説明

通信システム、通信方法およびADSLルータ

【課題】通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その相手先にアクセスするための情報を、ダイアルアップ接続を行うことなくユーザに電子メールで通知することのできる通信システム、通信方法およびADSLルータを提供すること。
【解決手段】パーソナルコンピュータ113および電話機114を接続したADSLルータ112はスプリッタ111を介して電話回線102と接続されている。ADSLルータ112はユーザの不在時に電話が掛かってくると着信電話番号を履歴として残して、所定の時間間隔で電話番号を記した電子メールをスプリッタ111を介して常時接続されている電話回線102を利用し、ユーザ宛に送出する。不在中の電子メールがメールサーバ107に格納されているときは、発信元のメールアドレスを取得してユーザに電子メールを同様に送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定式の電話機やパーソナルコンピュータ等の通信端末のユーザ宛に通信が行われたときにこれに対応する通信システム、通信方法およびADSLルータに係わり、特にユーザ宛に通信が行われたときにその事実を通知する通信システム、通信方法および通知に使用されるADSLルータに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭やオフィスに設置されている固定式の電話機に利用者の不在時に電話が掛かってくると、これに直接応答することができない。このような場合に留守番電話装置を設置しておくと、電話を掛けてきた者の伝言を録音することができる。この録音内容は利用者が外出先から電話を掛けることで聞き出すことができる。ただし、留守番電話装置では、電話を掛けてきた者がメッセージを残さないとその者の電話番号を知ることができず、掛け直すことができない。
【0003】
電話を掛けてきた相手の電話番号を電話機の表示部に表示するサービスとしてナンバディスプレイサービスが存在する。このナンバディスプレイサービスに加入している場合、電話を掛けてきた者がメッセージを残さない場合でもその電話番号が着信履歴として電話機内部に記録されるようになっている。したがって、利用者が外出先からその固定式の電話機の置かれている場所に戻ってくれば、掛けてきた電話番号を確認して折り返し電話を掛けることができる。
【0004】
ところが、利用者が外出先にいる状態のままでは、電話機にメッセージを残さなかった相手先についての着信の事実を確認することができない。したがって、緊急な要件で電話を掛けてきたにもかかわらず何らかの事情でメッセージを残さなかった者に対して、利用者が外出先からタイムリな対応を採ることができないという問題がある。そこで、長期外出のように固定式の電話機の設置されている場所に利用者が長期的に戻ってこないような場合には、その者に多大な不都合が発生する可能性があった。
【0005】
ところで、電話の発呼が行われると、これと併せて予め登録した宛先に電子メールを送信するようにした第1の提案が行われている(たとえば特許文献1参照)。この第1の提案では、利用者が予め指定した警察署や消防署等の特定の宛先に電話を掛けると、登録しておいた電子メールの宛先にこれに併せて登録したメッセージが送信されるようになっている。たとえば電話機で「110」番(警察署)に電話したとする。この第1の提案では警察署以外に連絡したい親類等の特定の相手先を予め登録しておけば、警察署に緊急通報を行ったときに、その旨の電子メールの送信がこれらに対して行われる。
【0006】
この第1の提案では、発信者の電話をトリガとして必要な他の相手先に電子メールの自動送信が行われるものである。したがって、先に説明した利用者が外出のときの電話機に電話が掛かってきたときの問題には、対応することができない。
【0007】
そこで、電話の発信者に関する情報を電子メールで被呼者宛に通知することで呼の発生状況を遠隔地等で確認できるようにした第2の提案が行われている(たとえば特許文献2参照)。この第2の提案では、呼発生時に発呼元情報を検出して、電話を掛けてきた発呼者に関する情報を電子メールを用いて被呼者、すなわち前記した例では固定式電話機の利用者の電子メールアドレス宛にダイアルアップにより送信を行うようにしている。この第2の提案によれば、固定式電話機の利用者が外出中であっても呼発生時に発呼者に関する情報を電子メールで受け取ることができる。
【特許文献1】特開2004−363711号公報(第0027〜第0029段落、図2)
【特許文献2】特開2001−203785号公報(第0009、第0040段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この第2の提案はファクシミリモデムの使用を前提とした多機能電話機に関する技術である。このため、電子メールの送信を行う際には、所定のアクセスポイントに接続するためのダイアルアップを行う必要がある。したがって、第2の提案によれば、ダイアルアップが行われるたびに課金が行われることになる。このため、特に多数の電話が掛かってくる可能性があるような場合には、電子メールによる通知の間隔をある程度長くしないと不経済となる。しかしながら、通知の間隔を長くすると、急ぎの用件に迅速に対応することができなくなる。
【0009】
また、以上の説明は電話機に電話が掛かってきた場合の問題であったが、たとえば外出によって自宅またはオフィスのパーソナルコンピュータで電子メールを受け取ることができないような場合にも、不在の電話機に関する問題と同様の問題が発生した。
【0010】
そこで本発明の目的は、通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その相手先にアクセスするための情報を、ダイアルアップ接続を行うことなくユーザに電子メールで通知することのできる通信システム、通信方法およびADSLルータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、(イ)通信端末と、(ロ)この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、(ハ)ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、(ニ)音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、(ホ)電話回線にスプリッタを介して接続され、アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報をこの電話回線を介してメールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段とを通信システムに具備させる。
【0012】
すなわち本発明では、通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、アクセス情報取得手段がその通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得し、メールアドレス登録手段に登録されたユーザの連絡先となるメールアドレスに電子メールで送信を行うようにしている。ここで、電子メールの送信はスプリッタを介して電話回線に接続しているメール送信手段によって行われるので、ダイアルアップは不要である。
【0013】
また、本発明では、(イ)固定式の電話機と、(ロ)この電話機のユーザに電話が掛かってきたときで電話に出る者がいないとき、電話を掛けた相手先の電話番号をその相手先から送られてきた信号からアクセス情報として取得するアクセス情報取得手段と、(ハ)ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、(ニ)音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、(ホ)電話回線にスプリッタを介して接続され、アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報としての電話番号をこの電話回線を介してメールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段とを通信システムに具備させる。
【0014】
すなわち本発明では、ユーザの不在時に電話を掛けた相手先の電話番号をアクセス情報取得手段がその相手先から送られてきた信号から取得し、メールアドレス登録手段に登録されたユーザの連絡先となるメールアドレスに電子メールで送信を行うようにしている。ここで、電子メールの送信はスプリッタを介して電話回線に接続しているメール送信手段によって行われるので、ダイアルアップは不要である。
【0015】
また、本発明では、(イ)電子メールの受信手段としての通信端末と、(ロ)この通信端末のユーザが電子メールを受信できない状態でこのユーザ宛に電子メールが送信されたとき、メールサーバから送信元のメールアドレスをアクセス情報として取得するアクセス情報取得手段と、(ハ)ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、(ニ)音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、(ホ)電話回線にスプリッタを介して接続され、アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報としてのメールアドレスをこの電話回線を介してメールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段とを通信システムに具備させる。
【0016】
すなわち本発明では、ユーザが電子メールを受信できない状態でこのユーザ宛に電子メールが送信されたとき、アクセス情報取得手段がメールサーバから送信元のメールアドレスをアクセス情報として取得し、メールアドレス登録手段に登録されたユーザの連絡先となるメールアドレスに電子メールで送信を行うようにしている。ここで、電子メールの送信はスプリッタを介して電話回線に接続しているメール送信手段によって行われるので、ダイアルアップは不要である。
【0017】
また、本発明では、(イ)通信端末と接続され、この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得ステップと、(ロ)ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録ステップと、(ハ)アクセス情報取得ステップで取得したアクセス情報を、音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタに接続された電話回線を介してメールアドレス登録ステップによって登録したメールアドレスに送信するメール送信ステップとを通信方法に具備させる。
【0018】
すなわち本発明では、通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得し、この取得したアクセス情報を、スプリッタに接続された電話回線を介してメールアドレス登録ステップによって登録したメールアドレスに送信するようにしている。電話回線は常時接続されているので、ダイアルアップは不要である。
【0019】
また、本発明では、(イ)通信端末と接続され、この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、(ロ)ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、(ハ)アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報を、音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタに接続された電話回線を経て、メールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段とをADSLルータに具備させる。
【0020】
すなわち本発明では、ADSLルータに、通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段を配置し、これによって取得したアクセス情報をメールアドレス登録手段で登録されたユーザの連絡先となるメールアドレスに電子メールで送信するようにしている。ここで電子メールの送信は、このADSLルータにスプリッタを介して接続された電話回線を用いて行うので、ダイアルアップは不要である。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、スプリッタを介して電話回線に常時接続されている通信システムあるいはADSLルータが電話を掛けてきた者あるいは電子メールを送信した者の電話番号あるいはメールアドレスを電子メールを用いてユーザの送信先として指定したメールアドレスに送信することにしたので、ユーザはこれら送られてきた電子メールの内容を見て、必要とされる宛先のみに電話を掛けたり電子メールを送信することができる。すなわち、直接電話を取ったり電子メールを受信する場合と比べると電話番号やアドレスをチェックして不要な相手に割く時間を節約することができる。また、電子メールはダイアルアップ接続を必要としないで送信することができるので、電子メールによる通知の間隔を狭めても経済性を損なうことがなく、緊急時への対応が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の一実施例における通信システムの概要を表わしたものである。この通信システム100では、電話の交換処理を行う局舎101と、この局舎101と電話回線102によって接続されたユーザ宅103を備えている。局舎101は、電話網104と接続される他、ブロードバンド・アクセス・サーバ(BAS)105を介してインターネット106と接続されている。ここでブロードバンド・アクセス・サーバ105は、インターネット106の他に、更にCATV(CAble TeleVision)等の他のネットワークに接続されるものであってもよい。たとえばインターネット106には、電子メールを受信するメールサーバ107が接続されている。
【0024】
ユーザ宅103には、電話回線102とADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線をそれぞれの対象となる周波数帯域で分離したり信号の混合を行うためのユーザ宅側スプリッタ111と、これに接続されたADSLルータ112が存在している。ADSLルータ112には、インターネット106とデータ通信を行うためのパーソナルコンピュータ113と、電話網104と接続されて図示しない相手先と通話を行うための固定電話としての電話機114が接続されている。また、局舎101には、電話回線102に接続され、ADSL信号と電話音声信号のブリッジや混合を行う局舎側スプリッタ116と、これに接続されたDSLAM(DSL(Digital Subscriber Line)回線集線装置)117および電話交換機118が収容されている。DSLAM117は前記したブロードバンド・アクセス・サーバ105に接続され、電話交換機118の方は電話網104に接続されている。
【0025】
このような通信システム100では、電話機114から送出された電話音声信号がADSLルータ112およびユーザ宅側スプリッタ111を介して電話回線102に送出され、局舎側スプリッタ116で分離されて電話交換機118まで到達し、ここから電話網104に送られて相手先との音声による電話サービスが行われる。また、パーソナルコンピュータ113がインターネット106上の所望のサイトにアクセスする際には、ユーザ宅側スプリッタ111が電話音声信号と共に混合したADSL信号を局舎側スプリッタ116側が分離して取り出し、ブロードバンド・アクセス・サーバ105側に送出する。これによりブロードバンド・アクセス・サーバ105を用いたインターネット106のアクセスが可能になる。
【0026】
ところで、本実施例の通信システム100では、ADSLルータ112が独自の構成を有しており、これにより固定電話としての電話機114のユーザ(加入者)がユーザ宅103にいない場合でも電話があったことを判別できるようになっている。
【0027】
図2は、本実施例のADSLルータの構成を周辺の回路構成と共に表わしたものである。ADSLルータ112は、パーソナルコンピュータ113とイーサネット(登録商標)を用いて接続を行うLAN(ローカルエリアネットワーク)制御部121と、電話機114の音声信号をIP(Internet Protocol)データに変換したり、その逆の変換を行うIP・音声制御部122を備えている。LAN制御部121およびIP・音声制御部122は、データのルーティング処理を行うIPルーティング処理部123と接続されている。IPルーティング処理部123は、広帯域ネットワークシステムとしてのWAN(Wide Area Network)側のフレーム構成にパケットをカプセリングしたり、この逆にデカプセリングするWAN制御部124と接続されている。WAN制御部124は、ディジタル信号をアナログ信号に変換したり、その逆の変換を行うADSL送受信部125を介してユーザ宅側スプリッタ111と接続されている。ただし、電話音声信号はユーザ宅側スプリッタ111とWAN制御部124の間、およびユーザ宅側スプリッタ111と電話機114の間で信号が直接伝送されるようになっている。IPルーティング処理部123は、電話が掛かってきた場合に電子メールを転送する際のメールアドレスを登録するためのメールアドレス登録部126および電話機114の受信履歴を格納する電話機受信履歴格納部127と接続されている。また、ユーザ宅側スプリッタ111とメールアドレス登録部126の間には、一般電話網での電話番号の検出を行う電話番号検出部128が接続されている。
【0028】
図2に示したADSLルータ112は、これらの各部の少なくとも一部をソフトウェア的に実現するために図示しないCPU(中央処理装置)と、このCPUの実行する制御プログラムを格納するROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶媒体と、制御プログラムをCPUが実行する際に必要とする各種データを一時的に格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等のメモリを備えている。メールアドレス登録部126および電話機受信履歴格納部127は、このメモリの一部領域で構成されている。また、ADSLルータ112には液晶あるいは有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)からなる表示部129と、各種操作を行うためのキー(図示せず)を配置した操作部130も配置されている。
【0029】
このような構成のADSLルータ112は、メールアドレス登録部126に登録したメールアドレスに対して、電話の着信履歴をメールで通知するようになっている。これにより、電話機114の利用者は外出先でインターネット106(図1)を利用して電子メールを受信することで、容易に電話機114の着信履歴を確認することができる。ここで、電話機114の着信履歴は、ユーザが着信に応答する、しないに係らずADSLルータ112内の図示しない記憶領域に記憶されるようになっている。
【0030】
図3は、図1に示す電話機に電話が掛かってきた場合の電話交換機から呼出信号が送出されるまでの信号処理の様子を表わしたものである。図1と共に説明する。電話網104の図示しない電話機からユーザ宅103の電話機114に電話が掛かってくると、加入者線に対する給電極性L1、L2が反転し(ステップS201)、電話交換機118から情報受信端末起動信号(CAR)が送られてくる(ステップS202)。電話機114はこれに対して一次応答信号を返送する(ステップS203)。すると、電話交換機118から着番号情報等の情報が送られてきて(ステップS204)、電話機114はこれに対して受信完了信号を返送する(ステップS205)。以上の処理が行われた後、電話交換機118が電話機114に対して呼出信号の送出を開始する(ステップS206)。
【0031】
このように、電話機114に電話が掛かってくると、呼出信号が鳴動する前に着番号情報が相手の電話機から送られてくる。これら発呼側の電話機の電話番号は、着信電話番号として、図2に示す電話番号検出部128で検出され、それらの着信時刻と共に電話機受信履歴格納部127に格納されることになる。IP(Internet Protocol)ネットワーク上で音声情報を伝達するVoIP(Voice over IP)の技術で通話を行うIP電話についても、同様に電話機114が呼び出しのために鳴動する前に発呼側の電話機に関するこれらの情報がIPルーティング処理部123で検出されて、電話機受信履歴格納部127に格納される。本実施例では、着信があった電話機114が呼出信号に対して応答したかどうかについての情報も電話機受信履歴格納部127に格納されることになる。
【0032】
ところで、本実施例の通信システム100では、電話機114が固定型であるため家族等の複数の者がこれを共用することを前提とし、受信履歴をユーザ別に割り振って通知するようになっている。この関係で、それぞれのユーザは受信履歴を通知させるためにADSLルータ112に所定の設定を行ったり、それらの設定を変更する必要がある。
【0033】
図4は、このためのユーザ別の設定・変更処理の様子を表わしたものである。この処理は、後に説明する他の処理と同様にADSLルータ112に格納された制御プログラムに従って、そのCPUが処理を実行するようになっている。すなわち、ユーザが操作部130(図2)を操作してADSLルータ112をユーザ別設定・変更モードに設定すると、表示部129(図2)にユーザの一覧が表示される(ステップS221)。この表示された内容から操作者が設定等の処理を行うユーザの選択を行うと(ステップS222:Y)、その操作者が選択されたユーザと同一の者であるかどうかをチェックするための認証処理が行われる(ステップS223)。なお、ユーザの新規登録を行う場合やユーザの削除を行う場合には、操作者がその指定を行うことで(ステップS222:N、ステップS224:Y)、該当する処理が実行される(ステップS225)。
【0034】
ところで、ステップS223でユーザの認証が行われたら、そのユーザが行う処理についてのメニュー画面が表示部129に表示される(ステップS226)。ユーザは現在の設定内容の修正を行う場合にはその旨の項目を選択する(ステップS227:Y)。すると、図1に示したメールアドレス登録部126からそのユーザに関する情報が抽出されて表示部129に一覧として表示される(ステップS228)。
【0035】
図5は、メールアドレス登録部の一部を表わしたものである。メールアドレス登録部126は、ユーザ「A」、「B」、……ごとに領域が区切られており、それぞれについて着信があったときに転送を希望する電話番号が登録されるようになっている。また、ユーザ別に転送先のメールアドレスと、それらのメールアドレスに対する受信履歴の転送間隔と、転送の可否が設定されるようになっている。たとえば、ユーザ「B」に関しては、「090−4567−8910」と「090−1112−1314」の2つの電話番号が自分の友人等の電話番号であり、外出時に電話が掛かってくる可能性がある。そこで、これらの電話番号の登録を行っている。
【0036】
また、ユーザ「B」はこの電話機114の受信についての管理権限を有しており、その権限の下に「他 all」という設定も行えるようになっている。ここで「他 all」というのは、他のユーザに掛かってきたすべての電話についての受信履歴の通知を受けるものである。たとえば夫が事業を行っており、夫婦が外出中に夫に掛かってきた電話にとりあえず妻が電話をして一次的な対応を採ったり、勤務中に掛かってきた従業者の電話番号を監視するといった用途に使用することができる。転送用メールアドレスは、このように性格の異なる受信履歴に対処できるように異なったアドレスに設定することができるようになっている。「転送間隔」は、該当する電話番号の受信履歴を電子メールで転送する時間間隔であり、「転送可否」は電子メールによる転送を行うか行わないかの設定である。転送の態様を更に具体的に定め、たとえば夜間や休日には、これらの受信履歴の転送を不要とするような設定も可能である。また、「転送間隔」に「随時」という選択項目を設けて、電話が掛かってきたらそのたびに受信履歴を転送するようにしてもよい。これにより、緊急を要する用件に迅速に対応することができる。
【0037】
図4に戻って説明を続ける。ステップS228で図5に示すメールアドレス登録部126に登録されている該当するユーザの箇所の一覧が表示されたら、そのユーザは修正を行う箇所を指定して(ステップS229:Y)、その項目の修正が行われる(ステップS230)。その後、ユーザが処理の終了を指示すれば(ステップS231:Y)、設定・変更処理が終了する(エンド)。他の処理を続行する旨の指示が操作部130から行われた場合には(ステップS231:N)、ステップS226に処理が戻ることになる。
【0038】
図6は、電話機の着信処理の概要を表わしたものである。図2に示した電話機114に対して電話が掛かってきて、ステップS204(図3)で示した着番号情報が送られてきたら(ステップS251:Y)、ADSLルータ112はその電話機受信履歴格納部127に発呼側の電話番号と現在の着信時刻を対にして格納する(ステップS252)。そして、その電話の呼び出しに対して電話機114による応答があるか否かを監視する(ステップS253、ステップS254)。ユーザが電話機114の図示しないハンドセットを取って呼び出しに応答した場合には(ステップS253:Y)、ステップS252で格納した電話番号と着信時間の対のデータを電話機受信履歴格納部127から削除する(ステップS255)。これは、電話に出た者が発呼者の通話しようとした相手でなくても、伝言等の措置が可能であることを前提としている。したがって、このような措置が期待できない環境では、ユーザの事前設定によってはステップS255の処理を省略することも可能である。
【0039】
一方、応答を行う前に呼出音の出力が切れてしまったり、予め定めた待機時間が経過して「ただ今、電話にでることができません。」というようなアナウンスが流れて発呼側が電話を切ったような場合には(ステップS254:Y)、ステップS252で取得した電話番号がメールアドレス登録部126に存在するかどうかの検索処理が行われる(ステップS256)。そして、該当する電話番号が登録されている場合には(ステップS257:Y)、これを図5に示したようなメールアドレス登録部126の登録内容を基に対応するユーザに振り分けるように格納内容の修正が行われる(ステップS258)。このとき、電話番号の一致がなくても、前記した「他 all」の設定を行ったユーザがあった場合には、判明した電話番号がそのユーザの格納領域に格納される。これが他のユーザの登録した電話番号であれば、そのユーザと「他 all」の設定を行ったユーザの双方の領域に格納されることになる。なお、ステップS252ではADSLルータ112の図示しない作業用メモリに電話番号や着信時刻を一時的に格納し、処理内容が確定してから電話機受信履歴格納部127にユーザ別にデータを格納するようにしてもよい。ステップS257で電子メールによる通知の対象となる電話番号ではないと判別された場合には(N)、その電話番号は電話機受信履歴格納部127から削除されることになる(ステップS255)。
【0040】
このようにして電話機受信履歴格納部127には、電子メールによる受信履歴の通知が必要なデータが順次格納されていくことになる。このようなデータはユーザが適宜削除することでメモリのオーバフローを防ぐこともできる。本実施例では、電子メールの転送が完了したデータを電話機受信履歴格納部127から削除することにして、そのオーバフローを極力防止している。
【0041】
図7は、この電子メールの転送処理の様子を表わしたものである。ADSLルータ112の前記したCPUは、電子メールの転送時刻が到来すると(ステップS271:Y)、電話機受信履歴格納部127内に転送できる未送信の受信履歴が存在するかどうかをチェックする(ステップS272)。該当するものがなければ(N)、直ちに電子メールの転送処理を終了する(エンド)。
【0042】
該当する受信履歴が存在する場合には(ステップS272:Y)、該当するユーザの受信履歴をそのユーザの指定した電子メールの宛先に対して送信する(ステップS273)。該当するユーザが複数存在する場合には、それぞれのユーザごとに、これらのユーザが指定した宛先に対して電子メールの送信が行われることになる。該当するユーザに対して、掛かってきた電話の電話番号と着信時刻が電子メールで送信されたら、送信済みのこれらのユーザのこれらのデータを電話機受信履歴格納部127の対応する箇所からそれぞれ削除することになる(ステップS274)。
【0043】
以上説明したように本実施例によれば、電話機114の利用者としてのユーザは、自分が電話機114で応答できない場所にいるときでも受信履歴を電子メールで所定の宛先に送信させることで、パーソナルコンピュータや携帯電話機等の電子メールを受信することのできる通信端末を用いて発呼側の電話番号を知ることができる。したがって、その相手に電話を掛ける等の適切な措置を採ることができる。また、本実施例ではIP電話網における着信だけでなく、電話番号検出部128を用いることで一般電話網からの着信に対しても電話番号を判別し、着信履歴情報の転送が可能である。
【0044】
<発明の第1の変形例>
【0045】
図8は、本発明の第1の変形例におけるADSLルータの構成を周辺の回路構成と共に表わしたものである。この図8に示したADSLルータ112Aで図2と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。この第1の変形例では、パーソナルコンピュータ113が図1に示すインターネット106等の通信ネットワークを介して受信する電子メールを、ユーザがユーザ宅103にいない場合でも携帯電話機等の所望の通信端末で受け取ることができるようにしたものである。
【0046】
周知のように電子メールは、固定型の電話機114と異なり、特定の物理的な位置に対して送信されるものではない。したがって、ユーザがユーザ宅103のパーソナルコンピュータ113のそばにいない場合であっても、たとえば無線通信用のカードを装着した携帯型のパーソナルコンピュータを持ち歩いていれば、電波の届く範囲で電子メールの受信が可能である。また、移動先のオフィス等の場所で通信ケーブルを用いて同様に電子メールを受信することができる。すなわち、パーソナルコンピュータ113で受信する電子メールのアドレスやPOP(Post Office Protocol)サーバ等の定められた設定を行えば、その携帯型のパーソナルコンピュータあるいは他の一般的な通信端末で同一の電子メールを受信することができる。
【0047】
ところが、ある種の携帯電話機等の通信端末では、特定の仕様による自社の製品に対応した特定形式の電子メールのみを受信できるようになっている。このような通信端末を個人的に所持している者が、たとえば昼間は会社のパーソナルコンピュータ113を使用して仕事をしており、そのときは汎用の電子メールを取引先から受信しているものとする。前記した特定形式の電子メールのみを受信することのできる通信端末を持って突然の出張で会社を不在とするような場合、その者が取引先の各担当者にその個人的な電子メールのアドレスへの一時的な変更を知らせることは、その期間に通信の予定のない担当者にまで無駄なメールを送りつけることになって、事実上不可能である。これは一例であるが、このような場合にこの変形例の発明を適用することができる。
【0048】
第1の変形例のADSLルータ112Aでは、IPルーティング処理部123がメールアドレス管理部301とメールアドレス転送処理部302を接続している。このうちメールアドレス管理部301は、電子メールの転送先としてのメールアドレスを登録したり、電子メールの受信履歴を格納するようになっている。メールアドレス転送処理部302は、パーソナルコンピュータ113の電源がオフとなっている状態で図1に示したメールサーバ107側に所定の間隔でアクセスし、電子メールが受信されている場には、そのアドレス情報を取得して指定された宛先にこれを転送する処理を行うようになっている。
【0049】
図9は、第1の変形例におけるメールアドレス管理部の登録処理領域を表わしたものである。メールアドレス管理部の登録処理領域301Aには、ユーザが予め転送先として希望するメールアドレス(転送用メールアドレス)を図8に示した操作部130から入力している。ユーザは、またこれらの転送用メールアドレスへの電子メールの転送処理を行う時間間隔としての転送間隔と、現状における転送先への転送の可否を示す「有効」または「無効」の情報(転送機能)を設定するようになっている。たとえば、転送用メールアドレス「1234@567.co.jp」については、4時間置きに転送処理が行われる設定となっており、かつ転送が「有効」となっている。したがって、ユーザ宛の電子メールが受信されていればそのメールアドレスが転送用メールアドレス「1234@567.co.jp」に送信されることになる。この例では、「有効」となっているこのアドレスに4時間ごとに電子メールのアドレスが送られると共に、「9abc@123.co.jp」に対しては、電子メールが受信されるたびにそのアドレスが送信される。
【0050】
図10は、メールアドレス管理部の受信履歴領域を表わしたものである。メールアドレス管理部の受信履歴領域301Bには、メールサーバ107(図1参照)に受信された電子メールのアドレスと、発信者がそのメールを送信した時間が履歴として残されるようになっている。
【0051】
図11は、メールアドレス転送処理部の処理の概要を表わしたものである。メールアドレス転送処理部302は、図9のメールアドレス管理部の登録処理領域301Aで「有効」と設定されている転送用メールアドレスの「転送間隔」の中で最も間隔が短いものを基準として、メールサーバ107へのメールチェック時刻が到来したかを判別する(ステップS401)。ただし、パーソナルコンピュータ113の電源がオフとなっているのを前提とする。電源がオンとなっていれば、ユーザが在宅しており、電子メールの受信が可能だからである。図9に示した例では、「有効」となっている「転送間隔」は「4H(時間)」と「随時」なので、ここで随時が10分間隔のメールチェックとして運用されている場合には、前のメールチェックから10分経過したときにメールチェック時刻が到来したと判別する。メールチェック時刻が到来すると(ステップS401:Y)、メールアドレス管理部301はパーソナルコンピュータ113がメールサーバ107にアクセスする際の信号と同一のメールサーバアクセス信号を出力する。このメールサーバアクセス信号は、パーソナルコンピュータ113のユーザが予めADSLルータ112Aに設定したものであり、ユーザID(Identification)、電子メールを受信したメールサーバ107の名称、パスワードを含んでいる。メールサーバアクセス信号はADSLルータ112Aからユーザ宅側スプリッタ111を介して電話回線102に送出され、図1に示すインターネット106のメールサーバ107に送られる。
【0052】
このようにしてメールアドレス転送処理部302は、該当するメールサーバ107にアクセスして、そのユーザに関する受信メールのアドレスとこれらのメールサーバ107における受信時刻を取得する(ステップS402)。このとき、すでに受信しているこれらのデータの取得を省略することができる。取得した受信メールのアドレスとこれらのメールサーバ107における受信時刻は、図10に示したメールアドレス管理部の受信履歴領域301Bに格納する(ステップS403)。そして、受信履歴領域301B内に格納されているこれらのデータを本文として編集して該当するメールアドレスに送信する(ステップS404)。たとえば、図9で「随時」となっている転送用メールアドレスとしての「9abc@123.co.jp」に対しては、今回取得したデータがあればこれを送信する。今回取得したデータがなければ送信を行わない。また、「4H(時間)」となっている転送用メールアドレスとしての「1234@567.co.jp」については、前回の送信予定時刻から4時間が経過していない場合には受信履歴領域301Bにデータが存在する場合であっても電子メールの送信は行われない。
【0053】
ステップS404の処理が行われたら、次にメールアドレス転送処理部302は、「有効」となっているメールアドレスのすべてに送信を行った電子メールに関するデータとしての受信メールのアドレスと受信時刻を削除する(ステップS405)。これは図10に示したメールアドレス管理部の受信履歴領域301Bがオーバフローしないように不要なデータを削除するためである。
【0054】
以上のように本発明の第1の変形例によれば、ユーザがパーソナルコンピュータ113を使用していないで外出しているような場合であっても、自己の携帯電話機等の通信端末専用のメールアドレスを通知先にして、転送機能を有効にしておけば、電子メールが到来したときその通知を受けることができる。したがって、そのメールアドレスからメール本文をチェックする必要があるとユーザが判別した場合、その通信端末からそのメールサーバ107にアクセス可能であればアクセスしてその内容をチェックすることができる。また、その通信端末では該当する電子メールを読むことができないような場合でも、アクセス可能な他の通信端末を使用して電子メールを読む等の対応を採ることができる。
【0055】
<発明の第2の変形例>
【0056】
図12は、本発明の第2の変形例におけるメールアドレス管理部の受信履歴領域を表わしたものであり、第1の変形例における図10に対応するものである。この第2の変形例では、受信履歴領域301Cに、図10に示したような受信したメールアドレスだけでなく、着信した電話番号をも格納するようになっている。「着信時間・相手メール送信時間」の欄には、メールサーバ107(図1参照)が受信した電子メールの送信時刻である相手メール送信時間と、電話の着信時間が格納されている。したがって、この変形例の図示しないメールアドレス転送処理部は、たとえば図9に示したメールアドレス管理部の登録処理領域301Aと同様の登録処理領域で「有効」とされた転送用メールアドレスに対して「転送間隔」として規定された時間間隔でメールが受信されたことと電話が掛かってきたことを通知することになる。
【0057】
このように本発明の第2の変形例によれば、ユーザがパーソナルコンピュータ113(図8参照)を使用していないときの受信した電子メールの通知だけでなく、電話機114(図8参照)に出られない場合に掛かってきた電話の電話番号についても、所望のアドレスのメールとして通知を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例における通信システムの概要を表わした概略構成図である。
【図2】本実施例のADSLルータの構成を周辺の回路構成と共に表わしたブロック図である。
【図3】図1に示す電話機に電話が掛かってきた場合の電話交換機から呼出信号が送出されるまでの信号処理の様子を表わした流れ図である。
【図4】本実施例でユーザ別の設定・変更処理の様子を表わした流れ図である。
【図5】本実施例のメールアドレス登録部の一部を表わした説明図である。
【図6】電話機の着信処理の概要を表わした説明図である。
【図7】本実施例による電子メールの転送処理の様子を表わした流れ図である。
【図8】本発明の第1の変形例におけるADSLルータの構成を周辺の回路構成と共に表わしたブロック図である。
【図9】第1の変形例におけるメールアドレス管理部の登録処理領域を表わした説明図である。
【図10】第1の変形例におけるメールアドレス管理部の受信履歴領域を表わした説明図である。
【図11】第1の変形例におけるメールアドレス転送処理部の処理の概要を表わした流れ図である。
【図12】本発明の第2の変形例におけるメールアドレス管理部の受信履歴領域を表わした説明図である。
【符号の説明】
【0059】
100 通信システム
101 局舎
102 電話回線
103 ユーザ宅
104 電話網
106 インターネット
107 メールサーバ
112、112A ADSLルータ
113 パーソナルコンピュータ
114 電話機
118 電話交換機
123 IPルーティング処理部
126 メールアドレス登録部
127 電話機受信履歴格納部
128 電話番号検出部
301 メールアドレス管理部
301A 登録処理領域
301B、301C 受信履歴領域
302 メールアドレス転送処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末と、
この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
前記ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、
音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、
電話回線に前記スプリッタを介して接続され、前記アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報をこの電話回線を介して前記メールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
固定式の電話機と、
この電話機のユーザに電話が掛かってきたときで電話に出る者がいないとき、電話を掛けた相手先の電話番号をその相手先から送られてきた信号からアクセス情報として取得するアクセス情報取得手段と、
前記ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、
音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、
電話回線に前記スプリッタを介して接続され、前記アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報としての電話番号をこの電話回線を介して前記メールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
電子メールの受信手段としての通信端末と、
この通信端末のユーザが電子メールを受信できない状態でこのユーザ宛に電子メールが送信されたとき、メールサーバから送信元のメールアドレスをアクセス情報として取得するアクセス情報取得手段と、
前記ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、
音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタと、
電話回線に前記スプリッタを介して接続され、前記アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報としてのメールアドレスをこの電話回線を介して前記メールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段
とを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
前記ユーザは複数であり、前記メールアドレス登録手段は相手先のそれぞれを複数のユーザのいずれかに対応付けて登録するようになっており、前記メール送信手段はユーザごとにメールを送信することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
前記メールアドレス登録手段は、1ユーザに対して複数のメールアドレスを登録可能であり、それぞれのメールアドレスを前記メール送信手段がメールの送信を行うとき宛先として使用するか否かを設定可能となっていることを特徴とする請求項1〜請求項5いずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
通信端末と接続され、この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得ステップと、
前記ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録ステップと、
前記アクセス情報取得ステップで取得したアクセス情報を、音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタに接続された電話回線を介して前記メールアドレス登録ステップによって登録したメールアドレスに送信するメール送信ステップ
とを具備することを特徴とする通信方法。
【請求項7】
通信端末と接続され、この通信端末のユーザが応答できない状態でこのユーザ宛に通信が行われたとき、その通信から得られるデータを用いてその相手先にアクセスするためのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
前記ユーザの連絡先となるメールアドレスを登録するメールアドレス登録手段と、
前記アクセス情報取得手段の取得したアクセス情報を、音声通話用の帯域とデータ通信用の帯域で信号の分離あるいは混合を行うスプリッタに接続された電話回線を経て、前記メールアドレス登録手段によって登録したメールアドレスに送信するメール送信手段
とを具備することを特徴とするADSLルータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−110232(P2007−110232A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−296537(P2005−296537)
【出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】