送信装置、プロセッサ、送信方法および送信プログラム
【課題】セルスループットを改善する。
【解決手段】基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置116であって、位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得するRB選択部120と、RB選択部120が取得したマッピング情報に基づいて、RBに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部130、複数の集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信しない送信部140と、を備える。
【解決手段】基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置116であって、位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得するRB選択部120と、RB選択部120が取得したマッピング情報に基づいて、RBに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部130、複数の集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信しない送信部140と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、プロセッサ、送信方法および送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデータ通信量の増加に伴い、より高い周波数利用効率を有する移動体通信システムの必要性が高まっており、全てのセルで同じ周波数帯域を使用する1セルリユース・セルラシステムに関する様々な検討が進められている。1セルリユース・セルラシステムの1つとして、3GPP(3rd Generation Partnership Project;第三世代パートナシッププロジェクト)を中心に標準化が進められているE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access;高機能無線アクセス方式におけるエアインタフェース)システムでは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多重)方式が、ダウンリンクの伝送方式の候補として検討されている。
【0003】
また、non−contiguous/contiguous DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM;周波数の非連続使用(non−contiguous)と周波数の連続使用(contiguous)をサポートする離散フーリエ変換拡散OFDM)方式がアップリンクの伝送方式の有力な候補として検討されている。
【0004】
ダウンリンクの候補であるOFDMA方式は、マルチパスフェージングに対する耐性に優れたOFDM信号を用いて、時間及び周波数で分割されたリソースブロック単位でユーザがアクセスする方式である。しかし、OFDMA方式は、高いPAPR(Peak−to−Average Power Ratio;最大出力電力と平均出力電力との比)特性を有するため、送信電力制限の厳しいアップリンクの伝送方式としては適していない。
【0005】
一方、contiguous DFT−S−OFDM方式は、DFTで拡散した信号を、連続した周波数に配置することでOFDM等のマルチキャリア方式に対してPAPR特性を良好に保つことができ、広いカバレッジを確保できる。また、non−contiguous DFT−S−OFDM方式は、DFTで拡散した信号を、非連続な周波数に配置することで、柔軟に周波数を使用しながら、ある程度のPAPR特性の劣化を抑えることができる。
【0006】
また、non−contiguous/contiguous DFT−S−OFDMにおいて、non−contiguousとcontiguousの切り替えは、送信電力に基づいて行われることが検討されている(例えば、特許文献1参照、以下ハイブリッド方式と称する)。このハイブリッド方式を用いれば、contiguous DFT−S−OFDMのみを用いる方式のセルカバレッジを維持しながら、セル中央の端末に対するスループット改善できるため、セル全体のスループットを向上できる。
【0007】
一方、contiguous DFT−S−OFDM方式の周波数スペクトルの一部を送信しない伝送方式(以下 Clipped DFT−S−OFDMと称する)も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第WO2008/081876号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
non−contiguous DFT−S−OFDM方式を用いた場合、不連続の周波数リソースを使用する為、アンプによる高調波歪が発生し、帯域外に信号が漏れこむということが指摘されている。以後、この現象を帯域外輻射と称す。この帯域外輻射の対策として、不連続のRBを使用する際は、contiguous DFT−S−OFDMで許容される最大送信電力より最大送信電力を下げることが検討されている。以後、最大送信電力の低減量をMPR(Maximum Power Reduction)と称する。
この端末装置が最大送信電力を下げる処理を行うことにより、電力効率を下げて通信を行うこととなり、場合によってはスループットの低下を誘引するという問題がある。更に、MPRを考慮しない場合は、不連続の周波数リソースの配置は、自身のシステム帯域内の他の端末装置にも影響を与えるという問題がある。
【0010】
一方、Clipped DFT−S−OFDMも研究が盛んにはなってきているが、通常のDFT−S−OFDMと比較した場合、特性の劣化は避けられず、その使用方法について有効な提案はされていない。
【0011】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、セルスループットを改善することを可能とする送信装置、プロセッサ、送信方法および送信プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置であって、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得部と、前記取得部が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信部と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0013】
(2)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記マッピング情報に基づいて、前記取得部が取得したマッピング情報が示す集合のうち、前記不使用集合を選択する集合選択部を備えることを特徴とする。
【0014】
(3)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記取得部が取得したマッピング情報が示す周波数帯域に信号を配置する信号配置部と、前記信号配置部が信号を配置した後の信号のうち、前記集合選択部が選択した不使用集合が示す周波数帯域に配置された信号を除去する信号除去部と、を備え、前記信号除去部が除去した信号を用いて前記データを送信することを特徴とする。
【0015】
(4)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計と、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0016】
(5)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合選択部は、前記算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、前記集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を前記使用周波数帯域として選択することを特徴とする。
【0017】
(6)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記閾値は、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、集合間の周波数軸上の距離、またはシステムバンドのうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせに基づいて、設定されていることを特徴とする。
【0018】
(7)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計に対する集合に含まれる周波数帯域の比である占有率を集合毎に算出し、該算出した集合毎の占有率に基づいて、前記クリッピング率を算出することを特徴する。
【0019】
(8)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合選択部は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、前記集合それぞれの周波数帯域と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0020】
(9)本発明の一態様は、上記の記載の送信装置において、前記集合選択部は、前記集合それぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記集合それぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0021】
(10)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記信号配置部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする。
【0022】
(11)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、前記使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信することを特徴とする。
【0023】
(12)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
(13)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としたシステム帯域で送信するデータを、他のシステム帯域で送信することを特徴とする。
【0025】
(14)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信信号生成部は、前記他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局から指定されたサブキャリア数となるように、クリッピングを行うことを特徴とする。
【0026】
(15)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記所定の値は、MPRに基づいて決定されていることを特徴とする。
【0027】
(16)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0028】
(17)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信に使用するシステム帯域の位置関係は、前記使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かであることを特徴とする。
【0029】
(18)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信信号生成部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする。
【0030】
(19)本発明の一態様は、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、該取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択する集合選択部を備えることを特徴とするプロセッサである。
【0031】
(20)本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置が実行する送信方法であって、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得手順と、前記取得手順が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信手順と、を有することを特徴とする送信方法である。
【0032】
(21)本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置のコンピュータに、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信ステップと、を実行させるための送信プログラムである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、セルスループットを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態のRB選択部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図4】第2の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図5】第2の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】第2の実施形態の制御部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図7】第3の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図8】第3の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】第3の実施形態のRB選択部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図10】第4の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図11】第4の実施形態における基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図12】第5の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図13】第5の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】システム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合に、送信部の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
【0036】
各実施形態では、周波数方向の単位領域である単位周波数帯域の一例として、複数のサブキャリアから成るリソースブロックの周波数成分(以下、周波数RBとも称する)を用いて説明する。ここで、リソースブロックは、周波数成分および時間成分から構成される二次元的な無線リソースである。なお、単位周波数帯域は、サブキャリアであってもよい。また、クラスタは、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が、周波数軸上で連続している単位周波数帯域の集合である。本実施形態では、基地局装置から、送信に使用可能な周波数帯域として、リソースブロックの周波数成分が周波数軸上で分割した周波数帯域が指定されるので、クラスタは、周波数RBが周波数軸上で連続している周波数RBの集合である。また、周波数RB及びサブキャリアは、帯域幅を表す。
【0037】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における無線通信システム10の構成を示す概略図である。本実施形態における無線通信システム10は、基地局装置2と、端末装置1−1、…、1―N(Nは正の整数)からなるN個の端末装置1−i(iは1からNまでの整数)とを備える。
各端末装置1−iから基地局装置2への伝送(以下、アップリンクとも称する)は、DFT−S−OFDM方式であるが、その他の方式であってもよい。基地局装置2から各端末装置1−iへの伝送(以下、ダウンリンクとも称する)は、OFDMA方式であるが、その他の方式であってもよい。
【0038】
基地局装置2は、クラスタ毎の周波数RBの数(以下、周波数RB数とも称する)、RB位置およびクラスタ数を端末装置1−i毎に決定する。そして、基地局装置2は、端末装置1−i毎に決定した周波数RB数、RB位置およびクラスタ数を含むRB情報(マッピング情報)Rを、対応する端末装置1−iへ無線送信する。以下では、i台の端末装置1−iは同じ構成を有するものとして説明を行うが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
基地局装置2は、各端末装置1−iから伝送された送信データを受信し、受信した送信データを復号する。ここで、各端末装置1−iが送信データの一部を消去し、一部が消去された送信データを伝送したとしても、基地局装置2は、公知の復号技術を用いることにより元の送信データを復号することができる。
なお、クラスタ数が2の場合、クラスタ数は、クラスタを分けるか否かの情報であってもよい。
【0039】
各端末装置1−iは、基地局装置2から無線送信された送信信号を受信する。また、各端末装置1−iは、信号を基地局装置2へ無線送信する。
【0040】
各端末装置1−iは、例えば、基地局装置2に対してRB(リソースブロック)単位でアクセスする。各RBは、4サブキャリアで構成され、総RB数は16である。RBを構成するサブキャリア数は一例であり、その他の値でもよいし、総RB数にも特に限定があるわけでもない。本無線通信システム10では端末装置1−iから基地局装置2への送信であるアップリンクを対象として説明するが、ダウンリンクにも適用可能であるし、変調方式もDFT−S−OFDMに限定するものではない。
なお、基地局装置2が各端末装置1−iから送信された信号を、後述するターボ等化を用いて復号した場合、各端末装置1−iが、DFT−S−OFDMを使用することが好ましい。
【0041】
図2は、第1の実施形態における端末装置1−iの構成を示す概略ブロック図である。端末装置1−iは、受信アンテナ部112と、無線部113と、A/D変換部114と、受信部115と、送信装置116とを備える。送信装置116は、符号部100と、変調部101と、S/P(シリアル/パラレル)変換部102と、DFT部103と、送信部140とを備える。送信部140は、RB選択部(集合選択部、取得部)120と、送信信号生成部130と、IFFT部106と、P/S(パラレル/シリアル)変換部107と、CP(Cyclic Prefix)挿入部108と、D/A変換部109と、無線部110と、送信アンテナ部111とを備える。送信信号生成部130は、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104と、信号除去部105とを備える。
【0042】
符号部100は、送信データTD1が入力され、入力された送信データTD1の誤り訂正符号化を行う。そして、符号部100は、誤り訂正符号化後の送信データを変調部101へ出力する。
変調部101は、符号部100から入力された送信データを変調し、変調後の送信信号をS/P変換部102へ出力する。
【0043】
S/P変換部102は、変調部101から入力された送信信号をシリアル信号からパラレル信号に変換し、変換後のパラレル信号をDFT部103へ出力する。具体的には、S/P変換部102は、送信に使用するRB数(以降TRB)に、リソースブロックを構成するサブキャリア数(ここでは、一例として4)を乗じたサブキャリア数のパラレル信号へ変換する。
【0044】
DFT部103は、S/P変換部102から入力されたパラレル信号を離散フーリエ変換することで、周波数領域の信号へ変換する。これにより、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104が配置の対象とする信号は、送信データTD1に対し時間周波数変換が施された信号となる。DFT部103は、変換後の周波数領域の信号を送信信号生成部130のサブキャリアマッピング部104へ出力する。
【0045】
受信アンテナ部112は基地局装置2から送信された送信信号を受信し、受信した送信信号を無線部113に出力する。無線部113は、受信アンテナ部112から入力された送信信号をベースバンド帯域に変換し、変換後の信号をA/D変換部114へ出力する。A/D変換部114は、無線部113から入力された信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を受信部115へ出力する。
【0046】
受信部115は、A/D変換部114から入力されたデジタル信号に対して、受信処理を行う。例えば、受信部115は、RB情報Rを抽出し、抽出したRB情報RをRB選択部120へ出力する。
【0047】
RB選択部120は、受信部115から入力されたRB情報Rに含まれるリソースブロックの位置からクラスタ数を判定し、クラスタ数が複数の場合、RB情報Rに含まれるクラスタ毎のRB数に基づいて、複数のクラスタのうち一部のクラスタに含まれるRBをクリップするか否かを決定する。ここで、クリップするとは、消去することを意味する。すなわち、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数RBの構成に基づいて、複数の周波数RBの全部を使用するか否か決定する。なお、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、複数の周波数RBの全部を使用するか否か決定する。
そして、RB選択部120は、クリップすると決定した場合、RB情報Rが示すクラスタ毎のRB数に基づいて、クリップする対象となるクリップ対象クラスタを決定する。
すなわち、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれる単位周波数帯域の合計とクラスタそれぞれに含まれる周波数RBの数とに基づいて、送信に使用するリソースブロックの周波数成分である使用周波数リソースブロックを選択する。
【0048】
RB選択部120は、決定したクリップ対象クラスタを示すクリッピング情報Cを送信信号生成部130の信号除去部105へ出力する。
また、RB選択部120は、受信部115から入力されたRB情報Rが示すRB位置に基づいて、DFT103から入力された周波数領域の信号をどのRBに割り当てるかを示すマッピング情報を生成する。そして、RB選択部120は、マッピング情報を送信信号生成部130のサブキャリアマッピング部104へ出力する。
【0049】
サブキャリアマッピング部104は、RB選択部120から入力されたマッピング情報に基づいて、DFT部103から入力された周波数領域の信号を、それぞれのサブキャリアにマッピングする。サブキャリアマッピング部104は、マッピング後の信号を信号除去部105へ出力する。
【0050】
信号除去部105は、サブキャリアマッピング部104から入力された信号のうち、RB選択部120から入力されたクリッピング情報Cが示すクラスタの信号をクリップする。信号除去部105は、除去後の信号を送信信号として、IFFT部106へ出力する。
【0051】
送信信号生成部130は、DFT部103から入力された変換後の周波数領域の信号と、RB選択部120から入力されたマッピング情報およびクリッピング情報Cとを用いて、基地局装置2から指定された複数の周波数リソースブロックの一部の周波数リソースブロックに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0052】
換言すれば、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された複数の周波数リソースブロックの全部を使用するか否かについてのRB選択部120の決定に基づいて、送信信号を生成する。より詳細には、送信信号生成部130は、RB選択部120が選択した周波数リソースブロックに対し信号を配置した送信信号を生成する。
すなわち、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された周波数リソースブロックの構成に基づいて、該指定された周波数リソースブロックの一部を使用することと、該指定された周波数リソースブロックの全部を使用することとを切り換える。
【0053】
IFFT部106は、サブキャリアマッピング部104から入力された送信信号を逆高速フーリエ変換することで、周波数領域の送信信号から時間領域の送信信号へ変換する。IFFT部106は、変換した時間領域の送信信号をP/S変換部107へ出力する。
P/S変換部107は、IFFT部106から入力された時間領域の送信信号をパラレル信号からシリアル信号に変換し、変換後のシリアル信号をCP挿入部108に出力する。
【0054】
CP挿入部108は、P/S変換部107から入力されたシリアル信号にCP(IFFT後のシンボル後方をコピーした信号)を挿入し、CP挿入後の信号をD/A変換部109へ出力する。
D/A変換部109は、CP挿入部108から入力された信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、変換後のアナログ信号を無線部110へ出力する。
無線部110は、D/A変換部109から入力されたアナログ信号を無線周波数帯域信号にアップコンバートし、アップコンバート後の信号を送信アンテナ部111から送信する。
【0055】
なお、本発明においてクリッピングを行う構成は図2のものに限らず、信号除去部105の機能をサブキャリアマッピング部104等で実現してもよい。
また、信号除去部105とサブキャリアマッピング部104との順番を入れ替えてもよい。その場合、信号除去部105が、DFT部103から入力された周波数領域の信号の一部の信号を除去する。
【0056】
そして、サブキャリアマッピング部104が信号除去部105による除去により得られた信号を、RB選択部120から入力されたマッピング情報が示すサブキャリアに配置するようにしてもよい。ここで、RB選択部120には、マッピング情報とクリッピング情報Cとが予め決められた関係で関連付けられて記憶されている。これにより、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、複数のサブキャリアの全部を使用するか否か決定するといえる。
この場合、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された複数のサブキャリアのうち一部のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成することができる。
【0057】
<RB選択部120の処理の詳細>
続いて、RB選択部120の処理の詳細について、一例を用いて説明する。この一例では、基地局装置2から指定されるRB情報Rは全て連続するRBであるか、二つの連続するRBであるかのいずれかであることを仮定する。以降、この連続するRBのかたまりをクラスタと称する。ここで、複数のRBからなる「クラスタ」を複数のRBからなる「バンドル」ということがある。即ち、本例では、クラスタが1つであるか、2つであるかということになる。以後、クラスタが1つの場合をシングルクラスタと称し、クラスタが2つの場合をダブルクラスタと称する。
【0058】
ダブルクラスタの場合、同一のRB数を使用するシングルクラスタの場合に比べて、周波数帯域が広がる。これにより、無線部110が有するアンプがその信号を高出力領域で増幅した場合、非線形性が加わるので、増幅された信号に歪みが生じ、その信号の影響が特に帯域外に現われる。更に、ダブルクラスタのクラスタ間の周波数軸上の距離が大きくなるほど、歪による影響がシステム帯域より離れた領域に現われるため、帯域外に存する他のシステムへの影響が顕著になる。
また、ダブルクラスタのうち一方のクラスタの信号を除去した場合、特にDFT−S−OFDM信号を使用した場合は、シングルクラスタに比べてPAPR(Peak to Average Power Ration)特性が劣化するため、帯域内及び帯域外へ影響を与えるが、帯域外への影響は信号を除去する前のダブルクラスタの場合よりは小さい。
【0059】
本実施形態では、RB選択部120は、例えば、次に示す処理で、クリッピング情報Cを決定する。まず、RB選択部120は、基地局装置2から通知されるRB情報Rからシングルクラスタかダブルクラスタかを判断する。RB選択部120は、シングルクラスタの場合は、クリッピングは行わないと判定する。RB選択部120は、ダブルクラスタの場合、RB占有率RO1とRB占有率RO2を以下の式に従って算出する。ここで、RB占有率RO1またはRO2とは、それぞれ基地局装置2から指定された全RB数に占めるクラスタ1またはクラスタ2のRB数である。
【0060】
RO1=NRB1/(NRB1+NRB2) …(1)
RO2=NRB2/(NRB1+NRB2) …(2)
【0061】
ここで、NRB1、NRB2はそれぞれクラスタ1とクラスタ2に配置されるRB数である。そして、RB選択部120は、RB占有率の最小値であるクリッピング率CRを以下の式に従って算出する。
【0062】
CR=Min{RO1、RO2} …(3)
【0063】
ここで、Min{a,b}は、aとbのうち、小さい方を選択する関数である。
RB選択部120は、クリッピング率CRが予め決められたクリッピング閾値より小さい場合、使用する周波数RB数の少ないクラスタの周波数RBに割り当てられた信号を消去すると判定し、消去する周波数RB以外の周波数RBを使用周波数リソースブロックとして選択する。一方、RB選択部120は、クリッピング率CRが予め決められたクリッピング閾値以上の場合は、使用する周波数RB数の少ないクラスタの周波数RBに割り当てられた信号を消去しないと判定し、全ての周波数RBを使用周波数リソースブロックとして選択する。
【0064】
すなわち、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数に基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。具体的には、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数の合計と、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。具体的には、例えば、RB選択部120は、算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を使用周波数帯域として選択する。
以上により、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれる単位周波数帯域の数に基づいて、送信に使用する周波数帯域である使用周波数帯域を選択する。
【0065】
RB選択部120の上述のように制御は、クリッピングによる特性劣化と、ダブルクラスタによる帯域外輻射の影響のトレードオフを考慮したものである。RB選択部120は、クリッピング率CRが小さい時は、クリッピングによる特性劣化が許容される範囲でクリッピングを行い、送信に用いるクラスタをダブルクラスタからシングルクラスタに減らすので、帯域外輻射の影響を軽減することができる。
【0066】
またクリッピング閾値については、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、クラスタ間の周波数軸上の距離、またはシステムバンド(システムバンドは具体的にはシステムを運用する周波数帯域のことで、800MHz帯、5GHz帯であるということを意味する)のうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせによって設定されていることで、より適切にダブルクラスタ時のクリッピングを制御できる。以下に示すテーブルは変調方式に基づいてクリッピング閾値が設定された例である。
【0067】
【表1】
【0068】
ここで、BPSKは、Binary Phase Shift Keying (二位相偏移変調)で、QPSK はQuadrature Phase−Shift Keying(四位相偏移変調)で、16QAMは16 Quadrature Amplitude Modulationである。また、それぞれのクリッピング閾値の関係は、X1>X2>X3である。
【0069】
このように閾値を設定するのは、多値数が多くなるほど、クリッピングによる特性劣化の影響が大きくなるからである。すなわち、多値数が多くなるほど、クリッピング閾値が低い設定されるようにしてもよい。これにより、多値数が多くなるほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる特性劣化の影響を軽減することができる。
【0070】
符号化率または送信レートに基づいて、クリッピング閾値を設定する場合は同様な傾向でテーブルを設定してもよい。符号化率については、符号化率が高いほど誤り訂正能力が低いので、クリップするRB数を減らさないと、受信装置である基地局装置2は復号することができなくなる。このことから、符号化率が高いほど、クリッピング閾値が低く設定されるようにしてもよい。これにより、符号化率が高いほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる誤り訂正能力の劣化の影響を軽減することができる。
【0071】
送信レートについては、送信レートが高いほど受信エラー率(フレームエラーレート、ブロックエラーレート、ビットエラーレートなどの受信データにエラーが含まれる割合を示す指標)が高いので、クリップするRB数を減らさないと、受信装置である基地局装置2は復号することができなくなる。このことから、送信レートが高いほど、クリッピング閾値が低く設定されるようにしてもよい。これにより、送信レートが高いほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる誤り受信エラー率の上昇を軽減することができる。
【0072】
システム帯域幅でクリッピング閾値を設定するメリットは、システム帯域幅が狭いほど、ダブルクラスタの際の、クラスタ間の周波数軸上の距離が長くならないことに基づいている。というのは、クラスタ間の周波数軸上の距離が長いほど、歪による影響がシステム帯域より離れた領域に現われるため、帯域外に存する他のシステムへの影響が顕著になるからである。
したがって、システム帯域幅が狭いほど、クリッピング閾値が高く設定されてもよい。これにより、システム帯域幅が狭い場合には、帯域外に存する他のシステムへの影響を軽減することができる。
【0073】
なお、同様の原理で、クラスタ間の周波数軸上の距離が短いほど、クリッピング閾値が高く設定されてもよい。これにより、クラスタ間の周波数軸上の距離が短い場合には、帯域外に存する他のシステムへの影響を軽減することができる。
【0074】
システムバンド毎にクリッピング閾値を設定するメリットは、システムバンド毎に当該システムに隣接する他のシステムにおける干渉への耐性が異なることに基づいている。したがって、隣接する他のシステムにおける干渉への耐性が弱い場合は、閾値が高く設定されることにより、できるだけダブルクラスタを使用しないようにすることができる。これにより、隣接する他のシステムへの帯域外輻射を軽減することができる。
【0075】
クラスタ数がM個(Mは正の整数)の場合、RB選択部120は、クラスタj(jは1からMまでの整数)のRB占有率ROjを、以下の式(4)に従って算出する。
【0076】
【数1】
【0077】
ここで、NRBjはj番目のクラスタに配置されるRB数である。そして、RB選択部120は、RB占有率の最小値であるクリッピング率CRを以下の式(5)に従って算出する。ここで、クリッピング率は、基地局装置2から指定された全サブキャリア数に対するクラスタを構成するサブキャリア数が最も少ないクラスタに属するサブキャリア数の比を意味する。
【0078】
CR=Min{RO1、…、ROM} …(5)
【0079】
なお、RB選択部120は、補正値を用いて、RB占有率として補正した値を用いてもよい。具体的には、例えば、ダブルクラスタの場合、RB選択部120は、補正値X、Yを用いて、クラスタ1のRB占有率をRO1+X、クラスタ1のRB占有率をRO2+Xとしてもよい。ここで、補正値Xと補正値Yは、それぞれのクラスタの周波数の大小関係に基づいて定まっていてもよい。
【0080】
また、RB占有率ROが、複数のRB占有クラスに分けられており、RB選択部120は、そのRB占有クラスに基づいて、クリッピング率を算出してもよい。具体的には、例えば、RB占有クラスとして、RB占有率ROがa以上b未満(a、bは0から1までの数で例えば、aが0でbが0.3)のクラスAと、b以上c未満(cは0から1までの数で、例えば、cが0.5)のクラスBとが存在するケースを前提とする。基地局装置2は、RB占有クラスとRB占有率ROとが関連付けて記憶されている。
【0081】
ダブルクラスタの場合に、基地局装置2からクラスタ毎のRB占有クラスが通知された場合、RB選択部120は、RB占有クラスに基づいて、クリッピング率を算出してもよい。具体的には、上記の場合で、クラスタ1のRB占有クラスがクラスAで、クラスタBのRB占有クラスがクラスBの場合、クラスAのRB占有率ROをクリッピング率CRとして算出する。
これにより、RB選択部120は、各クラスタのRB占有率を算出する必要がないので、クリッピング率CRの算出にかかる処理を低減することができる。
【0082】
図3は、第1の実施形態のRB選択部120の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。同図において四角形の枠はRBを示しており、斜線で示しているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は8であり、ダブルクラスタの場合のみを示している。
【0083】
図3の(a)は、基地局装置2によって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図3の(a)の上段において、クラスタC31にRBが4個指定され、クラスタC32にRBが2個指定されていることが示されている。また、図3の(a)の下段において、クラスタC33にRBが5個指定され、クラスタC34にRBが1個指定されていることが示されている。
【0084】
図3の(b)は、実際に送信するスペクトル(サブキャリア)の周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図3の(b)の上図では、基地局装置2で指定された全てのクラスタ(C31及びC32)のRBに割り当てられた信号が示されている。
図3の(b)の下図はクラスタC34に含まれるRBをクリッピングした残りのクラスタC33に含まれるRBに割り当てられた信号が示されている。なお、クリッピングされたRBのサブキャリアについては、白抜きで示されている。
【0085】
図3において、クリッピングの可否を判定するための予め決められた閾値は0.2である。図3の上図では、クラスタC31のRB数NRB1が4でクラスタC32のRB数NRB2が2であるので、クリッピング率CRが0.33・・・となる。この場合、クリッピング率CRは0.2以上の値のため、RB選択部120はクリッピングを行わない。
【0086】
図3の下図では、クラスタC33のRB数NRB1が5でクラスタC34のRB数NRB2が1であるので、クリッピング率CRが0.166・・・となる。この場合、クリッピング率CRが0.2未満の値のため、図中に位置するクラスタ(含まれるRB数が少ないクラスタ)をクリップする。
RB選択部120がこのように制御することで、簡単にnon−contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDMを切り換えることが可能となり、帯域外輻射等の悪影響を抑えながら効率的な通信ができる。
【0087】
なお、本実施形態では、クリッピングを行うクラスタを設定する際、上述の式と予め決められた閾値により決定する場合を示したが、本発明はその実施形態に限定されるものではない。クラスタがN個の時は、RB選択部120は、比較する上述のRB占有率をN個にすることによりクリップするクラスタを決定することができる。
この場合、RB選択部120は、予め決められたクリッピング閾値より小さいRB占有率を示すクラスタの全部をクリッピングしてもよいし、RB占有率が最も小さいクラスタのみをクリッピングしてもよい。
【0088】
更にRBが分割されて配置される分割配置のとき、RB選択部120は、クラスタに含まれるRB数が予め決められたRB閾値(例えば、2)より小さいクラスタ(例えばクラスタに含まれるRB数が1のとき)を、必ずクリッピングしてもよい。
【0089】
更にMIMO送信を行う場合は、アンテナ毎(アンテナポート毎:アンテナポートとは、1以上のアンテナで構成され、同一のアンテナと物理的にみなせる構成を指す)に、RB選択部120は、個別に設定されたクリッピング設定に基づいてクラスタをクリッピングしてもよいし、同一のクリッピング設定に基づいてクラスタをクリッピングしてもよい。
MIMO送信については以下に示す実施形態でも、同様の対応が可能である。
【0090】
以上、第1の実施形態の端末装置1−iにおいて、RB選択部120は、基地局装置2から指定されたクラスタ数が複数の場合、基地局装置2から指定された全サブキャリア数に対するクラスタを構成するサブキャリア数が最も少ないクラスタに属するサブキャリア数の比であるクリッピング率を算出する。そして、RB選択部120は、算出したクリッピング率が予め決められた閾値よりも小さい場合、サブキャリア数の最も少ないクラスタに属するサブキャリアをクリップする指令を示すクリッピング情報Cを生成する。
【0091】
信号除去部105は、クリッピング情報Cに基づいて、サブキャリアマッピング部104から入力されたマッピング後の信号から、クリッピング情報Cが示すサブキャリアの信号を除去した送信信号を生成する。
これにより、信号除去部105は、ダブルクラスタの一方をクリップすることにより、クリッピングしない場合よりも帯域外輻射を小さくすることができる。
【0092】
なお、RB選択部120は、ダブルクラスタの周波数位置に応じて、クラスタのサブキャリアに配置した信号をクリップするか否か決定してもよい。具体的には、例えば、RB選択部120は、ダブルクラスタの間の周波数帯域が、予め決められた周波数閾値より大きい場合、クラスタをクリップすると決定してもよい。一般的にダブルクラスタの周波数位置が離れるほど帯域外への影響が大きくなるが、端末装置1−iはダブルクラスタの周波数位置が離れた場合、いずれかのクラスタのサブキャリアに配置した信号をクリップできるので、帯域外輻射を低減することができる。
【0093】
また、本実施形態において、RB選択部120は、RB占有率に基づいて、送信に使用する周波数RBを選択したが、これに限ったものではない。RB選択部120は、基地局装置から指定された全サブキャリア数に対するクラスタに含まれるサブキャリア数の比に基づいて、送信に使用する使用サブキャリアを選択してもよい。すなわち、単位周波数帯域として、周波数RBでもサブキャリアでもよく、RB選択部120は、単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、複数のクラスタから送信に使用するクラスタを選択すればよい。
【0094】
以上、まとめると、取得部としてのRB選択部120は、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合(クラスタ)が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する。そして、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104は、取得部としてのRB選択部120が取得したマッピング情報が示す集合に信号を配置する。また、集合選択部としてのRB選択部120は、マッピング情報に基づいて、取得したマッピング情報が示す集合のうち、送信に使用しない不使用集合を選択する。次に、信号除去部105は、信号配置部がデータを配置した後の信号のうち、集合選択部としてのRB選択部120が選択した不使用集合が示す周波数帯域に割り当てられた信号を除去する。
【0095】
これにより、送信部140は、信号除去部105が除去した信号を用いてデータを基地局へ送信する。すなわち、送信部140は、取得部としてのRB選択部120が取得したマッピング情報が示す複数の集合のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信し、使用集合以外の集合であって送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信しない。
【0096】
これにより、端末装置信号1−iは、複数のクラスタのうちから送信に使用しないクラスタに割り当てられた信号を除去し、除去した後の信号を基地局装置へ送信することで、送信帯域外への輻射を小さくすることができるので、全クラスタを送信に使用した場合よりも帯域外輻射を小さくすることができる。
【0097】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態における無線通信システム10bの構成を示す概略図である。第2の実施形態における無線通信システム10bの構成は、図1の第1の実施形態における無線通信システム10の各端末装置1−iがそれぞれ端末装置1b−iに変更されたものである。第2の実施形態における無線通信システム10bの構成は、第1の実施形態における無線通信システム10の構成と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0098】
図5は、第2の実施形態における端末装置1b−iの構成を示す概略ブロック図である。ここで、本実施形態に係る端末装置1b−i(図5)は、第1の実施形態に係る端末装置1−i(図2)に対し、送信部140が送信部140bに変更されたものになっている。具体的には、送信部140のRB選択部120が送信部140bのRB選択部(周波数帯域選択部)120bに変更されたものになっている。なお、第1の実施形態の端末装置1−i(図2)と同じ機能を有する機能部には、同一の符合を付し、その説明を省略する。
【0099】
本実施形態のRB選択部120bは、第1の実施形態のRB選択部120と同様の機能を有するが、更に以下の機能が追加されている。
RB選択部120bは、最大送信電力が制限される環境下で、クリッピング率に応じて、non−contiguous DFT−S−OFDM(以後、方式Bとも称する)とClipped DFT−S−OFDM(以後、方式Cとも称する)を適宜切り換える。
【0100】
<RB選択部120bの処理の詳細>
以下、RB選択部120bの処理の詳細について説明する。
一般の無線通信システムでは、電波の人体への影響を考慮して、その最大送信電力が制限される場合がある。また、送信装置に内蔵されるハイパワーアンプは入力電力の高い動作点で線形動作を補償することができず、特に端末装置から基地局装置2へのアップリンクでは、非線形動作に強い信号を使用することが望まれる。
【0101】
例えば、contiguous DFT−S−OFDMは、非線形性に強い信号である。ここで、ハイパワーアンプにおける線形性を簡単に説明すると、入力電力に対し、一定の割合で増幅できる能力であり、非線形性を有する場合、低い入力電力に対し、高い入力電力での増幅率が下がってしまう。このことをサチュレーションということもある。
【0102】
RB選択部120bは、non−contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDMを切り換えるための指標として、最大送信電力をcontiguous DFT−S−OFDMで許容される最大送信電力より下げるときの削減電力MPR(Maximum Power Reduction)という値を用いる。RB選択部120bは、最大送信電力の低減により、帯域外輻射の影響を抑えることができる。
【0103】
このMPRは基本的には先に述べたように送信装置のハイパワーアンプに依存して決定するのがよいが、説明を簡単にするために、contiguous DFT−S−OFDMの場合は2dB、non−contiguous DFT−S−OFDMの場合は7dBに設定されるとして以下の説明を行う。
【0104】
ここで、端末装置1b−iの最大送信電力を23dBmとし、送信電力制御を行った結果、23dBmで送信しないといけない状況を例としてRB選択部120bの処理を説明する。
この場合、上述のMPRが設定されるため、contiguous DFT−S−OFDM(以降方式Aとも称する)の送信では21dBm、non−contiguous DFT−S−OFDM(以降方式Bとも称する)の送信では16dBmの送信になる。そうすると、本来、23dBmで送信した場合に、受信装置で適切な受信電力になるので、前者では2dB、後者では7dBの特性劣化となる。
【0105】
通常、所定の品質を得るためには、変調方式によらず使用するRB数が増えるに従って、送信電力も大きくなる。基地局装置2が、端末装置1b−iが使用するRBを指定する際に、端末が必要となる送信電力が最大値に達しているか否かを完全に把握することは困難であり、上記のような状態を適応変調では対応することはできない。そうすると、特にnon−contiguousの送信では、パケットロス(誤り)となる確率が非常に高い。
【0106】
次に、contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDM(以降方式Cとも称する)の特性差について考える。ただし、受信装置にはターボ等化を用いた場合である。
【0107】
ある条件で、送信電力を一定として方式Aと方式Cの特性を比較する。変調方式をQPSK、符号化率を1/2とした場合に、方式Cが方式Aと同一のパケット誤り率を達成するために加算して必要な送信電力をシミュレーションに算出した。
シミュレーション結果によると、方式Cは、方式Aよりも、クリッピング率が12.5%の場合、約0.1dB、クリッピング率が25%の場合、約1dB、クリッピング率が37.5%の場合、約3.5dBの送信電力が更に必要である。ここで、クリッピング率とはクリッピングしない場合の周波数リソースを1として、何%の周波数リソースを送信しないかという割合である。
【0108】
また、方式Cの場合、方式Aに比べて大きなMPRが必要と予想されるものの、クリッピング後の使用するRBが連続している限り、方式Bに比べてMPRは小さい値でよいと考えられる。ここでは、簡単のために方式Cに要求されるMPRを4dBとする。
【0109】
先に示したのと同様、23dBmの送信電力が必要な状態で、方式Bと方式Cとを切り替える場合、クリッピングによるパケット誤り率の劣化と、MPRを考慮すると、受信装置で不足する電力量は以下の表2の値となる。なお、方式Cの後ろに続く数値はクリッピング率である。
【0110】
【表2】
【0111】
表2からクリッピング率が37.5%以外は、方式Bで全てのRBを送信するより、方式Cでクリッピングを行った方が、受信装置における受信電力が高くなり、パケットロスが少なくなる。
【0112】
次に、第1の実施形態で示した図3と同様、図6を用いて本実施形態のRB選択部120bの動作、並びに、送信信号について説明する。図6は、第2の実施形態のRB選択部120bの動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【0113】
同図において、四角形の枠はRBを示しており、斜線で示されているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は10であり、全てがダブルクラスタの場合である。
【0114】
図6の(a)は、基地局装置2によって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図6の(a)の上段において、クラスタC61にRBが5個指定され、クラスタC62にRBが3個指定されていることが示されている。また、図6の(a)の中段において、クラスタC63にRBが6個指定され、クラスタC64にRBが2個指定されていることが示されている。また、図6の(a)の下段において、クラスタC65にRBが7個指定され、クラスタC66にRBが1個指定されていることが示されている。
【0115】
なお、クリッピングを行った場合のクリッピング率は上段から順に37.5(=3/8×100)%、25(=2/8×100)%、12.5(=1/8×100)%である。
【0116】
図6の(b)は、実際に送信するサブキャリアの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図6の(b)は、信号除去部105が生成する送信信号が割り当てられているサブキャリアが示されている。即ち、クリッピング率がクリッピング閾値37.5%である上段以外は、クラスタに含まれるRB数の少ないクラスタのサブキャリアがクリッピングされている。
【0117】
このクリッピングを行うか否かの決定を行うプロセスを以下に一例を用いて説明する。
例えば、基地局装置2から指定されたクラスタの構成が図6の(a)の中段の場合について、RB選択部120bの処理を説明する。ここで、送信電力制御に基づいて算出された送信電力が最大送信電力の23dBmと同一になった場合を考える。RB選択部120bは、クラスタC63にRBが6個指定され、クラスタC64にRBが2個指定されているので、クリッピング率を25%と算出する。
【0118】
まず、クリッピングを行った場合の不足電力を算出する。
方式Cを使用することになるので、MPRは4dBである。更に、クリッピングを行った際の劣化は、表2に示しているように1dBである。よって、方式Cを使用した場合の不足電力量は5dBとなる。
【0119】
一方、ダブルクラスタの方式Bを用いた場合のMPRは7dBであり、この場合の不足電力は7dBとなる。
【0120】
そして、RB選択部120bは、方式Bと方式Cのうち、不足電力量が少ない方式Cを選択する。そして、RB選択部120bは、クラスタC63のサブキャリアを送信に使用する使用サブキャリアとして選択する。
【0121】
すなわち、RB選択部120bは、信号を割り当てることが可能なリソースブロックの周波数成分の数(またはクラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域)とクラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの周波数成分の数(またはクラスタそれぞれの周波数帯域)とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率(RB占有率の最小値)と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量(MPR)とに基づいて、前記使用周波数リソースブロックを選択する。
換言すれば、RB選択部120bは、基地局装置2から指定された送信電力を取得し、リソースブロックの周波数成分の数とクラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの周波数成分の数と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。
【0122】
これにより、RB選択部120bは、クリッピング率が小さいときには、不足電力量が少ない方式Cを選択することにより、クラスタの数を減らすことにより帯域外への輻射を方式Bよりも抑制しつつ、方式Bよりもパケット誤り率を下げることができる。
以上の例では、クリッピングを行う前後で、RB当たりの電力密度が異なる場合を示したが、RB当たりの電力密度を変えない方法も使用できる。
この場合、方式Cには更に、電力の不足分である1.2dBが加えられ、6.2dBとなる。よって、RB当たりの電力量を変えない方法においても、この例では、RB選択部120bにより方式Cが選択されることになる。
【0123】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態における無線通信システム10cの構成を示す概略図である。第3の実施形態における無線通信システム10cの構成は、図4の第2の実施形態における無線通信システム10bの各端末装置1b−iがそれぞれ端末装置1c−iに変更され、基地局装置2が基地局装置2cに変更されたものである。
【0124】
基地局装置2cは、第1の実施形態の基地局2と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。基地局装置2cは、データ送信に使用することが禁止されているRBを示す使用禁止RB情報を含む信号を、定期的あるいは画一的に各端末装置1c−iへ送信する。
各端末装置1c−iは、基地局装置2cから送信された使用禁止RB情報を含む信号を受信した場合、すなわち予め定められたRBがデータ送信時に使用禁止であることを基地局装置2cから通知された場合、そのRBの割り当てられた信号をクリッピングして送信する。
【0125】
図8は、第3の実施形態における端末装置1c−iの構成を示す概略ブロック図である。
ここで、本実施形態に係る端末装置1c−i(図8)は、第2の実施形態に係る端末装置1b−i(図5)に対し、送信部140bが送信部140cに変更されたものになっている。具体的には、送信信号生成部130bが送信信号生成部130cに、信号除去部105bが信号除去部105cに、RB選択部120bがRB選択部(周波数帯域選択部)120cに変更されたものになっている。なお、第2の実施形態の端末装置1b−i(図5)と同じ機能を有する機能部には、同一の符合を付し、その説明を省略する。
【0126】
受信アンテナ部112は、基地局装置2cから送信された使用禁止RB情報を含む信号は受信し、無線部113に出力する。無線部113は、受信アンテナ部112から入力された使用禁止RB情報を含む信号をデジタル処理できる帯域に変換したのち、変換後の使用禁止RB情報を含む信号をA/D変換部114へ出力する。A/D変換部114は、無線部113から入力された変換後の使用禁止RB情報を含む信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を受信部115へ出力する。
そして、受信部115は、A/D変換部114から入力されたデジタル信号を復調し、復調により得られた使用禁止RB情報をRB選択部120cに出力する。
【0127】
本実施形態のRB選択部120cは、第2の実施形態のRB選択部120bと同様の機能を有するが、更に以下の機能が追加されている。
RB選択部120cは、受信部115から入力された使用禁止RB情報を保持する。
そして、RB選択部120cは、自らが保持している使用禁止RB情報を読み出し、読み出した使用禁止RB情報が示すRBをクリップする指令を示すクリッピング情報Cを生成し、生成したクリッピング情報Cを信号除去部105へ出力する。
【0128】
なお、使用禁止RB情報は、基地局装置2cから通知されるのではなく、端末装置1c−iが予め独自に保持していてもよい。その場合、RB選択部120cは、データ送信に使用することが禁止されているRBを示す使用禁止RB情報を読み出して、信号除去部105へ出力する。また、使用禁止RB情報が、直接接続していない他の装置から通知されてもよい。
【0129】
送信信号生成部130cは、基地局装置2cから指定される複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されているサブキャリアが含まれる場合、使用することが禁止されているサブキャリア以外のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0130】
信号除去部105cは、サブキャリアマッピング部104から入力された信号のうち、RB選択部120cから入力されたクリッピング情報Cが示す使用禁止RBの信号を除去する。信号除去部105cは、除去後の信号を送信信号として、IFFT部106へ出力する。
【0131】
次に、第1の実施形態で示した図3と同様、図9を用いて本実施形態のRB選択部120cの動作、並びに、送信信号について説明する。図9は、第3の実施形態のRB選択部120cの動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
同図において、四角形の枠はRBを示しており、斜線で示しているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は8であり、上段がダブルクラスタの場合、下段がシングルクラスタの場合が示されている。
【0132】
また、同図において、破線の四角形の枠が、使用禁止RBを示している。同図では向かって左から6番目及び7番目のRBの使用が禁止されている。
図9の(a)は、基地局装置2cによって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数で、縦軸は振幅である。図9の(a)の上段において、クラスタC91にRBが4個指定され、クラスタC92にRBが2個指定されていることが示されている。図9の(b)の下段において、クラスタC93に6個のRBが連続で指定されていることが示されている。
【0133】
図4の(b)は実際に送信するスペクトル(サブキャリア)の周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数で、縦軸は振幅である。同図の上段において、クラスタC92の一部がクリッピングされていることが示されている。同図の下段において、クラスタC93に含まれる連続するRBの一部がクリッピングされていることが示されている。なお、クリッピングされたサブキャリアについては、白抜きで示されている。
【0134】
このように、基地局装置2cと接続している端末装置1c−iが、送信に使用してはいけないRBを示す使用禁止RB情報を入手し、使用禁止RB情報が示すRBのクリッピングを行う。これにより、基地局装置2cはこれまでの処理に異なる処理を加えることなく、システム帯域内に、信号が送信されない周波数領域を確保することができる。
【0135】
なお、本実施形態では、使用を禁止する周波数をRB単位で定義した場合について説明を行ったが、使用を禁止する周波数をサブキャリア単位でも、複数のRBを束ねたRBグループ(RBG)単位で定義してもよい。
【0136】
なお、基地局装置2cは、例えば、使用を禁止する周波数を、端末装置1c−iを操作するユーザを識別するユーザIDを用いて、ユーザID毎に使用禁止する周波数を算出してもよい。以下に、その具体例を説明する。ここで、ユーザIDであるNIDをX(Xは2以上の整数)で除算した時の余りをNID_Xとし、RBを識別する用に順番に付された番号をRBインデックスと称す。このとき、基地局装置2cは、使用禁止するRBインデックスの開始位置をn×X+NID_Xとし、使用禁止するRBインデックスの終了位置を(n+1)×X+NID_X−1とする。これにより、基地局装置2cは、ユーザID毎に使用禁止するRBを算出してもよい。ここで、nは任意の整数であり、あらかじめ、基地局装置2cと端末装置1c−iとの間で共通の値を設定する必要がある。
【0137】
基地局装置2cは、使用禁止するRBインデックスの開始位置と使用禁止するRBインデックスの終了位置とを、使用禁止RBに指定してもよい。これにより、基地局装置2cは、n×X個のグループにユーザを分けて、使用禁止RBを指定することができる。
【0138】
以上、本実施形態の端末装置1c−iは、基地局装置2cから指定される複数のRB中に、使用することが禁止されているRBが含まれる場合、使用することが禁止されているRBに割り当てられた信号を除去し、除去後の信号を送信信号として生成する。
すなわち、送信部140cは、基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信する。
これにより、基地局装置2cは、使用することが禁止されているRBの周波数領域を、他の端末装置の使用帯域、基地局装置2cのサービスエリア内に設置されるリレー局の使用帯域、あるいは、いわゆるピコセルといったより周波数利用効率を高めるために配置される基地局装置2cの使用帯域に割り当てることが可能となる。その結果、基地局装置2cは、周波数帯域を有効に利用することができる。また、基地局装置2cは、ピコセルに周波数領域を割り当てることにより、スループットを上昇させることができる。
【0139】
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態における無線通信システム10dの構成を示す概略図である。第4の実施形態における無線通信システム10dの構成は、図7の第3の実施形態における無線通信システム10cの基地局装置2cが基地局装置2dに変更されたものである。
【0140】
第4の実施形態における無線通信システム10dの構成は、第3の実施形態における無線通信システム10cの構成と同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施形態の基地局装置2dは、端末装置1c−iから送信されたクリッピング後の送信信号を受信し、ターボ等化技術を用いて、受信特性を改善する。
【0141】
図11は、第4の実施形態における基地局装置2dの構成を示す概略ブロック図である。基地局装置2dは、受信装置230、制御装置240、送信部220、D/A変換部221、無線部222、送信アンテナ223を備える。受信装置230は、受信アンテナ部200、無線部201、A/D変換部202、同期部203、CP除去部204、S/P変換部205、FFT部206、サブキャリアデマッピング部207、キャンセル部209、等化部210、復調・誤り訂正復号部211、判定部213、伝搬路推定部214、伝搬路乗算部216、DFT部217、レプリカ生成部218を備える。制御装置240は、スケジューリング部219を備える。
【0142】
受信アンテナ部200は、端末装置1c−iまたは端末装置12cから送信された信号を受信し、受信した信号を無線部201へ出力する。
無線部201は、受信アンテナ部200から信号が入力され、その入力された信号をA/D変換可能な周波数に変換し、変換後の信号をA/D変換部202へ出力する。
A/D変換部202は、無線部201から入力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、変換により得られたデジタル信号を同期部203に出力する。
【0143】
同期部203は、A/D変換部202から入力されたデジタル信号が入力され、その入力されたデジタル信号に対してシンボル同期を確立し、シンボル同期確立後の信号をCP除去部204へ出力する。
CP除去部204は、同期部203から入力された信号からシンボル毎にCPを除去し、CP除去後の信号をS/P変換部205へ出力する。
【0144】
S/P変換部205は、CP除去部204から入力された信号をシリアル信号からパラレル信号に変換し、変換後のパラレル信号をFFT部206へ出力する。
FFT部206は、S/P変換部205から入力されたパラレル信号を高速フーリエ変換して、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、変換により得られた周波数領域のパラレル信号をサブキャリアデマッピング部207へ出力する。
【0145】
サブキャリアデマッピング部207には、スケジューリング部219が今回の伝送のために決定したスケジューリングがスケジューリング部219から入力され、FFT部206からパラレル信号が入力される。
サブキャリアデマッピング部207は、その入力されたスケジューリングに従い、その入力された周波数領域のパラレル信号をユーザ毎の信号に分離する。
【0146】
ここで、端末装置1c−iでクリッピングが行われた場合、そのサブキャリアにはノイズが入力されることになる。ただし、予め基地局装置2dで端末装置1c−iのクリッピングしたサブキャリアを知っている場合は、サブキャリアデマッピング部207は、ユーザ毎の信号に、0を代入したゼロ挿入後の信号を生成する。これにより、サブキャリアデマッピング部207は、クリッピングされたサブキャリアに重畳したノイズを除去するので、受信特性を改善することができる。サブキャリアデマッピング部207は、ゼロ挿入後の信号Uをキャンセル部209へ出力する。
更に、サブキャリアデマッピング部207は、周波数領域のパラレル信号から伝搬路推定用のパイロット信号Pを抽出し、抽出したパイロット信号Pを伝搬路推定部214へ出力する。これ以降の信号処理は、各ユーザの受信信号毎に行う。
【0147】
伝搬路推定部214は、サブキャリアデマッピング部207から入力されたパイロット信号Pを用いて伝搬路推定値CEを算出する。先に示したように、基地局装置2dがクリッピング情報Cを保持している場合は、伝搬路推定部214は、クリッピングが行われたサブキャリアに相当する伝搬路推定値CEに0を代入することにより、伝搬路推定値CEが示す特性を改善することができる。
伝搬路推定部214は、ゼロ挿入後の伝搬路推定値CEを等化部210、伝搬路乗算部216及びスケジューリング部219へ出力する。
【0148】
伝搬路乗算部216は、DFT部217から入力されたレプリカ信号に対して、伝搬路推定部214から入力された伝搬路推定値CEを乗算することで、受信レプリカを生成する。伝搬路乗算部216は、生成した受信レプリカをキャンセル部209へ出力する。
ここで、周波数領域のレプリカ信号は、周波数領域SC/MMSE(Soft Canceller with Minimum Mean Square Error filter)ターボ等化処理の過程でDFT部217により、レプリカ信号が時間領域の信号から周波数領域の信号に変換されたものである。
【0149】
キャンセル部209は、サブキャリアデマッピング207から入力された信号Uから、伝搬路乗算部215から入力された受信レプリカを減算する(キャンセルする)ことにより残留成分Rを算出する。キャンセル部209は、算出した残留成分Rを等化部210へ出力する。但し、キャンセル部209は、1回目の処理では希望信号のレプリカを生成していないため、キャンセル処理は行わず、サブキャリアデマッピング207から入力された信号Uをそのまま等化部210へ出力する。
【0150】
このように、本実施形態の基地局装置2dが使用する周波数領域SC/MMSEのターボ等化では、キャンセル部209が一旦、希望信号のレプリカをキャンセルし、残留信号成分を計算する。
キャンセル部209が残留信号成分を計算するのは、演算量を少なくするためである。というのは、後述する等化部210は逆行列演算を行うため、希望信号のレプリカだけ残してキャンセル、等化を繰り返すと、ブロック内に含まれる希望信号のレプリカは繰り返しの回数分、逆行列演算をすることになり演算量が多くなってしまうからである。
【0151】
等化部210は、キャンセル部209から入力された残留成分と、伝搬路推定部214から入力された希望信号の伝搬路推定値CE、及びレプリカ生成部218から入力された希望信号のレプリカを用いて信号の等化を行う。具体的には、等化部210は、最適な重みを残留成分や伝搬路推定値、希望信号のレプリカから算出し、その最適重みを乗積した最終的な等化後の時間軸の信号を復調・誤り訂正復号部211へ出力する。
【0152】
但し、1回目の処理の場合は、レプリカ生成部218から希望信号のレプリカが入力されないので、等化部210は、キャンセルを行わない。これにより、従来のMMSE(Minimum Mean Squared Error;最小平均2乗誤差法)等化と等しいものとなる。このように、本実施形態における基地局装置2dは、送信側でクリッピングされたスペクトルを、あたかも伝搬路の落ち込みによって欠けてしまったかのように扱って等化を行う。こうすることにより、基地局装置2dは、本来伝送されるはずの信号(送信側におけるクリッピング前の信号)を正しく再生することが可能となる。
【0153】
復調・誤り訂正復号部211は、等化部210から入力された信号を復調および誤り訂正を行い、それにより得られた誤り訂正後の信号に対して信頼性の高まった符号ビットの対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を算出し、算出したLLRと誤り訂正後の信号とをレプリカ生成部218へ出力する。
また、復調・誤り訂正復号部211は、予め決められた回数だけ復調および誤り訂正の処理を繰り返した後、繰り返し後に得られた誤り訂正後の信号を判定部213へ出力する。
【0154】
レプリカ生成部218は、復調・誤り訂正復号部211から入力されたLLRに応じてその信頼性に比例したソフトレプリカである「希望信号のレプリカ」を生成する。
また、レプリカ生成部218は、生成された希望信号のレプリカを、キャンセル部209において希望周波数信号を一旦キャンセルするためにDFT部217へ出力する。さらに、レプリカ生成部218は、等化の際に希望信号を再構成するために、希望信号のレプリカを等化部210へ出力する。これにより、等化部210が信号を再構成することで逆行列演算に伴う演算量を削減することができる。
【0155】
このように、基地局装置2dは、キャンセル部209〜復調・誤り訂正復号部211、伝搬路乗算部216〜レプリカ生成部218の処理を繰り返して行うことにより、徐々に信頼性の高まった符号ビットを得ることができる。
判定部213は、所定の回数だけ上記処理を繰り返した後に、復調・誤り訂正復号部211から誤り訂正後の信号が入力される。判定部213は、その入力された誤り訂正後の信号に対して硬判定を行い、復号データを抽出する。そして、判定部213は、抽出した復号データを受信データRDとして基地局装置2dの非図示の信号処理部に出力する。
【0156】
スケジューリング部219は、各端末装置1c−iに対して割り当てたRBを示す情報であるマッピング情報と、割り当てRB数とを送信部220に出力する。
送信部220は、各端末装置に送信する送信データTD2と、マッピング情報と、割り当てRB数とを、誤り訂正符号化および変調を施すことにより送信信号を生成し、生成した送信信号をD/A変換部221へ出力する。
D/A変換部221は、送信部220から入力された送信信号を、デジタル信号からアナログ信号へ変換し、変換後のアナログ信号を無線部222へ出力する。
無線部222は、D/A変換部221から入力されたアナログ信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナ223を介してアップコンバート後の信号を、端末装置1c−iへ送信する。
【0157】
以上、本実施形態の基地局装置2dは、受信した信号をユーザ毎の信号に分離し、クリッピングされた周波数の信号に対して0を代入したゼロ挿入後の信号を生成する。これにより基地局装置2dは、クリッピングされたサブキャリアに重畳したノイズを除去することができるので、受信特性を改善することができる。
【0158】
なお、本実施形態の基地局装置2dは、クリッピングを行う端末装置1c−iの信号についてのみ繰り返し処理を行うようにしてもよい。これにより、基地局装置2dは、特性を劣化させることなく、繰り返し処理を行うことによる処理遅延を防ぎ、消費電力を削減することができる。
また、本実施形態の無線通信システム10dは、端末装置1c−iを備える構成について説明したが、これに限らず、端末装置1c−iに代えて、第1の実施形態における端末装置1−i又は第2の実施形態における端末装置1b−iを備える構成であってもよい。
【0159】
<第5の実施形態>
続いて、第5の実施形態について説明する。これまでの実施形態では、図2に示されるようなnon−contiguous DFT−S−OFDM信号を前提にDFTされた信号の一部をクリッピングする方式について示してきた。一方、本実施形態では、異なるシステム帯域を用いて同時に複数のDFT−S−OFDM信号を送信する場合について説明する。ここで、システム帯域は、コンポーネントキャリア又はバンドに相当する。
なお、本実施形態では、1つのDFT−S−OFDM信号には、contiguous、non−contiguousの双方を含めて考える。
【0160】
ここで、複数のDFT−S−OFDM信号を同時に送信する通信方式をNxDFT−S−OFDMと称する。特に、LTEでは、DFT−S−OFDM信号を1つのシステム帯域とみなし、複数のDFT−S−OFDM信号を異なるシステム帯域で同時に送信することを、キャリアアグリゲーションと称している。
【0161】
図12は、第5の実施形態における無線通信システム10eの構成を示す概略図である。第5の実施形態における無線通信システム10eの構成は、図1の第1の実施形態における無線通信システム10の端末装置1−1、…、1−Nが、端末装置1e−1、…、1e−Nに変更され、基地局装置2が基地局装置2eに変更されたものである。
本実施形態の基地局装置2eは、第1の実施形態における基地局装置2と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。本実施形態の基地局装置2eは、複数のシステム帯域において送信信号を送信することを、各端末装置1e−iに通知する。
本実施形態の端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iと同様の機能を有するが、以下の点で異なる。本実施形態の端末装置1e−iは、NxDFT−S−OFDM信号の送信と一つのDFT−S−OFDM信号の送信とを切り替える。
【0162】
図13は、第5の実施形態における端末装置1e−iの構成を示す概略ブロック図である。ここで、図2と同じ機能をもつブロックには同じ番号を付し、その説明を省略する。また、−(ハイフン)で示しているのは、同じ機能を持つブロックが複数あることを意味している。端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iに対して、送信装置116が送信装置116eに変更されたものになっている。より詳細には、端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iに対して、データ生成部150−2が追加され、無線部110が無線部110eに、RB選択部120がRB制御部(リソースブロック制御部)120eに変更されたものになっている。
【0163】
ここで、各データ生成部150−j(jは1又は2)は、符号部100−jと、変調部101−jと、S/P変換部102−jと、DFT部103−jと、サブキャリアマッピング部104−jと、信号除去部105−jと、IFFT部106−jと、P/S変換部107−jと、CP挿入部108−jと、D/A変換部109−jとを備える。
また、送信信号生成部130eは、サブキャリアマッピング部104−1と、サブキャリアマッピング部104−2と、信号除去部105−1と、信号除去部105−2とを備える。
【0164】
また、送信部140eは、サブキャリアマッピング部104−1、104−2と、信号除去部105−1、105−2と、IFFT部106−1、106−2と、P/S変換部107−1、107−2と、CP挿入部108−1、108−2と、D/A変換部109−1、109−2と、無線部110eと、送信アンテナ部111と、RB制御部120eとを備える。
【0165】
本実施形態では、説明を簡単にするために、一例として、同時に送信可能なDFT−S−OFDM信号の最大送信数を2としている。なお、端末装置1e−iは、同時に送信可能なDFT−S−OFDM信号の最大送信数は3以上にしてもよい。その場合には、端末装置1e−iは、最大送信数と同じ数だけデータ生成部を備えればよい。
【0166】
無線部110eは、D/A変換部109−1とD/A変換部109−2からそれぞれ入力されたDFT−S−OFDM信号を合成する。そして、無線部110eは、合成した後の合成信号を、無線周波数帯域信号にアップコンバートし、アップコンバート後の信号を送信アンテナ部111から送信する。
なお、本実施形態では、無線部110eがアナログ信号処理で、アナログ信号を合成した例を説明したが、これに限らず、D/A変換以前のデジタル処理可能な処理部(例えば、CP挿入部108−1)がDFT−S−OFDM信号を合成してもよい。
【0167】
RB制御部120eは、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにする。また、RB制御部120eは、サブキャリアマッピング部104−1、104−2および信号除去部105−1、105−2を制御する。ここで、その所定の値は、MPRに基づいて決定されている。
送信信号生成部130eは、RB制御部120eがクリッピングの対象としなかったシステム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0168】
<RB制御部120eの処理の詳細>
以下、RB制御部120eの処理の詳細について説明する。まず、前提として、NxDFT−S−OFDMは、離れた周波数にスペクトルが配置されるため、第2の実施形態で示した場合と同様、DFT−S−OFDMとNxDFT−S−OFDMで、必要となるMPRが異なる。例えば、DFT−S−OFDMのMPRを2dB、NxDFT−S−OFDMのMPRを5dBとする。その場合に、端末装置1e−iの最大送信電力を23dBmとし、送信電力制御を行った結果、端末装置1e−iが、送信電力23dBmでデータを送信しないといけない状況を例として、RB制御部120eの処理を説明する。
【0169】
<方式Eを用いる例>
この場合、上述のMPRが設定されるため、DFT−S−OFDM(以降方式Aとも称する)の送信では、送信電力が21dBmでの送信になる。一方、NxDFT−S−OFDM(以降方式Dとも称する)の送信では、送信電力が18dBmの送信になる。その場合、本来、23dBmで送信した場合に、受信装置で適切な受信電力になるので、前者では2dB、後者では5dBの特性劣化となる。
【0170】
NxDFT−S−OFDMにおいて、信号除去部105−1、105−2が、一方の信号を全てクリッピングする。以下、この方式を方式Eと称する。この前提において、クリッピングしたDFT−S−OFDM信号で送信されるデータは、送信できないことになるが、クリッピングしなかった方の信号は21dBmまで電力を使用できるため、端末装置1e−iは、特性劣化を防ぐことができる。
なお、回路構成上、信号除去部105−1又は信号除去部105−2が、信号を全てクリッピングする例を示したが、無線部110eが、一方の信号をオフしてもよい。
【0171】
RB制御部120eは、方式Dと方式Eの切り換えを、予め決められた送信電力を基準電力として行う。具体的には、例えば、RB制御部120eは、最大送信電力(例えば、23dBm)からNxDFT−S−OFDMのMPR(例えば、5dB)を減算した電力(例えば、18dBm)を基準電力と予め保持する。そして、RB制御部120eは、送信電力がその基準電力よりも大きい場合、方式Eに切り替える。一方、RB制御部120eは、送信電力がその基準電力以下の場合、方式Dに切り替える。
【0172】
これにより、RB制御部120eは、送信電力が基準電力よりも大きい場合、方式Eを選択する。そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1又は105−2を制御して、一方の信号を全てクリッピングするようにする。これにより、RB制御部120eは、送信電力を上げることにより、パケット誤り率を下げることができる。
一方、RB制御部120eは、は、送信電力が基準電力以下の場合、方式Dを選択する。そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1及び105−2を制御して、二つのDFT−S−OFDM信号を同時に送信するようにする。
【0173】
また、3以上のDFT−S−OFDM信号があるときは、RB制御部120eは、必要となる送信電力が低いDFT−S−OFDM信号を優先的にオフとする。さらに、複数のDFT−S−OFDM信号をオフする必要がある場合は、RB制御部120eは、必要となる送信電力が低いDFT−S−OFDM信号から順次オフすることで、同様に、パケット誤り率を下げることができる。
なお、RB制御部120eは、システムに必要となる制御情報が重畳されたDFT−S−OFDM信号以外を、クリップするように信号除去部105−1又は105−2をしてもよい。
【0174】
<方式Fを用いる例>
しかしながら、RB制御部120eがDFT−S−OFDMの全ての送信をクリップ(オフ)するようにすることは伝送レートの劣化につながる。そこで、RB制御部120eは、以下のような伝送レートの低下を伴わない方式Fを用いてもよい。
【0175】
方式Fにおいて、端末装置1e−1の各部は、方式Eの場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。
RB制御部120eは、他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局装置2eから指定されたサブキャリア数となるように、信号除去部105−1又は105−2にクリップさせる。
そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1又は105−2がクリップしたデータを、他のシステム帯域で送信するようにする。
【0176】
説明を簡単にするために、2つのDFT−S−OFDM信号を送信する際、そのうちの一つである第1のDFT−S−OFDM信号ではRBの数をN個、またもう一方の第2のDFT−S−OFDM信号ではRBの数をM個とする場合を例に説明する。
先の例と同様に、RB制御部120eは、第1のDFT−S−OFDM信号を全てクリップするようにするが、その分のデータを第2のDFT−S−OFDMに重畳する。
【0177】
図13において、ある符号化部(100−1又は100−2)が、他の符号部(100−1又は100−2)で符号化されたデータを自らが符号化したデータに重畳する場合、そのままでは、基地局装置2eから指定されたRB数が不足する。そこで、RB制御部120eは、その不足RB数だけデータを除去する(クリップする)。以下、この方式を方式Fとする。この例において、クリッピング率はN/(N+M)である。
このような処理をすることで、端末装置1e−iは、通信レートを劣化させることなく、MPRを抑えることができるので、端末装置1e−iの送信電力を高くすることができる。これにより、端末装置1e−iは、通信レートを劣化させることなく、パケット誤り率を下げることができる。
【0178】
なお、RBの数M、Nの小さい方をクリッピングする方が性能の劣化は少ないので、信号除去部105−1、105−2は、RBの数が少ない方のデータを除去する。具体的には、RB制御部120eは、それぞれのデータ生成部150−jに割り当てられたRBの数(例えば、M、N)に基づいて、いずれのデータ生成部150−jに入力された送信データを除去するか決定する。
【0179】
RB制御部120eは、データ生成部150−1に入力された送信データを除去すると決定した場合、その旨を符号部100−1に出力する。一方、RB制御部120eは、 データ生成部150−2に入力された送信データを除去すると決定した場合、その旨を符号部100−2に出力する。
【0180】
更に特性まで言及すると、RB制御部120eは、方式DのMPRに比べ、方式FのMPRとクリッピングによる性能の劣化量の合計が小さければ、方式Eを用いることで、通信レートを劣化させることなく、方式Dより高性能な通信を実現することができる。
【0181】
なお、上記の方式Fでは2つのDFT−S−OFDM信号で使用する変調方式・符号化率は同一であることを前提としているが、これらが異なる時は、そのクリッピング率は単純にN/(N+M)とはならず、RB制御部120eは、それらを考慮してクリッピング率を決定してもよい。
【0182】
また、RB制御部120eは、指定される変調方式・符号化率が異なる場合は、方式Eを使用しなくてもよい。
また、端末に要求される送信電力が端末の最大送信電力を超える場合、平均的に送信電力を減少させる方式(以下方式G)もある。送信部140eは、パケット毎に方式Fと方式Gで想定される誤り率を算出し、これらの方式から特性のよい方式を選択してもよい。
【0183】
<LTEにおけるキャリアアグリゲーションへの適用例>
上述したように、LTEではキャリアアグリゲーションというシステムを採用している。送信部140eは、このキャリアアグリゲーション可能なシステム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合は、次に示すような方式Gをとってもよい。
【0184】
方式Gにおいて、端末装置1e−1の各部は、方式Eの場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。
RB制御部120eは、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにする。ここで、送信に使用するシステム帯域の位置関係は、この使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かである。
そして、送信信号生成部130eは、リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかったシステム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0185】
図14は、システム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合に、送信部140eの処理を説明するための図である。
図14(a)は使用可能なシステム帯域が4つある場合を示している。同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。
【0186】
図14(b)は送信装置が連続する2つのシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合を示している。同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。また、DFT−OFDM信号S14−5はシステム帯域B14−2における信号であり、DFT−OFDM信号S14−6はシステム帯域B14−3における信号である。すなわち、DFT−OFDM信号S14−5とDFT−OFDM信号S14−6が連続するシステム帯域に割り当てられている。
【0187】
図14(c)が非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合を示している。同図において、同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。また、DFT−OFDM信号S14−7はシステム帯域B14−2における信号であり、DFT−OFDM信号S14−8はシステム帯域B14−4における信号である。すなわち、DFT−OFDM信号S14−7とDFT−OFDM信号S14−8が非連続なシステム帯域に割り当てられている。
【0188】
一般的に、図14(c)のように複数のDFT−S−OFDM信号が非連続なシステム帯域に割り当てられている場合、図14(b)のように複数のDFT−S−OFDM信号が連続するシステム帯域に割り当てられている場合よりも、考慮すべきMPRが大きい。
【0189】
このことに鑑みて、RB制御部120eは、送信に必要となる所要送信電力が所定の値を超え、連続するシステム帯域で送信する信号位置を指定された場合(第1の条件の場合)、方式Gに切り替える、一方、RB制御部120eは、送信に必要となる所要送信電力が所定の値を超え、非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信することを指定された場合(第2の条件の場合)、第1の条件の場合よりMPRが大きくなるので、方式Eあるいは方式Fに切り替える。
これにより、RB制御部120eは、帯域外輻射を抑えつつ方式を切り替えることができ、パケット誤り率を下げることができる。
【0190】
なお、使用するシステム帯域と送信信号の関係が、図14(c)のように端末装置1e−iが非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合、RB制御部120eは、所要送信電力に関係なく方式E又はFを用いてもよい。
また、送信するDFT−S−OFDM信号が三つ以上ある場合、RB制御部120eは、所要送信電力が確保できるまで、外側のシステム帯域に割り当てられたDFT−S−OFDM信号から順にクリップするようにしてもよい。これにより、RB制御部120eは、三つ以上のDFT−S−OFDM信号を送信する場合にも、帯域外輻射を抑えつつ、所要送信電力が確保できるのでDFT−S−OFDM信号をクリップするので、パケット誤り率を下げることができる。
【0191】
<効果>
本発明の各実施形態の端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、基地局装置(2、2cまたは2d)から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、non−contiguous DFT−S−OFDM方式とClipped DFT−S−OFDM方式とを切り替える。
具体的には、端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、基地局装置(2、2cまたは2d)から指定された全サブキャリア数に対するクラスタに含まれるサブキャリア数が最も少ないクラスタに含まれるサブキャリア数の比であるクリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて使用するサブキャリアを選択する。端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、選択したサブキャリアに割り当てられた信号を送信信号として、基地局装置2に送信する。
【0192】
これにより、端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、RB選択部120は、クリッピング率が予め決められた閾値よりも小さい場合、クリッピングによる特性劣化が許容される範囲でクリッピングを行い、送信に用いるクラスタの数を減らすので、帯域外輻射の影響を軽減することができる。
【0193】
また、第2の実施形態における端末装置1b−iは、基地局装置から指定された送信電力を取得し、基地局から指定されたRBに基づいて、クリッピング率を算出する。端末装置1b−iは、算出したクリッピング率と指定された送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量(MPR)とに基づいて、送信に使用するサブキャリアを選択する。これにより、端末装置1b−iは、クリッピング率が小さいときには、Clipped DFT−S−OFDM方式を選択することにより、non−contiguous DFT−S−OFDM方式よりも基地局装置2が端末装置1b−iから信号を受信するときの受信電力を大きくすることができるので、帯域外への輻射を抑制しつつ、パケット誤り率を下げることができる。
【0194】
また、第3の実施形態における端末装置1c−iは、基地局装置2cから指定される複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されているサブキャリアが含まれる場合、使用することが禁止されているサブキャリア以外のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
これにより、基地局装置2cは、使用することが禁止されているRBの周波数領域を、他の端末装置の使用帯域、基地局装置2cのサービスエリア内に設置されるリレー局の使用帯域、あるいは、いわゆるピコセルといったより周波数利用効率を高めるために配置される基地局装置2cの使用帯域に割り当てることが可能となる。その結果、基地局装置2cは、周波数帯域を有効に利用することができる。
【0195】
なお、各実施形態の各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタを全て抽出し、1つのクラスタだけでなく、抽出した全てのクラスタの信号を削除してもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。
【0196】
また、各実施形態の各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタが周波数軸上で両端に位置するクラスタの場合を想定する。その場合、各端末装置は、各端のいずれかのクラスタ以外のクラスタ群が占める周波数帯域のうち、周波数帯域がより狭くなる場合に、その周波数帯域から除外されている端のクラスタの信号を除去してもよい。
これにより、各端末装置は、一部の周波数の信号をクリップしても基地局で復号できる範囲で、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができるので、パケット誤り率を抑えつつ、帯域外輻射を抑制することができる。
【0197】
また、各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタが周波数軸上で両端に位置するクラスタの場合を想定する。その場合、各端末装置は、各端のクラスタと、そのクラスタと周波数軸上で最も近いクラスタとの間で使用されない周波数帯域のうち、より広い周波数帯域が得られた場合における端のクラスタの信号を除去してもよい。
これにより、各端末装置は、一部の周波数の信号をクリップしても基地局で復号できる範囲で、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができるので、パケット誤り率を抑えつつ、帯域外輻射を抑制することができる。
【0198】
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち、予め決められた数のクラスタになるまで、あるいは、送信にかかる周波数帯域が予め決められた周波数帯域以下になるまで、周波数帯域で外側となるクラスタから順にクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
その場合、各端末装置は、周波数帯域で外側となるクラスタのうち、含まれるRB数が少ない方のクラスタをクリップするようにしてもよい。これにより、含まれるRB数が多いクラスタの信号を基地局装置に送信する信号に残すことができるので、基地局装置におけるパケット誤り率を低くすることができる。
【0199】
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち予め決められた周波数以上または予め決められた周波数以下のクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち、周波数帯域で両端となるクラスタの信号のうちの一方のクラスタを、予め決められた単位時間が経過する毎に、交互にクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
【0200】
また、各実施形態の各端末装置は、クラスタの信号のうち、内側のクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。また、各実施形態の各端末装置は、RB占有率が最小となるクラスタの信号を削除したが、これに限らず、どのクラスタの信号を削除してもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。
【0201】
また、各実施形態において、基地局装置が、スケジューリングを行なう制御装置と、DFT−S−OFDM信号を受信する受信装置を備え、端末装置が、DFT−S−OFDM信号を送信する送信装置を備えるとして説明した。しかし、本発明は、これらの構成に限ったものではない。例えば、基地局装置が、制御装置と送信装置とを備え、端末装置が受信装置を備えてもよい。また、制御装置と、送信装置と、受信装置とが、別々の装置で実現されていてもよい。例えば、基地局装置が受信装置を備え、第2の基地局装置が制御装置を備え、端末装置が受信装置を備えてもよい。
【0202】
また、各実施形態において、端末装置がリソースブロックの周波数成分(周波数RB)毎に処理することと説明したが、これに限らず、サブキャリア毎に処理してもよい。すなわち、端末装置は、予め定められた単位周波数帯域毎に処理すればよい。
【0203】
また、各実施形態において、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれに含まれる周波数RBの数に基づいて、送信に使用する使用周波数リソースブロックを選択したが、これに限ったものではない。RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域幅に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域幅を選択すればよい。
【0204】
具体的には、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域幅を選択してもよい。より詳細には、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、使用周波数帯域を選択してもよい。
【0205】
その際、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域の合計に対するクラスタに含まれる周波数帯域の比である占有率をクラスタ毎に算出し、該算出したクラスタ毎の占有率に基づいて、上記クリッピング率を算出してもよい。
【0206】
また、第2または第3の実施形態において、RB選択部(120b、120c)は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、クラスタそれぞれの周波数帯域と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択してもよい。
【0207】
より詳細には、RB選択部(120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記クラスタそれぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択してもよい。
【0208】
また、本実施形態の端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)が備える各部をプロセッサとして実現することにより、端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
具体的には、例えば、プロセッサは、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、取得したマッピング情報に基づいて、複数の集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択してもよい。
【0209】
また、本実施形態の端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2cまたは2d)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0210】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0211】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0212】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0213】
1−1、…、1−N、1b−1、…、1b−N、1c−1、…、1c−N、1e−1、…、1e−N 端末装置
2、2c、2d、2e 基地局装置
10、10b、10c、10d、10e 無線通信システム
100、100−1、100−2 符号部
101、101−1、101−2 変調部
102、102−1、102−2 S/P(シリアル/パラレル)変換部
103、103−1、103−2 DFT部
104、104−1、104−2 サブキャリアマッピング部(信号配置部)
105、105c、105−1、105−2 信号除去部
106、106−1、106−2 IFFT部
107、107−1、107−2 P/S(パラレル/シリアル)変換部
108、108−1、108−2 CP(Cyclic Prefix)挿入部
109、109−1、109−2 D/A変換部
110、110−1、110−2 無線部
111 送信アンテナ部
112 受信アンテナ部
113 無線部
114 A/D変換部
115 受信部
116 送信装置
120、120b、120c RB選択部(集合選択部、取得部)
120e RB制御部(リソースブロック制御部)
130、130c、130e 送信信号生成部
140、140b、140c、140e 送信部
200 受信アンテナ部
201 無線部
202 A/D変換部
203 同期部
204 CP除去部
205 S/P変換部
206 FFT部
207 サブキャリアデマッピング部
209 キャンセル部
210 等化部
211 復調・誤り訂正復号部
213 判定部
214 伝搬路推定部
216 伝搬路乗算部
217 DFT部
218 レプリカ生成部
219 スケジューリング部
220 送信部
221 D/A変換部
222 無線部
223 送信アンテナ
230 受信装置
240 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、プロセッサ、送信方法および送信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデータ通信量の増加に伴い、より高い周波数利用効率を有する移動体通信システムの必要性が高まっており、全てのセルで同じ周波数帯域を使用する1セルリユース・セルラシステムに関する様々な検討が進められている。1セルリユース・セルラシステムの1つとして、3GPP(3rd Generation Partnership Project;第三世代パートナシッププロジェクト)を中心に標準化が進められているE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access;高機能無線アクセス方式におけるエアインタフェース)システムでは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多重)方式が、ダウンリンクの伝送方式の候補として検討されている。
【0003】
また、non−contiguous/contiguous DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread OFDM;周波数の非連続使用(non−contiguous)と周波数の連続使用(contiguous)をサポートする離散フーリエ変換拡散OFDM)方式がアップリンクの伝送方式の有力な候補として検討されている。
【0004】
ダウンリンクの候補であるOFDMA方式は、マルチパスフェージングに対する耐性に優れたOFDM信号を用いて、時間及び周波数で分割されたリソースブロック単位でユーザがアクセスする方式である。しかし、OFDMA方式は、高いPAPR(Peak−to−Average Power Ratio;最大出力電力と平均出力電力との比)特性を有するため、送信電力制限の厳しいアップリンクの伝送方式としては適していない。
【0005】
一方、contiguous DFT−S−OFDM方式は、DFTで拡散した信号を、連続した周波数に配置することでOFDM等のマルチキャリア方式に対してPAPR特性を良好に保つことができ、広いカバレッジを確保できる。また、non−contiguous DFT−S−OFDM方式は、DFTで拡散した信号を、非連続な周波数に配置することで、柔軟に周波数を使用しながら、ある程度のPAPR特性の劣化を抑えることができる。
【0006】
また、non−contiguous/contiguous DFT−S−OFDMにおいて、non−contiguousとcontiguousの切り替えは、送信電力に基づいて行われることが検討されている(例えば、特許文献1参照、以下ハイブリッド方式と称する)。このハイブリッド方式を用いれば、contiguous DFT−S−OFDMのみを用いる方式のセルカバレッジを維持しながら、セル中央の端末に対するスループット改善できるため、セル全体のスループットを向上できる。
【0007】
一方、contiguous DFT−S−OFDM方式の周波数スペクトルの一部を送信しない伝送方式(以下 Clipped DFT−S−OFDMと称する)も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第WO2008/081876号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
non−contiguous DFT−S−OFDM方式を用いた場合、不連続の周波数リソースを使用する為、アンプによる高調波歪が発生し、帯域外に信号が漏れこむということが指摘されている。以後、この現象を帯域外輻射と称す。この帯域外輻射の対策として、不連続のRBを使用する際は、contiguous DFT−S−OFDMで許容される最大送信電力より最大送信電力を下げることが検討されている。以後、最大送信電力の低減量をMPR(Maximum Power Reduction)と称する。
この端末装置が最大送信電力を下げる処理を行うことにより、電力効率を下げて通信を行うこととなり、場合によってはスループットの低下を誘引するという問題がある。更に、MPRを考慮しない場合は、不連続の周波数リソースの配置は、自身のシステム帯域内の他の端末装置にも影響を与えるという問題がある。
【0010】
一方、Clipped DFT−S−OFDMも研究が盛んにはなってきているが、通常のDFT−S−OFDMと比較した場合、特性の劣化は避けられず、その使用方法について有効な提案はされていない。
【0011】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、セルスループットを改善することを可能とする送信装置、プロセッサ、送信方法および送信プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置であって、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得部と、前記取得部が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信部と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0013】
(2)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記マッピング情報に基づいて、前記取得部が取得したマッピング情報が示す集合のうち、前記不使用集合を選択する集合選択部を備えることを特徴とする。
【0014】
(3)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記取得部が取得したマッピング情報が示す周波数帯域に信号を配置する信号配置部と、前記信号配置部が信号を配置した後の信号のうち、前記集合選択部が選択した不使用集合が示す周波数帯域に配置された信号を除去する信号除去部と、を備え、前記信号除去部が除去した信号を用いて前記データを送信することを特徴とする。
【0015】
(4)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計と、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0016】
(5)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合選択部は、前記算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、前記集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を前記使用周波数帯域として選択することを特徴とする。
【0017】
(6)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記閾値は、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、集合間の周波数軸上の距離、またはシステムバンドのうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせに基づいて、設定されていることを特徴とする。
【0018】
(7)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計に対する集合に含まれる周波数帯域の比である占有率を集合毎に算出し、該算出した集合毎の占有率に基づいて、前記クリッピング率を算出することを特徴する。
【0019】
(8)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記集合選択部は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、前記集合それぞれの周波数帯域と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0020】
(9)本発明の一態様は、上記の記載の送信装置において、前記集合選択部は、前記集合それぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記集合それぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする。
【0021】
(10)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記信号配置部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする。
【0022】
(11)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、前記使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信することを特徴とする。
【0023】
(12)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
(13)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としたシステム帯域で送信するデータを、他のシステム帯域で送信することを特徴とする。
【0025】
(14)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信信号生成部は、前記他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局から指定されたサブキャリア数となるように、クリッピングを行うことを特徴とする。
【0026】
(15)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記所定の値は、MPRに基づいて決定されていることを特徴とする。
【0027】
(16)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信部は、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0028】
(17)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信に使用するシステム帯域の位置関係は、前記使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かであることを特徴とする。
【0029】
(18)本発明の一態様は、上記の送信装置において、前記送信信号生成部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする。
【0030】
(19)本発明の一態様は、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、該取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択する集合選択部を備えることを特徴とするプロセッサである。
【0031】
(20)本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置が実行する送信方法であって、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得手順と、前記取得手順が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信手順と、を有することを特徴とする送信方法である。
【0032】
(21)本発明の一態様は、基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置のコンピュータに、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、前記使用集合以外の不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信ステップと、を実行させるための送信プログラムである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、セルスループットを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】第1の実施形態のRB選択部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図4】第2の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図5】第2の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】第2の実施形態の制御部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図7】第3の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図8】第3の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】第3の実施形態のRB選択部の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【図10】第4の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図11】第4の実施形態における基地局装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図12】第5の実施形態における無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図13】第5の実施形態における端末装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】システム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合に、送信部の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。
【0036】
各実施形態では、周波数方向の単位領域である単位周波数帯域の一例として、複数のサブキャリアから成るリソースブロックの周波数成分(以下、周波数RBとも称する)を用いて説明する。ここで、リソースブロックは、周波数成分および時間成分から構成される二次元的な無線リソースである。なお、単位周波数帯域は、サブキャリアであってもよい。また、クラスタは、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が、周波数軸上で連続している単位周波数帯域の集合である。本実施形態では、基地局装置から、送信に使用可能な周波数帯域として、リソースブロックの周波数成分が周波数軸上で分割した周波数帯域が指定されるので、クラスタは、周波数RBが周波数軸上で連続している周波数RBの集合である。また、周波数RB及びサブキャリアは、帯域幅を表す。
【0037】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における無線通信システム10の構成を示す概略図である。本実施形態における無線通信システム10は、基地局装置2と、端末装置1−1、…、1―N(Nは正の整数)からなるN個の端末装置1−i(iは1からNまでの整数)とを備える。
各端末装置1−iから基地局装置2への伝送(以下、アップリンクとも称する)は、DFT−S−OFDM方式であるが、その他の方式であってもよい。基地局装置2から各端末装置1−iへの伝送(以下、ダウンリンクとも称する)は、OFDMA方式であるが、その他の方式であってもよい。
【0038】
基地局装置2は、クラスタ毎の周波数RBの数(以下、周波数RB数とも称する)、RB位置およびクラスタ数を端末装置1−i毎に決定する。そして、基地局装置2は、端末装置1−i毎に決定した周波数RB数、RB位置およびクラスタ数を含むRB情報(マッピング情報)Rを、対応する端末装置1−iへ無線送信する。以下では、i台の端末装置1−iは同じ構成を有するものとして説明を行うが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
基地局装置2は、各端末装置1−iから伝送された送信データを受信し、受信した送信データを復号する。ここで、各端末装置1−iが送信データの一部を消去し、一部が消去された送信データを伝送したとしても、基地局装置2は、公知の復号技術を用いることにより元の送信データを復号することができる。
なお、クラスタ数が2の場合、クラスタ数は、クラスタを分けるか否かの情報であってもよい。
【0039】
各端末装置1−iは、基地局装置2から無線送信された送信信号を受信する。また、各端末装置1−iは、信号を基地局装置2へ無線送信する。
【0040】
各端末装置1−iは、例えば、基地局装置2に対してRB(リソースブロック)単位でアクセスする。各RBは、4サブキャリアで構成され、総RB数は16である。RBを構成するサブキャリア数は一例であり、その他の値でもよいし、総RB数にも特に限定があるわけでもない。本無線通信システム10では端末装置1−iから基地局装置2への送信であるアップリンクを対象として説明するが、ダウンリンクにも適用可能であるし、変調方式もDFT−S−OFDMに限定するものではない。
なお、基地局装置2が各端末装置1−iから送信された信号を、後述するターボ等化を用いて復号した場合、各端末装置1−iが、DFT−S−OFDMを使用することが好ましい。
【0041】
図2は、第1の実施形態における端末装置1−iの構成を示す概略ブロック図である。端末装置1−iは、受信アンテナ部112と、無線部113と、A/D変換部114と、受信部115と、送信装置116とを備える。送信装置116は、符号部100と、変調部101と、S/P(シリアル/パラレル)変換部102と、DFT部103と、送信部140とを備える。送信部140は、RB選択部(集合選択部、取得部)120と、送信信号生成部130と、IFFT部106と、P/S(パラレル/シリアル)変換部107と、CP(Cyclic Prefix)挿入部108と、D/A変換部109と、無線部110と、送信アンテナ部111とを備える。送信信号生成部130は、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104と、信号除去部105とを備える。
【0042】
符号部100は、送信データTD1が入力され、入力された送信データTD1の誤り訂正符号化を行う。そして、符号部100は、誤り訂正符号化後の送信データを変調部101へ出力する。
変調部101は、符号部100から入力された送信データを変調し、変調後の送信信号をS/P変換部102へ出力する。
【0043】
S/P変換部102は、変調部101から入力された送信信号をシリアル信号からパラレル信号に変換し、変換後のパラレル信号をDFT部103へ出力する。具体的には、S/P変換部102は、送信に使用するRB数(以降TRB)に、リソースブロックを構成するサブキャリア数(ここでは、一例として4)を乗じたサブキャリア数のパラレル信号へ変換する。
【0044】
DFT部103は、S/P変換部102から入力されたパラレル信号を離散フーリエ変換することで、周波数領域の信号へ変換する。これにより、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104が配置の対象とする信号は、送信データTD1に対し時間周波数変換が施された信号となる。DFT部103は、変換後の周波数領域の信号を送信信号生成部130のサブキャリアマッピング部104へ出力する。
【0045】
受信アンテナ部112は基地局装置2から送信された送信信号を受信し、受信した送信信号を無線部113に出力する。無線部113は、受信アンテナ部112から入力された送信信号をベースバンド帯域に変換し、変換後の信号をA/D変換部114へ出力する。A/D変換部114は、無線部113から入力された信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を受信部115へ出力する。
【0046】
受信部115は、A/D変換部114から入力されたデジタル信号に対して、受信処理を行う。例えば、受信部115は、RB情報Rを抽出し、抽出したRB情報RをRB選択部120へ出力する。
【0047】
RB選択部120は、受信部115から入力されたRB情報Rに含まれるリソースブロックの位置からクラスタ数を判定し、クラスタ数が複数の場合、RB情報Rに含まれるクラスタ毎のRB数に基づいて、複数のクラスタのうち一部のクラスタに含まれるRBをクリップするか否かを決定する。ここで、クリップするとは、消去することを意味する。すなわち、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数RBの構成に基づいて、複数の周波数RBの全部を使用するか否か決定する。なお、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、複数の周波数RBの全部を使用するか否か決定する。
そして、RB選択部120は、クリップすると決定した場合、RB情報Rが示すクラスタ毎のRB数に基づいて、クリップする対象となるクリップ対象クラスタを決定する。
すなわち、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれる単位周波数帯域の合計とクラスタそれぞれに含まれる周波数RBの数とに基づいて、送信に使用するリソースブロックの周波数成分である使用周波数リソースブロックを選択する。
【0048】
RB選択部120は、決定したクリップ対象クラスタを示すクリッピング情報Cを送信信号生成部130の信号除去部105へ出力する。
また、RB選択部120は、受信部115から入力されたRB情報Rが示すRB位置に基づいて、DFT103から入力された周波数領域の信号をどのRBに割り当てるかを示すマッピング情報を生成する。そして、RB選択部120は、マッピング情報を送信信号生成部130のサブキャリアマッピング部104へ出力する。
【0049】
サブキャリアマッピング部104は、RB選択部120から入力されたマッピング情報に基づいて、DFT部103から入力された周波数領域の信号を、それぞれのサブキャリアにマッピングする。サブキャリアマッピング部104は、マッピング後の信号を信号除去部105へ出力する。
【0050】
信号除去部105は、サブキャリアマッピング部104から入力された信号のうち、RB選択部120から入力されたクリッピング情報Cが示すクラスタの信号をクリップする。信号除去部105は、除去後の信号を送信信号として、IFFT部106へ出力する。
【0051】
送信信号生成部130は、DFT部103から入力された変換後の周波数領域の信号と、RB選択部120から入力されたマッピング情報およびクリッピング情報Cとを用いて、基地局装置2から指定された複数の周波数リソースブロックの一部の周波数リソースブロックに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0052】
換言すれば、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された複数の周波数リソースブロックの全部を使用するか否かについてのRB選択部120の決定に基づいて、送信信号を生成する。より詳細には、送信信号生成部130は、RB選択部120が選択した周波数リソースブロックに対し信号を配置した送信信号を生成する。
すなわち、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された周波数リソースブロックの構成に基づいて、該指定された周波数リソースブロックの一部を使用することと、該指定された周波数リソースブロックの全部を使用することとを切り換える。
【0053】
IFFT部106は、サブキャリアマッピング部104から入力された送信信号を逆高速フーリエ変換することで、周波数領域の送信信号から時間領域の送信信号へ変換する。IFFT部106は、変換した時間領域の送信信号をP/S変換部107へ出力する。
P/S変換部107は、IFFT部106から入力された時間領域の送信信号をパラレル信号からシリアル信号に変換し、変換後のシリアル信号をCP挿入部108に出力する。
【0054】
CP挿入部108は、P/S変換部107から入力されたシリアル信号にCP(IFFT後のシンボル後方をコピーした信号)を挿入し、CP挿入後の信号をD/A変換部109へ出力する。
D/A変換部109は、CP挿入部108から入力された信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、変換後のアナログ信号を無線部110へ出力する。
無線部110は、D/A変換部109から入力されたアナログ信号を無線周波数帯域信号にアップコンバートし、アップコンバート後の信号を送信アンテナ部111から送信する。
【0055】
なお、本発明においてクリッピングを行う構成は図2のものに限らず、信号除去部105の機能をサブキャリアマッピング部104等で実現してもよい。
また、信号除去部105とサブキャリアマッピング部104との順番を入れ替えてもよい。その場合、信号除去部105が、DFT部103から入力された周波数領域の信号の一部の信号を除去する。
【0056】
そして、サブキャリアマッピング部104が信号除去部105による除去により得られた信号を、RB選択部120から入力されたマッピング情報が示すサブキャリアに配置するようにしてもよい。ここで、RB選択部120には、マッピング情報とクリッピング情報Cとが予め決められた関係で関連付けられて記憶されている。これにより、RB選択部120は、基地局装置2から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、複数のサブキャリアの全部を使用するか否か決定するといえる。
この場合、送信信号生成部130は、基地局装置2から指定された複数のサブキャリアのうち一部のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成することができる。
【0057】
<RB選択部120の処理の詳細>
続いて、RB選択部120の処理の詳細について、一例を用いて説明する。この一例では、基地局装置2から指定されるRB情報Rは全て連続するRBであるか、二つの連続するRBであるかのいずれかであることを仮定する。以降、この連続するRBのかたまりをクラスタと称する。ここで、複数のRBからなる「クラスタ」を複数のRBからなる「バンドル」ということがある。即ち、本例では、クラスタが1つであるか、2つであるかということになる。以後、クラスタが1つの場合をシングルクラスタと称し、クラスタが2つの場合をダブルクラスタと称する。
【0058】
ダブルクラスタの場合、同一のRB数を使用するシングルクラスタの場合に比べて、周波数帯域が広がる。これにより、無線部110が有するアンプがその信号を高出力領域で増幅した場合、非線形性が加わるので、増幅された信号に歪みが生じ、その信号の影響が特に帯域外に現われる。更に、ダブルクラスタのクラスタ間の周波数軸上の距離が大きくなるほど、歪による影響がシステム帯域より離れた領域に現われるため、帯域外に存する他のシステムへの影響が顕著になる。
また、ダブルクラスタのうち一方のクラスタの信号を除去した場合、特にDFT−S−OFDM信号を使用した場合は、シングルクラスタに比べてPAPR(Peak to Average Power Ration)特性が劣化するため、帯域内及び帯域外へ影響を与えるが、帯域外への影響は信号を除去する前のダブルクラスタの場合よりは小さい。
【0059】
本実施形態では、RB選択部120は、例えば、次に示す処理で、クリッピング情報Cを決定する。まず、RB選択部120は、基地局装置2から通知されるRB情報Rからシングルクラスタかダブルクラスタかを判断する。RB選択部120は、シングルクラスタの場合は、クリッピングは行わないと判定する。RB選択部120は、ダブルクラスタの場合、RB占有率RO1とRB占有率RO2を以下の式に従って算出する。ここで、RB占有率RO1またはRO2とは、それぞれ基地局装置2から指定された全RB数に占めるクラスタ1またはクラスタ2のRB数である。
【0060】
RO1=NRB1/(NRB1+NRB2) …(1)
RO2=NRB2/(NRB1+NRB2) …(2)
【0061】
ここで、NRB1、NRB2はそれぞれクラスタ1とクラスタ2に配置されるRB数である。そして、RB選択部120は、RB占有率の最小値であるクリッピング率CRを以下の式に従って算出する。
【0062】
CR=Min{RO1、RO2} …(3)
【0063】
ここで、Min{a,b}は、aとbのうち、小さい方を選択する関数である。
RB選択部120は、クリッピング率CRが予め決められたクリッピング閾値より小さい場合、使用する周波数RB数の少ないクラスタの周波数RBに割り当てられた信号を消去すると判定し、消去する周波数RB以外の周波数RBを使用周波数リソースブロックとして選択する。一方、RB選択部120は、クリッピング率CRが予め決められたクリッピング閾値以上の場合は、使用する周波数RB数の少ないクラスタの周波数RBに割り当てられた信号を消去しないと判定し、全ての周波数RBを使用周波数リソースブロックとして選択する。
【0064】
すなわち、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数に基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。具体的には、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数の合計と、クラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの数とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。具体的には、例えば、RB選択部120は、算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を使用周波数帯域として選択する。
以上により、RB選択部120は、クラスタそれぞれに含まれる単位周波数帯域の数に基づいて、送信に使用する周波数帯域である使用周波数帯域を選択する。
【0065】
RB選択部120の上述のように制御は、クリッピングによる特性劣化と、ダブルクラスタによる帯域外輻射の影響のトレードオフを考慮したものである。RB選択部120は、クリッピング率CRが小さい時は、クリッピングによる特性劣化が許容される範囲でクリッピングを行い、送信に用いるクラスタをダブルクラスタからシングルクラスタに減らすので、帯域外輻射の影響を軽減することができる。
【0066】
またクリッピング閾値については、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、クラスタ間の周波数軸上の距離、またはシステムバンド(システムバンドは具体的にはシステムを運用する周波数帯域のことで、800MHz帯、5GHz帯であるということを意味する)のうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせによって設定されていることで、より適切にダブルクラスタ時のクリッピングを制御できる。以下に示すテーブルは変調方式に基づいてクリッピング閾値が設定された例である。
【0067】
【表1】
【0068】
ここで、BPSKは、Binary Phase Shift Keying (二位相偏移変調)で、QPSK はQuadrature Phase−Shift Keying(四位相偏移変調)で、16QAMは16 Quadrature Amplitude Modulationである。また、それぞれのクリッピング閾値の関係は、X1>X2>X3である。
【0069】
このように閾値を設定するのは、多値数が多くなるほど、クリッピングによる特性劣化の影響が大きくなるからである。すなわち、多値数が多くなるほど、クリッピング閾値が低い設定されるようにしてもよい。これにより、多値数が多くなるほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる特性劣化の影響を軽減することができる。
【0070】
符号化率または送信レートに基づいて、クリッピング閾値を設定する場合は同様な傾向でテーブルを設定してもよい。符号化率については、符号化率が高いほど誤り訂正能力が低いので、クリップするRB数を減らさないと、受信装置である基地局装置2は復号することができなくなる。このことから、符号化率が高いほど、クリッピング閾値が低く設定されるようにしてもよい。これにより、符号化率が高いほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる誤り訂正能力の劣化の影響を軽減することができる。
【0071】
送信レートについては、送信レートが高いほど受信エラー率(フレームエラーレート、ブロックエラーレート、ビットエラーレートなどの受信データにエラーが含まれる割合を示す指標)が高いので、クリップするRB数を減らさないと、受信装置である基地局装置2は復号することができなくなる。このことから、送信レートが高いほど、クリッピング閾値が低く設定されるようにしてもよい。これにより、送信レートが高いほど、全RB数に対するクリップされるRB数の割合が少なくなるので、クリッピングによる誤り受信エラー率の上昇を軽減することができる。
【0072】
システム帯域幅でクリッピング閾値を設定するメリットは、システム帯域幅が狭いほど、ダブルクラスタの際の、クラスタ間の周波数軸上の距離が長くならないことに基づいている。というのは、クラスタ間の周波数軸上の距離が長いほど、歪による影響がシステム帯域より離れた領域に現われるため、帯域外に存する他のシステムへの影響が顕著になるからである。
したがって、システム帯域幅が狭いほど、クリッピング閾値が高く設定されてもよい。これにより、システム帯域幅が狭い場合には、帯域外に存する他のシステムへの影響を軽減することができる。
【0073】
なお、同様の原理で、クラスタ間の周波数軸上の距離が短いほど、クリッピング閾値が高く設定されてもよい。これにより、クラスタ間の周波数軸上の距離が短い場合には、帯域外に存する他のシステムへの影響を軽減することができる。
【0074】
システムバンド毎にクリッピング閾値を設定するメリットは、システムバンド毎に当該システムに隣接する他のシステムにおける干渉への耐性が異なることに基づいている。したがって、隣接する他のシステムにおける干渉への耐性が弱い場合は、閾値が高く設定されることにより、できるだけダブルクラスタを使用しないようにすることができる。これにより、隣接する他のシステムへの帯域外輻射を軽減することができる。
【0075】
クラスタ数がM個(Mは正の整数)の場合、RB選択部120は、クラスタj(jは1からMまでの整数)のRB占有率ROjを、以下の式(4)に従って算出する。
【0076】
【数1】
【0077】
ここで、NRBjはj番目のクラスタに配置されるRB数である。そして、RB選択部120は、RB占有率の最小値であるクリッピング率CRを以下の式(5)に従って算出する。ここで、クリッピング率は、基地局装置2から指定された全サブキャリア数に対するクラスタを構成するサブキャリア数が最も少ないクラスタに属するサブキャリア数の比を意味する。
【0078】
CR=Min{RO1、…、ROM} …(5)
【0079】
なお、RB選択部120は、補正値を用いて、RB占有率として補正した値を用いてもよい。具体的には、例えば、ダブルクラスタの場合、RB選択部120は、補正値X、Yを用いて、クラスタ1のRB占有率をRO1+X、クラスタ1のRB占有率をRO2+Xとしてもよい。ここで、補正値Xと補正値Yは、それぞれのクラスタの周波数の大小関係に基づいて定まっていてもよい。
【0080】
また、RB占有率ROが、複数のRB占有クラスに分けられており、RB選択部120は、そのRB占有クラスに基づいて、クリッピング率を算出してもよい。具体的には、例えば、RB占有クラスとして、RB占有率ROがa以上b未満(a、bは0から1までの数で例えば、aが0でbが0.3)のクラスAと、b以上c未満(cは0から1までの数で、例えば、cが0.5)のクラスBとが存在するケースを前提とする。基地局装置2は、RB占有クラスとRB占有率ROとが関連付けて記憶されている。
【0081】
ダブルクラスタの場合に、基地局装置2からクラスタ毎のRB占有クラスが通知された場合、RB選択部120は、RB占有クラスに基づいて、クリッピング率を算出してもよい。具体的には、上記の場合で、クラスタ1のRB占有クラスがクラスAで、クラスタBのRB占有クラスがクラスBの場合、クラスAのRB占有率ROをクリッピング率CRとして算出する。
これにより、RB選択部120は、各クラスタのRB占有率を算出する必要がないので、クリッピング率CRの算出にかかる処理を低減することができる。
【0082】
図3は、第1の実施形態のRB選択部120の動作、並びに、送信信号について説明するための図である。同図において四角形の枠はRBを示しており、斜線で示しているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は8であり、ダブルクラスタの場合のみを示している。
【0083】
図3の(a)は、基地局装置2によって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図3の(a)の上段において、クラスタC31にRBが4個指定され、クラスタC32にRBが2個指定されていることが示されている。また、図3の(a)の下段において、クラスタC33にRBが5個指定され、クラスタC34にRBが1個指定されていることが示されている。
【0084】
図3の(b)は、実際に送信するスペクトル(サブキャリア)の周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図3の(b)の上図では、基地局装置2で指定された全てのクラスタ(C31及びC32)のRBに割り当てられた信号が示されている。
図3の(b)の下図はクラスタC34に含まれるRBをクリッピングした残りのクラスタC33に含まれるRBに割り当てられた信号が示されている。なお、クリッピングされたRBのサブキャリアについては、白抜きで示されている。
【0085】
図3において、クリッピングの可否を判定するための予め決められた閾値は0.2である。図3の上図では、クラスタC31のRB数NRB1が4でクラスタC32のRB数NRB2が2であるので、クリッピング率CRが0.33・・・となる。この場合、クリッピング率CRは0.2以上の値のため、RB選択部120はクリッピングを行わない。
【0086】
図3の下図では、クラスタC33のRB数NRB1が5でクラスタC34のRB数NRB2が1であるので、クリッピング率CRが0.166・・・となる。この場合、クリッピング率CRが0.2未満の値のため、図中に位置するクラスタ(含まれるRB数が少ないクラスタ)をクリップする。
RB選択部120がこのように制御することで、簡単にnon−contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDMを切り換えることが可能となり、帯域外輻射等の悪影響を抑えながら効率的な通信ができる。
【0087】
なお、本実施形態では、クリッピングを行うクラスタを設定する際、上述の式と予め決められた閾値により決定する場合を示したが、本発明はその実施形態に限定されるものではない。クラスタがN個の時は、RB選択部120は、比較する上述のRB占有率をN個にすることによりクリップするクラスタを決定することができる。
この場合、RB選択部120は、予め決められたクリッピング閾値より小さいRB占有率を示すクラスタの全部をクリッピングしてもよいし、RB占有率が最も小さいクラスタのみをクリッピングしてもよい。
【0088】
更にRBが分割されて配置される分割配置のとき、RB選択部120は、クラスタに含まれるRB数が予め決められたRB閾値(例えば、2)より小さいクラスタ(例えばクラスタに含まれるRB数が1のとき)を、必ずクリッピングしてもよい。
【0089】
更にMIMO送信を行う場合は、アンテナ毎(アンテナポート毎:アンテナポートとは、1以上のアンテナで構成され、同一のアンテナと物理的にみなせる構成を指す)に、RB選択部120は、個別に設定されたクリッピング設定に基づいてクラスタをクリッピングしてもよいし、同一のクリッピング設定に基づいてクラスタをクリッピングしてもよい。
MIMO送信については以下に示す実施形態でも、同様の対応が可能である。
【0090】
以上、第1の実施形態の端末装置1−iにおいて、RB選択部120は、基地局装置2から指定されたクラスタ数が複数の場合、基地局装置2から指定された全サブキャリア数に対するクラスタを構成するサブキャリア数が最も少ないクラスタに属するサブキャリア数の比であるクリッピング率を算出する。そして、RB選択部120は、算出したクリッピング率が予め決められた閾値よりも小さい場合、サブキャリア数の最も少ないクラスタに属するサブキャリアをクリップする指令を示すクリッピング情報Cを生成する。
【0091】
信号除去部105は、クリッピング情報Cに基づいて、サブキャリアマッピング部104から入力されたマッピング後の信号から、クリッピング情報Cが示すサブキャリアの信号を除去した送信信号を生成する。
これにより、信号除去部105は、ダブルクラスタの一方をクリップすることにより、クリッピングしない場合よりも帯域外輻射を小さくすることができる。
【0092】
なお、RB選択部120は、ダブルクラスタの周波数位置に応じて、クラスタのサブキャリアに配置した信号をクリップするか否か決定してもよい。具体的には、例えば、RB選択部120は、ダブルクラスタの間の周波数帯域が、予め決められた周波数閾値より大きい場合、クラスタをクリップすると決定してもよい。一般的にダブルクラスタの周波数位置が離れるほど帯域外への影響が大きくなるが、端末装置1−iはダブルクラスタの周波数位置が離れた場合、いずれかのクラスタのサブキャリアに配置した信号をクリップできるので、帯域外輻射を低減することができる。
【0093】
また、本実施形態において、RB選択部120は、RB占有率に基づいて、送信に使用する周波数RBを選択したが、これに限ったものではない。RB選択部120は、基地局装置から指定された全サブキャリア数に対するクラスタに含まれるサブキャリア数の比に基づいて、送信に使用する使用サブキャリアを選択してもよい。すなわち、単位周波数帯域として、周波数RBでもサブキャリアでもよく、RB選択部120は、単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、複数のクラスタから送信に使用するクラスタを選択すればよい。
【0094】
以上、まとめると、取得部としてのRB選択部120は、前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合(クラスタ)が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する。そして、サブキャリアマッピング部(信号配置部)104は、取得部としてのRB選択部120が取得したマッピング情報が示す集合に信号を配置する。また、集合選択部としてのRB選択部120は、マッピング情報に基づいて、取得したマッピング情報が示す集合のうち、送信に使用しない不使用集合を選択する。次に、信号除去部105は、信号配置部がデータを配置した後の信号のうち、集合選択部としてのRB選択部120が選択した不使用集合が示す周波数帯域に割り当てられた信号を除去する。
【0095】
これにより、送信部140は、信号除去部105が除去した信号を用いてデータを基地局へ送信する。すなわち、送信部140は、取得部としてのRB選択部120が取得したマッピング情報が示す複数の集合のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信し、使用集合以外の集合であって送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いてデータを送信しない。
【0096】
これにより、端末装置信号1−iは、複数のクラスタのうちから送信に使用しないクラスタに割り当てられた信号を除去し、除去した後の信号を基地局装置へ送信することで、送信帯域外への輻射を小さくすることができるので、全クラスタを送信に使用した場合よりも帯域外輻射を小さくすることができる。
【0097】
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態における無線通信システム10bの構成を示す概略図である。第2の実施形態における無線通信システム10bの構成は、図1の第1の実施形態における無線通信システム10の各端末装置1−iがそれぞれ端末装置1b−iに変更されたものである。第2の実施形態における無線通信システム10bの構成は、第1の実施形態における無線通信システム10の構成と同様の構成であるので、その説明を省略する。
【0098】
図5は、第2の実施形態における端末装置1b−iの構成を示す概略ブロック図である。ここで、本実施形態に係る端末装置1b−i(図5)は、第1の実施形態に係る端末装置1−i(図2)に対し、送信部140が送信部140bに変更されたものになっている。具体的には、送信部140のRB選択部120が送信部140bのRB選択部(周波数帯域選択部)120bに変更されたものになっている。なお、第1の実施形態の端末装置1−i(図2)と同じ機能を有する機能部には、同一の符合を付し、その説明を省略する。
【0099】
本実施形態のRB選択部120bは、第1の実施形態のRB選択部120と同様の機能を有するが、更に以下の機能が追加されている。
RB選択部120bは、最大送信電力が制限される環境下で、クリッピング率に応じて、non−contiguous DFT−S−OFDM(以後、方式Bとも称する)とClipped DFT−S−OFDM(以後、方式Cとも称する)を適宜切り換える。
【0100】
<RB選択部120bの処理の詳細>
以下、RB選択部120bの処理の詳細について説明する。
一般の無線通信システムでは、電波の人体への影響を考慮して、その最大送信電力が制限される場合がある。また、送信装置に内蔵されるハイパワーアンプは入力電力の高い動作点で線形動作を補償することができず、特に端末装置から基地局装置2へのアップリンクでは、非線形動作に強い信号を使用することが望まれる。
【0101】
例えば、contiguous DFT−S−OFDMは、非線形性に強い信号である。ここで、ハイパワーアンプにおける線形性を簡単に説明すると、入力電力に対し、一定の割合で増幅できる能力であり、非線形性を有する場合、低い入力電力に対し、高い入力電力での増幅率が下がってしまう。このことをサチュレーションということもある。
【0102】
RB選択部120bは、non−contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDMを切り換えるための指標として、最大送信電力をcontiguous DFT−S−OFDMで許容される最大送信電力より下げるときの削減電力MPR(Maximum Power Reduction)という値を用いる。RB選択部120bは、最大送信電力の低減により、帯域外輻射の影響を抑えることができる。
【0103】
このMPRは基本的には先に述べたように送信装置のハイパワーアンプに依存して決定するのがよいが、説明を簡単にするために、contiguous DFT−S−OFDMの場合は2dB、non−contiguous DFT−S−OFDMの場合は7dBに設定されるとして以下の説明を行う。
【0104】
ここで、端末装置1b−iの最大送信電力を23dBmとし、送信電力制御を行った結果、23dBmで送信しないといけない状況を例としてRB選択部120bの処理を説明する。
この場合、上述のMPRが設定されるため、contiguous DFT−S−OFDM(以降方式Aとも称する)の送信では21dBm、non−contiguous DFT−S−OFDM(以降方式Bとも称する)の送信では16dBmの送信になる。そうすると、本来、23dBmで送信した場合に、受信装置で適切な受信電力になるので、前者では2dB、後者では7dBの特性劣化となる。
【0105】
通常、所定の品質を得るためには、変調方式によらず使用するRB数が増えるに従って、送信電力も大きくなる。基地局装置2が、端末装置1b−iが使用するRBを指定する際に、端末が必要となる送信電力が最大値に達しているか否かを完全に把握することは困難であり、上記のような状態を適応変調では対応することはできない。そうすると、特にnon−contiguousの送信では、パケットロス(誤り)となる確率が非常に高い。
【0106】
次に、contiguous DFT−S−OFDMとClipped DFT−S−OFDM(以降方式Cとも称する)の特性差について考える。ただし、受信装置にはターボ等化を用いた場合である。
【0107】
ある条件で、送信電力を一定として方式Aと方式Cの特性を比較する。変調方式をQPSK、符号化率を1/2とした場合に、方式Cが方式Aと同一のパケット誤り率を達成するために加算して必要な送信電力をシミュレーションに算出した。
シミュレーション結果によると、方式Cは、方式Aよりも、クリッピング率が12.5%の場合、約0.1dB、クリッピング率が25%の場合、約1dB、クリッピング率が37.5%の場合、約3.5dBの送信電力が更に必要である。ここで、クリッピング率とはクリッピングしない場合の周波数リソースを1として、何%の周波数リソースを送信しないかという割合である。
【0108】
また、方式Cの場合、方式Aに比べて大きなMPRが必要と予想されるものの、クリッピング後の使用するRBが連続している限り、方式Bに比べてMPRは小さい値でよいと考えられる。ここでは、簡単のために方式Cに要求されるMPRを4dBとする。
【0109】
先に示したのと同様、23dBmの送信電力が必要な状態で、方式Bと方式Cとを切り替える場合、クリッピングによるパケット誤り率の劣化と、MPRを考慮すると、受信装置で不足する電力量は以下の表2の値となる。なお、方式Cの後ろに続く数値はクリッピング率である。
【0110】
【表2】
【0111】
表2からクリッピング率が37.5%以外は、方式Bで全てのRBを送信するより、方式Cでクリッピングを行った方が、受信装置における受信電力が高くなり、パケットロスが少なくなる。
【0112】
次に、第1の実施形態で示した図3と同様、図6を用いて本実施形態のRB選択部120bの動作、並びに、送信信号について説明する。図6は、第2の実施形態のRB選択部120bの動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
【0113】
同図において、四角形の枠はRBを示しており、斜線で示されているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は10であり、全てがダブルクラスタの場合である。
【0114】
図6の(a)は、基地局装置2によって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図6の(a)の上段において、クラスタC61にRBが5個指定され、クラスタC62にRBが3個指定されていることが示されている。また、図6の(a)の中段において、クラスタC63にRBが6個指定され、クラスタC64にRBが2個指定されていることが示されている。また、図6の(a)の下段において、クラスタC65にRBが7個指定され、クラスタC66にRBが1個指定されていることが示されている。
【0115】
なお、クリッピングを行った場合のクリッピング率は上段から順に37.5(=3/8×100)%、25(=2/8×100)%、12.5(=1/8×100)%である。
【0116】
図6の(b)は、実際に送信するサブキャリアの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数、縦軸は振幅である。図6の(b)は、信号除去部105が生成する送信信号が割り当てられているサブキャリアが示されている。即ち、クリッピング率がクリッピング閾値37.5%である上段以外は、クラスタに含まれるRB数の少ないクラスタのサブキャリアがクリッピングされている。
【0117】
このクリッピングを行うか否かの決定を行うプロセスを以下に一例を用いて説明する。
例えば、基地局装置2から指定されたクラスタの構成が図6の(a)の中段の場合について、RB選択部120bの処理を説明する。ここで、送信電力制御に基づいて算出された送信電力が最大送信電力の23dBmと同一になった場合を考える。RB選択部120bは、クラスタC63にRBが6個指定され、クラスタC64にRBが2個指定されているので、クリッピング率を25%と算出する。
【0118】
まず、クリッピングを行った場合の不足電力を算出する。
方式Cを使用することになるので、MPRは4dBである。更に、クリッピングを行った際の劣化は、表2に示しているように1dBである。よって、方式Cを使用した場合の不足電力量は5dBとなる。
【0119】
一方、ダブルクラスタの方式Bを用いた場合のMPRは7dBであり、この場合の不足電力は7dBとなる。
【0120】
そして、RB選択部120bは、方式Bと方式Cのうち、不足電力量が少ない方式Cを選択する。そして、RB選択部120bは、クラスタC63のサブキャリアを送信に使用する使用サブキャリアとして選択する。
【0121】
すなわち、RB選択部120bは、信号を割り当てることが可能なリソースブロックの周波数成分の数(またはクラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域)とクラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの周波数成分の数(またはクラスタそれぞれの周波数帯域)とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率(RB占有率の最小値)と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量(MPR)とに基づいて、前記使用周波数リソースブロックを選択する。
換言すれば、RB選択部120bは、基地局装置2から指定された送信電力を取得し、リソースブロックの周波数成分の数とクラスタそれぞれに含まれるリソースブロックの周波数成分の数と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、使用周波数リソースブロックを選択する。
【0122】
これにより、RB選択部120bは、クリッピング率が小さいときには、不足電力量が少ない方式Cを選択することにより、クラスタの数を減らすことにより帯域外への輻射を方式Bよりも抑制しつつ、方式Bよりもパケット誤り率を下げることができる。
以上の例では、クリッピングを行う前後で、RB当たりの電力密度が異なる場合を示したが、RB当たりの電力密度を変えない方法も使用できる。
この場合、方式Cには更に、電力の不足分である1.2dBが加えられ、6.2dBとなる。よって、RB当たりの電力量を変えない方法においても、この例では、RB選択部120bにより方式Cが選択されることになる。
【0123】
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。図7は、第3の実施形態における無線通信システム10cの構成を示す概略図である。第3の実施形態における無線通信システム10cの構成は、図4の第2の実施形態における無線通信システム10bの各端末装置1b−iがそれぞれ端末装置1c−iに変更され、基地局装置2が基地局装置2cに変更されたものである。
【0124】
基地局装置2cは、第1の実施形態の基地局2と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。基地局装置2cは、データ送信に使用することが禁止されているRBを示す使用禁止RB情報を含む信号を、定期的あるいは画一的に各端末装置1c−iへ送信する。
各端末装置1c−iは、基地局装置2cから送信された使用禁止RB情報を含む信号を受信した場合、すなわち予め定められたRBがデータ送信時に使用禁止であることを基地局装置2cから通知された場合、そのRBの割り当てられた信号をクリッピングして送信する。
【0125】
図8は、第3の実施形態における端末装置1c−iの構成を示す概略ブロック図である。
ここで、本実施形態に係る端末装置1c−i(図8)は、第2の実施形態に係る端末装置1b−i(図5)に対し、送信部140bが送信部140cに変更されたものになっている。具体的には、送信信号生成部130bが送信信号生成部130cに、信号除去部105bが信号除去部105cに、RB選択部120bがRB選択部(周波数帯域選択部)120cに変更されたものになっている。なお、第2の実施形態の端末装置1b−i(図5)と同じ機能を有する機能部には、同一の符合を付し、その説明を省略する。
【0126】
受信アンテナ部112は、基地局装置2cから送信された使用禁止RB情報を含む信号は受信し、無線部113に出力する。無線部113は、受信アンテナ部112から入力された使用禁止RB情報を含む信号をデジタル処理できる帯域に変換したのち、変換後の使用禁止RB情報を含む信号をA/D変換部114へ出力する。A/D変換部114は、無線部113から入力された変換後の使用禁止RB情報を含む信号をデジタル信号に変換し、変換後のデジタル信号を受信部115へ出力する。
そして、受信部115は、A/D変換部114から入力されたデジタル信号を復調し、復調により得られた使用禁止RB情報をRB選択部120cに出力する。
【0127】
本実施形態のRB選択部120cは、第2の実施形態のRB選択部120bと同様の機能を有するが、更に以下の機能が追加されている。
RB選択部120cは、受信部115から入力された使用禁止RB情報を保持する。
そして、RB選択部120cは、自らが保持している使用禁止RB情報を読み出し、読み出した使用禁止RB情報が示すRBをクリップする指令を示すクリッピング情報Cを生成し、生成したクリッピング情報Cを信号除去部105へ出力する。
【0128】
なお、使用禁止RB情報は、基地局装置2cから通知されるのではなく、端末装置1c−iが予め独自に保持していてもよい。その場合、RB選択部120cは、データ送信に使用することが禁止されているRBを示す使用禁止RB情報を読み出して、信号除去部105へ出力する。また、使用禁止RB情報が、直接接続していない他の装置から通知されてもよい。
【0129】
送信信号生成部130cは、基地局装置2cから指定される複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されているサブキャリアが含まれる場合、使用することが禁止されているサブキャリア以外のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0130】
信号除去部105cは、サブキャリアマッピング部104から入力された信号のうち、RB選択部120cから入力されたクリッピング情報Cが示す使用禁止RBの信号を除去する。信号除去部105cは、除去後の信号を送信信号として、IFFT部106へ出力する。
【0131】
次に、第1の実施形態で示した図3と同様、図9を用いて本実施形態のRB選択部120cの動作、並びに、送信信号について説明する。図9は、第3の実施形態のRB選択部120cの動作、並びに、送信信号について説明するための図である。
同図において、四角形の枠はRBを示しており、斜線で示しているものがサブキャリアである。1RBは4サブキャリアを含んでいる。また、同図においては使用可能なRB総数は8であり、上段がダブルクラスタの場合、下段がシングルクラスタの場合が示されている。
【0132】
また、同図において、破線の四角形の枠が、使用禁止RBを示している。同図では向かって左から6番目及び7番目のRBの使用が禁止されている。
図9の(a)は、基地局装置2cによって指定されたRBの周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数で、縦軸は振幅である。図9の(a)の上段において、クラスタC91にRBが4個指定され、クラスタC92にRBが2個指定されていることが示されている。図9の(b)の下段において、クラスタC93に6個のRBが連続で指定されていることが示されている。
【0133】
図4の(b)は実際に送信するスペクトル(サブキャリア)の周波数軸上の位置が示されている。同図において、横軸は周波数で、縦軸は振幅である。同図の上段において、クラスタC92の一部がクリッピングされていることが示されている。同図の下段において、クラスタC93に含まれる連続するRBの一部がクリッピングされていることが示されている。なお、クリッピングされたサブキャリアについては、白抜きで示されている。
【0134】
このように、基地局装置2cと接続している端末装置1c−iが、送信に使用してはいけないRBを示す使用禁止RB情報を入手し、使用禁止RB情報が示すRBのクリッピングを行う。これにより、基地局装置2cはこれまでの処理に異なる処理を加えることなく、システム帯域内に、信号が送信されない周波数領域を確保することができる。
【0135】
なお、本実施形態では、使用を禁止する周波数をRB単位で定義した場合について説明を行ったが、使用を禁止する周波数をサブキャリア単位でも、複数のRBを束ねたRBグループ(RBG)単位で定義してもよい。
【0136】
なお、基地局装置2cは、例えば、使用を禁止する周波数を、端末装置1c−iを操作するユーザを識別するユーザIDを用いて、ユーザID毎に使用禁止する周波数を算出してもよい。以下に、その具体例を説明する。ここで、ユーザIDであるNIDをX(Xは2以上の整数)で除算した時の余りをNID_Xとし、RBを識別する用に順番に付された番号をRBインデックスと称す。このとき、基地局装置2cは、使用禁止するRBインデックスの開始位置をn×X+NID_Xとし、使用禁止するRBインデックスの終了位置を(n+1)×X+NID_X−1とする。これにより、基地局装置2cは、ユーザID毎に使用禁止するRBを算出してもよい。ここで、nは任意の整数であり、あらかじめ、基地局装置2cと端末装置1c−iとの間で共通の値を設定する必要がある。
【0137】
基地局装置2cは、使用禁止するRBインデックスの開始位置と使用禁止するRBインデックスの終了位置とを、使用禁止RBに指定してもよい。これにより、基地局装置2cは、n×X個のグループにユーザを分けて、使用禁止RBを指定することができる。
【0138】
以上、本実施形態の端末装置1c−iは、基地局装置2cから指定される複数のRB中に、使用することが禁止されているRBが含まれる場合、使用することが禁止されているRBに割り当てられた信号を除去し、除去後の信号を送信信号として生成する。
すなわち、送信部140cは、基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信する。
これにより、基地局装置2cは、使用することが禁止されているRBの周波数領域を、他の端末装置の使用帯域、基地局装置2cのサービスエリア内に設置されるリレー局の使用帯域、あるいは、いわゆるピコセルといったより周波数利用効率を高めるために配置される基地局装置2cの使用帯域に割り当てることが可能となる。その結果、基地局装置2cは、周波数帯域を有効に利用することができる。また、基地局装置2cは、ピコセルに周波数領域を割り当てることにより、スループットを上昇させることができる。
【0139】
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。図10は、第4の実施形態における無線通信システム10dの構成を示す概略図である。第4の実施形態における無線通信システム10dの構成は、図7の第3の実施形態における無線通信システム10cの基地局装置2cが基地局装置2dに変更されたものである。
【0140】
第4の実施形態における無線通信システム10dの構成は、第3の実施形態における無線通信システム10cの構成と同様の構成であるが、以下の点で異なる。
本実施形態の基地局装置2dは、端末装置1c−iから送信されたクリッピング後の送信信号を受信し、ターボ等化技術を用いて、受信特性を改善する。
【0141】
図11は、第4の実施形態における基地局装置2dの構成を示す概略ブロック図である。基地局装置2dは、受信装置230、制御装置240、送信部220、D/A変換部221、無線部222、送信アンテナ223を備える。受信装置230は、受信アンテナ部200、無線部201、A/D変換部202、同期部203、CP除去部204、S/P変換部205、FFT部206、サブキャリアデマッピング部207、キャンセル部209、等化部210、復調・誤り訂正復号部211、判定部213、伝搬路推定部214、伝搬路乗算部216、DFT部217、レプリカ生成部218を備える。制御装置240は、スケジューリング部219を備える。
【0142】
受信アンテナ部200は、端末装置1c−iまたは端末装置12cから送信された信号を受信し、受信した信号を無線部201へ出力する。
無線部201は、受信アンテナ部200から信号が入力され、その入力された信号をA/D変換可能な周波数に変換し、変換後の信号をA/D変換部202へ出力する。
A/D変換部202は、無線部201から入力された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、変換により得られたデジタル信号を同期部203に出力する。
【0143】
同期部203は、A/D変換部202から入力されたデジタル信号が入力され、その入力されたデジタル信号に対してシンボル同期を確立し、シンボル同期確立後の信号をCP除去部204へ出力する。
CP除去部204は、同期部203から入力された信号からシンボル毎にCPを除去し、CP除去後の信号をS/P変換部205へ出力する。
【0144】
S/P変換部205は、CP除去部204から入力された信号をシリアル信号からパラレル信号に変換し、変換後のパラレル信号をFFT部206へ出力する。
FFT部206は、S/P変換部205から入力されたパラレル信号を高速フーリエ変換して、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、変換により得られた周波数領域のパラレル信号をサブキャリアデマッピング部207へ出力する。
【0145】
サブキャリアデマッピング部207には、スケジューリング部219が今回の伝送のために決定したスケジューリングがスケジューリング部219から入力され、FFT部206からパラレル信号が入力される。
サブキャリアデマッピング部207は、その入力されたスケジューリングに従い、その入力された周波数領域のパラレル信号をユーザ毎の信号に分離する。
【0146】
ここで、端末装置1c−iでクリッピングが行われた場合、そのサブキャリアにはノイズが入力されることになる。ただし、予め基地局装置2dで端末装置1c−iのクリッピングしたサブキャリアを知っている場合は、サブキャリアデマッピング部207は、ユーザ毎の信号に、0を代入したゼロ挿入後の信号を生成する。これにより、サブキャリアデマッピング部207は、クリッピングされたサブキャリアに重畳したノイズを除去するので、受信特性を改善することができる。サブキャリアデマッピング部207は、ゼロ挿入後の信号Uをキャンセル部209へ出力する。
更に、サブキャリアデマッピング部207は、周波数領域のパラレル信号から伝搬路推定用のパイロット信号Pを抽出し、抽出したパイロット信号Pを伝搬路推定部214へ出力する。これ以降の信号処理は、各ユーザの受信信号毎に行う。
【0147】
伝搬路推定部214は、サブキャリアデマッピング部207から入力されたパイロット信号Pを用いて伝搬路推定値CEを算出する。先に示したように、基地局装置2dがクリッピング情報Cを保持している場合は、伝搬路推定部214は、クリッピングが行われたサブキャリアに相当する伝搬路推定値CEに0を代入することにより、伝搬路推定値CEが示す特性を改善することができる。
伝搬路推定部214は、ゼロ挿入後の伝搬路推定値CEを等化部210、伝搬路乗算部216及びスケジューリング部219へ出力する。
【0148】
伝搬路乗算部216は、DFT部217から入力されたレプリカ信号に対して、伝搬路推定部214から入力された伝搬路推定値CEを乗算することで、受信レプリカを生成する。伝搬路乗算部216は、生成した受信レプリカをキャンセル部209へ出力する。
ここで、周波数領域のレプリカ信号は、周波数領域SC/MMSE(Soft Canceller with Minimum Mean Square Error filter)ターボ等化処理の過程でDFT部217により、レプリカ信号が時間領域の信号から周波数領域の信号に変換されたものである。
【0149】
キャンセル部209は、サブキャリアデマッピング207から入力された信号Uから、伝搬路乗算部215から入力された受信レプリカを減算する(キャンセルする)ことにより残留成分Rを算出する。キャンセル部209は、算出した残留成分Rを等化部210へ出力する。但し、キャンセル部209は、1回目の処理では希望信号のレプリカを生成していないため、キャンセル処理は行わず、サブキャリアデマッピング207から入力された信号Uをそのまま等化部210へ出力する。
【0150】
このように、本実施形態の基地局装置2dが使用する周波数領域SC/MMSEのターボ等化では、キャンセル部209が一旦、希望信号のレプリカをキャンセルし、残留信号成分を計算する。
キャンセル部209が残留信号成分を計算するのは、演算量を少なくするためである。というのは、後述する等化部210は逆行列演算を行うため、希望信号のレプリカだけ残してキャンセル、等化を繰り返すと、ブロック内に含まれる希望信号のレプリカは繰り返しの回数分、逆行列演算をすることになり演算量が多くなってしまうからである。
【0151】
等化部210は、キャンセル部209から入力された残留成分と、伝搬路推定部214から入力された希望信号の伝搬路推定値CE、及びレプリカ生成部218から入力された希望信号のレプリカを用いて信号の等化を行う。具体的には、等化部210は、最適な重みを残留成分や伝搬路推定値、希望信号のレプリカから算出し、その最適重みを乗積した最終的な等化後の時間軸の信号を復調・誤り訂正復号部211へ出力する。
【0152】
但し、1回目の処理の場合は、レプリカ生成部218から希望信号のレプリカが入力されないので、等化部210は、キャンセルを行わない。これにより、従来のMMSE(Minimum Mean Squared Error;最小平均2乗誤差法)等化と等しいものとなる。このように、本実施形態における基地局装置2dは、送信側でクリッピングされたスペクトルを、あたかも伝搬路の落ち込みによって欠けてしまったかのように扱って等化を行う。こうすることにより、基地局装置2dは、本来伝送されるはずの信号(送信側におけるクリッピング前の信号)を正しく再生することが可能となる。
【0153】
復調・誤り訂正復号部211は、等化部210から入力された信号を復調および誤り訂正を行い、それにより得られた誤り訂正後の信号に対して信頼性の高まった符号ビットの対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を算出し、算出したLLRと誤り訂正後の信号とをレプリカ生成部218へ出力する。
また、復調・誤り訂正復号部211は、予め決められた回数だけ復調および誤り訂正の処理を繰り返した後、繰り返し後に得られた誤り訂正後の信号を判定部213へ出力する。
【0154】
レプリカ生成部218は、復調・誤り訂正復号部211から入力されたLLRに応じてその信頼性に比例したソフトレプリカである「希望信号のレプリカ」を生成する。
また、レプリカ生成部218は、生成された希望信号のレプリカを、キャンセル部209において希望周波数信号を一旦キャンセルするためにDFT部217へ出力する。さらに、レプリカ生成部218は、等化の際に希望信号を再構成するために、希望信号のレプリカを等化部210へ出力する。これにより、等化部210が信号を再構成することで逆行列演算に伴う演算量を削減することができる。
【0155】
このように、基地局装置2dは、キャンセル部209〜復調・誤り訂正復号部211、伝搬路乗算部216〜レプリカ生成部218の処理を繰り返して行うことにより、徐々に信頼性の高まった符号ビットを得ることができる。
判定部213は、所定の回数だけ上記処理を繰り返した後に、復調・誤り訂正復号部211から誤り訂正後の信号が入力される。判定部213は、その入力された誤り訂正後の信号に対して硬判定を行い、復号データを抽出する。そして、判定部213は、抽出した復号データを受信データRDとして基地局装置2dの非図示の信号処理部に出力する。
【0156】
スケジューリング部219は、各端末装置1c−iに対して割り当てたRBを示す情報であるマッピング情報と、割り当てRB数とを送信部220に出力する。
送信部220は、各端末装置に送信する送信データTD2と、マッピング情報と、割り当てRB数とを、誤り訂正符号化および変調を施すことにより送信信号を生成し、生成した送信信号をD/A変換部221へ出力する。
D/A変換部221は、送信部220から入力された送信信号を、デジタル信号からアナログ信号へ変換し、変換後のアナログ信号を無線部222へ出力する。
無線部222は、D/A変換部221から入力されたアナログ信号を、無線周波数にアップコンバートし、送信アンテナ223を介してアップコンバート後の信号を、端末装置1c−iへ送信する。
【0157】
以上、本実施形態の基地局装置2dは、受信した信号をユーザ毎の信号に分離し、クリッピングされた周波数の信号に対して0を代入したゼロ挿入後の信号を生成する。これにより基地局装置2dは、クリッピングされたサブキャリアに重畳したノイズを除去することができるので、受信特性を改善することができる。
【0158】
なお、本実施形態の基地局装置2dは、クリッピングを行う端末装置1c−iの信号についてのみ繰り返し処理を行うようにしてもよい。これにより、基地局装置2dは、特性を劣化させることなく、繰り返し処理を行うことによる処理遅延を防ぎ、消費電力を削減することができる。
また、本実施形態の無線通信システム10dは、端末装置1c−iを備える構成について説明したが、これに限らず、端末装置1c−iに代えて、第1の実施形態における端末装置1−i又は第2の実施形態における端末装置1b−iを備える構成であってもよい。
【0159】
<第5の実施形態>
続いて、第5の実施形態について説明する。これまでの実施形態では、図2に示されるようなnon−contiguous DFT−S−OFDM信号を前提にDFTされた信号の一部をクリッピングする方式について示してきた。一方、本実施形態では、異なるシステム帯域を用いて同時に複数のDFT−S−OFDM信号を送信する場合について説明する。ここで、システム帯域は、コンポーネントキャリア又はバンドに相当する。
なお、本実施形態では、1つのDFT−S−OFDM信号には、contiguous、non−contiguousの双方を含めて考える。
【0160】
ここで、複数のDFT−S−OFDM信号を同時に送信する通信方式をNxDFT−S−OFDMと称する。特に、LTEでは、DFT−S−OFDM信号を1つのシステム帯域とみなし、複数のDFT−S−OFDM信号を異なるシステム帯域で同時に送信することを、キャリアアグリゲーションと称している。
【0161】
図12は、第5の実施形態における無線通信システム10eの構成を示す概略図である。第5の実施形態における無線通信システム10eの構成は、図1の第1の実施形態における無線通信システム10の端末装置1−1、…、1−Nが、端末装置1e−1、…、1e−Nに変更され、基地局装置2が基地局装置2eに変更されたものである。
本実施形態の基地局装置2eは、第1の実施形態における基地局装置2と同様の機能を有するが、以下の点で異なる。本実施形態の基地局装置2eは、複数のシステム帯域において送信信号を送信することを、各端末装置1e−iに通知する。
本実施形態の端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iと同様の機能を有するが、以下の点で異なる。本実施形態の端末装置1e−iは、NxDFT−S−OFDM信号の送信と一つのDFT−S−OFDM信号の送信とを切り替える。
【0162】
図13は、第5の実施形態における端末装置1e−iの構成を示す概略ブロック図である。ここで、図2と同じ機能をもつブロックには同じ番号を付し、その説明を省略する。また、−(ハイフン)で示しているのは、同じ機能を持つブロックが複数あることを意味している。端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iに対して、送信装置116が送信装置116eに変更されたものになっている。より詳細には、端末装置1e−iは、第1の実施形態における端末装置1−iに対して、データ生成部150−2が追加され、無線部110が無線部110eに、RB選択部120がRB制御部(リソースブロック制御部)120eに変更されたものになっている。
【0163】
ここで、各データ生成部150−j(jは1又は2)は、符号部100−jと、変調部101−jと、S/P変換部102−jと、DFT部103−jと、サブキャリアマッピング部104−jと、信号除去部105−jと、IFFT部106−jと、P/S変換部107−jと、CP挿入部108−jと、D/A変換部109−jとを備える。
また、送信信号生成部130eは、サブキャリアマッピング部104−1と、サブキャリアマッピング部104−2と、信号除去部105−1と、信号除去部105−2とを備える。
【0164】
また、送信部140eは、サブキャリアマッピング部104−1、104−2と、信号除去部105−1、105−2と、IFFT部106−1、106−2と、P/S変換部107−1、107−2と、CP挿入部108−1、108−2と、D/A変換部109−1、109−2と、無線部110eと、送信アンテナ部111と、RB制御部120eとを備える。
【0165】
本実施形態では、説明を簡単にするために、一例として、同時に送信可能なDFT−S−OFDM信号の最大送信数を2としている。なお、端末装置1e−iは、同時に送信可能なDFT−S−OFDM信号の最大送信数は3以上にしてもよい。その場合には、端末装置1e−iは、最大送信数と同じ数だけデータ生成部を備えればよい。
【0166】
無線部110eは、D/A変換部109−1とD/A変換部109−2からそれぞれ入力されたDFT−S−OFDM信号を合成する。そして、無線部110eは、合成した後の合成信号を、無線周波数帯域信号にアップコンバートし、アップコンバート後の信号を送信アンテナ部111から送信する。
なお、本実施形態では、無線部110eがアナログ信号処理で、アナログ信号を合成した例を説明したが、これに限らず、D/A変換以前のデジタル処理可能な処理部(例えば、CP挿入部108−1)がDFT−S−OFDM信号を合成してもよい。
【0167】
RB制御部120eは、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにする。また、RB制御部120eは、サブキャリアマッピング部104−1、104−2および信号除去部105−1、105−2を制御する。ここで、その所定の値は、MPRに基づいて決定されている。
送信信号生成部130eは、RB制御部120eがクリッピングの対象としなかったシステム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0168】
<RB制御部120eの処理の詳細>
以下、RB制御部120eの処理の詳細について説明する。まず、前提として、NxDFT−S−OFDMは、離れた周波数にスペクトルが配置されるため、第2の実施形態で示した場合と同様、DFT−S−OFDMとNxDFT−S−OFDMで、必要となるMPRが異なる。例えば、DFT−S−OFDMのMPRを2dB、NxDFT−S−OFDMのMPRを5dBとする。その場合に、端末装置1e−iの最大送信電力を23dBmとし、送信電力制御を行った結果、端末装置1e−iが、送信電力23dBmでデータを送信しないといけない状況を例として、RB制御部120eの処理を説明する。
【0169】
<方式Eを用いる例>
この場合、上述のMPRが設定されるため、DFT−S−OFDM(以降方式Aとも称する)の送信では、送信電力が21dBmでの送信になる。一方、NxDFT−S−OFDM(以降方式Dとも称する)の送信では、送信電力が18dBmの送信になる。その場合、本来、23dBmで送信した場合に、受信装置で適切な受信電力になるので、前者では2dB、後者では5dBの特性劣化となる。
【0170】
NxDFT−S−OFDMにおいて、信号除去部105−1、105−2が、一方の信号を全てクリッピングする。以下、この方式を方式Eと称する。この前提において、クリッピングしたDFT−S−OFDM信号で送信されるデータは、送信できないことになるが、クリッピングしなかった方の信号は21dBmまで電力を使用できるため、端末装置1e−iは、特性劣化を防ぐことができる。
なお、回路構成上、信号除去部105−1又は信号除去部105−2が、信号を全てクリッピングする例を示したが、無線部110eが、一方の信号をオフしてもよい。
【0171】
RB制御部120eは、方式Dと方式Eの切り換えを、予め決められた送信電力を基準電力として行う。具体的には、例えば、RB制御部120eは、最大送信電力(例えば、23dBm)からNxDFT−S−OFDMのMPR(例えば、5dB)を減算した電力(例えば、18dBm)を基準電力と予め保持する。そして、RB制御部120eは、送信電力がその基準電力よりも大きい場合、方式Eに切り替える。一方、RB制御部120eは、送信電力がその基準電力以下の場合、方式Dに切り替える。
【0172】
これにより、RB制御部120eは、送信電力が基準電力よりも大きい場合、方式Eを選択する。そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1又は105−2を制御して、一方の信号を全てクリッピングするようにする。これにより、RB制御部120eは、送信電力を上げることにより、パケット誤り率を下げることができる。
一方、RB制御部120eは、は、送信電力が基準電力以下の場合、方式Dを選択する。そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1及び105−2を制御して、二つのDFT−S−OFDM信号を同時に送信するようにする。
【0173】
また、3以上のDFT−S−OFDM信号があるときは、RB制御部120eは、必要となる送信電力が低いDFT−S−OFDM信号を優先的にオフとする。さらに、複数のDFT−S−OFDM信号をオフする必要がある場合は、RB制御部120eは、必要となる送信電力が低いDFT−S−OFDM信号から順次オフすることで、同様に、パケット誤り率を下げることができる。
なお、RB制御部120eは、システムに必要となる制御情報が重畳されたDFT−S−OFDM信号以外を、クリップするように信号除去部105−1又は105−2をしてもよい。
【0174】
<方式Fを用いる例>
しかしながら、RB制御部120eがDFT−S−OFDMの全ての送信をクリップ(オフ)するようにすることは伝送レートの劣化につながる。そこで、RB制御部120eは、以下のような伝送レートの低下を伴わない方式Fを用いてもよい。
【0175】
方式Fにおいて、端末装置1e−1の各部は、方式Eの場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。
RB制御部120eは、他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局装置2eから指定されたサブキャリア数となるように、信号除去部105−1又は105−2にクリップさせる。
そして、RB制御部120eは、信号除去部105−1又は105−2がクリップしたデータを、他のシステム帯域で送信するようにする。
【0176】
説明を簡単にするために、2つのDFT−S−OFDM信号を送信する際、そのうちの一つである第1のDFT−S−OFDM信号ではRBの数をN個、またもう一方の第2のDFT−S−OFDM信号ではRBの数をM個とする場合を例に説明する。
先の例と同様に、RB制御部120eは、第1のDFT−S−OFDM信号を全てクリップするようにするが、その分のデータを第2のDFT−S−OFDMに重畳する。
【0177】
図13において、ある符号化部(100−1又は100−2)が、他の符号部(100−1又は100−2)で符号化されたデータを自らが符号化したデータに重畳する場合、そのままでは、基地局装置2eから指定されたRB数が不足する。そこで、RB制御部120eは、その不足RB数だけデータを除去する(クリップする)。以下、この方式を方式Fとする。この例において、クリッピング率はN/(N+M)である。
このような処理をすることで、端末装置1e−iは、通信レートを劣化させることなく、MPRを抑えることができるので、端末装置1e−iの送信電力を高くすることができる。これにより、端末装置1e−iは、通信レートを劣化させることなく、パケット誤り率を下げることができる。
【0178】
なお、RBの数M、Nの小さい方をクリッピングする方が性能の劣化は少ないので、信号除去部105−1、105−2は、RBの数が少ない方のデータを除去する。具体的には、RB制御部120eは、それぞれのデータ生成部150−jに割り当てられたRBの数(例えば、M、N)に基づいて、いずれのデータ生成部150−jに入力された送信データを除去するか決定する。
【0179】
RB制御部120eは、データ生成部150−1に入力された送信データを除去すると決定した場合、その旨を符号部100−1に出力する。一方、RB制御部120eは、 データ生成部150−2に入力された送信データを除去すると決定した場合、その旨を符号部100−2に出力する。
【0180】
更に特性まで言及すると、RB制御部120eは、方式DのMPRに比べ、方式FのMPRとクリッピングによる性能の劣化量の合計が小さければ、方式Eを用いることで、通信レートを劣化させることなく、方式Dより高性能な通信を実現することができる。
【0181】
なお、上記の方式Fでは2つのDFT−S−OFDM信号で使用する変調方式・符号化率は同一であることを前提としているが、これらが異なる時は、そのクリッピング率は単純にN/(N+M)とはならず、RB制御部120eは、それらを考慮してクリッピング率を決定してもよい。
【0182】
また、RB制御部120eは、指定される変調方式・符号化率が異なる場合は、方式Eを使用しなくてもよい。
また、端末に要求される送信電力が端末の最大送信電力を超える場合、平均的に送信電力を減少させる方式(以下方式G)もある。送信部140eは、パケット毎に方式Fと方式Gで想定される誤り率を算出し、これらの方式から特性のよい方式を選択してもよい。
【0183】
<LTEにおけるキャリアアグリゲーションへの適用例>
上述したように、LTEではキャリアアグリゲーションというシステムを採用している。送信部140eは、このキャリアアグリゲーション可能なシステム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合は、次に示すような方式Gをとってもよい。
【0184】
方式Gにおいて、端末装置1e−1の各部は、方式Eの場合と同様の機能を有するが以下の点で異なる。
RB制御部120eは、基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにする。ここで、送信に使用するシステム帯域の位置関係は、この使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かである。
そして、送信信号生成部130eは、リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかったシステム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
【0185】
図14は、システム帯域数と、送信装置が同時に送信可能なDFT−S−OFDM数が異なる場合に、送信部140eの処理を説明するための図である。
図14(a)は使用可能なシステム帯域が4つある場合を示している。同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。
【0186】
図14(b)は送信装置が連続する2つのシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合を示している。同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。また、DFT−OFDM信号S14−5はシステム帯域B14−2における信号であり、DFT−OFDM信号S14−6はシステム帯域B14−3における信号である。すなわち、DFT−OFDM信号S14−5とDFT−OFDM信号S14−6が連続するシステム帯域に割り当てられている。
【0187】
図14(c)が非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合を示している。同図において、同図において、システム帯域B14−1〜B14−4が示されている。また、DFT−OFDM信号S14−7はシステム帯域B14−2における信号であり、DFT−OFDM信号S14−8はシステム帯域B14−4における信号である。すなわち、DFT−OFDM信号S14−7とDFT−OFDM信号S14−8が非連続なシステム帯域に割り当てられている。
【0188】
一般的に、図14(c)のように複数のDFT−S−OFDM信号が非連続なシステム帯域に割り当てられている場合、図14(b)のように複数のDFT−S−OFDM信号が連続するシステム帯域に割り当てられている場合よりも、考慮すべきMPRが大きい。
【0189】
このことに鑑みて、RB制御部120eは、送信に必要となる所要送信電力が所定の値を超え、連続するシステム帯域で送信する信号位置を指定された場合(第1の条件の場合)、方式Gに切り替える、一方、RB制御部120eは、送信に必要となる所要送信電力が所定の値を超え、非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信することを指定された場合(第2の条件の場合)、第1の条件の場合よりMPRが大きくなるので、方式Eあるいは方式Fに切り替える。
これにより、RB制御部120eは、帯域外輻射を抑えつつ方式を切り替えることができ、パケット誤り率を下げることができる。
【0190】
なお、使用するシステム帯域と送信信号の関係が、図14(c)のように端末装置1e−iが非連続なシステム帯域でDFT−S−OFDM信号を送信する場合、RB制御部120eは、所要送信電力に関係なく方式E又はFを用いてもよい。
また、送信するDFT−S−OFDM信号が三つ以上ある場合、RB制御部120eは、所要送信電力が確保できるまで、外側のシステム帯域に割り当てられたDFT−S−OFDM信号から順にクリップするようにしてもよい。これにより、RB制御部120eは、三つ以上のDFT−S−OFDM信号を送信する場合にも、帯域外輻射を抑えつつ、所要送信電力が確保できるのでDFT−S−OFDM信号をクリップするので、パケット誤り率を下げることができる。
【0191】
<効果>
本発明の各実施形態の端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、基地局装置(2、2cまたは2d)から指定された周波数領域におけるサブキャリアの構成に基づいて、non−contiguous DFT−S−OFDM方式とClipped DFT−S−OFDM方式とを切り替える。
具体的には、端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、基地局装置(2、2cまたは2d)から指定された全サブキャリア数に対するクラスタに含まれるサブキャリア数が最も少ないクラスタに含まれるサブキャリア数の比であるクリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて使用するサブキャリアを選択する。端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、選択したサブキャリアに割り当てられた信号を送信信号として、基地局装置2に送信する。
【0192】
これにより、端末装置(1−i、1b−iまたは1c−i)は、RB選択部120は、クリッピング率が予め決められた閾値よりも小さい場合、クリッピングによる特性劣化が許容される範囲でクリッピングを行い、送信に用いるクラスタの数を減らすので、帯域外輻射の影響を軽減することができる。
【0193】
また、第2の実施形態における端末装置1b−iは、基地局装置から指定された送信電力を取得し、基地局から指定されたRBに基づいて、クリッピング率を算出する。端末装置1b−iは、算出したクリッピング率と指定された送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量(MPR)とに基づいて、送信に使用するサブキャリアを選択する。これにより、端末装置1b−iは、クリッピング率が小さいときには、Clipped DFT−S−OFDM方式を選択することにより、non−contiguous DFT−S−OFDM方式よりも基地局装置2が端末装置1b−iから信号を受信するときの受信電力を大きくすることができるので、帯域外への輻射を抑制しつつ、パケット誤り率を下げることができる。
【0194】
また、第3の実施形態における端末装置1c−iは、基地局装置2cから指定される複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されているサブキャリアが含まれる場合、使用することが禁止されているサブキャリア以外のサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する。
これにより、基地局装置2cは、使用することが禁止されているRBの周波数領域を、他の端末装置の使用帯域、基地局装置2cのサービスエリア内に設置されるリレー局の使用帯域、あるいは、いわゆるピコセルといったより周波数利用効率を高めるために配置される基地局装置2cの使用帯域に割り当てることが可能となる。その結果、基地局装置2cは、周波数帯域を有効に利用することができる。
【0195】
なお、各実施形態の各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタを全て抽出し、1つのクラスタだけでなく、抽出した全てのクラスタの信号を削除してもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。
【0196】
また、各実施形態の各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタが周波数軸上で両端に位置するクラスタの場合を想定する。その場合、各端末装置は、各端のいずれかのクラスタ以外のクラスタ群が占める周波数帯域のうち、周波数帯域がより狭くなる場合に、その周波数帯域から除外されている端のクラスタの信号を除去してもよい。
これにより、各端末装置は、一部の周波数の信号をクリップしても基地局で復号できる範囲で、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができるので、パケット誤り率を抑えつつ、帯域外輻射を抑制することができる。
【0197】
また、各端末装置は、基地局装置から3つ以上のクラスタが通知された場合、RB占有率が予め決められた閾値よりも低いクラスタが周波数軸上で両端に位置するクラスタの場合を想定する。その場合、各端末装置は、各端のクラスタと、そのクラスタと周波数軸上で最も近いクラスタとの間で使用されない周波数帯域のうち、より広い周波数帯域が得られた場合における端のクラスタの信号を除去してもよい。
これにより、各端末装置は、一部の周波数の信号をクリップしても基地局で復号できる範囲で、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができるので、パケット誤り率を抑えつつ、帯域外輻射を抑制することができる。
【0198】
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち、予め決められた数のクラスタになるまで、あるいは、送信にかかる周波数帯域が予め決められた周波数帯域以下になるまで、周波数帯域で外側となるクラスタから順にクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
その場合、各端末装置は、周波数帯域で外側となるクラスタのうち、含まれるRB数が少ない方のクラスタをクリップするようにしてもよい。これにより、含まれるRB数が多いクラスタの信号を基地局装置に送信する信号に残すことができるので、基地局装置におけるパケット誤り率を低くすることができる。
【0199】
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち予め決められた周波数以上または予め決められた周波数以下のクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
また、各実施形態の各端末装置は、複数のクラスタの信号のうち、周波数帯域で両端となるクラスタの信号のうちの一方のクラスタを、予め決められた単位時間が経過する毎に、交互にクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかる周波数帯域を狭くすることができる。
【0200】
また、各実施形態の各端末装置は、クラスタの信号のうち、内側のクラスタの信号をクリップしてもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。また、各実施形態の各端末装置は、RB占有率が最小となるクラスタの信号を削除したが、これに限らず、どのクラスタの信号を削除してもよい。これにより、各端末装置は、送信にかかるサブキャリアの数を少なくすることができる。
【0201】
また、各実施形態において、基地局装置が、スケジューリングを行なう制御装置と、DFT−S−OFDM信号を受信する受信装置を備え、端末装置が、DFT−S−OFDM信号を送信する送信装置を備えるとして説明した。しかし、本発明は、これらの構成に限ったものではない。例えば、基地局装置が、制御装置と送信装置とを備え、端末装置が受信装置を備えてもよい。また、制御装置と、送信装置と、受信装置とが、別々の装置で実現されていてもよい。例えば、基地局装置が受信装置を備え、第2の基地局装置が制御装置を備え、端末装置が受信装置を備えてもよい。
【0202】
また、各実施形態において、端末装置がリソースブロックの周波数成分(周波数RB)毎に処理することと説明したが、これに限らず、サブキャリア毎に処理してもよい。すなわち、端末装置は、予め定められた単位周波数帯域毎に処理すればよい。
【0203】
また、各実施形態において、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれに含まれる周波数RBの数に基づいて、送信に使用する使用周波数リソースブロックを選択したが、これに限ったものではない。RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域幅に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域幅を選択すればよい。
【0204】
具体的には、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域幅を選択してもよい。より詳細には、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、使用周波数帯域を選択してもよい。
【0205】
その際、RB選択部(120、120b、120c)は、クラスタそれぞれに含まれる周波数帯域の合計に対するクラスタに含まれる周波数帯域の比である占有率をクラスタ毎に算出し、該算出したクラスタ毎の占有率に基づいて、上記クリッピング率を算出してもよい。
【0206】
また、第2または第3の実施形態において、RB選択部(120b、120c)は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、クラスタそれぞれの周波数帯域と取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択してもよい。
【0207】
より詳細には、RB選択部(120b、120c)は、クラスタそれぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記クラスタそれぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択してもよい。
【0208】
また、本実施形態の端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)が備える各部をプロセッサとして実現することにより、端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
具体的には、例えば、プロセッサは、単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、取得したマッピング情報に基づいて、複数の集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択してもよい。
【0209】
また、本実施形態の端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2cまたは2d)の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、端末装置(1−i、1b−i、1c−iまたは1e−i)および基地局(2、2c、2dまたは2e)に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
【0210】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0211】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0212】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0213】
1−1、…、1−N、1b−1、…、1b−N、1c−1、…、1c−N、1e−1、…、1e−N 端末装置
2、2c、2d、2e 基地局装置
10、10b、10c、10d、10e 無線通信システム
100、100−1、100−2 符号部
101、101−1、101−2 変調部
102、102−1、102−2 S/P(シリアル/パラレル)変換部
103、103−1、103−2 DFT部
104、104−1、104−2 サブキャリアマッピング部(信号配置部)
105、105c、105−1、105−2 信号除去部
106、106−1、106−2 IFFT部
107、107−1、107−2 P/S(パラレル/シリアル)変換部
108、108−1、108−2 CP(Cyclic Prefix)挿入部
109、109−1、109−2 D/A変換部
110、110−1、110−2 無線部
111 送信アンテナ部
112 受信アンテナ部
113 無線部
114 A/D変換部
115 受信部
116 送信装置
120、120b、120c RB選択部(集合選択部、取得部)
120e RB制御部(リソースブロック制御部)
130、130c、130e 送信信号生成部
140、140b、140c、140e 送信部
200 受信アンテナ部
201 無線部
202 A/D変換部
203 同期部
204 CP除去部
205 S/P変換部
206 FFT部
207 サブキャリアデマッピング部
209 キャンセル部
210 等化部
211 復調・誤り訂正復号部
213 判定部
214 伝搬路推定部
216 伝搬路乗算部
217 DFT部
218 レプリカ生成部
219 スケジューリング部
220 送信部
221 D/A変換部
222 無線部
223 送信アンテナ
230 受信装置
240 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置であって、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記マッピング情報に基づいて、前記取得部が取得したマッピング情報が示す集合のうち、前記不使用集合を選択する集合選択部を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記送信部は、
前記取得部が取得したマッピング情報が示す周波数帯域に信号を配置する信号配置部と、
前記信号配置部が信号を配置した後の信号のうち、前記集合選択部が選択した不使用集合が示す周波数帯域に配置された信号を除去する信号除去部と、
を備え、
前記信号除去部が除去した信号を用いて前記データを送信することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計と、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記集合選択部は、前記算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、前記集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を前記使用周波数帯域として選択することを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
前記閾値は、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、集合間の周波数軸上の距離、またはシステムバンドのうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせに基づいて、設定されていることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計に対する集合に含まれる周波数帯域の比である占有率を集合毎に算出し、該算出した集合毎の占有率に基づいて、前記クリッピング率を算出することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記集合選択部は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、前記集合それぞれの周波数帯域と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
【請求項9】
前記集合選択部は、前記集合それぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記集合それぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項8に記載の送信装置。
【請求項10】
前記信号配置部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、前記使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項12】
前記送信部は、
基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、
前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項13】
前記送信部は、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としたシステム帯域で送信するデータを、他のシステム帯域で送信することを特徴とする請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記送信信号生成部は、他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局から指定されたサブキャリア数となるように、クリッピングを行うことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の送信装置。
【請求項15】
前記所定の値は、MPRに基づいて決定されていることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項16】
前記送信部は、
基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、
前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項17】
前記送信に使用するシステム帯域の位置関係は、前記使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かであることを特徴とする請求項16に記載の送信装置。
【請求項18】
前記送信信号生成部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項19】
単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、該取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択する集合選択部を備えることを特徴とするプロセッサ。
【請求項20】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置が実行する送信方法であって、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得手順と、
前記取得手順が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信手順と、
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項21】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置のコンピュータに、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信ステップと、
を実行させるための送信プログラム。
【請求項1】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置であって、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記マッピング情報に基づいて、前記取得部が取得したマッピング情報が示す集合のうち、前記不使用集合を選択する集合選択部を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記送信部は、
前記取得部が取得したマッピング情報が示す周波数帯域に信号を配置する信号配置部と、
前記信号配置部が信号を配置した後の信号のうち、前記集合選択部が選択した不使用集合が示す周波数帯域に配置された信号を除去する信号除去部と、
を備え、
前記信号除去部が除去した信号を用いて前記データを送信することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計と、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率に基づいて、送信に使用する使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記集合選択部は、前記算出したクリッピング率が予め決められた閾値より小さい場合、前記集合のうち一部の集合の周波数帯域を消去すると判定し、消去すると判定した周波数帯域以外の周波数帯域を前記使用周波数帯域として選択することを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
前記閾値は、変調方式、符号化率、送信レート、システム帯域幅、集合間の周波数軸上の距離、またはシステムバンドのうちいずれか1つまたは2つ以上の組み合わせに基づいて、設定されていることを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記集合選択部は、前記集合それぞれに含まれる周波数帯域の合計に対する集合に含まれる周波数帯域の比である占有率を集合毎に算出し、該算出した集合毎の占有率に基づいて、前記クリッピング率を算出することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記集合選択部は、基地局装置から指定された送信電力を取得し、前記集合それぞれの周波数帯域と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
【請求項9】
前記集合選択部は、前記集合それぞれの周波数帯域を合計した合計周波数帯域と、前記集合それぞれの周波数帯域とに基づいて、クリッピング率を算出し、該算出したクリッピング率と前記取得した送信電力と予め決められた最大送信電力の低減量とに基づいて、前記使用周波数帯域を選択することを特徴とする請求項8に記載の送信装置。
【請求項10】
前記信号配置部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記基地局から指定された複数のサブキャリア中に、使用することが禁止されている周波数帯域が含まれる場合、前記使用することが禁止されている周波数帯域以外の周波数帯域に対し信号を配置した送信信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項12】
前記送信部は、
基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に必要となる総送信電力が所定の値を超えた場合、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、
前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項13】
前記送信部は、前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としたシステム帯域で送信するデータを、他のシステム帯域で送信することを特徴とする請求項12に記載の送信装置。
【請求項14】
前記送信信号生成部は、他のシステム帯域で使用するサブキャリアが、基地局から指定されたサブキャリア数となるように、クリッピングを行うことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の送信装置。
【請求項15】
前記所定の値は、MPRに基づいて決定されていることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項16】
前記送信部は、
基地局装置から複数のシステム帯域において送信信号を送信することが通知され、送信に使用するシステム帯域の位置関係により、少なくとも1つのシステム帯域における信号を全てクリッピングするようにするリソースブロック制御部と、
前記リソースブロック制御部がクリッピングの対象としなかった前記システム帯域におけるサブキャリアに対し信号を配置した送信信号を生成する送信信号生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項17】
前記送信に使用するシステム帯域の位置関係は、前記使用するシステム帯域が周波数領域において連続しているか否かであることを特徴とする請求項16に記載の送信装置。
【請求項18】
前記送信信号生成部が配置の対象とする前記信号は、前記データに対し時間周波数変換が施された信号であることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項19】
単位周波数帯域の周波数軸上における位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得し、該取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、一部の集合を送信に使用しない不使用集合として選択する集合選択部を備えることを特徴とするプロセッサ。
【請求項20】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置が実行する送信方法であって、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得手順と、
前記取得手順が取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信手順と、
を有することを特徴とする送信方法。
【請求項21】
基地局から通知される単位周波数帯域の周波数軸上における位置に基づいて、前記基地局に対しデータを送信する送信装置のコンピュータに、
前記位置が周波数軸上で連続している前記単位周波数帯域の集合が複数割り当てられたことを示すマッピング情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得したマッピング情報に基づいて、複数の前記集合が示す周波数帯域のうち、送信に使用する使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信し、送信に使用しない不使用集合が示す周波数帯域を用いて前記データを送信しない送信ステップと、
を実行させるための送信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−70355(P2013−70355A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10408(P2012−10408)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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