説明

送信機を持つ通信デバイスにおける調整可能なローカル発振器パス

【課題】受信機のローカル発振器位相雑音と自己生成送信機信号との混合による受信機パス雑音を低減する。
【解決手段】通信デバイスは、送信機および受信機を含む。この受信機は、ローカル発振器(LO)信号を受信信号と混合して受信信号を中間周波数(IF)に変換する。LOパスはLO信号をダウンコンバージョンミキサに供給するもので、送信機の送信電力に基づいて制御される。高い送信電力に対しては、LOパスの駆動が増大され、これによりミキサに入力されるLO信号の信号対雑音比を上昇させる。低い送信電力レベルに対しては、LOパスの駆動が低減され、通信デバイスにおける電力消費量を低減させる。このようにして、LO位相雑音と自己生成送信機信号との混合による受信機パス雑音が、低い電力消費の代償を負いながら選択的に制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は“ADJUSTABLE LOCAL OSCILLATOR PATH IN A COMMUNICATION DEVICE WITH A TRANSMITTER”(送信機を持つ通信デバイスにおける調整可能なローカル発振器パス)という題名の米国仮特許出願番号60/989,203(出願日:2007年11月20日)の恩恵を求めるものであり、この出願の開示全体が本出願の開示の一部とみなされる。
【0002】
本発明は、一般に無線周波数処理システム、方法、および製造品に関するものである。特に、本発明は受信信号を中間周波数またはベースバンド周波数にダウンコンバートすることに関するものである。これらシステム、方法、および製造品は、電気通信において採用することができ、セルラーアクセス端末での使用を含む。
【背景技術】
【0003】
現代の通信システムには、例えば音声およびデータアプリケーションのような様々なアプリケーションのための信頼できるデータ伝送を提供することが期待されている。ポイントツーマルチポイント通信関係では、既知の通信システムが周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、およびことにより他の多元接続通信方式に基づく。
【0004】
CDMAシステムは、1つ以上のCDMA規格、例えば、(1)デュアルモード広帯域拡散スペクトルセルラーシステムのためのTIA/EIA−95移動局−基地局互換性規格(その拡張された改訂版AおよびBと一緒にこの規格は“IS−95規格”と呼ばれることがある)、(2)“デュアルモード広帯域拡散スペクトルセルラー移動局のためのTIA/EIA−98−C推奨最低基準”(“IS−98規格”)、(3)“第三世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名称のコンソーシアムによって後援され、“W−CDMA規格”として知られる一組の文書に収録されている規格、(4)“第三世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名称のコンソーシアムによって後援され、“cdma2000拡散スペクトルシステムに関するTR−45.5物理レイヤ規格”と、“cdma2000拡散スペクトルシステムのためのC.S0005−A上位レイヤ(レイヤ3)シグナリング規格と、“TIA/EIA/IS−856cdma2000高速パケットデータエアインタフェース仕様”とを含む一組の文書に収録されている規格(総称して“cdma2000規格”)、(5)1xEV−DO規格、および(6)その他の一定の規格、等をサポートするように設計されることになる。上に明記したこれら規格は、補遺、付属書、およびその他の添付書を含みここに全て記載されるものとして引用によって組み込まれる。
【0005】
アクセス端末の受信機は、一般に、受信された無線周波数信号をより低い中間周波数(IF)またはベースバンド周波数にその周波数で後続処理するために変換するミキサを含む。
【0006】
上述の規格に従って動作するCDMAシステム並びにW−CDMAシステム等の全二重システムにおいて、アクセス端末の受信機はその端末自体の送信機からの干渉にさらされ、該送信機の送信信号はデュプレクサを介して受信機のフロントエンド部における低雑音増幅器(LNA)の入力部に漏れる。この送信機の漏れは外部の妨害信号(その他の何らかの干渉信号)によって変調され、その混変調積が受信機の感度を低下させてしまうことになる。例えば、ゼロIF受信機では、送信機信号漏れがミキサ出力部におけるベースバンドの範囲内にある第2の高調波積を生成し、これにより受信パス内において所望の信号を汚染することもある。
【0007】
送信機信号漏れに対処するために、LNAは、厳しい混変調(直線性)要求を満たすように設計されることになる。これは、概して、LNAにおける大量の電流消費を必要とする。さらに、インターステージ表面弾性波(SAW)フィルタがミキサより先に送信機漏れを減衰し、これによりローカル発振器パスとダウンコンバージョンミキサ後段の構成要素とに適用可能な要求の厳しさを軽減するためにLNAおよびミキサ入力部の間に挿入されてよい。しかしながら、アクセス端末内にSAWフィルタを含めることは、端末のコストおよびサイズを増大させることになる。
【0008】
幾つかの時折競合する基準が、例えばセルラーアクセス端末受信機およびGPS受信機のような通信デバイスの設計に影響を与える。これら基準は、サイズ、重量、電力消費量および雑音指数を含む。このため、改善された雑音指数を持った無線周波数受信機に対する要望が当該技術にある。低減されたサイズおよび低減された重量を持った無線周波数受信機に対する要望も当該技術にある。さらに、低減された電力消費量を持った受信機に対する要望が当該技術にある。
【発明の概要】
【0009】
ここに開示される実施形態は、無線周波数信号を混合して例えば受信機の中間周波数のような異なる周波数に変換する(トランスレートする)装置、方法、および製造品を提供することによって上述した要望の1つ以上に対処し得る。受信機内のローカル発振器パスの駆動レベルは、送信機の送信電力に応じて変えられる。
【0010】
一実施形態において、通信デバイスを動作させる方法は、前記通信デバイスの送信機を動作させて送信信号を送信することを含む。前記方法は、前記通信デバイスの受信機のローカル発振器においてローカル発振器信号を生成することも含む。前記方法は、さらに前記受信機のローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ることを含む。前記方法は、さらに前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの電力消費量および位相雑音を変化させることを含む。変化させる前記ステップは、前記受信機が動作可能中に行われ得る。
【0011】
一実施形態において、通信デバイスを動作させる方法は、送信信号を送信することを含む。前記方法は、ローカル発振器信号を生成することも含む。前記方法は、さらにローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ることを含む。前記方法は、さらに第1の所定送信電力レベルを上回る前記送信信号の電力に応答して前記ローカル発振器パスの駆動レベルを第1の設定レベルに設定することを含む。前記方法は、さらに前記送信信号の電力が前記第1の所定送信電力レベルを上回らないことに応答して前記ローカル発振器パスの前記駆動レベルを第2の設定レベルに設定することを含む。
【0012】
一実施形態において、通信デバイスは、送信機、受信機、およびコントローラを含む。前記コントローラは、前記送信機の動作を制御するために前記送信機に結合され、前記受信機の動作を制御するために前記受信機に結合される。前記送信機は、送信信号を送信するように構成される。前記受信機は、ミキサ、ローカル発振器信号を生成するように構成されたローカル発振器、並びに前記ローカル発振器および前記ミキサの間に接続されたローカル発振器パスを含む。前記ローカル発振器パスは、前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得るように構成される。前記ローカル発振器パスは、前記処理されたローカル発振器信号を前記ミキサに結合するようにさらに構成される。前記受信機は、受信信号を受信し、前記ミキサを用いて前記受信信号を中間周波数に変換するように構成される。前記ローカル発振器パスは、少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受け取るように構成され、前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化する。前記コントローラは、前記送信信号の電力の増大に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を増大させると共に、前記送信信号の電力の低下に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を低下させるように構成される。
【0013】
一実施形態において、アクセス端末は、送信信号を送信する手段を含む。前記アクセス端末は、受信信号を受信する手段も含む。前記受信手段は、混合する手段、ローカル発振器信号を生成する手段、および前記生成手段を前記混合手段に接続する手段を含む。前記接続手段は、前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得るように構成される。前記受信手段は、前記混合手段を用いて前記受信信号を中間周波数に変換するように構成される。前記接続手段は少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受信するように構成され、前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化する。前記アクセス端末は、さらに前記アクセス端末の全二重動作中に前記送信信号の電力に応じて前記少なくとも1つの電源電圧を変化させるための手段を含む。
【0014】
一実施形態において、機械読取可能媒体が複数の命令を格納する。前記複数の命令が無線通信デバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記複数の命令は幾つかのステップを前記無線通信デバイスに行わせる。前記無線通信デバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサ、受信機、および送信機を含む。前記受信機は、ミキサ、ローカル発振器信号を生成するように構成されたローカル発振器、並びに前記ローカル発振器および前記ミキサの間に接続されたローカル発振器パスを含む。前記ローカル発振器パスは、前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得ると共に、前記処理されたローカル発振器信号を前記ミキサに結合するように構成される。前記受信機は、受信信号を受信すると共に、前記ミキサを用いて前記受信信号を異なる周波数に変換するように構成される。前記ローカル発振器パスは、少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受け取るように構成され、前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化する。前記複数のステップは、前記送信信号の電力レベルを決定すること、および前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの少なくとも1つの電源電圧を変化させることを含む。前記変化させることのステップは、前記受信機が動作可能中に行われ得る。
【0015】
一実施形態において、通信デバイスを動作させる方法は、送信信号を送信すること、およびローカル発振器信号を生成することを含む。前記方法は、ローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ること、および前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの電力消費量を変化させることも含む。
【0016】
一実施形態において、通信デバイスを動作させる方法は、送信信号を送信すること、およびローカル発振器信号を生成することを含む。前記方法は、ローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ることも含む。前記方法は、さらに前記送信信号の電力レベルを決定すること、および前記送信信号の電力レベルに応じて前記ローカル発振器パスの少なくとも1つの電源電圧を変化させることを含む。前記変化させることのステップは、前記通信デバイスの受信機が動作可能中に行われてよい。
【0017】
本発明のこれらのおよびその他の実施形態および態様は、以下の説明、図面、および添付される請求項を参照することでより良く理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ローカル発振器パスの電力消費量および位相雑音性能が送信機電力の変化に応じて調整される受信機の選択された構成要素およびブロックを示す図である。
【図2】図1に示される受信機において使用できる調整可能なローカル発振器パスの選択された構成要素およびブロックを示す図である。
【図3】送信機電力の変化に応じてローカル発振器パスを調整するプロセスの選択されたステップおよび決定ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この明細書では、語句“実施形態”、“変形形態”、および類似表現が特定の装置、プロセス、または製造品を指すために用いられ、必ずしも同じ装置、プロセス、または製造品を指さない。このため、1つの箇所または文脈で用いられる“一実施形態”(または類似表現)が特定の装置、プロセス、または製造品を指したり、異なる箇所における同一または類似表現が異なる装置、プロセス、または製造品を指したりし得る。表現“代替実施形態”および類似の句は幾つかの異なる可能な実施形態のうちの1つを示すために用い得る。可能な実施形態の数は必ずしも2つまたはその他の数量に限定されない。
【0020】
“トランスコンダクタンス増幅器”や“トランスコンダクタンスステージ”は、入力電圧が出力電流を生成する増幅器、バッファ、または類似デバイスであり、本質的に、それは実質的に電流源(高インピーダンス)の出力または複数出力を提供するように設計された電圧制御電流源である。
【0021】
“中間周波数”や“IF”はゼロIFを含む。
【0022】
表現“ローカル発振器パス”および“LOパス”は、受信信号をIFに変換するために用いられるミキサの入力部にローカル発振器の出力部を接続する構成要素を指す。
【0023】
“電力レベル”および“送信電力レベル”はエネルギーが送信されないゼロ電力レベルを含み、ゼロ電力レベルでの送信にある送信機はオフさせてよい。
【0024】
“駆動レベル”は、電源あるいはバイアスの電圧や電流のレベルを指し、記載からわかるように、ローカル発振器パスの駆動レベルはパスの電力消費量およびパスの出力部における信号の信号対雑音比の両方を変化させる。
【0025】
アクセス端末は、AT、加入者局、ユーザ装置、UE、移動端末、MT、またはセルラー通信デバイスと呼ばれたりするもので、移動型または静止型であってよく、1つ以上の基地トランシーバ局と通信し得る。アクセス端末は、無線通信能力を有するパーソナルコンピュータ(PC)カード、外部または内部モデム、無線電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)を限定することなく含む幾つかのタイプのデバイスのうちのいずれでもよい。アクセス端末は、1つ以上の基地トランシーバ局を介して無線ネットワークコントローラへまたはからデータパケットを送信し受信する。
【0026】
基地トランシーバ局および基地局コントローラは、無線ネットワーク、RN、アクセスネットワーク、またはANと呼ばれるネットワークの一部である。無線ネットワークは、UTRANまたはUMTS地上無線アクセスネットワークであってよい。この無線ネットワークは複数のアクセス端末間で複数のデータパケットを移送し得る。この無線ネットワークは、さらにこの無線ネットワーク外部の付加的ネットワーク、例えば、コーポレートイントラネット、インターネット、従来の公衆交換電話網(PSTN)、または他の無線ネットワークに接続されてよく、各アクセス端末とこれら外部ネットワークとの間でデータおよび音声のパケットを移送し得る。慣例(conventions)および特定の具体例(specific implementations)次第ではあるが、基地トランシーバ局はノードB、基地局システム(BSS)、および単に基地局を含む他の名称で呼んでよい。同様に、基地局コントローラは、無線ネットワークコントローラ、RNC、コントローラ、モバイル交換センター、またはサービングGPRSサポートノードを含む他の名称で呼んでよい。
【0027】
本発明の範囲は、これらおよび類似の無線通信システム構成要素はもちろんのこと、その他の電子装置にまで広がる。
【0028】
“典型的”という語句は、 ここで“一例、事例、または実例を為す”を意味するために用いられる。 “典型的”としてここに記載される実施形態や変形形態はどれも、他の実施形態または変形形態よりも好ましいとか有利であると必ずしも解釈されない。この明細書に記載された実施形態および変形形態の全ては、当業者が本発明を使用し製造可能にするために提供される典型的実施形態および変形形態であり、本発明に対して与えられる法的保護の範囲を必ずしも制限しない。
【0029】
上述のように、アクセス端末や他の通信デバイスの低雑音増幅器はかなり厳しい直線性要求を満たすように設計することが必要なはずである。このような強化直線性要求は、LNAのコスト、サイズ、および電流消費量を増大させることになる。同じく上述のように、ミキサ内への送信機漏れを減衰させるために表面弾性波フィルタをLNAおよびミキサ入力部間に含めてよい。このSAWフィルタは、しかしながら、同様にアクセス端末のコストおよびサイズを増大させる傾向がある。
【0030】
このため、LNAおよびミキサ間のSAWフィルタを取り除くことが集積度を改善しコストを低減するために好ましいはずである。同時に、LNAに課せられた直線性要求を厳しくしない(またはおそらく緩和する)ことが好ましいはずである。この結果、アクセス端末の送信周波数でローカル発振器(LO)信号に非常に厳しい位相雑音要求を課さなければならないはずであり、こうした位相雑音要求が概してLOパスの電流消費量を著しく増大させて、結果的にアクセス端末のバッテリ寿命を短くしてしまうことになる。
【0031】
この位相雑音性能の要求は、アクセス端末の送信機が最大電力で動作するときに最も厳しい。また、一般的なセルラーアクセス端末はほんの僅かなパーセンテージの時間だけしか最大送信機電力で動作しない。
【0032】
図1は、LO位相雑音性能がアクセス端末の送信機電力の変化に応じて動的に調整されるアクセス端末受信機パス100の選択された構成要素およびブロックを示す。こうして、アクセス端末によって消費される平均電流は厳しい直線性要求をアクセス端末の受信機のLNAに不必要に課すことなく低減され得る。
【0033】
受信機パス100は、低雑音増幅器105、中間周波数ミキサ110、ローカル発振器115、ローカル発振器パス120、フィルタ125、プロセッサ130、および送信信号強度インジケータブロック135を含む。受信機パス100は、LNA150およびミキサ110の入力部の間に挿入されるSAWフィルタなしに用い得る。
【0034】
図1に示されるように、LNA105への入力部で受信された信号がダウンコンバージョンされる先の周波数はゼロである。これは、必ずしも要求事項ではなく、ゼロでない中間周波数への変換もこの開示の範囲内にある。ゼロでないIFの変形形態では、フィルタ125が相応に受信機の実際の中間周波数にまたはその付近にセンタリングされてよい。
【0035】
プロセッサ130は、以下においてさらに詳細に説明されるように、例えばデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、または幾つかのプロセッサの組み合わせでよい。
【0036】
Tx(送信)強度インジケータブロック135は、例えばプロセッサ130によって読み取り可能な1以上のメモリロケーションやプロセッサ130への入力部のようなハードウェアコンポーネントであって、受信機パス100が一部であるアクセス端末の送信機の送信強度を示す信号を提供するものでよい。このTx強度インジケータブロック135は、送信強度をリアルタイムで提供し得る。このブロック135は、また送信電力の変化状態の指示(indication)を提供し得る。例えば、このブロック135はパワーアップ中にある送信機の指示を提供し得る。幾つかの変形形態において、このブロック135は現在の電流送信電力の指示および送信電力の係属中変化の指示の両方を提供する。幾つかの変形形態において、このブロック135は(1)送信機の状態のリアルタイム指示、および(2)送信機がオンのときにこの送信機の現在の電流送信電力の指示を提供する。幾つかの変形形態において、しかしながら、このブロック135は送信電力の指示なしで送信機の状態のリアルタイムの指示を提供する。同様に、幾つかの変形形態において、このブロック135は送信機状態の指示なしで送信電力の指示を提供する。(送信機状態は時折送信電力から推測してよく、例えばゼロ送信電力は送信機がオフであることを示してよい。)
幾つかの実施形態において、送信機状態の指示は無線ネットワークの基地局との通信のためにアクセス端末の送信機にウェークアップを命じる信号であるTxパワーウェークアップ信号によって提供されることに留意されたい。このTxパワーウェークアップ信号は、音声および/またはデータ呼がアクセス端末および無線ネットワークの間でセットアップ中であるときにアクセス端末の送信機をオンさせる。幾つかの実施形態において、送信電力の指示は、Tx AGC信号によって提供されることがさらに注目されるべきである。
【0037】
LO115は、受信機のローカル発振器である。これは、自走水晶発振器、他の信号に直接ロックされた電圧制御水晶発振器、あるいはプログラマブルまたは非プログラマブルシンセサイザの発振器であってよい。
【0038】
LO115の出力はLOパス120を通る。LOパス120は、1つ以上のトランスコンダクタンスステージ、1つ以上のバッファ、および/または1つ以上の周波数デバイダ、およびその他のデバイスを含んでよい。LOパス120またはその様々な構成要素は前段落で述べたシンセサイザの一部を構成してよい。
【0039】
動作において、プロセッサ130は、アクセス端末の送信電力に関する情報をブロック135から受け取る。送信電力情報に応答し、プロセッサ130はミキサ110のLO入力部におけるLO信号の適切な位相雑音、およびLOパス120の1つ以上の構成要素の対応する駆動レベルまたはレベル(複数)を決定する。幾つかの変形形態において、このLOパス120の駆動レベルは、LOパス120の1つの、幾つかのまたは全部の構成要素に提供される電源電圧によって決定される。この駆動レベルは、単一のステップまたは幾つかのステップにおいて調整され得る。例えば、LOパス120の各制御可能な電源電圧のための2つ、3つ、4つ、またはあらゆる複数の個別設定値が存在し得る。
【0040】
単純な事例では、例えば、送信機がオフされたときに第1の駆動レベルが提供されてよく、送信機の電源がオンされたときに第2の(より高い)駆動レベルが提供されてよい。駆動レベルは、送信機がオンされる前の所定期間、または送信電力レベルが引き上げられる前の所定期間において調整され得る。同様に、駆動レベルは、送信機がオフされた後の所定期間、または送信電力レベルが引き下げられた後の所定期間において調整され得る。
【0041】
より複雑な例では、LOパス120の性能を調整するために用いられる3つ以上の異なる駆動レベルが存在し得る。幾つかの変形例では、送信機の可能な送信電力レベルの数と同じまたは実質的に同じ数の駆動レベルが存在し得る。
【0042】
ランププロフィール(ramp profile)が送信機をオンしたり送信電力を変えたりするために用いられる場合には、プロセッサ130が送信電力レベルの調整と共にロックステップにおけるLOパス120の駆動レベルを調整し得る。LOパス120の駆動レベルは送信機電力がプロフィールランプ上でステップアップされる前の所定期間にステップアップされてよく、この駆動レベルは送信機電力がプロフィールランプ上でステップダウンされた後の同一のまたは異なる所定期間にステップダウンされてよい。このようにして、LOの位相雑音は送信電力の増大前に改善され、送信電力の低下後に低減される。
【0043】
幾つかの変形例において、プロセッサ130は受信機で与えられた受信信号強度のための一定の信号対雑音比を維持するためにLOパス120の駆動レベルをおおまかに変化させる。
【0044】
幾つかの変形例において、プロセッサ130はLOパス120の駆動レベルを送信電力レベルの予め定義された関数として変化させる。この関数は、線形の関係であってよい。異なる予め定義された関数がアクセス端末の異なるバッテリ充電状態に対して用いられてよい。例えば、プロセッサ130は、バッテリ状態が所定充電指示値を上回る場合に、バッテリ状態が所定充電指示値を下回る場合のより低い積極性の制御(より低い駆動レベルに対応する)と比較して、より積極的な方法(より高い駆動レベルに対応する)でLOパス120の位相雑音を制御することを試み得る。同様に、プロセッサ130は、アクセス端末が充電器デバイスから電力を受け取る場合に、アクセス端末がバッテリにより電力供給される場合のより低い積極性の制御と比較して、より積極的な方法でLOパス120の位相雑音を制御することを試み得る。
【0045】
図2は、図1に示されるLOパス120と同様または同じでよいLOパス200の選択された構成要素およびブロックを示す。LOパス200は、ローカル発振器Gmステージ210、ローカル発振器周波数デバイダ220、およびローカル発振器バッファ230を含む。LO Gmステージ210は、入力電圧の関数として出力電流を提供すると共に、ローカル発振器115をデバイダ220から隔離するトランスコンダクタンス増幅器またはバッファである。LO Gmステージ210は、バイアス電流源211を含み、それは、LOパス200が属する受信機のプロセッサ、例えば図1に示されるプロセッサ130、によって制御される。電流源211への入力はプロセッサによって制御される電源電圧であってよい。一般に、効率的な設計のために、電流源211を制御する電源電圧が高いほど、LOパス200の出力部における相対位相雑音は小さくなる。(相対LO位相雑音は、LO信号強度に関連し与えられたオフセットにおけるLO位相雑音であり、電源電圧の増大は、一般に、ノイズフロアおよび信号の両方を上昇させるが、信号は、一般に、ノイズフロアよりも速く上昇する。
【0046】
LO Gmステージ210の入力部はローカル発振器115の出力部、例えばLO115の出力部、に結合される。LO Gmステージ210の出力部は周波数デバイダ220の入力部に結合される。
【0047】
周波数デバイダ220の出力部における分割されたLO周波数信号はバッファ230に結合される。バッファ230の出力部は受信信号(例えば、アクセス端末受信信号)を中間周波数にダウンコンバージョンするように構成されたミキサ、例えば図1に示されるミキサ110、のLO入力ポートに結合される。バッファ230はミキサをデバイダ220から隔離し、さらにある程度のLO信号増幅も提供し得る。
【0048】
周波数デバイダ220およびバッファ230への電源電圧は、プロセッサによって制御される。同じく、効率的な設計のために、デバイダ220およびバッファ230への電源電圧が高いほど、LOパス200の出力部における相対位相雑音は小さくなる。プロセッサは、単一の制御信号を用いてデバイダ220、バッファ230、およびLO Gmステージ210の電流源211への電源電圧を制御するように構成することができる。代替として、プロセッサは、これらの電源電圧の各々またはこれらの電源電圧のあらゆる組み合わせを別々に制御することができる。さらに、実際にはこれらの電源電圧のうちの一部のみを制御することができ、残りの電源電圧または電源電圧(複数)は一定に維持することができる。
【0049】
一般に、LOパス200(およびその結果としてアクセス端末)の電流消費量は、電流源211、デバイダ220、およびバッファ230に提供される電源電圧が増大するのに応じて増大する。同時に、LOパス200の出力部におけるローカル発振器信号の信号対雑音比は、電源電圧の増大に応じて上昇する。CMOSロジックの実装のために、回路内で消費される電力は、ロジック系統の動作周波数および負荷キャパシタンスと線形で、および電源電圧の第2の電力として増大し、
【数1】

【0050】
である。
【0051】
以下のテーブル1は、特定の周波数で動作する特定の実施形態のローカル発振器とLOパスの組み合わせについての結果(位相雑音対異なる電源電圧)を要約したものである。テーブルにおいて、左端の列は異なる電流設定コードを示し、左から2つ目の列は電流設定コードに対応する電源電圧を示し、右から2つ目の列は送信周波数オフセットにおける相対位相ノイズフロアを示し、最後に、右端の列は、試験された特定の実施形態について対応する電流ドレインを示す。
【表1】

【0052】
テーブル1
図1の受信機パス100および記載された他の受信機パスの実施形態および変形形態はアクセス端末の主受信機、すなわち無線ネットワークと通信するように設計された受信機、において用い得る。加えて、受信機パス100および記載された他の実施形態/変形形態は、アクセス端末に含めることができる全地球測位システム(GPS)ブロックの受信機において用い得る。実際に、受信機パス100および他の実施形態および変形形態は送信機および受信機を含む他の通信デバイスにおいて用い得る。
【0053】
図3は、LOパス120または200の制御中にプロセッサ130によって行い得るプロセス300の選択されたステップおよび決定ブロックを示す。フローポイント301から開始し、受信機パス100が一部であるアクセス端末は既に構成されており動作可能である。
【0054】
ステップ310において、プロセッサ130はアクセス端末の送信機の現在のおよび/または予想される(anticipated)送信電力レベルを決定する。このステップは、例えば、Txパワーウェークアップ信号および/またはTx AGC信号を読み取ることを含み得る。
【0055】
ステップ320において、プロセッサ130はLOパス120の駆動レベルまたはレベル(複数)を決定する。(単一のレベルまたは複数のレベルのいずれも、別々にまたはまとめて制御し得ることを思い出してもらいたい。)ステップ320は、例えば、LOパス120の構成要素用のプログラミングされた電源電圧を格納する1つ以上のレジスタまたはメモリロケーションを読み取ることを含み得る。
【0056】
決定ブロック330において、プロセッサは送信電力がLOパス120の駆動レベルまたはレベル(複数)に対応するかどうかを決定する。駆動レベルおよび送信電力の間の関係はアレイまたはアレイ(複数)としてプロセッサ130のメモリ内またはアクセス端末の他のメモリ内に格納され得る。送信電力が駆動レベルまたはレベル(複数)に対応する場合、プロセスの流れはループしてステップ310に戻り得る。そうでない場合、プロセスの流れはステップ340へ分岐し、ここで駆動レベルまたはレベル(複数)が適切な方向に調整される。例えば、もし送信電力が駆動レベルまたはレベル(複数)に対して高すぎる場合、駆動レベルまたはレベル(複数)を上昇させることができ、送信電力が駆動レベルまたはレベル(複数)に対して低すぎる場合は、駆動レベルまたはレベル(複数)を低下させてよい。ステップ340において為された調整後、プロセスの流れは、ループしてステップ310に戻り得る。追加の調整が、もし必要ならば、次のプロセスの反復中に行われてよい。代わりに、ステップ340が駆動レベルの全ての調整を一度に行ったり、全ての調整が行われるまでループして戻るのを遅らせて該調整を漸次行ったりしてよい。
【0057】
幾つかの実施形態および変形形態において、アクセス端末の送信電力を制御するステップはファームウェアに格納(store)され、LOパスの駆動レベルまたはレベル(複数)を制御するステップはソフトウェアに格納(store)される。しかしながら、これらのストレージ(storage)選択は、必ずしも全ての実施形態および変形形態において要求されるわけではない。
【0058】
様々な方法のステップおよび判定が本開示において順次述べられているが、これらステップおよび判定のいくつかは、連携したり、非同期または同期で並行したり、パイプラインその他の形式にあったりする別個の要素によって実行され得る。これらステップおよび判定は、明示的に示されたり、文脈からそうでないことが明確であったり、または本質的に要求される場合を除き、記載と同じ順序で行うことの格別な要求はない。しかしながら、選択された変形形態において、ステップおよび判定は上述のおよび/または添付図面に示される特定のシーケンスで実行されることに留意されたい。さらに、例示される全てのステップおよび判定は本発明に従って全ての実施形態/変形形態において要求されるわけではなく、具体的に例示されていない幾つかのステップおよび判定が本発明による幾つかの実施形態/変形形態において望ましかったり必要になったりする場合がある。
【0059】
当業者は、異なるCMOSデバイスがLOパスおよびその他の場所において使用し得ること、およびその他、CMOS以外のデバイスも同様に使用し得ることを理解するはずである。
【0060】
当業者は、情報および信号が様々な異なる技術および技法のうちのいずれかを用いて表すことができることも理解するはずである。例えば、上述の記載を通じて参照し得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは電圧、電流、電磁波、磁場、磁粒子、光学場、光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表し得る。
【0061】
ここに開示された実施形態に関連して記載された様々な例示的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム上のステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実現可能であることを当業者はさらに理解するはずである。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すため、様々な例示的構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップがこれらの機能性の観点で一般に記載されてよい。これらの機能性がハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実施されるかどうかは、全システムに課された特定のアプリケーション並びに設計上の制約事項に依存する。当業者は各特定のアプリケーション毎に変わる仕方で記載の機能性を実施してよいが、このような実施の決定は本発明の範囲及からの逸脱を生じさせるものと解釈すべきでない。
【0062】
ここに開示された実施形態に関連して記載された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他のプログラミング可能な論理デバイス、ディスクリートゲートロジック、ディスクリートトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、またはここに記載された機能を果たすように設計されたこれらの任意の組み合わせを用いて実施または行われてよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、代わりに、このプロセッサは任意の従来プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。また、プロセッサは例えばDSPおよび1つのマイクロプロセッサの組み合わせである計算デバイスの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他の構成として実施されてもよい。
【0063】
ここに開示された実施形態に関連して記載された方法やアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、またはこれら2つの組み合わせにおいて直接具現化してよい。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、離脱可能ディスク、CD−ROM、または当該技術において知られるストレージ媒体の他の任意の形態に駐在してよい。典型的ストレージ媒体は、プロセッサがストレージ媒体から情報を読み出しこの記憶媒体に情報を書き込むようにプロセッサに連結されてよい。代わりに、ストレージ媒体はプロセッサに集積されてよい。プロセッサおよびストレージ媒体はASIC内に駐在してよい。ASICは、アクセス端末内に駐在してよい。代わりに、プロセッサおよびストレージ媒体は、アクセス端末内において個別構成要素として駐在してよい。
【0064】
開示された実施形態の上記記載は、当業者が本発明を使用したり製造したりできるようにするものである。これら実施形態に対する様々な変形は当業者にとってすぐにわかるはずであり、ここに定義された包括的原理は、本発明の精神または範囲を逸脱せずに他の実施形態に適用し得る。このため、本発明がここに示す実施形態に限定されることは意図されず、ここに開示された原理および斬新な特徴に矛盾しない最も広い範囲が認められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスを動作させる方法であって、
送信信号を送信するように前記通信デバイスの送信機を動作させること、
前記通信デバイスの受信機のローカル発振器においてローカル発振器信号を生成すること、
前記受信機のローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ること、および
前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの電力消費量および位相雑音を変化させること、前記変化させることのステップは前記受信機が動作可能中に行われるものである、
を備える方法。
【請求項2】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記ローカル発振器パスの電力消費量を引き上げて前記位相雑音を向上させること、および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記ローカル発振器パスの電力消費量を引き下げて前記位相雑音を劣化させること、
を備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信機を用いて受信信号を受信すること、
前記受信信号を増幅して増幅された受信信号を得ること、および
前記増幅された受信信号を前記処理されたローカル発振器信号と混合すること、
をさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項4】
通信デバイスを動作させる方法であって、
送信信号を送信すること、
ローカル発振器信号を生成すること、
ローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ること、
第1の所定送信電力レベルを上回る前記送信信号の電力に応答して前記ローカル発振器パスの駆動レベルを第1の設定レベルに設定すること、および
前記第1の所定送信電力レベルを上回らない前記送信信号の電力に応答して前記ローカル発振器パスの前記駆動レベルを第2の設定レベルに設定すること、
をさらに備える方法。
【請求項5】
前記駆動レベルを前記第1の設定レベルに設定することのステップは、
前記駆動レベルを前記第2の設定レベルに設定することのステップよりも多いエネルギーを前記ローカル発振器パスに消費させるものである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の所定送信電力レベルは実質的にゼロである請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ローカル発振器パスの前記駆動レベルを前記第2の設定レベルに設定することのステップは、前記アクセス端末の全二重動作中に行われる請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記駆動レベルは少なくとも1つの電源電圧に対応し、
前記方法が、
受信信号を受信すること、
前記受信信号を増幅して増幅された受信信号を得ること、
前記増幅された受信信号を前記処理されたローカル発振器信号と混合して中間周波数信号を得ること、および
前記中間周波数信号を復号すること、
をさらに備える請求項4に記載の方法。
【請求項9】
送信信号を送信するように構成された送信機と、
ミキサ、ローカル発振器信号を生成するように構成されたローカル発振器、前記ローカル発振器および前記ミキサの間に接続されたローカル発振器パスを備える受信機と、前記ローカル発振器パスは前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得るように構成され、前記ローカル発振器パスはさらに前記処理されたローカル発振器信号を前記ミキサに結合するように構成され、前記受信機は受信信号を受信して前記ミキサを用いて前記受信信号を中間周波数に変換するように構成され、ここにおいて前記ローカル発振器パスは少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受け取るように構成され、ここにおいて前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化するものである、
コントローラと、前記コントローラは前記送信機の動作を制御するために前記送信機に結合され、前記コントローラは前記受信機の動作を制御するために前記受信機に結合され、前記コントローラは前記送信信号の電力の増大に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を増大させ、前記送信信号の電力の低下に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を低下させるように構成されるものである、
を備える通信デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つの電源電圧は複数の電源電圧を備え、
前記プロセッサは前記送信信号の電力の増大に応答して前記複数の電源電圧のうちの各電源電圧を増大させるように構成され、
前記プロセッサは前記送信信号の電力の低下に応答して前記複数の電源電圧のうちの前記各電源電圧を低下させるように構成される請求項9に記載の通信デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電源電圧を増大させることが前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音の低減を生じさせ、
前記少なくとも1つの電源電圧を低下させることが前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音の増大を生じさせる請求項9に記載の通信デバイス。
【請求項12】
アクセス端末であって、
送信信号を送信する手段と、
受信信号を受信する手段と、前記受信手段は、混合する手段、ローカル発振器信号を生成する手段、および前記生成手段を前記混合手段に接続する手段を備え、前記接続手段は前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得るように構成され、前記受信手段は前記混合手段を用いて中間周波数に前記受信信号を変換するように構成され、ここにおいて前記接続手段は少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受け取るように構成され、ここにおいて前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化するものである、
前記アクセス端末の全二重動作中に前記送信信号の電力に応じて前記少なくとも1つの電源電圧を変化させる手段と、
を備えるアクセス端末。
【請求項13】
前記接続手段は前記少なくとも1つの電源電圧を受け取るように接続されたトランスコンダクタンスステージを備える請求項12に記載のアクセス端末。
【請求項14】
前記接続手段は前記少なくとも1つの電源電圧を受け取るように接続された周波数デバイダを備える請求項12に記載のアクセス端末。
【請求項15】
前記接続手段は前記少なくとも1つの電源電圧を受け取るように接続されたバッファを備える請求項12に記載のアクセス端末。
【請求項16】
複数の命令を格納する機械読取可能媒体であって、前記複数の命令は少なくとも1つのプロセッサ、受信機、および送信機を備える無線通信デバイスの前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに前記無線通信デバイスに複数のステップを実行させるもので、前記受信機はミキサ、ローカル発振器信号を生成するように構成されたローカル発振器、並びに前記ローカル発振器および前記ミキサの間に接続されたローカル発振器パスを備え、前記ローカル発振器パスは前記ローカル発振器信号を処理して処理されたローカル発振器信号を得るように構成され、前記ローカル発振器パスはさらに前記処理されたローカル発振器信号を前記ミキサに結合するように構成され、前記受信機は受信信号を受信して前記ミキサを用いて前記受信信号を異なる周波数に変換するように構成されるものである、ここにおいて、
前記ローカル発振器パスは少なくとも1つの電源電圧の異なるレベルを受け取るように構成され、
前記処理されたローカル発振器信号の信号対雑音比は前記少なくとも1つの電源電圧に依存して変化し、
前記複数のステップは、
前記送信信号の電力レベルを決定すること、および
前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの前記少なくとも1つの電源電圧を変化させることを備え、前記変化させることのステップは前記受信機が動作可能中に行われるものである機械読取可能媒体。
【請求項17】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を増大させること、および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を低下させることを備える請求項16に記載の機械読取可能媒体。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電源電圧は複数の電源電圧を備える請求項16に記載の機械読取可能媒体。
【請求項19】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記複数の電源電圧のうちの各電源電圧を増大させること、および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記複数の電源電圧のうちの前記各電源電圧を低下させること、
を備える請求項18に記載の機械読取可能媒体。
【請求項20】
前記増大させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音が低減されるように行われ、前記低下させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音が増大されるように行われる請求項19に記載の機械読取可能媒体。
【請求項21】
通信デバイスを動作させる方法であって、
送信信号を送信すること、
ローカル発振器信号を生成すること、
ローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ること、および
前記送信信号の電力に応じて前記ローカル発振器パスの電力消費量を変化させることを備える方法。
【請求項22】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記ローカル発振器パスの電力消費量を引き上げること、および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記ローカル発振器パスの電力消費量を引き下げること、
を備える請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記引き上げることのステップは、前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音が低減されるように行われ、前記引き下げることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音が増大されるように行われる請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記ローカル発振器パスに提供される駆動レベルを引き上げること、
および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記ローカル発振器パスの前記駆動レベルを引き下げること、
を備える請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記引き上げることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音が低減されるように行われ、前記引き下げることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音が増大されるように行われる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
通信デバイスを動作させる方法であって、
送信信号を送信すること、
ローカル発振器信号を生成すること、
ローカル発振器パスにおいて前記ローカル発振器信号を処理して処理された発振器信号を得ること、
前記送信信号の電力レベルを決定すること、および
前記送信信号の電力レベルに応じて前記ローカル発振器パスの少なくとも1つの電源電圧を変化させること、前記変化させることのステップは前記通信デバイスの受信機が動作可能中に行われるものである、
を備える方法。
【請求項27】
受信信号を受信すること、
前記受信信号を増幅して増幅された受信信号を得ること、および
前記増幅された受信信号を前記処理されたローカル発振器信号と混合すること、
をさらに備える請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力の増大に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を増大させること、および
前記送信信号の電力の低下に応答して前記少なくとも1つの電源電圧を低下させること、
を備える請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記増大させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音が低減されるように行われ、前記低下させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音が増大されるように行われる請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの電源電圧は複数の電源電圧を備える請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記変化させることのステップは、
前記送信信号の電力レベルの上昇に応答して前記複数の電源電圧のうちの各電源電圧を増大させること、および
前記送信信号の電力レベルの低下に応答して前記複数の電源電圧のうちの各電源電圧を低下させること、
を備える請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記増大させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の相対位相雑音が低減されるように行われ、前記低下させることのステップは前記処理されたローカル発振器信号の前記相対位相雑音が増大されるように行われる請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ローカル発振器信号を処理するステップは周波数分割を行うことを備える請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記ローカル発振器信号を処理することのステップは周波数分割を行うこと、バッファリングすること、およびトランスコンダクタンスステージを動作させること、を備える請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−70389(P2013−70389A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−242676(P2012−242676)
【出願日】平成24年11月2日(2012.11.2)
【分割の表示】特願2010−535032(P2010−535032)の分割
【原出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】