説明

送受信方法、送受信システム、中央装置及びプログラム

【課題】最適な商品情報の効率的利用が可能となる送受信方法を提供する。
【解決手段】クライアント1からウェブサーバ5へ、無線タグ6の記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を送信する。ウェブサーバ5は、クライアント2へ、受信した商品情報の種類を送信する。クライアント2はウェブサーバ5へ商品情報の種類に関して購入を示す情報を送信する。ウェブサーバ5は、暗号鍵をクライアント1へ送信する。クライアント1は、商品情報を、暗号鍵を用いて暗号化し、リーダ/ライタ19により、無線タグ6の記憶部に暗号化された商品情報を書き込む。ウェブサーバ5はクライアント2へ、復号鍵を送信する。クライアント2は、復号鍵を受信した場合に、リーダ/ライタ29を用いて、得られた無線タグ6の暗号化された商品情報を読み出す。そして、読み出した商品情報を、復号鍵を用いて復号する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信方法、送受信システム、中央装置及び該中央装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流管理の現場においては、商品に無線タグを取り付け、リーダ/ライタで無線タグのメモリに内蔵された情報を読み取り、また必要な情報を書き込むことにより、商品を管理している。無線タグによる物流管理は、バーコードに取って代わって急速に普及しており、物流管理のみならず様々な場面で用いられるようになってきている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
無線タグ内のメモリには固有の識別情報の他、様々な商品名、価格及び製造業者名等の商品情報が記憶されており、業者はリーダ/ライタで無線タグ内の商品情報を読み出し、在庫管理に役立てている。ところで、無線タグは物流において複数の業者により取り扱われる。例えば、食品の物流に関しては、上流の食品メーカが無線タグを製品に取り付け、下流の各小売業者へ納品する。そして、各小売業者は食品メーカから製品を受け取り、無線タグが付された製品を一般消費者へ販売する。
【特許文献1】特開2001−307055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線タグ内のメモリに記憶された商品情報以外に必要となる商品情報が存在する場合がある。例えば、無線タグのメモリ内に商品名、価格及び製造業者名が記憶されているが、小売業者はこれら以外に商品(食品)の製造年月日、製造者、消費期限または商品成分等の他の商品情報が必要となる場合もある。無線タグのメモリに様々な商品情報を全て記憶すれば問題は解決されるが、メモリの容量にも限界がある。このような状況下で、どのような商品情報を効率よく無線タグに記憶すべきかが問題となっていた。
【0005】
また、無線タグの記憶部には様々な情報が記憶されるが、何も情報が記憶されていない領域については、これを有効活用する必要もある。なお、特許文献1の技術は、予め複数の記憶領域を流通ステージ毎に割り当てておく技術にすぎず、上述した問題を解決する手段は何ら開示していない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線タグに記憶される販売対象となる商品情報の仲介を中央装置に実行させることにより、最適な商品情報の効率的利用が可能となる送受信方法、送受信システム、中央装置及び該中央装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、無線タグの記憶領域の販売仲介を中央装置に実行させる事により、記憶領域の有効活用が可能なプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る送受信方法は、通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信方法において、前記第1端末装置から前記中央装置へ、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を送信する種類送信ステップと、前記種類送信ステップにより第1端末装置から中央装置へ送信された前記商品情報の種類を受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信ステップと、前記中央装置が、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、前記中央装置から前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップと、前記第1端末装置が、前記鍵送信ステップにより送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込みステップと、前記第2端末装置が、前記復号鍵送信ステップにより送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、前記無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号するステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る送受信システムは、通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信システムにおいて、前記中央装置は、前記第1端末装置から送信された、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した商品情報の種類を、前記第2端末装置へ送信する送信手段と、前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段とを備え、前記第1端末装置は、前記鍵送信手段により送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込み手段を備え、前記第2端末装置は、前記復号鍵送信手段により送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、該無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号する手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る中央装置は、通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を送受信する制御部を有する中央装置において、前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信手段と、前記第2端末装置から、前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプログラムは、通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有するコンピュータに送受信させるプログラムにおいて、コンピュータに、前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信ステップと、前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を送信する送信ステップと、前記第2端末装置から、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップとを実行させることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプログラムは、前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を受信する領域受信ステップと、前記第2端末装置へ前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信する領域送信ステップと、前記第2端末装置から、前記領域送信ステップにより送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信ステップと、前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を送信する解除鍵送信ステップとを実行させることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るプログラムは、前記領域送信ステップは、前記第2端末装置及び通信網を介して接続される他の端末装置へ、前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信し、前記第2端末装置及び他の端末装置から前記記憶領域への書き込みの対価としての価格を受信する価格受信ステップと、該価格受信ステップにより受信した価格を前記第2端末装置及び他の端末装置に対応づけて前記コンピュータの記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記記憶装置に記憶された期限日時を読み出し、前記コンピュータの時計部から出力される日時を参照して、前記期限日時に達した場合に、前記記憶装置に記憶された価格の内、最高価格に対応する一の端末装置を決定する決定ステップとを実行させ、前記解除鍵送信ステップは、前記決定ステップにより決定した一の端末装置へ、前記解除鍵を送信することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプログラムは、前記受信ステップは、前記第1端末装置から、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類及び該商品情報の読み取りの対価としての価格を受信し、前記送信ステップは、前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類及び価格を送信することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るプログラムは、前記第2端末装置から、希望する商品情報の種類を受信するステップと、該ステップにより受信した商品情報の種類を前記第1端末装置へ送信するステップとを実行させることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、第1端末装置から中央装置へ、無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を送信する。中央装置は送信された商品情報の種類を受信する。販売対象の商品情報を通知すべく、中央装置は、第2端末装置へ、受信した商品情報の種類を送信する。第2端末装置は、商品情報の種類に関して購入を示す情報を送信し、中央装置はこの情報を受信する。中央装置は、商品情報を暗号化する暗号鍵を第1端末装置へ送信する。第1端末装置はリーダ/ライタを有し、無線タグの情報の読み取り及び書き込みを行う。第1端末装置は、暗号鍵を受信した場合に、商品情報を、暗号鍵を用いて暗号化する。そして第1端末装置は、無線タグの記憶部に暗号化された商品情報を、リーダ/ライタを用いて書き込む。この暗号化された商品情報が記憶された無線タグは流通により第1端末装置を扱うユーザから、第2端末装置を扱うユーザへ渡されることになる。
【0017】
また、中央装置は第2端末装置へ、商品情報を復号するための復号鍵を送信する。第2端末装置はリーダ/ライタを有し、無線タグの情報の読み取り及び書き込みを行う。第2端末装置は、送信された復号鍵を受信した場合に、リーダ/ライタを用いて、得られた無線タグの暗号化された商品情報を読み出す。そして、読み出した商品情報を、復号鍵を用いて復号する。
【0018】
本発明にあっては、中央装置は第1端末装置から送信される、無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を受信する。中央装置は第2端末装置へ受信した記憶領域の情報を送信する。第2端末装置から送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信した場合、中央装置は、第1端末装置へ記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する。第1端末装置が制限鍵を受信した場合、当該受信した制限鍵を用いて、無線タグの記憶領域の書き込み制限を行う。このように書き込み制限がなされた無線タグは第1端末装置を扱うユーザから、第2端末装置を扱うユーザへ渡されることになる。
【0019】
中央装置は第2端末装置へ、記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を送信する。第2端末装置は送信された解除鍵を受信した場合、当該解除鍵を用いて、無線タグの記憶領域の書き込み制限を解除する。
【0020】
本発明にあっては、第1端末装置から受信した記憶領域の情報は、第2端末装置だけではなく、通信網を介して接続される他の端末装置へ入札のため送信される。中央装置は、第2端末装置及び他の端末装置から記憶領域への書き込みの対価としての価格を受信する。受信した価格は、第2端末装置及び他の端末装置に対応づけて中央装置の記憶装置に記憶される。中央装置は、記憶装置に予め記憶された期限日時を読み出し、中央装置の時計部から出力される日時を参照して、期限日時に達した場合に、記憶装置に記憶された価格の内、最高価格に対応する一の端末装置を決定する。中央装置は最高額を提示した一の端末装置へ、解除鍵を送信する。
【0021】
本発明にあっては、第1端末装置から、無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類及び商品情報の読み取りの対価としての価格を受信する。中央装置は第2端末装置へ、受信した商品情報の種類及び価格を送信する。
【0022】
本発明にあっては、中央装置は第2端末装置から希望する商品情報の種類を受信する。そして当該受信した商品情報の種類を第1端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0023】
本発明にあっては、中央装置により、販売対象の商品情報を受信して第2端末装置へ送信し、売買が成立した場合に、当該商品情報を暗号化するようにしたので、第1端末装置のユーザが、無線タグを発行する際のインセンティブとなり、より無線タグの普及を図ることができる。また第2端末装置のユーザの意向により必要な商品情報が無線タグに記憶されるため、第2端末装置から第1端末装置への当該商品情報の問い合わせが不要となり、より第1端末装置及び第2端末装置間の通信負担を軽減することが可能となる。
【0024】
本発明にあっては、余剰の記憶領域の売買を中央装置が仲介し、販売された場合、記憶領域の書き込み制限を行う。これにより、余った記憶領域を有効活用でき、しかも当該領域を販売することができるので無線タグを発行するユーザの負担をより軽減することが可能となる。また、記憶領域の書き込み制限を解除した後、第2端末装置のユーザは、当該領域に第3者が希望する商品情報を書き込め、それ以外の余剰領域についてはさらに転売が可能となる。
【0025】
本発明にあっては、中央装置は、第2端末装置及び他の端末装置から記憶領域への書き込みに対する対価としての価格を受信して記憶する。中央装置は、期限日時に達した場合に、記憶された価格の内、最高価格に対応する一の端末装置を決定する。中央装置は最高額を提示した一の端末装置へ、解除鍵を送信する。これにより有限の記憶領域をより高額で売買することができる。
【0026】
本発明にあっては、商品情報の種類及び当該商品情報の読み取りに対する対価としての価格の情報を送受信する。これにより、無線タグの記憶部内の商品情報自体に価値を付加することができ、無線タグをより効率よく普及することが可能となる。
【0027】
本発明にあっては、中央装置は第2端末装置から希望する商品情報の種類を受信し、当該受信した商品情報の種類を第1端末装置へ送信する。これにより事前に第1端末装置側で、記憶すべきニーズのある商品情報の種類を把握でき、より無線タグの効率的利用が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
実施の形態1
以下本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明に係る送受信システムの概要を示す模式図である。送受信システムは中央装置(コンピュータ)5、端末装置1、2、3、・・・、通信網N、無線タグ6、リーダ/ライタ19、29、39、・・及び商品4を含んで構成される。中央装置5と端末装置1、2、3、・・・とはインターネット等の通信網Nを介して相互に接続されており、所定の情報をHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等のプロトコルにより送受信する。以下では中央装置5をウェブサーバ5、端末装置1、2、3、・・・をクライアント1、2、3、・・・と読み替えて説明する。
【0029】
クライアント1は商品4に取り付けられた無線タグ6(ICタグ、RFID: Radio Frequency Identification、ICカード、書き換え可能なバーコード等の、書き換え可能な領域を持つ識別子を用いる手段であればこれに限定されない)の情報の読み取り及び書き込みを行うリーダ/ライタ19に接続されている。以下では例として、商品4はケースに収められたビール4であるものとして説明し、またビール4のケースに無線タグ6が取り付けられているものとして説明する。ビール4を製造するビール製造業者はクライアント1を使用し、その下流にてビール4を運送する運送業者はクライアント2を使用し、さらにその下流にてビール4を販売する小売業者はクライアント3を使用する。
【0030】
無線タグ6には固有の識別情報(以下、IDという)、並びに、ビール4のメーカ及び商品名等の基本情報が記憶されている。リーダ/ライタ19によりこれらの情報を無線タグ6に書き込むと共に、本発明では下流の運送業者及び小売業者が使用する製造年月日等の商品情報を書き込む。ウェブサーバ5はクライアント1乃至3間の、商品情報の売買に関する仲介処理を行う。またウェブサーバ5は無線タグ6の余剰の記憶領域の売買の仲介処理をも実行する。例えば、クライアント2からクライアント1へ、ビール4の商品情報として製造年月日の要求が多くなされる場合、予めクライアント1により、リーダ/ライタ19を介して製造年月日を記憶していれば、全体的な処理速度を向上することができる。
【0031】
この場合、クライアント1は、製造年月日を暗号化し、リーダ/ライタ19を用いて暗号化されたデータを無線タグ6に書き込む。運送業者のクライアント2は、無線タグ6の製造年月日を、リーダ/ライタ29を用いて読み出し、読み出した製造年月日をウェブサーバ5から送信される復号鍵を用いて復号する。一方、余剰の記憶領域に関しては、クライアント1は、リーダ/ライタ19を用いて、無線タグ6の余剰記憶領域の内、販売対象となった記憶領域について制限鍵を用い、書き込みを制限する。クライアント2は、リーダ/ライタ29を用いて、無線タグ6の販売対象となった記憶領域について解除鍵を用い、書き込み制限を解除する。以上述べた処理は、複数の無線タグ6、6、・・・に対しても同様に行われ、また商品情報の販売及び余剰領域の販売についても、同様にクライアント1、2、3、・・・間で行われる。以下では説明を容易にするために一つの無線タグ6についての商品情報及び余剰領域の売買をクライアント1とクライアント2との間で行う例について説明する。
【0032】
図2は無線タグ6のハードウェア構成を示すブロック図である。無線タグ6は制御部61、通信部66及び記憶部65を含んで構成される。制御部61はロジック回路及びメモリ62等からなり内部のプログラムに従って伝送線67を介して接続される通信部66及び記憶部65の制御を行う。通信部66はコイル及び無線通信用のRF回路等から構成されリーダ/ライタ19との間でID、基本情報及び商品情報等の送受信を行う。
【0033】
記憶部35は例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはフラッシュROM等から構成され、ID記憶部651、基本情報記憶部652、商品情報記憶部653及び販売対象領域を含む余剰領域等が設けられている。図に示す如く記憶部65はアドレス0〜アドレスLの間に情報を記憶する領域を有し、アドレス0からアドレスAまでの間はID記憶部651の記憶領域であり、アドレスA+1からアドレスBまでの間は基本情報記憶部652の記憶領域、アドレスB+1からアドレスCまでの間は商品情報記憶部653の記憶領域であり、アドレスC+1からアドレスLまでの間は情報が記憶されていない余剰領域であり、そのうちアドレスC+1からアドレスDまでの間は、クライアント1からクライアント2へ販売される販売対象領域である。
【0034】
ID記憶部651には、無線タグ6固有に付与されるIDが記憶されている。基本情報記憶部652には、ビール4の基本情報としてメーカ、商品名(ビールのブランド名)及び本数の情報が記憶されている。これらの情報はクライアント1の制御の下、リーダ/ライタ19により無線タグ6の記憶部65に記憶される。ID記憶部651及び基本情報記憶部652に記憶されたID及び基本情報は特に制限なくクライアント2及びクライアント3のリーダ/ライタ29、39で読み取ることが可能である。
【0035】
商品情報記憶部653には、販売対象となる商品情報、例えばビール4の製造年月日及び容器情報が暗号化されて記憶される。ここで容器情報とは、ビール4の容器に関する情報であり、例えばビール4の容器がガラスビンであるのかアルミニウム缶であるのか等の情報が記憶されている。販売対象領域を含む余剰領域には情報が記憶されていないが、第3者が自由に書き込みできないよう書き込み制限がなされている。この書き込み制限は制御部61により制御され、通信部66を介して書き込み制限を行うアドレス及び制限鍵を受信した場合、対象となるアドレスに対し、制限鍵を用いて書き込み制限を行う。
【0036】
制御部61は通信部66を介して、書き込み制限を解除するための解除鍵を受信した場合、書き込み制限を解除する。この制限鍵及び解除鍵は例えば共通の書き込みパスワードとすればよい。以下では制限鍵及び解除鍵を共通の書き込みパスワードであるものとして説明するが、制限鍵及び解除鍵を別々のパスワードとしても良い。この場合制限鍵と解除鍵との対応付けを、制御部61内のメモリ62に記憶しておけばよい。制御部61は、書き込み制限対象領域のアドレス及び書き込みパスワードを、通信部66を介して受信した場合、当該アドレスへの書き込み制限を行うべく、メモリ62に書き込みパスワード及びアドレスを記憶する。制御部61は、通信部66を介して書き込みパスワードを受信した場合、メモリ62内の書き込みパスワードと一致するか否かを判断し、一致する場合に対応するアドレスを読み出し、読み出したアドレスの書き込み制限を解除する。制御部61は、送信された書き込みパスワードが、メモリ62内の書き込みパスワードと一致しない場合、及び、書き込みパスワードが受信されていない場合、制御部61は当該アドレスへの書き込みを禁止する。
【0037】
図3はクライアント1のハードウェア構成を示すブロック図である。クライアント1は制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11、RAM12、入力部13、表示部14、時計部18、通信部16、商品情報データベース(以下商品情報DB161)、リーダ/ライタ19及び記憶部15を含んで構成される。CPU11は、バス17を介してクライアント1のハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部15に格納された制御プログラム15P、暗号化プログラム152及び書き込み制限プログラム153に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0038】
表示部14は例えば液晶ディスプレイ等であり、入力部13はキーボード及びマウス等から構成される。通信部16はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等である。時計部18は現在の日時情報をCPU11へ出力する。記憶部15は例えばハードディスクで構成され、内部には上述した制御プログラム15P、アドレスファイル154、販売履歴ファイル155等が記憶されている。CPU11には商品情報DB161が接続されている。CPU11は商品情報DB161のフィールドのキーを関連づけたスキーマにおいてSQL(Structured Query Language)等のデータベースの形式に応じたアクセスインターフェースを用いて対話することにより、必要な情報の記憶、検索等の処理を実行する。なお、クライアント1が利用する商品情報DB161は記憶部15内に記憶しても良い。
【0039】
クライアント1には図示しないインターフェースを介してリーダ/ライタ19が接続されている。リーダ/ライタ19は公知のものであり、クライアント1のCPU11の指示に従い、無線タグ6に書き込むべき情報を無線タグ6の通信部66へ送信する。また、リーダ/ライタ19は、通信部66を介して無線タグ6から送信された情報を受信する。受信した情報はクライアント1へ出力され、クライアント1のCPU11はこの出力された情報を用いて所定の処理を実行する。
【0040】
図4は商品情報DB161のレコードレイアウトを示す説明図である。商品情報DB161はIDフィールド及び商品情報フィールドを含んで構成される。IDフィールドには無線タグ6それぞれのIDが記憶されている。商品情報フィールドは種類フィールド及びデータフィールドにより構成される。種類フィールドにはIDに対応づけて商品情報の種類が記憶されており、データフィールドにはIDに対応づけて当該商品情報の種類のデータが記憶されている。商品情報を構成する種類は製造年月日、容器情報及び製造工場等であり、商品情報を構成するデータはこれらの種類に対応する実データである。例えばIDがXX001の無線タグ6に係る商品情報は、製造年月日が2007年6月1日、容器情報がガラスビン、製造工場がAと記憶されている。その他基本情報となるメーカ、商品名及び本数の情報は記憶部15に記憶されている。
【0041】
図5はアドレスファイル154のレコードレイアウトを示す説明図である。アドレスファイル154にはIDに対応づけて各種情報に割り当てられるアドレスが記憶されている。図2で説明した如く、例えばIDがXX001の無線タグ6の場合、アドレス0からアドレスAまでがID記憶部651の領域であり、アドレスA+1からアドレスBまでの間が基本情報記憶部652の記憶領域であり、アドレスB+1からアドレスCまでの間は商品情報記憶部653の記憶領域であり、アドレスC+1からアドレスLまでの間は情報が記憶されていない余剰領域であり、そのうちアドレスC+1からアドレスDまでが販売対象領域である。ID記憶部651、基本情報記憶部652、商品情報記憶部653及び余剰領域に対応するアドレスは、設計段階で入力部13からユーザが適宜の値を入力しておけばよい。また販売対象領域のアドレスは、後述するように、クライアント1からクライアント2へ販売対象領域を販売する際に、ユーザが入力部13からアドレスを入力し、CPU11は入力された販売対象領域のアドレスをアドレスファイル154に記憶する。
【0042】
CPU11は、ID及び基本情報を書き込む場合、ID及び基本情報を記憶部15から読み出す。またCPU11はアドレスファイル154から、当該IDに係るID記憶部651に対するアドレス、及び、基本情報記憶部652に対するアドレスを読み出す。CPU11はID及び基本情報、並びに、これらに対応するアドレスをリーダ/ライタ19へ出力する。リーダ/ライタ19は無線タグ6の通信部66へこれら出力された情報を送信する。制御部61は送信されたIDに対応するアドレスを参照し、送信されたIDをID記憶部651に記憶する。同様に制御部61は送信された基本情報に対応するアドレスを参照し、送信された基本情報を基本情報記憶部652へ記憶する。
【0043】
本例では3つの商品情報の内、運送業者は、製造年月日及び容器情報を購入したものとして説明する。図6は販売履歴ファイル155のレコードレイアウトを示す説明図である。販売履歴ファイル155はIDフィールド、販売日時フィールド、購入者フィールド、商品情報の種類フィールド及び販売対象領域(データサイズ)フィールドを含んで構成される。販売日時フィールドには、IDがXX001の無線タグ6の商品情報が売買された日時を記憶している。購入者フィールドには当該商品情報を購入した購入者の名称が記憶され、商品情報の種類フィールドには販売された当該商品情報の種類が記憶されている。
【0044】
また販売対象領域(データサイズ)フィールドには、無線タグ6の余剰領域の内、販売対象となった販売対象領域のアドレス及びこれに対応するデータサイズが記憶されている。例えば、IDがXX001の無線タグ6については、運送業者が、2007年6月10日12時10分30秒に、商品情報の内、製造年月日及び容器情報を購入したことを記憶している。また余剰領域の内、販売対象領域としてアドレスC+1〜アドレスDの3000バイトを運送業者が購入したことを示している。CPU11は後述するウェブサーバ5、クライアント2及びクライアント3の間での商品情報の売買が成立した場合に、商品情報記憶部653に暗号化された商品情報を記憶する。またCPU11は後述するウェブサーバ5、クライアント2、及びクライアント3の間での販売対象領域の売買が成立した場合に、販売対象領域の書き込み制限を行う。CPU11はこれら無線タグ6に記憶した情報を販売履歴ファイル155に記憶する。
【0045】
CPU11はIDがXX001の商品情報の書き込みに際し、種類である製造年月日及び容器情報に対応するデータ、2007年6月1日及びガラスビンを商品情報DB161から読み出す。CPU11は暗号化プログラム152を起動し、ウェブサーバ5から送信された暗号鍵により商品情報を暗号化する。CPU11は、アドレスファイル154から商品情報記憶部653のアドレスを読み出し、読み出したアドレス及び暗号化された商品情報を、リーダ/ライタ19へ出力する。なお、本実施の形態における暗号化及び復号方式は、共通鍵暗号方式または公開鍵暗号方式のいずれであっても良い。
【0046】
無線タグ6の通信部66は、リーダ/ライタ19から送信されるアドレス及び暗号化された商品情報を受信する。制御部61は受信したアドレスに基づき、商品情報記憶部653に暗号化された商品情報を記憶する。書き込み制限を行う場合、CPU11は書き込み制限プログラム153を起動し、アドレスファイル154から販売対象領域のアドレスを読み出し、この読み出したアドレスと共にウェブサーバ5から送信された書き込みパスワードをリーダ/ライタ19へ出力する。
【0047】
無線タグ6の通信部66は、リーダ/ライタ19から送信されるアドレス及び書き込みパスワードを受信する。制御部61は受信した書き込みパスワード及びアドレスをメモリ62に記憶し、受信したアドレスを販売対象領域として書き込み制限を行う。また売買が成立しなかった販売対象領域を除く余剰領域についても補助書き込みパスワードにより書き込み制限を行う。CPU11は記憶部15に記憶した補助書き込みパスワードを読み出す。またCPU11は、アドレスファイル154を参照し、余剰領域のアドレスから販売対象領域のアドレスを除いたアドレス(本例ではD+1〜L)を読み出す。そして読み出したアドレス及び補助書き込みパスワードをリーダ/ライタ19へ出力する。無線タグ6の通信部66は、リーダ/ライタ19から送信されるアドレス及び補助書き込みパスワードを受信する。制御部61は受信した補助書き込みパスワード及びアドレスをメモリ62に記憶し、受信したアドレスを、販売対象領域を除く余剰領域の書き込み制限を行う。
【0048】
制御部61は、リーダ/ライタ19から送信された補助書き込みパスワードと、メモリ62に記憶した補助書き込みパスワードとが一致する場合、メモリ62に当該補助書き込みパスワードに対応づけて記憶したアドレスを読み出し、当該アドレスへのデータの書き込みを許可する。一方、制御部61は、リーダ/ライタ19から送信された補助書き込みパスワードと、メモリ62に記憶した補助書き込みパスワードとが一致しない場合、及び、リーダ/ライタ19から補助書き込みパスワードが送信されない場合、メモリ62に記憶した補助書き込みパスワードに対応するアドレスへの情報の書き込みは許可しない。記憶部15に記憶されたブラウザ151は例えばマイクロソフト社のインターネットエクスプローラ(登録商標)であり、ウェブサーバ5との間で商品情報及び余剰領域の売買の際に利用される。
【0049】
図7はクライアント2のハードウェア構成を示すブロック図である。クライアント2は制御部としてのCPU21、RAM22、入力部23、表示部24、時計部28、通信部26、商品情報DB261、リーダ/ライタ29、バス27及び記憶部25を含んで構成される。記憶部25には、制御プログラム25P、ブラウザ251、暗号化プログラム252、書き込み制限プログラム253、アドレスファイル254、販売履歴ファイル255、復号プログラム256、及び書き込み解除プログラム257等が記憶される。なお、クライアント2の構成はクライアント1と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0050】
運送業者が使用するクライアント2は、ビール製造業者のクライアント1との対比においては下流に位置するが、クライアント3との関係においては上流に位置する。そのため、クライアント2は商品情報及び余剰領域をクライアント1から購入する他、クライアント3へ自身が持つ商品情報DB261に記憶された商品情報(例えば配送履歴、配達ドライバーの氏名等)を販売でき、また自らが購入した余剰領域の一部を販売対象領域としてさらにクライアント3へ販売することができる。
【0051】
CPU21はリーダ/ライタ29により、無線タグ6の商品情報記憶部653に記憶された暗号化された商品情報を読み出す。CPU21は復号プログラム256を起動し、ウェブサーバ5から送信された復号鍵を用いて、復号処理を行う。これにより、クライアント1から購入した商品情報を利用することが可能となる。また、CPU21は書き込み解除プログラム257を起動し、ウェブサーバ5から送信された書き込みパスワードをリーダ/ライタ29へ出力する。
【0052】
無線タグ6の通信部66は送信された書き込みパスワードを受信する。制御部61は受信した書き込みパスワードがメモリ62に記憶された書き込みパスワードに一致するか否かを判断する。制御部61は一致すると判断した場合は、メモリ62に記憶したアドレスを読み出し、当該アドレスへの書き込み制限を解除する。これにより、書き込み制限が解除された領域を運送業者は自由に使用することができ、また当該領域を用いて、商品情報の販売及び余剰領域の販売を行うことができる。なお、図3のクライアント1の記憶部15には説明を容易にするために、復号プログラム256及び書き込み解除プログラム257の記載を省略したが、記憶しても良いことはもちろんである。
【0053】
図8はウェブサーバ5のハードウェア構成を示す説明図である。ウェブサーバ5は制御部としてのCPU51、RAM52、入力部53、表示部54、時計部58、通信部56、及び記憶装置としての記憶部55を含んで構成される。CPU51は、バス57を介してウェブサーバ5のハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部55に格納された制御プログラム55P、暗号鍵生成プログラム553、復号鍵生成プログラム554、及び書き込みパスワード生成プログラム555に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
【0054】
表示部54は例えば液晶ディスプレイ等であり、入力部53はキーボード及びマウス等から構成される。通信部56はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等である。時計部58は現在の日時情報をCPU51へ出力する。記憶部55は例えばハードディスクで構成され、内部には上述した制御プログラム55P、ユーザ情報ファイル551、販売履歴DB552、第2販売履歴DB557、及びHTML(Hyper Text Markup Language)ファイル556等が記憶されている。
【0055】
図9はユーザ情報ファイル551のレコードレイアウトを示す説明図である。ユーザ情報ファイル551はユーザ名に対応づけてユーザのIP(Internet Protocol)アドレス等を記憶している。ユーザ情報ファイル551はユーザ名フィールド、ユーザID/パスワードフィールド、IPアドレスフィールド及び電子メールアドレスフィールドを含んで構成される。ユーザ名フィールドには、ユーザを識別するための名称が記憶されている。本例では、クライアント1を使用するビール製造業者、クライアント2を使用する運送業者、クライアント3を使用する小売業者の情報が記憶されている。
【0056】
ユーザID/パスワードフィールドには、ウェブサーバ5のシステムへログインするためのユーザID及びパスワードがユーザ名に対応づけて記憶されている。IPアドレスフィールドには、クライアント1乃至3それぞれのIPアドレスがユーザ名に対応づけて記憶されている。さらに電子メールアドレスフィールドには、各ユーザの電子メールアドレスが記憶されている。クライアント1からウェブサーバ5へアクセスされた場合、CPU51はHTMLファイル556から、ユーザ情報を登録する画面を読み出し、通信部56を介して、クライアント1へ送信する。
【0057】
クライアント1のCPU11はブラウザ151に送信された画面を表示する。ユーザは入力部13から初期に登録するユーザ名、ユーザID、パスワード、IPアドレス、電子メールアドレス、決済方法、電話番号及び住所等の情報を入力する。CPU11はこれら入力された情報を受け付けウェブサーバ5へ送信する。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたこれらの情報を受け付け、ユーザ情報ファイル551へ記憶する。
【0058】
図10は販売対象となる商品情報の登録画面イメージを示す説明図である。クライアント1のログイン後、ウェブサーバ5のCPU51は、HTMLファイル556から図10に示す商品情報の登録画面を読み出し、クライアント1へ送信する。クライアント1のCPU11はブラウザ151に商品情報の登録画面を表示する。商品情報の登録画面は販売対象となる無線タグのIDを入力するためのID入力ボックス101、販売対象となるユーザを選択する選択ボックス102、商品情報の種類、価格及び期限を入力するための詳細情報入力ボックス103、並びに登録ボタン104等を含んで構成される。
【0059】
この商品情報の登録画面は予めHTMLファイル556にテンプレートが記憶されている。ウェブサーバ5のCPU51は、ログインしたユーザからのリクエストに応じて、HTMLファイル556からテンプレートを読み出し、ユーザ情報ファイル551に記憶されたログインされたユーザ以外のユーザ名(本例では運送業者及び小売業者)を選択ボックス102近傍に記述して、送信すべき商品情報の登録画面を生成する。
【0060】
ビール製造業者は、クライアント1の入力部13から、ID入力ボックス101へ販売対象の無線タグ6のIDを入力する。また入力部13から販売対象となるユーザ名を選択ボックス102の白丸をクリックすることにより選択する。本例では運送業者を販売対象のユーザとして選択している。さらにビール製造業者は、入力部13から、販売を希望する商品情報の種類、価格、期限を詳細情報入力ボックス103へ入力する。この価格は商品情報の種類に対応づけて入力され、当該商品情報の種類に係るデータを、下位の運送業者及び小売業者が読み取る対価として、ビール製造業者が適切な価格を入力する。入力部13を通じた情報の入力が完了した場合は、登録ボタン104をクリックする。本例では、IDがXX001、販売対象のユーザが運送業者及び小売業者となっている。また詳細情報入力ボックス103には、商品情報の種類の一例として、製造年月日、価格200円、期限3日と入力されている。この期限はユーザが登録ボタン104をクリックし、販売が開始された日時から販売を終了する日時までの期間である。
【0061】
CPU11は入力部13を通じて入力されたID、販売対象のユーザ名、商品情報の種類、価格及び期限を、登録ボタン104の操作をトリガにウェブサーバ5へ送信する。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたこれらの情報を販売履歴DB552に記憶する。図11は販売履歴DB552のレコードレイアウトを示す説明図である。販売履歴DB552は、IDフィールド、販売開始日時フィールド、販売完了日時フィールド、販売者フィールド、購入者フィールド、商品情報の種類フィールド、価格フィールド及び期限フィールド等を含んで構成される。
【0062】
IDフィールドには、クライアント1から送信された販売対象の無線タグ6のIDが記憶され、販売開始日時フィールドにはクライアント1から販売対象の商品情報の種類が送信された日時が記憶されている。この日時の情報はCPU51が時計部58の出力を参照してIDに対応付けて記憶する。なお、以降では説明を容易にするために年の記載を省略する。販売完了日時フィールドには、販売が完了した日時が記憶されている。IDがXX001の商品情報はまだ販売が完了していないため、当該フィールドには何ら情報が記憶されていない。一方、IDがXX002の無線タグは、既に販売が6月10日12時10分32秒に完了しており、その日時情報が記憶されている。
【0063】
販売者フィールドには、商品情報を販売するユーザ名が記憶される。また購入者フィールドには商品情報を購入したユーザ名が記憶される。例えば、IDがXX001の無線タグ6に関しては、販売者がビール製造業者と記憶されており、購入者は運送業者と記憶されている。商品情報の種類フィールドには、送信された販売対象となる商品情報の種類が記憶されている。例えばIDがXX001の無線タグ6は、製造年月日及び容器情報が販売対象として記憶されている。価格フィールドには販売者が希望する価格が記憶され、期限フィールドには送信された期限が記憶される。なお上述した各種データベース及びファイルのデータの持ち方は設計に応じて適宜変更しても良い。このようにCPU51はクライアント1から販売対象の商品情報の種類等の情報が送信される度に、情報を販売履歴DB552に記憶し、また販売が完了した場合、販売完了日時を時計部58の出力を参照して記憶する。
【0064】
CPU51はクライアント1からID、販売対象のユーザ名、商品情報の種類、価格及び期限の情報を受信した場合、販売対象のユーザ名を抽出する。そして、抽出したユーザ名に基づき、ユーザ情報ファイル551から電子メールアドレスを読み出す。本例では運送業者の電子メールアドレスが読み出される。CPU51は、記憶部55に記憶したメーラを起動し、読み出した電子メールアドレス宛に、案内の電子メールを送信する。この電子メールは例えば「ビール製造業者様から運送業者様へ商品情報の販売が開始されました。」等の内容が記述され、またウェブサーバ5へアクセスするためのハイパーリンクが記述される。CPU51は記憶部55に記憶したテンプレートに、送信された販売対象のユーザ名(本例では運送業者)を記述し、また販売を希望するユーザ名(本例ではビール製造業者)を、IPアドレス等を参照して、ユーザ情報ファイル551から読み出し記述する。これにより、タイムリーに販売が開示されたことを下流のユーザは認識することができる。
【0065】
続いて、運送業者のクライアント2がウェブサーバ5へアクセスし、商品情報を購入する際の処理について説明する。クライアント2のCPU21は入力部23から入力されたユーザID及びパスワード、並びに、IPアドレスをウェブサーバ5へ送信する。ウェブサーバ5のCPU51は受信したユーザID及びパスワードに基づき、ユーザ情報ファイル551を参照して認証を行う。そしてCPU51は対応するユーザ名を読み出す。CPU51は、読み出したユーザ名に基づき、販売履歴DB552を検索し、購入者フィールドにユーザ名が記憶されており、かつ、販売完了日時が記憶されていないレコードを読み出す。
【0066】
本例では、CPU51は購入者が運送業者であり、かつまだ販売の完了していない、IDがXX001の商品情報の種類である製造年月日、価格200円、販売開始日時、期限3日、さらに、IDがXX001の商品情報の種類である容器情報、価格300円、販売開始日時及び期限3日を読み出す。CPU51は販売開始日時に期限を加算し期限日時を算出する。本例では3日後の6月12日11時10分30秒までとなる。
【0067】
CPU51はこれら読み出した情報(ID、商品情報の種類、及び価格)及び期限日時を、HTMLファイル556に記憶されたテンプレートに記述し、記述後のHTMLファイルをクライアント2へ送信する。図12は商品情報の購入イメージを示す説明図である。販売対象となる無線タグ6のID、商品情報の種類、価格、及び期限日時がブラウザ251に図12の如く表示される。図12に示すように、IDがXX001の無線タグ6の記憶部65に記憶される商品情報の種類として製造年月日が価格200円で販売中であることが表示される。またこの販売期間は6月12日11時10分30秒までである。
【0068】
同様に、IDがXX001の無線タグ6の記憶部65に記憶される商品情報の種類として容器情報が価格250円で販売中であることが表示される。またこの販売期間も6月12日11時10分30秒までである。製造年月日及び容器情報のそれぞれの項目の左側には、これらを選択するための選択ボックス105が表示される。ユーザは入力部23から、白丸印で示す選択ボックス105をクリックし、購入ボタン106を操作することにより、商品情報を購入する。CPU21は、入力部23から選択された商品情報の種類を受け付け、購入ボタン106の操作を受け付けたことをトリガに、購入コマンド、受け付けた商品情報の種類及びIDを、購入を示す情報としてウェブサーバ5へ送信する。
【0069】
ウェブサーバ5のCPU51は、クライアント2から送信された購入コマンド、ID及び商品情報の種類を受信する。CPU51は販売履歴DB552の販売完了日時フィールドに、時計部58から出力される日時情報を参照して販売完了日時を記憶する。これにより、無線タグ6の記憶部65に書き込むべき商品情報の売買がクライアント1とクライアント2との間で成立する。
【0070】
続いて、暗号鍵生成処理について説明する。CPU51は販売履歴DB552への販売完了日時の記憶をトリガに、暗号鍵生成プログラム553を起動し、暗号鍵を生成する。同様にCPU51は、復号鍵生成プログラム554を起動し、生成した暗号鍵により暗号化したデータを復号することができる復号鍵を生成する。CPU51は販売履歴DB552を参照し、販売者及び購入者の情報を読み出す。そしてCPU51は、ユーザ情報ファイル551を参照し、販売者及び購入者に対応する電子メールアドレスを読み出す。CPU51は販売者(本例ではビール製造業者)の電子メールアドレス宛へ暗号鍵を送信し、購入者(本例では運送業者)の電子メールアドレス宛へ復号鍵を送信する。
【0071】
これにより、クライアント1側では、送信された暗号鍵に基づき、販売した商品情報のデータについて暗号化を行うことができ、またクライアント2側では、送信された復号鍵に基づき、購入した商品情報の暗号化されたデータを復号して活用することができる。本実施の形態においては電子メールを用いた暗号鍵及び復号鍵の送信の例を用いて説明するが、クライアント1またはクライアント2からウェブサーバ5へアクセスがあった場合に、それぞれ暗号鍵または復号鍵を送信するようにしても良い。また本実施の形態においては暗号鍵及び復号鍵の生成をウェブサーバ5で行うようにしたがこれに限るものではない。例えば、ベリサイン社等の第3者機関の認証サーバコンピュータ(図示せず)により暗号鍵及び復号鍵を生成させても良い。この場合ウェブサーバ5のCPU51は販売者の電子メールアドレスと共に暗号鍵の生成依頼を示す情報を認証サーバコンピュータへ送信する。また、ウェブサーバ5のCPU51は購入者の電子メールアドレスと共に復号鍵の生成依頼を示す情報を認証サーバコンピュータへ送信する。認証サーバコンピュータは暗号鍵及びこれに対応する復号鍵を生成し、それぞれの電子メールアドレス宛へ送信する。
【0072】
次に、無線タグ6の記憶部65内の販売対象領域の売買について説明する。ウェブサーバ5のCPU51はHTMLファイル556に記憶された販売対象領域の登録画面を読み出し、通信部56を介してクライアント1へ送信する。クライアント1のCPU11は、ブラウザ151に登録画面を表示する。図13は販売対象領域の登録画面のイメージを示す説明図である。登録画面は、販売対象となる無線タグ6のIDを入力するためのID入力ボックス101、販売対象となるユーザを選択する選択ボックス102、販売対象領域を示すアドレスを入力するための領域入力ボックス107、期限入力ボックス108、価格入力ボックス109及び登録ボタン104等を含んで構成される。
【0073】
ビール製造業者は、販売対象の無線タグ6のIDをID入力ボックス101へ入力する。また販売対象となるユーザを選択ボックス102により選択する。ビール製造業者は無線タグ6の記憶部65の余剰領域の内、販売対象となる領域であるアドレスを領域入力ボックス107に入力する。本例ではアドレスC+1〜アドレスDまでの領域が入力されている。販売対象領域が領域入力ボックス107へ入力された場合、ブラウザ151はウェブサーバ5から送信されたプログラムを起動し、領域に対応するデータサイズを演算する。当該プログラムは領域入力ボックス107に入力されたアドレス数に1アドレスあたりのデータサイズを乗じて、総データサイズを算出する。本例では3000バイトと演算され、ブラウザ上に表示されている。
【0074】
ビール製造業者は入力部13を通じて、期限入力ボックス108に販売期限を入力し、また販売対象領域の価格を価格入力ボックス109に入力する。本例では期限は3日、価格は500円と入力されている。この価格は記憶部65の販売対象領域への、下流の運送業者及び小売業者による書き込みの対価として、上流のビール製造業者が希望する額を入力する。クライアント1のCPU11は、入力部13から入力されたID、販売対象のユーザ、販売対象領域、期限及び価格を受け付ける。CPU11は、入力部13から登録ボタン104の入力を検知したことをトリガに、受け付けたID、販売対象のユーザ、期限、価格及び販売対象領域をウェブサーバ5へ送信する。
【0075】
ウェブサーバ5のCPU51は、クライアント1から送信されたID、販売対象のユーザ、期限、価格及び販売対象領域を受信し、第2販売履歴DB557に受信したデータを記憶する。図14は第2販売履歴DB557のレコードレイアウトを示す説明図である。第2販売履歴DB557は、IDフィールド、販売開始日時フィールド、販売完了日時フィールド、販売者フィールド、購入者フィールド、販売対象領域フィールド、価格フィールド及び期限フィールド等を含んで構成される。
【0076】
販売対象領域フィールド以外については、図11に示した販売履歴DB552と同様であるので詳細な説明は省略する。販売対象領域フィールドには、IDに対応付けてクライアント1から送信された販売対象領域が記憶されている。本例では、販売対象となるアドレスC+1〜アドレスDまでの3000バイトが記憶されている。CPU11はクライアント1からID、販売対象のユーザ名、販売対象領域、価格及び期限の情報を受信した場合、販売対象のユーザ名を抽出する。そして、抽出したユーザ名に基づき、ユーザ情報ファイル551から電子メールアドレスを読み出す。本例では運送業者の電子メールアドレスが読み出される。CPU51は、記憶部55に記憶したメーラを起動し、読み出した電子メールアドレス宛に、案内の電子メールを送信する。この電子メールは例えば「ビール製造業者様から運送業者様へ無線タグの記憶領域の販売が開始されました。」等の内容が記述され、またウェブサーバ5へアクセスするためのハイパーリンクが記述される。
【0077】
CPU51は記憶部55に記憶したテンプレートに、送信された販売対象のユーザ名を記述し、また販売を希望するユーザ名を、IPアドレス等を参照して、ユーザ情報ファイル551から読み出し記述する。これにより、タイムリーに販売が開示されたことを下位のユーザは認識することができる。
【0078】
続いて、運送業者のクライアント2がウェブサーバ5へアクセスし、記憶部65の販売対象領域を購入する際の処理について説明する。クライアント2のCPU21は入力部23から入力されたユーザID及びパスワード、並びに、IPアドレスをウェブサーバ5へ送信する。ウェブサーバ5のCPU51は受信したユーザID及びパスワードに基づき、ユーザ情報ファイル551を参照して認証を行う。そしてCPU51は対応するユーザ名を読み出す。CPU51は、読み出したユーザ名に基づき、第2販売履歴DB557を検索し、購入者フィールドにユーザ名が記憶されており、かつ、販売完了日時が記憶されていないレコードを読み出す。
【0079】
本例では、ユーザ名は運送業者であり、CPU51は購入者が運送業者であり、かつまだ販売の完了していない、IDがXX001の販売対象領域であるアドレスC+1〜アドレスD(3000バイト)、価格500円、販売開始日時、期限3日を読み出す。CPU51は販売開始日時に期限を加算し期限日時を算出する。本例では3日後の6月12日11時10分30秒までとなる。
【0080】
CPU51はこれら読み出した情報(ID、販売対象領域、及び価格)及び期限日時を、HTMLファイル556に記憶されたテンプレートに記述し、記述後のHTMLファイルをクライアント2へ送信する。図15は販売対象領域の購入イメージを示す説明図である。販売対象となる無線タグ6のID、販売対象領域、価格、及び期限日時がブラウザ251に図15の如く表示される。図15に示すように、IDがXX001の無線タグ6の記憶部65内の販売対象領域に係るアドレスC+1〜アドレスD(3000バイト)が価格500円で販売中であることが表示される。またこの販売期間は6月12日11時10分30秒までである。
【0081】
ユーザは入力部23から、購入ボタン106を操作することにより、販売対象領域を購入する。CPU21は、入力部23から購入ボタン106の操作を受け付けたことをトリガに、購入コマンド、販売対象領域及びIDを、購入を示す情報としてウェブサーバ5へ送信する。
【0082】
ウェブサーバ5のCPU51は、クライアント2から送信された購入コマンド、ID及び販売対象領域を受信する。CPU51は第2販売履歴DB557の販売完了日時フィールドに、時計部58から出力される日時情報を参照して販売完了日時を記憶する。これにより、無線タグ6の記憶部65の販売対象領域の売買がクライアント1とクライアント2との間で成立する。
【0083】
続いて、書き込みパスワードの生成処理について説明する。CPU51は第2販売履歴DB557の販売完了日時の記憶をトリガに、書き込みパスワード生成プログラム555を起動し、書き込みパスワードを生成する。CPU51は販売履歴DB552を参照し、販売者及び購入者の情報を読み出す。そしてCPU51は、ユーザ情報ファイル551を参照し、販売者及び購入者に対応する電子メールアドレスを読み出す。CPU51は販売者(本例ではビール製造業者)の電子メールアドレス宛へ書き込みパスワード、ID及び販売対象領域を送信し、同様に購入者(本例では運送業者)の電子メールアドレス宛へ書き込みパスワード、ID及び販売対象領域を送信する。
【0084】
これにより、クライアント1側では、送信された書き込みパスワードに基づき、販売した販売対象領域について書き込み制限を行うことができ、またクライアント2側では、送信された書き込みパスワードに基づき、購入した販売対象領域への書き込み制限を解除して、当該領域を活用することができる。
【0085】
以上のハードウェア構成に基づき、実施の形態1に係るソフトウェア処理を、フローチャートを用いて説明する。図16及び図17は販売対象に係る商品情報の登録処理の手順を示すフローチャートである。クライアント1のCPU11はブラウザ151を起動しウェブサーバ5へアクセスする(ステップS161)。CPU11は入力部13から入力されたユーザID及びパスワード受け付け、ウェブサーバ5へ送信する(ステップS162)。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたユーザID及びパスワードを受信し、これらが正当か否かを、ユーザ情報ファイル551を参照して判断する(ステップS163)。
【0086】
CPU51は、受信したユーザID及びパスワードが正当でないと判断した場合(ステップS163でNO)、すなわち受信したユーザID及びパスワードがユーザ情報ファイル551に記憶されたユーザID及びパスワードに一致しない場合、不正なアクセスであるとして処理を終了する。一方、CPU51は受信したユーザID及びパスワードが正当であると判断した場合(ステップS163でYES)、すなわち受信したユーザID及びパスワードがユーザ情報ファイル551に記憶されたユーザID及びパスワードに一致する場合、ユーザ情報ファイル551から、ユーザIDに対応するユーザ名及びこれ以外の購入者のユーザ名を、読み出す(ステップS164)。本例ではユーザIDに対応するユーザ名としてビール製造業者が読み出され、これ以外の購入者のユーザ名として運送業者及び小売業者が読み出される。
【0087】
CPU51はHTMLファイル556から商品情報の登録画面のテンプレートを読み出す(ステップS165)。CPU51は読み出したテンプレートにステップS164で読み出したユーザ名及び購入者のユーザ名を記述し(ステップS166)、記述後の登録画面をクライアント1へ送信する(ステップS167)。具体的には購入者のユーザ名が選択できるよう、選択ボックス102の近傍にこれらのユーザ名が記述される。クライアント1のCPU11は登録画面を受信し(ステップS168)、受信した登録画面を図10の如くブラウザ151に表示する(ステップS169)。
【0088】
CPU11は入力部13から入力された無線タグ6のID、選択されたユーザ、商品情報の種類、価格及び期限を受け付け(ステップS171)、受け付けたID、選択されたユーザ、商品情報の種類、価格及び期限をウェブサーバ5へ送信する(ステップS172)。ウェブサーバ5のCPU51は通信部56を介して、送信されたID、選択されたユーザ、商品情報の種類、価格及び期限を受信し(ステップS173)、これらの情報を販売履歴DB552に記憶する(ステップS174)。CPU51は選択されたユーザの電子メールアドレスをユーザ情報ファイル551から読み出す(ステップS175)。CPU51は記憶部55に記憶したメーラを起動し、商品情報の種類が販売中であることを示す電子メールをステップS175で読み出した電子メールアドレス宛へ送信する(ステップS176)。
【0089】
図18乃至図20は購入、暗号化及び復号処理の手順を示すフローチャートである。クライアント2のCPU21は入力部23から入力されたユーザID及びパスワードを受け付け、ウェブサーバ5へ送信する(ステップS181)。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたユーザID及びパスワードが正当であるか否かを判断する。CPU51は正当であると判断した場合、当該ユーザIDに対応するユーザ名をユーザ情報ファイル551から抽出する(ステップS182)。CPU51は販売履歴DB552の購入者フィールドにステップS182で抽出したユーザ名が記憶されており、かつ、販売完了日時が記憶されていないレコードを読み出す(ステップS183)。
【0090】
CPU51は商品購入画面のテンプレートをHTMLファイル556から読み出す(ステップS184)。CPU51はステップS183で読み出したレコード内の販売開始日時に期限を加算し、期限日時を算出する(ステップS185)。CPU51はステップS183で読み出したレコード内のID、商品情報の種類、価格及びステップS185で算出した期限日時を、ステップS184で読み出したテンプレートに記述する(ステップS186)。
【0091】
CPU51は以上の情報が記述された商品購入画面をクライアント2へ送信する(ステップS187)。クライアント2のCPU21は商品購入画面を受信し(ステップS188)、ブラウザ251に商品購入画面を図12の如く表示する(ステップS189)。CPU21は入力部23から商品情報の種類を受け付ける(ステップS191)。CPU21は、図12に示す購入ボタン106が入力部23から操作された場合、購入コマンド、ID及び商品情報の種類をウェブサーバ5へ送信する(ステップS192)。
【0092】
ウェブサーバ5のCPU51は購入コマンド、ID及び商品情報の種類を受信する(ステップS193)。CPU51は時計部58から出力される日時情報に基づき、販売完了日時を販売履歴DB552に記憶する(ステップS194)。CPU51は販売履歴DB552に記憶されている販売者に対応する電子メールアドレスを、ユーザ情報ファイル551を参照して読み出す(ステップS195)。
【0093】
CPU51は、暗号鍵生成プログラム553を起動し、暗号鍵を生成する(ステップS196)。そして、販売者の電子メールアドレス宛へ、記憶部55から読み出した売買成立を示す文章、生成した暗号鍵、販売履歴DB552に記憶された対応するID及び商品情報の種類を含む電子メールをクライアント1へ送信する(ステップS197)。クライアント1のCPU11は送信された売買成立を示す文章、暗号鍵、ID及び商品情報の種類を含む電子メールを受信する(ステップS198)。
【0094】
ステップS196の暗号鍵生成処理と並列して、CPU51は復号鍵生成プログラム554を起動し、ステップS196で生成した暗号鍵による暗号化情報を復号することのできる復号鍵を生成する(ステップS199)。CPU51はクライアント2へ、記憶部55から読み出した売買成立を示す文章、生成した復号鍵、販売履歴DB552に記憶された対応するID及び商品情報の種類を送信する(ステップS201)。クライアント2のCPU21は送信された復号鍵、ID及び商品情報の種類等を受信する(ステップS202)。
【0095】
ビール製造業者に係るクライアント1のCPU11は、ステップS198で受信した商品情報の種類に対応する商品情報のデータを図4に示す商品情報DB161から読み出す(ステップS203)。本例では、商品情報の種類である製造年月日に対応するデータとして2007年6月1日が読み出され、また、種類である容器情報に対応するデータとしてガラスビンが読み出される。CPU11は読み出したデータ及び種類を含む商品情報を受信した暗号鍵で暗号化する(ステップS204)。CPU11はリーダ/ライタ19へ暗号化された商品情報を出力する。
【0096】
リーダ/ライタ19は出力された暗号化済みの商品情報を、ステップS198で受信した電子メールに記述されたIDに係る無線タグ6の商品情報記憶部653に書き込む(ステップS205)。このようにして商品情報が暗号化された無線タグ6はビール4に取り付けられ、運送業者へ渡される。
【0097】
運送業者は商品情報が暗号化された無線タグ6が取り付けられたビール4を受け取る。クライアント2のCPU21はリーダ/ライタ29を通じて、無線タグ6の暗号化された商品情報及びIDを読み取る(ステップS206)。CPU21は、読み取ったIDとステップS202で受信したIDとが一致する場合に、ステップS202で受信した復号鍵を用いて、当該読み取った暗号化された商品情報の復号を行う(ステップS207)。これにより、運送業者は、業務に必要な製造年月日及びガラスビンに係る商品情報を入手することができる。そのため、無線タグ6のリーダ/ライタ29を通じた読み取り後、これらの商品情報を取得すべくクライアント1へ問い合わせをする処理が省略され、物流の迅速化、通信トラフィックの低減等の効果をもたらす。
【0098】
図21及び図22は販売対象領域の登録処理の手順を示すフローチャートである。クライアント1のCPU11はブラウザ151を起動しウェブサーバ5へアクセスする。CPU11は入力部13から入力されたユーザID及びパスワード受け付け、ウェブサーバ5へ送信する(ステップS211)。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたユーザID及びパスワードを受信し、これらが正当か否かを、ユーザ情報ファイル551を参照して判断する。CPU51は受信したユーザID及びパスワードが正当であると判断した場合、ユーザ名及び購入者のユーザ名を、ユーザ情報ファイル551から読み出す(ステップS212)。
【0099】
CPU51はHTMLファイル556から販売対象領域の登録画面のテンプレートを読み出す(ステップS213)。CPU51は読み出したテンプレートにステップS212で読み出したユーザ名及び購入者のユーザ名を記述し(ステップS214)、記述後の登録画面をクライアント1へ送信する(ステップS215)。クライアント1のCPU11は登録画面を受信し(ステップS216)、受信した販売対象領域の登録画面を図13の如くブラウザ151に表示する(ステップS217)。
【0100】
CPU11は入力部13から入力された無線タグ6のID、選択されたユーザ、販売対象領域、価格及び期限を受け付ける(ステップS218)。CPU11はステップS215と共に送信されたプログラムを起動し、ステップS218で受け付けた販売対象領域のデータサイズを算出し、算出したデータサイズをブラウザ151に表示する(ステップS219)。CPU11は、受け付けたID、選択されたユーザ、販売対象領域、算出されたデータサイズ、価格及び期限をウェブサーバ5へ送信する(ステップS221)。ウェブサーバ5のCPU51は通信部56を介して、送信されたID、選択されたユーザ、販売対象領域、データサイズ、価格及び期限を受信し(ステップS222)、これらの情報を第2販売履歴DB557に記憶する(ステップ223)。CPU51は選択されたユーザの電子メールアドレスをユーザ情報ファイル551から読み出す(ステップS224)。CPU51は記憶部55に記憶したメーラを起動し、販売対象領域が販売中であることを示す電子メールをステップS224で読み出した電子メールアドレス宛へ送信する(ステップS225)。
【0101】
図23乃至図25は販売対象領域の購入、書き込み制限及び書き込み解除処理の手順を示すフローチャートである。クライアント2のCPU21は入力部23から入力されたユーザID及びパスワードを受け付け、ウェブサーバ5へ送信する(ステップS231)。ウェブサーバ5のCPU51は送信されたユーザID及びパスワードが正当であるか否かを判断する。CPU51は正当であると判断した場合、当該ユーザIDに対応するユーザ名をユーザ情報ファイル551から抽出する(ステップS232)。CPU51は図14に示す第2販売履歴DB557の購入者フィールドにステップS232で抽出したユーザ名が記憶されており、かつ、販売完了日時が記憶されていないレコードを読み出す(ステップS233)。
【0102】
CPU51は販売対象領域の購入画面のテンプレートをHTMLファイル556から読み出す(ステップS234)。CPU51はステップS233で読み出したレコード内の販売開始日時に期限を加算し、期限日時を算出する(ステップS235)。CPU51はステップS233で読み出したレコード内のID、販売対象領域、価格及びステップS235で算出した期限日時を、ステップS234で読み出したテンプレートに記述する(ステップS236)。
【0103】
CPU51は以上の情報が記述された販売対象領域の購入画面をクライアント2へ送信する(ステップS237)。クライアント2のCPU21は販売対象領域の購入画面を受信し(ステップS238)、ブラウザ251に商品購入画面を図15の如く表示する(ステップS239)。CPU21は入力部23から購入ボタン106の入力を受け付ける(ステップS241)。CPU21は、購入ボタン106が入力部23から操作された場合、購入コマンド、ID及び販売対象領域をウェブサーバ5へ送信する(ステップS242)。
【0104】
ウェブサーバ5のCPU51は購入コマンド、ID及び販売対象領域を受信する(ステップS245)。CPU51は時計部58から出力される日時情報に基づき、販売完了日時を第2販売履歴DB557に記憶する(ステップS246)。CPU51は第2販売履歴DB557に記憶されている販売者に対応する電子メールアドレスを、ユーザ情報ファイル551を参照して読み出す(ステップS247)。
【0105】
CPU51は、書き込みパスワード生成プログラム555を起動し、書き込みパスワードを生成する(ステップS248)。そして、販売者の電子メールアドレス宛へ、記憶部55から読み出した売買成立を示す文章、生成した書き込みパスワード、第2販売履歴DB557に記憶された対応するID及び販売対象領域を含む電子メールをクライアント1へ送信する(ステップS249)。クライアント1のCPU11は送信された売買成立を示す文章、書き込みパスワード、ID及び販売対象領域を含む電子メールを受信する(ステップS251)。
【0106】
CPU51はクライアント2へ、記憶部55から読み出した売買成立を示す文章、生成した書き込みパスワード、販売履歴DB552に記憶された対応するID及び販売対象領域を送信する(ステップS252)。クライアント2のCPU21は送信された書き込みパスワード、ID及び販売対象領域等を受信する(ステップS253)。
【0107】
ビール製造業者に係るクライアント1のCPU11は、ステップS251で受信した電子メールに含まれる書き込みパスワードを用いて、同じく送信されたIDと一致するIDの無線タグ6の送信された販売対象領域について、書き込み制限を行う(ステップS254)。CPU11からリーダ/ライタ19へは、書き込みパスワード及び販売対象領域が出力される。リーダ/ライタ19は記憶部65の当該販売対象領域について書き込みパスワードを用いて書き込み制限を行う。リーダ/ライタ19は制御部61のメモリ62に書き込みパスワード及び販売対象領域(アドレスの情報)を記憶する(ステップS255)。
【0108】
CPU11は記憶部15に記憶した図示しない補助書き込みパスワード生成プログラムを起動し、補助書き込みパスワードを生成する(ステップS256)。CPU11は、リーダ/ライタ19を通じて、補助書き込みパスワードを用いて販売対象領域以外の余剰領域について、書き込み制限を行う(ステップS257)。リーダ/ライタ19を通じて補助書き込みパスワードは制御部61へ出力され、制御部61は補助書き込みパスワードをメモリ62に記憶する。このようにして書き込み制限のなされた販売対象領域を記憶部65に含む無線タグ6はビール4に取り付けられ、運送業者へ渡される。
【0109】
運送業者は書き込み制限のなされた無線タグ6が取り付けられたビール4を受け取る。クライアント2のCPU21はリーダ/ライタ29を通じて、ステップS253で受信した書き込みパスワードを用い、販売対象領域の書き込み制限を解除する(ステップS258)。具体的には、リーダ/ライタ29を通じてCPU21から制御部61へ書き込みパスワードが送信される。制御部61はメモリ62に記憶された書き込みパスワードと、送信された書き込みパスワードとが一致するか否かを判断する。一致しない場合は、書き込み制限は維持される。一致すると制御部61が判断した場合、メモリ62から販売対象領域のアドレスが読み出され、制御部61は当該領域の書き込み制限を解除する。
【0110】
これにより、運送業者は、無線タグ6の記憶部65のうち購入した販売対象領域を自由に活用することが可能となる。その一方で、補助書き込みパスワードにより書き込み制限がなされている販売対象領域以外の余剰領域については、書き込みが制限される。クライアント2がクライアント3の上流となる場合は、当該販売対象領域に、運送業者が所有する商品情報を記憶して小売業者に販売することができる。また購入した販売対象領域中の一部の領域をクライアント3に対する販売対象領域として販売することも同様の処理により実行することができる。なお、以上述べた例はクライアント1とクライアント2との間の処理について述べたが、クライアント1からクライアント2及びクライアント3へ商品情報及び販売対象領域の販売を同時に行っても良いことはもちろんである。
【0111】
実施の形態2
実施の形態2は一の端末装置であるクライアント2及び他の端末装置であるクライアント3が入札により販売対象領域を購入する形態に関する。販売対象領域は有限であるため入札により高い価格を提示した業者へ販売することが好ましい。図26は実施の形態2に係るウェブサーバ5のハードウェア構成を示す説明図である。実施の形態1の構成に加え、記憶部55には入札状況を記憶する価格ファイル558が記憶されている。なお、価格ファイル558の詳細については後述する。また本実施の形態においては、クライアント2及びクライアント3が入札を行う形態につき説明するが、これに限らずさらに多くのクライアントをも加えても良い。
【0112】
図27は実施の形態2に係る販売対象領域の購入イメージを示す説明図である。ウェブサーバ5のCPU51はHTMLファイル556に記憶されたテンプレートに、ID、販売対象領域及び期限日時を記述し、図27に示す販売対象領域の購入画面をクライアント2及びクライアント3へ送信する。なお図27の例は運送業者のクライアント2のブラウザ251への表示例を示す。運送業者は入力部23を通じて、価格ボックス109に入札する価格を入力する。CPU21は入力部23から入力された価格、ID、販売対象領域及び期限日時をウェブサーバ5へ送信する。同様に小売業者もクライアント3から価格、ID、販売対象領域及び期限日時をウェブサーバ5へ送信する。
【0113】
ウェブサーバ5はクライアント2及びクライアント3から送信された価格、ID、販売対象領域及び期限日時を時計部58から出力される日時情報と共に、履歴として、購入者の情報に対応づけて価格ファイル558に記憶する。図28は価格ファイル558のレコードレイアウトを示す説明図である。価格ファイル558は、IDフィールド、販売対象領域フィールド、価格フィールド、購入者フィールド、受信日時フィールド及び期限日時フィールドを含んで構成される。IDフィールドにはクライアント2または3から送信されたIDが記憶され、販売対象領域フィールドにはIDに対応づけて送信された販売対象領域が記憶される。
【0114】
価格フィールドには、クライアント2または3から送信された入札のための価格が記憶されている。購入者フィールドには、入札価格を送信したクライアント2または3に対応する購入者名が記憶されている。受信日時フィールドにはクライアント2または3からこれらの情報を受信した日時の情報を記憶している。期限日時フィールドにはクライアント1により設定された期限に基づく日時であり、クライアント2または3からID及び価格等に対応づけられて送信された期限日時が記憶される。CPU51は時計部58から出力される日時情報を参照し、価格ファイル558に記憶する期限日時に達したか否かを随時監視している。CPU51は期限日時に達した場合、価格フィールド中最も高額の価格に係る購入者を抽出する。図28の例において、期限日時6月12日11時10分30秒に達した場合購入者は、500円を提示した運送業者となる。
【0115】
CPU51は当該価格を図14に示す第2販売履歴DB557の価格フィールドに記憶し、また販売完了日時を時計部58から出力される日時情報を参照して販売完了日時フィールドに記憶する。CPU51は抽出した購入者の電子メールアドレスをユーザ情報ファイル551から読み出す。CPU51は書き込みパスワード生成プログラム555を起動し、クライアント1及びクライアント2へ送信すべき書き込みパスワードを生成する。そして実施の形態1と同じく、CPU51は読み出した運送業者の電子メールアドレス宛に、売買成立を示す文章、生成した書き込みパスワード、第2販売履歴DB557に記憶された対応するID及び販売対象領域を含む電子メールを送信する。小売業者が最高価格を送信した場合は、これらの情報はクライアント3へ送信される。
【0116】
図29は入札処理の手順を示すフローチャートである。ウェブサーバ5のCPU51は、実施の形態1で述べた処理により、価格の記載を除いて販売対象領域の購入画面を作成し、クライアント2及びクライアント3へ送信する(ステップS281)。なお、この送信はクライアント2または3からウェブサーバ5へアクセスがあった際に行えばよい。次いでCPU51はクライアント2または3から送信されたID、販売対象領域、価格及び期限日時を受信する(ステップS282)。
【0117】
CPU51は逐次履歴を記憶すべく、価格ファイル558にID、販売対象領域、価格、受信日時及び期限日時をクライアント2またはクライアント3の情報(運送業者または小売業者)に対応づけて図28の如く記憶する(ステップS283)。なお、図28の例はクライアント2に対応する運送業者の履歴が2つ、クライアント3に対応する小売業者の履歴が1つ記憶されている。また本実施の形態においては理解を容易にするために価格ファイルには、運送業者及び小売業者の如く、ユーザ名を記載しているが、ユーザ情報ファイル551に記憶しているように、これらに対応するクライアント2及び3のIPアドレスに対応づけて記憶するようにしても良い。
【0118】
CPU51は期限日時を価格ファイル558または第2販売履歴DB557から読み出し(ステップS284)、時計部58からの出力に基づく現在日時が期限日時に達したか否かを判断する(ステップS285)。CPU51は現在日時が期限日時に達していないと判断した場合(ステップS285でNO)、再びステップS281へ処理を戻し、期限日時に達するまで以上の処理を繰り返し実行する。
【0119】
一方、現在日時が期限日時に達したと判断した場合(ステップS285でYES)、CPU51は価格ファイル558の中から最高の価格及びこれを送信した購入者を読み出す(ステップS286)。CPU51は最高価格を第2販売履歴DB557の価格フィールドに記憶し、購入者を購入者フィールドに記憶し、現在日時を販売完了日時フィールドに記憶する(ステップS287)。CPU51は購入者に対応する電子メールアドレスをユーザ情報ファイル551から読み出す(ステップS288)。CPU51は書き込みパスワード生成プログラム555を起動し、クライアント1及びクライアント2へ送信すべき書き込みパスワードを生成する。そして実施の形態1と同じく、CPU51は読み出した運送業者の電子メールアドレス宛に、売買成立を示す文章、生成した書き込みパスワード、第2販売履歴DB557に記憶された対応するID及び販売対象領域を含む電子メールを送信する(ステップS289)。これによりクライアント1と、クライアント2または3のいずれかとの間で、販売対象領域の売買が成立する。
【0120】
本実施の形態2は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0121】
実施の形態3
実施の形態3は下流のクライアント2または3から上流のクライアントへ希望する商品情報を送信する形態に関する。図30及び図31は実施の形態3に係る送信処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態においては下流のクライアント2から上流のクライアント1へ必要な商品情報の種類を送信する形態について説明する。クライアント2はウェブサーバ5へアクセスし、ユーザID及びパスワードをウェブサーバ5へ送信する(ステップS291)。ウェブサーバ5のCPU51はユーザID及びパスワードの認証後、希望する商品の情報を入力するための画面を、HTMLファイル556から読み出し、これをクライアント2へ送信する(ステップS292)。
【0122】
送信された希望商品情報入力画面は、クライアント2のブラウザ251に表示される。ユーザは入力部23を通じて、販売者(本例ではビール製造業者)、及び希望する商品情報の種類を入力する。CPU21は入力部23から入力された販売者及び希望する商品情報の種類を受け付け(ステップS293)、これらの情報をウェブサーバ5へ送信する(ステップS294)。ウェブサーバ5のCPU51は販売者及び希望する商品情報の種類を受信する(ステップS295)。CPU51は販売者及び希望する商品情報の種類を記憶部55に履歴として随時記憶する(ステップS296)。
【0123】
CPU51は記憶部55内にステップS296の処理により記憶した履歴数が所定数以上であるか否かを判断する(ステップS297)。この所定数は例えば100であり、記憶部55に予め記憶されている。なお、繰り返し蓄積する必要がない場合は、所定数を1とすればよい。CPU51は所定数以上でないと判断した場合は(ステップS297でNO)、ステップS291へ移行し、以上の処理を繰り返す。すなわち、クライアント2の他、クライアント3を含む他のクライアントから、販売者に対して希望される商品情報の種類に関する情報を蓄積する。これは商品情報記憶部653の容量も有限であるため、よりニーズにあった的確な商品情報を販売者が認識できるようにするためである。
【0124】
CPU51は履歴数が所定数以上であると判断した場合(ステップS297でYES)、ステップS295における販売者の電子メールアドレスをユーザ情報ファイル551から抽出する(ステップS301)。CPU51は記憶部55の履歴を検索し、希望の多い上位数個の商品情報の種類を、起動したメーラを用いて電子メール内に記述し、ステップS301で抽出した電子メールアドレス宛へ送信する(ステップS302)。具体的には、記憶部55内の履歴を参照し、希望する商品情報の種類別に受信数を計数し、計数した受信数が多い所定数(例えば2つ)の商品情報の種類を決定する。販売者たるクライアント1のCPU11は通信部16を介して当該電子メールを受信する(ステップS303)。例えば、当初商品情報として記憶していた商品情報の種類である製造年月日及び容器情報の受信数よりも、商品情報の種類である使用原料またはカロリー等の受信数が多い場合は、これをビール製造業者へ通知する。これにより、上流のビール製造業者はより価値の高い商品情報を、暗号化して記憶することができ、これに伴う対価の収入によりより無線タグ6の普及を図ることが可能となる。
【0125】
本実施の形態3は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0126】
実施の形態4
図32は実施の形態4に係るウェブサーバ5の構成を示すブロック図である。実施の形態4に係るウェブサーバ5を動作させるためのプログラムは、本実施の形態4のように、CD−ROM等の可搬型記録媒体1Aで提供することも可能である。さらに、コンピュータプログラムを、通信網Nを介して図示しないサーバコンピュータからダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
【0127】
図31に示すウェブサーバ5の図示しない記録媒体読み取り装置に、商品情報の種類を受信させ、商品情報の種類を送信させ、暗号鍵を送信させ、復号鍵を送信させるプログラムが記録された可搬型記録媒体1Aを、挿入して記憶部55の制御プログラム55P内にこのプログラムをインストールする。または、かかるプログラムを、通信部56を介して外部の図示しないサーバコンピュータからダウンロードし、記憶部55にインストールするようにしても良い。かかるプログラムはRAM52にロードして実行される。これにより、上述のようなウェブサーバ5として機能する。
【0128】
本実施の形態4は以上の如き構成としてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0129】
(付記1)
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信方法において、
前記第1端末装置から前記中央装置へ、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を送信する種類送信ステップと、
前記種類送信ステップにより第1端末装置から中央装置へ送信された前記商品情報の種類を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信ステップと、
前記中央装置が、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、
前記中央装置から前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記鍵送信ステップにより送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込みステップと、
前記第2端末装置が、前記復号鍵送信ステップにより送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、前記無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号するステップと
を備えることを特徴とする送受信方法。
【0130】
(付記2)
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を前記中央装置の制御部により受信する領域受信ステップと、
前記第2端末装置へ前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を前記中央装置の制御部により送信する領域送信ステップと、
前記第2端末装置から、前記領域送信ステップにより送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信した場合に、前記中央装置の制御部により、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信ステップと、
該制限鍵送信ステップにより送信された制限鍵を前記第1端末装置が受信した場合に、該受信した制限鍵を用いて前記第1端末装置の制御部により、前記無線タグの前記記憶領域の書き込み制限を行うステップと、
前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を前記中央装置の制御部により送信する解除鍵送信ステップと、
該解除鍵送信ステップにより送信された解除鍵を前記第2端末装置が受信した場合に、該解除鍵を用いて前記第2端末装置の制御部により、前記無線タグの前記記憶領域の書き込み制限を解除するステップと
を備えることを特徴とする付記1に記載の送受信方法。
【0131】
(付記3)
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信システムにおいて、
前記中央装置は、
前記第1端末装置から送信された、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した商品情報の種類を、前記第2端末装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段とを備え、
前記第1端末装置は、
前記鍵送信手段により送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込み手段を備え、
前記第2端末装置は、
前記復号鍵送信手段により送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、該無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号する手段と
を備えることを特徴とする送受信システム。
【0132】
(付記4)
前記中央装置は、
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を前記制御部により受信する領域受信手段と、
前記第2端末装置へ前記領域受信手段により受信した記憶領域の情報を前記制御部により送信する領域送信手段と、
前記第2端末装置から、前記領域送信手段により送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信した場合に、前記制御部により、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を前記制御部により送信する解除鍵送信手段とを備え、
前記第1端末装置は、
前記制限鍵送信手段により送信された制限鍵を受信した場合に、該受信した制限鍵を用いて、前記無線タグの前記記憶領域の書き込み制限を行う手段を備え、
前記第2端末装置は、
前記解除鍵送信手段により送信された解除鍵を受信した場合に、該解除鍵を用いて、前記無線タグの前記記憶領域の書き込み制限を解除する手段
を備えることを特徴とする付記3に記載の送受信システム。
【0133】
(付記5)
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を送受信する制御部を有する中央装置において、
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信手段と、
前記第2端末装置から、前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段と
を備えることを特徴とする中央装置。
【0134】
(付記6)
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を前記制御部により受信する領域受信手段と、
前記第2端末装置へ前記領域受信手段により受信した記憶領域の情報を前記制御部により送信する領域送信手段と、
前記第2端末装置から、前記領域送信手段により送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信した場合に、前記制御部により、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を前記制御部により送信する解除鍵送信手段と
を備えることを特徴とする付記5に記載の中央装置。
【0135】
(付記7)
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有するコンピュータに送受信させるプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信ステップと、
前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を送信する送信ステップと、
前記第2端末装置から、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップと
を実行させるプログラム。
【0136】
(付記8)
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を受信する領域受信ステップと、
前記第2端末装置へ前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信する領域送信ステップと、
前記第2端末装置から、前記領域送信ステップにより送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信ステップと、
前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を送信する解除鍵送信ステップと
を実行させる付記7に記載のプログラム。
【0137】
(付記9)
前記領域送信ステップは、
前記第2端末装置及び通信網を介して接続される他の端末装置へ、前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信し、
前記第2端末装置及び他の端末装置から前記記憶領域への書き込みの対価としての価格を受信する価格受信ステップと、
該価格受信ステップにより受信した価格を前記第2端末装置及び他の端末装置に対応づけて前記コンピュータの記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された期限日時を読み出し、前記コンピュータの時計部から出力される日時を参照して、前記期限日時に達した場合に、前記記憶装置に記憶された価格の内、最高価格に対応する一の端末装置を決定する決定ステップとを実行させ、
前記解除鍵送信ステップは、
前記決定ステップにより決定した一の端末装置へ、前記解除鍵を送信する
ことを特徴とする付記8に記載のプログラム。
【0138】
(付記10)
前記受信ステップは、前記第1端末装置から、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類及び該商品情報の読み取りの対価としての価格を受信し、
前記送信ステップは、前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類及び価格を送信する
ことを特徴とする付記7乃至9のいずれか一つに記載のプログラム。
【0139】
(付記11)
前記第2端末装置から、希望する商品情報の種類を受信するステップと、
該ステップにより受信した商品情報の種類を前記第1端末装置へ送信するステップと
を実行させる付記7乃至10のいずれか一つに記載のプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明に係る送受信システムの概要を示す模式図である。
【図2】無線タグのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】クライアントのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】商品情報DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図5】アドレスファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図6】販売履歴ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図7】クライアントのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】ウェブサーバのハードウェア構成を示す説明図である。
【図9】ユーザ情報ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図10】販売対象となる商品情報の登録画面イメージを示す説明図である。
【図11】販売履歴DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図12】商品情報の購入イメージを示す説明図である。
【図13】販売対象領域の登録画面のイメージを示す説明図である。
【図14】第2販売履歴DBのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図15】販売対象領域の購入イメージを示す説明図である。
【図16】販売対象に係る商品情報の登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】販売対象に係る商品情報の登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】購入、暗号化及び復号処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】購入、暗号化及び復号処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】購入、暗号化及び復号処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】販売対象領域の登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】販売対象領域の登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】販売対象領域の購入、書き込み制限及び書き込み解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】販売対象領域の購入、書き込み制限及び書き込み解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図25】販売対象領域の購入、書き込み制限及び書き込み解除処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】実施の形態2に係るウェブサーバのハードウェア構成を示す説明図である。
【図27】実施の形態2に係る販売対象領域の購入イメージを示す説明図である。
【図28】価格ファイルのレコードレイアウトを示す説明図である。
【図29】入札処理の手順を示すフローチャートである。
【図30】実施の形態3に係る送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図31】実施の形態3に係る送信処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】実施の形態4に係るウェブサーバの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0141】
1、2、3 クライアント
1A 可搬型記録媒体
5 ウェブサーバ
6 無線タグ
4 商品
11 CPU
13 入力部
14 表示部
15 記憶部
15P 制御プログラム
16 通信部
18 時計部
19、29、39 リーダ/ライタ
21 CPU
23 入力部
24 表示部
25 記憶部
25P 制御プログラム
26 通信部
28 時計部
51 CPU
52 RAM
53 入力部
54 表示部
55 記憶部
55P 制御プログラム
61 制御部
62 メモリ
65 記憶部
66 通信部
106 購入ボタン
154 アドレスファイル
155 販売履歴ファイル
161 商品情報DB
254 アドレスファイル
255 販売履歴ファイル
551 ユーザ情報ファイル
552 販売履歴DB
556 HTMLファイル
557 第2販売履歴DB
N 通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信方法において、
前記第1端末装置から前記中央装置へ、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を送信する種類送信ステップと、
前記種類送信ステップにより第1端末装置から中央装置へ送信された前記商品情報の種類を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信ステップと、
前記中央装置が、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、
前記中央装置から前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記鍵送信ステップにより送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込みステップと、
前記第2端末装置が、前記復号鍵送信ステップにより送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、前記無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号するステップと
を備えることを特徴とする送受信方法。
【請求項2】
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有する中央装置に送受信させる送受信システムにおいて、
前記中央装置は、
前記第1端末装置から送信された、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した商品情報の種類を、前記第2端末装置へ送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を、前記第2端末装置から受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段とを備え、
前記第1端末装置は、
前記鍵送信手段により送信された暗号鍵を受信すると、前記商品情報を、前記暗号鍵を用いて暗号化し、前記無線タグの記憶部に暗号化された前記商品情報を書き込む指示を行う書き込み手段を備え、
前記第2端末装置は、
前記復号鍵送信手段により送信された復号鍵を受信すると、前記無線タグに記憶されている暗号化された商品情報の読み出しを指示し、該無線タグより読み出した商品情報を、前記復号鍵を用いて復号する手段と
を備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項3】
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を送受信する制御部を有する中央装置において、
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した商品情報の種類を前記第2端末装置へ送信する送信手段と、
前記第2端末装置から、前記送信手段により送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信手段と、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信手段と
を備えることを特徴とする中央装置。
【請求項4】
通信網を介して接続される第1端末装置及び第2端末装置の要求に応じて無線タグの記憶部に関する情報を、制御部を有するコンピュータに送受信させるプログラムにおいて、
コンピュータに、
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類を受信する受信ステップと、
前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類を送信する送信ステップと、
前記第2端末装置から、前記送信ステップにより送信した商品情報の種類に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記商品情報を暗号化する暗号鍵を送信する鍵送信ステップと、
前記第2端末装置へ、前記商品情報を復号するための復号鍵を送信する復号鍵送信ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記第1端末装置から送信される、前記無線タグの記憶部の記憶領域の内、販売対象となる記憶領域の情報を受信する領域受信ステップと、
前記第2端末装置へ前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信する領域送信ステップと、
前記第2端末装置から、前記領域送信ステップにより送信した記憶領域の情報に関して購入を示す情報を受信すると、前記第1端末装置へ前記記憶領域への書き込みを制限するための制限鍵を送信する制限鍵送信ステップと、
前記第2端末装置へ、前記記憶領域に対する書き込み制限を解除するための解除鍵を送信する解除鍵送信ステップと
を実行させる請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記領域送信ステップは、
前記第2端末装置及び通信網を介して接続される他の端末装置へ、前記領域受信ステップにより受信した記憶領域の情報を送信し、
前記第2端末装置及び他の端末装置から前記記憶領域への書き込みの対価としての価格を受信する価格受信ステップと、
該価格受信ステップにより受信した価格を前記第2端末装置及び他の端末装置に対応づけて前記コンピュータの記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶された期限日時を読み出し、前記コンピュータの時計部から出力される日時を参照して、前記期限日時に達した場合に、前記記憶装置に記憶された価格の内、最高価格に対応する一の端末装置を決定する決定ステップとを実行させ、
前記解除鍵送信ステップは、
前記決定ステップにより決定した一の端末装置へ、前記解除鍵を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記受信ステップは、前記第1端末装置から、前記無線タグの記憶部に記憶される商品情報の内、販売対象となる商品情報の種類及び該商品情報の読み取りの対価としての価格を受信し、
前記送信ステップは、前記第2端末装置へ前記受信ステップにより受信した商品情報の種類及び価格を送信する
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一つに記載のプログラム。
【請求項8】
前記第2端末装置から、希望する商品情報の種類を受信するステップと、
該ステップにより受信した商品情報の種類を前記第1端末装置へ送信するステップと
を実行させる請求項4乃至7のいずれか一つに記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate


【公開番号】特開2009−64184(P2009−64184A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230590(P2007−230590)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】