説明

通信制御装置及び通信制御システム

【課題】VoIPゲートウェイ装置が多段接続されたシステムにおいて、ゲートウェイIGDの管理下にあるゲートウェイCPのポートの登録を確実にした通信制御装置及び通信制御システムを提供する。
【解決手段】WANと複数のゲートウェイCP3a〜3nが多段接続されたLANとの中継機能を有するゲートウェイIGD2であって、複数のゲートウェイCP3a〜3nから要求される所定のポートエントリ有効期間の情報を含むポートの登録要求及びポートエントリ有効期間内のポートの再登録要求に応答してポートの登録を行うポート登録手段を備え、ポートエントリ有効期間が経過した場合、ポートの削除を行うポート削除手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、VoIP(Voice over Internet Protocol)ゲートウェイ装置等の通信制御装置、及び通信制御装置が多段接続された通信制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に一つのインターネットインタフェースで複数のVoIPゲートウェイ装置を設置する場合は図1に示されるような接続構成となる。つまり図1は、複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図である。図1において、VoIP網1はワイドエリアネットワーク(WAN)であり、IP(Internet Protocol)電話等のVoIPサービスを提供するIP網である。ゲートウェイIGD(Internet Gateway Device)2は、VoIP網1に直接接続されるVoIPゲートウェイ装置であり、WAN回線と接続するためのWANインタフェースを有している。またゲートウェイ装置IGD2はローカルエリアネットワーク(LAN)回線と接続するためのインタフェースを有している。ゲートウェイCP(Control Point)3a〜3nはゲートウェイIGD2のLAN(Local Area Network)側にハブ4を介して接続されるVoIPゲートウェイ装置であり、LAN回線と接続するためのLANインタフェースを有している。さらにゲートウェイIGD2及びゲートウェイCP3a〜3nは、複数の既存のアナログ電話機5a〜5nが接続された構内交換機(PBX)6と接続されており、PBX回線インタフェースを有している。
またゲートウェイIGD2及びゲートウェイCP3a〜3nは、呼制御機能、アナログ音声信号をディジタル音声信号に変えてパケットをネットワークに送信する等のコーデック機能及びパケット処理機能、UPnP(Universal Plug and Play)機能等を有している。UPnP機能とは、Universal Plug and Play Forum(http://www.upnp.org/)で規定された規格UPnPに関して、ルータ機器に該当する機能である。機能の内容としては、UPnPによるデバイス検出対応機能、LAN内の機器からのポートマッピング要求対応機能、LAN内の機器へのWAN側IPアドレスの通知機能がある。
【0003】
ゲートウェイIGD2は、IPアドレスをゲートウェイCP3a〜3nに割り当てWANとLANとをつなげる等のルータ機能を有している。ゲートウェイIGD2はグローバルIPアドレスを取得して所有するが、ゲートウェイCP3a〜3nはローカルIPアドレスを所有し、グローバルIPアドレスを所有しない。よって、ゲートウェイIGD2は、ISP(Internet Service Provider)などからグローバルIPアドレスが付与されると、UPnPプロトコルを使用してLANに接続されるゲートウェイCP3a〜3nへ、そのグローバルIPアドレスを通知する。こうしてゲートウェイCP3a〜3nはグローバルIPアドレス情報を得ると共に、ゲートウェイIGD2に対して、TCP/UDPのポート番号の登録を行うことにより、VoIPを使用して、VoIP網側の図示されないセンター装置との通信が可能となる。UPnPでは、ゲートウェイIGD2のように自装置の機能を、ゲートウェイCP3a〜3nのような他の装置に使わせるタイプの機器はデバイスと呼ばれ、ゲートウェイCP3a〜3nのようにデバイスのサービスを利用する装置はコントロールポイントと呼ばれている。
図1において、アナログ電話機5a〜5nはPBX6、ゲートウェイIGD2を中継したり、PBX6、ゲートウェイCP3a〜3n、ゲートウェイIGDを中継して、VoIP網1側の図示されない端末と通話をするアクセス形態を取る。
【特許文献1】特開平2000−286897
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記に説明されるような従来の通信制御システムにおいては、ゲートウェイCPは、WAN回線が何らかの要因で使用不可の状態で、シャットダウンや電源オフなどにより動作が停止すると、そのゲートウェイCPが登録したポートがゲートウェイIGDにエントリ状態のまま残り、その他のゲートウェイCPが同値のポートを登録しようとしてもできなくなるという問題があった。
【0005】
以上のように、従来、VoIPゲートウェイ装置を多段接続した場合、ゲートウェイIGDは、その管理下にあるゲートウェイCPのポート情報の登録及び削除等によって、ポート情報の管理をすることが容易でなく、VoIP網の端末に対して十分なVoIPサービスを提供することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため、本発明による通信制御システムは、ローカルエリアネットワークに接続される複数の内部端末と、ワイドエリアネットワークとローカルエリアネットワークとの中継機能を有する通信制御装置を含む通信制御システムであって、内部端末は、通信制御装置に所定のポートエントリ有効期間の情報を含むポートの登録要求及びポートエントリ有効期間内にポートの再登録要求を行う登録要求手段を備え、通信制御装置は、ポートの登録要求に応答してポートの登録を行うポート登録手段と、ポートエントリ有効期間が経過した場合、ポートの削除を行うポート削除手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明による通信制御装置はワイドエリアネットワークと複数の内部端末が多段接続されたローカルエリアネットワークとの中継機能を有する通信制御装置であって、内部端末から要求される所定のポートエントリ有効期間の情報を含むポートの登録要求及びポートエントリ有効期間内のポートの再登録要求に応答してポートの登録を行うポート登録手段と、ポートエントリ有効期間が経過した場合、ポートの削除を行うポート
削除手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
発明の効果として、本発明の通信制御装置及び通信制御システムによれば、VoIPゲートウェイ装置を多段接続した場合、ゲートウェイIGDは、その管理下にあるゲートウェイCPのポートの登録及び削除等が起こっても、確実にポートの管理をすることができ、VoIP網の端末に対して十分なVoIPサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による通信制御装置及び通信制御システムは以下に記載される実施例1〜実施例4を用いて説明される。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明による通信制御装置及び通信制御システムの実施例1は、図1〜図4を用いて説明される。図1は複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図である。図2はVoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。図1の説明については、既に背景技術において説明されているので、詳細な説明は省略する。
図1において、VoIP網1はWAN回線を介してゲートウェイIGD2に接続されている。ゲートウェイIGD2及びゲートウェイCP3a〜3nはLAN回線を介してハブ4に接続されている。またゲートウェイIGD2及びゲートウェイCP3a〜3nはアナログ電話5a〜5nが接続されたPBX6と接続されている。ゲートウェイIGD2は、VoIPゲートウェイ装置としての機能、ルータとしての機能を有し、ISP(Internet Service Provider)などからグローバルIPアドレスを取得し、保有することができる。またゲートウェイIGD2は、取得したグローバルIPアドレス情報をゲートウェイCP3a〜3nに通知することができる。ゲートウェイCP3a〜3nはVoIPゲートウェイ装置としての機能を有し、グローバルIPアドレスを保有せずにローカルIPアドレスを保有し、ゲートウェイIGD2を経由してVoIP網との通信を行う。
【0010】
図2を用いて、本発明のVoIPゲートウェイ装置であるゲートウェイIGD2及びゲートウェイCP3a〜3nの構成について説明する。ただし、ゲートウェイCP3a〜3nの構成については全て同一構成であるので、図2においてゲートウェイCP3aの構成についてのみ説明をする。図2において、ゲートウェイIGD2はLANインタフェース部(I/F)21、PBXインタフェース部(I/F)22、UPnP処理部23、IGD制御部24、VoIP処理部25、WANインタフェース部(I/F)26、ルーティング機能部27、WAN状態監視部28から構成される。ゲートウェイCP3aはLANインタフェース部(I/F)31、PBXインタフェース部(I/F)32、UPnP処理部33、CP制御部34、VoIP処理部35から構成される。
【0011】
次にゲートウェイIGD2の各構成について詳細を説明する。LANインタフェース部21は、ゲートウェイIGD2をLANに接続する。PBXインタフェース部22は、ゲートウェイIGD2をPBXに接続する。
UPnP処理部23は、UPnPのデバイスとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、IGD制御部24からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部21から、ゲートウェイCP3a〜3nに対してUPnPプロトコルメッセージを送信する。またUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nから送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部21を介して受信し、IGD制御部24に通知する。
例えば、UPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nからのポートの登録要求を受信すると、IGD制御部24からの指示によりポートの登録を行う。ポートの登録は、図示されないテーブルに各ゲートウェイCP3a〜3nが使用するポート番号やIPアドレス等を対応付けて登録することである。またUPnP処理部23は、IGD制御部24からの指示によりゲートウェイCP3a〜3nに対して、WAN状態監視部28が検出したWAN側から取得したグローバルIPアドレスやWAN側とのリンク確立及びリンク切断の情報を通知する。
【0012】
IGD制御部24は、WAN状態監視部28からWAN状態に関する情報が通知されたり、ゲートウェイCP3a〜3nからのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部23に対して、ポートの登録をさせたり、WAN状態に関する情報等の送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイCP3a〜3nに通知するよう要求する。WAN状態に関する情報とは、WAN側との各端末のリンク確立または切断されているかの情報や、WAN側から取得するグローバルIPアドレスなどの情報である。
またIGD制御部24は、VoIP処理部25に対して、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに対してIPアドレス等の登録及び離脱を要求したり、VoIPプロトコルによるデータの処理を要求する。
【0013】
VoIP処理部25は、IGD制御部24からの指示により、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに対してIPアドレス等の登録及び離脱、つまりVoIP開局及び閉局を行ったり、VoIPプロトコルを使用してデータの処理を行う。
WANインタフェース部26は、ゲートウェイIGD2をWANに接続する。ルーティング機能部27は、PPP(Point to Point Protocol)やDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を使用して、ISPなどからグローバルIPアドレスを取得したり、ゲートウェイCP3a〜3nにローカルアドレスを割り当てたりするなど、一般的なルータが持つ機能と同等の機能を有している。
WAN状態監視部28は、WAN側とのリンク切断やリンク切断がされている状態をWAN状態として検出したり、グローバルIPアドレスを取得したことを検出する。WAN側とのリンク確立やリンク切断を検出する方法としては、通信相手がまだ通信できる状態に有るかどうかを確認するために、キープアライブパケットを用いる。ある一定時間通信がないと、定期的にキープアライブパケットを送って状態を確認し、設定された所定の期間内にキープアライブパケットが届かなければ、タイムアウトを知らせ、WAN側とのリンク切断を検出することができる。
【0014】
次にゲートウェイCP3a〜3nの各構成について説明する。LANインタフェース部31は、ゲートウェイCP3a〜3nをLANに接続する。PBXインタフェース部32は、ゲートウェイCP3a〜3nをPBX6に接続する。
UPnP処理部33は、UPnPのコントロールポイントとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、CP制御部34からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部31から、ゲートウェイIGD2に対してUPnPプロトコルメッセージを送信する。またUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2から送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部31を介して受信し、CP制御部34に通知する。
例えばUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2からのグローバルIPアドレス情報を記憶する機能を有しており、そのグローバルIPアドレス情報を受信すると、CP制御部34からの指示により、受信したグローバルIPアドレスと、すでに記憶されているグローバルIPアドレスとを比較する機能を有している。そしてUPnP処理部33は、比較の結果、グローバルIPアドレスが不一致であれば、グローバルIPアドレスが不一致であることをCP制御部34に通知する。またUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2からのWAN側とのリンク確立やリンク切断情報をCP制御部34に通知する。
そして、CP制御部34は、ゲートウェイIGD2からのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部33に対して、ポートの登録要求等の送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイIGD2に通知するよう要求する。またCP制御部34は、UPnP処理部33からグローバルIPアドレスの不一致や、WAN側とのリンク切断情報が通知されると、VoIP処理部35にVoIP閉局通知を行い、ゲートウェイIGD2からのポート登録後の確認メッセージやWAN側とのリンク確立情報が通知されると、VoIP処理部35にVoIP開局通知を行う。
【0015】
VoIP処理部35は、CP制御部34からの指示により、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに対してIPアドレス等の登録及び離脱、つまりVoIP開局及び閉局を行ったり、VoIPプロトコルを使用してデータの処理を行う。
ゲートウェイIGD2からゲートウェイCP3a〜3nへ送信されるNOTIFYメッセージは、WAN側から得られるグローバルIPアドレスや、WANリンク切断及び確立を示すWANリンク状態を通知したり、ゲートウェイIGD2に登録されるポート情報等を通知するためのメッセージである。そして、ゲートウェイCP3a〜3nからゲートウェイIGD2へ送信されるACTIONメッセージは、ゲートウェイIGD2に割り当てられるグローバルIPアドレスや、ゲートウェイIGD2に登録されるポート番号等の取得要求を通知したり、所定の設定要求を通知したり、TCP/UDPのポート番号の登録及び削除を行うための登録及び削除要求を通知するためのメッセージである。
【0016】
以下、図3及び図4を用いて、本発明による実施例1の通信制御システムの動作を説明する。まず、図3を用いてゲートウェイIGD2に割り当てられるグローバルIPアドレスが変更されたときの定常状態復帰の動作を説明する。図3はグローバルIPアドレスの変更をゲートウェイCP3a〜3nに通知することにより定常状態復帰をするための処理シーケンス図である。
図3において、まずVoIP網1、ゲートウェイIGD2、ゲートウェイCP3a〜3nが定常状態(S3−1)となっている。ここで定常状態とは、ゲートウェイCP3a〜3nに記憶されて実際に使用されているポート情報と、ゲートウェイIGD2に対して登録されているゲートウェイCP3a〜3nのポート情報とが一致している状態であり、かつ、ゲートウェイCP3a〜3nに割り当てられているIPアドレスが、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに正しく登録され、VoIPサービスが正常に動作できる状態のことである。
【0017】
上記のような正常状態であるときに、グローバルアドレス変更(S3−2)に示されるように、グローバルIPアドレスが取得されているゲートウェイIGD2に対して、PPP(Point to Point Protocol)やDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の動作結果等の要因により、グローバルIPアドレスの変更が発生すると、ゲートウェイIGD2のWAN状態監視部28がルーティング機能部27から新しく取得されたグローバルIPアドレスを検出して、IGD制御部24に通知する。グローバルIPアドレスの変更通知を受け付けたIGD制御部24は、UPnP処理部23に、ゲートウェイCP3a〜3nに対してNOTIFY(ExternalIPAddress XXX.XXX.XXX.XXX)(S3−3)メッセージを、LANインタフェース部21を介して送信させる。このメッセージはグローバルIPアドレスを通知するためのメッセージであり、メッセージ中のXXX.XXX.XXX.XXXは、変更されたグローバルIPアドレスである。
【0018】
ゲートウェイCP3a〜3nは、NOTIFY(ExternalIPAddress XXX.XXX.XXX.XXX)(S3−3)メッセージを、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信後、UPnP処理部33は、CP制御部34に対して、グローバルIPアドレス変更の通知を行う。グローバルIPアドレス変更の通知を受け取ったCP制御部34はゲートウェイIGD2に対し、確認メッセージである200OK(S3−4)メッセージを、UPnP処理部33に送信させるとともに、変更されたグローバルIPアドレスとそれまで通知されていたグローバルIPアドレスとを比較し、その結果グローバルIPアドレスが異なっていた場合、VoIP処理部35にVoIP閉局通知(S3−5)を行う。これによりVoIP処理部35はVoIP閉局を行う。VoIP閉局とは、VoIP網に接続される図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバからゲートウェイCP3a〜3nを離脱(登録解除)させることである。VoIP閉局が行われると、定常状態からVoIPサービスが提供できない状態となる。
そしてCP制御部34は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対してACTION(AddPortMappingXXXX)(S3−6)メッセージを、LANインタフェース部31を介して送信させる。このメッセージはポート情報の登録要求を行うためのメッセージである。
【0019】
ゲートウェイIGD2は、ACTION(AddPortMappingXXXX)(S3−6)メッセージを、LANインタフェース部21を介してUPnP処理部23で受信する。このメッセージを受信後、UPnP処理部23は、IGD制御部24に対して、ポート情報の登録要求の通知を行う。ポート情報の登録要求の通知を受け取ったIGD制御部24は、ポート情報の登録を行い、UPnP処理部23に、ゲートウェイCP3a〜3nに対して確認メッセージである200OK(S3−7)メッセージを、LANインタフェース部21を介して送信させる。
ゲートウェイCP3a〜3nは200OKメッセージを、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部33は、CP制御部34に対してその確認メッセージを通知する。そしてCP制御部34は、VoIP処理部35にVoIP開局通知(S3−8)を送信する。これによりVoIP処理部35はVoIP開局を行う。VoIP開局とは、VoIP網に接続される図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバにゲートウェイCP3a〜3nのIPアドレス等の情報を登録させることである。VoIP開局が行われると、再び定常状態(S3−9)となり、VoIPサービスが正常に提供できる状態に復帰する。
【0020】
以上のように、ゲートウェイIGD2が変更されたグローバルIPアドレスをゲートウェイCP3a〜3nに通知する手段と、ゲートウェイCP3a〜3nがそれまで通知されていたグローバルIPアドレスと一致するかどうかを比較し、不一致であれば、VoIP閉局をしてポート情報の再登録要求をする手段と、ゲートウェイIGD2に対してポート情報の登録後、ゲートウェイCP3a〜3nがVoIP開局をする手段を設けたことにより、ゲートウェイIGD2に割り当てられるグローバルIPアドレスが変更されても、効率良く定常状態への復帰が可能となる。
【0021】
次に図4を用いてゲートウェイCP3a〜3nとWAN側とのリンクが切断されたときの定常状態復帰の動作を説明する。図4はWAN側とのリンク切断情報をゲートウェイCP3a〜3nに通知することにより定常状態復帰をするための処理シーケンス図である。
図4において、まずVoIP網1、ゲートウェイIGD2、ゲートウェイCP3a〜3nが定常状態(S4−1)となっている。ここで定常状態とは、ゲートウェイCP3a〜3nに記憶されて実際に使用されているポート情報と、ゲートウェイIGD2に対して登録されているゲートウェイCP3a〜3nのポート情報とが一致している状態であり、かつ、ゲートウェイCP3a〜3nに割り当てられているIPアドレスが、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに正しく登録され、VoIPサービスが正常に動作できる状態のことである。
上記のような正常状態であるときに、WANリンク断(S4−2)に示されるようにWAN側回線障害等の要因により、WAN側とのリンク切断が発生すると、ゲートウェイIGD2のWAN状態監視部28がルーティング機能部27からWANリンク切断を検出し、IGD制御部24に通知する。WANリンク切断の通知を受け付けたIGD制御部24は、UPnP処理部23に、ゲートウェイCP3a〜3nに対してNOTIFY(ConnectionStatus Disconnected)(S4−3)メッセージを、LANインタフェース部21を介して送信させる。このメッセージはWANリンク切断の情報を通知するためのメッセージである。
【0022】
ゲートウェイCP3a〜3nは、NOTIFY(ConnectionStatus Disconnected) (S4−3)メッセージをLANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信後、UPnP処理部33は、CP制御部34に対してWANリンク切断の通知を行う。WANリンク切断の通知を受け取ったCP制御部34はゲートウェイIGD2に対し、確認メッセージである200OK(S3−4)メッセージを、UPnP処理部33に送信させるとともに、VoIP処理部35にVoIP閉局通知(S4−5)を行う。これによりVoIP処理部35はVoIP閉局を行う。VoIP閉局とは、VoIP網に接続される図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバからゲートウェイCP3a〜3nを離脱させることである。VoIP閉局が行われると、定常状態からVoIPサービスが停止状態となり、無効な発呼は抑制される。
その後、WANリンク確立(4−6)に示されるように、回線障害の復旧等により、WANリンクが確立すると、ゲートウェイIGD2のWAN状態監視部28がルーティング機能部27からWANリンク確立を検出し、IGD制御部24に通知する。WANリンク確立の通知を受け付けたIGD制御部24は、UPnP処理部23に、ゲートウェイCP3a〜3nに対してNOTIFY(ConnectionStatus Connected)(S4−7)メッセージを、LANインタフェース部21を介して送信させる。このメッセージはWANリンク確立の情報を通知するためのメッセージである。
【0023】
ゲートウェイCP3a〜3nはNOTIFY(ConnectionStatus Connected)(S4−7)メッセージを、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部33は、CP制御部34に対してWANリンク確立の通知を行う。WANリンク確立の通知を受け取ったCP制御部34はゲートウェイIGD2に対し、確認メッセージである200OK(S4−8)メッセージを送信するとともに、VoIP処理部35にVoIP開局通知(S4−9)を送信する。これによりVoIP処理部35はVoIP開局を行う。VoIP開局とは、VoIP網に接続される図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバにゲートウェイCP3a〜3nのIPアドレス等の情報を登録させることである。VoIP開局が行われると、再び定常状態(S4−10)となり、VoIPサービスが正常に提供できる状態に復帰する。
以上のように、ゲートウェイIGD2がWANリンクの切断及び確立をゲートウェイCP3a〜3nに通知する手段と、そのWANリンクの切断及び確立に応じてゲートウェイCP3a〜3nのVoIP閉局及びVoIP開局をする手段を設けたことにより、WANリンク断及び復旧になった場合でも、WANリンク切断中の無効発呼を抑止し、効率良く定常状態への復帰が可能となる。
【実施例2】
【0024】
以下、本発明による通信制御装置及び通信制御システムの実施例2は、図1、図2及び図5を用いて説明される。図1は複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図である。図2はVoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2の説明については、既に背景技術及び実施例1において説明されているので、重複する記載については説明を省略する。
図2において、ゲートウェイIGD2の特徴となる構成について説明する。UPnP処理部23は、UPnPのデバイスとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、IGD制御部24からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部21から、ゲートウェイCP3a〜3nに対して、ポートの登録及び削除を行ったり、ポートエントリ状態のポートエントリ数の通知したり、ゲートウェイCP3a〜3nからエントリ確認要求のあったポートが登録されていなければ、ポート情報なし等のUPnPプロトコルメッセージを送信する。またUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nから送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部21を介して受信し、IGD制御部24に通知する。
【0025】
IGD制御部24は、ゲートウェイCP3a〜3nからのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部23に対して、送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイCP3a〜3nに通知するよう要求する。
次にゲートウェイCP3a〜3nの特徴となる構成について説明する。UPnP処理部33は、UPnPのコントロールポイントとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、CP制御部34からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部31から、ゲートウェイIGD2に対してポート情報の登録要求及び削除要求やポートエントリの確認要求等のUPnPプロトコルメッセージを送信する。またUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2から送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部31を介して受信し、CP制御部34に通知する。
【0026】
例えば、UPnP処理部33は、自装置のポートエントリ情報を記憶しており、記憶しているポートエントリ数と、ゲートウェイIGD2から通知されたポートエントリ数とを比較する機能を有している。UPnP処理部33は、CP制御部34からの指示により、ポートエントリ数を比較し、その通知されたポートエントリ数が自装置に記憶しているポートエントリ数より減少している場合は、ポートエントリ数が減少していることをCP制御部34に通知し、CP制御部34からの指示により、ゲートウェイIGD2に対してポートエントリ確認要求を行う。またUPnP処理部33は、エントリ確認要求をしたポートに対してポート情報なしという通知をゲートウェイIGD2から受信すると、CP制御部34に、そのポート情報なしの通知を行う。
そして、CP制御部34は、ゲートウェイIGD2からのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部33に対して、送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイIGD2に通知するよう要求する。またCP制御部34は、UPnP処理部33からポート情報なしという通知を受信すると、VoIP処理部35にVoIP閉局通知を行い、ゲートウェイIGD2からのポート登録後の確認メッセージを受信すると、VoIP処理部35にVoIP開局通知を行う。
【0027】
以下、図5を用いて本発明による実施例2の通信制御システムの動作を説明する。図5は実施例2のポートエントリ数通知による定常状態復帰の処理シーケンス図である。
図5において、まずVoIP網1、ゲートウェイIGD2、ゲートウェイCP3a〜3nが定常状態(S5−1)となっているとする。ここで定常状態とは、ゲートウェイCP3a〜3nに記憶されて実際に使用されているポート情報と、ゲートウェイIGD2に対して登録されているゲートウェイCP3a〜3nのポート情報とが一致している状態であり、かつ、ゲートウェイCP3aに割り当てられているIPアドレスが、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに正しく登録され、VoIPサービスが正常に動作できる状態のことである。
上記のような正常状態であるときに、例えば、ゲートウェイIGD2の管理下にあるゲートウェイCP3nがACTION(DeletePortMapping XXXX)(S5−2)メッセージをゲートウェイIGD2に対してゲートウェイCP3aが登録しているポート情報の削除要求を行う。ゲートウェイIGD2はLANインタフェース部21を介してポート削除要求メッセージをUPnP処理部23で受信する。そのメッセージを受信したUPnP処理部23は、ポート削除要求をIGD制御部24に通知する。ポート削除要求の通知を受けつけたIGD制御部24は、登録されているポート情報の中から削除要求のあったポート情報を削除し、UPnP処理部23に、確認メッセージである200OK(S5−3)メッセージをゲートウェイCP3nに対して送信させる。
【0028】
ゲートウェイIGD2のIGD制御部24が削除要求のあったポート情報を削除すると、IGD制御部24はUPnPプロトコル処理部23に、NOTIFY(PortMappingNumberOfEntries n)(S5−4)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して、送信させる。NOTIFY(PortMappingNumberOfEntries n)はポートエントリ数を通知するメッセージである。
ゲートウェイCP3a〜3nはNOTIFY(PortMappingNumberOfEntries n)(S5−4)メッセージを、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部33は、CP制御部34に対してゲートウェイCP3a〜3nの各自装置が登録しているポートエントリ数の通知を行う。ポートエントリ数の通知を受け取ったCP制御部34はゲートウェイIGD2に対し、UPnP処理部33に、確認メッセージである200OK(S5−5)メッセージを送信させるとともに、自装置が登録しているポートエントリ数と通知されたポートエントリ数とが一致しているかどうか比較し、その結果、ポートエントリ数が一致せず、ポートエントリ数が減少していることを知ると、ACTION(GetSpecificPortMappingEntry XXXX)(S5−6)メッセージをゲートウェイIGD2に対して、UPnP処理部33に送信させる。ACTION(GetSpecificPortMappingEntry XXXX)(S5−6)は自装置に記憶されているポート情報がゲートウェイIGD2に登録されているか否かのポートエントリ確認要求をするメッセージである。
【0029】
ゲートウェイIGD2は、ACTION(GetSpecificPortMappingEntry XXXX)(S5−6)を、LANインタフェース部21を介してUPnP処理部23で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部23は、ポートエントリ確認要求をIGD制御部24に通知する。ポートエントリ確認要求を受けたIGD制御部24は、ポートエントリ確認要求を受けたポート情報に対してポートエントリが登録されているか否かを確認し、ゲートウェイCP3a〜3nに対して、その結果をメッセージとして、UPnP処理部23に送信させる。例えば、ゲートウェイCP3aからポートエントリ確認要求を受けたポート情報が登録されていなければ、ポートが未登録という旨の200OK(Non)(S5−7)メッセージをゲートウェイCP3aに対して送信する。もし、ゲートウェイCP3aからポートエントリ確認要求を受けたポート情報が登録されていれば、返信しない。
【0030】
ゲートウェイCP3aは、200OK(Non)(S5−7)を、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部33は、ポート未登録情報をCP制御部34に通知する。CP制御部34は、ゲートウェイCP3aが使用していたポートがエントリから外れたことを認識し、VoIP処理部35にVoIP閉局通知(S5−8)を行う。これによりVoIP処理部35はVoIP閉局を行う。その後、CP制御部34はゲートウェイIGD2に対し、ポートの登録要求メッセージであるACTION(AddPortMapping XXXX)(S5−9)メッセージを、UPnP処理部33に送信させる。
【0031】
ゲートウェイIGD2は、ACTION(AddPortMapping XXXX)(S5−9)を、LANインタフェース部21を介してUPnP処理部23で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部23は、ポート登録要求をIGD制御部24に通知する。ポート登録要求を受け付けたIGD制御部24は、ポート情報の登録を行い、確認メッセージである200OK(S5−10)メッセージをゲートウェイCP3aに対し、UPnP処理部23に送信させる。
ゲートウェイCP3aは、200OK(S5−10)を、LANインタフェース部31を介してUPnP処理部33で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部33は、ポートが登録されたことをCP制御部34に通知する。CP制御部34はVoIP処理部35にVoIP開局通知(S5−11)を行い、VoIP処理部35はVoIP開局を行う。VoIP開局が行われると、再び定常状態(S5−12)となり、VoIPサービスが正常に提供できる状態に復帰する。
【0032】
以上のように、ゲートウェイCP3a〜3n等のUPnP機能を有する装置がポートエントリを削除したときに、全てのゲートウェイCP3a〜3nに対して、ポートエントリ数を通知し、自装置のポートエントリ数が減少している場合に、ゲートウェイIGD2に登録されていないポート情報を再度登録させ、ポート情報の再登録中にゲートウェイCP3a〜3nのVoIP閉局をさせ、ポート情報の登録が終了したときにVoIP開局をする手段を設けたことにより、自装置が使用していたポートを他の装置が削除した場合でも、効率良く定常状態への復帰が可能となる。
【実施例3】
【0033】
以下、本発明による通信制御装置及び通信制御システムの実施例3は、図1、図2、図6及び図7を用いて説明される。図1は複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図である。図2はVoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2の説明については、既に背景技術及び実施例1において説明されているので、重複する記載については説明を省略する。
【0034】
図2において、ゲートウェイIGD2の特徴となる構成について説明する。UPnP処理部23は、UPnPのデバイスとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、IGD制御部24からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部21から、ゲートウェイCP3a〜3nに対してUPnPプロトコルメッセージを送信する。またUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nから送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部21を介して受信し、IGD制御部24に通知する。UPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nからのポートエントリの有効期間が定められたポート登録要求メッセージを受信し、メッセージからポートエントリ有効期間情報を取り出し、ポートの登録を行うと共に、ポートエントリ有効期間が経過すると、ポートの削除を行うようにポート削除タイマをスタートさせる。またUPnP処理部23は、ポートエントリ有効期間内に同値のポート登録要求を受けると、更新して再びポート削除タイマをスタートさせる。
IGD制御部24は、ゲートウェイCP3a〜3nからのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部23に対して、送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイCP3a〜3nに通知するよう要求する。
【0035】
次にゲートウェイCP3a〜3nの特徴となる構成について説明する。UPnP処理部33は、UPnPのコントロールポイントとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、CP制御部34からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部31から、ゲートウェイIGD2に対してポート情報の登録要求等のUPnPプロトコルメッセージを送信する。ここでUPnP処理部33は、ポートの登録要求を行うときに、所定のポートエントリの有効期間を設定した情報を含むメッセージを送信し、その定められたポートエントリの有効期間以内に再びポートの登録要求を行う。本実施例では、ポートエントリの有効期間を24時間に設定し、ポートエントリ有効期間内にポート登録要求をするためのポート再登録タイマを23時間に設定し、23時間経過すると、再びポートの登録要求を行い、ポート再登録タイマをスタートさせる。またUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2から送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部31を介して受信し、CP制御部34に通知する。
そして、CP制御部34は、ゲートウェイIGD2からのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部33に対して、送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイIGD2に通知するよう要求する。
以下、本発明による実施例3の通信制御システムの動作は図6及び図7を用いて説明される。図6はゲートウェイCP3a〜3nが連続運転をしている場合の動作を示すシーケンス図である。
【0036】
まず、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、CP制御部34がUPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対してポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)を所定の時間、例えば24時間を登録されているポートを削除するためのタイムアウト値として設定したACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S6−1)メッセージを送信し、ポート情報の登録要求を行うとともに、タイムアウト値23時間でポート再登録タイマをスタートさせる。
IGD制御部24はACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S6−2)メッセージを、LANインタフェース部21を介して、UPnP処理部23で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部23は、ポート登録要求をIGD制御部24に通知する。ポート登録要求を受け付けたIGD制御部24は、ポート情報の登録を行い、UPnP処理部23に、200OK(S6−2)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させるとともに、登録されているポートを削除するためタイムアウト値をポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)から取り出し、24時間で登録されたポート情報が削除されるように、ポート情報削除タイマをスタートさせる。
【0037】
次に、ゲートウェイCP3a〜3nにてポート再登録タイマが23時間でタイムアウトすると、CP制御部34はUPnP処理部23に、再びゲートウェイIGD2にポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)を24時間に設定したACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S6−3)メッセージを送信し、ポート情報の登録要求を行うとともに、タイムアウト値23時間でポート再登録タイマをスタートさせる。
ゲートウェイIGD2はACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S7−3)メッセージを、UPnP処理部23で受信する。このメッセージを受信したUPnP処理部23はポート登録要求をIGD制御部24に通知する。ポート登録要求を受け付けたIGD制御部24はポートの登録を行い、UPnP処理部23に、200OK(S7−4)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させるとともに、タイムアウト値を24時間に設定されたポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)から取り出し、登録されたポートの削除タイマを再スタートさせる。
【0038】
図7は、ゲートウェイCP3a〜3nが動作停止した場合の動作を示すシーケンス図である。まず、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、CP制御部34は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対してポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)を24時間に設定したACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S7−1)メッセージを送信し、ポートの登録要求を行うとともに、タイムアウト値23時間でポート再登録タイマをスタートさせる。
ゲートウェイIGD2は、UPnP処理部23でACTION(AddPortMapping XXXX NewLeaseDuration 24H)(S7−1)メッセージを受信し、IGD制御部24にポート登録要求を通知する。ポート登録要求を受け付けたIGD制御部24はポートの登録を行い、UPnP処理部23に200OK(S5−2)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させるとともに、24時間に設定されたタイムアウト値をポートエントリ有効期間(NewLeaseDuration)から取り出し、登録されたポートの削除タイマをスタートさせる。次に、シャットダウンや電源オフによってゲートウェイCP3a〜3nが動作停止する(S7−3)。ゲートウェイCP3a〜3nが動作停止すると、ポート再登録のメッセージは送信されないので、ゲートウェイIGD2にて、前回のポート登録から24時間経過するとポートの削除タイマがタイムアウトし、IGD制御部24は該当ポートを削除する。
【0039】
以上のように、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、ポート情報のエントリ有効期間をポート登録要求時に設定し、エントリ有効期間内にポートの再登録をさせる手段を設けたので、動作停止したゲートウェイCP3a〜3nのエントリが残ってしまうことを防ぐことができる。
【実施例4】
【0040】
以下、本発明による通信制御装置及び通信制御システムの実施例4は、図1、図2及び図8を用いて説明される。図1は複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図である。図2はVoIPゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2の説明については、既に背景技術及び実施例1において説明されているので、重複する記載については説明を省略する。
【0041】
図2において、ゲートウェイIGD2の特徴となる構成について説明する。UPnP処理部23は、UPnPのデバイスとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、IGD制御部24からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部21から、ゲートウェイCP3a〜3nに対してポートエントリの状態等のUPnPプロトコルメッセージを送信する。さらにUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nからのWAN側MACアドレスを含んだポートの登録要求を受信すると、そのWAN側MACアドレスをポート情報に追加し、ポートの登録を行い、ポートの削除要求を受信すると、ポートの削除を行う。またUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nから送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部21を介して受信し、IGD制御部24に通知する。さらにUPnP処理部23は、ゲートウェイCP3a〜3nからのポート情報の取得要求に対して、IGD制御部24からの指示により登録されているポート情報を通知する。
【0042】
IGD制御部24は、ゲートウェイCP3a〜3nからのUPnPプロトコルメッセージを受信すると、UPnP処理部23に対して、所定の処理をさせ、送信すべきUPnPプロトコルメッセージをゲートウェイCP3a〜3nに通知するよう要求する。
ルーティング機能部27は、ゲートウェイCP3a〜3nの電源がオフされ、再び電源がオンされると、DHCP機能により、ゲートウェイCP3a〜3nに対してローカルIPアドレスを割り当てる。これによりゲートウェイCP3a〜3nは、ローカルIPアドレスが変更される。
【0043】
次にゲートウェイCP3a〜3nの特徴となる構成について説明する。UPnP処理部33は、UPnPのコントロールポイントとして、UPnPプロトコルを使用して処理を行い、CP制御部34からのUPnPプロトコルメッセージの送信要求を受け付けて、LANインタフェース部31から、ゲートウェイIGD2に対してポート情報の登録要求及び削除要求等のUPnPプロトコルメッセージを送信する。
さらにUPnP処理部33は、ポートの登録要求をするときに自装置のWAN側MACアドレスの情報を含んだメッセージを送信する。そしてまたUPnP処理部33は、ゲートウェイIGD2から送信されるUPnPプロトコルメッセージを、LANインタフェース部31を介して受信し、CP制御部34に通知する。
ゲートウェイCP3a〜3nが一度電源オフされ、再び電源オンとなり、新たなローカルIPアドレスを取得し、ローカルIPアドレスが変更されると、UPnP処理部33は、ポート情報の取得要求を行う。ゲートウェイIGD2からポート情報を取得すると、取得したポート情報に含まれるWAN側MACアドレスと自装置のもつWAN側MACアドレスを比較し、両者が一致した場合はCP制御部34の指示により、ポートの削除要求を行う。ローカルIPアドレスが変更されたときに行うポート情報の取得要求、MACアドレスの比較、MACアドレスが一致した場合のポートの削除は、登録されている全てのポートに対して行われる。ゲートウェイIGD2においてポートの削除が行われると、UPnP処理部33はCP制御部34の指示によりポートの登録要求を行う。ゲートウェイIGD2においてポートの登録が行われると、UPnP処理部33はゲートウェイIGD2からの確認メッセージを受信し、それをCP制御部34に通知する。
【0044】
ゲートウェイIGD2からのポート登録後の確認メッセージが通知されると、VoIP処理部35にVoIP開局通知を行う。VoIP処理部35は、CP制御部34からの指示により、VoIP網1に接続されている図示されないSIPサーバ等の呼制御サーバに対してVoIP開局を行う。このときにSIPサーバ等の呼制御サーバには以前に登録されてるIPアドレスが残っている。
以下、図8を用いて本発明による実施例4の通信制御システムの動作を説明する。図8は、ゲートウェイCP3a〜3nが一旦電源オフ後、電源投入でローカルアドレスが変更された場合の実施例を示すシーケンス図である。
【0045】
まず、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、CP制御部34は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対して(NewPortMappingDescription)を自装置WAN側MACアドレスに設定したACTION(AddPortMapping XXXX NewPortMappingDescription A:A:A:A:A:A) (S8−1)メッセージを送信させ、ポートの登録要求を行う。
ゲートウェイIGDにおいて、UPnP処理部23はACTION(AddPortMapping XXXX NewPortMappingDescription A:A:A:A:A:A)(S8−1)メッセージを受信し、WAN側MACアドレス情報を含んだポート登録要求をIGD制御部24に通知する。IGD制御部24は、ポートの登録を行い、該メッセージより取り出した(NewPortMappingDescription)を記憶するとともに、UPnP処理部23に200OK(S8−2)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させる。この時点で、ゲートウェイIGD2とゲートウェイCP3a〜3nは、それぞれの状態が一致している定常状態(S8−3)となる。
次に、ゲートウェイCP3a〜3nの電源がオフされ、その後再びオンされると、DHCPにて取得されるローカルアドレスは電源オフの時と異なるものとなる(S8−4)。
電源オン後に、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、CP制御部34は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対してACTION(GetGenericPortMappingEntry)(S8−5)メッセージを送信し、WAN側MACアドレス情報を含むポートの情報取得要求を行う。
【0046】
ゲートウェイIGD2において、UPnP処理部23はACTION(GetGenericPortMappingEntry)(S8−5)メッセージを受信し、IGD制御部24にそのポート情報取得要求を通知する。IGD制御部24は、UPnP処理部23に、記憶していた(NewPortMappingDescription)を含むポートの情報を200OK(S8−6)メッセージに設定しゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させる。
ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、UPnP処理部33は200OK(S8−6)メッセージを受信し、CP制御部34にポート情報を通知する。CP制御部34は、該メッセージに含まれる(NewPortMappingDescription)が自装置のWAN側MACアドレスと一致するか比較し、一致した場合は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2に対してACTION(DeletePortMapping XXXX)(S8−7)メッセージを送信させ、ポートの削除要求を行う。また、その比較の結果、MACアドレスが一致しなければ、CP制御部34は、UPnP処理部33に、メッセージの送信要求をしない。
【0047】
ゲートウェイIGD2において、UPnP処理部23はACTION(DeletePortMapping XXXX)(S8−7)メッセージを受信し、IGD制御部24にポート削除要求を通知する。IGD制御部24は、ポートの削除を行うとともに、UPnP処理部23に200OK(S8−8)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させる。上記ポート情報の収集、比較、削除の処理をゲートウェイIGD2に登録されている全ポートについて実施する。
次に、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、CP制御部34は、UPnP処理部33に、ゲートウェイIGD2にACTION(AddPortMapping XXXX)(S8−9)メッセージを送信させ、ポートの登録要求を行う。
【0048】
ゲートウェイIGD2において、UPnP処理部23はてACTION(AddPortMapping XXXX)(S8−9)メッセージを受信し、IGD制御部24にポートの登録要求を通知する。IGD制御部24は、ポートの登録を行い、UPnP処理部23に200OK(S8−10)メッセージをゲートウェイCP3a〜3nに対して送信させる。
ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、UPnP処理部33は200OK(S8−10)メッセージを受信し、CP制御部34に通知する。CP制御部34は、VoIP処理部35にVoIP開局通知(S8−11)を行い、VoIP処理部35はVoIP開局を行う。以上の結果、VoIPサービスが正常に提供できる定常状態(S8−12)に復帰した。
【0049】
以上のように、ゲートウェイCP3a〜3nにおいて、ポート登録をするときにMACアドレス情報を自装置の固有識別子として設定し、装置起動時にゲートウェイIGD2より登録されているポート情報を取得し、ゲートウェイIGD2においてポート登録時に、MACアドレス情報を含んだポート情報を記憶し、ポート情報取得要求の応答に、該当するポート情報を送信することにより、ゲートウェイCP3a〜3nが稼働中に電源オフされ、再度電源投入され該装置のローカルアドレスが変更されても、該装置が使用しようとしているポートがエントリ状態のままで、ポートの登録ができないという問題を防ぐことができる。
また本発明による実施例1〜実施例4を説明したが、これらをを組合わせることによって、ゲートウェイCPがポートをゲートウェイIGDより取得でき、かつ他のCPのポートを削除せず、またゲートウェイIGDに不必要なポートが残らないので、WAN側とのリンク状態の変化、グローバルアドレスの変更、ローカルアドレスの変更、ポート取得の競合等が起きても、ゲートウェイIGDはゲートウェイCPのポート情報をより確実に管理することができる。また実施例1〜実施例4では、VoIPゲートウェイ装置の多段接続構成として説明したが、ソフトフォンなどの装置を多段接続する構成としても当然適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】複数のVoIPゲートウェイ装置が接続された通信制御システムを示すシステム図
【図2】本発明によるVoIPゲートウェイ装置のブロック構成を示すブロック構成図
【図3】実施例1のグローバルアドレス通知による定常状態復帰の処理シーケンス図
【図4】実施例1のWANリンク切断通知による定常状態復帰の処理シーケンス図
【図5】実施例2のポートエントリ通知による定常状態復帰の処理シーケンス図
【図6】実施例3のポートエントリ有効期間設定によるポート再登録の処理シーケンス図
【図7】実施例3のポートエントリ有効期間設定によるポート削除の処理シーケンス図
【図8】実施例4のローカルアドレス変更によるポート削除の処理シーケンス図
【符号の説明】
【0051】
1…VoIP網、2…ゲートウェイIGD、3a〜3n…ゲートウェイCP、4…ハブ、5a〜5n…アナログ電話機、6…PBX、21,31…LANインタフェース部(I/F)、22,32…PBXインタフェース部(I/F)、23,33…UPnP処理部、24…IGD制御部、25,35…VoIP処理部、26…WANインタフェース部(I/F)、27…ルーティング機能部、28…WAN状態監視部、34…CP制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイドエリアネットワークと複数の内部端末が多段接続されたローカルエリアネットワークとの中継機能を有する通信制御装置であって、
前記内部端末から要求される所定のポートエントリ有効期間の情報を含むポートの登録要求及び前記ポートエントリ有効期間内の前記ポートの再登録要求に応答して前記ポートの登録を行うポート登録手段と、
前記ポートエントリ有効期間が経過した場合、前記ポートの削除を行うポート削除手段と
を備えることを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
ローカルエリアネットワークに接続される複数の内部端末と、
ワイドエリアネットワークと前記ローカルエリアネットワークとの中継機能を有する通信制御装置を含む通信制御システムであって、
前記内部端末は、前記通信制御装置に所定のポートエントリ有効期間の情報を含むポートの登録要求及び前記ポートエントリ有効期間内に前記ポートの再登録要求を行う登録要求手段を備え、
前記通信制御装置は、前記ポートの登録要求に応答して前記ポートの登録を行うポート登録手段と、前記ポートエントリ有効期間が経過した場合、前記ポートの削除を行うポート削除手段とを備えること
を特徴とする通信制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−295068(P2008−295068A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173072(P2008−173072)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2003−371997(P2003−371997)の分割
【原出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】