説明

送風装置及び画像形成装置

【課題】送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき放電ワイヤ等の対象部品を有するコロナ放電器に向けて出口から出すように導く送風管を備えた送風装置として、その送風管の出口から出す空気を損失が少ない状態で効率よくコロナ放電器の対象部品に吹き付けることができる送風装置等を提供する。
【解決手段】送風装置は、空気を送る送風機と、送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき対象部品を有するコロナ放電器に向けて出口から出すように導く送風管とを備え、送風管の出口が、その出口からコロナ放電器の対象部品に至るまでの間であって当該出口の領域の一部と重複する位置に介在している介在部品と対応する前記出口の領域の一部を除く部位に貫通部を形成して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送風装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現像剤で構成される画像を記録用紙に形成する画像形成装置においては、例えば、感光体等の潜像保持体を帯電させる工程又は除電する工程や、記録用紙に未定着像を転写させる工程などにおいてコロナ放電を行うコロナ放電器を使用するものがある。
【0003】
また、コロナ放電器には、放電ワイヤやグリッド電極等の構成部品に紙粉、放電生成物等の不要物が付着することを未然に防ぐため、その構成部品に空気を吹きつける送風装置が併設されることがある。この場合の送風装置は、一般に、空気を送る送風機と、その送風機から送られる空気をコロナ放電器等の対象構造物まで導いて送り出すダクト(送風管)とで構成されている。
【0004】
そして、従来においては、送風装置等について放電ワイヤ等の構成部品に対して空気を良好に吹きつけることを可能にするための改良等が種々行われており、例えば、以下に示す送風装置等が提案されている。
【0005】
送風ファンの空気をコロナ放電装置におけるシールケースの上面部の一部に形成された開口部(空気吹き出し口)を通して放電ワイヤやグリッド電極に導くためのエアダクトとして、そのエアダクトの出口をシールドケースの上面部と同じ大きさ(広さ)で形成したものを適用する送風装置が知られている(特許文献1)。
【0006】
また、帯電器のチャージワイヤに空気を突きつけるための開口部を有するダクトを有し、そのダクトの開口部に配されて帯電器の長さ方向に往復移動する稼動部材に取り付けたブラシをチャージワイヤに接触させて清掃する清掃具を設けた帯電器に適用する送風装置等として、その清掃具の稼動部材にその長さ方向に間隔おいて複数の空気流通孔を開け、その各空気流通孔の稼動部材の長さ方向における長さがダクトの空気取り込み口に近いものほど大きく形成されている送風装置等が知られている(特許文献2)。特許文献2には、ダクトの開口部から出る空気が、清掃具の稼動部材における複数の空気流通孔を通してチャージワイヤに吹きつけられることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−198128号公報
【特許文献2】特開2001−235930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき放電ワイヤ等の対象部品を有するコロナ放電器に向けて出口から出すように導く送風管を備えた送風装置として、その送風管の出口から出す空気を損失が少ない状態で効率よくコロナ放電器の対象部品に吹き付けることができる送風装置を提供するものである。また、この発明は、その送風装置を用いてコロナ放電器の空気を吹きつけるべき対象部品に空気を効率よく吹きつけられないことに起因した放電性能の劣化がなく、かかる放電性能の劣化が影響した画質むらが発生することを防止できる画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の送風装置(A1)は、
空気を送る送風機と、
前記送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき対象部品を有するコロナ放電器に向けて出口から出すように導く送風管と
を備え、
前記送風管の出口が、その出口から前記コロナ放電器の対象部品に至るまでの間であって当該出口の領域の一部と重複する位置に介在している介在部品と対応する前記出口の領域の一部を除く部位に貫通部を形成して構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
この発明の送風装置(A2)は、上記発明A1の送風装置において、
前記送風管の出口が複数の貫通部で構成されており、
前記複数の貫通部の少なくとも一部の貫通部が、前記対象部品のうち前記出口の側から見て前記介在部品の存在により遮蔽されている部分に向く方向に相対的に傾けた状態の通気路として形成されているものである。
【0011】
この発明の送風装置(A3)は、上記発明A2の送風装置において、
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部と当該傾けていない状態の通気路からなる貫通部とが混在しており、
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部は、その通気路の開口面積が前記傾けていない状態の通気路からなる貫通部の当該通気路の開口面積よりも広くなるよう形成されているものである。
【0012】
この発明の送風装置(A4)は、上記発明A2又はA3の送風装置において、
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部は、複数あって、前記コロナ放電器からコロナ放電される対象物の移動方向に対しても複数存在するよう配置されており、
前記移動方向に対しても存在する複数の貫通部どうしは、その傾けた状態の各通気路の傾きを前記移動方向の下流側にずれるにつれて漸次増大させた状態で形成されているものである。
【0013】
この発明の送風装置(A5)は、上記発明A1からA4のいずれかの送風装置において、前記貫通部が点状の孔で構成されているものである。
【0014】
この発明の送風装置(A6)は、上記発明A1からA5のいずれかの送風装置において、前記介在部品は、空気の取り入れ口が前記送風管の出口の領域の一部と重複する位置に存在するよう形成された覆い部材と、前記対象部品を清掃する清掃装置の構成部品のうち前記送風管の出口の領域の一部と重複する位置に存在するよう配置される構成部品との少なくとも一方であるものである。
【0015】
また、この発明の画像形成装置(B1)は、空気を吹きつけるべき対象部品を有するコロナ放電器と、前記コロナ放電器にむけて空気を吹きつける送風装置とを備え、
前記送風装置が上記発明A1からA6のいずれかの送風装置で構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記発明A1の送風装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、送風管の出口から出す空気を損失が少ない状態で効率よくコロナ放電器の対象部品に吹き付けることができる。
【0017】
上記発明A2の送風装置では、上記発明A1による効果が得られることに加え、その発明の構成を有しない場合に比べて、送風管の出口から出す空気をコロナ放電器の対象部品のうち介在部品で遮蔽されている部分にも効率よく吹きつけることができる。
【0018】
上記発明A3の送風装置では、上記発明A1又は発明A2による効果が得られることに加え、その発明の構成を有しない場合に比べて、送風管の出口から出す空気をコロナ放電器の対象部品のうち介在部品で遮蔽されている部分にも風量の相対的な低下がない状態で効率よく吹きつけることができる。
【0019】
上記発明A4の送風装置では、上記発明A2又は発明A3による効果が得られることに加え、その発明の構成を有しない場合に比べて、送風管の出口から出す空気をコロナ放電器からコロナ放電される対象物の移動方向の下流側に存在する対象部品の部分にもむらの少ない状態で効率よく吹きつけることができる。
【0020】
上記発明A5の送風装置では、上記発明A1から発明A4のいずれかによる効果が得られることに加え、その発明の構成を有しない場合に比べて、送風管の出口から出す空気をむらの少ない状態で効率よく吹きつけることができる。
【0021】
上記発明A6の送風装置では、介在部品がいずれの部品であっても、上記発明A1から発明A5のいずれかによる効果を同様に得ることができる。
【0022】
上記発明B1の画像形成装置によれば、その発明の構成を有しない場合に比べて、コロナ放電器の空気を吹きつけるべき対象部品に空気を効率よく吹きつけられないことに起因した放電性能の劣化がなく、かかる放電性能の劣化が影響した画質むらが発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施の形態1等に係る送風装置を用いた画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】図1の画像形成装置が装備するコロナ放電器からなる帯電装置を示す概略斜視図とその帯電装置のQ−Q線に沿う円内に示す概略断面図である。
【図3】図2の帯電装置に適用する送風装置の概要を示す概略斜視図である。
【図4】図3の送風装置(送風ダクト)のQ−Q線に沿う断面図である。
【図5】図3の送風装置を上方から見たときの状態を示す概略図である。
【図6】図3の送風装置の送風ダクトを下方(出口)の方から見たときの出口の状態を示す図である。
【図7】図3の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図8】図3の送風装置の動作の状態などを示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係る送風装置を適用する帯電装置を示す概略斜視図とその帯電装置のQ−Q線に沿う円内に示す概略断面図である。
【図10】図9の帯電装置に適用する送風装置の概要を示す概略斜視図である。
【図11】実施の形態2に係る送風装置の送風ダクトの構成及び動作状態を示す、図10のQ−Q線に沿う断面説明図である。
【図12】図11の送風装置の送風ダクトを下方(出口)の方から見たときの出口の状態を示す図である。
【図13】図10の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図14】実施の形態3に係る送風装置の送風ダクトの構成及び動作状態を示す断面説明図である。
【図15】図14の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図16】実施の形態4に係る送風装置の送風ダクトの構成及び動作状態を示す断面説明図である。
【図17】図16の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図18】実施の形態5に係る送風装置の送風ダクトの構成及び動作状態を示す断面説明図である。
【図19】図18の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図20】実施の形態6に係る送風装置の送風ダクトの構成及び動作状態を示す断面説明図である。
【図21】図20の送風ダクトにおける出口の構成を示す断面説明図である。
【図22】送風ダクトにおける出口の開口部を構成する貫通孔の他の配置パターンを示す明図である。
【図23】送風ダクトにおける出口の開口部を構成する貫通孔の他の構成例を示す明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明を実施するための形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0025】
[実施の形態1]
図1から図3は、実施の形態1に係る送風装置を用いた画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の概要を示し、図2はその画像形成装置に使用されており、その送風装置により空気を突きつけるべき対象部品を有する帯電装置を示し、図3はその送風装置の概要を示している。
【0026】
画像形成装置1は、図1に示すように、支持フレーム、外装カバー等で構成される筐体10の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して被記録材の一例としての用紙9に転写する作像ユニット20と、作像ユニット20に供給する用紙9を収容するとともに搬送する給紙装置30と、作像ユニット20で形成されたトナー像を用紙9に定着する定着装置35を設置している。実施の形態1では、作像ユニット20として1つのみで構成されるものを例示しているが、複数のもので構成される作像ユニットを使用しても差し支えない。
【0027】
上記作像ユニット20は、例えば公知の電子写真方式を利用して構成されるものであり、矢印Aで示す方向(図中において時計回りの方向)に回転駆動する感光体ドラム21と、感光体ドラム21の像形成領域となる周面を所要の電位に帯電させる帯電装置4Aと、帯電後の感光体ドラム21の表面に外部から入力される画像情報(信号)に基づく光(矢付き点線)を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像装置24と、そのトナー像を用紙9に転写する転写装置25と、転写後の感光体ドラム21の表面に残留するトナー等を除去する清掃装置26とで主に構成されている。
【0028】
このうち帯電装置4Aとしては、コロナ放電器が使用されている。このコロナ放電器からなる帯電装置4Aは、図2等に示すように、長方形状の天板(上面部)40aとその天板40aの長手方向Bに沿って延びる長辺部から下方に垂れ下がった状態の側板40b,40cを有した形状からなるシールドケース(覆い部材)40と、シールドケース40の長手方向Bにおける両端部(短辺部)にそれぞれ取り付けられる図示しない2つの端部支持体と、この2つの端部支持体の間に、シールドケース40の内部空間を通過してほぼ直線状に張り渡した状態で取り付けられるコロナ放電ワイヤ41と、シールドケース40の下部開口部に、その下部開口部を覆ってコロナ放電ワイヤ41と感光体ドラム21の周面との間に存在した状態で取り付けられる格子状のグリッド電極(電界調整板)42とを備えている、いわゆるスコロトロン型のコロナ放電器で構成されている。
【0029】
また、帯電装置4Aは、コロナ放電ワイヤ41が、感光体ドラム21の周面と所要の間隔(例えば放電ギャップ)をあけて対向する状態でかつ感光体ドラム21の回転軸の方向に沿ってその像形成対象領域に少なくとも存在する状態になるよう配置される。また、帯電装置4Aは、画像形成時になると、図示しない電源装置から放電ワイヤ41(と感光体ドラム21との間)に帯電用の電圧が印加されるようになっている。
【0030】
さらに、帯電装置4Aは、その使用に伴ってコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に、用紙9の紙粉、コロナ放電により生成される放電生成物、トナーの外添剤等の物質(不要物)が付着して汚染されることでコロナ放電が十分に又は均一に行われなくなって帯電むら等の帯電不良が発生することがある。このため、帯電装置4Aには、放電ワイヤ41及びグリッド電極42に不要物が付着することを防止又は抑制するため放電ワイヤ41とグリッド電極42に対して空気を突きつけるための送風装置5Aが併設されている。ここで、放電ワイヤ41とグリッド電極42が、帯電装置4Aにおいて空気を突きつけるべき対象部品になる。
【0031】
また、送風装置5Aを併設することから帯電装置4Aにおけるシールドケース40の天板40aの一部には、送風装置5Aからの空気を取り込むための開口部43が形成されている。開口部43は、図2等に示すように、その開口形状が長方形であり、天板40Aの長手方向Bとほぼ直交する短手方向Cにおける片側の約半分の領域に存在するよう偏在した状態で形成されている。なお、送風装置5Aの詳細については後述する。
【0032】
給紙装置30は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の用紙9を積み重ねた状態で収容する、トレイ形式、カセット形式等の用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される用紙9を1枚ずつ搬送路にむけて送り出す送出装置32とを備え、給紙の時期が到来すると、用紙9を1枚ずつ送り出すようになっている。用紙収容体31は、利用態様に応じて複数装備される。図1における矢付きの一点鎖線は、用紙9が主に搬送されて通過する搬送路を示す。この用紙の搬送路は、複数の用紙搬送ロール対33a,33bや、図示しない搬送ガイド部材等で構成されている。
【0033】
定着装置35は、用紙9が通過する導入口及び排出口が形成された筐体36の内部に、表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体37と、この加熱回転体37の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体38とを備えている。この定着装置35は、その加熱回転体37と加圧回転体38との間に形成される定着処理部にトナー像が転写された後の用紙9を導入して通過させることで定着を行う。
【0034】
この画像形成装置1による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、用紙9の片面に画像を形成するときの基本的な画像形成動作を例に挙げて説明する。
【0035】
画像形成装置1では、その制御装置等が画像形成動作の開始指令を受けると、作像ユニット20において、回転始動する感光体ドラム21の周面が帯電装置4Aにより所定の極性及び電位に帯電される。このとき、帯電装置4Aでは、コロナ放電ワイヤ41に帯電用の電圧が印加されて放電ワイヤ41と感光体ドラム21の周面との間に電界を形成した状態でコロナ放電を発生させ、これにより感光体ドラム21の周面を所要の電位に帯電させる。この際、感光体ドラム21の帯電電位はグリッド電極42により調整される。
【0036】
続いて、帯電された感光体ドラム21の周面に対して、露光装置23から画像情報に基づく露光が行われて所要の電位差で構成される静電潜像が形成される。しかる後、感光体ドラム111に形成された静電潜像が、現像装置24を通過する際に、その現像ロール24aから供給される所要の極性に帯電された状態のトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。
【0037】
次いで、感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、感光体ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送されると、このタイミングに合わせて給紙装置30から搬送路を通して供給される用紙9に対して転写装置25により転写される。この転写後の各感光体ドラム21の周面は、清掃装置26で清掃される。
【0038】
続いて、作像ユニット2においてトナー像が転写された用紙9は、感光体ドラム21から剥離された後に定着装置35に導入されるように搬送され、定着装置35における加熱回転体37と加圧回転体38との間の定着処理部を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が溶融して用紙9に定着される。この定着が終了した後の用紙9は、定着装置35から排出されて筐体10の外部等に形成される図示しない排紙収容部等に搬送されて収容される。
【0039】
以上により、1枚の用紙9の片面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
【0040】
次に、送風装置5Aについて説明する。
【0041】
送風装置5Aは、図1や図3等に示すように、空気を送る回転ファンを有する送風機50と、その送風機50から送られる空気を取り入れて送風対象の帯電装置4にまで導いて噴出させる送風ダクト51Aとを備えている。
【0042】
送風機50としては、例えば軸流型の送風ファンが使用され、所要の風量の空気を送るように駆動制御される。また、送風ダクト51Aは、図3〜図6に示すように、送風機50から送られる空気を取り入れる入口52と、その入口52から取り入れた空気を吹きつけるべき対象部品(41,42)を有する長尺な帯電装置4Aの長手方向Bの部分(シールドケース40の天板40aの開口部43を含む一部)とほぼ向き合う状態で配置されてその空気を長手方向Bと直交する方向に沿って流れるように出す出口53と、その入口51と出口53の間をつないで空気を流すための通路空間54aが形成された本体部54とを有した形状のものである。
【0043】
送風ダクト51Aの本体部54は、一端部が入口52を設けて開口され、他端部が閉鎖されており、全体が帯電装置4Aの長手方向Bに沿って延びるように形成された角筒形状の導入通路部54Aと、導入通路部54Aの他端部寄りの部位から通路空間の幅を広げた状態でほぼ水平方向(座標軸Xとほぼ平行する方向)にほぼ直角に曲げられて延びるように形成された角筒形状の第1曲げ通路部54Bと、第1曲げ通路部54Bの一端部から通路空間の幅が同じ状態のままで下方に向かう鉛直方向(座標軸Yとほぼ平行する方向)に曲げられて帯電装置4Aに向けて延びるように形成された第2曲げ通路部54Cで構成されている。第2曲げ通路部54Cの終端部には、その終端部の通路空間54aの断面形状とほぼ同じ大きさ長方形状の領域を有する出口53が形成されている。第1曲げ通路部54Bと第2曲げ通路部54Cの通路空間54aは、その幅(長手方向Bに沿う寸法)がほぼ同じ寸法に設定されている。
【0044】
送風ダクト51Aの入口52は、開口形状がほぼ正方形になるよう形成されている。この入口52には、送風機50との間を接続して送風機50からの空気を送風ダクト51の入口52にまで送るための接続ダクト55が取り付けられている(図3)。また、送風ダクト51Aの出口53は、その開口形状が帯電装置4Aにおけるシールドケース40の天板40aの開口部43を含む一部と平行する長尺な形状(例えば長方形)になるよう形成されている。このため、この送風ダクト51Aは、入口51と出口52とが互いに異なる開口形状で形成されている関係になっている。なお、送風ダクト51については、入口51と出口52の開口形状が同一又は同種(相似形を含む)の関係にあるものでも差し支えない。
【0045】
また、この送風ダクト51Aは、図3〜図6等に示すように、その本体部54の通路空間54aにおける空気の流れを抑制するための抑制部56を設けている。実施の形態1における抑制部56は、本体部54の第1曲げ通路部54Bにおける導入通路部54Aとの接続部に近い入口側の部位に、出口53の開口形状の長手方向(帯電装置4Aの長手方向Bと同じ方向)と平行する方向に延びる形状の隙間57を有する形態として構成されている。
【0046】
つまり、この抑制部56は、第1曲げ通路部54Bの外形を変更せずに、その導入通路部54Aの通路空間54a内に板状の仕切り部材58を存在させることで構成されている。具体的には、仕切り部材64は、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aにおける上方側部分を塞ぎ、その部材の下端部64aが通路空間54aの底部に対して所要の間隔Hをあけた状態になるよう配置され、これにより、通路空間54aの下部に隙間57が存在するように形成されている。仕切り部材64は、ダクト51Aと同じ材料で一体に成形することで形成したものか、あるいはダクト51Aとは別の材料で形成したものである。
【0047】
図4と図5に示す隙間57の高さH,経路長M、及び幅(長手方向の長さ)Wは、導入通路部54Aから第1曲げ通路部54Bに流れる空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、またダクト51Aの寸法(容量)や、ダクト51A又は帯電装置4Aに流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。例えば、隙間57の高さHは、その幅方向において同じ寸法である場合に限らず、上記観点などから一律に又は部分的に変更される寸法に設定することができる。
【0048】
そして、送風ダクト51の出口53は、図4、図6等に示すように、その出口53から帯電装置4Aにおける空気を吹きつけるべき対象部品である放電ワイヤ41及びグリッド電極42に至るまでの間であって出口53の領域Sの一部S1と重複する位置に、シールドケース40における天板40aの開口部43が形成されていない部分40aaが介在している。
【0049】
このため、出口53については、図4、図6等に示すように、その全領域Sのうち少なくともシールドケース40の開口部43が形成されていない部分40aaと対向する領域部分S1を除く特定の部位S3に貫通部60を形成して構成している。このときの特定の部位S3は厳密には、図6に示すように、シールドケース40の開口部43と対向しない両端部の部位S4,S5も除いた領域である。従って、この特定の部位S3は、シールドケース40の天板40aに形成された開口部43とほぼ同じ形状及び広さに相当する領域になる。
【0050】
出口53における特定の部位S3に形成する貫通部60は、図6や図7等に示すように、開口形状が円形で通路(貫通壁に囲まれて形成される空間:通気路)が直線状の円筒形状からなる複数の貫通孔61で構成されている。この複数の貫通孔61は、出口53の領域Sのうちほぼ長方形状からなる特定の部位S3において出口53の長手方向(B)に沿って等間隔でかつ直線状に複数並べられるとともに、出口53の短手方向Cにも等間隔と同じ間隔で3つ(3列になるように)存在するように形成されている。図7等に符合Kで示す矢付きの一点鎖線は、出口53から出す空気を帯電装置4Aにおけるグリッド電極42の面にほぼ垂直に当てるように設定した基準の吹き出し方向である。
【0051】
すなわち、特定の部位S3に対し、3つの貫通孔61A,61B,61Cが長手方向(B)に沿って3つの列をなすように整然と形成されている。3つの貫通孔61A,61B,61Cはいずれも同じ条件で形成されている同一の孔である。これにより、複数の貫通孔61は、出口53の領域Sにおける特定の部位S3内で一定の密度で存在するように形成されている。また、3つの貫通孔61A,61B,61Cはいずれも、その通路が基準の吹き出し方向Kと平行となる状態で形成されている。ちなみに、実施の形態1では、基準の吹き出し方向Kを、出口53の全領域Sを構成する第2曲げ通路部54Cの末端部の面又はグリッド電極42の面とほぼ鉛直に交わる方向に設定している。
【0052】
この貫通孔61からなる開口部60は、出口53の部位を送風ダクト51Aと同じ材料で一体に成形するときに貫通孔61を同時に形成(成形)して得るものであっても、あるいは、ダクト51Aとは別の材料に貫通孔61を形成してなる多孔部材を出口53の特定部位S3に取り付けることで得るものでもよい。貫通孔61の開口形状、開口寸法、孔長さ、及び孔の存在密度については、第2曲げ通路部54Cから出口53を通して流れ出る空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、またダクト51Aの寸法(容量)や、出口53の全領域Sのうち開口部60を形成する特定の部位(S3)の面積や、ダクト51A又は帯電装置4Aに流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。開口形状が円形で通路が直線状の円筒形状からなる貫通孔61としては、例えば、開口直径が0.5〜3.0mmの孔を長手方向Bに対して50〜200個を1列状に並べるとともにその列を短手方向Cにおいて1〜20の列として存在させるものを形成することができる。さらに、出口53の開口部60が形成される部分の厚みD(図4)は、貫通部61(貫通孔61)の通気路としての必要な長さに応じた所要の寸法に設定されるが、例えば貫通孔61の開口直径の2〜5倍程度の寸法に設定される。
【0053】
以下、この送風装置5Aの動作について説明する。
【0054】
送風装置5Aは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、まず送風機50が回転駆動して所要の風量の空気を送り出す。この送風機50から送られる空気(E)は、接続ダクト55を通して送風ダクト51Aの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられる(図5)。
【0055】
続いて、送風ダクト51Aに取り入れられた空気(E)は、図5に示すように、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られる(図5の矢印E1a,51b等を参照)。導入通路部54Aから第1曲げ通路部54Bにほぼ直角の方向に曲げられた空気(E1)は、図8に示すように、第1曲げ通路部54Bの入口側に設けられた第1の抑制部61の隙間63を通過して第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図8の矢印E2a,E2bの向き等を参照)。
【0056】
この際、第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、通路空間54aの断面形状が変更された部分を通過することになるため当初は乱れた状態になるが、抑制部56の隙間57を通過することでその流れが抑制された状態になり(圧力が上昇した状態にもなる)、第2曲げ通路部54Cの通路空間54aに対して出口53の長手方向(B)における風速が少し揃えられた状態で流れ込むようになる。しかも、隙間57を通過して第1曲げ通路部54Bに流れ込む空気(E1)は、その隙間57から流れ出るときの向きが出口53の長手方向(B)と直交する方向にほぼ揃えられる。また、第2曲げ通路部54Cの通路空間54aに流れ込んだ空気(E2)は、隙間57の空間よりも容積の広い第2曲げ通路部54Cの通路空間54aにおいて滞留して風速のむらが低減される。
【0057】
最後に、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図6や図8に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53の特定の部位S3に形成された開口部60としての複数の貫通孔61を通過して出口53から吹き出される(図8の矢印E3を参照)。
【0058】
この際、出口53を構成する貫通部60としての複数の貫通孔61は、前述したように出口53の全領域Sのうち少なくともシールドケース40の天板40aにおいて開口していない部分40abと対向する領域部分S1を除いた特定の部位S3に形成されている。このため、出口53から吹き出される空気(E3)は、シールドケース40の天板40aに偏在した状態で形成されている開口部43を通過するよう進み、シールドケース40の天板40aのうち開口部43を形成していない部分40aa,40abに吹き付けられることがない。
【0059】
また、この複数の貫通孔61は、その各通路がいずれも基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、各貫通孔61から吹き出される空気(E3)がシールドケース40の開口部43を狙い通りに通過するようほぼ確実に進む。さらに、複数の貫通孔61から吹き出される空気(E3)は、それらの貫通孔61が一定の密度で配置されて同じ形状の条件で形成されているので、その各貫通孔61からそれぞれ吹き出る空気(E3)はいずれもその風速がほぼ揃った状態になる。
【0060】
そして、送風ダクト51の出口53から送り出された空気(E3)は、最終的に、図8に示すように帯電装置4Aのシールドケース40の天板40aに偏在して形成された開口部43を通してケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部中央に存在するコロナ放電ワイヤ41とそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0061】
このとき出口53から送り出された空気(E3)は、特にシールドケース40の天板40aの開口部43が形成されていない部位40aa,40abに吹きつけられことがないので、コロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に達せずに無駄になることがない。これにより、出口53から送り出された空気(E3)は、シールドケース40の一部のような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべきコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられる。
【0062】
以上のように送風装置5Aによる空気の吹きつけを行うことにより、放電ワイヤ41とグリッド電極42に付着しようとする紙粉、トナー、トナーの外添剤、放電生成物などの不要物を、そのワイヤ41や電極42から遠ざけることができる。また、そのワイヤ41や電極42に付着している不要物を取り除くことができる。この結果、帯電装置4Aにおける放電ワイヤ41やグリッド電極42の一部に不要物が付着し続けることが原因で帯電性能にむら等の劣化が発生することが防止され、感光ドラム21の周面をより均一に帯電することができる。また、この帯電装置4Aを備えた作像ユニット20で形成されるトナー像ひいては用紙9に最終的に形成される画像は、帯電むら等の帯電不良に起因した画質不良(濃度むら等)の発生が抑制された状態で良好に得られるようになる。
【0063】
[実施の形態2]
図9から図11は、実施の形態2に係る送風装置の要部を示すものである。図9はその送風装置を適用する帯電装置を示し、図10はその送風装置の概要を示し、図11はその送風装置の送風ダクト等を示している。
【0064】
実施の形態2に係る送風装置5Bを適用する帯電装置4Bは、図9に示すように、シールドケース40の一部を変更するとともにコロナ放電ワイヤ41を2本に変更し、しかもグリッド電極42を清掃する清掃装置70を追加した以外は実施の形態1における帯電装置4A(図2、図4等を参照)と同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。
【0065】
帯電装置4Bにおいては、シールドケース40の内部にその長手方向Bに沿う長方形状の仕切り板40dが設けられ、その仕切り板40dによりケース40の内部を2つの空間に分割している。また、そのシールドケース40の2つに分割した空間には、2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bがそれぞれ1本ずつ存在するように配分されて取り付けられている。さらに、そのシールドケース40は、その天板40aの仕切り板40dを挟んだ長手方向Bの両側に、その長手方向Bに沿って延びる長方形状の2つの開口部43A,43Bが形成されている。2つの開口部43A,43Bの間には、天板の一部である中央領域40acが残されている。
【0066】
また、帯電装置4Bにおける清掃装置70は、シールドケース40の天板40aの上方に長手方向Bに沿って延びるよう張り渡される送りガイド棒(ロッド)71と、この送りガイド棒71の回転により長手方向Bに沿って往復移動する移動体72と、移動板72のグリッド電極42と向き合う部位にそのグリッド電極42に接触する清掃部材73とで主に構成されている。
【0067】
このうち送りガイド棒71は、ネジ山が形成された棒であり、シールドケース40における天板40aの中央領域40acの上方に存在するように配置されるとともに、シールドケース40の長手方向Bの両端側に設置される軸受け74に対して回転自在に支持されている。また、送りガイド棒71は、その一端部71aが図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されるような状態で接続されており、その回転駆動装置からの動力により2つの方向(正転方向及び逆転方向)に切り替えて回転させられる。
【0068】
また、移動体72は、送りガイド棒71を貫通させて支持されるとともにガイド棒71のネジ山と噛み合って往復移動時の推進動力を受ける動力受け孔が形成された支持部72aと、支持部72aからシールドケースの仕切り板40acを境にして2手に分かれてグリッド電極42に接近する位置まで延びる形状に形成されたアーム部72b、72cとで形成されている。アーム部72b、72cの下部は、グリッド電極42の面とほぼ平行して向かい合う面を有する形状に形成されている。
【0069】
さらに、清掃部材73は、例えば、グリッド電極42の面に接触するブラシ材で構成され、アーム部72b、72cの下部に取り付けられている。清掃部材73としては、グリッド電極42の面に接触して清掃することができるものであれば、他の材質のものを適用することもできる。
【0070】
この清掃装置70は、非清掃時(帯電工程の実行時など)には、移動体72が待機位置に移動して停止している。待機位置は、清掃部材73がグリッド電極42の面に接触せず、移動体72が帯電工程の障害にならない位置であり、例えばシールドケース40の長手方向Bの一端部に設定されている。また、清掃時になると、送りガイド棒71が回転駆動するとともにその回転方向を途中で切り替えることにより、移動体72が待機位置を始点及び終点として長手方向Bに沿って往復移動する。これにより、清掃部材73がグリッド電極42の面に接触しながら往復移動するので、その面に付着している不要物を取り除いて清掃を行うようになっている。
【0071】
ちなみに、この清掃装置70にあっては、その送りガイド棒71(軸受け74とその周囲のガイド棒部分を除く)が、常にシールドケース40の天板40a(の中央領域40ac)の上方にほぼ平行して存在することとなり、また同時に、送風装置5Bにおける送風ダクト51Bの出口53の下方に存在することにもなる(図11)。
【0072】
一方、実施の形態2に係る送風装置5Bは、送風ダクト51の出口53について一部変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5Aと同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。
【0073】
この送風装置5Bにおける送風ダクト51Bは、図11や図13に示すように、その出口53Bから帯電装置4Bにおける空気を吹きつけるべき2本の放電ワイヤ41A,41B及びグリッド電極42に至るまでの間であって出口53Bの領域Sの一部S1,S2,S4と重複する位置に、シールドケース40における天板40aの開口部47が形成されない部分(非開口部)40aa,40abと、清掃装置70の送りガイド棒71とが介在している。このガイド棒71は、天板40aの開口部47が形成されない中央領域40acと重複する位置関係にもなっている。
【0074】
このため、送風ダクト51Bにおける出口53については、図12と図13に示すように、その全領域S(シールドケース40における天板40aの全面とほぼ向き合う部分)のうち少なくともシールドケース40の当該部分40ab,40aaと送りガイド棒71(中央領域40ac)と対向する領域部分S1,S2,S6を除く特定の部位S7,S8に、貫通部60A,60Bをそれぞれ形成して構成している。このときの特定の部位S7,S8は、厳密には、実施の形態1の場合と同様に、シールドケース40の開口部43A,43Bと対向しない両端部の部位S4,S5も除いた領域である(図12)。従って、この特定の部位S7,S8は、シールドケース40の天板40aに形成された2つの開口部43A,43Bとほぼ同じ形状及び広さにそれぞれ相当する領域になる。図11における符合59は、送風ダクト51Bの出口53Bとシールドケース40の天板40aとの間の隙間を覆い、その出口53から出る空気がその隙間から漏れ出るのを防止する接続覆い部材である。
【0075】
出口53における特定の部位S7,S8に形成する貫通部60A,60Bはいずれも、実施の形態1における貫通部60における貫通孔61と同様に、図11から図13に示すように開口形状が円形で通路が直線状の円筒形状からなる複数の貫通孔61でそれぞれ構成されている。また、貫通部60A,60Bにおける複数の貫通孔61はいずれも、出口53の領域Sのうちほぼ長方形状からなる特定の部位S7,S8において出口53の長手方向(B)に沿って等間隔でかつ直線状に複数並べられるとともに、出口53の短手方向Cにも等間隔と同じ間隔で3つ(3列になって)存在するよう形成されている。
【0076】
すなわち、特定の部位S7,S8に対し、3つの貫通孔61A,61B,61Cと3つの貫通孔61D,61E,61Fとが長手方向(B)に沿って3つの列をなすように整然と形成されている(図12)。この6つの貫通孔61A〜61Fはいずれも同じ条件で形成されている同一の孔である。これにより、複数の貫通孔61は、出口53の領域Sにおける特定の部位S7,S8内で一定の密度でそれぞれ存在するように形成されている。また、6つの貫通孔61A〜61Fはいずれも、その通路が基準の吹き出し方向Kと平行となる状態で形成されている。
【0077】
以下、この送風装置5Bの動作について説明する。
【0078】
送風装置5Bは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、まず送風機50が回転駆動して所要の風量の空気を送り出す。この送風機50から送られる空気(E)は、実施の形態1に係る送風装置5Aの場合と同様に、接続ダクト55を通して送風ダクト51Bの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられた後、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られ(図5の矢印E1a,51b等を参照)、続いて第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図11の矢印E2aの向き等を参照)。このとき第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、実施の形態1における送風ダクト51の場合と同様に、抑制部56の隙間57を通過する。
【0079】
そして、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図11や図13に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53Bの特定の部位S7,S8に形成された開口部60A,60Bとしての複数の貫通孔61を通過して出口53Bから吹き出される(図11の矢印E4a、E4bを参照)。
【0080】
この際、出口53Bを構成する貫通部60A,60Bにおける各複数の貫通孔61は、前述したように出口53Bの全領域Sのうち少なくともシールドケース40における天板40aの開口部43が形成されていない部分40ab,40aaと清掃装置70の送りガイド棒71とに対向する領域部分S1,S2,S6を除いた特定の部位S7,S8に形成されている。このため、出口53Bから吹き出される空気(E4a,E4b)は、シールドケース40の天板40aに2列に分割された状態で形成されている2つの開口部43A,43Bに分かれてそれぞれ通過するように進み、シールドケース40の天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40ab(中央領域40acを含む)や清掃装置70の送りガイド棒71に吹き付けられることがない。
【0081】
また、この貫通部60A,60Bにおける各複数の貫通孔61は、その各通路がいずれも基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、その各貫通孔61から吹き出される空気(E4a,E4b)がシールドケース40の2つの開口部43A,43Bを狙い通りに通過するよう確実に進む。さらに、貫通部60A,60Bにおける各複数の貫通孔61から吹き出される空気(E4a,E4b)は、それらの貫通孔61が一定の密度で配置されて同じ形状の条件で形成されているので、その各貫通孔61からそれぞれ吹き出る空気(E4a,E4b)はいずれもその風速がほぼ揃った状態になる。
【0082】
そして、送風ダクト51Bの出口53Bから送り出された空気(E4a,E4b)は、最終的に、図11に示すように帯電装置4Bのシールドケース40の天板40aに分割されて形成された2つの開口部43A,43Bをそれぞれ通してケース40内に吹き込まれ、そのケース40の2分割された内部空間の中央にそれぞれ存在するコロナ放電ワイヤ41A,41Bと、そのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0083】
このとき出口53Bから送り出された空気(E4a,E4b)は、特にシールドケース40の天板40aの開口部43A,43Bが形成されていない部位40aa,40ab(中央領域40acを含む)と清掃装置70の送りガイド棒71に吹きつけられことがないので、2本の放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に到達せずに無駄になることがない。これにより、出口53Bから送り出された空気(E4a,E4b)は、シールドケース40の一部や清掃装置70の送りガイド棒71のような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべき2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられる。
【0084】
以上のように送風装置5Bによる空気の吹きつけを行うことにより、2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42に付着しようとする前記不要物をその各ワイヤ41や電極42から遠ざけることができる。また、その各ワイヤ41や電極42に付着している不要物を取り除くことができる。この結果、帯電装置4Bにおける放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42の一部に不要物が付着し続けることが原因で帯電性能にむら等の劣化が発生することが防止され、感光ドラム21の周面をより均一に帯電することができる。また、この帯電装置4Bを備えた作像ユニット20で形成されるトナー像ひいては用紙9に最終的に形成される画像は、帯電むら等の帯電不良に起因した画質不良の発生が低減された状態で良好に得られるようになる。
【0085】
[実施の形態3]
図14は、実施の形態3に係る送風装置の要部(送風ダクト)を示すものである。実施の形態3に係る送風装置5Cは、図14に示すように、送風ダクト51の出口53について一部変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5Aと同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。なお、この送風装置5Cを適用する帯電装置は、実施の形態1における帯電装置4Aである。
【0086】
この送風装置5Cにおける送風ダクト51Cは、図14や図15に示すように、その出口53Cの全領域Sのうち少なくともシールドケース40の開口部43を形成していない部分40abと対向する領域部分S1を除く特定の部位S3に、貫通部60Cを形成して構成している。このときの貫通部60Cは、3つの貫通孔61A,61B,61Gが出口53の特定部位S3において長手方向(B)に沿って3つの列をなすように整然と形成されている(図6)。そして、貫通部60Cは、3つの貫通孔61A,61B,61Gのなかで出口53の特定部位S3の短手方向Cにおける中央部に近い側の部位(図15中の部位S3における右端の部位)に形成する貫通孔61Gを、基準の吹きつけ方向Kに対して傾けた状態の通気路として形成している。一方、貫通部60Cを構成する残りの貫通孔61A,61Bは、実施の形態1における出口53の貫通孔61A,61Bと同様に基準の吹きつけ方向Kとほぼ平行となる状態(傾けない状態)で形成されている。ちなみに、貫通孔61A,61B,61Gはいずれも、開口形状が同じ直径の円形で通路が直線状の円筒形状からなるものである。
【0087】
傾けた状態の貫通孔61Gは、その通路が、出口53C側から基準の吹きつけ方向Kに沿って見たとき、図14に示すように、空気を吹きつけるべきグリッド電極42のうちシールドケース40の開口部43が形成されていない部分40aaの存在により遮蔽されている部分42aに向くような角度に傾けた状態で形成されている。また、この傾けた状態の貫通孔61Gの通路の方向(図15の一点鎖線)Uと基準の吹きつけ方向Kとなす角度θ(傾き)は、出口53Cとシールドケース40の天板40aとの距離や、出口53Cと天板40aの開口部43との位置関係や、天板40aの開口部43と遮蔽される部分42aとの位置関係等の状況に応じて選定される。
【0088】
以下、この送風装置5Cの動作について説明する。
【0089】
送風装置5Cは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、送風機50から送られる空気(E)が、実施の形態1に係る送風装置5Aの場合と同様に、接続ダクト55を通して送風ダクト51Cの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられた後、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られ(図5の矢印E1a,51b等を参照)、続いて第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図14の矢印E2aの向き等を参照)。このとき第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、実施の形態1における送風ダクト51の場合と同様に、抑制部56の隙間57を通過する。
【0090】
そして、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図14や図15に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53Cの特定の部位S3に形成された開口部60Cとしての複数の貫通孔61(61A,61B,61G)を通過して出口53Cから吹き出される(図14の矢印E3a、E3bを参照)。
【0091】
この際、出口53Cを構成する貫通部60Cにおける各複数の貫通孔61は、前述したように出口53Cの全領域Sのうち少なくともシールドケース40の天板40aにおいて開口部43を形成していない部分40aa,40abに対向する領域部分S1,S2を除いた特定の部位S3に形成されている。このため、出口53Cから吹き出される空気(E3a,E3b)は、シールドケース40の天板40aにおける開口部43を通過するように進み、シールドケース40の天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40abに吹き付けられることがない。
【0092】
しかも、この貫通部60Cにおける複数の貫通孔61のうち貫通孔61A,61B(の列)は、その各通路がいずれも基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、その各貫通孔61A,61Bから吹き出される空気(E3a)がシールドケース40の開口部43を通過するよう確実に進む。一方、貫通部60Cにおける複数の貫通孔61のうち傾けた貫通孔61G(の列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに対して角度θだけ傾けた貫通壁で形成されているので、その貫通孔61Gから吹き出される空気(E3b)が基準の吹きつけ方向Kに対して角度θだけ傾いた方向に進み、シールドケース40の開口部43を通過した後にケース40の内部に対して斜めの状態で進む。これにより、傾いた状態の貫通孔61Gから吹き出される空気(E3b)は、シールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaによって遮蔽されている位置関係にあるグリッド電極の部分42aにも到達するようになる。
【0093】
そして、送風ダクト51Cの出口53Cから送り出された空気(E3a,E3b)は、最終的に、図14に示すように帯電装置4Aのシールドケース40の天板40aに偏在した状態で形成された開口部43をすり抜けてケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部空間の中央に存在するコロナ放電ワイヤ41とそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0094】
このとき出口53Cから送り出された空気(E3a,E3b)はいずれも、シールドケース40の天板40aにおける開口部43が形成されていない部位40aa,40abに吹きつけられことがないので、コロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に到達せずに無駄になることがない。しかも、傾いた状態の貫通孔61Gから吹き出る空気(E3b)は、前述したようにシールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaに遮蔽されているグリッド電極の部分42aに主に到達するよう吹きつけられる。
【0095】
これにより、出口53Cから送り出された空気(E3a,E3b)は、シールドケース40の一部のような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべきコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられ、また、そのグリッド電極42のうち上記介在部品で遮蔽されている位置関係にある部分42aにも効率よく吹きつけられる。
【0096】
特に送風装置5Cによれば、そのグリッド電極42の全域(特に短手方向C)における不要物の付着等をより有効に防止できるので、感光ドラム21の回転方向A(プロセス方向)における帯電を更に均一に行うことが可能になり、この結果、そのプロセス方向における帯電むらやそれに起因した画質むらの発生を確実に防止することが可能になる。
【0097】
[実施の形態4]
図16は、実施の形態4に係る送風装置の要部(送風ダクト)を示すものである。実施の形態4に係る送風装置5Dは、図16に示すように、送風ダクト51の出口53について一部変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5Aと同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。なお、この送風装置5Dを適用する帯電装置は、実施の形態1における帯電装置4Aである。
【0098】
送風装置5Dにおける送風ダクト51Dは、図16や図17に示すように、その出口53Dの全領域Sのうち少なくともシールドケース40における天板40aの開口部43を形成していない部分40abと対向する領域部分S1を除く特定の部位S3に、貫通部60Dを形成して構成している。このときの貫通部60Dは、短手方向Cに並ぶ4つの貫通孔61H,61J,61K、61Lが出口53Dの特定の部位S3において長手方向(B)に沿って4つの列をなすように整然と形成されている。
【0099】
また、貫通部60Dは、その4つの貫通孔61H,61J,61K、61Lのなかで出口53Dの特定の部位S3の短手方向Cにおける中央部から遠い側の端部(図17中の部位S3における左端の部位)を除く部位に形成する貫通孔61J,61K,61Lを、基準の吹きつけ方向Kに対して徐々に異なる所定の角度θだけ傾けた状態の通気路として形成している。一方、貫通部60Dを構成する残りの貫通孔61Hは、上記中央部から遠い側の端部に形成されるとともに、実施の形態1における出口53の貫通孔61Aと同様に基準の吹きつけ方向Kとほぼ平行となる状態(傾けない状態)で形成される。ちなみに、4つの貫通孔61H,61J,61K、61Lはいずれも、開口形状が同じ直径の円形で通路が直線状の円筒形状からなるものである。
【0100】
上記傾けた状態の貫通孔61J,61K,61Lは、その各通路が、出口53D側から基準の吹きつけ方向Kに沿って見たとき、図16に示すように、空気を吹きつけるべきグリッド電極42のうちシールドケース40の開口部43が形成されていない部分40aaの存在により遮蔽されている部分42aと放電ワイヤ41の存在により遮蔽されている部分42bとにそれぞれ向くよう徐々に異なる(大きくなる)角度に傾けた状態で形成されている。この傾けた状態の貫通孔61J,61K,61Lの各通路の方向Ub,Uc,Udと基準の吹きつけ方向Kとなす角度θ(傾き)は、出口53Dとシールドケース40の天板40aとの距離や、出口53Dと天板40aの開口部43との位置関係や、天板40aの開口部43と遮蔽される部分42a、42bとの位置関係等の状況に応じて選定される。
【0101】
以下、この送風装置5Dの動作について説明する。
【0102】
送風装置5Dは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、送風機50から送られる空気(E)が、実施の形態1に係る送風装置5Aの場合と同様に、接続ダクト55を通して送風ダクト51Dの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられた後、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られ(図5の矢印E1a,51b等を参照)、続いて第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図16の矢印E2aの向き等を参照)。このとき第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、実施の形態1における送風ダクト51の場合と同様に、抑制部56の隙間57を通過する。
【0103】
そして、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図16に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53Dの特定の部位S3に形成された開口部60Dとしての複数の貫通孔61(61H,61J,61K、61L)を通過して出口53Dから吹き出される(図16の矢印E5a,E5b,E5c,E5dを参照)。
【0104】
この際、出口53Dを構成する貫通部60Dにおける各複数の貫通孔61は、前述したように出口53Dの全領域Sのうち特定の部位S3に形成されている。このため、出口53Dから吹き出される空気(E5a,E5b,E5c,E5d)は、シールドケース40の天板40aにおける開口部43を通過するように進み、シールドケース40の天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40abに吹き付けられることがない。
【0105】
しかも、この貫通部60Dにおける複数の貫通孔61のうち貫通孔61H(の列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、その貫通孔61Hから吹き出される空気(E5a)がシールドケース40の開口部43を確実に通過するように進む。一方、貫通部60Dにおける複数の貫通孔61のうち傾けた貫通孔61J,61K、61L(の各列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに対して漸次異なる角度θだけ傾けた貫通壁でそれぞれ形成されているので、その各貫通孔61から吹き出される空気(E5b,E5c,E5d)が基準の吹きつけ方向Kに対して各傾きθに応じた角度でそれぞれ傾いた方向に進み、シールドケース40の開口部43を通過した後に斜めの状態になって進む。これにより、漸次傾いた状態の貫通孔61から吹き出される空気(E5b,E5c,E5d)は、シールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaと放電ワイヤ41によってそれぞれ遮蔽されている位置関係にあるグリッド電極の部分42a、42bにも到達するようになる。
【0106】
そして、送風ダクト51Dの出口53Dから送り出された空気(E5a,E5b,E5c,E5d)は、最終的に、図16に示すように帯電装置4Aのシールドケース40の天板40aに偏在した状態で形成された開口部43を通り抜けてケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部空間の中央に存在するコロナ放電ワイヤ41とそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0107】
このとき出口53Dの複数の貫通孔61から送り出された空気(E5a,E5b,E5c,E5d)はいずれも、シールドケース40の天板40aにおける開口部43が形成されていない部位40aa,40abに吹きつけられことがないので、コロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に到達せずに無駄になることがない。しかも、傾いた貫通孔61J,61K、61Lから吹き出る空気(E5b,E5c,E5d)は、前述したようにシールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaと放電ワイヤ41とにそれぞれ遮蔽されていたグリッド電極の部分42a、42bにもそれぞれ到達して吹きつけられる。
【0108】
これにより、出口53Dから送り出された空気(E5a,E5b,E5c,E5d)は、シールドケース40の一部や放電ワイヤ41のような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべきコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられ、しかも、そのグリッド電極42のうち上記介在部品で遮蔽されている部分42a、42bにも効率よく吹きつけられる。
【0109】
また、この送風装置5Dによれば、グリッド電極42の全域(特に短手方向C)における不要物の付着等を実施の形態3に係る送風装置5Cの場合に比べて更に有効に防止できるので、かかる送風装置5Cの場合に比べると、感光ドラム21の回転方向A(プロセス方向)における帯電もより一層均一に行うことが可能になり、この結果、そのプロセス方向における帯電むらやそれに起因した画質むらの発生もより確実に防止することが可能になる。
【0110】
[実施の形態5]
図18は、実施の形態5に係る送風装置の要部(送風ダクト)を示すものである。実施の形態5に係る送風装置5Eは、図18に示すように、送風ダクト51の出口53について一部変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5Aと同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。なお、この送風装置5Eを適用する帯電装置は、実施の形態2における帯電装置4Bである。
【0111】
送風装置5Eにおける送風ダクト51Eは、図18や図19に示すように、その出口53Eの全領域Sのうち少なくともシールドケース40における天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40abと清掃装置70の送りガイド棒71とにそれぞれ対向する領域部分S1,S2,S6を除く特定の部位S7,S8に、貫通部60E,60Fを形成して構成している。
【0112】
貫通部60E,60Fは、まず、各特定の部位S7,S8における短手方向Cに並ぶ3つの貫通孔61A,61M,61Pと3つの貫通孔61F,61Q、61Rが出口53Eの各特定の部位S7,S8における長手方向(B)に沿ってそれぞれ3つの列をなすように整然と形成されている。
【0113】
また、貫通部60Eは、特定の部位S7の3つの貫通孔61A,61M,61Pのなかで出口53Eの短手方向Cにおける中央部から遠い側の端部(図19中の部位S7における左端の部位)を除く部位に形成する2つの貫通孔61M,61Pを、基準の吹きつけ方向Kに対して徐々に異なる所定の角度θだけ傾けた状態の通気路として形成している。また、貫通部60Eは、特定の部位S8の3つの貫通孔61F,61Q、61Rのなかで出口53Eの短手方向Cにおける中央部から遠い側の端部(図19中の部位S8における右端の部位)を除く部位に形成する2つの貫通孔61Q、61Rを、基準の吹きつけ方向Kに対して徐々に異なる所定の角度θだけ傾けた状態の通気路として形成している。
【0114】
一方、貫通部60Eを構成する残りの貫通孔61A,61Fは、上記中央部から遠い側の端部にそれぞれ形成されるとともに、実施の形態2における出口53Bの貫通孔61A,61Fと同様に基準の吹きつけ方向Kとほぼ平行となる状態(傾けない状態)で形成される。ちなみに、6つの貫通孔61A,61M,61P,61F,61Q,61Rはいずれも、開口形状が同じ直径の円形で通路が直線状の円筒形状からなるものである。
【0115】
上記傾けた状態の貫通孔61M,61Pと貫通孔61Q,61Rは、その各通路が、出口53E側から基準の吹きつけ方向Kに沿って見たとき、図18に示すように、グリッド電極42のうちシールドケース40の開口部43が形成されていない中央領域40acと各放電ワイヤ41A,41Bとの存在により遮蔽されている部分42c、42dとにそれぞれ向くよう徐々に異なる(大きくなる)角度に傾けた状態で形成されている。この貫通孔61M,61P,61Q、61Rの傾き度合いは、出口53Eの短手方向Cの中央部寄りの貫通孔61P,61Rの方が相対的に大きくなるように設定している。ただし、この傾けた状態の貫通孔61M,61P,61Q、61Rの各通路の方向Ue,Uf,Udと基準の吹きつけ方向Kとなす角度θ(傾き)は、出口53Dとシールドケース40の天板40aとの距離や、出口53Dと天板40aの開口部43との位置関係や、天板40aの開口部43と遮蔽される部分42a、42bとの位置関係等の状況に応じて選定される。
【0116】
以下、この送風装置5Eの動作について説明する。
【0117】
送風装置5Eは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、送風機50から送られる空気(E)が、実施の形態1に係る送風装置5Aの場合と同様に、接続ダクト55を通して送風ダクト51Eの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられた後、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られ(図5の矢印E1a,51b等を参照)、続いて第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図18の矢印E2aの向き等を参照)。このとき第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、実施の形態1における送風ダクト51の場合と同様に、抑制部56の隙間57を通過する。
【0118】
そして、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図18に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53Eの特定の部位S3に形成された開口部60E,60Fとしての複数の貫通孔61(61A,61M,61P,61F,61Q,61R)を通過して出口53Eから吹き出される(図18の矢印E6a,E6b,E6c,E6d,E6e,E6fを参照)。
【0119】
この際、出口53Dを構成する貫通部60Dにおける各複数の貫通孔61は、前述したように出口53Eの全領域Sのうち特定の部位S7,S8に形成されている。このため、出口53Eから吹き出される空気(E6a,E6b,E6c,E6d,E6e,E6f)は、シールドケース40の天板40aにおける開口部43を通過するように進み、シールドケース40の天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40ab及び中央領域40acに吹き付けられることがない。
【0120】
しかも、この貫通部60Eにおける複数の貫通孔61のうち貫通孔61A,61F(の2列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、その各貫通孔61A,61Fから吹き出される空気(E6a,E6d)がシールドケース40の2つの開口部43A,43Bをそれぞれ確実に通過するように進む。一方、貫通部60Eにおける複数の貫通孔61のうち傾けた貫通孔61M,61P,61Q,61R(の各列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに対して漸次異なる角度θだけ傾けた貫通壁でそれぞれ形成されているので、その各貫通孔61から吹き出される空気(E6b,E6c,E6e,E6f)が基準の吹きつけ方向Kに対して各傾きθに応じた角度でそれぞれ傾いた方向に進み、シールドケース40の2つの開口部43A,43Bをそれぞれ通過した後に斜めの状態になって進む。これにより、漸次傾いた状態の貫通孔61から吹き出される空気(E5b,E5c,E5d)は、シールドケース40の開口部43A,43Bが形成されていない天板部分40aa,42ab,40acと放電ワイヤ41A,41Bによってそれぞれ遮蔽されている位置関係にあるグリッド電極の部分42c、42dにも到達するようになる。
【0121】
そして、送風ダクト51Eの出口53Eから送り出された空気(E6a,E6b,E6c,E6d,E6e,E6f)は、最終的に、図18に示すように帯電装置4Bのシールドケース40の天板40aに2分割して形成された2つの開口部43A,43Bをそれぞれ通り抜けてケース40内に吹き込まれ、そのケース40の2分割された内部空間の各中央に存在する放電ワイヤ41A,41Bとそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0122】
このとき出口53Eの複数の貫通孔61から送り出された空気(E6a,E6b,E6c,E6d,E6e,E6f)はいずれも、シールドケース40の天板40aにおける開口部43が形成されていない部位40aa,40ab,40acと放電ワイヤ41A,41Bのいずれにも吹きつけられことがないので、コロナ放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に到達せずに無駄になることがない。しかも、傾いた貫通孔61M,61P、61Q,61Rから吹き出る空気(E6b,E6c,E5e,61f)は、前述したようにシールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aa40ab,40acと放電ワイヤ41A,41Bとにそれぞれ遮蔽されていたグリッド電極の部分42c、42dにもそれぞれ到達して吹きつけられる。
【0123】
これにより、出口53Eから送り出された空気(E6a,E6b,E6c,E6d,E6e,E6f)は、シールドケース40の一部や放電ワイヤ41A,41Bのような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべきコロナ放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられ、しかも、そのグリッド電極42のうち上記介在部品で遮蔽されている部分42c、42dにも効率よく吹きつけられる。
【0124】
[実施の形態6]
図20は、実施の形態6に係る送風装置の要部(送風ダクト)を示すものである。実施の形態6に係る送風装置5Fは、図20に示すように、送風ダクト51の出口53について一部変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5Aと同じ構成からなるものである。このため、これ以降や図面においては、共通する構成部分に同じ符合を付し、その共通する構成部分の説明を必要な場合を除き省略する。なお、この送風装置5Fを適用する帯電装置は、実施の形態1における帯電装置4Aである。
【0125】
この送風装置5Fにおける送風ダクト51Fは、図20や図21に示すように、その出口53Fの全領域Sのうち少なくともシールドケース40の開口部43を形成していない部分40abと対向する領域部分S1を除く特定の部位S3に、貫通部60Fを形成して構成している。
【0126】
貫通部60Fは、4つの貫通孔62A,62B,63A,63Bが出口53Fの特定部位S3において長手方向(B)に沿って4つの列をなすように整然と形成されている。そして、貫通部60Eは、4つの貫通孔62A,62B,63A,63Bのなかで出口53Fの特定部位S3の短手方向Cにおける中央部に近い側の部位(図21中の部位S3における右端の部位)に形成する2つの貫通孔63A,63Bを、基準の吹きつけ方向Kに対して傾けた状態の通気路として形成している。一方、貫通部60Fを構成する残りの貫通孔62A,62Bは、実施の形態1における出口53の貫通孔61A,61Bと同様に基準の吹きつけ方向Kとほぼ平行となる状態(傾けない状態)で形成されている。ちなみに、貫通孔62A,62B,63A,63Bはいずれも、開口形状が円形で通路が直線状の円筒形状からなるものである。
【0127】
傾けた状態の貫通孔63A,63Bは、その通路が、出口53F側から基準の吹きつけ方向Kに沿って見たとき、図20に示すように、空気を吹きつけるべきグリッド電極42のうちシールドケース40の開口部43が形成されていない部分40aaの存在により遮蔽されている部分42aに向くような角度に傾けた状態で形成されている。また、この傾けた状態の貫通孔63A,63Bは、その通路の開口面積(開口形状が円形の場合は直径)が、傾けていない貫通孔62A,62Bの通路の開口面積よりも広い関係になるよう形成されている。
【0128】
この傾けた状態の貫通孔63A,63Bの通路の開口面積は、その通路の長さが傾けていない貫通孔62A,62Bの通路(開口面積が同じ場合)の長さに比べて長くなること起因して風量が低下して出口53Fの短手方向Cでの風量むらを低減する観点から適切な大きさに設定される。このような開口面積の関係を保つような設定を行う場合、傾けない貫通孔62A,62Bの通路の開口面積について、単独で又は一緒に相対的に小さい関係になるよう設定するようにしても差し支えない。
【0129】
以下、この送風装置5Fの動作について説明する。
【0130】
送風装置5Fは、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、送風機50から送られる空気(E)が、実施の形態1に係る送風装置5Aの場合と同様に、接続ダクト55を通して送風ダクト51Fの入口52から本体部54の通路空間54a内に取り入れられた後、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られ(図5の矢印E1a,51b等を参照)、続いて第2曲げ通路部54Cに流れ込むように送られる(図20の矢印E2aの向き等を参照)。このとき第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E1)は、実施の形態1における送風ダクト51の場合と同様に、抑制部56の隙間57を通過する。
【0131】
そして、第2曲げ通路部54Cに流れ込んだ空気(E2)は、図20や図21に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部である出口53Fの特定の部位S3に形成された開口部60Fとしての複数の貫通孔61(62A,62B,63A,63B)を通過して出口53Fから吹き出される(図20の矢印E7a、E7bを参照)。
【0132】
この際、出口53Fを構成する貫通部60Gにおける各複数の貫通孔61は、前述したように出口53Fの全領域Sにおける特定の部位S3に形成されている。このため、出口53Fから吹き出される空気(E7a,E7b)は、シールドケース40の天板40aにおける開口部43を通過するように進み、シールドケース40の天板40aの開口部43を形成していない部分40aa,40abに吹き付けられることがない。
【0133】
しかも、この貫通部60Fにおける複数の貫通孔61のうち貫通孔62A,62B(の2列)は、その各通路がいずれも基準の吹きつけ方向Kに沿った直線状の貫通壁で形成されているので、その各貫通孔62A,62Bから吹き出される空気(E7a)がシールドケース40の開口部43を通過するよう確実に進む。一方、貫通部60Fにおける複数の貫通孔61のうち傾けた貫通孔63A,63B(の2列)は、その通路が基準の吹きつけ方向Kに対して角度θだけ傾けた貫通壁で形成されているので、その各貫通孔63A,63Bから吹き出される空気(E7b)が基準の吹きつけ方向Kに対して角度θだけ傾いた方向に進み、シールドケース40の開口部43を通過した後にケース40の内部に対して斜めの状態で進む。これにより、傾いた状態の貫通孔63A,63Bからそれぞれ吹き出される空気(E7b)は、シールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaによって遮蔽されている位置関係にあるグリッド電極の部分42aにも到達するようになる。
【0134】
また、この傾いた状態の貫通孔63A,63Bからそれぞれ吹き出される空気(E7b)は、その各貫通孔の通路の開口面積が傾けない状態の貫通孔2A,62Bの通路のそれよりも大きい関係になるよう設定されているので、貫通孔2A,62Bから吹き出る空気(E7a)よりも風量が多くなる。このため、開口部60Gの全体から吹き出る空気(E7a,E7b)は、出口53Fの短手方向C(感光ドラム21の回転方向Aともほぼ共通する)における風量のむら(空気E7a,E7bの風量の差)が低減され、ほぼ同じ量となる。
【0135】
そして、送風ダクト51Fの出口53Fから送り出された空気(E7a,E7b)は、最終的に、図20に示すように帯電装置4Aのシールドケース40の天板40aに偏在した状態で形成された開口部43を通り抜けてケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部空間の中央に存在するコロナ放電ワイヤ41とそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
【0136】
このとき出口53Fから送り出された空気(E7a,E7b)はいずれも、シールドケース40の天板40aにおける開口部43が形成されていない部位40aa,40abに吹きつけられことがないので、コロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に到達せずに無駄になることがない。また、傾いた状態の貫通孔63A,63Bから吹き出る空気(E7b)は、前述したようにシールドケース40の開口部43が形成されていない天板部分40aaに遮蔽されているグリッド電極の部分42aに主に到達するよう吹きつけられる。しかも、この貫通孔63A,63Bから吹き出る空気(E7b)は、傾けていない状態の貫通孔62A,62Bから吹き出る空気(E7a)とほぼ同じ風量になっている。
【0137】
これにより、出口53Fから送り出された空気(E7a,E7b)は、シールドケース40の一部のような介在部品があるにもかかわらず、空気を吹きつけるべきコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に対して損失が少ない状態で効率よく吹きつけられ、また、そのグリッド電極42のうち上記介在部品で遮蔽されている位置関係にある部分42aにも効率よく吹きつけられる。
【0138】
また、この送風装置5Fによれば、グリッド電極42の全域(特に短手方向C)における不要物の付着等を実施の形態3,4に係る送風装置5C,5Dの場合に比べて更に均一な状態で防止できるので、かかる送風装置5C,5Dの場合に比べると、感光ドラム21の回転方向A(プロセス方向)における帯電もより一層均一に行うことが可能になり、この結果、そのプロセス方向における帯電むらやそれに起因した画質むらの発生もより確実に防止することが可能になる。
【0139】
[他の実施の形態]
実施の形態1〜6では、各送風装置5における送風ダクト51の出口53を構成する開口部60として断面形状が円形からなる複数の貫通孔61を出口53の長手方向B及び短手方向Cのいずれにも等間隔で碁盤の目のように整然と並べて配置したもの(図6、図12)を例示したが、その配置パターンの限らず、他の配置パターンを採用してもよい。例えば、図22に示すように、円形からなる複数の貫通孔61(の列)を千鳥状にずらした状態で配置するパターンの開口部60Gを採用することもできる。
【0140】
また、送風ダクト51の出口53を点状の貫通孔61により構成する開口部60としては、その貫通孔61として、開口形状が円形のものにかぎらず、他の開口形状(三角形、矩形、多角形など)からなる点状の貫通孔を適用してもよい。
【0141】
さらに、送風ダクト51の出口53を構成する開口部60としては、実施の形態1〜6で共通して例示した点状の貫通孔61で構成されるものに限らず、他の構成の開口部を適用してもよい。
【0142】
例えば、図23に例示するような細長い形状(例えば長方形など)からなる複数の貫通孔65で構成される開口部60を採用することができる。図23(a)に例示する開口部60Hは、出口53の長手方向Bにおける領域Sのほぼ全長に該当する長さの長尺な3つの貫通孔65A,65B,65Cを短手方向Cに等間隔に配置したものである。また、同図(b)に例示する開口部60Jは、出口53の長手方向Bにおける領域Sのほぼ全長を複数個に分割したような短い長さの貫通孔65D,65E,65Fを長手方向Bに等間隔で並べるとともにその短手方向Cに等間隔で3つの列をなすように配置したものである。さらに、同図(c)に例示する開口部60Kは、上記短い長さの貫通孔65D,65E,65Fを長手方向Bに等間隔で並べるとともにその短手方向Cで千鳥状に位置をずらした状態で配置したものである。なお、図23に例示する貫通孔65は、実施の形態1,3等における送風ダクト51,51B等における出口53、53C等に形成した場合で説明しているが、実施の形態2、6における送風ダクト51B,51Fにおける出口53B,53Fに形成する場合も同様の配置を採用することができる。
【0143】
送風装置5における送風ダクト51の出口53と帯電装置4の空気を吹きつけるべき対象部品との間に介在する介在部品としては、実施の形態1〜6で例示したシールドケース40の一部や、清掃装置70の一部部品や、放電ワイヤ41に限定されず、他の構成部品などあっても構わない。清掃装置70としては、手動式のものであってもよい。手動式の清掃装置とは、例えば、自動式の清掃装置70の送りガイド棒70にほぼ相当する状態で存在する操作バーを有し、その操作バーの先端部に移動体が取り付けられるとともに、その移動体のアーム部に清掃部材が取り付けられた構成になっており、その操作バーを帯電装置4の長手方向Bに沿って往復移動させることで清掃を行うものである。この場合、その操作バーが非清掃時にシールドケース40の天板40aの上方に常に存在するという介在部品になる。
【0144】
この他、送風装置5を適用する帯電装置4については、グリッド電極42を設置しない形式の帯電装置、いわゆるコロトロン型の帯電装置であってよい。送風装置5を適用するコロナ放電器としては、感光ドラム21等の除電を行うコロナ放電器や、感光ドラム以外の被帯電体を帯電又は除電させるコロナ放電器であってもよい。
【0145】
また、画像形成装置1については、送風装置5を適用する必要があるコロナ放電器を装備するものであれば、その画像形成方式等の構成については特に限定されない。必要であれば、現像剤以外の材料で構成される画像を形成する画像形成装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0146】
1 …画像形成装置
4A,4B…帯電装置(コロナ放電器)
5A,5B,5C,5D,5E,5F…送風装置
40…シールドケース(覆い部材)
40aa,40ab,40ac…シールドケースの天板の非開口部分(介在部品)
41…コロナ放電ワイヤ(対象部品)
42…グリッド電極(対象部品)
50…送風機
51A,51B,51C,51D,51E,51F…送風ダクト(送風管)
52…入口
53A,53B,53C,53D,53E,53F…出口
54a…通路空間
54B,54C,54D,54E…曲げ通路部
60A,60B,60C,60D,60E,60F…開口部
61,62,63…貫通孔(点状の孔)
61A,61B,62A,62B…傾いていない状態の貫通孔(貫通部)
61G,61J,61K,61L,61M,61P,61Q,61R,63A,63B…傾けた状態の貫通孔(傾けた状態の貫通部)
61J,61K,61L,61M,61P,61Q,61R…傾きが漸次増大する貫通孔
63A,63B…開口面積が相対的に広い、傾けた状態の貫通孔
65…貫通孔
70…清掃装置
71…送りガイド棒(介在部品)
B …長手方向
C …短手方向
E …空気(の流れ)
S …全領域(出口の領域)
S1,S2,S6…介在部品と重複する部位(出口の領域の一部)
S3,S7,S8…特定の部位(出口の領域の一部を除く部位)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を送る送風機と、
前記送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき対象部品を有するコロナ放電器に向けて出口から出すように導く送風管と
を備え、
前記送風管の出口が、その出口から前記コロナ放電器の対象部品に至るまでの間であって当該出口の領域の一部と重複する位置に介在している介在部品と対応する前記出口の領域の一部を除く部位に貫通部を形成して構成されていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記送風管の出口が、複数の貫通部で構成されており、
前記複数の貫通部の少なくとも一部の貫通部が、前記対象部品のうち前記出口の側から見て前記介在部品の存在により遮蔽されている部分に向く方向に相対的に傾けた状態の通気路として形成されている請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部と当該傾けていない状態の通気路からなる貫通部とが混在しており、
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部は、その通気路の開口面積が前記傾けていない状態の通気路からなる貫通部の当該通気路の開口面積よりも広くなるよう形成されている請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記傾けた状態の通気路からなる貫通部は、複数あって、前記コロナ放電器からコロナ放電される対象物の移動方向に対しても複数存在するよう配置されており、
前記移動方向に対しても存在する複数の貫通部どうしは、その傾けた状態の各通気路の傾きを前記移動方向の下流側にずれるにつれて漸次増大させた状態で形成されている請求項2又は3に記載の送風装置。
【請求項5】
前記貫通部は、点状の孔で構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項6】
前記介在部品は、空気の取り入れ口が前記送風管の出口の領域の一部と重複する位置に存在するよう形成された覆い部材と、前記対象部品を清掃する清掃装置の構成部品のうち前記送風管の出口の領域の一部と重複する位置に存在するよう配置される構成部品との少なくとも一方である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の送風装置。
【請求項7】
空気を吹きつけるべき対象部品を有するコロナ放電器と、
前記コロナ放電器にむけて空気を吹きつける送風装置とを備え、
前記送風装置が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の送風装置で構成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−97119(P2013−97119A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238806(P2011−238806)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】