説明

逆ヒステリシス回路

【課題】入力信号の周波数に変化が生じた場合であれ、確実に動作することの逆ヒステリシス回路を提供する。
【解決手段】逆ヒステリシス回路1は、第1インバータ10の出力信号である第1出力信号OUT1の電圧レベル及び第2インバータ20の出力信号である第2出力信号OUT2の電圧レベルの双方に基づいて、逆ヒステリシス回路1としての入力端子に入力される入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルを第1閾値電圧レベルとし、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルを第2閾値電圧レベルとする出力信号を生成する出力信号生成部を備える。出力信号生成部30は、第1出力信号OUT1の電圧レベルに応じて動作する第1フリップフロップ32と、第2出力信号OUT2の電圧レベルに応じて動作する第2フリップフロップ35とを含んで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルが入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高い逆ヒステリシス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の逆ヒステリシス回路としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この文献に記載の技術では、逆ヒステリシス回路は、第1閾値電圧レベル以下の入力信号が入力されるとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベルの出力信号を出力する一方、第1閾値電圧レベルを超える入力信号が入力されるとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベルの出力信号を出力する第1インバータと、第1インバータの第1閾値電圧レベルよりも高く設定された第2閾値電圧レベル以下の入力信号が入力されるとき、論理Lレベルに対応する電圧レベルの一定の出力信号を出力する一方、第2閾値電圧レベルを超える入力信号が入力されるとき、論理Hレベルに対応する電圧レベルの一定の出力信号を出力する第2インバータとを備える。また、逆ヒステリシス回路は、これら第1及び第2インバータに接続されて各出力信号をそれぞれ取り込むとともに、取り込んだ各出力信号を逆ヒステリシス回路の出力信号として選択的に出力する選択出力部と、この選択出力部の出力信号を所定時間だけ遅延させて帰還信号として選択出力部に入力する帰還部とを備える。なお、選択出力部は、第2インバータよりも第1インバータの出力信号を優先的に選択出力しており、遅延部を通じて帰還信号が入力されている間にのみ第2インバータの出力信号を選択出力する。
【0003】
以上のように構成された逆ヒステリシス回路に対し、例えば立ち上がり及び立ち下がりが緩慢な入力信号が入力されると、第1閾値電圧レベルが第2閾値電圧レベルよりも低いため、第1インバータの出力信号は、第2インバータの出力信号よりも早いタイミングで立ち上がるとともに遅いタイミングで立ち下がる。すなわち、第1インバータの出力信号は、第2インバータの出力信号よりもパルス幅が長くなる(広がる)。そして、逆ヒステリシス回路は、基本的に、第1インバータの出力信号と同じタイミングで立ち上がるとともに第2インバータの出力と同じタイミングで立ち下がる出力信号を出力するようになる。
【特許文献1】特開昭55−3210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の逆ヒステリシス回路では、例えば逆ヒステリシス回路に入力される入力信号の周波数が変動するようなことがあると、逆ヒステリシス回路として動作することができなくなるおそれがある。
【0005】
具体的には、例えば逆ヒステリシス回路に入力される入力信号の周波数が、当該逆ヒステリシス回路の設計時に想定していた入力信号の周波数よりも高くなり、第1インバータの出力信号が立ち上がってから所定時間が経過する前に、第1インバータの出力信号が立ち下がるようなことがあると、逆ヒステリシス回路は、第2インバータの出力信号を用いることなく、第1インバータの出力信号をそのまま逆ヒステリシス回路の出力信号として出力することになる。この場合、逆ヒステリシス回路に入力される入力信号の立ち上がりだけでなく、立ち下がりについても、第1閾値電圧レベルを用いて波形を整形したことを意味しており、逆ヒステリシス回路として動作することができなくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、入力信号の周波数に変化が生じた場合であれ、確実に動作することの逆ヒステリシス回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルが立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高い逆ヒステリシス回路として、前記入力信号が第1閾値電圧レベル以下であるとき、第1論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第1出力信号を出力する一方、前記入力信号が第1閾値電圧レベルを超えるとき、第2論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第1出力信号を出力する第1インバータと、前記入力信号が第1閾値電圧レベルよりも高い第2閾値電圧レベル以下であるとき、第1論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第2出力信号を出力する一方、前記入力信号が第2閾値電圧レベルを超えるとき、第2論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第2出力信号を出力する第2インバータと、第1出力信号及び第2出力信号の電圧レベルに基づいて、前記入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルを第1閾値電圧レベルとし、前記入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルを第2閾値電圧レベルとする出力信号を生成する出力信号生成部とを備え、前記出力信号生成部は、第1出力信号の立ち上がり時にパルスを生成する第1フリップフロップと、前記パルス及び第2出力信号に基づいて前記出力信号を生成する第2フリップフロップとを含んで構成されることとした。
【0008】
逆ヒステリシス回路としてのこのような構成では、背景技術の欄に記載した従来技術と同様に、入力信号が入力されると、第1閾値電圧レベルが第2閾値電圧レベルよりも低いため、第1出力信号は、第2出力信号よりも早いタイミングで立ち上がるとともに遅いタイミングで立ち下がる。そして、出力信号生成部を通じて、第1及び第2出力信号に基づき、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルが入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高い出力信号が生成される。
【0009】
ただし、上記構成では、第1及び第2フリップフロップが出力信号生成部に採用されているため、従来技術で採用されていた遅延部とは異なり、第1出力信号及び第2出力信号の変化に直ちに追従することができる。そのため、例えば逆ヒステリシス回路に入力される入力信号の周波数が当該逆ヒステリシス回路の設計時に想定していた入力信号の周波数よりも高くなったとしても、換言すれば、入力信号の周波数に変化が生じた場合であっても、逆ヒステリシス回路として確実に動作することができるようになる。
【0010】
また、上記請求項1に記載の構成において、例えば請求項2に記載の発明のように、第1及び第2インバータは、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルが入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルよりも高いシュミットトリガインバータであり、第2インバータへの入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルは、第1インバータへの入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高く設定されていることとしてもよい。これにより、上記請求項1に記載の構成に準じた効果を得ることができるようになるだけでなく、入力信号の周波数が低い場合であっても、逆ヒステリシス回路としての動作がより安定するようになる。
【0011】
また、上記請求項1または2に記載の構成において、例えば請求項3に記載の発明のように、第1及び第2フリップフロップは、データ端子、クロック端子、リセット端子、及び出力端子を有するDフリップフロップであり、第1フリップフロップは、そのデータ端子における電圧レベルが第2論理レベルに対応する電圧レベルに固定されているとともに、そのクロック端子が第1インバータにNOTゲートを介して接続され、その出力端子が第1及び第2フリップフロップのリセット端子にNOTゲートを介してそれぞれ接続されており、第2フリップフロップは、そのデータ端子における電圧レベルが第2論理レベルに対応する電圧レベルに固定されているとともに、そのクロック端子が第2インバータに接続され、その出力端子が当該逆ヒステリシス回路としての出力端子に接続されていることとしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る逆ヒステリシス回路の一実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施の形態の全体構成の一例を示す等価回路図であり、図2は、本実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。はじめに、この図1を参照して本実施の形態の構成について説明する。なお、本実施の形態は、インバータ用パワーMOSトランジスタのオフ時に、このパワーMOSトランジスタのゲート電位を強制的にグランド電位に固定するオフ保持回路に適用されている。
【0013】
本実施の形態の逆ヒステリシス回路1は、図1に示されるように、基本的に、第1インバータ10、第2インバータ20及び出力信号生成部30等々を備えている。
【0014】
このうち、第1インバータ10は、逆ヒステリシス回路1としての入力端子が前段に接続されており、出力信号生成部30(正確にはNOTゲート31)が後段に接続されている。第1インバータ10は、逆ヒステリシス回路1としての入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが第1閾値電圧レベル(例えば「2.8V」)以下であるとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「0.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力する。一方、第1インバータ10は、入力信号INの電圧レベルが第1閾値電圧レベルを超えるとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「5.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力している。
【0015】
また、第2インバータ20は、上記第1インバータ10と同様に、逆ヒステリシス回路1としての入力端子が前段に接続されており、出力信号生成部30(正確には第2フリップフロップ35)が後段に接続されている。第2インバータ20は、上記入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが第2閾値電圧レベル(例えば「3.0V」)以下であるとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「0.0V」)にて出力信号生成部30(第2フリップフロップ35)に対して第2出力信号OUT2を出力する。一方、第2インバータ20は、入力信号INの電圧レベルが第2閾値電圧レベルを超えるとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「5.0V」)にて出力信号生成部30(正確には第2フリップフロップ35)に対して第2出力信号OUT2を出力する。なお、第1閾値電圧レベルは、第2閾値電圧レベルよりも低く設定されている。
【0016】
そして、出力信号生成部30は、上記第1インバータ10及び第2インバータ20並びにPOR端子が前段に接続されており、逆ヒステリシス回路1としての出力端子が後段に接続されている。そして出力信号生成部30は、NOTゲート31、第1フリップフロップ32、NOTゲート33、ANDゲート34、第2フリップフロップ35及びNOTゲート36等々を備えている。
【0017】
このうち、NOTゲート31は、上記第1インバータ10が前段に接続されており、第1フリップフロップ32が後段に接続されている。NOTゲート31は、入力された第1出力信号OUT1の論理レベルを反転した論理レベルに対応する電圧レベルにて、第1フリップフロップ32に対し出力信号を出力する。すなわち、第1出力信号OUT1の電圧レベルが論理Hレベルに対応する電圧レベルであるとき、NOTゲート31は、反転した論理Lレベルに対応する電圧レベルにて、第1フリップフロップ32に対し出力信号を出力する。一方、第1出力信号OUT1の電圧レベルが論理Lレベルに対応する電圧レベルであるとき、NOTゲート31は、反転した論理Hレベルに対応する電圧レベルにて、第1フリップフロップ32に対して出力信号を出力する。
【0018】
第1フリップフロップ32は、例えばDフリップフロップにて構成されており、入力端子32a及び32b並びに出力端子32cを有している。図1に示すように、第1フリップフロップ32は、その入力端子32aが上記NOTゲート31に接続されており、その入力端子32bがANDゲート34に接続されており、その出力端子32cがNOTゲート33に接続されている。ここで、第1フリップフロップ32は、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて入力信号が入力端子32bに入力され、且つ、入力端子32aに入力される入力信号が論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する(入力信号が立ち下がる)とき、論理Hレベルに対応する電圧レベルにてNOTゲート33に対して出力端子32cから出力信号を出力する。また、第1フリップフロップ32は、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて入力信号が入力端子32bに入力され、入力端子32aに入力される入力信号の電圧レベル(論理レベル)に変化がないとき、NOTゲート33に対して出力端子32cから出力する出力信号の電圧レベルを保持する。さらに、第1フリップフロップ32は、論理Lレベルに対応する電圧レベルの入力信号が入力端子32bに入力されると、入力端子32aに入力される入力信号の電圧レベル(論理レベル)にかかわらず、論理Lレベルに対応する電圧レベルにてNOTゲート33に対して出力端子32cから出力信号を出力する。なお、通常Dフリップフロップは、D端子、CLK端子、R端子及びQ端子を有しているが、図1では便宜上、D端子に相当する端子の図示を割愛しており、論理Hレベルに対応する電圧レベルの入力信号が常にD端子に入力されているものとする。また、入力端子32aがCLK端子に相当し、入力端子32bがR端子に相当し、出力端子32cがQ端子にそれぞれ相当する。
【0019】
NOTゲート33は、第1フリップフロップ32が前段に接続されており、ANDゲート34が後段に接続されている。なお、NOTゲート33の動作は、上記NOTゲート31の動作と同じであるため、ここでの重複する説明を割愛する。
【0020】
ANDゲート34は、入力端子34a及び34b並びに出力端子34cを有している。図1に示すように、ANDゲート34は、その入力端子34aがPOR端子に接続されており、その入力端子34bが上記NOTゲート33に接続されており、その出力端子34cが第1フリップフロップ32の入力端子32b及び第2フリップフロップ35の入力端子35bにそれぞれ接続されている。ここで、ANDゲート34は、論理Hレベルに対応する電圧レベルの入力信号が入力端子34aに対しPOR端子から入力され、且つ、論理Hレベルに対応する電圧レベルの入力信号が入力端子34bに対しNOTゲート33から入力されるときにのみ、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子34cから出力信号を出力する。
【0021】
第2フリップフロップ35は、先の第1フリップフロップ32と同様に、例えばDフリップフロップにて構成されており、入力端子35a及び35b並びに出力端子35cを有している。図1に示すように、第2フリップフロップ35は、その入力端子35aが上記第2インバータ20に接続されており、その入力端子35bがANDゲート34に接続されており、その出力端子35cがNOTゲート36に接続されている。ここで、第2フリップフロップ35は、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて入力信号が入力端子35bに入力され、且つ、入力端子35aに入力される入力信号が論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する(入力信号が立ち下がる)とき、論理Hレベルに対応する電圧レベルにてNOTゲート36に対して出力端子35cから出力信号を出力する。また、第2フリップフロップ32は、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて入力信号が入力端子35bに入力され、入力端子35aに入力される入力信号の電圧レベル(論理レベル)に変化がないとき、NOTゲート36に対して出力端子35cから出力する出力信号の電圧レベルを保持する。さらに、第2フリップフロップ32は、論理Lレベルに対応する電圧レベルの入力信号が入力端子35bに入力されると、入力端子35aに入力される入力信号の電圧レベル(論理レベル)にかかわらず、論理Lレベルに対応する電圧レベルにてNOTゲート36に対して出力端子35cから出力信号を出力する。なお、これも先の第1フリップフロップ32と同様に、通常Dフリップフロップは、D端子、CLK端子、R端子及びQ端子を有しているが、図1では便宜上、D端子に相当する端子の図示を割愛しており、論理Hレベルに対応する電圧レベルの入力信号が常にD端子に入力されているものとする。また、入力端子35aがCLK端子に相当し、入力端子35bがR端子に相当し、出力端子35cがQ端子にそれぞれ相当する。
【0022】
NOTゲート36は、第2フリップフロップ35が前段に接続されており、逆ヒステリシス回路1の出力端子が後段に接続されている。なお、NOTゲート36の動作は、上記NOTゲート11及び21の動作と同じであるため、ここでの重複する説明を割愛する。
【0023】
次に、逆ヒステリシス回路1の入力端子に入力される入力信号INに基づく通常動作の動作例を説明するに先立ち、逆ヒステリシス回路1に対する電源(図示略)投入直後の、各構成要素の出力信号について説明する。
【0024】
逆ヒステリシス回路1は、既述したように、多くの能動素子によって構成されているため、電源が投入されてから能動素子の動作が安定するまでに待機時間が必要である。そうした間、逆ヒステリシス回路1としての動作が不安定になることを防止するため、論理Lレベルに対応する電圧レベルの信号がPOR端子に入力されている。
【0025】
論理Lレベルに対応する電圧レベルの信号がPOR端子に入力されると、換言すれば、論理Lレベルに対応する電圧レベルの入力信号がANDゲート34の入力端子34aに入力されると、ANDゲート34の入力端子34bに入力される入力信号の電圧レベルにかかわらず、ANDゲート34は、論理Lレベルに対応する電圧レベルの出力信号を出力端子34cから出力する。すると、第1及び第2フリップフロップ32及び35の入力端子32b及び35bにはそれぞれ論理Lレベルに対応する電圧レベルにて入力信号が入力されるため、第1及び第2フリップフロップ32及び35の出力端子32c及び35cから論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力信号が出力される。その後、NOTゲート33にて論理レベルが反転されるため、ANDゲート34の出力端子34cから論理Hレベルに対応する出力信号が出力され、第1及び第2フリップフロップ32及び35の出力端子32c及び35cから出力される出力信号は、論理Lレベルに対応する電圧レベルに安定する。すなわち、逆ヒステリシス回路1の出力端子から出力される出力信号は、NOTゲート36にて論理レベルが反転されるため、論理Hレベルに対応する電圧レベルに安定することになる。
【0026】
逆ヒステリシス回路1の動作が安定すると、論理Hレベルに対応する電圧レベルの信号がPOR端子に入力される。ここで、入力端子32b及び35bには、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて入力信号がそれぞれ入力され、入力端子32a及び35aに入力される入力信号の電圧レベル(論理レベル)に変化は無いため、出力端子32c及び35cから出力される出力信号の電圧レベルは保持される。すなわち、第1及び第2フリップフロップ32及び35は、論理Lレベルに対応する電圧レベルにてNOTゲート33及び36に対して出力端子32c及び35cから出力信号をそれぞれ出力する。そして、逆ヒステリシス回路1の出力端子から出力される出力信号は、NOTゲート36にて論理レベルが反転されるため、論理Hレベルに対応する電圧レベルが出力されることになる。
【0027】
以下、逆ヒステリシス回路1の通常動作について、図2を参照しつつさらに説明する。なお、図2は、逆ヒステリシス回路の通常動作の一例を示すタイミングチャートである。この図2では図示を割愛しているが、逆ヒステリシス回路1の通常動作開始に際しては、逆ヒステリシス回路1の入力端子に入力される入力信号INの電圧レベルは、論理Hレベルに対応する電圧レベルから開始される。そのため、図2に示すような、入力信号INの電圧レベルが論理Lレベルに対応する電圧レベルになるまでに、立ち下がりの信号が第2フリップフロップ35の入力端子35aに入力される。したがって、第2フリップフロップ35は、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子35cから出力信号を出力し、逆ヒステリシス回路1は、論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力信号OUTを出力端子から出力する。
【0028】
図2(a)に示すように、逆ヒステリシス回路1の入力端子に入力される入力信号INの電圧レベルは、例えば時刻t10において「0.0V」であり、一定の割合で高くなる。すなわち、例えば時刻t11において「2.8V」を上回り、例えば時刻t12において「3.0V」を上回り、そして例えば時刻t13において「5.0V」に達する。その後、入力信号INの電圧レベルは、一定の割合で低下する。すなわち、例えば時刻t14において「3.0V」を下回り、例えば時刻t15において「2.8V」を下回り、最終的には「0.0V」に達する。
【0029】
時刻t11より以前においては、入力信号INの電圧レベルは、上記第1閾値電圧レベルに達していない。そのため、第1インバータ10の出力信号である第1出力信号OUT1は、図2(b)に示すように、論理Lレベルに対応する電圧レベルとなっている。同様に、入力信号INの電圧レベルは、上記第2閾値電圧レベルに達していない。そのため、第2インバータ20の出力信号である第2出力信号OUT2は、図2(c)に示すように、論理Lレベルに対応する電圧レベルとなっている。
【0030】
このとき、第1出力信号OUT1及び第2出力信号OUT2の電圧レベルは論理Lレベルに対応して一定であるため、第1及び第2フリップフロップ32及び35の出力端子32c及び35cから出力される出力信号の電圧レベルに変化はない。すなわち、第1フリップフロップ32が論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力端子32cから出力信号を出力しているため、ANDゲート34は論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子34cから出力信号を出力する。したがって、第2フリップフロップ35が論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子35cから出力信号を保持し、NOTゲート36にて論理レベルが反転されるため、逆ヒステリシス回路1は、図2(d)に示すように、論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力端子から出力信号を出力することになる。
【0031】
時刻t11においては、入力信号INの電圧レベルは、上記第1閾値電圧レベルを上回るため、第1インバータの出力信号である第1出力信号OUT1は、図2(b)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルに変化する。しかしながら、入力信号INの電圧レベルは、上記第2閾値電圧レベルに達していないため、第2インバータの出力信号である第2出力信号OUT2は、図2(c)に示すように、論理Lレベルに対応する電圧レベルとなっている。
【0032】
このとき、第1フリップフロップ32の入力端子32aに入力される入力信号は、NOTゲート31によって論理レベルが反転されるため、論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する。ここで、第1フリップフロップ32の入力端子32bに入力されている入力信号の電圧レベルは論理Hレベルに対応するため、第1フリップフロップ32は、論理Lレベルに対応する電圧レベルから論理Hレベルに対応する電圧レベルに、出力端子32cから出力する出力信号の電圧レベルを変化させる。すると、ANDゲート34が論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力端子34cから出力信号を出力するため、第1及び第2フリップフロップ32及び35の入力端子32b及び35bには、論理Lレベルに対応する電圧レベルにて入力信号がそれぞれ入力されることになる。そのため、第1及び第2フリップフロップ32及び35は、論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力信号を出力端子32c及び35cからそれぞれ出力する。したがって、逆ヒステリシス回路1は、図2(d)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子から出力信号を出力することになる。
【0033】
なお、第1フリップフロップ32の入力端子32bに論理Lレベルに対応する電圧レベルにて入力信号がそれぞれ入力された後、第1フリップフロップ32は論理Lレベルに対応する電圧レベルにて出力端子32cから出力信号を出力することになり、ANDゲート34が論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子34cから出力信号を出力するため、第1及び第2フリップフロップはともに、論理Lレベルに対応する出力信号を出力端子32c及び35cからそれぞれ出力することになる。こうした状態が上記時刻t12(正確には時刻14)まで継続される。
【0034】
このように、第1フリップフロップ32は、入力信号INの立ち上がり時に、「論理L→論理H→論理L」といった1パルスを出力端子32cから出力する。また、第2フリップフロップ33は、入力端子35bにパルスが入力されることで、論理Lレベルに対応する電圧レベルから論理Hレベルに対応する電圧レベルに立ち上げている。
【0035】
時刻t12においては、入力信号INの電圧レベルは、上記第1閾値電圧レベルを既に上回っているため、第1インバータの出力信号である第1出力信号OUT1は、図2(b)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルが維持されている。しかしながら、入力信号INの電圧レベルは、上記第2閾値電圧レベルを上回るため、第2インバータの出力信号である第2出力信号OUT2は、図2(c)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルに変化する。このとき、第2フリップフロップ35の入力端子35aに入力される入力信号は、論理Lレベルに対応する電圧レベルから論理Hレベルに対応する電圧レベルに変化するものの、第2フリップフロップ35は、出力端子35cから出力する出力信号の電圧レベルを変化させない。そのため、逆ヒステリシス回路1は、図2(d)に示すように、出力端子から出力する出力信号の電圧レベルを維持している。なお、こうした状態は、時刻t14まで継続される。
【0036】
時刻t14においては、入力信号INの電圧レベルは、上記第1閾値電圧レベルを依然として上回っているため、第1インバータの出力信号である第1出力信号OUT1は、図2(b)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルを維持している。しかしながら、入力信号INの電圧レベルは、上記第2閾値電圧レベルを下回るため、第2インバータの出力信号である第2出力信号OUT2は、図2(c)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する。
【0037】
このとき、第2フリップフロップ35の入力端子35aに入力される入力信号は、論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する。ここで、第2フリップフロップ35の入力端子35bに入力されている入力信号の電圧レベルは論理Hレベルに対応するため、第2フリップフロップ35は、論理Lレベルに対応する電圧レベルから論理Hレベルに対応する電圧レベルに、出力端子35cから出力する出力信号の電圧レベルを変化させる。したがって、逆ヒステリシス回路1は、図2(d)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルにて出力端子から出力していた出力信号を、論理Lレベルに対応する電圧レベルに変更して出力端子から出力することになる。なお、第1フリップフロップ32の入力端子32bに入力される入力信号の電圧レベルに変化はないため、こうした状態が上記時刻t15(正確には時刻15以降も)まで継続される。
【0038】
時刻t15においては、入力信号INの電圧レベルは、上記第1閾値電圧レベルを下回るため、第1インバータの出力信号である第1出力信号OUT1は、図2(b)に示すように、論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化する。しかしながら、入力信号INの電圧レベルは、上記第2閾値電圧レベルを既に下回っているため、第2インバータの出力信号である第2出力信号OUT2は、図2(c)に示すように、論理Lレベルに対応する電圧レベルを維持している。このとき、第1フリップフロップ32の入力端子32aに入力される入力信号は、論理Hレベルに対応する電圧レベルから論理Lレベルに対応する電圧レベルに変化するものの、第1フリップフロップ32は、出力端子32cから出力する出力信号の電圧レベルを変化させない。そのため、逆ヒステリシス回路1は、図2(d)に示すように、出力端子から出力する出力信号の電圧レベルを維持している。なお、こうした状態は、時刻t15以後も継続される。
【0039】
このようにして、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルを上記第1閾値電圧レベル(「2.8V」)とし、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルを上記第2閾値電圧レベル(「3.0V」)としており、逆ヒステリシス回路が実現されている。
【0040】
以上説明した本実施の形態の逆ヒステリシス回路1によれば、第1出力信号OUT1の立ち上がり時にパルスを生成する第1フリップフロップ32と、そのパルス及び第2出力信号OUT2に基づいて出力信号を生成する第2フリップフロップ35とを含んで出力信号生成部30を構成しているため、逆ヒステリシス回路1への入力信号の周波数に変化が生じた場合であれ、確実に動作することができるようになる。
【0041】
(第2の実施の形態)
以下、この発明に係る逆ヒステリシス回路の第2の実施の形態について、図3及び図4を参照しつつ説明する。なお、図3は、本実施の形態の全体構成の一例を示す等価回路図であり、図4は、本実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0042】
同図3に示されるように、この実施の形態の逆ヒステリシス回路1aも、基本的には、先の第1の実施の形態の逆ヒステリシス回路1に準じた構成を有している。ただし、先の第1の実施の形態では、単一の閾値電圧レベルを有する通常のインバータが第1及び第2インバータ10及び20として採用されているのに対し、本実施の形態では、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルが入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルよりも高いシュミットトリガインバータが第1及び第2インバータ10a及び20aとして採用されている。なお、本実施の形態も、インバータ用パワーMOSトランジスタのオフ時に、このパワーMOSトランジスタのゲート電位を強制的にグランド電位に固定するオフ保持回路に適用されている。
【0043】
詳しくは、図3に示すように、逆ヒステリシス回路1aは、シュミットトリガインバータを第1インバータ10aとして有している。この第1インバータ10aは、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子が前段に接続されており、出力信号生成部30(正確にはNOTゲート31)が後段に接続されている。第1インバータ10aは、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが立ち上がる場合においては、立ち上がり閾値電圧レベル(例えば「2.8V」)を下回っているとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「0.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力するものの、立ち上がり閾値電圧レベル以上になるとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「5.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力する。一方、第1インバータ10aは、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが立ち下がる場合においては、立ち下がり閾値電圧レベル(例えば「2.2V」)を上回っているとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベルにて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力するものの、立ち下がり閾値電圧レベル以下となるとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベルにて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第1出力信号OUT1を出力する。このように、入力信号の立ち上がり時における立ち上がり閾値電圧レベルが入力信号の立ち下がり時における立ち下がり閾値電圧レベルよりも高くなっている。
【0044】
また、図3に示すように、逆ヒステリシス回路1aは、シュミットトリガインバータを第2インバータ20aとして有している。この第2インバータ20aは、先の第1インバータ10aと同様に、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子が前段に接続されており、出力信号生成部30(正確にはNOTゲート31)が後段に接続されている。第2インバータ20aは、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが立ち上がる場合においては、立ち上がり閾値電圧レベル(例えば「3.6V」)を下回っているとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「0.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第2出力信号OUT2を出力するものの、立ち上がり閾値電圧レベル以上になるとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベル(例えば「5.0V」)にて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第2出力信号OUT2を出力する。一方、第2インバータ20aは、逆ヒステリシス回路1aとしての入力端子から入力される入力信号INの電圧レベルが立ち下がる場合においては、立ち下がり閾値電圧レベル(例えば「3.0V」)を上回っているとき、論理Hレベルに対応する一定の電圧レベルにて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第2出力信号OUT2を出力するものの、立ち下がり閾値電圧レベル以下となるとき、論理Lレベルに対応する一定の電圧レベルにて出力信号生成部30(NOTゲート31)に対して第2出力信号OUT2を出力する。このように、入力信号の立ち上がり時における立ち上がり閾値電圧レベルが入力信号の立ち下がり時における立ち下がり閾値電圧レベルよりも高くなっている。また、第2インバータ20aの立ち下がり閾値電圧レベルは、第1インバータ10aの立ち上がり閾値電圧レベルよりも低く設定されている。
【0045】
次に、逆ヒステリシス回路1aの入力端子に入力される入力信号INに基づく動作例を図4に示す。この図4は、逆ヒステリシス回路1aの動作の一例を示すタイミングチャートであり、基本的には、先の図2に示したタイミングチャートに準じている。
【0046】
図4(a)に示すように、逆ヒステリシス回路1aの入力端子に入力される入力信号INの電圧レベルは、例えば時刻t20において「0.0V」であり、一定の割合で高くなる。すなわち、例えば時刻t21において「2.8V」を上回り、例えば時刻t12において「3.6V」を上回り、そして例えば時刻t23において「5.0V」に達する。その後、入力信号INの電圧レベルは、一定の割合で低下する。すなわち、例えば時刻t24において「3.0V」を下回り、例えば時刻t25において「2.2V」を下回り、最終的には「0.0V」に達する。ここで、「時刻t20〜時刻21」、「時刻t21〜時刻22」、「時刻t22〜時刻24」、「時刻t24〜時刻25」及び「時刻t25以降」におけるそれぞれの逆ヒステリシス回路1aの動作は、先の図2を用いて説明した、「時刻t10〜時刻11」、「時刻t11〜時刻12」、「時刻t12〜時刻14」、「時刻t14〜時刻15」及び「時刻t15以降」における逆ヒステリシス回路1の動作にそれぞれ準じている。そのため、ここでの重複する説明を割愛する。
【0047】
図4に示すように、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルを、第1インバータ10aの立ち上がり閾値電圧レベル(「2.8V」)とし、入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルを、第2インバータ20aの立ち下がり閾値電圧レベル(「3.0V」)とした逆ヒステリシス回路1aが実現されている。
【0048】
以上説明した本実施の形態の逆ヒステリシス回路1aによっても、第1出力信号OUT1の立ち上がり時にパルスを生成する第1フリップフロップ32と、そのパルス及び第2出力信号OUT2に基づいて出力信号を生成する第2フリップフロップ35とを含んで出力信号生成部30を構成しているため、逆ヒステリシス回路1aへの入力信号の周波数に変化が生じた場合であれ、確実に動作することができるようになる。すなわち、本実施の形態の逆ヒステリシス回路1aによっても、第1の実施の形態の逆ヒステリシス回路1に準じた効果を得ることができるようになる。さらに、本実施の形態の逆ヒステリシス回路1aによれば、入力信号INの周波数が低い場合であっても、逆ヒステリシス回路1aとしての動作がより安定するようになる。
【0049】
なお、本発明に係る逆ヒステリシス回路は、上記各実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
【0050】
上記各実施の形態では、第1及び第2インバータとして、単一の閾値電圧レベルを有する通常のインバータのみが採用されている、あるいは、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも立ち下がり時における閾値電圧レベルの方が高いいわゆるシュミットトリガインバータのみが採用されていたが、これに限られない。他に例えば、第1インバータとして通常のインバータを採用し、第2インバータとしてシュミットトリガインバータを採用するとともに、第2インバータの立ち下がり閾値電圧レベルを第1インバータの第1閾値電圧レベルよりも高く設定することとしてもよい。同様に、第1インバータとしてシュミットトリガインバータを採用し、第2インバータとして通常のインバータを採用するとともに、第2インバータの第2閾値電圧レベルを第1インバータの立ち下がり閾値電圧レベルよりも高く設定することとしてもよい。こうした構成によっても、上記各実施の形態に準じた効果を得ることができ、所期の目的を達成することはできる。
【0051】
上記各実施の形態(変形例を含む)では、逆ヒステリシス回路1及び1aは、インバータ用パワーMOSトランジスタのオフ時に、このパワーMOSトランジスタのゲート電位を強制的にグランド電位に固定するオフ保持回路に適用されていることとしたが、こうしたオフ保持回路に限らず、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の逆ヒステリシス回路に係る第1の実施の形態について、その等価回路の一例を示す図。
【図2】(a)〜(d)は、同第1の実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャート。
【図3】本発明の逆ヒステリシス回路に係る第2の実施の形態について、その等価回路の一例を示す図。
【図4】(a)〜(d)は、同第2の実施の形態の動作の一例を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
【0053】
1、1a…逆ヒステリシス回路、10、10a…第1インバータ、20、20a…第2インバータ、30…出力信号生成部、31…NOTゲート、32…第1フリップフロップ、32a…入力端子、32b…入力端子、32c…出力端子、33…NOTゲート、34…ANDゲート、34a…入力端子、34b…入力端子、34c…出力端子、35…第2フリップフロップ、35a…入力端子、35b…入力端子、35c…出力端子、36…NOTゲート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルが立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高い逆ヒステリシス回路であって、
前記入力信号が第1閾値電圧レベル以下であるとき、第1論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第1出力信号を出力する一方、前記入力信号が第1閾値電圧レベルを超えるとき、第2論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第1出力信号を出力する第1インバータと、
前記入力信号が第1閾値電圧レベルよりも高い第2閾値電圧レベル以下であるとき、第1論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第2出力信号を出力する一方、前記入力信号が第2閾値電圧レベルを超えるとき、第2論理レベルに対応する一定の電圧レベルにて第2出力信号を出力する第2インバータと、
第1出力信号及び第2出力信号の電圧レベルに基づいて、前記入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルを第1閾値電圧レベルとし、前記入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルを第2閾値電圧レベルとする出力信号を生成する出力信号生成部とを備え、
前記出力信号生成部は、第1出力信号の立ち上がり時にパルスを生成する第1フリップフロップと、前記パルス及び第2出力信号に基づいて前記出力信号を生成する第2フリップフロップとを含んで構成されることを特徴とする逆ヒステリシス回路。
【請求項2】
第1及び第2インバータは、入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルが入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルよりも高いシュミットトリガインバータであり、
第2インバータへの入力信号の立ち下がり時における閾値電圧レベルは、第1インバータへの入力信号の立ち上がり時における閾値電圧レベルよりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の逆ヒステリシス回路。
【請求項3】
第1及び第2フリップフロップは、データ端子、クロック端子、リセット端子、及び出力端子を有するDフリップフロップであり、
第1フリップフロップは、そのデータ端子における電圧レベルが第2論理レベルに対応する電圧レベルに固定されているとともに、そのクロック端子が第1インバータにNOTゲートを介して接続され、その出力端子が第1及び第2フリップフロップのリセット端子にNOTゲートを介してそれぞれ接続されており、
第2フリップフロップは、そのデータ端子における電圧レベルが第2論理レベルに対応する電圧レベルに固定されているとともに、そのクロック端子が第2インバータに接続され、その出力端子が当該逆ヒステリシス回路としての出力端子に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の逆ヒステリシス回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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