説明

送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および放送システム

【課題】番組やCMなどに連動し得るデータ放送用コンテンツのサービスを実現する。
【解決手段】ステップS1において、ビデオストリームの進行に対応させたトリガ情報が生成される。そして、トリガ情報をビデオストリームとともに符号化すると判断され場合、ステップS3で、ビデオストリームにトリガ情報が埋め込まれて符号化される。また、トリガ情報を符号化ビデオストリームなどとともに多重化すると判断された場合、ステップS6において、符号化ビデオストリーム、符号化オーディオストリームなどとともにトリガ情報も多重化されて多重化ストリームが生成され送出される。本発明は、例えば米国などにおいてデータ放送を実現する場合に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および放送システムに関し、特に、例えばデジタルテレビジョン放送において、番組やCM(コマーシャルメッセージ)に連動してデータ放送のコンテンツを実行させる場合に用いて好適な送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日本ではテレビジョン放送のデジタル化が推進されており、地上デジタル放送やBSデジタル放送などが普及している。また、地上デジタル放送などのデジタルテレビジョン放送では、番組(コンテンツ)の放送だけでなく、いわゆるデータ放送も実現されている。このデータ放送におけるコンテンツによれば、例えば、放送中の番組に関連する情報を表示したり、放送中の番組に関連しない情報(他の番組の告知、ニュース、天気予報、交通情報など)を表示したりすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
なお、日本におけるデータ放送は、テレビジョン放送のデジタル化に際してデジタルテレビジョン放送の放送帯域内にデータ放送専用の帯域が予め確保されており、この専用帯域を用いてデータ放送用コンテンツが放送されることにより実現されている。
【0004】
一方、米国におけるデジタルテレビジョン放送では、日本のデジタルテレビジョン放送のようなデータ放送専用の帯域が確保されていない。
【0005】
すなわち、米国の現状のデジタルテレビジョン放送の放送帯域は、図1Aに示すように、映像用帯域、音声用帯域、および制御情報用帯域によって占められており、データ放送用コンテンツを放送するための帯域が設けられていない。したがって、デジタルテレビジョン放送の限られた放送帯域に、データ放送用コンテンツを放送するための帯域を確保するためには、図1Bに示すように、例えば映像用帯域および音声用帯域を狭める必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−50237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、映像用帯域および音声用帯域を狭めて、データ放送用コンテンツを放送するための帯域を確保することは、テレビジョン番組の画質および音質の劣化につながるので、現実的な対応とは言い難い。
【0008】
また、データ放送用コンテンツの帯域を確保したとしても伝送できるデータ量は限られている。したがって、データ放送用コンテンツの情報量が乏しくなってしまったり、情報量を増やそうとすると、受信側で必要なデータを受信するまでに時間がかかってしまったりすることになる。
【0009】
また、米国においては、CATV(ケーブルTV)網を用いたデジタルテレビジョン番組の再送信システムが普及しているが故に、以下のような問題も生じ得る。
【0010】
図2は、CATV網を用いたデジタルテレビジョン番組の再送信システムの構成の一例を示している。
【0011】
この再送信システムは、主に放送装置1、CATV再送信装置2、CATV網3、デジタルテレビジョン受像機4、セットトップボックス(STB)5、およびテレビジョン受像機6から構成される。
【0012】
放送局などに設けられる放送装置1は、デジタルテレビジョン放送信号を地上波または衛星波を用いて放送する。ケーブルTV局などに設けられるCATV再送信装置2は、放送されたデジタルテレビジョン放送を受信し、不要な情報を除去するとともにCATV独自の情報を追加して、CATV網3を介してデジタルデジタルテレビジョン受像機4、セットトップボックス5などに再送信する。
【0013】
CATV再送信装置2は、チューナ11、所定のパケットIDのパケットをフィルタリングするPIDフィルタ12、CATV独自信号発生部13、多重化部14、および変調部15から構成される。
【0014】
チューナ11は、各チャンネルのデジタルテレビジョン放送信号を受信して復調し、その結果得られるTS(トランスポートストリーム)をPIDフィルタ12に出力する。PIDフィルタ12は、TSから所定のパケットIDに対応するパケット(番組としてのコンテンツに関係がないパケット)を除去して多重化部14に出力する。CATV独自信号発生部13は、当該CATV局の独自の情報が格納されたパケットを生成して多重化部14に出力する。多重化部14は、PIDフィルタ12の出力と、CATV独自信号発生部13の出力とを多重化して変調部15に出力する。変調部15は、多重化部14の出力を、CATV網3に適して変調方式により変調して、CATV網3を介してデジタルテレビジョン受像機4、セットトップボックス5などに再送信する。
【0015】
CATVに対応したデジタルテレビジョン受像機4は、CATV網3を介して、再送信されたデジタルテレビジョン放送のTSを受信してデコードし、その結果得られる映像を表示するとともに音声を出力する。
【0016】
CATVに対応したセットトップボックス5は、CATV網3を介して、再送信されたデジタルテレビジョン放送のTSを受信してデコードし、その結果得られる映像信号および音声信号を、HDMIケーブルなどを介してテレビジョン受像機6に出力する。テレビジョン受像機6は、セットトップボックス5からHDMIケーブルなどを介して入力される映像信号および音声信号に基づき、その映像を表示するとともに音声を出力する。
【0017】
上述したように、CATV再送信装置2においては、PIDフィルタ12により、デジタル放送信号のTSから、所定のパケットIDに対応するパケット(番組としてのコンテンツに関係がないパケット)が除去される。したがって、仮に図1Bに示されたように、放送帯域に、データ放送用コンテンツを放送するための帯域を確保したとしても、このPIDフィルタ12により、データ放送用コンテンツが格納されているパケットが排除されてしまうことが起こり得る。
【0018】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、デジタルテレビジョン放送の放送帯域にデータ放送用の帯域を設けることなく、テレビジョン放送の番組やCMに連動し得るデータ放送用コンテンツを実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の第1の側面である送信装置は、コンテンツを送信する送信装置において、受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成手段と、前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化手段と、前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化手段と、前記多重化ストリームを送出する送出手段とを備え、前記トリガ情報は、前記符号化手段により前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化手段により前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される。
【0020】
前記符号化手段は、前記コンテンツを符号化してMPEG2ビデオストリームを生成し、前記トリガ情報は、前記MPEG2ビデオストリームのvideo_sequence内のピクチャレイヤにおけるuse_dataに記述されて符号化されるようにすることができる。
【0021】
前記符号化手段は、前記コンテンツを符号化してH.264ビデオストリームを生成し、
前記トリガ情報は、前記H.264ビデオストリームのSEIに記述されて符号化されるようにすることができる。
【0022】
前記多重化手段は、前記符号化ストリームを多重化してTSを生成し、前記トリガ情報は、前記TSのPMTまたはSITに定義されて前記TSに多重化されるようにすることができる。
【0023】
前記多重化手段は、ISO ベースメディアファイルフォーマットに従い、前記符号化ストリームを多重化してMP4ファイルを生成し、前記トリガ情報は、前記MP4ファイル内のFile,Movie,Trak,Movie Fragment、またはTrack Fragmentに定義されたBoxに配置されるようにすることができる。
【0024】
本発明の第1の側面である放送方法は、コンテンツを送信する送信装置の送信方法において、送信装置による、受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成ステップと、前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化ステップと、前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化ステップと、前記多重化ストリームを送出する送出ステップとを含み、前記トリガ情報は、前記符号化ステップの処理で前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化ステップの処理で前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される。
【0025】
本発明の第1の側面であるプログラムは、コンテンツを送信する送信装置の制御用のプログラムであって、受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成ステップと、前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化ステップと、前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化ステップと、前記多重化ストリームを送出する送出ステップとを含み、前記トリガ情報は、前記符号化ステップの処理で前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化ステップの処理で前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される処理を送信装置のコンピュータに実行させる。
【0026】
本発明の第1の側面においては、受信装置にてコンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報が、コンテンツとともに符号化されるか、または符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される。
【0027】
本発明の第2の側面である受信装置は、送信されたコンテンツを受信する受信装置において、前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信手段と、前記多重化ストリームを多重分離する多重分離手段と、前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号手段と、取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御手段とを備え、前記トリガ情報は、前記多重分離手段により前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号手段により前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される。
【0028】
前記復号手段は、前記多重化ストリームから多重分離されたMPEG2ビデオストリームのvideo_sequence内のピクチャレイヤにおけるuse_dataから前記トリガ情報を取得することができる。
【0029】
前記復号手段は、前記多重化ストリームから多重分離されたH.264ビデオストリームのSEIから前記トリガ情報を取得することができる。
【0030】
前記多重分離手段は、前記多重化ストリームとしてのTS(トランスポートストリーム)のPMTまたはSITの定義に基づき、前記TSから前記トリガ情報を多重分離することができる。
【0031】
前記多重分離手段は、前記多重化ストリームとしてのMP4ファイルのFile,Movie,Trak,Movie Fragment、またはTrack Fragmentに定義されたBoxから前記トリガ情報を多重分離することができる。
【0032】
本発明の第2の側面である受信方法は、送信されたコンテンツを受信する受信装置の受信方法において、受信装置による、前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信ステップと、前記多重化ストリームを多重分離する多重分離ステップと、前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号ステップと、取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御ステップとを含み、前記トリガ情報は、前記多重分離ステップの処理で前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号ステップの処理で前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される。
【0033】
本発明の第2の側面であるプログラムは、送信されたコンテンツを受信する受信装置の制御用のプログラムであって、前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信ステップと、前記多重化ストリームを多重分離する多重分離ステップと、前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号ステップと、取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御ステップとを含み、前記トリガ情報は、前記多重分離ステップの処理で前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号ステップの処理で前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される処理を受信装置のコンピュータに実行させる。
【0034】
本発明の第2の側面においては、取得されたトリガ情報に応じて、コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理が制御される。トリガ情報は、多重化ストリームから多重分離されるか、または符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される。
【0035】
本発明の第3の側面である放送システムは、コンテンツを送信する送信装置と、送信された前記コンテンツを受信する受信装置とからなる放送システムにおいて、前記送信装置は、受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成手段と、前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化手段と、前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化手段と、前記多重化ストリームを送出する送出手段とを備え、前記トリガ情報は、前記符号化手段により前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化手段により前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出され、前記受信装置は、前記多重化ストリームを受信する受信手段と、前記多重化ストリームを多重分離する多重分離手段と、前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号手段と、取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御手段とを備え、前記トリガ情報は、前記多重分離手段により前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号手段により前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される。
【0036】
本発明の第3の側面においては、送信装置により、受信装置にてコンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報が、コンテンツとともに符号化されるか、または符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される。また、受信装置により、取得されたトリガ情報に応じて、コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理が制御される。トリガ情報は、多重化ストリームから多重分離されるか、または符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される。
【発明の効果】
【0037】
本発明の第1の側面によれば、デジタルテレビジョン放送の放送帯域にデータ放送用の帯域を設けることなく、テレビジョン放送の番組やCMなどに連動したデータ放送用コンテンツの制御を受信側に指示することが可能となる。
【0038】
本発明の第2の側面によれば、テレビジョン放送の番組やCMなどに連動してデータ放送用コンテンツを制御することが可能となる。
【0039】
本発明の第3の側面によれば、デジタルテレビジョン放送の放送帯域にデータ放送用の帯域を設けることなく、テレビジョン放送の番組やCMなどに連動したデータ放送用コンテンツのサービスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】デジタルテレビジョン放送の放送帯域を示す図である。
【図2】既存のCATV再送信システムの構成の一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した放送システムの構成例を示す図である。
【図4】本発明を適用した放送装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明を適用した受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】プリキャッシュコマンドのトリガ情報に含まれる項目を示す図である。
【図7】エクスキュートコマンドのトリガ情報に含まれる項目を示す図である。
【図8】インジェクトイベントコマンドのトリガ情報に含まれる項目を示す図である。
【図9】サスペンドコマンドのトリガ情報に含まれる項目を示す図である。
【図10】ターミネートコマンドのトリガ情報に含まれる項目を示す図である。
【図11】トリガ情報のシンタックスの一例を示す図である。
【図12】トリガ情報をMPEG2ビデオストリームに埋め込んで符号化する例を説明する図である。
【図13】トリガ情報をH.264ビデオストリームに埋め込んで符号化する例を説明する図である。
【図14】トリガ情報をトランスポートストリームに多重化する例を説明する図である。
【図15】トリガ情報をISOベースメディアファイルフォーマット(MP4)に多重化する例を説明する図である。
【図16】番組およびCMの進行に連動してアプリケーションプログラムを実行した場合の表示例を示す図である。
【図17】トリガ情報送信処理を説明するフローチャートである。
【図18】トリガ情報受信処理を説明するフローチャートである。
【図19】トリガ情報対応処理を説明するフローチャートである。
【図20】アプリケーションプログラムの運用シナリオの一例を示す図である。
【図21】受信装置におけるアプリケーションプログラムの状態遷移図である。
【図22】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
<1.実施の形態>
[放送システムの構成例]
図3は、実施の形態である放送システムを示している。この放送システム30は、例えば現状の米国のように、デジタルテレビジョン放送の放送帯域にデータ放送用コンテンツを放送するための帯域が設けられていない状態において、番組やCMに連動し得るデータ放送用コンテンツを実現するものである。なお、本明細書において、単にコンテンツと称するものは、いわゆる番組、CMを指すものとする。
【0043】
なお、データ放送用コンテンツは、受信装置に供給されるアプリケーションプログラムが受信装置のコンピュータにより実行されることによって実現されるので、以下、データ放送用コンテンツを、データ放送用アプリケーションプログラムまたはデータ放送用アプリとも称する。
【0044】
この放送システム30は、放送局側に設けられる放送装置31およびサーバ32、並びに、受信者側に設けられる受信装置60から構成される。
【0045】
放送装置31は、デジタルテレビジョン放送の放送信号(以下、デジタルテレビジョン放送信号と称する)を送信する。また、放送装置31は、番組やCMに連動して実行させるデータ放送用コンテンツの取得や実行などを指示するためのコマンドとしてのトリガ情報を、デジタルテレビジョン放送信号に含めて送信する。具体的には、符号化ビデオストリームに埋め込んだり、符号化ビデオストリームなどとともに多重化したりして送信される。
【0046】
トリガ情報には、コマンドの種類を示す情報の他、取得や実行などの対象とするデータ放送用コンテンツ、すなわち、アプリケーションプログラムを特定するための情報などが含まれている。トリガ情報の詳細については後述する。
【0047】
サーバ32は、インタネット50を介してアクセスしてきた受信装置60からの要求に応じ、データ放送用コンテンツ(アプリケーションプログラム)を受信装置60に供給する。
【0048】
受信装置60は、放送装置31から放送されたデジタルテレビジョン放送信号を受信し、して復調、復号などを行ってコンテンツ(テレビジョン番組やCMなど)の映像および音声をモニタ(不図示)に出力する。また、受信装置60は、インタネット50を介してサーバ32にアクセスし、データ放送用コンテンツを取得する。なお、この受信装置60は、単体として存在してもよいし、例えば、テレビジョン受像機やビデオレコーダなどに内蔵されているようにしてもよい。
【0049】
[放送装置の構成例]
図4は、放送装置31の構成例を示している。放送装置31は、トリガ生成部41、ビデオ符号化部42、オーディオ符号化部43、多重化部44、および送出部45から構成される。
【0050】
トリガ生成部41は、前段から入力される番組やCMのビデオストリームの進行に合わせてトリガ情報を生成し、ビデオ符号化部42および多重化部44に出力する。
【0051】
ビデオ符号化部42は、前段から入力される番組やCMのビデオストリームを所定の符号化方式に従って符号化するに際して、トリガ生成部41からのトリガ情報を埋め込んで符号化し、その結果得られる符号化ビデオステップストリームを多重化部44に出力する。ビデオ符号化部42における符号化方式としては、例えば、MPEG2方式、H.264方式などを挙げることができる。
【0052】
オーディオ符号化部43は、ビデオ符号化部42に入力されるビデオストリームに対応するオーディオストリームを所定の符号化方式に従って符号化し、その結果得られる符号化オーディオストリームを多重化部44に出力する。
【0053】
多重化部44は、入力される符号化ビデオストリーム、および符号化オーディオストリームを多重化し、さらに、トリガ情報も多重化し、その結果得られた多重化ストリームを送出部45に出力する。具体的には、例えば、TS(トランスポートストリーム)に多重化する。あるいは、デジタルテレビジョン放送のネットワーク配信を考慮して、それに適したISO ベースメディアファイルフォーマット(MP4)に多重化するようにしてもよい。
【0054】
送出部45は、入力される多重化ストリームをデジタルテレビジョン放送信号として送出する。
【0055】
なお、上述した説明では、トリガ情報をビデオストリームに埋め込むとともに、多重化ストリームにも多重化するようにしたが、いずれか一方だけにしてもよい。
【0056】
[受信装置の構成例]
図5は、受信装置60の構成例を示している。受信装置60は、チューナ61、多重分離部62、オーディオデコーダ63、音声出力部64、ビデオデコーダ65、トリガ検出部66、映像出力部67、制御部68、メモリ69、操作部70、記録部71、通信I/F72、キャッシュメモリ73、アプリエンジン74、およびアプリ用メモリ75から構成される。
【0057】
チューナ61は、ユーザによって選局されたチャンネルに対応するデジタルテレビジョン放送信号を受信して復調し、その結果得られる多重化ストリームを多重分離部62に出力する。多重分離部62は、チューナ61から入力される多重化ストリームを分離し、分離された符号化オーディオストリーム、符号化ビデオストリーム、および制御信号を、それぞれオーディオデコーダ63、ビデオデコーダ65、または制御部68に出力する。
【0058】
さらに、多重分離部62は、多重化ストリームに多重化されているトリガ情報を分離してトリガ検出部66に出力する。
【0059】
オーディオデコーダ63は、入力された符号化オーディオストリームをデコードし、その結果得られるオーディオストリーム(音声信号)を音声出力部64に出力する。音声出力部64は、入力された音声信号を後段(例えば、スピーカ)に出力する。
【0060】
ビデオデコーダ65は、入力された符号化ビデオストリームをデコードし、その結果得られるビデオストリーム(映像信号)をトリガ検出部66および映像出力部67に出力する。
【0061】
トリガ検出部66は、入力されたビデオストリームに埋め込まれているトリガ情報を検出して制御部68に出力する。また、トリガ検出部66は、多重分離部62から入力されるトリガ情報を制御部68に出力する。なお、トリガ検出部66を省略し、ビデオデコーダ65にて、ビデオストリームからトリガ情報を抽出し、制御部68に出力するようにしてもよい。この場合、多重分離部62で分離されたトリガ情報も、直接に制御部68に出力するようにする。
【0062】
映像出力部67は、ビデオデコーダ65から入力された映像信号を後段(例えば、ディスプレイ)に出力する。また、映像出力部67は、アプリエンジン74から入力されるデータ放送用コンテンツの映像と、ビデオデコーダ65から入力された映像信号を合成して、後段に出力する。
【0063】
制御部68は、メモリ69に記録されている制御用プログラムを実行することにより受信装置60の全体を制御する。また、制御部68は、トリガ検出部66から入力されるトリガ情報に基づき、データ放送用アプリケーションプログラムの取得、起動、イベント発火、休止、終了等を制御する。
【0064】
メモリ69には、制御部68によって実行される制御用プログラムが記録されている。この制御用プログラムは、デジタルテレビジョン放送信号、またはインタネット50を介して取得する更新データに基づいて更新することができる。操作部70は、ユーザからの各種の操作を受け付けて、それに対応する操作信号を制御部68に通知する。
【0065】
記録部71は、データ放送用アプリケーションプログラムがデジタルテレビジョン放送信号を用いて配信される場合において、ダウンロードしたデータ放送用アプリケーションプログラムを、内蔵する記録媒体に保持する。
【0066】
通信I/F72は、アプリエンジン74からの制御に従い、インタネット50を介してサーバ32に接続する。アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、通信I/F72およびインタネット50を介してサーバ32からデータ放送用アプリケーションプログラムを取得し、キャッシュメモリ73に保持させる。
【0067】
アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、記録部71またはキャッシュメモリ73に保持されているデータ放送用アプリケーションプログラムを読み出して実行する。
【0068】
アプリ用メモリ75は、ワークメモリ75Aおよび退避メモリ75Bとから成る。アプリエンジン74は、実行中のデータ放送用アプリケーションプログラムに関するデータ(具体的には、表示されている情報の階層などを含む)をワークメモリ75Aに記録する。また、アプリエンジン74は、実行中のデータ放送用アプリケーションプログラムを休止する場合、アプリ用メモリ75のワークメモリ75Aのデータを退避メモリ75Bに移動させる。そして、休止したデータ放送用アプリケーションプログラムを再開する場合、退避メモリ75Bのデータをワークメモリ75Aに移動させて休止前の状態を復活させる。
【0069】
なお、アプリ用メモリ75における同じサイズの2領域のうち、一方をワークメモリ75A、他方を退避メモリ75Bとして交互に切り替えるようにしてもよい。これにより、ワークメモリ75Aと退避メモリ75Bとの間でのデータの移動をなくすことができる。
【0070】
[トリガ情報の詳細]
次に、トリガ情報の詳細について説明する。トリガ情報は、デジタルテレビジョン放送信号に包含された状態(埋め込まれたり、多重化された状態)で、電波障害や受信装置60における取りこぼし(受信ミス)が考慮されて、同一内容のものが複数回繰り返し送信される。
【0071】
トリガ情報は、それが示すコマンドに応じて、プリキャッシュ、エクスキュート、インジェクトイベント、サスペンド、またはターミネートの5種類に分類される。
【0072】
図6は、プリキャッシュ(Pre_cache)コマンドとしてのトリガ情報に含まれる項目を示している。プリキャッシュコマンドは、受信装置60に対して、データ放送用アプリの取得を指示するためのコマンドである。
【0073】
Trigger_idは、当該トリガ情報を識別するための情報である。トリガ情報は、通常、同一内容のものが複数回送信されるが、複数回送信される各トリガ情報のTrigger_idは同一のものとなる。Protcol_versionは、当該トリガ情報のプロトコルのバージョンを示している。Command_codeは、当該トリガ情報のコマンドの種類を示す。同図の場合、プリキャッシュコマンドであることを示す情報が記載される。
【0074】
Trigger_varidityは、当該トリガ情報を受信した各受信装置60が当該トリガ情報に従って処理を実行する確率を示す値である。この値を設けることにより、複数の受信装置60がサーバ32からデータ放送用アプリを取得するに際し、そのアクセスが一時期に集中せず分散させることができる。
【0075】
App_idは、当該トリガ情報に対応して取得すべきデータ放送用アプリの識別情報である。App_typeは、当該トリガ情報に対応するデータ放送用アプリのタイプ(例えば、HTML5,javaなど)を示す情報である。App_urlは、データ放送用アプリの取得先(いまの場合、サーバ32)のURLである。
【0076】
Broadcast_App_flag,Downloaded_App_flag、およびInternet_App_flagは、当該トリガ情報に対応するデータ放送用アプリのプログラムデータの所在を示すフラグである。Broadcast_App_flagは、当該トリガ情報に対応するデータ放送用アプリがデジタルテレビジョン放送信号から取得可能である場合に1とされる。Downloaded_App_flagは、当該トリガ情報に対応するデータ放送用アプリが既にダウンロードされていてローカルストレージ(例えば、記録部71)から取得可能である場合に1とされる。Internet_App_flagは、当該トリガ情報に対応するデータ放送用アプリがインタネット50を介してサーバ32から取得可能である場合に1とされる。
【0077】
図7は、エクスキュート(Execute)コマンドとしてのトリガ情報に含まれる項目を示している。エクスキュートコマンドとは、受信装置60に対して、データ放送用アプリの起動を指示するためのコマンドである。
【0078】
Trigger_id,Protcol_version,Command_code,Trigger_varidity,App_id,App_type,App_url,Broadcast_App_flag,Downloaded_App_flag、およびInternet_App_flagについては、図6に示されたプリキャッシュコマンドとしてのトリガ情報と同様である。ただし、Command_codeには、エクスキュートコマンドであることを示す情報が記載される。
【0079】
App_life_scopeは、同一チャンネル内でのビュー切り替え、チャンネル切り替えなどに応じてデータ放送用アプリを終了するか否かを示している。App_expire_dateは、ターミネートコマンド(後述)を受信しない場合であっても、実行中のデータ放送用アプリを終了する日時を示している。
【0080】
図8は、インジェクトイベント(Inject_event)コマンドとしてのトリガ情報に含まれる項目を示している。インジェクトイベントコマンドは、受信装置60に対して、実行中のデータ放送用アプリにおいてイベントを引火させるためのコマンドである。
【0081】
Trigger_id,Protcol_version,Command_code,Trigger_varidity,App_id、およびApp_typeについては、図6に示されたプリキャッシュコマンドとしてのトリガ情報と同様である。ただし、Command_codeには、インジェクトイベントコマンドであることを示す情報が記載される。
【0082】
Event_idは、App_idにて指定されたデータ放送用アプリにおいて発火すべきイベントの識別情報である。Event Embedded Dataは、イベントを発火する際に参照されるデータが記載される。
【0083】
図9は、サスペンド(Suspend)コマンドとしてのトリガ情報に含まれる項目を示している。サスペンドコマンドは、受信装置60に対して、実行中のデータ放送用アプリを休止させるためのコマンドである。
【0084】
Trigger_id,Protcol_version,Command_code,Trigger_varidity,App_id、およびApp_typeについては、図6に示されたプリキャッシュコマンドとしてのトリガ情報と同様である。ただし、Command_codeには、サスペンドコマンドであることを示す情報が記載される。
【0085】
図10は、ターミネート(Terminate)コマンドとしてのトリガ情報に含まれる項目を示している。ターミネートコマンドは、受信装置60に対して、実行中のデータ放送用アプリを終了させるためのコマンドである。
【0086】
Trigger_id,Protcol_version,Command_code,Trigger_varidity,App_id、およびApp_typeについては、図6に示されたプリキャッシュコマンドとしてのトリガ情報と同様である。ただし、Command_codeには、ターミネートコマンドであることを示す情報が記載される。
【0087】
[トリガ情報のシンタックス]
図11は、上述した各コマンドとしてのトリガ情報に対応可能なトリガ情報のシンタックスの一例を示している。なお、トリガ情報のシンタックスは任意であって、図11に限定されるものではない。
【0088】
[トリガ情報をMPEG2符号化ビデオストリームに埋め込む場合]
図12は、トリガ情報をMPEG2符号化ビデオストリームに埋め込む場合を示している。
【0089】
この場合、同図Aに示すMPEG2ビデオで定義されるvideo_sequence内のピクチャレイヤにおけるuser_dataが利用され、同図Bに示すようにトリガ情報が記述される。具体的には、同図BにおけるATSC_trigger()の位置に、図11に示されたシンタックスが記述される。
【0090】
[トリガ情報をH.264符号化ビデオストリームに埋め込む場合]
図13は、トリガ情報をH.264符号化ビデオストリームに埋め込む場合を示している。
【0091】
この場合、同図Aに示すH.264のSEI(Supplementary Enhancement Information)のuser_dataが利用され、同図Bに示すようにトリガ情報が記述される。具体的には、同図BにおけるATSC_trigger()以降の位置に、図11に示されたシンタックスが記述される。
【0092】
[トリガ情報をTS(トランスポートストリーム)に多重化する場合]
図14は、トリガ情報をTSに多重化する場合を示している。
【0093】
この場合、同図Aに示すように、TSのPMT(program map table) descriptorに、トリガ情報のdescriptorを定義し、同図Bに示すようにトリガ情報が記述される。具体的には、同図Bにおけるdescriptor_length以降の位置に、図11に示されたシンタックスが記述される。
【0094】
なお、PMT descriptorでなく、例えば、SIT(selection information table) descriptorにトリガ情報のdescriptorを定義するようにしてもよい。
【0095】
[トリガ情報をISO ベースメディアファイルフォーマット(MP4)に従って多重化する場合]
図15は、ISO ベースメディアファイルフォーマットに従い、トリガ情報をMP4ファイルに多重化する場合を示している。
【0096】
この場合、MP4ファイル内におけるトリガ情報の配置は、File,Movie,Trak,Movie Fragment、またはTrack Fragmentのいずれでもよく、同図Aに示すように、トリガ情報に対応するBoxを定義にする。そして、//ATSC Triggerの位置に、図11に示されたシンタックスを記述する。
【0097】
上述したように、トリガ情報を符号化ビデオストリームに埋め込んだり、多重化ストリームに多重化したりすることにより、図2に示されたようなCATV網を利用する受信装置(図2のデジタルテレビジョン受像機4)に対してもトリガ情報を通知することができる。
【0098】
[動作説明]
次に、放送システ30の動作について説明する。
【0099】
図16は、テレビジョン番組やCMなどの対応するデータ放送用アプリを受信装置60に実行させるときの受信装置60の表示画面の遷移を示している。
【0100】
例えば同図Aに示すように、テレビジョン番組(いまの場合、「7時のニュース」)が放送されており、番組の内容が経済情報に移ると、それにあわせて、番組に対応するデータ放送用アプリに対するエクスキュートコマンドのトリガ情報が送信される。これが受信されると、データ放送用アプリが起動されて、番組が表示されている画面上には、同図Bに示すように、データ放送用アプリの表示をユーザに促すためのアイコン(いまの場合、「株」)が表示される。
【0101】
ユーザがこのアイコンを選択すると、画面上には、同図Cに示すように、データ放送用アプリによる表示(いまの場合、株価情報表示)が行われる。このように、データ放送用アプリの表示をユーザに促すためのアイコンが表示された場合にのみ、データ放送用アプリによる表示を行うので、データ放送用アプリによる表示を必要としないユーザを煩わせてしまう事態を抑止することができる。
【0102】
さらに番組の内容が推移すると(いまの場合、スポーツ情報に推移すると)、それにあわせてインジェクイベントコマンドのトリガ情報が送信される。これが受信されると、イベントが発火されて、例えば、画面上のデータ放送用アプリによる表示が、同図Dに示すように変更される(いまの場合、試合結果情報表示に変更される)。
【0103】
そして、番組に対応する実行中のデータ放送用アプリに対するサスペンドコマンドのトリガ情報が送信され、これが受信されると、番組に対応するデータ放送用アプリが休止される。この後、CMに対応するデータ放送用アプリに対するエクスキュートコマンドのトリガ情報が送信され、これが受信されると、CM番組のデータ放送用アプリが起動される。これにより、CMが表示されている画面上には、同図Eに示すように、CMに対応するデータ放送用アプリの表示をユーザに促すためのアイコン(いまの場合、「懸賞応募」)が表示される。
【0104】
ユーザがこのアイコンを選択すると、画面上には、CMに対応するデータ放送用アプリによる表示(いまの場合、懸賞応募のための表示)が行われる。
【0105】
CMの終了後、番組再開にあわせて、番組に対応するデータ放送用アプリに対するエクスキュートコマンドのトリガ情報が送信され、これが受信されると、同図Fに示すように、CMに対応するデータ放送用アプリの表示が消去されて、番組のデータ放送用アプリの表示も、先ほど休止された状態から再開される。
【0106】
そして、番組が終了するとき、それにあわせて、番組に対応するデータ放送用アプリに対するターミネートコマンドのトリガ情報が送信され、これが受信されると、同図Gに示すように、画面上からデータ放送用アプリの表示が消去されて番組の映像のみが表示される。
【0107】
なお、データ放送用アプリの表示については、図16に示されたように、番組の表示を縮小してデータ放送用アプリの表示のための領域を設ける方法だけでなく、例えば、番組の表示に、データ放送用アプリの表示を重畳するようにしてもよい。
【0108】
次に、放送装置31がデジタルテレビジョン放送信号にトリガ情報を含めて送信するときの処理(以下、単にトリガ情報送信処理と称する)について図17を参照して説明する。
【0109】
図17は、トリガ情報送信処理を説明するフローチャートである。
【0110】
ステップS1において、放送装置31のトリガ生成部41は、前段から入力される番組やCMのビデオストリームの進行に対応させたトリガ情報を生成し、ビデオ符号化部42および多重化部44に出力する。
【0111】
ステップS2において、ビデオ符号化部42は、トリガ生成部41からのトリガ情報をビデオストリームとともに符号化するか否か、予め設定されているユーザからの指示に基づいて判断する。
【0112】
トリガ生成部41からのトリガ情報をビデオストリームとともに符号化すると判断され場合、処理はステップS3に進めされる。ステップS3において、ビデオ符号化部42は、前段から入力された番組やCMのビデオストリームに、トリガ生成部41からのトリガ情報を埋め込んで符号化し、その結果得られる符号化ビデオステップストリームを多重化部44に出力する。この後、処理はステップS5に進められる。
【0113】
なお、ステップS2において、トリガ生成部41からのトリガ情報をビデオストリームとともに符号化しないと判断された場合、処理はステップS4に進められる。ステップS4において、ビデオ符号化部42は、前段から入力された番組やCMのビデオストリームを符号化し、その結果得られる符号化ビデオステップストリームを多重化部44に出力する。この後、処理はステップS5に進められる。
【0114】
ステップS5において、多重化部44は、トリガ生成部41からのトリガ情報を符号化ビデオストリームなどとともに多重化するか否か、予め設定されているユーザからの指示に基づいて判断する。
【0115】
トリガ生成部41からのトリガ情報を符号化ビデオストリームなどとともに多重化すると判断された場合、処理はステップS6に進められる。ステップS6において、多重化部44は、前段から入力された符号化ビデオストリーム、および符号化オーディオストリームを多重化し、さらに、トリガ情報も多重化し、その結果得られた多重化ストリームを送出部45に出力する。
【0116】
なお、ステップS5において、トリガ生成部41からのトリガ情報を符号化ビデオストリームなどとともに多重化しないと判断された場合、処理はステップS7に進められる。ステップS7において、多重化部44は、前段から入力された符号化ビデオストリーム、および符号化オーディオストリームを多重化し、その結果得られた多重化ストリームを送出部45に出力する。
【0117】
ステップS8において、送出部45は、多重化部44から入力された多重化ストリームをデジタルテレビジョン放送信号として送出する。この後、処理はステップS1に戻って、それ以降が繰り返されることになる。以上で、トリガ情報送信処理の説明を終了する。
【0118】
次に、受信装置60による、トリガ情報を含むデジタルテレビジョン放送信号を受信するときの処理(以下、トリガ情報受信処理)について、図18を参照して説明する。
【0119】
図18は、トリガ情報受信処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、トリガ情報に関わる動作のみを説明しており、例えば、オーディオストリームなどに関する動作の説明は適宜省略している。
【0120】
このトリガ情報受信処理は、例えば、ユーザがテレビジョン番組を視聴しているとき、すなわち、デジタルテレビジョン放送信号を受信している間、繰り返して実行される。
【0121】
ステップS11において、受信装置60の多重分離部62は、チューナ61から入力される多重化ストリームを分離する。そして、多重分離部62は、ステップS12として、分離された符号化オーディオストリーム、符号化ビデオストリーム、および制御信号を、それぞれオーディオデコーダ63、ビデオデコーダ65、または制御部68に出力するとともに、分離されたトリガ情報をトリガ検出部66に出力する。
【0122】
ステップS13において、ビデオデコーダ65は、入力された符号化ビデオストリームをデコードし、その結果得られるビデオストリーム(映像信号)をトリガ検出部66および映像出力部67に出力する。
【0123】
ステップS14において、トリガ検出部66は、入力されたビデオストリームに埋め込まれているトリガ情報を検出して制御部68に出力する。また、トリガ検出部66は、多重分離部62から入力されるトリガ情報を制御部68に出力する。
【0124】
ステップS15において、制御部68は、入力されたトリガ情報に対応する処理(以下、トリガ情報対応処理)を実行する。この後、処理はステップS11に戻されて、それ以降が繰り返される。
【0125】
図19は、トリガ情報対応処理を詳細に説明するフローチャートである。
【0126】
ステップS21において、制御部68は、トリガ検出部66からトリガ情報が入力されるまで待機する。そして、トリガ情報が入力された場合、処理はステップS22に進められる。
【0127】
ステップS22において、制御部68は、トリガ情報のTrigger_idを読み出し、当該トリガ情報に対してステップS23以降の処理を既に実行済みであるか否かを判定する。既にステップS23以降の処理を実行済みであると判定された場合、処理はステップS21に戻されて、それ以降が繰り返される。反対に、当該トリガ情報に対してステップS23以降の処理を実行していないと判定された場合、処理はステップS23に進められる。
【0128】
ステップS23において、制御部68は、トリガ情報のCommand_codeを読み出し、当該トリガ情報の示すコマンドが、プリキャッシュ、エクスキュート、インジェクトイベント、サスペンド、またはターミネートのいずれであるかを判別する。
【0129】
ステップS24において、制御部68は、ステップS23の判定結果がプリキャッシュであるか否かを判断し、プリキャッシュであると判断された場合、処理はステップS25に進められる。
【0130】
ステップS25において、当該トリガ情報のApp_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータが取得される。具体的には、当該トリガ情報のBroadcast_App_flagが1である場合、App_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータがテレビジョン放送信号から取得されて記録部71に記録される。当該トリガ情報のDownloaded_App_flagが1である場合、App_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータが、ローカルストレージである記録部71から取得される。当該トリガ情報のInternet_App_flagが1である場合、App_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータが、インタネット50を介してサーバ32から取得されてキャッシュメモリ73に記録される。なお、Broadcast_App_flag,Downloaded_App_flag、およびInternet_App_flagのうち、2つ以上のflagが1である場合、受信装置60側の都合に応じて、当該トリガ情報のApp_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータを取得することができる。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0131】
ステップS24において、ステップS23の判定結果がプリキャッシュではないと判断された場合、処理はステップS26に進められる。ステップS26において、制御部68は、ステップS23の判定結果がエクスキュートであるか否かを判断し、エクスキュートであると判断された場合、処理はステップS27に進められる。
【0132】
ステップS27において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、当該トリガ情報のApp_idにより特定されるデータ放送用アプリが休止中(サスペンド状態)であるか否かを判断する。具体的には、退避メモリ75Bに、App_idにより特定されるデータ放送用アプリに、休止の状態を示すデータが退避されている場合に休止中であると判断する。
【0133】
ステップS27において、App_idにより特定されるデータ放送用アプリが休止中ではないと判断された場合、処理はステップS28に進められる。ステップS28において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、App_idにより特定されるデータ放送用アプリのプログラムデータが未取得(記録部71またはキャッシュメモリ73に存在しない)の場合にそれを取得する。
【0134】
ステップS29において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、現在実行中のデータ放送用アプリがあるならば、それを終了させる。
【0135】
ステップS30において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、App_idにより特定されるデータ放送用アプリを起動する。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0136】
なお、ステップS27において、App_idにより特定されるデータ放送用アプリが休止中(サスペンド状態)であると判断された場合、処理はステップS31に進められる。ステップS31において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、退避メモリ75Bのデータをワークメモリ75Aに移して、App_idにより特定されるデータ放送用アプリを起動する。これにより、App_idにより特定される、休止中のデータ放送用アプリが休止された状態から再開されることになる。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0137】
ステップS26において、ステップS23の判定結果がエクスキュートではないと判断された場合、処理はステップS32に進められる。ステップS32において、制御部68は、ステップS23の判定結果がインジェクトイベントであるか否かを判断し、インジェクトイベントであると判断された場合、処理はステップS33に進められる。
【0138】
ステップS33において、制御部68は、当該トリガ情報のApp_idと、動作中のデータ放送用アプリのApp_idが一致する場合のみ、アプリエンジン74を制御して、動作中のアプリケーションにおいて、トリガ情報のEvent_idに対応するイベントを発火(実行)させる。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0139】
ステップS32において、ステップS23の判定結果がインジェクトイベントではないと判断された場合、処理はステップS34に進められる。ステップS34において、制御部68は、ステップS23の判定結果がサスペンドであるか否かを判断し、サスペンドであると判断された場合、処理はステップS35に進められる。
【0140】
ステップS35において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、現在実行中のデータ放送用アプリの状態を示すデータ(すなわち、現在ワークメモリ75Aに書き込まれているデータ。表示する情報に階層構造がある場合、表示されている情報の階層を示す情報を含む)を退避メモリ75Bに退避させる。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0141】
ステップS34において、ステップS23の判定結果がサスペンドではないと判断された場合、ステップS23の判定結果はターミネートであるので、処理はステップS36に進められる。ステップS36において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、App_idにより特定されるデータ放送用アプリが実行中であればそれを終了させる。ステップS37において、アプリエンジン74は、制御部68からの制御に従い、App_idにより特定されるデータ放送用アプリに関するデータを、ワークメモリ75Aおよび退避メモリ75Bから消去するとともに、データ放送用アプリのプログラムデータを記録部71またはキャッシュメモリ73から消去させる。この後、処理はステップS21に戻り、それ以降が繰り返される。
【0142】
以上でトリガ情報対応処理の詳細な説明を終了する。
【0143】
上述したトリガ情報対応処理によれば、テレビジョン番組やCMに連動してデータ放送用アプリを起動したり、イベントを発火させたり、終了したりすることができる。さらに、データ放送用アプリを実行中の状態を保持したままで休止させ、休止した状態から再開することができる。
【0144】
また、トリガ情報対応処理によれば、図20に示すようなデータ放送用アプリの運用の可能である。
【0145】
図20は、データ放送用アプリの動作シナリオの一例を示している。
【0146】
放送装置31がテレビジョン番組の進行にあわせて、番組に対応するデータ放送用アプリのプログラムデータの取得を指示するプリキャッシュコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60は、放送用アプリのプログラムデータを取得する。
【0147】
次に、放送装置31がテレビジョン番組の進行にあわせて、番組に対応するデータ放送用アプリのエクスキュートコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60は、放送用アプリを起動する。この起動により、番組の映像にデータ放送用アプリの表示をユーザに促すためのアイコンが重畳表示される。
【0148】
このアイコンをユーザが選択すると、番組の映像に画面上にデータ放送用アプリによる表示が重畳される。
【0149】
放送装置31がテレビジョン番組の進行にあわせて、インジェクトイベントコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60では、実行中のデータ放送用アプリにおいてイベントが発火する(例えば、表示が変更される)。
【0150】
そして、所定のタイミングにおいて、放送装置31がデータ放送用アプリのサスペンドコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60では、実行中のデータ放送用アプリが休止される(関連するデータは退避メモリ75Bに保持される)。その後、放送装置31がデータ放送用アプリのエクスキュートコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60では、休止されていたデータ放送用アプリが再開される。
【0151】
さらに、放送装置31がテレビジョン番組の終了にあわせて、ターミネートコマンドのトリガ情報を送信すると、これを受信した受信装置60では、実行中のデータ放送用アプリが終了される。
【0152】
[データ放送用アプリの状態遷移]
図21は、受信装置60にて実行されるデータ放送用アプリの状態遷移図である。
【0153】
同図に示すように、データ放送用アプリは、終了状態(Stopped)、準備状態(Ready)、実行中状態(Active)、または休止状態(Suspended)の4種類の状態のうちのいずれかに遷移している。
【0154】
終了状態は、データ放送用アプリが実行されておらず、かつ、そのデータ放送用アプリのプログラムデータが未取得である状態を指す。準備状態は、そのデータ放送用アプリのプログラムデータが取得済みであって、実行されていない状態を指す。実行中状態は、データ放送用アプリが実行中である状態を指す。休止状態は、データ放送用アプリの実行が中断され、その中断したときの状態を示す情報が退避メモリ75Bに保持されている状態を指す。
【0155】
データ放送用アプリが休止状態に遷移しているとき、プリキャッシュコマンドのトリガ情報に従って、そのデータ放送用アプリのプログラムデータが取得されると、準備状態に遷移する。
【0156】
データ放送用アプリが休止状態に遷移しているとき、または準備状態であるとき、エクスキュートコマンドのトリガ情報に従って、そのデータ放送用アプリが起動されると、実行中状態に遷移する。
【0157】
データ放送用アプリが実行中状態に遷移しているとき、サスペンドコマンドのトリガ情報に従って、実行中のデータ放送用アプリが中断されると休止状態に遷移する。
【0158】
データ放送用アプリが休止状態に遷移しているとき、エクスキュートコマンドのトリガ情報に従って、中断されていたデータ放送用アプリが再開されると、実行中状態に遷移する。
【0159】
データ放送用アプリが準備状態、実行中状態、または休止状態に遷移しているとき、ターミネートコマンドのトリガ情報に従って、実行中のデータ放送用アプリが終了されると、終了状態に遷移する。なお、終了状態への遷移は、ターミネートコマンドのトリガ情報に基づくものの他、トリガ情報のApp_expire_dateが経過したとき、他のデータ放送用アプリが実行されたとき、受信チャンネルが切り替えられたときにも発生し得る。
【0160】
以上に説明したように、本発明を適用した放送システム30によれば、番組やCMに連動させてデータ放送用アプリを実行させることができる。また、データ放送用アプリを休止して、休止した状態から再開することができる。
【0161】
さらに、デジタルテレビジョン番組がCATV網や衛星通信網などを介して再送信される場合においても、テレビジョン番組に連動し得るデータ放送用コンテンツのサービスを実現することができる。
【0162】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0163】
図22は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0164】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0165】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0166】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0167】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0168】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0169】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0170】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0171】
30 放送システム, 31 放送装置, 32 サーバ, 41 トリガ情報生成部, 42 ビデオ符号化部, 43 オーディオ符号化部, 44 多重化部, 45 送出部, 60 受信装置, 61 チューナ, 62 多重分離部, 63 オーディオデコーダ, 64 音声出力部, 65 ビデオデコーダ, 66 トリガ検出部, 67 映像出力部, 68 制御部, 69 メモリ, 70 操作部, 71 記録部, 72 通信I/F, 73 キャッシュメモリ, 74 アプリエンジン, 75 メモリ, 75A ワークメモリ, 75B 退避メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを送信する送信装置において、
受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成手段と、
前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化手段と、
前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化手段と、
前記多重化ストリームを送出する送出手段と
を備え、
前記トリガ情報は、前記符号化手段により前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化手段により前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される
送信装置。
【請求項2】
前記符号化手段は、前記コンテンツを符号化してMPEG2ビデオストリームを生成し、
前記トリガ情報は、前記MPEG2ビデオストリームのvideo_sequence内のピクチャレイヤにおけるuse_dataに記述されて符号化される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記符号化手段は、前記コンテンツを符号化してH.264ビデオストリームを生成し、
前記トリガ情報は、前記H.264ビデオストリームのSEI(Supplementary Enhancement Information)に記述されて符号化される
請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記多重化手段は、前記符号化ストリームを多重化してTS(トランスポートストリーム)を生成し、
前記トリガ情報は、前記TSのPMT(program map table)またはSIT(selection information table)に定義されて前記TSに多重化される
請求項1乃至3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記多重化手段は、ISO ベースメディアファイルフォーマットに従い、前記符号化ストリームを多重化してMP4ファイルを生成し、
前記トリガ情報は、前記MP4ファイル内のFile,Movie,Trak,Movie Fragment、またはTrack Fragmentに定義されたBoxに配置される
請求項1乃至3に記載の送信装置。
【請求項6】
コンテンツを送信する送信装置の送信方法において、
送信装置による、
受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成ステップと、
前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化ステップと、
前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化ステップと、
前記多重化ストリームを送出する送出ステップと
を含み、
前記トリガ情報は、前記符号化ステップの処理で前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化ステップの処理で前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される
送信方法。
【請求項7】
コンテンツを送信する送信装置の制御用のプログラムであって、
受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成ステップと、
前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化ステップと、
前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化ステップと、
前記多重化ストリームを送出する送出ステップと
を含み、
前記トリガ情報は、前記符号化ステップの処理で前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化ステップの処理で前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出される
処理を送信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
送信されたコンテンツを受信する受信装置において、
前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信手段と、
前記多重化ストリームを多重分離する多重分離手段と、
前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号手段と、
取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御手段と
を備え、
前記トリガ情報は、前記多重分離手段により前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号手段により前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される
受信装置。
【請求項9】
前記復号手段は、前記多重化ストリームから多重分離されたMPEG2ビデオストリームのvideo_sequence内のピクチャレイヤにおけるuse_dataから前記トリガ情報を取得する
請求項8に記載の受信装置。
【請求項10】
前記復号手段は、前記多重化ストリームから多重分離されたH.264ビデオストリームのSEI(Supplementary Enhancement Information)から前記トリガ情報を取得する
請求項8に記載の受信装置。
【請求項11】
前記多重分離手段は、前記多重化ストリームとしてのTS(トランスポートストリーム)のPMT(program map table)またはSIT(selection information table)の定義に基づき、前記TSから前記トリガ情報を多重分離する
請求項8乃至10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記多重分離手段は、前記多重化ストリームとしてのMP4ファイルのFile,Movie,Trak,Movie Fragment、またはTrack Fragmentに定義されたBoxから前記トリガ情報を多重分離する
請求項8乃至10に記載の受信装置。
【請求項13】
送信されたコンテンツを受信する受信装置の受信方法において、
受信装置による、
前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信ステップと、
前記多重化ストリームを多重分離する多重分離ステップと、
前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号ステップと、
取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御ステップと
を含み、
前記トリガ情報は、前記多重分離ステップの処理で前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号ステップの処理で前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される
受信方法。
【請求項14】
送信されたコンテンツを受信する受信装置の制御用のプログラムであって、
前記コンテンツが符号化されて多重化されている多重化ストリームを受信する受信ステップと、
前記多重化ストリームを多重分離する多重分離ステップと、
前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号ステップと、
取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御ステップと
を含み、
前記トリガ情報は、前記多重分離ステップの処理で前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号ステップの処理で前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される
処理を受信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項15】
コンテンツを送信する送信装置と、送信された前記コンテンツを受信する受信装置とからなる放送システムにおいて、
前記送信装置は、
受信装置にて前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムの制御に関するトリガ情報を生成するトリガ情報生成手段と、
前記コンテンツを符号化して符号化ストリームを生成する符号化手段と、
前記符号化ストリームを多重化して多重化ストリームを生成する多重化手段と、
前記多重化ストリームを送出する送出手段と
を備え、
前記トリガ情報は、前記符号化手段により前記コンテンツとともに符号化されるか、または前記多重化手段により前記符号化ストリームとともに多重化されるかの少なくとも一方が行われて送出され、
前記受信装置は、
前記多重化ストリームを受信する受信手段と、
前記多重化ストリームを多重分離する多重分離手段と、
前記多重化ストリームから多重分離された符号化ストリームを復号して前記コンテンツを再生する復号手段と、
取得されたトリガ情報に応じて、前記コンテンツに連動して実行させるアプリケーションプログラムに関する処理を制御する制御手段と
を備え、
前記トリガ情報は、前記多重分離手段により前記多重化ストリームから多重分離されるか、または前記復号手段により前記符号化ストリームから復号されるかの少なくとも一方により取得される
放送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−65100(P2012−65100A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206851(P2010−206851)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】