説明

通信装置と通信システムとプログラム

【課題】 通信網内に複数台が設けられた場合に被管理装置との通信によるトラフィックの負荷を低減する。
【解決手段】 機器管理装置1の制御装置10で実現される機能部である機器情報所得部16は、LANの他の機器管理装置から管理対象の画像形成装置のID、アドレスを含む特定情報を取得する。機器情報作成部17は、他の機器管理装置から取得した特定情報と自機器管理装置が管理している管理対象の画像形成装置の特定情報とに基いて、LANの画像形成装置とその画像形成装置を管理する自機器管理装置及び他の機器管理装置とを対応付ける機器関連付情報21を作成する。機器情報更新部18は、記憶装置11に機器関連付情報21を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信網に接続し、前記通信網上の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置と、被管理装置と通信装置とからなる通信システムと、通信装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットを含むネットワーク(「通信網」ともいう)内に存在する複数台の被管理装置を管理する場合、例えば、被管理装置としてファクシミリ装置、プリンタ、複写機、それらの機器の機能を併せ持った複合機を含む画像形成装置を管理する場合、部署毎に画像形成装置のグループを作成し、各グループにそれぞれ管理者を決定し、各管理者がそれぞれ担当するグループ内の画像形成装置をオンサイトで管理する運用方法がある。上述の運用方法に関して、LAN内の複数の画像形成装置がグループ分けされている場合、その各グループをツリー階層構造で表示して一覧できるようにした機器管理システム(例えば、特許文献1参照)があった。
【0003】
また、顧客環境のネットワーク上にある画像形成装置にインターネットを介してアクセスし、その画像形成装置の状態を遠隔で管理する技術が利用されている。
従来、画像形成装置が接続されているLAN内において、インターネットを介してLAN内の画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理装置とコネクションし、遠隔管理装置からLANに設けられたファイアーウォールを経由した管理コマンドを受信すると、画像形成装置から状態情報を収集して遠隔管理装置へ送信する装置(例えば、特許文献2参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、LAN内に複数台の通信装置が設けられた場合、その各通信装置は管理対象の画像形成装置にそれぞれ通信して状態情報を取得することになるので、LAN内で通信のトラフィックの負荷が増大するという問題があった。
例えば、LANには顧客側がそれぞれ独自にLAN内の各画像形成装置を管理するための通信装置に相当する機器管理装置が設置される。
この機器管理装置としては、例えば、LAN内の各画像形成装置を各部署毎に管理するためのものと、IT管理部門によって全画像形成装置の利用状況の把握等の管理のためのものと、LAN内の各画像形成装置の使用目的に応じて複数台が設置される。
【0005】
さらに、LANには、サービス提供側の遠隔管理装置が接続し、顧客側の各画像形成装置の情報を収集して遠隔管理装置へ報告する仲介装置も設置されることがある。
このように、LAN内の各画像形成装置の使用目的に応じて上述した機器管理装置又は仲介装置が複数台設置されることが一般的である。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通信網内に複数台が設けられた場合に被管理装置との通信によるトラフィックの負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記の目的を達成するため、通信網に接続し、通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置であって、通信網内の他の通信装置からその通信装置の通信網での特定情報とその通信装置に管理対象として設定されている被管理装置の通信網での特定情報とを取得する取得手段と、その取得手段によって他の通信装置から取得した通信装置の通信網での特定情報と被管理装置の通信網での特定情報と自通信装置の通信網での特定情報と自通信装置が管理している管理対象の被管理装置の通信網での特定情報とに基いて、通信網の被管理装置とその被管理装置を管理対象とする自通信装置及び他の通信装置とを対応付ける対応付情報を作成する作成手段と、その作成手段によって作成した対応付情報を記憶する記憶手段を備えた通信装置を提供する。
【0007】
また、通信網に被管理装置と通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置とが接続された通信システムであって、その通信装置に、上述の取得手段、作成手段、及び記憶手段を備えた通信システムも提供する。
さらに、通信網に接続し、通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置を制御するコンピュータに、上述の取得手段、作成手段、及び記憶手段にそれぞれ対応する取得機能、作成機能、及び記憶機能を実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0008】
この発明による通信装置と通信システムは、通信網内に複数台が設けられた場合に被管理装置との通信によるトラフィックの負荷を低減することができる。
また、この発明によるプログラムは、通信装置を制御するコンピュータに、通信網内に複数台が設けられた場合に被管理装置との通信によるトラフィックの負荷を低減するための機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図2に示す機器管理装置の構成と共に主要な機能構成を示すブロック図である。
【図2】発明の一実施形態である管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の主要な構成を示す構成図である。
【図4】図2に示す仲介装置の主要な構成を示す構成図である。
【図5】図1に示す管理対象機器情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図6】図1に示す機器関連付情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図7】図1に示す機器管理装置情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図8】図1に示す仲介装置情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図9】図2に示す各機器管理装置が機器関連付情報を作成して管理する処理を示すシーケンス図である。
【図10】図2に示す各機器管理装置が仲介装置から情報を取得してから他の機器管理装置と管理対象機器情報の内容を同期させる処理を示すシーケンス図である。
【図11】図2に示す各機器管理装置間で管理対象機器情報の内容を同期させる処理を示すシーケンス図である。
【図12】図1に示す管理対象機器情報の更新処理の説明に供するデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明の一実施形態である管理システムの構成を示すブロック図である。
実施形態の管理システムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)5内に、機器管理装置1、画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4がそれぞれ複数台通信可能に接続されている。また、各仲介装置4はインターネット6を介して遠隔管理装置7と通信可能に接続されている。
【0011】
この管理システムでは、LAN5内の1〜3の各装置が顧客側のネットワーク環境であり、情報処理装置3が画像形成装置2を利用し、機器管理装置1が画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理する。
また、仲介装置4は画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理し、インターネット6を介して遠隔管理装置7に通知する。
その遠隔管理装置7は、サービス提供側であり、仲介装置4を介して顧客側の画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理し、画像形成装置2における障害発生時にメンテナンスサービス等のサービスを提供する。
【0012】
この実施形態のように機器管理装置1が複数台設置されるのは、例えば、顧客側の部署毎に部署内の画像形成装置2を管理するためのものと、IT管理部署によって全画像形成装置2を一括管理するためのものを分けるためである。
各部署毎には管理者がおり、各管理者はそれぞれの機器管理装置1に管理されている情報を参照することによって部署内の画像形成装置2を管理することができる。この機器管理装置1が管理する情報としては、顧客側のみが利用する独自の情報、例えば、画像形成装置2の設置場所の情報なども含まれる。
【0013】
一方、仲介装置4が複数台設置されるのは、1台の仲介装置4が搭載している記憶装置の記憶容量上の制約により、1台の仲介装置4が管理できる画像形成装置2の数に限りがある場合や、ユーザ環境において1台の仲介装置4の記憶装置の記憶容量以上のデータ量になる多数の画像形成装置2を管理する場合などがある。
上記LAN5は、有線又は無線の通信で1〜4の各装置同士が通信する通信網である。
また、上記インターネット6における通信でも有線又は無線が可能である。
【0014】
この実施形態において、上記画像形成装置2が、LAN5内の被管理装置に相当する。
このLAN5は、顧客側のネットワーク環境であり、イントラネットとも呼ばれる。
また、上記機器管理装置1及び上記仲介装置4が、LAN5内の管理対象として設定された画像形成装置2(被管理装置)の状態情報を取得して管理する通信装置に相当する。
そして、この管理システムは、被管理装置である画像形成装置2と管理する通信装置である機器管理装置1及び仲介装置4とが接続された通信システムに相当する。
なお、この実施形態では、LAN5とインターネット6を用いた場合を説明するが、その他の通信網を用いても同様に実施できる。
【0015】
図1は、図2に示した機器管理装置1の構成と共に主要な機能構成を示すブロック図である。
機器管理装置1は、サーバ機能を備えた通信装置であり、制御装置10、記憶装置11、入力装置12、表示装置13、及び通信装置14を有し、10〜14の各装置はバス15を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
制御装置10は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、機器管理装置1の全体の制御を司り、機器情報取得部16、機器情報作成部17、機器情報更新部18の機能部を備えている。また、図示を省略するが、日時を計測するタイマも備えている。
【0016】
16〜18の各部は、CPUがRAMを作業領域として、記憶装置11に記憶されたプログラムを実行することによって実現される機能部である。
機器情報取得部16は、通信装置14を使用してLAN5に接続し、LAN5内の管理対象として設定された被管理装置である画像形成装置2の状態情報を取得して管理する機能を果たす。
また、LAN5内の他の機器管理装置1又は仲介装置4からそれらのLAN5での特定情報と、それらに管理対象として設定されている被管理装置である画像形成装置2のLAN5での特定情報とを取得する取得手段の機能を果たす。
【0017】
上記特定情報は、LAN5内で(あるいはインターネット6上でも含む)各画像形成装置2をそれぞれ識別するための固有情報であり、識別番号(ID)、MACアドレス、IPアドレスを含む識別情報である。
また、LAN5内であれば、顧客側により、各画像形成装置2にそれぞれ固有に割り当てられた名称を用いても良い。
【0018】
機器情報作成部17は、機器情報取得部16によって取得した他の機器管理装置1又は仲介装置4のLAN5での特定情報と、他の機器管理装置1又は仲介装置4の被管理装置である画像形成装置2のLAN5での特定情報と、自装置のLAN5での特定情報と、自装置が管理している管理対象の被管理装置である画像形成装置2のLAN5での特定情報とに基いて、LAN5の画像形成装置2とその画像形成装置2を管理対象とする自装置及び他の機器管理装置1又は仲介装置4とを対応付ける対応付情報を作成する作成手段の機能を果たす。
【0019】
機器情報更新部18は、機器情報作成部17によって作成した対応付情報を記憶装置11に記憶する制御をする。
また、機器情報更新部18は、記憶装置11に記憶している対応付情報の内容を他の機器管理装置1又は仲介装置4から取得した対応付情報に基いて更新する更新手段の機能も果たす。
さらに、機器情報更新部18は、記憶装置11に記憶している対応付情報に基づいて自機器管理装置1と対応付けられた他の機器管理装置1又は仲介装置4から画像形成装置2の状態情報を含む管理情報を取得し、その取得した管理情報に基づいて自装置が管理している管理情報の内容を更新する手段の機能も果たす。
【0020】
また、上記制御装置10は、上記取得の動作を予め設定された条件を満たしたときに開始する手段の機能を果たす。
記憶装置11は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、制御装置10のCPUが実行するプログラム(図示を省略)、管理対象機器情報20、機器関連付情報21、機器管理装置情報22、及び仲介装置情報23を含む各種の情報を記憶する。
すなわち、記憶装置11は、機器情報作成部17によって作成した対応付情報を記憶装置11に記憶する記憶手段に相当する。
【0021】
図5は、図1の管理対象機器情報20のデータ内容の一例を示す図である。
管理対象機器情報20は、自装置に管理対象として登録された各画像形成装置2の各種の情報からなる機器情報マップである。すなわち、この管理対象機器情報20は管理情報に相当する。
この実施形態では、この管理対象機器情報20に含まれる項目は、他の機器管理装置1においても共通の場合を説明するが、一部の項目についてはそれぞれ異なっていても良い。
【0022】
図5に示すように、管理対象機器情報20には、この機器管理装置1が管理対象とする複数の画像形成装置2に関する各種の情報として、画像形成装置ID、モデル名、MACアドレス、IPアドレス、システム状態、更新日時、及び設置場所の各情報が含まれている。
画像形成装置IDは、画像形成装置2を識別するために付与された固有の識別情報であり、例えば、GA00−150001である。
また、モデル名は画像形成装置2の製品名称であり、例えば、プリンタ11である。
【0023】
さらに、MACアドレスは、画像形成装置2の通信制御を行う装置(例えば、ネットワークボード)に割り当てられたネットワーク上の固有のアドレスであり、例えば、11−11−11−11−XX−11である。
また、IPアドレスは、画像形成装置2に割り当てられたネットワーク上の固有のアドレスであり、例えば、192.168.X.2である。
さらに、システム状態は、画像形成装置2の動作状況(障害が生じた場合の障害状況も含む)等を示す状態情報であり、例えば、画像形成装置2の内部の各部が正常に動作している場合、正常を示す情報が記憶される。
【0024】
また、そのシステム状態の更新日時は、例えば、20xx.xx.xx yy:yyである。このxとyは変数であり、1以上の整数を示す。
上記システム状態と更新日時の情報は、機器管理装置1からの動作によって画像形成装置2から定期的に収集する場合や、画像形成装置2で障害が発生したときにその都度通知される場合に内容が更新される。
さらに、設置場所は、画像形成装置2が設置された場所を示す情報であり、例えば、入口横(部署の出入り口の横)である。
また、図示を省略するが、管理対象機器情報20には、上記情報の他にも、顧客環境特有の情報として、機器管理者情報、フロア情報及び事業所情報を含む。
【0025】
さらに、画像形成装置2の使用状況として、図示を省略するが、ジョブログ、アクセスログ、クライアントログ、キーカードログ、ユーザ別カウンタログも含む各情報を含めるようにしてもよい。
この管理対象機器情報20を参照することにより、管理対象の画像形成装置2に関する情報や画像形成装置2におけるシステム状態を知ることができる。例えば、管理者は、障害が発生していれば障害を解消するための対応策を素早くとることができる。
【0026】
図6は、図1の機器関連付情報21のデータ内容の一例を示す図である。
機器関連付情報21は、自装置における管理対象の画像形成装置2とその画像形成装置2を管理する他の機器管理装置1又は仲介装置4とを対応付ける機器情報マップである。
この機器関連付情報21のデータ内容は、他の機器管理装置1においても共通である。
すなわち、この機器関連付情報21は対応付情報に相当する。
なお、この機器関連付情報21を仲介装置4でも保持して管理するようにしてもよい。
【0027】
機器関連付情報21には、画像形成装置2とその画像形成装置を管理対象とする機器管理装置1又は仲介装置4の各特定情報をそれぞれ対応させて記憶している。
この実施形態では、特定情報として各装置の識別情報(ID)を用いた場合を示している。
図6に示すように、例えば、画像形成装置IDがGA00−150001である画像形成装置2を管理対象とする装置として、仲介装置IDがCHU1234−1234501である仲介装置4と、機器管理装置IDがKI3A88−123001である1台目の機器管理装置1と、機器管理装置IDがKI3A88−123002である2台目の機器管理装置1とがあった場合、それらのIDを対応付けて記憶している。
【0028】
この機器関連付情報21を参照することにより、LAN5の各画像形成装置2について、その画像形成装置2を管理対象とする機器管理装置1又は仲介装置4を特定することができ、機器管理装置1は、他の機器管理装置1又は仲介装置4から同じ管理対象の画像形成装置を含む管理対象機器情報を取得することができる。
【0029】
図7は、図1の機器管理装置情報22のデータ内容の一例を示す図である。
機器管理装置情報22は、機器管理装置1に関する各種の情報からなる機器情報マップである。
この機器管理装置情報22には、図7に示すように、LAN5上の各機器管理装置1の機器管理装置ID毎に、ホスト名と宛先情報であるMACアドレス及びIPアドレスと、その機器管理装置1のシステム状態を含む各情報を対応させて記憶している。
【0030】
例えば、機器管理装置IDがKI3A88−123001である機器管理装置1について、そのホスト名のxxxxAと、MACアドレスの00−00−00−01−XX−01と、IPアドレスの192.168.X.11と、システム状態が正常であることを示す各情報が記憶されている。
この機器管理装置情報22を参照することにより、LAN5上の他の機器管理装置1のIPアドレス、MACアドレスを特定することができ、その各機器管理装置1と容易に通信することができる。
【0031】
図8は、図1の仲介装置情報23のデータ内容の一例を示す図である。
仲介装置情報23は、仲介装置4に関する各種の情報からなる機器情報マップである。
この仲介装置情報23には、図8に示すように、LAN5上の各仲介装置4の仲介装置ID毎に、ホスト名と宛先情報であるMACアドレス及びIPアドレスと、その仲介装置4のシステム状態を含む各情報を対応させて記憶している。
【0032】
例えば、仲介装置IDがCHU1234−1234501である仲介装置4について、そのホスト名のyyyyAと、MACアドレスの00−00−00−01−YY−01と、IPアドレスの192.168.Y.11と、システム状態が正常であることを示す各情報を対応させて記憶している。
この仲介装置情報23を参照することにより、LAN5上の仲介装置4のIPアドレス、MACアドレスを特定することができ、その各仲介装置4と容易に通信することができる。
【0033】
図1に戻り、入力装置12は、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力装置であり、ユーザが様々な操作情報を入力するための装置である。
表示装置13は、CRT、LCDを含む表示装置であり、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する装置である。
通信装置14は、他の機器管理装置1、画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4とのLAN5を介した通信を制御する装置である。
【0034】
次に、画像形成装置2の構成を簡単に説明する。
図3は、図2に示した画像形成装置2の主要な構成を示す構成図である。
画像形成装置2は、制御装置30、操作表示装置31、記憶装置32、通信装置33、及びエンジン装置34を有し、30〜34の各装置はバス35を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
制御装置30は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、画像形成装置2の全体の制御を司り、画像読み取り、画像形成、搬送、エンジン装置34からのセンサの検知の通知に基いて自装置内の各部について各種の状態と障害を検出し、その状態情報と障害情報を機器管理装置1又は仲介装置4へ通知する処理も行う。
【0035】
この状態情報と障害情報の通知の処理については公知なので、詳しい説明を省略する。
操作表示部31は、ユーザが様々な操作情報を入力するための入力部と、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する表示部とからなるオペレーションパネルである。
記憶装置32は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、画像データ、機器管理装置1又は仲介装置を介した遠隔管理装置7で管理されるための各種の管理情報を含む各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0036】
通信装置33は、機器管理装置1、他の画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4とのLAN5を介した通信を制御する装置である。
エンジン装置34は、画像読み取りのスキャナエンジン、画像印刷のプリントエンジンを含み、画像読み取り、画像印刷時の画像形成、用紙の搬送を含む動作を行う。
また、エンジン装置34は、各所にセンサを備えており、その各センサにより画像読み取り、画像形成、及び搬送を含む各種の状態を検知して制御装置30に通知する。
【0037】
次に、仲介装置4の構成について説明する。
図4は、図2に示した仲介装置4の主要な構成を示す構成図である。
仲介装置4は、制御装置40、記憶装置41、入力装置42、表示装置43、及び通信装置44を有し、40〜44の各装置はバス45を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
制御装置40は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、仲介装置4の全体の制御を司り、画像形成装置2の管理のための状態情報を含む管理情報を取得して遠隔管理装置7へ通知する処理、機器管理装置1との管理情報を含む各種の情報のやり取りの制御処理を行う。
【0038】
この制御装置40は、LAN5の機器管理装置1からの要求に基いて自装置が管理している管理対象の画像形成装置2の特定情報を返信する手段の機能も果たす。
記憶装置41は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、画像形成装置2の管理のための管理情報、自仲介装置の情報を含む各種のデータを記憶する記憶装置である。
入力装置42は、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力装置であり、ユーザが様々な操作情報を入力するための装置である。
【0039】
表示装置43は、CRT、LCDを含む表示装置であり、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する装置である。
通信装置44は、機器管理装置1、画像形成装置2、及び情報処理装置3とのLAN5を介した通信と、遠隔管理装置7とのインターネット6を介した通信を制御する装置である。
制御装置40は、タイマによってコネクション開始間隔を測定し、コネクション開始の時間になると、遠隔管理装置7へコネクションを開始し、遠隔管理装置7から送信される管理コマンドを受信する。
【0040】
一方、取得起動に伴って、LAN5上を検索し、管理対象の画像形成装置2の管理情報、または、全ての画像形成装置2の管理情報を取得して管理する。
そして、遠隔管理装置7からの管理コマンドを解析し、その解析結果に応じた管理情報を遠隔管理装置7に送信する。
このようにして、LAN5の管理対象の画像形成装置2から、その画像形成装置2の管理のための管理情報を収集して遠隔管理装置7へ通知する処理を行う。
【0041】
次に、上記各機器管理装置1が機器関連付情報を作成して管理する処理について説明する。
図9は、図2に示す各機器管理装置1が機器関連付情報を作成して管理する処理を示すシーケンス図である。
この処理は、図2のLAN5に機器管理装置1が設置されていない場合、LAN5に機器管理装置1を設置した場合の処理である。
【0042】
この処理では、設置した内の1台の機器管理装置1が画像形成装置2と仲介装置4から必要な情報を取得し、その情報に基づいて自装置と自装置の管理対象の画像形成装置2とその画像形成装置2を管理対象とする仲介装置4とを対応させた機器関連付情報21を作成する。
その作成された機器関連付情報21は、他の機器管理装置1が取得して自装置の情報を追加し、再び取得先の機器管理装置1へ返送する。
【0043】
そして、機器関連付情報21を受信した機器管理装置1は、その受信した機器関連付情報21に基いて自装置内に管理している機器関連付情報21の内容を更新する。
こうして、LAN5内の各機器管理装置1間で繰り返し、全ての機器管理装置1が機器関連付情報21に自装置の特定情報を追加し、他の装置でも機器関連付情報21の更新をする。
その結果、各機器管理装置1は、それぞれ画像形成装置2とそれを管理対象とする機器管理装置1又は仲介装置4とを対応させた機器関連付情報21を保有することになる。
【0044】
図9に示すように、1台の機器管理装置1は、図1の機器情報取得部16が画像形成装置検索を実行し(図9中のa)し、通信装置14により自装置が管理対象とする画像形成装置2にアクセスして画像形成装置2から情報を取得する(図9中のb、c)。
上記アクセスでは、機器管理装置1は、予め管理対象として登録された各画像形成装置2のアドレス(例えば、MACアドレス又はIPアドレス)に基づいて直接アクセスして情報を要求しても良いし、ブロードキャストで各画像形成装置2に情報を要求し、各画像形成装置2から自装置に登録された管理対象の画像形成装置2のIDと対応する情報のみを取得するようにしても良い。
【0045】
この場合に取得する情報は、画像形成装置2のシステム状態の情報である。そのためには、画像形成装置2のモデル名、MACアドレス、IPアドレス、設置場所を含む各情報については、機器管理装置1側で設定されている必要がある。
また、上記各情報を画像形成装置2又は仲介装置4から取得するようにしても良い。
【0046】
次に、機器管理装置1は、図1の機器情報取得部16が仲介装置検索を実行し(図9中のd)、通信装置14によりLAN5の各仲介装置4にアクセスしてそれぞれ管理している情報を取得する(図9中のe、f)。
上記アクセスでは、機器管理装置1は、ブロードキャストで各仲介装置4に情報を要求し、各仲介装置4から情報を取得するようにすると良い。
この情報には、仲介装置4の特定情報(仲介装置ID、MACアドレス、IPアドレスを含む)と、管理対象の画像形成装置2を示す特定情報(画像形成装置ID、MACアドレス、IPアドレスを含む)を含む。
【0047】
次に、機器管理装置1は、図1の機器情報作成部17が画像形成装置検索及び仲介装置検索で取得した情報に基づいて機器関連付情報作成を実行し、図6に示した機器関連付情報21を作成する(図9中のg)。また、図7に示した機器管理装置情報と図8に示した仲介装置情報も作成する。
その作成した機器関連付情報21と機器管理装置情報22と仲介装置情報23を、図1の記憶装置11に記憶する。
この段階では、1台目の機器管理装置1とその管理対象の画像形成装置2とその画像形成装置2を管理対象とする仲介装置4の対応情報が記憶される。
【0048】
次に、他の機器管理装置1は、図1の機器情報取得部16が通信装置14を利用し、機器関連付情報21を記憶している機器管理装置1にアクセスして、管理している機器関連付情報21と機器管理装置情報22と仲介装置情報23を取得する(図9中のh)。
図1の機器情報作成部17は、その取得した機器関連付情報21に基いて自装置の機器関連付情報21と機器管理装置情報22と仲介装置情報23を作成する(図9中のi)。その後、機器情報更新部18が、作成した機器関連付情報21に自装置の情報を追加する機器関連付情報更新を実行する(図9中のj)。また、取得した機器管理装置情報22に自装置の情報を追加して機器管理装置情報22を更新する。
【0049】
この機器関連付情報更新の処理では、機器関連付情報21に自装置が管理対象とする画像形成装置2の画像形成装置IDに自装置の機器管理装置IDを対応させて登録する。
また、機器管理装置情報22の更新では、自装置の機器管理装置IDに対応させてホスト名、MACアドレス、IPアドレスを含む各情報を追加登録する。
上記更新が終了すると、図1の機器情報更新部18は、通信装置14を利用して機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23の取得先である機器管理装置1へ上記更新済みの機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を送信する(図9中のk)。
【0050】
機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を受信した機器管理装置1では、図1の機器情報更新部18が受信した機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23に基いて、図1の記憶装置11に記憶された機器関連付情報21、機器管理装置情報22の内容をそれぞれ更新する(図9中のl)。この段階で、他の機器管理装置1の情報も加わった内容にすることができる。
さらに、上述と同様にして、さらに他の機器管理装置1でも、図1の機器情報取得部16が通信装置14を利用し、最初に機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を記憶している機器管理装置1にアクセスし、管理している機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を取得する(図9中のm)。
【0051】
図1の機器情報作成部17は、その取得した機器関連付情報21と機器管理装置情報22と仲介装置情報23に基いて自装置の機器関連付情報21と機器管理装置情報22と仲介装置情報23を作成する(図9中のn)。その後、作成した機器関連付情報21に自装置の情報を追加する機器関連付情報更新を実行する(図9中のo)。また、取得した機器管理装置情報22に自装置の情報を追加して機器管理装置情報を更新する。
上記更新が終了すると、図1の機器情報更新部18は、通信装置14を利用して機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23の取得先である機器管理装置1へ上記更新済みの機器関連付情報21及び機器管理装置情報22を送信する(図9中のp)。
【0052】
機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を受信した機器管理装置1では、図1の機器情報更新部18が受信した機器関連付情報21、機器管理装置情報22に基いて、図1の記憶装置11に記憶された機器関連付情報21及び機器管理装置情報22の内容をそれぞれ更新する(図9中のq)。
その後、図1の機器情報更新部18は、通信装置14を利用して今回の更新内容が反映されていない機器管理装置1に更新後の機器関連付情報21及び機器管理装置情報22を送信する(図9中のr)。
【0053】
一方、更新後の機器関連付情報21及び機器管理装置情報22を受信した機器管理装置1は、機器情報更新部18が、それに基いて記憶装置11に記憶して管理している機器関連付情報21及び機器管理装置情報22の内容を更新する(図9中のs)。
このようにして、各機器管理装置1は、それぞれ画像形成装置2とそれを管理対象とする機器管理装置1又は仲介装置4とを対応させた機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23を作成して記憶することができる。
【0054】
この機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23に基いて各機器管理装置1はそれぞれ管理対象の画像形成装置2に直接にアクセスしなくてもシステム状態の情報を取得することができるので、LAN5における画像形成装置2の管理情報を収集するための通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
また、画像形成装置2の管理のために使用する機器関連付情報21、機器管理装置情報22及び仲介装置情報23の作成についても、各機器管理装置1間で情報をやり取りして作成するので、各機器管理装置1がそれぞれ他の機器管理装置1、画像形成装置2及び仲介装置4にアクセスして情報を収集する必要はないので、LAN5上の通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
【0055】
次に、各機器管理装置1が仲介装置4から情報を取得してから他の機器管理装置1と管理対象機器情報の内容を同期させる処理を説明する。
図10は、図2に示す各機器管理装置1が仲介装置4から情報を取得してから他の機器管理装置1と管理対象機器情報20の内容を同期させる処理のシーケンス図である。
この処理は、各機器管理装置1に対してそれぞれ動作開始の時刻又は時間間隔を設定し、その時刻毎又は時間毎に実行するようにすると良い。
【0056】
また、LAN5上の1台の機器管理装置1に対して仲介装置4から管理対象機器情報を取得するように設定し、他の機器管理装置1には機器管理装置1から取得した管理対象機器情報で更新するように設定すれば、LAN5における各機器管理装置1による通信のトラフィックを低減できる。
機器管理装置1は、図1の機器情報取得部16が、機器関連付情報21に基づいて自装置の管理対象の画像形成装置2を同じく管理対象としている仲介装置4を特定し、仲介装置情報23に基づいて仲介装置4にアクセスし、その仲介装置4から管理対象機器情報を取得する(図10中のa)。
【0057】
このシーケンス図では、説明を簡単にするために、1台の仲介装置4のみを示したが、LAN5には複数の仲介装置4があるので、他の全ての仲介装置4についても上述と同様にして管理対象機器情報を取得する。
仲介装置4から管理対象機器情報を取得すると、機器情報更新部18が記憶装置11に記憶されている管理対象機器情報20の内容を更新する(図10中のb)。
【0058】
この更新処理では、仲介装置4から取得した管理対象機器情報と自装置の保有する管理対象機器情報との内容の差分(更新日時の新しい方を採用する)の有無を検出し、その差分があったものについて自装置が管理している管理対象機器情報20を更新日時の新しい内容に更新する。
こうして、機器管理装置1は自装置が管理対象としている画像形成装置2にアクセスしなくても、仲介装置4を介して最新の内容に更新することができる。
したがって、LAN5における各機器管理装置1における管理対象の画像形成装置2から管理情報を収集するための通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
【0059】
次に、機器情報更新部18は、機器関連付情報21に基いて他の機器管理装置1に対する更新内容通知の可否を判断する。
この判断では、機器関連付情報21を参照し、自装置と対応している他の機器管理装置1を更新内容通知可と判断する(図10中のc)。
機器情報更新部18は、更新内容通知可と判断した機器管理装置1について、機器管理装置情報22に基いて更新内容通知可に該当する機器管理装置1に更新内容を通知する(図10中のd、f)。
【0060】
この更新内容通知では、更新した内容のみを通知しても良いし、更新後の管理対象機器情報20を通知するようにしても良い。
更新内容通知を受信した機器管理装置1では、図1の機器情報更新部18が自装置の記憶装置11に記憶して管理している管理対象機器情報20との内容の差分(更新日時の新しい方を採用する)の有無を検出し、その差分があったものについて自装置が管理している管理対象機器情報20を更新日時の新しい内容に更新する(図10中のe、g)。
【0061】
こうして、他の機器管理装置1についても、自装置が管理対象としている画像形成装置2にアクセスせずに最新の内容に更新することができる。
したがって、LAN5における各機器管理装置1における管理対象の画像形成装置2から管理情報を収集するための通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
【0062】
次に、各機器管理装置1間で管理対象機器情報の内容を同期させる処理を説明する。
図11は、図2に示す各機器管理装置1間で管理対象機器情報の内容を同期させる処理のシーケンス図である。
この処理は、LAN5上の1台の機器管理装置1に対して処理を開始するように設定し、他の機器管理装置1には機器管理装置1から取得した管理対象機器情報で更新するように設定すれば、LAN5における各機器管理装置1における管理対象の画像形成装置2から管理情報を収集するための通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
【0063】
機器管理装置1は、図1の機器情報取得部16が通信装置14を利用して、タイマの計測時刻が同期処理開始時刻になったことを検知すると(図11中のa)、機器関連付情報21に基づいて自装置の管理対象の画像形成装置2を同じく管理対象としている他の機器管理装置1を特定し、機器管理装置情報22に基づいて機器管理装置1にアクセスし、その機器管理装置1から管理対象機器情報を取得する(図11中のb、c)。
【0064】
他の機器管理装置1から管理対象機器情報を取得すると、機器情報更新部18が記憶装置11に記憶されている管理対象機器情報20を読み出す(図11中のd)。
その後、各管理対象機器の差分検出を実行する(図11中のe)。
この差分検出では、他の機器管理装置1から取得した管理対象機器情報20と自装置の保有する管理対象機器情報20との内容の差分(更新日時の新しい方を採用する)の有無を検出する。
そして、差分検出の結果に基いて、記憶装置11から読み出した管理対象機器情報20の内容を更新する(図11中のf)。
【0065】
この更新では、差分検出において更新日時の新しい内容である差分があれば、自装置の保有する管理対象機器情報20の更新日時の古い内容を新しい内容に更新する。
さらに、機器情報更新部18は、機器関連付情報21に基いて他の機器管理装置1に対する更新結果通知の可否を判断する。
この判断では、機器関連付情報21を参照し、自装置と対応している他の機器管理装置1を更新結果通知可と判断する。
機器情報更新部18は、更新結果通知可と判断した機器管理装置1に対して、機器管理装置情報22に基いて更新結果通知を送信する(図11中のg、i)。
【0066】
この更新結果通知では、更新した内容のみを通知しても良いし、更新後の管理対象機器情報20を通知するようにしても良い。
更新結果通知を受信した機器管理装置1では、図1の機器情報更新部18が自装置の記憶装置11の管理対象機器情報を更新する(図11中のh、j)。
この更新処理では、受信した管理対象機器情報20と自装置が管理している管理対象機器情報20との内容の差分(更新日時の新しい方を採用する)の有無を検出し、その差分があったものについて自装置が管理している管理対象機器情報20を更新日時の新しい内容に更新する。
【0067】
上述した管理対象機器情報20の更新処理について更に具体的に説明する。
図12は、図1の管理対象機器情報20の更新処理の説明に供するデータ例を示す図である。
説明を簡単にするため、管理対象機器情報20の画像形成装置ID、システム状態、更新日時の各情報のみを示している。
例えば、図12の(a)は、管理対象機器情報20の同期を開始する機器管理装置1が保有するデータ例であり、図12の(b)と(c)はそれぞれ他の機器管理装置1が保有する管理対象機器情報20のデータ例である。
【0068】
同期を開始する機器管理装置1は、自装置の保有する管理対象機器情報20と他の機器管理装置1が保有する管理対象機器情報20との差分を検出する。
この場合、画像形成装置IDがGAxx−xxxxAの画像形成装置については、最新の更新日時の20xx.06.01 10:30に、システム状態がジャム発生を記録しているので、差分有りと判断する。
また、画像形成装置IDがGAxx−xxxxCの画像形成装置については、最新の更新日時の20xx.06.01 10:20に、システム状態がトナーエンドを記録しているので、差分有りと判断する。
【0069】
さらに、同期を開始する機器管理装置1は、他の2台の機器管理装置1が保有する管理対象機器情報20に記憶されていない情報、この場合、画像形成装置IDがGAxx−xxxxDの画像形成装置についてのシステム状態と更新日時の情報を記憶しているので、これも差分有りと判断する。
その他の画像形成装置IDがGAxx−xxxxBの画像形成装置については差分無しと判断する。
図12の(d)は、上述した差分検出の結果を各画像形成装置の情報に対応させて示した図である。
【0070】
上述した差分検出の結果に基いて同期を開始する機器管理装置1は、自装置の保有する管理対象機器情報20を更新し、その更新後の内容は、図12の(e)に示すようになる。
更新後の管理対象機器情報20では、画像形成装置IDがGAxx−xxxxAの画像形成装置について、更新日時を20xx.06.01 10:30に、システム状態をジャム発生にそれぞれ更新し、画像形成装置IDがGAxx−xxxxCの画像形成装置について、更新日時を20xx.06.01 10:20に、システム状態をトナーエンドにそれぞれ更新する。
【0071】
上述した各機器管理装置1間で管理対象機器情報の内容を同期させる処理によれば、機器関連付情報21、機器管理装置情報22、及び仲介装置情報23の同期処理も同様のシーケンスで行うことができる。
この更新後の管理対象機器情報20に基いて他の2台の機器管理装置1が保有する管理対象機器情報20の内容も更新される。
こうして、他の機器管理装置1についても、自装置が管理対象としている画像形成装置2にアクセスせずに最新の内容に更新することができる。
【0072】
したがって、LAN5における各機器管理装置1における管理対象の画像形成装置2から管理情報を収集するための通信のトラフィックの負荷を削減することができる。
なお、この処理では、同期開始の条件を、タイマで計測した日時が予め設定した所定時刻になったときにした場合を説明したが、機器管理装置1の起動からタイマの計測時間が予め設定した所定時間が経過する毎に等も考えられる。
【0073】
この実施形態では、機器管理装置1が画像形成装置検索時に、すでに検索が終了している他の機器管理装置1から管理対象機器情報を取得することができる。
また、機器管理装置1が取得した管理対象機器情報を他の機器管理装置1に通知することができる。
さらに、機器管理装置1が管理対象機器情報を含む保有する情報の内容を更新する際に、他の機器管理装置1から該当する情報を取得して更新した後、その更新情報のみを取得先の機器管理装置1にフィードバックすることができる。
【0074】
こうして、複数の仲介装置4と複数の機器管理装置1が連携して、機器管理装置1、仲介装置4、画像形成装置2の機器関連付情報を持ち、その機器関連付情報の内容を更新して共有することができる。
したがって、機器管理装置1は機器関連付情報に基いて管理対象の画像形成装置2の検索、仲介装置4の検索、他の機器管理装置1の検索、各装置からの管理対象機器情報を含む各情報を収集するための通信のアクセスの頻度を低減し、ネットワークにおける機器管理のためのトラフィックの負荷を削減することができる。
【符号の説明】
【0075】
1:機器管理装置 2:画像形成装置 3:情報処理装置 4:仲介装置 5:LAN 6:インターネット 7:遠隔管理装置 10、30、40:制御装置 11、32、41:記憶装置 12、42:入力装置 13、43:表示装置 14、33、44:通信装置 15、35、45:バス 16:機器情報取得部 17:機器情報作成部 18:機器情報更新部 20:管理対象機器情報 21:機器関連付情報 22:機器管理装置情報 23:仲介装置情報 31:操作表示装置 34:エンジン装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開2006−11668号公報
【特許文献2】特開2009−32277号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続し、前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置であって、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の前記通信網での特定情報と該通信装置に管理対象として設定されている被管理装置の前記通信網での特定情報とを取得する取得手段と、
該取得手段によって他の通信装置から取得した該通信装置の前記通信網での特定情報と被管理装置の前記通信網での特定情報と自通信装置の前記通信網での特定情報と自通信装置が管理している管理対象の被管理装置の前記通信網での特定情報とに基いて、前記通信網の被管理装置と該被管理装置を管理対象とする自通信装置及び他の通信装置とを対応付ける対応付情報を作成する作成手段と、
該作成手段によって作成した対応付情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶している対応付情報の内容を他の通信装置から取得した対応付情報に基いて更新する更新手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶している対応付情報に基づいて自通信装置と対応付けられた他の通信装置から該通信装置が管理している被管理装置の状態情報を取得し、該取得した状態情報に基づいて自通信装置が管理している被管理装置の状態情報の内容を更新する手段とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
前記取得の動作を予め設定された条件を満たしたときに開始する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信網の他の通信装置から要求された場合、自通信装置に管理対象として設定された被管理装置の前記通信網での特定情報を返信する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項6】
通信網に被管理装置と前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置とが接続された通信システムであって、
前記通信装置は、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の前記通信網での特定情報と該通信装置に管理対象として設定されている被管理装置の前記通信網での特定情報とを取得する取得手段と、
該取得手段によって他の通信装置から取得した該通信装置の前記通信網での特定情報と被管理装置の前記通信網での特定情報と自通信装置の前記通信網での特定情報と自通信装置が管理している管理対象の被管理装置の前記通信網での特定情報とに基いて、前記通信網の被管理装置と該被管理装置を管理対象とする自通信装置及び他の通信装置とを対応付ける対応付情報を作成する作成手段と、
該作成手段によって作成した対応付情報を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項7】
通信網に接続し、前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置を制御するコンピュータに、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の前記通信網での特定情報と該通信装置に管理対象として設定されている被管理装置の前記通信網での特定情報とを取得する取得機能と、該取得機能によって他の通信装置から取得した通信装置の前記通信網での特定情報と被管理装置の前記通信網での特定情報と自通信装置の前記通信網での特定情報と自通信装置が管理している管理対象の被管理装置の前記通信網での特定情報とに基いて、前記通信網の被管理装置と該被管理装置を管理対象とする自通信装置及び他の通信装置とを対応付ける対応付情報を作成する作成機能と、該作成機能によって作成した対応付情報を記憶する記憶機能とを実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−37544(P2013−37544A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173255(P2011−173255)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】