説明

通信システムおよび端末操作伝達方法

【課題】 端末の操作方法を相手端末に伝えることができる通信システムおよび操作方法伝達方法を提供すること。
【解決手段】 送信端末100は、操作手順を含んだ操作誘導ファイルを電子メールで送信し、受信端末300においては、メール受信部301が操作誘導ファイルを受信する。そして、受信端末300の表示部307等が、操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示することができる。これにより、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。なお、表示部307がユーザに操作手順を提示する代わりに、スピーカ部306またはボタン部308などを用いても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよび端末操作伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話等はその操作性が複雑になってきている。そのため、操作ガイダンス機能が考えられている。例えば特許文献1には、情報処理装置の全操作キーと該イベントに応じた操作キーのガイダンス情報とを記憶させておき、イベント発生時にディスプレイにガイダンス情報を表示して操作方法の誘導を実現させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−172841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1に記載の技術では、自己が所有する移動機におけるガイダンス機能であり、遠隔地にいる他のユーザが所有する移動機においてガイダンスを行うことができない。例えば、遠隔地にいる友達や家族に伝えたい機能・操作方法があった場合、それを言葉で伝えるしかないため相手側である他のユーザが教えられた操作を実際に行うためには、結局自端末において自力で操作を行う必要があり、所望の操作を行うことができない場合があり得る。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するために、端末の操作方法を相手端末に伝えることができる通信システムおよび操作方法伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の通信システムは、送信端末と、受信端末とからなる通信システムにおいて、前記送信端末は、操作手順を含んだ操作誘導ファイルを送信する送信端末側送信手段を備え、前記受信端末は、前記送信端末側送信手段により送信された操作誘導ファイルを受信する受信端末側受信手段と、前記受信端末側受信手段により受信された操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示する提示手段とを備えている。
【0007】
また、本発明の端末操作伝達方法は、送信端末と、受信端末とからなる通信システムの端末操作伝達方法において、前記送信端末は、操作手順を含んだ操作誘導ファイルを送信する送信端末側送信ステップを備え、前記受信端末は、前記送信端末側送信ステップにより送信された操作誘導ファイルを受信する受信端末側受信ステップと、前記受信端末側受信ステップにより受信された操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示する提示ステップとを備えている。
【0008】
この発明によれば、送信端末は、操作手順を含んだ操作誘導ファイルを送信し、受信端末は、操作誘導ファイルを受信し、そして操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示することができる。これにより、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。
【0009】
また、本発明の通信システムは、操作情報変換サーバをさらに備え、前記受信端末は、前記受信端末側受信手段により受信された操作誘導ファイルを前記操作情報変換サーバに送信する受信端末側送信手段をさらに備え、前記操作情報変換サーバは、前記受信端末から操作誘導ファイルを受信するサーバ側受信手段と、前記サーバ側受信手段により受信された操作誘導ファイルに示された操作手順により実現されるイベントを認識する解析手段と、前記解析手段により認識されたイベントを示すイベント情報を前記受信端末に返信する返信手段と、を備え、前記提示手段は、前記操作情報変換サーバから送信されたイベント情報に従った操作手順をユーザに提示することが好ましい。
【0010】
この発明によれば、受信端末は、受信された操作誘導ファイルを操作情報変換サーバに送信し、この操作情報変換サーバは、受信端末から操作誘導ファイルを受信すると、この操作誘導ファイルに示された操作手順により実現されるイベントを認識し、認識されたイベントを示すイベント情報を受信端末に返信することができる。受信端末では、操作情報変換サーバから送信されたイベント情報に従った操作手順をユーザに提示することができる。よって、異機種間における操作性の相違を操作情報変換サーバにより吸収し、受信端末にあったイベント情報を通知することができ、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。
【0011】
また、本発明の通信システムにおいて、前記受信端末は、イベント情報と操作手順とを対応付けて記憶する記憶手段をさらに備え、前記提示手段は、前記記憶手段から、前記操作情報変換サーバから返信されたイベント情報に対応する操作手順を抽出して、提示することが好ましい。
【0012】
この発明によれば、受信端末は、イベント情報と操作手順とを対応付けて記憶しておき、操作情報変換サーバから返信されたイベント情報に対応する操作手順を抽出して提示することで、異機種間における操作性に相違があっても、受信端末は適切な操作手順を取得し、ユーザに提示することができる。
【0013】
また、本発明の通信システムは、前記情報変換サーバにおいて、前記サーバ側受信手段は、前記受信端末の機種情報を受信し、前記解析手段は、認識したイベントが、前記機種情報に基づいて前記受信端末において操作可能なイベントであるか否かを判断し、前記返信手段は、前記受信端末において操作可能なイベントではないと判断すると、その旨を受信端末に送信することが好ましい。
【0014】
この発明によれば、情報変換サーバにおいて、送信端末で行われた操作手順情報に基づいてイベントを認識し、その認識したイベントが受信端末の機種情報に基づいて当該受信端末において操作可能なイベントであるか否かを判断する。そして、受信端末において操作可能なイベントではないと判断すると、その旨を受信端末に送信する。これにより、受信端末において操作可能なイベントではない場合、例えばテレビ機能が無いのに、テレビ操作を含んだ操作手順情報が送信側から送信された場合には、その旨を受信端末において知ることができる。よって、操作することができないイベントを受信端末に送ることなく、操作性のよいシステムを提供することができる。
【0015】
また、本発明の通信システムにおいて、前記受信端末は、当該受信端末が備えているデバイスの設定状態を記憶する設定情報記憶手段と、前記提示手段は、前記設定情報記憶手段に記憶されている設定状態に基づいて定められた操作手順方法で操作手順を提示することが好ましい。
【0016】
この発明によれば、受信端末が備えているデバイスの設定状態を記憶しておき、提示手段は、その設定状態に基づいて定められた操作手順で提示することができる。よって、例えば、マナーモードなど音が出ない場合には、スピーカを用いた操作誘導を行わないようにすることができ、使い勝手の良い装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。また、異機種間においてその操作性の違いを吸収して適切な操作誘導を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態の通信システム10のシステム構成図である。
【図2】送信端末100の機能を示すブロック図である。
【図3】受信端末300の機能を示すブロック図である。
【図4】操作情報変換サーバ400の機能を示すブロック図である。
【図5】データベース部402aが記憶する管理テーブルの説明図である。
【図6】受信端末300のボタン構成を示す説明図である。
【図7】操作手順情報記憶部305aが記憶する管理テーブルの説明図である。
【図8】通信システム10の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、本実施形態の通信システム10のシステム構成図である。図1に示すように通信システム10は、送信端末100、通信接続サーバ200、受信端末300、および操作情報変換サーバ400を含んで構成されている。
【0021】
送信端末100は、操作履歴に基づいて操作誘導ファイルを生成し、生成した操作誘導ファイルを電子メールに添付して、通信接続サーバ200を経由して受信端末300に送信する。
【0022】
受信端末300は、操作誘導ファイルが添付ファイルとして添付された電子メールを受信し、ユーザ操作にしたがってその操作誘導ファイルを展開すると、操作情報変換サーバ400に、展開して操作誘導ファイルを送信する。なお、操作情報変換サーバ400のアドレス等は、受信端末300に予め設定されていてもよいし、操作誘導ファイルに記述されてもよい。
【0023】
そして、操作情報変換サーバ400は、操作誘導ファイルを解析し、送信端末100において実行した機能(イベント)を示すイベント情報を取得し、当該取得したイベント情報を受信端末300に返信する。受信端末300は、返信されたイベント情報にしたがってイベント発生手順を表示する。
【0024】
このようにして、本実施形態の通信システム10は、他の端末において操作手順を提示させることができる。特に、操作情報変換サーバ400が存在していることで、異機種間においてもその操作手順の違いを変換することができる。以下、送信端末100、受信端末300、および操作情報変換サーバ400について詳細に説明する。
【0025】
図2は、送信端末100の機能を示すブロック図である。図2に示すように、送信端末100は、端末操作入力部101、データベース部102、およびメーラ103を含んで構成されている。なお、この送信端末100は、CPU、RAM、ROM、通信モジュール等を備えており、RAM、ROM等において記憶されている操作プログラム、通信プログラム等をCPUが実行することにより、後述するとおりの機能を実行することができる。
【0026】
端末操作入力部101は、メール作成、アプリケーション操作、音楽を聴く、テレビを視聴、位置情報測位、WEBブラウジング(サイト閲覧、BOOKマーク登録)のための操作入力を受け付ける部分である。この端末操作入力部101は、テンキー、ファンクションキーなどのハードウエアボタン、またはこのハードウエアボタンからメニュー画面を介して各種機能の実行を受け付けることができる。
【0027】
データベース部102は、操作手順情報を記憶する操作履歴記憶部102aおよび対応端末機種記憶部102bを含んでいる。
【0028】
操作履歴記憶部102aは、端末操作入力部101において受け付けられた各種機能を実行するための操作手順を操作手順情報として記憶する部分である。例えば、操作履歴記憶部102aは、操作手順情報として、各ハードウエアキーが押下された手順を、記号等をもって記憶する。さらに、操作履歴記憶部102aは、付加情報としてWEBブラウジングした際に得られたキャッシュ情報(Webページ)をあわせて記憶する。この場合、操作手順と対応付けてキャッシュ情報を記憶することが好ましい。これにより、キャッシュ情報を利用してページ遷移で誘導することが可能となる。
【0029】
対応端末機種記憶部102bは、送信端末100の対応端末機種を記憶する部分である。機種によっては操作手順が異なったり、また受信端末300において、送信端末100と同じ機能がなかったりする場合があるため、操作情報変換サーバ400または通信接続サーバ200において対応端末機種を判断させることで、誤った操作を行わせたりすることがないようにする。
【0030】
メーラ103は、電子メールを作成し、そして送信するためのアプリケーションおよびそのための通信制御部分である。ユーザがメーラ103を操作することにより、メーラ103は、操作履歴記憶部102aに記憶されている操作手順情報、付加情報、および対応端末機種記憶部102bに記憶されている対応端末機種を取り出し、操作手順情報、付加情報および対応端末機種を含んだ操作誘導ファイルを生成する。そして、生成した操作誘導ファイルを電子メールに添付して、通信接続サーバ200を介して受信端末300に送信する。
【0031】
このような構成により送信端末100は、操作誘導ファイルを受信端末300に送信することができる。
【0032】
つぎに、受信端末300について説明する。図3は、受信端末300の機能を示すブロック図である。受信端末300は、メール受信部301、添付ファイル抽出部302、制御部303、設定部304、データベース部305、スピーカ部306、表示部307、およびボタン部308を含んで構成されている。この受信端末300は、CPU、RAM、ROM、および通信モジュール等から構成されており、ROMに記憶されているプログラムにしたがって以下の機能を実行することができる。
【0033】
メール受信部301は、送信端末100から送信された電子メールを受信する部分である。
【0034】
添付ファイル抽出部302は、メール受信部301で受信された電子メールに添付されている添付ファイルを抽出する部分である。本実施形態では、操作誘導ファイルが電子メールに添付されているため、ユーザ操作にしたがって、当該操作誘導ファイルを抽出し、展開する。
【0035】
制御部303は、添付ファイル抽出部302により抽出された操作誘導ファイルを操作情報変換サーバ400に送信する部分である。操作情報変換サーバ400のアドレスは、操作誘導ファイルに記述されたアドレスを解析してもよいし、また操作誘導ファイルであることを判断した場合に、予め設定されたアドレスに送信するようにしてもよい。
【0036】
また、制御部303は、操作情報変換サーバ400から操作誘導ファイルの解析結果として送信されたイベント情報および付加情報を受信する部分である。制御部303は、操作情報変換サーバ400から、受信端末用操作誘導ファイルとして、イベント情報および付加情報を受信すると、設定部304において設定されている設定情報を確認する。例えば、設定情報は、装置がどのような設定がなされているのかが示されており、音が出ないスピーカオフモード(いわゆるマナーモード)に設定されているのか、ディスプレイがオフモードに設定されているのかなどを示している。
【0037】
制御部303は、設定部304で設定されている各種デバイス・機能の設定情報に対応する操作手順情報をデータベース部305における操作手順情報記憶部305aから取得し、取得した操作手順情報にしたがってスピーカ部306、表示部307またはボタン部308を制御して、操作手順をユーザに提示する。例えば、スピーカオフモードに設定されているのであれば、設定情報で設定されている、例えばスピーカから操作手順をユーザに提示することなく、ディスプレイのみで提示するなどの制御を行う。
【0038】
設定部304は、誘導デバイスの設定状態を記憶する部分である。例えば、スピーカの音量がオフ(マナーモード)に設定されているとか、ディスプレイがオフ状態に設定されているとか、操作手順を誘導するためのデバイスの設定情報を記憶する。制御部303は、設定部304にて設定されている設定情報(状態)に基づいて、データベース部305からその設定情報に対応する誘導方法および操作手順情報を取得し、そしてその誘導方法に従った操作手順制御を実行することができる。
【0039】
データベース部305は、各種イベントを発生させる操作手順を記述する操作手順情報記憶部305a、およびボタン部308の操作順を記憶する操作記憶部305bを備えている。
【0040】
操作手順情報記憶部305aは、メール作成、テレビ視聴等の各種イベントを示すイベント情報と設定情報と誘導方法と当該イベントを発生させるためのイベント発生操作手順とを対応付けて記憶する部分である。ここで誘導方法とは、ユーザに対してどのようなデバイスを用いて操作誘導をさせるかを示す情報であり、例えば設定情報がスピーカオフモード(マナーモード)であった場合、誘導方法としてディスプレイで手順を表示することが対応付けられている。
【0041】
具体的には、操作手順情報記憶部305aは図7に示される管理テーブルを記憶する。図7に示すとおり、この管理テーブルには、イベント情報、設定情報、誘導方法および操作手順が対応付けて記憶されている。制御部303は、この管理テーブルを参照することにより、設定情報に対応するいずれの操作手順を実行するか判断し、当該操作手順に基づいて各デバイスを制御することができる。例えば、制御部303は、スピーカオフ、ディスプレイオフ、またはボタンライトオフ(テンキー等のバックライトがオフの状態)などの設定情報に応じて、どのような誘導方法を採用するか決定し、制御することができる。
【0042】
操作記憶部305bは、ボタン部308により押下されたボタンの操作履歴を記憶する部分である。操作誘導にしたがって押下された場合も記憶することができ、操作記憶部305bに記憶された操作履歴は繰り返し、表示部307、ボタン部308等で表現することができる。
【0043】
スピーカ部306は、音を出力する部分であり、通話や、音楽再生に用いられるほか、操作誘導のための音声メッセージを出力することができる。例えば、この音声メッセージは、イベントを実行するための操作手順どおりの操作が行われるまで、繰り返しメッセージは出力される。
【0044】
表示部307は、電話番号の入力、電子メールの作成、WEB閲覧、テレビ視聴などの各種情報を表示する部分であり、さらに、操作誘導のための誘導メッセージを表示することができる。また、表示部307がタッチパネルの機能を有していた場合には、タッチパネル上に表示されているボタンに対する押下を促すよう、各ボタンは点灯または点滅させるように構成されてもよい。
【0045】
ボタン部308は、端末操作を受け付ける部分であり、各ボタンは個別に点灯または点滅可能に構成されている。送信端末100から指示されたイベント情報を実行するために各ボタンはユーザにより押下(または操作)されるまで点灯または点滅し続けるように構成されている。
【0046】
つぎに、操作情報変換サーバ400について説明する。図4は、操作情報変換サーバ400の機能を示すブロック図である。この操作情報変換サーバ400は、通信制御部401、操作情報解析部402、およびファイル生成部403を含んで構成されている。この操作情報変換サーバ400は、CPU、RAM、ROM、通信モジュール等から構成されているものであって、ROMに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより以下の各機能を実行することができる。
【0047】
通信制御部401は、受信端末300から、当該受信端末300を一意に識別させる識別情報であるUA(User Agent)情報および操作誘導ファイルを受信する部分である。受信したUA情報および操作誘導ファイルを、操作情報解析部402に出力し、イベント情報および付加情報を含んだ受信端末用操作誘導ファイルを生成させる。
【0048】
また、通信制御部401は、操作情報解析部402にて生成されたイベント情報および付加情報を、ファイル生成部403から受け取り、これをUA情報により特定された受信端末300に送信する。
【0049】
操作情報解析部402は、通信制御部401により受信された操作誘導ファイルを解析する部分である。具体的には、操作情報解析部402は、データベース部402aおよび変換部402bを備えており、変換部402bはデータベース部402aに記憶されている情報にしたがって、操作誘導ファイルを受信端末300にて実行可能な形式であるイベント情報およびその付加情報を含んだ受信端末用操作誘導ファイルの形式に変換する。
【0050】
データベース部402aは、操作誘導ファイルに記述されている操作手順から送信端末100において実行されたイベントを導出するための管理テーブルを記憶する。具体的には、データベース部402aは、図5に示される管理テーブルを記憶する。図5に示すとおり、この管理テーブルには、対応端末機種、操作部情報、イベント、およびイベント発生操作手順が対応付けて記憶されている。対応端末機種は、機種を示す情報である。操作部情報は、ハードウエアキーか、ソフトウエアキーか、いずれを用いて操作させるかを示す情報である。イベント発生操作手順は、ボタン操作手順を示す情報である。例えば、図6に示すボタン構成を受信端末300が有している場合を想定している。図6では、記号A〜Lおよび数字0〜9が各ボタンに割り当てられている。また、十字ボタン308aには、その操作方向(押下方向)に応じて上下左右および中(中心)が割り当てられている。図5におけるイベント発生操作手順では、図6に示されている記号をもってその手順が表されている。
【0051】
変換部402bは、通信制御部401において受信された操作誘導ファイルに記述されている操作手順を、どのようなイベントを発生させるためのものかを示すイベント情報に変換する部分である。この変換部402bは、データベース部402aに記憶されている管理テーブルにしたがって変換処理を実行することができる。例えば、変換部402bは、操作誘導ファイルにおいて、送信端末100の対応端末機種“N−01A”、操作手順“下→中→E”が記述されていた場合には、データベース部402aの管理テーブルを参照して、対応するイベント“通話”を導出し、これをイベント情報とする。
【0052】
ファイル生成部403は、操作情報解析部402により解析され、変換されて得られたイベント情報(付加情報を含む場合あり)を含んだ受信端末用操作誘導ファイルを生成する部分である。ファイル生成部403が生成した受信端末用操作誘導ファイルは通信制御部401により受信端末300に送信される。さらに、このファイル生成部403は、受信端末300から送信されたUA情報から、操作情報解析部402において導出したイベントが実行可能であるか否かを判断する。このファイル生成部403は、UA情報と実行可能な機能とを対応付けて記憶する機能管理テーブル403aとアクセス可能に構成されており、この機能管理テーブル403aに基づいて受信端末300における各種イベントの実行の可否を判断することができる。なお、機能管理テーブル403aにかえて、データベース部402aにUA情報をさらに対応付けて記憶させるようにしてもよい。
【0053】
このように操作情報変換サーバ400は、送信端末100において実行したイベントを把握することができ、それを受信端末300に通知することができる。
【0054】
つぎに、このように構成された通信システム10の処理について説明する。図8は、通信システム10の処理を示すシーケンス図である。
【0055】
送信端末100(メーラ103)から受信端末300あてに、操作誘導ファイルが添付された電子メールが送信される(S101)。通信接続サーバ200において、その電子メールが一旦受信される。そして、受信端末300が操作誘導ファイルを処理可能なものであるかが、通信接続サーバ200にて判断される(S102)。ここで処理不可であると判断されると(S102:No)、電子メールから添付ファイルが削除され、そのまま電子メールが受信端末300に送信される(図示せず)とともに、送信端末100に処理不可の旨の通知(例えば電子メールによる通知)がなされる(S103)。
【0056】
なお、通信接続サーバ200においては、操作誘導ファイルは所定のフォーマットで形成されており、これを識別することにより操作誘導のための電子メールであるか否かを判断し、上述の判断処理を実行することができる。また、操作誘導ファイルを識別することに代えて、電子メールの本文自体に、操作誘導のための電子メールである旨を記述することにより、それを判断するようにしても良い。また、受信端末300が操作誘導ファイルに対する処理が可能な端末化否かの判断は、例えばHLR(Home Location Register)などで管理されている端末機種情報などに基づいて実行される。
【0057】
また、S102において、受信端末300において処理可能であると判断されると、そのまま操作誘導ファイルが添付された電子メールが受信端末300に送信される(S104)。受信端末300では、操作誘導ファイルが添付された電子メールがメール受信部301により受信される。そして、ユーザの操作(ボタン部308を操作)により、操作誘導ファイルが選択されると、添付ファイル抽出部302により操作誘導ファイルが抽出され、制御部303によりUA情報とともに操作誘導ファイル(付加情報を含む場合があり)が操作情報変換サーバ400に送信される(S106)。
【0058】
操作情報変換サーバ400では、変換部402bがデータベース部402aに記憶されている管理テーブルを参照することにより、操作誘導ファイルに記述されている送信端末100の対応端末機種および操作手順に対応するイベント情報が導出される(S107)。そして、ファイル生成部403により、当該イベント情報が受信端末300で操作可能であるか否かが判断される(S108)。例えば、イベント情報がテレビ視聴を示しているが、受信端末300においてテレビ機能がない場合には、視聴することができない。よって、この場合にはイベント情報を受信端末300に送信することなく、操作不可である旨が通知される(S108:No)。この通知を受けた受信端末300では、実行できない旨がユーザに提示される(S109)。
【0059】
なお、操作情報変換サーバ400には、端末機種が保有する機能が記憶されている。例えば、対応端末機種と機能情報(イベント情報)とが対応付けた機能管理テーブルが記憶されており、この機能管理テーブルを参照することにより、どの機種で、どのような機能を実行するかを判断することができる。
【0060】
また、S108において、ファイル生成部403により、上述イベントが操作可能であると判断されると、当該ファイル生成部403においてイベント情報を含んだ受信端末用操作誘導ファイルが生成され、そして受信端末300に送信される(S110)。
【0061】
受信端末300では、受信端末用操作誘導ファイル(イベント情報を含む)が制御部303により受信されると、制御部303により設定情報の確認処理が、設定部304に対して行われる(S111)。そして、制御部303により、操作手順情報報憶部305aから設定情報に応じた端末操作手順が取得され(S112)、そして実行される(S113)。ユーザは操作手順にしたがって操作を実行すると、その実行した操作が操作記憶部305bに記憶される(S114)。
【0062】
つぎに本実施形態の通信システム10の作用効果について説明する。本実施形態の通信システム10においては、送信端末100のメーラ103は、操作手順を含んだ操作誘導ファイルを電子メールで送信し、受信端末300においては、メール受信部301が操作誘導ファイルを受信する。そして、受信端末300の表示部307等が、操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示することができる。これにより、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。なお、表示部307がユーザに操作手順を提示する代わりに、スピーカ部306またはボタン部308などを用いても良い。
【0063】
さらに詳しく説明すると、本実施形態の通信システム10において、受信端末300の制御部303は、受信された操作誘導ファイルを操作情報変換サーバ400に送信する。そして、この操作情報変換サーバ400の通信制御部401が受信端末300から操作誘導ファイルを受信すると、操作情報解析部402はこの操作誘導ファイルに示された操作手順により実現されるイベントを、データベース部402aに記憶されている情報に基づいて認識する。そして、ファイル生成部403は、そのイベント情報を含んだ受信端末用操作誘導ファイルを生成し、通信制御部401が生成した受信端末用操作誘導ファイル(イベント情報を含む)を受信端末300に返信することができる。受信端末300では、表示部307等が、操作情報変換サーバ400から送信された受信端末用操作誘導ファイル(イベント情報)に従った操作手順をユーザに提示することができる。よって、異機種間における操作性の相違を操作情報変換サーバ400により吸収し、受信端末300にあったイベント情報を通知することができ、遠隔にいるユーザに対して操作誘導を確実に行うことができる。
【0064】
また、本実施形態の通信システム10は、受信端末300は、データベース部305(操作手順情報記憶部305a)にイベント情報と操作手順とを対応付けて記憶しておき、制御部303は操作情報変換サーバ400から返信されたイベント情報に対応する操作手順を抽出して、当該操作手順を、表示部307等をもって提示することで、異機種間における操作性に相違があっても、受信端末は適切な操作手順を取得し、ユーザに提示することができる。
【0065】
また、本実施形態の通信システム10は、操作情報変換サーバ400において、操作情報解析部402は、送信端末100で行われた操作手順情報に基づいてイベントを認識し、ファイル生成部403は、その認識したイベントが受信端末の機種情報に基づいて当該受信端末において操作可能なイベントであるか否かを判断する。ここでは機能管理テーブル403aに記憶されている情報から当該イベントが操作可能であるかが判断される。そして、操作情報変換サーバ400におけるファイル生成部403が受信端末300において操作可能なイベントではないと判断すると、通信制御部401はその旨を受信端末300に送信する。これにより、受信端末300において操作可能なイベントではない場合、例えばテレビ機能が無いのに、テレビ操作を含んだ操作手順情報が送信側から送信された場合には、その旨を受信端末において知ることができる。よって、操作することができないイベントを受信端末に送ることなく、操作性のよいシステムを提供することができる。
【0066】
また、本実施形態の通信システム10は、受信端末300が備えている機能またはデバイス(例えば、スピーカ部306、表示部307、ボタン部308など)の設定状態(オン状態・オフ状態)を設定部304が記憶しておき、制御部303は、その設定状態に基づいて定められた操作手順方法で操作手順を提示することができる。よって、例えば、マナーモードなど音が出ない場合には、スピーカを用いた操作誘導を行わないようにすることができ、使い勝手の良い装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0067】
10…通信システム、300…受信端末、100…送信端末、100…通信システム、100…送信端末、101…端末操作入力部、102…データベース部、102a…操作履歴記憶部、102b…対応端末機種記憶部、103…メーラ、200…通信接続サーバ、300…受信端末、301…メール受信部、302…添付ファイル抽出部、303…制御部、304…設定部、305…データベース部、305a…操作手順情報記憶部、305b…操作記憶部、306…スピーカ部、307…表示部、308…ボタン部、308a…十字ボタン、400…操作情報変換サーバ、401…通信制御部、402…操作情報解析部、402…データベース部、402…操作情報解析部、402a…データベース部、402b…変換部、403…ファイル生成部、403a…機能管理テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信端末と、受信端末とからなる通信システムにおいて、
前記送信端末は、
操作手順を含んだ操作誘導ファイルを送信する送信端末側送信手段を備え、
前記受信端末は、
前記送信端末側送信手段により送信された操作誘導ファイルを受信する受信端末側受信手段と、
前記受信端末側受信手段により受信された操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示する提示手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
操作情報変換サーバをさらに備え、
前記受信端末は、
前記受信端末側受信手段により受信された操作誘導ファイルを前記操作情報変換サーバに送信する受信端末側送信手段をさらに備え、
前記操作情報変換サーバは、
前記受信端末から操作誘導ファイルを受信するサーバ側受信手段と、
前記サーバ側受信手段により受信された操作誘導ファイルに示された操作手順により実現されるイベントを認識する解析手段と、
前記解析手段により認識されたイベントを示すイベント情報を前記受信端末に返信する返信手段と、を備え、
前記提示手段は、前記操作情報変換サーバから送信されたイベント情報に従った操作手順をユーザに提示することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記受信端末は、
イベント情報と操作手順とを対応付けて記憶する記憶手段をさらに備え、
前記提示手段は、前記記憶手段から、前記操作情報変換サーバから返信されたイベント情報に対応する操作手順を抽出して、提示することを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記情報変換サーバにおいて、
前記サーバ側受信手段は、前記受信端末の機種情報を受信し、
前記解析手段は、認識したイベントが、前記機種情報に基づいて前記受信端末において操作可能なイベントであるか否かを判断し、
前記返信手段は、前記受信端末において操作可能なイベントではないと判断すると、その旨を受信端末に送信することを特徴とする請求項2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記受信端末は、
当該受信端末における設定状態を記憶する設定情報記憶手段と、
前記提示手段は、前記設定情報記憶手段に記憶されている設定状態に基づいて定められた操作手順方法で操作手順を提示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
送信端末と、受信端末とからなる通信システムの端末操作伝達方法において、
前記送信端末は、
操作手順を含んだ操作誘導ファイルを送信する送信端末側送信ステップを備え、
前記受信端末は、
前記送信端末側送信ステップにより送信された操作誘導ファイルを受信する受信端末側受信ステップと、
前記受信端末側受信ステップにより受信された操作誘導ファイルに従った操作手順をユーザに提示する提示ステップと
を備えることを特徴とする端末操作伝達方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−239367(P2010−239367A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84764(P2009−84764)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】