送信装置、受信装置、および伝送システム
【課題】同期網において、従来と同程度の精度および速さで同期を確立することができると共に、同期外れを起こす確率を下げることができる伝送システム10を提供する。
【解決手段】本発明では、同期が確立されるまでは誤り訂正を行わずに同期符号を検出し、同期が確立した後は誤り訂正を行った後の同期符号により同期外れの有無を監視する。
【解決手段】本発明では、同期が確立されるまでは誤り訂正を行わずに同期符号を検出し、同期が確立した後は誤り訂正を行った後の同期符号により同期外れの有無を監視する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して装置どうしが同期を確立し、確立された同期が維持されているか否かを監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光伝送技術の発達により、信号速度は日々増加しており、最近では40Gbit/s、100Gbit/sといった信号速度での通信が実用化されつつある。しかし、信号速度の増加に伴い送受信できるデータ量は増えるが、40Gbit/s以上の信号速度となると、波長分散や自己位相変調などの影響が顕著となり信号誤りが多くなる。そこで、RS-FEC(Reed-Solomon Forward Error Correction)やE-FEC(Enhanced Forward Error Correction)と呼ばれるエラー訂正技術により、誤り率の改善が図られている。
【0003】
ところで、フレーム中には同期を取るための同期パタンが含まれるが、この同期パタンは、エラー訂正の対象外とすることが規格で決められている。そのため、同期が確立した後、伝送対象のデータについてはFECにより正しいデータを復元することができる程度に信号が劣化した場合であっても、同期パタンの誤りを訂正することができず同期外れと判定してしまう場合がある。
【0004】
また、ノイズを同期パタンと誤認識してノイズに同期してしまったり、同期を確立しても瞬間的なノイズにより同期外れと見なすような不安定な同期を防止するため、一般的に、所定数以上の連続するフレームにおいて同期パタンを連続して検出できた場合に、装置が同期状態に遷移し、所定数以上の連続するフレームにおいて同期パタンを連続して検出できなかった場合に、装置が非同期(HUNT)状態に遷移する手法がとられる。
【0005】
装置が同期外れの状態から同期状態に遷移するために同期パタンを連続して検出すべき回数は後方保護段数と呼ばれ、装置が同期状態から同期外れの状態に遷移するために同期パタンの検出を連続して失敗する回数は前方保護段数と呼ばれる。
【0006】
このような手法において、前方保護段数をM2回、フレーム同期パタンの長さをx、フレーム同期パタンが一致しない確率をr、伝送速度をS、フレーム長をL、伝送路の誤り率をεとした場合、同期を確立した後に同期パタンを連続して検出できずにHUNT状態に戻るまでのミスフレーム時間Tmは、例えば下記の数式(1)および(2)によって算出できる。
【0007】
【数1】
【数2】
【0008】
上記の式より、同期パタンの長さxを32ビット、前方保護段数M2を2段、伝送路の誤り率εを10-4とすると、STM-1の場合ではミスフレーム時間Tmは約11.9年となる。STM-64も、フレーム時間がSTM-1と同一であるため、信号速度が増しても同期が外れる確率はSTM-1と同じく約11.9年となる。
【0009】
これに対し、OTN(optical transport network)における40G(OTU3)の場合では、約106日で同期が外れる計算になる。また、100G(OTU4)の場合では、1フレームのビット数が40G(OTU3)と同一であるため、フレーム時間が異なり、約41日で同期が外れてしまう計算になる。一般的に、ミスフレーム時間Tmは装置寿命よりも長いことが望ましい。
【0010】
下記の特許文献1には、同期パタンについてもエラー訂正の対象とすることにより、同期パタンに多少の誤りが発生したとしても同期を維持することができるようにする方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−18466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の特許文献に記載の方式では、エラー訂正方式として畳み込み符号を用いており、同期パタンの抽出にはビタビ復号を行うことが前提となっている。しかし、フレームの同期が確立していない段階でビタビ復号を行っても、正しいフレームのビット位置でデータを復号することができないため、同期パタンを抽出することができない。
【0013】
正しい同期パタンが得られるまで、全てのビット位置においてビタビ復号を行うことも考えられるが、処理負荷が高くなると共に、同期パタンを見つけるまでに長い時間がかかり効率が悪い。
【0014】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来と同程度の精度および速さで同期を確立すると共に、同期外れを起こす確率を下げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明では、同期が確立されるまでは誤り訂正を行わずに同期符号を検出し、同期が確立した後は誤り訂正を行った後の同期符号により同期外れの有無を監視する。
【0016】
例えば、本発明の第一の態様は、ネットワークを介して信号を送信する送信装置であって、
第1の同期符号、第2の同期符号、および外部の装置から入力された,伝送対象となるユーザデータに関する情報を含むヘッダ情報を作成するヘッダ作成部と、
前記ヘッダ作成部によって作成された前記ヘッダ情報の中で前記第1の同期符号以外の部分、および、前記ユーザデータの誤りを訂正するためのFEC(Forward Error Correction)データを作成するFEC作成部と、
前記ユーザデータをペイロードとして、前記ヘッダ情報、前記ペイロード、および前記FECデータを含む伝送フレームを作成するフレーム作成部と、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信する送信部と
を備えることを特徴とする送信装置を提供する。
【0017】
また、本発明の第二の態様は、ネットワークを介して送信される伝送フレームを受信する受信装置であって、
前記伝送フレームには、ヘッダ情報、ペイロード、およびFEC(Forward Error Correction)データが含まれており、
前記ヘッダ情報には、第1および第2の同期符号が含まれており、
前記FECデータは、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分および前記ペイロードの誤りを訂正するためのデータであり、
当該受信装置は、
前記伝送フレームの前記ヘッダ情報内にある前記第1の同期符号を検出することにより、フレーム同期を確立する同期確立部と、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレーム内の前記FECデータを用いてヘッダ情報およびペイロードの誤り訂正を実行するFEC実行部と、
前記FEC実行部によって誤り訂正が行われた後のヘッダ情報に含まれている第2の同期符号が、予め定められた符号パタンと一致するか否かを判定することにより、フレーム同期が維持されているか否かを判定する同期外れ監視部と、
前記同期外れ監視部によってフレーム同期が維持されていると判定されている場合に、前記伝送フレーム内の前記ペイロードを抽出して外部の装置へ出力するデータ出力部と
を備えることを特徴とする受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来と同程度の精度および速さで同期を確立することができると共に、同期外れを起こす確率を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝送システム10の構成を示すシステム構成図である。
【図2】送信装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】伝送フレームの構造の一例を示す概念図である。
【図4】受信装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】受信装置30の状態遷移を説明するための状態遷移図である。
【図6】送信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】受信装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】送信装置20または受信装置30の機能を実現するコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。
【図9】FASの詳細な構造の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システム10の構成を示すシステム構成図である。本実施形態において伝送システム10は、OTN(optical transport network)であり、複数の伝送装置16を備える。それぞれの伝送装置16は、送信装置20および受信装置30を有する。
【0022】
送信装置20は、ルータ13を介して端末装置11から伝送対象のデータを受け取った場合、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から伝送対象のデータを受け取った場合に、受け取ったデータを所定の伝送フレームの形式に加工して他の伝送装置16へ送信する。伝送フレームには同期符号が含まれている。
【0023】
受信装置30は、他の伝送装置16から送信された伝送フレームの同期符号をサーチすることにより、フレーム同期を確立する。そして、受信装置30は、他の伝送装置16から送信された伝送フレームから伝送対象のデータを取り出し、取り出したデータを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信する。
【0024】
図2は、送信装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。送信装置20は、バッファ21、ヘッダ作成部22、FEC作成部23、フレーム作成部24、スクランブラ25、および送信部26を有する。
【0025】
バッファ21は、ルータ13を介して端末装置11から、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から伝送対象のデータを受信して保持し、フレームの送信タイミングになった場合に、保持している伝送対象のデータをヘッダ作成部22、FEC作成部23、およびフレーム作成部24へ送る。
【0026】
ヘッダ作成部22は、第1および第2の同期符号を含むヘッダを作成し、作成したヘッダをFEC作成部23およびフレーム作成部24へ送る。ヘッダ作成部22が作成するヘッダは、例えば図3に示すようなデータ構造である。
【0027】
図3には、伝送フレームのデータ構造が示されている。伝送フレームには、ヘッダ40、ペイロード41、およびFECデータ42が含まれる。ヘッダ40内の領域43に格納されるFASは本実施形態における第1の同期符号である。本実施形態において、第2の同期符号は、例えば領域45のRES内に格納される。第1の同期符号と第2の同期符号は同一の符号であってもよく、異なる符号であってもよい。
【0028】
FEC作成部23は、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダの一部と、バッファ21から受け取った伝送対象のデータとに基づいてFECデータを作成し、作成したFECデータをフレーム作成部24へ送る。ヘッダの一部とは、例えば図3に示した領域44に含まれるデータである。すなわち、領域43内の第1の同期符号は、FECの対象から外されている。
【0029】
フレーム作成部24は、バッファ21から送られてきた伝送対象のデータをペイロードとして、当該ペイロードと、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダと、FEC作成部23によって作成されたFECデータとを含む伝送フレームを作成し、作成した伝送フレームをスクランブラ25へ送る。
【0030】
スクランブラ25は、フレーム作成部24によって作成された伝送フレームにおいて、FAS以外のヘッダの部分と、ペイロードと、FECデータとを攪拌(スクランブル)し、攪拌された伝送フレームを送信部26へ送る。送信部26は、受け取った伝送フレームを他の伝送装置15へ送信する。
【0031】
図4は、受信装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。受信装置30は、同期確立部31、デスクランブラ32、同期外れ監視部33、FEC実行部34、およびデータ出力部35を有する。
【0032】
同期確立部31は、伝送フレームのヘッダに格納された第1の同期符号をサーチする。同期符号のサーチは、例えば他の伝送装置15から送信されたデータを1フレーム分バッファに取り込み、取り込んだ1フレーム分のデータについて、第1の同期符号と一致するデータの位置をbitをずらしながら順次判定することで実現される。
【0033】
連続する所定数のフレームについて第1の同期符号を連続して検出できた場合、同期確立部31は、フレーム同期が確立したと判定する。そして、同期確立部31は、受信装置30が同期状態に遷移した旨をデスクランブラ32、同期外れ監視部33、およびデータ出力部35に通知すると共に、伝送フレームの開始タイミングをデスクランブラ32に通知する。
【0034】
また、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期外れ監視部33から通知された場合、同期確立部31は、再び伝送フレームのヘッダに格納された第1の同期符号のサーチを再開する。
【0035】
デスクランブラ32は、受信装置30が同期状態に遷移した旨および伝送フレームの開始タイミングの通知を同期確立部31から受けた場合に、通知された開始タイミングから伝送フレームに施された攪拌を元に戻し(デスクランブル)、攪拌前の状態に戻った伝送フレームをFEC実行部34へ送る。また、デスクランブラ32は、受信装置30が同期外れ(HUNT)状態に遷移した旨を同期外れ監視部33から通知された場合に、伝送フレームに施された攪拌を元に戻す処理を停止する。
【0036】
FEC実行部34は、デスクランブラ32から受け取った伝送フレーム内のFECデータを用いて、FAS以外のヘッダの部分およびペイロードに対してエラー訂正の処理を実行する。そして、FEC実行部34は、エラー訂正の処理を実行した後の伝送フレームをデータ出力部35へ送ると共に、当該伝送フレームのヘッダから第2の同期符号が格納されている位置のデータを抽出し、抽出したデータを同期外れ監視部33へ送る。
【0037】
データ出力部35は、受信装置30が同期状態となった旨を同期確立部31から通知された場合に、FEC実行部34から受け取った伝送フレームからペイロードを抽出し、抽出したペイロードを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信する。一方、受信装置30が非同期状態となった旨を同期外れ監視部33から通知された場合、データ出力部35は、ペイロードの抽出および送信を停止する。
【0038】
同期外れ監視部33は、フレームタイミング毎にFEC実行部34から順次送られてくるデータが第2の同期符号であるか否かを判定する。同期外れ監視部33は、連続する所定数のフレームについて第2の同期符号を連続して検出できなかった場合に、フレーム同期が外れたと判定する。フレーム同期が外れたと判定した場合、同期外れ監視部33は、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期確立部31、デスクランブラ32、およびデータ出力部35に通知する。
【0039】
ここで、本実施形態における受信装置30の状態の遷移について図5を用いて説明する。リセット後、受信装置30の状態は、まずHUNT状態に移行し、HUNT状態において、同期確立部31は伝送フレームのヘッダ内の第1の同期符号をサーチする。
【0040】
HUNT状態において受信したデータの中に第1の同期符号と一致するデータを見つけることができた場合、受信装置30の状態はBW(1)の状態に遷移し、その状態において、同期確立部31は次のフレームにおいて送信されるべきタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できるか否かを判定する。BW(1)の状態において次のフレームタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はHUNT状態に戻る。
【0041】
一方、BW(1)の状態において次のフレームタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できた場合、受信装置30の状態はBW(2)の状態に遷移する。このように、連続するM1個の伝送フレームについて第1の同期符号と一致するデータを連続して受信できた場合、受信装置30の状態は、同期状態に遷移する。本実施形態においてM1は例えば2であり、2回連続して第1の同期符号を受信できた場合に、受信装置30の状態は同期状態に遷移する。
【0042】
受信装置30の状態が同期状態になると、同期外れ監視部33は、誤り訂正が施された後のそれぞれの伝送フレームの領域45を参照して、第2の同期符号と一致するデータが受信できているか否かを判定する。
【0043】
同期状態において第2の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はFW(1)の状態に遷移し、その状態において、同期外れ監視部33は、誤り訂正が施された後の次のフレームの領域45において第2の同期符号と一致するデータを受信できるか否かを判定する。FW(1)の状態において誤り訂正が施された後の次のフレームタイミングで第2の同期符号と一致するデータを受信できた場合、受信装置30の状態は同期状態に戻る。
【0044】
一方、FW(1)の状態において誤り訂正が施された後の次のフレームタイミングで第2の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はFW(2)の状態に遷移する。このように、誤り訂正が施された後の連続するM2個の伝送フレームの領域45について第2の同期符号と一致するデータを連続して検出できなかった場合、受信装置30の状態は、非同期(HUNT)状態に遷移する。本実施形態においてM2は例えば5であり、5回連続して第2の同期符号を受信できなかった場合に、受信装置30の状態は非同期状態に遷移する。
【0045】
図6は、送信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、送信装置20は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0046】
まず、バッファ21は、ルータ13を介して端末装置11から、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から受信したデータを保持し(S100)、フレームの送信タイミングか否かを判定する(S101)。フレームの送信タイミングでない場合(S101:No)、バッファ21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0047】
フレームの送信タイミングである場合(S101:Yes)、バッファ21は、保持しているデータをヘッダ作成部22、FEC作成部23、およびフレーム作成部24へ送る。
【0048】
次に、ヘッダ作成部22は、バッファ21から受け取った伝送対象のデータに基づいて、第1および第2の同期符号を含むヘッダを作成し、作成したヘッダをFEC作成部23およびフレーム作成部24へ送る(S102)。
【0049】
次に、FEC作成部23は、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダの一部と、バッファ21から受け取った伝送対象のデータとに基づいてFECデータを作成し、作成したFECデータをフレーム作成部24へ送る(S103)。
【0050】
次に、フレーム作成部24は、バッファ21から送られてきた伝送対象のデータをペイロードとして、当該ペイロードと、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダと、FEC作成部23によって作成されたFECデータとを含む伝送フレームを作成し、作成した伝送フレームをスクランブラ25へ送る(S104)。
【0051】
次に、スクランブラ25は、フレーム作成部24によって作成された伝送フレームにおいて、FAS以外のヘッダの部分と、ペイロードと、FECデータとを攪拌(スクランブル)し、攪拌された伝送フレームを送信部26へ送る(S105)。
【0052】
次に、送信部26は、スクランブラ25から受け取った伝送フレームを他の伝送装置15へ送信し(S106)、バッファ21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0053】
図7は、受信装置30の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、受信装置30は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0054】
まず、同期確立部31は変数BWの値を0に初期化し、同期外れ監視部33は、変数FWの値を0に初期化する(S200)。そして、同期確立部31は、他の伝送装置15から送信されたデータを1フレーム分受信し、受信した1フレーム分のデータの中で、第1の同期符号と一致するデータを、bitをずらしながら順次判定することにより、伝送フレームのヘッダ内の第1の同期符号をサーチする(S201)。
【0055】
受信した1フレーム分のデータの中で第1の同期符号と一致するデータを見つけることができなかった場合(S202:No)、同期確立部31は、変数BWの値を0に初期化し(S204)、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0056】
一方、第1の同期符号と一致するデータを見つけることができた場合(S202:Yes)、同期確立部31は、変数BWの値を1増加させ(S203)、変数BWの値がM1以上となったか否かを判定する(S205)。本実施形態においてM1は例えば2である。変数BWの値がM1未満である場合(S205:No)、同期確立部31は、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0057】
変数BWの値がM1以上の場合(S205:Yes)、同期確立部31は、フレーム同期が確立したと判定し、受信装置30が同期状態に遷移した旨をデスクランブラ32、同期外れ監視部33、およびデータ出力部35に通知すると共に、伝送フレームの開始タイミングをデスクランブラ32に通知する。
【0058】
次に、デスクランブラ32は、同期確立部31より通知された開始タイミングから伝送フレームに施された攪拌を元に戻し(デスクランブル)、攪拌前の状態に戻った伝送フレームをFEC実行部34へ送る(S206)。
【0059】
次に、FEC実行部34は、デスクランブラ32から受け取った伝送フレーム内のFECデータを用いて、FAS以外のヘッダの部分およびペイロードに対してエラー訂正の処理を実行する(S207)。そして、FEC実行部34は、エラー訂正の処理を実行した後の伝送フレームをデータ出力部35へ送ると共に、当該伝送フレームのヘッダから第2の同期符号が格納されている位置のデータを抽出し、抽出したデータを同期外れ監視部33へ送る。
【0060】
次に、同期外れ監視部33は、FEC実行部34から送られてきた領域45のデータが第2の同期符号と一致するか否かを判定することにより、フレームタイミングにおいて第2の同期符号を受信できたか否かを判定する(S208)。第2の同期符号を受信できた場合(S208:Yes)、同期外れ監視部33は、変数FWの値を0に初期化する(S209)。
【0061】
次に、データ出力部35は、FEC実行部34から受け取った伝送フレームからペイロードを抽出し、抽出したペイロードを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信し(S210)、デスクランブラ32は、再びステップS206に示した処理を実行する。
【0062】
一方、第2の同期符号を受信できなかった場合(S208:No)、同期外れ監視部33は、変数FWの値を1増加させ(S211)、変数FWの値がM2以上になったか否かを判定する(S212)。本実施形態においてM2は例えば5である。変数FWの値がM2未満である場合(S212:No)、デスクランブラ32は、再びステップS206に示した処理を実行する。
【0063】
一方、変数FWの値がM2以上になった場合(S212:Yes)、同期外れ監視部33は、フレーム同期が外れたと判定する。そして、同期外れ監視部33は、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期確立部31、デスクランブラ32、およびデータ出力部35に通知し、同期確立部31は、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0064】
図8は、送信装置20または受信装置30の機能を実現するコンピュータ50のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0065】
CPU51は、ROM53またはHDD54に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ50の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ50のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0066】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラムや当該プログラムで使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス55は、通信回線を介して他の装置からデータを受信してCPU51へ送ると共に、CPU51から受け取ったデータを通信回線を介して他の装置へ送信する。
【0067】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、表示装置やキーボード等の入出力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入出力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して入出力装置へ出力する。
【0068】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0069】
コンピュータ50が送信装置20として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、バッファ21、ヘッダ作成部22、FEC作成部23、フレーム作成部24、スクランブラ25、および送信部26の各機能を実現する。
【0070】
コンピュータ50が受信装置30として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、同期確立部31、デスクランブラ32、同期外れ監視部33、FEC実行部34、およびデータ出力部35の各機能を実現する。
【0071】
コンピュータ50のCPU51は、これらのプログラムを、記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信媒体を介してこれらのプログラムを取得してもよい。通信媒体とは、通信回線または通信回線を伝搬するディジタル信号もしくは搬送波を指す。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0073】
上記説明から明らかなように、本実施形態の伝送システム10によれば、従来と同程度の精度および速さで同期を確立することができると共に、同期外れを起こす確率を下げることができる。
【0074】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0075】
例えば、上記した実施形態において、ヘッダ作成部22は、図3に示したように、ヘッダ内の領域43に第1の同期符号を格納し、領域45に第2の同期符号を格納するが、本発明はこれに限られない。現在のOTNの規格では、ヘッダ内のFASは、例えば図9に示すように6バイトのデータであり、最初の3バイトに16進数で「F6」が格納され、後半の3バイトに16進数で「28」が格納される。
【0076】
しかし、実際に同期の確立および監視に用いられるデータは、領域46に含まれる4バイトのみである。そのため、FASの2〜5バイト目までのデータを同期符号とし、FASの最初の1バイト目と最後の6バイト目に、当該同期符号の誤り訂正を行うための符号を格納するようにしてもよい。
【0077】
この場合、同期確立部31は、HUNT状態において、他の伝送装置15から受信した1フレーム分のデータの中で任意の位置の6バイトのデータについて、1バイト目のデータと6バイト目のデータを用いて、2〜5バイト目までのデータの誤りを訂正した後に、当該2〜5バイト目までのデータが同期符号か否かを判定する。このようにすれば、FAS内で同期符号の誤り訂正が可能となるため、ヘッダの領域45内に第2の同期符号を格納する必要が無くなる。
【0078】
また、FEC作成部23によって実行される誤り訂正の方式が、誤り訂正の対象となる元のデータを改変せずに、元のデータから所定の演算により作成された誤り訂正符号を元のデータに付加する方式である場合、FEC作成部23は、FASを含むヘッダ全体とペイロードとをFECの対象としてFECデータを作成するようにしてもよい。このような誤り訂正の方式を用いると、伝送フレームには、元のデータがそのまま格納されることになる(ただし、スクランブラ25は、上記した実施形態と同様にFASのデータにスクランブルをかけないようにする必要がある)。
【0079】
受信側では、スクランブルされていないFASをサーチすることにより、フレームの同期を確立することができ、フレームの同期が確立された後は、デスクランブルおよび誤り訂正を実行した後の伝送フレームのFASを用いて、同期状態が維持されているか否かを監視することができる。この場合も、ヘッダの領域45内に第2の同期符号を格納する必要が無くなる。
【符号の説明】
【0080】
10・・・伝送システム、11・・・端末装置、12・・・通信回線、13・・・ルータ、14・・・通信回線、15・・・伝送装置、20・・・送信装置、21・・・バッファ、22・・・ヘッダ作成部、23・・・FEC作成部、24・・・フレーム作成部、25・・・スクランブラ、26・・・送信部、30・・・受信装置、31・・・同期確立部、32・・・デスクランブラ、33・・・同期外れ監視部、34・・・FEC実行部、35・・・データ出力部、40・・・ヘッダ、41・・・ペイロード、42・・・FEC、43・・・領域、44・・・領域、45・・・領域、46・・・領域、50・・・コンピュータ、51・・・CPU、52・・・RAM、53・・・ROM、54・・・HDD、55・・・通信インターフェイス、56・・・入出力インターフェイス、57・・・メディアインターフェイス、58・・・記録媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して装置どうしが同期を確立し、確立された同期が維持されているか否かを監視する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光伝送技術の発達により、信号速度は日々増加しており、最近では40Gbit/s、100Gbit/sといった信号速度での通信が実用化されつつある。しかし、信号速度の増加に伴い送受信できるデータ量は増えるが、40Gbit/s以上の信号速度となると、波長分散や自己位相変調などの影響が顕著となり信号誤りが多くなる。そこで、RS-FEC(Reed-Solomon Forward Error Correction)やE-FEC(Enhanced Forward Error Correction)と呼ばれるエラー訂正技術により、誤り率の改善が図られている。
【0003】
ところで、フレーム中には同期を取るための同期パタンが含まれるが、この同期パタンは、エラー訂正の対象外とすることが規格で決められている。そのため、同期が確立した後、伝送対象のデータについてはFECにより正しいデータを復元することができる程度に信号が劣化した場合であっても、同期パタンの誤りを訂正することができず同期外れと判定してしまう場合がある。
【0004】
また、ノイズを同期パタンと誤認識してノイズに同期してしまったり、同期を確立しても瞬間的なノイズにより同期外れと見なすような不安定な同期を防止するため、一般的に、所定数以上の連続するフレームにおいて同期パタンを連続して検出できた場合に、装置が同期状態に遷移し、所定数以上の連続するフレームにおいて同期パタンを連続して検出できなかった場合に、装置が非同期(HUNT)状態に遷移する手法がとられる。
【0005】
装置が同期外れの状態から同期状態に遷移するために同期パタンを連続して検出すべき回数は後方保護段数と呼ばれ、装置が同期状態から同期外れの状態に遷移するために同期パタンの検出を連続して失敗する回数は前方保護段数と呼ばれる。
【0006】
このような手法において、前方保護段数をM2回、フレーム同期パタンの長さをx、フレーム同期パタンが一致しない確率をr、伝送速度をS、フレーム長をL、伝送路の誤り率をεとした場合、同期を確立した後に同期パタンを連続して検出できずにHUNT状態に戻るまでのミスフレーム時間Tmは、例えば下記の数式(1)および(2)によって算出できる。
【0007】
【数1】
【数2】
【0008】
上記の式より、同期パタンの長さxを32ビット、前方保護段数M2を2段、伝送路の誤り率εを10-4とすると、STM-1の場合ではミスフレーム時間Tmは約11.9年となる。STM-64も、フレーム時間がSTM-1と同一であるため、信号速度が増しても同期が外れる確率はSTM-1と同じく約11.9年となる。
【0009】
これに対し、OTN(optical transport network)における40G(OTU3)の場合では、約106日で同期が外れる計算になる。また、100G(OTU4)の場合では、1フレームのビット数が40G(OTU3)と同一であるため、フレーム時間が異なり、約41日で同期が外れてしまう計算になる。一般的に、ミスフレーム時間Tmは装置寿命よりも長いことが望ましい。
【0010】
下記の特許文献1には、同期パタンについてもエラー訂正の対象とすることにより、同期パタンに多少の誤りが発生したとしても同期を維持することができるようにする方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−18466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記の特許文献に記載の方式では、エラー訂正方式として畳み込み符号を用いており、同期パタンの抽出にはビタビ復号を行うことが前提となっている。しかし、フレームの同期が確立していない段階でビタビ復号を行っても、正しいフレームのビット位置でデータを復号することができないため、同期パタンを抽出することができない。
【0013】
正しい同期パタンが得られるまで、全てのビット位置においてビタビ復号を行うことも考えられるが、処理負荷が高くなると共に、同期パタンを見つけるまでに長い時間がかかり効率が悪い。
【0014】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来と同程度の精度および速さで同期を確立すると共に、同期外れを起こす確率を下げることにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明では、同期が確立されるまでは誤り訂正を行わずに同期符号を検出し、同期が確立した後は誤り訂正を行った後の同期符号により同期外れの有無を監視する。
【0016】
例えば、本発明の第一の態様は、ネットワークを介して信号を送信する送信装置であって、
第1の同期符号、第2の同期符号、および外部の装置から入力された,伝送対象となるユーザデータに関する情報を含むヘッダ情報を作成するヘッダ作成部と、
前記ヘッダ作成部によって作成された前記ヘッダ情報の中で前記第1の同期符号以外の部分、および、前記ユーザデータの誤りを訂正するためのFEC(Forward Error Correction)データを作成するFEC作成部と、
前記ユーザデータをペイロードとして、前記ヘッダ情報、前記ペイロード、および前記FECデータを含む伝送フレームを作成するフレーム作成部と、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信する送信部と
を備えることを特徴とする送信装置を提供する。
【0017】
また、本発明の第二の態様は、ネットワークを介して送信される伝送フレームを受信する受信装置であって、
前記伝送フレームには、ヘッダ情報、ペイロード、およびFEC(Forward Error Correction)データが含まれており、
前記ヘッダ情報には、第1および第2の同期符号が含まれており、
前記FECデータは、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分および前記ペイロードの誤りを訂正するためのデータであり、
当該受信装置は、
前記伝送フレームの前記ヘッダ情報内にある前記第1の同期符号を検出することにより、フレーム同期を確立する同期確立部と、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレーム内の前記FECデータを用いてヘッダ情報およびペイロードの誤り訂正を実行するFEC実行部と、
前記FEC実行部によって誤り訂正が行われた後のヘッダ情報に含まれている第2の同期符号が、予め定められた符号パタンと一致するか否かを判定することにより、フレーム同期が維持されているか否かを判定する同期外れ監視部と、
前記同期外れ監視部によってフレーム同期が維持されていると判定されている場合に、前記伝送フレーム内の前記ペイロードを抽出して外部の装置へ出力するデータ出力部と
を備えることを特徴とする受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、従来と同程度の精度および速さで同期を確立することができると共に、同期外れを起こす確率を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝送システム10の構成を示すシステム構成図である。
【図2】送信装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】伝送フレームの構造の一例を示す概念図である。
【図4】受信装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図5】受信装置30の状態遷移を説明するための状態遷移図である。
【図6】送信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】受信装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】送信装置20または受信装置30の機能を実現するコンピュータ50の一例を示すハードウェア構成図である。
【図9】FASの詳細な構造の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システム10の構成を示すシステム構成図である。本実施形態において伝送システム10は、OTN(optical transport network)であり、複数の伝送装置16を備える。それぞれの伝送装置16は、送信装置20および受信装置30を有する。
【0022】
送信装置20は、ルータ13を介して端末装置11から伝送対象のデータを受け取った場合、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から伝送対象のデータを受け取った場合に、受け取ったデータを所定の伝送フレームの形式に加工して他の伝送装置16へ送信する。伝送フレームには同期符号が含まれている。
【0023】
受信装置30は、他の伝送装置16から送信された伝送フレームの同期符号をサーチすることにより、フレーム同期を確立する。そして、受信装置30は、他の伝送装置16から送信された伝送フレームから伝送対象のデータを取り出し、取り出したデータを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信する。
【0024】
図2は、送信装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。送信装置20は、バッファ21、ヘッダ作成部22、FEC作成部23、フレーム作成部24、スクランブラ25、および送信部26を有する。
【0025】
バッファ21は、ルータ13を介して端末装置11から、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から伝送対象のデータを受信して保持し、フレームの送信タイミングになった場合に、保持している伝送対象のデータをヘッダ作成部22、FEC作成部23、およびフレーム作成部24へ送る。
【0026】
ヘッダ作成部22は、第1および第2の同期符号を含むヘッダを作成し、作成したヘッダをFEC作成部23およびフレーム作成部24へ送る。ヘッダ作成部22が作成するヘッダは、例えば図3に示すようなデータ構造である。
【0027】
図3には、伝送フレームのデータ構造が示されている。伝送フレームには、ヘッダ40、ペイロード41、およびFECデータ42が含まれる。ヘッダ40内の領域43に格納されるFASは本実施形態における第1の同期符号である。本実施形態において、第2の同期符号は、例えば領域45のRES内に格納される。第1の同期符号と第2の同期符号は同一の符号であってもよく、異なる符号であってもよい。
【0028】
FEC作成部23は、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダの一部と、バッファ21から受け取った伝送対象のデータとに基づいてFECデータを作成し、作成したFECデータをフレーム作成部24へ送る。ヘッダの一部とは、例えば図3に示した領域44に含まれるデータである。すなわち、領域43内の第1の同期符号は、FECの対象から外されている。
【0029】
フレーム作成部24は、バッファ21から送られてきた伝送対象のデータをペイロードとして、当該ペイロードと、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダと、FEC作成部23によって作成されたFECデータとを含む伝送フレームを作成し、作成した伝送フレームをスクランブラ25へ送る。
【0030】
スクランブラ25は、フレーム作成部24によって作成された伝送フレームにおいて、FAS以外のヘッダの部分と、ペイロードと、FECデータとを攪拌(スクランブル)し、攪拌された伝送フレームを送信部26へ送る。送信部26は、受け取った伝送フレームを他の伝送装置15へ送信する。
【0031】
図4は、受信装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。受信装置30は、同期確立部31、デスクランブラ32、同期外れ監視部33、FEC実行部34、およびデータ出力部35を有する。
【0032】
同期確立部31は、伝送フレームのヘッダに格納された第1の同期符号をサーチする。同期符号のサーチは、例えば他の伝送装置15から送信されたデータを1フレーム分バッファに取り込み、取り込んだ1フレーム分のデータについて、第1の同期符号と一致するデータの位置をbitをずらしながら順次判定することで実現される。
【0033】
連続する所定数のフレームについて第1の同期符号を連続して検出できた場合、同期確立部31は、フレーム同期が確立したと判定する。そして、同期確立部31は、受信装置30が同期状態に遷移した旨をデスクランブラ32、同期外れ監視部33、およびデータ出力部35に通知すると共に、伝送フレームの開始タイミングをデスクランブラ32に通知する。
【0034】
また、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期外れ監視部33から通知された場合、同期確立部31は、再び伝送フレームのヘッダに格納された第1の同期符号のサーチを再開する。
【0035】
デスクランブラ32は、受信装置30が同期状態に遷移した旨および伝送フレームの開始タイミングの通知を同期確立部31から受けた場合に、通知された開始タイミングから伝送フレームに施された攪拌を元に戻し(デスクランブル)、攪拌前の状態に戻った伝送フレームをFEC実行部34へ送る。また、デスクランブラ32は、受信装置30が同期外れ(HUNT)状態に遷移した旨を同期外れ監視部33から通知された場合に、伝送フレームに施された攪拌を元に戻す処理を停止する。
【0036】
FEC実行部34は、デスクランブラ32から受け取った伝送フレーム内のFECデータを用いて、FAS以外のヘッダの部分およびペイロードに対してエラー訂正の処理を実行する。そして、FEC実行部34は、エラー訂正の処理を実行した後の伝送フレームをデータ出力部35へ送ると共に、当該伝送フレームのヘッダから第2の同期符号が格納されている位置のデータを抽出し、抽出したデータを同期外れ監視部33へ送る。
【0037】
データ出力部35は、受信装置30が同期状態となった旨を同期確立部31から通知された場合に、FEC実行部34から受け取った伝送フレームからペイロードを抽出し、抽出したペイロードを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信する。一方、受信装置30が非同期状態となった旨を同期外れ監視部33から通知された場合、データ出力部35は、ペイロードの抽出および送信を停止する。
【0038】
同期外れ監視部33は、フレームタイミング毎にFEC実行部34から順次送られてくるデータが第2の同期符号であるか否かを判定する。同期外れ監視部33は、連続する所定数のフレームについて第2の同期符号を連続して検出できなかった場合に、フレーム同期が外れたと判定する。フレーム同期が外れたと判定した場合、同期外れ監視部33は、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期確立部31、デスクランブラ32、およびデータ出力部35に通知する。
【0039】
ここで、本実施形態における受信装置30の状態の遷移について図5を用いて説明する。リセット後、受信装置30の状態は、まずHUNT状態に移行し、HUNT状態において、同期確立部31は伝送フレームのヘッダ内の第1の同期符号をサーチする。
【0040】
HUNT状態において受信したデータの中に第1の同期符号と一致するデータを見つけることができた場合、受信装置30の状態はBW(1)の状態に遷移し、その状態において、同期確立部31は次のフレームにおいて送信されるべきタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できるか否かを判定する。BW(1)の状態において次のフレームタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はHUNT状態に戻る。
【0041】
一方、BW(1)の状態において次のフレームタイミングで第1の同期符号と一致するデータを受信できた場合、受信装置30の状態はBW(2)の状態に遷移する。このように、連続するM1個の伝送フレームについて第1の同期符号と一致するデータを連続して受信できた場合、受信装置30の状態は、同期状態に遷移する。本実施形態においてM1は例えば2であり、2回連続して第1の同期符号を受信できた場合に、受信装置30の状態は同期状態に遷移する。
【0042】
受信装置30の状態が同期状態になると、同期外れ監視部33は、誤り訂正が施された後のそれぞれの伝送フレームの領域45を参照して、第2の同期符号と一致するデータが受信できているか否かを判定する。
【0043】
同期状態において第2の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はFW(1)の状態に遷移し、その状態において、同期外れ監視部33は、誤り訂正が施された後の次のフレームの領域45において第2の同期符号と一致するデータを受信できるか否かを判定する。FW(1)の状態において誤り訂正が施された後の次のフレームタイミングで第2の同期符号と一致するデータを受信できた場合、受信装置30の状態は同期状態に戻る。
【0044】
一方、FW(1)の状態において誤り訂正が施された後の次のフレームタイミングで第2の同期符号と一致するデータを受信できなかった場合、受信装置30の状態はFW(2)の状態に遷移する。このように、誤り訂正が施された後の連続するM2個の伝送フレームの領域45について第2の同期符号と一致するデータを連続して検出できなかった場合、受信装置30の状態は、非同期(HUNT)状態に遷移する。本実施形態においてM2は例えば5であり、5回連続して第2の同期符号を受信できなかった場合に、受信装置30の状態は非同期状態に遷移する。
【0045】
図6は、送信装置20の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、送信装置20は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0046】
まず、バッファ21は、ルータ13を介して端末装置11から、あるいは、自装置が設けられている伝送装置16が有する受信装置30から受信したデータを保持し(S100)、フレームの送信タイミングか否かを判定する(S101)。フレームの送信タイミングでない場合(S101:No)、バッファ21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0047】
フレームの送信タイミングである場合(S101:Yes)、バッファ21は、保持しているデータをヘッダ作成部22、FEC作成部23、およびフレーム作成部24へ送る。
【0048】
次に、ヘッダ作成部22は、バッファ21から受け取った伝送対象のデータに基づいて、第1および第2の同期符号を含むヘッダを作成し、作成したヘッダをFEC作成部23およびフレーム作成部24へ送る(S102)。
【0049】
次に、FEC作成部23は、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダの一部と、バッファ21から受け取った伝送対象のデータとに基づいてFECデータを作成し、作成したFECデータをフレーム作成部24へ送る(S103)。
【0050】
次に、フレーム作成部24は、バッファ21から送られてきた伝送対象のデータをペイロードとして、当該ペイロードと、ヘッダ作成部22によって作成されたヘッダと、FEC作成部23によって作成されたFECデータとを含む伝送フレームを作成し、作成した伝送フレームをスクランブラ25へ送る(S104)。
【0051】
次に、スクランブラ25は、フレーム作成部24によって作成された伝送フレームにおいて、FAS以外のヘッダの部分と、ペイロードと、FECデータとを攪拌(スクランブル)し、攪拌された伝送フレームを送信部26へ送る(S105)。
【0052】
次に、送信部26は、スクランブラ25から受け取った伝送フレームを他の伝送装置15へ送信し(S106)、バッファ21は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0053】
図7は、受信装置30の動作の一例を示すフローチャートである。例えば電源が投入される等の所定のタイミングで、受信装置30は本フローチャートに示す動作を開始する。
【0054】
まず、同期確立部31は変数BWの値を0に初期化し、同期外れ監視部33は、変数FWの値を0に初期化する(S200)。そして、同期確立部31は、他の伝送装置15から送信されたデータを1フレーム分受信し、受信した1フレーム分のデータの中で、第1の同期符号と一致するデータを、bitをずらしながら順次判定することにより、伝送フレームのヘッダ内の第1の同期符号をサーチする(S201)。
【0055】
受信した1フレーム分のデータの中で第1の同期符号と一致するデータを見つけることができなかった場合(S202:No)、同期確立部31は、変数BWの値を0に初期化し(S204)、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0056】
一方、第1の同期符号と一致するデータを見つけることができた場合(S202:Yes)、同期確立部31は、変数BWの値を1増加させ(S203)、変数BWの値がM1以上となったか否かを判定する(S205)。本実施形態においてM1は例えば2である。変数BWの値がM1未満である場合(S205:No)、同期確立部31は、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0057】
変数BWの値がM1以上の場合(S205:Yes)、同期確立部31は、フレーム同期が確立したと判定し、受信装置30が同期状態に遷移した旨をデスクランブラ32、同期外れ監視部33、およびデータ出力部35に通知すると共に、伝送フレームの開始タイミングをデスクランブラ32に通知する。
【0058】
次に、デスクランブラ32は、同期確立部31より通知された開始タイミングから伝送フレームに施された攪拌を元に戻し(デスクランブル)、攪拌前の状態に戻った伝送フレームをFEC実行部34へ送る(S206)。
【0059】
次に、FEC実行部34は、デスクランブラ32から受け取った伝送フレーム内のFECデータを用いて、FAS以外のヘッダの部分およびペイロードに対してエラー訂正の処理を実行する(S207)。そして、FEC実行部34は、エラー訂正の処理を実行した後の伝送フレームをデータ出力部35へ送ると共に、当該伝送フレームのヘッダから第2の同期符号が格納されている位置のデータを抽出し、抽出したデータを同期外れ監視部33へ送る。
【0060】
次に、同期外れ監視部33は、FEC実行部34から送られてきた領域45のデータが第2の同期符号と一致するか否かを判定することにより、フレームタイミングにおいて第2の同期符号を受信できたか否かを判定する(S208)。第2の同期符号を受信できた場合(S208:Yes)、同期外れ監視部33は、変数FWの値を0に初期化する(S209)。
【0061】
次に、データ出力部35は、FEC実行部34から受け取った伝送フレームからペイロードを抽出し、抽出したペイロードを、自装置が設けられている伝送装置16が有する送信装置20へ、あるいは、外部のルータ13を介して端末装置11へ送信し(S210)、デスクランブラ32は、再びステップS206に示した処理を実行する。
【0062】
一方、第2の同期符号を受信できなかった場合(S208:No)、同期外れ監視部33は、変数FWの値を1増加させ(S211)、変数FWの値がM2以上になったか否かを判定する(S212)。本実施形態においてM2は例えば5である。変数FWの値がM2未満である場合(S212:No)、デスクランブラ32は、再びステップS206に示した処理を実行する。
【0063】
一方、変数FWの値がM2以上になった場合(S212:Yes)、同期外れ監視部33は、フレーム同期が外れたと判定する。そして、同期外れ監視部33は、受信装置30が非同期状態に遷移した旨を同期確立部31、デスクランブラ32、およびデータ出力部35に通知し、同期確立部31は、再びステップS201に示した処理を実行する。
【0064】
図8は、送信装置20または受信装置30の機能を実現するコンピュータ50のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0065】
CPU51は、ROM53またはHDD54に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ50の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ50のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0066】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラムや当該プログラムで使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス55は、通信回線を介して他の装置からデータを受信してCPU51へ送ると共に、CPU51から受け取ったデータを通信回線を介して他の装置へ送信する。
【0067】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、表示装置やキーボード等の入出力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入出力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して入出力装置へ出力する。
【0068】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0069】
コンピュータ50が送信装置20として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、バッファ21、ヘッダ作成部22、FEC作成部23、フレーム作成部24、スクランブラ25、および送信部26の各機能を実現する。
【0070】
コンピュータ50が受信装置30として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、同期確立部31、デスクランブラ32、同期外れ監視部33、FEC実行部34、およびデータ出力部35の各機能を実現する。
【0071】
コンピュータ50のCPU51は、これらのプログラムを、記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信媒体を介してこれらのプログラムを取得してもよい。通信媒体とは、通信回線または通信回線を伝搬するディジタル信号もしくは搬送波を指す。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0073】
上記説明から明らかなように、本実施形態の伝送システム10によれば、従来と同程度の精度および速さで同期を確立することができると共に、同期外れを起こす確率を下げることができる。
【0074】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0075】
例えば、上記した実施形態において、ヘッダ作成部22は、図3に示したように、ヘッダ内の領域43に第1の同期符号を格納し、領域45に第2の同期符号を格納するが、本発明はこれに限られない。現在のOTNの規格では、ヘッダ内のFASは、例えば図9に示すように6バイトのデータであり、最初の3バイトに16進数で「F6」が格納され、後半の3バイトに16進数で「28」が格納される。
【0076】
しかし、実際に同期の確立および監視に用いられるデータは、領域46に含まれる4バイトのみである。そのため、FASの2〜5バイト目までのデータを同期符号とし、FASの最初の1バイト目と最後の6バイト目に、当該同期符号の誤り訂正を行うための符号を格納するようにしてもよい。
【0077】
この場合、同期確立部31は、HUNT状態において、他の伝送装置15から受信した1フレーム分のデータの中で任意の位置の6バイトのデータについて、1バイト目のデータと6バイト目のデータを用いて、2〜5バイト目までのデータの誤りを訂正した後に、当該2〜5バイト目までのデータが同期符号か否かを判定する。このようにすれば、FAS内で同期符号の誤り訂正が可能となるため、ヘッダの領域45内に第2の同期符号を格納する必要が無くなる。
【0078】
また、FEC作成部23によって実行される誤り訂正の方式が、誤り訂正の対象となる元のデータを改変せずに、元のデータから所定の演算により作成された誤り訂正符号を元のデータに付加する方式である場合、FEC作成部23は、FASを含むヘッダ全体とペイロードとをFECの対象としてFECデータを作成するようにしてもよい。このような誤り訂正の方式を用いると、伝送フレームには、元のデータがそのまま格納されることになる(ただし、スクランブラ25は、上記した実施形態と同様にFASのデータにスクランブルをかけないようにする必要がある)。
【0079】
受信側では、スクランブルされていないFASをサーチすることにより、フレームの同期を確立することができ、フレームの同期が確立された後は、デスクランブルおよび誤り訂正を実行した後の伝送フレームのFASを用いて、同期状態が維持されているか否かを監視することができる。この場合も、ヘッダの領域45内に第2の同期符号を格納する必要が無くなる。
【符号の説明】
【0080】
10・・・伝送システム、11・・・端末装置、12・・・通信回線、13・・・ルータ、14・・・通信回線、15・・・伝送装置、20・・・送信装置、21・・・バッファ、22・・・ヘッダ作成部、23・・・FEC作成部、24・・・フレーム作成部、25・・・スクランブラ、26・・・送信部、30・・・受信装置、31・・・同期確立部、32・・・デスクランブラ、33・・・同期外れ監視部、34・・・FEC実行部、35・・・データ出力部、40・・・ヘッダ、41・・・ペイロード、42・・・FEC、43・・・領域、44・・・領域、45・・・領域、46・・・領域、50・・・コンピュータ、51・・・CPU、52・・・RAM、53・・・ROM、54・・・HDD、55・・・通信インターフェイス、56・・・入出力インターフェイス、57・・・メディアインターフェイス、58・・・記録媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して信号を送信する送信装置であって、
第1の同期符号、第2の同期符号、および外部の装置から入力された,伝送対象となるユーザデータに関する情報を含むヘッダ情報を作成するヘッダ作成部と、
前記ヘッダ作成部によって作成された前記ヘッダ情報の中で前記第1の同期符号以外の部分、および、前記ユーザデータの誤りを訂正するためのFEC(Forward Error Correction)データを作成するFEC作成部と、
前記ユーザデータをペイロードとして、前記ヘッダ情報、前記ペイロード、および前記FECデータを含む伝送フレームを作成するフレーム作成部と、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信する送信部と
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項2に記載の送信装置であって、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームにおいて、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分と、前記ペイロードと、前記FECデータとにスクランブルを施すスクランブラをさらに備え、
前記送信部は、
前記スクランブラによってスクランブルされた伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信することを特徴とする送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の送信装置であって、
前記ヘッダ作成部は、
予め定められたヘッダ情報のフォーマットにおいて、リザーブ領域に前記第2の同期符号を割り当てることを特徴とする送信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して送信される伝送フレームを受信する受信装置であって、
前記伝送フレームには、ヘッダ情報、ペイロード、およびFEC(Forward Error Correction)データが含まれており、
前記ヘッダ情報には、第1および第2の同期符号が含まれており、
前記FECデータは、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分および前記ペイロードの誤りを訂正するためのデータであり、
当該受信装置は、
前記伝送フレームの前記ヘッダ情報内にある前記第1の同期符号を検出することにより、フレーム同期を確立する同期確立部と、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレーム内の前記FECデータを用いてヘッダ情報およびペイロードの誤り訂正を実行するFEC実行部と、
前記FEC実行部によって誤り訂正が行われた後のヘッダ情報に含まれている第2の同期符号が、予め定められた符号パタンと一致するか否かを判定することにより、フレーム同期が維持されているか否かを判定する同期外れ監視部と、
前記同期外れ監視部によってフレーム同期が維持されていると判定されている場合に、前記伝送フレーム内の前記ペイロードを抽出して外部の装置へ出力するデータ出力部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の受信装置であって、
前記伝送フレームにおいて、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分と、前記ペイロードと、前記FECデータとには、スクランブルが施されており、
当該受信装置は、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレームに施されたスクランブルを解除するデスクランブラをさらに備え、
前記FEC実行部は、
前記デスクランブラによってスクランブルが解除された伝送フレームに含まれるヘッダ情報およびペイロードについて誤り訂正を実行することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の受信装置であって、
前記第2の同期符号は、予め定められたヘッダ情報のフォーマットにおいて、前記ヘッダ情報内のリザーブ領域に割り当てられていることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の送信装置と、
請求項4に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【請求項8】
請求項2に記載の送信装置と、
請求項5に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【請求項9】
請求項3に記載の送信装置と、
請求項6に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【請求項1】
ネットワークを介して信号を送信する送信装置であって、
第1の同期符号、第2の同期符号、および外部の装置から入力された,伝送対象となるユーザデータに関する情報を含むヘッダ情報を作成するヘッダ作成部と、
前記ヘッダ作成部によって作成された前記ヘッダ情報の中で前記第1の同期符号以外の部分、および、前記ユーザデータの誤りを訂正するためのFEC(Forward Error Correction)データを作成するFEC作成部と、
前記ユーザデータをペイロードとして、前記ヘッダ情報、前記ペイロード、および前記FECデータを含む伝送フレームを作成するフレーム作成部と、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信する送信部と
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項2に記載の送信装置であって、
前記フレーム作成部によって作成された伝送フレームにおいて、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分と、前記ペイロードと、前記FECデータとにスクランブルを施すスクランブラをさらに備え、
前記送信部は、
前記スクランブラによってスクランブルされた伝送フレームを、前記ネットワークを介して送信することを特徴とする送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の送信装置であって、
前記ヘッダ作成部は、
予め定められたヘッダ情報のフォーマットにおいて、リザーブ領域に前記第2の同期符号を割り当てることを特徴とする送信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して送信される伝送フレームを受信する受信装置であって、
前記伝送フレームには、ヘッダ情報、ペイロード、およびFEC(Forward Error Correction)データが含まれており、
前記ヘッダ情報には、第1および第2の同期符号が含まれており、
前記FECデータは、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分および前記ペイロードの誤りを訂正するためのデータであり、
当該受信装置は、
前記伝送フレームの前記ヘッダ情報内にある前記第1の同期符号を検出することにより、フレーム同期を確立する同期確立部と、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレーム内の前記FECデータを用いてヘッダ情報およびペイロードの誤り訂正を実行するFEC実行部と、
前記FEC実行部によって誤り訂正が行われた後のヘッダ情報に含まれている第2の同期符号が、予め定められた符号パタンと一致するか否かを判定することにより、フレーム同期が維持されているか否かを判定する同期外れ監視部と、
前記同期外れ監視部によってフレーム同期が維持されていると判定されている場合に、前記伝送フレーム内の前記ペイロードを抽出して外部の装置へ出力するデータ出力部と
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の受信装置であって、
前記伝送フレームにおいて、前記第1の同期符号以外のヘッダ情報の部分と、前記ペイロードと、前記FECデータとには、スクランブルが施されており、
当該受信装置は、
前記同期確立部によってフレーム同期が確立された後に、前記伝送フレームに施されたスクランブルを解除するデスクランブラをさらに備え、
前記FEC実行部は、
前記デスクランブラによってスクランブルが解除された伝送フレームに含まれるヘッダ情報およびペイロードについて誤り訂正を実行することを特徴とする受信装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の受信装置であって、
前記第2の同期符号は、予め定められたヘッダ情報のフォーマットにおいて、前記ヘッダ情報内のリザーブ領域に割り当てられていることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
請求項1に記載の送信装置と、
請求項4に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【請求項8】
請求項2に記載の送信装置と、
請求項5に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【請求項9】
請求項3に記載の送信装置と、
請求項6に記載の受信装置と
を備えることを特徴とする伝送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−188062(P2011−188062A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48770(P2010−48770)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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