説明

通信ネットワーク内のカードをアクティブ化するための方法

通信ネットワーク内のカードをアクティブ化して、カードを実行する電力消費コストを最小化できるようにする方法。方法は、すでにアクティブ化されたレセプタクルに位置するカードを検出して、優先的にアクティブ化するステップから成る。レセプタクルは、前記通信ネットワークの1つまたは複数のノードに対応する所定の検索範囲内のトレイまたはキャビネットであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レセプタクルと、それらのレセプタクルに収納されるカードを備えるモジュール構造の形態に編成される通信デバイスの分野に関する。さらに具体的には、本発明は、通信ネットワーク内の機能カードのアクティブ化に関する。たとえば、それは、波長分割多重方式(WDM)光通信ネットワークであってもよい。本発明は、さらに詳細には、それらのネットワークの機器の電力消費量に関する。
【背景技術】
【0002】
IEC297−2規格のような規格は、数十年にわたり、カードを収容するベイおよびトレイで構成されるキャビネットの機械構造を定義してきた。最近になって、通信ネットワークキャビネットのような、この機器についてのさらに具体的な規格が提案された。たとえば、これは、機械パラメータおよび一部のキャビネット制御要素を定義するATCA(Advanced Telecommunications Computing Architecture)規格に当てはまる。それらの規格は、従来の状況と比べて相互運用性および製造コストの削減を可能にするために導入されたものであり、それにより各製造業者はそのキャビネットをいかなる規格にも依存せずに設計してきた。キャビネット規格の定義は現在、わずかな例を挙げれば民間向け、軍用、または研究用途のいずれであっても、通信ネットワーク要素およびデータセンターのような多種多様な機器に影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】IEC297−2規格
【非特許文献2】ATCA(Advanced Telecommunications Computing Architecture)規格
【非特許文献3】PICMG3.0/ATCA(http://www.picmg.org/v2internal/newinitiative.htm)規格
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態によれば、本発明は、通信ネットワーク内のカードをアクティブ化するための方法であって、前記通信ネットワークに関連するミッション要求を受信するステップと、前記ミッションの遂行が可能な1つまたは複数のカードを複数のレセプタクルを備える検索パラメータ内で検索するステップと、すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカードがある場合、そのカードをアクティブ化するか、または、すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカードがない場合、およびアクティブ化されていないレセプタクル内に可能なカードがある場合、アクティブ化されていないレセプタクル内の前記カードをアクティブ化し、前記レセプタクルもアクティブ化するステップとを備える方法を提供する。
【0005】
有利なことに、方法は、前記検索パラメータを、前記ネットワークのノードの交換容量の関数として、または前記ネットワークのノードを接続するリンクを介する信号の伝搬に関連する物理パラメータで、定義するステップを備える。
【0006】
優先的に、方法は、可能なカードがない場合、前記ミッションの遂行が可能でないことを指示するメッセージを伝送するステップを備える。
【0007】
加えて、方法は、可能なカードを備える複数のアクティブ化されたレセプタクルがある場合、最もアクティブ化されたカードを備えるアクティブ化されたレセプタクルを特定して、最もアクティブ化されたカードを含むレセプタクル(のうちの1つ)内に位置する、前記ミッションの遂行が可能なカードをアクティブ化するステップを備える。
【0008】
有利なことに、方法内で使用されるレセプタクルは、トレイ、またはベイ、またはキャビネットを備える。
【0009】
優先的に、範囲は、トレイを含むキャビネット、トレイを含むベイ、トレイを含むキャビネットの列、トレイを備えるキャビネットの列を含む部屋、トレイを含むベイの列を含む部屋で構成されるグループから選択されてもよい。
【0010】
有利なことに、方法内で使用される範囲は、前記ネットワークの1つまたは複数の交換ノードを備える。
【0011】
方法は、WDM光ネットワークで使用されてもよい。
【0012】
方法は、光信号を別の光信号に変換すること、光信号を電気信号に変換すること、または電気信号を別の電気信号に変換することで構成されるグループから選択されたミッションのために使用されてもよい。
【0013】
発明は、通信ネットワーク内のカードをアクティブ化するための制御デバイスであって、前記通信ネットワークに関連するミッション要求を受信することができる通信モジュールと、前記ミッションの遂行が可能な1つまたは複数のカードを1つまたは複数のレセプタクルを備える所定の検索範囲内で検索することができる検索モジュールと、すでにアクティブ化されたレセプタクル内にカードがある場合、そのカードをアクティブ化することができ、すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカードがない場合、およびアクティブ化されていないレセプタクルに可能なカードがある場合、前記アクティブ化されていないレセプタクル内のカードをアクティブ化し、前記レセプタクルもアクティブ化することができるアクティブ化モジュールとを備える制御デバイスをさらに提案する。
【0014】
優先的に、制御デバイスは、可能なカードがない場合、前記ミッションの遂行が可能でないことを指示するメッセージを送信することができる。
【0015】
有利なことに、デバイスは、レセプタクルがラック、またはベイ、またはキャビネットを備える範囲内でカードを検索する。
【0016】
制御デバイスが、トレイを含むキャビネット、トレイを含むラック、トレイを含むキャビネットの列、トレイを備えるキャビネットの列を含む部屋、トレイを備えるラックの列を含む部屋で構成されるグループの検索範囲内を検索することが可能である。
【0017】
制御デバイスはまた、光アクセスネットワークまたは光首都圏ネットワーク、または長距離光ネットワーク、または超長距離光ネットワークの複数のノードを含む検索範囲内を検索することもできる。
【0018】
前述のIEC297−2規格は、カード、トレイ、ベイ、キャビネット、キャビネットの列、およびベイの列の機械パラメータを定義する。この規格では、存在するそれらの要素の数についても、それらの要素の使用方法についても規定してはないが、その理由は、それらの要素が問題の用途に適合される必要があるからである。たとえば、IEC297−2規格では、WDMネットワーク内の通信デバイスの使用において、所与の時点において、どのカード、トレイ、キャビネット、またはキャビネットの列が実行している必要があるかを規定していない。また、実行しているカードが、どのノードまたはどのノードのセットに配置されなければならないかも規定していない。
【0019】
本発明の根底にある1つの課題は、通信ネットワークの要素の電力消費量を低減することである。
【0020】
本発明の態様の一部は、ネットワークオペレータが有するカードが通常、たとえ使用されていない場合も電源がオンになっているという観察に基づく。したがって、それらのカードの一部は、一時的に電源オフにされてもよい。
【0021】
本発明の一部の態様の根底にある1つの概念は、それでもなお、使用されていないカードの電源をオフにすることだけでは、消費量を最適に低減することは実現されないということである。それは、電力消費量が、カードの消費量だけではなく、キャビネットのトレイの消費量またはキャビネットの列の消費量も含むセットであると見なされるべきであるからである。したがって、同じトレイ内に位置する、使用されていないカードを、優先的にオフにすることが有利である。したがって、特定の時点において、トレイ内のカードをすべてオフにし、それによりトレイをオフにできるようにすることが考案されてもよい。これは、トレイが、トレイに含まれるカードの1つをオンにすると直ちに電力を消費するからである。トレイによって消費される電力は、たとえば、その冷却システムの消費電力量である。
【0022】
同様に、本発明の根底にあるもう1つの概念は、可能な場合には常時、単一キャビネット内に含まれるカードおよびトレイをオフにすることが好ましいということである。そうすることで、キャビネット内のすべてのカードおよびトレイが同時にオフにされて、キャビネット自体をオフにできるようにする可能性が高まる。
【0023】
したがって、カードをオフにするための最適化ポリシーは、オフにされるトレイ、キャビネット、またはキャビネットの列の数を増大させることができ、それにより省電力化を最適化する必要がある。
【0024】
本発明の根底にあるもう1つの概念は、特に、複雑かつ高価過ぎて実施できないであろう消費量測定および検査の使用を回避するように、カードをアクティブ化またはオフにするポリシーが可能な限り単純である必要があるということである。
【0025】
本発明の根底にあるもう1つの概念は、電力消費量の課題に対して見出される解決策が、カード、キャビネット、またはキャビネットの列の機能に依存しなくてもよいということである。たとえば、それらの機能は、単に電気信号のみ、または単に光信号のみを処理すること、もしくは電気および光信号の両方を処理することで構成されてもよい。
【0026】
添付の図面を参照して、例示的かつ非限定的な例示によってのみ示される、本発明の複数の特定の実施形態の後続の説明を考察すれば、本発明はより深く理解され、本発明のその他の目的、詳細、特徴、および利点はさらにはっきりと明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】光および電子カードを含むキャビネットの要素を示す機能概略図である。
【図2】図1により説明されるタイプの複数のキャビネットを備える光通信ネットワークを示す概略図である。
【図3】図1または図2のキャビネット内で実施されうる、本発明の1つの実施形態による、カードをアクティブ化するための方法のステップを示す図である。
【図4】図3に関連する決定流れ図である。
【図5】図1および図2に関連するキャビネット内の光カードをアクティブ化する第2の例を示す概略図である。
【図6】図5に関連する決定流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、電子および/または光機器をサポートするために使用される機械構造を概略的に示す。当業者は、名称が規格によって定義される、研究室で使用されるそれらの機械構造を熟知している。この要請に使用される定義は、国際規格IEC297−2によって提案されるものである。命令規格に使用される語彙が、特にフランス語と英語間の翻訳により、若干異なる可能性もある。しかし、それらの語彙の差異は、電子または光機器を含めるために使用されるそれらの機械構造の一般的構造に十分な知識を有する当業者にとっては、微細なものである。
【0029】
国際IEC297−2規格(http://ph−dep−ese.web.cern.ch/ph−dep−ese/crates/standards/iec60297−2.pdf)によれば、電子および/または光キャビネットは、ベイ14、取り外し可能パネル18、ドア19、およびトレイ15で構成される。トレイ15は、パネル17を装備されたカード16を備える。ベイ14は、単独で使用されてもよい独立した自立型構造である、もしくは機器の列を構成するためにラックの他のベイまたは固定構造に関連付けられる。ラックは、ドアまたはカバーのない金属構造である。ベイ14は、ユーザの要件、移動性、および移動のための負荷に応じて、基部、脚部、ローラーなどを有しても、有さなくてもよい。キャビネットは、用途に応じて、1つまたは複数の側面にドアまたは取り外し可能パネルを備えるベイである。キャビネットまたはベイは、パネルが固定されうる垂直要素を含むことができる。
【0030】
実際には、トレイの構造は、用途により異なっていてもよい。たとえば、一部のトレイは、すべてのカードにより共有される単一方式のみを有することができる。しかし、より良好な機器コストは一般に、各カード16が各自に固有のパネル17を有し、それらのすべてのパネルがトレイの前面を形成する、モジュール式トレイ構造により達成される。カード16およびその前面17で構成されるアセンブリは、ブレードと呼ばれることもある。カードは、電子および/または光要素を含むことができる。カードは、マザーボードおよび1つまたは複数のドーターボードで構成されるアセンブリから容易に構築されてもよい。たとえば、PICMG3.0/ATCA(http://www.picmg.org/v2internal/newinitiative.htm)規格は、メザニン層のカード構造を定義する。その他のカード構造も可能である。
【0031】
この要請において、レセプタクルは、複数のカードを含むことができる構造要素に使用される用語となる。したがって、レセプタクルは、たとえば、トレイまたはキャビネット、もしくはキャビネット内のトレイ、もしくはベイ内のトレイで構成されてもよい。これ以降概説される実施形態ではキャビネットを使用するが、ドア19または取り外し可能パネル18を備えないベイを使用する実施形態を概説することも可能である。レセプタクルはまた、たとえば共通換気システムのような、共通の電気消費必要量を共有するキャビネットまたはベイの列で構成されてもよい。たとえば、このことは、キャビネットの列がそれ自体換気システムを備える専用の部屋に配置される場合に当てはまる。
【0032】
図2は、光通信ネットワークを概略的に示す。このネットワークは、リンク23によって接続されたネットワークノード22を備える。リンク23は、1つまたは複数の光ファイバで構成される。ネットワークノード22は、光および/または電子カードを備える1つまたは複数のキャビネット21を含むことができる。単一ノード内に位置するキャビネットは、その構造およびその機能が異なっていてもよい。異なるノード内に位置するキャビネットはまた、その構造およびその機能が異なっていてもよい。
【0033】
図3および図4を参照して、これ以降、2つの機器光カード36aおよび36aを備えるキャビネット34aをアクティブ化する第1の実施形態を説明する。ここで、「複数の等価の光カード(equivalent optical cards)」は、図2の光ネットワーク内で同一のミッションを共に遂行することが可能なカードを示す。カードが複数のミッションを遂行することが可能である場合、カードはそれらのミッションの少なくとも1つに対して等価と見なされてもよい。
【0034】
図3は、カード36aおよび36aが共に実行していない場合、およびキャビネット34aの電力消費量を最小化するように、いずれのカードをアクティブ化することが好ましいかと質問される場合の初期状態に対応する。以下において、ボードが、問題の瞬間においてアクティブ化状態にあり、ネットワークの動作にアクティブに参加していることが想定され、そのネットワークの、ミッションとしても知られている機能を遂行したことを意味する。そのようなカードは、問題の通信ネットワークの動作に参加していないか、またはもはや参加しない場合に、非アクティブ化される。
【0035】
カードがネットワークの動作に参加していることは、会議にたとえられてもよい。たとえば、1つの実施形態において、カードを非アクティブ化することが、ネットワークの他のノード、またはネットワークによって搬送されるトラフィックに影響を及ぼす場合およびその場合に限り、そのカードがネットワークの動作に参加していると仮定されてもよい。もう1つの実施形態において、たとえカードをアクティブ化しても、ネットワークの全体的な動作に影響を及ぼさない場合、カードがネットワークに参加していると仮定されてもよい。たとえば、カードがノード内のデータ表示システムに対応する場合、そのローカル表示システムの動作は、ネットワークの全体的な動作にとって重要ではない。
【0036】
その初期の時点において、図3に示されないその他のカードは、アクティブ化されているものも、アクティブ化されていないものも、キャビネット31aに見出されてもよい。図3に示されていないカードの数は、キャビネット31aが含むことができるカードの数と同数であってもよい。キャビネット34aのアクティブ化されたカードは、関連する電力を消費する。アクティブ化されていないカードは、電力を消費しない。図3に示される例において、簡潔を旨とするために、カードの電力消費量がその他のカードの電力消費量とは無関係であると仮定する。
【0037】
1つの実施形態において、カード36aおよび36aはいずれも、1.3μm波長チャネルを介して第1の光信号を1つの電気信号に変換し、次いで約1.55μmのWDM(波長分割多重方式)チャネルを介して電気信号を光信号に変換するためのトランスポンダ機能を有することができる。波長チャネル上の1.3μm信号は、図3には示されていない入力光交差接続を用いて、2つのカード36aおよび36aのいずれかにルーティングされてもよい。同様に、図3には示されていない出力光交差接続は、使用されている2つのカード36aおよび36aのいずれかから約1.55μmのWDMチャネルを介して光信号を取り出すことができるようにする。したがって、前述のトランスポンダ機能は、電気信号への光信号の変換を備え、その後に光信号への電気信号の変換が続く。トランスポンダカードおよび交差接続は、トランスポンダカードおよび交差接続が位置するノードの交換容量に寄与する。
【0038】
ドープ処理光ファイバから成る光増幅器を備えるカードの場合のように、カード36aおよび36aの機能が光信号を別の光信号に変換することである第2の例示の実施形態を選択することも可能である。光増幅器を備えるカードは、それらの光カードを含むノード内のネットワークの光信号の再生成容量に寄与する。
【0039】
たとえば電気信号多重機能を提供するカードのように、カード36aおよび36aの機能が電気信号を別の電気信号に変換することである第3の実施形態を選択することも可能である。
【0040】
カード36aは、換気要素37aを装備するトレイ35a内に配置される。カード36aは、換気要素37aを装備するトレイ35a内に配置される。キャビネット31aのベイ34aは、2つのトレイ35aおよび35a、ならびに2つのその他のトレイ35aおよび35aを含む。トレイ35aは、換気要素37aを備える。トレイ35aは、換気要素37aを備える。キャビネット34aは、キャビネット換気要素38aおよび制御デバイス39aをさらに備える。換気要素37a、37a、37a、37aは、対応するトレイ35a、35a、35a、35aの固有の換気を提供する。キャビネット換気要素38aは、キャビネット31aの全体的な換気を保証する。制御デバイス39aは、たとえば電力供給および温熱調節に関して、キャビネット31aのローカル動作を制御する。制御デバイス39aはまた、図2に示されるネットワークマネージャにより割り当てられる寸法に関連して、キャビネット31a内に含まれるカードの動作を制御する。したがって、制御システム39aは、たとえばRSVP(Resource Reservatioin Protocol)およびGMPLS(Generalized Multiprotocol Label Switching)、ならびにその他のプロトコルなど、通信プロトコルを用いてネットワークマネージャと通信する。
【0041】
図3は、換気要素37aおよび37aを黒塗りで描き、それらが図3で問題の時点で動作していることを示す。換気要素37aおよび37aは、破線で描かれ、それらが図3で問題の時点で動作していないことを示す。
【0042】
2つのカード36aおよび36aが非アクティブである初期時点からカード36aをアクティブ化するために必要とされる電力コストが検討される場合、このコストは、カード36aそれ自体の電気稼働コストと概ね等しい。これは、初期状態において、カード36aを含むトレイ35aの換気要素37aが、図2に黒塗りで示されるように稼働状態にあるからである。一方、カード36aをアクティブ化するために必要とされる電力コストが検討される場合、このコストは、カード36aをアクティブ化する電力コストおよびトレイ35aの換気要素37aをアクティブ化するために必要とされる電力コストと概ね等しい。これは、カード36aおよび36aをアクティブ化するために選択が行なわれる必要がある時点において、図3に破線で示されるように、換気要素37aが非アクティブであるからである。
【0043】
図4は、電力消費量を最小化するために、キャビネット31aで使用可能な等価のカードのいずれがアクティブ化される必要があるかを選択することができるようにする流れ図を概略的に示す。図面の流れ図は、等価の使用可能なカードの数はゼロであっても、ゼロでなくてもよいので、この数には関係なく使用されてもよい。等価の使用可能なカードの数は、特に、カード36aおよび36aの場合の、図3に示されるように、2と等しくてもよい。
【0044】
ステップ41において、制御デバイス39aは、ネットワークに必要なカードのタイプを指定する要求をネットワークマネージャから受信する。要求は、たとえば、ノードの容量を増大するか、または信号再生成機能を実行することを意図されてもよい。要求が受信される時点において、前述のようなトランスポンダ機能を保証することがミッションであるカードを実施することが必要であってもよい。ステップ42において、制御デバイス39aは、検索範囲31aが少なくとも1つの使用可能なカードを含む(すなわちカードがまだ使用されていない、およびカードが要求されたミッションを遂行することが可能であることを意味する)かどうかを検討する。
【0045】
使用可能なカードを含まない場合、制御デバイス39aは、ステップ43において、選択された範囲内で適切なカードを割り当てることが不可能であることを指示するために、メッセージをネットワークマネージャに送信する。ここで検討される範囲は、制御デバイス39aの制御の下にある範囲であり、すなわちキャビネット35a、およびカードのセット、ならびにそこに含まれるその他の要素を意味する。
【0046】
一方、制御デバイス39aが、キャビネットにより構成される検索範囲内で、使用されていない少なくとも1つの適切なカードを検出できる場合、制御デバイス39aは、キャビネット31a内の使用可能な等価のカードのセットをキャビネット31内で特定し、ステップ46において、1からnまで番号を付ける(nは非ゼロの整数)。ステップ47において、制御デバイスは、第1の等価のカードの数を、初期現行カード番号としてとる。ステップ49において、制御デバイスは、現行番号を持つカードが見出されるトレイ内に位置するアクティブ化されたカードの数を特定してテーブル内に保存する。ステップ49aにおいて、制御デバイスは、現行カード番号がnと等しいかどうかを確認する。nと等しくない場合、ステップ48において、制御デバイスは、現行カード番号を1単位ずつ上昇させる。次に、制御デバイスは、ステップ49aの、現行カード番号がnと等しいことを確認するときまで、必要に応じてステップ49、49a、および48を実行する。
【0047】
次いで、制御デバイスは、ステップ49bにおいて、トレイ内、または最もアクティブ化されたカードを含むトレイ内に位置するカードをアクティブ化することを決定する。スタートアップは、使用可能なカードをオンにする、すなわち電源を入れることで構成され、それにより電力を消費し始める。たとえば、カードがそのトレイでその時点において最初にオンにされる場合、そのカードを含むトレイの換気システムをアクティブ化することが必要であってもよい。カードが電源オンにされると、そのカードが機能的にスタートアップされるように、たとえばRSVP、GMPLS、またはその他のプロトコルなど、1つまたは複数の必要なプロトコルに従って、情報交換が、アクティブ化されたカードと通信ネットワークのその他の要素との間に行なわれる。
【0048】
次いで、制御デバイスは、ステップ49cに進み、カードがアクティブ化されたことを指示する。
【0049】
図4に示される流れ図の利点は、キャビネット内のトレイにアクティブなカードがほとんど含まれないように維持することができるようにすることである。そうすることで、一部のトレイを非アクティブ化する可能性を統計的に増大させ、それによりそれらの電力消費量、特にそれらの換気システム37aの電力消費量を節約することができるようになる。たとえば、これは、ネットワークの耐用期間の後半の時点において、ネットワークマネージャが、最も少ないアクティブ化されたカードを備える引き出しの1つにあるアクティブ状態のままのいくつかのカードが非アクティブ化されてもよいことを、制御デバイス39aに指示する場合に当てはまる。
【0050】
図5および図6を参照して、これ以降、3つの等価な光カード56a、56b、および56cを備える3つの電子キャビネット51a、51b、および51cをアクティブ化する第2の実施形態を説明する。図5の参照符号は、図3の参照符号に20を加えたものに対応する。したがって、図5は、ベイ54a、54b、および54c、トレイ55a、55a、55a、55a、55b、55b、55b、55b、55c、55c、55c、55c、換気要素58a、58b、58c、および制御デバイス59a、59b、59cを示す。
【0051】
これ以降、簡単にするために、制御デバイス59aのみが、制御デバイス59bおよび59cを介してキャビネット54bおよび54cの要素に指示することが仮定される。したがって、制御デバイス59aはマスターであり、制御デバイス54bおよび54cはスレーブである。
【0052】
40の非アクティブなキャビネットがアクティブ化され、そのキャビネットの制御デバイスがスタンバイモードを保つ必要があることも仮定される。したがって、制御デバイス59aは、制御デバイス59bおよび59cに、それぞれキャビネット51bおよび51cを、それらのキャビネットの非アクティブ状態を切り替えて、アクティブ化するように指示してもよい。
【0053】
キャビネット54aおよび54bは、同じネットワークノード52ab内に位置し、キャビネット54cはネットワークノード52c内に位置する。ネットワークノード52abおよび52cは、たとえば光ファイバなどの、光リンク53により接続される。説明のため、図5では2つのノード52abおよび52cのみを示す。必然的に、キャビネットはより多くの数のノードに位置してもよく、4以上のキャビネットおよび4以上の等価の光カードを備える例を概説することが可能であろう。ノード52abと52cの間の距離は、任意の距離であってもよい。距離は、たとえば数メートル、または数キロメートル、もしくはたとえば数百キロメートルなど、さらに長くてもよい。このさまざまな距離は、たとえばストレージエリアネットワーク(すなわちSAN)、ローカルエリアネットワーク(すなわちLAN)、アクセスネットワーク、首都圏ネットワーク、もしくは長距離または超長距離ネットワークに見出されるものである。
【0054】
図5は、換気要素57b、57b、57c、57c、57c、および57cを黒塗りで描き、それらが図5で検討される時点で動作していることを示す。
【0055】
換気要素は、破線57a、57a、57a、57a、57bおよび57bで描かれ、それらが図5で検討される時点で動作していないことを示す。
【0056】
図6は、電力消費量を最小化するために、ネットワーク内の複数の等価のカードからいずれが選択される必要があるかを選択することができるようにする流れ図を概略的に示す。この流れ図は、特に、図5に示される3つの等価の図に適用されてもよい。
【0057】
図6を示す流れ図は、20を加えた図4の参照符号と同じ数字を使用する。特に、ステップ41、42、43、46、47、48、49、49a、49b、および49cの説明は、類推によりステップ61、62、63、66、67、68、69、69a、69b、および69cに適用される。
【0058】
図5において、制御デバイス59aは、図3からの制御デバイス39aの役割を果たす。特に、制御デバイス59aは、等価の使用可能なカードの検索パラメータを定義する。この範囲は、図4における場合のように、1つのキャビネットのみに限定されることはない。図5において、制御デバイス59aは、検討する範囲内のキャビネット51a、51b、および51cを含むことができる。
【0059】
カード51a、51b、および51cがトランスポンダカードである場合、2つのキャビネット51aおよび51bを検索範囲に含めることで、ノード52abの交換容量を増大させることができるようになる。したがって、制御デバイス59aは、等価のカードの電力消費量の考慮およびノード52abの交換容量の考慮を共に勘案することができる。
【0060】
カード51a、51b、および51cが光増幅カードである場合、リモートキャビネット51cを検索範囲に含めることで、ネットワーク信号再生成ノードとしてノード52abおよび52cのいずれかを選択することができるようになる。たとえば、制御デバイス59aは、信号の光増幅要求を受信する。さらに、制御デバイス59aは、REVP、GMPLS、およびその他のプロトコルを介して、ネットワークの物理パラメータに関する情報を常時受信している。物理パラメータがこれを可能にする場合、制御されるデバイスは、ファン57cがすでにオンにされているトレイ55c内に位置する増幅カード56cをアクティブ化することができる。したがって、制御デバイス59aは、信号の再生成についての物理的許容の考慮、およびカードの電力消費量の考慮を共に勘案することができる。
【0061】
制御デバイス59aが、ネットワークの複数のノードに複数のキャビネットを含む検索パラメータを定義する必要がある容量は、図6のステップ61aにより図示される。このステップは、図3の制御デバイス39cの検索パラメータがキャビネット31aとして定義されているので、図4では説明されない。
【0062】
ステップ69bの間に、使用可能なカードがすべてアクティブ化されていないトレイ内にある場合、アクティブ化されるべきトレイを選択することが必要になる。1つの実施態様において、この選択は、さまざまなキャビネットの使用率に基づいて行なわれる。最もアクティブ化されたトレイを含むキャビネット内で、1つのトレイがアクティブ化されるように選択される。
【0063】
同じことが、ベイ内のトレイにも当てはまる。
【0064】
同様に、ステップ69bの間に、使用可能なカードが、キャビネットの列内のアクティブ化されていないキャビネットのトレイに見出されてもよい。キャビネット内の1つのトレイがアクティブ化されるように選択される必要がある。1つの実施態様において、この選択は、さまざまなキャビネットの列の使用率に基づいて行なわれる。最もアクティブ化されたキャビネットを含むキャビネットの列に属するキャビネット内で、1つのトレイがアクティブ化されるように選択される。
【0065】
同じことが、ベイの列に編成されたベイ内のトレイにも当てはまる。
【0066】
図6はまた、たとえば図5のノード52abおよび52cなどの、ノードを使用するためにマトリクスを更新することから成るステップ69dを概説する。カード、トレイ、キャビネット、ベイ、キャビネットの列、またはベイの列の消費量、およびそれらの使用率を計算することが可能である。この情報は、制御デバイス59aによりネットワークマネージャに伝送される。
【0067】
本発明は複数の特定の実施形態に関連して説明されてきたが、本発明がもちろん、それらの実施形態に限定されることは決してなく、説明される手段のすべての技術的均等物、ならびにそれらの組み合わせが本発明の範囲内に含まれる場合に前記組み合わせを備える。
【0068】
「備える」または「含む」という動詞、およびそれらの活用形の使用は、特許請求の範囲に示されているもの以外の要素またはステップの存在を除外するものではない。要素またはステップに対する不定冠詞「a」または「an」の使用は、特に記述がない限り、複数のそのような要素またはステップの存在を除外するものではない。複数の手段またはモジュールが、単一のハードウェア要素により示されてもよい。特許請求の範囲において、括弧内の任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものと解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク内のカードをアクティブ化するための方法であって、
前記通信ネットワークに関連するミッション要求(41、61)を受信するステップと、
前記ミッションの遂行が可能な1つまたは複数のカード(16、36a、36a、56a、56b、56c)を、複数のレセプタクルを備える検索範囲内で検索するステップ(42、62)と、
すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカード(49b、69b)がある場合、そのカードをアクティブ化するか、
または、すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカードがない場合、およびアクティブ化されていないレセプタクル内に可能なカードがある場合、アクティブ化されていないレセプタクル内の前記カード(49b、69b)をアクティブ化し、前記レセプタクルもアクティブ化するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記検索パラメータ(61a)を、前記ネットワークのノードの交換容量の関数として、または前記ネットワークのノードを接続するリンクを介する信号の伝搬に関連する物理パラメータで定義するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
可能なカードを備える複数のアクティブ化されたレセプタクルがある場合、最もアクティブ化されたカード(46、47、48、49、49a、66、67、68、69、69a)を備えるアクティブ化されたレセプタクルを特定して、最もアクティブ化されたカード(49b、69b)を含むレセプタクル内に位置する、前記ミッションの遂行が可能なカードをアクティブ化することを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
レセプタクルがトレイ(15)またはベイ(14)またはキャビネット(11)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
範囲が、トレイ(15)を含むキャビネット(11)、トレイ(15)を含むベイ(14)、トレイを含むキャビネットの列、トレイを含むベイの列、トレイを備えるキャビネットの列を含む部屋、トレイを含むベイの列を含む部屋で構成されるグループから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
範囲が、前記ネットワークの1つまたは複数の交換ノードを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記通信ネットワークがWDM光ネットワークであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ミッションが、光信号の別の光信号への変換、光信号の電気信号への変換、または電気信号の別の電気信号への変換で構成されるグループから選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
通信ネットワーク内のカード(36a、36a、56a、56b、56c)をアクティブ化するための制御デバイス(39a、59a)であって、
前記通信ネットワークに関連するミッション要求を受信することができる通信モジュールと、
前記ミッションの遂行が可能な1つまたは複数のカードを、1つまたは複数のレセプタクルを備える所定の検索範囲内で検索することができる検索モジュールと、
すでにアクティブ化されたレセプタクル(35a、55c)内にカードがある場合、そのカードをアクティブ化することができ、
すでにアクティブ化されたレセプタクル内に可能なカードがない場合、およびアクティブ化されていないレセプタクル(35a、55a、55b)内に可能なカードがある場合、前記アクティブ化されていないレセプタクル内のカードをアクティブ化し、前記レセプタクルもアクティブ化することができるアクティブ化モジュールとを備える、制御デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2013−516823(P2013−516823A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546409(P2012−546409)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069728
【国際公開番号】WO2011/080077
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】