説明

通信システム、時刻付与装置、時刻受取装置、プログラム、時刻付与方法および時刻訂正方法

【課題】計時部の計時停止によって測定結果に付与される不正な測定時刻を訂正可能とする。
【解決手段】測定器10および受信記憶装置20を有する通信システム1を提供する。測定器10は、測定が行われると、その測定結果と付与計時部が示している測定時刻とを含む測定履歴を記録し、所定の操作が行われると、記憶している測定履歴と付与計時部が示している送信時刻を一括出力する。この出力が、測定が行われた後に付与計時部の計時が停止して再開した後の最初の出力の場合、出力される情報には、停止直前に記録された発生時刻以降の時刻であって停止の前に付与計時部が示した電源投入時刻が含まれる。一方、受信記憶装置20は、測定器10からの情報を入力して記録する。よって、受信記憶装置20では、電源投入時刻とともに入力した測定時刻のうち開始時刻よりも前のものを訂正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報の測定等のイベントの内容または結果を、その発生時刻に対応付けて記憶し、一括して出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RTC(Real Time Clock)を備え、血圧値等の生体情報を定期的に測定し、測定した生体情報を、その測定時にRTCが示していた時刻に対応付けて蓄積し、片方向通信方式で一括して出力する生体情報測定装置が記載されている。この生体情報測定装置を有する通信システムでは、RTCが示していた時刻が測定時刻として扱われる。このRTCが電池を内蔵しているか否かは不明である。
【0003】
このRTCが電池を内蔵していない場合、主電源からRTCへの給電が停止すると、RTCの計時も停止する。したがって、給電停止前に測定された生体情報の測定時刻(RTCに基づく時刻)と給電再開後に測定された生体情報の測定時刻(RTCに基づく時刻)との差分が、実際の測定時間間隔よりも短くなってしまう。
【0004】
この問題を解決するために、電池交換が必要となる携帯型機器の分野における周知または公知の技術を応用することが考えられる。この応用によって得られる形態としては、RTCがバックアップ用の電源を内蔵している第1の形態、使用者が計時部を有する機器を直接的に操作して時刻合わせを行う第2の形態(特許文献2の図6および図25参照)、送信先の装置からデータを受信して時刻合わせを行う第3の形態(特許文献3参照)が挙げられる。
【特許文献1】特開2005−261710号公報
【特許文献2】特開2003−15209号公報
【特許文献3】特開平11−253411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、第1の形態では、バックアップ用の電源が必須のため、装置の大型化や、回路構成の複雑化、製造コストの上昇が懸念される。また、第2の形態では、時刻合わせのための操作スイッチが必要となる一方、例えば、年、月、日、時、分、秒を一つ又は二つのボタンを繰り返し操作して巡回的に切り替えることにより設定対象の項目を選択した上で他の一つ又は二つのボタンを繰り返し操作して選択項目に値を設定する作業を複数の項目について繰り返す、といった煩雑な作業が必要となってしまう。また、第3の形態では、送信先の装置との間で双方向の通信を実現する必要があるから、受信機が必須となり、装置の大型化や、消費電流の増大、製造コストの上昇が懸念されるともに、医療機器として使用し難くなってしまう。医療機器には、通常、通信の異常による誤動作を防ぐために、双方向通信を用いないことが要求されるからである。
【0006】
これらの問題は、測定機器に限らず、発生したイベントの内容または結果を、計時部に基づく発生時刻を付与した上で記憶し、一括して送信する任意の装置にもあてはまる。そこで、本発明は、発生したイベントの内容または結果を、計時部に基づく発生時刻を付与した上で記憶し、一括して送信する装置によって、計時部の計時の停止に起因して不正な発生時刻が付与された場合にも、これを訂正することができる通信システムと、この通信システムに含まれる時刻付与装置および時刻受取装置と、これらの装置に実行されるプログラムと、時刻付与方法と、時刻訂正方法を提供することを解決課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、時刻付与装置と、時刻受取装置とを有する通信システムであって、前記時刻付与装置は、計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備え、前記時刻受取装置は、計時を行って時刻を示す受取計時部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部とを備えることを特徴とする通信システムを提供する。
前記所定の条件とは、最低限、前記開始時刻が記録されており、前記操作部から所定の信号が出力された場合である。
この通信システムの時刻付与装置は、イベントが発生すると、その内容または結果と時刻付与装置内の付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を記録し、所定の操作が行われると、記憶している発生履歴を一括出力する。この出力が、イベントが発生した後に付与計時部の計時が停止して再開した後の最初の出力の場合、出力される情報には、停止直前に記録された発生時刻以降の時刻であって停止の前に付与計時部が示した開始時刻が含まれる。一方、時刻受取装置は、時刻付与装置からの情報を入力して記録する。また、所定の条件が充たされると、時刻付与装置から時刻受取装置へ送信時刻が渡される。したがって、時刻受取装置では、開始時刻とともに入力した発生時刻のうち開始時刻よりも前の発生時刻を訂正することが可能となる。よって、この通信システムによれば、発生したイベントの内容または結果を、計時部に基づく発生時刻を付与した上で記憶し、一括して送信する装置によって、計時部の計時の停止に起因して不正な発生時刻が付与された場合にも、これを訂正することができる。なお、上記の訂正は、例えば、渡された少なくとも二つの送信時刻と、これらの送信時刻が渡されたときに受取計時部が示していた受信時刻とに基づいて、付与計時部の計時の停止時間を求め、開始時刻とともに入力した発生時刻のうち開始時刻よりも前の発生時刻を、停止時間だけ前の時刻に変更することで実現される。
【0008】
上記の通信システムにおいて、時刻訂正装置を有し、前記時刻受取装置は、データを送出して当該データが示す情報を出力する受取出力部と、前記受取記憶部に記憶されている前記発生履歴、前記送信時刻および前記受信時刻を前記受取出力部に出力させる受取送信制御部とを有し、前記時刻訂正装置は、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する訂正記憶部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する訂正受信部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記訂正受信部に入力させる訂正受信制御部と、前記訂正受信部に入力された前記発生履歴、前記送信時刻および前記受信時刻を前記訂正記憶部に記録する訂正記録部と、前記訂正記憶部に記憶されている前記発生履歴に含まれている発生時刻を、前記訂正記憶部に記憶されている前記送信時刻および前記受信時刻に基づいて訂正する訂正部とを有する、ようにしてもよい。この態様によれば、時刻受取装置が訂正部を有する態様に比較して、時刻受取装置にかかる負荷を軽減することができる。これは、時刻受取装置の小型化の向上の観点で有利である。
【0009】
上記の通信システムまたは態様において、前記受取受信部は、データを前記片方向通信方式で受信して当該データが示す情報を入力する片方向受信部である、ようにしてもよい。この態様によれば、時刻付与装置と時刻受取装置との間に、通信方式を変換する中継装置を設ける必要がなくなる。また、上記の通信システムまたは上記の各態様において、前記所定の条件は、前記操作部から前記所定の信号が出力されると充たされる、ようにしてもよい。
【0010】
上記の通信システムまたは上記の各態様において、時刻合わせ装置を有し、前記時刻合わせ装置は、計時を行って時刻を示す基準計時部と、正しい時刻を示すように前記基準計時部を設定する基準設定部と、データを送出して当該データが示す情報を出力する基準出力部と、前記基準計時部が示す時刻を前記基準出力部に出力させる出力制御部とを備え、前記時刻受取装置は、データを受け取って当該データが示す情報を入力する受取入力部と、前記基準出力部から出力された時刻を前記受取入力部に入力させる受取入力制御部と、前記受取入力部が入力した時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、前記受取計時部を設定する受取設定部とを備える、ようにしてもよい。この態様によれば、時刻受取装置に、使用者の操作による時刻合わせを可能とする機構を設ける必要がなくなる。これは、時刻受取装置の構成の簡素化や、使用者の手間の削減に寄与する。なお、基準設定部が、NTP(Network Time Protocol)を用いる等して、正しい時刻を示すように基準計時部を自動的に設定するようにしてもよく、この場合には、時刻合わせ装置の使用者の手間も削減可能である。
【0011】
また、本発明は、計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置を提供する。
この時刻付与装置によれば、例えば、計時を行って時刻を示す受取計時部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部とを備える時刻受取装置と協働して、上記の通信システムを実現することができる。
【0012】
上記の時刻付与装置において、前記最終時刻記録部は、前記発生時刻が記録されると、この発生時刻を前記最終時刻として上書き方式で記録する、ようにしてもよいし、前記最終時刻記録部は、周期的に、前記付与計時部が示している時刻を前記最終時刻として上書き方式で記録する、ようにしてもよい。これらの態様では、最終時刻は、発生時刻が記録される度または周期的に上書きされ、付与計時部が停止しているときに記憶されている最終時刻のみが発生時刻の訂正に利用される。前者の態様によれば、最終時刻を記録する回数を最少にしつつ、すなわち電力消費を抑えつつ、付与計時部の停止前に記録された発生時刻が示す時刻よりも前の時刻が最終時刻となってしまう事態、すなわち時刻受取装置において正しい発生時刻が正しくない発生時刻とみなされてしまう事態を確実に回避することができる。
【0013】
上記の時刻付与装置または上記の各態様において、着脱自在に電池を備え、前記付与計時部は、前記電池から電力が供給されている場合にのみ計時を行う、ようにしてもよい。この態様では、時刻付与装置が備えるべき電源は電池のみで足りる。したがって、装置の小型化や携帯性の向上の観点で有利である。また、この態様では、電池は、着脱自在であるから、その交換が可能である。つまり、付与計時部の計時が停止し易い構成となっている。よって、この態様では、本発明の効果が特に際立つ。
【0014】
上記の時刻付与装置または上記の各態様において、生体情報を測定するセンサを備え、前記イベントは、前記センサによる測定である、ようにしてもよい。生体情報は、生体の状態を示す情報であり、例えば、尿糖値や血圧値、体温、体重である。この態様では、蓄積された測定結果(イベントの内容または結果)および測定時刻(イベントの発生時刻)に基づいて生態の状態を分析することが可能となる。この分析の精度は、正しくない測定時刻に基づくと著しく低くなる。したがって、この態様では、本発明の効果が特に際立つ。
【0015】
また、本発明は、計時を行って時刻を示す受取計時部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部とを備える時刻受取装置を提供する。
この時刻受取装置によれば、発生したイベントの内容または結果を、計時部に基づく発生時刻を付与した上で記憶し、一括して送信する装置によって、計時部の計時の停止に起因して不正な発生時刻が付与された場合にも、これを訂正することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部とを備え、予め定められたイベントが発生するコンピュータを、計時を行って時刻を示す付与計時部と、前記イベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部として機能させるプログラムと、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。なお、記録媒体に代えてデータキャリヤを提供することも可能である。
このプログラムを実行するコンピュータによれば、例えば、計時を行って時刻を示す受取計時部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部とを備える時刻受取装置と協働して、上記の通信システムを実現することができる。
【0017】
また、本発明は、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部とを備えるコンピュータを、計時を行って時刻を示す受取計時部と、計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部として機能させるプログラムと、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。なお、記録媒体に代えてデータキャリヤを提供することも可能である。
このプログラムを実行するコンピュータによれば、発生したイベントの内容または結果を、計時部に基づく発生時刻を付与した上で記憶し、一括して送信する装置によって、計時部の計時の停止に起因して不正な発生時刻が付与された場合にも、これを訂正することが可能となる。
【0018】
また、本発明は、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、計時を行って時刻を示す付与計時部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える装置が行う方法であって、前記付与計時部が計時を再開すると、記憶されている前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録ステップと、前記開始時刻記録ステップの後に、記憶されている前記発生履歴と前記開始時刻とを前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御ステップとを有することを特徴とする時刻付与方法を提供する。この時刻付与方法によれば、上記の時刻付与装置により得られる効果と同様の効果が得られる。
【0019】
また、本発明は、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置とともに用いられ、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、計時を行って時刻を示す受取計時部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部とを備える装置が行う方法であって、前記一括受信処理で前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち当該開始時刻よりも前のものを特定する対象特定ステップと、前記対象特定ステップで特定された前記発生時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とに基づいて、前記付与計時部が停止していた時間を特定する時間特定ステップと、前記対象特定ステップで特定された発生時刻を、前記時間特定ステップで特定された時間だけ前の時刻に変更する訂正ステップとを有することを特徴とする時刻訂正方法を提供する。この時刻訂正方法によれば、上記の時刻受取装置により得られる効果と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。各図において、共通する部分には、同一の符号が付されている。なお、本発明は、以下に説明する各実施の形態に限定されるものではなく、その範囲には、これらの形態を変形して得られる各種の形態も含まれる。
【0021】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.通信システム1>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。通信システム1は、被験者の生体情報を測定して出力する測定器10と、測定器10から生体情報を受け取って一時的に記憶する受信記憶装置20と、受信記憶装置20から生体情報を受け取って蓄積するPC30を有する。生体情報は、生体(被験者)の状態を示す情報であり、具体的には、尿糖値である。
【0022】
<1−2.測定器10>
図2は、測定器10の構成を示すブロック図である。測定器10は、使用者(被験者)に携帯される小型のコンピュータであり、センサ101、増幅器102、A/D変換器103、記憶部104、送信部105、表示部106、測定スイッチ107、送信スイッチ108、水晶発振子109およびマイコン110を備える。また、測定器10は、着脱自在に電池111を備える。測定器10の各部の電源は、電池111のみである。電池111は、具体的にはコイン型電池である。
【0023】
センサ101は、被験者の生態情報を測定し、測定結果(測定値)を示す信号を出力する。具体的には、センサ101は、被験者の尿中のグルコース濃度、すなわち尿糖値を測定し、測定値を示すアナログ信号を出力する。この測定が、予め定められたイベントに相当し、測定結果が、当該イベントの結果に相当する。増幅器102は、センサ101から出力された信号を増幅する。A/D変換器103は、増幅器102に増幅された信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0024】
送信部105は、データを片方向通信方式で送信することによって当該データが示す情報を出力する片方向送信部であり、具体的には赤外光を発する赤外線発光部を備える。以降、送信部105が準拠している片方向通信方式を「第1通信方式」と呼ぶ。表示部106は、マイコン110から供給される画像データで示される画像を表示するものであり、具体的には、小型の液晶ディスプレイである。
【0025】
測定スイッチ107および送信スイッチ108は、それぞれ、使用者に操作されるスイッチであり、操作されると、操作内容に応じた信号を出力する。測定スイッチ107は、使用者がセンサ101による測定の開始指示を測定器10へ入力するためのものである。つまり、測定器10は、予め定められたイベントが使用者による操作を契機として発生するコンピュータである。送信スイッチ108は、使用者が生体情報の送信の開始指示を測定器10へ入力するためのものである。水晶発振子109は、電池111から電力が供給されると、クロック信号の出力を開始する。
【0026】
マイコン110は、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Randon Access Mmory)および周辺LSI(大規模集積回路)を一つのチップに実装したマイクロコンピュータ、いわゆるワンチップ・マイコンである。ROMには、測定器10を、測定結果に時刻を付与する時刻付与装置として機能させるためのプログラム10Pが書き込まれている。マイコン110は、電池111から電力が供給されると、すなわち十分な残量の電池111が測定器10に装着されると、水晶発振子109からのクロック信号を用いて、プログラム10Pを実行する。これにより、マイコン110は、電池111から電力が供給されている場合にのみ、クロック信号に基づいて1秒間隔で所定のイベントを発生させる一方、後述の測定時刻付与処理を行う。
【0027】
記憶部104は、書き込まれたデータを保持することによって当該データが示す情報を記憶するものであり、具体的にはEEPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリである。記憶部104は、マイコン110のRAMとともに、付与記憶部として機能する。記憶部104の記憶領域は、測定領域MA1、電源投入時刻領域MA2、最終時刻領域MA3および未出力フラグFLを含む。
【0028】
測定結果領域MA1は、測定結果と、この測定結果が得られた測定が行われた時刻(以降、「測定時刻(発生時刻)」という)とを含む測定履歴の記憶に用いられる。電源投入時刻領域MA2は、電池111が装着された時刻、すなわち電源投入時刻(開始時刻)の記憶に用いられる。最終時刻領域MA3は、付与計時部の計時の停止直前に記録された測定時刻以降の時刻であって、この停止の前に付与計時部が示した最終時刻の記憶に用いられる。
【0029】
未出力フラグFLは、送信部105外へ出力されていない測定結果が記憶されているか否かを示すフラグであり、セットされている場合(所定のデータを保持している場合)には、送信部105外へ出力されていない測定結果が記憶されていることを示し、リセットされている場合(所定のデータを保持していない場合)には、送信部105外へ出力されていない測定結果が記憶されていないことを示す。測定器10の使用開始前には、未出力フラグFLはリセットされている。
【0030】
<1−3.受信記憶装置20>
図3は、受信記憶装置20の構成を示すブロック図である。受信記憶装置20は、使用者(被験者)に携帯される小型のコンピュータであり、受信部201、記憶部202、通信インターフェイス203、報知部204、水晶発振子205およびマイコン206を備える。また、受信記憶装置20は、着脱自在に電池207を備える。受信記憶装置20の各部の電源は、電池207のみである。電池207は、具体的にはコイン型電池である。
【0031】
受信部201は、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部であり、具体的にはデータを第1通信方式で受信して当該データが示す情報を入力する片方向受信部であり、より具体的には赤外光を受ける赤外線受光部を備える。記憶部202は、書き込まれたデータを保持することによって当該データが示す情報を記憶するものであり、具体的にはEEPROM等の不揮発性メモリである。
【0032】
通信インターフェイス203は、データを双方向通信方式で送受信することによって情報を入出力する送受信部であり、より具体的にはUSBインターフェイスである。通信インターフェイス203は、データを受け取ることによって当該データが示す情報を入力する受取入力部、およびデータを送出して当該データが示す情報を出力する受取出力部として機能する。
【0033】
報知部204は、マイコン206からの指示に従って情報を報知するものであり、具体的には一または複数のLEDを備える。水晶発振子205は、電池207から電力が供給されると、クロック信号の出力を開始する。水晶発振子205と水晶発振子109の発振周波数は同一であっても異なっていてもよい。
【0034】
マイコン206は、ワンチップ・マイコンであり、そのROMには、受信記憶装置20を、測定結果に付与された時刻を受け取る時刻受取装置および当該時刻を訂正する時刻訂正装置として機能させるためのプログラム20Pが書き込まれている。マイコン206のRAMは、記憶部202とともに、受取記憶部として機能する。マイコン206は、電池207から電力が供給されると、水晶発振子205からのクロック信号を用いて、プログラム20Pを実行する。これにより、マイコン206は、クロック信号に基づいた計時を行って時刻を示す受取計時部として機能する一方、後述の測定時刻訂正処理を行う。また、プログラム20Pを実行中のマイコン206は、通信インターフェイス203と後述の通信インターフェイス301とがUSBケーブルを介して互いに接続されると、後述の第1同期処理を行う。
【0035】
<1−4.PC30>
図4は、PC30の構成を示すブロック図である。PC30は、パーソナルコンピュータであり、通信インターフェイス301,307、記憶部302、表示部303、操作部304、RTC305、CPU306および主電源(図示略)を有する。
【0036】
通信インターフェイス301は、双方向通信方式でデータを送受信して当該データが示す情報を送受信する送受信部であり、具体的にはUSBインターフェイスである。通信インターフェイス301は、データを送出して当該データが示す情報を出力する基準出力部として機能する。
【0037】
記憶部302は、書き込まれたデータを保持することによって当該データが示す情報を記憶するものであり、ROM、RAMおよびハードディスクを含む。ROMには、IPL(Initial Program Loader)が記憶されている。ハードディスクには、オペレーティングシステムを実現するためのプログラムと、PC30を、測定履歴を蓄積する蓄積装置および受取計時部の時刻合わせを行う時刻合わせ装置として機能させるためのプログラム30Pが記憶される。ハードディスクには、測定履歴が蓄積される。
【0038】
表示部303は、CPU306から供給される画像データで示される画像を表示するものであり、具体的には液晶ディスプレイである。操作部304は、人に操作され、操作内容に応じた信号を出力するものであり、具体的にはキーボードおよびポインティングデバイス(例えばマウス)を備える。
【0039】
RTC305は、計時を行って時刻を示す基準計時部として機能し、電池を内蔵している。つまり、RTC305は、主電源が投入されていなくとも、計時を継続することができる。通信インターフェイス307は、双方向通信方式でデータを送受信して当該データが示す情報を送受信する送受信部であり、インターネットに接続され、インターネット経由でデータを送受信する。
【0040】
CPU306は、主電源が投入されると、IPLを実行し、これによってオペレーティングシステムを実現するためのプログラムを実行する。このオペレーティングシステムでは、CPU306は、通信インターフェイス307を用いて、NTPに準拠した通信を行い、正しい時刻を示すようにRTC305を自動的に設定することができる。つまり、CPU306は、正しい時刻を示すように基準計時部を設定する基準設定部として機能する。また、オペレーティングシステムを実現したCPU306は、通信インターフェイス301と通信インターフェイス203とがUSBケーブルを介して互いに接続されると、プログラム30Pを自動的に実行する。これにより、CPU306は、後述の第2同期処理を行う。
【0041】
<1−5.測定時刻付与処理>
図5および図6は、測定器10のマイコン110が行う測定時刻付与処理の流れを示すフローチャートの前半を示す図であり、図6は当該フローチャートの後半を示す図であり、前半と後半は、接続点AおよびBで接続される。
【0042】
測定時刻付与処理では、マイコン110は、まず、最終時刻が記憶されているか否かを判定する(S1)。具体的には、最終時刻領域MA3を参照し、時刻を示すデータが保持されているか否かを判定する。ここでは、実行中の測定時刻付与処理が、初回の測定時刻付与処理であるものとして、以降の説明を行う。
【0043】
初回の測定時刻付与処理では、最終時刻が記憶されていないから、ステップS1の判定結果は「NO」となる。したがって、マイコン110は、mに0を代入する(S2)。mは、付与計時部が示す時刻(ただし、単位は「分」)を示す変数であり、その実体は、マイコン110内の書き換え可能な記憶領域である。上記の代入により、mが示す時刻は0分となる。次にマイコン110は、mを電源投入時刻として記録する(S3)。具体的には、mと同じ時刻を示すデータを電源投入時刻領域MA2に上書き方式で書き込む。
【0044】
次にマイコン110は、1分が経過したか否かを判定する(S4)。具体的には、マイコン110は、1秒間隔で発生する所定のイベントの発生回数をカウントしており、ステップS4の判定結果は、カウント値が60の倍数になったときに「YES」となる。この判定結果が「NO」の場合、マイコン110は、10分が経過したか否かを判定する(S6)。ステップS6の判定結果は、上記カウント値が600の倍数になったときに「YES」となる。この判定結果が「NO」の場合、マイコン110は、測定スイッチ107が押されたか否かを判定する(S8)。具体的には、測定スイッチ107から信号が供給されたか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、マイコン110は、送信スイッチ108が押されたか否かを判定する(S13)。具体的には、送信スイッチ108から信号が供給されたか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS4に戻る。
【0045】
一方、ステップS4、S6およびS8のいずれの判定結果が「YES」となっても、その後の処理は、やがてステップS13へと進む。以上より明らかなように、マイコン110は、送信スイッチ108が押されるまで、第1ループ処理(S4〜S13)を繰り返し行う。
【0046】
第1ループ処理において、電源投入時刻またはステップS4の判定結果が最後に「YES」となった時刻から1分が経過し、ステップS4の判定結果が「YES」となると、マイコン110は、mをインクリメントする(S5)。これにより、例えば、0分を示していたmは、1分を示すようになる。以降、処理はステップS6へ進む。以上の説明から明らかなように、マイコン110は、計時を行って時刻を示す付与計時部として機能する。
【0047】
第1ループ処理において、電源投入時刻またはステップS6の判定結果が最後に「YES」となった時刻から10分が経過し、ステップS6の判定結果が「YES」となると、マイコン110は、時刻記録を行う(S7)。具体的には、mと同じ時刻を示すデータを最終時刻領域MA3に上書き方式で書き込む。つまり、最終時刻領域MA3内のデータは、10分周期で、測定器10の現在時刻を示すように更新される。なお、最終時刻は、電池111による給電が停止して初めて確定するものであり、ステップS7で記録される時刻は、最終時刻の候補に過ぎない。以降、処理はステップS8へ進む。
【0048】
第1ループ処理において、測定スイッチ107が押されてステップS3の判定結果が「YES」となると、マイコン110は、未出力の測定結果が記憶されているか否かを判定する(S9)。具体的には、未出力フラグFLがセットされているか否かを判定する。ここでは、未出力フラグFLがリセットされているため、ステップS9の判定結果は「NO」となる。したがって、マイコン110は、測定履歴および電源投入時刻をクリアする(S10)。具体的には、測定結果領域MA1および電源投入時刻領域MA2からデータを削除する。
【0049】
次にマイコン110は、測定を行う(S11)。具体的には、A/D変換器103からセンサ101の測定結果を受け取る。次にマイコン110は、測定結果を記録する一方、mを最終時刻として記録する(S12)。具体的には、付与計時部に示されている時刻(mが示す時刻)を測定時刻とし、この測定時刻を示すデータとステップS11で受け取った測定結果を示すデータとを対応付けて測定領域MA1に書き込む一方、mと同じ時刻を示すデータを最終時刻領域MA3に上書き方式で書き込む。測定結果の記録は、原則として追記方式で行われ、測定領域MA1の残量が足りなければ上書き方式で行われる。また、ステップS12では、マイコン110は、測定結果を表示部106に表示させ、未出力フラグFLをセットする。
【0050】
以上の説明から明らかなように、マイコン110は、予め定められたイベントが発生すると、その結果と付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を付与記憶部に記録するイベント記録部と、発生時刻が記録されると、この発生時刻を最終時刻として上書き方式で記録する一方、周期的に、付与計時部が示している時刻を最終時刻データとして上書き方式で記録する最終時刻記録部として機能する。この最終時刻記録部は、付与計時部の計時の停止直前にイベント記録部が記録させた発生時刻以降の時刻であって計時の停止の前に付与計時部が示した時刻を最終時刻として付与記憶部に記録するものでもある。以降、処理はステップS13へ進む。
【0051】
第1ループ処理において、送信スイッチ108が押されてステップS13の判定結果が「YES」となると、処理は第1ループ処理を抜けて進む。つまり、マイコン110は、測定結果毎に第1差分を算出する(S14)。具体的には、付与計時部に示されている時刻を送信時刻とし、記憶されている測定結果の各々について、対応する測定時刻と送信時刻との差分を算出して第1差分とし、対応する測定時刻として対応する第1差分を採用する。より具体的には、記憶されている測定時刻を示すデータの各々を、対応する測定結果について算出された第1差分を示すように更新する。
【0052】
次にマイコン110は、電源投入時刻が記憶されているか否かを判定する(S15)。具体的には、電源投入時刻領域MA2を参照し、時刻を示すデータが保持されているか否かを判定する。ここでは、ステップS10で電源投入時刻がクリアされているから、ステップS15の判定結果は「NO」となる。したがって、マイコン110は、記憶されている測定履歴(測定結果および第1差分)と、ステップS14で定められた送信時刻とを、送信部105に一括して出力させる(S16)。また、ステップS16では、マイコン110は、未出力フラグFLをリセットする。以降、処理は、ステップS4に戻る。
【0053】
一方、図5および図6から明らかなように、ステップS4、S6、S8、S9およびS15のいずれの判定結果が「YES」となっても、その後の処理は、やがてステップS4に戻る。以上より明らかなように、マイコン110は、電池111からの給電が停止するまで、第1ループ処理を含む第2ループ処理を繰り返し行う。
【0054】
ここで、第2ループ処理が繰り返し行われている間に、図7に示すようにイベントが発生したものとする。すなわち、1回目の測定(S11)、2回目の測定(S11)、1回目の送信(S16)、3回目の測定(S11)および時刻記録(S7)が順に行われ、その直後に電池切れが起こったものとする。測定結果は、1回目の測定ではD1、2回目の測定ではD2、3回目の測定ではD3であり、mの値は、1回目の測定時にはm1、2回目の測定時にはm2、1回目の送信時にはmT1、3回目の測定時にはm3、時刻記録ではmB1である。
【0055】
上記の電池切れの際には、最終時刻領域MA3に、付与計時部の計時の停止直前に記憶された測定時刻以降の時刻であって、この停止の前に付与計時部が示した時刻を示すデータが保持されている。このデータは最終時刻データであり、このデータが示す時刻は最終時刻であり、具体的にはmB1である。また、上記の電池切れの際には、未送信の一つの測定履歴が記憶されており、未出力フラグFLがセットされている。この測定履歴は、測定結果としてD3を、測定時刻としてm3を含んでいる。
【0056】
次に、図7に示すように、使用者が、電池交換を行い、十分な残量の電池111を測定器10に装着したものとする。これにより、第2回の測定時刻付与処理が開始する。第2回の測定時刻付与処理では、最終時刻が記憶されているから、図5のステップS1の判定結果が「YES」となる。したがって、マイコン110は、この最終時刻をmに代入する(S17)。この代入により、付与計時部が示す時刻、すなわちmの値は、図7に示すように、mB1となる。したがって、続くステップS3では、mB1が電源投入時刻として記録される。つまり、マイコン110は、付与計時部が計時を再開すると、最終時刻が記憶されている場合に、最終時刻を開始時刻として付与記憶部に記録する開始時刻記録部として機能する。
【0057】
次にマイコン110は、初回の測定時刻付与処理と同様に、第1ループ処理(S4〜S13)を繰り返し行う。ここで、ステップS6の判定結果が「YES」となる前に、測定スイッチ107が押されたものとする。これにより、ステップS8の判定結果が「YES」となり、処理はステップS9へ進む。この時点では、未出力フラグFLがセットされているから、ステップS9の判定結果は「YES」となる。したがって、測定履歴および電源投入時刻がクリアされることなく、ステップS11およびS12の処理が順に行われる。この結果、4回目の測定が行われ、図7に示すように、測定結果としてD4が記録され、測定時刻(mの値)としてm4が記録される。
【0058】
そして、ステップS6の判定結果が「YES」となる前に、送信スイッチ108が押されたものとする。これにより、ステップS13の判定結果が「YES」となり、処理は第1ループ処理を抜けて進む。つまり、ステップS14およびS15の処理が順に行われる。この時点では、電源投入時刻が記憶されているから、ステップS15の判定結果は「YES」となる。したがって、マイコン110は、第2差分を算出する(S18)。具体的には、ステップS14で定めた送信時刻と電源投入時刻との差分を算出して第2差分とし、電源投入時刻領域MA2内のデータを、第2差分を示すように更新する。
【0059】
次にマイコン110は、記憶されている測定履歴(測定結果および第1差分)と、ステップS18で算出した第2差分と、ステップS14で定められた送信時刻とを、送信部105に一括して出力させる(S19)。つまり、マイコン110は、発生履歴が記憶されているときに操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている発生履歴を片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、開始時刻が記憶されているときに操作部から所定の信号が出力されると、開始時刻を片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、付与計時部が示している送信時刻を片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部として機能する。
【0060】
また、ステップS19では、マイコン110は、未出力フラグFLをリセットする。以降、処理はステップS4に戻り、第1ループ処理が繰り返し行われる。以上の説明より明らかなように、マイコン110は、付与計時部が計時を再開すると、記憶されている最終時刻を開始時刻として付与記憶部に記録し、その後、記憶されている発生履歴と開始時刻とを片方向送信部に一括して出力させている。
【0061】
次に測定スイッチ107が押された場合、未出力フラグFLはリセットされているから、ステップS9の判定結果が「NO」となり、測定履歴および電源投入時刻がクリアされる(S10)。したがって、その後に、送信スイッチ108が押された場合には、ステップS15の判定結果が「NO」となり、ステップS16の処理が行われる。つまり、初回の測定時刻付与処理と同様の流れとなる。
【0062】
<1−6.測定時刻訂正処理>
図8は、受信記憶装置20のマイコン206が行う測定時刻訂正処理の流れを示すフローチャートである。測定時刻訂正処理では、マイコン110は、まず、一括受信処理を試行する(S21)。ここでいう一括受信処理とは、測定器10から出力された情報を受信部201に一括して入力させる処理であり、入力された情報はマイコン110内のRAMに一時的に記憶される。一括受信処理が正常終了した場合、または入力すべき情報が測定器10から出力されずに一括受信処理が異常終了した場合には、処理はステップS22へ進む。
【0063】
ステップS22では、マイコン206は、測定器10から情報を入力したか否か、すなわち一括受信処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS21に戻る。つまり、マイコン206は、一括受信処理が正常終了するまで、一括受信処理を試行する。一方、ステップS22の判定結果が「YES」となると、マイコン206は、ステップS21で入力した情報(以降、「第1入力情報」という)に第2差分が含まれているか否を判定する(S23)。
【0064】
例えば、正常終了した一括受信処理が、図7の1回目の送信に対応するものの場合、ステップS23の判定結果は「NO」となる。この場合、マイコン206は、第1入力情報に含まれている測定結果(D1,D2)とその測定時刻(m1,m2)とを一対一で対応付けて記憶部202に記録する(S29)。具体的には、第1入力情報に含まれている測定結果(D1,D2)毎に、対応する第1差分(mT1−m1,mT1−m2)と受信時刻(R1)とに基づいて測定時刻(R1−(mT1−m1),R1−(mT1−m2))を算出し、互いに対応する測定結果(D1,D2)および測定時刻(R1−(mT1−m1),R1−(mT1−m2))を示すデータを記憶部202に書き込む。次にマイコン206は、送信時刻(mT1)および受信時刻(R1)を記録する(S30)。以降、処理はステップS21に戻る。
【0065】
また例えば、正常終了した一括受信処理が、図7の2回目の送信に対応するものの場合、ステップS23の判定結果は「YES」となる。この場合、マイコン206は、第1入力情報に第2差分よりも大きい第1差分が含まれているか否かを判定する(S24)。この例では、第2差分がmT2−mB1となり、第1差分がmT2−m3およびmT2−m4となる。mT2−m3≧mT2−mB1であるから、ステップS24の判定結果は「YES」となる。したがって、マイコン206は、ステップS25〜S30の処理を順に行う。なお、ステップS24の判定結果が「NO」の場合、マイコン206は、ステップS29およびS30の処理を順に行う。
【0066】
ステップS25では、マイコン206は、受取計時部の計時に基づいた時間である受信側経過時間を算出する。具体的には、受取計時部が示している時刻(R2)を今回受信時刻とし、前回の一括受信処理で入力されて記録された受信時刻(R1)を前回受信時刻とし、両時刻の差分を求めて受信側経過時間(ΔR=R2−R1)とする。
【0067】
ステップS26では、マイコン206は、付与計時部の計時に基づいた時間である送信側経過時間を算出する。具体的には、第1入力情報に含まれている送信時刻(mT2)を今回送信時刻とし、前回の一括受信処理で入力されて記録された送信時刻(mT1)を前回受信時刻とし、両時刻の差分を求めて送信側経過時間(Δm=mT2−mT1)とする。
【0068】
ステップS27では、マイコン206は、付与計時部の計時が停止していた時間、すなわち停止時間を算出する。具体的には、送信側経過時間と受信側経過時間との差分を求めて停止時間(x=ΔR−Δm)とする。ステップS28では、マイコン206は、第2差分よりも大きい第1差分に停止時間を加算して当該第1差分を訂正する。この例では、3回目の測定に対応する第1差分(mT2−m3)に停止時間(x)が加算され、この第1差分がmT2−m3+xに訂正される。
【0069】
以降、ステップS29およびS30の処理が順に行われる。この例では、第1入力情報に含まれている測定結果(D3,D4)毎に、対応する第1差分(mT2−m3+x,mT2−m4)と受信時刻(R2)とに基づいて測定時刻(R2−(mT2−m3+x),R2−(mT2−m4))が算出され、測定結果(D3,D4)と測定時刻(R2−(mT2−m3+x),R2−(mT2−m4))とが一対一で対応付けられて記憶部202に記録され、今回の送信時刻(mT2)が送信時刻として、今回の受信時刻(R2)が受信時刻として記憶部202に記録される(S30)。以降、処理はステップS21に戻る。
【0070】
つまり、ステップS24〜S29では、マイコン206は、一括受信処理で開始時刻とともに入力された発生時刻のうち当該開始時刻よりも前のものを特定し、特定した発生時刻が入力された一括受信処理が行われる前に入力された送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の一括受信処理で入力された送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに受取計時部が示していた受信時刻とに基づいて、付与計時部が停止していた時間を特定し、特定した発生時刻を、特定した時間だけ前の時刻に変更している。
【0071】
ここで、より具体的な例に基づいて、一つの測定時刻の訂正に着目し、ステップS25〜S29の処理について検証する。具体的には、図7の3回目の測定の測定時刻の訂正に着目する。前提として、図7において、1回目の送信が2007年7月1日午後0時0分に行われ、そのときの測定器10内のmの値(mT1)が10000であったとする。そして、このときの受信記憶装置20内の受取計時部が示している受信時刻(R1)は2007年7月1日午後0時0分であったとする。
【0072】
そして、3回目の測定が2007年7月2日午後0時0分に行われ、そのときのmの値(m3)が11440(=10000+1(日)×24(時間)×60(分))であり、時刻記録が2007年7月3日午後0時0分に行われ、そのときのmの値(mB1)が12880(=10000+2(日)×24(時間)×60(分))であり、電池交換が2007年7月4日午後0時0分に行われたとする。このときのmの値は、1日前と同じ、mB1=12880となる。
【0073】
そして、4回目の測定が2007年7月5日午後0時0分に行われ、2回目の送信が2007年7月6日午後0時0分に行われたとする。このときのmの値(mT2)は、15760(=12880+2(日)×24(時間)×60(分))となる。受取計時部は、2007年7月1日午後0時0分以降、途切れることなく計時を続けているから、このときに受取計時部が示している送信時刻(R2)は、2007年7月6日午後0時0分となる。
【0074】
そして、ステップS25では、ΔR=R2−R1が求められる。R1は2007年7月1日午後0時0分であり、R2は2007年7月6日午後0時0分であるから、ΔRは5日となる。5日をmの単位系に合わせると、5×24(時間)×60(分)=7200である。次にステップS26では、Δm=mT2−mT1=15760−10000=5760が求められる。次にステップS27では、x=ΔR−Δm=7200−5760=1440が求められる。
【0075】
次にステップS28では、3回目の測定のときの正しい第1差分を求めるために、3回目の測定のときの第1差分(mT2−m3)にxを加算する。3回目の測定のときの第1差分(mT2−m3)は15760−11440=4320であるから、4320+1440=5760が、3回目の測定のときの正しい第1差分となる。次にステップS29では、現在の時刻、すなわち受取計時部が示している時刻(R2=2007年7月6日午後0時0分)から5760分だけ前の時刻、すなわち2007年7月2日午後0時0分が、3回目の測定のときの測定時刻として算出される。
【0076】
以上の説明から明らかなように、マイコン206が、一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、一括受信処理で入力された発生履歴を受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、開始時刻とともに入力された発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された一括受信処理が行われる前に入力された送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の一括受信処理で入力された送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに受取計時部が示していた受信時刻とを、受取記憶部に記録する受取記録部として機能する。
【0077】
<1−7.第1同期処理および第2同期処理>
図9は、受信記憶装置20のマイコン206が行う第1同期処理の流れを示すフローチャートであり、図10は、PC30のCPU306が行う第2同期処理の流れを示すフローチャートである。第1同期処理および第2同期処理は、いずれも、受信記憶装置20の通信インターフェイス203とPC30の通信インターフェイス301との接続を契機に開始する。これらの処理により、受信記憶装置20に記憶されている測定履歴がPC30に蓄積され、受信記憶装置20の受取計時部が正しい時刻を示すように設定される。以下、詳細に説明する。
【0078】
第2同期処理では、CPU306は、まず、測定履歴の入力処理を試行する(S41)。測定履歴の入力処理は、受信記憶装置20の通信インターフェイス203から出力された全ての測定履歴を通信インターフェイス301に入力させる処理である。この処理は、通信インターフェイス301が、通信インターフェイス203から出力された全ての測定履歴を入力した場合や、測定履歴を記憶していない旨の空通知を入力した場合に正常終了し、その他の場合に異常終了する。正常終了であっても異常終了であっても、処理はステップS42へ進む。
【0079】
ステップS42では、CPU306は、空通知を入力したか否かを判定する(S42)。この判定結果が「NO」の場合、CPU306は、測定履歴を入力したか否かを判定する(S43)。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS41に戻る。つまり、CPU306は、測定履歴の入力処理が正常終了するまで、または空通知が入力されるまで、測定履歴の入力処理の試行を繰り返し行う。
【0080】
一方、第1同期処理では、マイコン206は、測定履歴が記憶されているか否かを判定する(S51)。この判定結果が「NO」の場合、マイコン206は、通信インターフェイス203に空通知を出力させる(S57)。ステップS51の判定結果が「YES」の場合、マイコン206は、測定履歴を出力する(S52)。具体的には、記憶部202に記憶されている全ての測定履歴を通信インターフェイス203に出力させる。
【0081】
このようにして受信記憶装置20から測定履歴が出力されると、第2同期処理において、ステップS41の処理が正常終了する。そして、ステップS43の判定結果が「YES」となる。したがって、CPU306は、測定履歴を蓄積する(S44)。具体的には、ステップS41で入力した全ての測定履歴を記憶部302に記憶させる。より具体的には、これらの測定履歴を示すデータを、記憶部302のハードディスクに、追記方式で書き込む。
【0082】
一方、第1同期処理では、マイコン206は、測定履歴を出力した後、測定履歴をクリアする(S53)。具体的には、記憶部202から測定履歴を示すデータを削除する。ステップS53またはS57の処理が終了すると、マイコン206は、時刻の入力処理を試行する(S54)。時刻の入力処理は、PC30の通信インターフェイス301から出力された時刻を通信インターフェイス203に入力させる処理である。この処理は、通信インターフェイス203が通信インターフェイス301から出力された時刻を入力した場合に正常終了し、その他の場合に異常終了する。時刻の入力処理が正常終了または異常終了すると、マイコン206は、時刻を入力したか否かを判定する(S55)。つまり、ステップS54の時刻の入力処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS54に戻る。つまり、マイコン206は、時刻の入力処理が正常終了するまで、その試行を繰り返す。
【0083】
第2同期処理では、ステップS44の処理が終了すると、またはステップS42の判定結果が「YES」となると、CPU306は、時刻を出力する(S45)。具体的には、RTC305が示す時刻を通信インターフェイス301に出力させる。つまり、CPU306は、基準計時部が示す時刻を基準出力部に出力させる出力制御部として機能する。
【0084】
このようにしてPC30から時刻が出力されると、第1同期処理において、ステップS54の処理が正常終了する。つまり、マイコン206は、基準出力部から出力された時刻を受取入力部に入力させる入力制御部として機能する。そして、ステップS55の判定結果が「YES」となる。したがって、マイコン206は、入力された時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、受取計時部を設定する(S56)。つまり、マイコン206は、受取入力部が入力した時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、受取計時部を設定する受取設定部として機能する。なお、受取計時部の設定では、入力された時刻を受取計時部が示すようにしてもよいし、通信遅延を考慮して、入力された時刻よりも後の時刻を受取計時部が示すようにしてもよい。
【0085】
<1−8.まとめ>
以上、説明したように、測定器10は、測定が行われると、その測定結果と測定器10内の付与計時部が示している測定時刻とを含む測定履歴を記録し、所定の操作が行われると、記憶している測定履歴と付与計時部が示している送信時刻とを一括出力する。一方、受信記憶装置20は、測定器10からの情報を一括入力し、入力した情報と受信記憶装置20内の受取計時部が示している受信時刻とを記録する。また、測定が行われ、付与計時部の計時が停止して再開し、その後に所定の操作が行われて、測定器10が、停止直前に記録された測定時刻以降の時刻であって停止の前に付与計時部が示した電源投入時刻を含めた一括出力を行うと、受信記憶装置20では、この時刻と前回および今回の送信時刻および受信時刻とに基づいて、測定時刻の訂正が行われる。よって、通信システム1によれば、測定器10によって、付与計時部の計時の停止に起因して不正な測定時刻が付与された場合にも、これを訂正することができる。
【0086】
また、通信システム1では、受信記憶装置20が、測定器10の送信部105が準拠している第1通信方式に準拠した受信部201を備えているから、測定器10と受信記憶装置20との間に、通信方式を変換する中継装置を設ける必要がない。なお、通信システム1を変形し、測定器と受信記憶装置とが上記の中継装置を介して通信する形態としてもよい。
【0087】
また、通信システム1では、測定履歴がPC30に蓄積されるから、受信記憶装置20に要求される記憶容量は少なくなっている。なお、通信システム1を変形し、測定履歴を受信記憶装置に蓄積する形態としてもよいし、測定器10とPCとで通信システムを構成する形態としてもよい。後者の場合、PCに、第1通信方式に準拠した受信部が必要となる。
【0088】
また、通信システム1では、PC30が受信記憶装置20内の受取計時部の時刻合わせを行うから、受信記憶装置20の構成の簡素化および小型化や、使用者にかかる負担の軽減が達成されている。また、通信システム1では、PC30内の基準計時部の時刻合わせがNTPを用いて自動的に行われるから、使用者にかかる負担がより一層、軽減されている。なお、通信システム1を変形し、使用者が操作部304を操作して基準計時部の時刻合わせを行う形態としてもよい。この形態であっても、操作部304はキーボードおよびポインティングデバイスを備えており、表示部303は表示部106に比較して十分に大きいから、使用者にかかる負担は十分に軽減される。
【0089】
また、通信システム1では、最終時刻の候補の記録が、基本的には、10分間隔で周期的に行われるから、消費電流が十分に低減されている。また、通信システム1では、測定履歴とともに最終時刻の候補が記録されるから、受信記憶装置20において正しい発生時刻が正しくない発生時刻とみなされてしまう事態を確実に回避することができる。なお、通信システム1を変形し、最終時刻の候補の記録について、周期的な記録のみを行う形態としてもよい。この場合、上記の事態を確実に回避するには、周期を、mの単位時間(1分)以下とする必要がある。また、通信システム1を変形し、最終時刻の候補の記録について、測定履歴とともに行われる記録のみを行う形態としてもよい。もちろん、通信システム1を変形し、これらの形態とは異なる契機に最終時刻の候補を記録する形態としてもよい。
【0090】
また、通信システム1では、測定器10の電源は電池111のみである。したがって、測定器10は、十分に小型で携帯性に優れたものとなっている。また、通信システム1では、生体情報の測定が対象とされているから、測定結果に基づく各種の分析において、その測定時刻が訂正されることが極めて重要な意味を持つことになる。なお、上述した実施の形態では、使用者を被験者としたが、使用者以外の人を被験者としてもよいし、人間以外の生体(例えば犬や猫などの動物)を被験者としてもよい。
【0091】
また、通信システム1では、測定器10において、測定履歴が、その出力ではなく、その出力後の測定スイッチ107の押下をトリガとしてクリアされる。したがって、測定器10の使用者は、出力済みの測定履歴を、次の測定を行う前に限り、何回でも出力させることができる。これは、測定器10のような確認応答の受信が不可能な装置において特に有利な特徴である。
【0092】
また、通信システム1を変形し、生体情報以外の情報を測定する形態としてもよいし、測定以外のイベントを対象としてもよいし、イベントの結果に代えてイベントの内容を蓄積するようにしてもよい。例えば、自動販売機における特定の販売動作の実行をイベントの発生とし、発生したイベントの内容に発生時刻を付与して蓄積するようにしてもよい。
【0093】
また、通信システム1では、測定器10における時刻の記録では、単位が分の時刻を使用しているが、他の単位の時刻を使用するようにしてもよい。また、通信システム1では、測定器10から第1差分および第2差分が出力されるが、これを変形し、測定時刻および電源投入時刻が出力されるようにしてもよい。この場合でも、測定時刻の訂正に必要な情報は受信記憶装置20に入力されるから、支障はない。
【0094】
また、通信システム1を変形し、測定器と受信記憶装置との間の通信方式を、有線の通信方式としてもよいし、電波を用いた通信方式としてもよい。また、通信システム1では、受信記憶装置20における測定時刻の訂正を、測定器10から情報が渡されたときに行うようにしたが、これを変形し、全ての送信時刻および受信時刻を記憶しておき、PC30へ情報を渡すときに、これらに基づいて、受信記憶装置20において、測定時刻の訂正を行うようにしてもよい。
【0095】
また、通信システム1では、測定器10から受信記憶装置20へ測定履歴が渡される度に送信時刻も渡されるが、これを変形し、所定の条件が充たされた場合にのみ送信時刻が渡される形態としてもよい。この形態であっても、付与計時部が示す時刻(mの値)は、その計時が停止されない限り、実際の時の経過に沿って変化するから、受信記憶装置において、一度でも送信時刻が渡されていれば、毎回渡されなくとも、付与計時部が示す時刻(mの値)を推定可能である。問題となるのは、送信時刻が渡されてから付与計時部の計時が停止して再開し、その後に測定時刻が渡された場合の当該測定時刻の訂正であるが、この場合であっても、受信記憶装置において、当該測定時刻が渡された後に送信時刻が渡されれば、遡って当該測定時刻を訂正することが可能である。なお、この形態には、通信システム1の形態の他に、測定履歴が渡される回数よりも少ない回数だけ渡される形態や、電源投入直後に一回だけ渡される形態が含まれる。各形態には、測定履歴とともに渡される形態の他に、測定履歴とは別に渡される形態も含まれる。
【0096】
<2.第2の実施の形態>
<2−1.通信システム2>
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る通信システム2の構成を示すブロック図である。通信システム2は、測定器10と、測定器10から生体情報を受け取って一時的に記憶する受信記憶装置40と、生体情報を受け取って蓄積するサーバ装置60と、受信記憶装置40とサーバ装置60との間で情報を転送するPC50とを有する。
【0097】
<2−2.受信記憶装置40>
図12は、受信記憶装置40の構成を示すブロック図である。受信記憶装置40が図3の受信記憶装置20と異なる点は、マイコン206に代えてマイコン406を備える点のみである。マイコン406がマイコン206と異なる点は、そのROMが、プログラム20Pに代えてプログラム40Pを記憶している点のみである。プログラム40Pは、受信記憶装置40を時刻受取装置として機能させるためのプログラムである。マイコン406は、プログラム40Pを用いて、受取計時部として機能するとともに、後述の受信記録処理および後述の第1転送処理を行う。
【0098】
<2−3.PC50>
図13は、PC50の構成を示すブロック図である。PC50が図4のPC30と異なる点は、記憶部302に代えて記憶部502を備える点のみである。記憶部502が記憶部302と異なる点は、プログラム30Pに代えてプログラム50Pを記憶している点のみである。プログラム50Pは、PC50を、受信記憶装置40とサーバ装置60との間で情報を転送する転送装置として機能させるためのプログラムである。CPU306は、プログラム50Pを用いて後述の第2転送処理を行う。
【0099】
<2−4.サーバ装置60>
図14は、サーバ装置60の構成を示すブロック図である。サーバ装置60は、連続稼動を前提としたコンピュータであり、通信インターフェイス601、記憶部602、RTC603、CPU604および主電源(図示略)を有する。通信インターフェイス601およびRTC603は、図4の通信インターフェイス307およびRTC305と同様であり、通信インターフェイス601は、データを受信して当該データが示す情報を入力する訂正受信部およびデータを送出して当該データが示す情報を出力する基準出力部として機能し、RTC603は、計時を行って時刻を示す基準計時部として機能する。
【0100】
記憶部602のハードウェア構成は、図4の記憶部302と同様である。記憶部602のROMにはIPLが記憶されており、記憶部602のハードディスクには、オペレーティングシステムを実現するためのプログラムと、サーバ装置60を、測定時刻を訂正する時刻訂正装置、測定履歴を蓄積する蓄積装置および受取計時部の時刻合わせを行う時刻合わせ装置として機能させるためのプログラム60Pが記憶される。また、記憶部602のハードディスクは、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する訂正記憶部として機能し、その記憶領域には、測定履歴を蓄積するための記憶領域が含まれている。
【0101】
CPU604は、主電源が投入されると、IPLを実行し、これによってオペレーティングシステムを実現するためのプログラムを実行する。このオペレーティングシステムでは、CPU604は、通信インターフェイス601を用いて、NTPに準拠した通信を行い、正しい時刻を示すようにRTC603を自動的に設定することができる。つまり、CPU604は、正しい時刻を示すように基準計時部を設定する基準設定部として機能する。また、オペレーティングシステムを実現したCPU604は、プログラム60Pを実行する。プログラム60Pを実行中のサーバ装置60は、PC50からの要求を契機として、後述の第3転送処理を行う。
【0102】
<2−5.受信記録処理>
図15は、受信記憶装置40のマイコン406が行う受信記録処理の流れを示すフローチャートである。受信記録処理では、マイコン110は、まず、一括受信処理を試行する(S61)。一括受信処理が正常終了した場合、または入力すべき情報が測定器10から出力されずに一括受信処理が異常終了した場合には、処理はステップS62へ進む。ステップS62では、マイコン406は、測定器10から情報を入力したか否か、すなわち一括受信処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS61に戻る。つまり、マイコン406は、一括受信処理が正常終了するまで、一括受信処理を試行する。
【0103】
一方、ステップS62の判定結果が「YES」となると、マイコン406は、入力した情報と、受取計時部が示している受信時刻(例えばR1)とを含む情報(以降、「ブロック情報」という)を記憶部202に記録する(S63)。つまり、マイコン406は、一括受信制御部、発生履歴記録部および受取記録部として機能する。以降、処理はステップS61に戻る。
【0104】
<2−6.第1転送処理、第2転送処理および第3転送処理>
図16は、受信記憶装置40のマイコン406が行う第1転送処理の流れを示すフローチャートであり、図17は、PC50のCPU306が行う第2転送処理の流れを示すフローチャートであり、図18は、サーバ装置60のCPU604が行う第3転送処理の流れを示すフローチャートである。第1転送処理および第2転送処理は、受信記憶装置40の通信インターフェイス203とPC50の通信インターフェイス301との接続を契機に開始する。
【0105】
第2転送処理では、CPU306は、通信コネクションの確立処理を行う(S81)。これに呼応して、CPU604が、第3転送処理を開始し、上記の通信コネクションの確立処理を行う(S91)。これらの処理により、PC50とサーバ装置60との間に上記の通信コネクションが確立される。以降、第2転送処理では、CPU306は、上記の通信コネクションが切断されるまで、上記の通信コネクションを用いて、受信記憶装置40とサーバ装置60との間でデータを転送する転送処理を行う(S82)。この転送処理では、通信インターフェイス301および307が用いられる。
【0106】
第3転送処理では、CPU604は、ステップS91の処理を終えると、情報の入力処理が正常終了するまで、または空通知が入力されるまで、ブロック情報の入力処理の試行を繰り返し行う(S92、S93「NO」、S94「NO」)。つまり、CPU604は、時刻付与装置から出力された情報を訂正受信部に入力させる訂正受信制御部として機能する。
【0107】
これに対して、第1転送処理では、マイコン406は、ブロック情報が記憶部202に記憶されているか否かを判定する(S71)。この判定結果が「YES」の場合、マイコン406は、記憶部202に記憶されている一つのブロック情報を通信インターフェイス203に出力させ(S72)、当該ブロック情報をクリアする(S73)。以降、処理はステップS71に戻る。つまり、マイコン406は、記憶部202に記憶されているブロック情報を一つずつ記録順に送信するものであり、受取記憶部に記憶されている発生履歴、送信時刻および受信時刻を受取出力部に出力させる受取送信制御部として機能する。そして、ステップS71の判定結果が「NO」となると、マイコン406は、通信インターフェイス203に空通知を出力させる(S77)。
【0108】
受信記憶装置40から出力されたブロック情報は、PC50を介して、サーバ装置60へ転送される。したがって、サーバ装置60では、第3転送処理において、ブロック情報の入力処理が正常終了し、ステップS94の判定結果が「YES」となる。よって、CPU604は、図8のステップS23〜S30と同様のステップS95〜S102の処理を行う。ステップS102の処理が終了すると、処理は、ステップS92に戻る。つまり、CPU604は、空通知を受信するまで、ステップS92、S93「NO」およびS94〜S102の処理を繰り返し行う。
【0109】
ステップS95では、CPU604は、入力したブロック情報(以降、「第2入力情報」という)に第2差分が含まれているか否を判定する。この判定結果が「NO」の場合、CPU604は、第2入力情報に含まれている測定結果とその測定時刻とを一対一で対応付けて記憶部602に記録し(S101)、第2入力情報に含まれている送信時刻および受信時刻を記憶部602に記録する(S102)。つまり、CPU604は、訂正受信部に入力された発生履歴、送信時刻および受信時刻を訂正記憶部に記録する訂正記録部として機能する。なお、測定時刻は、第2入力情報に含まれている第1差分および送信時刻に基づいて算出される。また、記憶部602への情報の記録は、具体的には、当該情報を示すデータを、記憶部602のハードディスクに追記方式で書き込むことにより実現される。
【0110】
一方、ステップS95の判定結果が「YES」の場合、CPU604は、第2入力情報に第2差分よりも大きい第1差分が含まれているか否かを判定し(S96)、この判定結果が「NO」の場合、ステップS101およびS102の処理を順に行う。一方、ステップS96の判定結果が「YES」の場合、CPU604は、ステップS97〜S102の処理を順に行う。
【0111】
ステップS97では、CPU604は、受取計時部の計時に基づいた時間である受信側経過時間を算出する。具体的には、第2入力情報に含まれている受信時刻を今回受信時刻とし、前回正常終了した入力処理で入力されたブロック情報に含まれている受信時刻を前回受信時刻とし、両時刻の差分を求めて受信側経過時間とする。
【0112】
ステップS98では、CPU604は、付与計時部の計時に基づいた時間である送信側経過時間を算出する。具体的には、第2入力情報に含まれている送信時刻を今回送信時刻とし、前回正常終了した入力処理で入力されたブロック情報に含まれている送信時刻を前回受信時刻とし、両時刻の差分を求めて送信側経過時間とする。
【0113】
ステップS99では、CPU604は、付与計時部の計時が停止していた時間、すなわち停止時間を算出する。ステップS100では、CPU604は、第2入力情報に含まれている第1差分のうち、第2入力情報に含まれている第2差分よりも大きいものに、停止時間を加算して、当該第1差分を訂正する。つまり、CPU604は、訂正記憶部に記憶されている発生履歴に含まれている発生時刻を、訂正記憶部に記憶されている送信時刻および受信時刻に基づいて訂正する訂正部として機能する。以降、ステップS101およびS102の処理が順に行われる。
【0114】
第1転送処理では、ステップS77の処理が終了すると、マイコン406は、時刻の入力処理を試行する(S74)。時刻の入力処理が正常終了または異常終了すると、マイコン406は、時刻を入力したか否かを判定する(S75)。つまり、ステップS74の時刻の入力処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS74に戻る。つまり、マイコン406は、時刻の入力処理が正常終了するまで、その試行を繰り返す。
【0115】
一方、第3転送処理では、ステップS93の判定結果が「YES」となると、CPU604は、時刻を出力する(S103)。具体的には、RTC603が示す時刻を通信インターフェイス601に出力させる。つまり、CPU604は、基準計時部が示す時刻を基準出力部に出力させる出力制御部として機能する。サーバ装置60から出力された時刻は、PC50を介して、受信記憶装置40へ転送される。したがって、受信記憶装置40では、第1転送処理において、ステップS75の処理が正常終了する。よって、マイコン406は、入力された時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、受取計時部を設定する(S76)。
【0116】
つまり、マイコン406は、基準出力部から出力された時刻を受取入力部に入力させる入力制御部、および、受取入力部が入力した時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、受取計時部を設定する受取設定部として機能する。もちろん、受取計時部の設定では、通信遅延を考慮してもよいし、考慮しなくてもよい。そして、第3転送処理では、CPU604は、通信コネクションの切断処理を行う(S104)。これに呼応して、第2転送処理では、CPU604は、通信コネクションの切断処理を行う(S83)。これらの切断処理により、ステップS81およびS91の処理によって確立された通信コネクションが切断される。
【0117】
<2−7.まとめ>
以上、説明したように、受信記憶装置40は、測定器10からの情報を一括入力し、入力した情報と受信記憶装置40内の受取計時部が示している受信時刻とを記録する。また、測定が行われ、付与計時部の計時が停止して再開し、その後に所定の操作が行われて、測定器10が、停止直前に記録された測定時刻以降の時刻であって停止の前に付与計時部が示した電源投入時刻を含めた一括出力を行った場合、サーバ装置60では、この時刻と前回の一括出力に係るブロック情報および今回の一括出力に係るブロック情報とに基づいて、測定時刻の訂正が行われる。よって、通信システム2には、通信システム1と同様の利点がある。なお、通信システム1に対する各種の変形と同様の変形を通信システム2に施してもよい。
【0118】
また、通信システム2では、サーバ装置60が時刻訂正装置として機能するから、受信記憶装置40に要求される演算能力を低く抑えることができる。また、通信システム2を変形し、PC50が時刻訂正装置、蓄積装置および時刻合わせ装置の少なくとも一つとして機能する形態としてもよい。これらの形態のいずれであっても、受信記憶装置40に要求される演算能力を低く抑えることができる。これらの形態のうち、PC50が時刻訂正装置、蓄積装置および時刻合わせ装置として機能する形態では、サーバ装置60が不要となる。また、通信システム2を変形し、サーバ装置60が備える機能を複数のサーバ装置に持たせ、これら複数のサーバ装置をサーバ装置60に代えて用いるようにしてもよい。
【0119】
<3.第3の実施の形態>
<3−1.通信システム3>
図19は、本発明の第3の実施の形態に係る通信システム3の構成を示すブロック図である。通信システム3は、測定器10と、サーバ装置60と、測定器10から生体情報を受け取ってサーバ装置60へ転送する受信転送装置100とを有する。通信システム3の構成は、通信システム2において受信記憶装置40およびPC50に代えて受信転送装置100を採用することで得られる。
【0120】
<3−2.受信転送装置100>
図20は、受信転送装置100の構成を示すブロック図である。受信転送装置100が図12の受信記憶装置40と異なる点は、マイコン406に代えてマイコン1006を備える点と、通信インターフェイス203に代えて通信インターフェイス1003を有する点と、記憶部202を備えない点と、電池207を備えずに図示しない電源を備える点のみである。
【0121】
通信インターフェイス1003は、インターネット経由でデータを送受信可能なものであり、受取出力部および受取入力部として機能する。マイコン1006がマイコン406と異なる点は、そのROMが、プログラム40Pに代えてプログラム100Pを記憶している点のみである。プログラム100Pは、受信転送装置100を時刻受取装置として機能させるためのプログラムである。マイコン1006は、プログラム100Pを用いて、受取計時部として機能するとともに、後述の受信転送処理を行う。
【0122】
<3−3.受信転送処理>
図21は、受信転送装置100のマイコン1006が行う受信記録処理の流れを示すフローチャートである。受信転送処理では、マイコン1006は、まず、一括受信処理を試行する(S111)。一括受信処理が正常終了した場合、または入力すべき情報が測定器10から出力されずに一括受信処理が異常終了した場合には、処理はステップS112へ進む。ステップS112では、マイコン1006は、測定器10から情報を入力したか否か、すなわち一括受信処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS111に戻る。つまり、マイコン1006は、一括受信処理が正常終了するまで、一括受信処理を試行する。
【0123】
一方、ステップS112の判定結果が「YES」となると、マイコン1006は、通信コネクションの確立処理を行う(S113)。これに呼応して、CPU604が、第3転送処理を開始し、上記の通信コネクションの確立処理を行う(図8のS91)。これらの処理により、受信転送装置100とサーバ装置60との間に上記の通信コネクションが確立される。以降、受信転送装置100とサーバ装置60との間の通信は、この通信コネクションを用いて行われる。
【0124】
次にマイコン1006は、入力した情報と、受取計時部が示している受信時刻(例えばR1)とを含むブロック情報を通信インターフェイス1003に出力させ(S114)、当該ブロック情報をクリアし(S115)、空通知を通信インターフェイス1003に出力させる(S116)。なお、入力した情報および受取計時部が示している受信時刻は、通信インターフェイス1003に出力されるまで、マイコン1006のRAMに一時的に記憶される。したがって、マイコン1006は、一括受信制御部、発生履歴記録部および受取記録部として機能する。
【0125】
一方、サーバ装置60では、図18の第3転送処理において、ステップS94の判定結果が一度だけ「YES」となった後にステップS93の判定結果が「YES」となる。ステップS94の判定結果が「YES」となった場合の処理、およびステップS93の判定結果が「YES」となった場合の処理については、通信システム2について前述した通りである。
【0126】
受信転送処理では、ステップS116の処理が終了すると、マイコン1006は、時刻の入力処理を試行する(S117)。時刻の入力処理が正常終了または異常終了すると、マイコン1006は、時刻を入力したか否かを判定する(S118)。つまり、ステップS117の時刻の入力処理が正常終了したか否かを判定する。この判定結果が「NO」の場合、処理はステップS117に戻る。つまり、マイコン1006は、時刻の入力処理が正常終了するまで、その試行を繰り返す。
【0127】
ステップS118の判定結果が「YES」の場合、マイコン1006は、入力された時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、受取計時部を設定する(S119)。つまり、マイコン1006は、入力制御部および受取設定部として機能する。もちろん、受取計時部の設定では、通信遅延を考慮してもよいし、考慮しなくてもよい。そして、マイコン1006は、図8のステップS104の処理に呼応して、通信コネクションの切断処理を行う(S120)。これにより、ステップS113およびS91の処理によって確立された通信コネクションが切断される。以降、処理はステップS111に戻る。
【0128】
<3−4.まとめ>
以上、説明したように、受信転送装置100は、測定器10からの情報を一括入力し、入力した情報と受信転送装置100内の受取計時部が示している受信時刻とをサーバ装置60へ転送する。また、測定が行われ、付与計時部の計時が停止して再開し、その後に所定の操作が行われて、測定器10が、停止直前に記録された測定時刻以降の時刻であって停止の前に付与計時部が示した電源投入時刻を含めた一括出力を行った場合、サーバ装置60では、この時刻と前回の一括出力に係るブロック情報および今回の一括出力に係るブロック情報とに基づいて、測定時刻の訂正が行われる。よって、通信システム3には、通信システム2と同様の利点がある。なお、通信システム1に対する各種の変形と同様の変形を通信システム3に施してもよい。
【0129】
また、通信システム3では、PCが不要であるから、PCの操作が苦手な人や、PCを持っていない人であっても、手軽に使用することができる、という利点がある。なお、通信システム3を変形し、サーバ装置60が備える機能を複数のサーバ装置に持たせ、これら複数のサーバ装置をサーバ装置60に代えて用いるようにしてもよい。また、通信システム3を変形し、受信転送装置において、マイコンに代えてCPU、ROMおよびRAMを採用した形態としてもよい。また、通信システム3を変形し、図21においてステップS116を削除して処理がステップS115の次にステップS117へ進むようにする一方、図18においてステップS93を削除して処理がステップS92の次にステップS94へ進むようにするとともにステップS102の次にステップS103へ進むようにしてもよい。
【0130】
また、通信システム3を変形し、サーバ装置が付与計時部として機能する形態としてもよい。この形態において受信転送装置のマイコンが行う受信転送処理の流れを示すフローチャートの一部を図22に、この形態においてサーバ装置のCPUが行う第3転送処理の流れを示すフローチャートの一部を図23に示す。
【0131】
この形態では、図22に示すように、通信コネクションの確立処理を終えると、受信転送装置のマイコンは、一括入力した情報を転送情報として通信インターフェイス1003に出力させ(S121)、当該転送情報をクリアし(S122)、空通知を通信インターフェイス1003に出力させる(S116)。つまり、この形態では、受信転送装置は、受取計時部としても、受取記録部としても機能しない。
【0132】
この形態において、受取計時部および受取記録部として機能するのは、サーバ装置である。具体的には、図23に示すように、サーバ装置のCPUは、第3転送処理において、通信コネクションの確立処理を終えると、転送情報の入力処理の試行を行い(S123)、ステップS96の判定結果が「YES」となると、受取計時部が示している時刻を今回受信時刻とし、入力処理が前回正常終了したときに受取計時部が示していた時刻を前回受信時刻とし、両時刻の差分を求めて受信側経過時間とする(S124)。なお、この形態では、サーバ装置のCPUは、ステップS101の処理を終えると、今回の入力処理で入力した情報に含まれている送信時刻と、今回の入力処理が正常終了したときに受取計時部が示していた時刻とを記憶部602に記録する(S125)。
【0133】
<4.第4の実施の形態>
<4−1.通信システム4>
図24は、本発明の第4の実施の形態に係る通信システム4の構成を示すブロック図である。通信システム4は、図11の通信システム2を変形して得られるものであり、複数の測定器10と、複数の受信記憶装置20と、複数のPC500と、サーバ装置600とを有する。通信システム4は、複数の使用者に使用されるものであり、複数の使用者は、各々のユニットU1を使用して通信システム4を使用する。ユニットU1は、測定器10、受信記憶装置20およびPC500を一つずつ有する。
【0134】
<4−2.PC500>
図25は、PC500の構成を示すブロック図である。PC500が図13のPC50と異なる点は、記憶部502に代えて記憶部5002を有する点のみである。記憶部5002が記憶部502と異なる点は、プログラム50Pに代えてプログラム500Pおよび識別情報500Iを記憶している点のみである。識別情報500Iは、複数の使用者の各々を識別する情報(例えば、受信記憶装置40の製造番号)であり、対応する使用者が使用するユニットU1が有するPC500が備える記憶部5002に記憶されている。
【0135】
<4−3.サーバ装置600>
図26は、サーバ装置600の構成を示すブロック図である。サーバ装置600が図14のサーバ装置60と異なる点は、記憶部602に代えて記憶部6002を備える点のみである。記憶部6002が記憶部602と大きく異なる点は、プログラム60Pに代えてプログラム600Pを記憶している点のみである。プログラム600Pがプログラム60Pと異なる点は、サーバ装置600を蓄積装置、時刻訂正装置および時刻合わせ装置として機能させる処理を使用者毎に行う点である。なお、記憶部6002のハードディスクには、使用者毎に、測定履歴を蓄積するための記憶領域が確保される。
【0136】
サーバ装置600のCPU604は、ユニットU1毎に、ユニットU1からの要求(具体的には識別情報の入力)を契機として、第3転送処理を行う。
【0137】
<4−4.第2転送処理および第3転送処理>
図27は、PC500のCPU306が行う第2転送処理の流れを示すフローチャートである。この第2転送処理が図17の第2転送処理と異なる点は、ステップS131の通信コネクションの確立処理において、記憶部5002に記憶されている識別情報500Iが通信インターフェイス307から出力される点のみである。
【0138】
図28は、サーバ装置600のCPU604が行う第3転送処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。サーバ装置600のCPU604は、図27のステップS131の通信コネクションの確立処理に呼応して、図28の第3転送処理を開始し、一つの通信コネクションの確立処理を行う(S132)。これにより、PC500とサーバ装置600との間に、当該PC500の記憶部5002に記憶されている識別情報500Iに対応する通信コネクションが確立される。以降の第3転送処理では、図18のステップS92〜S104と同様の処理が行われるが、この処理では、上記識別情報500Iに対応する通信コネクションおよび記憶領域が使用される。
【0139】
<4−5.まとめ>
以上説明したことから明らかなように、通信システム4によれば、複数の使用者に対して、通信システム2と同様のサービスを提供することができる。また、複数の使用者の測定履歴がサーバ装置600に蓄積されるから、各種のサービスの提供が容易となる。提供可能なサービスとしては、例えば、使用者の測定履歴に基づいて当該使用者に医学的なアドバイスを与えるサービスや、複数の使用者の測定履歴を統計処理して特定の調査に役立つ指標を提供するサービスが挙げられる。
【0140】
なお、通信システム4に対して、通信システム1について述べた各種の変形を行ってもよい。また、通信システム4を変形し、測定器、受信記憶装置およびPCのうち少なくとも一つを複数の使用者が排他的に共用する共用形態としてもよい。共用形態には、複数の使用者が一つのPCを共用するPC共用形態(例えば図29)と、複数の使用者が一つの測定器を共用する測定器共用形態(例えば図30)と、複数の使用者が一つの受信記憶装置を共用する受信記憶装置共用形態(例えば図31)と、これらの組合せの形態(例えば図32)がある。
【0141】
図29の形態および図30の形態では、例えば、一つの受信記憶装置の通信インターフェイスとPCの通信インターフェイスとが接続されると、この受信記憶装置の識別情報(例えば製造番号)がPCへ送信される。したがって、PCでは、この識別情報を用いて、第2転送処理を行うことができる。よって、サーバ装置で行われる第3転送処理は、この識別情報に基づいた処理となる。
【0142】
図31の形態では、例えば、一つの測定器が、一括送信処理において、その識別情報をも送信し、受信記憶装置が、一括受信処理において、当該識別情報を含む情報を受信して記録し、第1転送処理において、これらの情報をPCへ送信する。よって、サーバ装置で行われる第3転送処理は、この識別情報に基づいた処理となる。
【0143】
図32の形態では、例えば、一つの測定器が、一括送信処理において、その識別情報をも送信し、受信記憶装置が、一括受信処理において、当該識別情報を含む情報を受信して記録し、第1転送処理において、これらの情報と、その識別情報(例えば識別情報)をPCへ送信する。したがって、PCでは、測定器の識別情報と受信記憶装置の識別情報との組を用いて、第2転送処理を行うことができる。よって、サーバ装置で行われる第3転送処理は、この識別情報に基づいた処理となる。なお、受信記憶装置において、測定器の識別情報に基づいた処理(例えば、不適切な測定器から入力した情報(例えば、図32内の一点鎖線)の破棄)を行うようにしてもよい。
【0144】
なお、通信システム1を変形し、複数の使用者に対して、通信システム1と同様のサービスを提供可能な形態としてもよい。このような形態としては、識別情報に基づいた処理を受信記憶装置が行う形態と、PCが行う形態と、サーバ装置が行う形態が挙げられる。さらに、これらの形態に、適宜、上記の共有形態に係る変形を行ってもよい。また、通信システム3を変形し、複数の使用者に対して、通信システム3と同様のサービスを提供可能な形態としてもよい。このような形態としては、識別情報に基づいた処理を受信転送装置が行う形態と、サーバ装置が行う形態が挙げられる。さらに、これらの形態に、適宜、上記の共有形態に係る変形を行ってもよい。
【0145】
以上、説明したように、本発明の実施の形態には様々な変形が可能である。もちろん、これらの変形に限らず、公知の技術を適用して任意に変形可能である。そのような変形の一例を、第5の実施の形態として説明する。
【0146】
<5.第5の実施の形態>
<5−1.通信システム5>
図33は、本発明の第5の実施の形態に係る通信システム5の構成を示すブロック図である。通信システム5は、複数の測定器10と、複数の移動通信端末70と、複数のPC80と、サーバ装置90とを有する。通信システム5は、複数の使用者に使用されるものであり、複数の使用者は、各々のユニットU2を使用して通信システム5を使用する。ユニットU2は、測定器10、移動通信端末70およびPC80を一つずつ有する。PC80は、一般的なパーソナルコンピュータであり、WWW(World Wide Web)クライアントとして機能する。
【0147】
<5−2.移動通信端末70>
図34は、移動通信端末70の構成を示すブロック図である。移動通信端末70は、移動体通信網を介してインターネットにアクセス可能、または移動体通信網を含むインターネットにアクセス可能な携帯電話機(コンピュータ)であり、受信部701、記憶部702、無線通信インターフェイス703、表示部704、操作部705、RTC706、CPU707、主電源(図示略)および通話のための各部(図示略)を有する。
【0148】
受信部701は、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部であり、具体的にはデータを第1通信方式で受信して当該データが示す情報を入力する片方向受信部であり、より具体的には赤外光を受ける赤外線受光部を備える。無線通信インターフェイス703は、データを双方向通信方式で送受信することによって情報を入出力する送受信部であり、受取入力部および受取出力部として機能し、具体的には、移動体通信網の基地局との間で信号を送受信する。
【0149】
表示部704は、CPU707から供給される画像データで示される画像を表示するものであり、具体的には液晶ディスプレイである。操作部705は、人に操作され、操作内容に応じた信号を出力するものであり、具体的には複数のキー(操作ボタン)を備える。RTC706は、計時を行って時刻を示す受取計時部として機能し、電池を内蔵している。つまり、RTC706は、主電源が投入されていなくとも、計時を継続することができる。
【0150】
記憶部702は、書き込まれたデータを保持することによって当該データが示す情報を記憶する受取記憶部であり、不揮発性メモリ(具体的にはROMおよびEEPROM)および揮発性メモリ(具体的にはRAM)を有する。ROMには、オペレーティングシステムを実現するためのプログラムが記憶されている。EEPROMには、移動通信端末70を時刻受取装置および時刻訂正装置として機能させるプログラム70Pが記憶される。ただし、ここでいう時刻受取装置は、測定器10から入力した測定履歴を蓄積することなく転送するものであり、測定履歴の一時的な記憶には、応答速度が高速なRAMが用いられる。
【0151】
CPU707は、主電源が投入されると、オペレーティングシステムを実現するためのプログラムを実行する。オペレーティングシステムを実現したCPU707は、操作部705から、プログラム70Pの実行を指示する信号が供給されると、プログラム70Pを実行する。これにより、CPU707は、まず、当該移動通信端末70が属するユニットU2の識別情報を無線通信インターフェイス703に出力させ、次に、後述の訂正転送処理を行う。
【0152】
<5−3.サーバ装置90>
図35は、サーバ装置90の構成を示すブロック図である。サーバ装置90が図14のサーバ装置60と異なる点は、記憶部602に代えて記憶部902を備える点のみである。記憶部902が記憶部602と異なる点は、プログラム60Pに代えてプログラム90Pを記憶している点のみである。プログラム90Pは、サーバ装置90を蓄積装置として機能させるプログラムであり、サーバ装置90を時刻訂正装置や時刻合わせ装置として機能させるものではない。サーバ装置90において、オペレーティングシステムを実現したCPU604は、プログラム90Pを用いて、使用者の測定履歴の閲覧を当該使用者のWWWクライアントに許可するWWWサーバとして機能する一方、ユニットU2毎に、ユニットU2からの要求(具体的には識別情報の入力)を契機として、後述の中継蓄積処理を行う。
【0153】
<5−4.訂正転送処理および中継蓄積処理>
移動通信端末70で行われる訂正転送処理が、受信記憶装置20で行われる測定時刻訂正処理(図8参照)と異なるのは、ステップS29の内容のみである。訂正転送処理では、CPU707は、入力情報に含まれている測定結果とその測定時刻とを一対一で対応付けて無線通信インターフェイス703に出力させる。具体的には、CPU707は、入力情報に含まれている測定結果毎に、対応する第1差分と送信時刻とに基づいて測定時刻を算出し、互いに対応する測定結果および測定時刻を示すデータを無線通信インターフェイス703に送信させる。つまり、測定履歴は、記憶部702のEEPROMに書き込まれずにサーバ装置90へ転送される。
【0154】
サーバ装置90で行われる中継蓄積処理では、サーバ装置90のCPU604は、移動通信端末70から出力された測定結果および測定時刻を通信インターフェイス601に入力させ、入力した測定結果および測定時刻を示すデータを、記憶部902の、当該移動通信端末70が属するユニットU2に対応する領域に追記方式で書き込む。なお、以上の説明から明らかなように、移動通信端末70は、測定器10とサーバ装置90との間で通信方式を変換する中継装置としても機能する。
【0155】
<5−5.まとめ>
以上説明したことから明らかなように、通信システム5によれば、複数の使用者に対して、通信システム3と同様のサービスを提供することができる。また、通信システム5では、使用者は、PC80をWWWクライアントとして用いて自身の測定履歴を閲覧することができる。なお、通信システム5を変形し、サーバ装置90に蓄積された測定履歴を被験者に通知する仕組みにWWW以外の公知の技術を用いる形態としてもよいし、移動通信端末70がWWWクライアントとして機能する形態としてもよい。後者の形態では、PC80が不要となる。なお、通信システム1〜4を変形し、使用者がPCや移動通信端末等の通信端末装置を用いて自身の測定履歴を閲覧することができる形態としてもよい。また、通信システム5では、複数の使用者の測定履歴がサーバ装置90に蓄積されるから、通信システム4と同様に、各種のサービスの提供が容易となる。
【0156】
なお、通信システム5では、測定時刻の訂正を中継装置(移動通信端末70)が行う構成としたが、これを変形し、サーバ装置90が行うようにしてもよい。この場合、中継装置は、受信転送装置として機能することになる。また、通信システム5を変形し、受取計時部の時刻合わせを、NTPを用いて自動的に行う形態としてもよい。なお、通信システム5に対して、通信システム1について述べた各種の変形を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】通信システム1を構成する測定器10の構成を示すブロック図である。
【図3】通信システム1を構成する受信記憶装置20の構成を示すブロック図である。
【図4】通信システム1を構成するPC30の構成を示すブロック図である。
【図5】測定器10のマイコン110が行う測定時刻付与処理の流れを示すフローチャートの前半を示す図である。
【図6】同測定時刻付与処理の流れを示すフローチャートの後半を示す図である。
【図7】測定器10および受信記憶装置20の動作例を示す図である。
【図8】受信記憶装置20のマイコン206が行う測定時刻訂正処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】マイコン206が行う第1同期処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】PC30のCPU306が行う第2同期処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る通信システム2の構成を示すブロック図である。
【図12】通信システム2を構成する受信記憶装置40の構成を示すブロック図である。
【図13】通信システム2を構成するPC50の構成を示すブロック図である。
【図14】通信システム2を構成するサーバ装置60の構成を示すブロック図である。
【図15】受信記憶装置40のマイコン406が行う受信記録処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】マイコン406が行う第1転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】PC50のCPU306が行う第2転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】サーバ装置60のCPU604が行う第3転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る通信システム3の構成を示すブロック図である。
【図20】通信システム3を構成する受信転送装置100の構成を示すブロック図である。
【図21】受信転送装置100のマイコン1006が行う受信記録処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】通信システム3の変形例において受信転送装置のマイコンが行う受信転送処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図23】通信システム3の変形例においてサーバ装置のCPUが行う第3転送処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図24】本発明の第4の実施の形態に係る通信システム4の構成を示すブロック図である。
【図25】通信システム4を構成するPC500の構成を示すブロック図である。
【図26】通信システム4を構成するサーバ装置600の構成を示すブロック図である。
【図27】PC500のCPU306が行う第2転送処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】サーバ装置600のCPU604が行う第3転送処理の流れを示すフローチャートの一部を示す図である。
【図29】通信システム4の変形例(PC共有形態)に係る通信システムの構成の一部を示すブロック図である。
【図30】通信システム4の変形例(測定器共有形態)に係る通信システムの構成の一部を示すブロック図である。
【図31】通信システム4の変形例(受信記憶装置共有形態)に係る通信システムの構成の一部を示すブロック図である。
【図32】通信システム4の変形例(組合せの形態)に係る通信システムの構成の一部を示すブロック図である。
【図33】本発明の第5の実施の形態に係る通信システム5の構成を示すブロック図である。
【図34】通信システム5を構成する移動通信端末70の構成を示すブロック図である。
【図35】通信システム5を構成するサーバ装置90の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0158】
1〜5 通信システム、10 測定器、20,40 受信記憶装置、30,50,80,500 PC、60,90,600 サーバ装置、70 移動通信端末、100 受信転送装置、101 センサ、104,202,302,502,602,702,902,5002,6002 記憶部、105 送信部、107 測定スイッチ、108 送信スイッチ、110,206,406,1006 マイコン、111,207 電池、201,701 受信部、703 無線通信インターフェイス、203,301,307,601,1003 通信インターフェイス、305,603,706 RTC、306,604,707 CPU、10P,20P,30P,40P,50P,60P,70P,90P,100P,500P,600P プログラム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻付与装置と、時刻受取装置とを有する通信システムであって、
前記時刻付与装置は、
計時を行って時刻を示す付与計時部と、
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、
予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、
前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、
前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、
使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、
データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、
前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、
前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、
所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備え、
前記時刻受取装置は、
計時を行って時刻を示す受取計時部と、
データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、
前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、
前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、
前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部とを備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
時刻訂正装置を有し、
前記時刻受取装置は、
データを送出して当該データが示す情報を出力する受取出力部と、
前記受取記憶部に記憶されている前記発生履歴、前記送信時刻および前記受信時刻を前記受取出力部に出力させる受取送信制御部とを有し、
前記時刻訂正装置は、
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する訂正記憶部と、
データを受信して当該データが示す情報を入力する訂正受信部と、
前記時刻付与装置から出力された情報を前記訂正受信部に入力させる訂正受信制御部と、
前記訂正受信部に入力された前記発生履歴、前記送信時刻および前記受信時刻を前記訂正記憶部に記録する訂正記録部と、
前記訂正記憶部に記憶されている前記発生履歴に含まれている発生時刻を、前記訂正記憶部に記憶されている前記送信時刻および前記受信時刻に基づいて訂正する訂正部とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記受取受信部は、データを前記片方向通信方式で受信して当該データが示す情報を入力する片方向受信部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記操作部から前記所定の信号が出力されると充たされる、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項5】
時刻合わせ装置を有し、
前記時刻合わせ装置は、
計時を行って時刻を示す基準計時部と、
正しい時刻を示すように前記基準計時部を設定する基準設定部と、
データを送出して当該データが示す情報を出力する基準出力部と、
前記基準計時部が示す時刻を前記基準出力部に出力させる出力制御部とを備え、
前記時刻受取装置は、
データを受け取って当該データが示す情報を入力する受取入力部と、
前記基準出力部から出力された時刻を前記受取入力部に入力させる受取入力制御部と、
前記受取入力部が入力した時刻に基づいて、正しい時刻を示すように、前記受取計時部を設定する受取設定部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
計時を行って時刻を示す付与計時部と、
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、
予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、
前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、
前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、
使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、
データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、
前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、
前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、
所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部と
を備える時刻付与装置。
【請求項7】
前記最終時刻記録部は、前記発生時刻が記録されると、この発生時刻を前記最終時刻として上書き方式で記録する、
ことを特徴とする請求項6に記載の時刻付与装置。
【請求項8】
前記最終時刻記録部は、周期的に、前記付与計時部が示している時刻を前記最終時刻として上書き方式で記録する、
ことを特徴とする請求項6に記載の時刻付与装置。
【請求項9】
着脱自在に電池を備え、
前記付与計時部は、前記電池から電力が供給されている場合にのみ計時を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の時刻付与装置。
【請求項10】
生体情報を測定するセンサを備え、
前記イベントは、前記センサによる測定である、
ことを特徴とする請求項6に記載の時刻付与装置。
【請求項11】
計時を行って時刻を示す受取計時部と、
データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、
計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、
前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部と
を備える時刻受取装置。
【請求項12】
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部とを備え、予め定められたイベントが発生するコンピュータを、
計時を行って時刻を示す付与計時部と、
前記イベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、
前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、
前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、
前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、
前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、
所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部
として機能させるプログラム。
【請求項13】
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部とを備えるコンピュータを、
計時を行って時刻を示す受取計時部と、
計時を行って時刻を示す付与計時部と、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、
前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部と、
前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち、当該開始時刻よりも前のものに対応付けて、当該開始時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とを、前記受取記憶部に記録する受取記録部
として機能させるプログラム。
【請求項14】
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、計時を行って時刻を示す付与計時部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記付与計時部の計時の停止直前に前記イベント記録部が記録した前記発生時刻以降の時刻であって前記停止の前に前記付与計時部が示した時刻を最終時刻として前記付与記憶部に記録する最終時刻記録部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える装置が行う方法であって、
前記付与計時部が計時を再開すると、記憶されている前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録ステップと、
前記開始時刻記録ステップの後に、記憶されている前記発生履歴と前記開始時刻とを前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御ステップと
を有することを特徴とする時刻付与方法。
【請求項15】
書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する付与記憶部と、予め定められたイベントが発生すると、その内容または結果と前記付与計時部が示している発生時刻とを含む発生履歴を前記付与記憶部に記録するイベント記録部と、前記イベントが発生すると、前記付与計時部が示している時刻を示すデータを、最終時刻データとして記憶する最終時刻記憶部と、前記付与計時部が計時を再開すると、前記最終時刻が記憶されている場合に、前記最終時刻を開始時刻として前記付与記憶部に記録する開始時刻記録部と、使用者に操作され、操作内容に応じた信号を出力する操作部と、データを片方向通信方式で送信して当該データが示す情報を出力する片方向送信部と、前記発生履歴が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、記憶されている前記発生履歴を前記片方向送信部に一括して出力させる一括送信制御部と、前記開始時刻が記憶されているときに前記操作部から所定の信号が出力されると、前記開始時刻を前記片方向送信部に出力させる開始時刻送信制御部と、所定の条件が充たされると、前記付与計時部が示している送信時刻を前記片方向送信部に出力させる送信時刻送信制御部とを備える時刻付与装置とともに用いられ、書き込まれたデータを保持して当該データが示す情報を記憶する受取記憶部と、データを受信して当該データが示す情報を入力する受取受信部と、計時を行って時刻を示す受取計時部と、前記時刻付与装置から出力された情報を前記受取受信部に一括して入力させる一括受信処理を繰り返し行う一括受信制御部と、前記一括受信処理で入力された前記発生履歴を前記受取記憶部に記録する発生履歴記録部とを備える装置が行う方法であって、
前記一括受信処理で前記開始時刻とともに入力された前記発生時刻のうち当該開始時刻よりも前のものを特定する対象特定ステップと、
前記対象特定ステップで特定された前記発生時刻が入力された前記一括受信処理が行われる前に入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻と、当該一括受信処理以降の前記一括受信処理で入力された前記送信時刻と、当該送信時刻が入力されたときに前記受取計時部が示していた受信時刻とに基づいて、前記付与計時部が停止していた時間を特定する時間特定ステップと、
前記対象特定ステップで特定された発生時刻を、前記時間特定ステップで特定された時間だけ前の時刻に変更する訂正ステップと
を有することを特徴とする時刻訂正方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2009−95542(P2009−95542A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271275(P2007−271275)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】