説明

通信装置、通信装置の制御方法およびプログラム

【課題】 通信相手にデータを送信し、所定の処理をさせるために、ユーザは通信装置を通信相手に近付けるだけでなく、通信装置のUI上でもデータの指示をしなければならず、データを送信する際のユーザの操作が煩雑になってしまっていた。
【解決手段】 データの種類と、通信装置および通信相手が有するアプリケーションとに基づいてデータを送信するための送信アプリケーションを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信アプリケーションの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信装置であるPC(Personal Computer)からプリンタに画像データを送信して印刷させる際には、ユーザはPCのUI(User Interface)を用いて画像データを指定し、さらに印刷を指示していた。PCはユーザからの印刷指示に従って、印刷のための送信アプリケーションを起動し、プリンタに画像データを送信していた(特許文献1)。また、PCからメモリカードに画像データを送信して保存させる際には、ユーザはPCのUIを用いて画像データを指定し、さらに保存を指示していた。PCはユーザからの保存指示に従って、保存の送信アプリケーションを起動し、メモリカードに画像データを送信していた。
【0003】
一方、電磁誘導を利用した非接触IC(Integrated Circuit)カード無線通信やNFC(Near Field Communcation)、誘導電界を利用したTransfer JET(登録商標)といった通信方式がある。これらの通信方式では、通信装置間を近付けることで、接続を確立することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−152514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電磁誘導や誘導電界を利用した通信を行う場合、接続を確立するためにユーザは通信装置を通信相手に近付ける必要がある。例えば、プリンタで印刷する場合、ユーザは通信装置をプリンタに近付けて接続を確立する。しかしながら、従来技術を適用すると、ユーザはUIを用いてデータの印刷を指示した後に、接続を確立するために通信装置をプリンタに近付けることになる。このように、通信相手にデータを送信し所定の処理をさせるためには、ユーザが通信装置のUI上で所定の処理の指示を行った上で、通信装置を通信相手に近付けなければならず、ユーザの操作が煩雑であった。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、通信装置と通信相手との間でデータを送受信する際、ユーザの操作を簡便にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の通信装置は、前記通信装置と通信相手との間でデータを送受信するために前記通信相手が実施可能な機能に関する情報を前記通信相手から取得する第1の取得手段と、前記データの種類と、前記第1の取得手段により取得した前記情報と、前記通信装置が実施可能な機能とに基づいて、前記データを送信するための送信アプリケーションを決定する決定手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データの種類と、通信装置が有するアプリケーションと、通信相手が有するアプリケーションとに基づいて通信アプリケーションを決定し、データを送受信するので、ユーザはデータの送受信を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】通信システムの構成図である。
【図2】携帯電話およびプリンタのハードウェア構成を示す図である。
【図3】対応表を示す図である。
【図4】表示部に表示する例を示す図である。
【図5】携帯電話が実行するフローチャートおよびプリンタが実行するフローチャートである。
【図6】携帯電話が実行するフローチャートおよびプリンタが実行するフローチャートである。
【図7】携帯電話およびプリンタのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に、本実施形態における通信システム構成を示す。101は、誘導電界を利用した通信(例えば、Transfer Jet)により、通信対象データ(以下、データ)の送受を実施可能である通信装置としての携帯電話である。携帯電話101はデータを通信相手に送信する通信アプリケーションとしての送信アプリケーション(以下、送信アプリ)を有する。具体的には、送信したデータを通信相手に保存させるための転送用送信アプリと、表示させるための表示用送信アプリとを有する。さらに、携帯電話101は送信したデータを通信相手に印刷させるための印刷用送信アプリを有する。印刷用送信アプリは、表計算ソフト形式またはワープロ形式のデータについては、データの形式を印刷形式に変換して送信する。なお、印刷用送信アプリは、データの形式を変換せずにそのままの形式で送信することもできる。また、この印刷用送信アプリは、画像形式のデータを印刷形式のデータに変換することができず、画像形式のデータについてはデータの形式を変換せずにそのままの形式で送信する。さらに、携帯電話101は動画形式のデータを通信相手にストリーミング送信し、ストリーミング送信したデータを通信相手に表示させるためのストリーミング用送信アプリを有する。
【0011】
102は、誘導電界を利用した通信を行う携帯電話101の通信相手としてのプリンタである。プリンタ102は、データを通信相手から受信する通信アプリケーションとしての受信アプリケーション(以下、受信アプリ)を有する。具体的には、表計算ソフト形式、ワープロ形式、画像形式または印刷形式のデータを通信相手から受信し、印刷する印刷用受信アプリを有する。印刷用受信アプリは、表計算ソフト形式、ワープロ形式および画像形式のデータを印刷形式のデータに変換して、印刷することができる。なお、印刷用受信アプリは、印刷用送信アプリを用いて送信されたデータを受信することができるが、転送用送信アプリやストリーミング用送信アプリを用いて送信されたデータを受信することはできない。
【0012】
103は、誘導電界を利用した通信を行う携帯電話101の通信相手としてのディスプレイである。ディスプレイ103は、動画形式のデータを通信相手から受信し、ストリーミング再生するストリーミング用受信アプリを有する。なお、ストリーミング用受信アプリは、ストリーミング用送信アプリを用いて送信されたデータを受信できる。さらに、ディスプレイ103は、表示用送信アプリを用いて送信されたデータを受信し、表示させるための表示用受信アプリを有する。104は、誘導電界を利用した通信を行う携帯電話101の通信相手としてのパーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)である。PC104において、起動または停止させるアプリケーションをユーザが選択できる。なお、本実施形態においてアプリケーション(以下、アプリ)とは通信装置上で実行され、所定の機能を実現するためのソフトウェアである。
【0013】
図2(a)に携帯電話101のハードウェア構成を示す。201は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される制御部である。制御部201は、後述する記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行する。202は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)といったメモリ等から構成される記憶部である。記憶部202は後述するプログラム230および各種データ等を記憶している。さらに、記憶部202は転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリを記憶している。さらに、記憶部202は送信ファイルの種類(表計算ソフト形式、ワープロ形式、画像形式、動画形式)と送信アプリを対応させた図3に示すような対応表301を記憶している。対応表301を用いることによって、送信ファイルの種類に適した送信アプリを抽出することができる。
【0014】
ここでは、画像形式のファイルは保存、印刷および表示のために送信されるが、ストリーミング送信はできない。従って、対応表301において、送信対象のファイルが画像形式の場合には転送用、印刷用および表示用送信アプリが送信アプリの候補となるが、ストリーミング用送信アプリは候補にならない。一方、動画形式のファイルは保存、ストリーミングおよび表示のために送信されるが、印刷のためには送信されない。従って、対応表301において、動画形式の場合には転送用、ストリーミング用および表示用送信アプリは送信アプリの候補となるが、印刷用送信アプリは候補にならない。表計算ソフト形式およびワープロ形式においても、同様である。このような対応表301を用いることによって、送信ファイルの種類に適した送信アプリを抽出することができる。また、ファイルの種類に適していない送信アプリを用いてファイルを送信してしまうことを防ぐことができる。
【0015】
203は、表示器等から構成される表示部である。表示部203は送信ファイルをユーザに選択させるために、例えば図4に示すような表示を行う。204は、操作キー等から構成される操作部である。操作部204を介してユーザは記憶部202に記憶されたデータの中から受信装置に送信するデータ(以下、送信ファイル)を選択することができる。なお、表示部203と操作部204とを、例えばタッチパネル等で構成し、一体型としてもよい。205は、ユーザが操作部204を介して送信ファイルを選択したか否かを判定する判定部である。206は、送信ファイルの種類に基づいて送信ファイルを送信するために用いるアプリの候補を抽出する抽出部である。207は、誘導電界を利用した通信を行う通信部である。また、通信部207は誘導電界を利用した通信を確立できるか否かの判定および誘導電界を利用した通信を用いて受信装置との接続も行う。208は、通信部207を介して受信装置に対して通信アプリ能力要求を送信する要求部である。通信アプリ能力要求とは、受信装置が有するアプリの情報を取得するための要求である。例えば、通信アプリ能力要求を受信したプリンタ102は、プリンタ102が印刷用受信アプリを有していることを、後述する通信アプリ能力情報として携帯電話101に通知する。これにより、携帯電話101はプリンタ102が実施可能な機能を認識することができる。209は、通信アプリ能力要求に応答して受信装置から通知された通信アプリ能力情報を、通信部207を介して取得する取得部である。通信アプリ能力情報とは、受信装置が有するアプリの情報である。例えば、プリンタ102が印刷用受信アプリを有していることを示す情報である。さらに、「印刷用受信アプリが、表計算ソフト形式、ワープロ形式および画像形式のデータを印刷形式のデータに変換して、印刷することができる」といった付加的な情報が含まれていてもよい。210は、送信ファイルの送信アプリおよび受信アプリを決定する決定部である。211は、決定部210がアプリを決定したか否かを判断する判断部である。212は、決定部210が決定した受信アプリを起動するよう、通信部207を介して受信装置に指示する指示部である。213は、決定部210が決定した送信のためのアプリを起動する起動部である。214は、起動部213が起動したアプリを終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する切断部である。
【0016】
図2(b)にプリンタ102のハードウェア構成を示す。251は、CPU等から構成される制御部である。制御部251は、後述する記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行する。252は、RAMおよびROMといったメモリ等から構成される記憶部である。記憶部252は後述するプログラムおよび印刷用受信アプリを記憶している。253は、誘導電界を利用した通信を行う通信部である。254は、通信アプリ能力要求を、通信部253を介して受信する要求受信部である。255は通信部253を介して、プリンタ102が有する通信アプリの情報を送信装置に通知する通知部である。256は通信部253を介して、送信装置からのアプリ起動の指示を受付ける指示受付部である。257は、指示受付部256を介して受付けた指示に基づいてアプリを起動する起動部である。258は、起動部257が起動したアプリを終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する切断部である。なお、上述したハードウェア構成の一部をソフトウェアにて構成するようにしてもよい。
【0017】
ディスプレイ103およびPC104もプリンタ102と同様のハードウェア構成を有しているが、記憶部が記憶する内容が異なっている。即ち、ディスプレイ103の記憶部は、後述するプログラムおよびストリーミング用受信アプリ、表示用受信アプリを記憶している。また、PC104の記憶部は、後述するプログラムおよび転送用受信アプリ、ストリーミング用受信アプリ、表示用受信アプリを記憶している。なお、PC104では動画再生アプリ、画像ビューワーのそれぞれをユーザの操作により動作中とするか停止状態とするかを切り替えることができる。動画再生アプリは、ストリーミング用受信アプリにより受信した動画形式のデータを再生することができる。また、画像ビューワーは、表示用受信アプリにより受信した各種データを表示することができる。
【0018】
本実施形態において、携帯電話101は送信装置として動作し、プリンタ102、ディスプレイ103およびPC104は受信装置として動作する。ここでは、プリンタ102を受信装置として動作させた場合を例に説明する。図5(a)に制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実行するフローチャートを示す。また、図5(b)に制御部251が記憶部252に記憶されたプログラムを読み出して実行するフローチャートを示す。なお、本実施形態においては、携帯電話101とプリンタ102との間で誘導電界を利用して送信データの送受信を行う前に、送信ファイルを選択する。
【0019】
ステップS501において、携帯電話101の制御部201の指示により判定部205は、ユーザにより送信ファイルが選択されたか否かを判定する。送信ファイルが選択されたと判定された場合はステップS502に進み、選択されていない場合はステップS501の判定を繰り返す。ここでは、ユーザは画像形式のデータであるpicture003.jpgを選択する。次にステップS502において、制御部201の指示により抽出部206は、送信ファイルの種類に基づいて送信ファイルを送信するために用いる送信アプリの候補を抽出する。ここで、携帯電話101は送信アプリとして、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリを有している。また、送信ファイルとして画像形式のデータが選択されている。そこで、抽出部206は図3に示す対応表301を参照して、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリの中から、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリおよび表示用送信アプリを抽出する。このようにして、送信ファイルの種類に応じて、データの送信に適した送信アプリを抽出することができる。なお、携帯電話101の有する印刷用送信アプリでは画像形式のデータを印刷形式のデータに変換することはできない。次に、ステップS503において、制御部201の指示により通信部207は、誘導電界を利用した通信を確立できるか否かを判定する。通信を確立できた(即ち、接続が完了した)場合には、ステップS504に進む。ここでは、ユーザが送信ファイルを選択した後に、携帯電話101とプリンタ102とを近付けることによって、誘導電界を利用した通信を確立できるようになるものとする。ステップS504において、制御部201の指示により要求部208は、通信部207を介して受信装置(ここでは、プリンタ102)に対して通信アプリ能力要求を送信する。
【0020】
プリンタ102の制御部251の指示により要求受信部254は、ステップS551において、送信装置(ここでは、携帯電話101)から送信された通信アプリ能力要求を、通信部253を介して受信する。次にステップS552において、制御部251の指示により通知部255は通信部253を介して、プリンタ102が有する通信アプリ能力情報を送信装置(ここでは、携帯電話101)に通知する。ここでは、プリンタ102が印刷用受信アプリを有していることを通知部255は携帯電話101に通知する。また、印刷用受信アプリが表計算ソフト形式、ワープロ形式および画像形式のデータを印刷形式のデータに変換して印刷することができること(以下、データの変換に関する情報)を、通知部255は携帯電話101に通知する。
【0021】
携帯電話101の制御部201の指示により取得部209は、ステップS505において、通信アプリ能力要求に応答して受信装置(ここでは、プリンタ102)から通知された通信アプリ能力情報を、通信部207を介して取得する。なお、通信アプリ能力情報を取得する取得部(第1の取得部)とは異なる第2の取得部を設け、第2の取得部がデータの変換に関する情報を取得するようにしてもよい。この場合、プリンタ102は、通信アプリ能力情報とは別にデータの変換に関する情報を通知する。このようにして、携帯電話101はプリンタ102が有する機能を認識することができる。次に、ステップS506において、制御部201の指示により決定部210は、ステップS502において抽出されたアプリとステップS505において取得されたアプリの情報とに基づいて、起動する送信アプリおよび起動させる受信アプリを決定する。ここでは、ステップS502において転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ(画像形式のデータを印刷形式のデータに変換することはできない)および表示用送信アプリが抽出されている。また、ステップS505において、プリンタ102が印刷用受信アプリを有しており、表計算ソフト形式、ワープロ形式および画像形式のデータを印刷形式のデータに変換して、印刷することができることを携帯電話101は認識している。ここで、携帯電話101が転送用送信アプリまたは表示用送信アプリを用いて画像形式のデータを送信したとしても、プリンタ102の印刷用受信アプリではデータを受信することができない。しかし、携帯電話101が印刷用送信アプリを用いて画像形式のデータを送信した場合、プリンタ102の印刷用受信アプリは画像形式のデータを受信することができる。また、プリンタ102の印刷用受信アプリは画像形式のデータを受信し、受信したデータを印刷形式のデータに変換し、印刷することができる。従って、ここでは携帯電話101は印刷用送信アプリを起動し、プリンタ102には印刷用受信アプリを起動させることに決定する。このようにして、プリンタ102が有する機能と送信ファイルの種類とに応じて、送信ファイルに対して実行する処理(ここでは、印刷)が決定され、さらに、実行する処理に対応したアプリ(ここでは、印刷用送信アプリおよび印刷用受信アプリ)が選択される。
【0022】
なお、例えば、送信ファイルがワープロ形式のデータであった場合、携帯電話101でもプリンタ102でも印刷形式のデータに変換可能である。このような場合には、携帯電話101が印刷形式のデータに変換した後にデータを送信する。また、これに代えてワープロ形式のデータを受信したプリンタ102が印刷形式のデータに変換するようにしてもよい。また、例えば、通信アプリ能力情報中にプリンタ102が商用電源を用いて駆動しているといった情報を含ませるようにする。そして、携帯電話101が電池駆動しており、プリンタ102が商用電源を用いて駆動(以下、商用電源駆動)している場合には、商用電源駆動であるプリンタ102が印刷形式のデータに変換する。これにより、携帯電話101が印刷形式のデータに変換する場合と比べ、携帯電話101を省電力とすることができる。即ち、携帯電話101の電池の減りを軽減することができる。また、携帯電話101が商用電源駆動しており、プリンタ102が電池駆動している場合には、商用電源駆動である携帯電話101が印刷形式のデータに変換する。これにより、プリンタ102が印刷形式のデータに変換する場合と比べ、プリンタ102を省電力とすることができる。即ち、プリンタ102の電池の減りを軽減することができる。また、携帯電話101とプリンタ102とが共に商用電源駆動または電池駆動であった場合には、プリンタ102が印刷形式のデータに変換する。これにより、携帯電話101が印刷形式のデータに変換する場合と比べ、携帯電話101を省電力とすることができる。また、これに代えて、通信アプリ能力情報中にプリンタ102のメモリ(RAM)空き容量を含ませるようにし、メモリ空き容量の多い装置が印刷形式のデータに変換するようにしてもよい。これにより、印刷形式へのデータ変換速度が向上する。なお、通信アプリ能力情報を取得する取得部(第1の取得部)とは異なる第2の取得部を設け、第2の取得部が、プリンタ102のメモリ(RAM)空き容量を取得するようにしてもよい。この場合、プリンタ102は、通信アプリ能力情報とは別にプリンタ102のメモリ(RAM)空き容量を通知する。
【0023】
なお、起動するアプリが決定されない場合もある。例えば、ステップS502において送信装置の転送用送信アプリのみが抽出されており、受信装置が印刷用受信アプリのみを有している場合には、データの送受信を行うことができないので、起動するアプリが決定されない。また、例えば、送信装置の印刷用送信アプリが抽出されており、受信装置が印刷用受信アプリを有しているが、どちらも送信ファイルのデータを印刷形式のデータに変換できない場合には、印刷することができないため、起動するアプリが決定されない。このようにして、送信したファイルのデータを印刷形式のデータに変換できないことに起因するエラーの発生を防止することができる。また、送信装置と受信装置との間でデータの送受信が可能なアプリの組合せが存在しない場合には、起動するアプリが決定されない。これにより、データの送受信が不可能なアプリの組合せが起動してしまうことを防止し、エラーの発生を抑えることができる。
【0024】
ステップS507において、制御部201の指示により判断部211は、ステップS506において決定部210が起動するアプリを決定したか否かを判断する。アプリが決定している場合にはステップS509に進み、決定していない場合にはステップS508に進む。ここでは、携帯電話101は印刷用送信アプリを起動し、プリンタ102には印刷用受信アプリを起動させることを決定しているので、ステップS509に進む。ステップS508において、制御部201の指示により表示部203は通信アプリを実行できない旨のエラーを表示(報知)し、ステップS512に進む。なお、表示に限らずエラーを音声やLEDの点滅等で報知してもよい。これにより、ユーザは送信ファイルを通信相手に送信できないことを知ることができるので、ユーザの利便性が向上する。なお、再びステップS501に戻り、ユーザに送信ファイルの選択を再度促す構成としてもよい。ステップS509において、制御部201の指示により指示部212は、ステップS506において決定部210が決定した受信アプリを起動するよう、通信部207を介して受信装置に指示する。ここでは、指示部212は印刷用受信アプリを起動するようにプリンタ102に指示する。
【0025】
プリンタ102の制御部251の指示により指示受付部256は、ステップS553において、通信部253を介して送信装置からアプリ起動の指示を受付ける。ここでは、指示受付部256は携帯電話101から印刷用受信アプリ起動の指示を受付ける。なお、携帯電話101から起動の指示は無くとも、指示受付部256が受信アプリの情報を受付けた場合には、プリンタ102は該受信アプリを起動する指示と見なすようにしてもよい。ステップS554において、制御部251の指示により起動部257は、指示受付部256を介して受信した指示に基づいてアプリを起動する。ここでは起動部257は印刷用受信アプリを起動する。
【0026】
携帯電話101の制御部201の指示により起動部213は、ステップS510において、ステップS506において決定部210が決定した送信アプリを起動する。ここでは、起動部213は印刷用送信アプリを起動する。ステップS511において、制御部201の指示により起動したアプリは、送信ファイルを受信装置に送信する。なお、制御部201の指示により表示部203は、送信ファイルの送信と共に起動した送信アプリに応じた表示を行うようにしてもよい。例えば、印刷用送信アプリを起動した場合、印刷中である旨の表示を行う。また、例えば転送用送信アプリを起動した場合、ファイルを転送中である旨の表示を行う。このように、起動した送信アプリに応じた表示を行うことで、ユーザはどのような通信が行われているかを知ることができ、利便性が向上する。また、ファイルの送信中にユーザにより通信を中断できるようにしてもよい。これにより、ユーザはファイルの送信完了を待つことなく通信を中断できるので、利便性が向上する。送信ファイルを受信装置に送信し終えると、ステップS512に進む。ここでは、印刷用送信アプリが画像形式のデータであるpicture003.jpgをプリンタ102に送信し、送信し終えるとステップS512に進む。なお、印刷用送信アプリはページ設定等の印刷に必要な情報もプリンタ102に送信する。
【0027】
プリンタ102の制御部251の指示により受信アプリは、ステップS555において、送信装置から送信されたデータを受信する。ここでは、印刷用受信アプリが、携帯電話101から送信されたデータを受信する。さらに、受信したデータは画像形式のデータであるので、印刷用受信アプリは受信したデータを印刷形式のデータに変換して印刷する。データの受信を終了すると、ステップS556に進み、制御部251の指示により切断部258は、ステップS554で起動した印刷用受信アプリを終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する。
【0028】
携帯電話101の制御部201の指示により切断部214は、ステップS512において、ステップS510において起動部213が起動したアプリを終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する。ここでは、切断部214は印刷用送信アプリを終了し、プリンタ102との誘導電界を利用した通信を切断する。
【0029】
上述のようにして、通信装置がデータの送信アプリと受信アプリとを決定し、通信装置および通信相手でアプリを起動するように動作するので、データの送受信を簡便に行うことができる。
【0030】
上述の実施例においては、ユーザは1つの送信ファイルを選択した。しかし、ユーザが複数の送信ファイルを選択できるようにしてもよい。例えばユーザが画像形式のデータであるpicture002.jpgおよびpicture003.jpgを選択した場合、印刷用送信アプリと印刷用受信アプリとを起動する。そして、印刷用送信アプリは複数のファイルを送信し、印刷用受信アプリは複数のファイルを受信する。このように、複数のファイルを一度に送信することで、ユーザの利便性を向上することができる。
【0031】
<第2実施形態>
実施形態1において、プリンタ102は印刷用受信アプリを有していた。本実施形態においては、プリンタ102は印刷用受信アプリに加え、データを通信相手から受信し、メモリカード等の記憶媒体に保存する転送用受信アプリを有している。
【0032】
ここでも、ステップS501において、ユーザが送信ファイルとしてpicture003.jpgを選択するものとする。この場合、送信アプリとして印刷用送信アプリを、受信アプリとして印刷用受信アプリを起動しても、送信アプリとして転送用送信アプリを、受信アプリとして転送用受信アプリを起動してもデータを送受信できる。ここでは、携帯電話101の記憶部202に転送よりも印刷の優先度が高いことが記憶されている。ステップS506において、決定部210は記憶部202に記憶された優先度に従って、送信アプリとして印刷用送信アプリを、受信アプリとして印刷用受信アプリを起動させることを決定する。しかし、これに限らず優先度を設定せず組合せ可能なアプリを順次実行するようにしてもよい。例えば、転送の後に印刷するようにすればよい。また、データを転送してメモリカードに保存した後に、メモリカードからデータを読み出して印刷させるようにしてもよい。上述のようにすることで、データを送受信可能なアプリの組合せが複数あったとしても、ユーザが送信アプリおよび受信アプリを起動させることなく、データを送信することができるので、ユーザはデータの送受信を簡便に行うことができる。
【0033】
また、例えばステップS501において、ユーザが画像形式のデータであるpicture003.jpgおよび動画形式のデータであるmovie001.mpgを選択する。この場合、ステップS506において、それぞれについて、送信アプリおよび受信アプリを決定する。即ち、転送よりも印刷の優先度が高くなるように設定されている場合には、ステップS510において印刷用送信アプリを、およびステップS554において印刷用受信アプリを起動し、picture003.jpgを送受信する。その後、ステップS510において転送用送信アプリを、およびステップS554において転送用受信アプリを起動し、movie001.mpgを送受信する。これにより、種類の異なるデータが選択されたとしても、ユーザは送信アプリおよび受信アプリを手動で起動させることなくデータを送信することができるので、ユーザはデータの送受信を簡便に行うことができる。
【0034】
また、プリンタ102にセットされている印刷用紙サイズや枚数を通信アプリ能力情報に含ませる。そして、ステップS506において印刷用送信アプリでファイルを送信することが決定されたが、選択されたファイルの全てを印刷できないとする。この場合、ステップS506とステップS507の間において、表示部203はファイル送信前にユーザに全て印刷できない旨を表示する。これにより、ユーザは選択した全ての画像形式のデータを印刷することができないことをファイル送信前に知ることができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0035】
また、通信アプリ能力情報にプリンタ102のメモリ(RAM)空き容量を含ませる。そして、ステップS506において印刷用送信アプリでファイルを送信することが決定し、ステップS506とステップS507の間において、制御部201により、選択された複数のファイルの合計容量よりもメモリ空き容量が大きいと判定されたとする。この場合には、ステップS509において、選択された複数のファイルをプリンタ102にまとめて送信してメモリに記憶させ、メモリに記憶したファイルを印刷するよう指示する。これにより、データの送信がまとめて行われるため、通信時間を短縮することができる。また、制御部201により、選択された複数のファイルの合計容量よりもメモリ空き容量が小さいか同じと判定された場合には、選択された複数のファイルを順次、プリンタ102送信するようにする。これにより、プリンタ102のメモリ空き容量が小さい場合であっても複数のファイルを送信することができる。
【0036】
また、受信装置がディスプレイ103であり、ステップS501において、ユーザが動画形式のデータであるmovie001.mpgを選択したとする。この場合、ステップS502において、抽出部206は転送用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリを抽出する。また、ステップS505において、取得部209は受信装置がストリーミング用受信アプリを有していることを取得する。次に、ステップS506において、決定部210は、携帯電話101はストリーミング用送信アプリを起動し、ディスプレイ103にはストリーミング用受信アプリを起動させることを決定する。
【0037】
さらに、ディスプレイ103が携帯電話101から送信されたデータを受信し、メモリカードに保存する転送用受信アプリをさらに有していた場合、通信アプリ能力情報にメモリカードのメモリ空き容量を含ませる。ステップS506において、制御部201により、メモリカードのメモリ空き容量が、携帯電話101が送信するデータの容量と比較して不足していると判定されたとする。この場合、決定部210は転送用送信アプリおよび転送用受信アプリを起動せず、ストリーミング用送信アプリおよびストリーミング用受信アプリを起動することを決定する。また、ステップS506とステップS507の間において、メモリカードのメモリ空き容量が、携帯電話101が送信するデータの容量と比較して不足していないと判定されたとする。この場合には、ステップS506において、転送用送信アプリおよび転送用受信アプリを起動し、メモリカードにデータを保存することを決定する。これによって、メモリカードのメモリ空き容量に応じて起動するアプリを変更するので、ユーザの利便性が向上する。
【0038】
また、ステップS501において送信ファイルが選択されると、制御部201は携帯電話101が送信するデータの容量に基づいて、該データをストリーミング送信する際にかかる送信時間を算出する。そして、ステップS506では、算出された送信時間と携帯電話101の電池残量とに基づいて、転送用送信アプリを用いてデータを転送するか、ストリーミング用送信アプリを用いてデータをストリーミング送信するかを決定する。例えば、電池残量が少ない場合には長時間通信しなければならないストリーミング送信ではなく、データを転送することを決定する。これにより、選択されたデータをストリーミング再生し終わることなく電池が切れてしまう場合には、データを転送した後にデータを再生するので、ユーザの利便性が向上する。
【0039】
また、通信アプリ能力情報に通信アプリ能力情報中にディスプレイ103が商用電源または電池を用いて駆動しているといった情報を含ませる。そして、ステップS506において、例えば、ディスプレイ103が商用電源で駆動している場合にはストリーミング送信、ディスプレイ103が電池で駆動している場合にはデータ転送した後にデータを再生することを決定する。なお、通信アプリ能力情報を取得する取得部(第1の取得部)とは異なる第2の取得部を設け、第2の取得部が、ディスプレイ103が商用電源または電池を用いて駆動しているという情報を取得するようにしてもよい。この場合、ディスプレイ103は、通信アプリ能力情報とは商用電源または電池を用いて駆動しているという情報を通知する。
【0040】
また、受信装置がPC104である場合、ユーザは起動または停止させるアプリケーション選択することができる。この場合、ステップS552において、受信装置は動作中のアプリケーションに対応する通信アプリの情報を通信アプリ能力情報に含めて携帯電話101に通知する。例えば、PC104において動画再生アプリが作動している場合には、ストリーミング用受信アプリを有していることを通信アプリ能力情報に含めて携帯電話101に通知する。なお、動画再生アプリが作動していない場合には、ストリーミング用受信アプリを有していることを通信アプリ能力情報に含めない。これにより、受信装置において作動しているアプリケーションに応じて送信装置および受信装置で起動するアプリを決定することができるので、ユーザはデータの送受信を簡便に行うことができる。なお、動画再生アプリが動作中でない場合であっても、ストリーミング用受信アプリを有していることを通信アプリ能力情報に含めるようにしてもよい。そして、ストリーミング用受信アプリを起動するよう送信装置から要求された場合には、動画再生アプリも合わせて起動する。これにより、受信するデータの形式に合わせて、受信したデータを処理するためのアプリも起動するので、ユーザの利便性が向上する。
【0041】
<実施形態3>
実施形態1および2においては、送信装置が通信アプリの決定をした。実施形態3においては、受信装置が通信アプリを決定する。
【0042】
本実施形態における通信システム構成は実施形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
図7(a)に携帯電話101のハードウェア構成を示す。実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。271は、通信アプリ能力要求を、通信部253を介して受信する要求受信部である。272は、通信部207を介して、抽出部206が抽出した通信アプリの情報を受信装置に通知する通知部である。なお、通知部272が、携帯電話101が有する通信アプリの情報を受信装置に通知するようにしてもよい。273は、通信部207を介して、受信装置からのアプリ起動の指示を受付ける指示受付部である。
【0044】
図7(b)にプリンタ102のハードウェア構成を示す。実施形態と同様の部分については同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。291は、通信部253を介して送信装置に対して通信アプリ能力要求を送信する要求部である。292は、通信アプリ能力要求に応答して送信装置から通知された通信アプリ能力情報を、通信部253を介して取得する取得部(実施形態1および2で既出の第1の取得部および第2の取得部とは異なる第3の取得部)である。293は、送信ファイルの送信アプリおよび受信アプリを決定する決定部である。294は、決定部293がアプリを決定したか否かを判断する判断部である。295は表示器等から構成される表示部である。296は、決定部293が決定した送信アプリを起動するよう、通信部253を介して送信装置に指示する指示部である。297は、送信ファイルの種類に基づいて、送信装置が送信ファイルを送信するために用いるアプリの候補を抽出する抽出部である。なお、本実施形態において、プリンタ102の記憶部252は対応表301を記録している。
【0045】
図6(a)に制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを読み出して実行するフローチャートを示す。また、図6(b)に制御部251が記憶部252に記憶されたプログラムを読み出して実行するフローチャートを示す。図6(b)に示されたフローチャートは、携帯電話101とプリンタ102とが通信を確立した際に実行される。
【0046】
ステップS601において、携帯電話101の制御部201の指示により判定部205は、ユーザにより送信ファイルが選択されたか否かを判定する。送信ファイルが選択されたと判定された場合はステップS602に進み、選択されていない場合はステップ6501の判定を繰り返す。ここでは、ユーザは画像形式のデータであるpicture003.jpgを選択する。次にステップS602において、制御部201の指示により通信部207は、誘導電界を利用した通信を確立できるか否かを判定する。通信を確立できた場合には、ステップS603に進む。
【0047】
通信が確立すると、プリンタ102の制御部251の指示により要求部291は、ステップS651において、通信部253を介して送信装置(ここでは、携帯電話101)に対して通信アプリ能力要求を送信する。
【0048】
通信アプリ能力要求を送信された携帯電話101では、ステップS603において、制御部201の指示により要求受信部271は、通信アプリ能力要求を受信する。
【0049】
ステップS604において、制御部201の指示により通知部272は、携帯電話101の有する送信アプリの情報およびステップS601において選択されたファイルの種類を通信アプリ能力情報として、受信装置(ここでは、プリンタ102)に送信する。ここでは、携帯電話101は送信アプリとして、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリを有していること、および画像形式のファイルが選択されていることをプリンタ102に送信する。なお、送信ファイルの種類に基づいて送信ファイルを送信するために用いる送信アプリの候補の情報を通信アプリ能力情報として、受信装置(ここでは、プリンタ102)に通知してもよい。これにより、受信装置は送信ファイルの種類を認識することなく、送信ファイルの種類に適した送信アプリを認識することができるので、受信装置の処理負荷を軽減することができる。
【0050】
プリンタ102の制御部251の指示により取得部292は、ステップS652において、通信アプリ能力情報を取得する。次に、ステップS653において、制御部201の指示により抽出部297は、送信ファイルの種類に基づいて送信装置(ここでは、携帯電話101)が送信ファイルを送信するために用いる送信アプリの候補を抽出する。ここでは、携帯電話101が送信アプリとして、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリを有していることを取得している。また、送信ファイルとして画像形式のデータが選択されていることを取得している。そこで、抽出部297は図3に示す対応表301を参照して、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリ、ストリーミング用送信アプリおよび表示用送信アプリの中から、転送用送信アプリ、印刷用送信アプリおよび表示用送信アプリを抽出する。ステップS654において、決定部293は、プリンタ102が有する受信アプリとステップS653において抽出されたアプリの情報とに基づいて、起動する送信アプリおよび起動させる受信アプリを決定する。ここでは、プリンタ102は印刷用受信アプリを有する。また、ステップS653において、携帯電話101が転送用送信アプリ、印刷用送信アプリおよび表示用送信アプリが抽出されている。従って、ここでは携帯電話101は印刷用送信アプリを起動し、プリンタ102には印刷用受信アプリを起動させることに決定する。なお、送信装置と受信装置との間でデータの送受信が可能なアプリの組合せが存在しない場合には、起動するアプリが決定されない。
【0051】
ステップS655において、制御部251の指示により判断部294は、ステップS654において決定部293が起動するアプリを決定したか否かを判断する。アプリが決定している場合にはステップS657に進み、決定していない場合にはステップS656に進む。ステップS656において、制御部251の指示により表示部295は通信アプリを実行できない旨のエラーを表示し、ステップS660に進む。ステップS657において、制御部251の指示により起動部257は、ステップS654において決定部293が決定した受信アプリを起動する。ここでは、起動部257は印刷用受信アプリを起動する。ステップS658において、制御部251の指示により指示部296は、ステップS654において決定部293が決定した送信アプリを起動するよう、通信部253を介して送信装置に指示する。ここでは、指示部296は印刷用送信アプリを起動するように携帯電話101に指示する。このように、受信アプリを起動した後に送信アプリの起動を指示することで、受信アプリが起動するよりも前に送信アプリがデータを送信していまい、データの受信にエラーが発生する可能性を低減することができる。
【0052】
携帯電話101の制御部201の指示により指示受付部273は、ステップS605において、通信部207を介して受信装置からアプリ起動の指示を受付ける。ステップS606において、制御部201の指示により起動部213は、指示受付部273を介して受信した指示に基づいてアプリを起動する。ここでは起動部213は印刷用送信アプリを起動する。ステップS607において、制御部201の指示により起動したアプリは、送信ファイルを受信装置に送信する。送信ファイルを受信装置に送信し終えると、ステップS608に進む。ここでは、印刷用送信アプリが画像形式のデータであるpicture003.jpgをプリンタ102に送信し、送信し終えるとステップS608に進む。ステップS608において、制御部201の指示により切断部214は、ステップS606において起動部213が起動したアプリを終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する。ここでは、切断部214は印刷用送信アプリを終了し、プリンタ102との誘導電界を利用した通信を切断する。
【0053】
ステップS659において、プリンタ102の制御部251の指示により受信アプリは、送信装置から送信されたデータを受信する。ここでは、印刷用受信アプリが、携帯電話101から送信されたデータを受信する。データの受信を終了すると、ステップS660に進み、制御部251の指示により切断部258は、ステップS657で起動した受信アプリ(ここでは、印刷用受信アプリ)を終了し、通信相手との誘導電界を利用した通信を切断する。
【0054】
上述のようにして、通信装置がデータの送信アプリと受信アプリとを決定し、通信装置および通信相手でアプリを起動するように動作するので、データの送受信を簡便に行うことができる。
【0055】
本発明は前述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
101 携帯電話s
102 プリンタ
103 ディスプレイ
104 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
通信相手が有する機能を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識した前記機能と、送信対象である送信データの種類とに応じて、前記送信データに対して実行する処理を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記認識手段により認識した前記機能と、送信対象である送信データの種類とに応じて、前記通信装置または前記通信相手が実行する処理を決定することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記決定手段により決定した前記通信相手が実行する処理を、前記通信相手に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送信データの種類を前記通信相手から取得する取得手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置または前記通信相手が前記送信データの形式を変換して所定の処理を行う場合、
前記通信相手の電源の種類に応じて、前記送信データの形式を変換する変換手段とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置または前記通信相手が前記送信データの形式を変換して所定の処理を行う場合、
前記通信相手が前記送信データの形式を変換可能か否かに応じて、前記送信データの形式を変換する変換手段とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記認識手段により認識した前記機能と、前記送信データの種類と、前記通信相手のメモリ空き容量とに応じて、前記送信データに対して実行する処理を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記決定手段は、複数の前記送信データのそれぞれについて前記送信データに対して実行する処理を決定することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記決定手段により決定した処理に対応するアプリケーションを選択する選択手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記決定手段により前記通信装置が実行する処理が決定されなかった場合、ユーザにエラーの報知または送信データの選択を促す報知を行う報知手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通信装置は、前記通信相手に送信データを送信する装置であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、前記通信相手から送信データを受信する装置であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置であって、
通信相手が有する機能を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識した前記機能と、通信対象データの種類とに応じて、前記通信対象データに対して所定の処理を実行するアプリケーションを選択する選択手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項14】
通信装置の制御方法であって、
通信相手が有する機能を認識する認識工程と、
前記認識工程において認識した前記機能と、送信対象である送信データの種類とに応じて、前記通信装置が実行する処理を決定する決定手段と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
通信装置の制御方法であって、
通信相手が有する機能を認識し、
前記認識した前記機能と、通信対象データの種類とに応じて、前記通信対象データに対して所定の処理を実行するアプリケーションを選択することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項16】
コンピュータにより実行され、通信装置の制御を行うためのプログラムであって、
請求項14又は請求項15に記載の制御方法を実現するためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−288147(P2010−288147A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141388(P2009−141388)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】