説明

送り幅合わせラミネート方法および送り幅合わせラミネート装置

【課題】 本発明は、ホログラムや金属蒸着の模様等が形成されたフィルムを枚葉紙にラミネートする際に、シムまたは柄の繋ぎ目が後から印刷する絵柄にかからないように制御する送り幅合わせラミネート方法および送り幅合わせラミネート装置に関するものである。
【解決手段】 本発明は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行い、前記枚葉紙に所定の幅の「クワエ」部を残して貼り付けられる。前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置は、センサによって検出されると同時に、前記枚葉紙の位置も、別のセンサによって検出される。前記各センサによって検出されたデータは、制御部において、枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラムや金属蒸着の模様等が形成されたフィルムを枚葉紙にラミネートする際に、シムまたは柄の繋ぎ目が後から印刷する絵柄にかからないように制御する送り幅合わせラミネート方法および送り幅合わせラミネート装置に関するものである。前記「シム」または「柄の繋ぎ目」は、ホログラムあるいは金属蒸着の模様等を樹脂フィルム(以下、本明細書において、単に、フィルムと記載する。)に形成する際に、その作製法上、前記フィルムの流れ方向と直角に形成される等間隔で現れる筋状からなる模様のことをいう。
【背景技術】
【0002】
図3(イ)および(ロ)は枚葉紙を説明するための図である。図3(イ)に示すように、枚葉紙31は、搬送方向34の先頭部に「クワエ」部32があり、(ロ)に示すように、搬送方向の後部に「クワエ尻」33がある。
【0003】
図4はホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されているロールフィルムを説明するための図である。図4において、ロールフィルム41は、ホログラムあるいは金属蒸着の模様42が等間隔で繰り返し形成されている。前記ホログラムあるいは金属蒸着の模様42の間には、ピッチ43の等間隔で、シムまたは柄の繋ぎ目が形成されている。
【0004】
図5(イ)および(ロ)はホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されたフィルムを貼り合わせた枚葉紙を説明するための図である。図5(イ)におけるホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されたフィルムを貼り合わせた枚葉紙51は、前記フィルムをラミネートとした後に印刷される絵柄部53と、前記フィルムがラミネートされていないクワエ部54とから構成される。前記絵柄部53は、小分け線(点線)により小分けされ、たとえば、一枚のカード532になる。図5(イ)に示す本発明のフィルムが貼られた枚葉紙51は、シムまたは柄の繋ぎ目511が絵柄部53の外で、かつ、前記絵柄部53がフィルム内に印刷されている。図5(ロ)において、枚葉紙52は、シムまたは柄の繋ぎ目521が、絵柄部53の内部に形成されており、不良品となるものである。
【0005】
前記枚葉紙とフィルムとのラミネート貼り合わせについての制御は、たとえば、特許第3400512号公報、特開2004−25599号公報にそれぞれ記載されている。
【特許文献1】特許第3400512号公報
【特許文献2】特開2004−25599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記枚葉紙とフィルムとの貼り合わせは、前記枚葉紙とフィルムの搬送を正確に制御することにより、ホログラムまたは柄模様を綺麗に見せることができる。しかし、ホログラムあるいは金属蒸着が模様等として形成されるフィルムには、繰り返し形成されるシムあるいは柄の繋ぎ目が後に印刷される絵柄内に形成されることがある。前記シムあるいは柄の繋ぎ目は、前記フィルムと枚葉紙との貼り合わせにおいて、位置合わせが困難であった。特に、前記位置合わせは、前記枚葉紙、ホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されているフィルム、シムまたは柄の繋ぎ目、前記フィルム上に印刷される絵柄、を所定の位置に正確に制御する必要があった。
【0007】
以上のように、本出願人は、前記シムまたは柄の繋ぎ目がホログラムあるいは金属蒸着の模様の外側で、かつ、印刷された絵柄がフィルムの上に印刷されていれば、枚葉紙およびフィルムの搬送を連続して厳密に制御する必要がないことを見いだした。すなわち、本発明は、前記シムまたは柄の繋ぎ目がホログラムあるいは金属蒸着の模様の外側にあり、かつ、絵柄がフィルム上に印刷されているものを良品とするように制御した送り幅合わせラミネート方法および送り幅合わせラミネート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明の送り幅合わせラミネート方法は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出し、前記枚葉紙の位置を検出し、前記各検出されたデータを基にして、前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整し、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙との貼り合わせを行うことを特徴とする。
【0009】
(第2発明)
第2発明の送り幅合わせラミネート方法は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出し、前記枚葉紙の位置を検出し、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせ、前記貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機により検出し、前記各検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整することを特徴とする。
【0010】
(第3発明)
第3発明の送り幅合わせラミネート方法は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせ、前記貼り合わせ後における前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検品機により検出し、前記検品機により検出された位置の差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整することを特徴とする。
【0011】
(第4発明)
第4発明の送り幅合わせラミネート方法は、第1発明から第3発明における枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られた後の絵柄印刷において、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られている枚葉紙の内部に絵柄印刷がされており、かつ、前記印刷された絵柄内にシムまたは柄の繋ぎ目が入らないことを特徴とする。
【0012】
(第5発明)
第5発明の送り幅合わせラミネート装置は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出する第1検出手段と、前記枚葉紙の位置を検出する第2検出手段と、前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、前記第1検出手段および第2検出手段で検出された位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0013】
(第6発明)
第6発明の送り幅合わせラミネート装置は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出する第1検出手段と、前記枚葉紙の位置を検出する第2検出手段と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段と、前記貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機により検出する第3検出手段と、前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、前記第1検出手段、第2検出手段、および第3検出手段により検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【0014】
(第7発明)
第7発明の送り幅合わせラミネート装置は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段と、前記貼り合わせ後における前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検出する検品機と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムにおけるシム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、前記検品機により検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成された柄の繋ぎ目位置を検出して、枚葉紙の位置との差が予め決められた値以上になった場合にのみ、枚葉紙の送り速度および/またはホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するため、制御が簡単であるにもかかわらず、不良品を少なくすることができる。
【0016】
本発明によれば、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙との整合状態等を検品機により検査しているため、枚葉紙のクワエ方向および左右方向のずれを検出でき、前記ずれが一定以上になる前に、フィルムおよび枚葉紙の送り速度を制御して、不良品をできるだけ少なくすることができる。
【0017】
本発明によれば、枚葉紙の送り速度、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を制御するのに加え、前記枚葉紙およびホログラムフィルムまたは蒸着フィルムを貼り合わせた後の検品機によっても、シムまたは柄の繋ぎ目を監視できるため、制御精度が向上する。
【0018】
本発明によれば、枚葉紙の送り速度、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を間歇的に制御し、シムまたは柄の繋ぎ目が絵柄にかからないものであり、かつ、前記絵柄がフィルム部分に印刷されているものを良品としているため、制御が簡単であるにもかかわらず、不良品を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1発明)
第1発明の送り幅合わせラミネート方法は、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行い、前記枚葉紙に所定の幅の「クワエ」部を残して貼り付けられる。前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置は、センサによって検出されると同時に、前記枚葉紙の位置も、別のセンサによって検出される。前記各センサによって検出されたデータは、制御部において、枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整する。
【0020】
前記制御部における送り速度の調整は、前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との差が予め決められた値以下の場合、制御を行わず、前記差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整する。その後、前記枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムは、互いに貼り合わされる。第1発明の送り幅合わせラミネート方法は、枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとのずれが少ない場合、特別な制御を行わず、良品とすることができ、制御部の簡素化と歩留りの向上を同時に図ることができる。
【0021】
(第2発明)
第2発明の送り幅合わせラミネート方法は、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置の検出、枚葉紙の位置の検出、および貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機によって検出し、枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整する点で第1発明と異なっている。第2発明の送り幅合わせラミネート方法は、前記枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとを貼り合わせた後の両者のずれを検品機という従来から使用されていたものを制御に利用するものであり、価格を上げることなく、精度を向上させることができる。
【0022】
(第3発明)
第3発明の送り幅合わせラミネート方法は、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検品機のみによって検出し、前記検品機により検出された位置の差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するようにしている点で、第1発明および第2発明と異なっている。第3発明の送り幅合わせラミネート方法は、たとえば、検品機によって検出された画像を基にして前記枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整することで、安価でしかも正確な制御が可能である。
【0023】
(第4発明)
第4発明の送り幅合わせラミネート方法は、第1発明から第3発明において、枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られた後の絵柄印刷に係る規定である。前記絵柄印刷は、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られている枚葉紙の内部で、かつ、絵柄内にシムまたは柄の繋ぎ目が入らないように制御される。
【0024】
(第5発明)
第5発明の送り幅合わせラミネート装置は、枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行うものであり、第1検出手段、第2検出手段、許容差記憶手段、比較手段、サーボ機構、および貼り合わせロール手段とから構成されている。前記第1検出手段は、たとえば、センサにより、前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出する。前記第2検出手段は、前記枚葉紙の位置を検出する。
【0025】
前記許容差記憶手段は、シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶しておく。前記許容差は、製品として良品となるものである。前記比較手段は、前記第1検出手段および第2検出手段で検出された位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する。また前記比較手段は、前記第1検出手段および第2検出手段で検出した値からずれの量を検出した後、それぞれの差を許容範囲と比較することができる。前記比較手段は、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が許容範囲を超えていると判断した場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構に信号を送り制御を行う。貼り合わせロール手段は、送り速度が制御された前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる。
【0026】
(第6発明)
第6発明の送り幅合わせラミネート装置は、貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機により検出する第3検出手段を有している点で、第5発明と異なっている。第6発明は、既製の検品機を用いることにより、枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを効率良く、かつ、正確に行うことができる。
【0027】
(第7発明)
第7発明の送り幅合わせラミネート装置は、検品機のみによって、貼り合わせ後における前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検出している点で、第5発明および第6発明と異なっている。第7発明は、検品機のみにより、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムにおけるシム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置を制御できるため、安価な送り幅合わせラミネート装置とすることができる。
【実施例】
【0028】
図1は本発明の実施例で、枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムを貼り合わせる装置を説明するための模式概念図である。図1において、送り幅合わせラミネート装置は、給紙機11と、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが巻回されたフィルム巻回部12と、圧着部13と、乾燥機14と、駆動部15と、接着剤塗布機16と、カッター17と、検品機18と、シム検出部19と、絵柄印刷部20と、制御部23とから少なくとも構成されている。
【0029】
前記給紙機11は、枚葉紙111から116を一部重なる重ね部117を有するようにして給送させる。前記給紙機11は、前記枚葉紙111から116の送り速度を信号として前記制御部23に送る。たとえば、枚葉紙113は、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが圧着される前で、ストッパー118により、一時停止され、前記制御部23からの信号により、サーボモータ151を回転させ、前記フィルムとの圧着を開始する。
【0030】
フィルム巻回部12には、ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが巻回されており、接着剤塗布機16により接着剤が塗布され、乾燥機14により、所定の接着力をもつように乾燥される。また、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムは、ローラ122、123、124を通過した後、圧着部13において、たとえば、前記枚葉紙114と圧着される。前記圧着部13において、熱ローラ131から前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムに熱を加えると同時に、制御部23の制御信号により駆動部15におけるサーボモータ152により圧ローラ132の回転を制御することで、送り速度を制御する。
【0031】
前記圧着部13において、圧着された枚葉紙114およびホログラムフィルムまたは蒸着フィルム121は、カッター17によって、前記枚葉紙114上のホログラムフィルムまたは蒸着フィルム121のみを切断し、クワエ部上のフィルムを除去する。検品機18は、たとえば、CCDカメラ181によって、ラミネート製品182の全体を検査する。前記CCDカメラ181は、ラミネート製品182の全体像を撮影し、制御部23において、標準品と比較し、所定以上のずれ、ゴミ、あるいは破損部等を検出するためのものである。枚葉紙111から116は、前記フィルム121が貼られた後、次の絵柄印刷部20で、絵柄が印刷される。
【0032】
(実施例1)
図2(イ)は本発明の第1実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。図2(イ)において、シム検出手段21は、図1における符号19で示すセンサである。また、枚葉紙位置検出手段22は、図1における符号11の給紙機に設けられている給紙速度センサ(図示されていない)である。サーボ機構24は、図1におけるサーボモータ151、152である。
【0033】
制御部23は、ずれ量検出手段231と、許容範囲記憶手段232と、比較手段234を少なくとも備えている。前記ずれ量検出手段231は、前記シム検出手段21および枚葉紙位置検出手段22によって検出されたデータにより、前記両者のずれ量を検出することができる。前記許容範囲記憶手段232は、枚葉紙とフィルムのずれにおいて、許容できる範囲を予め記憶しておく。前記比較手段234は、ずれ量検出手段231によって検出されたずれ量と、予め許容範囲記憶手段232に記憶されている量と比較する。次に、比較手段234は、前記ずれ量が予め記憶されている許容範囲内にない場合、サーボ機構24により所定の方向に制御するように指示する。
【0034】
(実施例2)
図2(ロ)は本発明の第2実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。図2(ロ)において、第2実施例は、制御に検品機25の信号を加えて利用する点で、第1実施例と異なっている。前記検品機25は、製品の検査ということで、通常備えられているものである。第2実施例は、前記検品機25を制御に利用することで、安価で、かつ精度の高い制御を行うことができる。
【0035】
(実施例3)
図2(ハ)は本発明の第3実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。図2(ハ)において、第3実施例は、検品機25からの信号のみにより、ずれ量を検出して、枚葉紙とフィルムの位置を制御している点で、第1実施例および第2実施例と異なっている。第3実施例は、前記検品機25を制御に利用することで、安価な制御を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本実施例に記載されている枚葉紙およびフィルムの搬送、接着、切断、印刷等は、周知または公知のものを使用することができる。また、本実施例のブロックは、同様に、周知または公知の回路を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例で、枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムを貼り合わせる装置を説明するための模式概念図である。
【図2】(イ)は本発明の第1実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。(実施例1) (ロ)は本発明の第2実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。(実施例2) (ハ)は本発明の第3実施例における制御を説明するためのブロック構成図である。(実施例3)
【図3】(イ)および(ロ)は枚葉紙を説明するための図である。
【図4】ホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されているロールフィルムを説明するための図である。
【図5】(イ)および(ロ)はホログラムあるいは金属蒸着の模様が形成されたフィルムを貼り合わせた枚葉紙を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
11・・・給紙機
111、112、113、114、115、116・・・枚葉紙
117・・・重ね部
118・・・ストッパー
12・・・フィルム巻回部
121・・・フィルム
122、123、124・・・ローラ
13・・・圧着部
131・・・熱ローラ
132・・・圧ローラ
14・・・乾燥機
15・・・駆動部
151、152・・・サーボモータ
16・・・接着剤塗布機
17・・・カッター
18・・・検品機
181・・・CCDカメラ
182・・・ラミネート製品
19・・・センサ(シム検出部)
20・・・絵柄印刷部
23・・・制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート方法において、
前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出し、
前記枚葉紙の位置を検出し、
前記各検出されたデータを基にして、前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整し、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙との貼り合わせ、
を行うことを特徴とする送り幅合わせラミネート方法。
【請求項2】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート方法において、
前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出し、
前記枚葉紙の位置を検出し、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせ、
前記貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機により検出し、
前記各検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整することを特徴とする送り幅合わせラミネート方法。
【請求項3】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート方法において、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせ、
前記貼り合わせ後における前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検品機により検出し、
前記検品機により検出された位置の差が予め決められた値以上になった場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整することを特徴とする送り幅合わせラミネート方法。
【請求項4】
前記枚葉紙とホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られた後の絵柄印刷において、前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムが貼られている枚葉紙の内部に絵柄印刷がされており、かつ、前記印刷された絵柄内にシムまたは柄の繋ぎ目が入らないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された送り幅合わせラミネート方法。
【請求項5】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート装置において、
前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出する第1検出手段と、
前記枚葉紙の位置を検出する第2検出手段と、
前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、
前記第1検出手段および第2検出手段で検出された位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段と、
から少なくとも構成されていることを特徴とする送り幅合わせラミネート装置。
【請求項6】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート装置において、
前記ホログラムフィルムにおけるシム部の位置、または蒸着フィルムに形成されている柄の繋ぎ目位置を検出する第1検出手段と、
前記枚葉紙の位置を検出する第2検出手段と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段と、
前記貼り合わせ後における前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と枚葉紙の位置との差を検品機により検出する第3検出手段と、
前記シム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、
前記第1検出手段、第2検出手段、および第3検出手段により検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構と、
から少なくとも構成されていることを特徴とする送り幅合わせラミネート装置。
【請求項7】
枚葉紙と、前記枚葉紙に貼り合わせるホログラムフィルムまたは蒸着フィルムとの位置合わせを行う送り幅合わせラミネート装置において、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムと枚葉紙とを貼り合わせる貼り合わせロール手段と、
前記貼り合わせ後における前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置ずれを検出する検品機と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムにおけるシム部の位置または柄の繋ぎ目位置と前記枚葉紙の位置との許容差を予め記憶する許容差記憶手段と、
前記検品機により検出されたデータを基にして、それぞれの位置の差が前記許容差記憶手段に記憶されている許容範囲に入っているか否かを比較する比較手段と、
前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの位置の差が前記比較手段によって許容範囲を超えた場合、次に送られる枚葉紙の送り速度および/または前記ホログラムフィルムまたは蒸着フィルムの送り速度を調整するサーボ機構と、
から少なくとも構成されていることを特徴とする送り幅合わせラミネート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−69369(P2007−69369A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256248(P2005−256248)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(503098791)株式会社トーツヤ・エコー (12)
【Fターム(参考)】