説明

通信端末装置

【課題】消費電力を十分に低減させる。
【解決手段】メールサーバから電子メールの情報を省電力状態で取得する電子メール情報取得手段と、前記電子メール情報取得手段が取得した情報から稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を前記省電力状態で判別する判別手段と、前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させる省電力状態解除手段と、前記判別手段が前記稼動状態での処理が必要な電子メールが前記メールサーバに存在すると判別したとき、前記省電力状態解除手段で前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させて前記電子メールを前記メールサーバから受信する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信した画像データを処理する通信端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信端末装置は、通常の稼動状態と通常の稼動状態より低電力消費である省電力状態とを切替える節電機能を備え、省電力状態において所定の省電力復帰要因が発生したとき、省電力状態から通常の稼動状態に復帰して省電力復帰要因に応じた処理を行うとともに、メールサーバから電子メールを受信するようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−234936号公報(段落「0015」〜段落「0018」、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、省電力状態では電子メールを受信することができず、電子メールを受信するために、省電力状態から通常の稼動状態にその都度復帰する必要があり、十分に消費電力を低減させることができないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、消費電力を十分に低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、通信回線に接続されたメールサーバから電子メールを受信するとともに、通常の稼動状態と該稼動状態より低電力消費である省電力状態とを切り替える通信端末装置において、前記メールサーバから電子メールの情報を前記省電力状態で取得する電子メール情報取得手段と、前記電子メール情報取得手段が取得した情報から前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を前記省電力状態で判別する判別手段と、前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させる省電力状態解除手段と、前記判別手段が前記稼動状態での処理が必要な電子メールが前記メールサーバに存在すると判別したとき、前記省電力状態解除手段で前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させて前記電子メールを前記メールサーバから受信する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、消費電力を十分に低減させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例における通信端末装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における通信端末装置の接続形態を示す説明図
【図3】第1の実施例における制御プログラムの構成を示すブロック図
【図4】第1の実施例における省電力状態への移行処理の流れを示すフローチャート
【図5】第1の実施例における稼動状態への移行処理の流れを示すフローチャート
【図6】第1の実施例におけるメールの印刷条件情報を示す説明図
【図7】第1の実施例におけるメールサーバへ接続するための設定を示す説明図
【図8】第1の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図
【図9】第1の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図
【図10】第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャート
【図11】第1の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図
【図12】第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャート
【図13】第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すフローチャート
【図14】第2の実施例におけるメールの印刷条件情報を示す説明図
【図15】第2の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図
【図16】第2の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図
【図17】第2の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャート
【図18】第2の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による通信端末装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例における通信端末装置の接続形態を示す説明図である。
図2において、PC(Personal Computer)1、メールサーバ2、およびプリンタ3は、通信回線としてのLAN(Local Area Network)4に通信可能に接続されている。
PC1は、上位装置としてのコンピュータであり、LAN4を介してメールサーバ2との間で通信を行い、電子メール(以下、「メール」という。)の送受信ができるようになっている。
【0010】
メールサーバ2は、PC1等から受信したメールを記憶手段に蓄積し、またプリンタ3等からの要求により記憶手段に蓄積したメールを取り出し、要求元へ取り出したメールを送信し、またプリンタ3等からの要求により記憶手段に蓄積したメールに関する情報を送信するものである。
【0011】
プリンタ3は、印刷機能を有し、LAN4に接続されたメールサーバ2からメールを受信するとともに、通常の稼動状態と、該稼動状態より低電力消費である省電力状態とを切り替える通信端末装置であり、装置固有のメールアドレス(本実施例では、「printer@example.com」)を有している。プリンタ3は、メールサーバ2を介してPC1等からのメールを受信することができるように設定されており、受信したメールに添付されたファイルを印刷するものである。なお、メールに添付されたファイルの形式によっては印刷できないものもある。
本実施例では、プリンタ3を本発明が適用される通信端末装置として説明するものとする。
【0012】
図1は第1の実施例における通信端末装置の構成を示すブロック図であり、図2に示すプリンタ3の構成を示している。
図1において、プリンタ3は、主制御部100と、副制御部200と、電力供給部300とにより構成されている。
【0013】
主制御部100は、主CPU101と、印刷部102とにより構成され、省電力状態において電力が供給されない部位を含んでいる。したがって、主制御部100は、省電力状態でない稼動状態で動作することができるようになっている。
ここで、省電力状態とは、主制御部100への電力供給を停止し、副制御部200のみに電力を供給している状態をいい、主制御部100および副制御部200の両方へ電力を供給している稼動状態よりも消費電力が少ない状態である。
【0014】
主CPU101は後述する制御プログラムに基づいてプリンタ3全体の動作を制御し、印刷手段としての印刷部102は主CPU101がデータ処理した画像データを印刷し、また主制御部100が後述するネットワーク制御部202より受信した印刷データ(メールに添付されたファイル)を印刷する。
【0015】
副制御部200は、副CPU201と、ネットワーク制御部202と、主記憶部203とにより構成され、省電力状態においても電力が供給される部位を含んでいる。したがって、副制御部200は、稼動状態および省電力状態の両状態で動作することができるようになっている。
副CPU201は、省電力状態においてネットワーク制御部202を介して図2に示すメールサーバ2に所定の時間間隔で問合せ、プリンタ3宛てのメールの有無の監視を行うとともに、電力供給部300の主制御部100への電力の供給と供給停止とを切替える制御を行う。
【0016】
電子メール情報取得手段としてのネットワーク制御部202は、主CPU101または副CPU201の制御プログラムの実行によって図2に示すLAN4を介して外部の装置との間で通信を行い、メールサーバ2からメールおよびメールに関する情報等の受信制御を行う。このネットワーク制御部202はメールサーバ2から電子メールに関する情報を省電力状態で取得することができるようになっている。
主記憶部203は、主CPU101および副CPU201からアクセス可能なメモリ等で構成された記憶手段であり、主CPU101および副CPU201が実行する制御プログラムを記憶する。また、制御プログラムの実行に必要な記憶領域も提供する。
【0017】
電力供給手段としての電力供給部300は、外部からの電力供給を得て副制御部200に電力を供給するとともに、主制御部100への電力供給が副制御部200から指示された場合は主制御部100へも電力を供給する。
省電力状態は副制御部200のみに電力を供給している状態であり、稼動状態は副制御部200に加え、主制御部100にも電力供給をしている状態である。
【0018】
このように構成された副制御部200の副CPU201は、ネットワーク制御部202が取得した情報から稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を省電力状態で判別する判別手段および省電力状態から稼動状態へ移行させる省電力状態解除手段として機能する。
また、制御手段としての主制御部100および副制御部200は、判別手段としての副CPU201が稼動状態での処理が必要な電子メールがメールサーバ2に存在すると判別したとき、省電力状態解除手段としての副CPU201で省電力状態から稼動状態へ移行させて電子メールをメールサーバ2から受信する。
【0019】
なお、本実施例では、稼動状態から省電力状態への移行条件を、例えば所定の時間を経過しても使用者による操作や上位装置からの印刷指示が発生しなかった場合とし、また省電力状態から稼動状態への移行条件を、例えば省電力状態において使用者による操作や上位装置からの印刷指示が発生した場合および図2に示すメールサーバ2がプリンタ3宛ての印刷可能なファイルが添付されたメールを受信した場合とする。
【0020】
図3は第1の実施例における制御プログラムの構成を示すブロック図である。
図3において、制御プログラム400は、起動モジュール401と、ネットワーク制御モジュール402と、Email受信モジュール403と、印刷制御モジュール404とにより構成され、プリンタ全体の動作を制御するソフトウェアである。この制御プログラム400は図1に示すプリンタ3の主記憶部203に記憶され、主CPU101および副CPU201により実行される。
【0021】
起動モジュール401は、省電力状態から稼動状態への移行時の処理、例えば稼動状態で実行されるプログラムのローディングや主記憶部の初期化等の処理を行う。
ネットワーク制御モジュール402は、図1に示すネットワーク制御部202を制御し、図2に示すLAN4を介して外部の装置との通信制御を行う。また、ネットワーク制御モジュール402は、図2に示すLAN4を介してメールサーバ2に接続するための設定情報(以下、「メールサーバ接続設定情報」という。)を含んでいる。
【0022】
メールサーバ接続設定情報は、プリンタがメールサーバに接続するために必要な各種条件の情報が設定されたものであり、例えば図7に示すようにメールサーバ511には、接続するメールサーバのホスト名である「mail.example.com」が格納され、ポート番号512には、メールサーバに接続するためのTCP(Transmission Control Protocol)ポート番号である「143」が格納され、ユーザ名513には、メールサーバにログインするために必要なユーザ名である「printer」が格納され、パスワード514には、メールサーバにログインするために必要なパスワードである「passwd」が格納され、受信間隔515には、プリンタがメールサーバに接続する時間間隔である「10分」が格納されている。
【0023】
Email受信モジュール403は、図1に示すネットワーク制御部202を制御し、図2に示すLAN4を介して外部の装置からのメールの受信制御を行う。また、Email受信モジュール403は、図2に示すLAN4を介してメールサーバ2から受信したメールの印刷条件である印刷条件情報を含んでいる。
【0024】
メールの印刷条件情報は、プリンタがメールサーバから受信したメールを印刷する各種条件の情報が設定されたものであり、例えば図6に示すように添付ファイル拡張子501には、印刷可能なメールの添付ファイルの拡張子である「pdf」(pdf:portable document format)が格納され、メールサイズ上限502には、印刷可能なメールの添付ファイルの上限のサイズ(容量)である「10MB」(10メガバイト)が格納されている。なお、本実施例では、メールサイズ上限502には、メールサーバから1回の転送で受信可能な添付ファイルの大きさの上限値が格納されるものとする。
印刷制御モジュール404は、印刷部102を制御してネットワーク制御モジュール402またはEmail受信モジュール403で受信した印刷データを印刷媒体に印刷する。
【0025】
このように構成された制御プログラム400は、メールサーバ接続設定情報に従ってメールサーバ2に接続してメールを受信し、メールの印刷条件情報に基づいてメールに添付された添付ファイルを印刷媒体に印刷する制御を行うものであり、図2に示す主CPU101および副CPU201が、この制御プログラム400を実行することにより、プリンタ3はメールサーバ2から受信したメールに添付された添付ファイルを印刷媒体に印刷する。
【0026】
なお、図2に示すプリンタ3はLAN4に接続されたものとしたが、それに限られることなく、PC1、メールサーバ2、およびプリンタ3が通信可能に接続されるものであれば他の通信回線であっても良い。
また、図6に示すメールの印刷条件は、メールの添付ファイルの拡張子および添付ファイルの上限サイズだけに限られるものでなく、メールの送信者やメールの件名等の様々なメールの情報を条件としても良い。
【0027】
上述した構成の作用について説明する。
本実施例では、プリンタが省電力状態にあるときに、そのプリンタ宛に2通のメールがメールサーバに届いた場合の動作を説明する。
まず、プリンタが省電力状態へ移行する処理を図4の第1の実施例における省電力状態への移行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0028】
S601:稼動状態のプリンタ3の主CPU101は、所定の時間を経過しても使用者による操作や上位装置からの印刷指示が発生しなかった等の省電力状態への移行条件が満たされると、省電力状態への移行が可能か否か(例えば、データの処理中であるか否か等)の判定を行い、可能であると判定すると処理をS602へ移行し、不可能であると判定すると本処理を終了する。
【0029】
S602:省電力状態への移行が可能であると判定した主CPU101は、副CPU201に省電力状態への移行を指示し、この指示を受けた副CPU201は、電力供給部300に対して主制御部100への電力供給を停止するように指示する。
電力供給を停止する指示を受けた電力供給部300は、主制御部100への電力供給を停止する。
【0030】
S603:省電力状態へ移行すると副CPU201は、ネットワーク制御部202を介して図7に示すメールサーバ接続設定情報の受信間隔515に基づいてメールサーバを監視するポーリングを開始し、本処理を終了する。
次に、プリンタが省電力状態から稼動状態へ移行する処理を図5の第1の実施例における稼動状態への移行処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0031】
S611:省電力状態のプリンタ3の副CPU201は、ネットワーク制御部202を介して図7に示すメールサーバ接続設定情報の受信間隔515に基づいてメールサーバを監視し、そのメールサーバが印刷可能なファイルが添付されたメールを受信したか否か、すなわち省電力状態から稼動状態へ移行する要因が発生したか否かを判定し、省電力状態から稼動状態へ移行する要因が発生したと判定すると処理をS612へ移行し、省電力状態から稼動状態へ移行する要因が発生していないと判定すると本処理を終了する。
【0032】
S612:省電力状態から稼動状態へ移行する要因が発生したと判定した副CPU201は、電力供給部300に主制御部100へ電力を供給するように指示し、その指示を受けた電力供給部300は主制御部100へ電力を供給する。
S613:電力が供給され、起動した主CPU101は、主記憶部203に格納された図3に示す制御プログラム400の起動モジュール401を実行し、稼動状態に移行して本処理を終了する。
【0033】
次に、本実施例でプリンタが受信する2通のメールの内容を図8および図9の第1の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図に基づいて図2を参照しながら説明する。なお、図8は1通目のメールの内容を示し、図9は2通目のメールの内容を示している。
【0034】
図8において、送信者521はPC1のメールアドレス「pc@example.com」であり、あて先522はプリンタ3のメールアドレス「printer@example.com」であり、添付ファイルのファイル名523は「image.pdf」であることを示し、本メールにはPDF形式のファイルが添付されていることを示している。なお、図8ではPDF形式のファイルの画像データを一部省略している。
【0035】
図9において、送信者521はPC1のメールアドレス「pc@example.com」であり、あて先522はプリンタ3のメールアドレス「printer@example.com」であり、添付ファイルのファイル名523は「image.jpeg」であることを示し、本メールにはJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式のファイルが添付されていることを示している。なお、図9ではJPEG形式のファイルの画像データを一部省略している。
【0036】
次に、省電力状態のプリンタがメールサーバからメールを受信するときのプリンタとメールサーバの通信シーケンスを図10の第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。なお、本実施例では、プリンタとメールサーバとの間で使用される通信プロトコルをIMAP(Internet Message Access Protocol)として説明する。
【0037】
S51:省電力状態のプリンタ3のネットワーク制御部202は、図3に示すネットワーク制御モジュール402に格納されたメールサーバ接続設定情報に基づいてメールサーバ2(ホスト名:「mail.example.com」)のTCP143番ポートに接続する。
S52:メールサーバ2は、プリンタ3からの接続を受けると「*OK IMAP4ver1 server ready」の応答をプリンタ3へ返信する。
【0038】
S53:プリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して図3に示すネットワーク制御モジュール402のメールサーバ接続設定情報に格納されたユーザ名およびパスワードを用いた「A100 LOGIN printer passwd」コマンドをメールサーバ2へ送信してメールサーバ2へログインを試みる。
S54:メールサーバ2は、プリンタ3から受信したユーザ名およびパスワードを検証し、正しい組み合わせであればログインを許可し、そのログインを受付けた応答として「A100 OK LOGIN completed」をプリンタ3へ返送する。
【0039】
S55:プリンタ3は、メールサーバ2へのログインが成功すると、ネットワーク制御部202を介して「A102 SELECT〜/Mail/Inbox」コマンドをメールサーバ2へ送信して自己宛にメールが届いているか問い合わせる。
S56:プリンタ3から問合せを受けたメールサーバ2は、プリンタ3宛てのメールボックス「〜/Mail/Inbox」のメール情報を応答する。本実施例では、該メールボックスに2通のメールが存在し(「* 2 EXISTS」)、2通のメールが未読(「* 2 RECENT」)であることを応答する。
【0040】
S57:プリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A104 SEARCH SMALLER 10485760」コマンドをメールサーバ2へ送信してサイズが10MB(10485760バイト)以下のメールを検索する。
S58:メールサーバ2は、メールを検索した結果としてプリンタ3の問合せ条件に合致するメール(本実施例では、メール1およびメール2)の情報(「* SEARCH 1:2」)をプリンタ3へ応答する。
【0041】
S59:さらに、プリンタ3は、サイズが10MB以下のメールのうち、メール1の添付ファイル名の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「content−disposition」の値を要求するコマンドを送信する。
S60:メールサーバ2は、メール1の添付ファイル名は「image.pdf」であることを応答する。
【0042】
S61:次に、プリンタ3は、メール2の添付ファイル名の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「content−disposition」の値を要求するコマンドを送信する。
S62:メールサーバ2は、メール2のファイル名は「image.jpeg」であることを応答する。
【0043】
S63:プリンタ3の副CPU201は、図3に示すEmail受信モジュール403に格納されたメールの印刷条件情報に基づいてメールのサイズが10MB以下であり、添付ファイルのファイル形式がPDF形式であるメールを受信することができると判定、すなわち本実施例ではメール1に添付されたファイルを印刷できると判定し、図5に示す移行処理を行い、省電力状態から稼動状態へ移行する。
【0044】
このようにして、判別手段としての副CPU201は、電子メール情報取得手段としてのネットワーク制御部202が取得した情報のうち、電子メールに添付されたファイルの有無を表す情報、添付されたファイルの種類の情報、添付されたファイルの大きさを表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別する。
【0045】
省電力状態から稼動状態へ移行したプリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A110 FETCH 1 rfc822」コマンドをメールサーバ2へ送信してメールサーバ2にメール1の送信を要求する。
【0046】
S64:メール1の送信要求を受けたメールサーバ2は、プリンタ3へメール1を送信する。
S65:プリンタ3は、メール1の受信を完了すると、受信したメール1および受信が不可能なメール2を削除する要求としての「A112 STORE 1:2 FLAGS(¥Deleted)」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。ここで、メール2を削除するのは、メールサーバに受信が不可能なメール2が残らないようにするためである。
【0047】
S66:メールサーバ2は、メール1およびメール2の削除要求を受けると、メール1およびメール2をメールボックスから削除し、その結果をプリンタ3へ返信する。
S67:プリンタ3は、メールサーバ2から必要な情報を取得したのでメールサーバ2からログアウトすることを要求する「A114 LOGOUT」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
【0048】
S68:メールサーバ2は、プリンタ3からのログアウト要求を受けると、プリンタ3にログアウトの応答メッセージを送信する。
S69:プリンタ3は、メールサーバ2からのログアウトが完了すると、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2との間で確立していたTCPコネクションを切断する。
【0049】
次に、メールサーバがプリンタ宛のメールを受信した場合であっても、プリンタが省電力状態から稼動状態へ移行せず省電力状態を維持する場合の動作を説明する。
まず、プリンタが受信する1通のメールを図11の第1の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図に基づいて説明する。
【0050】
図11において、送信者521はPC1のメールアドレス「pc@example.com」であり、あて先522はプリンタ3のメールアドレス「printer@example.com」であることを示し、添付ファイルのファイル名が存在しないため、メールには本文が記載されているが、ファイルは添付されていないことを示している。
【0051】
次に、図11に示すファイルが添付されていないメールを受信したときのプリンタとメールサーバの通信シーケンスを図12の第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。なお、本実施例では、プリンタとメールサーバとの間で使用される通信プロトコルをIMAPとして説明する。
【0052】
S81〜S85:図10におけるS51〜S55と同様の処理なのでその説明を省略する。
S86:プリンタ3から問合せを受けたメールサーバ2は、プリンタ3宛てのメールボックス「〜/Mail/Inbox」のメール情報を応答する。本実施例では、該メールボックスに1通のメールが存在し(「* 1 EXISTS」)、1通のメールが未読(「* 1 RECENT」)であることを応答する。
【0053】
S87:プリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A104 SEARCH SMALLER 10485760」コマンドをメールサーバ2へ送信してサイズが10MB(10485760バイト)以下のメールを検索する。
【0054】
S88:メールサーバ2は、メールを検索した結果としてプリンタ3の問合せ条件に合致するメール(本実施例では、メール3)の情報(「* SEARCH 3」)をプリンタ3へ応答する。
S89:さらに、プリンタ3は、サイズが10MB以下のメールのうち、メール3の添付ファイル名の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「content−disposition」の値を要求するコマンドを送信する。
【0055】
S90:メールサーバ2は、メール3には添付のファイルが存在しないことを応答する。ここで、プリンタ3は処理すべきメールが存在しないので省電力状態を維持する。
S91:プリンタ3は、受信が不可能なメール3を削除する要求としての「A108 STORE 3 FLAGS(¥Deleted)」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
【0056】
S92:メールサーバ2は、メール3の削除要求を受けると、メール3をメールボックスから削除し、その結果をプリンタ3へ返信する。
S93:プリンタ3は、メールサーバ2から必要な情報を取得したのでメールサーバ2からログアウトすることを要求する「A110 LOGOUT」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
【0057】
S94:メールサーバ2は、プリンタ3からのログアウト要求を受けると、プリンタ3にログアウトの応答メッセージを送信する。
S95:プリンタ3は、メールサーバ2からのログアウトが完了すると、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2との間で確立していたTCPコネクションを切断する。
【0058】
次に、プリンタが行うメール受信処理を図13の第1の実施例におけるメール受信処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1を参照しながら説明する。
【0059】
S621:省電力状態のプリンタ3のネットワーク制御部202は、メールの受信処理を開始し、メールサーバに接続するための通信シーケンスを開始する。ネットワーク制御部202は、メールサーバとの接続が完了するとメールサーバのメールボックスにプリンタ3宛ての未読の受信可能なメールが存在するか否かの判定を行う。
ネットワーク制御部202は、未読の受信可能なメールが存在しないと判定するとメール受信処理を一旦終了し、メールサーバに接続する次のタイミングまで待機し、未読の受信可能なメールが存在すると判定すると処理をS622へ移行する。
【0060】
S622:未読の受信可能なメールが存在すると判定したネットワーク制御部202は、メールサーバに問い合わせて図3に示すEmail受信モジュール403に格納されているメールの印刷条件情報に基づいて印刷可能なメールであるか否かを判定し、その判定の結果、印刷が不可能なメールであると判定すると処理をS626へ移行し、印刷が可能なメールであると判定すると処理をS623へ移行する。
【0061】
S623:ネットワーク制御部202により印刷が可能なメールであると判定されると、副CPU201は電力供給部300へ主制御部100に電力を供給する指示を通知し、プリンタ3を稼動状態に移行させる。
【0062】
S624:稼動状態に移行したプリンタ3のネットワーク制御部202は、メールサーバへメールを取得するコマンドを送信してメールサーバからメールを受信し、そのメールの印刷を主制御部100の印刷部102へ依頼する。主制御部100の印刷部102は、ネットワーク制御部202により受信したメールの添付ファイルを印刷する。
S625:主制御部100の印刷部102によるメールの印刷が終了すると、ネットワーク制御部202は印刷したメールを削除するコマンドをメールサーバへ送信し、メールサーバのメールボックスから当該メールを削除して本処理を終了する。
【0063】
S626:一方、S622において、省電力状態を維持し、印刷が不可能なメールであると判定したネットワーク制御部202は、印刷不可能なメールを削除するコマンドをメールサーバへ送信し、メールサーバのメールボックスから当該メールを削除して本処理を終了する。または、当該メールを受信し、送信元へファイル形式がサポートされていない旨の返信メールを出力するようにしても良い。
なお、メールサーバのメールボックスにプリンタ3宛ての未読の受信可能なメールが複数存在する場合、上述したS622〜S626の処理を繰り返して行うものとする。
【0064】
このようにして、省電力状態のプリンタは、メールサーバからメールを受信する前に、メールサーバのメールボックスに蓄積されたメールの印刷処理の可否の判別を行い、不必要な省電力状態から稼動状態への移行を行わないようにする。したがって、プリンタの省電力状態の時間を長くすることができ、プリンタの消費電力を十分に低減することができる。
【0065】
以上説明したように、第1の実施例では、省電力状態の通信端末装置で、メールサーバからメールを受信する前にメールの処理が可能か否かの判別を行うようにしたことにより、不必要な省電力状態から稼動状態への移行を無くして通信端末装置が省電力状態である時間を長くすることができ、通信端末装置の消費電力を十分に低減することができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0066】
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成において図3に示すEmail受信モジュール403に格納されるメールの印刷条件情報に優先度が追加されたものとなっている。
そのメールの印刷条件情報を図14の第2の実施例におけるメールの印刷条件情報を示す説明図に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0067】
図14において、メールの印刷条件情報は、プリンタがメールサーバから受信したメールを印刷する各種条件の情報が設定されたものであり、例えば添付ファイル拡張子501には、印刷可能なメールの添付ファイルの拡張子である「pdf」が格納され、メールサイズ上限502には、印刷可能なメールの添付ファイルの上限サイズである「10MB」(10メガバイト)が格納され、優先度503には、印刷可能なメールの優先度である「1」が格納されている。
【0068】
ここで、優先度とは、メールを印刷する優先度であり、プリンタは優先度の高いメールを優先度の低いメールよりも優先させて印刷する。本実施例では、優先度は1〜5の値をとり、「1」が最も優先度が高く、「5」が最も優先度が低いものとする。
【0069】
また、図14に示すメールの印刷条件は、メールの添付ファイルの拡張子、添付ファイルの上限サイズ、および優先度だけに限られるものでなく、メールの送信者やメールの件名等の様々なメールの情報を条件としても良い。
なお、図3に示すネットワーク制御モジュール402に格納されるメールサーバ接続設定情報は図7に示す第1の実施例のメールサーバ接続設定情報と同様である。
【0070】
上述した構成の作用について説明する。
本実施例では、プリンタが省電力状態にあるときに、そのプリンタ宛に2種類のメールがメールサーバに届いた場合の動作を説明する。
なお、プリンタが省電力状態へ移行する処理は、図4に示す第1の実施例と同様であり、またプリンタが省電力状態から稼動状態へ移行する処理は、図5に示す第1の実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0071】
次に、本実施例でプリンタが受信する2種類のメールの内容を図15および図16の第2の実施例におけるプリンタ宛のメールを示す説明図に基づいて図2を参照しながら説明する。なお、図15は1通目のメール(優先度1)の内容を示し、図16は2通目のメール(優先度3)の内容を示している。
【0072】
図15において、送信者531はPC1のメールアドレス「pc@example.com」であり、あて先532はプリンタ3のメールアドレス「printer@example.com」であり、添付ファイルのファイル名533は「image.pdf」であることを示し、本メールにはPDF形式のファイルが添付されていることを示している。なお、図15ではPDF形式のファイルの画像データを一部省略している。
また、優先度534は「X−Priority:1」であり、本メールの優先度が最高優先度である「1」であることを示している。
【0073】
図16において、送信者531はPC1のメールアドレス「pc@example.com」であり、あて先532はプリンタ3のメールアドレス「printer@example.com」であり、添付ファイルのファイル名533は「image2.pdf」であることを示し、本メールにはPDF形式のファイルが添付されていることを示している。なお、図16でもPDF形式のファイルの画像データを一部省略している。
また、優先度534は「X−Priority:3」であり、本メールの優先度が「3」であることを示し、「X−Priority:1」のメールより優先度が低いことを示している。
【0074】
次に、省電力状態のプリンタがメールサーバからメールを受信するときのプリンタとメールサーバの通信シーケンスを図17の第2の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。なお、本実施例では、プリンタとメールサーバとの間で使用される通信プロトコルをIMAPとして説明する。
【0075】
S151〜S155:図10におけるS51〜S55と同様の処理なのでその説明を省略する。
S56:プリンタ3から問合せを受けたメールサーバ2は、プリンタ3宛てのメールボックス「〜/Mail/Inbox」のメール情報を応答する。本実施例では、該メールボックスに1通のメールが存在し(「* 1 EXISTS」)、1通のメールが未読(「* 1 RECENT」)であることを応答する。
【0076】
S157:プリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A104 SEARCH SMALLER 10485760」コマンドをメールサーバ2へ送信してサイズが10MB(10485760バイト)以下のメールを検索する。
S158:メールサーバ2は、メールを検索した結果としてプリンタ3の問合せ条件に合致するメール(本実施例では、メール1)の情報(「* SEARCH 1」)をプリンタ3へ応答する。
【0077】
S159:さらに、プリンタ3は、サイズが10MB以下のメールであるメール1の添付ファイル名の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「content−disposition」の値を要求するコマンドを送信する。
S160:メールサーバ2は、メール1の添付ファイル名は「image.pdf」であることを応答する。
【0078】
S161:次に、プリンタ3は、メール1の優先度の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「X−Priority」の値を要求するコマンドを送信する。
S162:メールサーバ2は、メール1の優先度を示す「X−Priority」の値は「1」であることを応答する。
【0079】
S163:プリンタ3の副CPU201は、図3に示すEmail受信モジュール403に格納されたメールの印刷条件情報に基づいてメールのサイズが10MB以下であり、添付ファイルのファイル形式がPDF形式であり、かつ優先度が設定値以上の「1」であるメール1を受信することができると判定し、図5に示す移行処理を行い、省電力状態から稼動状態へ移行する。なお、本実施例では、優先度の設定値を「1」としたが、優先度の設定値が「2」である場合、優先度が「1」または「2」のメールを受信できると判定する。
【0080】
このようにして、判別手段としての副CPU201は、電子メール情報取得手段としてのネットワーク制御部202が取得した情報のうち、電子メールに添付されたファイルの有無を表す情報、添付されたファイルの種類の情報、添付されたファイルの大きさを表す情報、電子メールを処理する優先度を表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別する。
省電力状態から稼動状態へ移行したプリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A110 FETCH 1 rfc822」コマンドをメールサーバ2へ送信してメールサーバ2にメール1の送信を要求する。
【0081】
S164:メール1の送信要求を受けたメールサーバ2は、プリンタ3へメール1を送信する。
S165:プリンタ3は、メール1の受信を完了すると、受信したメール1を削除する要求としての「A112 STORE 1 FLAGS(¥Deleted)」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
【0082】
S166:メールサーバ2は、メール1の削除要求を受けると、メール1をメールボックスから削除し、その結果をプリンタ3へ返信する。
S167:プリンタ3は、メールサーバ2から必要な情報を取得したのでメールサーバ2からログアウトすることを要求する「A114 LOGOUT」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
【0083】
S168:メールサーバ2は、プリンタ3からのログアウト要求を受けると、プリンタ3にログアウトの応答メッセージを送信する。
S169:プリンタ3は、メールサーバ2からのログアウトが完了すると、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2との間で確立していたTCPコネクションを切断する。
【0084】
次に、メールサーバがプリンタ宛のメールを受信した場合であっても、プリンタが省電力状態から稼動状態へ移行せず省電力状態を維持する場合の動作、すなわち図16に示す優先度が「3」であるメールを受信したときのプリンタとメールサーバの通信シーケンスを図18の第2の実施例におけるメール受信処理の流れを示すシーケンスチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1および図2を参照しながら説明する。なお、本実施例では、プリンタとメールサーバとの間で使用される通信プロトコルをIMAPとして説明する。
【0085】
S181〜S185:図10におけるS51〜S55と同様の処理なのでその説明を省略する。
S186:プリンタ3から問合せを受けたメールサーバ2は、プリンタ3宛てのメールボックス「〜/Mail/Inbox」のメール情報を応答する。本実施例では、該メールボックスに1通のメールが存在し(「* 1 EXISTS」)、1通のメールが未読(「* 1 RECENT」)であることを応答する。
【0086】
S187:プリンタ3は、ネットワーク制御部202を介して「A104 SEARCH SMALLER 10485760」コマンドをメールサーバ2へ送信してサイズが10MB(10485760バイト)以下のメールを検索する。
S188:メールサーバ2は、メールを検索した結果としてプリンタ3の問合せ条件に合致するメール(本実施例では、メール2)の情報(「* SEARCH 2」)をプリンタ3へ応答する。
【0087】
S189:さらに、プリンタ3は、サイズが10MB以下のメールのうち、メール2の添付ファイル名の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「content−disposition」の値を要求するコマンドを送信する。
S190:メールサーバ2は、メール2の添付ファイル名は「image2.pdf」であることを応答する。
【0088】
S191:次に、プリンタ3は、メール2の優先度の情報を取得するために、ネットワーク制御部202を介してメールヘッダの「X−Priority」の値を要求するコマンドを送信する。
S192:メールサーバ2は、メール2の優先度を示す「X−Priority」の値は「3」であることを応答する。
【0089】
プリンタ3は、図3に示すEmail受信モジュール403に格納されたメールの印刷条件情報に基づいてメールのサイズが10MB以下であり、添付ファイルのファイル形式がPDF形式であるが、優先度が設定されている「1」より低い「3」であるメール2は受信することができないと判定し、省電力状態から稼動状態へ移行することなく、省電力状態を維持する。また、プリンタ3は、メール2の優先度が、設定されている「1」より低い「3」であるため、印刷できない旨のメールを返信する。
【0090】
S193:プリンタ3は、メールサーバ2から必要な情報を取得したのでメールサーバ2からログアウトすることを要求する「A110 LOGOUT」コマンドを、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2へ送信する。
S194:メールサーバ2は、プリンタ3からのログアウト要求を受けると、プリンタ3にログアウトの応答メッセージを送信する。
S195:プリンタ3は、メールサーバ2からのログアウトが完了すると、ネットワーク制御部202を介してメールサーバ2との間で確立していたTCPコネクションを切断する。
【0091】
このようにして、省電力状態のプリンタは、メールサーバからメールを受信する前に、メールサーバのメールボックスに蓄積されたメールの優先度が予め設定された優先度より低いか否かの判別を行い、低い場合はそのメールの印刷処理は不要と判別し、不必要な省電力状態から稼動状態への移行を行わないようにする。したがって、プリンタの省電力状態の時間を長くすることができ、プリンタの消費電力を十分に低減することができる。
【0092】
以上説明したように、第2の実施例では、省電力状態のプリンタは、メールサーバからメールを受信する前に、メールサーバのメールボックスに蓄積されたメールの優先度が予め設定された優先度より低いか否かの判別を行い、低い場合はそのメールの印刷処理は不要と判別し、不必要な省電力状態から稼動状態への移行を行わないようにしたことにより、第1の実施例よりもさらにプリンタの省電力状態の時間を長くすることができ、プリンタの消費電力を十分に低減することができるという効果が得られる。
【0093】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、通信端末装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、通信端末装置を複写機、複合機(MFP)、またはファクシミリ装置としても良い。
【0094】
また、第1の実施例および第2の実施例では、通信端末装置をプリンタとして説明しているため、受信したメールを印刷する動作を例として説明したが、それに限られることなく、通信端末装置をファクシミリ装置として受信したメールをファクシミリ送信する動作としても良く、また通信端末装置を通信回線上のファイルサーバ等として通信端末装置に接続されたストレージデバイス等の記憶手段にメールを保存する動作としても良い。
【符号の説明】
【0095】
1 PC
2 メールサーバ
3 プリンタ
4 LAN
100 主制御部
101 主CPU
102 印刷部
200 副制御部
201 副CPU
202 ネットワーク制御部
203 主記憶部
300 電力供給部
400 制御プログラム
401 起動モジュール
402 ネットワーク制御モジュール
403 Email受信モジュール
404 印刷制御モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線に接続されたメールサーバから電子メールを受信するとともに、通常の稼動状態と該稼動状態より低電力消費である省電力状態とを切り替える通信端末装置において、
前記メールサーバから電子メールの情報を前記省電力状態で取得する電子メール情報取得手段と、
前記電子メール情報取得手段が取得した情報から前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を前記省電力状態で判別する判別手段と、
前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させる省電力状態解除手段と、
前記判別手段が前記稼動状態での処理が必要な電子メールが前記メールサーバに存在すると判別したとき、前記省電力状態解除手段で前記省電力状態から前記稼動状態へ移行させて前記電子メールを前記メールサーバから受信する制御手段とを有することを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信端末装置において、
前記判別手段は、前記電子メール情報取得手段が取得した情報のうち、前記電子メールに添付されたファイルの有無を表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別することを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の通信端末装置において、
前記判別手段は、前記電子メール情報取得手段が取得した情報のうち、前記電子メールに添付されたファイルの種類を表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別することを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
前記判別手段は、前記電子メール情報取得手段が取得した情報のうち、前記電子メールに添付されたファイルの大きさを表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別することを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
前記判別手段は、前記電子メール情報取得手段が取得した情報のうち、前記電子メールを処理する優先度を表す情報に基づいて前記稼動状態での処理が必要な電子メールの存否を判別することを特徴とする通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−20503(P2013−20503A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154274(P2011−154274)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】