説明

通信装置、通信方法、及び、通信システム

【課題】近接通信において、無駄な電力の消費を抑制する。
【解決手段】RW200は、FeliCa(登録商標)等の低速通信によって、RW200に近接した非接触通信メディア100(又は101)から、非接触通信メディア100がTransferJet(登録商標)等の高速通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、非接触通信メディア100との間で、低速通信が開始された後に、無線電力伝送を開始し、その後、非接触通信メディア100との間で、高速通信を開始する。RW200は、無線電力伝送によって、非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力を監視し、その受信電力が、構成情報に含まれる最大消費電力から設定される電力閾値を超える場合、無線電力伝送を停止する。本発明は、例えば、大容量のデータをやりとりする近接通信に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法、及び、通信システムに関し、特に、例えば、高速な近接通信において、無駄な電力の消費を抑制することができるようにする通信装置、通信方法、及び、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IC(Integrated Circuit)カード等を用いて、近距離で非接触により無線通信を行う近接通信が、例えば、電子定期券や、電子マネー等で利用されており、また、近接通信を利用した電子定期券や、電子マネーの機能を有する携帯電話機が広く普及してきている。
【0003】
近接通信は、例えば、ISO/IEC 14443や、ISO/IEC 18092(以下、NFC(Near Field Communication)ともいう)として規格化されている。
【0004】
NFCの規格に準拠した通信を行う通信方式としては、例えば、タイプA、タイプB、タイプCと呼ばれている通信方式がある。
【0005】
例えば、本件出願人であるソニー株式会社のFeliCa(登録商標)と呼ばれるICカードシステムでは、タイプCが採用されている。
【0006】
ところで、例えば、上述のタイプCでは、13.56MHzのキャリアが採用され、212kbps(kilo bit per second)や、424kbpsの通信速度で、近接通信が行われる。
【0007】
また、タイプA及びBでは、タイプCよりも低速である106kbpsの通信速度で、近接通信が行われる。
【0008】
以上のように、NFCの通信速度は、数百kbps程度で、低速であるため、例えば、画像のコンテンツ等の大容量のデータの伝送に適切であるとは、いえない。
【0009】
一方、NFCでは、ICカードをRW(Reader/Writer)かざすだけで、通信相手を特定し、相互認証を行うことができる。
【0010】
そこで、最初に、NFCで通信を開始し、その後、通信速度がNFCよりも高速な、例えば、無線LANや、Bluetooth(登録商標)等の高速通信に、通信方式を切り替えるハンドオーバが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009-218845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、最近では、NFCよりも高速な通信速度での近接通信が普及しつつある。そのような高速な近接通信の通信方式としては、例えば、TransferJet(登録商標)がある。
【0013】
TransferJet(登録商標)では、4.48GHzのキャリアが採用され、最高で、560Mbpsの通信速度で、近接通信が行われる。
【0014】
以上のようなTransferJet(登録商標)を、ICカードシステムに適用することで、ICカードと、そのICカードに対するデータの読み書きを行うRWとの間では、画像のコンテンツ等の大容量のデータの伝送を、迅速に行うことができる。
【0015】
ところで、TransferJet(登録商標)等の高速な近接通信を行うICカードを、例えば、クレジットカード程度のサイズ等の小型に構成する場合には、そのICカードに、バッテリを搭載することは困難である。
【0016】
また、仮に、ICカードにバッテリを搭載することができたとしても、外出先等で、バッテリが切れて、ICカードを使用することができないのでは、携帯に便利なように、ICカードを小型に構成したことの利便性が損なわれることになる。
【0017】
そこで、ICカードにおいて、高速な近接通信は、RWから、電源となる電力の供給を受けて行うことができることが望ましい。
【0018】
FeliCa(登録商標)等の低速な近接通信を行うICカードでは、その近接通信に用いられるRF信号から得られる電力を電源として、近接通信を行うことができる。
【0019】
しかしながら、TransferJet(登録商標)等の高速な近接通信を行うICカードでは、高速な動作が要求されることから、必要となる電力が、低速な近接通信に比較して大であるため、近接通信に用いられるRF信号から得られる電力では、高速な近接通信を行うのに必要な電力を得ることが困難である。
【0020】
そこで、高速な近接通信を行うICカードでは、RWから、例えば、無線電力伝送等の、高速な近接通信を行うために十分な電力の供給を受ける手段によって、高速な近接通信を行うための電力の供給を受ける必要がある。
【0021】
すなわち、高速な近接通信を行うICカードについては、RWに、高速な近接通信を行う機能の他、無線電力伝送を行う機能を搭載し、RWとICカードとが近接した場合に、RWから、ICカードに対して、無線電力伝送により、ICカードが高速な近接通信を行うための電力を供給(送信)する必要がある。
【0022】
以上のように、RWとICカードとが近接した場合に、RWから、ICカードに対して、無線電力伝送により、電力を供給するときに、RWとICカードとの間に、例えば、金属製のクリップ等の導体が挟まっていると、RWにおいて、ICカードが高速な近接通信に必要とする電力を上回る電力を供給する無線電力伝送が行われることがある。
【0023】
そして、ICカードが高速な近接通信に必要とする電力を上回る電力を供給する無線電力伝送が行われることは、RWにおいて、無駄な電力が消費されることになる。
【0024】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、近接通信において、無駄な電力の消費を抑制することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の第1の側面の通信装置は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、前記第2の通信を行うための電力の供給を受けるスレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段とを備え、前記第1のマスタ通信手段は、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、前記電力送信手段は、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、前記第2のマスタ通信手段は、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段は、前記無線電力伝送を停止する通信装置である。
【0026】
本発明の第1の側面の通信方法は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、前記第2の通信を行うための電力の供給を受けるスレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段とを備える通信装置の、前記第1のマスタ通信手段が、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、前記電力送信手段が、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、
前記第2のマスタ通信手段が、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段が、前記無線電力伝送を停止するステップを含む通信方法である。
【0027】
以上のような第1の側面においては、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報が受信され、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送が開始される。そして、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信が開始される。前記スレーブ通信装置に供給される電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記無線電力伝送が停止される。
【0028】
本発明の第2の側面の通信装置は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、前記第2の通信を行うための電力を供給するマスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段とを備え、前記第1のスレーブ通信手段は、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、前記電力受信手段は、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、前記第2のスレーブ通信手段は、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する通信装置である。
【0029】
本発明の第2の側面の通信方法は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、前記第2の通信を行うための電力を供給するマスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段とを備える通信装置の、前記第1のスレーブ通信手段が、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、前記電力受信手段が、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、前記第2のスレーブ通信手段が、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始するステップを含む通信方法である。
【0030】
以上のような第2の側面においては、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報が、前記マスタ通信装置に送信され、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力が受信される。そして、その電力によって動作が開始され、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信が開始される。
【0031】
本発明の第3の側面の通信システムは、電力を供給するマスタ通信装置と、電力の供給を受けるスレーブ通信装置とを備え、前記マスタ通信装置は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、前記第スレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段とを有し、前記第1のマスタ通信手段は、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、前記電力送信手段は、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、前記第2のマスタ通信手段は、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段は、前記無線電力伝送を停止し、前記スレーブ通信装置は、前記第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、前記第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、前記マスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段とを有し、前記第1のスレーブ通信手段は、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、前記電力受信手段は、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、前記第2のスレーブ通信手段は、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する通信システムである。
【0032】
本発明の第3の側面の通信方法は、電力を供給するマスタ通信装置と、電力の供給を受けるスレーブ通信装置とを備え、前記マスタ通信装置は、第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、前記スレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段とを有し、前記スレーブ通信装置は、前記第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、前記第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、前記マスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段とを有する通信システムの、前記マスタ通信装置において、前記第1のマスタ通信手段が、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、前記電力送信手段が、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、前記第2のマスタ通信手段が、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段が、前記無線電力伝送を停止するステップと、前記スレーブ通信装置において、前記第1のスレーブ通信手段が、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、前記電力受信手段が、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、前記第2のスレーブ通信手段が、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始するステップとを含む通信方法である。
【0033】
以上のような第3の側面においては、前記マスタ通信装置において、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報が受信され、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送が開始される。そして、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信が開始されるが、前記スレーブ通信装置に供給される電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記無線電力伝送が停止される。一方、前記スレーブ通信装置では、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報が、前記マスタ通信装置に送信され、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力が受信される。そして、その電力によって動作が開始され、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信が開始される。
【0034】
なお、通信装置や通信システムは、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0035】
本発明の第1ないし第3の側面によれば、近接通信において、無駄な電力の消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】非接触通信メディア100のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図3】非接触通信メディア100の物理的な構成例を示す平面図である。
【図4】非接触通信メディア101のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図5】非接触通信メディア100の物理的な構成例を示す平面図である。
【図6】RW200のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【図7】メディア構成情報のデータ構造の例を示す図である。
【図8】非接触通信メディア100が、RW200と近接したときの、非接触通信メディア100、及び、RW200の処理を説明する図である。
【図9】RW200が行う無線電力伝送の処理を説明する図である。
【図10】RW200が行う高速通信の処理を説明する図である。
【図11】RW200の処理を説明するフローチャートである。
【図12】RW200の処理を説明するフローチャートである。
【図13】RW200の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[本発明を適用した通信システムの一実施の形態]
【0038】
図1は、本発明を適用した通信システム(システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が、同一筐体中にあるか否かは、問わない)の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0039】
図1において、通信システムは、非接触通信メディア100又は101,RW200、及び、上位機器290を有する。
【0040】
非接触通信メディア100及び101は、それぞれ、例えば、現在流通しているクレジットカード程度のサイズのカード型の記憶メディアであり、RW200との間で、近接通信を行うことにより、データのやりとりを行う。
【0041】
なお、非接触通信メディア100と101とは、例えば、非接触通信メディア101が、非接触通信メディア100よりも先行して製造されたモデル(以下、旧型モデルともいう)であり、非接触通信メディア100が、非接触通信メディア101の一部が改良された、いわば新型のモデル(以下、新型モデルともいう)である点で異なる。
【0042】
RW200は、非接触通信メディア100や101との間で、近接通信を行い、上位機器290からの制御に従い、非接触通信メディア100や101に、データを記憶させ(書き込み)、また、非接触通信メディア100や101からデータを読み出す。
【0043】
上位機器290は、例えば、PC(Personal Computer)や、TV(テレビジョン受像機)、レコーダ等の、画像(静止画、動画)や、音楽、プログラム等のコンテンツ等のデータの提供、又は、記憶(記録)をすることができる機器であり、RW200を介して、非接触通信メディア100や101との間で、データのやりとりを行う。
【0044】
すなわち、上位機器290は、RW200を制御して、データを、非接触通信メディア100や101に記憶させ、また、データを、非接触通信メディア100や101から読み出す。
【0045】
以上のように構成される通信システムでは、RW200(マスタ通信装置)が、上位機器290に装着(接続)されると、無線によるポーリングを開始する。
【0046】
その後、非接触通信メディア100又は101が、RW200にかざされること等によって、RW200と近接した状態になると、そのRW200と近接した状態になった非接触通信メディア100又は101(スレーブ通信装置)は、RW200からの、無線によるポーリングに対して応答し、これにより、非接触通信メディア100又は101とRW200とが近接通信を開始する。
【0047】
そして、RW200は、上位機器290の制御に従って、非接触通信メディア100若しくは101に、上位機器290から供給されるコンテンツ等のデータを記憶させ(書き込み)、又は、非接触通信メディア100若しくは101からコンテンツ等のデータを読み出して、上位機器290に供給する。
【0048】
[非接触通信メディア100の構成例]
【0049】
図2は、図1の非接触通信メディア100のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0050】
非接触通信メディア100は、無線により、RW200との間で、後述する高速通信である近接通信を行うための、無線電力伝送によって送信されてくる電力を受信するスレーブ通信装置として機能する。
【0051】
非接触通信メディア100は、メディア制御用CPU(Central Processing Unit)110、不揮発メモリ111、高速通信スレーブコントローラ112、高速通信アンテナ113、低速通信チップ120、低速通信アンテナ121、電力受信制御部130、及び、電力受信アンテナ131を有する。
【0052】
メディア制御用CPU110は、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112とバスを介して接続されており、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112を制御する。
【0053】
不揮発メモリ111は、大容量(例えば、6Gバイトや8Gバイト等)の、例えば、NAND型のフラッシュメモリであり、カード制御用CPU110の制御に従って、カード制御用CPU110から供給されるコンテンツ等のデータを記憶し、また、記憶しているデータを読み出して、カード制御用CPU110に供給する。
【0054】
高速通信スレーブコントローラ112は、高速通信アンテナ113と接続されており、この高速通信アンテナ113を介して、無線により、RW200との間で、後述する低速通信チップ120の通信速度(第1の通信速度)より高速の通信速度(第2の通信速度)での近接通信(第2の通信)(以下、高速通信ともいう)を行う第2のスレーブ通信手段として機能する。
【0055】
ここで、高速通信スレーブコントローラ112と、RW200との間で行われる高速通信の通信方式としては、例えば、高速な近接通信を行うことが可能なTransferJet(登録商標)を採用することができる。その他、高速通信の通信方式としては、例えば、無線LANや、ワイヤレスUSB(Universal Serial Bus)、Bluetooth(登録商標)等の高速無線通信規格に準拠した通信方式を採用することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、高速通信の通信方式として、TransferJet(登録商標)を採用することとし、したがって、高速通信では、4.48GHzのキャリアで、最高で、560Mbpsの通信速度の近接通信が行われることとする。
【0057】
低速通信チップ120は、低速通信アンテナ121と接続されており、この低速通信アンテナ121を介して、無線により、RW200との間で、所定の通信速度(第1の通信速度)での近接通信(第1の通信)を行う第1のスレーブ通信手段として機能する。
【0058】
ここで、低速通信チップ120がRW200との間で行う近接通信は、高速通信スレーブコントローラ112が行う高速通信の通信速度よりも低速な通信速度での通信(以下、低速通信ともいう)であり、その通信方式としては、例えば、所定の通信速度での近接通信を行うことが可能なFeliCa(登録商標)を採用することができる。その他、低速通信の通信方式としては、NFC等の無線通信規格に準拠した通信方式(例えば、タイプAやB等)を採用することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、低速通信の通信方式として、FeliCa(登録商標)を採用することとし、したがって、低速通信では、13.56MHzのキャリアで、212kbpsの通信速度の近接通信が行われることとする。すなわち、低速通信チップ120としては、FeliCa(登録商標)の近接通信を行う、耐タンパ性を有するICチップを採用することとする。
【0060】
また、低速通信の通信方式として、FeliCa(登録商標)を採用する場合には、低速通信としては、セキュアな通信が可能であり、相互認証を行って、セキュアな通信を行うことができる。
【0061】
ここで、以上のように、低速通信チップ120が行う近接通信(低速通信)は、高速通信スレーブコントローラ112が行う近接通信(高速通信)よりも低速であるが、そのような低速な近接通信を行う低速通信チップ120には、高速な動作が要求されない。
【0062】
したがって、低速通信チップ120の動作に必要な電力(低速通信に必要な電力)は、高速通信スレーブコントローラ112の動作に必要な電力(低速通信に必要な電力)に比較して小さい。
【0063】
例えば、上述のように、低速通信の通信方式として、FeliCa(登録商標)を採用するとともに、高速通信の通信方式として、TransferJet(登録商標)を採用する場合には、FeliCa(登録商標)での通信に必要な電力は、TransferJet(登録商標)での通信に必要な電力の2桁程度小さい電力である。
【0064】
以上のように、低速通信に必要な電力は、小さいため、低速通信チップ120は、低速通信アンテナ121で受信される、RW200からの低速通信用のRF信号から得られる電力を電源として動作し、低速通信を行う。
【0065】
電力受信制御部130は、電力受信アンテナ131と接続されており、電力受信アンテナ131を介して、RW200からの無線電力伝送によって送信されてくる、高速通信を行うための電力を受信し、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112に供給する。
【0066】
ここで、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112は、以上のように、電力受信制御部130から供給される電力を電源として動作し、高速通信を行う。
【0067】
なお、電力受信制御部130とRW200との間で行われる無線電力伝送の伝送方式としては、例えば、電磁誘導型を採用することができる。また、無線電力伝送の伝送方式としては、その他、例えば、磁気共鳴型等の無線電力伝送方式を採用することができる。
【0068】
電磁誘導型による無線電力伝送は、磁気共鳴型による無線電力伝送に比較して、電力の伝送効率はよいが、アンテナの位置ずれ(電力を送信するためのアンテナと、電力を受信するためのアンテナとの位置のずれ)に弱い。逆に、磁気共鳴型による無線電力伝送は、電磁誘導型による無線電力伝送に比較して、アンテナの位置ずれに強いが、電力の伝送効率が劣る。
【0069】
ここで、非接触通信メディア100において、メディア制御用CPU(Central Processing Unit)110、不揮発メモリ111、高速通信スレーブコントローラ112、及び、電力受信制御部130は、RW200による無線電力伝送によって送信(伝送)される電力によって動作し、低速通信チップ120は、RW200からの低速通信用のRF信号から得られる電力によって動作する。
【0070】
このため、非接触通信メディア100は、電源(バッテリ)を有しておらず、電子定期券や電子マネー等としてのICカード(やICチップ)と同程度のサイズのカード型に(小型に)構成することができる。
【0071】
図3は、図2の非接触通信メディア100の物理的な構成例を示す平面図である。
【0072】
非接触通信メディア100は、略長方形状のカード底部材300と、そのカード底部材300と同様の形状の図示せぬ部材とを貼り合わせて、クレジットカード程度のサイズのカード形状に構成されている。
【0073】
カード底部材300には、図3に示すように、高速通信アンテナ113、低速通信チップ120、低速通信アンテナ121、電力受信アンテナ131、及び、メディア制御基板310が配置される。
【0074】
メディア制御基板310には、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、高速通信スレーブコントローラ112、及び、電力受信制御部130が配置される。
【0075】
なお、低速通信アンテナ121は、図3に示すように、カード底部材300の外周の内側部分に、コイル状に配置され、低速通信チップ120と接続されており、低速通信チップ120は、メディア制御基板310に配置された各ブロックとは、独立して動作する。
【0076】
また、カード底部材300の中心部分には、図3に示すように、高速通信アンテナ113と、コイル状の電力受信アンテナ131とが配置されている。
【0077】
以上のような高速通信アンテナ113、低速通信アンテナ121、及び、電力受信アンテナ131の配置によって、非接触通信メディア100が、表側(例えば、カード上部材400側)、及び、裏側(例えば、カード底部材300)のうちのいずれを向けて、RW200にかざされても、非接触通信メディア100とRW200との間で、低速通信、高速通信、及び、無線電力伝送を行うことができる。
【0078】
[非接触通信メディア100の構成例]
【0079】
図4は、図1の非接触通信メディア101のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0080】
非接触通信メディア101は、非接触通信メディア100と同様に、RW200との間で、高速通信を行うための、無線電力伝送によって送信されてくる電力を受信するスレーブ通信装置として機能する。
【0081】
非接触通信メディア101は、メディア制御用CPU1110、不揮発メモリ1111、高速通信スレーブコントローラ1112、高速通信アンテナ1113、低速通信チップ1120、低速通信アンテナ1121、電力受信制御部1130、及び、電力受信アンテナ1131を有する。
【0082】
メディア制御用CPU1110ないし電力受信アンテナ1131は、図2の非接触通信メディア100のメディア制御用CPU110ないし電力受信アンテナ131とそれぞれ同様に構成される。
【0083】
なお、上述したように、非接触通信メディア101は、旧型モデルであり、メディア制御用CPU1110ないし電力受信アンテナ1131のうちの、高速通信スレーブコントローラ1112、高速通信アンテナ1113、電力受信制御部1130、及び、電力受信アンテナ1131のうちの1以上が改良されたものが、新型モデルである非接触通信メディア100(図2、図3)の高速通信スレーブコントローラ112、高速通信アンテナ113、電力受信制御部130、又は、電力受信アンテナ131になっている。
【0084】
図5は、図4の非接触通信メディア101の物理的な構成例を示す平面図である。
【0085】
非接触通信メディア101は、略長方形状のカード底部材1300と、そのカード底部材1300と同様の形状の図示せぬ部材とを貼り合わせて、非接触通信メディア100と同様に、クレジットカード程度のサイズのカード形状に構成されている。
【0086】
カード底部材1300には、図5に示すように、高速通信アンテナ1113、低速通信チップ1120、低速通信アンテナ1121、電力受信アンテナ1131、及び、メディア制御基板1310が配置される。
【0087】
メディア制御基板1310には、メディア制御用CPU1110、不揮発メモリ1111、高速通信スレーブコントローラ1112、及び、電力受信制御部1130が配置される。
【0088】
なお、低速通信アンテナ1121は、図5に示すように、カード底部材1300の外周の内側部分に、コイル状に配置され、低速通信チップ1120と接続されており、低速通信チップ1120は、メディア制御基板1310に配置された各ブロックとは、独立して動作する。
【0089】
また、カード底部材1300の中心部分には、図5に示すように、高速通信アンテナ1113と、コイル状の電力受信アンテナ1131とが配置されている。
【0090】
以上のように、旧型モデルの非接触通信メディア101は、図3に示した新型モデルの非接触通信メディア100と同様に構成されている。
【0091】
但し、図3(及び図2)の新型モデルの非接触通信メディア100において、例えば、高速通信スレーブコントローラ112、高速通信アンテナ113、電力受信制御部130、及び、電力受信アンテナ131は、それぞれ、図5(及び図4)の旧型モデルの非接触通信メディア100の高速通信スレーブコントローラ1112、高速通信アンテナ1113、電力受信制御部1130、及び、電力受信アンテナ1131を改良したものになっている。
【0092】
[RW200の構成例]
【0093】
図6は、図1のRW200のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0094】
RW200は、非接触通信メディア100や101が高速通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信するマスタ通信装置として機能する。
【0095】
RW200は、RW制御用CPU210、高速通信マスタコントローラ220、高速通信アンテナ221、高速通信マスタコントローラ225、高速通信アンテナ226、低速通信コントローラ230、低速通信アンテナ231、電力送信制御部240、電力送信アンテナ241、電力送信制御部245、電力送信アンテナ246、セキュア処理コントローラ250、及び、電力監視部260を有する。
【0096】
RW制御用CPU210は、例えば、USB等の所定のバスを介して、上位機器290と接続される。
【0097】
さらに、RW制御用CPU210は、高速通信マスタコントローラ220及び225、低速通信コントローラ230、セキュア処理コントローラ250、並びに、電力監視部260とバスを介して接続されており、上位機器290からの制御等に従い、高速通信マスタコントローラ220及び225、低速通信コントローラ230、セキュア処理コントローラ250、並びに、電力監視部260を制御する。
【0098】
また、RW制御用CPU210は、電力送信制御部240及び245それぞれと1本の汎用I/O(Input/Output)(インターフェース)で接続されており、電力監視部260から供給される情報等に従い、電力送信制御部240及び245を制御する。
【0099】
高速通信マスタコントローラ220は、高速通信アンテナ221と接続されており、この高速通信アンテナ221を介して、無線により、新型モデルの非接触通信メディア100(図2)の高速通信スレーブコントローラ112との間で、高速通信を行う第2のマスタ通信手段として機能する。
【0100】
高速通信マスタコントローラ225は、高速通信アンテナ226と接続されており、この高速通信アンテナ226を介して、無線により、旧型モデルの非接触通信メディア101(図4)の高速通信スレーブコントローラ1112との間で、高速通信を行う第2のマスタ通信手段として機能する。
【0101】
したがって、高速通信マスタコントローラ220、及び、高速通信アンテナ221は、新型モデルをサポートし、高速通信マスタコントローラ225、及び、高速通信アンテナ226は、旧型モデルをサポートする。
【0102】
低速通信コントローラ230は、低速通信アンテナ231と接続されており、この低速通信アンテナ231を介して、無線により、非接触通信メディア100(図2)の低速通信チップ120や、非接触通信メディア101(図4)の低速通信チップ1120との間で、低速通信を行う第1のマスタ通信手段として機能する。
【0103】
すなわち、低速通信コントローラ230は、低速通信アンテナ231から、RF信号を出力し、ポーリングをかける。
【0104】
一方、RW200に、例えば、新型モデルの非接触通信メディア100がかざされることによって、非接触通信メディア100(の低速通信アンテナ121(図2))と、RW200(の低速通信アンテナ231)とが近接すると、非接触通信メディア100(図2)の低速通信チップ120は、RW200の低速通信コントローラ230からのポーリングに対して応答するレスポンスを返す(負荷変調により送信する)。
【0105】
RW200の低速通信コントローラ230は、非接触通信メディア100の低速通信チップ120からのレスポンスを受信し、その旨を、RW制御用CPU210に知らせ、これにより、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100が、RW200に近接したことを認識する。
【0106】
RW200に、旧型モデルの非接触通信メディア101が近接した場合も、非接触通信メディア101、及び、RW200では、同様の処理が行われ、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア101が、RW200に近接したことを認識する。
【0107】
ここで、低速通信の通信方式として、例えば、上述のように、FeliCa(登録商標)を採用する場合、低速通信コントローラ230としては、FeliCa(登録商標)のRWが採用される。
【0108】
電力送信制御部240は、電力送信アンテナ241と接続されており、電力送信アンテナ241を介して、新型モデルの非接触通信メディア100(図2)が高速通信を行うのに必要な電力を、無線電力伝送によって送信する。
【0109】
電力送信制御部245は、電力送信アンテナ246と接続されており、電力送信アンテナ246を介して、旧型モデルの非接触通信メディア101(図4)が高速通信を行うのに必要な電力を、無線電力伝送によって送信する。
【0110】
したがって、電力送信制御部240、及び、電力送信アンテナ241は、新型モデルをサポートし、電力送信制御部245,及び、電力送信アンテナ246は、旧型モデルをサポートする。
【0111】
セキュア処理コントローラ250は、耐タンパ性を有し、低速通信コントローラ230が低速通信を行うために必要な、例えば、通信路の暗号化等の処理であるセキュア処理を行う。
【0112】
ここで、低速通信の通信方式として、例えば、上述のように、FeliCa(登録商標)を採用する場合、セキュア処理コントローラ250としては、FeliCa(登録商標)のセキュア処理を行うセキュアチップが採用される。
【0113】
また、RW200が動作するのに必要な電力は、上位機器290、又は、図示せぬ電源から、RW200に供給される。
【0114】
なお、新型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ220、及び、高速通信アンテナ221が、それぞれ、旧型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ225、及び、高速通信アンテナ226としての機能をも有し、したがって、後方互換性を有する場合には、RW200は、旧型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ225、及び、高速通信アンテナ226を設けずに構成することができる。
【0115】
同様に、新型モデルをサポートする電力送信制御部240、及び、電力送信アンテナ241が、それぞれ、旧型モデルをサポートする電力送信制御部245,及び、電力送信アンテナ246としての機能をも有し、したがって、後方互換性を有する場合には、RW200は、旧型モデルをサポートする電力送信制御部245,及び、電力送信アンテナ246を設けずに構成することができる。
【0116】
電力監視部260は、RW制御用CPU210の制御に従い、電力送信制御部240や245が行う無線電力伝送によって、非接触通信メディア100や101に供給される電力(非接触通信メディア100や101が供給を受ける電力)を監視する。
【0117】
そして、電力監視部260は、無線電力伝送によって供給される電力が、閾値としての所定の電力を超える場合、その旨の情報を、RW制御用CPU210に供給する。
【0118】
[メディア構成情報]
【0119】
図7は、メディア構成情報のデータ構造の例を示す図である。
【0120】
ここで、メディア構成情報とは、非接触通信メディア100や101の構成や機能等の、非接触通信メディア100や101に関する情報である。非接触通信メディア100には、その非接触通信メディア100のメディア構成情報が記憶されており、非接触通信メディア101には、その非接触通信メディア101のメディア構成情報が記憶されている。
【0121】
非接触通信メディア100では、メディア構成情報は、耐タンパ性を有する低速通信チップ120(図2)が内蔵する、図示せぬメモリ(不揮発メモリ)に記憶されている。非接触通信メディア101でも、同様に、メディア構成情報は、耐タンパ性を有する低速通信チップ1120(図4)が内蔵する、図示せぬメモリ(不揮発メモリ)に記憶されている。
【0122】
メディア構成情報は、例えば、図7に示すように、メディアリビジョン、構成情報リビジョン、構成情報パリティ、メディア個別ID、領域分割情報、不揮発メモリサイズ、最大消費電力、高速通信リビジョン、高速通信方式、高速通信アンテナ情報、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報等を含む。
【0123】
例えば、非接触通信メディア100での低速通信チップ120(図2)に記憶されているメディア構成情報において、メディアリビジョンは、非接触通信メディア100に付されているリビジョン番号を表す。
【0124】
構成情報リビジョンは、メディア構成情報に付されているリビジョン番号を表す。
【0125】
メディアリビジョンは、非接触通信メディア100に変更があった場合に、構成情報リビジョンは、メディア構成情報に変更があった場合に、それぞれ、その変更のたびに、値が増加していく。
【0126】
構成情報パリティは、メディア構成情報全体のパリティであり、メディア構成情報の正当性をチェックするために使用される。
【0127】
メディア個別IDは、非接触通信メディア100に割り当てられたユニークなIDであり、メディア個別IDとしては、例えば、128ビットのGUID(Globally Unique Identifier)等を採用することができる。
【0128】
領域分割情報は、非接触通信メディア100の不揮発メモリ111(図2)の記憶領域が、どのように分割されているかを表す。
【0129】
すなわち、不揮発メモリ111の記憶領域は、例えば、平文のデータを記憶させる記憶領域や、平文のデータを暗号化した暗号化データを記憶させる記憶領域、AACS(Advanced Access Content System)等のDRM(Digital Rights Management)で保護されるコンテンツである保護コンテンツが記憶される保護コンテンツ領域等の、各種の属性の記憶領域に分割して使用することができる。
【0130】
領域分割情報には、不揮発メモリ111の記憶領域が、各属性の記憶領域に分割されている場合に、その各属性の記憶領域を特定するための情報等が含まれる。
【0131】
不揮発メモリサイズは、不揮発メモリ111の全容量を表す。
【0132】
最大消費電力は、非接触通信メディア100が、高速通信を行うときに消費する最大の電力を表す。
【0133】
高速通信リビジョンは、非接触通信メディア100が行う高速通信に付されているリビジョン番号を表す。
【0134】
高速通信方式は、非接触通信メディア100が行う高速通信の通信方式の物理層やリンク層のプロトコルを表す。
【0135】
ここで、高速通信の通信方式としては、上述したように、TransferJetや、ワイヤレスUSB,Bluetooth等を採用することができる。
【0136】
高速通信アンテナ情報は、非接触通信メディア100の高速通信アンテナ113(図2)に関する情報であり、高速通信アンテナ113の配置状態を含む。ここで、高速通信アンテナ113の配置状態には、高速通信アンテナ113が配置されている非接触通信メディア100(のカード底部材300(図3))上の位置と、高速通信アンテナ113の形状とが含まれる。
【0137】
無線電力伝送リビジョンは、非接触通信メディア100が電力の供給を受けることができる無線電力伝送(非接触通信メディア100がサポートしている無線電力伝送)に付されているリビジョン番号を表す。
【0138】
無線電力伝送方式は、非接触通信メディア100が電力の供給を受けることができる無線電力伝送の方式を表し、その無線電力伝送が、電磁誘導型や磁気共鳴型等であることの情報を含む。
【0139】
無線電力伝送アンテナ情報は、非接触通信メディア100の電力受信アンテナ131(図2)に関する情報であり、電力受信アンテナ131の配置状態を含む。
【0140】
以上のようなメディア構成情報は、上述したように、非接触通信メディア100の低速通信チップ120が内蔵するメモリに記憶されている。
【0141】
そして、非接触通信メディア100と、RW200とが近接したときに、非接触通信メディア100の低速通信チップ120と、RW200の低速通信コントローラ230との間で行われる低速通信において、非接触通信メディア100は、メディア構成情報を送信し、RW200は、非接触通信メディア100から送信されてくる、その非接触通信メディア100のメディア構成情報を受信する。
【0142】
なお、低速通信チップ120として、上述したように、耐タンパ性を有するICチップを採用することにより、メディア構成情報の偽造を防止することができる。
【0143】
[非接触通信メディア100とRW200とが近接したときの、非接触通信メディア100、及び、RW200の処理]
【0144】
図8は、新型モデルの非接触通信メディア100、及び、旧型モデルの非接触通信メディア100のうちの、例えば、新型モデルの非接触通信メディア100が、RW200にかざされること等により、RW200と近接したときの、非接触通信メディア100、及び、RW200の処理を説明する図である。
【0145】
ここで、上位機器290と、RW200とは、既に接続されており、上位機器290は、RW200を(制御可能な外部機器として)正常に認識していることとする。
【0146】
RW200(図6)のRW制御用CPU210は、上位機器290から正常に認識されると、非接触通信メディア100や101がかざされること等によって近接することを待つメディア待ち状態となる。
【0147】
メディア待ち状態では、RW制御用CPU210は、低速通信コントローラ230を制御し、低速通信用のRF信号(低速通信用のキャリア)の、低速通信アンテナ231を介しての出力を開始させる。
【0148】
さらに、RW制御用CPU210は、低速通信コントローラ230を制御し、低速通信のポーリングを行わせる。
【0149】
非接触通信メディア100や101が、RW200に近接した状態にない場合、低速通信のポーリングに対する応答は、返ってこない。
【0150】
低速通信のポーリングに対する応答が返ってこない場合、低速通信コントローラ230は、低速通信のポーリングを、定期的に繰り返す。
【0151】
その後、新型モデルの非接触通信メディア100、及び、旧型モデルの非接触通信メディア101のうちの、例えば、新型モデルの非接触通信メディア100が、RW200にかざされ、非接触通信メディア100とRW200とが近接すると、非接触通信メディア100(図2)の低速通信チップ120は、RW200からの低速通信のポーリングを受信し、その低速通信のポーリングに対する応答を、低速通信アンテナ121を介して返す。
【0152】
RW200(図6)の低速通信コントローラ230は、非接触通信メディア100の低速通信チップ120からのポーリングに対する応答を受信し、この応答の受信に応じて、非接触通信メディア100や101等(の、低速通信が可能な通信装置)が近接した旨の通知(以下、近接通知ともいう)を、RW制御用CPU210に送信する。
【0153】
RW制御用CPU210は、低速通信コントローラ230から近接通知が送信されてくると、セキュア処理コントローラ250に、相互認証を要求する。
【0154】
セキュア処理コントローラ250は、RW制御用CPU210からの相互認証の要求に応じて、低速通信コントローラ230を制御し、これにより、非接触通信メディア100の低速通信チップ120と、RW200の低速通信コントローラ230との間では、図8に示すように、例えば、FeliCa(登録商標)で採用されている相互認証(のためのデータのやりとり)が行われる。
【0155】
そして、相互認証に成功したときのみ、その後の処理が行われ、相互認証に失敗したときには、その後の処理は、行われない。
【0156】
以上のように、相互認証を行うことによって、非接触通信メディア100(や101)やRW200として偽造された不正な機器と、非接触通信メディア100(や101)、又は、RW200との間で、コンテンツ等のデータが、高速通信によって、不正にやりとりされることを防止することができる。
【0157】
相互認証が成功すると、非接触通信メディア100、及び、RW200では、通信路が暗号化され、すなわち、データを暗号化するための暗号鍵が得られ、その暗号鍵で暗号化されたデータがやりとりされる通信路(以下、暗号通信路ともいう)が、非接触通信メディア100の低速通信チップ120と、RW200の低速通信コントローラ230(ひいては、セキュア処理コントローラ250)との間に確立(形成)され、非接触通信メディア100と、RW200との間では、その暗号通信路を介して、セキュアな低速通信を行うことができる。
【0158】
RW制御用CPU210は、相互認証が成功すると、メディア構成情報を要求するメディア構成情報取得要求500を、低速通信コントローラ230に送信する。
【0159】
低速通信コントローラ230は、RW制御用CPU210からのメディア構成情報取得要求500を受信し、そのメディア構成情報取得要求500と同様の内容のメディア構成情報取得パケット501を、低速通信により送信する。
【0160】
低速通信コントローラ230が送信したメディア構成情報取得パケット501は、RW200に近接した状態になっている非接触通信メディア100の低速通信チップ120(図2)で受信される。
【0161】
非接触通信メディア100(図2)の低速通信チップ120は、低速通信コントローラ230からのメディア構成情報取得パケット501を受信すると、その内蔵するメモリに記憶しているメディア構成情報(非接触通信メディア100のメディア構成情報)を読み出す。
【0162】
なお、低速通信チップ120は、メディア構成情報の読み出しに失敗する等の、何らかの異常が発生した場合は、メディア構成情報取得パケット501に対応する応答であるメディア構成情報取得レスポンス502として、エラー(が生じた旨)を、低速通信によって、RW200の低速通信コントローラ230に返す。
【0163】
低速通信チップ120は、内蔵するメモリから、メディア構成情報を読み出すと、そのメディア構成情報を含むメディア構成情報取得レスポンス502を、暗号通信路を介して、低速通信により送信する。
【0164】
すなわち、低速通信チップ120は、内蔵するメモリから読み出したメディア構成情報について、非接触通信メディア100とRW200との間の相互認証によって得られる暗号鍵を用いた暗号化(暗号通信路に則った暗号化)を行う。
【0165】
低速通信チップ120は、暗号化によって得られた暗号化データを含むメディア構成情報取得レスポンス502を、低速通信により送信する。
【0166】
以上のようにして、メディア構成情報は、暗号化データに暗号化されることで、セキュアに、非接触通信メディア100からRW200に送信される。
【0167】
低速通信チップ120が送信したメディア構成情報取得レスポンス502は、RW200の低速通信コントローラ230(図6)で受信される。
【0168】
RW200の低速通信コントローラ230(図6)は、低速通信チップ120からのメディア構成情報取得レスポンス502を受信すると、そのメディア構成情報取得レスポンス502と同様の内容のメディア構成情報取得レスポンス503を、メディア構成情報取得要求レスポンス500に対する応答として、RW制御用CPU210に返す。
【0169】
RW制御用CPU210は、低速通信コントローラ230からのメディア構成情報取得レスポンス503を受信し、そのメディア構成情報取得レスポンス503に、エラーが生じているかどうかをチェックする。
【0170】
ここで、メディア構成情報取得レスポンス503に、エラーが生じている場合、RW制御用CPU210は、その後の処理を行わない。
【0171】
メディア構成情報取得レスポンス503に、エラーが生じていない場合、RW制御用CPU210は、メディア構成情報取得レスポンス503に含まれる暗号化データを含み、その暗号化データの復号を要求するデータ復号要求510を、セキュア処理コントローラ250に供給する。
【0172】
セキュア処理コントローラ250は、RW制御用CPU210からのデータ復号要求510を受信し、そのデータ復号要求510に含まれる暗号化データについて、非接触通信メディア100とRW200との間の相互認証によって得られる暗号鍵を用いた復号(暗号通信路に則った復号)を行う。
【0173】
そして、セキュア処理コントローラ250は、復号の結果得られる、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報を含むデータ復号レスポンス511を、RW制御用CPU210に返す。
【0174】
RW制御用CPU210は、セキュア処理コントローラ250からのメディア構成情報(非接触通信メディア100のメディア構成情報)を受信し、そのメディア構成情報を有する非接触通信メディア100との間で、高速通信を行うかどうかを判定する。
【0175】
高速通信を行うかどうかの判定では、構成情報正当性判定(チェック)、高速通信可否判定、及び、無線電力伝送可否判定が行われる。
【0176】
すなわち、RW制御用CPU210は、まず、構成情報正当性判定を行う。
【0177】
構成情報正当性判定では、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれるメディアリビジョン、構成情報リビジョン、構成情報パリティ、及び、最大消費電力(図7)をチェックする。
【0178】
そして、RW制御用CPU210は、メディアリビジョン、及び、構成情報リビジョンのうちの少なくとも一方が、RW200がサポートしていないリビジョン番号である場合、高速通信を行わないと判定する。
【0179】
また、RW制御用CPU210は、構成情報パリティのパリティチェックの結果が、パリティエラーである場合も、高速通信を行わないと判定する。
【0180】
さらに、RW制御用CPU210は、最大消費電力が、RW200が無線電力伝送によって供給することができる最大値を超えている場合も、高速通信を行わないと判定する。
【0181】
メディアリビジョン、及び、構成情報リビジョンの両方が、RW200がサポートしているリビジョン番号であり、パリティエラーが生じず、かつ、最大消費電力が、RW200が無線電力伝送によって供給することができる最大値を超えていない場合、RW制御用CPU210は、高速通信可否判定を行う。
【0182】
高速通信可否判定では、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる、高速通信に関する通信情報である高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報(図7)をチェックする。
【0183】
そして、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報のうちのいずれか1つでも、RW200がサポートしていない場合には、非接触通信メディア100とRW200との間で、高速通信を行うことができないため、高速通信を行わないと判定する。
【0184】
ここで、RW200が、メディア構成情報に含まれる高速通信アンテナ情報をサポートしていない場合とは、その高速通信アンテナ情報から認識される高速通信アンテナ113の配置状態からすると、非接触通信メディア100がRW200に近接したときに、例えば、非接触通信メディア100の高速通信アンテナ113(図2)と、RW200の高速通信アンテナ221との位置ずれのずれ量が大きく、非接触通信メディア100とRW200との間で、十分なレベルの高速通信の信号の送受信を行うことができない場合である。
【0185】
すなわち、非接触通信メディア100や101が近接されるRW200の面(以下、近接面という)には、その近接面に、カード型等の非接触通信メディア100や101をセットしやすいように、非接触通信メディア100や101の形状よりやや大きめの形状の浅い窪みを設けることができる。
【0186】
この場合、非接触通信メディア100や101は、RW200の近接面に設けられた窪みに嵌めるようにセットされる。
【0187】
そして、RW200は、例えば、非接触通信メディア100が、RW200の近接面に設けられた窪みに嵌めるようにセットされた場合に、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信アンテナ情報から認識される高速通信アンテナ113の配置状態に基づいて、非接触通信メディア100の高速通信アンテナ113(図2)と、RW200の高速通信アンテナ221との位置ずれのずれ量が所定の閾値より大きいときに、RW200が、メディア構成情報に含まれる高速通信アンテナ情報をサポートしていないと認識する。
【0188】
一方、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報のすべてを、RW200がサポートしている場合、RW制御用CPU210は、無線電力伝送可否判定を行う。
【0189】
無線電力伝送可否判定では、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる、無線電力伝送に関する無線電力伝送情報である無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報(図7)をチェックする。
【0190】
そして、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のうちのいずれか1つでも、RW200がサポートしていない場合には、無線電力伝送によって、必要な電力を、非接触通信メディア110に供給することができないため、高速通信を行わないと判定する。
【0191】
一方、非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のすべてを、RW200がサポートしている場合、RW制御用CPU210は、高速通信を行うと判定する。
【0192】
RW制御用CPU210は、高速通信を行うと判定した場合、後述するように、無線電力伝送を開始し、その後、高速通信を開始する。
【0193】
また、RW制御用CPU210は、高速通信を行わないと判定した場合、以降の処理を行わない。
【0194】
したがって、RW200は、メディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報、並びに、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のうちの1つでもサポートしていない場合には、無線電力伝送も、高速通信も行わないので、無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0195】
すなわち、RW200が、メディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報、並びに、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のうちの1つでもサポートしていない場合には、非接触通信メディア100に対して、無線電力伝送により高速通信のための十分な電力を供給することができないか、又は、非接触通信メディア100とRW200との間で、高速通信を行うことができないので、結局、非接触通信メディア100とRW200との間では、高速通信を行うことができない。
【0196】
そして、非接触通信メディア100とRW200との間において、高速通信を行うことができないのに、RW200において、無線電力伝送を開始することは、無駄な電力を消費することになる。
【0197】
そこで、上述のように、RW200が、メディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報、並びに、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のうちの1つでもサポートしていない場合には、無線電力伝送を(、ひいては、高速通信も)行わないことで、RW200において、無駄な電力が消費されることを抑制することができる。
【0198】
[無線電力伝送]
【0199】
図9は、RW200が行う無線電力伝送の処理を説明する図である。
【0200】
図8で説明したように、RW200は、高速通信を行うと判定すると、無線電力伝送を開始する。
【0201】
すなわち、RW200のRW制御用CPU210(図6)は、無線電力伝送によって、RW200に近接した非接触通信メディア100に供給される電力を監視することを要求する監視開始要求700を、電力監視部260に送信する。
【0202】
ここで、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる最大消費電力から、その非接触通信メディア100に供給する電力の閾値(以下、電力閾値ともいう)を設定する。
【0203】
例えば、メディア構成情報に含まれる最大消費電力そのもの、又は、その最大消費電力から所定のマージンを減算した減算値等が、電力閾値に設定される。
【0204】
そして、RW制御用CPU210は、電力閾値を、監視開始要求700に含めて、電力監視部260に送信する。
【0205】
電力監視部260は、RW制御用CPU210からの監視開始要求700を受信し、その監視開始要求700に応じて、電力送信制御部240又は245が行う無線電力伝送によって、RW200に近接した非接触通信メディア100に供給される電力の監視を開始する。
【0206】
ここで、電力監視部260が監視する電力は、電力送信制御部240又は245が無線電力伝送によって供給する電力であっても良いが、本実施の形態では、電力送信制御部240又は245が無線電力伝送によって供給する電力のうちの、RW200に近接した非接触通信メディア100に供給される電力、つまり、非接触通信メディア100が(実際に)供給を受ける電力であるとする。
【0207】
電力監視部260は、RW200の、無線電力伝送用のRF信号を出力する電力送信アンテナ241又は246(図6)の配置状態、及び、RW200に近接した非接触通信メディア100の、無線電力伝送用のRF信号を受信する電力送信アンテナ131(図2)の配置状態等から、無線電力伝送による電力の伝送効率を推測し、その伝送効率と、電力送信制御部240又は245が無線電力伝送によって供給する電力とから、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける電力(以下、受信電力ともいう)を算出する。
【0208】
その後、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報に基づいて、電力送信制御部240及び245の中から、RW200に近接した非接触通信メディア100への無線電力伝送に適した方を選択する。
【0209】
ここで、本実施の形態では、上述したように、非接触通信メディア100は、新型モデルである。さらに、RW200において、電力送信制御部240は、新型モデルをサポートし、電力送信制御部245は、旧型モデルをサポートする。
【0210】
このため、RW制御用CPU210では、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報に基づき、電力送信制御部240及び245のうちの、新型モデルをサポートする電力送信制御部240が、RW200に近接した非接触通信メディア100への無線電力伝送に適した方として選択される。
【0211】
なお、例えば、RW200において、新型モデルをサポートする電力送信制御部240と同様の複数の電力送信制御部が設けられており、その複数の電力送信制御部それぞれに、無線電力伝送のためのアンテナ(電力送信アンテナ)が接続されている場合に、非接触通信メディア100に供給される電力の伝送効率が最も高いアンテナが接続された電力送信制御部を、非接触通信メディア100への無線電力伝送に適したものとして選択するときや、新型モデルをサポートする電力送信制御部240に、無線電力伝送のための複数のアンテナが接続されている場合に、非接触通信メディア100に供給される電力の伝送効率が最も高いアンテナを、非接触通信メディア100への無線電力伝送に適したものとして選択するとき等に、無線電力伝送アンテナ情報が参照される。
【0212】
RW制御用CPU210は、電力送信制御部240を、RW200に近接した非接触通信メディア100への無線電力伝送に適した方として選択すると、その電力送信制御部240に対して、無線電力伝送の開始を指示する電力送信開始指示710を送信する。
【0213】
新型モデルをサポートする電力送信制御部240は、RW制御用CPU210からの電力送信開始指示710を受信し、その電力送信開始指示710に応じて、電力送信アンテナ241を介して、無線電力伝送のためのRF信号の出力を開始し、これにより、RW200に近接した、新型モデルの非接触通信メディア100への無線電力伝送が開始される。
【0214】
以上のように、非接触通信メディア100(図2)の電力受信制御部130は、低速通信の開始後、RW200の電力送信制御部240が開始する無線電力伝送によって送信されてくる電力を、電力受信アンテナ131を介して受信する。
【0215】
そして、電力受信制御部130は、無線電力伝送による電力の、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112への供給(電力供給)を開始する。
【0216】
メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112は、電力受信制御部130からの電力を電源として、動作を開始する。
【0217】
なお、RW200に近接したのが、新型モデルの非接触通信メディア100(図2)ではなく、旧型モデルの非接触通信メディア101(図4)である場合には、RW200のRW制御用CPU210では、RW200に近接した非接触通信メディア101のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報に基づき、電力送信制御部240及び245のうちの、旧型モデルをサポートする電力送信制御部245が、RW200に近接した非接触通信メディア100への無線電力伝送に適した方として選択される。
【0218】
そして、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア101への無線電力伝送に適した方として選択された電力送信制御部240に対して、無線電力伝送の開始を指示する電力送信開始指示710を送信する。
【0219】
これにより、旧型モデルをサポートする電力送信制御部245は、電力送信アンテナ246を介して、無線電力伝送のためのRF信号の出力を開始し、これにより、RW200に近接した旧型モデルの非接触通信メディア101への無線電力伝送が開始される。
【0220】
上述したように、電力監視部260は、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける電力、すなわち、いまの場合、新型モデルをサポートする電力送信制御部240による無線電力伝送によって、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力を監視している。
【0221】
そして、電力監視部260は、受信電力が、RW制御用CPU210によって最大消費電力から設定された電力閾値を超えた場合には、その旨を表す電力異常アラーム720を、RW制御用CPU210に通知する。
【0222】
RW制御用CPU210は、電力監視部260からの電力異常アラーム720を受信した場合、無線電力伝送の停止を指示する電力伝送停止指示730を、無線電力伝送を行っている電力送信制御部240に供給する。
【0223】
無線電力伝送を行っている電力送信制御部240は、RW制御用CPU210からの電力伝送停止指示730を受信した場合、無線電力伝送を停止する。
【0224】
以上のように、RW200では、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力が、最大消費電力から設定された電力閾値(例えば、最大消費電力そのもの)を超える場合に、無線電力伝送を停止するので、無駄な電力が消費されることを抑制することができる。
【0225】
すなわち、非接触通信メディア100とRW200とが近接した場合に、その非接触通信メディア100とRW200との間に、例えば、金属製のクリップ等の導体が挟まっていると、RW200において、非接触通信メディア100が高速通信に必要とする電力を上回る電力等の無駄な電力が、無線電力伝送によって、非接触通信メディア100に供給されることがあり得る。
【0226】
RW200では、受信電力が電力閾値を超える場合に、無線電力伝送が停止されるので、電力閾値を超えるような無駄な電力が、RW200に近接した非接触通信メディア100に供給されることを防止するとともに、そのような無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0227】
ここで、図8で説明したように、RW200(図6)において、低速通信コントローラ230は、RW200に、非接触通信メディア100や101が近接したことを検出するポーリングを行うために、低速通信用のRF信号を出力している。
【0228】
このため、RW200において、電力送信制御部240(や245)が、無線電力伝送を開始すると、低速通信コントローラ230が出力する低速通信用のRF信号と、電力送信制御部240が無線電力伝送のために出力する無線電力伝送用のRF信号との間で、干渉を生じることがある。
【0229】
すなわち、GHz帯の回路の製造が簡単でないこと、数100KHzないし数MHzの周波数の回路の製造は容易であること、数100KHzないし数MHzの周波数の回路を構成するためのコンデンサ等の部品は安価であり、回路のコストを抑えることができること、等の理由により、無線電力伝送用のRF信号の周波数としては、例えば、数100Hzないし数MHz程度が採用される。
【0230】
RW200(図3)の電力送信制御部240(や245)において、そのような周波数で無線電力伝送が行われる場合において、低速通信の通信方式として、例えば、上述したように、FeliCa(登録商標)が採用されているときには、FeliCa(登録商標)のキャリアの周波数は、13.56MHzであり、無線電力伝送用のRF信号の周波数と近いため、FeliCa(登録商標)のキャリア、つまり、低速通信用のRF信号と、無線電力伝送用のRF信号との間では、干渉を生じることがある。
【0231】
以上のように、低速通信用のRF信号と、無線電力伝送用のRF信号とが干渉を起こす場合には、その干渉を防止するために、RW200の低速通信コントローラ230では、メディア構成情報の取得後(メディア構成情報取得レスポンス502(図8)の受信後)、無線電力伝送が開始される前に、低速通信用のRF信号の出力を停止することができる。
【0232】
なお、低速通信用のRF信号、及び、無線電力伝送用のRF信号それぞれとして、互いに干渉を生じない周波数のRF信号が採用される場合には、低速通信用のRF信号の出力は、停止しなくてもよい。
【0233】
[高速通信]
【0234】
図10は、RW200が行う高速通信の処理を説明する図である。
【0235】
図9で説明したように、RW200において、RW200に近接した非接触通信メディア100への無線電力伝送が開始されると、非接触通信メディア100(図2)では、電力受信制御部130が、無線電力伝送による電力を、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112に供給する。
【0236】
これにより、RW200に近接した非接触通信メディア100では、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112は、電力受信制御部130からの電力を電源として、動作を開始し、高速通信を行うことが可能な状態になる。
【0237】
一方、RW200では、無線電力伝送が開始された後、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報に基づいて、高速通信マスタコントローラ220及び225の中から、RW200に近接した非接触通信メディア100との高速通信に適した方を選択する。
【0238】
ここで、本実施の形態では、上述したように、非接触通信メディア100は、新型モデルである。さらに、RW200において、高速通信マスタコントローラ220は、新型モデルをサポートし、高速通信マスタコントローラ225は、旧型モデルをサポートする。
【0239】
このため、RW制御用CPU210では、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報に基づき、高速通信マスタコントローラ220及び225のうちの、新型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ220が、RW200に近接した非接触通信メディア100との高速通信に適した方として選択される。
【0240】
なお、例えば、RW200において、新型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ220と同様の複数の高速通信マスタコントローラが設けられており、その複数の高速通信マスタコントローラそれぞれに、高速通信のためのアンテナ(高速通信アンテナ)が接続されている場合に、非接触通信メディア100で受信される高速通信用のRF信号のレベルが最も高いアンテナが接続された高速通信マスタコントローラを、非接触通信メディア100との高速通信に適したものとして選択するときや、新型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ220に、高速通信のための複数のアンテナが接続されている場合に、非接触通信メディア100で受信される高速通信用のRF信号のレベルが最も高いアンテナを、非接触通信メディア100との高速通信に適したものとして選択するとき等に、高速通信アンテナ情報が参照される。
【0241】
RW制御用CPU210は、高速通信マスタコントローラ220を、RW200に近接した非接触通信メディア100との高速通信に適した方として選択すると、その高速通信マスタコントローラ220に対して、高速通信のための初期化を要求する初期化コマンド900を送信する。
【0242】
高速通信マスタコントローラ220は、RW制御用CPU210からの初期化コマンド900を受信し、その初期化コマンド900に応じて、必要な初期化を行う。
【0243】
さらに、その後、RW制御用CPU210は、高速通信を行うのに必要な情報を交換するネゴシエーションを要求するネゴシエーション開始コマンド910を、高速通信マスタコントローラ220に送信する。
【0244】
高速通信マスタコントローラ220は、RW制御用CPU210からのネゴシエーション開始コマンド910を受信し、そのネゴシエーション開始コマンド910に応じて、高速通信アンテナ221を介しての、高速通信用のRF信号の出力を開始し、高速通信を行うのに必要な情報等を要求するための、高速通信に必要な情報を含むリクエストパケット911を送信する。
【0245】
一方、非接触通信メディア100(図2)では、メディア制御用CPU110、不揮発メモリ111、及び、高速通信スレーブコントローラ112が、電力受信制御部130からの電力を電源として、動作を開始し、必要な初期化を行って、RW200からのリクエストパケット911を受信することが可能な状態となると、高速通信スレーブコントローラ112が、RW200(図6)の高速通信マスタコントローラ220から送信されてくるリクエストパケット911を受信し、そのリクエストパケット911に対する応答としての、必要な情報を含むレスポンスパケット920を返す。
【0246】
RW200(図3)の高速通信マスタコントローラ220は、非接触通信メディア100の高速通信スレーブコントローラ112からのレスポンスパケット920を受信し、これにより、非接触通信メディア100の高速通信スレーブコントローラ112と、RW200の高速通信マスタコントローラ220との間では、高速通信が可能となる。
【0247】
RW200の高速通信マスタコントローラ220は、非接触通信メディア100の高速通信スレーブコントローラ112からのレスポンスパケット920を受信すると、高速通信のネゴシエーションが完了したことを表すネゴシエーション完了レスポンス921を、RW制御用CPU210に返す。
【0248】
以上により、非接触通信メディア100(図2)の高速通信スレーブコントローラ112と、RW200(図3)の高速通信マスタコントローラ220とでは、高速通信のための初期化が完了するとともに、コネクション(通信リンク)が確立し、高速通信によるデータ伝送(やりとり)が可能な状態となる。
【0249】
すなわち、RW200のRW制御用CPU210は、RW200の高速通信マスタコントローラ220、さらには、非接触通信メディア100(図2)の高速通信スレーブコントローラ112、及び、メディア制御用CPU110を介して、不揮発メモリ111に、高速通信によってアクセスし、データを書き込むこと、及び、データを読み出すことができる。
【0250】
なお、RW200に近接したのが、新型モデルの非接触通信メディア100(図2)ではなく、旧型モデルの非接触通信メディア101(図4)である場合には、RW200のRW制御用CPU210では、RW200に近接した非接触通信メディア101のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報に基づき、高速通信マスタコントローラ220及び225のうちの、旧型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ225が、RW200に近接した非接触通信メディア100との高速通信に適した方として選択される。
【0251】
そして、RW200において、旧型モデルの非接触通信メディア101との高速通信は、旧型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ225を用いて行われる。
【0252】
[RW200の処理]
【0253】
図11ないし図13は、図6のRW200の処理を説明するフローチャートである。
【0254】
なお、図11のフローチャートは、図8で説明したRW200の処理に、図12のフローチャートは、図9で説明したRW200の処理に、図13のフローチャートは、図10で説明したRW200の処理に、それぞれ対応する。
【0255】
RW200では、低速通信コントローラ230(図6)が、低速通信のポーリングを開始し、ステップS11において、そのポーリングに対する応答を待つ状態になる。
【0256】
そして、例えば、非接触通信メディア100が、RW200に近接し、非接触通信メディア100の低速通信チップ120(図2)が、RW200からの低速通信のポーリングに対する応答を、RW200に返すと、処理は、ステップS11からステップS12に進み、RW200のRW制御用CPU210(図6)は、セキュア処理コントローラ250に、低速通信による相互認証を要求する。
【0257】
セキュア処理コントローラ250は、RW制御用CPU210からの相互認証の要求に応じて、非接触通信メディア100の低速通信チップ120との間で、相互認証を行う。
【0258】
相互認証に失敗した場合、RW200は、以降の処理を行わず、低速通信のポーリングを開始し、ステップS11において、そのポーリングに対する応答を待つ状態になる。
【0259】
一方、相互認証に成功した場合、処理は、ステップS12からステップS13に進み、RW制御用CPU210は、低速通信コントローラ230を介した低速通信によって、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報を、非接触通信メディア100から読み出し、処理は、ステップS14に進む。
【0260】
ステップS14では、RW制御用CPU210は、非接触通信メディア100から、メディア構成情報を正常に読み出すことができたかどうかを判定し、正常に読み出すことができなかったと判定した場合(エラーが生じた場合)、処理は、ステップS21に進む。
【0261】
また、ステップS14において、非接触通信メディア100から、メディア構成情報を正常に読み出すことができたと判定された場合、処理は、ステップS15に進み、RW200のRW制御用CPU210は、メディア構成情報に含まれるメディアリビジョン、構成情報リビジョン、構成情報パリティ、及び、最大消費電力をチェックする構成情報正当性判定を行い、処理は、ステップS16に進む。
【0262】
ステップS16では、RW制御用CPU210は、構成情報正当性判定の結果が、正常であるかどうかを判定する。
【0263】
ステップS16において、構成情報正当性判定の結果が、正常でないと判定された場合、すなわち、メディアリビジョン、及び、構成情報リビジョンのうちの少なくとも一方が、RW200がサポートしていないリビジョン番号である場合、構成情報パリティのパリティチェックの結果が、パリティエラーである場合、又は、最大消費電力が、RW200が無線電力伝送によって供給することができる最大値を超えている場合、処理は、ステップS21に進む。
【0264】
また、ステップS16において、構成情報正当性判定の結果が、正常であると判定された場合、すなわち、メディアリビジョン、及び、構成情報リビジョンの両方が、RW200がサポートしているリビジョン番号であり、パリティエラーが生じず、かつ、最大消費電力が、RW200が無線電力伝送によって供給することができる最大値を超えていない場合、処理は、ステップS17に進み、RW制御用CPU210は、メディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報をチェックする高速通信可否判定を行い、処理は、ステップS18に進む。
【0265】
ステップS18では、RW制御用CPU210は、高速通信可否判定の結果に基づき、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしているかどうかを判定する。
【0266】
ステップS18において、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしていないと判定された場合、すなわち、高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報のうちのいずれか1つでも、RW200がサポートしていない場合、処理は、ステップS21に進む。
【0267】
また、ステップS18において、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしていると判定された場合、すなわち、高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報のすべてを、RW200がサポートしている場合、処理は、ステップS19に進み、RW制御用CPU210は、メディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報をチェックする無線電力伝送可否判定を行い、処理は、ステップS20に進む。
【0268】
ステップS20では、RW制御用CPU210は、無線電力伝送可否判定の結果に基づき、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしているかどうかを判定する。
【0269】
ステップS20において、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしていないと判定された場合、すなわち、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のうちのいずれか1つでも、RW200がサポートしていない場合、処理は、ステップS21に進む。
【0270】
ステップS21では、RW制御用CPU210は、所定のエラー処理を行い、その後、低速通信のポーリングを開始して、ステップS11に戻り、ポーリングに対する応答を待つ状態になる。
【0271】
また、ステップS20において、RW200が、RW200に近接した非接触通信メディア100をサポートしていると判定された場合、すなわち、無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報のすべてを、RW200がサポートしている場合、処理は、図12のステップS31に進み、以下、RW200は、無線電力伝送を行う。
【0272】
すなわち、図12のステップS31において、RW200のRW制御用CPU210(図6)は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる最大消費電力から、その非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力の閾値である電力閾値を設定し、その電力閾値を、電力監視部260に供給することにより、無線電力伝送によって、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力の監視を開始させる。
【0273】
その後、処理は、ステップS31からステップS32に進み、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる無線電力伝送リビジョン、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報に基づいて、電力送信制御部240及び245の中から、RW200に近接した新型モデルの非接触通信メディア100への無線電力伝送に適した方として、新型モデルをサポートする電力送信制御部240を選択し、処理は、ステップS33に進む。
【0274】
ステップS33では、RW制御用CPU210は、ステップS32で選択した電力送信制御部240に、無線電力伝送を開始させ、処理は、図13のステップS41に進む。
【0275】
なお、電力監視部260は、以上のようにして、電力送信制御部240が開始した無線電力伝送によって、RW200に近接した非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力を監視している。そして、その受信電力が、電力閾値を超えた場合には、電力送信制御部240による無線電力伝送は、停止される。
【0276】
図13のステップS41では、RW制御用CPU210は、RW200に近接した非接触通信メディア100のメディア構成情報に含まれる高速通信リビジョン、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報に基づいて、高速通信マスタコントローラ220及び225の中から、RW200に近接した新型モデルの非接触通信メディア100との高速通信に適した方として、新型モデルをサポートする高速通信マスタコントローラ220を選択し、処理は、ステップS42に進む。
【0277】
ステップS42では、RW制御用CPU210は、ステップS41で選択した高速通信マスタコントローラ220に、高速通信を開始させる。
【0278】
そして、高速通信によって、RW200から、非接触通信メディア100の不揮発メモリ111に対する必要なデータの読み書きが終了するか、又は、非接触通信メディア100が、RW200から離れることによって、非接触通信メディア100に、高速通信に必要な電力が供給されなくなり、非接触通信メディア100からRW200への応答が返ってこなくなった場合、RW200は、無線電力伝送を停止する。
【0279】
さらに、RW200は、低速通信のポーリングを開始して、処理は、図11のステップS11に戻り、ポーリングに対する応答を待つ状態になる。
【0280】
以上のように、非接触通信メディア100(図2)では(非接触通信メディア101(図4)でも同様)、低速通信チップ120が、FeliCa(登録商標)等の低速通信によって、TransferJet(登録商標)等の高速通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、RW200に送信し、電力受信制御部130が、RW200との間で、低速通信が開始された後に、RW200からの送信が開始される電力を受信し、高速通信スレーブコントローラ112が、電力受信制御部130によって受信された電力によって動作を開始し、RW200との間で、高速通信を開始する。
【0281】
一方、RW200(図6)では、低速通信コントローラ230が、低速通信によって、非接触通信メディア100から、非接触通信メディア100が高速通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、電力送信制御部240が、非接触通信メディア100との間で、低速通信が開始された後に、無線電力伝送を開始し、高速通信マスタコントローラ220が、無線電力伝送が開始された後に、非接触通信メディア100との間で、高速通信を開始する。
【0282】
さらに、RW200では、電力監視部260が、無線電力伝送によって、非接触通信メディア100が供給を受ける受信電力を監視し、その受信電力が、最大消費電力から設定される電力閾値を超える場合、電力送信制御部240が、無線電力伝送を停止する。
【0283】
したがって、RW200において、例えば、非接触通信メディア100の最大消費電力を超える大きな電力を供給するような無線電力伝送が行われることにより、RW200が、無駄な電力を消費することを抑制することができる。
【0284】
さらに、例えば、仮に、非接触通信メディア100から、低速通信チップ120だけを取り出し(又は、非接触通信メディア101から、低速通信チップ1120だけを取り出し)、その低速通信チップ120を搭載した、偽造品の非接触通信メディアが製作された場合に、そのような偽造品の非接触通信メディアについても、RW200が、無線電力伝送において、無駄な電力を消費することを抑制することができる。
【0285】
また、メディア構成情報には、非接触通信メディア100が行う高速通信に関する通信情報としての、高速通信方式、及び、高速通信アンテナ情報や、非接触通信メディア100が無線電力伝送によって電力の供給を受ける無線電力伝送に関する無線電力伝送情報としての、無線電力伝送方式、及び、無線電力伝送アンテナ情報等が含まれるので、RW200では、そのメディア構成情報に基づいて、非接触通信メディア100にとって適切な無線電力伝送、及び、高速通信を行うことができ、その結果、将来の技術革新により従来と互換性のない新しい非接触通信メディアが実現した場合に、後方互換性を維持することができる。
【0286】
すなわち、旧型モデルの非接触通信メディア101と、その旧型モデルの非接触通信メディア101のみをサポートする旧型モデルのRWとが販売された後、性能(機能)が向上した新型モデルの非接触通信メディア100、すなわち、無線電力伝送方式の変更や、無線電力伝送のためのアンテナの形状の変更、高速通信方式の変更、高速通信のためのアンテナの形状の変更、リビジョンアップによる高速通信の通信プロトコルの変更等がされた非接触通信メディア100と、その新型モデルの非接触通信メディア100のみをサポートする新型モデルのRWとが開発されても、新型モデルの非接触通信メディア100及びRWが、旧型モデルの非接触通信メディア101及びRWとの互換性を有しない場合には、新型モデルの非接触通信メディア100及びRWを、市場に投入することが困難となる。
【0287】
旧型モデルの非接触通信メディア101は、旧型モデルのRWでしか使用することができず、新型モデルの非接触通信メディア100は、やはり、新型モデルのRWでしか使用することができないためである。
【0288】
そこで、低速通信については、互換性を維持することを前提として、旧型モデル及び新型モデルの両方をサポートするRWを開発し、非接触通信メディアには、旧型モデルであるか、新型モデルであるかにかかわらず、メディア構成情報を記憶させ、RWにおいて、非接触通信メディアから、メディア構成情報を、低速通信により読み出すことで、そのメディア構成情報に基づいて、非接触通信メディアにとって適切な無線電力伝送、及び、高速通信を行うことが可能となる。
【0289】
なお、RW200は、低速通信によって取得する、RW200に近接している非接触通信メディア100又は101のメディア構成情報に基づいて、RW200に近接している非接触通信メディア100又は101の無線電力伝送方式をサポートしているかどうかをチェックし、サポートしている場合には、無線電力伝送を行い、サポートしていない場合には、無線電力伝送(、及び、高速通信)を行わない。
【0290】
また、RW200は、低速通信によって取得する、RW200に近接している非接触通信メディア100又は101のメディア構成情報に基づいて、RW200に近接している非接触通信メディア100又は101の高速通信方式をサポートしているかどうかをチェックし、サポートしている場合には、高速通信を行い、サポートしていない場合には、高速通信を行わない。
【0291】
したがって、非接触通信メディア100又は101と、RW200とが近接した場合に、メディア構成情報を、非接触通信メディア100又は101から送信し、RW200で受信する低速通信は、無線電力伝送、及び、高速通信を行うかどうかの、いわばインテリジェンススイッチとして機能する、ということができる。
【0292】
ここで、非接触通信メディア100(図2)のメディア制御用CPU110、非接触通信メディア101(図4)のメディア制御用CPU1110、及び、RW200のRW制御用CPU210は、上述した各処理を、プログラムを実行することで行うが、このプログラムは、リムーバブル記録媒体からインストールすることや、インターネット上のサイトや、放送波等からダウンロードしてインストールすること等が可能である。
【0293】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0294】
100,101 非接触通信メディア, 110 メディア制御用CPU, 111 不揮発メモリ, 112 高速通信スレーブコントローラ, 113 高速通信アンテナ, 120 低速通信チップ, 121 低速通信アンテナ, 130 電力受信制御部, 131 電力受信アンテナ, 200 RW, 210 RW制御用CPU, 220 高速通信マスタコントローラ, 221 高速通信アンテナ221, 225 高速通信マスタコントローラ, 226 高速通信アンテナ221, 230 低速通信コントローラ, 231 低速通信アンテナ, 240 電力送信制御部, 241 電力送信アンテナ, 245 電力送信制御部, 246 電力送信アンテナ, 290 上位機器, 300 カード底部材, 310 メディア制御基板, 1110 メディア制御用CPU, 1111 不揮発メモリ, 1112 高速通信スレーブコントローラ, 1113 高速通信アンテナ, 1120 低速通信チップ, 1121 低速通信アンテナ, 1130 電力受信制御部, 1131 電力受信アンテナ, 1300 カード底部材, 1310 メディア制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、
前記第2の通信を行うための電力の供給を受けるスレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、
前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段と
を備え、
前記第1のマスタ通信手段は、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、
前記電力送信手段は、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、
前記第2のマスタ通信手段は、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、
前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段は、前記無線電力伝送を停止する
通信装置。
【請求項2】
前記第1のマスタ通信手段は、前記第1の通信により、
前記スレーブ通信装置との間で、相互認証を行い、
前記相互認証の成功後に、前記スレーブ通信装置から、前記構成情報を受信する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記構成情報は、前記スレーブ通信装置が行う第2の通信に関する通信情報を、さらに含み、
前記通信情報に基づいて、前記第2のマスタ通信手段が、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を行うことが可能であると判定された場合、前記電力送信手段による無線電力伝送、及び、前記第2のマスタ通信手段による第2の通信を開始する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信情報は、前記スレーブ通信装置が行う第2の通信の通信方式、又は、前記スレーブ通信装置が第2の通信に用いるアンテナの配置状態の情報を含む
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記構成情報は、前記スレーブ通信装置が無線電力伝送によって電力の供給を受ける無線電力伝送に関する無線電力伝送情報を、さらに含み、
前記無線電力伝送情報に基づいて、前記電力送信手段が、前記スレーブ通信装置に対して、無線電力伝送による電力の供給を行うことが可能であると判定された場合、前記電力送信手段による無線電力伝送、及び、前記第2のマスタ通信手段による第2の通信を開始する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記無線電力伝送情報は、前記スレーブ通信装置が電力の供給を受ける無線電力伝送の無線電力伝送方式、又は、前記スレーブ通信装置が前記無線電力伝送によって電力の供給を受けるのに用いるアンテナの配置状態の情報を含む
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、
前記第2の通信を行うための電力の供給を受けるスレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、
前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段と
を備える通信装置の、
前記第1のマスタ通信手段が、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、
前記電力送信手段が、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、
前記第2のマスタ通信手段が、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、
前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段が、前記無線電力伝送を停止する
ステップを含む通信方法。
【請求項8】
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、
前記第2の通信を行うための電力を供給するマスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段と
を備え、
前記第1のスレーブ通信手段は、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、
前記電力受信手段は、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、
前記第2のスレーブ通信手段は、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する
通信装置。
【請求項9】
前記第1のスレーブ通信手段は、前記第1の通信により、
前記マスタ通信装置との間で、相互認証を行い、
前記相互認証の成功後に、前記マスタ通信装置に、前記構成情報を送信する
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記構成情報は、前記通信装置が行う第2の通信に関する通信情報を、さらに含み、
前記通信情報は、前記通信装置が行う第2の通信の通信方式、又は、前記通信装置が第2の通信に用いるアンテナの配置状態の情報を含む
請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記構成情報は、前記通信装置が無線電力伝送によって電力の供給を受ける無線電力伝送に関する無線電力伝送情報を、さらに含み、
前記無線電力伝送情報は、前記通信装置が電力の供給を受ける無線電力伝送の無線電力伝送方式、又は、前記通信装置が前記無線電力伝送によって電力の供給を受けるのに用いるアンテナの配置状態の情報を含む
請求項8に記載の通信装置。
【請求項12】
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、
前記第2の通信を行うための電力を供給するマスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段と
を備える通信装置の、
前記第1のスレーブ通信手段が、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、
前記電力受信手段が、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、
前記第2のスレーブ通信手段が、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する
ステップを含む通信方法。
【請求項13】
電力を供給するマスタ通信装置と、
電力の供給を受けるスレーブ通信装置と
を備え、
前記マスタ通信装置は、
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、
前記スレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、
前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段と
を有し、
前記第1のマスタ通信手段は、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、
前記電力送信手段は、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、
前記第2のマスタ通信手段は、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、
前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段は、前記無線電力伝送を停止し、
前記スレーブ通信装置は、
前記第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、
前記第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、
前記マスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段と
を有し、
前記第1のスレーブ通信手段は、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、
前記電力受信手段は、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、
前記第2のスレーブ通信手段は、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する
通信システム。
【請求項14】
電力を供給するマスタ通信装置と、
電力の供給を受けるスレーブ通信装置と
を備え、
前記マスタ通信装置は、
第1の通信速度での近接通信である第1の通信を行う第1のマスタ通信手段と、
前記第1の通信速度より高速の第2の通信速度での近接通信である第2の通信を行う第2のマスタ通信手段と、
前記スレーブ通信装置が、前記第2の通信を行うための電力を、無線電力伝送によって送信する電力送信手段と、
前記無線電力伝送によって、前記スレーブ通信装置に供給される電力を監視する監視手段と
を有し、
前記スレーブ通信装置は、
前記第1の通信を行う第1のスレーブ通信手段と、
前記第2の通信を行う第2のスレーブ通信手段と、
前記マスタ通信装置からの無線電力伝送によって送信されてくる、前記第2の通信を行うための電力を受信する電力受信手段と
を有する
通信システムの、
前記マスタ通信装置において、
前記第1のマスタ通信手段が、前記第1の通信によって、前記スレーブ通信装置から、前記スレーブ通信装置が第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を受信し、
前記電力送信手段が、前記スレーブ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記無線電力伝送を開始し、
前記第2のマスタ通信手段が、前記無線電力伝送が開始された後に、前記スレーブ通信装置との間で、前記第2の通信を開始し、
前記監視手段が監視している電力が、前記最大消費電力から設定される閾値を超える場合、前記電力送信手段が、前記無線電力伝送を停止する
ステップと、
前記スレーブ通信装置において、
前記第1のスレーブ通信手段が、前記第1の通信によって、前記第2の通信で消費する最大消費電力を含む構成情報を、前記マスタ通信装置に送信し、
前記電力受信手段が、前記マスタ通信装置との間で、前記第1の通信が開始された後に、前記マスタ通信装置からの送信が開始される電力を受信し、
前記第2のスレーブ通信手段が、前記電力受信手段によって受信された電力によって動作を開始し、前記マスタ通信装置との間で、前記第2の通信を開始する
ステップと
を含む通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−204122(P2011−204122A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72502(P2010−72502)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】