説明

通信システム及び通信方法

【課題】例えば試験に適用した場合に、不正行為を防止することが可能な通信システム及び通信方法を提供する。
【解決手段】試験の管理に用いる中央装置1と、人体の頭部に装着され、装着時に装着者の眼前に画像を表示するHMD等の端末装置2とを用い、中央装置1から端末装置2へ設問を示す設問情報を送信し、端末装置2は、受信した設問情報に基づく設問の画像を装着者の眼前に表示する。そして装着者は、表示された設問に対して回答する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信可能な中央装置及び端末装置を用いた通信システム及び通信方法に関し、特に設問に対して回答する試験に用いられる通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野に電子情報技術が用いられている。資格試験、検定試験、入学試験等の各種試験の実施に関する分野も例外ではなく、コンピュータを用いた試験(CBT:Computer Based Test)に関するシステムが提案されている。例えば主催者が管理する管理用サーバコンピュータから、試験会場に配設された会場用コンピュータへ、試験問題に係る試験問題情報を送信し、会場用コンピュータは、受信した試験問題情報に基づき試験問題を用紙に印刷するというCBTに関するシステムが提案されている。
【0003】
一般的に試験を実施する場合、特定の試験会場に受験者を収集し、試験監督員を配備することにより、替え玉受験、カンニング、試験終了後の回答の改竄等の不正行為の発生を防止している。CBTに関するシステムにおいても、受験者をカメラで監視し、また受験者用の端末に表示された画面を監視することにより、不正行為の発生を防止するシステムが提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2003−91231号公報
【特許文献2】特開2003−66826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらカメラ等の監視のための設備を配設する場合、設備費用が高騰するという問題がある。また試験用の設備が設置された試験会場にて試験を実施する必要が生じるため、受験者にとっては居住地と試験会場との地理的関係に基づく不公平が生じ易いという問題がある。但し、受験者の自宅に大掛かりな監視のための設備を設置することは望ましくない。さらにカメラ又は画面による監視に際し、試験監督員の負担が生じるという問題があり、また受験者にとっては心理的圧迫感が生じるという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、受験者の頭部に装着可能に構成され、装着時に装着者の眼前に画像を表示するHMD(Head Mount Display)等の端末装置を用い、中央装置から端末装置へ送信された設問情報に基づく設問を端末装置に表示することにより、設備費用の高騰を防止し、受験者は自宅にて受験することが可能で、試験監督員を必要としないため、受験者に対する心理的圧迫感を軽減する通信システム及び通信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る通信システムは、通信可能な中央装置及び端末装置を備える通信システムにおいて、前記中央装置は、設問を示す設問情報を前記端末装置へ送信する手段を備え、該端末装置は、人体の頭部に装着可能に構成してあり、装着時に装着者の眼前に画像を表示する表示部と、前記中央装置から受信した設問情報に基づく設問を前記表示部に表示させる表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、頭部に装着される端末装置に設問が表示されるので、装着者のみが設問を視認することが可能で、また装着者が端末装置に表示される情報以外の情報を視認することを防止する。従って不正行為の発生を防止することが可能である。また不正防止のためにカメラ等の設備を試験会場に設置する必要がない。さらに不正防止のための試験監督員の配備が不要であるため、装着者である受験者に対する心理的圧迫感を軽減する。
【0008】
第2発明に係る通信システムは、第1発明において、前記設問情報は、設問の表示開始時刻を示す開始時刻情報が付加されてあり、前記表示処理手段は、前記設問情報に付加された開始時刻情報が示す表示開始時刻に到達後、設問を表示させる様にしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明では、開始時刻に到達後、設問を表示するので、時間前に設問を覗き見るという不正行為を防止することが可能である。また試験時期に基づく各受験者の時間的不公平の発生を排除することが可能である。
【0010】
第3発明に係る通信システムは、第1発明又は第2発明において、前記端末装置は、装着後の着脱状態を検出する着脱検出手段を更に備え、前記表示手段は、前記着脱検出手段にて装着されていないと検出した場合に、以後の設問の表示を禁止する様にしてあることを特徴とする。
【0011】
本発明では、端末装置を頭部から外して外部からの情報を得ることによる不正を防止することが可能である。
【0012】
第4発明に係る通信システムは、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記設問情報は、複数表示面分の設問の画像を含み、前記端末装置は、装着者の頭部又は眼球の動きを検出する動作検出手段を更に備え、該動作検出手段が、所定の動きを検出した場合に、前記表示処理手段は、表示している設問の画像と異なる設問の画像を表示する様にしてあることを特徴とする。
【0013】
本発明では、頭部又は眼球を動かすことにより、他の設問を表示させることが可能である。
【0014】
第5発明に係る通信システムは、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、設問に対する回答を受け付ける回答装置を更に備え、該回答装置は、受け付けた回答を示す回答情報を生成する回答情報生成手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明では、回答に際してのシステム化を実現する。
【0016】
第6発明に係る通信システムは、第5発明において、前記回答装置は、入力を受け付ける入力面を有するシート状をなしてあり、前記入力面に対する所定の入力具の接触位置を検出する接触位置検出手段を更に備え、前記回答情報生成手段は、前記接触位置検出手段が検出した接触位置及び/又は該接触位置の軌跡に基づいて回答情報を生成する様にしてあることを特徴とする。
【0017】
本発明では、電子ペーパー等のシート状の回答装置を用いることにより、受験者である装着者は、回答装置の入力面上に指又は電子ペン等の入力具を用いて回答することが可能である。
【0018】
第7発明に係る通信システムは、第5発明において、前記回答装置は、棒状をなす入力具であり、自らの一端の動きを検出する端部動作検出手段を更に備え、前記回答情報生成手段は、前記端部検出手段が検出した一端の軌跡に基づいて回答情報を生成する様にしてあることを特徴とする。
【0019】
本発明では、電子ペン等の棒状の入力具を回答装置とすることにより、受験者である装着者は、入力具を用いて回答することが可能である。
【0020】
第8発明に係る通信システムは、第5発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記回答装置は、前記端末装置の装着者を認証する認証手段を更に備え、前記回答情報生成手段は、前記認証手段が認証に成功した場合に限り、回答情報を生成する様に構成してあることを特徴とする。
【0021】
本発明では、回答装置にて認証を行うことにより、装着者である受験者以外の者による回答を防止することが可能である。
【0022】
第9発明に係る通信システムは、第5発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記回答装置は、前記回答情報生成手段が生成した回答情報を前記端末装置へ送信する手段を更に備え、前記端末装置は、受信した回答情報に基づく回答を前記表示部に表示させる手段を更に備えることを特徴とする。
【0023】
本発明では、入力した回答が端末装置に表示されるため、装着者は回答した内容を視認することが可能である。
【0024】
第10発明に係る通信システムは、第9発明において、前記設問情報は、設問の表示を終了する時刻又は回答情報の受信を終了する時刻を示す終了時刻情報が付加されてあり、前記端末装置は、前記設問情報に付加された終了時刻情報が示す終了の時刻に到達後、解答の受付を禁止して回答情報を前記中央装置へ送信する手段を更に備え、該中央装置は、受信した回答情報を、装着者を識別する識別情報に対応付けて記録する手段を更に備えることを特徴とする。
【0025】
本発明では、終了時刻に到達後、回答の受付を禁止して回答情報を中央装置へ送信することにより、時間終了後も回答を続けるという不正行為を防止することが可能である。また試験時期に基づく受験者の時間的不公平の発生を排除することが可能である。さらに回答を記した書類の回収等の作業に係る作業量を削減することが可能である。
【0026】
第11発明に係る通信方法は、通信可能な中央装置及び端末装置を用いた通信方法において、前記中央装置は、設問を示す設問情報を前記端末装置へ送信し、該端末装置は、人体の頭部に装着され、前記中央装置から受信した設問情報に基づく設問の画像を装着者の眼前に表示することを特徴とする。
【0027】
本発明では、頭部に装着される端末装置に設問が表示されるので、装着者のみが設問を視認することが可能で、また装着者は端末装置に表示される情報以外の情報を視認することができない。従って不正行為の発生を防止することが可能である。また不正防止のためにカメラ等の設備を試験会場に設置する必要がない。さらに不正防止のための試験監督員の配備が不要であり、装着者である受験者に対する心理的圧迫感を軽減する。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る通信システム及び通信方法は、人体の頭部に装着可能で、装着時に装着者の眼前に画像を表示する表示部を備える端末装置を用い、中央装置から受信した設問情報に基づく設問を端末装置の表示部に表示する。
【0029】
この構成により、本発明では、例えばCBTに関するシステムに適用した場合に、装着者のみが設問を視認することが可能である。また装着者が端末装置に表示される情報以外の情報を視認することを防止する様な形状にしても良い。従って不正行為の発生を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。また不正防止のためにカメラ等の設備を試験会場に設置する必要がないので設備費用の増大を防止することが可能であり、また受験者が自宅で受験することを可能として地理的な不公平を是正することが可能である等、優れた効果を奏する。さらに不正防止のための試験監督員の配備が不要であるため試験監督員に要する費用を軽減することが可能であり、また試験監督員の監視による受験者に対する心理的圧迫感を軽減することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0030】
また本発明は、開始時刻に到達後、設問を表示し、終了時刻に到達後、設問に対する回答を示す回答情報を端末装置から中央装置へ送信することにより、例えばCBTに関するシステムに適用した場合に、試験開始前の設問の不正閲覧、試験終了後の回答の改竄等の不正行為の発生を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。また受験者が同時に受験することを可能として試験実施時刻による不公平を是正することが可能である等、優れた効果を奏する。なお本発明は、同時に試験を開始することを必須要件とするものではなく、受験者又は主催者の都合に応じた時刻に開始する様にし、試験時間が一定になる様に設定することも可能であり、この場合、試験実施に関する自由度を高めることも可能である等、優れた効果を奏する。
【0031】
さらに本発明は、装着されている筈の端末装置が装着されていないことを検出した場合に、以後の設問の表示を禁止することにより、端末装置を頭部から外して外部からの情報を得ることによる不正を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0032】
さらに本発明は、頭部又は眼球についての所定の動きを検出した場合に、異なる設問の画像を表示することにより、複数頁の試験問題を記載した冊子の頁をめくる作業を擬似的に表現することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0033】
さらに本発明は、入力面を有するシート状をなし、前記入力面に対する所定の入力具の接触位置を検出して回答の入力を受け付ける電子ペーパー、棒状をなし、自らの一端の動きを検出して回答の入力を受け付ける電子ペン等の回答装置を用いることが可能である。しかも回答装置に認証手段を設けることにより受験者以外の者が回答する不正行為を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の通信システムの構成例を示す概念図である。図1を用いて説明する本発明の通信システムは、資格試験、検定試験、入学試験、昇進試験等の各種試験の実施に適用する例を示している。図1中1は、サーバコンピュータを用いた中央装置であり、中央装置1は、例えば試験の主催者により試験管理サーバとして管理されている。中央装置1には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network )、VPN(Virtual Private Network )、WLAN(Wireless LAN)、インターネット等の通信網100を介して、受験者が使用する端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4が接続されている。なお通信網100は、様々な装置を備え、各装置は有線通信又は無線通信にて相互に通信することが可能である。なお以降の説明において端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4は、通信網100が備えるアクセスポイントとして機能する無線通信装置と無線通信にて接続されているものとする。
【0035】
端末装置2は、受験者の頭部に装着可能に構成され、装着時に装着者である受験者の眼前に画像を表示するHMD(Head Mount Display)等の装置である。第1回答装置3は、シート状をなす電子ペーパー等の装置である。第2回答装置4は、棒状の入力具である電子ペン等の装置である。なお端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4は、全ての装置が必ずしも夫々通信網100を介して通信する必要はなく、第1回答装置3及び第2回答装置4を、USB、IEEE1394等の通信規格に基づく有線通信にて接続し、端末装置2及び第1回答装置3をBluetooth(登録商標)等の近距離用無線通信にて接続する等、全ての装置が何らかの経路で情報をやりとりすることができれば適宜通信形態を設計することが可能である。
【0036】
次に本発明の通信システムにて用いられる各種装置の構成について説明する。図2は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1の構成例を示すブロック図である。中央装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御部10と、本発明の中央装置用のコンピュータプログラム及び各種データ等の情報を記録するハードディスク等の記録部11と、RAM等の記憶部12と、通信網100に接続する通信ポート等の通信部13と、時計、タイマとして機能する計時部14とを備えている。そして中央装置1は、記録部11に記録しているコンピュータプログラムを記憶部12に記憶させ、制御部10の制御にて実行することにより、本発明の装置としての各種処理を実行する。
【0037】
さらに中央装置1は、各種情報の入力を受け付ける入力部15及び各種情報を出力する出力部16を備えている。入力部15とは、キーボード、マウス等の一般的な入力デバイスの他、生体認証に用いる指の指紋、静脈、眼球の虹彩、網膜等の情報を採取する装置も含まれる。出力部16は、モニタ、プリンタ等の装置である。なお中央装置1に接続する他の入出力用の装置を中央装置1の入力部15及び出力部16として用いても良い。
【0038】
中央装置1が備える記録部11の記録領域の一部は、受験者に関する情報を記録する受験者データベース(受験者DB)11a、試験の種別に関する情報を記録する試験種別データベース(試験種別DB)11b、試験問題(設問)に関する情報を記録する試験問題データベース(試験問題DB)11c、試験問題の解答(設問に対する回答)に関する情報を記録する解答データベース(解答DB)11d等の各種データベースとして用いられている。なお記録部11の記録領域の一部を各種データベースとして用いるのではなく、中央装置1に接続するデータベース用のコンピュータに各種データベースを記録する様にしても良い。
【0039】
図3は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1が備える受験者データベース11aの記録内容を概念的に示す説明図である。受験者データベース11aには、受験番号、試験日付、試験種別、氏名、認証情報、端末装置ID、第1回答装置ID、第2回答装置ID等の受験者に関する各種情報が夫々対応付けられたレコードとして記録されている。受験番号とは、受験者を識別する識別情報である。試験日付とは、試験が実施される日付を示す情報である。試験種別とは、漢字検定試験、1級、2級等の試験の種別を示す種別情報である。氏名とは、受験者の氏名である。認証情報とは、受験者の認証に用いる記憶情報、生体情報等の情報である。記憶情報とは、例えば受験者であることを証明するために記憶するパスワード等の情報である。生体情報とは、生体認証に用いる指の指紋、静脈、眼球の虹彩、網膜等の情報である。端末装置IDとは、受験者に使用させるべく受験者に貸与される端末装置2を識別する情報である。第1回答装置IDとは、受験者に使用させるべく受験者に貸与される第1回答装置3を識別する情報である。第2回答装置IDとは、受験者に使用させるべく受験者に貸与される第2回答装置4を識別する情報である。この様に受験者に関する情報が受験者毎に記録される。
【0040】
図4は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1が備える試験種別データベース11bの記録内容を概念的に示す説明図である。試験種別データベース11bには、試験種別、試験日付、開始時刻、終了時刻等の試験に関する各種情報が夫々対応付けられたレコードとして記録されている。開始時刻とは、試験が開始される時刻であり、終了時刻とは、試験が終了する時刻である。この様に試験種別データベース11bには、試験の実施に関する情報が試験の種別毎に記録される。
【0041】
図5は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1が備える試験問題データベース11cの記録内容を概念的に示す説明図である。試験問題データベース11cには、試験種別、試験日付、問題内容等の試験問題に関する各種情報が夫々対応付けられたレコードとして記録されている。問題内容としては、複数画面分の試験問題を一画面ずつ表示可能な形式の問題情報(設問情報)が記録されている。ここでいう画面とは、HMDである端末装置2の画面であり、従来の紙媒体を用いて行われる試験冊子の頁に相当する。なお問題情報としては、画面毎の画像データであっても良く、問題番号及び問題内容を示す情報と書式を示す情報との組合せであっても良い。例えばHTML等のページ記述言語で記述された書式を示すデータ及び画像データの組合せとして実現する様にしても良い。この様に試験問題データベース11cには、試験種別及び試験日付毎に試験の問題に関する情報が記録される。
【0042】
図6は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1が備える解答データベース11dの記録内容を概念的に示す説明図である。解答データベース11dには、受験番号、試験日付、試験種別、問題番号、解答等の解答に関する各種情報が夫々対応付けられたレコードとして記録されている。解答データベース11dに記録される解答とは、問題に対し受験者が解答した内容を示す情報であり、受験者が入力した内容に基づく画像データ、受験者が入力した入力内容の軌跡を画像処理等の方法により認識した文字データ等のデータとして記録される。この様に解答データベース11dには、受験番号にて識別される受験者の解答が、試験日付、試験種別及び問題番号に対応付けて記録される。
【0043】
図7は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2の構成例を示すブロック図である。端末装置2は、装置全体を制御するCPU等の制御部20と、本発明の端末装置用のコンピュータプログラム及びデータ並びに端末装置ID等の各種情報を記録するROM、RAM等の記録部21と、中央装置1、第1回答装置3及び第2回答装置4との通信に用いる通信部22と、装着時に受験者の眼前に画像を表示する表示部23と、装着後の着脱状態を検出する着脱検出部24と、受験者の頭部又は眼球の動きを検出する動作検出部25と、受験者を認証する認証部26と、受験者の操作を受け付ける操作部27と、時計、タイマとして機能する計時部28とを備えている。そして端末装置2は、記録部21に記録しているコンピュータプログラムを制御部20の制御にて実行することにより、本発明の装置としての各種処理を実行する。
【0044】
通信部22は、例えばWLAN用のアクセスポイントを介して通信網100から中央装置1に接続し、また有線通信又は無線通信により第1回答装置3及び第2回答装置4に接続する一又は複数の通信ポートである。
【0045】
表示部23は、受験者が外部を視認することを防止すべく眼部を覆う様に構成されてあり、画像情報に基づいて画像を表示する。なお受験者が端末装置2を装着した場合に、試験開始前でも外部を視認することができない様にすると、受験者は周囲の状況が全く把握できないことになる。従ってCCDカメラ等の外部を撮影する撮影部を配設し、撮影部が撮影した画像を表示部23に表示するビデオ透過型HMDを端末装置2として用い、試験開始時刻までは撮影部が撮影した画像を表示部23に表示する様にしても良い。また表示部23としてハーフミラーを用いた光学透過HMDを端末装置2として用い、試験開始後、外部からの入射光を遮断する様にしても良い。
【0046】
着脱検出部24は、機械的機構、電子的機構等の機構により、受験者が一度装着した端末装置2の着脱状態を検出する。機械的機構としては、例えば人体との接触状況を検出する弾性体を用いた接触検出部等の各種機構が用いられる。電子的機構としては、人体との接触箇所に配設される感圧素子、感温素子、表示部23に配設されて眼球の動きを検出する眼球センサ等の各種センサが用いられる。
【0047】
動作検出部25は、受験者の頭部の動きを検出するジャイロセンサ等の機構を用いて自らの姿勢及び動きを検出する加速度センサ、眼球の動きを検出する眼球センサ等の各種センサを用いて構成される。
【0048】
認証部26は、例えば認証情報として網膜情報を用いる場合は網膜センサ等のセンサが用いられ、網膜センサが検出した網膜情報と予め登録されている認証情報とを照合することにより認証処理を実行する。パスワード等の記憶情報を用いる場合、認証部26は、操作部27が受け付けたパスワード等の記憶情報と予め登録されている認証情報とを照合することにより認証処理を実行する。
【0049】
なお上述した構成は無限に存在する本発明の端末装置2の一例であり、例えば一の網膜センサを用いて着脱検出部24、動作検出部25及び認証部26を構成する等、様々な形態に展開することが可能である。また端末装置2の形状は、図1に示した様に装着した受験者の視野を表示部23に限定する形状とすることが不正防止の観点からは望ましい。但し、端末装置2は、装着者(受験者)の視野を限定するものに限らず、一般的に使用されている眼鏡の様にレンズ及びフレームを用いて形成し、装着者が視線をずらすことでレンズの縁部の外側から外部を視認することができる様にして構成することも可能である。一般的な眼鏡の形状で端末装置2を形成した場合、レンズに相当する部位を表示部23として画像を表示することになる。この様に受験者の視野を或る程度限定しながらも、外部の視認を可能とすることで、辞書等の資料の持ち込みが許可された試験に適用することが可能となる。但し、受験者が外部を視認することが可能な様に構成したとしても、装着者以外の者が表示部23に表示された画像を視認することができない様に構成することが望ましい。
【0050】
図8は、本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置3の外観の一例を示す斜視図である。第1回答装置3は、四角形のシート状をなす入出力部34と、入出力部34の一辺に取り付けられた筐体部3aとを備える構成である。また筐体部3aでは、各種制御及び各種通信が行われる。なお四角形のシート状をなす四辺を囲む枠状に筐体部3aを取り付ける様にしても良い。
【0051】
図9は、本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置3の構成例を示すブロック図である。第1回答装置3は、装置全体を制御する制御部30と、本発明の第1回答装置用のコンピュータプログラム及びデータ並びに第1回答装置ID等の各種情報を記録するROM、RAM等の記録部31と、中央装置1、端末装置2及び第2回答装置4との通信に用いる通信部32と、受験者の操作を受け付ける操作部33と、画像の表示及び入力の受付を行う入出力部34と、時計、タイマとして機能する計時部35とを備えている。なお制御部30、記録部31、通信部32、操作部33及び計時部35は筐体部3aに組み込まれている。そして第1回答装置3は、記録部31に記録しているコンピュータプログラムを制御部30の制御にて実行することにより、本発明の装置としての各種処理を実行する。
【0052】
通信部32は、例えばWLAN用のアクセスポイントを介して通信網100から中央装置1に接続し、また有線通信又は無線通信により端末装置2及び第2回答装置4に接続する一又は複数の通信ポートである。
【0053】
入出力部34は、画像を表示する表示面を有する出力層340及び出力層340の表示面に対する入力を受け付ける入力面を含む入力層341を有している。出力層340は、電気泳動方式、帯電トナー型表示方式、液晶表示方式等の技術を用いた表示デバイスであり、制御部30の制御により、表示面に画像を表示する。入力層341は、感圧方式、静電方式等の技術を用いた入力デバイスであり、受験者が第2回答装置4にて触れることにより、接触を検知し、接触点及びその軌跡を情報として受け付ける。入力層341が感圧方式である場合、入出力部34は、出力層340を受験者に対向する外側とし入力層331を内側とする二層構造として形成され、入力層341が静電方式である場合、出力層340を内側とし入力層341を外側とする二層構造として形成される。
【0054】
図10は、本発明の通信システムにて用いられる第2回答装置4の構成例を示すブロック図である。第2回答装置4は、装置全体を制御する制御部40と、本発明の第2回答装置用のコンピュータプログラム及びデータ並びに第2回答装置ID等の各種情報を記録するROM、RAM等の記録部41と、中央装置1、端末装置2及び第1回答装置3との通信に用いる通信部42と、自らの一端であるペン先の動きを検出する動作検出部43と、受験者を認証する認証部44と、受験者の操作を受け付ける操作部45と、時計、タイマとして機能する計時部46とを備えている。そして第2回答装置4は、記録部41に記録しているコンピュータプログラムを制御部40の制御にて実行することにより、本発明の装置としての各種処理を実行する。
【0055】
通信部42は、例えばWLAN用のアクセスポイントを介して通信網100から中央装置1に接続し、また有線通信又は無線通信により端末装置2及び第2回答装置4に接続する一又は複数の通信ポートである。
【0056】
動作検出部43は、自らの姿勢及び動きを検出する加速度センサ等の各種センサを用いて構成される。例えばペン先の動きを検出するジャイロセンサ等の機構が用いられる。そして第2回当装置4は、動作検出部43が検出したペン先の軌跡を情報として受け付ける。例えば受験者が第2回答装置4を把持し、押釦として配設されている操作部45を押下した状態で、筆記動作を行うことにより、動作検出部43は、ペン先の軌跡を解答として受け付ける。
【0057】
認証部44は、例えば認証情報として指の指紋、静脈を用いる場合は、指紋センサ、静脈センサ等のセンサが用いられ、指紋センサが検出した指紋情報、静脈センサが検出した静脈情報等の情報と、予め登録されている認証情報とを照合することにより認証処理を実行する。パスワード等の記憶情報を用いる場合、認証部44は、操作部45が受け付けたパスワード等の記憶情報と予め登録されている認証情報とを照合することにより認証処理を実行する。
【0058】
上述した第1回答装置3及び第2回答装置4の各機能は、必ずしも全てを要するわけではなく、システムの運用形態に応じて適宜設計を変更することが可能である。例えば第1回答装置3の入力層341の接触の軌跡に基づいて解答を受け付ける場合、第2回答装置4の動作検出部43は不要である。また第2回答装置4の動作検出部43の動作の軌跡に基づいて解答を受け付ける場合、第1回答装置3そのものを無くすことも可能である。
【0059】
次に本発明の通信システムが備える各種装置の処理について説明する。図11は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1の受験者情報登録処理の一例を示すフローチャートである。受験を所望する受験者は、中央装置1の入力部15を用いて受験者情報を入力することにより、試験の申込を行う。中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、入力部15から、試験種別、氏名、認証情報等の受験者情報の入力を受け付け(S101)、入力された受験者に対して、受験番号、試験日付、端末装置ID、第1回答装置ID、第2回答装置ID等の情報を付与し、付与した情報を含む受験者情報を受験者データベース11aに記録する(S102)。ステップS101の受験者情報の入力は、中央装置1が受け付けることができるのであれば、必ずしも入力部15を用いる必要はなく、例えば通信網100を介しての通信により入力する様にしても良く、また受験者がICメモリ等の記録媒体に受験者情報を記録して試験の主催者に提出し、試験の主催者が記録媒体に記録されている受験者情報を中央装置1に入力する等、適宜設計することが可能である。さらに端末装置ID、第1回答装置ID及び第2回答装置ID等の情報は、受験者に配付する端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4が決定してから追加記録する様にしても良い。この様にして受験者情報登録処理が実行される。
【0060】
試験の主催者は、受験者に対し、試験開始までに受験番号等の受験に要する情報を通知し、また受験に要する端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4を配付する。なお特定の試験会場に受験者が出向く場合には、端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4は、試験会場に配付又は設置される。なお便宜上、受験番号としているが、必ずしも数列による番号である必要はなく、英文字、記号等の符号が含まれていても良く、更には一次元又は二次元のバーコードとして配付する様にしても良い。
【0061】
図12は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1、端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4の試験開始前処理の一例を示すフローチャートである。受験者は、端末装置2の操作部27、第1回答装置3の操作部33及び第2回答装置4の操作部45に対する所定の入力操作、例えばスイッチをオンすることにより、端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4を起動する。受験者は、端末装置2を頭部に装着し、第1回答装置3に対して受験者を特定する受験番号、試験種別、氏名等の特定情報を入力する。第1回答装置3は、制御部30の制御により、操作部33又は入出力部34から特定情報の入力を受け付け(S201)、受け付けた特定情報を通信部32から中央装置1へ送信する(S202)。ステップS201では、例えば第1回答装置3は、入出力部34に特定情報の入力を要求する受付画面を表示し、受験者が第2回答装置4を用いて、受付画面内の所定の位置に入力することにより行われる。また操作部33としてテンキーが配設されている場合、操作部33に受験番号等の特定情報を入力することにより、ステップS201の入力の受付が行われる。また第1回答装置3にバーコードリーダ等の光学読取手段を配設し、バーコードである受験番号等の特定情報を読み取る様にしても良い。なお第1回答装置3が受け付けた受験番号等の特定情報は、第1回答装置3の記録部31に記録される。さらに第1回答装置3に生体情報を読み取る読取手段を配設し、読取手段により生体情報を特定情報として読み取る様にしても良い。
【0062】
中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、通信部13にて特定情報を受信し(S203)、受信した受験番号、試験種別、氏名等の特定情報を受験者データベース11aの記録内容と照合し、照合により特定情報が正当であると判定した場合、受信した特定情報及びその日の日付が合致する受験番号、試験種別、氏名及び試験日付に対応付けられたレコードを、受験者データベース11aから検索し、検索したレコードに含まれる認証情報、端末装置ID、第1回答装置ID及び第2回答装置IDを抽出する(S204)。なお特定情報に生体情報が含まれている場合には、含まれている生体情報を認証情報と照合することにより正当性を判定する。なお特定情報が正当ではないと判定された場合、受験者及び試験管理者への通知等の所定の異常処理が実行される。
【0063】
さらに中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、試験種別及び試験日付に対応するレコードを試験種別データベース11bから検索し、検索したレコードに含まれる開始時刻情報及び終了時刻情報を抽出する(S205)。
【0064】
さらに中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、試験種別及び試験日付に対応するレコードを試験問題データベース11cから検索し、検索したレコードに含まれる問題内容を問題情報(設問情報)として抽出する(S206)。
【0065】
そして中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、ステップS204にて抽出した端末装置IDにて識別される端末装置2へ、ステップS206にて抽出した問題情報並びにステップS205にて抽出された開始時刻を示す開始時刻情報及び終了時刻を示す終了時刻情報を通信部13から送信する(S207)。なお端末装置IDに基づく送信は、端末装置2に対し、グローバルIPアドレスを付与し、付与したグローバルIPアドレスを端末装置IDとすることにより実現することができる。但し、端末装置IDはグローバルIPアドレスに限らず、通信に用いることが可能な情報、又はその情報に関連付けられた情報であればどのような情報を用いてもよい。また端末装置2に対し、ステップS204にて抽出した第1回答装置ID及び第2回答装置IDが送信される。
【0066】
また中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、ステップS204にて抽出した第2回答装置IDにて識別される第2回答装置4へ、ステップS204にて抽出した認証情報を通信部13から送信する(S208)。第2回答装置IDに基づく送信は、第2回答装置4に対し、グローバルIPアドレスを付与し、付与したグローバルIPアドレスを第2回答装置IDとすることにより実現することができる。但し、第2回答装置IDはグローバルIPアドレスに限らず、通信に用いることが可能な情報、又はその情報に関連付けられた情報であればどのような情報を用いてもよい。また第2回答装置4に対し、ステップS204にて抽出した端末装置ID及び第1回答装置IDが送信され、第1回答装置3に対し、ステップS204にて抽出した端末装置ID及び第2回答装置IDが送信される。
【0067】
端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、通信部22にて問題情報並びに開始時刻情報及び終了時刻情報を受信し(S209)、受信した問題情報、開始時刻情報及び終了時刻情報を記録部21に記録する(S210)。なお中央装置1及び端末装置2間の通信に際し、中央装置1が備える計時部14及び端末装置2が備える計時部28との時刻同期が行われる。
【0068】
第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、通信部42にて認証情報を受信し(S211)、受信した認証情報を記録部41に記録する(S212)。
【0069】
なお中央装置1から端末装置2及び第2回答装置4へ夫々情報を送信するのではなく、全ての情報を端末装置1及び第2回答装置4の一方の装置へ送信し、一方の装置から他方の装置へ必要な情報を送信する様にしても良い。また中央装置1から第1回答装置3へ、解答用紙の画像を示す解答用紙情報並びに開始時刻情報及び終了時刻情報を送信する様にしても良い。さらに問題情報、認証情報等の必要な情報が既に記録された状態の端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4を受験者に配付する様にしても良い。但し、この場合、配付された各装置の受け取りに際し、受験者の認証が必要となる。この様にして試験開始前処理が実行される。
【0070】
図13は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2の試験開始処理の一例を示すフローチャートである。試験開始前処理が実行された後、受験者は、端末装置2を頭部に装着し、試験開始時刻に到達するまで待機する。なお試験開始時刻に到達するまで端末装置2の表示部23に問題は表示されない。但し、問題情報に含まれている試験に関する注意事項のみを表示する様にしても良い。また例えば端末装置2がビデオ透過型HMDである場合、表示部23には撮影部にて撮影された外部の画像が表示される。さらに端末装置2が光学透過HMDである場合、表示部23は、外部からの入射光が透過する状態となる。端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、記録部21に記録した開始時刻情報が示す開始時刻及び計時部28が示す現在の時刻を比較し、開始時刻に到達したか否かを判定する(S301)。
【0071】
ステップS301において、開始時刻に到達したと判定した場合(S301:YES)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、着脱検出部24にて受験者が装着しているか否かを判定する(S302)。ステップS302の着脱の判定に際し、端末装置2が網膜センサを備えている場合、予め中央装置1から送信された認証情報である受験者の網膜情報を記録部21に記録しておき、網膜情報による認証処理を併用する様にしても良い。
【0072】
ステップS302において、装着していると判定した場合(S302:YES)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、記録部21に記録した問題情報に含まれている最初の表示面に表示する問題を、表示部23に表示する(S303)。ステップS303にて表示部23に問題の画像を受験者の眼前に表示することにより、受験者は問題を視認することが可能となる。
【0073】
ステップS301において、開始時刻に到達していないと判定した場合(S301:NO)、又はステップS302において、装着していないと判定した場合(S302:NO)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、ステップS301に戻り、以降の処理を繰り返す。この様にして端末装置2の試験開始処理が実行される。
【0074】
図14は、本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置3及び第2回答装置4の試験開始処理の一例を示すフローチャートである。試験開始に際し、第1回答装置3及び第2回答装置4は、互いのグローバルIPアドレスに基づく通信網100を介した通信により、又は有線通信或いは無線通信による直接の通信により、通信可能な状態になっている。また第1回答装置3は、中央装置1又は端末装置2或いは第2回答装置4から開始時刻情報及び終了時刻情報を受信し、記録部31に記録した状態となっている。受験者は、例えば第2回答装置4が備える指紋センサである認証部44を指先で触れることにより、第2回答装置4に認証処理を実行させる。第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、認証部44により指紋情報等の認証情報を受け付け(S401)、受け付けた認証情報と、記録部41に記録した認証情報との照合に基づく認証処理を実行する(S402)。
【0075】
認証処理により、受験者の正当性を検証後、第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、自らを識別する第2回答装置IDを、通信部42から第1回答装置3へ送信する(S403)。なおステップS402にて認証が失敗であると判定した場合、所定回数以内での認証処理の繰り返し、処理の終了等の異常処理が実行される。
【0076】
第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、通信部32にて第2回答装置IDを受信し(S404)、受信した第2回答装置IDを、予め中央装置1から送信され記録部31に記録してある第2回答装置IDと照合することにより、第2回答装置4の正当性を検証する検証処理を実行する(S405)。
【0077】
検証処理により、第2回答装置4の正当性を検証後、第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、記録部31に記録した開始時刻情報が示す開始時刻及び計時部35が示す現在の時刻を比較し、開始時刻に到達したか否かを判定する(S406)。なおステップS405にて第2回答装置4が不正な装置であると判定した場合、所定回数以内での検証処理の繰り返し、処理の終了、所定の情報の表示及び通知等の所定の異常処理が実行される。
【0078】
ステップS406において、開始時刻に到達したと判定した場合(S406:YES)、第1回答装置3は、第2回答装置4の接触による解答の受け付けが可能な状態となる(S407)。
【0079】
ステップS406において、開始時刻に到達していないと判定した場合(S406:NO)、第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、ステップS406に戻り、以降の処理を繰り返す。この様にして試験開始に際し、第1回答装置3及び第2回答装置4の試験開始処理が実行される。なお電子ペンである第2回答装置4を受験者が把持した場合に、受験者の指が接触する位置に指紋を検出する認証部44を配設し、試験中も所定の時間間隔で認証部44による認証を断続的に行う様にしても良く、その場合、試験中に第2回答装置4を把持する者が交替し解答するという不正を防止することが可能となる。
【0080】
図15は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2の問題表示処理の一例を示すフローチャートである。端末装置2を装着した受験者は、頭部又は眼球を動かすことにより、表示部23に表示させる問題の頁を切り替えることができる。端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、動作検出部25により、装着している受験者の頭部又は眼球の動きを検出し(S501)、予め設定されている所定の動きであるか否かを判定する(S502)。ステップS501では、例えば受験者が頭部を左又は右に動かす動作、俯く動作、仰ぐ動作等の頭部の動作を検出する。また例えば受験者が眼球を、左右上下に動かす動作、瞬きする動作等の眼球の動作を検出する。なお頭部を左(右)に動かす動作とは、動作検出部25が検出可能な動作であれば、頭部のみをひねる様にしても良く、また体全体を動かす様にしても良い。
【0081】
ステップS502において、検出した動きが所定の動きであると判定した場合(S502:YES)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、検出した所定の動きに対応付けて予め設定されている処理として、表示している問題の画像と異なる問題の画像を表示部23に表示する(S503)。
【0082】
ステップS502において、検出した動きが所定の動きではないと判定した場合(S502:NO)、端末装置2は、制御部20の制御により、ステップS501に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0083】
ステップS501〜S503の処理について具体的な例を説明する。前述した様に問題情報には、複数画面分の試験問題が含まれている。この複数の画面の夫々を仮想的な問題冊子の夫々の頁として扱う。そして例えば受験者が頭部を左に動かした場合に、次の頁の問題を表示し、右に動かした場合に、前の頁の問題を表示する。更に動きの速度、頭部の角度に応じて最初の頁の問題又は最後の頁の問題を表示する様にする等、動作に対応付けて表示処理を適宜設定することも可能である。また頁の切替の様に不連続な画面を表示するのではなく、縦方向に長く一画面で表示することができない画面を表示し、仰ぐ動作をした場合には、画面を上方向へスクロールし、俯く動作をした場合には、画面を下方向へスクロールするという様に、連続的に画面の表示を変更する様にしても良い。但し、例えば押釦として配設されている操作部27を押下している時、瞼が閉じられている時、俯いた状態の時、第1回答装置3又は第2回答装置4に対して所定の操作を行っている時等の所定の条件を満足した時に限り、頭部の動きに基づき画面を更新するステップS501〜S503の処理を実行する様に制御することで、頭部を一方向に動かし続けることによる問題、無意識の動作による頁の更新等の不具合を回避することができる。この様にして問題表示処理が実行される。
【0084】
図16は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2、第1回答装置3及び第2回答装置4の第1解答処理の一例を示すフローチャートである。第1解答処理とは、試験開始処理及び問題表示処理により端末装置2に表示された問題に対し、第1回答装置3及び第2回答装置4を用いて解答する処理である。受験者は、端末装置2に表示された問題を視認し、解答を行う場合、解答の対象となる問題を指定する操作を行う。問題を指定する操作は、例えば第2回答装置4に配設されている操作部45を用い、解答する問題が表示している状態で押釦である操作部45の押下等の所定の操作により行われる。第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、操作部45から解答する問題を指定する操作を受け付け(S601)、端末装置2に、問題を選択する問題選択モードの状態から受験者に解答させる解答モードの状態へ遷移させるべく、解答状態遷移命令を通信部42から端末装置2へ送信する(S602)。さらに第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、解答状態遷移命令を通信部42から第1回答装置3へ送信する(S603)。
【0085】
端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、通信部22にて解答状態遷移命令を受信し(S604)、受信した解答状態遷移命令に基づいて、表示している問題を固定する(S605)。端末装置2は、ステップS605にて問題を固定することにより、問題表示処理を実行する問題選択モードから解答モードに遷移する。なお問題を固定すると共に、固定した問題に対する解答を受け付ける解答用紙の画像を、表示部23に表示する様にしても良い。表示部23に解答用紙の画像を表示する場合、問題の画像と切り替えて表示する様にしても良く、また問題の画像及び解答用紙の画像を並べて表示する様にしても良い。なお試験中に必要に応じて外部の状況を視認することができる様に設定するのであれば、解答用紙の画像を端末装置2から第1回答装置3へ送信し、第1回答装置3が受信した画像に基づいて、当該問題の解答用紙の画像を入出力部34に表示する様にしても良い。この様な処理は、解答用紙の画像を示す情報を、問題情報に付加して中央装置1から端末装置2へ送信しておくことで実現することが可能である。
【0086】
第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、通信部32にて解答状態遷移命令を受信し(S606)、解答の受付を開始する(S607)。第1回答装置3は、ステップS607にて解答の受付を開始することにより、解答モードに遷移する。
【0087】
受験者は、解答する操作として、電子ペンである第2回答装置4を用いて、電子ペーパーである第1回答装置3の入出力部34上に解答を記入する動作を行う。第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、入出力部34の入力層341にて、第2回答装置4の接触位置を検出し(S608)、検出した接触位置及びその軌跡に基づいて解答を示す解答情報を生成し(S609)、生成した解答情報を通信部32から端末装置2へ送信する(S610)。なおステップS608〜S609の第2回答装置4を用いて第1回答装置3上に解答を記入する操作及び処理については、既存の技術を適宜採用することで利便性、操作性等の性能を向上させることができる。例えば第2回答装置4の操作部45を操作することにより、解答の記入、訂正等の処理の使い分けを行うことが可能となる。ステップS609〜S610の解答情報の生成及び送信は、第1回答装置3が接触位置の履歴を記録部31に蓄積し、0.1秒等の所定の間隔で、蓄積した接触位置の軌跡に基づいて解答情報を生成し、生成した解答情報を端末装置2へ送信する処理を繰り返す。解答情報の形式は、接触位置の軌跡に基づく画像情報、接触位置を示す座標の履歴に基づく座標列等の形式が用いられる。なお所定の間隔で解答情報の生成及び送信を行うのではなく、受験者が第1回答装置3又は第2回答装置4に対して所定の操作を行った場合に実行する様にしても良い。また第2回答装置4は、試験開始処理にて説明した認証部44による認証を、解答中も断続的に実行しており、認証が成功している期間に限り、ステップS608〜S609による接触情報の検出及び解答情報の生成処理が実行される。
【0088】
端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、通信部22にて解答情報を受信し(S611)、受信した解答情報に基づく解答を表示部23に表示する(S612)。解答情報に基づく解答は、例えば既に表示されている解答用紙の画像に重畳して表示することにより、受験者は、解答用紙に解答を書き込む行為を行う間隔で、解答することが可能となる。なお試験中に必要に応じて外部の状況を視認することができる様に設定しているのであれば、第1回答装置3の入出力部34に解答を表示する様にしても良い。但し、外部の状況を視認することができない様にし、解答の内容を表示部23のみに表示する構成とすることにより、端末装置2を装着している受験者以外は解答の内容を認識することができないので、不正が行われる可能性を低減することが可能である。
【0089】
そして受験者は、端末装置2に表示された解答を視認し、当該問題に対する解答を終了する場合、解答完了の操作を行う。解答完了の操作は、例えば第2回答装置4に配設されている操作部45を用い、解答する問題が表示している状態で押釦である操作部45の押下等の所定の操作により行われる。第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、操作部45から解答完了の操作を受け付け(S613)、端末装置2に、解答モードの状態から問題選択モードの状態へ遷移させるべく、解答完了命令を通信部42から端末装置2へ送信する(S614)。さらに第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、解答完了命令を通信部42から第1回答装置3へ送信する(S615)。
【0090】
端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、通信部22にて解答完了命令を受信し(S616)、受信した解答完了命令に基づき、解答に係る問題を示す問題番号に対応付けて解答情報を記録部21に記録する(S617)。端末装置2は、ステップS616にて解答情報を固定することにより、解答モードから問題選択モードに遷移する。なお問題選択モードに遷移後、既に解答している問題が解答する問題として再度選択された場合、記録している解答情報に基づく解答を記録部21から読み出し、解答に対する追記、削除、変更等の修正を行うことが可能である。
【0091】
第1回答装置3は、制御部30の制御に基づいて、通信部32にて解答完了命令を受信し(S618)、解答の受付を終了する(S619)。この様にして第1解答処理が終了する。
【0092】
第1解答処理として、第1回答装置3及び第2回答装置4を用いて解答を受け付ける形態を示したが、本発明はこれに限らず、第1回答装置3を用いずに、第2回答装置4にて解答の受け付け及び解答情報の生成を行うことも可能である。そこで第2解答処理として、第2回答装置4にて解答の受け付け及び解答情報の生成を行う形態について説明する。
【0093】
図17は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2及び第2回答装置4の第2解答処理の一例を示すフローチャートである。受験者は、解答の対象となる問題を指定する操作を行う。第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、操作部45から解答する問題を指定する操作を受け付け(S701)、端末装置2に、問題を選択する問題選択モードの状態から受験者に解答させる解答モードの状態へ遷移させるべく、解答状態遷移命令を通信部42から端末装置2へ送信する(S702)。
【0094】
端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、通信部22にて解答状態遷移命令を受信し(S703)、受信した解答状態遷移命令に基づいて、表示している問題を固定する(S704)。
【0095】
受験者は、解答する操作として、電子ペンである第2回答装置4を用いて、適当なシート等の有体物、又は空間に対し、解答を記入する動作を行う。第2回答装置4は、制御部40の制御に基づいて、動作検出部43により、自らの一端であるペン先の動きを検出し(S705)、検出したペン先の軌跡に基づいて解答を示す解答情報を生成し(S706)、生成した解答情報を通信部42から端末装置2へ送信する(S707)。ステップS705〜S707の処理は、例えば第2回答装置4に配設された操作部45を押下している時に限り実行される。即ち受験者は、空間上に解答を行うのである。以降の処理については、第1解答処理のステップS611以降の処理と同様であるので、第1解答処理を参照するものとし、その説明を省略する。但し、使用されていない第1回答装置3に関する処理が実行されないことは言うまでもない。この様にして第2解答処理が実行される。
【0096】
図18は、本発明の通信システムにて用いられる端末装置2の着脱検出処理の一例を示すフローチャートである。端末装置2を一度装着した受験者が、例えば不正に他の者に問題を視認させるべく他の者に端末装置2を装着させることを防止する処理として、本発明の端末装置2は、試験中に着脱検出処理を実行する。端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、着脱検出部24により、着脱状態を検出し(S801)、検出結果に基づいて装着されているか否かを判定する(S802)。ステップS801〜S802の検出及び判定においては、例えば頭部の揺れ、端末装置2のズレ等の要因により、装着されているにも拘わらず、装着されていないと検出される可能性があるため、ステップS801にて10秒以上連続して装着されていないと検出した場合に、ステップS802にて装着されていないと判定する等、適宜条件設定を行うことが望ましい。
【0097】
ステップS802において、装着されていると判定した場合(S802:YES)、端末装置2は、制御部20の制御により、ステップS801に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0098】
ステップS802において、装着されていないと判定した場合(S802:NO)、端末装置2は、制御部20の制御により、問題の表示及び解答の受付を禁止する(S803)。ステップS803の解答の受付の禁止に際しては、必要に応じて第1回答装置3及び第2回答装置4に対し、受付禁止命令が送信される。端末装置2が装着している状態から外された場合に、問題の表示及び解答の受付を禁止することにより、受験者が他者に問題を視認させるという不正行為を防止することが可能となる。この様にして着脱検出処理が実行される。
【0099】
図19は、本発明の通信システムにて用いられる中央装置1及び端末装置2の試験終了処理の一例を示すフローチャートである。端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、記録部21に記録した終了時刻情報が示す終了時刻及び計時部28が示す現在の時刻を比較し、終了時刻に到達したか否かを判定する(S901)。
【0100】
ステップS901において、終了時刻に到達したと判定した場合(S901:YES)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、解答の受付を禁止して問題及び解答の表示部23への表示を終了し(S902)、記録部21に記録している問題番号に対応付けられた解答情報及び受験番号を通信部22から中央装置1へ送信する(S903)。なお解答中の問題に関しては、強制的に解答の受付を終了し、終了した段階での解答に係る解答情報を問題番号に対応付けて記録し、中央装置1へ送信する。また前述した着脱検出処理により設問の表示及び解答の受付を禁止された場合、禁止されるまでの内容に基づく解答情報等が中央装置1へ送信される。急病等の事由により、やむなく端末装置2を外す場合も考えられるため、端末装置2を外すまでの解答は有効であるものとする。但し、この様な救済措置及び不正と見なされる場合の制裁措置は適宜設定される。
【0101】
中央装置1は、制御部10の制御に基づいて、通信部13にて、問題番号及び解答情報並びに受験番号を受信し(S904)、受信した問題番号及び解答情報並びに受験番号を、試験日付及び試験種別と対応付けて解答データベース11dに記録する(S905)。
【0102】
ステップS901において、終了時刻に到達していないと判定した場合(S901:NO)、端末装置2は、制御部20の制御に基づいて、ステップS901に戻り、以降の処理を繰り返す。この様にして試験終了処理が実行される。
【0103】
そして試験の主催者は、解答データベース11dに記録されている解答情報が示す解答を採点し、その結果を受験者に通知する。採点、通知等の処理は、既存のCBTに関するシステムの様々な技術を適用することが可能である。
【0104】
前記実施の形態では、資格試験、検定試験、入学試験等の各種試験に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、学内で定期的に行われる中間試験、期末試験等の試験に適用しても良く、また試験に限らず、例えばアンケート等の意見の収集に用いることも可能であり、更には時間制限で配付し、意見を収集する会議資料の配付等の分野にも適用することが可能である。
【0105】
また前記実施の形態では、同時に試験を開始する形態について説明したが、本発明はこれに限らず、同じ試験であっても異なる時間に開始する様にしても良い。具体的には、受験者又は試験の主催者の都合に応じて予め設定した時刻、指定した時刻又は任意の時刻に試験を開始する様にし、開始からの経過時間が予め設定された試験時間に到達した時に試験を終了する様にしても良い。この様な実施時期に関する自由度の拡張は、例えば受験者毎に試験問題が異なる検定試験を実施する場合に適用することができる。なお受験者毎に異なる試験問題は、予め受験者毎に割り当てて作成した試験問題を保管しておく様にしても良く、また予め保管されている多数の試験問題の中から、ランダムに又は所定の規則に従って選択された試験問題を組み合わせることで試験開始直前に試験問題を自動生成する様にしても良い。
【0106】
この様に前記実施の形態は、無数に存在する本発明の適用の一例を示したものであり、本発明は、その目的、費用、規模、運用形態等の様々な要因に応じて様々な形態に展開することが可能である。即ち端末装置を頭部に装着して設問を表示する通信システムであれば、システムの構成、各装置の構成、各装置間の通信形態、データベースの構成等の構成は、適宜設計することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の通信システムの構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の通信システムにて用いられる中央装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の通信システムにて用いられる中央装置が備える受験者データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図4】本発明の通信システムにて用いられる中央装置が備える試験種別データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図5】本発明の通信システムにて用いられる中央装置が備える試験問題データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図6】本発明の通信システムにて用いられる中央装置が備える解答データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図7】本発明の通信システムにて用いられる端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置の外観の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置の構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の通信システムにて用いられる第2回答装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明の通信システムにて用いられる中央装置の受験者情報登録処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の通信システムにて用いられる中央装置、端末装置及び第2回答装置の試験開始前処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の通信システムにて用いられる端末装置の試験開始処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の通信システムにて用いられる第1回答装置及び第2回答装置の試験開始処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の通信システムにて用いられる端末装置の問題表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の通信システムにて用いられる端末装置、第1回答装置及び第2回答装置の第1解答処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の通信システムにて用いられる端末装置及び第2回答装置の第2解答処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の通信システムにて用いられる端末装置の着脱検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明の通信システムにて用いられる中央装置及び端末装置の試験終了処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
1 中央装置
11a 受験者データベース
11b 試験種別データベース
11c 試験問題データベース
11d 解答データベース
2 端末装置
23 表示部
24 着脱検出部
25 動作検出部
26 認証部
28 計時部
3 第1回答装置
34 入出力部
340 出力層
341 入力層
4 第2回答装置
43 動作検出部
44 認証部
46 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能な中央装置及び端末装置を備える通信システムにおいて、
前記中央装置は、
設問を示す設問情報を前記端末装置へ送信する手段を備え、
該端末装置は、
人体の頭部に装着可能に構成してあり、
装着時に装着者の眼前に画像を表示する表示部と、
前記中央装置から受信した設問情報に基づく設問を前記表示部に表示させる表示処理手段と
を備える
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記設問情報は、設問の表示開始時刻を示す開始時刻情報が付加されてあり、
前記表示処理手段は、前記設問情報に付加された開始時刻情報が示す表示開始時刻に到達後、設問を表示させる様にしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
装着後の着脱状態を検出する着脱検出手段を更に備え、
前記表示手段は、前記着脱検出手段にて装着されていないと検出した場合に、以後の設問の表示を禁止する様にしてある
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記設問情報は、複数表示面分の設問の画像を含み、
前記端末装置は、
装着者の頭部又は眼球の動きを検出する動作検出手段を更に備え、
該動作検出手段が、所定の動きを検出した場合に、前記表示処理手段は、表示している設問の画像と異なる設問の画像を表示する様にしてある
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
設問に対する回答を受け付ける回答装置を更に備え、
該回答装置は、
受け付けた回答を示す回答情報を生成する回答情報生成手段を備える
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
前記回答装置は、
入力を受け付ける入力面を有するシート状をなしてあり、
前記入力面に対する所定の入力具の接触位置を検出する接触位置検出手段を更に備え、
前記回答情報生成手段は、前記接触位置検出手段が検出した接触位置及び/又は該接触位置の軌跡に基づいて回答情報を生成する様にしてある
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記回答装置は、
棒状をなす入力具であり、
自らの一端の動きを検出する端部動作検出手段を更に備え、
前記回答情報生成手段は、前記端部検出手段が検出した一端の軌跡に基づいて回答情報を生成する様にしてある
ことを特徴とする請求項5に記載の通信システム。
【請求項8】
前記回答装置は、
前記端末装置の装着者を認証する認証手段を更に備え、
前記回答情報生成手段は、
前記認証手段が認証に成功した場合に限り、回答情報を生成する様に構成してある
ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の通信システム。
【請求項9】
前記回答装置は、
前記回答情報生成手段が生成した回答情報を前記端末装置へ送信する手段を更に備え、
前記端末装置は、
受信した回答情報に基づく回答を前記表示部に表示させる手段を更に備える
ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の通信システム。
【請求項10】
前記設問情報は、設問の表示を終了する時刻又は回答情報の受信を終了する時刻を示す終了時刻情報が付加されてあり、
前記端末装置は、
前記設問情報に付加された終了時刻情報が示す終了の時刻に到達後、解答の受付を禁止して回答情報を前記中央装置へ送信する手段を更に備え、
該中央装置は、
受信した回答情報を、装着者を識別する識別情報に対応付けて記録する手段を更に備える
ことを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
通信可能な中央装置及び端末装置を用いた通信方法において、
前記中央装置は、
設問を示す設問情報を前記端末装置へ送信し、
該端末装置は、
人体の頭部に装着され、
前記中央装置から受信した設問情報に基づく設問の画像を装着者の眼前に表示する
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−237801(P2009−237801A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81601(P2008−81601)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(300044481)株式会社日本統計事務センター (11)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】