説明

通信制御装置、無線通信端末、処理実行装置、通信システムおよび通信制御方法

【課題】通信サービスの提供において無線通信端末が有するリソースを十分に活用することを可能とすること。
【解決手段】2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信路選択部と、複数の無線通信路が選択された場合に、選択された上記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、上記無線通信端末との間で、上記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させる通信設定制御部と、を備える通信制御装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御装置、無線通信端末、処理実行装置、通信システムおよび通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信端末がネットワークを経由して通信サービスの提供を受ける方法として、主に下記の2つの方法が存在する。
【0003】
第1の方法は、ネットワーク上にある処理実行装置が無線通信端末側の画面を経由して操作され、当該処理実行装置が通信サービスの提供のための処理を実行する、「X端末」や「シンクライアント」のような概念による方法である。
【0004】
第2の方法は、無線通信端末がネットワーク上にある通信制業装置から通信サービスに関するソフトウェアをダウンロードし、無線通信端末が当該ソフトウェアを実行する、「エージェント」のような概念による方法である。
【0005】
無線通信路を介するこれら方法を用いた通信サービスの提供に関して、例えば下記特許文献1は、デュアルモードの無線通信端末において電源の供給状況に応じて2つの無線通信方式を選択的に切り替えることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−214726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、既存の技術に基づく通信サービスの提供方法では、無線通信端末が有するリソースを十分に活用できているとは言い難い。例えば、上記特許文献1に記載された技術では、無線通信端末が複数の無線回路を有しているにも関わらず、1つの通信サービスについていずれか1つの回路のみが利用される。この場合、無線通信路の通信速度が低いことで遅延が生じ得るなど、ユーザにより望まれる通信サービスのサービス品質を十分に達成できない可能性がある。
【0008】
そこで、本開示では、通信サービスの提供において無線通信端末が有するリソースを十分に活用することのできる、新規かつ改良された通信制御装置、無線通信端末、処理実行装置、通信システムおよび通信制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によれば、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信路選択部と、複数の無線通信路が選択された場合に、選択された上記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、上記無線通信端末との間で、上記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させる通信設定制御部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な通信部と、通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置から、複数の無線通信路を用いて当該複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定することを求める指示が受信された場合に、上記複数の無線通信路を用いて上記少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定する通信設定部と、を備える無線通信端末が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行する処理実行部と、上記無線通信端末と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と通信する通信部と、上記通信制御装置により選択された複数の無線通信路のうちの自装置に対応する少なくとも1つの無線通信路を用いて上記無線通信端末と互いに通信するように設定することを求める指示が上記通信制御装置から受信された場合に、当該少なくとも1つの無線通信路を用いて上記無線通信端末と互いに通信するように設定する通信設定部と、を備える処理実行装置が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と、当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な1つ以上の処理実行装置と、上記無線通信端末と上記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と、を含み、上記通信制御装置が複数の無線通信路を選択した場合に、選択された上記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、上記無線通信端末とは、上記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定する、通信システムが提供される。
【0013】
また、本開示によれば、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置との通信を制御する通信制御装置において、上記無線通信端末と上記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択するステップと、複数の無線通信路が選択された場合に、選択された上記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、上記無線通信端末との間で、上記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させるステップと、を含む通信制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本開示によれば、通信サービスの提供において無線通信端末が有するリソースを十分に活用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の一実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係る通信制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】アクセスポイントDBに記憶されているアクセスポイントテーブルの一例を示す説明図である。
【図4】処理実行装置DBに記憶されている処理実行装置テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】通信サービスDBに記憶されている通信サービステーブルの一例を示す説明図である。
【図6】通信サービスDBに記憶されている優先度テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】通信サービスDBに記憶されている設定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本開示の一実施形態に係る無線通信端末の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本開示の一実施形態に係る処理実行装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】無線通信路の設定時の通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図11】無線通信路の設定時の通信制御装置における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】無線通信路の設定時に作成されるアクセスポイントリストの一例を示す説明図である。
【図13】無線通信路の設定時に作成される処理実行装置リストの一例を示す説明図である。
【図14】無線通信路の設定時に作成される無線通信路リストの一例を示す説明図である。
【図15】無線通信路の設定時に作成される無線通信路選択テーブルの一例を示す説明図である。
【図16】無線通信路の設定時の無線通信端末における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図17】無線通信路の設定時の処理実行装置における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】無線通信路の設定後の通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図19】無線通信路の設定後の無線通信端末における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図20】無線通信路の設定後の通信制御装置における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本実施形態に係る通信システムの構成
2. 各装置の構成
2.1.通信制御装置の構成
2.2.無線通信端末の構成
2.3.処理実行装置の構成
3.処理の流れ
3.1.無線通信路設定時の処理の流れ
3.2.無線通信路設定後の処理の流れ
4.まとめ
【0018】
<1.本実施形態に係る通信システムの構成>
まず、図1を参照して、本開示の実施形態に係る通信システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成の一例を示す説明図である。
【0019】
図1に示されるように、通信システム1は、通信制御装置100、無線通信端末200、処理実行装置400および600、アクセスポイント10、20および30、無線通信路12、22および32、ネットワーク40、50および60、並びにルータ70および80を含む。
【0020】
無線通信端末200は、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な端末である。無線通信端末200は、例えば、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、ナビゲーション端末、ゲーム端末等であってよい。本明細書において、無線通信路とは、通信サービスの提供を受ける無線通信端末が後述のアクセスポイントと無線通信を行うための通信路をいう。各無線通信路では、いずれかの無線通信方式により通信が行われる。当該無線通信方式は、例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)、WCDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、PHS(Personal Handy-phone System)等のセルラー方式、IEEE802.11a/b/g/n等の無線LAN方式、またはその他の任意の方式であってよい。例えば、無線通信端末200は、WCDMA、IEEE802.11a、およびIEEE802.11gをサポートし、WCDMAの無線通信路、IEEE802.11aの無線通信路、およびIEEE802.11gの無線通信路を用いて通信可能である。なお、無線通信端末200が用いる無線通信路には、同一の無線通信方式の複数の無線通信路が含まれてもよい。例えば、無線通信端末200は、WCDMAをサポートする2つ以上の無線通信回路を有し、2つ以上のWCDMAの無線通信路を用いて通信可能であってもよい。
【0021】
無線通信端末200は、例えば、通信制御装置100に通信サービスを要求し、通信制御装置100から無線通信路の設定に関する指示を受信する。当該指示に応じて、無線通信端末200は、例えば、無線通信路12、22および32を用いて、処理実行装置400および600と互いに通信するように自装置を設定する。通信サービスは、例えば、映像配信、テレビ会議、電話、オンラインゲーム等の、ネットワークを介して無線通信端末200に提供されるサービスであってよい。
【0022】
アクセスポイント10、20および30は、無線通信端末200と無線通信を行い、無線通信端末200と処理実行装置との間の通信を中継する装置である。アクセスポイント10、20および30は、いずれかの無線通信方式に対応し、当該無線通信方式の無線通信路を用いて無線通信端末200と通信する。なお、本明細書において、アクセスポイントとは、無線LAN方式のアクセスポイントのみならず、セルラー方式の基地局など、無線通信端末が通信サービスの提供を受けるために無線信号を用いて直接的にアクセスする任意の装置を含む。アクセスポイント10、20および30は、例えば、それぞれWCDMAの基地局、IEEE802.11aの無線LANアクセスポイント、およびIEEE802.11gの無線LANアクセスポイントであってよい。そのため、アクセスポイント10、20および30は、無線通信端末100と接続し得る。
【0023】
無線通信路12、22および32は、無線通信端末200とアクセスポイント10、20および30とが無線通信を行うための通信路である。例えば、無線通信路12、22および32は、それぞれWCDMAの無線通信路、IEEE802.11aの無線通信路、およびIEEE802.11gの無線通信路である。
【0024】
処理実行装置400および600は、無線通信端末200に通信サービスを提供するための処理を実行可能な装置である。例えば、処理実行装置400および600は、インターネットまたは通信事業者のネットワーク上に設けられるサーバ装置であってよい。処理実行装置400は、無線通信路12およびアクセスポイント10に対応し、処理実行装置600は、無線通信路22およびアクセスポイント20並びに無線通信路32およびアクセスポイント30に対応する。処理実行装置400は、無線通信路の設定に関する指示を受信すると、当該指示に応じて、例えば無線通信路12を用いて無線通信端末200と互いに通信するように自装置を設定する。同様に、処理実行装置600は、無線通信路の設定に関する指示を受信すると、当該指示に応じて、例えば無線通信路22および32を用いて無線通信端末200と互いに通信するように自装置を設定する。
【0025】
通信制御装置100は、無線通信端末200と処理実行装置との通信を制御する装置である。例えば、通信制御装置100は、インターネットまたは通信事業者のネットワーク上に設けられるサーバ装置であってよい。通信制御装置100は、例えば無線通信端末200からの通信サービスの要求を受けて、無線通信端末200と1つ以上の処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する。例えば、通信制御装置100は、ここでは無線通信路12、22および32を選択する。そして、通信制御装置100は、無線通信路12に対応する処理実行装置400並びに無線通信路22および32に対応する処理実行装置600と、無線通信端末200との間で、無線通信路12、22および32を用いて互いに通信するように設定させる。
【0026】
ネットワーク40は、アクセスポイント10および処理実行装置400が接続するネットワークである。また、ネットワーク50は、アクセスポイント20および30並びに処理実行装置600が接続するネットワークである。また、ネットワーク60は、通信制御装置100が接続するネットワークである。
【0027】
ルータ70は、ネットワーク40とネットワーク60との間でパケットを中継する中継装置である。また、ルータ80は、ネットワーク50とネットワーク60との間でパケットを中継する装置である。
【0028】
従来型の技術では、無線通信端末200は、2つ以上の無線通信路(例えば、無線通信路12、22および32)を用いて通信可能であったとしても、通信サービスの提供においていずれか1つの無線通信路を用いて通信する。そのため、通信サービスにおいて、いずれか1つの無線通信路のみでは送信しきれない量のデータが発生すると、ユーザが満足する品質で通信サービスが提供されなくなる。例えば、テレビ会議の通信サービスにおいて、無線通信端末200は、映像データだけではなく、最低限必要な音声データもリアルタイムで受信できない可能性がある。その結果、処理実行装置400および600は、実質的にテレビ会議の通信サービスを提供できなくなる。また、例えば、映像配信の通信サービスにおいて、無線通信端末200は、音声データと低解像度の映像データを受信できるが、高解像度の映像データを受信できない可能性がある。その結果、処理実行装置400および600は、ユーザにとってサービス品質の低い映像配信サービスが提供されることになる。このような一例に示されるように、無線通信端末200が有するリソースを十分に活用しないことによって、ユーザにとって満足度の高い通信サービスを提供できなくなる可能性がある。本実施形態では、上記のように、無線通信端末200が、複数の無線通進路を用いて1つ以上の処理実行装置と通信するため、通信サービスの提供においてより高い品質の通信サービスの実現を可能とする。
【0029】
<2.各装置の構成>
[2.1.通信制御装置の構成]
図2〜図7を用いて、本実施形態に係る通信制御装置100の具体的な構成を説明する。図2を参照すると、通信制御装置100は、アクセスポイントデータベース110(以下、「データベース」を「DB」と呼ぶ)、処理実行装置DB120、通信サービスDB130、端末情報DB140、ソフトウェア記憶部142、設定情報記憶部144、通信設定記憶部150、通信路選択部160、通信設定制御部170、変更判定部180、中央制御部190、通信制御部192および通信部194を備える。
【0030】
(アクセスポイントDB110)
アクセスポイントDB110は、様々な場所に設置されるアクセスポイントのIDと当該アクセスポイントに関する情報とを記憶している。図3は、アクセスポイントDB110に記憶されているアクセスポイントテーブル112の一例を示す説明図である。図3を参照すると、アクセスポイントテーブル112には、各アクセスポイントの識別子(ID)、各アクセスポイントが対応する無線通信方式、各アクセスポイントの設置されている位置(緯度、経度)、各アクセスポイントが通信可能な距離、および各アクセスポイントの近傍に位置する他のアクセスポイントのIDが記憶されている。当該近傍に位置するアクセスポイントは、例えば、無線通信端末が上記各アクセスポイントと接続可能な位置にある場合に、当該無線通信端末が接続可能と想定される他のアクセスポイントである。
【0031】
(処理実行装置DB120)
処理実行装置DB120は、ネットワーク上の様々な位置に設置されている処理実行装置のIDと当該処理実行装置に関する情報とを記憶している。図4は、処理実行装置DB120に記憶されている処理実行装置テーブル122の一例を示す説明図である。図4を参照すると、処理実行装置テーブル122には、各処理実行装置のIDおよび各処理実行装置に対応するアクセスポイントのIDが記憶されている。各処理実行装置に対応するアクセスポイントは、例えば、当該処理実行装置からネットワーク上で最も近くに存在するアクセスポイントである。例えば、アクセスポイントAP2およびAP3の最も近くに存在する処理実行装置が、処理実行装置P2であるため、図4では、アクセスポイントAP2およびAP3のIDが、処理実行装置P2に対応するアクセスポイントのIDに含まれている。なお、本明細書では、主に1つのアクセスポイントに1つの処理実行装置が対応する例を説明する。しかしながら、かかる例に限定されず、1つのアクセスポイントに複数の処理実行装置が対応してもよい。
【0032】
(通信サービスDB130)
通信サービスDB130は、通信サービスのサービスIDと当該通信サービスに関する情報とを記憶している。まず、図5は、通信サービスDB130に記憶されている通信サービステーブル132の一例を示す説明図である。図5を参照すると、通信サービステーブル132には、各通信サービスのサービスID、通信サービス名および通信データの種別が記憶されている。例えば、映像配信における通信データの種別は、音声データ、低周波成分の映像データおよび高周波成分の映像データである。ここでの低周波成分および高周波成分とは、例えば、ウェーブレット変換により分割される映像データの低周波成分および高周波成分であってよい。
【0033】
また、図6は、通信サービスDB130に記憶されている優先度テーブル134の一例を示す説明図である。優先度テーブル134は、例えば通信サービス毎に作成される。図6を参照すると、各通信サービスの優先度テーブル134には、1つ以上の無線通信方式を含む無線通信方式のセットについての情報が記憶されている。具体的には、各セットを識別するセット番号、各セットに含まれる無線通信方式の数、各セットに含まれる無線通信方式、各セットに含まれる無線通信方式の組合せの優先度が記憶されている。図6では、サービスIDがS2である映像配信についての一例が示されている。優先度テーブル134は、後述の通信路選択部160が無線通信路の組合せを選択する際に用いられる。
【0034】
図7は、通信サービスDB130に記憶されている設定テーブル136の一例を示す説明図である。設定テーブル136は、例えば通信サービス毎に作成される。図7を参照すると、各通信サービスの設定テーブル136には、1つ以上の無線通信方式の組合せについての情報が記憶されている。具体的には、各組合せを識別する組合せ番号、各組合せに含まれる無線通信方式、各組合せに含まれる無線通信方式の無線通信路を用いる場合の通信データの種別毎の振分け方針が記憶されている。また、各組合せに含まれる無線通信方式の無線通信路を用いて通信するための、無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDおよび処理実行装置用のソフトウェア設定情報のIDが、記憶されている。図7では、サービスIDがS2である映像配信についての一例が示されている。設定テーブル136は、後述の通信設定制御部170が無線通信端末用のソフトウェア設定情報および処理実行端末用のソフトウェア設定情報を特定する際に用いられる。
【0035】
なお、優先度テーブル134における無線通信路のセット、および設定テーブル136における無線通信路の組合せには、2つ以上の同一の無線通信方式の組合せが含まれていてもよい。例えば、WCDMAを用いてそれぞれ通信可能な複数の無線通信回路を有する無線通信端末の存在を前提として、(WCDMA1,WCDMA2)という無線通信方式のセットまたは組合せが定義されてもよい。
【0036】
(端末情報DB140)
端末情報DB140は、無線通信端末のIDと当該無線通信端末に関する情報を記憶している。例えば、端末情報DB140は、各無線通信端末によりサポートされる無線通信方式の組合せを識別するための情報を記憶している。なお、これらの情報は、端末情報DB140に予め記憶されてもよく、または各無線通信端末からの通信サービスの要求に伴い受信されてもよい。
【0037】
(ソフトウェア記憶部142)
ソフトウェア記憶部142は、無線通信端末に通信サービスを提供するために必要なソフトウェアを記憶している。記憶されているソフトウェアには、例えば、通信サービスを提供するために処理実行装置により実行される処理実行装置用のソフトウェアが含まれてもよい。また、記憶されているソフトウェアには、通信サービスについて無線通信端末により実行される無線通信端末用のソフトウェアが含まれていてもよい。また、記憶されているソフトウェアには、後述の通信路選択部160により選択された複数の無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のデバイスドライバまたは処理実行装置用のデバイスドライバが含まれていてもよい。
【0038】
(設定情報記憶部144)
設定情報記憶部144は、後述の通信路選択部160により選択された無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のソフトウェア設定情報および処理実行装置用のソフトウェア設定情報を記憶している。無線通信端末用のソフトウェア設定情報および処理実行装置用のソフトウェア設定情報は、例えば、各通信サービスについて無線通信方式の組合せ毎に作成されている。そして、これらのソフトウェア設定情報の各々は、図7に示されている設定テーブル136における「無線通信端末用設定情報のID」または「処理実行装置用設定情報のID」に対応付けられている。これらのソフトウェア設定情報は、例えば、アプリケーションソフトウェア、オペレーティングシステムおよびデバイスドライバのうちの少なくとも1つを設定するための設定情報である。
【0039】
(通信設定記憶部150)
通信設定記憶部150は、後述の通信路選択部160が無線通信路を選択するために作成するリストおよびテーブルを記憶する。例えば、通信設定記憶部150は、後に詳細に説明される図12〜図15にそれぞれに示されているアクセスポイントリスト152、処理実行装置リスト154、無線通信路リスト156および無線通信路選択テーブル158を記憶する。
【0040】
(通信路選択部160)
通信路選択部160は、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する。通信路選択部160は、例えば、無線通信端末200から通信サービスの要求を受信した場合に、当該要求に応じて上記1つ以上の無線通信路を選択する。
【0041】
より具体的には、通信路選択部160は、無線通信端末200と接続し得る1つ以上のアクセスポイント候補を選択し、当該1つ以上のアクセスポイント候補と無線通信端末200との間の1つ以上の無線通信路候補から、1つ以上の無線通信路を選択する。通信路選択部160は、アクセスポイントテーブル112に記憶されているアクセスポイントのうちの、無線通信端末200がサポートする無線通信方式に対応し、かつ無線通信端末200に接続可能な位置にあるアクセスポイントを、アクセスポイントの候補として選択する。まず、無線通信端末200がサポートする無線通信方式に対応するアクセスポイントの特定手法を説明する。通信路選択部160は、無線通信端末200からの通信サービスの要求に伴い受信された無線通信端末200のIDを取得する。そして、通信路選択部160は、無線通信端末200のIDを用いて端末情報DB140を検索することにより、無線通信端末200によりサポートされる無線通信方式を特定する。そして、通信路選択部160は、アクセスポイントテーブル112から、特定された無線通信方式のうちのいずれかに対応するアクセスポイントを特定する。次に、無線通信端末200に接続可能な位置にあるアクセスポイントの特定手法を説明する。通信路選択部160は、通信サービスの要求に伴い受信される無線通信端末200の位置に関する情報と、アクセスポイントテーブル112に記憶されている情報により、無線通信端末200に接続可能な位置にあるアクセスポイントを特定できる。ここでの位置に関する情報は、無線通信端末200により最近接続されたアクセスポイントのIDであってもよく、または緯度および経度のような無線通信端末200の存在位置そのものを示す情報であってもよい。例えば、上記位置に関する情報が、無線通信端末200により最近接続されたアクセスポイントのIDであれば、通信路選択部160は、当該IDを用いてアクセスポイントテーブル112の「近傍のアクセスポイントのID」の属性を検索する。これにより、通信路選択部160は、無線通信端末200に接続可能な位置にあるアクセスポイントを特定できる。例えば、上記位置に関する情報が、無線通信端末200の緯度および経度であれば、通信路選択部160は、緯度および経度とアクセスポイントテーブル112の「位置(緯度、経度)」の属性とから、無線通信端末200とアクセスポイントとの間の距離を計算する。そして、通信路選択部160は、計算された距離とアクセスポイントテーブル112の「通信可能距離」の属性とを比較すれば、無線通信端末200に接続可能な位置にあるアクセスポイントを特定できる。なお、通信路選択部160は、上記のようなアクセスポイントの候補について、後述の図12に示されるようなアクセスポイントリスト152を作成する。また、上記のような通信路候補について、後述の図14に示されるような無線通信路リスト156を作成する。上記のようなアクセスポイント候補の選択により、無線通信端末200が接続し得るアクセスポイントを網羅的に特定することができる。その結果、無線通信端末200が使用し得る多くの無線通信路候補から、無線通信路を選択できるようになる。
【0042】
通信路選択部160は、上記1つ以上の無線通信路候補の任意の組合せのうちの優先度がより高い無線通信路候補の組合せに含まれる無線通信路を、通信サービスの提供のために使用すべき1つ以上の無線通信路として選択する。ここでの優先度は、例えば、無線通信路候補の各組合せに含まれる無線通信路候補に対応する無線通信方式の組合せについての優先度である。具体的には、通信路選択部160は、アクセスポイントテーブル112の「無線通信方式」の属性から各無線通信路候補に対応する無線通信方式を特定することにより、特定された当該無線通信方式を含む無線通信方式のセットを得られる。また、通信路選択部160は、無線通信端末200からの通信サービスの要求に伴い受信された通信サービスのサービスIDを取得する。そして、通信路選択部160は、特定された無線通信方式のセットおよび取得された通信サービスのサービスIDに基づいて、優先度テーブル134から、上記無線通信方式のセットの中の無線通信方式の各組合せについての優先度を特定する。図6に示されるように、無線通信方式の組合せの優先度は、通信サービス毎に予め定められる。図6は、映像配信の例である。例えば、取得された通信サービスのサービスIDが映像配信のS2であり、3つの無線通信路候補に対応する無線通信方式のセットが、WCDMA、IEEE 802.11aおよびIEEE 802.11gを含むとする。これら無線通信方式の組合せとしては、3つの無線通信方式の全て、任意の2つの無線通信方式、及び任意の1つの無線通信方式という組合せが存在する。図6を参照すると、上記無線通信方式のセットは、セット番号kに対応する。当該セット番号kでは、無線通信方式の組合せのうちの「1.WCDMA、IEEE 802.11a、IEEE 802.11g」の組合せが、最も優先度の高い組合せとなる。よって、通信路選択部160は、3つの無線通信路候補全ての組合せを、無線通信路として選択する。なお、通信路選択部160は、通信路候補の組合せと当該組合せについての優先度について、後述の図15に示されるような無線通信路選択テーブル158を作成する。上記のような優先度に応じた無線通信路の選択により、無線通信端末200は、通信サービスにとって最適な無線通信路の組合せにより通信することができ、その結果、通信サービスのサービス品質を向上させることができる。例えば、サービス提供速度が重要である通信サービスでは、各無線通信路候補の通信速度の合計が最大となる無線通信路候補の組合せが、無線通信路として選択される。その結果、当該通信サービスのサービス品質を実現できる可能性が高くなる。また、例えば、長時間継続する通信サービスでは、各無線通信路候補の通信速度の合計が最低限の要求を満たしつつ、消費電力が小さくなる無線通信路の組合せが、無線通信路として選択される。その結果、限られた電源で通信サービスが長時間提供され得る。
【0043】
なお、通信路選択部160は、例えば、上記1つ以上の無線通信路候補のうちの所定の通信品質を満たす無線通信路候補から、1つ以上の無線通信路を選択してもよい。上記無線通信方式のセットがWCDMA、IEEE 802.11aおよびIEEE 802.11gであっても、例えばIEEE802.11gの無線通信路が所定の通信品質を満たさない場合がある。この場合には、図6に示されるように、IEEE 802.11gを含まない「5.WCDMA、IEEE 802.11a」の組合せが、最も優先度が高い組合せとなる。その結果、通信路選択部160は、WCDMAの無線通信路候補と、IEEE 802.11aの無線通信路候補とを、通信サービスの提供のために使用すべき無線通信路として選択する。なお、通信路選択部160は、当該通信品質の測定結果を得るために、無線通信端末200および処理実行装置に接続確認を指示する。このように所定の通信品質を満たす無線通信路候補のみから無線通信路を選択することにより、所定の通信品質を満たさない無線通信路に通信データが振分けられることを回避することができる。その結果、通信品質の低い無線通信路に振分けられたある種別のデータが受信されにくくなるというリスクを低減することができる。
【0044】
なお、図6に示されるテーブルによれば、通信路選択部160は、所定の通信品質を満たす無線通信路候補の全てを、無線通信路として選択することになる。このように全無線通信路候補を無線通信路とすれば、サービス提供速度を最大化することができる。
【0045】
また、通信路選択部160は、各無線通信路候補を用いて無線通信端末200と通信する処理実行装置を選択する。具体的には、通信路選択部160は、図4に示されるような処理実行装置テーブル122から、アクセスポイント候補のIDを「対応するアクセスポイントのID」に含む処理実行装置のIDを特定する。当該処理実行装置が、当該アクセスポイント候補に対応する無線通信路候補を用いて無線通信端末200と通信する処理実行装置となる。通信路選択部160は、これらの処理実行装置について、後述の図13に示されるような処理実行装置リスト154を作成する。通信サービスを提供する処理実行装置は、無線通信路の選択に応じて決定される。
【0046】
また、通信路選択部160は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があると判定された場合に、1つ以上の無線通信路を選択する選択処理を再度実行する。通信路選択部160は、例えば、無線通信端末200または処理実行装置により、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果が提供された場合に、選択処理を再度実行する。または、通信路選択部160は、後述の変更判定部180により上記判定結果が提供された場合に、選択処理を再度実行してもよい。このように無線通信路の再選択を行うことで、無線通信端末200の通信環境が変わったとしても、再度最適な無線通信路の組合せでの通信が可能となる。
【0047】
(通信設定制御部170)
通信設定制御部170は、通信路選択部160により選択された無線通信路を用いて当該無線通信路に対応する処理実行装置と無線通信端末200との間で互いに通信するように設定させる。特に、本実施形態において、通信設定制御部170は、複数の無線通信路が選択された場合に、選択された複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、無線通信端末200との間で互いに通信するように設定させる。これ以降の説明において、上記少なくとも1つの処理実行装置が処理実行装置400および600に決定されたと仮定して説明する。
【0048】
より具体的には、通信設定制御部170は、例えば、上記複数の無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のソフトウェア設定情報を無線通信端末200に提供する。また、通信設定制御部170は、例えば、上記複数の無線通信路を用いて通信するための処理実行装置用のソフトウェア設定情報を処理実行装置400および600に提供する。通信設定制御部170は、無線通信端末200からの通信サービスの要求に伴い受信された通信サービスのサービスIDを取得する。そして、通信設定制御部170は、当該サービスIDと、上記複数の無線通信路に対応する無線通信方式の組合せとに基づいて、設定テーブル136から、無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDおよび処理実行装置用のソフトウェア設定情報のIDを特定する。図7を参照すると、例えば、サービスIDが映像配信のS2であり、無線通信方式の組合せがWCDMA、IEEE 802.11aおよびIEEE 802.11gであれば、無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDは、T001_18である。また、処理実行装置用のソフトウェア設定情報のIDは、P001_18である。通信設定制御部170は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDおよび処理実行装置用のソフトウェア設定情報のIDに基づいて、設定情報記憶部144から、無線通信端末用のソフトウェア設定情報および処理実行装置用のソフトウェア設定情報を取得する。このように、ソフトウェア設定情報が提供されることで、無線通信端末200並びに処理実行装置400および600は、各通信サービスについて無線通信方式の組合せ毎のソフトウェア設定情報を予め有しなくても、必要に応じて取得することができる。なお、無線端末装置200または処理実行装置400および600が、予めソフトウェア設定情報を有している場合には、通信設定制御部170は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報または処理実行装置用のソフトウェア設定情報を提供しなくてもよい。その場合には、通信設定制御部170は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDまたは処理実行装置用のソフトウェア設定情報のIDのみを提供すればよい。また、通信設定制御部170は、ソフトウェア設定情報の代わりに、既に設定済のソフトウェアそのものを提供してもよい。
【0049】
通信設定制御部170は、上記複数の無線通信路を用いて送信される、通信サービスに関するデータのうちの、当該複数の無線通信路の各々を用いて送信されるデータの範囲を、無線通信端末200に設定させる。当該データの範囲は、通信サービスに応じて予め定められている。具体的には、通信設定制御部170は、例えば、上記のように設定させる無線通信端末用のソフトウェア設定情報を、無線通信端末200に提供する。図7を参照すると、設定テーブル136には、各通信サービスについて通信方式の組合せ毎に通信データの種別毎の振分け方針が定められており、当該振分け方針に対応する無線通信端末用のソフトウェア設定情報のIDが記憶されている。図7を参照すると、例えば、番号18の「WCDMA、IEEE 802.11a、IEEE 802.11g」という無線通信方式の組合せについての通信データの種別毎の振分け方針が示されている。当該方針によると、音声データと低周波成分の映像データは、WCDMAの無線通信路を用いて送信される。また、高周波成分の映像データは、IEEE 802.11aの無線通信路およびIEEE 802.11gの無線通信路を用いて送信される。このような通信データの振分けにより、無線端末装置200が移動する状況でも、継続的に通信可能なWCDMAの無線通信路を用いて、通信サービス上最低限必要なデータを継続的に受信できる。また、接続可能な場合にのみ無線LANを用いて、容量の大きいデータも併せて受信することができる。これにより、無線端末装置200が移動する状況でも、ユーザにとって許容可能な最低限のサービス品質を担保することができる。このように、無線通信路の各々を用いて送信されるデータの種別を設定させることにより、通信サービスの利用形態や特性に応じた通信を実現することができ、その結果、ユーザにとってのサービス品質を向上させることができる。
【0050】
また、通信設定制御部170は、例えば、通信サービスを提供するために処理実行装置により実行される処理実行装置用のソフトウェアを、処理実行装置400および600に提供する。また、通信設定制御部170は、例えば、通信サービスについて無線通信端末200により実行される無線通信端末用のソフトウェアを、無線通信端末200に提供する。また、通信設定制御部170は、選択された複数の無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のデバイスドライバまたは処理実行装置用のデバイスドライバを、無線通信端末200または、処理実行装置400もしくは600に提供してもよい。これらのソフトウェアは、通信サービスのサービスIDを用いてソフトウェア記憶部142から取得される。このように、ソフトウェアが提供されることで、無線通信端末400並びに処理実行装置400および600は、各通信サービスについてのソフトウェアを予め有していなくても、必要に応じて取得することができる。
【0051】
また、通信設定制御部170は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があると判定された場合に、通信路選択部160により再度選択された1つ以上の無線通信路を用いて通信するように設定させる設定制御処理を実行する。通信設定制御部170は、例えば、無線通信端末200または処理実行装置400もしくは600により、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果が提供された場合に、設定制御処理を実行する。または、通信設定制御部170は、後述の変更判定部180により上記判定結果が提供された場合に、設定制御処理を実行してもよい。このように再度の通信設定を行うことで、無線通信端末200の通信環境が変わったとしても、再度最適な無線通信路の組合せでの通信が可能となる。
【0052】
(変更判定部180)
変更判定部180は、設定されている無線通信路の通信品質の測定結果に基づいて、当該設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する。無線通信路の通信品質の測定結果は、例えば、無線通信端末200または処理実行装置400および600から提供される。変更判定部180は、例えば、設定されている各無線通信路が所定の通信品質を満たすかを判定する。そして、設定されている無線通信路のいずれかが所定の通信品質を満たさなくなった場合に、無線通信路を変更する必要があると判定する。また、変更判定部180は、例えば前回の通信設定時からの無線通信端末200の移動状況に基づいて、既に作成されている無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かを併せて判定してもよい。当該判定を通信制御装置100側で行うことにより、判定基準もしくは判定機能を有していない無線通信端末200または処理実行装置400および600についても、無線通信路の再設定が可能となる。一方で、無線通信端末200または処理実行装置400および600が、上記判定を行ってもよい。当該判定を無線通信端末200または処理実行装置400および600が行うことにより、通信品質の測定の度に測定結果を通信制御装置100に送信する必要がなくなる。その結果、通信制御装置100と各装置との間のトラフィックを減らすことができる。また、通信制御装置100への処理の集中を回避することができる。
【0053】
また、変更判定部180は、無線通信路候補の通信品質の測定結果に基づいて、当該無線通信路候補が所定の通信品質を満たすか否かを判定し、各無線通信路候補の判定結果を通信路選択部160に提供してもよい。なお、無線通信端末200または処理実行装置400および600が、当該判定を行ってもよい。
【0054】
(中央制御部190)
中央制御部190は、通信制御装置100全体を制御する。例えば、中央制御部190は、通信部194を介して受信される受信データを通信路選択部160、通信設定制御部170、変更判定部180または各DBもしくは記憶部に提供する。また、中央制御部190は、通信路選択部160、通信設定制御部170または変更判定部180からの要求を受けて、通信制御部192にデータの送信を依頼する。また、中央制御部190は、通信路選択部160、通信設定制御部170または変更判定部180からの要求を受けて、各DBおよび記憶部に記憶されている情報を提供し、または各DBおよび記憶部に情報を記憶させる。
【0055】
(通信制御部192、通信部194)
通信制御部192は、通信制御装置100による通信を制御する。例えば、通信制御部192は、送信データについての送信パケットを生成し、当該送信パケットを通信部194に送信させる。また、通信制御部192は、通信部194が受信した受信パケットから受信データを取得する。通信部194は、ネットワークを介してパケットを送受信する。
【0056】
[2.2.無線通信端末の構成]
図8を用いて、本実施形態に係る無線通信端末200の具体的な構成を説明する。図8を参照すると、無線通信端末200は、アンテナ210、212および214、通信部220、通信制御部230、位置・時刻情報取得部240、中央制御部250、端末入出力部252、記憶部254、省電力制御部260、通信設定部270、通信品質管理部280およびID読込み制御部290を備える。
【0057】
(アンテナ210、212、214)
アンテナ210、212および214は、無線通信路の電波を送受信する。アンテナ210は、例えば、WCDMAの無線通信路の電波を送受信する。また、アンテナ212は、IEEE802.11aの無線通信路の電波を送受信する。アンテナ214は、IEEE802.11gの無線通信路の電波を送受信する。なお、アンテナの数は、3つに限られず、無線通信端末200が通信可能な無線通信方式の数に応じて設けられてもよい。また、無線通信方式間でアンテナを共有できる場合には、アンテナの数は、無線通信端末200が通信可能な無線通信方式の数よりも少なくてもよい。
【0058】
(通信部220)
通信部220は、2つ以上の無線通信路を用いて通信可能である。通信部220は、例えば、アンテナ210を介してWCDMAの無線通信路を用いて通信する。同様に、通信部220は、アンテナ212を介してIEEE802.11aの無線通信路を用いて通信し、アンテナ214を介してIEEE802.11gの無線通信路を用いて通信する。通信部220は、例えば、無線通信方式毎に異なる通信回路を有していてもよく、それら通信回路は部分的に共通化されてもよい。また、通信部220は、同じ無線通信方式をサポートする複数の通信回路及び対応するアンテナを有していてもよい。それにより、2つ以上の無線通信路を用いた無線通信が可能となる。通信部220は、各無線通信路を用いて受信した受信パケットを通信制御部230に提供する。また、通信部220は、通信制御部230による制御に基づいて、送信データについての各送信パケットを当該各送信パケットに対応する無線通信路を用いて送信する。
【0059】
(通信制御部230)
通信制御部230は、無線通信端末200による通信を制御する。例えば、通信制御部230は、通信制御装置100により選択された複数の無線通信路を用いる通信を制御する。さらに、通信制御部230は、例えば、各種別の通信データを所定の無線通信路へ振分ける制御を行う。通信制御部230によるこれらの制御の具体的な内容は、後述の通信設定部270により設定される。
【0060】
通信制御部230は、通信設定部270による設定に基づいて、送信データについての送信パケットを生成し、送信データの種別に応じた振分け先の無線通信路を用いて送信パケットを通信部220に送信させる。ここで、1つの送信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合には、通信制御部230は、当該種別の送信データの送信パケットを当該2つ以上の無線通信路に分配して、通信部220に送信させる。なお、通信制御部230は、例えば、通信サービスについての送信データを中央制御部250から提供され、併せて当該送信データの種別を通知される。
【0061】
一方で、通信制御部230は、通信設定部270による設定に基づいて、無線通信路を用いて受信された受信パケットを結合し、受信データを取得する。ここで、1つの受信データの種別についての振分け先が1つの無線通信路である場合、通信制御部230は、当該1つの無線通信路のみにおいて受信された受信パケットを結合することにより、当該種別の受信データを取得する。また、1つの受信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合、通信制御部230は、当該2つ以上の無線通信路を用いて受信された受信パケットを結合することにより、当該種別の受信データを取得する。ここでのパケットの結合とは、パケットから抽出されるデータ(すなわちパケットからヘッダを除いたもの)を結合することを意味する。
【0062】
例えば、通信サービスが映像配信であり、無線通信路の組合せが図7の組合せ番号18に該当する場合、図7に示されるように、音声データおよび低周波成分の映像データの振分け先は、WCDMAの無線通信路である。よって、通信制御部230は、WCDMAの無線通信路のみにおいて受信されたパケットからデータを抽出し、抽出された当該データを結合することにより一連の音声データまたは一連の低周波成分の映像データを取得する。また、高周波成分の映像データの振分け先の無線通信路は、IEEE802.11aの無線通信路およびIEEE802.11gの無線通信路である。よって、通信制御部230は、IEEE802.11aの無線通信路およびIEEE802.11gの無線通信路の両方において受信された受信パケットからデータを抽出し、抽出された当該データを結合することにより一連の高周波成分の映像データを取得する。
【0063】
なお、1つの通信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合に、無線通信端末200または処理実行装置によるパケットの分配および結合は、例えば以下のように実行可能である。送信側の装置は、上記種別の通信データについてのパケットが受信側の装置で正しく結合されるように、上記種別の各通信データについてのパケットに、同一の識別情報を与える。また、送信側の装置は、上記種別の各通信データについてのパケットに、各パケットの順序を示すシーケンス番号を与える。すると、受信側の装置は、上記2つ以上の無線通信路を用いて受信したパケットのうち、同一の識別情報を有するパケットを、上記シーケンス番号を用いて結合する。なお、上記識別情報は、例えばIPパケットの中に含まれる識別子(ID)であってもよく、上記シーケンス番号は、例えばIPパケットの中に含まれるフラグメントオフセット(FO)であってもよい。また、パケットの分配および結合は、特開2000−216815号公報にて開示されている技術によっても実現されてもよい。
【0064】
(位置・時刻情報取得部240)
位置・時刻情報取得部240は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて、無線通信端末200の位置情報(緯度、経度)を取得する。また、位置・時刻情報取得部240は、無線通信端末200が備える参照時計、外部のタイムサーバ等から時刻情報を取得する。位置情報および時刻情報は、中央制御部250を介して記憶部254に記憶されてもよい。
【0065】
(中央制御部250)
中央制御部250は、無線通信端末200全体を制御する。例えば、中央制御部250は、通信サービスについての無線通信端末用のソフトウェアを実行する。そして、中央制御部250は、当該ソフトウェアからの送信データを通信制御部230に提供し、当該ソフトウェアへの受信データを通信制御部230から提供される。中央制御部250は、送信データを通信制御部230に提供する際、および受信データを通信制御部230により受信させる際に、データの種別を通信制御部230に通知する。例えば、図7の映像配信サービスにおいて、中央制御部250は、音声データを通信制御部230に提供する際に、提供するデータが音声データであることを通信制御部230に通知する。それにより、通信制御部230による上述したデータの振分けが可能となる。
【0066】
また、中央制御部250は、例えば、無線通信端末200が新たなアクセスポイントに接続した場合に、当該アクセスポイントのIDを取得する。当該アクセスポイントのIDは、例えばその取得時刻と共に、記憶部254に記憶される。
【0067】
また、中央制御部250は、例えば、後述のID読込み制御部290により読込まれた通信サービスのサービスIDと当該サービスに関する情報とを、端末入出力部252を介してユーザに提供する。そして、中央制御部250は、端末入出力部252を介して入力情報を取得し、ユーザにより選択された通信サービスを特定する。その後、中央制御部250は、ユーザにより選択された通信サービスのサービスIDを通信制御装置100に送信することにより、通信サービスの提供を要求する。また、無線通信端末200のIDおよび無線通信端末200の位置に関する情報も、サービスIDと併せて送信される。上記位置に関する情報は、記憶部254に記憶されているアクセスポイントのIDのうちの最近接続されたアクセスポイントのIDであってもよい。または、上記位置に関する情報は、位置・時刻情報取得部240により取得された無線通信端末200の位置情報(緯度、経度)であってもよい。なお、無線通信端末200に関する情報または無線通信端末200のユーザに関する情報も、併せて通信制御装置100に送信されてもよい。例えば、無線通信端末200によりサポートされる無線通信方式の情報が、サービスIDと共に送信されてもよい。
【0068】
(端末入出力部252)
端末入出力部252は、無線通信端末200のユーザに音声、画像、映像等の情報を提供する。端末入出力部252は、例えば、無線通信端末200に設けられたタッチパネル上に、中央制御装置250により提供された画像を表示してもよい。例えば、後述のID読込み制御部290により読み込まれた通信サービスのID、当該通信サービスの名称および当該通信サービス説明を一覧として示す画像を、タッチパネル上に表示してもよい。なお、端末入出力部252は、タッチパネルの代わりに、任意のディスプレイ装置上に画像を表示してもよい。
【0069】
また、端末入出力部252は、無線通信端末200を操作するためのユーザによる入力操作に応じて、入力情報を取得する。端末入出力部252は、例えば、無線通信端末200に設けられたタッチパネル上へのタッチを検出し、当該タッチの位置および種類(タップ、ドラッグ、等)を示すタッチ情報を入力情報として取得する。例えば、上記の通信サービスの一覧の画像を表示するタッチパネルにおいて、通信サービスを選択するためのタッチを検出し、当該タッチのタッチ情報を取得する。なお、端末入出力部252は、タッチパネルの代わりに、キーボード、マウス、リモートコントローラ、カメラ、マイクロフォン等を介して入力情報を取得してもよい。
【0070】
(記憶部254)
記憶部254は、無線通信端末200における様々な情報を記憶する。例えば、記憶部254は、通信制御装置100から送信された無線通信端末用のソフトウェア設定情報を記憶する。また、記憶部254は、後述のID読込み制御部290により取得された通信サービスのサービスID等の情報を記憶する。また、記憶部254は、無線通信端末200により接続されたアクセスポイントのIDを、IDの取得時刻とともに記憶する。なお、記憶部254は、位置・時刻情報取得部240により取得された位置情報および時刻情報を記憶してもよい。
【0071】
(省電力制御部260)
省電力制御部260は、無線通信端末200の消費電力を低減するための制御を行う。
例えば、省電力制御部260は、ユーザによる入力操作に応じて、または予め定められた条件に従って自動的に、通常モードおよび省電力モードの切替えを行う。無線通信端末100は、省電力モードの場合に、通信制御装置100からの指示に関わらず、例えば1つの無線通信路のみを用いて通信するように設定されてもよい。
【0072】
(通信設定部270)
通信設定部270は、通信制御装置100からの通信設定の指示が受信された場合に、当該指示に応じた無線通信路を用いて通信するように、通信制御部230を設定する。また、通信設定部270は、通信部220または中央制御部250により実行されるソフトウェアを併せて設定してもよい。例えば、通信制御装置100から、複数の無線通信路を用いて処理実行装置400および処理実行装置600と互いに通信するように設定することを求める指示が受信される。この場合に、通信設定部270は、上記複数の無線通信路を用いて処理実行装置400および処理実行装置600と互いに通信するように、通信制御部230、通信部220、および中央制御部250により実行されるソフトウェアを設定する。特に通信制御部230についての具体的な設定の内容は、通信制御部230についての説明において述べたとおりである。
【0073】
(通信品質管理部280)
通信品質管理部280は、通信制御装置100からの接続確認の指示を受けて、各無線通信路候補の通信品質を測定する。そして、通信品質管理部280は、例えば、当該測定の結果に基づいて、各無線通信路候補が所定の通信品質を満たすかをまず判定し、各無線通信路候補の通信品質の判定結果を通信制御装置100に提供する。なお、通信制御装置100が、測定結果に基づく上記判定を行ってもよい。その場合には、通信品質管理部280は、各無線通信路候補の通信品質の測定結果を通信制御装置100に提供する。
【0074】
また、通信品質管理部280は、少なくとも1つの処理実行装置から通信サービスの提供を受けている間、例えば定期的に、設定されている無線通信路の通信品質を測定する。そして、通信品質管理部280は、例えば、設定されている各無線通信路が所定の通信品質を満たすかを判定する。通信品質管理部280は、設定されている無線通信路の通信品質の判定結果に基づいて、当該設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する。通信品質管理部280は、例えば、当該無線通信路のいずれかが所定の通信品質を満たさなくなった場合に、無線通信路を変更する必要があると判定する。また、通信品質管理部280は、例えば前回の通信設定時からの無線通信端末200の移動状況に基づいて、既に作成されている無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かを併せて判定してもよい。そして、通信品質管理部280による判定結果は、通信制御装置100に提供される。なお、通信制御装置100が、上記判定を行ってもよい。その場合には、通信品質管理部280は、各無線通信路候補の通信品質の測定結果を通信制御装置100に提供する。
【0075】
(ID読込み制御部290)
ID読込み制御部290は、いずれかの情報源から通信サービスのサービスIDを読込む。当該情報源は、例えば、無線LANのビーコンと共に流される情報、フェムトセルからのブロードキャスト信号、バーコード、2次元バーコード、RFID(Radio Frequency Identification)等であってよい。ID読込み制御部290により読みこまれたサービスIDは、記憶部254に記憶される。
【0076】
[2.3.処理実行装置の構成]
図9を用いて、本実施形態に係る処理実行装置400の具体的な構成を説明する。なお、処理実行装置600の構成は、以下に説明する処理実行装置400の構成と同様であってよい。図9を参照すると、処理実行装置400は、通信部410、通信制御部420、記憶部430、他サーバDB440、中央制御部450、通信設定部460、サービス品質管理部470および処理実行部480を備える。
【0077】
(通信部410)
通信部410は、ネットワークを介して、通信制御装置100および無線通信端末200と通信する。通信部410は、複数の通信回路を有していてもよい。通信部410と無線通信端末200との間の通信は、上述したアクセスポイントを介して行われる。
【0078】
(通信制御部420)
通信制御部420は、処理実行装置400による通信を制御する。例えば、通信制御部420は、通信制御装置100により選択された無線通信路のうちの処理実行装置400に対応する無線通信路を用いる通信を制御する。さらに、通信制御部420は、複数の無線通信路を用いて無線通信端末200と通信する場合に、例えば、各種別の通信データを所定の無線通信路へ振分ける制御を行う。通信制御部420によるこれらの制御の具体的な内容は、後述の通信設定部460により設定される。
【0079】
通信制御部420は、通信設定部460による設定に基づいて、送信データについての送信パケットを生成し、当該送信データの種別に応じた振分け先の無線通信路を用いて送信パケットを通信部410に送信させる。ここで、1つの送信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合には、通信制御部420は、当該種別の送信データの送信パケットを当該2つ以上の無線通信路に分配して、通信部410に送信させる。なお、通信制御部420は、例えば、通信サービスについての送信データを処理実行部480から中央制御部450を介して提供され、併せて当該送信データの種別を通知される。
【0080】
一方で、通信制御部420は、通信設定部460による設定に基づいて、無線通信路を用いて受信された受信パケットを結合し、受信データを取得する。ここで、1つの受信データの種別についての振分け先が1つの無線通信路である場合、通信制御部420は、当該1つの無線通信路のみにおいて受信された受信パケットを結合することにより、当該種別の受信データを取得する。また、1つの受信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合、通信制御部420は、当該2つ以上の無線通信路を用いて受信された受信パケットを結合することにより、当該種別の受信データを取得する。ここでのパケットの結合とは、パケットから抽出されるデータ(すなわちパケットからヘッダを除いたもの)を結合することを意味する。
【0081】
例えば、図1に示されるように、処理実行装置400がWCDMA方式に対応する無線通信路を用いて通信する処理実行装置であるとする。この場合に、通信サービスが映像配信であり、無線通信路の組合せが図7の組合せ番号18に該当すれば、図7に示されるように、処理実行装置400は、音声データおよび低周波成分の映像データに関する処理および送信を担う。よって、通信制御部420は、音声データおよび低周波成分の映像データの送信パケットを生成し、WCDMAの無線通信路を用いて上記送信パケットを通信部410に送信させる。一方で、図1に示される処理実行装置600のように、処理実行装置400がIEEE802.11aの無線通信路およびIEEE802.11gの無線通信路を用いて通信する処理実行装置であると仮定する。この場合に、通信サービスが映像配信であり、無線通信路の組合せが図7の組合せ番号18に該当すれば、図7に示されるように、処理実行装置400は、高周波成分の映像データに関する処理および送信を担う。よって、通信制御部420は、高周波成分の映像データの送信パケットを生成し、IEEE802.11aの無線通信路およびIEEE802.11gの無線通信路にパケットを分配して、通信部410に送信させる。
【0082】
なお、1つの通信データの種別についての振分け先が2つ以上の無線通信路である場合における、処理実行装置400でのパケットの分配および結合は、無線通信端末200の通信制御部230の説明において述べられたように実現可能である。
【0083】
(記憶部430)
記憶部430は、処理実行装置400における様々な情報を記憶する。例えば、記憶部430は、通信制御装置100から送信された処理実行装置用のソフトウェア設定情報を記憶する。
【0084】
(他サーバDB440)
他サーバDB440は、無線通信端末100と通信する他の処理実行装置との連携に必要な情報を記憶する。他サーバDB440は、例えば、他の処理実行装置のID、他の処理実行装置のIPアドレス、他の処理実行装置によりサービスを提供される無線通信端末のID、当該他の処理実行装置と処理実行装置400との間の通信サービスの提供上の関係を示す情報等を記憶する。上記通信サービスの提供上の関係を示す情報は、例えば、複数の処理実行装置が連携して通信サービスを提供する場合のマスター装置とスレーブ装置とを識別するための情報を含む。処理実行装置400がマスター装置である場合には、処理実行装置400が(スレーブ装置である)他の処理実行装置に指示を行う。一方、処理実行装置400がマスター装置である場合には、処理実行装置400は、(マスタ装置である)他の処理実行装置から指示を受ける。処理実行装置400と直接連携しない処理実行装置については、他サーバDB440には「なし」という情報が記憶されてもよい。他サーバDB440に記憶される上記情報は、例えば、通信制御装置100からの通信設定の指示と共に受信されてもよい。
【0085】
(中央制御部450)
中央制御部450は、処理実行装置400全体を制御する。
【0086】
(通信設定部460)
通信設定部460は、通信制御装置100からの通信設定の指示が受信された場合に、当該指示に応じた無線通信路を用いて通信するように、通信制御部420を設定する。また、通信設定部460は、通信部410または処理実行部480により実行されるソフトウェアを併せて設定してもよい。例えば、通信制御装置100から、上記通信制御装置100により選択された複数の無線通信路のうちの処理実行装置400に対応する少なくとも1つの無線通信路を用いて無線通信端末200と互いに通信するように設定することを求める指示が受信される。この場合に、通信設定部460は、上記少なくとも1つの無線通信路を用いて無線通信端末200と互いに通信するように、通信制御部420、通信部410および処理実行部480により実行されるソフトウェアを設定する。特に通通信制御部420についての具体的な設定の内容は、通信制御部420についての説明において述べたとおりである。
【0087】
(サービス品質管理部470)
サービス品質管理部470は、処理実行装置400のリソースの使用状況を測定する。具体的な測定項目は、例えば、処理実行装置400のCPU使用率、メモリ使用率、ディスク使用率等である。サービス品質管理部470は、これらの測定項目の測定値と予め定められた閾値とに基づいて、サービス品質の低下を引き起こす可能性があるか否かを判定する。例えば、サービス品質管理部470は、サービス品質の低下を引き起こす可能性があると判定した場合に、通信制御装置100に処理実行装置の変更を要求してもよい。
【0088】
(処理実行部480)
処理実行部480は、無線通信端末100に通信サービスを提供するための処理を実行する。例えば、図1に示されるように、処理実行装置400はWCDMAの無線通信路を用いて通信する。この場合に、通信サービスの種別が映像配信であり、無線通信路の組合せが図7の組合せ番号18の組合せに該当すれば、図7に示されるように、処理実行装置400は、映像配信サービスに関して、音声データおよび低周波成分の映像データに関する処理を実行する。処理実行部480は、例えばJava(登録商標)の仮想マシンまたはその他の実行環境で通信サービスを提供するための処理を実行してもよい。
【0089】
処理実行部480は、無線通信端末100に通信サービスを提供するための処理について、必要に応じて他の処理実行装置と連携する。処理実行部480は、他サーバDB440において記憶されている他の処理実行装置と処理実行装置400との間の「通信サービスの提供上の関係を示す情報」から、他の処理実行装置との関係を識別する。そして、例えば、処理実行装置400と処理実行装置600との間の通信サービスの提供上の関係を示す情報が処理実行装置400がマスター装置であることを示していれば、処理実行部480は、通信サービスを提供するための処理に関する指示を、通信部410を介して処理実行装置600に送信する。
【0090】
<3.処理の流れ>
以下では、図10〜図20を用いて、本実施形態に係る通信システム1の処理の流れおよび装置毎の処理の流れを説明する。
【0091】
[3.1.無線通信路設定時の処理の流れ]
(通信システム1の処理の流れ)
まず、図10を用いて、無線通信路設定時の無線通信システム1の処理の流れを説明する。図10は、無線通信路の設定時の通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0092】
図10を参照すると、まずステップS1002において、無線通信端末200は、通信サービスのサービスIDを読込む。次に、ステップS1004において、無線通信端末200は、通信制御装置100に通信サービスを要求する。この際に、無線通信端末200は、読込んだ通信サービス(またはユーザにより選択された通信サービス)のサービスID、無線通信端末200のIDおよび無線通信端末200の位置に関する情報を、通信制御装置100に送信する。
【0093】
次に、ステップS1006において、通信制御装置100は、後述の図15に示されるように、無線通信路候補の組合せと当該組合せについての優先度を示す無線通信路選択テーブル158を作成する。そして、ステップS1008において、通信制御装置100は、無線通信端末200に無線通信端末用ソフトウェアを提供する。ここで提供されるソフトウェアは、無線通信路候補の通信品質の測定(接続確認)のために利用され得る。当該ソフトウェアは、通信サービスについて無線通信端末により実行されるソフトウェアであってもよい。また、ステップS1010において、通信制御装置100は、処理実行装置400および600に処理実行端末用ソフトウェアを提供する。そして、ステップS1012において、通信制御装置100は、無線通信端末200並びに処理実行装置400および600に、無線通信路候補を用いた接続確認を行うように指示する。なお、ソフトウェアを提供され接続確認を行うように指示される処理実行装置を便宜上処理実行装置400および600と記載しているが、ステップ1006においてリストアップされる無線通信路候補に対応する他の処理実行装置も接続確認の対象となり得ることに留意する。
【0094】
次に、ステップS1014において、処理実行装置400または処理実行装置600は、無線通信路候補を用いて、接続確認用のデータを無線通信端末200に送信する。当該接続確認用のデータは、上記通信サービスについてのアプリケーションソフトウェアにおけるデータでもよく、または、接続確認のためのダミーデータであってもよい。次に、ステップS1016において、無線通信端末200は、接続確認用のデータの受信に応じて、無線通信路候補の通信品質を測定し、無線通信路候補が所定の通信品質を満たすかを判定する。そして、ステップ1018において、無線通信端末200は、当該通信品質の判定の結果を通信制御装置100に送信する。なお、ステップS1012からステップS1018は、ステップ1006においてリストアップされる全ての無線通信路候補について行われてよい。
【0095】
次に、ステップS1020において、通信制御装置100は、無線通信路選択テーブル158を用いて、所定の通信品質を満たす無線通信路候補から無線通信路を選択する。ここでは、処理実行装置400および600に対応する複数の無線通信路が選択されたものとする。すると、ステップS1022において、通信制御装置100は、選択された無線通信路を用いて無線通信端末200が処理実行装置400および600と通信するための無線端末用のソフトウェア設定情報を無線通信端末200に送信し、当該設定情報を用いた通信設定を無線通信端末200に指示する。また、ステップS1024において、通信制御装置100は、選択された無線通信路を用いて処理実行装置400および600が無線通信端末200と通信するための処理実行装置用のソフトウェア設定情報を、選択された無線通信路に対応する処理実行装置400および600に送信する。また、通信制御装置100は、当該設定情報を用いた通信設定を処理実行装置400および600に指示する。なお、上記ソフトウェア設定情報は、アプリケーションソフトウェア、オペレーティングシステムおよびデバイスドライバのうちの少なくとも1つを設定するための設定情報であってよい。
【0096】
そして、ステップS1026において、無線通信端末200は、上記無線通信端末用のソフトウェア設定情報を用いて通信設定を行う。また、ステップS1028において、処理実行装置400および600は、上記処理実行装置用のソフトウェア設定情報を用いて通信設定を行う。そして、ステップS1030において、処理実行装置400および600は、無線通信端末200への通信サービスの提供を開始する。
【0097】
(通信制御装置100の処理の流れ)
次に、図11を用いて、無線通信路設定時の通信制御装置100の処理の流れを説明する。図11は、無線通信路の設定時の通信制御装置100における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0098】
図11を参照すると、まずステップS1210において、通信部194は、無線通信端末200からの通信サービスの要求を受信する。この際に、通信サービスのサービスID、無線通信端末200のIDおよび無線通信端末200の位置に関する情報が受信される。具体的には、当該通信サービスIDが、映像配信のIDであるS2であったとする。
【0099】
次に、ステップS1220において、通信路選択部160は、アクセスポイント候補を選択し、アクセスポイントリスト152を作成する。例えば、位置に関する情報が、無線通信端末200により最近接続されたアクセスポイントのIDであり、具体的にはAP2というIDであったとする。そこで図3に示されるアクセスポイントテーブル112を参照すると、アクセスポイントAP2の近傍のアクセスポイントは、アクセスポイントAP1およびAP3である。よって、アクセスポイントの候補は、アクセスポイントAP1、AP2およびAP3となる。よって、通信路選択部160は、図12に示されるようなアクセスポイントリスト152を作成する。
【0100】
次に、ステップS1230において、通信路選択部160は、処理実行装置の候補を選択し、処理実行装置リスト154を作成する。図4に示される処理実行装置テーブル122を参照すると、アクセスポイントAP1に対応するのは、処理実行装置P1であり、アクセスポイントAP2およびAP3に対応するのは、処理実行装置P2である。よって、処理実行装置の候補は、処理実行装置P1およびP2となる。よって、通信路選択部160は、図13に示されるような処理実行装置リスト154を作成する。
【0101】
次に、ステップS1240において、通信路選択部160は、無線通信路候補を一覧化する無線通信路リスト156を作成する。無線通信路のIDをそれぞれC1、C2およびC3とすると、図12に示されるアクセスポイントリスト152および図13に示される処理実行装置リスト154から、図14に示される無線通信路リスト156が作成される。
【0102】
次に、ステップS1250において、通信路選択部160は、無線通信路候補の組合せと当該組合せについての優先度を示す無線通信路選択テーブル158を作成する。図14に示されているとおり、無線通信路候補に対応する無線通信方式のセットは、WCDMA、IEEE 802.11aおよびIEEE 802.11gとなる。また、上記のとおり、通信サービスはサービスIDがS2である映像配信である。よって、図6に示されている優先度テーブル134を参照すると、上記無線通信方式のセットは、テーブル上のセット番号kに該当する。よって、セット番号kの「無線通信方式の組合せについての優先度」から、無線通信路候補の組合せの優先度が分かる。よって、通信路選択部160は、当該優先度に従って、図15に示されるような無線通信路選択テーブル158を作成する。
【0103】
ステップS1260において、通信設定制御部170は、無線通信端末用ソフトウェアを無線通信端末100に提供する。また、ステップS1270において、通信設定制御部170は、処理実行装置400および600に処理実行装置用ソフトウェアを無線通信端末100に提供する。ここでは、これらのソフトウェアは、映像配信の提供のために実行されるソフトウェアである。
【0104】
次に、ステップS1310からS1360までの処理において、通信路選択部160は、無線通信端末100並びにIDとしてP1を有する処理実行装置400およびIDとしてP2を有する処理実行装置600に、各無線通信路候補についての接続確認を実行させる。その結果、所定の通信品質を満たす無線通信路候補が明らかになる。例えば、無線通信路候補C1〜C3全てが、所定の通信品質を満たしたとする。
【0105】
次に、ステップS1370において、通信路選択部160は、図15に示される無線通信路選択テーブル158に基づいて、優先度が「1」の無線通信路候補の組合せに含まれる無線通信路候補C1、C2およびC3を無線通信路として選択する。そして、ステップS1380において、通信設定制御部170は、図15に示されるようにT001_18の無線通信端末用のソフトウェア設定情報を、設定情報記憶部144から取得し、通信部194を介して無線通信端末200に送信する。また、通信設定制御部170は、当該ソフトウェア設定情報を用いた通信設定を無線通信端末200に指示する。同様に、通信設定制御部170は、P001_18の処理実行装置用のソフトウェア設定情報を、処理実行装置400および600に通信部194を介して送信し、当該ソフトウェア設定情報を用いた通信設定を処理実行装置400および600に指示する。そして処理は終了する。なお、P001_18の処理実行装置用のソフトウェア設定情報には、処理実行装置400に対応するソフトウェア設定情報と、処理実行装置600に対応するソフトウェア設定情報とを含んでもよい。この場合に、処理実行装置400および600は、自装置に対応するソフトウェア設定情報を取得してもよい。例えば、通信サービスの提供における処理実行装置間の連携について、処理実行装置400が上記マスター装置であり、処理実行装置600がスレーブ装置であるとする。この場合に、マスター装置用のソフトウェア設定情報が処理実行装置400に送信され、スレーブ装置用のソフトウェア設定情報が処理実行装置600に送信される。その結果、処理実行装置400は、処理実行装置600に指示し、一方で、処理実行装置600は、処理実行装置400の指示に従って処理および通信を行うようになる。その結果、例えば、図7の組合せ番号18の組合せのように、処理実行装置400が、音声データおよび低周波成分の映像データの処理および通信を行い、処理実行装置600が、処理実行装置400の指示に応じて高周波成分の映像データの処理および通信を行う。
【0106】
(無線通信端末200の処理の流れ)
次に、図16を用いて、無線通信路設定時の無線通信端末200の処理の流れを説明する。図16は、無線通信路の設定時の無線通信端末200における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0107】
図16を参照すると、まずステップS1410において、ID読込み制御部290は、通信サービスのサービスIDを読込む。具体的には、AP2というIDを有するアクセスポイントからビーコンに伴い送信された情報から、映像配信のIDであるS2を読み込んだとする。そして、ステップS1420において、中央制御部250は、ユーザによる当該通信サービスの選択に応じて、通信制御装置100に通信サービスを要求する。当該通信サービスの要求に伴い、通信サービスのサービスID、無線通信端末200のIDおよび無線通信端末200の位置に関する情報が送信される。ここで、無線通信端末200の位置に関する情報として、アクセスポイントのIDであるAP2が送信される。
【0108】
その後、ステップS1430において、通信部220は、通信制御装置100から提供される無線通信端末用のソフトウェアを受信する。当該ソフトウェアは、ここでは映像配信を受けるためのソフトウェアである。
【0109】
次に、ステップS1440において、通信部220は、通信制御装置100から、無線通信路候補についての接続確認の指示を受信する。ここでの無線通信路候補は、例えば図14に示されるように、IDがC1〜C3である無線通信路候補である。その後、ステップS1450において、通信部220は、無線通信路候補のうちの1つを用いて、処理実行装置400または600からの接続確認用データを受信する。そして、ステップS1460において、通信品質管理部280は、接続確認用のデータの受信に応じて、無線通信路候補の通信品質を測定し、無線通信路候補が所定の通信品質を満たすか判定する。そして、ステップS1470において、通信部220は、当該通信品質の判定結果を通信制御装置100に送信する。ステップS1480において、全ての無線通信路候補の接続確認を行っていれば、処理はステップS1490へ進み、まだ確認していない無線通信路候補があれば、処理はステプS1440へ戻る。ここでは、無線通信路候補C1〜C3の全てが所定の通信品質を満たすと判定されたとする。
【0110】
その後、ステップ1490において、通信部220は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報とそれを用いた通信設定の指示とを、通信制御装置100から受信する。ここでは、図15に示されているようなT001_18の無線通信端末用のソフトウェア設定情報が受信される。そして、ステップ1495において、通信設定部270は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報を用いて、通信制御部230、通信部220および中央制御部250により実行される映像配信を受けるためのソフトウェアを設定する。その結果、無線通信端末200は、図7の組合せ番号に示されるように、音声データおよび低周波成分の映像データをWCDMA方の無線通信路を用いて受信し、高周波成分の映像データを2つの無線LAN方式の無線通信路を用いて受信するようになる。
【0111】
(処理実行装置400の処理の流れ)
次に、図17を用いて、無線通信路設定時の処理実行装置400の処理の流れを説明する。図17は、無線通信路の設定時の処理実行装置400における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。なお、処理実行装置600における処理の流れも以下に説明する処理実行装置400における処理の流れと同様であってよい。
【0112】
図17を参照すると、まずステップS1510において、通信部410は、通信制御装置100から提供される処理実行装置用のソフトウェアを受信する。当該ソフトウェアは、ここでは映像配信の通信サービスを提供するためのソフトウェアである。
【0113】
次に、ステップS1520において、通信部410は、通信制御装置100から、無線通信路候補についての接続確認の指示を受信する。処理実行装置400のIDをP1とすると、ここでの無線通信路候補は、例えば図14に示されるように、無線通信路候補C1である。その後、ステップS1530において、通信部410は、接続確認として、無線通信路候補のうちの1つ(すなわち無線通信路候補C1)を用いて接続確認用データを無線通信端末200に送信する。ステップS1540において、処理実行装置400についての全ての無線通信路候補の接続確認が終了していれば、処理はステップS1550へ進み、まだ確認していない無線通信路候補があれば、処理はステプS1520へ戻る。
【0114】
次に、ステップS1550において、通信部410が、処理実行装置用のソフトウェア設定情報とそれを用いた通信設定の指示とを、通信制御装置100から受信すれば、処理はステップ1560へ進む。ここでは、図15に示されているようなP001_18の無線通信端末用のソフトウェア設定情報が受信される。一方で、上記通信設定の指示が通信制御装置100から受信されなければ、処理は終了する。すなわち、処理実行装置400に対応する無線通信路候補が無線通信路として選択されなかったことを意味する。そして、ステップS1560において、通信設定部460は、処理実行装置用のソフトウェア設定情報を用いて、通信制御部420、通信部410、および処理実行装置により実行される通信サービスを提供するためのソフトウェアを設定する。図14に示されるように、IDがP1である処理実行装置400は、IDがC1であるWCDMAの無線通信路を用いて無線通信端末200と通信する。その結果、処理実行装置400は、図7に示されるように、音声データおよび低周波成分の映像データをWCDMAの無線通信路を用いて無線通信端末200に送信するようになる。
【0115】
[3.2.無線通信路設定後の処理の流れ]
(通信システム1の処理の流れ)
図18を用いて、無線通信路設定後の無線通信システム1の処理の流れを説明する。図18は、無線通信路の設定後の通信システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0116】
図18を参照すると、まずステップ1032およびステップ1034において、無線通信端末200並びに処理実行装置400および600は、通信サービスに関する通信データを送受信している。そして、ステップS1036において、無線通信端末200は、設定されている無線通信路の通信品質を測定し、無線通信路が所定の通信品質を満たすかを判定する。そして、ステップS1038において、無線通信端末200は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する。ここでは、無線通信端末200は通信路の変更が必要ないと判定する。そして、ステップS1040〜ステップS1048において再度同様の処理が行われる。そして、ステップS1048において、無線通信端末200が通信路の変更が必要であると判定すると、ステップS1050において、無線通信端末200は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果を通信制御装置100に送信する。なお、ステップS1048において、無線通信端末200は、例えば、無線通信端末200が移動していないことを理由として、既に作成されている無線通信路選択テーブル158を変更する必要がないと併せて判定する。そして、当該判定の結果も、ステップS1050において併せて送信される。
【0117】
ステップS1052において、通信制御装置100は、ステップS1050において受信した判定結果に応じて、無線通信路の再選択を開始する。ここでは、無線通信路選択テーブル158を変更する必要がないと判定されたため、通信制御装置100は、既存の無線通信路選択テーブル158から無線通信路を再び選択する。そして、ステップS1054において、通信制御装置100は、無線通信路の設定指示と無線通信端末用のソフトウェア設定情報とを、無線通信端末200に送信する。また、ステップS1056において、通信制御装置100は、無線通信路の設定指示と処理実行装置用のソフトウェア設定情報とを、処理実行装置400および600に送信する。そして、ステップS1058および1060において、無線通信端末200並びに処理実行装置400および600は、ソフトウェア設定情報を用いた通信設定を行う。
【0118】
なお、ステップS1048において、無線通信路選択テーブル158を変更する必要があると判定されると、通信制御装置100は、図11に示されるステップS1220〜ステップS1250の処理を再度実行し、新たな無線通信路選択テーブル158を作成する。
【0119】
(無線通信端末200の処理の流れ)
次に、図19を用いて、無線通信路設定後の無線通信端末200の処理の流れを説明する。図19は、無線通信路の設定後の無線通信端末200における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0120】
図19を参照すると、まずステップS1610において、通信品質管理部280は、設定されている無線通信路の通信品質を測定し、無線通信路が所定の通信品質を満たすか否かを判定する。そして、ステップS1620において、通信品質管理部280は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する。なお、通信品質管理部280は、既に作成されている無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かを併せて判定する。無線通信路の変更の必要があれば、処理はステップS1630へ進み、無線通信路の変更の必要がなければ、処理はステップS1610へ戻る。ステップS1630において、通信部220は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果を通信制御装置100に送信する。ここでは、既に作成されている無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かの判定結果も併せて送信される。
【0121】
その後、ステップS1640において、通信部220が接続確認の指示を受信すれば、無線通信路選択テーブル158の変更が必要である場合であるため、処理は、図16に示されているステップS1440へ進む。そうでなければ、処理はステップ1650へ進む。
【0122】
ステップS1650において、通信部220は、無線通信路の設定指示と無線通信端末用のソフトウェア設定情報とを受信する。そして、ステップS1660において、通信設定部270は、無線通信端末用のソフトウェア設定情報を用いて通信制御部230、通信部220および中央制御部250により実行される映像配信を受けるためのソフトウェアを設定する。
【0123】
(通信制御装置100の処理の流れ)
次に、図20を用いて、無線通信路設定後の通信制御装置100の処理の流れを説明する。図20は、無線通信路の設定後の通信制御装置100における処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
【0124】
ステップS1710において、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果が受信されれば、処理はステップS1720へ進む。当該判定結果が受信されなければ、処理はステップS1710へ戻る。ステップS1720において、通信路選択部160は、無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かの判定結果から、無線通信路選択テーブル158を変更する必要があるか否かを識別する。変更が必要であれば、図11に示されているステップS1220へ進む。そうでなければ、処理はステップ1730へ進む。
【0125】
ステップS1730において、通信路選択部160は、既存の無線通信路選択テーブル158から無線通信路を再び選択する。そして、ステップS1740において、通信設定制御部170は、無線通信路の設定指示と無線通信端末用のソフトウェア設定情報とを、通信部194を介して無線通信端末200に送信する。また、通信設定制御部170は、無線通信路の設定指示と処理実行装置用のソフトウェア設定情報とを、通信部194を介して処理実行装置400および600に送信する。
【0126】
<4.まとめ>
ここまで、図1〜図20を用いて、本実施形態について説明した。本実施形態によれば、無線通信端末と処理実行装置とが通信するための複数の無線通信路が選択された場合に、無線通信端末と処理実行装置との間で当該複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定が行われる。このように、通信サービスの提供において無線通信端末が有するリソースを十分に活用することができ、その結果通信サービスの提供においてより高い品質の通信サービスの実現を可能とする。
【0127】
また、本実施形態によれば、無線通信端末と接続し得るアクセスポイント候補が選択され、アクセスポイント候補と無線通信端末との間の無線通信路候補から、無線通信路が選択される。このようなアクセスポイント候補の選択により、無線通信端末が接続し得るアクセスポイントを網羅的に特定することができる。その結果、無線通信端末が使用し得る多くの無線通信路候補から、無線通信路を選択できるようになる。
【0128】
また、本実施形態によれば、無線通信路候補の任意の組合せのうちの優先度がより高い無線通信路候補の組合せに含まれる無線通信路が、通信サービスの提供のために使用すべき無線通信路として選択される。このような優先度に応じた無線通信路の選択により、無線通信端末は、通信サービスにとって最適な無線通信路の組合せを用いて通信することができ、その結果、通信サービスのサービス品質を向上させることができる。
【0129】
また、本実施形態によれば、無線通信路候補のうちの所定の通信品質を満たす無線通信路候補から、無線通信路を選択する。このように所定の通信品質を満たす無線通信路候補のみから無線通信路を選択することにより、所定の通信品質を満たさない無線通信路に通信データが振分けられることを回避することができる。その結果、通信品質の低い無線通信路に振分けられたある種別のデータが受信されにくくなるというリスクを低減することができる。
【0130】
また、本実施形態によれば、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があると判定された場合に、選択処理および設定制御処理が再度実行される。このように無線通信路の再選択および再設定を行うことで、無線通信端末の通信環境が変わったとしても、再度最適な無線通信路の組合せでの通信が可能となる。
【0131】
また、本実施形態によれば、複数の無線通信路を用いて送信される、通信サービスに関するデータのうちの、当該複数の無線通信路の各々を用いて送信されるデータの範囲が動的に制御される。このような制御により、通信サービスの利用形態や特性に応じた通信を実現することができ、その結果、ユーザにとってのサービス品質を向上させることができる。
【0132】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0133】
例えば、上記実施形態では、処理実行装置と通信制御装置が別々の装置であるものとして説明されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、通信制御装置は、通信システムに含まれる複数の処理実行装置のうちの1つであってもよく、または通信システムに含まれる唯一の処理実行装置であってもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、処理実行装置が有線ネットワークを介して通信制御装置と接続される例が主に説明されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、処理実行装置は、無線ネットワークを介して通信制御装置と接続されてもよい。その場合に、処理実行装置は、無線通信端末と同様に2つ以上の無線通信路を用いて通信可能であってもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、無線通信端末が、無線通信路候補および設定された無線通信路の通信品質の測定を行うものとして説明されたが、本技術はかかる例に限定されない。例えば、処理実行装置が、上記通信品質の測定を行ってもよい。
【0136】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信路選択部と、
複数の無線通信路が選択された場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末との間で、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させる通信設定制御部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記通信路選択部は、前記無線通信端末と接続し得る1つ以上のアクセスポイント候補を選択し、当該1つ以上のアクセスポイント候補と前記無線通信端末との間の1つ以上の無線通信路候補から、前記1つ以上の無線通信路を選択する、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記通信路選択部は、前記1つ以上の無線通信路候補の任意の組合せのうちの優先度がより高い無線通信路候補の組合せに含まれる無線通信路を、前記1つ以上の無線通信路として選択する、前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記優先度は、前記無線通信路候補の各組合せに含まれる無線通信路候補に対応する無線通信方式の組合せについての優先度である、前記(3)に記載の通信制御装置。
(5)
前記優先度は、通信サービス毎に予め定められる、前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記通信路選択部は、前記1つ以上の無線通信路候補のうちの所定の通信品質を満たす無線通信路候補から、前記1つ以上の無線通信路を選択する、前記(2)から(5)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(7)
前記通信路選択部は、前記所定の通信品質を満たす無線通信路候補の全てを、前記1つ以上の無線通信路として選択する、前記(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記通信設定制御部は、前記複数の無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のソフトウェアもしくはソフトウェア設定情報を前記無線通信端末に提供し、または、前記複数の無線通信路を用いて通信するための処理実行装置用のソフトウェアもしくはソフトウェア設定情報を前記少なくとも1つの処理実行装置に提供する、前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(9)
前記通信設定制御部は、前記複数の無線通信路を用いて送信される、通信サービスに関するデータのうちの、当該複数の無線通信路の各々を用いて送信されるデータの範囲を、前記無線通信端末に設定させ、
前記データの範囲は、通信サービスに応じて予め定められている、
前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(10)
前記通信路選択部および前記通信設定制御部は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があると判定された場合に、1つ以上の無線通信路を選択する選択処理と、当該1つ以上の無線通信路を用いて通信するように設定させる設定制御処理とを再度実行する、前記(1)から(9)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(11)
設定されている無線通信路の通信品質の測定結果に基づいて、当該設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する変更判定部をさらに備える、前記(10)に記載の通信制御装置。
(12)
前記通信路選択部および前記通信設定制御部は、前記無線通信端末または前記少なくとも1つの処理実行装置により、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果が提供された場合に、前記選択処理と前記設定制御処理とを再度実行する、前記(10)に記載の通信制御装置。
(13)
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な通信部と、
通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置から、複数の無線通信路を用いて当該複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定することを求める指示が受信された場合に、前記複数の無線通信路を用いて前記少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定する通信設定部と、
を備える無線通信端末。
(14)
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行する処理実行部と、
前記無線通信端末と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と通信する通信部と、
前記通信制御装置により選択された複数の無線通信路のうちの自装置に対応する少なくとも1つの無線通信路を用いて前記無線通信端末と互いに通信するように設定することを求める指示が前記通信制御装置から受信された場合に、当該少なくとも1つの無線通信路を用いて前記無線通信端末と互いに通信するように設定する通信設定部と、
を備える処理実行装置。
(15)
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と、
当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な1つ以上の処理実行装置と、
前記無線通信端末と前記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と、
を含み、
前記通信制御装置が複数の無線通信路を選択した場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末とは、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定する、
通信システム。
(16)
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置との通信を制御する通信制御装置において、
前記無線通信端末と前記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択するステップと、
複数の無線通信路が選択された場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末との間で、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させるステップと、
を含む通信制御方法。
【符号の説明】
【0137】
1 通信システム
100 通信制御装置
160 通信路設定部
170 通信設定制御部
180 変更判定部
200 通信制御装置
220 通信部
230 通信制御部
270 通信設定部
280 通信品質管理部
400、600 処理実行装置
420 通信制御部
460 通信設定部
480 処理実行部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信路選択部と、
複数の無線通信路が選択された場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末との間で、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させる通信設定制御部と、
を備える通信制御装置。
【請求項2】
前記通信路選択部は、前記無線通信端末と接続し得る1つ以上のアクセスポイント候補を選択し、当該1つ以上のアクセスポイント候補と前記無線通信端末との間の1つ以上の無線通信路候補から、前記1つ以上の無線通信路を選択する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記通信路選択部は、前記1つ以上の無線通信路候補の任意の組合せのうちの優先度がより高い無線通信路候補の組合せに含まれる無線通信路を、前記1つ以上の無線通信路として選択する、請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記優先度は、前記無線通信路候補の各組合せに含まれる無線通信路候補に対応する無線通信方式の組合せについての優先度である、請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記優先度は、通信サービス毎に予め定められる、請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記通信路選択部は、前記1つ以上の無線通信路候補のうちの所定の通信品質を満たす無線通信路候補から、前記1つ以上の無線通信路を選択する、請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記通信路選択部は、前記所定の通信品質を満たす無線通信路候補の全てを、前記1つ以上の無線通信路として選択する、請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記通信設定制御部は、前記複数の無線通信路を用いて通信するための無線通信端末用のソフトウェアもしくはソフトウェア設定情報を前記無線通信端末に提供し、または、前記複数の無線通信路を用いて通信するための処理実行装置用のソフトウェアもしくはソフトウェア設定情報を前記少なくとも1つの処理実行装置に提供する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記通信設定制御部は、前記複数の無線通信路を用いて送信される、通信サービスに関するデータのうちの、当該複数の無線通信路の各々を用いて送信されるデータの範囲を、前記無線通信端末に設定させ、
前記データの範囲は、通信サービスに応じて予め定められている、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項10】
前記通信路選択部および前記通信設定制御部は、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があると判定された場合に、1つ以上の無線通信路を選択する選択処理と、当該1つ以上の無線通信路を用いて通信するように設定させる設定制御処理とを再度実行する、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項11】
設定されている無線通信路の通信品質の測定結果に基づいて、当該設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるか否かを判定する変更判定部をさらに備える、請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項12】
前記通信路選択部および前記通信設定制御部は、前記無線通信端末または前記少なくとも1つの処理実行装置により、設定されている無線通信路の一部または全部を変更する必要があるという判定結果が提供された場合に、前記選択処理と前記設定制御処理とを再度実行する、請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項13】
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な通信部と、
通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置から、複数の無線通信路を用いて当該複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定することを求める指示が受信された場合に、前記複数の無線通信路を用いて前記少なくとも1つの処理実行装置と互いに通信するように設定する通信設定部と、
を備える無線通信端末。
【請求項14】
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行する処理実行部と、
前記無線通信端末と通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と通信する通信部と、
前記通信制御装置により選択された複数の無線通信路のうちの自装置に対応する少なくとも1つの無線通信路を用いて前記無線通信端末と互いに通信するように設定することを求める指示が前記通信制御装置から受信された場合に、当該少なくとも1つの無線通信路を用いて前記無線通信端末と互いに通信するように設定する通信設定部と、
を備える処理実行装置。
【請求項15】
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と、
当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な1つ以上の処理実行装置と、
前記無線通信端末と前記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択する通信制御装置と、
を含み、
前記通信制御装置が複数の無線通信路を選択した場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末とは、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定する、
通信システム。
【請求項16】
2つ以上の無線通信路を用いて通信可能な無線通信端末と当該無線通信端末に通信サービスを提供するための処理を実行可能な処理実行装置との通信を制御する通信制御装置において、
前記無線通信端末と前記処理実行装置とが通信するための1つ以上の無線通信路を選択するステップと、
複数の無線通信路が選択された場合に、選択された前記複数の無線通信路に対応する少なくとも1つの処理実行装置と、前記無線通信端末との間で、前記複数の無線通信路を用いて互いに通信するように設定させるステップと、
を含む通信制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−257077(P2012−257077A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128989(P2011−128989)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.WCDMA
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】