説明

送電網結合負荷の現地電力ソースについての電力伝送管理

電力伝送システムは、生成された電力の力率調整を提供する。電力は、現地電力ソースから受け取られ、使用可能なAC電力に変換され、力率が所望の値に調整される。所望の値は、1又は1に近い力率である場合もあれば、送電網の条件、制定されている料金表、及び/又は現地電力ソースに対して遠隔的に下される判定に応えたものである場合もある。多くのソース及び電力伝送システムは、統合して、特定の力率特性を有する電力を送電網に送る電力ソースファームとして制御することができる。ファームは、複数の現地顧客構内をグループ化したものであってもよい。AC電力は、より効率的なDC電力変換のために、AC対DC電源装置による使用に先だって調整することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年2月19日出願の米国仮特許出願第61/153,940号「送電網結合負荷の現地電力ソースについての電力伝送管理」、2009年3月31日出願の米国仮特許出願第61/165,167号「送電網結合負荷の現地電力ソースについての電力伝送管理」、及び2009年11月20日出願の米国仮特許出願第61/263,239号「送電網結合太陽光起電システムにおける力率の自動遠隔管理」の本出願であり、上記仮特許出願の優先権の恩典を主張する。
【0002】
本発明の実施形態は、電力変換に関しており、本発明の実施形態は、より具体的には、現地電力ソースから公益事業者送電網に接続されている負荷への電力伝送の管理に関する。
【背景技術】
【0003】
公益事業者送電網からのエネルギー要求量を補完するために現地電力を使用しようと、多くの取り組みが長年に亘ってなされてきた。よくある例には、光起電(PV)インバータを備えた太陽電池が含まれる。他に、風力エネルギーを使用している例や、地熱エネルギーの様な別の自然発生的なソースを使用している例もある。その様なソースは、送電網から引き出される電力(ひいては費用)を削減したいとの望みから、従来型の送電網から引き出される電力と併用されている。その様なシステムは、ソースからの電力を、現地負荷と送電網の両方を含む負荷へ送達するように設計されている。従って、外を臨む現地電力ソースの視点からすると、従来の設計は現地負荷と送電網をシステムからの電力送達の対象として一塊に扱っている。その結果、事実上、その様なシステムは常に実効電力と無効電力の両方を現地負荷に供給してきた。
【0004】
現地ソースから現地負荷への電力伝送は、典型的に効率が悪く、結果的にユーザーは現地で生成されるエネルギーを空費し、その分は送電網から引き出されることとなる。よって、現地ソースが一見すると現地負荷の必要量を満たしそうな相当量のエネルギーを生成することができる場合においてすら、現地負荷は、典型的に、やはり送電網から実効電力及び無効電力を顧客にとっては無視でできないほどの費用で引き出さなくてはならない。
【0005】
公益電力網顧客に対する電気の費用を規定する料金表は、顧客のベース負荷のサイズ、一日のうちの電気需要がある時間、及び需要電力の型式(有効電力であるか無効電力であるか)を含む多くの因子によって決まる。料金体系は、例えば、電力が、ピーク需要時間中に使用される場合、公益事業者側に緊急事態に利用できる貯えが殆どないとき、又は、例えば、電力の型式が無効電力でなく有効である場合には、顧客に、より多くの支払いを要求する。一般に、現在の料金表の下では、住宅用顧客は無効電力について代価を支払わないが、産業用顧客は支払う。
【0006】
無効電力は、幾つかの理由で、公益事業者にとっては、かつてよりも発電に費用が掛かるようになってきている。第1に、多くの新しい電子機器及び電気製品はかつてないほど多くの無効電力を必要とするようになってきているので、無効電力に対する需要は有効電力に対する需要よりもはるかに急速に伸びている。これらの製品には、プラズマ及びLCDテレビ、コンピュータ電源装置、及び送電網結合電気自動車が含まれる。第2に、無効電力は、有効電力の大凡10倍もの電圧降下を引き起こすので、長距離の電力伝送線を下って輸送するのにより多くの費用が掛かる。第3に、無効電力は、現地電力分配線側で補償することができ、それにより何キロメートルも離れた大型の発電所を建設する必要性が解消されるが、補償器は購入及び保守に費用が掛かる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国仮特許出願第61/153,940号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/165,167号
【特許文献3】米国仮特許出願第61/263,239号
【特許文献4】米国特許公開第2008/0122518A1号
【発明の概要】
【0008】
電力伝送システムは、生成された電力の力率調整を提供する。電力は、現地電力ソースから受け取られ、使用可能なAC電力に変換され、力率が所望の値に調整される。所望の値は、1又は1に近い力率である場合もあれば、送電網の条件、制定されている料金表、及び/又は現地電力ソースに対して遠隔的に下される判定に応えたものである場合もある。多くのソース及び電力伝送システムは、統合して、特定の力率特性を有する電力を送電網に送る電力ソースファームとして制御することができる。ファームは、複数の現地顧客構内をグループ化したものであってもよい。AC電力は、より効率的なDC電力変換のために、AC対DC電源装置による使用に先だって調整することもできる。
【0009】
次に続く説明は、本発明の実施形態を実施する場合の一例として与えられている例示を有する図の考察を含んでいる。図面は、一例として理解されるべきであり、制限を課すものとして理解されてはならない。ここでの使用につき、1つ又はそれ以上の「実施形態」への言及は、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれる或る特定の機構、構造、及び特性を表しているものと理解されたい。よって、ここで見られる「1つの実施形態では」又は「或る代わりの実施形態では」の様な言い回しは、本発明の様々な実施形態及び実施例を表現しており、必ずしもどれもが同じ実施形態を指しているとは限らない。しかしながら、それらは同時に必ずしも相互排他的であるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するシステムの或る実施形態のブロック線図を示している。
【図2】現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するシステムの或る実施形態のブロック線図を示している。
【図3】現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するためのプロセスの或る実施形態の流れ図である。
【図4】複数の電力ソース、単数の電力抽出器、及び複数のAC負荷を備えたシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図5】ハードウェア波形制御装置に連結されているソフトウェアフィードバック制御サブシステムを用いて高調波歪みを制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図6】高調波歪みを制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図7】複数の電力ソース、単数の電力抽出器、及び複数の負荷を備えたシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図8】電力抽出器の或る実施形態のブロック線図である。
【図9】電力伝送回路構成例の或る実施形態のブロック線図を示している。
【図10】電力伝送回路構成例の或る実施形態のブロック線図を示している。
【図11】電力伝送回路構成例の或る実施形態のブロック線図を示している。
【図12】電力伝送回路構成例の或る実施形態のブロック線図を示している。
【図13】電力伝送回路構成例の或る実施形態のブロック線図を示している。
【図14】現地ソース及び公益事業者送電網から現地ソースに隣接している送電網負荷への併給発電の或る実施形態のブロック線図である。
【図15】力率向上型電源装置の或る実施形態のブロック線図である。
【図16A】力率調整によって制御される位相、有効電力、及び無効電力の或る実施形態を示している。
【図16B】力率調整によって制御される位相、有効電力、及び無効電力の或る実施形態を示している。
【図17】現地負荷の力率を制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図18】送電網に面した接続部の力率を、現地負荷の力率を制御することによって制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図19】送電網接続部の力率を、電力ソースファームの力率を制御することによって制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図20】力率フィードバックメカニズムの或る実施形態のブロック線図である。
【図21】力率を遠隔的に制御する通信システムの或る実施形態のブロック線図である。
【図22】マスター/スレーブ構成を用いて力率を制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。
【図23】力率制御のための制御プロセスの或る実施形態のブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、以下に記載の実施形態のうちの幾つか又は全てが描かれている図の説明を含め、或る一定の詳細事項及び実施例を説明してゆくが、それに加えて、ここに提示されている発明の概念の他の見込まれる実施形態又は実施例についても論じている。本発明の実施形態の概観を以下に提供し、それに続けて、図面を参照しながら更に詳細に説明してゆく。
【0012】
力率のリアルタイム調整は、現地ソースから送電網結合現地負荷へのより効率の高い電力伝送を可能にする。加えて、ソースから負荷への電力伝送は、総高調波歪み制御による高調波歪みの低減と、動的インピーダンス整合を用いての不安定な可変エネルギーソースからの最大電力抽出とによって更に改善される。現地ソースからの電力を使用する現在のシステムは、可変若しくは不安定なソースからの生成電力の力率を調整していない。本明細書での使用につき、「準安定」という用語は、電力の発生が不安定であるか又は可変とされるソースを指す。その様なソースの例に、太陽電池アレイ、風車、又は他の「環境に優しい」ソースがある。ここでの使用につき、「現地」負荷と「現地」ソースは、互いに関して現地である。現地とは、互いに関して同じ電気システム上にあることを指し、より具体的には、送電網接続点(例えば、典型的には電力計量器とブレーカーボックスを経由する送電網からの「引込線」)の同じ側にあることを指している。当業者には自明であろうが、「現地」は、必ずしも、システム設計についての実際的な制限以外の何らかの特定の地理的要件を示唆しているわけではない。
【0013】
準安定ソースを電力ソースとして送電網結合(現地)負荷(例えば、戸建て住宅、集合住宅、簡易家屋、又は他の住宅)に取り付けている先行技術のシステムでは、送電網の電力に関して、力率調整が考慮されていない。力率は、公益電力消費者にとって重要と考えられてきたわけではなく、むしろ、電力公益事業者や大型の誘導性機械類を有する産業消費者の考慮事項であった。公益事業者の消費者のための力率補正は、特に準安定ソースから生成される電力に関しては、a)電力を負荷に供給するインバータではなくて、インピーダンス負荷が典型的に力率の制御装置と考えられてきたこと、及びb)電力の流れを考慮している工学モデルでは、現地負荷は通常(現地ソースから外を臨むと)公益事業者送電網の側の一般負荷と区別がつかないことから、考慮され得ていない。従って、現地負荷への電力伝送の最大化は、準安定ソースの送電網への取り付けに係わる工学モデルでは考慮されていない。
【0014】
しかしながら、現地負荷を公益事業者送電網側の一般負荷と切り離して考え、現地負荷への電力伝送を、生成電力の力率調整及び負荷への電力伝送最大化を含め、制御することは、電力伝送効率の大幅な改善をもたらすことができる。加えて、以下に更に詳細に述べられている様に、力率調整を使用すると、準安定ソースからは実効電力だけを供給することができるようになり、全無効電力要求量は送電網によって供給される。或る特定の状況では、送電網は、負荷に、無効電力だけを提供し、実効電力は一切提供しない場合もある。
【0015】
図1は、現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム100は、準安定ソース110、インバータ120、負荷Z102、及び公益事業者送電網130、を含んでいる電力システムを表している。負荷Z102は、送電網130に接続されている消費者構内(例えば、自宅)を表している。準安定ソース110(例えば、太陽電池/アレイ、風力発電機、又は他の経時変化する或いは環境に優しい電力ソース)とインバータ120は、負荷Z102にとって現地であり、当該負荷に電力を提供している。より具体的には、準安定ソース110は、可変/不安定なDC電力ソース(Psource又はソース電力として図示)を形成している。ソースは、経時変化する場合もあれば、環境条件のせいで利用可能電力が変化する場合もある。インバータ120は、動的な電力抽出器及びインバータ装置を表している。
【0016】
通常動作下では、DC電力は、電力ソース110から引き出されると、インバータ120によって抽出され、逆変換され、動的に処理されて、比較的高調波歪み及びばらつきがなく、送電網130からのAC電圧信号と完全に同位相の最大AC電流を動的に発生させる。生成されたAC電流を送電網AC電圧と同位相にすることで、力率が1か又は1に近いAC電力を負荷Z102向けに発生させるが、これは負荷によって引き出される全ての無効電力は送電網130から来ることを意味する。ソース110が負荷Z102の実効電力要求量を満たすに足るエネルギーを発生させていれば、送電網130から負荷によって引き出されるAC電力のみが、或いは殆どそれのみが、排他的に無効電力となる。ソース110が負荷に供するのに十分なDC電力を発生させることができなければ、実効電力も送電網から通常の方式で引き出され得る。
【0017】
代わりに、以下により詳細に説明されている様に、AC電流は、送電網のAC電圧信号に関して或る一定の範囲まで移相外れとなるように意図的に変えられてもよい。そうすれば、単一のインバータ120は、電力を、送電網130の電力の状態を補償するための任意の所望の力率で送達することができる。
【0018】
インバータ電流(Iinverter)と送電網電流(Igrid)は、送電網130の方を指していることが示されており、実際にZ102に負荷電流(IL)を供し且つ送電網に「返す」のに十分なエネルギーをソース110が発生させているシナリオを説明している。電力は概ね送電網に返され、顧客は送電網に提供された電力に対して適切な補償を受けることができる。更に、返送シナリオは、以下に図14に関連して更に詳細に説明されている様に、電力を近隣顧客に提供することを伴う場合もある。
【0019】
送電網130は、負荷Z102によって消費される実効電力を測定する電力計量器132を含んでいる。典型的には、電圧と電流が測定され、電力が計算される。送電網から無効電力しか引き出されない場合には、電力計量器132では、負荷Z102による何らの電力使用も測定されないことになる。
【0020】
論じられている様に、1つの実施形態では、インバータ120によって負荷Z102へ送達される力率は、現地負荷及び送電網への導入に向けて1.0にされるか又は1.0に近づけられる。力率補正に加えて、インバータ120は高調波歪み補正を提供する。1つの実施形態では、インバータ120は、表に基づく高調波歪み補正を提供する。これまでの高調波歪み技法は、ハードウェアに基づく方法又は高速フーリエ変換(FFT)を使用している。プロセッサ又は制御装置で実施される表に基づく方法は、インバータ当たり費用を削減し、典型的なハードウェア実施式よりスケーリングが向上する。
【0021】
インバータは、インバータ120から送達される電力について、力率を1に近づけるか又は1にすることに加え、動作状態を監視し、ソース110からの最大電力を、動的にリアルタイムでエネルギーソースと現在負荷の変化に合わせて提供する。従って、ソース110によって生成されるエネルギー量が変化すれば、インバータ120は、当該ソースに基づく出力をリアルタイムで修正することができる。加えて、負荷Z102の抵抗状態が変化すれば(例えば、電気掃除機の様な誘導電動機がオンにされれば)、力率補正は自動的に負荷の必要量を追跡し負荷のリアルタイム変化に順応する。加えて、総高調波歪みは、規格によって要求されているものより更に効率良く高調波歪みを調整するので、規格に適合し、且つ可変で不安定な電力ソース及び変化する負荷に動的に順応することによってシステムの性能を改善する。
【0022】
インバータ120の出力電圧と出力電流が、相互に及び送電網側の電圧と、(例えば、位相ロックループ又は電力生成サンプリング及びフィードバックメカニズムを介して)位相が整合していれば、必要な無効電力はどれだけでも送電網から吸い上げられることになることが理解されるであろう。ソース110によって提供される実効電力が多いほど、送電網電圧と送電網電流は現地のZ102でより大きく位相が外れてしまう。全実効電力が現地で提供されれば、送電網の電流と電圧は現地の負荷Z102で90度の移相外れとなり、送電網実効電力寄与がゼロに下がってしまう(Preal=(Vmax*Imax/2)cos(Vphase−Iphase)を思い出して頂きたい)。
【0023】
図2は、現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム200は、図1のシステム100の1つの例を提供している。準安定ソース210は、可変又は不安定な電力ソースである。システム200はインバータ220を含み、インバータ220は、DC/ACインバータ224に連結されているDC/DC変換器222を含み、それらは共に制御装置(CPU)240に連結され、制御装置240によって制御されている。更に、切替デバイスS226(例えば、継電器)は、インバータを選択的に負荷Z202と送電網230に接続する。
【0024】
制御装置240は、DC/ACインバータ224から出てゆくAC電流と、負荷Z202を横断して出現する送電網230の生成電圧を監視する。制御装置240は、少なくとも1つのパラメータ、即ち変換器222の動作のパラメータ242及びインバータ224の動作のパラメータ244を制御する。パラメータ242及び/又は244は、電力抽出デバイスの切替信号のデューティサイクルであってもよい(より詳しい説明については以下に図を参照)。パラメータの修正は、監視電流と電圧の品質によって決まる。制御装置240は、更に、適切に調整された電力が負荷による使用に使えるようになったら、切替デバイスS226を制御して、負荷を、(変換器222及びインバータ224によってソース210から)発生させた電力に連結させる。
【0025】
動作時、制御装置240は、システムの動作を動的に監視して、ソース210からのAC電流を、送電網230によって提供されるAC電圧に関して選択された力率(例えば、完全同位相又は何か他の位相)で抽出及び発生させる。電流が十分に調整され、負荷による使用に対して豊富であるときは、負荷と送電網には、最大一杯の実効電力が提供されており、これは、送電網からは、主に、若しくは唯一、無効電力が引き出さていることを意味する。電力計量器232は、送電網230から負荷Z202によって引き出される実効電力だけを記録し、無効電力は記録しないので、現地負荷によって引き出される実効電力は料金請求されない。
【0026】
1つの実施形態では、公益事業者送電網230は、負荷Z202によるvar(volt−amperes reactive:ボルトアンペア無効電力)の使用を監視するvar計量器234を含んでいる。varは、負荷における送電網電力の電流と電圧の位相に基づく測定を行って、測定値に基づいて計算を行うことによって監視されていてもよい。
【0027】
1つの実施形態では、インバータ220は、力率を制御するための表に基づく方法を提供している表250を含んでいる。表は、所望の力率を実現するために、測定された入力状態に基づいてシステムから取得されるエントリを含んでいてもよい。送電網結合ノードからのフィードバックには、電圧ゼロ交差、電圧振幅、及び電流波形情報が含まれていてもよい。制御装置240は、表250を、その様な情報と共に使用して、変換器222及び/又はインバータ224の動作を調節する。表は、システムが作成しようとする理想化された出力信号を提供する設定点を含んでいてもよい。出力性能を理想化入力電力表示に整合させることにより、従来のやり方での単純に出力を濾過して調節するよりも優れたシステム性能が実施可能になる。
【0028】
以上にシステム100及びシステム200全般に関連して、或る一定の特定の考察が提供されているが、以下ではシステムを更に詳しく説明してゆく。準安定DC電力は、力率1で高調波歪みの低い最大AC電力を発生させるように、装置で動的に処理される。準安定ソースを負荷に連結する回路構成、例えば負荷の送電網接続部に接続しているものなど、を有する装置を提供することもできよう。装置は、電力生成制御装置によって制御される少なくとも1つの動的に修正可能なパラメータ(例えば、切替制御構成要素のデューティサイクル、信号を組み立てるのに使用されるパルス列のパルス列期間)を有するDC/DC変換器とDC/AC変換器(インバータ)を含んでいてもよい。
【0029】
制御装置は、低歪みAC電流を発生させるようにパラメータを動的に修正する。1つの実施形態では、AC電流は、送電網によって提供される電圧と完全に同位相であり、従って、1に近い力率を有しているので、実際の実効電力要求量の全て又は殆どは、装置によって提供される。その結果、送電網から引き出される電力があるとしても、それは無効電力のみであるか、殆どが無効電力ということになる。その様な手法は、負荷を準安定DCエネルギーソースから引き出されたエネルギーで賄うという恩恵を最大化すると同時に送電網からのエネルギー引き出しの費用を最小化する。
【0030】
1つの実施形態では、パラメータの動的修正は、力率を補正し総高調波歪みを小さくするため、発生させたAC電流波形を適応修正するための表に基づく方法を使って行われる。加えて、エネルギーの伝送は、米国特許公開第2008/0122518A1号のBesserらによる「電力抽出器を備えた多ソース多負荷システム」に記載され、以下に図4に関連して更に詳細に説明されている様な、電力を抽出する動的手段の使用によって最大化される。
【0031】
図3は、現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送するためのプロセスの或る実施形態の流れ図である。ここに示されている流れ図は、様々なプロセス行為のシーケンスの例を提供している。或る特定のシーケンス又は順序で示されているが、別途指定のない限り、行為の順序は修正することができる。従って、図示の実施例は、単に例として理解されるべきであり、信頼できるチャネルを確立するためのプロセスは、異なる順序で行うことができ、幾つかの行為は並行して行われてもよい。更に、本発明の様々な実施形態では1つ又はそれ以上の行為は省略されることもあり、つまりは、全ての行為が実施例どれもに必要となるわけではない。他のプロセスの流れも実施可能である。加えて、図示され論じられている全ての動作が実施形態どれもに必要というわけではなく、即ち、幾つかの動作は随意としてもよいことが理解されるであろう。
【0032】
動的調整に関して以上に論じられている装置の動作は、名目上4部に分けて説明することができる。第1部(例えば、302−308)では、装置によって作り出されるAC電圧は、位相が、公益事業者送電網のAC電圧と完全に一致するように調整される。調整は、生成AC電圧を送電網電圧と同位相にする。第2部(例えば、310−314)では、変換器の1つ又はそれ以上のパラメータが、装置から導き出されたAC電流が(生成AC電圧と同位相でもある)公益事業者送電網のAC電圧に関して所望の位相になるよう調整されるまで、制御される。1つの実施形態では、所望の位相は完全同位相であり、ひいては生成電力の力率が1にされる。第3部(例えば、318−320)では、1つ又はそれ以上のパラメータが、装置からのAC電流の総高調波歪みが満足のいくレベルに下がるまで更に制御されることになる。第4部(例えば、322−326)では、1つ又はそれ以上のパラメータが、最大実効電力がDC電力ソースから変化なく一定して抽出され提供されるように制御されることになる。
【0033】
第1部では、生成AC電力の電圧の位相が、送電網の電圧の位相に固定される(302)。ソース電力が受け取られ(304)、AC電圧及び電流に変換される(306)。送電網の電圧が測定されて、生成AC電圧の位相が送電網の位相に固定される(308)。現地負荷を横断する公益事業者送電網側のAC電圧は、制御装置によって、例えば位相固定ループを用いて周期的に監視され、1つ又はそれ以上のパラメータが、インバータAC電圧が送電網電圧と同位相になるまで修正される。
【0034】
第2部では、力率が調整される(310)。インバータによって発生させたAC電流が、或る周期間隔速度で監視され、送電網電圧位相が検出される(312)。1つの実施形態では、周期間隔速度によるAC電流監視は、320回毎秒以上で行われる。インバータパラメータの動的修正が、事前に定義されている値の表に基づいて、インバータによって発生する交流AC電流が負荷を横断する公益事業者送電網電圧と同位相か又はほぼ同位相になるまで行われる。こうして、生成AC電流の位相は送電網電圧位相に固定される(314)。
【0035】
第3部では、装置によって生成されたAC電流は総高調波歪みが小さくなるように更に調整される(316)。生成されてゆく出力信号が測定されるか又はサンプリングされ(318)、当該出力信号は表ルックアップにより理想信号に基づいて調節される(320)。例えば、制御装置は、正弦波値の表を、1/320秒の各周期間隔中に、総高調波歪みが所定の公差を満たすまで動的に修正してもよい。
【0036】
第4部では、DC電力は最大化され、その結果、最大電力伝送がもたらされる。装置は、電力ソースと負荷の間でインピーダンス整合させることができる。制御装置は、電力抽出器パラメータ(例えば、装置のパラメータ212、222)を、当時の電流状態下での抽出電流が最大化されるように修正する(326)。その様な電力変換は、以下に更に説明されている様に行うことができる。
【0037】
図4は、複数の電力ソース、単数の電力抽出器、及び複数のAC負荷を備えたシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム400は、インバータを有する電力伝送システムを表している。当技術で理解されている様に、インバータは、直流電流(DC)から交流電流(AC)を発生させる電子デバイス又はシステムである。概して、DC対AC変換は、方形波DC電流から正弦波AC電流への変換として達成される。インバータは、一般的には、従来の光起電(PV)エネルギーシステムや他の再生可能エネルギーシステムにおいては、それがこれらのエネルギーシステムと様々な電気負荷の間の電気の流れの制御について責任を担っていることを考えると、重要な構成要素である。インバータは、可変DCソースから純粋な50−60Hz正弦波交流電流(AC)への変換を行う。インバータは、更に、表面上は電力生成をできる限り高効率に維持するために、最大電力点追跡(MPPT)を行う。ここに説明されているインバータは、統計と警報を送信するために、更に、中央局への通信インターフェースを有していてもよい。
【0038】
図示されている様に、電力抽出器422は、インバータ420の構成要素であってもよい。よって、インバータシステムは、電力抽出器を電力伝送要素として含んでいてもよい。システム400は、1つ又はそれ以上の電力ソース412−414を含んでおり、それら電力ソースは、DC電流を提供するのに電力抽出器422に動的に連結されたり分離されたりする。システム400では、逆変換回路構成424は、電力伝送に加えて、電力抽出器422の出力の消費者としての役目を果たす。1つ又は複数のAC負荷442−444は、選択的に、逆変換回路構成424から電力を受け取るのにインバータ420に動的に結合されたり分離されたりする。
【0039】
逆変換回路構成424は、概して、電力抽出器422の効率的に伝送された出力電力を変換し、当該電力を効率的なやり方で変換、濾過する。その結果、従来の技術を用いて実施されたシステムよりも格段に高い効率のインバータが得られる。ここでの、電力分配戦略、1つ又はそれ以上の負荷への電力の分配、又は他の電力伝送に関する考察は、他の記載されている実施形態についてもそうであるが、システム400にも等しく当て嵌まる。電力抽出器422で行われている様に、出力電力の監視という同様の課題が逆変換回路構成424に適用されるであろう。出力電力を監視するためのメカニズムは、逆変換回路構成424では電力抽出器422と異なっていてもよい。
【0040】
逆変換回路構成424は、アルゴリズム的に動作する非線形電流モード電力変換器である。インバータ420は、逆変換回路構成424を介して、幾何学構造又はトポロジーを使用して、電力抽出器422によって提供される出力からの自身の電流切替を行う。電流切替トポロジー技術は、マイクロプロセッサ制御下にDC電力をAC電力に変換する。マイクロプロセッサは、電力抽出器422で採用されているものとは別のマイクロプロセッサであってもよい。AC負荷442−444の電圧、周波数、及び/又は位相についての負荷要求が、ソフトウェア制御下に感知され、それにより、所望の電圧、周波数、及び/又は位相へ実施される。代替的又は追加的に(例えば、オーバーライドとして)、電圧、周波数、及び/又は位相についての負荷要求は、構成制御式であってもよい。
【0041】
負荷モニター426は、ハードウェアかソフトウェアか又は組合せ(例えば、ファームウェア制御がインストールされたハードウェア)かを問わず、逆変換回路構成424の出力を電圧(V)、周波数(FREQ)、及び/又は位相について監視する1つ又はそれ以上の構成要素を表している。負荷モニター426は、検出されたもの及び/又は規則或いは外部入力に基づいて、逆変換回路構成424に構成を提供することができる。負荷モニター426がハードウェアに実施されている場合であっても、それの逆変換回路構成424への入力は、逆変換回路構成424のマイクロプロセッサへの入力であれば、「ソフトウェア制御」と見なされ得ることに留意されたい。負荷モニター426は、更に、例えば、逆変換回路構成424へ渡される構成パラメータを送る中央局への通信接続(図示せず)を含んでいてもよい。
【0042】
インバータ420は、負荷モニター426に追加して又はそれに代えて、より「手動的な」構成メカニズムを含んでいてもよい。その様な構成メカニズムは、スイッチ(例えば、一般的に使用されている構成「DIP」(デュアルインラインパッケージ)スイッチ)を含んでいてもよい。他のスイッチ又は匹敵するメカニズムを使用することもできるであろう。DIPスイッチは、典型的に、1つの位置かもう1つの位置に設定することのできるスライダ又はロッカーの列を(又はねじ式回転メカニズムさえも)有している。それぞれのスイッチ位置は、異なる品目を構成していてもよいし、全てのスイッチ位置の合成により、マイクロプロセッサへの2進「数」入力を提供することもできる。周波数選択432は、インバータ420の出力周波数を設定する構成メカニズムを表している。電圧選択434は、インバータ420の出力電圧を選択するのに使用することができる。位相選択436は、インバータ420の出力位相を選択するのに使用することができる。万一、電圧、周波数、又は位相の情報が、インバータ420が動作している送電網から不正確に提供された場合でも、周波数選択432、電圧選択434、及び位相選択436を使用すればインバータ420を正しく動作させることができる。
【0043】
図5は、ハードウェア波形制御装置に連結されたソフトウェアフィードバック制御サブシステムを用いて高調波歪みを制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム500は、電力ソース504、負荷506、出力及び制御システム502を含んでいる。電力経路510は、出力システム502によって制御されている、ソース504から負荷506への電気出力の経路を表している。
【0044】
出力システム502は、ソース504から入力電力を受け取り、それを別の形式に(例えば、DCからACへ)変換する入力電力変換器520を含んでいる。入力電力変換器520は、変換するべき電力信号を受信するためのハードウェア構成要素を含んでおり、適切な電源構成要素を含んでいてもよい。1つの実施形態では、入力電力変換器520は、入力電子機器が電力ソース504からの最大電力を伝送することを可能にする動的インピーダンス整合を実施する。動的インピーダンス整合には、最大電力点を絶えず追跡することの他に、入力電力カプラー(例えば、変圧器)を駆動して電力勾配をできる限り平坦(例えば、勾配ゼロ)に維持させることを含んでいる。入力電力変換器520は、制御装置530から制御信号又は情報を受信する他、変換器の動作を表示する入力を提供していてもよい。
【0045】
入力フィードフォワード512は、電力ソース電力についての情報(例えば、最大電力値、該当する場合には周波数、又は入力電力変換器ハードウェアを制御するための他の情報)を、制御装置530に提供する。制御装置530は、入力電力についての入力情報に基づいて、入力電力変換器520を制御する。制御装置530は、出力システム502に埋め込まれていてもよいとされる何らかの型式のプロセッサ制御装置を表している。制御装置530は、如何なる型式のマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、論理アレイ、又は他の制御論理であってもよいし、それらを含んでいてもよい。加えて、制御装置530は、実行時動作中に生成されるか入手された、又は事前に算出された、コード又は値を記憶する適切なメモリ又は記憶装置構成要素(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、レジスタ、及び/又はフラッシュ)を含んでいてもよい。
【0046】
制御装置530は、プログラム可能な波形生成器540を駆動して、所望の出力波形を生成させる。生成器540も電力経路510に置かれており、入力電力変換器520から入力電力を受け取って出力する。電力は伝送されるとはいえ、必ずしもそれが受け取られたときと同じ波形で出力されるとは限らない。例えば、DC信号は、図5の例に示されている様に、正弦波信号として出力されてもよい。他の電力変換を、示され説明されているものと同様に達成することもできる。1つの実施形態では、生成器540は、出力波形508を生成するPWMを含んでいる。生成器540は、制御装置530から制御信号と情報を受信し、そして、状態又は動作の情報又はフィードバックを制御装置530に提供していてもよい。出力波形は、電流又は電圧の何れであってもよい。
【0047】
出力システム502は、特定のタイミング、位相合わせ、又は他の周波数情報を、出力波形508の生成段階へ組み入れることができる。その様なタイミング、位相合わせ、又は他の周波数情報は、「入力同期データ」と呼んでもよい。1つの実施形態では、その様な入力同期データは、リアルタイム負荷情報から届くが、その場合、それを「負荷同期入力」と呼んでもよい。負荷同期入力又は入力同期データは、以上に論じられている同期信号を求めるのに必要な情報を表示する。その様な情報は、出力システム502に出力同期514として表示されている。出力が予想される(例えば、送電網に接続している)システムでは、或る一定の電圧、タイミング、又は他の情報は予測されており(例えば、60Hzで520V)、そうすると、初期推定が、システムにプログラムされているか又は起動時にシステムによって形成されてもよい。負荷同期データに基づき、初期推定が調節されてもよい。
【0048】
制御装置530は、更に、生成器540によって生成された実際の出力を確定するために、電力経路510から別れた出力フィードバック516を測定する。実際の出力を理想基準と比較して、所望の出力が生成されているかどうかを判定する。1つの実施形態では、出力フィードバック516は、制御装置530による出力測定値を表すための抽象概念であり、それ自身には別体の構成要素を含んでいない。1つの実施形態では、出力フィードバック516は、サンプリングメカニズム、又は理想基準信号と比較するための他のデータ選択メカニズムを含んでいる。出力フィードバック516が制御装置530とは別体の構成要素を含んでいる場合、それは制御装置530によって駆動され、制御装置530から比較データを受信し、誤差又はフィードバック情報を提供していてもよい。1つの実施形態では、出力フィードバック516は、少なくとも、フィードバック制御プロセスが出力線とインターフェースするために必要なハードウェア構成要素を含んでいるものと理解されている。また、出力フィードバック516は、測定を行う、算出する、及び/又は処理を行うための他のハードウェアを含んでいてもよい。
【0049】
出力同期514と出力フィードバック516の両方を、フィードバックループとして考えてもよい。出力同期514と出力フィードバック516は、同一物ではなく、異なった目的に供されていることが理解されるであろう。出力同期514は、基準波形表532に記憶されるものとして理想基準信号がどの様に見えるべきかを表示する。出力フィードバック516は、実際の出力が基準信号とどれほど異なっているかを表示する。更新表534は、出力フィードバック516に応えて生成されたデータを表している。1つの実施形態では、出力同期514は、電力経路510の出力に関する電圧情報に基づき、一方、出力フィードバック516は、電力経路510の出力で生成された出力電流に基づいている。
【0050】
出力同期514に基づき(又は出力同期の初期推定に基づき)、出力システム502は、生成器540によって生成されることが望まれる出力波形の理想的な形を表している基準波形表532を記憶する、及び/又は生成する。基準波形表532は、出力波形はどの様に見える「べきか」を反映している表又は他の点(又は設定点)のセットとして記憶されてもよい。正弦波形が表されているが、如何なる周期波形を使用することもできるであろう。基準波形表532は、代わりに、基準波形ソースと呼んでもよい。
【0051】
出力フィードバック516に基づき、出力システム502は、更新表534を生成する。更新表534は、基準波形表532の波形により密に整合する出力を提供するには、生成器540の動作をどの様に修正するべきかを表示するエントリ又は点を含んでいる。表として表示されてはいるが、更新表534は、或る一定のインターバルで修正される(例えば、それぞれのエントリが測定された誤差データを反映するように必要に応じて更新される)記憶された表であってもよいし、更新インターバルの度に新たに生成されてもよい。更新表534は、代わりに、更新データソースと呼んでもよいであろう。「更新」は、古い値の修正又は値の置き換えであってもよいし、或いは制御装置530がアクセスするメモリ内の異なった場所に記憶されてもよい。1つの実施形態では、更新表534のそれぞれの値は、点のセットの各々について、「上げ」、「下げ」、又は変化なし、を表示する。その様な値は、生成器540の出力を制御して出力信号を所望の理想波形に収束するように仕向けるハードウェアに適用される。
【0052】
1つの観点から、出力システム502は、5つの機構又は構成要素を有しているものと見ることができる。これらの機構は、図5に或る特定のブロック線図により描かれているが、これらの機構の1つ又はそれ以上を実施するのに、異なった構成及び多種多様な構成要素を使用できることが理解されるであろう。考察を目的に、但し制限を課すものとしてではなく、これらの機構を、「機構1」、「機構2」などの様な呼称を使って以下に説明している。その様な決まりは、単に、記載の機構又は構成要素の対象物を呼ぶための間に合わせの表現であり、必ずしも順序や重要度に関して何らかの示唆を与えているわけではないことが理解されるであろう。
【0053】
機構1は、特定のタイミング、位相合わせ、又は他の周波数情報を組み入れるための手段を含むことができる。当該手段は、以上に言及されている入力同期データ又は負荷同期入力であって、出力同期514に基づいている入力同期データ又は負荷同期入力を生成及び受信するためのハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでいる。機構2は、出力波形508の理想の形を表している、ソフトウェア内のデータの表又は数式を含んでいてもよいとされる基準波形表532を含んでいる。機構3は、生成器540によって生成された実際の出力波形を、基準波形表532によって表されている理想的な表式表現と比較するソフトウェアアルゴリズムであるか又は同アルゴリズムを含んでいてもよいとされる制御装置530を含んでいる。機構4は、更新表534によって表されている更新データを、算出するか又はそれ以外に選択及び生成する、制御装置530内のアルゴリズムを含んでいる。機構5は、更新表534からの更新データを使用して、所望の形状、比例、タイミング、及び位相の出力波形508を生成する生成器540を含んでいる。
【0054】
機構1に関して、特定のタイミング、位相合わせ、又は他の周波数情報は、制御装置530の比較及び更新アルゴリズムに、同期情報を提供する。当該情報は、表、数式、リアルタイムでのハードウェア監視信号のサンプリング、又は他のソース、によってもよい。
【0055】
機構2に関して、基準波形を表すデータは、如何なる長さ又は如何なるフォーマットであってもよく、表内の場合は、整数でも非整数でもよい。その様な表は、実行時に動的に生成されてもよいし、或いはコンパイル時にハードコード化されてもよい。表されている波形の理想の形は、正弦であってもよいし、非正弦であってもよい。波形は、時間ドメインの中で均等に間隔が空けられた又は非均等に間隔が空けられたデータ値によって表すことができ、時間を順行していてもよいし、時間を逆行していてもよいし、或いはそれらの何らかの混合であってもよい。波形は、代わりに、周波数ドメインのデータ値により表され、何らかの様式に編纂されたものであってもよいであろう。データは、圧縮されていてもよいし、圧縮されていなくてもよい。データは、算出されたデータ設定点ではなく、むしろ数式によって表されていてもよいし、或いは一部は数式で一部は表で表されていてもよい。1つの実施形態では、表の中の記憶されている設定点は、数式の算出結果である。データは、実行時、処理中に、理想波形の形を異なった理想に変化させるべく改変されてもよい。基準波形表532の値は、実行時に改変される場合、修正することもできるし、異なった値で置き換えることもできる。データは、入力波形と正確に同位相に整列していてもよいし、或いは位相がシフトされていてもよい。
【0056】
機構3に関して、制御装置530は、如何なる従来の又は標準的な比較アルゴリズムを含んでいてもよい。制御アルゴリズムは、ハードウェアによってサンプリングされ、標準的又は非標準的なサンプリング技法を通してソフトウェアデータ値に変換された、出力波形を表しているデータ値を比較する。1つの実施形態では、制御装置は、表の理想設定点又は数式算出値を同期情報と一点毎に比較し、誤差データを一点毎に生成する。1つの実施形態では、制御装置は、一点毎ではなく、代わりに一度に複数の点を処理することもできる。
【0057】
機構4に関して、制御装置530は、何らかの標準的又は非標準的な技法を使って新しいデータを作成又は生成する選択アルゴリズムを含んでいる。1つの実施形態では、選択アルゴリズムは、計算を行う段階を伴う。代わりに、選択アルゴリズムは、処理を行うことも計算を行うこともなく、データを選択するだけであってもよい。選択アルゴリズムは、設定点の表の中のデータ値を置き換えてもよいし、或いは表の中のデータ値はそのままに、別の記憶領域を使用する方を選んでもよい。選択アルゴリズムは、その選択プロセスの一環として、データを、時間ドメインから周波数ドメインに又はその逆に変換してもよい。アルゴリズムは、データ値であって、それが適用されると出力波形を補正することができるデータ値が識別される誤差更新メカニズム(例えば、アルゴリズム)を提供している。こうして、データ値が適用された後の出力波形は、好適な理想波形により似通って見える。
【0058】
機構5に関して、更新表534によって表されている新しいデータ値は、出力波形の生成を駆動する標準的なプロセスを通して生成器540のハードウェアに適用される。1つの実施形態では、新しいデータ値は、PWMメカニズム又は、離散データ値をアナログ出力形式へ変換する何らかの他のメカニズムを介して適用される。
【0059】
図6は、高調波歪みを制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。1つの実施形態では、図6のシステム600は、図5のシステム500を実施している送電網結合型電力変換システムの一例である。よって、入力602は、ソース502からの入力電力に対応し、出力650は負荷506の出力に対応している。1つの実施形態では、システム600は、出力電流信号の高調波歪み、及び送電網電圧と送電網に結合されている太陽光起電又は他のソースのDC対AC電力変換システムの出力電流信号との間の位相シフトを制御する。
【0060】
システム600は、入力DC電力602を、出力650の出力AC電力へ逆変換する。1つの実施形態では、出力650の電圧と電流は、共に、スプリアス高調波によって歪められていない理想的な60Hz正弦波であり、そこでは電流は位相シフトによって電圧に遅行しているか先行しているかの何れかである。その様な実施例は、出力電圧は送電網結合によって出力650で堅固に確立されるが、電流はそうではない、という送電網結合型システムで採用することができる。規則UL1247は、電流について高調波歪みが低減されていることを要求している。図示されている様に、システム600は、送電網の固定電圧から位相がシフトされてはいるがアスペクトは歪んでいない、理想的な正弦波形を少なくとも形成することはできる。
【0061】
1つの実施形態では、システム600の動作は、3つの要素として切り離すことができる。第1は、歪みなしに位相シフトの所望角度を有する所望の波形のための理想電流波形値の表を確立することである。出力電流波形及び理想電流波形により特化して説明されているが、それは非限定的な例であることが理解されるであろうし、システム600に関する考察は、当業者には理解されるところであるが、修正を加えれば出力電圧波形の制御にも応用することができるであろう。第2は、波形生成器によって生成された実際の出力信号を理想波形と比較することである。第3は、入力タイミング情報及び誤差情報を用いて、波形生成器が実際の出力波形を補正できるようにする値の更新表を生成することである。動作は、繰り返し出力波形を改善し、理想波形(例えば、正弦波)に近づけてゆく。こうして、動作の結果、送電網電圧波形と同位相の、先行する、又は遅行する、純粋な60Hz電流波形がもたらされる。
【0062】
1つの実施形態での主電力流通経路は、以下の様に起こり、即ち、入力602はDC入力電力である。PWM生成器630は、更新された値の表(PWM表エントリ更新680)を使用してDC対AC変換器642を駆動する。1つの実施形態では、更新表680は、図5の表540に一致している。入力DC電力602は、インバータハードウェア640のDC対AC変換器642へ通され、出力AC電流波形650として出てゆく。電流波形検出器644は、出力650の電流波形を検出する。入力波形は、PWM生成器630では完全な正弦波として示されており、電流波形検出器644では歪んでいる。歪みの量は誇張されているかもしれないが、出力波形が初期においてさえ、理想的な所望の波形にあまり似て見えないことを示している。しかしながら、波形はフィードバックを通して収束する。インバータハードウェア640は、更に、図5の出力同期情報に対応している同期情報648を生成する電圧波形検出器646を含んでいる。
【0063】
フィードバックを検出及び実施する制御ループの流れは以下の様に起こり、即ち、DC入力電力についての情報604及び入力位相シフト情報606は、基準理想波形610を精錬する。以上に論じられている基準理想波形は、表として記憶することができる。1つの実施形態では、PWM生成器630の出力は、ピーク検出622されるのと同時に、基準波形レベル制御624の理想表を増減させる。レベル制御624の出力は、所望される瞬時理想波形である。基準波形レベル制御624からの基準波形と実際の出力は、PID(比例・積分・微分)制御装置660に受信される。
【0064】
PID制御装置660は、増減された基準波形と実際の出力波形を受信するPWM表誤差検出器662を含んでいる。誤差は、比例誤差ブロック664、積分誤差ブロック666、及び微分誤差ブロック668への誤差入力となる。誤差信号の和がPWM表誤差総和であり、PWM表エントリ更新680へのPID制御装置出力となる。これらの更新された表値は、PWM生成器630にフィードバックされ、生成器を駆動して、インバータハードウェア640の出力を調節させ、出力信号を基準波形610に収束させる。
【0065】
図7は、複数の電力ソース、単数の電力抽出器、及び複数の負荷を備えたシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム700は、電力抽出器730を一般的に使用する場合のシナリオを提供している。電力抽出器730は、ここに説明されている何れかの実施形態による電力抽出器の一例である。電力抽出器730には、1つ又はそれ以上の電力ソース712−714が連結されていてもよい。異なった電力ソースには異なった連結ハードウェアが必要になるかもしれないことに留意されたい。入力連結ハードウェア720は、入力電力ソースを電力抽出器730に連結するインターフェース回路を含んでいる。幾つかの実施形態では、インターフェース回路722は、インターフェース回路724とは異なっている。しかしながら、それらは同じであってもよい。
【0066】
電力ソース712−714は、如何なる型式のDC電力ソース(電力ソース又はエネルギーソースと呼ぶ)であってもよい。一般的に、電力抽出器の実施形態に従って使用することのできるDC電力ソースの例には、限定するわけではないが、光起電力セル又はパネル、単数又は複数のバッテリーや、風、水(例えば、水力発電)、潮力、熱(例えば、熱的結合)、水素発電、ガス発電、放射性物質、機械的変形、圧電性物質、及び運動(歩行、走行、又は他の運動の様な人間の運動)により電力を導き出すソースが含まれる。ここに論じられている送電網結合システムに関して更に具体的には、電力ソース712−714は、電力を送電網結合負荷に提供することのできる如何なる電力ソースをも含む。
【0067】
一般的に、電力ソースは、天然のエネルギーソースと人工の電力ソースを含んでいてもよく、安定している場合(基本的に一定した電力を提供するが振幅が可変)もあれば、不安定な場合(経時的に変化する電力を提供する)もある。入力連結ハードウェア720は、インターフェース全般(例えば、コネクタ/ピンへのケーブル/配線/トレースから回路構成まで)を含むものと考えられていてもよいし、単純にインターフェース回路構成を含むものと考えられてもよい。インターフェース回路構成は、ここに記載されているもの及びそれ以外に当技術で知られ得る何れの型式の個別の構成要素(例えば、抵抗器、コンデンサ、誘導器/変圧器、ダイオード、又は他の電子機器構成要素)を含んでいてもよい。
【0068】
また、幾つかの実施形態では、入力連結ハードウェア720は、1つ又はそれ以上の電力ソースを電力抽出器730から選択的に切断又は分離することのできる、スイッチ(例えば、パワー電界効果トランジスタ(FET))又は他の同様のメカニズムを含んでいる。電力ソースの連結及び分離は、例えば、電力抽出器の管理部分からの制御信号を介して行うことができる。
【0069】
入力側と同様に、電力抽出器730は出力連結ハードウェア740を含んでいるか、或いはそうではければ、システム700の電力抽出器730に出力連結ハードウェア740が連結されているかのどちらかである。出力連結ハードウェア740は、インターフェース要素742−744を含んでいる。インターフェース要素742−744と負荷752−754の間には1対1の関係があってもよいが、その様な関係は、厳格に必要というわけではない。1つ又はそれ以上の負荷は、同じ出力連結ハードウェアを介して連結することもできる。同様の構成は入力連結ハードウェア720に存在していてもよく、即ち要素対ソースの関係は1対1であってもよいし他の比であってもよい。1対1以外の比である場合、個々の電力ソース又は負荷を選択的にオンライン及びオフラインにすることについて制約があるかもしれない。その様な制約は、インピーダンス整合の(理想的な或いはそれ以外に潜在的に達成可能な)効率の低下をもたらすことになるとも限らないが、グループ整合では必ずしも効率が低いとはいえないかもしれない。従って、負荷及び/電力ソースをグループとして扱ってもよく、そうすれば、グループとしてオンラインにしたりオフラインにしたりすることができ、グループとしてインピーダンス整合することができる。
【0070】
負荷752−754は、出力連結ハードウェア740を介して、選択的に電力抽出器730に連結されてもよい。1つ又はそれ以上の負荷は、管理戦略に従い制御信号を介して連結又は分離されてもよい。電力伝送マネジャ734は、概して、任意の型式の電力伝送管理回路を表しており、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理アレイ(PLA)、マイクロコントローラ、又は他のハードウェア制御論理の様な、1つ又はそれ以上の処理回路構成要素を含んでいてもよい。電力伝送の管理は、電力伝送マネジャ734によって行われ、同マネジャは電力伝送管理戦略に従って動作するものと考えることができる。その様な戦略は、電力をどの様に伝送してゆくか又は電力伝送を管理するために電力伝送マネジャ734をどの様に動作させてゆくかを制御する。電力伝送を管理する動作は、出力線を活動状態又は非活動状態に設定すること(例えば、マイクロプロセッサI/Oピンをトグルする)、又は別のやり方で構成制御を他の回路に送ること、を含んでいてもよい。
【0071】
電力伝送マネジャ734は、電力伝送回路構成732の動作をどの様に制御するかを確定するために、入力電力の電力変化を監視する。電力伝送回路構成732は以下に更に詳細に説明されており、同回路は、概して、電力抽出器730がソースからの電力を負荷へ送達する電力に変換できるようにする。ソースと負荷を選択的に連結したり分離したりする能力と併せ、電力伝送マネジャ734は、数多くの電力伝送シナリオの何れかに従って電力伝送を調節するための論理を含んでいてもよいことが理解されるであろう。その様な能力は、一方で電力抽出器730に伝送効率を維持させながら、動的なシステム構成の変化を可能にする。
【0072】
電力伝送マネジャ734と電力抽出器730は、システム構成に動的且つ継続的に順応することができる上に、入力及び/又は出力の電力曲線を継続的に監視することができる。論理は、(単数又は複数の)負荷の必要量と(単数又は複数の)ソースの入力を勘案する。幾つかの実施形態では、負荷の必要量は、ハードウェアを監視することにより確定することができる。より単純な方法は、電力伝送マネジャ734に特定の負荷への出力をどの様に制御するかについて情報を与える、対象負荷の電力プロフィールを含む方法である。電力伝送マネジャ734は、どの負荷が存在しているのか、ひいてはどのプロフィールが適用可能かを、負荷の検出/監視に基づいて、及び/又は外部ソースによる負荷の表示(例えば、負荷自体がマイクロプロセッサの負荷ピンをトリガするという様な信号を送る、又はシステム管理エンティティがどの負荷が存在しているかを表示する)を介して、識別することができる。
【0073】
従来型システムの1つの非効率は、切替式の供給に対する「常時オン」態様である。従来の電力伝送技術は、負荷が電力を必要としていないときでさえ、及び/又はソースが利用可能でないときでさえ、電力を消費した。従って、電力伝送回路の一部は、常時、電力を消費していた。幾つかの実施形態では、電力伝送マネジャ734は、電力及び/又は負荷の存在に基づいて、自動的に電力抽出器730をオンにしたりオフにしたりすることができる。従って、例えば、電力伝送マネジャ734は、入力電力が閾値(例えば、5Vで1.0mA)より下に落ちたら、自動的にスリープ状態に入ることができる。電力が閾値より上になったら、電力伝送マネジャ734は、何れかの負荷が接続されている又は接続されようとしているかどうかを判定することになる。ソース及び/又は負荷がなければ、電力伝送マネジャ734は、制御信号を提供せず、その結果電力伝送が行われないようにしてもよいし、又は活動中の回路構成を活動停止させる信号を発生させてもよい。電力伝送マネジャ734は、高機能化することもでき、更に、又は代わりに、一定時間(例えば、5分)が経過したらシステムを目覚めさせてシステムの状態を再確認できるようにするタイマーメカニズムを含むことができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、電力伝送マネジャ734により具現化されている電力管理の概念は、複数の態様を含むものと考えることができる。例えば、電力管理は、事業規則及び制御を含むことができ、そこではそれぞれの規則が電力制御の異なる態様を制御してもよいし、同じ電力制御態様を異なるやり方で制御してもよい。事業規則及び制御は、ハードウェア、ソフトウェア、又は何らかの組合せとして実施することができる。事業規則は、インピーダンス整合を調べる又は電力曲線を監視するという様な戦略的規則である計画規則に細分されていてもよい。編成規則は、複数入力と複数出力にどの様に対処するかを確定する戦術的規則であってもよい。当該規則は、電力抽出器730の特定の機能性を提供するパラメータを提供すること、及び/又は実施することができる。制御は、行為を実施することもできるし、又は事業規則を発効することもできる。例えば、幾つかの実施形態では、インピーダンス整合でたった1つの電力ソースしか整合されないかもしれない。整合させる意義が最も大きい入力ソースについて選択的整合が行われることになる。
【0075】
幾つかの実施形態では、どの様に電力を負荷に送るかを確定すること又は電力伝送戦略を確定することは、電力分配規則を確定すること又は識別して選択することを含んでいる。すると、選択された電力分配規則に従って、電力伝送が行われる。電力分配規則は、単純にも複雑にも成り得るものであり、概ね次の様に分類することができる。
【0076】
階層的規則は、単純に1つの負荷を別の負荷より優先させることになる。ソース電力が上下変動すると、負荷に伝送される電力では、一方の負荷には他方の負荷よりも優先待遇が与えられることになろう。或る例では、基幹デバイスの動作回路構成が有利に計らわれ、一方で幾つかあるバックアップバッテリーの1つの再充電には低い優先順位が与えられる。
【0077】
総当たり式の規則は、電力を分配するためのスケジュールを定める。例えば、電力は、一定の時間1つの負荷に分配され、次いで別の負荷へ、そしてまた別の負荷へと分配されてゆく。こうして、全ての負荷が所与の時間内に分配電力の一部を受け取ることになる。割り当てに基づく規則は、それぞれの負荷について固定された割り当てを定めることができる。例えば、システムは、分配電力の80%を主バッテリーの充電に割り当てて、20%を1つ又はそれ以上の他の負荷に残すようにしてもよい。
【0078】
時間に基づく規則は、電力の分配を日内時間又は週内時間に基づかせる。例えば、システムには、日出/日入予定をプログラムし、ピーク日照時間を求める論理を持たせることができる。こうして、電力は、一日のうちの特定の時間に太陽電池パネルからの電力がピークになることが予測できる。日内時間に基づいて、システムは1つの戦略又は別の戦略に従って電力を分配してもよい。別のシナリオでは、システムは、ピーク負荷使用を表示している履歴データを有することができる。電力は、予測使用量に従って、一日のうちの或る一定の時間に分配されてもよい。以下に説明されている様に、ピーク入力電力とピーク負荷は、積極的に確定され、動的に勘案されてもよいことに留意されたい。時間に基づく規則は、また、適用される他の規則のためのフレームワークの役目を果たすことができる。例えば、一日のうちの或る一定の時間中は総当たり式が使用され、他の時間には需要に基づく戦略が採用されてもよい。
【0079】
機能性に基づく規則は、システムが電力をシステム内での負荷の機能性又は目的に従って割り当てることを可能にする。例えば、ペースメーカーでは、機能回路構成はバッテリー充電よりも優先権が与えられることになる。同様に、航空機では操縦機器には客室電灯よりも優先待遇が与えられてもよい。需要に基づく規則は、電力伝送を、負荷の需要に釣り合うように調節することができる。需要に基づく規則では、出力連結ハードウェア740に検出回路構成(図示せず)を付設することが必要になるかもしれない。幾つかの実施形態では、電力抽出器730は、需要に基づく規則を実施するために負荷平衡論理(ハードウェア及び/又はソフトウェア)を含んでいる。幾つかの実施形態では、コマンドに基づく規則を適用することもできる。つまり、中央局又は他の制御エンティティは、どの様に電力を分配するべきかについての規則であって、既にシステムにある他の如何なる規則又は条件をもオーバーライドすることができる規則を提供することができる。
【0080】
既に示唆されている様に、電力分配規則は、一貫して適用させることもできるし、複数のシナリオの何れか(例えば、需要の変化、日内時間、電力ソースの数/強さ、又は他の可変条件)に合わせて調節されてもよい。
【0081】
電力伝送マネジャ734は、関連付けられているインピーダンス制御736を含んでいるか又は有していてもよい。インピーダンス制御736は、入力連結ハードウェア720及び/又は出力連結ハードウェア740のインピーダンスをそれぞれ関連付けられている相手のソース又は負荷と整合させるハードウェア及びソフトウェアと言ってもよい。インピーダンス整合のための技法は以上に説明されており、ここでは繰り返さない。
【0082】
図8は、電力抽出器の或る実施形態のブロック線図である。電力変化分析回路構成820は、電力変化検出回路構成830を含んでいる。電力伝送回路構成870は、回路872、874、及び876を含んでいる。回路872と876は、変圧器T1(誘導器L1とL3を含む)と、変圧器T2(誘導器L2とL4を含む)を含んでいる。回路874は、コンデンサC1及びC2と、C1とC2を隔て、誘導器L1及びL4に接続されているノードN5と、を含んでいる。電力ソース802は、ノードN1の導体804、インターフェースコネクタ、及びノードN1*を通り誘導器L1に連結されている。(*)は、外側からシステム内を臨んで見える有効ノード又は等価ノードを示している(N1*はソース802から見え、N2*は負荷890から見える)。一例として、インターフェースコネクタは、プラグ差込口であってもよい。N1とインターフェースコネクタとN1*の間のインピーダンス差が比較的小さい場合は、それらを1つのノードと見なしてもよい。そうでなければ、それらは、2つ以上のノードと見なされる。ノードN2*と対応するインターフェースコネクタとノードN2ついても同様である。誘導器L1はノードN1*とN3の間にあり、誘導器L2はノードN4とN2*の間にある。
【0083】
電力変化検出回路構成830は、ノードN1*の電力の電力変化を検出し、導体838の切替制御信号を(要素836から)比較回路840の1つの入力へ提供する。1つの実施形態では、電力変化検出回路構成830は、電力変化の勾配を検出するので電力勾配検出回路構成830と呼んでもよく、同回路構成は電力勾配表示信号を提供する。1つの実施形態では、電力勾配は、瞬時的な電力勾配である。比較回路840のもう1つの入力は、波形生成器回路826から鋸歯状波の様な波形を受信する。比較回路840は、スイッチS1とS2のデューティサイクルを制御する。1つの実施形態では、S1とS2は、両方同時に開くことも両方同時に閉じることもない(切替時の短い移行時は例外とする)。波形生成器回路826と比較回路840は、切替制御回路構成880内の回路構成の例である。
【0084】
S1が閉じられたとき、T1及びT2で電磁界が変化し、同時にC1及びC2を横断する静電位は改変され、電力ソース802からのエネルギーは電磁気的にT1及びT2へ分配され、一方で静電気的にC1及びC2に分配される。S1が開いたとき、S2は閉じ、T1の磁束は減少し始める。こうして、T1に貯蔵されているエネルギーは、N3を通り、回路874のコンデンサC1とC2へ流れてゆき、当該エネルギーの一部は静電界としてC1とC2に溜まり、また一部はノードN5及び誘導器L4を通って回路876のT2に流入する。T2の残留磁束も減少し始め、エネルギーがN2を通って負荷890へ伝送される。S1が閉じ、S2が再び開いたとき、T1の磁束は増加し始め、一方、磁束T2も、以前にC1とC2へ貯蔵された静電気エネルギーの一部を消費しながら増加する。こうして、回路874に貯蔵されていたエネルギーは、放出され、T2と負荷に伝送される。スイッチを適切な周波数で駆動することにより、T1とT2を飽和状態に追いやることができ、結果的にソース802から負荷への効率的なエネルギー伝送がもたらされる。
【0085】
多相エネルギー伝送は、2つ又はそれ以上の相入力を組み合わせて、磁心に、入力の角二等分線に等しい合成束を発生させる。(注:或る角度の角二等分線は、同角度を形成している2つの射線(半直線)から等距離の点の軌跡であることが知られている)。電力抽出器のこの実施形態では、コンデンサC1とC2は、T1とT2の二次巻線(L3とL4それぞれ)に印加される電流の位相をシフトするのに使用される。こうして、多相入力が、T2とT3の磁心に適用される。多相入力の総和が、変圧器の一次巻線L1及びL3の磁束の増減中に現れる電動力を改変する。その結果、回路872と876がそれぞれソースと負荷に呈するインピーダンスの無効成分の高い周波数変分が(電力抽出器の動作周波数の帯域幅内で)無効化される。回路872と876は、多相二等分線エネルギー伝送を生じさせ且つ回路874とインターフェースする多相二等分線エネルギー伝送回路構成としてもよい。
【0086】
回路872の動的特性のせいで、電力ソース102は、電力抽出器810の誘導器L1の等価インピーダンスが「見える」。誘導器L2と負荷890に関しても同様である。電力抽出器810の入力及び出力のインピーダンスは、S1とS2のデューティサイクルを制御することによって調節される。インピーダンスの電力ソース802との最適整合は、電力ソースからの最大電力抽出が達成されたときに起こる。
【0087】
電力勾配検出回路構成830、電力変化表示信号、及び比較回路構成840は、電力ソース802からの最大電力抽出(即ち、ΔP/ΔV=0)を実現するように切替回路構成850のデューティサイクルを制御する制御ループの一部である。制御ループは、更に、電力伝送回路構成870を通る電力伝送の効率に影響を与えるように切替回路850の切替周波数を制御することもできる。単に一例として、周波数は、誘導器の飽和限界に応じ、100KHzから250KHzの範囲にあってもよい。しかしながら、他の実施形態では、周波数は、実質的に異なっていてもよい。誘導器及び関連付けられている磁心と、コンデンサの様な他の構成要素の大きさ及び他の態様は、所望の電力伝送能力、効率、及び利用可能な空間を含む様々な判定基準に合致するように選定することができる。幾つかの実施形態では、周波数は、波形生成器回路826からの波形の周波数を変化させることによって変えることができる。幾つかの実施形態では、周波数は、制御ループによって、電流のオンタイム立ち上がりがエネルギー伝送回路構成の最小電流と最大電流の間であるかどうかに応じて制御されている。
【0088】
ここでの使用につき、切替回路850のデューティサイクルとは、S1のオンタイム対S1とS2の合計オンタイムの比である(即ち、デューティサイクル=S1/(S1+S2))。デューティサイクルは、他の実施形態では、S1及び/又はS2と関連付けられる異なる比によって画定することもできるであろう。電力ソース802と負荷890の電圧が等しく、デューティサイクルが50%であるとき、幾つかの実施形態では、電力抽出器810を通る電力伝送はゼロである。電力ソース802と負荷890の電圧が異なっている場合、デューティサイクルをもっと高くするか又はもっと低くすれば、電力抽出器810を通る電力伝送はゼロになる。こうして、切替回路850の或る特定のデューティサイクルは、電力伝送回路構成870を通る電力伝送の或る特定の方向又は量に結び付けられない。
【0089】
電力変化は継続的に検出され、切替制御信号は継続的に更新され得ることが理解されるであろう。アナログ回路を使用することは、継続的な検出及び更新を行う1つのやり方である。デジタル回路(例えばプロセッサなど)を使用することは、継続的な検出及び切替制御信号更新を行うもう1つのやり方である。幾つかのデジタル回路からの更新が、或る意味で、厳密には継続的ではないとしても、それが、あらゆる実際的な目的において、真に継続的な更新と同じ結果を生む場合は、継続的と見なしてもよい。一例として、切替制御信号の更新は、変化の周波数が制御ループ帯域幅の外である場合は、同様に継続的と見なされる。場合によっては、切替制御信号の更新は、変化の周波数が制御帯域幅内であるとき、同様に継続的と見なすことができる。単に一例として、幾つかの実施例では、制御ループ帯域幅は、約800Hzであってもよい。他の実施形態では、制御ループ帯域幅は、800Hzより高く、恐らくは800Hzよりかなり高い。更に他の実施形態では、制御ループ帯域幅は、800Hzより低く、所望の実施及び性能によっては、400Hzより低いこともある。
【0090】
プロセッサ/ASIC及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)822(以下、プロセッサ822)、スケーリング回路構成824、電流センサー(CS)862及び864が、更に含まれていてもよい。プロセッサ822は、ノードN1*の感知された電流並びに電圧を表示する信号を受信する。文字AとBは、電流センサーとプロセッサ822の間の接続部を示している。1つの実施形態では、更に、プロセッサ822は、情報を集め、及び/又は下位負荷への制御を提供する。電流情報は、電力伝送の速度、量、及び効率の様な情報を表示するのに使用することができる。その様な情報を集める1つの理由は、プロセッサ822が、(第2のモードの様な)保護モードにあるのか、又は(第1のモードの様な)通常動作モードにあるのかを判定するためである。
【0091】
保護モードでは、電力抽出器810又は負荷890に保護を提供するためにプロセッサ822ができることは様々ある。1つの選択肢は、スイッチS1とS2の両方を開くことである。別の選択肢は、バイアス信号をスケーリング回路構成824に提供することであり、同信号は回路構成836内で電力勾配表示信号と組み合わされて導体838の切替制御信号を作成する。例えば、バイアス信号が切替制御信号を非常に高くすると、デューティサイクルは低くなり、電流は小さくなる。保護モードでの電力の調整は、電力を完全に遮断することであってもよいし、単に電力を削減することであってもよい。保護モードでは、目標は、もはや、伝送される電力を最大化することではない。幾つかの実施形態では、バイアス信号は、単なる保護モード以外の目的のためにアサートされる。
【0092】
また、電流センサー852と854は、スイッチS1とS2を通る電流を表示する信号を提供し、同信号は加算器856で加算される。電力は、加算器856からの平均電流に関係付けられてもよい。これらを積分器858に提供し、電力を表示する信号が提供されるようにし、当該信号を微分器832によって微分し、増幅器834によって増幅させてもよい。
【0093】
図9−図13それぞれは、電力伝送回路構成の或る実施形態のブロック線図を示している。図8の電力伝送回路構成は、図9に再現されており、図10−図13に示されている代わりの電力伝送回路構成と比較することができる。抵抗器、コンデンサ、及び誘導器の値(R1、R2、C1、C2、C3、C4、L1、L2、L3、L4、L5、及びL6)は、必ずしもそれぞれの図面で同じとは限らない。以下に回路872、874、及び876の修正型に言及しているが、それらは図9に描かれているものに関連した修正型であることが理解されるであろう。
【0094】
図10を参照すると、回路872と876は、誘導器L3及びL4と大地の間にRC回路を含むように修正されている。こうして、図9の大地に接続されているL3のノードは、R1とC3に並列に接続しており、R1とC3自体は大地に接続している。同様に、L4は、R2とC4に並列に接続しており、R2とC4自体は大地に接続している。更に、回路874は、L3とL4の間に接続されているL5を含むように修正されている。N5は、L3とL4には接続されているのではなく、L5の巻線に(最も論理的には中間に)接続されている。
【0095】
図11を参照すると、回路872は、L3と大地の間に抵抗器R1を含むように修正されており、回路876は、L4と大地の間に抵抗器R2を含むように修正されている。また、回路874は、L3とノードN5の間に誘導器L5を含み、L4とノードN5の間に誘導器L6を含むように修正されている。コンデンサC3は、L3とL4の間に接続されている。
【0096】
図12を参照すると、回路872は、L3に接続されている誘導器L5を含むように修正されており、L5自体は、R1とC3の並列RC回路に接続され大地に到る。同様に、回路876は、L4に接続されている誘導器L6を含むように修正されており、L6は、R2とC4に並列に接続され大地に到る。
【0097】
図13を参照すると、回路872は、L3と大地の間に誘導器L5を含むように修正されており、回路876は、L4と大地の間に誘導器L6を含むように修正されている。回路874は、R1がL3とN5の間に接続され、更にR2がL4とN5の間に接続されるように修正されている。また、コンデンサC3は、L3とR1と大地の間に接続されている。同様に、コンデンサC4は、L4とR2と大地の間に接続されている。
【0098】
図14は、現地ソース及び公益事業者送電網から、現地ソースに隣接する送電網負荷への電力の併給発電の或る実施形態のブロック線図である。システム1400は、現地ソースからの電力を送電網結合負荷へ力率を調整して伝送する。システム1400は、準安定ソース1410、インバータ1420、負荷Z1402、及び公益事業者送電網1430を含む電力システムを表している。負荷Z1402は、送電網1430に結合されている第1の消費者構内を表しており、負荷Z1404は、送電網1430に結合されている第2の消費者構内を表している。負荷Z1404は、送電網130への接続点に関しては負荷Z1402と同じ電気システム内にはなく、従って、負荷Z1402にとって現地ではない。
【0099】
しかしながら、負荷Z1404は、負荷Z1402にとって現地である電力ソースから生成される電力出力が、無視できない効果を伴って負荷Z1404に方向決めされるという点では近隣であるとしてもよい。負荷が、負荷Z1402からZ1404への電力伝送の効果が全体として見た送電網への効果を無視できるほど極僅かにしか上回らないぐらい地理的に遠く離れていれば、当該負荷は電気目的上は電力ソースの近隣ではない。
【0100】
ソース1410とインバータ1420は、負荷Z1402にとって現地であり、負荷に電力を提供している。1つの実施形態では、通常動作下で、DC電力は、ソース1410から引き出されると、インバータによって抽出され、逆変換され、動的に処理されて、比較的高調波歪み及びばらつきがなく、送電網1430からのAC電圧信号と完全に同位相の最大AC電流を動的に発生させる。生成されたAC電流を送電網AC電圧と同位相にすることで、力率が1か又は1に近いAC電力を負荷Z1402向けに発生させるが、これは負荷によって引き出される全ての無効電力は送電網1430から来ることを意味する。ソース1410が負荷Z1402の実効電力要求量を満たすのに必要であるより多くのエネルギーを発生させていれば、電力補正済み歪み濾過済みの電力が送電網1430へ送達され、更に分配されることになる。
【0101】
電力を送電網1430へ送るための閾値電圧は、送電網の平均電圧より3−5%上とすることができる。理想的には、負荷Z1402と関連付けられている顧客は、送電網1430に提供される余剰電力の対価を、現金の支払いという形態か又は送電網1430から消費される電気代からの控除としてかの何れかで補償されることになろう。
【0102】
送電網1430に戻し送給されるソース1410からの余剰電力は、近隣負荷(例えば、第2の送電網顧客の負荷Z1404)の負荷要求量を満たすべく伝送されてもよい。様々な実施形態では、電力は、単一の変圧器の向こう側へ伝送されてもよい。送電網1430に従来型の併給発電電力(所望の力率及び歪み特性を有する電力)を提供することに加え、システム1400の動作は、送電網1430(例えば、公益事業会社)にとって、特に電力消費のピーク時に、より望ましいであろう他の特性を有する電力を提供するように修正することができる。
【0103】
より具体的には、インバータ1420は、電流と電圧が他方に先行又は遅行する電力を(静的又は動的に)発生させるように構成されていてもよい。このやり方では、電力は、誘導性又は容量性の無効電力を呈する電力三角形を用いて発生させることができ、電力三角形を、公益事業者は、負荷Z1402の領域内で容量性又は誘導性それぞれの電力の増大化を打ち消すか又は相殺するのに使用することができる。この場合もやはり、単一のインバータ1420で作り出される送電網への電位効果は、送電網に沿って1つ又は2つのホップを越えては伝送されないかもしれない。しかしながら、領域に1つ又は複数のインバータがあれば、それらの現地領域の中で、例えば近隣同士のグループの中で、制御を提供するのに効果を発揮することができるであろう。その様なインバータを多くの近隣間で保有することによって効果を倍増させれば、送電網は、現地制御はもとより公益事業者側の送電網制御によっても、より一層効果的に管理することができる。
【0104】
図15は、力率向上型電源装置の或る実施形態のブロック線図である。様々な実施形態では、電源装置の効率は力率の向上に基づいて増加し得る。AC/DC電源装置は、供給装置へ送達されるAC電力を負荷へ送達されるDC電力と比較することによって、効率が測定される。システム1500に示されている力率調整を施せば、ここに説明されている力率制御の原理に基づいて、より効率の高い電源装置を提供することができる。
【0105】
システム1500は、AC電力ソースである送電網AC1510を含んでいる。力率(PF)向上型電源装置1520(以下、「電源装置1520」)は、従来型のシステムで行われる様にAC入力を直接AC/DC変換器1524に送るのではなく、先ず、入ってくるAC電力の力率を調整する。力率調整器1522は、ソース1510からの入力AC信号を修正して、力率が入力で1又は1に近い電力を電源装置1520へ送達する。1又は1に近い、即ち1つの信号をもう1つの信号と同位相にするということは、力率が1から数パーセントポイントの公差内にあることを意味していると理解されてもよい。力率は、即座に1にならないかもしれないが、システムが力率を所望値に調整するのに掛かる調節時間は数秒もあればよいことが理解されるであろう。
【0106】
電源装置の入力において1又は1に近い力率を作り出すことによって、より多くの実効電力が電源装置1520に送られ、ひいてはDC負荷1530へのDC電力送達の効率が高まる。こうして、力率調整器と電源装置を合体させた場合、効率は、ソース1510によって提供される電力に関して、従来の電源装置単独の場合より高くなる。
【0107】
図16A−図16Bは、力率調整によって制御される位相、有効電力、及び無効電力の或る実施形態を示している。当技術では理解されている様に、「無効電力」という用語は、90度位相が外れている電圧と電流に関連付けられる電力を指す。角度が、何か他の量、例えば80度又は30度の位相外れである電力は、有効電力と無効電力の両方の「混合物」である。
【0108】
図16Aに示されている直角三角形を考えてみよう。三角形では、底辺1606は、電圧波形を表し、斜辺1604は電流波形を表している。電圧波形と電流波形の間の角度1602は、有効電力と皮相電力の間と同じ角度である。電流波形と電圧波形の間の角度を調節すれば、力率は所望の値に又は所望の値に向けて調整される。
【0109】
図16Bは、底辺1614が有効電力の量を表し、垂辺1616が無効電力を表している直角三角形を示している。よって、水平辺又は底辺と斜辺(皮相電力1612)の間の角度1602は、一体でこれらの電力を生成している電圧と電流の間の角度と同じである。斜辺1612の長さは一定であり、従って、円1610の円周に重なることが理解されるであろう。斜辺1612は、「皮相」電力を表している。角度1602が増すと、有効電力1614は減少し、一方で無効電力1616は増加する。従って、位相角度を制御することにより、有効電力と無効電力の混合具合を制御することが可能である。
【0110】
「力率」という用語は、有効電力1614対皮相電力1612の比である。皮相電力は一定のままであり、従って、角度1602が増すと、力率が減ることが理解されるであろう。従って、「電圧と電流の間の位相角度」を正確に意味しながら極めて短縮された用語が「力率」である。専門用語では、それら2つの用語は置き換え可能に用いられている。位相角度1602が0の値を有しているとき、最大力率は1に等しくなる。位相角度1602が90度であるとき、最小力率は0に等しくなる。
【0111】
送電網結合の任意波形の適応生成及び制御の出現に伴い、力率をインバータの出力において管理及び制御することができるようになる。インバータの出力の力率を制御することは、それが現地分配システムに無効電力を提供する代わりの手段となるので、公益事業者側にとっては有益である。公益事業者は、従って、現地ソース(例えば、太陽光起電(PV)システム)がこの無効電力を供給すれば、公益事業者がそれを自分達で発生させなくてはならないか又はそれを現地で補償しなければならない場合よりも、相当な金額を節約できる。
【0112】
米国カリフォルニア州は、近年、同州で営業している公益事業者に対し、太陽PV所有者が有効電力と無効電力を送電網に供給している場合にはそれら両方の電力の代価を所有者に支払うように要求した。他の州も追随するものと予想される。従って、PV所有者にとって、彼らが合意している料金表及び/又はPPAにもよるが、両方の型式の電力の混合を供給することには多大な利益がある。
【0113】
公益事業者は、従って、PV所有者が力率制御式PVシステムを建築することを奨励する料金表を創出することに意欲を持ち、一方でPV所有者は、それらを自分たちのPVシステムで使用することに意欲を持つ。電力をPV(又は他の現地ソース)システムから送電網へ送電網条件(例えば、日内時間、無効電力及び/又は有効電力必要量)に基づいて供給することは、公益事業者と消費者の双方に利益を生む。
【0114】
図17は、現地負荷の力率を制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム1700は、電気計量器1730(以下、「計量器1730」)を介して公益事業者送電網1740(以下、「送電網1740」)に結合されている典型的なインバータ1720(例えば、太陽PVインバータ)であって、点「A」の力率を制御しているインバータを示している。点Bは、現地負荷Z1702及びそれと関係付けられている電気システム(即ち、ソース1710とインバータ1720を含む)のための、送電網1740への接続点を表している。有効電力と無効電力の適切な混合を提供することによって、ソース1710の所有者への利益は、計量器1730における料金表の合意要素に従って最大化される。その様な制御及び管理は、オンデマンド式として例えば遠隔制御アルゴリズム1728への遠隔制御通信によるか、又は自動的なソフトウェアアルゴリズム1726によるかの何れかで行うことができ、それらはどちらもインバータ1720自体に組み込むことができる。インバータ1720は、上述の様に電力伝送機能を提供する逆変換プロセッサ1722を含んでいる。逆変換制御装置1724が、逆変換プロセッサ1722の動作を制御し、電力を変換させ力率を調整させる。
【0115】
点B又は点Cの何れかの力率は、点Aの力率を制御することによって制御することが可能である。点Cは送電網上の如何なる場所とも解釈できることが理解されるであろう。距離的に計量器1730からあまりにも遠く離れた力率を制御しようとすることには実用上の制限がある。よって、点Cは、計量器のすぐ向こう側か、計量器から一定の妥当な距離だけ向こう側とすることができる。近隣又は地理的区域の中のアレイ全部又はそれらの多くについて、公益事業者が(例えば、WiFi(例えば、802.1xワイヤレスシステム)を使用することによって)監視を行うことができる実施例がある。力率を自動的に補正している近隣のPVアレイ群があると仮定して、公益事業者が近隣所有者らとの間で彼らの出力力率を制御する上で料金表の合意を有していれば、それらアレイは公益事業者に益をもたらすべく連携することができる。その様な実施例では、それらのインバータは、計量器より向こうの、但し遠く離れすぎて無意味になることのないところの力率を知る必要があるかもしれない。
【0116】
図18は、送電網に面している接続部の力率を、現地負荷の力率を制御することによって制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム1800は、点Bか点Cの何れかの力率を、点Aの力率を制御することによって制御することを説明している。何れの時点においても、現地負荷Z1802へ流入する電力の量は、負荷の特性のみによって決まり、他の何物にも左右されない。当該電力は、(現地ソース由来の)インバータ1810から、又は送電網1830から、又は併せて両方から、入って来る。インバータ1810と送電網1830は両方とも、有効電力と無効電力の両方から成る皮相電力を発生させている(以上の図16Aと図16Bを参照)。
【0117】
従って、制定されている料金表が、Z1802の顧客に、送電網1830によって供給される有効電力だけを支払わせている場合は、消費者にとって最適利益は、送電網からの計量器1820を横断する有効電力の流れを削減することである。その場合は、インバータ1810は、現地負荷Z1802の需要を満たすのに、有効電力を全て供給し、無効電力を供給しないようにすればよい。負荷Z1802が必要とする無効電力は、このとき、全部が送電網によって供給される。点Aの位相角度を小さくすれば、必然的に、全無効電力が送電網から入るように仕向けることができる。インバータ1810からの電力の力率がイチ(1)であるなら、インバータ1810から入って来る無効電力成分はゼロとなり、無効電力は全て送電網1830によって供給されなくてはならないことが理解されるであろう。こうして、点Aでの電力送達を制御することは、必然的に点Bから電気システムへ入ってくる電力に影響を及ぼす。
【0118】
他方、制定されている料金表が、顧客に、無効電力については有効電力より高い代価を支払うように要求している場合は、最適利益は、インバータが負荷Z1802の無効電力需要の全てを提供し、一方で送電網に負荷の有効電力需要の全部とまではいかなくても殆どを供給させることである。点Aの位相角度を大きくすれば、上述と同様の理由で当該目標を達成するであろう。
【0119】
制定されている料金表によれば顧客にとっての最適利益は、有効電力と無効電力の混合を発生させることである場合もある。両方を現地電力ソースから供給できる限りにおいて、現地負荷の必要量は現地ソースによって満たすことができる。現地ソースが現地負荷が要求するより多くを供給する限りにおいて、生成された調整済み電力の余りは送電網1830へと送り出すことができる。
【0120】
よって、顧客にとっての「最適利益」は、制定された料金表が何を規定しているかに依存することが理解されるであろう。多くの場合、最適利益は、動的に計算され、リアルタイムで適用されることになる。例えば、インバータ1810の制御用装置に埋め込まれているソフトウェアアルゴリズムが計算を行ってもよいであろう。他の場合及び状況では、「最適利益」の設定は、遠隔的に通信リンクを介して適用することもできるであろう。
【0121】
図19は、送電網接続部の力率を、電力ソースファームの力率を制御することによって制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。非常に大きいPVアレイの様な大型の現地電力ソース、又は(「ソーラーファーム」の様な)自然に優しいエネルギー「ファーム」の場合、或る特定の時点における「最適利益」は、消費者の必要性ではなくて公益事業者の必要性によって制御されてもよい。例えば、公益事業者は、降下中の電圧を支援するために、無効電力の送電網への挿入を必要とすることがあるかもしれない。その様な事例では、公益事業者は、PPA(買電契約)に添付される料金表であって、公益事業者にソーラーファームの出力の力率設定を制御する権限を与える料金表を立案しておいてもよい。力率設定は、現地決裁ではなく、公益事業者によって遠隔的に制御されることになる。
【0122】
システム1900は、マスター制御装置により制御される電力ソース「ファーム」のその様なシナリオを説明している。システム1900は、複数のインバータ1912−1916を含んでいる。それぞれのインバータは、関連付けられている遠隔制御メカニズム1922−1926を各々有している。遠隔制御メカニズムは、通信インターフェース(コネクタ、物理的ネットワーク化インターフェース、プロトコルスタック、及び、遠隔的に通信したりコマンドを受信したりするのに必要な何か他のものを含む)を含んでいてもよい。その場合、遠隔制御メカニズムは、更に、遠隔的に受信されたコマンドを、関連付けられているインバータの性能又は出力を調節するのに適用する制御論理を有している。
【0123】
インバータの動作は、以上に他の図に関連して説明されている。インバータは、フィードバック信号に応えて変更を適用することに加え、或いはフィードバック信号に応えて変更を適用する代わりに、遠隔コマンドに応えて変更を適用することもできる。コマンドは、所望の力率、デルタ又は補正値、又は適用することのできる相対値を表示していてもよいし、現地で測定し測定値に基づいて補正するように指示していてもよい。
【0124】
マスター制御装置1932は、公益事業者側に位置していてもよいし、インバータと同じ電気システム内(即ち、送電網1950への接続点の同じ側)に位置しているマスター制御装置であってもよい。マスター制御装置1932は、マスター制御装置がどんな力率をインバータから適用するかを送電網の条件に基づいて確定することを可能にするソフトウェアアルゴリズムメカニズム1934を含んでいる。遠隔制御アルゴリズム1936は、インバータと通信するのにマスター制御装置1932によって使用されるメカニズムを表している。
【0125】
それぞれのインバータ1912−1916は個々に特定の力率に設定することができ、連携する複数のデバイスの累積効果が、特定の力率に調整及び濾過された電力をもたらすことになるのが理解されるであろう。インバータを個々に異なった力率で動作させ、システム全体として特定の力率の電力を提供させる、ということは考え得るところであるが、それぞれのインバータを目標の電力送達条件(力率、電圧、及び周波数)で動作させれば、より効率的であろう。その様な手法の1つの利点は、インバータを送電網1950に点Bを通って計量器1940でインターフェースする方が、それぞれのインバータを異なった設定で動作させた場合よりも、より単純でより効率的であるはずだということである。
【0126】
システム1900の構成を用いれば、公益事業者は、緊急時に、ファーム内の全て又は一部のインバータに、無効電力の大半を発生させるようにコマンドを出すことができるであろう。システム1900では、現地負荷がない代わりに送電網1950が無限電力シンクの役目を果たしていることが理解されるであろう。送電網は、有効電力又は無効電力の何れを取ることもできる。従って、公益事業者は、インバータにコマンドを発して、送電網電圧を安定させるために必要などんな電力混合をも発生させることができる。こうして、様々な点A1、A2、…、ANでの制御は、少なくとも或る一定の地理的領域内の送電網の点B及び点Cに影響を与えることができる。
【0127】
説明されている様に、力率調整は、それぞれのインバータ1912−1916の出力(点A1−AN)及び送電網結合電気計量器(点B及び/又は点C)での有効電力と無効電力の混合を、それぞれのインバータに埋め込まれている(単数又は複数の)ソフトウェアアルゴリズムを自動的に使用して、選択するためのメカニズムを提供している。加えて、システム1900は、それぞれのインバータに組み込まれているソフトウェアプロトコルを使い、通信インターフェース(例えば、インターネットブラウザ、電話、無線、又は他の通信方法)を介して、その様な混合を遠隔的に選択し確立するためのメカニズムを提供している。また、システム1900は、マスター制御装置1932が、1つ又はそれ以上のスレーブインバータから出て来る有効電力と無効電力の所望の混合を、それぞれのインバータの自動的なメカニズム及び/又は遠隔通信メカニズムの何れかを使用して制御するためのメカニズムを提供している。
【0128】
図20、図21、及び図22は、電力を負荷に提供し、余剰電力を送電網へ送達するのに使用される様々なメカニズムを示している。図20は、送電網の力率を識別するための送電網監視の使用に焦点を当てており、送電網監視を使用して送電網の力率が識別され、情報が単一のインバータに送給されると、そこで内部のアルゴリズムが有効電力と無効電力の好適な混合を確定する。図21は、通信媒体又は通信回線であるインターネット、セルフォン回線、又は他の通信媒体を介して、遠隔力率設定を可能にする通信プロトコルの使用に焦点を当てている。遠隔通信では、力率設定を所有者が制御するのではなく公益事業者が制御することを可能にする。その様な制御は、システム2100の様な構成で実施可能である。図22は、所望の出力混合を単一のインバータ又は複数インバータのグループに命令するマスター制御装置の使用に焦点を当てている。マスター制御装置は、その内部ソフトウェアアルゴリズムに頼る自動的なメカニズムか又は遠隔通信に頼る遠隔通信メカニズムに従って行動することができる。
【0129】
図20は、力率フィードバックメカニズムの或る実施形態のブロック線図である。システム2000は、DC電力をインバータ2020に提供するソース2010を示しており、インバータは、逆変換プロセッサ2022、逆変換制御装置2024、及びソフトウェアアルゴリズム2026を含んでいる。電力は、インバータ2020から負荷Z2002へ伝送される。システム2000は、更に、力率フィードバック2032を用いて点Bの力率を監視することを示している。代わりに、監視は、点Bの他に計量器2030より向こうの点Cで行うこともできるであろう。
【0130】
点B又は点Cの何れかの力率を監視すれば、ソフトウェアアルゴリズム2026(即ち、制御論理)が、実際の力率を所望の力率と比較し、ひいては点Aでのインバータ2020の出力電力を自律調節できるようになる。以上に示されている様に、点Aの出力を制御することによって、インバータ2020は、送電網結合接続部又は送電網を臨む接点の力率を、最適利益の値に近づけてゆく。最適利益は、常に力率1とは限らない。上述の様に、力率は、送電網条件並びに料金表条件に基づいて最適に或る値に設定される。(単数又は複数の)アルゴリズム2026は、現在適用可能な料金表に依存する「最適利益」計算を使用することができ、その様な料金表の中で公益事業者が要求し得るありとあらゆる因子を含んでいる。
【0131】
図21は、力率を遠隔的に制御するための通信システムの或る実施形態のブロック線図である。システム2100は、DC電力をインバータ2120に提供するソース2110を示しており、インバータは、逆変換プロセッサ2122、逆変換制御装置2124、ソフトウェアアルゴリズム2126、及び遠隔制御メカニズム2128を含んでいる。電力は、インバータ2120から負荷Z2102へ伝送される。送電網2140からの電力は、計量器2130で測定される。力率は、点B(又はどこか他の点C)で測定され、力率フィードバック2132としてソフトウェアアルゴリズム2126に提供されることになる。
【0132】
システム2100は、更に、遠隔通信2162の使用を示している。それぞれの通信形態は異なった通信プロトコルを使用していてもよい。遠隔制御2128は、1つ又は複数の通信メカニズムへの支援を含んでいてもよい。その様なメカニズムには、例えばインターネット経由での、ウェブブラウザ2152、セルフォン又は他のモバイルアプリケーション2154、無線送信器(RF帯域内の何れかの信号による)2156、家庭又は共同体のワイヤレスシステム(例えば、IEEE802.1xシステム)2158、テルネット2160又は他のダイアルアップメカニズム、又は別の通信メカニズム、による通信を含めることができる。その様な通信ポータルは、負荷Z2102にとって遠隔の場所で発せられたコマンドを、インバータ2120の力率制御装置メカニズム(例えば、ソフトウェアアルゴリズム2126、逆変換制御装置2124、及び逆変換プロセッサ2122)に送給することができる。逆変換制御装置2124は、点Aの力率を変え、最終的に送電網2140側の点B及び点Cの力率を変える。通信プロトコルは2方向通信を含んでいるので、点A、点B、及び/又は点Cの何れかの現在の力率設定についての情報を遠隔の制御装置に知らせることができる。1つの実施形態では、制御装置は、「最適利益」力率設定の決定について、その様な決定が現地で下されること或いは現地で下されたその様な決定をオーバーライドすることを許容するのではなくて、自身が決定を下している。
【0133】
図22は、マスター/スレーブ構成を用いて力率を制御するシステムの或る実施形態のブロック線図である。システム2200は、複数のインバータ2212−2216を含んでおり、それぞれのインバータは、関連付けられている遠隔制御メカニズム2222−2226を有している。それぞれのインバータは、計量器2240を通して送電網2250へ送達する有効電力と無効電力の特定の混合を提供することができる。それぞれのインバータ2212−2216は、有効点A:A1、A2、...ANを有していることが示されている。或る特定の実施形態では、これら全ての点は同じ点であってもよいことが理解されるであろう。全てのインバータの出力は、組み合わされて、送電網へ送達される。
【0134】
マスター制御装置2232は、遠隔通信メカニズムを用いて、コマンドを、システム2200の1つ又はそれ以上の個々のインバータ2212−2216に送る。マスター制御装置2232は、個々のインバータ「スレーブ」を、通信システムを介し、遠隔制御2222−2226によって制御する。1つの実施形態では、マスター制御装置2232は、以上に図19で説明されている様な個々のインバータの挙動をどの様に案内するかを確定するのに、自身の内部ソフトウェアアルゴリズム2234を適用している。代わりに、マスター制御装置2232は、自身の(単数又は複数の)通信チャネルを使用し、遠隔通信アルゴリズム2236を介して、1つ又はそれ以上の遠隔場所と通信してもよい。遠隔通信の場合、コマンドは、インターネットの様な通信ポータル経由で、ウェブブラウザ2252、携帯電話又は他のモバイルアプリケーション2254、無線送信器2256、ワイヤレスシステム2258、テルネット2260、又は他の型式の対話式チャネル及びプロトコルによって、マスター制御装置2232に映し出される。その様なコマンドは、処理された後にマスター制御装置2232によって、スレーブインバータ2212−2216へ転送される。するとスレーブインバータはAの力率を然るべく変更し、ひいては送電網2250側の点B及び点Cの力率に影響を与える。
【0135】
図23は、力率制御のための制御プロセスの或る実施形態のブロック線図である。図示の制御プロセスは、以上に説明されていることに従って、例えばインバータ又はマスター制御装置のソフトウェアアルゴリズムによって実施することができる。比較アルゴリズム2310は、時間2314、接続されている電力ソースから現在利用可能な電力2316、及び料金表特性2312についての入力を受信する。比較アルゴリズムは、表ルックアップとして、変数計算として、又は状態機械に、実施することもできるであろう。時間2314は、クロック入力によって確定される。料金表特性2312は、公益事業社からの最新の料金表がその場に表示されるようにシステムの中へ構成される。料金表特性は、規則のセットとして実施することもできるであろうし、状態機械に実施することもできるであろう。利用可能な電力2316は、電力ソースを構成しているデバイスの出力を測定することによって確定される。比較は、料金表に基づく条件のセットを表示する結果を生成する。
【0136】
比較アルゴリズムの結果は、確定アルゴリズム2320で受信され、同アルゴリズムが、比較結果及び複数の他の条件又は因子に基づいて最適利益力率2330を計算する。料金表特性は、関係付けられている最適利益判定基準2322を有しており、同基準は、時間、利用可能な電力、及び料金表特性の交点を解釈するのに使用される規則のセットである。確定アルゴリズム2320は、計量器2324で測定された(点B又は点Cの何れかの)力率も考慮に入れる。1つの実施形態では、プロセスを遠隔制御するか又は遠隔的に影響を与えることが実施される可能性もあり、従って、確定アルゴリズムでは、遠隔又は外部からのコマンド又は制御が確定に影響を与えるかどうかを決める上で、遠隔オーバーライド2326が考慮される。
【0137】
1つの実施形態では、遠隔設定2318は、以上に論じられている遠隔通信チャネルを介して適用することができる。料金表設定は、遠隔システムから動的に構成及び変更することができる。料金表特性2312の変更に加え、最適利益判定基準2322も、遠隔的に変更又は構成することができる。
【0138】
確定は、システムの中で、システムの力率に影響を与えるパラメータを設定することによって実行される。よって、確定アルゴリズムの出力は、現在の力率を発生させている現在のシステム制御について設定を行うか又は設定を調節するのに使用されるパラメータということになる。どの様にして設定に遠隔的に影響を与え得るかということと同様に、確定プロセスも遠隔的にオーバーライドすることができる。プロセスのオーバーライドは、システムに確定アルゴリズムによって算出された力率変更を実施させないコマンド又は制御による他、確定アルゴリズムによって算出された設定をオーバーライドするコマンドによって行われてもよい。
【0139】
以下の特許請求の範囲に記載されている様に、1つの実施形態では、電力変換器に、現地電力ソースからの直流電流(DC)電力を受け取る段階であって、現地電力ソースと電力変換器は、電気的には、公益事業者送電網への接続点の、送電網に結合されている現地負荷と同じ側に位置しており、現地負荷は送電網の消費者構内を含んでいる、電力変換器にDC電力を受け取る段階と、電力変換器を用いてDC電力を現地負荷へ送達する交流電流(AC)電力に変換する段階と、AC電力の力率を、生成された電流の位相を送電網の電圧の位相に関して制御することによって調整する段階と、調整されたAC電力を送電網の現地負荷側へ送達する段階と、を含む方法が実施されている。
【0140】
前記受け取る段階は、電力を準安定電力ソースから受け取る段階か、又は電力を消費者構内に設置されているマイクロインバータに受け取る段階を含んでいてもよい。準安定現地電力ソースには、太陽光電力ソース、潮力電力ソース、風力電力ソース、又は熱的に連結されている熱ソースが含まれていてもよい。
【0141】
力率を調整する段階は、送電網のAC電圧に関して、位相を有する目標周期波形についての固有形状及び位相の情報を受信する段階と、出力ハードウェアを用いて出力波形を生成する段階と、出力波形をサンプリングする段階と、出力波形を、受信された固有形状及び位相の情報に基づく目標周期波形の理想バージョンを表している基準出力波形の対応する基準出力波形と比較する段階と、出力波形の基準出力波形との比較に基づくフィードバック信号を生成する段階と、実行時の出力ハードウェアの動作をフィードバック信号に基づいて調節する段階であって、出力ハードウェアの動作が調節されると、出力波形が基準出力波形及び位相に向けて収束される、ハードウェアの動作を調節する段階と、を含んでいてもよい。
【0142】
力率を調整する段階は、生成されたAC電流の位相を表に基づく位相調節を用いて調節することによって力率を調整する段階か、又は生成されたAC電流の力率を送電網の条件に基づいて調整する段階を更に含んでいてもよい。送電網の条件に基づいて調整する段階は、顧客構内からの送電網の1つ又はそれ以上の条件を測定する段階と、測定値を顧客構内の外から受信する段階か、又は接続点の他方の側からの、力率調節を示す遠隔通信を受信する段階と、遠隔通信の受信に応えて力率を調節する段階と、を含んでいてもよい。遠隔通信を受信する段階は、通信を、インターネット、セルラー、無線、又はWiFiインターフェースを介して受信する段階を含んでいてもよい。
【0143】
力率を送電網の条件に基づいて調整する段階は、接続点の同じ側のマスター制御装置からの、力率調節を示す通信を受信する段階と、通信の受信に応えて力率を調節する段階と、を含んでいてもよい。力率を調整する段階は、送電網の条件に応じて、力率を1から遠くへと落としてゆく段階を含んでいてもよい。
【0144】
力率を調整する段階は、力率を大凡1に又は1に近づくように調節する段階を含んでいてもよい。力率を調整する段階は、生成されたAC電流の力率を、送電網の公益事業者によって設定されている電力料金表を考慮することを含む最適利益分析に基づいて、調整する段階を含んでいてもよい。
【0145】
調整されたAC電力を送達する段階は、調整されたAC電力を送電網へ送達する段階を含んでいてもよい。電力は、特定の地理的区域又は近隣負荷へ送達されてもよい。
【0146】
インバータ装置の或る実施例では、インバータは、現地電力ソースから直流電流(DC)電力を受け取る入力ハードウェアであって、現地電力ソースとインバータは、電気的には、公益事業者送電網への接続点の、送電網に結合されている現地負荷と同じ側に位置しており、現地負荷は送電網の消費者構内を含んでいる、現地電力ソースからDC電力を受け取る入力ハードウェアと、DC電力を現地負荷へ送達する交流電流(AC)電力に変換するインバータハードウェアと、AC電力の力率を、生成された電流の位相を送電網の電圧の位相に関して制御することによって調整する力率調整ハードウェアと、調整されたAC電力を送電網の現地負荷側へ送達する出力ハードウェアと、を含んでいてもよい。
【0147】
力率調整ハードウェアは、力率調整を現地で確定するソフトウェアアルゴリズムを含んでいてもよい。インバータは、遠隔デバイスからの、力率調整を確定するための入力を提供するコマンドを受信する遠隔制御メカニズムを更に含んでいてもよい。
【0148】
1つの実施形態では、力率調整の実施は、AC対DC変換器のために行われ、その方法は、AC/DC電源装置に交流電流(AC)電力を受け取る段階と、AC電力の力率を、AC電力の電流の位相を電源装置のAC電圧の位相に関して制御することによって調整する段階であって、位相の制御は、AC電力の電流の位相をAC電圧の位相と同位相になるように調節することを含んでいる、力率を調整する段階と、調整されたAC電力を直流電流(DC)電力に変換する段階と、DC電力を電源装置の負荷へ送達する段階と、を含んでいてもよい。
【0149】
力率を調整する段階は、AC電流の位相を表に基づく位相調節に基づいて調節することによって、力率を調整する段階を含んでいてもよい。
【0150】
様々な動作又は機能がここに記載されているが、それらは、ソフトウェアコード、命令、構成、及び/又はデータとして記述又は定義されていてもよい。コンテンツは、直接的に実行可能(「オブジェクト」又は「実行可能」形式)であってもよいし、ソースコードであってもよいし、或いは異なったコード(「デルタ」又は「パッチ」コード)であってもよい。ここに記載されている実施形態のソフトウェアコンテンツは、コンテンツを記憶させた製造品により、又は通信インターフェースを作動させて当該通信インターフェースを介してデータを送る方法により、提供することができる。機械可読媒体が機械に記載されている機能又は動作を行わせるようにしてもよく、そうすると機械可読媒体は、情報を、記録可能/非記録可能媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のハードウェア記憶媒体)の様な、機械(例えば、コンピュータデバイス、電子システムなど)がアクセスできる形式で提供する(即ち、記憶する及び/又は送信する)何らかのメカニズムを含んでいる。通信インターフェースは、別のデバイスと通信するために有線、無線、光学などの媒体の何れかにインターフェースする何らかのメカニズムであって、例えば、メモリバスインターフェース、プロセッサバスインターフェース、インターネット接続、ディスク制御装置などを含む。通信インターフェースは、構成パラメータを提供し、及び/又は信号を送って、ソフトウェアコンテンツを記述しているデータ信号を提供するように通信インターフェースを整備することによって、構成することができる。通信インターフェースには、1つ又はそれ以上のコマンド又は信号を通信インターフェースに送ることによりアクセスすることができる。
【0151】
ここに記載されている様々な構成要素は、記載されている動作又は機能を行うための手段となり得る。ここに記載されているそれぞれの構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せを含む。構成要素は、ソフトウェアモジュール、ハードウェモジュール、専用目的ハードウェア(例えば、特定用途向けハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他のプログラム可能なデバイス)、埋め込み制御装置、ハードウェア回路構成など、として実施することができる。
【0152】
ここに記載されているものの他にも、様々な修正が、本発明の開示されている実施形態及び実施例に対し、それらの範囲から逸脱することなく加えられることであろう。従って、ここでの例示及び例は、説明を目的とするという意味に解釈されるべきであり、制限を課すという意味に解釈されてはならない。本発明の範囲は、唯一、付随の特許請求の範囲に照らして測られるべきである。
【符号の説明】
【0153】
100 電力伝送システム
Z102 負荷
110 準安定電力ソース
120 インバータ
130 公益事業者送電網
132 電力計量器
Iinverter インバータ電流
Igrid 送電網電流
IL 負荷電流
Psource 電力ソース
200 電力伝送システム
Z202 負荷
210 準安定ソース
220 インバータ
222 DC/DC変換器
224 DC/ACインバータ
S226 切替デバイス
230 送電網
232 電力計量器
234 var(volt−amperes reactive)計量器
240 制御装置(CPU)
242、244 パラメータ
250 表
400 複数電力ソース、単数電力抽出器、及び複数AC負荷を備えたシステム
412−414 電力ソース
420 インバータ
422 電力抽出器
424 逆変換回路
426 負荷モニター
432 周波数選択
434 電圧選択
436 位相選択
442−444 AC負荷
500 高調波歪みを制御するシステム
502 出力及び制御システム
504 電力ソース
506 負荷
508 出力波形
510 電力経路
512 入力フィードフォワード
514 出力同期
516 出力フィードバック
520 入力電力変換器
530 制御装置
532 基準波形表
534 更新表
540 プログラム可能波形生成器
600 送電網結合型電力変換システム
602 入力
604 入力電力についての情報
606 入力位相シフト情報
610 基準波形
622 ピーク検出
624 レベル制御
630 PWM生成器
640 インバータハードウェア
642 DC対AC変換器
644 電流波形検出器
646 電圧波形検出器
648 同期情報
650 出力
660 PID(比例・積分・微分)制御装置
662 PWM表誤差検出器
664 比例誤差ブロック
666 積分誤差ブロック
668 微分誤差ブロック
680 PWM表エントリ更新
700 複数電力ソース、単数電力抽出器、及び複数負荷を備えたシステム
712−714 電力ソース
720 入力連結ハードウェア
722、724 インターフェース回路
730 電力抽出器
732 電力伝送回路構成
734 電力伝送マネジャ
736 インピーダンス制御
740 出力連結ハードウェア
752−754 負荷
802 電力ソース
804 導体
810 電力抽出器
820 電力変化分析回路構成
822 プロセッサ
824 スケーリング回路構成
826 波形生成器回路
830 電力変化検出回路構成
832 微分器
834 増幅器
852、854、862、864(CS) 電流センサー
856 加算器
858 積分器
870 電力伝送回路構成
872、874、876 回路
880 切替制御回路構成
890 負荷
C コンデンサ
L 誘導器
N ノード
R 抵抗器
S スイッチ
T 変圧器
1400 電力伝送システム
Z1402、Z1404 負荷
1410 準安定ソース
1420 インバータ
1430 送電網
1432 計量器
1500 システム
1510 送電網AC、電力ソース
1520 力率(PF)向上型電源装置
1522 力率調整器
1524 AC/DC変換器
1530 DC負荷
1602 角度
1604 斜辺(電流波形を表現)
1606 底辺(電圧波形を表現)
1610 円
1612 斜辺(皮相電力を表現)
1614 底辺(有効電力を表現)
1616 垂辺(無効電力を表現)
1700 現地負荷の力率を制御するシステム
Z1702 現地負荷
1710 電力ソース
1720 インバータ
1722 逆変換プロセッサ
1724 逆変換制御装置
1726 ソフトウェアアルゴリズム
1730 電気計量器
1740 公益事業者送電網
1800 力率を制御するシステム
Z1802 現地負荷
1810 インバータ
1820 計量器
1830 送電網
1900 電力ソース「ファーム」システム
1912−1916 インバータ
1922−1926 遠隔制御メカニズム
1932 マスター制御装置
1934 ソフトウェアアルゴリズムメカニズム
1936 遠隔制御アルゴリズム
1940 計量器
1950 送電網
2000 力率フィードバックシステム
2010 ソース
2020 インバータ
2022 逆変換プロセッサ
2024 逆変換制御装置
2026 ソフトウェアアルゴリズム
2030 計量器
2032 力率フィードバック
2032 力率フィードバック
2100 力率設定を公益事業者側で制御するシステム
Z2102 負荷
2122 逆変換プロセッサ
2128 遠隔制御
2130 計量器
2140 送電網
2152 ウェブブラウザ
2154 モバイルアプリケーション
2156 無線送信器
2158 ワイヤレスシステム
2160 テルネット
2162 遠隔通信
2200 マスター/スレーブ構成を使って力率を制御するシステム
2212−2216 スレーブインバータ
2222−2226 遠隔制御メカニズム
2232 マスター制御装置
2234 ソフトウェアアルゴリズム
2236 遠隔通信アルゴリズム
2240 計量器
2250 送電網
2252 ウェブブラウザ
2254 携帯電話又は他のモバイルアプリケーション
2256 無線送信器
2258 ワイヤレスシステム
2260 テルネット
2310 比較アルゴリズム
2312 料金表特性
2314 時間
2316 利用可能電力
2318 遠隔設定
2320 確定アルゴリズム
2322 最適利益判定基準
2324 力率
2326 遠隔オーバーライド
2330 最適利益力率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換器に、現地電力ソースからの直流電流(DC)電力を受け取る段階であって、前記現地電力ソースと前記電力変換器は、電気的には、公益事業者送電網への接続点の、前記送電網に結合されている現地負荷と同じ側に位置しており、前記現地負荷は前記送電網の消費者構内を含んでいる、電力変換器にDC電力を受け取る段階と、
前記電力変換器を用いて前記DC電力を前記現地負荷へ送達する交流電流(AC)電力に変換する段階と、
前記AC電力の力率を、生成された電流の位相を前記送電網の電圧の位相に関して制御することによって調整する段階と、
調整された前記AC電力を前記送電網の前記現地負荷側へ送達する段階と
から成る方法。
【請求項2】
前記電力変換器に受け取る段階は、前記消費者構内に設置されているマイクロインバータに受け取る段階を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現地電力ソースからの電力を受け取る段階は、準安定電力ソースからの電力を受け取る段階を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記準安定現地電力ソースからの電力を受け取る段階は、
太陽光電力ソース、潮力電力ソース、風力電力ソース、又は熱的に連結されている熱ソースからの電力を受け取る段階を含んでいる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記力率を調整する段階は、
前記送電網のAC電圧に関して、位相を有する目標周期波形についての固有形状及び位相の情報を受信する段階と、
出力ハードウェアを用いて出力波形を生成する段階と、
前記出力波形をサンプリングする段階と、
前記出力波形を、受信された前記固有形状及び位相の情報に基づく前記目標周期波形の理想バージョンを表している基準出力波形の対応する基準出力波形と比較する段階と、
前記出力波形の前記基準出力波形との比較に基づくフィードバック信号を生成する段階と、
実行時の前記出力ハードウェアの動作を前記フィードバック信号に基づいて調節する段階であって、前記出力ハードウェアの前記動作が調節されると、前記出力波形が前記基準出力波形及び位相に向けて収束される、ハードウェアの動作を調節する段階と、を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記力率を調整する段階は、
生成されたAC電流の位相を表に基づく位相調節を用いて調節することによって、前記力率を調整する段階、を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記力率を調整する段階は、
生成された前記AC電流の力率を前記送電網の条件に基づいて調整する段階を、更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記力率を前記送電網の条件に基づいて調整する段階は、
前記顧客構内からの前記送電網の1つ又はそれ以上の条件を測定する段階を更に含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記力率を前記送電網の条件に基づいて調整する段階は、
接続点の他方の側からの、力率調節を示す遠隔通信を受信する段階と、
前記遠隔通信の受信に応えて前記力率を調節する段階と、を更に含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記遠隔通信を受信する段階は、
インターネット、セルラー、無線、又はWiFiインターフェースを介して通信を受信する段階を含んでいる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記力率を前記送電網の条件に基づいて調整する段階は、
前記接続点の同じ側のマスター制御装置からの、力率調節を示す通信を受信する段階と、
前記通信の受信に応えて前記力率を調節する段階と、を更に含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記力率を調整する段階は、
前記送電網の条件に応じて、前記力率を1から遠くへと落としてゆく段階を含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記力率を調整する段階は、
前記力率を大凡1に調節する段階を含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記力率を調整する段階は、
生成された前記AC電流の前記力率を、前記送電網の公益事業者によって設定されている電力料金表を考慮することを含む最適利益分析に基づいて、調整する段階、を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
調整された前記AC電力を送達する段階は、
調整されたAC電力を前記送電網へ送達する段階を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
インバータ装置において、
現地電力ソースからの直流電流(DC)電力を受け取る入力ハードウェアであって、前記現地電力ソースと前記インバータは、電気的には、公益事業者送電網への接続点の、前記送電網に結合されている現地負荷と同じ側に位置しており、前記現地負荷は前記送電網の消費者構内を含んでいる、現地電力ソースからDC電力を受け取る入力ハードウェアと、
前記DC電力を前記現地負荷へ送達する交流電流(AC)電力に変換するインバータハードウェアと、
前記AC電力の力率を、生成された電流の位相を前記送電網の電圧の位相に関して制御することによって調整する力率調整ハードウェアと、
調整された前記AC電力を前記送電網の前記現地負荷側へ送達する出力ハードウェアと、を備えているインバータ装置。
【請求項17】
前記力率調整ハードウェアは、
力率調整を現地で確定するソフトウェアアルゴリズムを更に備えている、請求項16に記載のインバータ器械。
【請求項18】
遠隔デバイスからの、力率調整を確定するための入力を提供するコマンドを受信する遠隔制御メカニズムを更に備えている、請求項16に記載のインバータ器械。
【請求項19】
AC/DC電源装置に交流電流(AC)電力を受け取る段階と、
前記AC電力の力率を、前記AC電力の電流の位相を前記電源装置のAC電圧の位相に関して制御することによって調整する段階であって、前記位相の制御は、前記AC電力の電流の位相を前記AC電圧の位相と同位相になるように調節することを含んでいる、力率を調整する段階と、
調整された前記AC電力を直流電流(DC)電力に変換する段階と、
前記DC電力を前記電源装置の負荷へ送達する段階と、から成る方法。
【請求項20】
前記力率を調整する段階は、
AC電流の位相を表に基づく位相調節に基づいて調節することによって、前記力率を調整する段階を更に含んでいる、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2012−518980(P2012−518980A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551256(P2011−551256)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/024780
【国際公開番号】WO2010/096682
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509222372)エクスレント エナジー テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】