説明

逆コロイド結晶

本発明は、新規な逆結晶化合物、そのような逆結晶化合物を含む新規な着色組成物、基材の着色におけるそれらの使用、およびこれらの着色組成物を用いて(少なくとも一部が)着色された基材に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な逆結晶化合物、そのような逆結晶化合物を含む新規な着色組成物、基材の着色におけるそれらの使用およびこれらの着色組成物を用いて(少なくとも一部が)着色された基材に関する。
【背景技術】
【0002】
発色団は、色を与える材料である。色は通常、吸光または発光およびフォトンエネルギーの喪失により作られる。
【0003】
色はまた、例えば可視光の波長と一致した寸法を有する極めて規則正しい構造により光が反射および/または回折される場合、構造的効果により生じ得る。このような構造は、異なる角度から見た場合、異なる色を有することができ、この効果は、当分野では「構造色」として知られている。このようにして生じた色の例は、自然界では、例えばいくつかの種類のチョウの翅、クジャクの羽、ウミネズミの体毛およびオパールなどの半宝石などに見ることができる。
【0004】
逆コロイド結晶は、従来の技術、例えばUS6756115およびUS20050226806から知られている。これら逆コロイド結晶の着色効果は、材料に適用した場合、あまり輝かず、強くなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US6756115
【特許文献2】US20050226806
【特許文献3】US4775520
【特許文献4】US4911903
【特許文献5】US6800709
【特許文献6】WO2005/063902
【特許文献7】US2006002875
【特許文献8】WO2006/045567
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Stober、FinkおよびBohn、J.Colloid Interface Sci.、1968年、26、62頁
【非特許文献2】Bogushら、J.Non-Crys.Solids 1988年、104、95頁
【非特許文献3】M.Egen、R.Zentel、Macromol.Chem.Phys.2004年、205、1479〜1488頁
【非特許文献4】Zentelら、Chemistry of Materials、12(8):2508頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、材料に適用した場合に改善された着色剤効果をもたらす逆コロイド結晶を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、広域スペクトル吸収体造影剤の添加により、特に材料に適用された場合に特性が改善されることが判明した。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列と、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶を提供する。
【0010】
逆コロイド結晶の細孔は、実際すべて同様の寸法を有する。逆コロイド結晶の細孔の直径は、(逆コロイド結晶の作製法に応じて)15%まで異なってもよい。細孔の直径は、好ましく0.05〜50μmの間、好ましくは0.05〜40μmの間、より好ましくは0.05〜30μmの間、さらにより好ましくは0.1〜30μm、特に好ましくは0.1〜10μm、最も好ましくは0.1〜5μmである。
【0011】
細孔の粒度は、走査型電子顕微鏡法(SEM)で測定する。
【0012】
広域スペクトル吸収体造影剤は、固体連続相中に取り込むこと、固体連続相の表面にあること、さらにこれら両方が可能である。
【0013】
したがって本発明のさらなる実施形態は、逆コロイドに関し、この場合広域スペクトル吸収体造影剤は固体連続相中に取り込まれる。
【0014】
したがって本発明のさらなる実施形態は、逆コロイド結晶に関し、この場合広域スペクトル吸収体造影剤は、固体連続相の表面上にある。
【0015】
したがって本発明のさらなる実施形態は、逆コロイドに関し、この場合広域スペクトル吸収体造影剤は、固体連続相中に取り込まれ、および固体連続相の表面上にある。
【0016】
したがって、細孔の配列は、固体連続相の間に分散相を形成する。
【0017】
「広域スペクトル吸収体造影剤」という用語は、
(a)可視光の波長と一致する領域の波長を有する実質的にすべての光を吸収し、
(b)拡散光を排除する
化合物を意味する。
【0018】
さらに、本発明の逆コロイド結晶の作製方法のために、広域スペクトル吸収体造影剤は、製造手順の中の反応条件に耐えることができなければならない。どの種類の条件が選択されるかに応じて、広域スペクトル吸収体造影剤は、1000℃までの温度に耐えることに適合しているべきであり、および/または溶媒の存在に耐えることができなければならない。
【0019】
本発明を考慮に入れて、「広域スペクトル吸収体造影剤」という用語はまた、化合物の混合物を含み、この化合物の混合物は、単一の広域スペクトル吸収体造影剤と同じ吸収特性を有する。それでもこのような混合物は、光拡散を排除しなければならない。これは、このような混合物の各単一の化合物が、特定の領域の光のみを吸収するので、このような化合物の組合せのみからしか広域スペクトル吸収体が得られないことを意味する。
【0020】
以下において、「広域スペクトル吸収体造影剤」という用語は、常に単一の化合物または化合物の混合物のいずれかを表す。
【0021】
広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体を使用することも可能である。その前駆体は、ある形態のエネルギー(光(UV)、熱など)を用いて広域スペクトル吸収体造影剤へと変換される。これは、前駆体が、逆コロイド結晶の作製中または作製後に変換できることを意味する。
【0022】
適切な広域スペクトル吸収体造影剤は、銀などの吸収成分、および例えばカーボンブラック(例えば、Purex(登録商標)LS35およびCorax(登録商標)N115などDegussa社から販売されているカーボンブラックの製品群)および四三酸化鉄などの顔料、ならびに酸化銀などの他の黒色金属酸化物を含む。
【0023】
本発明に適した前駆体は、金属塩、好ましくは、硝酸塩またはハロゲン化物などの親水性の金属塩である。好ましいハロゲン化物は、F、ClまたはIであるが、Clが最も好ましいハロゲン化物である。
【0024】
金属は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、貴金属、希土類金属または遷移金属である。適切な金属は、例えばK、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、AuおよびCdである。好ましいものは、Ca、Mg、Al、AgおよびZnである。
【0025】
非常に適切な金属塩は、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物(特にFeCl2およびFeCl3)である。
【0026】
一例として、AgNO3は、コロイド性銀へ変換される。2つ以上の前駆体を使用することも可能である。
【0027】
さらなる例として、FeCl2ならびにFeCl3を、黒色酸化鉄および/または水酸化鉄へと変換する。
【0028】
さらに、1つまたは複数の前駆体および後に混合物を形成する別の化合物を使用することも可能であり、この混合物は、必要な広域スペクトル吸収体造影剤の特性を有する。以下において、「広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体」という用語は常に、単一化合物または化合物の混合物のいずれかを表す。
【0029】
これは、広域スペクトル吸収体造影剤は、純粋な物質として、ヒトの眼に黒色または暗色(例えば濃青色または暗紫色)に見える位十分な光を吸収することを意味する。例えば、広域スペクトル吸収体造影剤は、380から780nmの範囲の波長を有する大部分の(特にすべての)光を吸収する。より具体的には、広域スペクトル吸収体造影剤は、380から780nmの範囲の波長を有する少なくとも90%(好ましくは少なくとも95%、より好ましくは100%)の光を吸収する。
【0030】
「広域スペクトル吸収体造影剤」という用語は、可視光の波長に相当する範囲の波長を有する実質的にすべての光を吸収しない物質(したがって、純粋な材料として、ヒトの眼に黒色または暗色に見えないもの)を包含するものではない。この用語はまた、単一の蛍光染料または単一の顔料など、単一の蛍光剤を包含するものではない。しかし例えば、異なる最大吸収量を有し、このような最大吸収量の追加によって広域スペクトル吸収体の特性が得られるような様々な顔料の混合物を封入することが可能である。
【0031】
広域スペクトル吸収体造影剤は、有機であってもよく、これは広域スペクトル吸収体造影剤が、炭素、水素、酸素、窒素および/または硫黄のみから選択される原子を含むことを意味する。
【0032】
広域スペクトル吸収体造影剤は、無機であってもよく、これは広域スペクトル吸収体造影剤が金属原子を含むことを意味する。
【0033】
無機の広域スペクトル吸収体造影剤が好ましい。
【0034】
本発明の組成物において、広域スペクトル吸収体造影剤は通常、コロイド逆結晶により拡散し、可視光の波長に相当する範囲の波長を有する実質的にすべての光を吸収する。本明細書中に定義されたような広域スペクトル吸収体ではない造影剤は、実質的にすべての拡散光を吸収するわけではない。吸収されない拡散光は、逆結晶による可視光の直接反射および/または回折によって引き起こされる構造的色彩効果を弱める。
【0035】
広域スペクトル吸収体造影剤は、本特許出願に定義されたような広域スペクトル吸収体造影剤に対する必要条件を満たす、例えば、染料、または顔料、または染料の混合物、または顔料の混合物、ならびに顔料および染料の混合物であってよい。「染料」は一般的に、それを適用する基材に親和性を有し、一般的に溶液または油の形態である。「顔料」は一般的に、それを適用する基材に親和性がなく、固体の形態である。当業者であれば認識されているように、造影剤の正確な物理的形態は、本発明にとって重要ではなく、この物理的形態は、適切な基材に着色組成物を適用する時点で変化し得る。
【0036】
通常、逆コロイド結晶は、可視光の波長と一致する領域の波長を有する光を反射および/または回析し、広域スペクトル吸収体造影剤は、可視光の波長と一致する領域に波長を有する実質的にすべての光(例えば、逆コロイド結晶により拡散した光)を吸収する。
【0037】
本態様において、広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、固体連続相中および/または逆コロイド結晶の細孔中に位置していてもよい。本発明のある特定の態様に従い、(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列を含む逆コロイド結晶と、(ii)固体連続相中に位置する少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体とを含む着色組成物を提供する。広域スペクトル吸収体造影剤は、本明細書中で以前定義された通りである。広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、無機が好ましい。
【0038】
固体連続相は、任意の適切な固体、例えば1種または複数のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび有機ポリマーを含み得る。
【0039】
細孔は、任意の適切な気体および/または液体を含んでもよく、実質的に規則的に、または細孔間に一定のスペースをあけるように、逆コロイド結晶中に配置されている。しかし、当業者であれば認識しているように、逆コロイド結晶中のいくつかの欠陥は不可避である。
【0040】
逆コロイド結晶は、逆コロイド結晶の総重量に対して、5重量%(wt-%)までの少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含むことができる。通常この逆コロイド結晶は、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む。
【0041】
したがって本発明のさらなる実施形態は、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む逆コロイド結晶に関する。
【0042】
本発明による逆結晶は、逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までの固体連続相を含む。
【0043】
したがって本発明のさらなる実施形態は、逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までの固体連続相を含む逆コロイド結晶に関する。
【0044】
好ましくは、逆コロイド結晶は、逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.9999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%の固体連続相を含む。
【0045】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までの固体連続相と、
逆コロイド結晶の総重量に対して、3重量%までの少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0046】
本発明の好ましい実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.9999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%の固体連続相と、および
逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0047】
本発明のさらなる実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までのシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマーと、
逆コロイド結晶の総重量に対して、3重量%までの少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0048】
本発明の好ましい実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.9999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機のポリマーと、
逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0049】
本発明のより好ましい実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までのシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマーと、
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、3重量%までの少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0050】
本発明の非常に好ましい実施形態は、
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.9999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマーと、
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体と
を含む逆コロイド結晶に関する。
【0051】
逆コロイド結晶を作製するための方法は公表されている。例えば、逆コロイド結晶は、
(i)単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
を実施することにより形成し得る。
【0052】
本発明による逆コロイド結晶を得るためには、ステップ(i)またはステップ(ii)のいずれかまたは両方のステップにおいて、広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体が、製造プロセスの一部となるように既知の方法を修正しなければならない。
【0053】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
(i)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
を実施することによる逆コロイド結晶の作製のための方法である。
【0054】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
(i)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
を実施することによる逆コロイド結晶の作製のための方法である。
【0055】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
(i)単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
実施することによる逆コロイド結晶の作製のための方法である。
【0056】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、単分散粒子へ、および固体連続相を形成するために使用される材料へ、またはこれら両方に取り込むことができる。
【0057】
「単分散粒子」という用語は、粒子の少なくとも60%が、特定された粒度範囲内に入る粒子を意味する。例えば、単分散粒子は、好ましくは2乗平均平方根(rms)が10%未満ずれている、より好ましくはrms直径が5%未満ずれている、特に好ましくはrms直径がさらに3%未満ずれている直径を有する。
【0058】
「封入された」という用語は、広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体が、単分散粒子中に封入または埋め込まれていることを意味する。広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体は(多かれ少なかれ)、単分散粒子中に均等に分布している。これは、単分散粒子の主に一部分だけに集中しているわけではないことを意味する。
【0059】
ステップ(i):
いかなる広域スペクトル吸収体造影剤もいかなる広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体も含まないコロイド結晶を、単分散粒子から形成することができる。
【0060】
そのような単分散粒子は、市販のものであるか、または当分野で知られている方法で調製することができる。
【0061】
シリカ粒子などの無機材料から作製される単分散粒子は、ゾルゲル法を用いて分散液として調製してもよい。
【0062】
例えば、単分散のシリカ球体は、Stober、FinkおよびBohn(J.Colloid Interface Sci.、1968年、26、62頁)からよく知られる方法に従い調製することもできる。この方法は、後にBogushら(J.Non-Crys.Solids 1988年、104、95頁)により改良された。代わりに、シリカ粒子は、Blue Helix Limitedから購入することもできるし、またはUS4775520およびUS4911903に記載の方法により新たに調製することもできる。
【0063】
単分散シリカ球体はまた、水性アンモニア媒体中のテトラアルコキシシランの加水分解性重縮によって作製することもでき、1次粒子のゾルが、まず初めに作製され、次いで得られたシリカ粒子が、テトラアルコキシシランの連続的な制御された添加によって所望の粒度になる。このプロセスを使用すれば、0.05〜10μmの間の平均粒径を有し、標準偏差が7%未満である、単分散のシリカ球体を作製することができる。
【0064】
有機ポリマー粒子から作製される単分散粒子は、乳化重合、分散重合または懸濁重合を用いて、分散液として調製してもよい。
【0065】
例えば、US6800709は、シクロデキストリンの存在下、水ベースの系での疎水性モノマーのフリーラジカル重合または共重合による、粒度分布の狭い単分散粒子の調製について記載している。適切な疎水性モノマーは、スチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、マレイミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、モノアルキルマレエート、ジアルキルマレエート、フッ化アクリレートおよびフッ化メタクリレートを含む。
【0066】
単分散ポリ(メチルメタクリレート)複合体は、M.Egen、R.Zentel(Macromol.Chem.Phys.2004年、205、1479〜1488頁)に記載の方法に従い調製することもでき、またはDuke Scientific Corporationから市販されている。
【0067】
少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤を含むコロイド結晶が形成されることも可能である。そのような場合、広域スペクトル吸収体造影剤を、結晶の生成中に単分散粒子に添加することが可能である。したがって、広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、単分散粒子の表面上に位置すること、ならびに単分散粒子の間に位置することができる。しかし、広域スペクトル吸収体造影剤が、単分散粒子中に封入されることもまた可能である。
【0068】
広域スペクトル吸収体造影剤およびそれらの前駆体の可能な位置のすべての組合せもまた可能である。
【0069】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体が単分散粒子中に封入される場合、単分散粒子は通常、広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体の存在下で形成される。例えば、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤(染料など)および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を封入する単分散有機ポリマー粒子(例えばポリスチレンまたはポリ(メチルメタクリレート)粒子など)は、以下にさらに詳細に考察されているように、界面活性剤無添加乳化重合を用いて調製し得る。
【0070】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、界面活性剤無添加乳化重合(SFEP)法を用いて単分散粒子中に封入されていてもよく、この場合重合は、適切な造影剤の存在下で実施される。例えば、Zentelら(Chemistry of Materials、12(8):2508頁)は、単分散有機ポリマー粒子が、水溶性染料の存在下、界面活性剤無添加乳化重合(SFEP)法で作製されるプロセスについて記載している。SFEP法は通常、粒度分布が狭く、凝集が阻止されるように静電反発を生じる表面電荷を有する、実質的に球状のポリマー粒子を作製する。SFEP方法はまた、通常は乳化剤の非存在下でも実施されるが、これは、乳化剤が存在する場合、乳化剤は、粒子を一緒に結合することによって、コロイド結晶の形成を困難にする(例えば沈降または自己組織化法により)ことがあるからである。
【0071】
水不溶性の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、適切な油の中で単分散粒子を乳化することにより、単分散粒子へと封入してもよい。この場合、単分散粒子は、さらに油を封入してもよい。
【0072】
当業者であれば認識しているように、単分散粒子は、任意の適切な広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の任意の前駆体を含み得る。本発明の一態様において、単分散粒子は、有機物である少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む。
【0073】
本発明の別の態様において、単分散粒子は、無機物である少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む。
【0074】
広域スペクトル吸収体造影剤および広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体は、無機物が好ましい。
【0075】
ステップ(ii):
ステップ(ii)においてコロイド結晶に添加される材料は、固体であってよく、または処理することによって固体を形成するようにできる液体もしくは気体であってもよい。この材料は、コロイド結晶の連続相を実質的に充填し、単分散粒子の周りに固体連続相を形成する。当業者であれば認識しているように、コロイド結晶内の間隙の100%が固体で充填されている必要はない。通常、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%の間隙が固体で充填されていれば十分である。
【0076】
材料は、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含むことができる。材料は、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含むことが好ましい。
【0077】
好ましい材料は、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、シリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび有機ポリマー溶液である。
【0078】
ステップ(ii)は、金属有機化学気相堆積法により、高圧高温法によりまたはゾルゲル法など、任意の適切な方法を用いて実施し得る。例えば、シリカ、金属(Geなど)、金属カルコゲニド(SnS2など)および金属酸化物(TiO2など)を、金属有機化学気相堆積法(CVD)により間隙へと導入することもできる。金属プニクチド(InSbなど)を、高圧高温法において、溶融状態で間隙へと導入することもでき、金属カルコゲニド(CdSeおよびCdSなど)を、ゾルゲル法を用いて間隙へと導入することもできる。
【0079】
ステップ(iii):
ステップ(iii)において、単分散粒子は、例えばエッチングなど、任意の適切な方法によってその構造から除去することができる。例えば、単分散のシリカ粒子は、適切な濃度のフッ化水素溶液を添加することによってコロイド結晶から取り除いてもよい(ただし、フッ化水素溶液は、実質的に、固体連続相を溶解および/または除去しないものとする。)。単分散ポリ(メチルメタクリレート)粒子は、ポリ(メチルメタクリレート)粒子を溶解するように適切な有機溶剤を添加することによって、コロイド結晶から除去することもできる。それぞれの場合、その単分散粒子を含有する溶液または溶媒は、固体連続相から適切に除去することによって、固体連続相に分散した細孔の配列が得られる。
【0080】
加熱は、単分散粒子を除去する別の方法である。温度は、粒子の種類に応じて80℃〜1000℃の間とすることができる。加熱は、例えばオーブン内で行うことができる。
【0081】
電磁放射は、単分散粒子を除去する別の方法である。
【0082】
上述のように逆コロイド結晶は、着色組成物に使用することができる。
【0083】
上述のように逆コロイド結晶を含む本発明の着色組成物は、基材の少なくとも一領域を着色するため、任意の適切な基材に適用し得る。
【0084】
本発明の着色組成物は、一般に知られているいかなる基材上にも、印刷および/またはコーティングするために使用することができる
【0085】
印刷およびコーティングに適した基材として、繊維(毛髪など)、肌、爪、食品材料、石、セラミック、ガラス、紙、織物、木材、皮革、金属(例えばアルミニウム)およびプラスチックが挙げられる。
【0086】
したがって、本発明の一実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
を含む着色料組成物(CC1)である。
【0087】
この着色組成物はまた、いかなる広域スペクトル吸収体造影剤および/またはいかなる広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体も含まない逆結晶を含むこともできる。
【0088】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶と、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b)いかなる広域スペクトル吸収体造影剤および広域スペクトル吸収体造影剤のいかなる前駆体も含まない逆コロイド結晶と
を含む着色料組成物(CC2)である。
【0089】
逆コロイド結晶の混合物と、いかなる広域スペクトル吸収体造影剤および広域スペクトル吸収体造影剤のいかなる前駆体も含まない逆コロイド結晶とを含むそのような着色組成物が、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤を含む逆コロイド結晶と同じ方法で作製できることは明白である。
【0090】
本発明の着色組成物は通常、液体形態、ローション、ペースト、クリームを含めた半液体形態、または例えば粉末洗剤などの粉末もしくは錠剤を含めた固体形態であってよい。
【0091】
純粋な逆コロイド結晶からなる着色剤組成物を提供することも可能である。
【0092】
本発明による着色組成物は、着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶を含む。
【0093】
着色剤組成物が固体形態の場合、着色剤組成物が、着色剤組成物の総重量に対して、上述のような逆コロイド結晶を100重量%まで含むことも可能である。
【0094】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体、
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶、
を含む着色組成物(CC3)に関する。
【0095】
着色組成物が液体、ゲル、ムース、ワックスまたはペーストの形態の場合、組成物は、少なくとも1種の溶媒を含む。
【0096】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b)少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC4)に関する。
【0097】
溶媒は、有機溶剤が好ましく、有極性でも無極性でもよい。極性溶媒の例として、水、アルコール(モノまたポリ)、エステル、ケトンおよびエーテル、特にグリコールおよびポリグリコールのモノ-アルキルエーテルおよびジ-アルキルエーテル、例えばモノ-プロピレングリコール、ジ-プロピレングリコールおよびトリ-プロピレングリコールのモノメチルエーテルなど、ならびにエチレン、ジエチレンおよびメチレングリコールのモノ-n-ブチルエーテルなどが挙げられる。
【0098】
無極性溶媒の例として、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物が挙げられる。
【0099】
着色組成物は、水性溶液としてまたは非水性溶液として調製することができる。したがって、本発明の別の実施形態は、配合物が非水性である上述のような着色組成物に関する。
【0100】
したがって、本発明の別の実施形態は、配合物が水性である上述のような着色組成物に関する。
【0101】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶と、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b1)水と
(b2)任意選択で、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC5)に関する。
【0102】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶と、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b1)水と
(b2)任意選択で、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、および少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC6)に関する。
【0103】
したがって、本発明はまた、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶と、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b)アルコール、エステル、ケトン、エーテルおよび少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC7)にも関する。
【0104】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶と、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体
(b)アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC8)に関する。
【0105】
しかしさらに、非水性の組成物にいかなる水も意図的に添加されない場合、外来性の水が組成物中に入る場合があるが、これは通常、着色組成物の総重量に対して、約2重量%〜4重量%以下となる。定義によれば、本発明の非水性組成物は、着色組成物の総重量に対して、約4重量%以下、好ましくは約2重量%以下の水を有することになる。
【0106】
本発明による着色組成物中の溶媒量は通常、着色組成物の総重量に対して、約10重量%〜約99.99重量%、好ましくは約20重量-%〜約99.9重量%、より好ましくは約30重量%〜約99.9重量%の範囲である。
【0107】
発明の配合物の一部である溶媒量は、大幅に異なってもよい。
【0108】
組成物が縮合物として使用される場合、これは希釈されることになるが(水および/または他の溶媒を用いて)、溶媒量は低く、通常、着色組成物の総重量に対して、30重量%〜70重量%の間である。着色組成物が30重量%未満の溶媒を含むことができる場合もある。
【0109】
配合物が「すぐに使える」形態である場合、溶媒含有量は、着色組成物の総重量に対して、99.99重量%までとすることができる。
【0110】
溶媒量はまた、コーティングまたは印刷の対象となる基材ならびに必要とされる色合いにも依存することは明らかである。
【0111】
したがって本発明はまた、縮合した着色組成物に関し、この中で溶媒量は、着色組成物の総重量に対して、30重量%〜70重量%の間、好ましくは40重量%〜70重量%の間、より好ましくは50重量%〜70重量%の間にある。
【0112】
本発明はまた、着色組成物に関し、この中で水量は、着色組成物の総重量に対して、70重量%〜99.99重量%の間、80重量%〜99.9重量%の間にある。
【0113】
逆コロイド結晶の量と溶媒の量は、組成物の物理的な形態に応じて異なる可能性があることも述べておかなければならない。これは、着色組成物が固体、液体、ゲル、ムース、ワックスまたはペーストの場合、濃度が異なってもよいことを意味する。
【0114】
いかなる広域スペクトル吸収体造影剤も含まず、いかなる広域スペクトル吸収体造影剤も含まない単分散の逆コロイド結晶を添加することも可能である。
【0115】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下の(i)および(ii)を含む逆コロイド結晶であって、
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体材料、
着色組成物の総重量に対して0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶と、
(b)着色組成物の総重量に対して、30重量%および99.99重量%の少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC9)に関する。
【0116】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下を含む逆コロイド結晶であって:
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%、より好ましくは99.5〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマー
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.5重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体、
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶と、
(b1)着色組成物の総重量に対して、30重量%〜99.99重量%の水と、
(b2)任意選択で、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、0.1重量%〜89.99重量%の少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC10)に関する。
【0117】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下を含む逆コロイド結晶であって:
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%、より好ましくは99.5〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマー
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.5重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体、
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶と、
(b)アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、30重量%〜99.99重量%の少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC11)に関する。
【0118】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下を含む逆コロイド結晶であって:
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%、より好ましくは99.5〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマー
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.5重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体、
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶と、
(b1)着色組成物の総重量に対して、30重量%〜99.99重量%の水と、
(b2)任意選択で、アルコール、エステル、ケトン、エーテルおよび少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびに精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、0.1重量%〜89.99重量%の少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC12)に関する。
【0119】
本発明のさらなる実施形態は、
(a)以下を含む逆コロイド結晶であって:
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%、より好ましくは99.5〜99.9999重量%のシリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマー
カーボンブラック、黒色酸化鉄、水酸化鉄、黒酸化銀、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.5重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体、
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶と、
(b)アルコール、エステル、ケトン、エーテルおよび少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならび精油蒸留生成物および副生成物を含めたこれらの混合物からなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、30重量%〜99.99重量%の少なくとも1種の溶媒と
を含む着色組成物(CC13)に関する。
【0120】
本発明のさらなる実施形態はまた、
(c)少なくとも1種の硬化材料と、
(d)少なくとも1種の開始剤と
をさらに含む着色組成物(CC14)配合物にも関する。
【0121】
本発明による着色組成物(CC1)、(CC2)、(CC3)、(CC4)、(CC5)、(CC6)、(CC7)、(CC8)、(CC9)、(CC10)、(CC11)、(CC12)および/または(CC13)はまた、少なくとも1種の硬化剤および少なくとも1種の開始剤を含むこともできる。
【0122】
いかなる種類の一般に知られた硬化剤を使用することができる。
【0123】
通常、硬化剤は、架橋できる樹脂である。これらは、低分子またはオリゴマー多官能性化合物であり、分子量が<1000g/モルである。末端基であることが多い官能基(例えばエポキシ基、イソシアネート基、アミン基またはヒドロキシ基)は、重付加または重縮合の機序に従い反応するように(基の量および基の種類が)選択される。
【0124】
適切な硬化剤は、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリレート化ポリオールおよびアクリレート化ポリエーテルである。
【0125】
そのような硬化剤は、色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%の量で用いる。好ましくは、硬化剤は、着色組成物の総重量に対して、0.1〜10重量%の量で存在する。
【0126】
硬化剤と組み合わせて、少なくとも1種の開始剤を使用するが、この開始剤は、硬化剤の重付加または重縮合を開始する。これは通常、光(400nm〜800nm)またはUV光(100nm〜400nm)で行われる。
【0127】
そのような開始剤は、ペルオキシドまたはペルオキシドを含有する化合物、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノンの誘導体、アセトフェノンおよびアセトフェノンの誘導体、ベンゾインエーテル誘導体またはチオキサントン誘導体であってよい。
【0128】
そのような開始剤は、着色組成物の総重量に対して、0.005重量%〜10重量%の量で用いる。好ましくは、開始剤は、着色組成物の総重量に対して、0.01〜8重量%の量で存在する。
【0129】
本発明のさらなる実施形態は、
(c)着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%の少なくとも1種の硬化材料と、
(d)着色組成物の総重量に対して、0.005重量%〜10重量%の少なくとも1種の開始剤と
をさらに含む着色組成物(CC15)に関する。
【0130】
本発明のさらなる実施形態は、
(c)エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリレート化ポリオールおよびアクリレート化ポリエーテルからなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%の少なくとも1種の硬化材料と、
(d)ペルオキシドまたはペルオキシドを含有する化合物、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノンの誘導体、アセトフェノンおよびアセトフェノンの誘導体、ベンゾインエーテル誘導体およびチオキサントン誘導体からなる群から選択される、着色組成物の総重量に対して、0.005重量%〜10重量%の少なくとも1種の開始剤と
をさらに含む着色組成物(CC16)に関する。
【0131】
化合物ならびにその濃度に関する、硬化剤および開始剤のすべての好みは、上述のような色組成物(CC1)、(CC2)、(CC3)、(CC4)、(CC5)、(CC6)、(CC7)、(CC8)、(CC9)、(CC10)、(CC11)、(CC12)および/または(CC13)にも適用することができる。
【0132】
さらに着色組成物(CC1)、(CC2)、(CC3)、(CC4)、(CC5)、(CC6)、(CC7)、(CC8)、(CC9)、(CC10)、(CC11)、(CC12)、(CC13)、(CC14)、(CC15)および/または(CC16)は、助剤をさらに含むことができる。このような助剤は、着色の分野、例えばコーティングおよび印刷などの分野で一般に使用されているものである。
【0133】
助剤は、コーティングまたは印刷のプロセスの結果を改善するために用いられる追加の化学物質である。さらに、助剤という用語は、保存性など配合物自体の性質を改善し、着色組成物の操作性などを改善するのに役立つ化学物質であると理解されたい。
【0134】
助剤の例は、湿潤剤、緩衝材料、帯電防止剤、漂白剤、酸化剤、レオロジー改質剤、可溶化剤、乾燥剤、泡止め剤、平滑化剤、界面活性剤、電解液、泡抑制剤、凍結防止剤または静真菌剤および/もしくは静菌剤、蛍光増白剤、柔軟剤、防炎添加剤、または汚れ防止剤、撥水剤および撥油剤、ならびに水軟化剤および天然または合成の増粘剤、例えばアルジネートおよびセルロースエーテルなどである。
【0135】
このような助剤は通常、少なめの量で存在するが、着色組成物に総重量に対して約10重量%の量まで達してもよい。
【0136】
1つまたは複数の助剤が存在する場合、量は通常、着色組成物に総重量に対して0.1重量%〜10重量%に達する。
【0137】
したがって本発明のさらなる実施形態は、少なくとも1種の助剤をさらに含む、上述のような着色組成物に関する。
【0138】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
(e)少なくとも1種の助剤
をさらに含む、着色組成物(CC17)に関する。
【0139】
したがって本発明のさらなる実施形態は、
(e)湿潤剤、緩衝材料、帯電防止剤、漂白剤、酸化剤、レオロジー改質剤、可溶化剤、乾燥剤、泡止め剤、平滑化剤、界面活性剤、泡抑制剤、凍結防止剤または静真菌剤および/もしくは静菌剤、蛍光増白剤、柔軟剤、防炎添加剤、または汚れ防止剤、撥水剤および撥油剤、ならびに水軟化剤および天然または合成の増粘剤、例えばアルジネートおよびセルロースエーテルからなる群から選択される、少なくとも1種の助剤
をさらに含む着色組成物(CC18)に関する。
【0140】
本発明の別の実施形態は、
(e)着色組成物の総重量に対して、0.1重量%〜10重量%の少なくとも1種の助剤
をさらに含む着色組成物(CC19)に関する。
【0141】
本発明の別の実施形態は、
(e)湿潤剤、緩衝材料、帯電防止剤、漂白剤、酸化剤、レオロジー改質剤、可溶化剤、乾燥剤、泡止め剤、平滑化剤、界面活性剤、泡抑制薬、凍結防止剤または静真菌剤および/もしくは静菌剤、蛍光増白剤、柔軟剤、防炎添加剤、または汚れ防止剤、撥水剤および撥油剤、ならびに水軟化剤および天然または合成の増粘剤、例えばアルジネートおよびセルロースエーテルからなる群からの、着色組成物の総重量に対して、0.1重量%〜10重量%の少なくとも1種の助剤
をさらに含む着色組成物(CC20)に関する。
【0142】
化合物ならびにその濃度に関する、硬化剤および開始剤のすべての好みは、上述のような着色組成物(CC1)、(CC2)、(CC3)、(CC4)、(CC5)、(CC6)、(CC7)、(CC8)、(CC9)、(CC10)、(CC11)、(CC12)、(CC13)、(CC14)、(CC15)および/または(CC16)にも適用することができる。
【0143】
すでに述べた通り、本発明による着色組成物は、任意の適切な物理的形態をとることができる。通常これは、固体、液体、ゲル、ムース、ワックスまたはペーストの形態である。
【0144】
本発明のさらなる実施形態は、コーティングおよび/または印刷用の配合物である、上述のような着色組成物に関する。
【0145】
印刷の方法は、任意の周知の方法、例えばインクジェット印刷(例えばバブルジェット(登録商標)、コンパウンドジェット、ドライインクジェット、ホットメルトインクジェットなど)、凸版印刷、凹版印刷、活版印刷、リソグラフィー、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷およびパッド印刷などに従い行うことができる。
【0146】
したがってこの配合物は、所望の形態の印刷技術に適応していなければならない。単分散粒子を含むインクジェット技術用配合物は、例えばWO2005/063902から知られている。
【0147】
したがって本発明のさらなる実施形態は、インクジェット印刷(例えばバブルジェット(登録商標)、コンパウンドジェット、ドライインクジェット、ホットメルトインクジェットなど)、凸版印刷、凹版印刷、活版印刷、リソグラフィー、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷およびパッド印刷用の印刷配合物である着色組成物に関する。
【0148】
本特許出願に記載されているような着色組成物はまた、いかなる既知のコーティング技術にも使用することができる。
【0149】
したがってこの配合物は、コーティング技術の所望の形態に適応していなければならない。
【0150】
適切なコーティング法は、例えばエアナイフコーティング、浸漬(ディップ)コーティング、ギャップコーティング、カーテンコーティング、ロータリースクリーンコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、メータリングロッド(マイヤーバー)コーティング、スロットダイ(押出)コーティングおよびホットメルトコーティングである。
【0151】
本発明による着色組成物はまた、パーソナルケア用配合物、特に化粧品配合物に使用することもできる。
【0152】
したがって本発明のさらなる実施形態は、上述のような逆コロイド結晶および上述のような着色組成物の、パーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物における使用である。
【0153】
したがって本発明のさらなる実施形態はまた、上述のような少なくとも1種の逆コロイド結晶および/または上述のような少なくとも1種の着色組成物を含むパーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物にも関する。
【0154】
パーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物は、任意の通常の形態で適用することができる。これらは、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、PIT乳濁液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング剤、オイル、ムース、ワックス、エアロゾル、スプレーおよびスティックなどの形態であってよい。
【0155】
パーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物は、いかなるパーソナルケアおよび/または化粧品の用途にも使用することができる。これらは、例えばリップスティック、リップケアスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、口紅、パウダーメイクアップ、エマルジョンメイクアップ、ワックスメイクアップ、ネイルラッカー、シャンプーおよびシャワー用組成物として使用することができる。
【0156】
パーソナルケア用配合物ならびに化粧品配合物は、化粧用途に一般に使用されているいかなる成分および添加剤、例えば溶媒、さらに染料および/または顔料、抗酸化剤、撥水剤、ビタミン、UV吸収剤、溶質、セルフタンニング剤、保存剤、抗酸化剤、安定剤、可溶化剤、ビタミン、着色料および匂い改善剤も含み得る。
【0157】
好ましい化粧品組成物は、ヒトの肌への適用に適したものであり、これらは、任意選択ではあるが、本発明の着色組成物に加えて、肌に良い薬剤を含むことが好ましい。肌に良い適切な追加の薬剤として、アンチエイジング剤、しわ取り、美白、にきび抑制および皮脂低下剤などが挙げられる。これらの例は、アルファ-ヒドロキシ酸、ベータ-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、ヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、ビタミンBおよびCの誘導体、二酸、レチノイド、ベツリン酸、バニリン酸、アラントイン、胎盤抽出物、ハイドロラクチンおよびレゾルシノール誘導体を含む。
【0158】
適切な接触時間を取った後で、過剰な組成物は、必要に応じて除去/洗浄することができる。化粧品組成物は、少なくとも2または3つのコロイド結晶層を形成するのに十分な時間だけ肌、爪または毛髪に接触させるのが好ましい。
【0159】
成分濃度は、大幅に異なってもよいが、当技術分野の熟練者であれば、様々な適用形態を作り出すために、特定の成分にどれくらいの濃度が必要であるかわかる。
【0160】
本発明による新しい逆コロイド結晶は、知られているいかなるパーソナルケア用配合物および化粧品配合物でも使用することができる。適切な配合物は、例えばUS2006002875において見出すことができる。
【0161】
したがって本発明のさらなる実施形態は、本発明による少なくとも1種の逆コロイド結晶を含むパーソナルケア用配合物である。
【0162】
したがって本発明のさらなる実施形態は、本発明による少なくとも1種の逆コロイド結晶を含む化粧品配合物である。
【0163】
本発明による逆コロイド結晶の用途のさらなる領域は、様々な用途を有するセキュリティー分野、例えば銀行券、クレジットカード、ビザ、税印などである。
【0164】
したがって本発明のさらなる実施形態は、本発明による少なくとも1種の逆コロイド結晶を含むセキュリティー用の印刷および/またはコーティングインクである。
【0165】
そのようなインクは、特に偽造防止、データまたは情報の認証、検証、または識別の目的で、上述および下述のような光学的に変化するマーキングを含むセキュリティー用マーキング、セキュリティースレッドまたはデバイス、ホログラム、ホットスタンプ箔またはすかしを作成するために使用される。
【0166】
このセキュリティーエレメントはまた、検出可能な追加のセキュリティー機能、特に光学的、機械的、または触覚的に検出可能なセキュリティー機能も含む。
【0167】
したがって本発明のさらなる実施形態は、上述のような本発明による少なくとも1種の逆コロイド結晶と、少なくとも1種の検出可能な追加のセキュリティー機能、特に光学的、機械的、または触覚的に検出可能なセキュリティー機能を含むセキュリティー用印刷および/またはコーティングインクである。
【0168】
光学的に検出可能なセキュリティー機能とは、装置を用いず、または簡単な装置の助けを借りて検出可能なものである。
【0169】
機械で検出可能なセキュリティー機能とは、発光性、磁気性、電導性、熱電子性または圧電性などの特性を検出することができる装置を用いて検出可能なものである。
【0170】
触覚的に検出可能なセキュリティー機能とは、ヒトの触覚での感覚により検出することができるものである。
【0171】
WO2006/045567において、このような追加の検出可能なセキュリティー機能を得るために加えられる化合物についての記載を見つけることができる。
【0172】
本発明による逆コロイド結晶および/または着色組成物をホームケア用途に使用することもできる。逆コロイド結晶および/または組成物は通常、使用することによって生成物に特定の外観を与える。
【0173】
本発明の着色組成物は、基材の少なくとも一領域を着色するために、任意の適切な基材に適用し得る。コロイド結晶による可視光の波長の光の直接反射および/または回折により、構造的色効果が生じる。コロイド結晶により拡散する実質的にすべての光は、広域スペクトル吸収体造影剤により吸収される。これが構造的色効果の向上を引き起こす。着色する基材は、いかなる形態ならびにサイズであってよい。
【0174】
印刷およびコーティング用の材料は、繊維(例えば毛髪)、肌、爪、食品材料、石、セラミック、ガラス、紙、布地、木材、皮革、金属(例えばアルミニウム)およびプラスチックを含む。
【0175】
コーティングの対象となる物は、様々な基材の組合せであり、いかなる形態であってもよい。
【0176】
本発明によるコーティングおよび/または印刷用の配合物は、包装を着色(完全または部分的に)するのに非常に適しており、例えば商品の販売に使用される、例えば練り歯磨き容器、飲料缶、シャンプー容器、シャワーゲル容器などである。
【0177】
着色料化合物はまた、ラベルを印刷するために使用することもでき、これは次いで具体的な実施形態として記載する。
【0178】
本発明の別の態様に従い、本明細書で以前に定義されたような着色組成物の、基材を着色するための使用を提供する。
【0179】
本発明の別の態様に従い、基材の少なくとも1つの領域を、本明細書で以前に定義されたような着色組成物と接触させるステップを含む、基材を着色する方法を提供する。
【0180】
基材の全体を着色組成物と接触させることが重要ではない。換言すれば、範囲は、全部でなくてもよく、すなわち不連続であってもよい。
【0181】
適切な基材とは、基材上にコロイド結晶層が形成し得るあらゆる基材を含む。適切な基材は、例えば、繊維(毛髪など)、肌、爪、食品材料、石、セラミック、ガラス、紙、布地、木材、皮革、金属(例えばアルミニウム)およびプラスチックを含む。
【0182】
基材が食品材料の場合、着色組成物は、食品材料中で使用することができるような品質等級でなければならない。本発明の着色組成物を使用し得る食品材料は、例えば、卵、果実、野菜、アイスクリーム、ソース、シャーベットおよびチョコレートを含む。
【0183】
例えば野菜または果実を用いる場合、食べられる部分に、さらには果皮、葉など、(通常は)食べない部分にも、コーティングおよび/または印刷することが可能である。
【0184】
基材がプラスチック材料の場合、本発明の着色組成物は、プラスチック材料中に分散していてもよく、これをさらに例えば射出成形、射出ブロー成形またはブロー成形により成形してもよい。
【0185】
基材は、保護材料、例えば保護被覆または保護コーティングなどをさらに含んでもよい。保護被覆または保護コーティングは、例えばコロイド結晶層の表面上に透明なラッカー層を含む。代わりに、例えば適切に改質された表面を有する単分散粒子を提供することによって、保護材料をその場で形成することもできる。
【0186】
したがって、本発明の一態様に従い、本明細書で以前に定義されたような着色組成物の、個人の毛髪を着色するための使用を提供する。
【0187】
個人の毛髪の少なくとも一領域を、コロイド結晶層が毛髪上に形成されるように、本明細書で以前に定義されたような着色組成物と接触させるステップを含む、個人の毛髪を着色する方法を提供する。
【0188】
本明細書で以前に定義されたような着色組成物を含む、毛髪染料組成物も提供する。
【0189】
本発明の毛髪染料組成物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、毛髪染料組成物は、毛髪のすべてまたは一部に直接つけることができるスプレー、ローション、シャンプー、クリームまたはペーストの形態であってよい。適切な接触時間を取った後で、過剰の組成物は、必要に応じて洗い流すことができる。
【0190】
本発明の別の態様に従い、本明細書で以前に定義されたような着色組成物の、布地の着色のための使用を提供する。
【0191】
布地の着色とは、白色の布地材料の場合のように、布地に「輝き」をもたせることを含む。
【0192】
本発明の別の態様に従い、布地の少なくとも一領域に、本明細書で以前に定義されたような着色組成物を接触させるステップを含む、布地を着色する方法を提供する。
【0193】
布地の着色に使用される着色組成物は、水中に溶解/分散する粉末もしくは錠剤または液体など、当分野で知られている標準的洗濯配合物の一部として適用することができる。
【0194】
本発明の別の態様に従い、本明細書で以前に定義されたような着色組成物を含む布地染料組成物を提供する。
【0195】
適切な布地は、天然布地および合成布地を含む。天然布地の例として、ウール、絹、毛皮、セルロース系材料、例えば綿、亜麻、リンネルおよび麻などが挙げられる。合成布地として、例えば、ビスコース、ナイロン(ポリアミド)、アクリル類(ポリアクリロニトリル)、アラミド(芳香族ポリアミド)およびポリエステルが挙げられる。布地は、例えば織布、不織布、または編地など、任意の適切な形態であってよい。
【0196】
本発明の布地染料組成物は、任意の適切な形態であってよい。例えば、布地染料組成物は、固体、液体またはペーストの形態であってよい。
【0197】
本発明の別の態様に従い、本明細書で以前に定義されたような着色組成物の、紙を着色するための使用を提供する。
【0198】
本発明の別の態様に従い、紙の少なくとも一領域を、本明細書で以前に定義されたような着色組成物に接触させるステップを含む、紙を着色する方法を提供する。
【0199】
「紙」という用語は、木材のパルプまたは他の繊維系材料からシートで製造され、例えばその上への筆記もしくは印刷、ラッピングまたは包装などを含めたあらゆる使用目的で製造される任意の材料を意味する。
【0200】
本発明の別の態様に従い、本明細書で以前に定義されたよう着色組成物を含むインク組成物を提供する。例えば、このインク組成物は、紙または布地など、印刷可能な表面上への印刷に適している。
【0201】
本発明のインク組成物は通常、基材の一範囲にインクを塗布するための、当分野は既知の標準的な印刷技法を用いて、基材に塗布することができる。通常インク組成物は、基材に塗布することによって、文字、数字および/もしくは他の記号、ならびに/またはグラフィックデザインを形成する。
【0202】
本発明の着色組成物が、毛髪、爪、歯などの天然の基材、およびウールまたは綿などの天然布地を着色するのに用いられる場合、この組成物は通常、逆コロイド結晶を0.01〜4重量%(好ましくは0.01〜4重量%)含む。本発明の着色組成物が、合成基材を着色するのに用いられる場合、組成物は通常、逆コロイド結晶を0.5〜30重量%(好ましくは1〜20重量%)含む。
【0203】
上記の個々のセクションで述べられた本発明の様々な特徴および実施形態は、必要なら変更を加えて、他のセクションに適宜適用される。したがって、あるセクションで特定された特徴は、他方のセクションで特定された特徴と適宜組み合わせることもできる。
【0204】
上記明細書に記載されたすべての出版物は、本明細書中に参照により組み込まれている。本発明の範囲から逸脱することなく、記述した本発明の方法および生成物の様々な修正および変更が当業者には明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態と関連づけて記述されているが、特許請求されている本発明は、そのような具体的な実施形態に不当に限定されるものではないことを理解されたい。実際に、本発明を実施するための記述された方法の様々な変法が関連分野の当業者には明らかであろうが、これらは以下の特許請求の範囲内であることが意図されている。
【0205】
次に本発明について、下記の非限定的な実施例を参照しながらさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】球径370nmのPMMAオパールテンプレートから作製したOC-lレプリカ上面の代表的SEM画像である:a)低拡大率、b)高拡大率。
【図2】ほぼ白色に見える、造影剤なしのシリカからなる逆結晶粉末のデジタル画像である。
【図3】ほぼ白色に見える、造影剤なしのチタンからなる逆結晶粉末のデジタル画像である。
【図4】元素銀が取り込まれた、シリカ逆オパールのEDXパターンである。
【図5】濃い碧青色に見える、造影剤としてAgを有するシリカからなる逆結晶粉末のデジタル画像である。
【図6】濃緑色に見える、造影剤として炭素を有するシリカからなる逆結晶粉末のデジタル画像である。
【実施例1】
【0207】
いかなる造影剤も封入されていないSiO2からなる逆コロイド結晶の作製(比較例)
IRランプ下のガラス状ペトリ皿中のコロイド分散液(濃度10重量%)から分散剤を1〜48時間蒸発させることによって、単分散ポリメチルメタクリレート(PMMA)球体(350nm)から構成されるコロイド結晶の小片を、調製した。濃い虹色で示されるようにコロイド結晶の小片が形成され(約1〜3mm3)、これを、テトラエチルオルトケイ酸、エタノール、水および塩酸(38%)がそれぞれ6:4:3:1の比での混合物からなる溶液に浸漬すると、前駆体溶液の浸潤が生じた。このプロセスの持続時間は、10分間〜15日かかる。次いでこの複合体を慎重にオーブンまで移動し、か焼を約摂氏575度で開始し、8時間続け、二酸化チタンの形成をもたらし、ラテックス粒子を焼き尽くす。SiO2の逆オパール構造が後に残る。図1は、残っている骨格を示し、図2は、その外見を示している。
【0208】
得た生成物の視覚的認知は、実施例3または4の生成物の1つと比べて有意に弱い。
【実施例2】
【0209】
いかなる造影剤も封入されていないTiO2からなる逆コロイド結晶の作製(比較例)
実施例1と同じように、ただし、コロイド小片(0.2g)は、チタンプロプオキシド、エタノール、水および塩酸(38%)がそれぞれ5:5:2:1の比で混合されている混合物中に浸漬した。この複合体を慎重に赤色のオーブンまで移動し、か焼を摂氏575度で開始し、これを8時間続け、二酸化チタンの形成をもたらし、ラテックス粒子を焼き尽くす。TiO2の逆オパール構造が後に残る。
【0210】
図3は、白色粉末のデジタル画像を示している。
【0211】
得た生成物の視覚的認知は、実施例3または4の生成物の1つと比べて有意に弱い。
【実施例3】
【0212】
造影剤として銀および/または酸化銀が封入された逆コロイド結晶の作製(銀塩から元素銀をその場で生成))
シリカ酸化物またはチタニア酸化物から構成される逆オパールの小片(0.2g)を、Buchner漏斗の濾紙上に堆積させた。アンモニア性硝酸銀溶液(0.2M)5mlを滴加し、吸引しながらシリカ逆オパール粉末を完全に覆った。通常、これを3回繰り返した。次いで濾紙を取り除き、次いで複合体をオーブンで、100℃で2日間か焼した。ここで、前駆体銀イオンをその場で造影剤としての元素銀へと変換した。この粉末は、濃い碧青色を示し(図5)、造影剤を封入していない材料と比較して(例1、図2)、光学特性が改善されている。図4は、銀での浸潤の後の逆オパールのEDXパターンを示している。逆オパール中の銀粒子の存在を証明するものである。
【実施例4】
【0213】
カーボンブラックが造影剤として封入された逆コロイド結晶の作製(糖液からカーボンブラックをその場で生成)
シリカオキシドまたはチタニアオキシドから構成される逆オパールの小片(0.2g)をBuchner漏斗の濾紙上に堆積させた。糖液(10重量%〜30重量%)5mlを滴加し、吸引しながらシリカ逆オパール粉末を完全に覆った。通常、これを3回繰り返した。次いで濾紙を取り除き、次いで4℃min-1の速度で周囲温度から300℃へと上げることによって、複合体をオーブンでか焼し、次いで300℃で3時間安定させた。ここで、糖からカーボンブラックへの炭化が起こる。ここで、造影剤がその場で生成された。粉末は、濃い青色を示し、造影剤の封入されていない材料と比較して、光学特性が改善されている。
【0214】
図6は、実施例4の生成物を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)固体連続相中に分散した細孔の規則的配列と、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体材料と
含む逆コロイド結晶。
【請求項2】
細孔が、0.05〜50μmの間、好ましくは0.05〜40μmの間、より好ましくは0.05〜30μmの間の直径を有する、請求項1に記載の逆コロイド結晶。
【請求項3】
広域スペクトル吸収体造影剤が、固体連続相中に取り込まれている、請求項1または2に記載の逆コロイド結晶。
【請求項4】
広域スペクトル吸収体造影剤が、固体連続相の表面上にある、請求項1または請求項2に記載の逆コロイド結晶。
【請求項5】
広域スペクトル吸収体造影剤が、固体連続相中に取り込まれ、固体連続相の表面上にある、請求項1または請求項2に記載の逆コロイド結晶。
【請求項6】
広域スペクトル吸収体造影剤が、化合物の混合物であり、この混合物が、単一の広域スペクトル吸収体造影剤の吸収特性と同じ特性を有する、請求項1から5のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項7】
広域スペクトル吸収体造影剤が、Ag、カーボンブラック、四三酸化鉄、水酸化鉄および黒酸化銀からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項8】
広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体が、金属塩、好ましくは親水性金属塩、例えば硝酸塩またはハロゲン化物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項9】
広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体が、K、Ca、Sr、Ba、Zn、Pb、Fe、Ni、Ce、Co、Cr、Cu、Mn、Sn、Al、Ag、Mg、Au、Cd、Ag硝酸塩、Agハロゲン化物、Fe硝酸塩およびFeハロゲン化物からなる群から選択される、請求項1から8のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項10】
固体連続相が、シリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび/または有機ポリマーを含む、請求項1から9のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項11】
逆コロイド結晶の総重量に対して、5重量%までの少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、請求項1から10のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項12】
逆コロイド結晶の総重量に対して、0.0001〜3重量%、好ましくは0.0001〜1重量%、より好ましくは0.0001〜0.5重量%の少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、請求項1から11のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項13】
逆コロイド結晶の総重量に対して、99.9999重量%までの固体連続相を含む、請求項1から12のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項14】
逆コロイド結晶の総重量に対して、97〜99.9999重量%、好ましくは99〜99.9999重量%、より好ましくは99.5〜99.9999の固体連続相を含む、請求項1から13のいずれかに記載の逆コロイド結晶。
【請求項15】
(i)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
を行うことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の逆コロイド結晶を作製するための方法。
【請求項16】
(i)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと
を行うことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の逆コロイド結晶を作製するための方法。
【請求項17】
(i)単分散粒子の規則的配列で形成されるコロイド結晶を提供するステップと、
(ii)少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む材料を添加することによって、コロイド結晶中の単分散粒子間の間隙に固体を導入し、固体連続相を形成するステップと、
(iii)単分散粒子を除去することによって、固体連続相中に細孔の規則的配列を形成するステップと、
を行うことを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の逆コロイド結晶を作製するための方法。
【請求項18】
単分散粒子が、シリカ球体である、請求項15から17に記載の方法。
【請求項19】
単分散粒子が、スチレン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、メタクリルアミド、アクリルアミド、マレイミド、ビニルエーテル、ビニルエステル、モノアルキルマレエート、ジアルキルマレエート、フッ化アクリレートおよびフッ化メタクリレートからなる群から選択される疎水性モノマーから形成される、請求項15から17に記載の方法。
【請求項20】
単分散粒子が、アクリレート、メタクリレート、フッ化アクリレートおよびフッ化メタクリレートからなる群から選択される疎水性モノマーから形成される、請求項15から17に記載の方法。
【請求項21】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体が、単分散粒子の表面上に位置し、および/または単分散粒子の間に位置し、および/または単分散粒子中に封入されている、請求項15から20に記載の方法。
【請求項22】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の前駆体が有機物である、請求項15から21に記載の方法。
【請求項23】
広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の任意の前駆体が無機物である、請求項15から21に記載の方法。
【請求項24】
固体連続相を形成する材料が、固体または液体または気体、ならびにこれら相の混合物である、請求項15から23に記載の方法。
【請求項25】
固体連続相を形成する材料が、少なくとも1種の広域スペクトル吸収体造影剤および/または広域スペクトル吸収体造影剤の少なくとも1種の前駆体を含む、請求項15から24に記載の方法。
【請求項26】
固体連続相を形成する材料が、シリカ、金属酸化物、金属、金属カルコゲニド、金属プニクチドおよび有機ポリマー溶液である、請求項15から25に記載の方法。
【請求項27】
ステップ(ii)が、金属有機化学気相堆積法により、高圧高温法により、またはゾルゲル法により実施される、請求項15から27に記載の方法。
【請求項28】
単分散粒子が、エッチングにより構造から除去することができる、請求項15から27に記載の方法。
【請求項29】
単分散粒子が、加熱および/または電磁放射により構造から除去することができる、請求項15から27に記載の方法。
【請求項30】
請求項1から14に記載の少なくとも1種の逆コロイド結晶の、着色組成物における使用。
【請求項31】
請求項1から14に記載の逆コロイド結晶を含む着色組成物。
【請求項32】
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜70重量%の逆コロイド結晶を含む、請求項31に記載の着色組成物。
【請求項33】
(b)少なくとも1種の溶媒
を含む、請求項31および32に記載の着色組成物。
【請求項34】
(b1)水と、
(b2)任意選択で、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびにこれらの混合物(精油蒸留生成物および副生成物を含む)からなる群から選択される、少なくとも1種の溶媒と
を含む、請求項31から33のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項35】
(b)アルコール、エステル、ケトン、エーテル、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素、ならびにこれらの混合物(精油蒸留生成物および副生成物を含む)からなる群から選択される、少なくとも1種の溶媒
を含む、請求項31から33のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項36】
(b)着色組成物の総重量に対して、30重量%〜99.99重量%の少なくとも1種の溶媒
を含む、請求項31から35のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項37】
(c)少なくとも1種の硬化材料と、
(d)少なくとも1種の開始剤と
を含む、請求項31から36のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項38】
硬化剤が、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、アクリレート化ポリオールおよびアクリレート化ポリエーテルからなる群から選択される、請求項37に記載の着色組成物。
【請求項39】
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%の硬化剤を含む、請求項37および38に記載の着色組成物。
【請求項40】
開始剤が、ペルオキシドまたはペルオキシド含有化合物、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、アセトフェノンおよびアセトフェノン誘導体、ベンゾインエーテル誘導体、チオキサントン誘導体からなる群から選択される、請求項37から39のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項41】
着色組成物の総重量に対して、0.01重量%〜15重量%の少なくとも1種の開始剤を含む、請求項37から40のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項42】
(e)少なくとも1種の助剤
を含む、請求項31から41のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項43】
(e)湿潤剤、緩衝材料、帯電防止剤、漂白剤、酸化剤、レオロジー改質剤、可溶化剤、乾燥剤、泡止め剤、平滑化剤、界面活性剤、泡抑制剤、凍結防止剤または静真菌剤および/もしくは静菌剤、蛍光増白剤、柔軟剤、防炎添加剤、または汚れ防止剤、撥水剤および撥油剤、ならびに水軟化剤および天然または合成の増粘剤、例えばアルジネートおよびセルロースエーテルからなる群から選択される、少なくとも1種の助剤
を含む、請求項31から42のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項44】
(e)着色組成物の総重量に対して、0.1重量%から10重量%の少なくとも1種の助剤
を含む、請求項31から43のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項45】
固体、液体、ゲル、ムース、ワックスまたはペーストの形態であることを特徴とする、請求項31から44のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項46】
コーティングおよび/または印刷配合物である、請求項31から45のいずれかに記載の着色組成物。
【請求項47】
インクジェット印刷(例えばバブルジェット(登録商標)、コンパウンドジェット、ドライインクジェット、ホットメルトインクジェットなど)、凸版印刷、凹版印刷、活版印刷、リソグラフィー、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷およびパッド印刷に使用される、請求項46に記載の印刷配合物。
【請求項48】
ナイフコーティング、浸漬(ディップ)コーティング、ギャップコーティング、カーテンコーティング、ロータリースクリーンコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、メータリングロッド(マイヤーバー)コーティング、スロットダイ(押出)コーティングおよびホットメルトコーティングのためのコーティング配合物として使用される、請求項46に記載の着色配合物。
【請求項49】
請求項1から12に記載の少なくとも1種の逆コロイド結晶および/または請求項29から45に記載の少なくとも1種の着色組成物の、パーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物における使用。
【請求項50】
請求項1から14に記載の少なくとも1種の逆コロイド結晶および/または請求項31から45に記載の少なくとも1種の着色組成物を含む、パーソナルケア用配合物および/または化粧品配合物。
【請求項51】
請求項1から14に記載の少なくとも1種の逆コロイド結晶を含む、セキュリティー印刷用および/またはコーティング用インク。
【請求項52】
請求項31から49および51に記載の着色組成物の、基材を着色するための使用。
【請求項53】
基材が、繊維(毛髪など)、肌、爪、食品材料、石、セラミック、ガラス、紙、布地、木材、皮革、金属(例えばアルミニウム)およびプラスチックからなる群から選択される、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
請求項31から49および51に記載の着色組成物で印刷および/またはコーティングが施された基材。
【請求項55】
繊維(毛髪など)、肌、爪、食品材料、石、セラミック、ガラス、紙、布地、木材、皮革、金属(例えばアルミニウム)およびプラスチックからなる群から選択される、請求項54に記載の基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−532738(P2010−532738A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507897(P2010−507897)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055820
【国際公開番号】WO2008/141971
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】