説明

通信サービス支援装置、通信サービス支援方法および通信サービス支援プログラム

【課題】設定を矛盾なく切り替えること。
【解決手段】通信サービス支援装置1は、パラメータ格納部2と、端末情報格納部3と、比較部4と、登録部5と、通知部6とを有している。パラメータ格納部2は、複数の携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と各拠点において各携帯端末装置が享受するサービスを識別する識別情報と拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納する。比較部4は、パラメータ格納部2に格納された管理サーバを識別する識別情報を、所定の拠点に位置する携帯端末装置から送信された管理サーバを識別する識別情報と比較する。通知部6は、比較部4の比較結果が一致した場合、管理サーバを識別する識別情報を送信した携帯端末装置にサービスの利用許可を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信サービス支援装置、通信サービス支援方法および通信サービス支援プログラムに関し、特に、携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援装置、通信サービス支援方法および通信サービス支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話システムとして、IP−PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)を採用する企業が増加している。また、このシステムを利用して、無線LAN(Local Area Network)を利用した携帯型のIP電話端末(以下、「携帯端末装置」と言う)の利用も始まっている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
利用者は携帯端末装置を持ち歩き、さまざまな拠点(事務所、工場、店舗等)で通話ができるようになり利便性が増している。
さらに、携帯端末装置を用いて利用できるサービスの範囲は、内線通話サービスに限らず、その内線通話を補助する各種のサービス(以下、「内線付加サービス」と言う)にも広がっている。
【特許文献1】特表2001−523875号公報
【特許文献2】特開2006−129205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
拠点を移動しても、拠点毎に電話番号を変更することなく発信・着信は可能である、すなわち、内線通話サービスは享受することができる。
一方、内線付加サービスを利用する際には、携帯端末装置が位置する拠点(携帯端末装置の拠点間の移動)を把握しておかないと、居場所に沿った適切なサービスが受けられない場合がある。
【0005】
例としてグループ着信サービスを挙げる。グループ着信サービスは、グループ代表番号への着信を複数の携帯端末装置に着信させる内線付加サービスである。
このサービスでは、携帯端末装置が位置する拠点を考慮に入れないと、例えば、拠点Aへのグループ着信時に拠点Aとは異なる拠点Bに存在する携帯端末装置にも着信してしまい、本来のグループ着信サービスの用途に適さないという問題が生じる。
【0006】
他の例として、パーク保留サービスを挙げる。パーク保留サービスは、通話中に例えば外線ボタンに割り付けられるパーク保留ボタンを押すことにより、パーク保留先を指定して通話を保留し、任意の電話機から応答できる内線付加サービスである。
【0007】
このサービスでは、拠点Bにいるのに拠点Aと同様の指示をしてしまうと、拠点Aのパーク保留プールに保留されてしまう。このため、拠点Bの他の携帯端末装置は、パーク保留への応答ができなくなってしまうという問題が生じる。
【0008】
さらに、他の例として、同じ拠点内の他の携帯端末装置への着信を手元の携帯端末装置で受けることができるコールピックアップサービスを挙げる。
このサービスでは、自端末がIP−PBXに設定されているピックアップグループに含まれていない場合は、拠点Bにおいて周囲の携帯端末装置が着信しているときに拠点Bに位置する携帯端末装置でピックアップ操作を行っても、ピックアップすることはできないという問題がある。
【0009】
また、利用者がピックアップすることができる携帯端末装置のグループを指定できるようにしたとしても、利用者は自分が拠点Aにいるのか拠点Bにいるのかを意識して操作をしなければならず、利用者の負担となる。
【0010】
このように、例えば、IP−PBXの設定変更が行われないまま携帯端末装置の設定だけが変更されてしまい、携帯端末装置の通話機能が有効になってしまうと、IP−PBXの設定と携帯端末装置の設定に矛盾が生じてしまい、前述したような問題が生じてしまう。
【0011】
また、何らかの誤りによってIP−PBXが検出した所在情報が、携帯端末装置の実際の所在と異なってしまった場合にも、IP−PBXの設定と携帯端末装置の設定に矛盾が生じてしまい、前述したような問題が生じてしまう。
【0012】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、IP−PBXの内線付加サービスに関する設定と携帯端末装置の内線付加サービスに関する設定の双方を矛盾なく切り替えることができる通信サービス支援装置、通信サービス支援方法および通信サービス支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援装置が提供される。この通信サービス支援装置は、パラメータ格納部と、比較部と、通知部とを有している。
【0014】
パラメータ格納部は、複数の携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と各拠点において各携帯端末装置が享受するサービスを識別する識別情報と拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納する。
【0015】
比較部は、パラメータ格納部に格納された管理サーバを識別する識別情報を、所定の拠点に位置する携帯端末装置から送信された管理サーバを識別する識別情報と比較する。
通知部は、比較部の比較結果が一致した場合、管理サーバを識別する識別情報を送信した携帯端末装置にサービスの利用許可を通知する。
【0016】
このような通信サービス支援装置によれば、比較部により、パラメータ格納部に格納された管理サーバを識別する識別情報と、所定の拠点に位置する携帯端末装置から送信された管理サーバを識別する識別情報とが比較される。比較部の比較結果が一致した場合、通知部により、管理サーバを識別する識別情報を送信した携帯端末装置にサービスの利用許可が通知される。
【発明の効果】
【0017】
開示の通信サービス支援装置によれば、通信サービス支援装置および携帯端末装置のサービスの設定の整合性を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、実施の形態の通信サービス支援装置について説明し、その後、実施の形態をより具体的に説明する。
【0019】
図1は、実施の形態の通信サービス支援装置の概要を示す図である。
図1に示す通信サービス支援装置1は、携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する装置である。なお、サービスの種別は特に限定されないが、携帯端末装置の内線付加サービス(グループ着信サービス、パーク保留サービス、ピックアップサービス)等が挙げられる。
【0020】
この通信サービス支援装置1は、パラメータ格納部2と、端末情報格納部3と、比較部4と、登録部5と、通知部6とを有している。
パラメータ格納部2は、複数の携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と各拠点において各携帯端末装置が享受するサービスを識別する識別情報と拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納する。図1では、携帯端末装置20の識別情報「#20」と、拠点7の識別情報「拠点#7」と、「サービス」の識別情報「サービスa」と、拠点7を管理する管理サーバ8の識別情報「管理サーバ#8」とが関連づけられて格納されている。
【0021】
端末情報格納部3は、サービスの利用が許可されている携帯端末装置を識別する識別情報を格納する。通信サービス支援装置1は、端末情報格納部3に格納されている識別情報を備える携帯端末装置に対し、サービスの利用を許可している。
【0022】
図1では、識別情報「#21」、「#22」、「#23」・・・を備える携帯端末装置が、サービスaの利用が許可されている。
比較部4は、パラメータ格納部2に格納された管理サーバを識別する識別情報を、所定の拠点に位置する携帯端末装置から送信された管理サーバを識別する識別情報と比較する。
【0023】
図1では、拠点7に位置する携帯端末装置20から管理サーバ8を識別する識別情報が送信されている。なお、この識別情報は、管理サーバ8から予め携帯端末装置20に通知されるものである。
【0024】
登録部5は、比較部4の比較結果が一致した場合、識別情報を送信した携帯端末装置を識別する識別情報を端末情報格納部3に登録する。
図1では、登録部5は、パラメータ格納部2に格納されている携帯端末装置20の識別情報「#20」を取得し、端末情報格納部3に登録している。これにより、通信サービス支援装置1は、携帯端末装置20に対するサービスaの利用を許可する。
【0025】
なお、端末情報格納部3および登録部5は、通信サービス支援装置1側で携帯端末装置の設定を管理する必要がある場合に設けられる。従って、携帯端末装置側の設定のみで動作するサービスにおいては、省略することができる。
【0026】
通知部6は、比較部4の比較結果が一致した場合、管理サーバを識別する識別情報を送信した携帯端末装置にサービスの利用許可を通知する。
図1では、通知部6は、携帯端末装置20にサービスの利用許可を通知する。これにより、携帯端末装置20は、サービスaを利用することができる。
【0027】
このような通信サービス支援装置1によれば、比較部4によりパラメータ格納部2に格納された管理サーバ8を識別する識別情報「管理サーバ#8」と、携帯端末装置20から送信された管理サーバを識別する識別情報「管理サーバ#8」との一致が確認される。そして、登録部5により、携帯端末装置20の識別情報「#20」が、端末情報格納部3に格納される。その後、携帯端末装置20にサービスの利用許可が通知される。従って、通信サービス支援装置1および携帯端末装置20双方のサービスの設定の整合性を保つことができる。
【0028】
以下、実施の形態をより具体的に説明する。
<第1の実施の形態>
図2は、システムの構成を示す図である。
【0029】
図2に示すシステムは、回線交換装置(通信サービス支援装置)100と、複数の携帯端末装置200と、所在情報サーバ400と、端末管理サーバ300a、300bを有している。
【0030】
回線交換装置100は、IPネットワーク内で、携帯端末装置(IP電話端末装置)200の回線交換を行う。
各携帯端末装置200は、それぞれ、内線通話サービスや、内線付加サービスを享受することができる機能を備えている。
【0031】
また、各携帯端末装置200には、それぞれ固有の電話番号(端末識別子)が設定されている。
端末管理サーバ300a、300bは、それぞれ、異なる拠点Aおよび拠点Bに対応して設けられており、拠点を管理する機能を備えている。具体的には、拠点内に存在する携帯端末装置200に、端末管理サーバ300a、300bそれぞれ固有の識別子を示す端末管理サーバ識別子(後述)を提供したりする。
【0032】
端末管理サーバ300aと携帯端末装置200との間の通信方法は、特に限定されないが、その拠点に携帯端末装置200が存在するときのみ通信可能な方法であることが好ましい。具体的には、例えば、USB(Universal Serial Bus)等による近接有線通信や、Bluetooth等による近接無線通信等が挙げられる。もちろん、IPであっても、当該拠点のみでしか受信できない方法であればかまわない。
【0033】
これにより、携帯端末装置200が、その拠点に存在することをより確実に把握することができる。
なお、このような通信方法を用いたサービスは、例えば、仕切られた拠点の入口に、端末管理サーバ300aが携帯端末装置200との通信を行うためのリーダライタを設け、利用者が拠点に入室する際に、リーダライタに携帯端末装置200を近づけることで実現することができる。
【0034】
なお、拠点内には、内線付加サービスを享受する単位を示す複数のグループが必要に応じて設定されている。図2では、拠点Aには、グループG1およびグループG2が設定されている。このグループは、本実施の形態では、後述する着信グループに対応するものであり、後述する第3の実施の形態では、ピックアップグループに対応するものである。
【0035】
所在情報サーバ400は、携帯端末装置200の所在情報を拠点単位で管理する。具体的には、携帯端末装置200が備えるIPアドレスが、どの無線LANアクセスポイントの下にあるかを確認する機能を備える。
【0036】
次に、所在情報サーバ400に格納されている情報について説明する。
図3は、所在情報サーバに格納されている情報を示す図である。
所在情報サーバ400では、情報がテーブル化されて格納されている。
【0037】
所在情報管理テーブル401には、電話番号および拠点の欄が設けられており、各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
電話番号の欄には、携帯端末装置200を一意に識別する電話番号が設定される。
【0038】
拠点の欄には、電話番号の欄に設定された電話番号を有する携帯端末装置200が、現在、位置する拠点名が設定される。これにより、例えば、電話番号が「2000」の携帯端末装置200は、現在、拠点Aに位置していることが把握できる。
【0039】
再び図2に戻って説明する。
以下、システムの処理を簡単に説明する。
このようなシステムにおいて、拠点Bから異なる拠点Aに移動した携帯端末装置200は、回線交換装置100に内線付加サービスの許諾要求を出力する。
【0040】
回線交換装置100は、所在情報サーバ400が備える情報に基づいて、移動した携帯端末装置200が拠点Aに位置することを確認する。そして、拠点Aを管理する端末管理サーバ300aに対し、携帯端末装置200に対する固有の識別子の送信を指示する。また、その固有の識別子の回線交換装置100への通知を要求する。
【0041】
携帯端末装置200は、受け取った固有の識別子とともに再度、内線付加サービスの許諾要求を出力する。
回線交換装置100は、端末管理サーバ300aから送信された固有の識別子と、携帯端末装置200が出力した固有の識別子との一致を確認してから携帯端末装置200の内線付加サービスの享受を許可する。これにより、回線交換装置100および携帯端末装置200双方の内線付加サービスの設定の整合性を保つことができる。
【0042】
次に、回線交換装置100について詳しく説明する。
図4は、回線交換装置のハードウェア構成例を示す図である。
回線交換装置100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス105を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、および通信インタフェース104が接続されている。
【0043】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。また、HDD103内には、プログラムファイルが格納される。
【0044】
通信インタフェース104は、ネットワーク10に接続されている。通信インタフェース104は、ネットワーク10を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
【0045】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。このようなハードウェア構成のシステムにおいて携帯端末装置200に対する内線付加サービスの利用の許否を決定するために、回線交換装置100内には、以下のような機能が設けられる。
【0046】
図5は、回線交換装置の機能を示すブロック図である。
回線交換装置100は、端末登録管理部110と、端末拠点確認部120と、付加サービスパラメータ格納部130と、付加サービス設定情報更新部140と、付加サービス設定情報格納部(端末情報格納部)150とを有している。
【0047】
端末登録管理部110は、携帯端末装置200から送信された情報を、端末拠点確認部120に送る。また、端末拠点確認部120から受け取った情報を、携帯端末装置200に送信する。なお、携帯端末装置200との通信プロトコルとしては、例えばSIP(Session Initiation Protocol)を用いる。
【0048】
端末拠点確認部120は、必要に応じて所在情報サーバ400から情報を取得し、端末登録管理部110から受け取った情報に基づいて、内線付加サービスへの登録を要求する携帯端末装置200を、内線付加サービスに登録するか否かを決定する。そして、内線付加サービスへの登録を許可する場合、設定情報の更新指示を付加サービス設定情報更新部140に送る。
【0049】
また、内線付加サービスへの登録を許可しない場合、当該携帯端末装置200が位置する拠点を管理する端末管理サーバに対し、当該携帯端末装置200への端末管理サーバ識別子の送信を指示する。
【0050】
付加サービスパラメータ格納部130は、端末拠点確認部120が、前述した決定を行う際に用いる情報を格納している。
付加サービス設定情報更新部140は、端末拠点確認部120からの設定情報の更新指示を受けて、付加サービス設定情報格納部150に格納されている情報を更新(上書き)する。
【0051】
付加サービス設定情報格納部150は、拠点毎のグループと、そのグループに所属する携帯端末装置200に関する情報を格納する。回線交換装置100は、付加サービス設定情報格納部150に格納されているグループに所属する携帯端末装置200に対し、内線付加サービスの利用を許可している。
【0052】
次に、携帯端末装置200の機能を説明する。
図6は、携帯端末装置の機能を示すブロック図である。
携帯端末装置200は、端末登録要求部210と、識別子格納部220とを有している。
【0053】
端末登録要求部210は、拠点の移動に伴い、内線付加サービスへの登録を要求する端末登録要求(REGISTER)を回線交換装置100に送信する。
この端末登録要求には、携帯端末装置200固有の電話番号を格納する領域および端末管理サーバ識別子格納領域が含まれている。
【0054】
端末登録要求部210は、端末登録要求の送信の際に、携帯端末装置200固有の電話番号を前述した領域に格納して送信する。また、端末管理サーバ300aまたは端末管理サーバ300bから端末管理サーバ識別子を事前に受信している場合は、その端末管理サーバ識別子を端末管理サーバ識別子格納領域に含めて送信する。
【0055】
また、端末登録要求部210は、端末管理サーバ300aまたは端末管理サーバ300bから端末管理サーバ識別子を受信すると、受信した端末管理サーバ識別子を識別子格納部220に格納する。
【0056】
次に、付加サービスパラメータ格納部130に格納されている情報について説明する。
図7は、付加サービスパラメータ格納部に格納されている情報を示す図である。
付加サービスパラメータ格納部130では、情報がテーブル化されて格納されている。
【0057】
付加サービスパラメータ管理テーブル131には、電話番号、拠点、設定パラメータおよび端末管理サーバ識別子の欄が設けられており、各欄の横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0058】
電話番号の欄には、携帯端末装置200を一意に識別する情報が設定されている。
拠点の欄には、電話番号の欄に設定された携帯端末装置200が、現在、位置する拠点を識別する情報が設定されている。
【0059】
設定パラメータの欄には、携帯端末装置200が、拠点の欄の拠点に位置しているときに、回線交換装置100の設定で動作する内線付加サービスに用いるパラメータが設定されている。図7では、設定パラメータの1つとして着信グループが設定されている。この着信グループは、グループ着信サービスを享受することができるグループの単位を示すものである。
【0060】
そして、着信グループの欄には、拠点の欄の拠点に位置しているときに、所属する着信グループを識別する情報が設定されている。例えば、電話番号「2000」の携帯端末装置200が拠点Aに位置する場合は、その携帯端末装置200は、着信グループA1に所属することが設定されている。また、拠点Bに位置する場合は、その携帯端末装置200は、着信グループB2に所属することが設定されている。
【0061】
なお、図7に示すように、設定パラメータの欄には、内線付加サービスに用いるパラメータを複数設定しておくこともできる。
端末管理サーバ識別子の欄には、携帯端末装置200から送信された場合に、携帯端末装置200の所在を識別する情報が、着信グループ毎に設定される。
【0062】
また、この識別子は、当該携帯端末装置200が、現在、所属している着信グループにのみ設定される。
以下、内線付加サービスとしてグループ着信サービスを例にとって説明する。
【0063】
次に、付加サービス設定情報格納部150に格納されている情報について説明する。
図8は、付加サービス設定情報格納部に格納されている情報を示す図である。
付加サービス設定情報格納部150では、情報がテーブル化されて格納されている。
【0064】
付加サービス設定情報管理テーブル151には、拠点、着信グループおよび電話番号群の欄が設けられており、横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
拠点の欄および着信グループの欄には、それぞれ付加サービスパラメータ管理テーブル131にて説明した内容と同様の情報が設定されている。
【0065】
電話番号群の欄には、着信グループの欄に設定されている着信グループに現在、所属している、すなわち、グループ着信サービスを利用することができる携帯端末装置200の電話番号が設定される。
【0066】
図8では、拠点Aに複数の着信グループA1、A2、・・・が、設けられている。また、着信グループA1には、現在、電話番号「2001」、「2002」、・・・の携帯端末装置200が所属していることを示している。
【0067】
次に、第1の実施の形態のシステムの動作を説明する。以下、拠点Bに存在していた携帯端末装置200が移動し、拠点Aに到着した場合を例にとって説明する。
図9は、第1の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0068】
携帯端末装置200は、拠点Aへの到着時に、自身の電話機能を有効にするために、回線交換装置100に対して「REGISTER」を送信する(ステップS1)。
このとき、携帯端末装置200は、端末管理サーバ300aからはなにも受信していない状況のため、端末管理サーバ識別子格納領域は空(未設定)となっており、端末登録要求の送信時にも端末管理サーバ識別子は含まれていない。
【0069】
回線交換装置100が、携帯端末装置200から「REGISTER」を受信すると、端末登録管理部110が、端末登録要求を端末拠点確認部120に通知する(ステップS2)。
端末拠点確認部120は、受け取った端末登録要求の中から端末管理サーバ識別子格納領域を検索する。
【0070】
また、端末拠点確認部120は、ステップS2にて受信した端末登録要求に含まれる携帯端末装置200の電話番号「2000」に基づいて、所在情報サーバ400に当該携帯端末装置200の所在の通知を要求し(ステップS3)、その応答を受信する(ステップS4)。
【0071】
次に、端末拠点確認部120は、付加サービスパラメータ管理テーブル131を参照する。そして、端末登録要求に含まれる電話番号「2000」およびステップS4にて受信した携帯端末装置の拠点「A1」に基づいて、当該携帯端末装置200に関連づけられた端末管理サーバ識別子が存在すれば、取り出す。初回は空(未設定状態)である。
【0072】
次に、端末拠点確認部120は、付加サービスパラメータ管理テーブル131の端末管理サーバ識別子と端末登録要求の端末管理サーバ識別子との照合を試みる(ステップS5)。
【0073】
前述したように、端末登録要求および付加サービスパラメータ管理テーブル131の端末管理サーバ識別子の欄には、いずれも端末管理サーバ識別子は含まれていないため、照合結果は不一致となる。このため、端末拠点確認部120は、携帯端末装置200が現在、位置する拠点Aを管理する端末管理サーバ300aに対して、端末管理サーバ識別子を当該携帯端末装置200に送信するように指示を出す(ステップS6)。
【0074】
指示を受けた端末管理サーバ300aは、当該携帯端末装置200に対して当該端末管理サーバ300aが決定した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を送信する(ステップS7)。
【0075】
携帯端末装置200は、端末管理サーバ300aから受信した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を識別子格納部220に格納する(ステップS8)。
また、端末管理サーバ300aは、この端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を端末拠点確認部120にも送信する(ステップS9)。
【0076】
そして、端末管理サーバ識別子「a9ebgned」の返却を受けた端末拠点確認部120は、その返却された端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を、付加サービスパラメータ管理テーブル131上の当該携帯端末装置200と当該拠点に関連づけられた端末管理サーバ識別子として格納する(ステップS10)。なお、この際、当該携帯端末装置の他のレコードの端末管理サーバ識別子の欄に端末管理サーバ識別子が設定されている場合、その端末管理サーバ識別子は消去する。
【0077】
その後、携帯端末装置200に対する登録の拒否応答(端末登録拒否応答)の送信を端末登録管理部110に指示する(ステップS11)。
これにより、端末登録管理部110は、「401 Unauthorized」を携帯端末装置200に送信する(ステップS12)。
【0078】
携帯端末装置200は、回線交換装置100から「401 Unauthorized」を受信すると、再び、「REGISTER」を送信する(ステップS13)。このとき、識別子格納部220に格納されている端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を端末管理サーバ識別子格納領域に含めて送信する。
【0079】
回線交換装置100が、携帯端末装置200から端末登録要求を受信すると、端末登録管理部110が、端末登録要求を再び端末拠点確認部120に通知する(ステップS14)。
【0080】
端末拠点確認部120は、付加サービスパラメータ管理テーブル131を参照し、ステップS13にて受信した端末登録要求に含まれる電話番号「2000」およびステップS4にて受信した携帯端末装置の拠点「拠点A」に基づいて、当該携帯端末装置200に関連づけられた端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を取り出す。
【0081】
次に、端末拠点確認部120は、取り出した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」と端末登録要求に含まれる端末管理サーバ識別子「a9ebgned」とを照合する(ステップS15)。
【0082】
ここで、2つの端末管理サーバ識別子「a9ebgned」が一致しているため、端末拠点確認部120は、付加サービスパラメータ管理テーブル131から携帯端末装置200が現在位置する拠点Aにおける着信グループ「A1」を取得する。そして、取得した着信グループ「A1」の電話番号群の更新(上書き)を付加サービス設定情報更新部140に要求する(ステップS16)。これにより、付加サービス設定情報更新部140は、付加サービス設定情報管理テーブル151の電話番号群の欄を更新する。
【0083】
そして、更新の完了後に、携帯端末装置200に対する登録の完了応答(端末登録完了応答)の送信を端末登録管理部110に指示する(ステップS17)。
これにより、端末登録管理部110は、携帯端末装置200を認証する情報(認証情報)等、他のパラメータを確認した上で、問題がなければ「200 OK」を携帯端末装置200に送信する(ステップS18)。
【0084】
以上の動作をすることで、回線交換装置100の把握した拠点と実際に携帯端末装置200が存在する拠点との間に矛盾がなく、かつ、その拠点の着信グループの電話番号群の更新が完了した段階で携帯端末装置200が利用可能になるため、グループ着信サービス(回線交換装置100上の設定のみで動作する内線付加サービス)が拠点に応じて利用可能となる。
【0085】
次に、端末拠点確認部120の動作について、拠点Bに存在していた携帯端末装置200が移動し、拠点Aに到着した場合を例にとって説明する。
図10は、端末拠点確認部の動作を示すフローチャートである。
【0086】
まず、所在情報サーバ400に問い合わせて携帯端末装置200の拠点「拠点A」を取得する(ステップS21)。
次に、付加サービスパラメータ管理テーブル131を参照し、電話番号「2000」と拠点「拠点A」とに基づいて、当該携帯端末装置200に関連づけられた端末管理サーバ識別子が存在すれば、取り出す(ステップS22)。
【0087】
次に、付加サービスパラメータ管理テーブル131の端末管理サーバ識別子と端末登録要求の端末管理サーバ識別子との一致を判断する(ステップS23)。
端末管理サーバ識別子が一致していない場合(ステップS23のNo)、端末管理サーバ識別子の送信を端末管理サーバに指示する(ステップS24)。
【0088】
その後、端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を受信すると(ステップS25)、受信した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を付加サービスパラメータ管理テーブル131に格納する(ステップS26)。
【0089】
次に、端末登録管理部110へ端末登録拒否応答を返信する(ステップS27)。
一方、ステップS23にて端末管理サーバ識別子が一致している場合(ステップS23のYes)、前述した認証情報が正しいか否かを判断する(ステップS28)。
【0090】
認証情報が誤っている場合(ステップS28のNo)、ステップS27に移行し、端末登録拒否応答を返信する。
認証情報が正しい場合(ステップS28のYes)、付加サービスパラメータ管理テーブル131を参照し、電話番号「2000」と拠点「拠点A」とに基づいて、着信グループ「A1」を取得する(ステップS29)。
【0091】
次に、取得した着信グループ「A1」の更新要求(設定情報更新要求)を付加サービス設定情報更新部140に要求する(ステップS30)。
次に、端末登録完了応答を端末登録管理部110に返信する(ステップS31)。
【0092】
以上で、端末拠点確認部120の処理の説明を終了する。
次に、携帯端末装置200の処理を説明する。
図11は、携帯端末装置の処理を示すフローチャートである。
【0093】
まず、端末登録要求部210は、識別子格納部220に端末管理サーバ識別子「a9ebgned」が存在すれば、識別子格納部220から端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を取得する(ステップS41)。
【0094】
次に、端末登録要求を送信する(ステップS42)。なお、ステップS41にて、識別子格納部220に端末管理サーバ識別子「a9ebgned」が存在しなければ、前述したように、端末管理サーバ識別子格納領域は空(未設定)のまま送信する。
【0095】
次に、端末登録要求部210は、端末登録が受け入れられたか否かを判断する(ステップS43)。具体的には、「401 Unauthorized」または「200 OK」のどちらを受信したかを判断する。
【0096】
受け入れられたと判断した場合すなわち、「200 OK」を受信した場合(ステップS43のYes)、処理を終了する。
一方、受け入れられなかったと判断した場合(ステップS43のNo)、端末登録要求部210は、所定時間、端末管理サーバ300aからのデータ送信を待機する(ステップS44)。
【0097】
待機時間内にデータが送られてきた場合(ステップS45のYes)、端末登録要求部210は、端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を識別子格納部220に格納する(ステップS46)。その後、ステップS41に移行し、ステップS41以降の処理を引き続き行う。
【0098】
待機時間内にデータが送られてこなかった場合(ステップS45のNo)、ステップS41に移行し、ステップS41以降の処理を引き続き行う。
以上で、携帯端末装置200の処理の説明を終了する。
【0099】
以上述べたように、本実施の形態のシステムによれば、携帯端末装置200の登録要求時に、端末管理サーバ300a(300b)が、端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を回線交換装置100および携帯端末装置200の双方に送信するようにした。そして、回線交換装置100が、携帯端末装置200から送信された端末管理サーバ識別子「a9ebgned」と、回線交換装置100自身が受信した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」との一致を確認してから付加サービス設定情報管理テーブル151を更新するようにした。
【0100】
これにより、回線交換装置100の認識した所在情報(拠点)と携帯端末装置200の実際の所在との整合性が保たれなければ、端末登録が完了しないため、携帯端末装置200と回線交換装置100のグループ着信サービスに関する設定の整合性を保つことができる。
【0101】
さらに、回線交換装置100内に、付加サービスパラメータ管理テーブル131を設け、電話番号、拠点および着信グループを設定しておくことで、利用者は予め、拠点毎の設定をしなくても各拠点でのサービスを利用することができる。
【0102】
また、端末は拠点を移動しても同一の電話番号を利用できるため、発信者の混乱も少ない。
また、利用者は携帯端末装置200を持って拠点を移動しても、自分がどの拠点に位置しているのかを特に意識することなく(同一の操作感で)付加サービスを利用することができる。
【0103】
また、回線交換装置100には、電話機台数分の電話番号を設定すればよいため、拠点毎に異なる電話番号を設定する場合等に比べて、リソース消費を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、端末管理サーバ300a、300bが端末管理サーバ識別子を生成するようにしたが、これに限らず、端末拠点確認部120が端末管理サーバ識別子を生成するようにしてもよい。
【0104】
図12は、端末拠点確認部が端末管理サーバ識別子を生成する場合の処理を示すシーケンス図である。図9と同様の処理を行う部分は同じ符号を付してその説明を省略する。
端末拠点確認部120は、携帯端末装置200が現在、位置する拠点Aを管理する端末管理サーバ300aに対して、端末拠点確認部120が生成した端末管理サーバ識別子を該当端末に送信するように指示を出す(ステップS6a)。
【0105】
また、端末拠点確認部120は、端末拠点確認部120が生成した端末管理サーバ識別子を付加サービスパラメータ管理テーブル131の当該携帯端末装置200の電話番号「2000」と当該拠点「A」に関連づけられた端末管理サーバ識別子として格納し(ステップS10a)、携帯端末装置200に対する登録の拒否応答(端末登録拒否応答)の送信を端末登録管理部110に指示する(ステップS11)。
【0106】
このような処理によっても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、回線交換装置100内の設定を変更することにより享受できる内線付加サービスについて、グループ着信サービスを例にとって説明した。しかし、本発明は、これに限定されず、携帯端末装置内の設定を変更することにより享受できる内線付加サービスにも適用することができる。
【0107】
以下、第2の実施の形態として、携帯端末装置内の設定のみを変更することにより享受できる内線付加サービスを説明する。この内線付加サービスとしてパーク保留サービスを例にとって説明する。
【0108】
また、第3の実施の形態として、回線交換装置100内の設定および携帯端末装置内の設定を変更することにより享受できる内線付加サービスを説明する。この内線付加サービスとして、コールピックアップサービスを例にとって説明する。
【0109】
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態のシステムについて、前述した第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0110】
図13は、第2の実施の形態の回線交換装置の機能を示すブロック図である。
回線交換装置100aは、回線交換装置100に比べ、付加サービス設定情報更新部140および付加サービス設定情報格納部150の機能が省略されている。
【0111】
図14は、第2の実施の形態の携帯端末装置の機能を示すブロック図である。
第2の実施の形態の携帯端末装置200aは、さらに、パーク保留する際の保留場所を識別する情報(以下、「プール名」と言う)を格納する要求パラメータ格納部230を有している。
【0112】
図15は、第2の実施の形態の付加サービスパラメータ管理テーブルを示す図である。
付加サービスパラメータ管理テーブル132には、設定パラメータの欄の代わりに要求パラメータの欄が設けられている。
【0113】
要求パラメータの欄には、携帯端末装置200aが、拠点の欄の拠点に位置しているときに、携帯端末装置200aの設定で動作する内線付加サービスに用いるパラメータが設定されている。図15では、要求パラメータの1つとしてパーク保留プールが設定されている。このパーク保留プールは、パーク保留サービス利用時に、着信を保留する領域を示すものである。
【0114】
そして、パーク保留プールの欄には、携帯端末装置200aが拠点の欄の拠点に位置しているときに、要求パラメータ格納部230に格納されるプール名が設定されている。
次に、第2の実施の形態のシステムの処理について、第1の実施の形態の処理と異なる部分を説明する。
【0115】
図16は、第2の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
端末拠点確認部120は、「REGISTER」を送信した携帯端末装置200aに対し、プール名「ParkA」を送信し、端末管理サーバ識別子に加えてプール名「ParkA」を合わせて送信するように端末管理サーバ300aに指示を出す(ステップS6b)。
【0116】
指示を受けた端末管理サーバ300aは、該当する携帯端末装置200aに対して当該端末管理サーバ300aが決定した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」およびプール名「ParkA」を送信する(ステップS7b)。
【0117】
携帯端末装置200aは、端末管理サーバ300aから受信した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を識別子格納部220に格納し、受信したプール名「ParkA」を要求パラメータ格納部230に格納する(ステップS8b)。
【0118】
携帯端末装置200aは、回線交換装置100から「401 Unauthorized」を受信すると、再び、「REGISTER」を送信する(ステップS13b)。このとき、識別子格納部220に格納されている端末管理サーバ識別子「a9ebgned」に加え、要求パラメータ格納部230に格納されているプール名「ParkA」を含めて送信する。
【0119】
また、本実施の形態では、ステップS16に対応する動作は行わない。
次に、第2の実施の形態の携帯端末装置200aの処理について、第1の実施の形態の処理と異なる部分を説明する。
【0120】
図17は、第2の実施の形態の携帯端末装置の処理を示すフローチャートである。
端末登録要求部210は、待機時間内にデータが送られてきた場合(ステップS45のYes)、プール名「ParkA」を要求パラメータ格納部230に格納する(ステップS45a)。
【0121】
この第2の実施の形態のシステムによれば、第1の実施の形態のシステムと同様の効果が得られる。
そして、第2の実施の形態のシステムによれば、回線交換装置100aの把握した拠点の情報と実際に携帯端末装置200aが存在する拠点の情報に矛盾がなく、かつ、その拠点の情報に合わせた携帯端末装置200aの要求パラメータの更新が完了した段階で、携帯端末装置200aが利用可能になる。
【0122】
従って、利用者は予め個々の拠点ごとの設定をしなくても、パーク保留等の携帯端末装置200a側の設定のみで動作する内線付加サービスを利用することができる。
<第3の実施の形態>
以下、第3の実施の形態のシステムについて、前述した第1の実施の形態および第2の実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0123】
図18は、第3の実施の形態の付加サービスパラメータ管理テーブルを示す図である。
付加サービスパラメータ管理テーブル133には、設定パラメータの欄に加えて要求パラメータの欄が設けられている。
【0124】
ピックアップグループの欄には、コールピックアップサービスを享受することができるグループの単位を示すピックアップグループが設定されている。
ピックアップパラメータの欄には、携帯端末装置200aが拠点の欄の拠点に位置しているときに、要求パラメータ格納部230に格納されるピックアップパラメータが設定されている。
【0125】
図19は、第3の実施の形態の付加サービス設定情報管理テーブルを示す図である。
付加サービス設定情報管理テーブル152には、拠点、ピックアップグループおよび電話番号群の欄が設けられており、横方向に並べられた情報同士が互いに関連づけられている。
【0126】
ピックアップグループの欄には、付加サービスパラメータ管理テーブル133にて説明した内容と同様の識別情報が設定されている。
電話番号群の欄には、ピックアップグループの欄に設定されているピックアップグループに現在、所属している携帯端末装置200a、すなわち、コールピックアップサービスを利用することができる携帯端末装置200aの電話番号が設定される。
【0127】
次に、第3の実施の形態のシステムの処理について、第1の実施の形態および第2の実施の形態の処理と異なる部分を中心に説明する。
図20は、第3の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【0128】
端末拠点確認部120は、「REGISTER」を送信した携帯端末装置200aに対し、ピックアップパラメータ「PkupA1」を送信し、端末管理サーバ識別子に加えてピックアップパラメータ「PkupA1」を合わせて送信するように端末管理サーバ300aに指示を出す(ステップS6c)。
【0129】
指示を受けた端末管理サーバ300aは、該当する携帯端末装置200aに対して当該端末管理サーバ300aが決定した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」およびピックアップパラメータ「PkupA1」を送信する(ステップS7c)。
【0130】
携帯端末装置200aは、端末管理サーバ300aから受信した端末管理サーバ識別子「a9ebgned」を識別子格納部220に格納し、受信したピックアップパラメータ「PkupA1」を要求パラメータ格納部230に格納する(ステップS8c)。
【0131】
携帯端末装置200は、回線交換装置100から「401 Unauthorized」を受信すると、再び、「REGISTER」を送信する(ステップS13c)。このとき、識別子格納部220に格納されている端末管理サーバ識別子「a9ebgned」に加え、要求パラメータ格納部230に格納されているピックアップパラメータ「PkupA1」を含めて送信する。
【0132】
ステップS15にて、2つの端末管理サーバ識別子「a9ebgned」が一致しているため、端末拠点確認部120は、付加サービスパラメータ管理テーブル133から携帯端末装置200aが現在位置する拠点Aにおけるピックアップグループ「PA1」を取得する。そして、取得したピックアップグループ「PA1」の電話番号群の更新(上書き)を付加サービス設定情報更新部140に要求する(ステップS16c)。
【0133】
次に、第3の実施の形態の端末拠点確認部120の動作について第1の実施の形態の処理と異なる部分を説明する。
図21は、第3の実施の形態の端末拠点確認部の動作を示すフローチャートである。
【0134】
付加サービスパラメータ管理テーブル133を参照し、電話番号と拠点とに基づいて、当該携帯端末装置200に関連づけられたピックアップパラメータ「PkupA1」および存在すれば端末管理サーバ識別子を取り出す(ステップS22a)。
【0135】
次に、付加サービスパラメータ管理テーブル133の端末管理サーバ識別子と端末登録要求の端末管理サーバ識別子との一致を判断する(ステップS23)。
一致していない場合(ステップS23のNo)、端末管理サーバ識別子およびピックアップパラメータ「PkupA1」の送信を端末管理サーバに指示する(ステップS24a)。
【0136】
また、認証情報が正しい場合(ステップS28のYes)、ピックアップグループ「PA1」を取得し(ステップS29a)、取得したピックアップグループ「PA1」の更新要求を付加サービス設定情報更新部140に要求する。
【0137】
以上で、第3の実施の形態の端末拠点確認部120の処理を終了する。
この第3の実施の形態のシステムによれば、第1の実施の形態のシステムおよび第2の実施の形態のシステムと同様の効果が得られる。
【0138】
そして、第3の実施の形態のシステムによれば、回線交換装置100が把握した拠点の情報と実際に携帯端末装置が位置する拠点の情報に矛盾がなく、かつ、その拠点の情報に合わせた回線交換装置100上の設定パラメータの更新と携帯端末装置200aの要求パラメータの受信とが完了した段階で携帯端末装置200aが利用可能になる。
【0139】
従って、コールピックアップサービス等の回線交換装置100と携帯端末装置200aの両方の設定で動作する付加サービスが拠点に応じて利用可能となる。
以上、本発明の通信サービス支援装置、通信サービス支援方法および通信サービス支援プログラムを、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【0140】
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、回線交換装置100、100aが有する機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等が挙げられる。磁気記録装置としては、例えば、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等が挙げられる。光ディスクとしては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等が挙げられる。光磁気記録媒体としては、例えば、MO(Magneto-Optical disk)等が挙げられる。
【0141】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0142】
通信サービス支援プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0143】
以上の第1〜第3の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援装置において、
複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納するパラメータ格納部と、
前記パラメータ格納部に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較する比較部と、
前記比較部の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する通知部と、
を有することを特徴とする通信サービス支援装置。
【0144】
(付記2) 前記サービスの利用が許可されている前記携帯端末装置を識別する識別情報を格納する端末情報格納部と、
前記比較部の比較結果が一致した場合、前記識別情報を送信した前記携帯端末装置を識別する識別情報を前記端末情報格納部に登録する登録部と、
をさらに有することを特徴とする付記1記載の通信サービス支援装置。
【0145】
(付記3) 前記比較部の比較結果が一致しない場合、前記管理サーバを識別する識別情報を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする付記1記載の通信サービス支援装置。
【0146】
(付記4) 前記管理サーバが、前記管理サーバを識別する識別情報を生成し、送信することを特徴とする付記3記載の通信サービス支援装置。
(付記5) 前記通知部が、前記管理サーバを識別する識別情報を生成し、送信することを特徴とする付記3記載の通信サービス支援装置。
【0147】
(付記6) 前記携帯端末装置は、当該携帯端末装置が実際に前記管理サーバが管理する拠点に位置する場合のみ、前記管理サーバを識別する識別情報を受け取れるよう構成されていることを特徴とする付記3記載の通信サービス支援装置。
【0148】
(付記7) 前記比較部は、前記携帯端末装置がそれぞれ位置する拠点を示す情報を備える所在情報サーバから前記端末登録要求を送信した携帯端末装置の位置する拠点を取得することを特徴とする付記1記載の通信サービス支援装置。
【0149】
(付記8) 携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援方法において、
パラメータ格納手段が、複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納し、
比較手段が、前記パラメータ格納手段に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較し、
通知手段が、前記比較手段の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する、
ことを特徴とする通信サービス支援方法。
【0150】
(付記9) 携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する処理をコンピュータに実行させる通信サービス支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納するパラメータ格納手段、
前記パラメータ格納手段に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較する比較手段、
前記比較手段の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する通知手段、
として機能させることを特徴とする通信サービス支援プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】実施の形態の通信サービス支援装置の概要を示す図である。
【図2】システムの構成を示す図である。
【図3】所在情報サーバに格納されている情報を示す図である。
【図4】回線交換装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図5】回線交換装置の機能を示すブロック図である。
【図6】携帯端末装置の機能を示すブロック図である。
【図7】付加サービスパラメータ格納部に格納されている情報を示す図である。
【図8】付加サービス設定情報格納部に格納されている情報を示す図である。
【図9】第1の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】端末拠点確認部の動作を示すフローチャートである。
【図11】携帯端末装置の処理を示すフローチャートである。
【図12】端末拠点確認部が端末管理サーバ識別子を生成する場合の処理を示すシーケンス図である。
【図13】第2の実施の形態の回線交換装置の機能を示すブロック図である。
【図14】第2の実施の形態の携帯端末装置の機能を示すブロック図である。
【図15】第2の実施の形態の付加サービスパラメータ管理テーブルを示す図である。
【図16】第2の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図17】第2の実施の形態の携帯端末装置の処理を示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態の付加サービスパラメータ管理テーブルを示す図である。
【図19】第3の実施の形態の付加サービス設定情報管理テーブルを示す図である。
【図20】第3の実施の形態のシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図21】第3の実施の形態の端末拠点確認部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0152】
1 通信サービス支援装置
2 パラメータ格納部
3 端末情報格納部
4 比較部
5 登録部
6 通知部
7、A、B 拠点
8 管理サーバ
20、200、200a 携帯端末装置
100、100a 回線交換装置
110 端末登録管理部
120 端末拠点確認部
130 付加サービスパラメータ格納部
131〜133 付加サービスパラメータ管理テーブル
140 付加サービス設定情報更新部
150 付加サービス設定情報格納部
151、152 付加サービス設定情報管理テーブル
210 端末登録要求部
220 識別子格納部
230 要求パラメータ格納部
300a、300b 端末管理サーバ
400 所在情報サーバ
401 所在情報管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援装置において、
複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納するパラメータ格納部と、
前記パラメータ格納部に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較する比較部と、
前記比較部の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する通知部と、
を有することを特徴とする通信サービス支援装置。
【請求項2】
前記サービスの利用が許可されている前記携帯端末装置を識別する識別情報を格納する端末情報格納部と、
前記比較部の比較結果が一致した場合、前記識別情報を送信した前記携帯端末装置を識別する識別情報を前記端末情報格納部に登録する登録部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の通信サービス支援装置。
【請求項3】
前記比較部の比較結果が一致しない場合、前記管理サーバを識別する識別情報を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の通信サービス支援装置。
【請求項4】
携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する通信サービス支援方法において、
パラメータ格納手段が、複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納し、
比較手段が、前記パラメータ格納手段に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較し、
通知手段が、前記比較手段の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する、
ことを特徴とする通信サービス支援方法。
【請求項5】
携帯端末装置に対するサービスの利用を許可する処理をコンピュータに実行させる通信サービス支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
複数の前記携帯端末装置をそれぞれ識別する識別情報と複数の拠点をそれぞれ識別する識別情報と前記各拠点において前記各携帯端末装置が享受する前記サービスを識別する識別情報と前記拠点を管理する管理サーバを識別する識別情報とを関連づけて格納するパラメータ格納手段、
前記パラメータ格納手段に格納された前記管理サーバを識別する識別情報を、所定の前記拠点に位置する携帯端末装置から送信された前記管理サーバを識別する識別情報と比較する比較手段、
前記比較手段の比較結果が一致した場合、前記管理サーバを識別する識別情報を送信した前記携帯端末装置に前記サービスの利用許可を通知する通知手段、
として機能させることを特徴とする通信サービス支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−11383(P2010−11383A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171349(P2008−171349)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】