説明

透明基材のレーザ加工方法および電解質膜の製造方法

【課題】超微細で高アスペクト比の加工孔を高精度でかつ効率的に製造することのできる透明基材のレーザ加工方法と、これによってできる多孔質透明基材を使用してなる電解質膜の製造方法を提供する。
【解決手段】光透過性の透明基材Wの一側面側を減圧雰囲気とし、かつ、該一側面を光吸収性の不透明液体Fに接触させておき、透明基材Wの他側面側から超短パルスレーザ光の干渉光L3を照射して透明基材Wを透過させ、透明基材Wと不透明液体Fの界面付近に干渉光のレーザエネルギを集中させることで透明基材Wに微細加工孔Pを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば樹脂製の透明基材にレーザ光にて微細な加工孔を形成するためのレーザ加工方法と、このレーザ加工方法によって製造された多孔質透明基材から電解質膜を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックなどの樹脂製で透明な基材に微細孔等を微細加工する方法として、特許文献1,2に開示されるような微細加工装置、加工方法を適用する方法がある。
【0003】
この方法は、透明材料の裏面にレーザ波長に対して高吸収率の流動性物質を接触させておき、正面からレーザ光を照射して透明材料と流動性物質の界面にレーザ光のエネルギ密度を集中させることで、透明材料の裏面に孔加工を実施するものである。
【0004】
上記加工方法によれば、レーザエネルギを透明材料の加工部位に集中させることによって効率的に孔加工を実施することができる一方で、この加工孔の寸法が微細になるにつれて、流動性物質の表面張力等により、微細孔に該流動性物質が入り込むことが困難となり、加工精度のよい微細孔加工を実施できないという問題が生じている。
【0005】
さらに、上記装置では、透明材料の表面、すなわち、レーザが照射される側の面に微小な凹凸や傷などが存在することにより、レーザ光がこの凹凸等で散乱してしまい、所要のエネルギ密度を有するレーザを加工部位に照射できないという問題も生じている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−306134号公報
【特許文献2】特許第3012926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、たとえば樹脂製の透明基材にレーザ光にて微細な加工孔を形成するに際し、高品質な微細孔を効率的に製造することのできる透明基材のレーザ加工方法と、このレーザ加工方法によって製造された多孔質透明基材を使用して高品質な電解質膜を製造することのできる電解質膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による透明基材のレーザ加工方法は、光透過性の透明基材の一側面側を減圧雰囲気とし、かつ、該一側面を光吸収性の不透明液体に接触させておき、前記透明基材の他側面側から超短パルスレーザ光の干渉光を照射して該透明基材を透過させ、透明基材と不透明液体の界面付近に前記干渉光のレーザエネルギを集中させることで透明基材に微細加工孔を形成することを特徴とするものである。
【0009】
本発明のレーザ加工方法は、たとえば燃料電池に使用される細孔フィリング電解質膜用の多孔質な透明基材の製造をその用途とするものであり、該透明基材の素材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどを挙げることができる。
【0010】
本レーザ加工方法は超短パルスレーザ光を使用するものであり、このレーザ光を使用することにより、他のレーザ光と同程度のエネルギであってもそのパルス幅が極めて小さく、したがってそのパワーピークの値を大きくすることができる。なお、径が100nm(ナノメートル)程度の超微細貫通孔を透明基材に形成するためには、超短パルスレーザ光の中でも多光子吸収をおこすピコ秒レーザ光やフェムト秒レーザ光を使用するのが望ましい。
【0011】
本発明のレーザ加工方法では、透明基材を真空容器等の容器内に収容し、該透明基材の一側面に光吸収性の不透明液体を接触させ、他側面から超短パルスレーザ光の干渉光を照射するものである。この干渉光帯域内では一定周期で連続する光の強い部分と弱い部分が形成されており、光透過性の透明基材と光吸収性の不透明液体の境界付近にレーザ光が最大にオーバーラップする箇所を合わせることにより、透明基材において一度に複数の微細加工孔を形成することができる。ここで、加工孔の加工進度に応じて、透明基材側を移動調整する、もしくは超短パルスレーザ光のレーザ駆動装置を移動調整することにより、リアルタイムに加工孔底部にレーザ光が最大にオーバーラップする箇所を合わせることができる。なお、上記する干渉光は、たとえば、レーザ発振機から照射された超短パルスレーザ光を回折格子を介して複数の光束に回折(分離)させ、2つの集光レンズを通すことによって形成することができる。また、加工進度に応じた上記界面位置の変動はたとえばCCDカメラ等のセンサにてセンシングされ、センシングデータに基づいて、駆動装置にて透明基材もしくはレーザ駆動装置が移動調整されてもよい。
【0012】
ここで、上記する不透明液体としては、有機溶媒や高濃度アルカリ溶液などを使用することができ、この有機溶媒としては、n−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを使用でき、高濃度アルカリ溶液としては苛性ソーダなどを使用することができる。さらに、不透明液体はそれ自体単独で使用されることに加えて、より光吸収性を高めるために、染料、顔料などを不透明液体に添加したものを使用してもよい。
【0013】
上記するように、その径が100nm程度で高いアスペクト比を有する超微細加工孔を形成する場合、表面張力等の影響によって不透明液体が加工孔内に浸透し難くなる。不透明液体が加工孔に十分に浸透せず、したがって該加工孔底面に不透明液体が存在しない状態では、不透明液体と透明基材の接触面(界面)が形成されないことから干渉光による孔加工が実施できなくなる。
【0014】
そこで、本発明のレーザ加工方法では、透明基材のうち、少なくともこれが不透明液体と接触する側を減圧雰囲気とすることにより、微細加工孔の加工の進展に応じて不透明液体を効果的に微細加工孔内に浸透させることを可能とし、もって不透明液体と透明基材の界面を常に形成することができ、加工進度に応じて随時変化する該界面付近にレーザエネルギを集中させることで効果的にレーザ加工を実現ならしめるものである。
【0015】
なお、上記する減圧雰囲気に関しては、微細加工孔の孔径や加工孔進度の程度(加工孔の深さ)、不透明液体の蒸気圧等を勘案して減圧の程度が適宜調整されるのがよく、好ましくは、容器内が可及的に真空雰囲気程度に減圧されるのがよい。
【0016】
また、本発明による透明基材のレーザ加工方法の好ましい実施の形態は、ガラス基材の一側面に前記透明基材と略同一の屈折率を備えた透明液体を接触させ、該透明液体を介して該ガラス基材の一側面上に該透明基材の他側面が載置され、該ガラス基材の他側面側から超短パルスレーザ光の干渉光が照射されることを特徴とするものである。
【0017】
透明基材の表面を微視的に見れば、様々な凹凸や場合によっては傷が存在することがある。これらの凹凸や傷の存在により、透明基材に入射してくる超短パルスレーザ光がこれら凹凸等を介して散乱してしまい、レーザ加工ができなくなる可能性がある。
【0018】
本実施の形態は上記する課題を解消するためのものであり、そのための構成として、ガラス基材の表面に透明基材と略同一の屈折率を備えた透明液体を接触させ、この透明液体を介してガラス基材上に透明基材を載置した姿勢でレーザ加工を実施するものである。ここで、略同一の屈折率とは、同一の屈折率と近似した屈折率の双方を含むものである。
【0019】
透明液体が透明基材表面の凹凸内に入り込むことで該表面をフラット面とし、さらに、この透明液体が透明基材と同程度の屈折率を有していることにより、透明基材表面の平坦性の程度に関わらず、入射レーザ光の散乱を効果的に抑止することができる。
【0020】
さらに、本発明による電解質膜の製造方法は、前記レーザ加工方法によって製造された多孔質の透明基材に対し、各孔に電解質樹脂を充填することにより、燃料電池用の細孔フィリング電解質膜を製造するものである。
【0021】
本製造方法によって製造される電解質膜は、固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)等の電解質膜をその用途とするものである。
【0022】
上記する本発明のレーザ加工方法によって製造された多孔質の透明基材は、超微細径で高アスペクト比の加工孔を多数備えており、本発明の電解質膜の製造方法によってこれらの加工孔に電解質樹脂が充填されることにより、プロトン伝導性は充填樹脂が負担し、膜自体の機械的強度は透明基材が負担することで、高品質な電解質膜を製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明から理解できるように、本発明の透明基材のレーザ加工方法によれば、透明基材に対して、超微細で高アスペクト比の加工孔を高精度でかつ効率的に製造することができる。また、本発明の電解質膜の製造方法によれば、このレーザ加工方法によって製造された多孔質透明基材の加工孔に樹脂を充填して電解質膜とすることにより、プロトン伝導性と機械的強度の双方に優れた高品質な燃料電池用電解質膜を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明のレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の構成図であり、図2は真空容器を拡大した図である。図3は図2のIII部の拡大図であって、図3a、bの順に加工進度が進展している状況を説明した図である。図4aは製造された多孔質透明基材を示した斜視図であり、図4bは製造された細孔フィリング電解質膜を示した斜視図である。なお、図示するレーザ加工方法の実施の形態は、燃料電池用の細孔フィリング電解質膜を形成するために透明基材に微細加工孔を形成することをその対象としているが、微細加工孔が形成される多孔質透明基材がかかる用途に限定されるものでないことは勿論のことである。
【0025】
図1は、樹脂製の透明基材に多数の微細加工孔を形成するための装置を示したものであり、図2は真空容器をより拡大した図である。このレーザ加工装置10は、超短パルスレーザ光としてフェムト秒レーザ光を照射するレーザ発振機1と、照射されたフェムト秒レーザ光L1を受光して複数の光束に回折する回折格子2と、回折格子2によって分離された光束L2を相互に干渉させるための集光光学系を構成する凸レンズ3,4と、光束L2が交差干渉してできる干渉光L3が照射されるとともに透明基材Wを収容する真空容器8とから大略構成されている。このレーザ発振機1と回折格子2の間には不図示の増幅機を備えていてもよい。
【0026】
回折格子2は、その種類によって分割される光束数を適宜調整することができ、光束回折角度等を調整することもできる。
【0027】
凸レンズ3,4の配設態様、たとえば、それらの離間長や凸レンズ4からワークである透明基材Wまでの離間長は、干渉光L3の干渉波の周期を決定するものであることから、一度のレーザ照射にて形成するべき微細加工孔の数量等に基づいて適宜調整される。
【0028】
なお、凸レンズ3にて分割された光束のうち、0次の光束はダンプ9にて遮断されるようになっている。
【0029】
レーザ加工装置10は、透明基材Wに形成される微細加工孔の加工進度に応じてこの加工孔の底面のレベルをセンシングするCCDカメラ等からなるセンサ6、さらには、真空容器8を微細加工孔の加工進度に応じて移動制御するためのサーボモータ5とこの回転駆動にて真空容器を直接移動させる送りねじ機構5’をさらに備えており、制御装置7がセンサ6によるセンシング信号を受信し、この受信信号に応じてサーボモータ5を回転駆動することで真空容器8の移動制御が実行される。さらに、レーザ発振機1の駆動制御もこの制御装置7にて実行されるものであり、たとえばレーザの1ショットで列を成す複数の微細加工孔が形成された後に、後続の列に同様にレーザの1ショットが照射されるようになっている。なお、図示する送りねじ機構5’の移動方向をZ軸方向とした場合に、図示するサーボモータ5および送りねじ機構5’のほかにも、真空容器8を該Z軸方向に直交するXY平面内で移動させるためのアクチュエータを備えていてもよい。さらには、これらXYZ方向制御用の各アクチュエータの2以上が同期制御されることにより、真空容器8の3次元的な姿勢制御がおこなわれるものであってもよい。
【0030】
図2で示すように、真空容器8は、外部から内部を視認できる透明な容器81が、ガラス基材83の上にその開口を該ガラス基材83で塞がれるようにして載置される。この容器81には真空吸引口82が設けられており、これを介して容器81の内部を減圧雰囲気、好ましくは不透明液体の蒸気圧を勘案した真空雰囲気とすべく真空引きがおこなわれる(図中の矢印方向)。
【0031】
ガラス基材83の容器81側の側面には透明基材Wと同素材で同一の屈折率を有する透明液体Tが塗布もしくは散布されており、この透明液体Tを介して透明基材Wが載置されている。
【0032】
この透明基材Wの透明液体Tと接触する側と反対側の側面(図中の上面)には、光吸収性の不透明液体Fが塗布もしくは散布されている。この不透明液体Fとしては、n−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒や苛性ソーダなどの高濃度アルカリ溶液にローダミン(Rhodamine)などのレーザ色素や、染料、顔料などを添加してより光吸収性を高めた液体を使用してもよい。
【0033】
図示するように、微細加工孔Pの底面には不透明液体Fが浸透しており、レーザ光がこの底面(不透明液体F)との界面に照射されることで微細加工孔の加工が実行される。ここで、容器81内の真空引きは、不透明液体が沸騰しない条件下で一気に真空雰囲気とすることのほかに、加工孔の加工進度に応じて除々に真空度を増加させるような調整をおこなってもよい。
【0034】
図示するレーザ加工装置10を使用したレーザ加工方法では、容器81内を減圧雰囲気とした姿勢で干渉光L3を透明基材Wに照射することにより、加工孔が超微細径であっても効果的に加工孔内の孔底面まで不透明液体を浸透させることができ、孔加工の全般に亘って不透明液体と透明基材との界面を確実に形成することが可能となる。
【0035】
さらに、図示のごとく透明基材Wの表面に微細な凹凸Cが存在している場合でも、透明液体Tがこの凹凸C内を満たし、よって、この凹凸Cにて干渉光L3が散乱されることなく目標の上記界面に干渉光を合焦させることができる。
【0036】
図3は、微細加工孔Pの底面であってこれに浸透した不透明液体Fと透明基材Wの界面Bに光の強い部分Sが合焦された姿勢でレーザ加工が進展している状況を説明した図である。図3aは微細加工孔Pの加工初期段階を示しており、加工が進展するにつれて、図3bのごとくアスペクト比の高い微細加工孔Pが形成される(同図にて加工進展方向を矢印Zで示している)。さらに、加工が進むと、透明基材Wに微細な貫通孔が形成されることになる。なお、図3b下には、位置(X軸)と光の強さ(I)に関する強度グラフを示している。
【0037】
既述するように、図3で示す微細加工孔Pの加工においては、界面Bのレベルがセンサ6にて随時センシングされており、このセンシングデータが制御装置7に送信され、受信データに基づいて制御装置7がサーボモータ5を駆動し、送りねじ機構5’を構成するねじ部材の回転制御およびこれに応じたナットおよび真空容器8の移動制御が実行されるものである。
【0038】
上記するレーザ加工方法によれば、まず、フェムト秒レーザ光の干渉光を利用することによって、一気に複数の微細加工孔を加工することができる。また、真空容器内に透明基材を収容してレーザ加工を実行することにより、超微細でアスペクト比の高い加工孔を精度よく、効率的に形成することができる。さらに、透明基材表面に凹凸や傷等が存在する場合(これは往々にしてあることである)でも、干渉光をこれら凹凸等で散乱させることなく、精度よく加工部位に合焦させることができる。
【0039】
図4aは、上記するレーザ加工方法によって製造された多孔質透明基材Waを示したものである。この多孔質透明基材Waには、透明基材Wの広幅の両側面間を貫通する多数の微細貫通孔Paが形成されている。
【0040】
この多孔質透明基材Waの各微細貫通孔Paに電解質樹脂Rが充填されることにより、図4bで示すような細孔フィリング電解質膜Wbが製造される。
【0041】
この細孔フィリング電解質膜Wbは、固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール形燃料電池(DMFC)等の電解質膜として使用されるものであり、プロトン伝導性と機械的強度の双方に優れた電解質膜となる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のレーザ加工方法を実施するためのレーザ加工装置の構成図である。
【図2】真空容器を拡大した図である。
【図3】図2のIII部の拡大図であって、(a)、(b)の順に加工進度が進展している状況を説明した図である。
【図4】(a)は製造された多孔質透明基材を示した斜視図であり、(b)は製造された細孔フィリング電解質膜を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1…レーザ発振機、2…回折格子、3,4…凸レンズ、5…サーボモータ、5’…送りねじ機構、6…センサ、7…制御装置、8…真空容器、81…容器、82…真空吸引口、83…ガラス基材、9…ダンプ、10…レーザ加工装置、W…透明基材、Wa…多孔質透明基材、Wb…細孔フィリング電解質膜、F…不透明液体、T…透明液体、P…微細加工孔、Pa…微細貫通孔、R…電解質樹脂、B…界面、S…光の強い部分、C…凹凸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の透明基材の一側面側を減圧雰囲気とし、かつ、該一側面を光吸収性の不透明液体に接触させておき、
前記透明基材の他側面側から超短パルスレーザ光の干渉光を照射して該透明基材を透過させ、透明基材と不透明液体の界面付近に前記干渉光のレーザエネルギを集中させることで透明基材に微細加工孔を形成することを特徴とする、透明基材のレーザ加工方法。
【請求項2】
ガラス基材の一側面に前記透明基材と略同一の屈折率を備えた透明液体を接触させ、該透明液体を介して該ガラス基材の一側面上に該透明基材の他側面が載置され、該ガラス基材の他側面側から超短パルスレーザ光の干渉光が照射されることを特徴とする、請求項1に記載の透明基材のレーザ加工方法。
【請求項3】
前記超短パルスレーザ光がフェムト秒レーザ光であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明基材のレーザ加工方法。
【請求項4】
前記不透明液体が、有機溶媒、高濃度アルカリ溶液のいずれか一種からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の透明基材のレーザ加工方法。
【請求項5】
前記不透明液体に染料、顔料のいずれか一種が添加されている、請求項1〜4のいずれかに記載の透明基材のレーザ加工方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工方法によって多孔質の透明基材が形成され、次いで各孔に電解質樹脂が充填されることで燃料電池用の細孔フィリング電解質膜が製造される、電解質膜の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−262216(P2009−262216A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117231(P2008−117231)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】