説明

通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラム

【課題】アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することを課題とする。
【解決手段】セッション管理サーバは、利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、同じ利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する。また、セッション管理サーバは、発側の通話端末と着側の通話端末との対応関係を特定する。そして、セッション管理サーバは、発側の通話端末について対応関係を特定した発側の情報表示端末と、着側の通話端末について対応関係を特定した着側の情報表示端末とを連携するための連携情報を発行する。一方、サービス提供サーバは、サービスの提供を要求する情報表示端末毎に連携情報を収集する。そして、サービス提供サーバは、複数の連携情報の中からサービスを連携することを示す連携情報を特定し、特定した情報表示端末各々にサービスを連携して提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IP(Internet Protocol)網に接続するPC(Personal Computer)などに提供されるサービスとして、いわゆるWebサービスがある。Webサービスとは、WWW(World Wide Web)関連技術を適用し、アプリケーションの機能をネットワーク経由で実現するサービスのことをいう。Webサービスの中には、PC同士でファイルを共有するアプリケーション(例えば特許文献1など)やチャットを実現するアプリケーションなどが存在する。
【0003】
一方、移動体通信網に接続する移動体端末に提供されるサービスもある。例えば特許文献2には、移動体端末間でWebページを共有するアプリケーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−044429号公報
【特許文献2】特開2005−275528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の技術では、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することができないという課題があった。
【0006】
すなわち、従来のWebサービスでは、例えばPCの利用者同士が同じサービスに予め会員登録(例えばバディリストの登録など)していれば、利用者同士が通話をしながら予め会員登録しているWebサービスを共有することもできるであろう。しかしながら、通話相手が同じサービスに予め会員登録していないような状況であれば、通話相手との間でWebサービスを共有することは難しい。
【0007】
また、特許文献2に開示されているアプリケーションなどでは、同じ移動体通信網に接続する移動体端末同士でサービスを共有することはできるであろう。しかしながら、例えば一方の利用者が携帯電話で他方の利用者が固定電話であるといった状況であれば、通話相手との間でサービスを共有することは難しい。
【0008】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能な通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の開示する通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムは、一つの態様において、ネットワーク上のサービスを情報表示端末に提供する通信を制御する通信制御システムであって、セッション管理サーバは、利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、当該利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する端末対応関係特定手段と、発側の通話端末と、当該通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定する通話対応関係特定手段と、前記通話対応関係特定手段によって特定された発側の通話端末について前記端末対応関係特定手段によって対応関係が特定された発側の情報表示端末と、前記通話対応関係特定手段によって特定された着側の通話端末について前記端末対応関係特定手段によって対応関係が特定された着側の情報表示端末とを連携するための連携情報を発行する連携情報発行手段とを備える。また、サービス提供サーバは、サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、前記連携情報発行手段によって発行された連携情報を収集する連携情報収集手段と、前記連携情報収集手段によって収集された複数の連携情報の中からサービスを連携することを示す連携情報を特定し、特定した連携情報の収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御するサービス提供制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本願の開示する通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの一つの態様によれば、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの概要を説明するための図である。
【図2】図2は、セッション管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、電話番号管理テーブルを説明するための図である。
【図4】図4は、通話端末登録テーブルを説明するための図である。
【図5】図5は、制御用セッション管理テーブルを説明するための図である。
【図6】図6は、発着間紐付けIDテーブルを説明するための図である。
【図7】図7は、サービス提供サーバの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、Webセッション情報管理テーブルを説明するための図である。
【図9】図9は、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図11】図11は、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、実施例2における電話番号管理テーブルを説明するための図である。
【図13】図13は、実施例2に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図14】図14は、実施例2における通話端末登録テーブルを説明するための図である。
【図15】図15は、実施例3に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、実施例4における電話番号管理テーブルを説明するための図である。
【図17】図17は、実施例4に係る通信制御システムによる処理手順を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の開示する通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの概要]
まず、図1を用いて、各実施例に係る通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの概要を説明する。なお、図1は、通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムの概要を説明するための図である。
【0014】
上記したように、本願の開示する通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムは、一つの態様において、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することを目的としている。言い換えると、利用者同士によって行われる通話は、双方がPSTN(Public Switched Telephone Network)に接続する固定電話であることもあれば、一方が携帯電話網に接続する携帯電話で他方が固定電話であることもある。あるいは、一方が携帯電話で他方がSIP(Session Initiation Protocol)網に接続するSIPフォンであることもある。このように、通話というものは、図1に示すように、まさにアドホックな利用者同士でアドホックな環境で確立されるものであり、実施例に係る通信制御システム、通信制御方法および通信制御プログラムは、このようなアドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することを目的としている。なお、実施例1においては、図1に示すように、一方が携帯電話網に接続する携帯電話で、他方がSIP網に接続するSIPフォンであることを想定するが、本発明はこれに限られるものではない。携帯電話網以外の他の網である場合や、SIP網以外の他のIP網である場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0015】
さて、以下の実施例においては、利用者が通話に用いる端末を「通話端末」と呼び、利用者がサービスによって提供される情報を表示する端末を「情報表示端末」と呼ぶ。上記したように、通話はアドホックな環境で確立されるものであるので、「通話端末」としても様々な形態を想定し得る。例えば、固定電話、SIPフォン、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)などである。一方、「情報表示端末」としても様々な形態を想定し得る。例えば、PC、街頭設置型の大型ディスプレイ、PDA(Personal Digital Assistants)などである。なお、「通話端末」と「情報表示端末」とが物理的に一体の形態で実現されることも無論想定され得る。
【0016】
ここで、以下の実施例において、「情報表示端末」にサービスを提供するサーバが「サービス提供サーバ」であり、「サービス提供サーバ」が、「情報表示端末」各々に提供するサービスを連携するよう、サービス提供を制御する。もっとも、上記したように、「通話端末」によって確立される通話はアドホックな環境で確立されるものであり、同様に、利用者によって「情報表示端末」が利用される環境もアドホックなものとなる。このため、「サービス提供サーバ」によるサービス連携を実現するために、「セッション管理サーバ」が一役買うことになる。
【0017】
詳細については後述するが、ここでは簡単に説明すると、「セッション管理サーバ」が、利用者において利用される「通話端末」と「情報表示端末」との対応関係や、利用者同士で「通話端末」によって確立された通話を管理し、どの「情報表示端末」とどの「情報表示端末」とを連携すればよいかを示す連携情報を発行する。「サービス提供サーバ」は、発行された連携情報を用いることで、サービス連携を実現する。
【0018】
なお、各実施例で用いる主要な用語のうち、「制御用セッション情報」、「発着間紐付けID」、「Webセッション情報」、「callセッション情報」について説明する。
【0019】
「制御用セッション情報」とは、「セッション管理サーバ」が、「情報表示端末」との間で通信を行うために、「情報表示端末」のWebブラウザに対して払い出す情報のことである。「制御用セッション情報」は、一般的には確立されたセッションごと(通話ごと)に新しく払い出されるため、「セッション管理サーバ」は、「情報表示端末」と「セッション管理サーバ」との間で確立されたWeb通信を一意に識別することができる。例えば、『セッションID』(CookieのID)などである。
【0020】
「発着間紐付けID」とは、「セッション管理サーバ」が、どの「情報表示端末」とどの「情報表示端末」とを連携すればよいかを示すために発行する連携情報のことである。「発着間紐付けID」は、一般的には確立されたセッションごと(通話ごと)に新しく発行されるため、「サービス提供サーバ」は、セッション単位で(通話単位で)「情報表示端末」各々を紐付けることができる。
【0021】
「Webセッション情報」とは、「サービス提供サーバ」が、「情報表示端末」との間で通信を行うために、「情報表示端末」のWebブラウザに対して払い出す情報のことである。「Webセッション情報」は、一般的には確立されたセッションごと(通話ごと)に新しく払い出されるため、「サービス提供サーバ」は、「情報表示端末」と「サービス提供サーバ」との間で確立されたWeb通信を一意に識別することができる。例えば、『セッションID』(CookieのID)などである。
【0022】
「callセッション情報」とは、「通話端末」間で確立されたセッションから収集される情報であり、発側の「通話端末」や着側の「通話端末」を特定する情報を含む情報である。以下に説明する実施例1〜3においては、一方の「通話端末」がSIPフォンであることを想定しているので、callセッション情報としては、SIP通信に含まれる情報である『From』や『To』が想定される。なお、callセッション情報の中には、『From』や『To』の他に、『Call−ID』、『isub』、『tag』、『Date』などの情報も含まれるので、これらの情報を組み合わせることで、確立されたセッションを一意に識別する情報として用いることもできる。
【実施例1】
【0023】
[実施例1に係る通信制御システムの構成]
続いて、本願の開示する通信制御システムの一つの態様として、実施例1に係る通信制御システムの構成を説明する。まず、図2〜8を用いて、セッション管理サーバおよびサービス提供サーバの構成を説明する。図2は、セッション管理サーバの構成を示すブロック図である。また、図3は、電話番号管理テーブルを説明するための図であり、図4は、通話端末登録テーブルを説明するための図であり、図5は、制御用セッション管理テーブルを説明するための図であり、図6は、発着間紐付けIDテーブルを説明するための図である。また、図7は、サービス提供サーバの構成を示すブロック図であり、図8は、Webセッション情報管理テーブルを説明するための図である。
【0024】
[セッション管理サーバ]
セッション管理サーバ100は、以下に説明する各部が汎用的なサーバなどに備えられることによって実現され、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0025】
通信部110は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)通信用の一般的なインタフェースおよびライブラリを備え、情報表示端末との間で情報を送受信したり、GW(GateWay)やHGW(Home GateWay)、サービス提供サーバ200との間で情報を送受信するなどする。
【0026】
記憶部120は、図2に示すように、電話番号管理テーブル121と、通話端末登録テーブル122と、制御用セッション管理テーブル123と、発着間紐付けIDテーブル124とを備える。
【0027】
電話番号管理テーブル121は、通話端末の電話番号を管理するテーブルである。例えば、図3に示すように、セッション管理サーバ100は、電話番号管理テーブル121に、電話番号および当該電話番号を利用する利用者のパスワードのリストを、GWのIPアドレスに対応づけて予め記憶している。なお、電話番号管理テーブル121がどのように利用されるかについては、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0028】
通話端末登録テーブル122は、通話端末と情報表示端末との対応関係を登録するテーブルである。例えば、図4に示すように、セッション管理サーバ100は、通話端末登録テーブル122に、電話番号とGWのIPアドレスと制御用セッション情報とを対応づけて記憶する。なお、通話端末登録テーブル122がどのように利用されるかについては、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0029】
制御用セッション管理テーブル123は、制御用セッション情報を管理するテーブルである。例えば、図5に示すように、セッション管理サーバ100は、制御用セッション管理テーブル123に、制御用セッション情報とcallセッション情報と発着判定フラグと通話情報(開始時刻〜終了時刻)とを対応づけて記憶する。なお、制御用セッション管理テーブル123がどのように利用されるかについては、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0030】
なお、発着判定フラグとは、通話端末10と通話端末15との間で確立されたセッションについて、通話端末15(制御用セッション情報を払い出した情報表示端末25と組で利用される通話端末15)が発側であるのか着側であるのかを判定するフラグである。また、通話情報とは、通話端末10と通話端末15との間で確立されたセッションについて、セッションの開始時刻と終了時刻とを示す情報である。
【0031】
発着間紐付けIDテーブル124は、発着間紐付けIDを管理するテーブルである。例えば、図6に示すように、セッション管理サーバ100は、発着間紐付けIDテーブル124に、制御用セッション情報と発着間紐付けIDとを対応づけて記憶する。なお、発着間紐付けIDテーブル124がどのように利用されるかについては、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0032】
図2に戻り、制御部130は、通話端末登録部131と、発着間紐付けID発行部132とを備える。
【0033】
通話端末登録部131は、利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、同じ利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する。具体的には、通話端末登録部131は、通話端末と情報表示端末との対応関係を特定するとともに、情報表示端末との間で通信を行うための制御用セッション情報を払い出し、通話端末を識別する電話番号と制御用セッション情報とを通話端末登録テーブル122に登録することで、通話端末と情報表示端末との紐付けを完了する。なお、通話端末登録部131による処理の詳細については、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0034】
発着間紐付けID発行部132は、発側の通話端末と、この通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定するとともに、発側の通話端末と対応関係にある発側の情報表示端末と、着側の通話端末と対応関係にある着側の情報表示端末とを連携するための発着間紐付けIDを発行する。具体的には、発着間紐付けID発行部132は、一方の情報表示端末から送信されたcallセッション情報を用いて発側の通話端末と着側の通話端末との対応関係を特定する。また、発着間紐付けID発行部132は、発側の情報表示端末と着側の情報表示端末とを連携するための発着間紐付けIDを発行し、制御用セッション情報と発着間紐付けIDとを発着間紐付けIDテーブル124に格納することで、発着の情報表示端末の紐付けを完了する。なお、発着間紐付けID発行部132による処理の詳細については、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0035】
[サービス提供サーバ]
サービス提供サーバ200は、以下に説明する各部が汎用的なサーバなどに備えられることによって実現され、特に本発明に密接に関連するものとしては、図7に示すように、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを備える。
【0036】
通信部210は、HTTP通信用の一般的なインタフェースおよびライブラリを備え、情報表示端末との間で情報を送受信したり、セッション管理サーバ100との間で情報を送受信するなどする。
【0037】
記憶部220は、図7に示すように、Webセッション情報管理テーブル221を備える。
【0038】
Webセッション情報管理テーブル221は、Webセッション情報と発着間紐付けIDとの対応関係を管理するテーブルである。例えば、図8に示すように、サービス提供サーバ200は、Webセッション情報管理テーブル221に、Webセッション情報と発着間紐付けIDとを対応づけて記憶する。なお、Webセッション情報管理テーブル221がどのように利用されるかについては、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0039】
図7に戻り、制御部230は、発着間紐付けID収集部231と、サービス提供制御部232とを備える。
【0040】
発着間紐付けID収集部231は、サービスの提供を要求する情報表示端末毎に発着間紐付けIDを収集する。具体的には、発着間紐付けID収集部231は、サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、当該情報表示端末との間で通信を行うためのWebセッション情報を払い出すとともに発着間紐付けIDを収集し、Webセッション情報と発着間紐付けIDとを対応づけてWebセッション情報管理テーブル221に格納する。なお、発着間紐付けID収集部231による処理の詳細については、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0041】
サービス提供制御部232は、複数の発着間紐付けIDの中からサービスを連携することを示す発着間紐付けIDを特定し、特定した発着間紐付けIDの収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御する。具体的には、サービス提供制御部232は、Webセッション情報管理テーブル221を参照して同一の発着間紐付けIDである2つの発着間紐付けIDを特定し、特定した2つの発着間紐付けIDに対応づけて記憶されているWebセッション情報を用いて通信を行う情報表示端末各々に対して、サービスを連携して提供する。なお、サービス提供制御部232による処理の詳細については、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する際に詳述する。
【0042】
[実施例1に係る通信制御システムによる処理手順]
次に、図9〜11を用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を説明する。図9〜11は、実施例1に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。なお、まず、図9および10を用いて通話端末の登録を通話開始前に行う手法を説明し、次に、図11を用いて通話端末の登録を通話開始後に行う手法を説明する。
【0043】
[通話端末の登録を通話開始前に行う手法]
実施例1において、一方の通話端末10は、例えば携帯電話などであり、一方の情報表示端末20は、街頭設置型の大型ディスプレイなどである。情報表示端末20はGW30配下に接続しているが、通話端末10はGW30配下に接続していないものとする。また、他方の通話端末15は、例えば固定電話などであり、他方の情報表示端末25は、PCなどである。他方の情報表示端末25はHGW35配下に接続しており、通話端末15もHGW35配下に接続しているものとする。
【0044】
実施例1において、セッション管理サーバ100は、携帯電話である通話端末10と街頭設置型の大型ディスプレイである情報表示端末20との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100が電話番号のリストを大型ディスプレイに表示し、携帯電話の利用者が大型ディスプレイに表示された電話番号のリストから自らの携帯電話の電話番号を選択することで、結果として、大型ディスプレイである情報表示端末20が、セッション管理サーバ100に対して、利用者が利用する携帯電話の電話番号を送信することになる。つまり、セッション管理サーバ100は、大型ディスプレイである情報表示端末20から送信された電話番号を受信することで、大型ディスプレイと、受信した電話番号によって識別される携帯電話とが、現に同じ利用者によって利用されているという対応関係を特定することができるのである。
【0045】
また、実施例1において、セッション管理サーバ100は、通話端末10と通話端末15との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100は、通話端末15からcallセッション情報を受信し、このcallセッション情報を用いて発側の通話端末10や着側の通話端末15を特定するので、現に通話端末10と通話端末15とが通話による通信を確立しているという対応関係を特定することができるのである。
【0046】
以下、シーケンス図に従って詳細に説明する。なお、セッション管理サーバ100は、電話番号管理テーブル121に、電話番号および当該電話番号を利用する利用者のパスワードのリストを、GW30のIPアドレスに対応づけて予め記憶している(図3参照)。これは、GW30配下に接続する情報表示端末20を利用する通信端末10を、電話番号およびパスワードによって予め登録するものである。
【0047】
図9のステップS101に示すように、情報表示端末20は、お気に入りなどに登録されているURLが利用者によって指定されることでGW30にアクセスし(ステップS101)、GW30から受信した情報を画面表示する(ステップS102)。例えば、情報表示端末20は、通話端末の登録を要求する通話端末登録要求を受け付けるための画面を表示する。
【0048】
ここで、図9のステップS103に示すように、情報表示端末20の利用者が、例えば、情報表示端末20に表示された画面の「受付ボタン」を押下したとする(ステップS103)。なお、図中用いた人の顔マークは、当該処理を実行する主体が利用者であることを示す。
【0049】
すると、情報表示端末20は、利用者によって「受付ボタン」が押下された旨をGW30に通知し(ステップS104)、GW30は、通話端末登録要求の送信先として予め記憶していたセッション管理サーバ100のURL(Uniform Resource Locator)に、通話端末登録要求を送信する(ステップS105)。この時、GW30は、通話端末登録要求にIPアドレス(例えば「IP1」)を含めて送信する。
【0050】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、GW30から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていたGW30のIPアドレスを用いて電話番号およびパスワードのリストを取得する(ステップS106)。具体的には、通話端末登録部131は、通話端末登録要求からGW30のIPアドレス「IP1」を抽出し、抽出した「IP1」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「IP1」に対応づけて記憶されている電話番号およびパスワードのリスト(「TEL1」および「PWD1」、「TEL2」および「PWD2」、「TEL3」および「PWD3」)を取得する。
【0051】
次に、通話端末登録部131は、ステップS106において取得した電話番号およびパスワードのリストを通話端末登録応答としてGW30に送信する(ステップS107)。
【0052】
すると、GW30は、まず、利用者にパスワードの入力を要求する画面を情報表示端末20に送信し、情報表示端末20が、パスワードの入力を要求する画面を表示する(ステップS108)。ここで、図9のステップS109に示すように、情報表示端末20の利用者が、例えば、情報表示端末20に表示された画面にパスワード「PWD1」を入力したとする(ステップS109)。
【0053】
図9においては省略されているが、利用者によって入力されたパスワード「PWD1」は、情報表示端末20からGW30に送信され、GW30は、ステップS107において取得したリストを用いて当該パスワードを認証する。そして、パスワード「PWD1」が登録済みのパスワードであることを確認すると、GW30は、続いて、ステップS107において取得した電話番号のリストを情報表示端末20に送信し、情報表示端末20が、電話番号のリストを表示する。すると、情報表示端末20の利用者は、自己の通話端末10の電話番号(例えば「TEL1」)を選択する。
【0054】
すると、情報表示端末20は、通話端末登録要求の送信先として予め記憶していたセッション管理サーバ100のURLに通話端末登録要求を送信する(ステップS110)。この時、情報表示端末20は、通話端末登録要求に、ステップS109において選択された通話端末10の電話番号(例えば「TEL1」)を含めて送信する。
【0055】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末20から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていた通話端末10の電話番号を用いてGW30のIPアドレスを取得するとともに、制御用セッション情報を払い出す(ステップS111)。
【0056】
すなわち、上記したように、セッション管理サーバ100は、電話番号管理テーブル121に、電話番号および当該電話番号を利用する利用者のパスワードのリストを、GW30のIPアドレスに対応づけて予め記憶している。このため、通話端末登録部131は、通話端末登録要求から通話端末10の電話番号「TEL1」を抽出し、抽出した「TEL1」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「TEL1」に対応づけて記憶されているGW30のIPアドレス「IP1」を取得するとともに、情報表示端末20用の制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を払い出す。
【0057】
そして、通話端末登録部131は、通話端末10と情報表示端末20との紐付けを完了する(ステップS112)。具体的には、通話端末登録部131は、ステップS110において受信した通話端末10の電話番号「TEL1」と、ステップS111において取得したGW30のIPアドレス「IP1」と、ステップS111において払い出した制御用セッション情報「SEIGYO1」とを対応づけて通話端末登録テーブル122に登録する。
【0058】
そして、通話端末登録部131は、ステップS111において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を通話端末登録応答として情報表示端末20に送信する(ステップS113)。こうして、情報表示端末20に紐付ける通話端末10の登録が通話開始前に完了した。
【0059】
さて、図9のステップS114に示すように、通話端末10と通話端末15との間で通話が開始され、通話中の状態となった(ステップS114)。
【0060】
実施例1においては、一方の通話端末15は、情報表示端末25と同じくHGW35の配下に接続している。このため、HGW35は、通話端末15によって確立された通信を一意に識別するcallセッション情報を自ら収集することで取得する(ステップS115)。例えば、HGW35は、callセッション情報としての『From』(例えば「TEL1」)および『To』(例えば「TEL2」)、並びに『Call−ID』を、SIPによって確立された通信に含まれる情報から自ら収集することで取得し、また、発着判定フラグを自ら生成する。
【0061】
そして、HGW35は、情報表示端末25に対してアクセス先を変更するよう指示を行い、情報表示端末25は、HGW35のURLからセッション管理サーバ100のURLにアクセス先を変更する(ステップS116)。具体的には、HGW35は、情報表示端末25に対して、セッション管理サーバ100のURLにアクセス先を変更するよう指示するリダイレクト指示を、ステップS115において取得したcallセッション情報および発着判定フラグとともに行う。そして、情報表示端末25は、セッション管理サーバ100のURLにアクセス先を変更し、セッション管理サーバ100に対して、callセッション情報、発着判定フラグおよびサービス提供サーバ200のURLを送信する。
【0062】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末25からcallセッション情報や発着判定フラグを受信すると、情報表示端末25用の制御用セッション情報を払い出す(ステップS117)。具体的には、通話端末登録部131は、情報表示端末25用の制御用セッション情報(例えば「SEIGYO2」)を払い出し、ステップS116において受信したcallセッション情報『From』(例えば「TEL1」)および『To』(例えば「TEL2」)や『Call−ID』、発着判定フラグと対応づけ、さらに通話情報としての開始時刻を対応づけて制御用セッション管理テーブル123に登録する。なお、通話端末登録部131は、一方の情報表示端末25からのみcallセッション情報や発着判定フラグを受信するが、このcallセッション情報や発着判定フラグを信頼して利用することになる。また、通話端末登録部131は、SIP通信を制御するSIPサーバに問い合わせるなどして当該callセッション情報の正当性を検証してもよい。
【0063】
続いて、通話端末登録部131は、ステップS117において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO2」)を情報表示端末25に送信する(ステップS118)。
【0064】
そして、セッション管理サーバ100の発着間紐付けID発行部132が、発着の制御用セッション情報の紐付けを完了する(ステップS119)。具体的には、発着間紐付けID発行部132は、ステップS116において取得したcallセッション情報を用いて通話端末登録テーブル122を参照し、callセッション情報『From』もしくは『To』と同一の電話番号が登録されているか否かを確認する。例えば、発着間紐付けID発行部132は、callセッション情報『From』(例えば「TEL1」)および『To』(例えば「TEL2」)を用いて通話端末登録テーブル122を参照し、電話番号「TEL1」が登録されていることを確認する。
【0065】
すると、発着間紐付けID発行部132は、電話番号「TEL1」と当該電話番号「TEL1」に対応づけて記憶されている制御用セッション情報「SEIGYO1」とを取得し、制御用セッション管理テーブル123に登録する。なお、この時、発着間紐付けID発行部132は、一方の情報表示端末25からのみ送信されたcallセッション情報や発着判定フラグを信頼し、図5に示すように、制御用セッション情報「SEIGYO1」に対応付けて、『Call−ID』や発着判定フラグ、通話情報も登録する。発着判定フラグについては、情報表示端末25から送信された発着判定フラグが『着』であれば、その反対の『発』を登録することになる。また、発着間紐付けID発行部132は、制御用セッション管理テーブル123を参照し、callセッション情報『From』および『To』が同一となる2つの制御用セッション情報が、現に通話中の通話端末の組合せを示すものとして特定する。そして、発着間紐付けID発行部132は、これらの制御用セッション情報「SEIGYO2」および「SEIGYO1」を発着間紐付けIDテーブル124に登録する。
【0066】
続いて、発着間紐付けID発行部132は、発着間紐付けIDを発行する(ステップS120)。具体的には、発着間紐付けID発行部132は、現に通話中の通話端末を紐付けるための発着間紐付けIDを発行し、制御用セッション情報の組合せと対応づけて発着間紐付けIDテーブル124に登録する。例えば、発着間紐付けID発行部132は、発着間紐付けID「LIN100」を制御用セッション情報の組合せ「SEIGYO2」および「SEIGYO1」に対応づけて発着間紐付けIDテーブル124に登録する。
【0067】
そして、発着間紐付けID発行部132は、情報表示端末20に対して発着間紐付けIDを送信するとともにアクセス先を変更するよう指示を行い、情報表示端末20は、セッション管理サーバ100のURLからサービス提供サーバ200のURLにアクセス先を変更する(ステップS121)。具体的には、発着間紐付けID発行部132は、ステップS116において取得したサービス提供サーバ200のURLを用いてリダイレクト指示を行い、この際、ステップS120において発行した発着間紐付けIDを情報表示端末20に対して送信する。すると、情報表示端末20は、リダイレクト指示において指示されたサービス提供サーバ200のURLにアクセスし、発着間紐付けID(例えば「LIN100」)をサービス提供サーバ200に送信する。
【0068】
すると、サービス提供サーバ200の発着間紐付けID収集部231がWebセッション情報を払い出し(ステップS122)、払い出したWebセッション情報を情報表示端末20に通知する(ステップS123)。具体的には、発着間紐付けID収集部231は、Webセッション情報(例えば、「WEB1」)を払い出し、発着間紐付けID(例えば「LIN100」)と対応づけてWebセッション情報管理テーブル221に登録する。
【0069】
図10に示すように、ステップS124〜126においても同様に、発着間紐付けIDが情報表示端末25に通知され(ステップS124)、Webセッション情報が払い出され(ステップS125)、Webセッション情報が情報表示端末25に通知される(ステップS126)。
【0070】
こうして、サービス提供サーバ200の発着間紐付けID収集部231は、発着間紐付けIDが同一となる2つのWebセッション情報の紐付けを完了し(ステップS127)、サービス提供制御部232は、これらのWebセッション情報を用いてアクセスする情報表示端末20および情報表示端末25に対して提供するサービスを、互いに連携するように提供する(ステップS128)。
【0071】
例えば、一方の情報表示端末20が、ステップS123において払い出されたWebセッション情報が付与されたWeb通信によって、サービス提供サーバ200に画像データをアップロードし、他方の情報表示端末25が、ステップS126において払い出されたWebセッション情報が付与されたWeb通信によって、サービス提供サーバ200にアクセスしていたとする。すると、サービス提供制御部232は、他方の情報表示端末25に画像データを送信するよう、サービスを制御するので、他方の情報表示端末25に画像データが送信され、他方の情報表示端末25は、ディスプレイに画像データを表示するなどする。
【0072】
[通話端末の登録を通話開始後に行う手法]
なお、通話端末の登録を通話開始後に行う手法は、図11に示すように、通話端末の登録を通話開始前に行う手法と処理の順番が異なるのみで、その処理内容のほとんどが対応するものである。具体的には、通話中であることを示すステップS201が処理手順の冒頭に位置する点が異なるが、図11のステップS202〜S205は図10のステップS115〜S118に対応し、図11のステップS206〜S219は図9のS101〜S113に対応する。各ステップにおける処理の内容は、通話端末の登録を通話開始前に行う手法と同様である。
【0073】
[実施例1の効果]
上記してきたように、実施例1に係る通信制御システムにおいて、セッション管理サーバ100は、利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、同じ利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定し、また、発側の通話端末と、この通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定する。そして、セッション管理サーバ100は、発側の通話端末について対応関係を特定した発側の情報表示端末と、着側の通話端末について対応関係を特定した着側の情報表示端末とを連携するための発着間紐付けIDを発行する。一方、サービス提供サーバ200は、サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、発着間紐付けIDを収集する。そして、サービス提供サーバ200は、収集した複数の発着間紐付けIDの中からサービスを連携することを示す発着間紐付けIDを特定し、特定した発着間紐付けIDの収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御する。
【0074】
このように、セッション管理サーバ100が、利用者において利用される通話端末と情報表示端末との対応関係や、利用者同士で通話端末によって確立された通話を管理し、どの情報表示端末とどの情報表示端末とを連携すればよいかを示す発着間紐付けIDを発行する。そして、サービス提供サーバ200は、発行された発着間紐付けIDを用いることで、サービス連携を実現する。この結果、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になる。
【0075】
すなわち、通話相手が同じサービスに予め会員登録していないような状況であっても、あるいは、例えば一方の利用者が携帯電話で他方の利用者が固定電話であるといった状況であっても、セッション管理サーバ100が、両者の対応関係を紐付けることができるので、結果として、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になるのである。
【0076】
また、実施例1によれば、利用者は、携帯電話などのディスプレイが小さく、情報表示端末として兼用するには不便である場合に、外部の情報表示端末(実施例1では、街頭設置型の大型ディスプレイ)に表示先を変更することも可能になる。
【実施例2】
【0077】
[実施例2に係る通信制御システムによる処理手順]
続いて、図12〜14を用いて、実施例2に係る通信制御システムによる処理手順を説明する。図12は、実施例2における電話番号管理テーブルを説明するための図であり、図13は、実施例2に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図であり、図14は、実施例2における通話端末登録テーブルを説明するための図である。なお、実施例2においては、通話端末の登録を通話開始前に行う手法を説明するが、実施例1と同様、通話端末の登録を通話開始後に行う場合にも同様に適用することができる。
【0078】
実施例2において、一方の通話端末10は、例えば携帯電話などであり、一方の情報表示端末20は、街頭設置型の大型ディスプレイなどである。情報表示端末20も通話端末10もGW30配下に接続していないものとする。また、他方の通話端末15は、例えば固定電話などであり、他方の情報表示端末25は、PCなどである。他方の情報表示端末25はHGW35配下に接続しており、通話端末15もHGW35配下に接続しているものとする。
【0079】
実施例2において、セッション管理サーバ100は、携帯電話である通話端末10と街頭設置型の大型ディスプレイである情報表示端末20との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100が2次元バーコードを大型ディスプレイに表示し、携帯電話の利用者が大型ディスプレイに表示されたバーコードを自らの携帯電話の機能によって撮影することで、結果として、大型ディスプレイである情報表示端末20が、セッション管理サーバ100に対して、利用者が利用する携帯電話の端末識別情報(例えば、UIDなど)を送信することになる。つまり、セッション管理サーバ100は、大型ディスプレイである情報表示端末20から送信された端末識別情報を受信することで、大型ディスプレイと、受信した端末識別情報によって識別される携帯電話とが、現に同じ利用者によって利用されているという対応関係を特定することができるのである。
【0080】
また、実施例2において、セッション管理サーバ100は、通話端末10と通話端末15との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100は、通話端末15からcallセッション情報を受信し、このcallセッション情報を用いて発側の通話端末10や着側の通話端末15を特定するので、現に通話端末10と通話端末15とが通話による通信を確立しているという対応関係を特定することができるのである。
【0081】
以下、シーケンス図に従って詳細に説明する。なお、セッション管理サーバ100は、実施例1のように電話番号管理テーブル121にGW30のIPアドレスを予め記憶するのではない。実施例2において、セッション管理サーバ100は、図12に示すように、電話番号(例えば「TEL1」)と、当該電話番号を付与された通話端末を識別する端末識別情報(例えば「ID1」)とを対応づけて予め記憶している。
【0082】
さて、図13のステップS301に示すように、通話端末10の利用者が、例えば、情報表示端末20に設定されたブックマークを選択すると(ステップS301)、情報表示端末20は、ディスプレイを選択するための画面を要求するディスプレイ選択画面要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS302)。
【0083】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末20からディスプレイ選択画面要求を受信すると、通話端末紐付けIDを発行し、発行した通話端末紐付けIDを含めた2次元バーコードを作成する(ステップS303)。
【0084】
そして、通話端末登録部131は、ステップS303において作成した2次元バーコードをディスプレイ選択画面応答として情報表示端末20に送信する(ステップS304)。
【0085】
すると、情報表示端末20は、ステップS304において受信した2次元バーコードを画面に表示する(ステップS305)。
【0086】
一方、通話端末10は、バーコードリーダ機能によってバーコードを撮影し(ステップS306)、セッション管理サーバ100にアクセスして、通話端末登録要求を送信する(ステップS307)。この時、通話端末10は、通話端末登録要求に端末識別情報(例えば「ID1」)および通話端末紐付けIDを含めて送信する。
【0087】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、通話端末10から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていた端末識別情報を用いて電話番号を特定する(ステップS308)。
【0088】
具体的には、通話端末登録部131は、まず、通話端末登録要求に含められていた通話端末紐付けIDを用いて、当該通話端末登録要求が、ステップS303において作成した通話端末紐付けIDと対応するものであることを確認する。また、通話端末登録部131は、通話端末登録要求に含められていた端末識別情報「ID1」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「ID1」に対応づけて記憶されている電話番号「TEL1」を特定する。
【0089】
そして、通話端末登録部131は、制御用セッション情報を払い出し(ステップS309)、通話端末10と情報表示端末20との紐付けを完了する(ステップS310)。具体的には、通話端末登録部131は、制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を払い出し、図14に示すように、ステップS307において受信した通話端末10の端末識別情報「ID1」と、ステップS308において特定した通話端末10の電話番号「TEL1」と、ステップS309において払い出した制御用セッション情報「SEIGYO1」とを対応づけて通話端末登録テーブル122に登録する。
【0090】
そして、通話端末登録部131は、ステップS310において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を通話端末登録応答として情報表示端末20に送信する(ステップS311)。こうして、情報表示端末20に紐付ける通話端末10の登録が通話開始前に完了した。
【0091】
その後、図13のステップS312に示すように、通話端末10と通話端末15との間で通話が開始され、通話中の状態となった(ステップS312)。その後は、実施例1におけるステップS115以降と同様の処理が行われる(図10を参照)。
【0092】
[実施例2の効果]
実施例1と同様、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になる。
【実施例3】
【0093】
[実施例3に係る通信制御システムによる処理手順]
続いて、図15を用いて、実施例3に係る通信制御システムによる処理手順を説明する。図15は、実施例3に係る通信制御システムによる処理手順を示すシーケンス図である。なお、実施例3においては、通話端末の登録を通話開始後に行う手法を説明するが、実施例1と同様、通話端末の登録を通話開始前に行う場合にも同様に適用することができる。
【0094】
実施例3において、一方の通話端末10は、例えば携帯電話などであり、一方の情報表示端末20は、街頭設置型の大型ディスプレイなどである。情報表示端末20も通話端末10もGW30配下に接続していないものとする。また、他方の通話端末15は、例えば固定電話などであり、他方の情報表示端末25は、PCなどである。他方の情報表示端末25はHGW35配下に接続しており、通話端末15もHGW35配下に接続しているものとする。
【0095】
実施例3において、セッション管理サーバ100は、携帯電話である通話端末10と街頭設置型の大型ディスプレイである情報表示端末20との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、大型ディスプレイである情報表示端末20と携帯電話である通話端末10との間の通信を中継するRF−IDリーダ40が備えられ、通話端末10は、端末識別情報をRF−IDリーダ40を介して情報表示端末20に送信する。結果として、大型ディスプレイである情報表示端末20が、セッション管理サーバ100に対して、利用者が利用する携帯電話の端末識別情報(例えば、UIDなど)を送信することになる。つまり、セッション管理サーバ100は、大型ディスプレイである情報表示端末20から送信された端末識別情報を受信することで、大型ディスプレイと、受信した端末識別情報によって識別される携帯電話とが、現に同じ利用者によって利用されているという対応関係を特定することができるのである。
【0096】
また、実施例3において、セッション管理サーバ100は、通話端末10と通話端末15との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100は、通話端末15からcallセッション情報を受信し、このcallセッション情報を用いて発側の通話端末10や着側の通話端末15を特定するので、現に通話端末10と通話端末15とが通話による通信を確立しているという対応関係を特定することができるのである。
【0097】
以下、シーケンス図に従って詳細に説明する。なお、セッション管理サーバ100は、実施例2と同様、電話番号(例えば「TEL1」)と、当該電話番号を付与された通話端末を識別する端末識別情報(例えば「ID1」)とを対応づけて予め記憶している。
【0098】
実施例3の手法と実施例2の手法との違いは、実施例2においては、通話端末10がバーコードを撮影することでセッション管理サーバ100にアクセスし、端末識別情報を送信していた。これに対し、実施例3においては、情報表示端末20がRF−ID40を備えているので、通話端末10は、RF−IDリーダ40や情報表示端末20を介することで、セッション管理サーバ100に端末識別情報を送信する。
【0099】
具体的には、実施例3において、図15のステップS402〜S405は、例えば図10のステップS115〜S118に対応し、各ステップにおける処理の内容は、実施例1において説明した内容と同様である。
【0100】
図15のステップS406に示すように、情報表示端末20の利用者が、例えば、RF−IDリーダ40に通話端末10をかざす。すると、通話端末10は、端末識別情報およびセッション管理サーバ100のURLをRF−IDリーダ40に送信する(ステップS406)。
【0101】
RF−IDリーダ40は、端末識別情報およびセッション管理サーバ100のURLを受信すると、端末識別情報の送信指示を情報表示端末20に送信し(ステップS407)、情報表示端末20が、通話端末登録要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS408)。この時、情報表示端末20は、通話端末登録要求に端末識別情報(例えば「ID1」)を含めて送信する。
【0102】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、通話端末10から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていた端末識別情報を用いて電話番号を特定する(ステップS409)。
【0103】
具体的には、通話端末登録部131は、通話端末登録要求に含められていた端末識別情報「ID1」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「ID1」に対応づけて記憶されている電話番号「TEL1」を特定する。
【0104】
そして、通話端末登録部131は、制御用セッション情報を払い出し(ステップS410)、通話端末10と情報表示端末20との紐付けを完了する(ステップS411)。具体的には、通話端末登録部131は、制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を払い出し、ステップS408において受信した通話端末10の端末識別情報「ID1」と、ステップS409において特定した通話端末10の電話番号「TEL1」と、ステップS410において払い出した制御用セッション情報「SEIGYO1」とを対応づけて通話端末登録テーブル122に登録する。
【0105】
そして、通話端末登録部131は、ステップS410において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を通話端末登録応答として情報表示端末20に送信する(ステップS412)。こうして、情報表示端末20に紐付ける通話端末10の登録が完了した。
【0106】
[実施例3の効果]
実施例1と同様、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になる。
【実施例4】
【0107】
[実施例4に係る通信制御システムによる処理手順]
続いて、図16および図17を用いて、実施例4に係る通信制御システムによる処理手順を説明する。図16は、実施例4における電話番号管理テーブルを説明するための図であり、図17は、実施例4に係る通信制御システムによる処理手順を説明するためのシーケンス図である。なお、実施例4においては、一方の通話端末の登録を通話開始前に行い、他方の通話端末の登録を通話開始後に行う手法を説明するが、双方の通話端末の登録を通話開始前に行う場合にも通話開始後に行う場合にも同様に適用することができる。
【0108】
実施例4において、一方の通話端末10は、例えば固定電話などであり、一方の情報表示端末20は、PCなどである。情報表示端末20も通話端末10もGW30配下に接続していないものとする。また、他方の通話端末15は、例えば固定電話などであり、他方の情報表示端末25は、PCなどである。他方の情報表示端末25も通話端末15もHGW35配下に接続していないものとする。
【0109】
実施例4において、セッション管理サーバ100は、固定電話である通話端末10とPCである情報表示端末20との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100が電話番号の入力画面をPCに表示し、固定電話の利用者がPCに表示された電話番号の入力画面に自らの固定電話の電話番号を入力することで、結果として、PCである情報表示端末20が、セッション管理サーバ100に対して、利用者が利用する固定電話の電話番号を送信することになる。つまり、セッション管理サーバ100は、PCである情報表示端末20から送信された電話番号を受信することで、PCと、受信した電話番号によって識別される固定電話とが、現に同じ利用者によって利用されているという対応関係を特定することができるのである。
【0110】
また、実施例4において、セッション管理サーバ100は、通話端末10と通話端末15との対応関係を特定すべく、次のような仕組みを実現する。すなわち、後述するように、セッション管理サーバ100は、通話端末10から通話相手である通話端末15の電話番号を受信し、通話端末15から通話相手である通話端末10の電話番号を受信する。この結果、セッション管理サーバ100は、現に通話端末10と通話端末15とが通話による通信を確立しているという対応関係を特定することができるのである。
【0111】
以下、シーケンス図に従って詳細に説明する。なお、セッション管理サーバ100は、図16に示すように、電話番号管理テーブル121に、電話番号(例えば「TEL1」)と、当該電話番号を付与された通話端末を利用する利用者のパスワード(例えば「PWD1」)とを対応づけて予め記憶している。また、実施例4においては、パスワードを用いて通話端末10および通話端末15を認証する手法を例示しているが、IDPを用いて認証する手法など、他の手法を用いて認証してもよい。
【0112】
さて、図17のステップS501に示すように、通話端末10の利用者が、例えば、情報表示端末20に設定されたブックマークを選択すると(ステップS501)、情報表示端末20は、電話番号を入力するための画面を要求する電話番号入力画面要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS502)。
【0113】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末20から電話番号入力画面要求を受信すると、電話番号入力画面を生成し、電話番号入力画面応答として情報表示端末20に送信する(ステップS503)。
【0114】
すると、情報表示端末20は、ステップS504において受信した電話番号入力画面を表示する(ステップS504)。
【0115】
一方、通話端末10の利用者は、パスワード(例えば「PWD1」)を入力するとともに着側通話端末15の電話番号(例えば「TEL2」)を入力する(ステップS505)。すると、情報表示端末20は、通話端末登録要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS506)。この時、情報表示端末20は、通話端末登録要求にパスワード(例えば「PWD1」)および着側通話端末15の電話番号(例えば「TEL2」)を含めて送信する。
【0116】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末20から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていたパスワードを用いて発側通話端末10の電話番号を特定する(ステップS507)。
【0117】
具体的には、通話端末登録部131は、通話端末登録要求に含められていたパスワード「PWD1」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「PWD1」に対応づけて記憶されている電話番号「TEL1」を特定する。
【0118】
そして、通話端末登録部131は、制御用セッション情報を払い出し(ステップS508)、通話端末10と情報表示端末20との紐付けを完了する(ステップS509)。具体的には、通話端末登録部131は、制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を払い出し、ステップS507において特定した通話端末10の電話番号「TEL1」と、ステップS508において払い出した制御用セッション情報「SEIGYO1」とを対応づけて通話端末登録テーブル122に登録する。
【0119】
そして、通話端末登録部131は、ステップS508において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO1」)を通話端末登録応答として情報表示端末20に送信する(ステップS510)。こうして、発側について、情報表示端末20に紐付ける通話端末10の登録が通話開始前に完了した。
【0120】
その後、図17のステップS511に示すように、通話端末10と通話端末15との間で通話が開始され、通話中の状態となった(ステップS511)。
【0121】
さて、図17のステップS512に示すように、着側通話端末15の利用者が、例えば、情報表示端末25に設定されたブックマークを選択すると(ステップS512)、情報表示端末25は、電話番号を入力するための画面を要求する電話番号入力画面要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS513)。
【0122】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末25から電話番号入力画面要求を受信すると、電話番号入力画面を生成し、電話番号入力画面応答として情報表示端末25に送信する(ステップS514)。
【0123】
すると、情報表示端末25は、ステップS514において受信した電話番号入力画面を表示する(ステップS515)。
【0124】
一方、通話端末15の利用者は、パスワード(例えば「PWD2」)を入力するとともに発側通話端末10の電話番号(例えば「TEL1」)を入力する(ステップS516)。すると、情報表示端末25は、通話端末登録要求をセッション管理サーバ100に送信する(ステップS517)。この時、情報表示端末25は、通話端末登録要求にパスワード(例えば「PWD2」)および発側通話端末10の電話番号(例えば「TEL1」)を含めて送信する。
【0125】
一方、セッション管理サーバ100の通話端末登録部131は、情報表示端末25から通話端末登録要求を受信すると、通話端末登録要求に含められていたパスワードを用いて着側通話端末15の電話番号を特定する(ステップS518)。
【0126】
具体的には、通話端末登録部131は、通話端末登録要求に含められていたパスワード「PWD2」を用いて電話番号管理テーブル121を参照する。そして、通話端末登録部131は、「PWD2」に対応づけて記憶されている電話番号「TEL2」を特定する。
【0127】
そして、通話端末登録部131は、制御用セッション情報を払い出し(ステップS519)、通話端末15と情報表示端末25との紐付けを完了する(ステップS520)。具体的には、通話端末登録部131は、制御用セッション情報(例えば「SEIGYO2」)を払い出し、ステップS518において特定した通話端末15の電話番号「TEL2」と、ステップS519において払い出した制御用セッション情報「SEIGYO2」とを対応づけて通話端末登録テーブル122に登録する。
【0128】
そして、通話端末登録部131は、ステップS519において払い出した制御用セッション情報(例えば「SEIGYO2」)を通話端末登録応答として情報表示端末25に送信する(ステップS521)。こうして、着側について、情報表示端末25に紐付ける通話端末15の登録が通話開始後に完了した。
【0129】
その後、セッション管理サーバ100は、ステップS506において発側の通話端末10から受信した着側通話端末15の電話番号「TEL2」、および、ステップS517において着側の通話端末15から受信した発側通話端末10の電話番号「TEL1」とを照合し、通話端末登録テーブル122を参照することで、実施例1〜3と同様に、制御用セッション管理テーブル123を作成する。
【0130】
[実施例4の効果]
実施例1と同様、アドホックな通話相手との間で柔軟にサービスを共有することが可能になる。
【実施例5】
【0131】
さて、これまで実施例1〜実施例4について説明してきたが、上記した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0132】
[セッション管理機能]
上記実施例においては、通話端末登録部や発着間紐付けID発行部などに代表されるセッション管理機能が、SIPサーバやサービス提供サーバとは物理的に異なるセッション管理サーバに備えられている事例を説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。セッション管理機能がSIPサーバに備えられている事例にも、あるいは、サービス提供サーバに備えられている事例などにも、本発明を同様に適用することができる。
【0133】
[発着間紐付けID]
上記実施例においては、サービス提供サーバがWebサービスを互いに関連づけて制御する際に用いる「発着間紐付けID」として、セッション管理サーバが新たに発行した発着間紐付けIDを用いる手法を説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。呼情報であるcallセッション情報そのもの(例えば、Call-IDなど)を流用する手法にも、本発明を同様に適用することができる。
【0134】
[ポーリング]
上記実施例においては、情報表示端末とHGWとの間、情報表示端末とセッション管理サーバとの間などで、適宜ポーリングを用いて通信を行う手法を説明してきたが、本発明はこれに限られるものではなく、ポーリングの替わりにプッシュ型やプル型の通信であってもよい。この場合には、必要な時のみアクセスすればよいことになる。
【0135】
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順(図9〜11、図13、図15、図17など)、具体的名称(図2〜図8など)、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0136】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0137】
なお、本実施例で説明した通信制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【符号の説明】
【0138】
10 通話端末
15 通話端末
20 情報表示端末
25 情報表示端末
30 GW
35 HGW
100 セッション管理サーバ
110 通信部
120 記憶部
121 電話番号管理テーブル
122 通話端末登録テーブル
123 制御用セッション管理テーブル
124 発着間紐付けIDテーブル
130 制御部
131 通話端末登録部
132 発着間紐付けID発行部
200 サービス提供サーバ
210 通信部
220 記憶部
221 Webセッション情報管理テーブル
230 制御部
231 発着間紐付けID収集部
232 サービス提供制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサービスを情報表示端末に提供する通信を制御する通信制御システムであって、
セッション管理サーバは、
利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、当該利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する端末対応関係特定手段と、
発側の通話端末と、当該通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定する通話対応関係特定手段と、
前記通話対応関係特定手段によって特定された発側の通話端末について前記端末対応関係特定手段によって対応関係が特定された発側の情報表示端末と、前記通話対応関係特定手段によって特定された着側の通話端末について前記端末対応関係特定手段によって対応関係が特定された着側の情報表示端末とを連携するための連携情報を発行する連携情報発行手段とを備え、
サービス提供サーバは、
サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、前記連携情報発行手段によって発行された連携情報を収集する連携情報収集手段と、
前記連携情報収集手段によって収集された複数の連携情報の中からサービスを連携することを示す連携情報を特定し、特定した連携情報の収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御するサービス提供制御手段と
を備えたことを特徴とする通信制御システム。
【請求項2】
前記端末対応関係特定手段は、所定の情報表示端末から所定の通話端末の電話番号を受信することで、当該情報表示端末と当該電話番号によって識別される通話端末との対応関係を特定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項3】
前記通話端末は、バーコードリーダ機能を備え、前記対応関係にある情報表示端末に表示されたバーコードであって前記セッション管理サーバにおいて当該情報表示端末を識別する情報が埋め込まれたバーコードを当該バーコードリーダ機能によって撮影し、当該バーコードに埋め込まれた情報と当該通話端末を識別する端末識別情報とを前記セッション管理サーバに送信するものであって、
前記端末対応関係特定手段は、所定の通話端末から前記バーコードに埋め込まれた情報と当該通話端末を識別する端末識別情報とを受信することで、当該バーコードに埋め込まれた情報によって識別される情報表示端末と当該通話端末との対応関係を特定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項4】
前記通信制御システムは、情報表示端末と通話端末との間の通信を中継するRF−IDリーダをさらに備え、
前記通話端末は、当該通話端末を識別する端末識別情報を、前記RF−IDリーダを介して、前記対応関係にある情報表示端末に送信するものであって、
前記端末対応関係特定手段は、所定の情報表示端末から前記端末識別情報を受信することで、当該情報表示端末と当該端末識別情報によって識別される通話端末との対応関係を特定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項5】
前記端末対応関係特定手段は、発側の情報表示端末から発側の通話端末の電話番号を受信し、着側の情報表示端末から着側の通話端末の電話番号を受信することで、当該情報表示端末と当該電話番号によって識別される通話端末との対応関係を特定し、
前記通話対応関係特定手段は、発側の情報表示端末から着側の通話端末の電話番号を受信し、着側の情報表示端末から発側の通話端末の電話番号を受信することで、発側の通話端末と、当該通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御システム。
【請求項6】
ネットワーク上のサービスを情報表示端末に提供する通信を制御する通信制御方法であって、
セッション管理サーバは、
利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、当該利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する端末対応関係特定工程と、
発側の通話端末と、当該通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定する通話対応関係特定工程と、
前記通話対応関係特定工程によって特定された発側の通話端末について前記端末対応関係特定工程によって対応関係が特定された発側の情報表示端末と、前記通話対応関係特定工程によって特定された着側の通話端末について前記端末対応関係特定工程によって対応関係が特定された着側の情報表示端末とを連携するための連携情報を発行する連携情報発行工程とを含み、
サービス提供サーバは、
サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、前記連携情報発行工程によって発行された連携情報を収集する連携情報収集工程と、
前記連携情報収集工程によって収集された複数の連携情報の中からサービスを連携することを示す連携情報を特定し、特定した連携情報の収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御するサービス提供制御工程と
を含んだことを特徴とする通信制御方法。
【請求項7】
ネットワーク上のサービスを情報表示端末に提供する通信を制御する通信制御方法をコンピュータに実行させる通信制御プログラムであって、
利用者によって通話による通信が行われる通話端末と、当該利用者によって利用される情報表示端末との対応関係を特定する端末対応関係特定手順と、
発側の通話端末と、当該通話端末との間で通話による通信を確立した着側の通話端末との対応関係を特定する通話対応関係特定手順と、
前記通話対応関係特定手順によって特定された発側の通話端末について前記端末対応関係特定手順によって対応関係が特定された発側の情報表示端末と、前記通話対応関係特定手順によって特定された着側の通話端末について前記端末対応関係特定手順によって対応関係が特定された着側の情報表示端末とを連携するための連携情報を発行する連携情報発行手順とをセッション管理サーバに実行させ、
サービスの提供を要求する情報表示端末毎に、前記連携情報発行手順によって発行された連携情報を収集する連携情報収集手順と、
前記連携情報収集手順によって収集された複数の連携情報の中からサービスを連携することを示す連携情報を特定し、特定した連携情報の収集元である情報表示端末各々に提供するサービスを連携するようにサービス提供を制御するサービス提供制御手順とをサービス提供サーバに実行させることを特徴とする通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−10123(P2011−10123A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152800(P2009−152800)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】