質分解酵素(例えば、0.1%CaCl2とPBS中の0.05%(v/v)トリプシン)により、37℃または室温で10〜20分間切片をインキュベートすることによる、酵素消化である。したがって、本発明の照射装置は、標準の電子レンジの代わりに用いることができ、より優れた結果をもたらすことができる。当業者は、濃度、時間および温度の条件を、必要以上の実験をすることなく、決定することができる。このように、本明細書に開示された方法は、これらの方法の全てではないにしても殆どの代替となることができ、より優れた結果をもたらす。
【0081】
さらなる態様において、本発明は走査型電子顕微鏡法用試料の処理時間を短縮するのに有用である。これを示すと、マイクロ波照射は、有鞭毛細菌などの微生物の処理に適用することができる。最も簡単な方法論においては、細菌をカバーグラス上に置き、空気乾燥し、導電性染料(例えば5%石炭酸溶液10ml、タンニン酸2g、および飽和硫酸アルミニウム10ml、およびH2O)を付与する。代替的に、試料は二重固定し(例えば、グルタルアルデヒド、ついでオスミウム)、導電性染料を付与し、エタノールで脱水し、ヘキサメチルジシラジン(HMDS)で処理し、35℃で5分間乾燥する。どちらのプロトコルにおいても、固体からHMDSによる処理までの段階は、氷バス中2分間のマイクロ波照射のもとで実施する。どちらの技術も迅速な方法を提供し、かつ細菌試料の形態を適切に保存する。
【0082】
他の態様において、生体試料は凍結試料であってもよい。凍結試料は、前もって固定するか(例えばホルマリン固定)、または化学的固定なしで急速冷凍することができる。例えば、農産物(produce)などの急速冷凍食品試料は、例えば細菌および化学毒素(殺虫剤等)などの汚染の可能性についてスクリーニングすることができる。一定の状況において、新しく分離された試料(すなわち、新しく収穫されたもの)を用いることができる。例えば、一定の状況のもとで、組織または細胞を、例えば手術中に収集および処理し、迅速に結果を得ることが有利である。したがって本発明により、生体試料の、手術中すなわち実時間での分析の実施が可能となる。
【0083】
本発明はさらに、生きている1または2以上の細胞の化学的および組織化学的分析に用いられる方法を含む。細胞種類または増殖状態、および他の要因に依存して、細胞は懸濁液中にあってよい;代替的に、細胞は適切な基板、例えば特に、培養皿または被覆されたスライドグラスもしくはカバースリップに付着していてもよい。このように、本明細書に開示された方法は、不動化されたかまたは搭載された生体試料に、および溶液中に存在する生体試料に好適である。
幾つかの態様においで、本発明を用いて生体試料の遺伝子型および/または表現型を決定する方法が提供される。一般に、これらの方法は、生体試料を本明細書に記載の電磁場に当てることを含み、続いて行われる試料の遺伝子型および/または表現型特徴付けを強化する。
【0084】
本明細書において、用語「遺伝子型」は、DNA例えば対立遺伝子の形態における、個体の特定の遺伝子構造を言う。遺伝子型を表す1例は、一塩基多型、またはSNPである。SNPは、異なる個体からの対応するDNA配列が、1つのDNA塩基において異なる場合に起こり、例えば、配列AAGCCTAが、AAGCTTAに変わることである。これは2つの対立遺伝子:CおよびTを含む。SNPは一般に3つの遺伝子型を有し、一般に、AA、Aa、およびaaで表す。上の例では、3つの遺伝子型は、CC、CTおよびTTである。他の種類の遺伝子マーカー、例えばマイクロサテライトは、2つより多い対立遺伝子を有し、したがって多くの異なる遺伝子型を有することができる。対照的に、個別の細胞または生物の「表現型」は、文脈に依存して次のいずれかである:その全体の形態的または物理的外見および構造、または細胞型に特異的な特徴などの形質の特定の発現、または個体生物の場合は、個体間で異なる寸法、眼の色または振舞いなど。表現型は、大部分は遺伝子型により、または染色体上の1または2以上の位置において個体が担持している対立遺伝子の同一性により、決定される。多くの表現型が複数の遺伝子により決定され、また環境因子により影響を受ける。これらの遺伝的関連研究は、疾病に関連する遺伝的リスク要因を決定するために用いることができる。特定の薬物療法に有利に応答するか応答しない集団(細胞レベルおよび全身レベルの両方において)の識別もまた可能である。かかるアプローチは、オーダーメイド医療または薬理遺伝学としてしばしば言及され、本発明は、遺伝子型または表現型決定の多くの可能な段階を改善することに応用が見出される。
【0085】
例えば、幾つかの態様において、本発明に記載の方法を用いた遺伝子型または表現型決定の1または2以上の段階は、少なくとも1つのバイオマーカーを検出することを含む。
バイオマーカー(biomarkerまたはbio-marker)は、生物学的状態の指標として用いる物質として定義される。これは、異なる文脈において異なるものを指すことができ、非限定的な例を以下に示す。
幾つかの場合において、バイオマーカーは、生きている生物の存在(過去または現在)を示す任意の種類の分子であることができる。特に、地質学および宇宙生物学の分野では、バイオマーカーは生物学的痕跡(biosignature)としても知られている。この用語はまた、石油の生成における生物学的関与を記述することにも用いられる。本発明による方法は、したがって、従来法と比べて、生物学的痕跡を検出および同定するより迅速で高感度の方法を提供することができる。
【0086】
生物学および医学において、バイオマーカーは、その検出が特定の疾病の状態またはそのリスク(例えば、特定の抗体の存在は感染を示し得る)を示す物質であることができる。より具体的には、「バイオマーカー」は、疾病のリスクまたは進行と相関する、またはある処置に対しての疾病の感受性と相関する、タンパク質の発現や状態における変化を示す。提案されたバイオマーカーが有効と確認されると、そのモニタリングは、個人における疾病リスクや疾病の存在の診断、または個人における疾病に対するオーダーメイド治療(薬物療法または投与法の選択)の作製に用いることができる。この例は、限定することなく、多くの癌特異的または腫瘍特異的抗原およびウィルス性タンパク質(例えばHIVエンベロープタンパク質)を含む。より具体的には、限定を意図することなく、通常用いられる癌特異的バイオマーカーはとりわけ以下を含む:CEA、CA19−9、CA125、NY−ESO−1、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−C2、BAGE、GAGE、GnTV、HERV−K−MEL、KK−LC−1、KM−HN−1、LAGE、ムチン、NA−88、SAGE、Sp17、SSX2、SSX−4、TRP−2/INT−2。
【0087】
特に細胞生物学においては、バイオマーカーは、特定の細胞型の検出および単離を可能とする、細胞特異的分子を含む。例えば、PSA、β−HCG−(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、AFP−(α−フェトプロテイン)、AFP−L3−(レシチン反応性AFP)およびサイログロブリンは、全て既知の組織特異的タンパク質を表す。例えば、ある人が増加したPSAを有する場合、前立腺癌の探索が行われる。ある個人が増加したレベルのβ−HCG、AFPまたはAFP−L3を有する場合、それぞれ睾丸癌または肝臓癌の探索が行われる。他の例において、Oct−4をバイオマーカーとして用いて、ES細胞(胚幹細胞)の同定を行う。同様に、一定の組織または器官、例えば神経系、血管、心臓組織、平滑筋、内皮組織などに発現が限定された多くのタンパク質が存在する。さらに、バイオマーカーはまた、疫学および毒物学において種々の環境物質への暴露を示すためにも、用いることができる。これらの場合、バイオマーカーは外部物質そのもの(例えばアスベスト粒子またはタバコからのNNK)、または身体で処理された外部物質の変異体(例えば代謝物)であってよい。遺伝学において、バイオマーカー(遺伝子マーカーとして同定された)は、疾病を引き起こす、または疾病への感受性に関連するDNA配列の断片である。バイオマーカーはまた、例えば抗生物質などのある薬物に対する耐性によって示すこともできる。したがって本発明は、当分野で利用可能な多くの技術と併用して用いることができ、任意のこれらバイオマーカーに基づく検出および/または解析のプロセスを、促進または強化する。
【0088】
例えば、本発明の装置および方法を用いて、病理学的記録を含む試料中の、細胞性抗原および対応する染色体座の同時画像化を改善することが可能である。遺伝子型−表現型解析用の多段階の手順は、同じ細胞内での免疫蛍光と組み合わせた、マイクロ波支援蛍光in situハイブリダイゼーションを含む。マイクロ波照射は、試料の固定;抗原検索用のFISHまたはCISHに先立つ試料の前処理(一般に〜10分);各洗浄;プローブのインキュベーション等の段階に用いることができる。本質的に、任意のかかるプロトコルであって、公開されて一般に技術用に用いられているものが、本発明を用いてよりよい結果のために適用される。
同様に、本発明は、量の少ない核酸の検出のための、in situPCR法の改善を可能とする。例えば、組織学的切片に転移された外来遺伝子の検出は、低い転移効率および試料中に存在するベクターの低いコピー数のために困難である。これらの場合、転移ベクターの限局化は、本明細書に記載したようにマイクロ波照射を用いて、固定の間および/またはプロテイナーゼK消化の間に、十分に成功して実現することができる。
【0089】
本発明の照射法のさらに他の用途は、染色体異常の検出、例えばセントロメアの数的異常の、種々の臨床病理学的設定におけるマイクロ波援用FISHを用いての検出である。間歇的マイクロ波照射を用いて、複数のプローブを効率的に利用することができる。本明細書に提供される方法は、シグナルの特性を強化し、同時に非特異的なバックグラウンドを低下させることができるため、関与する各インキュベーションおよび洗浄段階をスピードアップしつつ、標準の電子レンジを用いて得られるものと比べて、より優れた結果を提供することができる。
本発明により可能となるユニークな利点は、本明細書に記載の方法が、生体試料を分析する1または2以上の段階を含むこと、および生体試料の表現型の決定が迅速に行われること、すなわち数時間〜数日に対して、ある場合においては数秒〜数分で行われることである。これにより、時間が重要な場合、特に手術中または緊急の状況下で、利点が提供される。
【0090】
当然ながら、種々の化学的方法に関する本発明の側面は、生体試料の特定のセットにおいて用いることに限定されず、任意の生体試料に広く適用可能である。非限定的な例は以下を含む:組織試料、体液試料、生検試料、細胞試料、血液試料、血清試料、血漿試料、尿試料、毛髪試料、風媒性(airborne)試料および食品試料。前述の生体試料の任意のものは、以下の目的のために、本明細書に記載の方法用に収集して用いることができる:臨床検査、病理学的解析、疾病または疾患の診断、疾病または疾患の予後、疾病または疾患の処置、組織学的分析、形態学的分析、遺伝子解析、公衆衛生(食品および水の汚染分析、生物兵器防衛、疫学的分析)など。
【0091】
本発明が適用されるところの、研究室の特性および臨床技術、および選択した分析機器または医療機器の種類に基づいて、当業者は、改善された結果を実現するために技術を実装することができる。したがって、本明細書に提供された方法は、疾病、疾患および他の医学的状態であって、限定することなく以下を含む状態の同定、診断および/または予後のプロセスを促進または強化するために有用である:アレルギー;アスペルギルス症;B19パルボウィルス感染症;細菌感染;ブラストミセス症;種々の癌;カンジダ症;心筋症;コクシジウム症;クリプトコッカス;クリプトスポリジウム症;サイトメガロウィルス(CMV);うつ病;糖尿病;赤痢アメーバ;ランブル鞭毛虫;歯肉炎;ギランバレー症候群;女性化乳房(乳房隆起);毛髪状白斑;A型肝炎;B型肝炎;C型肝炎;単純ヘルペス;ヒストプラスマ症;HIV関連痴呆;HIV関連唾液腺病;ホジキン病;ヒトヘルペスウィルス6;ヒトパピローマウィルス;イソスポーラ病;カポジ肉腫;乳酸アシドーシス/酸血症;リーシュマニア症;肺癌;リンパ球性間質性肺炎;マラリア;微胞子虫症;更年期障害;自然流産;伝染性軟属腫;多中心性キャッスルマン病;マイコバクテリウムアビウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium avium intracellulare)(MAI);マイコバクテリウム・ヘモフィルム(Mycobacterium haemophilum);マイコバクテリウム・カンサシ(Mycobacterium kansasii);神経疾患;好中球減少症;非ホジキンリンパ腫;骨壊死;骨粗しょう症;膵炎;骨盤内炎症性疾患;ペニシリウム症;持続性全身性リンパ節症;ニューモシスティス肺炎(PCP);妊娠;進行性多病巣性白質脳障害(PML);乾癬;肺動脈高血圧;Q熱;腎臓病;サルモネラ中毒;住血吸虫症および他の寄生虫および吸虫感染症;脂漏性皮膚炎;梅毒;精巣癌;テストステロン欠乏症;血小板減少症;血栓性血小板減少性紫斑病;白癬;トキソプラズマ;結核;潰瘍;空胞性脊髄症(Vacuolar myelopathy);水痘帯状ヘルペスウィルスおよび消耗症候群。
【0092】
本発明の他の側面により、広い範囲の結合アッセイを促進または強化するための方法が提供される。一般に、結合アッセイに関する態様は幾つかの段階を含む:(1)検査試料を得ること;(2)検査試料を標的化合物と混合して、これらを接触させること;および(3)検査試料と標的化合物を含有する検査混合物を、検査混合物のごく近傍に限局された電磁場に当てること;および最終的に、(4)検査試料と標的化合物の間の結合を検出すること。上にさらに詳細に記載したように、電磁場は、結合アッセイの促進または強化を達成するのに十分な電力レベルおよび時間で供給することができ、アッセイシステム全体の改善をもたらす。
【0093】
本明細書において、用語「結合アッセイ」は、少なくとも2つの分子間の相互作用のレベルを、複合体形成を検出することにより試験するアッセイのみでなく、分子間の結合に基づくスクリーニングアッセイも含むことを意図する。かかるスクリーニングを実施するための、多数のライブラリーが利用可能である。用語「検査試料」は、定義されているかまたは定義されていない、分子または分子のプールであって、ここでは「標的化合物」と呼ばれて「捕捉剤」として作用する与えられた分子または選択の化合物と選択的に相互作用する(すなわち結合する)能力を検査すべき、前記分子または分子のプールを言う。好ましくは、標的化合物は定義された化合物である。2つの対応物(検査試料と標的化合物)の各々は、多数の異なるクラスの分子または剤からなることができ、例えば、ポリペプチド、核酸、小分子(例えばホルモン、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、および種々の他のリガンド等)、脂質、炭水化物、合成物質などである。この側面における本発明は、あるクラスの分子での使用には限定されず、むしろ本発明は、アッセイを実施し、かかる分子間の相互作用(または結合)を検出する状況に対して、広く適用可能である。
【0094】
1種または2種以上の分子間の結合または関連を利用する、多数の生物学的、生化学的および分析アッセイに適用可能である一方、本発明は特に、広い範囲の免疫検定法、およびその多くの変法に好適である。かかる態様の幾つかの例を以下に記す。
本明細書において、用語「免疫検定法」は、生体試料中の物質のレベルを、抗原の、1種または2種以上の抗体、これらの断片またはこれらの設計された誘導体(例えばアフィボディ(Affibody)(登録商標)分子)への結合を用いて測定する、免疫親和性に基づく生化学試験の広範囲の変法を包含する。これらのアッセイは、抗体のその抗原への特異的親和性を利用する。モノクローナル抗体がしばしば用いられるが、これは、モノクローナル抗体が通常特定分子の1つの部位のみに結合し、したがってより特異的で正確な試験を提供し、他の分子の存在による混乱がより少ないからである。しかしポリクローナル抗体もまた、本明細書に記載の免疫検定法に用いることができる。抗原または抗体両方の存在を測定することができる。例えば感染を検出する場合は、病原体に対する抗体の存在を測定する。インスリンなどのホルモンを測定する場合、インスリンは抗原として作用する。ある場合においては、例えばアフィボディ分子などの、免疫親和性試薬のより小さな設計された誘導体を、1種または2種以上の抗体の代わりに、またはこれらと組み合わせて、用いるのが好適である。
【0095】
抗体は、免疫学分野の当業者によく知られている。本明細書において、用語「抗体」は、無傷の抗体分子だけでなく、結合能力を保持している抗体分子の断片も意味する。かかる断片もはまた当分野で知られており、in vitroおよびin vivoの両方において通常に用いられている。特に、本明細書において、用語「抗体」は、無傷の免疫グロブリン分子だけでなく、周知の活性断片F(ab')2およびFabも意味する。無傷の抗体のFc断片を欠くF(ab')2およびFab断片は、循環からより迅速に消滅し、無傷の抗体より少ない、非特異的組織結合を有することができる(Wahl et al., J. Nucl. Med. 24:316-325 (1983))。好ましくは、免疫グロブリンは次のIgアイソタイプから選択する:IgA、IgM、IgD、IgEおよびIgG(IgGはH鎖における差異に基づき4つのサブクラス、すなわちIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含む)。
【0096】
1つの態様によれば、抗体は無傷の溶解性モノクローナル抗体である。無傷の溶解性モノクローナル抗体は、当分野で周知のように、ジスルフィド結合により結合されたポリペプチド鎖の集合である。軽鎖および重鎖と呼ばれる2つの主なポリペプチド鎖が、抗体の全ての主要な構造クラス(アイソタイプ)を作る。重鎖と軽鎖の両方はさらに、可変領域および定常領域と呼ばれるサブ領域に分類される。本明細書において、用語「モノクローナル抗体」は、エピトープに特異的に結合する免疫グロブリンの均一な集団を指す(すなわち抗原性決定因子)。
【0097】
重要なことは、当分野で周知であるように、抗体分子の小さな部分のみ、すなわちパラトープのみが、抗体のそのエピトープへの結合に関与することである(一般に、Clark, W.R. (1986) The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons, Inc., New York;Roitt, I. (1991) Essential Immunology, 7th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxfordを参照)。抗体の例えばpFc'およびFc領域は、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合には関与しない。pFc'領域を酵素的に切断した抗体、またはpFc'領域なしで作成された抗体は、F(ab')2断片と呼ばれ、無傷の抗体の両方の抗原結合部位を保持する。単離されたF(ab')2断片は、その2つの抗原結合部位のために、2価のモノクローナル断片と呼ばれる。同様に、Fc領域が酵素的に切断された抗体、またはFc領域なしで作成された抗体は、Fab断片と呼ばれ、無傷の抗体分子の1つの抗原結合部位を保持する。さらに進むと、Fab断片は、共有結合的に結合した抗体の軽鎖および、Fd(重鎖可変領域)と呼ばれる抗体の重鎖の一部からなる。Fd断片は、抗体特異性の主要な決定因子であり(1つのFd断片は、抗体特異性を変化させることなく、10までの異なる軽鎖と関連することができる)、Fd断片は、分離された状態でエピトープ結合能力を保持する。用語Fab、Fc、pFc'、F(ab')2およびFvは、それらの標準の免疫学的な意味を有して一貫して用いられる[Klein, Immunology (John Wiley, New York, NY, 1982);Clark, W.R. (1986) The Experimental Foundations of Modern Immunology (Wiley & Sons, Inc., New York);Roitt, I. (1991) Essential Immunology, 7th Ed., (Blackwell Scientific Publications, Oxford)]。
【0098】
したがって、本発明の抗体は、単鎖抗体または単ドメイン抗体(イントラボディ(intrabody)または細胞内抗体)であってよい。イントラボディは、一般に当分野で、免疫グロブリン重鎖(VH)および軽鎖(VL)のドメインを有する単鎖Fv断片として知られている。周知の機能的に活性な抗体断片は、限定することなく、抗体のF(ab')2、Fab、FvおよびFd断片を含む。無傷の抗体のFc断片を欠くこれらの断片は、循環からより迅速に消滅し、無傷の抗体より非特異的組織結合が少ない(Wahl et al., J. Nucl. Med. 24:316-325 (1983))。例えば、単鎖抗体は、Ladner et al.への米国特許第4,946,778号に記載の方法に従って作製することができる。かかる単鎖抗体は、フレキシブルなリンカー部分により結合された軽鎖および重鎖の可変領域を含む。単離された可変重鎖単一ドメインを含む、単一ドメイン抗体(「Fd」)を得るための方法も報告されている(例えば、Ward et al., Nature 341:644-646 (1989)を参照;これは、その標的エピトープが単離された形態で結合するのに十分な親和性を有する抗体重鎖可変領域(VH単一ドメイン抗体)を同定するための、スクリーニング法を開示している)。既知の抗体重鎖および軽鎖可変領域配列に基づき、組み換えFv断片を作製するための方法は、当分野で知られており、例えばMoore et al.の米国特許第4,462,334号に記載されている。抗体断片の使用および生成について記載されている他の参考文献は、例えば以下を含む:Fab断片について(Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immunoassays (Elsevieer, Amsterdam, 1985))、Fv断片について(Hochman et al., Biochemistry 12: 1130 (1973);Sharon et al., Biochemistry 15: 1591 (1976);Ehrilch et al. 米国特許第4,355,023号)、および抗体分子の部分について(Audilore-Hargreaves、米国特許第4,470,925号)。したがって、当業者であれば、無傷の抗体の種々の部分から、抗体のその標的に対する特異性を破壊することなく、抗体断片を作製することができる。
【0099】
当分野で知られているように、抗体の相補性決定領域(CDR)は、抗体特異性に大きな役割を負う抗体の部分である。CDRは、抗原のエピトープに直接作用する。IgG免疫グロブリンの重鎖および軽鎖可変領域の両方において、それぞれ3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)により分離された4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)がある。フレームワーク領域(FR)は、抗原との相互作用に関与する抗体の部分である、パラトープの3次構造を維持する。CDRは、および特にCDR3領域は、およびさらに具体的には重鎖CDR3は、抗体特異性に寄与する。これらのCDR領域および特にCDR3領域は、抗原特異性を抗体に付与するので、これらの領域を他の抗体またはペプチドに組み込んで、同一の特異性をその抗体または分子に付与することができる。
【0100】
抗体または抗原の量を検出することは、当分野で精通されている種々の方法により実施することができる。最も一般的な方法の1つは、抗原または抗体のどちらかを標識することである。標識は、酵素(すなわち、酵素免疫検出法またはEIA)、放射性物質例えばI−125放射免疫検出法(RIA)、または蛍光からなることができる。その他の技術は、凝集、比濁法(nephelometry)、比濁法(turbidimetry)、およびウェスタンブロットまたは免疫ブロットを含む。かかる1種または2種以上の標識の、好適な試薬(例えば抗体)への化学的結合もまた、図7(行為500)に概略的に示すように、本発明により強化することができる。
さらに、免疫学的検定(イムノアッセイ)は競合的または非競合的であることができ、均一または不均一(異質)であることができる。競合的免疫学的検定において、未知の試料中の抗原は、標識抗原と競合して抗体に結合する。抗体部位に結合した標識抗原の量を次に測定する。この方法において、応答は未知試料中の抗原濃度に逆比例する。これは、応答が大きいほど、未知試料中のより少ない抗原が、標識抗原と競合するのに利用可能だからである。
【0101】
「サンドイッチアッセイ」とも呼ばれる、非競合的免疫学的検定においては、未知試料中の抗原が抗体部位に結合し、次に標識抗体が抗原に結合する。この部位に結合した標識抗体の量を次に測定する。競合的方法と異なり、非競合的方法の結果は、抗原濃度に直接比例する。これは、未知の試料中に抗原が存在しなければ、標識抗体が結合しないからである。
【0102】
均一な免疫学的検定は、非結合抗体または抗原を部位から除去するために、通常は固体相試薬を用いる余分な段階が必要である。免疫学的検定は、多くの医学的状態、疾病および疾患の診断において特に重要な役割を有する。非限定的な例としては次の診断的用途を含む:ウィルス感染症(HIV、HPV、HVC、HVB等)、細菌感染症(黄色ブドウ球菌;グラム陰性菌;メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA);赤痢菌;カンピロバクター・ジュジェニ(Campylobacter jejuni);サルモネラ菌;クロストリジウム属;クロストリジウム・ディフィシレ;リステリア菌;サルモネラ菌;カンピロバクター菌;鼠径リンパ肉芽腫(LGV);肺炎連鎖球菌:インフルエンザ菌;緑膿菌;ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)ボルデテラ属;バルトネラ属;ブドウ球菌;マイコバクテリウムアビウム・イントラセルラーレ(MAI);シュードモナス菌;淋菌等)、種々の癌、血液疾患、肝疾患、腎疾患、皮膚疾患、アレルギー等。さらに本発明は、ルーチンに用いられる、例えば妊娠、流産、閉経、糖尿病などの医学的状態を決定またはモニタリングする技術と組み合わせた場合に、有用である。
【0103】
したがってさらなる態様において、本発明はELISAアッセイとその変法を改善するために実装される。
酵素結合免疫吸着検定法またはELISAは、当分野でよく知られている。ELISAは、主に免疫学において、試料中の抗体または抗原の存在を検出するために用いられる生化学的手法である。一般に、これは2種類の抗体を用いる:1つの抗体は抗原に特異的であり、もう一方は抗原−抗体複合体と反応し、酵素に結合する。この第二抗体は、試験の名称である「酵素結合」を説明するが、これはまた発色性または蛍光発生基質に対してシグナルを生成させる。ELISAは、試料中の抗原の存在または抗体の存在のどちらかを評価するために実施できるため、血清の抗体濃度(例えばヒト免疫不全ウィルス、HIV試験またはウェストナイルウィルス)を決定すること、およびまた抗原の存在を検出することの両方に、有用なツールである。ELISAはまた、食品産業において、例えば牛乳、ピーナッツ、胡桃、アーモンドおよび卵などの食品アレルギーの可能性を検出することにも、応用が見出されている。
【0104】
血清抗体濃度を決定するための典型的または「間接的」ELISAの段階は、以下を含むことができる:(1)既知の抗原の試料を、マイクロタイタープレートの、多く場合はウェル表面に適用する。抗原は表面に固定されて、不動化される;(2)プレートウェルまたは他の表面を次に、未知の抗体濃度の血清試料で被覆するが、これは通常、他の種の血清中に希釈して行う。非ヒト血清の使用は、患者の血液中の非特異的抗体が、抗原に結合するのを防ぐ;(3)プレートを洗浄して、非結合抗体を除去する。この洗浄後、抗体−抗原複合体のみがウェルに付着して残る;(4)抗体−抗原複合体に結合する第二抗体を、ウェルに加える。これらの第二抗体は、基質修飾酵素に結合する;(5)プレートを洗浄し、余分な非結合抗体を除去する;(6)酵素で被覆された基質を適用して、発色または蛍光シグナルを誘発する;および(7)分光光度計または他の光学装置を用いて結果を観察/定量化する。最近、従来の電子レンジが、このプロセスを促進するためにELISAプロトコルに適合されている。この場合、典型的には〜2.45GHzのマイクロ波照射が効果的であることが見出された。しかし従来の電子レンジは、波長、電力、照射の範囲の精密な調整が十分でないという事実に加えて、1つの試料内または複数試料にわたる不均一な加熱のために、問題が残る。これらを考慮すると、本発明の技術は多くの優れた性質をもたらす。上記のELISAプロトコルを例として用いて、本発明の照射手段を(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)の1または2以上の段階に適用すると、迅速かつ、多くの場合優れた結果をもたらすことができる。
【0105】
ELISAは、定性的または定量的な様式で行うことができる。定性的結果は、試料について単純な陽性または陰性の結果を提供する。ある状況においては、これは検出の好適なモードである。これらには例えば、ある種の血液検査(Rh+/−;A、B、AB、OO)、感染症のスクリーニング(HIV、肝炎等)、および妊娠検査がある。陽性と陰性のカットオフは検査者により決定され、統計的であってよい。ある場合においては、標準偏差の2倍または3倍を、陽性および陰性試料を識別するのに用いることができる。定量的ELISAにおいては、試料の光学密度または蛍光単位を、通常は標的の段階的希釈である標準曲線に内挿する。本明細書に記載された方法の実装に基づくアッセイの強化された感度は、試料の数(例えば希釈の数)を低減することができ、また各試料に必要な試薬の量(容積)も低減することができる。標的表面にわたる、照射の均一な空間的分散のために、複数試料にわたる偏りが大幅に減少することが期待される。
【0106】
多くの変形ELISAアッセイが用いられている。例えば、いわゆる「サンドイッチELISA」プロトコルでは、以下の段階が一般に関与する:(1)プレートを捕捉抗体で被覆する;(2)試料を加え、存在する任意の抗原が、捕捉抗体に結合する;(3)検出抗体を加え、これは抗原に結合する;(4)酵素結合第二抗体を加え、これは検出抗体に結合する;(5)基質を加え、酵素により検出可能な形態に変換する。
「サンドイッチ」ELISA技術のさらに一般的でない変法は、試料抗原を検出するために用いられる。この段階は以下である:(1)既知の量の抗体が結合する表面を調製する;(2)抗原含有試料をプレートに適用する;(3)プレートを洗浄して、非結合抗原を除去する;(4)これも抗原に特異的な酵素結合抗体を適用する;(5)プレートを洗浄して、非結合抗原を除去する;(6)酵素によって蛍光シグナルに変換される化学物質を適用する;(7)結果を観察および解析する:蛍光シグナルは、試料が抗原を含有することを意味する。
【0107】
右側の図は、追加の段階を含み、これは、「検出抗体」の添加であって、検出を希望する可能性のある全ての抗原について酵素結合抗体を作製するために必要となるであろう、高価な複合プロセスを回避するために用いられる。他の抗体のFc領域に結合する酵素結合抗体を用いることにより、この同じ酵素結合抗体を、様々な状況下で用いることができる。
競合ELISAはELISAの第3の使用であり、競合的結合に基づく。このELISAの基本的な段階は以下を含む:(1)非標識抗体をその抗原の存在下でインキュベートする;(2)これらの結合抗体/抗原複合体を次に、抗原被覆ウェルに加える;(3)プレートを洗浄して、非結合抗体を除去する。(試料中の抗原の量が多いほど、ウェル内でより少ない抗体が抗原に結合可能であり、したがって「競合」である。);(4)第一抗体に特異的な第二抗体を加える。この第二抗体は、酵素に結合する;および(5)基質を加えると、残った酵素は発色性または蛍光性シグナルを誘発する。したがって、競合ELISAについて、もとの抗原濃度が高いほど、結果として生じるシグナルは弱くなる。抗体または抗原のインキュベーションが関与する上記の任意の段階、結合反応(複合体形成)および洗浄段階が、本発明の電磁照射により恩恵を受けることができる。
【0108】
ELISAの原理に基づき広く用いられている臨床用途の1つは、ELISPOTである。酵素結合免疫吸着スポット(ELISPOT)は、ヒトおよび動物における免疫応答をモニタリングするための一般的な方法である。ELISPOTアッセイは、ELISA免疫検定法の修正版に基づいて、これから開発されたものである。ELISPOTアッセイは、もともとB細胞分泌抗原特異的抗体を計測するために開発され、続いて種々のタスクに、特にサイトカイン産出細胞を単細胞レベルで同定および計測するために、適合されている。簡単に述べると、適切な条件化で、ELISPOTアッセイは、個々の活性化細胞または応答細胞の分泌産物の視覚化を可能とする。アッセイで発生する各スポットは、単一の活性細胞を示す。したがって、ELISPOTアッセイは、定性的(免疫タンパク質の種類)および定量的(応答細胞の数)の両方の情報を提供し、本明細書に開示された装置、方法および使用を実装することにより、その感度を改善することができる。
【0109】
本発明の用途のさらに他の例は、分泌物アッセイである。分泌物アッセイは、細胞生物学において、特定のぺプチド(多くの場合サイトカイン)を分泌している細胞を同定するために用いられるプロセスである。通常、目的のタンパク質を分泌している細胞は、該細胞を被覆し、分泌された分子を「捕らえる」ことができる抗体−抗原複合体を用いて単離される。この捕捉段階は、試料を電磁波照射に当てることにより、大幅に促進することができる。例えば、捕捉段階の反応時間は、効果的に、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上、短縮することができる。平行して、アッセイの感度は、300%まで強化することができる。次に細胞を他の蛍光色素標識抗体により検出し、続いて蛍光活性化細胞分類(FACS)と呼ばれるプロセスを用いて抽出する。検出段階(図7に行為710として概略的に示す)、および分類段階(図7に行為700として概略的に示す)の両方には、特異的標識の結合が関与し(図7に行為600&610として概略的に示す)、これも本発明の使用により、促進することができる。FACS法は、ELISA抗体の様式とほぼ類似しているが、ただし封入された細胞は無傷のまま残る。これは、抽出が行われた後に細胞がまだ生きているので、有利である。
【0110】
分泌物アッセイについては多くの市場用途が存在する。かかる例の1つは、One Cell Systemsにより開発されたゲルマイクロドロップ(GMD)技術である。One Cell Systemsは、GMDが一般に、所望のタンパク質を分泌していない任意の細胞を無視しつつ、他の方法よりも多くの生きている分泌細胞を回収することを確認した。
さらなる態様において、本発明は、蛍光または磁気ナノ粒子などのナノ粒子を利用する技術および装置における使用に、効果的に実装できる。例えば、分泌細胞を、磁気に基づく分離システムを用いて、またはフローサイトメーターを用いて、抽出することができる。他の用途において、蛍光ナノ粒子は、抗体に複合した染料として、目的のエピトープを同定または修飾するために、用いることができる。ある態様において、本発明は、2つの分子または化合物間の相対的親和性を決定するためのアッセイを、促進または強化するために、用いられる。一般に、用語「親和性」は、かかる分子間または化合物間の選択的相互作用を指す。相対的親和性は、結合定数または解離定数のどちらかに基づき分析することができる。いずれの場合においても、かかる試料混合物を、複合体形成または解離を含む段階の間に、例えば10MHzの範囲の周波数において100vppで送達されるなどのあるレベルの照射に暴露することは、アッセイの感度を高め、反応時間および反応容量を低下させることができる。当業者はしたがって、本明細書に開示された発明を用いて、かかるアッセイを実施し、より優れた結果を低い費用で得ることができる。
【0111】
当業者に明らかであるように、本発明の側面の文脈における分子間または化合物間の相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を超えて拡張され、核酸ハイブリダイゼーションが関与する相互作用をさらに含む。本明細書における「核酸」は、DNA、RNA、これらの類似物、これらの組合せ、およびこれらの混合物を含む。例えば、「DNA」は、遺伝子DNA、cDNA、プラスミドDNA、オリゴヌクレオチドなどの断片であってよい。同様にRNAは、特にmRNAおよびしsiRNAを含んでよい。これらの場合における「基板」は、種々の形態をとることができる:例えば、核酸試料は、マイクロチップ(遺伝子チップ等)上に配置され、マイクロチューブまたはウェルに含有され、かかる基板の表面に結合され、または場合によっては溶液中に存在することができる。試料は、単離試料、生の試料、抽出物として提供されることができ、そのまま精製されるか、または細胞中にもしくはin situで存在することができる。さらに、核酸は、細胞、組織またはウィルス源から得ることができる;代替的に、核酸は化学的に合成することができる。これらの技術は当分野に周知である。
【0112】
ほとんどの関連する用途に対して、検査試料と核酸を含む標的化合物との間の相互作用は、アニーリングを表し、すなわち、相補的塩基対、例えばDNA:DNA,DNA:RNA、およびRNA:RNAのハイブリダイゼーションを表す。しかし、核酸相互作用を強化する本発明の使用は、核酸分子と、異なる種類の第二分子/化合物、特にポリペプチドとの相互作用も、さらに包含する。したがって、ある態様において、本発明はアプタマーとその標的化合物との間の相互作用を促進し強化するための方法も提供する。
【0113】
再度、「標的化合物」は、広い範囲の分子を構成することができる。アプタマーは、特定の標的分子を結合する、オリゴ核酸またはペプチド分子である。アプタマーは通常、大きなランダムな配列プールからこれらを選択することにより作製されるが、天然のアプタマーも、リボスイッチに存在する。アプタマーは、基本研究および臨床目的の両方において、高分子薬物として用いることができる。アプタマーはリボザイムと組み合わせることができ、それらの標的分子の存在下で自動切断する。より具体的には、アプタマーはDNAまたはRNAアプタマーおよびペプチドアプタマーとして分類することができる。前者は(通常短い)オリゴヌクレオチドの鎖からなる。そして後者は、両端においてタンパク質骨格に付着している、短い可変ペプチドドメインからなる。各々は、以下にさらに詳細に説明される。
【0114】
RNAおよびDNAアプタマーは、in vitro選択または同等のSELEX(指数関数的濃縮(exponential enrichment)によるリガンドの系統的進化)を介して進化的に操作され、小分子、タンパク質、核酸およびさらに細胞、組織および生物などの種々の分子標的に結合する、核酸種である。アプタマーは、生物技術的および治療的用途に有用であり、何故ならばこれらが、通常用いられる生物分子である抗体の特性に匹敵する、分子認識特性を提供するからである。その識別特性に加えて、アプタマーは抗体より優れた利点を提供するが、それは次の理由による:試験管で完全に操作でき、化学合成により容易に生産でき、所望の保存特性を有し、治療用途においてほとんどまたは全く免疫原性を誘発しない。
【0115】
ペプチドアプタマーは、細胞内で他のタンパク質相互作用に干渉するよう設計されたタンパク質である。これは、両端がタンパク質骨格に付着した可変ペプチドループからなる。この二重構造的束縛は、ペプチドアプタマーの結合親和性を、抗体に匹敵するレベルに増加させる(ナノモル範囲)。可変ループ長は一般に、10〜20個のアミノ酸から構成され、骨格は良好な溶解性および緻密度(compacity)特性を有する任意のタンパク質であってよい。現在、細菌性タンパク質チオレドキシンAが最も用いられている骨格タンパク質であり、可変ループは還元活性部位内に挿入されており、これは、野生のタンパク質では−Cys−Gly−Pro−Cys−ループであり、2つのシステイン側鎖はジスルフィド架橋を形成することができる。ペプチドアプタマーの選択は、異なる系を用いて行うことができるが、しかし、現在最も用いられているのは、酵母2ハイブリッド系である。リガンド調整ペプチドアプタマー(LiRPA:ligand regulated peptide aptamer)の選択が実証されている。
【0116】
本明細書において、生体分子は、生きている生物に天然に存在する化合物、これらの断片、および合成類似物およびこれらの誘導体を言う。生体分子は、第一には炭素および水素からなり、幾つかの場合は、窒素、酸素、リンおよび硫黄も含む。他の元素も時には含まれるが、一般的ではない。広い範囲の生体分子が存在し、これらは以下を含む:小分子(脂質、リン脂質、糖脂質、ステロール、ビタミン、ホルモン、神経伝達物質等);炭水化物(単糖類、二糖類、多糖類等);モノマー(アミノ酸、ヌクレオチド、リン酸塩、単糖類等);ポリマー(ペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、すなわちDNA、RNA、オリゴ糖、多糖類等);巨大分子(プリオン等)。幾つかの場合には、生体分子は、修飾および/または非天然のアミノ酸、修飾および/または核酸類似体(例えばGNA、PNA、TNA、LNAおよびモルホリノ)を含む。したがって、生体分子は、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、ケモカインまたは成長因子、およびこれらの機能性類似物;ならびに作用物質、拮抗物質、リガンド、阻害物質、遮断物、および補因子を含む。
【0117】
さらなる態様において、本発明は、検査試料が小分子を含むことを意図する。
本明細書において、「小分子」は、天然に存在する小分子および合成小分子の両方を含む。これら、および他の化合物は、候補分子への選択的または選好的結合を試験するために用いることができる。したがって、当分野で利用可能なスクリーニング技術およびアッセイ系を組み合わせることにより、本発明は、かかるアッセイの全体プロセスを、大幅に促進することができる。幾つかの態様において、結合アッセイを、2個または3個以上の規定の分子の結合/相互作用を試験するために用いる。さらに他の態様において、アッセイは、既知の/規定の分子を標的化合物として用いることができ、候補分子について、または選択的結合を示す分子について、スクリーニングすることができる。
【0118】
幾つかの小分子は、ホルモンまたはその類似物である。本発明のスクリーニングまたは結合アッセイの目的で用いることができる、かかる分子の非限定的な例は、以下を含む:メラトニン(N−アセチル−5−メトキシトリプタミン);セロトニン;チロキシン(甲状腺ホルモン);トリヨードチロニン(甲状腺ホルモン);エピネフリン(またはアドレナリン);ノルエピネフリン(またはノルアドレナリン);ドーパミン;抗ミュラーホルモン(またはミュラー抑制因子もしくはホルモン);アディポネクチン;副腎皮質刺激ホルモン(またはコルチコトロピン);アンギオテンシノゲンおよびアンギオテンシン;抗利尿ホルモン(またはバソプレシン、アルギニンバソプレシン);心房性ナトリウム利尿ペプチド(またはアトリオペプチン);カルシトニン;コレシストキニン;コルチコトロピン放出ホルモン;エリスロポエチン;卵胞刺激ホルモン;ガストリン;グレリン;グルカゴン;ゴナドトロピン放出ホルモン;成長ホルモン放出ホルモン;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;ヒト胎盤性ラクトゲン;成長ホルモン;インヒビン;インスリン;チロシンキナーゼ;インスリン様成長因子(またはソマトメジン);レプチン;黄体形成ホルモン;メラニン細胞刺激ホルモン;オキシトシン;副甲状腺ホルモン;プロラクチン(黄体刺激ホルモン);レラキシン;セクレチン;ソマトスタチン;トロンボポエチン;甲状腺刺激ホルモン;チロトロピン放出ホルモン;コルチゾール;アルドステロン;テストステロン;デヒドロエピアンドロステロン;アンドロステンジオン;ジヒドロテストステロン;エストラジオール;エストロン;エストリオール;プロゲステロン;カルシトリオール(ビタミンD3);プロスタグランジン類;ロイコトリエン類;プロスタサイクリンおよびトロンボキサン。
【0119】
同様に、例示のリガンドは、限定することなく以下を含む:5−ヒドロキシトリプタミン、アセチルコリン、アデノシン、ノルアドレナリン、アドレナリン、アナフィラトキシンC5a、C5a des Arg74、アナフィラトキシンC3a、アンギオテンシン、アペリン、ニューロメジンB(neuromedin B)、ガストリン放出ペプチド、ブラジキニン、カンナビノイド、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11(エオタキシン)、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、マクロファージ由来レクチン、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5(RANTES)、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9、CCL10、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CX3CL1、XCL1、XCL2、コレシストキニン、ガストリン、ドーパミン、エンドセリン1、エンドセリン2、エンドセリン3、長鎖カルボン酸、カルボン酸、酢酸塩、胆汁酸、ガラニン、モチリン、グレリン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ヒスタミン、KiSS−1遺伝子産物、ロイコトリエンD4、ロイコトリエンC4、ロイコトリエンB4、5−オキソ−ETE、リポキシンA、リゾホスファチジン酸、スフィンゴシン1−ホスフェート、メラニン凝集ホルモン、a−メラニン細胞刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、g−メラニン細胞刺激ホルモン、b−メラニン細胞刺激ホルモン、メラトニン、ニューロメジンU、神経ペプチドFF、
【0120】
神経ペプチドS、神経ペプチドW、神経ペプチドB、神経ペプチドY、膵臓ポリペプチド、ニューロテンシン、N−ホルミル−L−Met−L−Leu−L−Phe(fMLP)、ニコチン酸(低親和性)、ニコチン酸(高親和性)、b−エンドルフィン、ダイノルフィンA、b−エンドルフィン、ノシセプチン/オルファニンFQ、オレキシンA、オレキシンB、ADP、UTP、ATP、UDP、UDP−グルコース、RF−アミドP518遺伝子産物、血小板活性因子、プロキネチシン1(prokineticins 1)、プロキネチシン2、プロラクチン放出ペプチド、プロスタグランジンD2、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2a、プロスタサイクリン、トロンボキサンA2、11−デヒドロ−トロンボキサンB2、トロンビン、セリンプロテアーゼ、レラキシン、レラキシン−3、INSL5、レラキシン−3、ソマトスタチン、(リゾ)リン脂質メディエーター、物質P、ニューロキニンA、ニューロキニンB、b−フェニルエチルアミン、チラミン、チロトロピン放出ホルモン、ウロテンシンII、オキシトシン、バソプレシン、スフィンゴシン1−ホスフェート、ニューロペプチドヘッドアクチベーター、リゾホスファチジン酸、コハク酸塩、a−ケトグルタル酸、b−アラニン、BAM8−22、コルチスタチン、RARRES2、レソルビンE1(resolvin E1)、TIG2、エストロゲン、オベスタチン(obestatin)およびオレオイルエタノールアミド。サイトカインは、限定することなく以下を含む:インターロイキン(IL)−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−12、IL−15、IL−18、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、形質転換成長因子(TGF)−β、腫瘍壊死因子(TNF)−α、TNF−β、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)。免疫細胞も活性化されると、ある分子をその細胞表面で上方調節する;例えば以下である:MHCクラスI、MHCクラスII、CD11b、CD20、CD25、CD28、CD40、CD43、CD54、CD62L、CD69、CD71、CD80、CD86、CD95L、CD106、CD134、およびCD134L、成長因子、例えば血小板由来成長因子、血小板因子4、形質転換成長因子−β;組織因子VIIa、トロンビン、フィブリン、プラスミノゲンアクチベータ開始剤、アデノシン二リン酸、等。
【0121】
一般に用いられるさらに他の既知の化合物は、限定することなく以下を含む:A23187、アクチノマイシンD、AG1295、AG1478HCl、アグマチン、アラメチシン、アルベンダゾール、アルドステロン、アルスターパウロン(Alsterpaullone)、アマンタジンHCl、アミロリドHCl、アミノピリジン、4−アミオダロンHCl、アモジアキン、アナンドアミド、アンギオテンシンII、アニソマイシン、Anthopleurin C、アンチマイシンA3、アパミン、アラキドン酸、アルテミシニン、アルテミシニン、ATP、ATXII、アウリントリカルボン酸、バフィロマイシンA1(Bafilomycin A1)、バイカレイン、BAPTA、バリウム、Bcl−x(L)BH4(4−23)、ベンザミルHCl、ベプリジルHCl、ベルベリン、ヘミスルフェート、ブロモ−cAMPナトリウム塩、8−ブロモ−cAMPナトリウム塩、ブロモ−cGMPナトリウム塩、8−ブメタニド、ブンガロトキシンA、酪酸Na、C6セラミド、カフェイン、カルシトリオール、カルシウム、カルホスチンC、カリクリンA、CaMキナーゼII、CaMキナーゼII阻害剤、cAMP、カルバコール、セルレニン、カリブドトキシン、クロロフェニルチオ−cAMP、8−(4−クロロフェニルチオ)−cAMP、クロロトキシン、クロルプロパミド、トシル酸クロフィリウム、コルチヒン、シクロピアゾン酸、シクロスポリンA、サイトカラシンB、D60、カリウム、ダムナカンタール、ダントロレンナトリウム塩、ダフネチン、ダプソーン、dB−cAMP、ジエチルアミンNONOエート/AM、ジトラジン、ドーパミン、ドキソルビシンHCl、エモジン、エポチロンA、エポチロンB、エルブスタチンアナログ、フレカイニド、フルフェナム酸、フォルスコリン、Fura−2、フロセミド、ガドリニウム、ガランタミンHBr、ゲルダナマイシン、ゲニステイン、GF−109203X HCl、ジンジェロール、グリベンクラミド、グリメピリド、グリピジド、Go6976、グアノシン、H−7ジHCl、HA−1077ジHCl、HA14−1、ヘレナリン(Helenalin)、HELSS、ヘパリン、ハービマイシンA、ヒメニアルジシン、ヒペリシン、IAA−94R(+)−、インジルビン−3、InsP3、イオノマイシンカルシウム塩、イソプロテレノール、HCl、イベルメクチン、KN−93、ラパコニチン(Lappaconitine)HBr、ラベンダスティンA、リコカルコンA、合成、リノピルジン、ロペラミドHCl、マンノヘプツロース(Mannoheptulose)、メラトニン、メロシアニン540、メチセルギド、ミベフラジル、モサプリド、N−アセチル−L−システイン、N−ブチル−DNJ、HCl、ナテグリニド、NEM、ニフェジピン、ニトレンジピン、NPY、NS1619、NSC−65346、オクラトキシンA、オカダ酸、オカダ酸ナトリウム、ウアバイン、
【0122】
ペンタミジン、フェニルアルシンオキシド、ホルボール12−ミリスチン酸13−アセテート、ピニトール、プラジカンテル、プロパフェノンHCl、ピューロマイシン、プルバラノールA、ケルセチン、キニーネ、QX−222、レチガビン、リアノジン、S−AMPA、S、216763、SB415286、SNAP、アジ化ナトリウム、スタウロスポリン、スマトリプタン、スラミン、タキソール、テストステロン、テトラエチルアンモニウム、テトロドトキシン、タプシガルギン、チアベンダゾール、チニダゾール、トラザミド、トルブタミド、TPEN、トリアムテレン、U−37883A、バリノマイシン、ベラパミルHCl、ベラトリジン、ビンブラスチン、ビタミンC、キシラジン、Z−VAD、12(S)−HETE、2−APB、4−クロロ−m−クレゾール、6−Bnz−cAMP Na、7−ニトロインダゾール、A23187、アデノホスチンA、ADMB、アドレナリン、A、1295、アルドステロン、アルスターパウロン、アミノアジピン酸、L−a−アミノアジピン酸、アミノグアニジン、ヘミサルフェート(Hemisulfate)、AMITU、アナンドアミド、アンヒドロリアノジン、アニソマイシン、アピゲニン、アラキドン酸、ATP、アウリントリカルボン酸、バイカレイン、BAPTA AM、バスタジン5、ベルバミン、Bohemine、ボンベシン遊離塩基、ブラジキニン、ブロモ−cAMPナトリウム塩、8−ブロモ−cAMPナトリウム塩、ブロモ−cAMP、8−ブロモ−cAMP、ブロモ−cGMPナトリウム塩、8−ブロモ−cGMPナトリウム塩;メシル酸ブロモクリプチン、酪酸、Na、C6セラミド、カフェイン;カルミダゾリウム;塩化物、カルモジュリン、カルホスチンC、CaMキナーゼII、CaMキナーゼII(290−309)、CAMキナーゼII阻害剤、CAMキナーゼII選択的基質、CAMキナーゼII基質、CAMキナーゼIV基質、cAMP、カルディオトキシン、CCCP、塩化ヘレリスリン(Chelerythrine chloride)、ケノデオキシコール酸、クロロフェニルチオ−cAMP、8−(4−クロロフェニルチオ)−cAMP、クロロプロマジン、コレラ毒素、コレラ毒素Bサブユニット、シロスタミド、化合物48/80、
【0123】
クルクミン、環式ADPR、シクロスポリンA、酢酸シプロテロン、サイトカラシンB、サイトカラシンD、D−エリトロ−スフィンゴシン−1−ホスフェート、D−IP3、ダムナカンタール、ダフネチン、dB−cAMP、ジアシルグリセロールキナーゼ阻害剤I、ジアシルグリセロールキナーゼ阻害剤II、ジエチルアミンNONOエート/AM、塩化ジフェニレンヨードニウム、ジプロピル−7−メチルキサンチン、1,3−ジプロピル−7−メチルキサンチン、ジピリダモール、ドーパミン、エモジン、エニアチンB、エルブスタチンアナログ、エタゾレート(Etazolate)HCl、ETPI、FFT、フルオキシメステロン、フルフェナジンN−マスタード ジHCl、フルタミド、フォルスコリン、フォルスコリン、1,9−ジデオキシ−フォルスコリン、フォルスコリン、6B−[B−(ピペリジノ)プロピオニル]−フォルスコリン、HCl、フォルスコリン、7B−デアセチル−7B[a−(モルホリノ)ブチリル]−フォルスコリン、HCl、Furanophostin、ゲルダナマイシン、ゲニステイン、GF−109203X HCl、Go 6976、GSK−3、グアノシン、グアニリン、H−7ジHCl、H−8ジHCl、H−89、H−9ジHCl、HA−1004HCl、HA−1077HCl、ハロペリドールHCl、ヘロデルミン、ヘパリン、ヘポキシリンA3、ハービマイシンA、ヒメニアルジシン、ヒペリシン、IBMX、インペラトキシンA、インジルビン−3、インゲノール、イノシトール1,4,5−トリホスフェート、D−myo−イノシトール1,4,5−トリホスフェート、イノシトール1,4,6−トリホスホロチオエート、L−チロ−イノシトール1,4,6−トリホスホロチオエート、InsP3 ヨードツベルシジン、InsP3 5−ヨードツベルシジン、IP4、イソプロテレノール、HCl、イソキノリンジオール、1,5−イソキノリンジオール、ケンプチド、ケンパウロン、ケタミンHCl、KN−62、KN−93、KT5720、L−cis−ジルチアゼムHCI、L−NAME HCI、L−NIL、DiHCl、L−NIO、L−NMMA、L−NNA、L−チオシトルリン、2HCl、ラベンダスチンA、塩化リチウム、LY−294,002HCI、LY−83,583、L−α−リゾホスファチジルコリン、マストパラン、
【0124】
メラトニン、メリチン、ML−7、ML−9、モルシドミン、NG−モノメチル−D−アルギニンアセテート、、ミコフェノール酸、NAADP、NADPH、NG−ヒドロキシ−L−アルギニン酢酸塩、ニフルム酸、ニトロ−D−アルギニンメチルエステル、NG−HCI、NPC−15437ジHCI、NSC−65346、ODQ、オレイン酸、オロモウシン、オフィオボリンA、PACOCF3、パパベリンHCI、ペンタミジン、ペントキシフィリン、百日咳毒素Bオリゴマー、フェノキシベンザミンHCl、フェニルアルシンオキシド、フロレチン、ホルボール12,13−二酢酸、ホルボール12,13−二酪酸、ホルボール12−ミリスチン酸13−アセテート、PIP2、PKA基質、PKC選択的基質、PKC基質、PPM−18、プロゲステロン、プロテインキナーゼC選択的阻害剤、プルバラノールA、プルバラノールB、ケルセチン、レシニフェラトキシン、リボホスチン、Ro20−1724、Ro31−8220、ロリプラム、ロリプラム、(R)−(−)−、Rp−cAMP TEA、Ru360、ルテニウムレッド、リアノジン、S−ベンジルイソチオウレアHCl、SB203580、SB216763、SB415286、SC−10、SC68376、SIN−1クロリド、SMT、SNAP、SNVP、SP600125、Sp−cAMPSトリエチルアミン、Sp−cGMPSトリエチルアミン、SPC、スペルミンNONOエート、スピロノラクトン、SQ22536、スタウロスポリン、クエン酸タモキシフェン、タキソール、テストステロン、テオフィリン、TMB−8HCl、トリフルオロペラジン、TRIM、バナデート、ビンポセチン、W−13 HCl、W−、HCl、W−7 HCl、ウォルトマニン、ゼストスポンジンC、ゼストスポンジンD、キシラジン、YC−1、ザプリナスト、亜鉛、亜鉛プロトポルフィリンI、AACOCF3、Ammodytoxin、アンチフラミン−1、アンチフラミン−2、アリストロキン酸、アウリントリカルボン酸、ボンベシン、遊離塩基、ブンガロトキシン、B、C6セラミド、化合物48/80、D−エリトロ−スフィンゴシン−1−ホスフェート、D609カリウム、ゲルゾリン、ヘロデルミン、HELSS、ハービマイシンA、
【0125】
イソキノリンジオール、1,5−イソキノリンジオール、MAFP、マノアリド、マストパラン、メリチン、MJ33、NEM硫酸ネオマイシン、ノテキシンNp、PACOCF3、百日咳毒素Bオリゴマー、フロレチン、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、PIP2、プロラノロールHCl(+−)、プロトピンHCl、ケルセチン、スラミン、トリフルオロペラジン、U−73122、ウォルトマンニ(wortmanni)、2−APB、アデノホスチンA、アガトキシンIVA、w−アガトキシンIVA、アガトキシンTK、w−アガトキシンTK、アミノアジピン酸、L−a−アミノアジピン酸、アンチマイシンA3、バスタジン5、ベプリジルHCl、BHQ、ボンベスチン、遊離塩基、C6セラミド、塩化カルミダゾリウム、カリクリンA、カンタリジン酸、セルレニン、クロロプロマジン、クロザピン、シクロピアゾン酸、シクロスポリンA、サイトカラシンB、DCCD、ジギトニン、塩化ジフェニレンヨードニウム、DMHV、エンドタール、エトモキシル、FCCP、フォストリエシン、フラノホスチン、L−SPD、ルシフェリン−ルシフェラーゼ、マンノヘプツロース、メラトニン、ミクロシスチン−LR、ミクロシスチン−LF、N−アセチル−L−システイン、NADPH、ノジュラリン、オカダ酸、オカダ酸ナトリウム、オリゴマイシン、フェニルアルシンオキシド、ピニトール、シアン化カリウム、ロテノン、S−15176、アジ化ナトリウム、スラミン、タクロリムス、タウトマイシン、タプシガルギン、トリフルオロペラジン、バナデート。
【0126】
ある態様において、検査試料はバイオシミラー(biosimilar)を含む。本明細書において、「バイオシミラー」は、生物薬剤学的産物として定義され、、例えば、遺伝的に修飾された細胞系により産生されたタンパク質を活性成分として有する薬剤であって、もとの産物と比較して同等の治療的有効性を有するが、製造プロセスの小さな変化が、産物の有効性および安全に重大なインパクトをもたらす、前記薬剤である。
幾つかの態様において、標的化合物は支持体(すわなち基板)上、例えばマイクロタイタープレートまたはビーズ上に、当業者に知られた方法により不動化される。これらは、好適とされる多くの形態をとることができ、例えば、マイクロチップ(DNA遺伝子チップ等)、ドットブロット、組織ブロットなどである。検出および分析方法も、当業者に明らかであるように、違っていてよい。
【0127】
本明細書において、「高スループットアッセイ」または「高スループットスクリーン(HTS)」は、多数の試料を目的の特定の生物活性について組織的に処理するようデザインされた、高度に平行な、部分的または完全に自動化されたスクリーニングまたはアッセイシステムを指す。これは時には、「高スループットスクリーニング」とも言う。一般に、高スループットスクリーンはロボット工学を用いて、何千もの異なる化合物を機能的および/または結合アッセイにおいて同時に検査する。したがって、かかるスクリーニングは、薬剤の候補を探すために用いられることも多い。
【0128】
現代のロボット工学、データ処理および制御ソフトウェア、液体処理装置、および高感度の検出器の組合せを通して、HTSは研究者に、何百万もの生物化学的、遺伝的または薬理学的検査を短時間で効果的に行うことを可能にする。このプロセスを通して、特定の生体分子経路を調節する活性な化合物、抗体または遺伝子を、迅速に同定することができる。これらの実験の結果は、薬物設計のため、および生物学における特定の生化学プロセスの相互作用または役割を理解するための、スタート地点を提供する。基本的に、HTSは大量の実験データ――通常は、幾つかの生物学的実体が種々の化合物への暴露に対していかに反応するかの観察――を、比較的短い時間で収集するための総当り的なアプローチを用いる。この文脈におけるスクリーンとは、このデータ全てが順番に適用される、1つの目的(通常は科学的仮定を試験すること)を有する大きな実験である。
HTS装置のキーとなるピースは、プレート:通常はプラスチック製の小さな容器であって、ウェルと呼ばれる小さな開いたくぼみの格子を特徴とするものである。ほとんどのウェルは、実験的に有用な物質を含み、これは多くの場合、ジメチルスルホキシド(DMSO)および幾つかのその他の化合物の溶液であり、後者は、プレートにわたり、各ウェルで異なっている。(他のウェルは空で、任意の対照実験用として用いることが意図される。)
【0129】
アッセイ用に準備するには、研究者はプレートの各ウェルに、研究者が実験を実施したいと望むところの幾つかの生物学的実体、例えばタンパク質、幾つかの細胞または動物胚などを充填する。ある長さのインキュベーション時間がたち、生物学的実体がウェル内の化合物を吸収する、結合するかまたは反応する(または反応に失敗する)と、プレートの全ウェルにわたって手動かまたは機械により測定を行う。手動による測定が必要となるのは、多くは次の場合、すなわち、研究者が顕微鏡を用いて(例えば)ウェルの化合物によって引き起こされる胚発生における変化または欠陥を探求し、コンピュータがそれ自体では容易に決定できない効果を探す場合である。そうでなければ、専用の自動化分析機械が多数の実験をウェル上で走らせることができる(例えば偏光をこれらに当て、反射を測定することなど;これはタンパク質結合の指標となり得る)。この場合、機械は各実験結果を数字の格子として出力し、各数字は1つのウェルから得た値にマッピングされる。高容量分析機械は、このように少しのスペース内で多数のプレートを測定でき、何千もの実験データ点を非常に迅速に生成できる。
【0130】
この第一アッセイの結果に基づき、研究者は次のようにして、同じスクリーン内でフォローアップアッセイを行うことができる:興味深い結果(「ヒット」として知られる)を与えたウェルから液体を「入念に選び」新しいアッセイプレートに入れ、次に実験を再度走らせて、この狭められたセットについてさらなるデータを収集し、観察を確認および精製すること。
スクリーニング設備は、一般に、ストックプレートを保持しており、これの内容は注意深く目録作成され、その各々は実験室で作製されたか、市販の源から得たものである。これらのストックプレートはそれ自体は実験に用いられない;代わりに、別のアッセイプレートを必要に応じて作製する。アッセイプレートはストックプレートの単純なコピーであり、これは、少量の液体(多くはナノリットル単位で測定される)をストックプレートのウェルからピペットで収集し、完全に空のプレートの対応するウェルに入れて作る。
【0131】
自動化はHTSの有用性における重要な要素である。多くの場合専門ロボットが、作製から最終分析までの、1つのアッセイプレートのライフタイムにわたる多くのプロセスに対して責任を負う。HTSロボットは通常、多数のプレートを同時に調製および分析することができ、データ収集プロセスをさらにスピードアップする。100,000個までの化合物を1日で検査できるHTSロボットが、現在存在する(Hann 2004)。本明細書に開示された態様の多くは、本発明の照射装置が高スループットプラットフォームの1または2以上のユニットを構成するような様式で、任意のかかる高スループットスクリーニングアッセイに実装できるため、全体プロセスを促進し、費用を低下させることが可能である。
【0132】
幾つかの態様において、本発明は、組織のマイクロアレイ切片のための用途が見出される。組織マイクロアレイ技術において、中空針を用いて、直径0.6mmもの小さな組織のコアを、臨床生検または腫瘍試料などのパラフィン包埋組織中の目的の領域から取り出すことができる。これらの組織のコアは、次に、受容側のパラフィンブロックに、正確に間隔をあけたアレイの様式で挿入する。このブロックからの切片は、ミクロトームを用いて切断し、顕微鏡スライド上に載せ、次に標準の組織学的分析の任意の方法により分析する。各マイクロアレイブロックは、100〜500切片に切り分けることができ、これらは独立の検査に用いることができる。組織マイクロアレイに一般に用いられる検査は、免疫組織化学、および蛍光in situハイブリダイゼーションである。組織マイクロアレイは、癌の試料の分析に特に有用である。
一般に、組織マイクロアレイ(TMAとも言う)は、1000までの分離した組織コアがアレイ状に集められて、同時の組織学的分析が許容されるパラフィンブロックからなる。伝統的な組織学的方法論を用いる分子臨床分析における主な制限は、煩雑な手順、診断試薬の利用可能性の制限、および患者の試料サイズの制限を含む。そのため、これらの点を解決するために、組織マイクロアレイの技術が開発された。したがって本発明の特性をTMAと組み合わせると、この技術はさらに改善することができる。
【0133】
同様のアプローチを用いて、細胞、タンパク質または遺伝子の集合をスクリーニングすることができる。したがって本発明は、特にマイクロアレイおよび遺伝子発現(MAGE)およびサイトミクス(Cytomics:動的細胞構造科学)の分野においても、用途が見出されている。
本明細書において、用語「基板」とは、試料または試薬をその中またはその上に置くことができる、任意の支持体(support)の区画(compartment)または表面を指す。多数の異なる種類の基板および多くの変形が意図され、これらには限定することなく、毛細管、ピペット先端、針、空洞、ウェル、チャンバー、スライドまたは容器が含まれ、これらは幾つか場合においては使い捨てである。幾つかの状況においては、特に試料容積が例えばマイクロリットル範囲などのように少ない場合、試料と直接接触する基板の表面は被覆されているのが望ましい場合がある。対の導電性伝送線を被覆またはカバーする基板上の表面被覆は、溶液中に分散された抗体などの試薬が、装置それ自体に非特異的結合または付着するのを防ぐ。μmオーダーの被覆の薄膜/層、例えばMylarフィルム、テフロン(登録商標)、エポキシは、近接場無線周波数送達アプリケーター(例えばアンテナ)のガラスまたは金の側面への、タンパク質の結合を成功して防ぐために用いることができる。他の材料もまた用いることができ、例えば、非導電シリコーンゴム、またはシリコーングリースなどが同じ目的で用いられる。
【0134】
ある文脈において、基板はまた、固体の支持体を指し、この上に目的の1または2以上の分子を結合することができる。これらの場合、基板は、ビーズ、カラム、フィルターなどを含むことができる。
本発明はさらに、フローサイトメトリの流体流において達成される染色または結合プロセスが関与する態様も意図する。
フローサイトメトリは当分野によく知られており、流体流中に懸濁された微小粒子を計測、検査および分類するための技術である。これにより、光学的および/または電子的検出装置を流れる単一細胞の物理的および/または化学的特性を、同時に多様に解析することが可能となる。本発明は、時間および品質の両方において、結果を大幅に改善するための技術に統合することができる。
【0135】
原理的には、フローサイトメトリは、流体力学的に集束された流体流に向けられた、単一波長の光線(通常はレーザー光線)を用いる。複数の検出器が、流れが光線を通過するポイントに向けられる;1つは光線に沿って(前方散乱またはFSC)、および幾つかはこれに垂直に(側方散乱(SSC)および1または2以上の蛍光検出器)である。光線を通過する懸濁粒子の各々は何らかの方法で光を散乱し、粒子内にあるまたは粒子に付着した蛍光化合物が励起されて、光源より低い周波数で発光する。この散乱光および蛍光の組合せが検出器により拾われて、各検出器(蛍光発光ピークの各々に対して1つずつ)における輝度(brightness)の変化を解析することにより、個々の粒子それぞれの物理的および化学的構造についての種々の情報を外挿することが可能となる。FSCは細胞体積と相関し、SSCは粒子の内部の複雑さ(すなわち核の形状、細胞質顆粒の量および種類、または膜の粗さ)に依存する。市場の幾つかのフローサイトメーターは、蛍光の必要性を除去し、光の散乱のみを測定に用いている。
【0136】
現代のフローサイトメーターは、毎秒数千個の粒子を「実時間で」解析することができ、特定の特性を有する粒子を積極的に分離および単離することができる。フローサイトメーターは顕微鏡に似ているが、細胞の画像を生成する代わりに、フローサイトメーターは設定パラメータの「高スループット」(多数の細胞に対して)で自動化された定量化を提供する。固体の組織を解析するには、単細胞懸濁液を初めに調製しなければならない。
【0137】
従来のフローサイトメーターは、一般に5つの主要な構成要素を有する:(1)フローセル:液体流(シース流体)は細胞を運び整列させて、それらが1つのファイルを通って検知のために光線を通過するようにする;(2)光源:一般に用いられるのはランプ(水銀、キセノン);高出力水冷レーザー(アルゴン、クリプトン、色素レーザー);低出力空冷レーザー(アルゴン(488nm)、赤−HeNe(633nm)、緑−HeNe、HeCd(UV));ダイオードレーザー(青、緑、赤、紫);(3)検出器およびアナログ−デジタル変換(ADC)システム:FSCおよびSSCおよび蛍光シグナルを生成する;(4)増幅システム:線形または対数;および(5)シグナル解析用のコンピュータ。現代の装置は通常複数のレーザーおよび蛍光検出器を有する(現在市場にある装置の記録では、4つのレーザーおよび18の蛍光検出器)。レーザーおよび検出器の数の増加は複数の抗体標識を可能とし、標的集団をそれらの表現型によってさらに正確に同定することができる。本明細書に開示された照射用装置は、例えば、上の段階(1)に先立って組み込まれる。フローサイトメーターはまた、分類装置としても構成できる(蛍光活性化細胞分類またはFACS)。細胞または粒子が装置を通過すると、ユーザーが規定したパラメータに基づいてこれらは選択的に荷電され、異なる収集管に向けられた別々の流路に屈折させられる。したがって、もとの混合物から4種類までの規定の細胞集団に、高精度と高スピードで分離することができ、これは従来の装置において理論的に毎秒〜90,000個の細胞に相当する。
【0138】
本発明はさらに、これら現存の装置の能力を、本明細書に記載の分子の相互作用が関与する1または2以上の段階を促進および強化することにより、改善することができる。装置の製造業者の例は、限定はされないが以下を含む:Amnis:ImageStream imaging flow cytometer(PCプラットフォーム);Bay bioscience corp:JSAN(PCプラットフォーム);BD Biosciences:(FACS):FACSCalibur、FACScan、FACSort、FACSVantage(MacOSプラットフォーム)FACSCanto II、BD LSR II、FACSArray、FACSAria、FACSDiVa(PCプラットフォーム);Beckman Coulter(ex-Coulter):Cytomics FC500/FC500-MPL、Cell Lab Quanta SC、Cell Lab Vi-Cell、Epics XL/XL-MCL;Epics Altra(Hypersort)(PCプラットフォーム);CytoBuoy:海洋学用途に特化した装置;Cytopeia:Influx(PCプラットフォーム);Dako(ex-Dako Cytomation):MoFlo, Cyan(IBM−PCプラットフォーム);流体画像技術:FlowCAM(登録商標)imaging flow cytometerおよびVisualSpreadsheet解析ソフトウェア(PCプラットフォーム);Guava Technologies:Personal Cell Analysis(PCA)System、Easycyte、Easycyte mini、PCA-96(PCプラットフォーム);Partec(一時期Dakoと関連):PAS;CyFlow;CCA;PA(PCプラットフォーム);PointCare Technologies:AuRICA;Accuri Cytometers:C6 Flow Cytometer System(登録商標)。
【0139】
したがって、サイトメトリの技術は多くの分野に用途を有し、これには分子生物学、病理学、免疫学、植物生物学、海洋生物学および海洋学を含む。当業者に明白であるように、分子生物学の分野においては、例えば、サイトメーターで検査される細胞の特定の特性についての情報を提供する、蛍光標識抗体と共に用いられた場合に、特に有用である。これは医学において(特に移植、血液学、腫瘍免疫学および化学療法、遺伝学において)、広い用途を有する。海洋生物学においては、光合成プランクトンの自動蛍光特性をフローサイトメトリで試験して、潤沢性および群生構造の特徴を明らかにすることができる。タンパク質工学においては、フローサイトメトリを酵母提示法および細菌提示法と共に用いて、所望の特性を有する細胞表面提示タンパク質変異体を同定する。かかる技術は、広い範囲のパラメータを測定するために用いることができ、これは、限定することなく以下を含む:細胞の容積および形態学的複雑性;細胞色素、例えばクロロフィルまたはフィコエリスリン;DNA(細胞サイクル解析、細胞動力学、増殖等);RNA;染色体分析および分類(ライブラリー構築、染色体彩色);タンパク質発現および局在化;in vivo遺伝子組み換え産物、特に緑蛍光タンパク質または関連蛍光タンパク質;細胞表面抗原(クラスター識別(CD)マーカー);細胞内抗原(種々のサイトカイン、二次メディエーター等);核抗原;酵素活性pH、細胞内イオン化カルシウム、マグネシウム、膜電位;膜流動性;アポトーシス(DNA分解の定量化、測定、ミトコンドリア膜電位、透過性変化、カスパーゼ活性);細胞生存度;細胞の電子透過化処理のモニタリング;酸化性バースト;癌細胞における多薬剤耐性(MDR)の特徴付け;グルタチオン;種々の組合せ(DNA/表面抗原等)。
【0140】
さらに、本明細書に開示された技術を用いて、ある生物学的状態を示す1種または2種以上の生物学的マーカーを検出、同定および/または測定するプロセスを促進することが可能である。幾つかの場合において、マーカーの検出、同定および/または測定の促進されたプロセスは、予後または診断プロセスを支援する。本明細書に開示された技術および方法を用いて、疾病関連抗原を、例えば腫瘍生検試料および血液試料などの生体試料から、従来法で必要とされる時間より短時間で、検出および測定することができる。例えば、蛍光標識の使用は、抗原または遺伝子座の空間的決定を、細胞または組織内での局在化/分散を試験することにより可能とし、また組成に関する(表現型)情報を、蛍光分析技術による検出、同定および測定を用いて特定の目的に依存して実施でき、これらは、当業者は明確に理解することができる。
【0141】
さらに、本発明は一定の治療プロセスの促進に拡張される。例えばこのプロセスは、結合組織(例えば肺)の成分と、コラーゲンおよびエラスチンを含む平滑筋成分(動脈壁、大動脈等)との制御された架橋を含むことができる。1つの例示の用途は、円錐角膜処置に関する。現在円錐角膜の処置には、光増感剤(リボフラビン)およびUV光による架橋が用いられている。円錐角膜は角膜の疾患であり、角膜を弱くし、次第に外側に膨張させる。円錐角膜の患者の約半数は、レンズによる矯正手段を超える重大な視覚の問題を有する。円錐角膜のただ1つの解決策は角膜移植であり、これには長期の治癒期間と予測不可能な屈折異常が伴う。したがって角膜架橋(corneal cross linking)が、角膜の生物医学的安定性を高めて角膜移植を避けるために用いられる。この処置は一般にリボフラビンによる角膜コラーゲン架橋を伴い(C3−R)、リボフラビン点眼薬を眼に1回適用する。リボフラビンは、UV−A光で約30分間照明することにより活性化されると、ストローマ内でのコラーゲン架橋を増加させ、したがって角膜の機械的強度を幾分か回復させる。ドレスデン工科大学で開発されたC3−Rは、円錐角膜の進行を遅延または止めることが示され、幾つかの場合においてはこれを回復させ、特に角膜内のリングセグメント(ring segment)と組み合わせて適用した場合にそうである。本明細書に示された方法はしたがって、角膜移植のためのかかる技術を改善するのに、より精度が高く細かい制御を提供することができる。
【0142】
本発明の技術は、多くの臨床、医学、生化学または分析装置に組み入れることができる。かかる装置の非限定的例は以下を含む:血液試料の1または2以上のパラメータを分析および/または測定する装置、心臓用装置または腎臓透析装置。
本明細書に記載の使用は、種々の試料中に存在する多数の目的分子を検出および同定することに適用可能である。試料源は以下を含む:限定することなく、リンパ組織を含む組織;体液(例えば血液、リンパ液等)、培養細胞;細胞系;組織学スライド;パラフィン包埋組織等。本明細書で用いる用語「組織」は、局在および分散した細胞集団の両方を指し、限定することなく以下を含む:脳、心臓、血清、乳房、結腸、膀胱、表皮、皮膚、子宮、前立腺、胃、睾丸、卵巣、すい臓、下垂体、副腎、甲状腺、唾液腺、乳腺、腎臓、肝臓、腸、脾臓、胸腺、骨髄、気管、および肺。生体液は、限定することなく、血液、リンパ液、脳脊髄液、涙、唾液、尿、および便等を含む。幾つかの態様において、試料は血液またはリンパ節試料を含む。浸襲的および非浸襲的技術を、かかる試料を得るために用いることができ、これらは当分野においてよく記録されている。対照細胞試料は、細胞、組織を含むことができ、または、これらの溶解物であってよい。幾つかの態様において、対照試料は、癌のない、および/または前癌状態のない、細胞または対象からの試料であってよい。
【0143】
ヒトの患者などの対象から得る細胞および組織試料とは別に、本発明はさらに、核酸ハイブリダイゼーション技術またはDNAマッピング技術を用いる、風媒性病原体の検出および同定における用途も意図する。後者において、該技術は、単分子検出技術を含み、ここで、本明細書に開示の照射装置および方法は、核酸分子の「オープンな」または「伸長された」構造を促進することができ、これにより、病原体の同定プロセスを強化することができる。かかる使用は、環境試料中の風媒性病原体の迅速な検出に、広い用途を提供する。一般に、環境試料はフィルタリングにより収集され、任意の風媒性粒子状物質は、好適な緩衝液および/または有機溶媒に分散させることができる。
【0144】
幾つかの態様において、非共有相互作用は、重合プロセスを含む。本明細書において、用語「重合プロセス」は、マトリックス形成分子を含む1または2以上のマトリックス(例えば、ナノ細孔性固体を形成するゲル)であって、随意的に形成プロセスを触媒または促進する、および/または形成されたマトリックスの安定性を強化する、1または2以上の成分を含む前記マトリックスを、形成または延ばすプロセスを指す。マトリックス形成生体分子の例は、例えば寒天などのある種の多糖類、およびゼラチンおよびコラーゲンなどのある種のタンパク質を含む。
【0145】
幾つかの場合において、マトリックス形成化合物は、有機または無機のポリマーを含む。例えば、有機−無機ポリマーハイブリッドを、ポリ(エチレンオキサイド)およびポリ(Nービニルピロリドン)などの種々の有機ポリマーから形成するプロセスは、マイクロ波加熱(例えば500W,2.45GHzのマイクロ波照射)により加速することができる。従来、マイクロ波照射のかかる応用は標準の家庭用電子レンジで行われ、これは幾つかの場合に不均一な結果をもたらすが、それはおそらく、照射の不均一な分散および正確な制御の不足のためである。したがって、本発明はこれらの技術的限界を解決し、より速く優れた結果を提供することができる。
【0146】
幾つかの場合において、上記の重合プロセスは、1または2以上の細胞外マトリックス(ECM)成分を含むことができる。ECMの主要成分は、種々の糖タンパク質、プロテオグリカンおよびヒアルロン酸である。殆どの動物において、ECMにおける最も豊富な糖タンパク質はコラーゲンである。ECMはまた多くの他の成分を含み、これは、フィブリン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンなどのタンパク質およびナイドジェン(nidogen)を含む。ECM成分に関連する生物学的使用、特にこれらの重合は、当業者には明らかである。図7(行為100)に示すように、細胞培養および組織培養技術はしばしば、好ましい基質としてのECMの調製および使用を含み、この上に、またはこの中に、細胞および/または組織が増殖され維持される。これらはまた、組織工学に対して価値ある機会をもたらす。この点について、本発明はマイクロ波照射を基質の重合の改善に用いることも意図し、基質としては、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン、フィブリン、へパリンおよび/またはラミニンを含むことができる。かかる使用は、皮膚移植、創傷の治癒等の領域での改善された用途に関連する。
【0147】
本明細書に記載された任意の方法または使用はさらに、高スループットスクリーニングプロセスの1または2以上の機能性ユニットを構成することも、意図される。高スループットスクリーニングは、血液、細胞または組織の空間的または組成的成分、薬剤活性または薬剤活性に対する細胞応答、細胞同定、細胞分類、およびこれに適用された試薬の組織特異的分散を、検出または同定するために用いられる。
本発明の他の用途は、以下も含む:マイクロ波照射の、DNA−小分子相互作用の強化のための使用;DNA/オリゴヌクレオチドの化学的合成の間の、マイクロ波照射の使用による、高収率の達成(ホスホラミダイト(phosphoramidite)の、制御された有孔ガラス(controlled pore glass)への促進された結合による);マイクロ波照射の、例えば変性および再生などのタンパク質折り畳みの強化への使用;マイクロ波照射の、染色体数異常および染色体転位数異常などの、染色体異常の検出改善への使用;組織移植または組織工学のための、改善されたマトリックスの調製。
【0148】
生物医学的用途とは別に、本明細書に開示された照射装置は、少量の流体または薄い組織が電磁エネルギーによって照射されるべきである、任意の状況において、用途を見出すことができる。可能性のある例のリストは、限定することなく以下を含む:RFエネルギーが用いられる大規模製造プロセスにおけるプロトタイピング、食品産業、電子工学、航空宇宙産業、およびその他の医学的用途。照射装置は、少量の限定された試薬を用いる化学プロセスにおいて、特に有用となり得る。
例示の態様を記載したため、当業者には種々の変更、修正および改善が容易に行えることが理解される。かかる変更、修正および改善は、この開示の一部であることが意図され、本開示の精神および範囲内であることが意図される。本明細書に提示された幾つかの例は機能または構造要素の特定の組合せを含むが、当然ながら、これらの機能および要素は、本発明に従い他の方法によっても組み合わせることができ、同様または異なる目的を達成することができる。特に、1つの態様との関連で論じられた行為、要素、および特性は、他の態様における類似のまたは別の役割から除外されることを意図しない。したがって、前の記載および付属の図面は、例示のためのみであり、限定を意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1a】本開示の1つの態様による照射装置と関連する種々の概念を示す図である。
【図1bc】本開示の態様による2つの例示の照射装置について計算された電磁場等高線のグラフである。
【図2a】本開示の他の態様による、コイル状伝送線構造を有する照射装置の上面図である。
【図2b】図2(a)に示された装置の一部の側面の断面図である。
【図3】本開示の他の態様による照射装置の上面図である。
【図4】本開示の他の態様による、限局された磁場を生成するよう構成された照射装置の上面図である。
【図5】本開示の1つの態様による、薄い組織を照射する方法を示す図である。
【図6】図5の方法で用いられる、照射装置と試料スライドを含む構成の例示の断面概略図である。
【図7】本開示により強化することができる例示の実験段階を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;および
基板上に配置された、少なくとも1つの電磁場発生器、
を含む装置であって、
前記少なくとも1つの電磁場発生器は、付勢された場合に、基板に近接する薄い領域を含む限局部分のみに電力を送達するよう構成された、前記装置。
【請求項2】
電力が、約100mWまでの範囲である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
薄い領域が、基板の表面から垂直に約100μmまでの寸法を有する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
薄い領域が、基板の表面から垂直に少なくとも約100μmの寸法を有する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの電磁場発生器が、約8mm×8mmの寸法を有する基板の表面に平行な部分にある薄い領域に電力を送達するよう構成された、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
基板が、本質的に平面である、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
基板が、少なくとも1つの曲面を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
基板が、スライドグラス、空洞、ウェル、チャンバー、毛細管、ピペット先端、および針の少なくとも1つを含む、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの電磁場発生器が、数十ギガヘルツまでの周波数範囲に亘り、薄い領域に電力を送達するよう構成された、請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの電磁場発生器が、マイクロ波放射を介して、薄い領域に電力を送達するよう構成された、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
少なくとも1つの電磁場発生器が、無線周波数放射を介して、薄い領域に電力を送達するよう構成された、請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの電磁場発生器が、基板上に配置された導体のアレイを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
導体のアレイが、等間隔にある電極の周期的アレイを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
薄い領域の基板の表面から垂直方向の範囲が、少なくとも部分的に、周期的アレイの隣接する電極間の間隔に基づく、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
等間隔の電極に結合された少なくとも1つの信号発生器をさらに含み、前記少なくとも1つの信号発生器が付勢された場合に、周期的アレイの隣接する電極が逆の極性を有するようになっている、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
周期的アレイの隣接する電極が、等しくかつ逆の電位を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの信号発生器が、付勢された場合に、約20dBmまでの電力を提供するように構成された、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つの信号発生器が、少なくとも1つの電磁場発生器に近接した基板上に配置された、請求項15〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
少なくとも1つの信号発生器が、少なくとも1つの電磁場発生器に、フリップチップ圧力コネクタを介して結合された、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
電力が、薄い領域に、電極の上の発振電場を介して送達される、請求項12〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
電極のアレイが、コイル状伝送線を含む、請求項12〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
コイル状伝送線が、八角形の形状を有するよう構成された、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
アレイ内の各電極が、約100μmの線幅を有し、アレイの隣接する電極が、約100μmの距離で隔てられた、請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
電力が、薄い領域に、電極の上の磁場を介して送達される、請求項1〜10のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの電磁場発生器が、蛇行パターンに配列された一定長のワイヤを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれかに記載の装置;および
薄い領域に配置され、薄い領域に送達された電力を受ける少なくとも1つの試料の少なくとも1つの特性を測定するように構成された少なくとも1つのセンサー、
を含む、医療用または診断用機器。
【請求項27】
A)基板に近接する薄い領域を含む限局部分のみに電力を送達すること、
の行為を含む、電磁照射法。
【請求項28】
電力が、約100mWまでの範囲である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
薄い領域が、基板の表面から垂直に約100μmまでの寸法を有する、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
薄い領域が、約8mm×8mmの寸法を有する基板の上の部分を含む、請求項27〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
行為A)が、
電力を、DC〜数十ギガヘルツの周波数範囲で薄い領域に送達すること;
の行為を含む、請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
行為A)が、
電力を、マイクロ波放射を介して薄い領域に送達すること;
の行為を含む、請求項27〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
基板の上の薄い領域が少なくとも1つの試料を含み、行為A)が、
B)電力を少なくとも1つの試料に送達すること;
の行為を含む、請求項27〜32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つの試料が、少なくとも1つの有機分子を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1つの試料が、ある容積の流体を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの試料が、pH緩衝液、浸透平衡液、および食塩水の少なくとも1つを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも1つの試料が、少なくとも1つの生体試料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの試料が、少なくとも1つの組織試料を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも1つの組織試料が、少なくとも1つの染色組織試料を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの試料が、少なくとも1つの磁気粒子を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
行為B)が、
電力を少なくとも1つの試料に送達して、該少なくとも1つの試料における少なくとも1つの化学プロセスを促進すること、
の行為を含む、請求項33〜40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
行為B)が、
少なくとも1つの試料において電気モードを励起すること、
の行為を含む、請求項33〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
行為B)が、
少なくとも1つの試料において磁気モードを励起すること、
の行為を含む、請求項33〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
行為B)が、
少なくとも1つの試料ににおいて磁気モードと電気モードを独立して励起すること、
の行為を含む、請求項33〜41のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
化学プロセスを促進または強化するための方法であって、該方法は、
生体試料を得ること;
前記生体試料を、化学プロセスを実施するために必要な1種または2種以上の試薬と接触させること;および
前記生体試料を、前記生体試料のごく近傍に局在する電磁場に当てること、該電磁場はあるレベルの電力を提供し、前記生体試料は、化学プロセスのかかる促進または強化を達成するのにに十分な時間当てられる、
を含む、前記方法。
【請求項46】
化学プロセスが、免疫組織化学プロセスである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
化学プロセスが、架橋プロセスである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
化学プロセスが、固定プロセスである、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
化学プロセスが、染色プロセスである、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
化学プロセスが、分子間相互作用を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
分子間相互作用が、共有結合分子間相互作用である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
分子間相互作用が、非共有結合分子間相互作用である、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
非共有結合分子間相互作用が、タンパク質−タンパク質相互作用である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
タンパク質−タンパク質相互作用が、抗体−抗原相互作用である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
非共有結合相互作用が、核酸のハイブリダイゼーションを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
生体試料が、
体液試料、組織試料、生検試料、細胞試料、血液試料、血清試料、血漿試料、尿試料、毛髪試料、風媒性試料および食品試料、
の1種または2種以上を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項57】
生体試料が、固定試料である、請求項45に記載の方法。
【請求項58】
固定試料が、パラフィン包埋試料である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
固定試料が、凍結試料である、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
生体試料が、新しく解離された試料である、請求項45に記載の方法。
【請求項61】
新しく解離された試料を、手術中に得る、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
生体試料が、生きている細胞を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項63】
生きている細胞が、懸濁液中にある、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
生きている細胞が、基板に付着している、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
段階:
生体試料を電磁場に当てた後に分析すること;および
前記生体試料中に存在するバイオマーカーを、検出し、同定しおよび/または測定すること、
をさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項66】
段階:
生体試料を電磁場に当てた後に分析すること;および
前記生体試料の遺伝子型または表現型を決定すること、
をさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
生体試料の遺伝子型または表現型を決定する段階が、疾病または疾患の予後を提供する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
生体試料の遺伝子型または表現型を決定する段階が、疾病または疾患の診断を提供する、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
バイオマーカーが、疾病または疾患のマーカーである、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
生体試料を分析し、生体試料の表現型を決定する段階が、手術中に実施される、請求項67〜69のいずれかに記載の方法。
【請求項71】
結合アッセイを促進または強化するための方法であって、該方法は、
検査試料を得ること;
前記検査試料を標的化合物と接触させること:および
前記検査試料と前記標的化合物を含有する混合物を、混合物のごく近傍に局在する電磁場に当てること、該電磁場はあるレベルの電力を提供し、前記混合物は、結合アッセイのかかる促進または強化を達成するのに十分な時間当てられる、
を含む、前記方法。
【請求項72】
結合アッセイが、免疫学的検定である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
免疫学的検定が、ELISAである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
結合アッセイが、親和性アッセイである、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
結合アッセイが、核酸のハイブリダイゼーション反応を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
核酸が、DNA、RNA、またはこれらの組合せである、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
検査試料が、アプタマーを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
検査試料が、小分子を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
検査試料が、バイオシミラーを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
標的化合物が不動化されている、請求項71〜79のいずれかに記載の方法。
【請求項81】
試料中の分子間相互作用のプロセスを促進または強化するための装置の使用であって、前記装置は、
基板;および
試料のごく近傍内の限局領域を照射するために、前記基板上に配置された電磁場発生器、
を含む、前記使用。
【請求項82】
基板が、毛細管、ピペット先端、針、空洞、ウェル、チャンバー、スライドまたは容器を含む、請求項81に記載の使用。
【請求項83】
基板が、使い捨て基板である、請求項82に記載の使用。
【請求項84】
分子間相互作用のプロセスが、フローサイトメトリの流体流中で達成される染色プロセスを含む、請求項81に記載の使用。
【請求項85】
分子間相互作用のプロセスが、診断プロセスを含む、請求項81に記載の使用。
【請求項86】
分子間相互作用のプロセスを促進または強化するための医療機器または分析機器の使用であって、前記医療機器または分析機器が、請求項81の装置を含む、前記使用。
【請求項87】
医療機器が、診断機器である、請求項86に記載の使用。
【請求項88】
分析機器が、顕微鏡を含む、請求項86に記載の使用。
【請求項89】
医療機器が、血液試料または体液試料の1種または2種以上のパラメータを分析および/または測定するための機器、心臓用機器、または腎臓透析用機器である、請求項86に記載の使用。
【請求項90】
試料が、
組織、真核細胞、原核細胞、ウィルス、および風媒性粒子、
の1種または2種以上を含む、請求項81に記載の使用。
【請求項91】
分子間相互作用が、共有結合分子間相互作用である、請求項81に記載の使用。
【請求項92】
共有結合分子間相互作用が、1分子または2つ以上の分子の架橋を含む、請求項91に記載の使用。
【請求項93】
架橋が、細胞または組織の固定プロセスを含む、請求項92に記載の使用。
【請求項94】
分子間相互作用が、1種または2種以上の分子を含む非共有結合相互作用である、請求項81に記載の使用。
【請求項95】
少なくとも1つの分子が生体分子である、請求項94に記載の使用。
【請求項96】
生体分子が、天然に存在する生体分子である、請求項95に記載の使用。
【請求項97】
生体分子が、合成生体分子である、請求項95に記載の使用。
【請求項98】
生体分子が、ペプチド、タンパク質、炭水化物、プロテオグリカン、脂質または核酸である、請求項95に記載の使用。
【請求項99】
タンパク質が、抗体である、請求項98に記載の使用。
【請求項100】
タンパク質が、細胞表面受容体である、請求項98に記載の使用。
【請求項101】
生体分子が、検出可能な染料または標識に結合されている、請求項98に記載の使用。
【請求項102】
生体分子が、ホルモン、神経伝達物質、サイトカイン、ケモカインまたは成長因子である、請求項95に記載の使用。
【請求項103】
生体分子が、アゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、阻害物質、遮断物、または補助因子である、請求項95に記載の使用。
【請求項104】
非共有結合相互作用が、重合プロセスを含む、請求項94に記載の使用。
【請求項105】
重合プロセスが、1種または2種以上の細胞外マトリックス成分の重合を含む、請求項104に記載の使用。
【請求項106】
重合プロセスが、ゼラチン、コラーゲン、フィブリン、ヘパリンまたはラミニンの重合を含む、請求項104に記載の使用。
【請求項107】
方法または使用が、高スループットスクリーニングプロセスにおける1または2以上の段階を構成する、請求項27〜106のいずれかに記載の方法または使用。

【図1a】
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【図1bc】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−529676(P2009−529676A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558426(P2008−558426)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/006103
【国際公開番号】WO2007/106402
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507403735)プレジデント アンド フェローズ オブ ハーバード カレッジ (15)
【Fターム(参考)】