説明

通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブル及び通信用ケーブルからの通信線の引き出し方法

【課題】別体制作のスロットコアを要することないので部品点数を増加させることなく、引張り強度を有し、シース厚さの薄い部位を形成して、コスト高の原因をなくし、かつ通信用ファイバケーブルからの通信線の引き出し作業を容易にすることのできるようにする。
【解決手段】シースが、一体成形された外方シース部と内方シース部とから構成され、外方シース部は、シースの外面がその外面をなし、外面あるいは空間部の中心から垂直方向のY軸方向に偏心した点を中心として形成された内面を有し、内方シース部は、外方シース部の内方にあって、シース部の内面がその内面をなし、Y軸方向に偏心した点を中心として形成された外面を有し、外方シース部と内方シース部は、外方シース部の内面と内方シース部の外面が分離域を形成し、かつ分離域が前記シース内で分離終点を形成し、外方シース部が、薄厚部、内方シース部が、空間部に近接する近接部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブル及び通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルからの通信線あるいは光ファイバの引き出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信線を収納する空間部を備え、外方にシースを備えた通信用ケーブルが用いられる。通信用ケーブルの典型的な例として光ファイバケーブルがある。以下、光ファイバケーブルを例にとって説明する。説明上必要な場合には、通信用ケーブルについて説明する。
【0003】
光ファイバケーブルには光ファイバケーブルの曲げや捻れ等による伝送損失特性の劣化を防止すると共に、中間後分岐の際にケーブル内の光ファイバを傷つけることなく、光ファイバケーブルから光ファイバの引き出し作業、いわゆる光ファイバの口出し作業を容易に行うことが求められる。
【0004】
特許文献1には、光ファイバ内部に収納する1つの溝を備えたスロットコアと、このスロットコアの周囲を被覆するシースと、を備えると共に、前記シースが前記溝の開口部側のシース厚を前記溝の開口部側と反対側の薄肉部のシース厚よりも相対的に厚くした厚肉部を有する偏心シース構造である光ファイバケーブルが記載されている。この光ファイバケーブルは、前記スロットコアの溝の開口部を覆い、かつ、前記スロットコアの全周は覆わない幅を有する縦添えテープを縦添えすると共に、前記縦添えテープで覆われていない部分の前記スロットコアと前記シースを部分的に固着した固着部を有していることを特徴とすることが記載されている。
【0005】
特許文献2及び特許文献3にも特許文献1に記載された同様の構造の光ファイバケーブルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−237537号公報
【特許文献2】特開2009−216834号公報
【特許文献3】特開2008−76897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、光ファイバケーブルには光ファイバケーブルの曲げや捻れ当による伝送損失の劣化の防止、光ファイバケーブルからの光ファイバの引き出し作業を容易に行うことが求められる。
【0008】
特許文献1等に記載された技術によれば、偏心シース構造を採用することによって上述した課題を解決するようにしている。
【0009】
特許文献1等に記載された技術は、偏心シース構造内に別体制作のスロットコアを配設し、スロットコアの全周を覆わないようにして縦添えテープを設け、縦添えテープで覆われていない部分のスロットコアと偏心シースとを部分的に固着する構造を採用している。このような構造にあたっては別体としてスロットコアを制作し、偏心シース構造内に別体制作のスロットコアを配設したり、縦添えテープで覆ったり、更には偏心シースとスロットコアとの固着のための作業が必要とされ、光ファイバケーブル制作のための工程が多く必要とされ、部分固着であるためにしごき、曲げ、引張り強度に弱く、部品点数が増えてコスト高の原因となる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、別体制作の部品を要することないので部品点数を増加させることなく、機械特性、温度特性がよく、シースにシース厚さの薄い部位の形成を可能にして、コスト高の原因をなくし、かつ通信用ケーブルからの通信線の引出し作業を容易にすることができ、かつ通信用ケーブルの曲げや捻れ等による伝送損失の劣化を防止することのできる通信用ケーブルを提供することを目的とする。
【0011】
本発明はこれに伴って通信用ケーブルから容易に通信線を引き出す方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、通信線を収納する空間部を備え、該空間部に沿った内面と外方に外面とを有するシースを備えた通信用ケーブルにおいて、
該シースが、一体成形された外方シース部と内方シース部とから構成され、
前記外方シース部は、シースの外面がその外面をなし、該外面あるいは前記空間部の中心から垂直方向のY軸方向に偏心した点を中心として形成された内面を有し、
前記内方シース部は、前記外方シース部の内方にあって、シース部の内面がその内面をなし、Y軸方向に偏心した点、あるいは該偏心した点からY軸逆方向に前記偏心量より少なく偏心した点を中心として形成された外面を有し、
前記外方シース部と前記内方シース部は、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が分離域を形成し、かつ該分離域が前記シース内で分離終点を形成し、
前記外方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄い薄厚部、前記内方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄く、前記空間部に近接する近接部を備えること
を特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0013】
本発明は、また、前記分離域が、Y軸上において最大の幅とされ前記分離終点に向けて幅狭とされた空隙部によって形成されることを特徴とする通信線ケーブルを提供する。
【0014】
本発明は、また、前記分離域が、前記従シース部の外面がY軸上に偏心した点を中心として形成されて、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が接触するが、結合しない線状に形成されることを特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0015】
本発明は、また、前記分離域が、前記従シース部の外面がY軸上に偏心した点を中心として形成されて、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が平行な空隙部によって形成されることを特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0016】
本発明は、また、前記分離域が、円弧形状、直線形状、もしくはこれらの組み合わせで形成されることを特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0017】
本発明は、また、前記双方の分離終点が、Y軸を中心にして対称位置に設定されていることを特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0018】
本発明は、また、前記分離終点がスリット状に形成されることを特徴とする通信用ケーブルを提供する。
【0019】
本発明は、光ファイバを収納する空間部を備え、該空間部に沿った内面と外方に外面とを有するシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
該シースが、一体成形された外方シース部と内方シース部とから構成され、前記外方シース部は、シースの外面がその外面をなし、該外面あるいは前記空間部の中心から垂直方向のY軸方向に偏心した点を中心として形成された内面を有し、
前記内方シース部は、前記外方シース部の内方にあって、シース部の内面がその内面をなし、Y軸方向に偏心した点、あるいは該偏心した点からY軸逆方向に前記偏心量より少なく偏心した点を中心として形成された外面を有し、
前記外方シース部と前記内方シース部は、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が分離域を形成し、かつ該分離域が前記シース内で分離終点を形成し、
前記外方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄い薄厚部、及び双方の分岐終点での間に分離されていない非分離シース部を備え、前記内方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄く、前記空間部に近接する近接部を備えること
を特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0020】
本発明は、また、前記通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルから通信線あるいは光ファイバを分岐する方法において、
前記外方シース部に形成された前記薄厚部を前記分離域に向けて切り裂くステップ、
前記内方シース部に形成された前記薄厚部を前記空間部に向けて切り裂くステップ、
前記内方シース部に形成された前記薄厚部を前記空間部に向けて切り裂くと同時に前記分離域に沿って前記外方シース部を前記内方シース部から切り離すステップ、
前記外方シース部と前記内方シース部から切り離すことによって前記非分離シース部を切り離して、前記空間部に開口部を形成するステップ、
該開口部から任意の光ファイバを分岐するステップから構成されることを特徴とする通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルから通信線または光ファイバを分岐する方法を提供する。
【0021】
本発明は、また、前記通信用ケーブルまたは光ファイバケーブルを製造する方法において、
前記外方シース部と前記内方シース部とを一体的にシース形成機から一体成形し、引き出して同時に製造することを特徴とする通信用ケーブルを製造する方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上述のように、別体制作のスロットコアを要することないので外方シース部及び内方シース部を一体的に成形することができ、部品点数を増加させることがなく、機械特性、温度特性がよく、外方シース及び内方シースにそれぞれシース厚さの薄い部位を形成することができて、コスト高の原因をなくし、かつ通信用ケーブルからの通信線の引き出し作業を容易にすることができ、かつ通信用ケーブルの曲げや捻れ等による伝送損失の劣化を防止することのできる通信用ケーブルを提供することができる。
【0023】
これに伴って、本発明は、この通信用ケーブルから容易に通信線を引き出す方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例の構成を示す縦断面図。
【図2】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図3】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図4】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図5】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図6】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図7】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図8】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図9】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図10】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図11】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図12】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図13】本発明の他の実施例の構成を示す縦断面図。
【図14】中間後分岐作業ステップを示す図。
【図15】本実施例と従来例との比較を示す図。
【図16】図14のケースの特性比較図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の典型的な実施例である光ファイバケーブルの長手方向に対する縦断面を示す。
【0027】
図1において、光ファイバケーブル100は、スロット型をなし、スロット1とこれを被覆う外被となるシース(例えば、ポリエチレンシース)2と、スリット1の中心にテンションメンバ(抗張力体)3を有して構成される。ただし、テンションメンバが用いられない場合がある。
【0028】
スロット1は、通常使用されるスロットが使用可能であり、通常のようにスロット1には複数の(図では3つ)スロット溝4が形成され、各スロット溝4には光ファイバ心線を集合し、テープ状に形成された光ファイバテープ心線5が配設される。スロット1の中央部にはテンションメンバ3が配設され、光ファイバケーブル1全体の強度を保持する。スロットは空間部21内に配設される。
【0029】
シース2は、円形状をなし、外方シース部11とこれに一体成形された内方シース部12とから形成される。円形状でなくてもよい。いずれにしても中心をOとする。外方シース部11と内方シース部12とを合体して表現するときにはシース2と表示することとする。シース又は、円周面となる外面4と円周面となる内面16を有する。
【0030】
このように、外方シース部11と内方シース部12とは一体成形されるので、部材としては1つの部材からなり、シース形成材から一体成形され、引き出されて同時に製造される。従って、外被としてのシース2を形成するのに特に他の部材を必要としない。
【0031】
外方シース部11の構成及び内方シース部12の構成を説明する前に、縦断面上におけるX軸、Y軸について説明する。
【0032】
光ファイバケーブル100の長手方向に垂直な断面においてケーブル中心を通る図において鉛直方向をY軸とし、Y軸に直交する方向をX軸とする。これによってX軸は水平方向となる。勿論Y軸、X軸を傾けることは可能である。
【0033】
外方シース部11は、シース2の本体となるシース部であり、シース2の外面4がその(外方シース部)の外面4をなす。Y軸方向において偏心(図では下方に偏心)して外方シース部11の内面7が形成される。外方シース部11は、上部及び下部でこの偏心に伴ったシース厚さを形成することになる。シース厚さは、図において、上方に厚く(厚厚部A)、下方で薄く(薄厚部B)なっており、上端で最大厚、下端で最小厚とされた外被を形成する。図では最大厚のある部分をAで、最小厚のある部分をBで示してある。
【0034】
内方シース部12は、外方シース部11の内部にシース2の一部として形成されるもので、シース2の内面16がその内面16をなす。
【0035】
内方シース部12の内面16は、外方シース部11の内面の下方への偏心方向と反対方向である上方に偏心して形成される。この場合に、Y軸上を上方に上述の偏心量よりも少ない偏心量で偏心する。偏心点を0´とする。0の上側にはいかない。従って、内面は0"を中心として形成されることになる。
【0036】
内方シース部12は、内面のこの偏心に伴ったシース厚さを有する。シース厚さは、図において、下方で厚く、上方に行くに従って漸次薄くなり、所定のシース厚さで外方シース部11と一である。この一体部分を図ではCで示してある。
【0037】
上述した2つの偏心に伴って、外方シース11と内方シース12との間には分離域として機能する空隙部8が形成されている。空隙部8は円の大部分を形成するか円を形成せず、円形の上部で終端を有する。
【0038】
この一体部Cは、空隙部8である分離域の終端で分離終端10でもあると共に、外方シース部11の内面と内方シース部12の外面6との間に形成された薄厚部とあり、かつ空間部21に最も近接する近接部である。従って、ここでは、以後Cを近接部と称することとする。この近接部を本例にあっては空隙部8の終端に形成しているが終端でなくても空隙部8の途中に形成することが可能である。
【0039】
この近接部Cは空間部21の中心0を通る水平面X軸から上方に形成することが空間部21に近接する上で望ましい。従って、図1に示す例では外方シース部11と内方シース部12とに形成される空隙部8は中心0を通る水平面X軸の上方に形成してある。
【0040】
なお、この例では、0は、シース2の外周、すなわち外方シース11の中心としているが、空間部21の中心でもある。このように、外方シース部21の外面で形成された円形の円形中心である。通常は空間部21の中心0と外形4の中心は一致するが、一致しないようにシース2が制作される場合がある。従って、0は空間部21の中心またはシース2すなわち外方シース11の中心のいずれかを指すものとなる。
【0041】
このように内方シース12は、外方シース11と一体となって成形される。このようにして、内方シース部12は、下端で最大厚になり、上方に行くに従って漸次薄くなって、所定の部位Cで外方偏心シース11と一体化したシース部、すなわち内被を形成する。
【0042】
2つのCで示される一体部分の双方の間、すなわち厚肉部Aの下方部はシース2そのもので、分離されないシース部であり、ここでは非分離シース部と称し、Dで表示する。この領域Dは後述するように、外方シース部2の切除前は、空間部21の上面の閉塞部を形成し、切除時には空間部21の上面に開口部を形成することになる。このように、空間部21の上面はシースの一部で閉塞されている。切除を想定して開口部を22で示す。
【0043】
内方シース部12の内部には、上述したようにシース2の内部には光ファイバ心線、本例の場合光ファイバテープ心線5を収納する空間部21が形成される。本例の場合、空間部21にスロット1が収納され、このスロット1の溝にファイバテープ心線5が収納されている。
【0044】
外方シース部11の内面6と内方シース部12の外面7の間に形成された空隙部8は、内面6と外面が円弧状である場合に、最下端を最大幅とし、上方に向けて漸次幅狭とされた三ヶ月状(あるいは馬蹄形状)になる隙間部8は分離域の1つである。この三ヶ月状の空隙8の終端は分離域の分離終端10となる。この分離終端10は、本例の場合、上述したように近接部C内に包含され、近接部Cにおいてスリット形状9に形成され、引裂き容易とされる。従って、近接部Cは、スリット形状の先端部を含んで形成されることになる。スリット形状9は、空間部21の上方に向けて内側に、すなわちY軸方向に向けて形成してある。スリット形状9の向き先を空間部21に直接向くように形成してもよい。いずれにしてもY軸方向に向けて形成し、引裂いた時に引裂き面が容易に空間部21に達するようにすることが望ましい。従って、引き裂きは、スリット形状9を用いて行えるようにするのが望ましいが、これには限定されず、内方シース部12が、その外面6とその内面16との間に厚さが薄い薄厚部を形成すればよい。また、引裂き紐を設けるようにしてもよい。この内面16は空間部21の外方に形成され、空間部21の外面と一致する。空間部21の内部あるいは内方シース部12の内壁に沿って介在物が存したとしても内面16は、基本的には空間部21の外面と一致する。引裂き方向を総称して空間部21に向けての方向であると記すことにする。
【0045】
このようにスリット形状9あるいは薄厚部を利用して外被である外方シース部11を内方シース部12から引き裂くと、スリット形状9あるいは薄厚部の上部にあるシース部はすべて外方シース部11に付帯して切除され、内方シース部12の上端部にあった非分離シース部Dは切削され、空間部21には開口部22が形成されることになる。
【0046】
このように、シース2が、外方シース部11と内方シース部12とが一体成形されることによって形成される。シース2は、偏心する内面を有して空間部21に形成される開口部22の反対側(最下端側)のシース厚を空間部21の上述の開口部22側のシース厚よりも相対的に薄くした外方シース部11、及び外方シース部11内にあって、内面Cの偏心中心0´と反対側に偏心した偏心0"を有して、形成された外面6、空間部21に形成される開口部22と空間部21の開口部22の反対側との間で他の部位に比べて薄くされた薄厚部を備え、かつ非分離シース部Dを備え、外方シース部11に一体成形された内方シース部12によって形成される。
【0047】
本例の場合、上述したように外方シース部11と内方シース部12との間に三ヶ月状の空隙部8が上方の偏心に基づいて形成される。内方シース部12が、空間部21の非分離シース部Dに向けてシース厚さが近接部Cに向けて漸次薄くされ、幅狭とされる。空隙部8の終端が切れ目形状であるスリット形状9となる。従って、本例の場合、スリット形状9が他の部位に比べて薄くされた部位に相当する。他の部位に比べて薄くされた部位は、本例のように空隙部8の終端部に形成されたスリット形状9の部位とすることが望ましいが、空隙部8の途中にシース厚が他の部位と比べて薄くしてこの部位で引裂きがなされ、上部に開口部22が形成されるようにしてもよい。空隙部18、スリット形状9の形成によって内方シース部12から外方シース部11の分離をより簡単とする。
【0048】
本例の場合、空隙部8の終端である分離域の分離終端がY軸を中心としてX軸方向に対称点に位置するように形成される。終端を対称点に位置するように形成せず、非対称であってもよいが、対称点配置が引裂き作業上望ましい。2つある終端におけるシース厚は薄いものとして他方における終端におけるシース厚は他の部位と同様としてもよい。
【0049】
空隙部8は、空白部とされてよく、又は空隙部8には、吸水テープなどの吸水テープが収納されるようにしてもよい。空隙部8は切り離されているので、分離作業を容易にするメリットがある。
【0050】
以上のように構成されると、外方シース部11と内方シース部12とは一体成形され、上端部は、空間部8によっては分離されない非分離シース部Dとされ、この非分離シース部Dが切除時に、開口部22になると共に、切除前には空間部21を塞ぐ機能を有することになるので、空間部21を塞ぐのに別途制作のテープなどを用いることを要しない。また、この非分離シース部Dは、外方シース部11と内方シース部12とをしっかりと一体化成形するので、長手方向の引張り力作用があったときに両者がずれることがなく、強い引張り強度を示すことになる。また、曲げにも強く、機械強度特性、温度特性を悪化させない。
【0051】
空隙部8には、何を介在させなくてもよいが、複合テープ、不織布、シリコンテープ、ポリエチレン、ポリプロプレン等のテープを介在させるようにしてもよい。
【0052】
また、本例のように、外方シース部11の内面7、内方シース部12の外面8が円径あるいは円弧状でなくてもよく、上述したように偏心した面を形成することによって、厚厚部A及び薄厚部Bを形成し、分離域を形成することができる。
【0053】
外方シース部11と内方シース部12が一体成形によって形成されているので外方シース部11、すなわちシース2を円径状に形成して、外力による曲げに強く、伝送損失の劣化を防止することができる。
【0054】
本例の場合、カッターで切り離す薄厚部Bは外方シース部11の最下端部に形成され、光ファイバ5までの距離が形成されることになるので、カッターによって光ファイバ5をキズつける恐れがない。
【0055】
本実施例は、スロット1の周りに吸水テープや不織布が巻かれた光ファイバケーブルに適用可能であり、不織布に薄いポリエチレン層を塗布した複合テープが巻かれた光ファイバケーブルに適用可能である。この場合、ポリエチレン層がシースに接触する向きに巻かれる。シース熱でテープのポリエチレン層が溶けて、シース内側と融着し一体化される。従って、内方シース部11を取り去ると、テープも一緒に取られることになる。
【0056】
本実施例は、前にも述べたように、光ファイバケーブルについて説明するが、光ファイバに代えて金属性の例えば銅製の通信線を閉じたような場合にあっても外方シース部11と内方シース部12を一体成形したシース2を同様に形成することができるので、本実施例を通信用ケーブルに適用することができる。
【実施例2】
【0057】
図2は、本発明の典型的な第2の実施例を示す。第1の実施例と同一の構成には同一の番号を付し、説明は第1の実施例の説明を採用するものとする。これ以降の実施例についても同じとする。この例では、内方シース部12の外面6を形成するに当って、Y軸にある0"を0´から偏心させていない。すなわち外方シース部11の内面の中心が偏心させることなく、そのまま採用される。0"は実質的に0´に一致するが、その偏心量は極めて小さい。
【0058】
図2に示す光ファイバケーブル100は、図に示す空隙部8に代わって、分離域として、円弧状の分離域8Aが形成される。スリット形状9は形成されない。分離域8Aは、外方偏心シース部11の内面6と内方シース部12の外面7とが図に示すように接触するが、実質的に接合しない、すなわち分離可能である。空隙部8の形成に比べれば、機械的強度を高めることができる。
【0059】
本例の場合、空隙部8と同様に、分離域8Aの終端がY軸を中心としてX軸方向に対称点に位置する。
【0060】
このような分離域8Aを構成することによって、空隙を形成しないので、光ファイバケーブルの曲げや捻れ等による伝送損失の劣化の防止に有利になる。
【実施例3】
【0061】
図3は、本発明の典型的な第3の実施例を示す。本例は、図2に示す例と実質的に同一であるが、実施例3では、内方シース部12の外面形成を円半径をわずかに小さくすることによって形成している。空隙部を8Cで示す。スリット形状9は形成されない。この例は、図1および図2に示す双方の特性を備える。
【0062】
そして、実施例1の場合に比べて形成し易い。
【実施例4】
【0063】
図4は、スロッレス型の光ファイバケーブル100を示す。空間部21にはスロット及びスロットの中心にテンションメンバが配設されない。空間部21に、光ファイバテープ心線又は光ファイバ心線でテープ状に形成された光ファイバテープ心線5が配設される。空白領域には吸水テープが配設され得る。
【0064】
上述したように、本例は、図1に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。スロットがなく、それに伴ってスロットの中心部配置のテンションメンバの配置がなく、テンションメンバ3Aは外方シース部11に配置される。テンションメンバ3Aは、外方シース部11の両例のシース部のY軸上の中心の両側X軸上に配置されている。
【0065】
本実施例は、空間部21にスロットを用いないスロットレス型の光ファイバケーブルに適用可能であり、空間部21にフォームテープ(不織布の内側にスポンジ層が付いているテープ)が介在するスロットレス型光ファイバケーブルに適用可能である。
【実施例5】
【0066】
図5はスロッレス型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図2に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一であり、異なる点はスロッレス型であることと、テンションメンバ3Aが内方シース部12の最下端を含んだ薄厚部BでY軸上に上下並列して設けられていることである。内方シース部の下端は厚厚部となるのでテンションメンバを設置するのに有利である。
【実施例6】
【0067】
図6は、スロット型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図1に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、外方シース部11と内方シース部12とが空隙部8に突出する一体成形の突出体31によって結合されていることである。この突出体31の形成によって、外方シース部11と内方シース部12との一体連結はもう1つの結合部分Eによってなされることになる。本例によれば、外方シース部11と内方シース部12とは上下2ヵ所で一体成形結合されることになって外方シース部11と内方シース部12との一体性が増加し、引張り強度がより向上し、光ファイバケーブルの曲げや捻等による伝送損失の劣化の防止に有利である。
【実施例7】
【0068】
図7は、スロット型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図2に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、外方シース部11と内心シース部12とが内方シース部12の最下端を含む薄厚部Bで成形結合され、もう1つの結合部Eが形成されることである。
【0069】
本例によれば、図6に示と同様に、外方シース部11と内方シース部12とは上下2ヵ所で結合されることになって外方シース部11と内方シース部12との一体性が増加し、引張り強度がより向上する。
【実施例8】
【0070】
図8は、スロットレス型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図4に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、外方シース部11と内方シース部12とが内方シース部12の最下端を含む薄厚部Bで突出体31Aによって成形結合され、図6に示すと同様に、もう1つの結合部E部が形成されることである。
【実施例9】
【0071】
図9は、スロットレス型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図7に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、スロットレス型であることと、テンションメンバ3Aが内方シース部12の最下端を含む薄厚部BでY軸上に上下並列して設けられていることである。
【実施例10】
【0072】
図10は、スロット型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図8に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、外方シース部11の最下端部に引裂きひも41が設けられていることで、この引裂きひも41を利用して外方シース部11の最下端部が引裂かれることになることである。引裂きひもを、スロット形状9の終端の先端部にも設けて引裂きを更に容易にするようにしてもよい。
【実施例11】
【0073】
図11は、スロット型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図9に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、外方シース部11の最下端部に引裂きひも41が設けられていることで、この引裂きひも41を利用して内方シース部11の最下端部が引裂かれることになることである。
【0074】
引裂きひもは、分離域8Aの終端の先端部にも設けて分離域8A先端の切れ目を利用して引裂きを更に容易にするようにしてもよい。
【実施例12】
【0075】
図12は、スロット型の光ファイバケーブル100を示す。この光ファイバケーブル100は、図1に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、図1にあっては三ヶ月状の空隙部8が設けられたが、図12にあっては、多角形状(本例では5角形)の空隙部8Cが形成されていることにある。この形状にあってもスリット形状9が設けられる。
【0076】
このスリット形状に代えて、多角形状の角部部分を最薄部B´として形成し、ここから外方シース部12を引裂くようにしてもよい。前例のように充分に薄い部位として形成された薄厚部Bで引裂いてもよい。
【実施例13】
【0077】
図13は、スロット型の光ファイバケーブル100を示し、本発明の実施例の変形例を示す。この光ファイバケーブル100は、図2あるいは図12に示す光ファイバケーブル100と実質的に同一である。異なる点は、図2にあっては円弧状の分離域8Aとされていたが、図13にあっては多角形状(本例では5角形)の分離域8Dが形成されることにある。この形状にあっても分離域8Dの先端部が切れ目とされ、引裂きがここからなされることになる。
【0078】
以上のように、分離域は、円弧形状、直線形状、もしくはこれらの組み合わせで空隙状にあるいは空隙がなく接触状に形成されるようにしてもよい。
【0079】
次にこれらの実施例の形態の光ファイバケーブル100における中間後分岐作業の手順について説明する。
【0080】
中間後分岐作業で、図14(a)に示されている光ファイバケーブル100から光ファイバ5の引き出しを行うときは、図14(b)に示すように、ナイフなどの切裂き工具40(実施例9、10のように引裂きひも41を用いるときは、引裂きひも41と読み替える。)の刃先で、引裂き範囲の左側の外方シース部11を矢印の円周方向に輪切りに引裂いてから、シース厚の薄い部分(外方シース部11の最下端部)に沿って矢印の右方向に引裂いていく。次に、引裂き範囲の右側の外方シース部を矢印の円周方向に輪切りに引裂く。
【0081】
外方シース部11は単一の材料(例えば、ポリエチレン)で形成されているので、切裂き工具40で容易に外方シース部11を輪切りにできる。あるいは引裂きひも41を利用して容易に外方シース部を輪切りにできる。
【0082】
次いで、図14(c)に示すように、外方シース部11の2ヵ所の円周方向で引裂かれ、これらの2ヶ所の間で、外方シース部11の間で相対的に薄くされた薄厚部が引裂かれる。図14(d)に示すように、引裂かれた2ヵ所に亘った外方シース部11が内方シース部12から外方シース部11との間で薄くされた薄厚部で引裂かれることによって非分離シース部Dが外方シース部11の除去に伴って除去され、内方シース部12の上面が開口する。すなわち、空間部21の上面に開口部22が形成される。
【0083】
開口部22が形成されるので、図14(e)に示すように、空間部21から空間部21内配設の所望の光ファイバ43が容易に引き出される。この場合、図14(c)に示すように、内方シース部12は、切れ目形状の終端、又は分離域の2つの分離終端の間に多くの場合、開口部22が形成される。
【0084】
以下、本実施例と従来例とを比較して本実施例の特性評価について示す。特性評価項目は、“中間後分岐性”、“構造特性”、“生産性”、“光学特性”及び“機械特性”について示す。
【0085】
図15(a)、(b)が従来例を示し、図14(c)、(d)が本実施例を示す。なお、各部分の名称については図1が参照されるものとする。
【0086】
図16は比較図を示す。
【0087】
本実施例によれば、上述のように、別体制作のスロットコアを要することないので部品点数を増加させることがなく、引張り強度、機械強度を有し、外方シース部11及び内方シース部12はそれぞれシース厚さの薄い部位である薄厚部を形成することができて、引裂くのにコスト高の原因をなくし、かつ光ファイバケーブルからの光ファイバの引き出し作業を容易にすることができ、かつ光ファイバケーブルの曲げや捻れ等による伝送損失の劣化を防止することのできる光ファイバケーブルを提供することができる。
【0088】
更に具体的に述べると次のようである。
【0089】
本実施例では、シース剥ぎを容易にできる。
【0090】
本実施例では、光ファイバに傷をつけることなくカッターによる切り込みができる。
【0091】
本実施例では、シースが基本的に一体化しているので、分離部分や空隙部分でも引抜き力を向上させることができる。
【0092】
本実施例では、特に接着材や予熱、表面の加工などする必要がない。
【0093】
本実施例では、スロット部を収納する部分もシースの一部であり、通常のシース工程と同じ1工程(押出機1台)で製造ができ、低コストで制作できる。
【0094】
本実施例の構造では、切削前には光ファイバテープが飛び出す開口部が形成されないので、縦添えテープの必要がなく、材料低減及びプロセスの簡易化がなされる。
【符号の説明】
【0095】
1…スロット(スペーサ)、2…シース、3…テンションメンバ(抗張力体)、4…シース及び外方シース部の外面、5…光ファイバテープ心線、6…内方シースの外面、7…外方シース部の内面、8…空隙部、9…スリット形状、10…分離終端、11…外方シース部、12…内方シース部、16…シース及び内方シース部の内面、21…空間部、22…開口部、31…突出体、40…切り裂き工具、41…引裂きひも、43…光ファイバ、100…光ファイバケーブル、A…厚厚部、B…薄厚部、C…近接部、D…非分離シース部、E…成形結合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線を収納する空間部を備え、該空間部に沿った内面と外方に外面とを有するシースを備えた通信用ケーブルにおいて、
該シースが、一体成形された外方シース部と内方シース部とから構成され、
前記外方シース部は、シースの外面がその外面をなし、該外面あるいは前記空間部の中心から垂直方向のY軸方向に偏心した点を中心として形成された内面を有し、
前記内方シース部は、前記外方シース部の内方にあって、シース部の内面がその内面をなし、Y軸方向に偏心した点、あるいは該偏心した点からY軸逆方向に前記偏心量より少なく偏心した点を中心として形成された外面を有し、
前記外方シース部と前記内方シース部は、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が分離域を形成し、かつ該分離域が前記シース内で分離終点を形成し、
前記外方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄い薄厚部、前記内方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄く、前記空間部に近接する近接部を備えること
を特徴とする通信用ケーブル。
【請求項2】
請求項1において、前記分離域が、Y軸上において最大の幅とされ前記分離終点に向けて幅狭とされた空隙部によって形成されることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項3】
請求項1において、前記分離域が、前記従シース部の外面がY軸上に偏心した点を中心として形成されて、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が接触するが、結合しない線状に形成されることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項4】
請求項1において、前記分離域が、前記従シース部の外面がY軸上に偏心した点を中心として形成されて、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が平行な空隙部によって形成されることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかにおいて、前記分離域が、円弧形状、直線形状、もしくはこれらの組み合わせで形成されることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項6】
請求項1において、前記双方の分離終点が、Y軸を中心にして対称位置に設定されていることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項7】
請求項2において、前記分離終点がスリット状に形成されることを特徴とする通信用ケーブル。
【請求項8】
光ファイバを収納する空間部を備え、該空間部に沿った内面と外方に外面とを有するシースを備えた光ファイバケーブルにおいて、
該シースが、一体成形された外方シース部と内方シース部とから構成され、
前記外方シース部は、シースの外面がその外面をなし、該外面あるいは前記空間部の中心から垂直方向のY軸方向に偏心した点を中心として形成された内面を有し、
前記内方シース部は、前記外方シース部の内方にあって、シース部の内面がその内面をなし、Y軸方向に偏心した点、あるいは該偏心した点からY軸逆方向に前記偏心量より少なく偏心した点を中心として形成された外面を有し、
前記外方シース部と前記内方シース部は、前記外方シース部の内面と前記内方シース部の外面が分離域を形成し、かつ該分離域が前記シース内で分離終点を形成し、
前記外方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄い薄厚部、及び双方の分岐終点での間に分離されていない非分離シース部を備え、前記内方シース部が、その外面と内面との間に形成された厚さが薄く、前記空間部に近接する近接部を備えること
を特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載した通信線ケーブルあるいは光ファイバから通信線あるいは光ファイバを分岐する方法において、
前記外方シース部に形成された前記薄厚部を前記分離域に向けて切り裂くステップ、
前記内方シース部に形成された前記薄厚部を前記空間部に向けて切り裂くステップ、
前記内方シース部に形成された前記薄厚部を前記空間部に向けて切り裂くと同時に前記分離域に沿って前記外方シース部を前記内方シース部から切り離すステップ、
前記外方シース部と前記内方シース部から切り離すことによって前記非分離シース部を切り離して、前記空間部に開口部を形成するステップ、
該開口部から任意の光ファイバを分岐するステップから構成されることを特徴とする通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルから通信線あるいは光ファイバを分岐する方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載した通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルを製造する方法において、
前記外方シース部と前記内方シース部とを一体的にシース形成機から一体成形し、引き出して同時に製造することを特徴とする通信用ケーブルあるいは光ファイバケーブルを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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